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特許7366013オレフィン-オレフィンアルコール共重合体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】オレフィン-オレフィンアルコール共重合体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 210/00 20060101AFI20231013BHJP
   C08F 216/04 20060101ALI20231013BHJP
   C08F 4/70 20060101ALI20231013BHJP
   C08F 2/38 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
C08F210/00
C08F216/04
C08F4/70
C08F2/38
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020523316
(86)(22)【出願日】2018-10-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2018111683
(87)【国際公開番号】W WO2019080876
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】201711008112.1
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】510016575
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司北京化工研究院
【氏名又は名称原語表記】BEIJING RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL INDUSTRY,CHINA PETROLEUM & CHEMICAL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】NO.14,BEISANHUAN EAST ROAD,CHAOYANG DISTRICT,BEIJING 100013,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高榕
(72)【発明者】
【氏名】郭子芳
(72)【発明者】
【氏名】周俊領
(72)【発明者】
【氏名】劉東兵
(72)【発明者】
【氏名】傅捷
(72)【発明者】
【氏名】頼菁菁
(72)【発明者】
【氏名】黄廷傑
(72)【発明者】
【氏名】徐世媛
(72)【発明者】
【氏名】李欣陽
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-008230(JP,A)
【文献】特開平03-290445(JP,A)
【文献】国際公開第2016/058559(WO,A1)
【文献】特表2017-532345(JP,A)
【文献】特表2003-535107(JP,A)
【文献】特開2017-165863(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101531725(CN,A)
【文献】特開2002-145947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0156207(US,A1)
【文献】特開昭59-080413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00-246/00
C08F301/00
C08F 4/00- 4/82
C08F 2/00- 2/60
C08L 1/00-101/16
C08K 3/00- 13/08
C08C 19/00- 19/44
C08J 9/00- 9/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状及び/又は略球状の共重合体の粒子を含み、かつ、少なくとも一部の球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の内部に空洞を有するオレフィン-オレフィンアルコール共重合体粒子であって、
前記共重合体粒子は、オレフィンから誘導される構造単位と、式Iで表されるオレフィンアルコールから誘導される構造単位とを含み、
【化1】

式I中、L1~L3はそれぞれ独立にH又はC~C30のアルキル基から選択され、L4は側基を有するC~C30のアルキレン基である、共重合体粒子
【請求項2】
前記式I中、前記C~C30のアルキル基は任意選択的に置換基で置換され、前記置換基はハロゲン、C~C10のアルキル基、C~C10のアルコキシ基、C~C10のアリール基、シアノ基及びヒドロキシ基から選択される1種又は複数種であり、及び/又は前記側基はハロゲン、C~C20のアリール基、C~C20のアルキル基及びC~C20のアルコキシ基から選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体粒子
【請求項3】
前記式I中、L1及びL2はHであり、L3はH、C ~C 10 のアルキル基及びハロゲンで置換されたC ~C 10 のアルキル基から選択され、L4は側基を有するC ~C 10 のアルキレン基であり、前記側基はハロゲン、C ~C 10 のアリール基及びC ~C 10 のアルキル基から選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項1または2に記載の共重合体粒子。
【請求項4】
前記球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の密度は、0.3000~0.7500g/cmであり、前記密度はGB/T6343-2009を採用して測定されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の共重合体粒子
【請求項5】
前記球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の密度は、0.4000~0.6500g/cm であることを特徴とする請求項4に記載の共重合体粒子。
【請求項6】
前記球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の平均粒径は0.1~50.0mmであり、及び/又は、空洞を有する球状及び/又は略球状の共重合体の粒子における空洞の体積は、球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の体積の5~99%であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の共重合体粒子
【請求項7】
空洞を有する球状及び/又は略球状の共重合体の粒子における空洞の体積は、球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の体積の30~95%であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の共重合体粒子。
【請求項8】
空洞を有する球状及び/又は略球状の共重合体の粒子における空洞の体積は、球状及び/又は略球状の共重合体の粒子の体積の50~90%であることを特徴とする請求項7に記載の共重合体粒子。
【請求項9】
前記球状及び/又は略球状の共重合体の粒子には、微小球粒子が分布しており、共重合体粒子の全体質量に対して、前記微小球粒子の含有量は5~70wt%であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の共重合体粒子
【請求項10】
前記球状及び/又は略球状の共重合体の粒子には、微小球粒子が分布しており、共重合体粒子の全体質量に対して、前記微小球粒子の含有量は10~50wt%であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の共重合体粒子。
【請求項11】
前記微小球粒子の平均粒径は、0.1~5.0μmであることを特徴とする請求項9または10に記載の共重合体粒子
【請求項12】
前記微小球粒子の平均粒径は、0.3~3.0μmであることを特徴とする請求項11に記載の共重合体粒子。
【請求項13】
前記共重合体粒子において、式Iで表されるオレフィンアルコールから誘導される構造単位の含有量は、0.4~30.0mol%であることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の共重合体粒子
【請求項14】
前記共重合体粒子において、式Iで表されるオレフィンアルコールから誘導される構造単位の含有量は、0.7~10.0mol%であることを特徴とする請求項13に記載の共重合体粒子。
【請求項15】
前記オレフィンから誘導される構造単位は、C~C16のα-オレフィンから誘導される構造単位及びC~C16のシクロオレフィンから誘導される構造単位から選択されることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の共重合体粒子
【請求項16】
前記α-オレフィン又はシクロオレフィンは、モノオレフィンであることを特徴とする請求項15に記載の共重合体粒子。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか1項に記載のオレフィン-オレフィンアルコール共重合体粒子の製造方法であって、アルカン溶媒の存在下で、オレフィンと式IIで表されるオレフィンアルコールを、触媒及び任意選択的な連鎖移動剤と接触反応させて前記共重合体粒子が得られることを含み、
【化2】

ただし、L1~L4の定義は、式IにおけるL1~L4と同義であり、
前記触媒は主触媒と助触媒を含み、主触媒は式IVで表される金属錯体から選択される少なくとも1種であり、
【化3】

式IV中、R~R10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C~C24の炭化水素基又はC~C24のヒドロカルビルオキシ基から選択され、R~R、R、R10は任意選択的に相互に環を形成し、R~R、R、Rは任意選択的に相互に環を形成し、MはVIII族金属であり、Xはハロゲン、炭化水素基及びヒドロカルビルオキシ基から選択される1種又は複数種であり、nはM価を満たす整数である。
【請求項18】
式IV中、R~R10はHであり、R~Rは同一又は異なって、それぞれ独立にH又はC~Cのアルキル基から選択されることを特徴とする請求項17に記載の製造方法。
【請求項19】
前記Mはニッケルであることを特徴とする請求項17または18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記助触媒は、有機アルミニウム化合物及び/又は有機ホウ素化合物から選択され、
前記有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、及びアルキルアルミニウムハライドから選択される1種又は複数種であり、
及び/又は、前記有機ホウ素化合物は芳香族炭化水素基ホウ素及び/又はホウ酸塩から選択されることを特徴とする請求項17~19のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項21】
前記主触媒の反応系中の濃度は、0.00001~100mmol/Lであり、
前記助触媒が有機アルミニウム化合物である場合、前記助触媒におけるアルミニウムと前記主触媒におけるMとのモル比は、(10~10000000):1であり、
前記助触媒が有機ホウ素化合物である場合、前記助触媒におけるホウ素と前記主触媒におけるMとのモル比は、(0.1~1000):1であることを特徴とする請求項17~20のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項22】
前記連鎖移動剤は、アルキルアルミニウム、アルキルマグネシウム及びアルキル亜鉛から選択される1種又は複数種であることを特徴とする請求項17~21のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項23】
前記連鎖移動剤は、トリアルキルアルミニウム及び/又はジアルキル亜鉛であることを特徴とする請求項22に記載の製造方法。
【請求項24】
前記連鎖移動剤と主触媒におけるMとのモル比は(0.1~2000):1であることを特徴とする請求項17~23のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項25】
式IIで表されるオレフィンアルコール単量体の反応系中の濃度は0.01~6000mmol/Lであることを特徴とする請求項17~24のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項26】
反応の条件は、反応の温度が-50℃~50℃であり、及び/又は、反応の時間が10~200minであることを含むことを特徴とする請求項17~25のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項27】
請求項1~16のいずれか1項に記載の共重合体粒子又は請求項17~26のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた共重合体粒子の発泡ポリオレフィン材料としての適用。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、2017年10月24日に提出された、名称が「オレフィン-オレフィンアルコールポリマー及びその製造方法」である中国特許出願CN201711008112.1の優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、オレフィン重合の技術分野に属し、オレフィン-オレフィンアルコール共重合体及びその製造方法に関する。
【0003】
〔背景技術〕
ポリオレフィン製品は、安価で性能に優れ、適用範囲が広い。ポリオレフィンの元来の優れた物理的化学的性能を保持したまま、極性基を化学合成方法によりポリオレフィンの分子鎖に導入すると、その化学的不活性、捺染性、濡れ性及び他の材料との相溶性を改善し、その原料が具備しない新たな特性を付与することができる。現在、産業上において、高圧ラジカル重合を用いて、オレフィンと極性モノマーとの直接共重合を促進することが多く、例えば、エチレン-酢酸ビニル、エチレン-メタクリル酸メチル、エチレン-アクリル酸共重合体ではいずれもこの方法が使われている。高圧ラジカル共重合では共重合極性モノマーを直接ポリオレフィン鎖に導入することができるが、この方法は高温高圧条件が必要であり、エネルギー消費が高く、設備費用が高価である。
【0004】
エチレン-ビニルアルコール(EVOH又はEVAL)共重合体は、エチレン重合体の加工性とビニルアルコール重合体のガスバリア性とが一体された新規な高分子材料であり、現在世界中で工業化生産されている三大バリア樹脂の一つであり、食品の包装、医療用溶液及びその他の製品に広く用いられている。ビニルアルコールは単量体の形で独立して存在することができないため、通常、エチレン-酢酸ビニルのラジカル重合によって生成され、共重合体はアルコーリシス反応によって製造されるが、そのアルコーリシス反応において大量の溶媒を使用する必要があり、また最終的な鹸化生成物には大量の酢酸やアルカリ金属塩などの不純物が含まれ、大量の水で洗浄する必要がある。
【0005】
配位触媒共重合は、常温常圧下のポリマーの製造技術として、エネルギー消費を低減させ、反応効率を向上させるなどの点で顕著な作用を有することによって注目されている。触媒が反応過程に関与することによりオレフィンモノマーと極性モノマーとの共重合反応活性化能が大幅に低下し、それにより低い温度及び圧力で高い分子量を有する機能ポリマーを得ることに有利である。従来、遷移金属錯体触媒によるオレフィンと不飽和アルコールとの共重合についての文献報告が僅かであった。しかしながら、従来技術では、どのような方法で重合を行っても、得られたポリマーは粘稠な塊状固体となり、重合設備にスケールが生じやすく、ポリマーの輸送、溶媒除去、造粒等に困難を伴う。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明は、オレフィン-オレフィンアルコール共重合体であって、当該共重合体は球状及び/又は略球状のポリマーを含み、当該球状及び/又は略球状のポリマーはオレフィンとオレフィンアルコールとが直接重合すれば得られ、造粒等の後加工を経ることなく、ポリマーの形態が良く、良好な産業適用性がある、オレフィン-オレフィンアルコール共重合体を提供する。
【0007】
本発明の第1の側面によれば、球状及び/又は略球状のポリマーを含む、オレフィン-オレフィンアルコール共重合体を提供する。
【0008】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記共重合体は、少なくとも一部の球状及び/又は略球状のポリマーの内部に空洞を有する。
【0009】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体は、オレフィンから誘導される構造単位と、式Iで表されるオレフィンアルコールから誘導される構造単位とを含む。
【0010】
【化1】
【0011】
式I中、L1~L3はそれぞれ独立にH又はC~C30のアルキル基から選択され、L4は側基を有するC~C30のアルキレン基であり、前記C~C30のアルキル基は任意選択的に置換基で置換され、好ましくは前記置換基はハロゲン、C~C10のアルキル基、C~C10のアルコキシ基、C~C10のアリール基、シアノ基及びヒドロキシ基から選択される1種又は複数種である。
【0012】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記L4における側基はハロゲン、C~C20のアリール基、C~C20のアルキル基及びC~C20のアルコキシ基から選択される1種又は複数種であり、前記C~C20のアリール基、C~C20のアルキル基及びC~C20のアルコキシ基は任意選択的に置換基で置換され、好ましくは前記置換基はハロゲン、C~C10のアルキル基、C~C10のアルコキシ基、C~C10のアリール基及びヒドロキシ基から選択される1種又は複数種である。
【0013】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記L4における側基はハロゲン、C~C20のアリール基、C~C20のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC~C20のアルキル基、及びアルコキシ基で置換されたC~C20のアルキル基から選択される1種又は複数種であり、好ましくは、前記側基はハロゲン、C~C20のアリール基、C~C10のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC~C10のアルキル基、及びアルコキシ基で置換されたC~C10のアルキル基から選択される1種又は複数種であり、より好ましくは、前記側基はハロゲン、フェニル基、C~Cのアルキル基及びヒドロキシ基で置換されたC~Cのアルキル基から選択される1種又は複数種であり、前記C~Cのアルキル基にはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、及びヘキシル基が含まれる。
【0014】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式I中、L1及びL2はHであり、L3はH又はC~C30のアルキル基であり、L4は側基を有するC~C30のアルキレン基であり、前記C~C30のアルキル基は、任意選択的に置換基で置換され、好ましくは前記置換基はハロゲン、C~C10のアルキル基、C~C10のアルコキシ基、C~C10のアリール基、シアノ基及びヒドロキシ基から選択される1種又は複数種である。
【0015】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式I中、L1及びL2はHであり、L3はH、C~C10のアルキル基又はハロゲンで置換されたC~C10のアルキル基であり、好ましくはL3はH又はC~C10のアルキル基であり、L4は側基を有するC~C20のアルキレン基、例えばL4は側基を有するメチレン基、側基を有するエチレン基、側基を有するプロピレン基、側基を有するブチレン基、側基を有するCアルキレン基、側基を有するCアルキレン基、側基を有するCアルキレン基、側基を有するCアルキレン基、側基を有するCアルキレン基、側基を有するC10アルキレン基、側基を有するC12アルキレン基、側基を有するC14アルキレン基、側基を有するC18アルキレン基、側基を有するC20アルキレン基であり、好ましくは側基を有するC~C10アルキレン基である。
【0016】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式I中、L1及びL2はHであり、L3はH又はC~Cのアルキル基であり、L4は側基を有するC~C10のアルキレン基である。
【0017】
本発明において、Cnアルキレン基の炭素数nは、直鎖上のCの個数を意味し、側基上のCの数を含まない。例えば、イソプロピリデン基(-CH-CH(CH)-)は、本明細書において、側基(メチル基)を有するCアルキレン基と称する。
【0018】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記球状及び/又は略球状のポリマーの密度は、0.3000~0.7500g/cmであり、例えば、0.3000g/cm、0.3500g/cm、0.4000g/cm、0.4500g/cm、0.5000g/cm、0.5500g/cm、0.6000g/cm、0.6500g/cm、0.7000g/cm、0.7500g/cm及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは0.4000~0.6500g/cmであり、前記密度はGB/T6343-2009における方法を採用して測定される。
【0019】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記球状及び/又は略球状のポリマーの平均粒径は0.1~50.0mmであり、例えば、0.1mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm、3.0mm、5.0mm、8.0mm、10.0mm、15.0mm、20.0mm、25.0mm、30.0mm、35.0mm、40.0mm、45.0mm、50.0mm及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは0.5~20.0mmである。
【0020】
本発明の好ましい実施の態様によれば、内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーにおける空洞の体積は、球状及び/又は略球状のポリマーの体積の5~99%であり、例えば5%、8%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは30~95%であり、より好ましくは50~90%である。
【0021】
本発明の好ましい実施の態様によれば、内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーは、コア-シェル構造のポリマーであり、そのうち、空洞がコアとなり、空洞を被覆するポリマー層がシェルとなる。本発明の好ましい実施の態様によれば、前記空洞は、球状及び/又は略球状である。
【0022】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記球状及び/又は略球状のポリマーには、微小球粒子が分布している。
【0023】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記共重合体の全体重量に対して、前記微小球粒子の含有量は5~70wt%であり、例えば、5wt%、8wt%、10wt%、15wt%、20wt%、25wt%、30wt%、35wt%、40wt%、45wt%、50wt%、60wt%、70wt%及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは10~50wt%である。
【0024】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記微小球粒子の平均粒径は、0.1~5.0μmであり、例えば、0.1μm、0.3μm、0.5μm、0.8μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、2.5μm、3.0μm、3.5μm、4.0μm、4.5μm、5.0μm及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは0.3~3.0μmである。
【0025】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体の融点は、45~130℃であり、例えば45℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃及びそれらの間の任意の値である。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体において、式Iで表される構造単位の含有量は、0.4~30.0mol%であり、例えば0.4mol%、0.5mol%、0.7mol%、0.8mol%、1.0mol%、1.5mol%、2.0mol%、5.0mol%、8.0mol%、10.0mol%、15.0mol%、20.0mol%、25.0mol%、30.0mol%及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは0.7~10.0mol%である。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体の重量平均分子量は、30000~500000、好ましくは33000~470000である。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体の分子量分布≦4.0であり、例えば、0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0及びそれらの間の任意の値であってもよく、分子量分布は1.0~4.0であることが好ましい。
【0029】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記オレフィンから誘導される構造単位は、C~C16のオレフィンから誘導される構造単位を含み、C~C16のα-オレフィン又はC~C16のシクロオレフィンから誘導される構造単位であることが好ましい。
【0030】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記α-オレフィン又はシクロオレフィンは、モノオレフィンである。例えば、前記オレフィンから誘導される構造単位は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、及び1-オクテンから誘導される1種又は複数種の構造単位であってもよい。
【0031】
本発明の他の側面によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体の製造方法であって、アルカン溶媒の存在下で、オレフィンと式IIで表されるオレフィンアルコールを、触媒及び任意選択的な連鎖移動剤と接触反応させて前記共重合体が得られることを含む、製造方法を提供する。
【0032】
【化2】
【0033】
ただし、式IIにおけるL1~L4の定義は、式IにおけるL1~L4と同義である。
【0034】
前記触媒は主触媒と助触媒を含み、主触媒は式IIIで表される金属錯体である。
【0035】
【化3】
【0036】
式III中、R及びR10は、それぞれ独立に、置換又は無置換の炭化水素基から選択され、R~Rは、同一又は異なって、それぞれ独立に、H、ハロゲン、置換又は無置換のC~C20の炭化水素基から選択され、R~Rは任意選択的に相互に環を形成し、MはVIII族金属であり、Xはハロゲン、炭化水素基及びヒドロカルビルオキシ基から選択される1種又は複数種であり、好ましくはハロゲン及びC~C10のアルキル基のうちの1種又は複数種であり、nはM価を満たす整数である。
【0037】
本発明の好ましい実施の態様によれば、R及びR10は、それぞれ独立に、置換又は無置換のアリール基もしくは置換又は無置換のアラルキル基から選択され、好ましくは置換又は無置換のC~C30のアリール基もしくは置換又は無置換のC~C30のアラルキル基から選択される。好ましくは、R及びR10は、それぞれ独立に、C~C10の炭化水素基又はC~C10のヒドロカルビルオキシ基で置換されたC~C30のアリール基から選択され、好ましくはC~C10の炭化水素基又はC~C10のヒドロカルビルオキシ基で置換されたフェニル基であり、より好ましくはC~C10のアルキル基又はC~C10のアルコキシ基で置換されたフェニル基から選択され、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、イソブチル、n-ブチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n-プロポキシ、イソブトキシ、n-ブトキシ及び/又はt-ブトキシで置換されたフェニル基である。
【0038】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式III中、R~Rは、同一又は異なって、それぞれ独立に、H又はC~C20の炭化水素基から選択され、R~Rは、任意選択的に相互に環を形成する。好ましくは、R~Rは、同一又は異なって、それぞれ独立に、H又はC~Cのアルキル基から選択され、好ましくは、R及びRは結合して環を形成する。
【0039】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記主触媒は、式IVで表される金属錯体である。
【0040】
【化4】
【0041】
式IV中、R~R10は、同一又は異なって、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C~C24の炭化水素基又はC~C24のヒドロカルビルオキシ基から選択され、R~R、R、R10は任意選択的に相互に環を形成し、R~R、R、Rは任意選択的に相互に環を形成し、M、X及びnは式IIIと同義である。
【0042】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式III及び式IVにおいて、前記Mはニッケルである。
【0043】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記Xはハロゲンであり、好ましくはBr又はClである。
【0044】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式IV中、R~R10は同一又は異なって、それぞれ独立に、H又はC~C10のアルキル基から選択され、好ましくはH又はC~Cのアルキル基から選択される。好ましくは、R~R10はHであり、R~Rは同一又は異なって、それぞれ独立にH又はC~Cのアルキル基から選択され、より好ましくは、R~R10はHであり、R~Rは同一又は異なって、それぞれ独立にH又はC~Cのアルキル基(メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基及びブチル基を含む)から選択される。
【0045】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記主触媒は、以下の錯体から選ばれる1種又は複数種である。
錯体1、式IVにおいて、R~Rはいずれもメチル基であり、R~R10はHである。
錯体2、式IVにおいて、R~Rはいずれもエチル基であり、R~R10はHである。
錯体3、式IVにおいて、R~Rはいずれもイソプロピル基であり、R~R10はHである。
錯体4、式IVにおいて、R~Rはいずれもn-プロピル基であり、R~R10はHである。
錯体5、式IVにおいて、R~Rはいずれもブチル基であり、R~R10はHである。
錯体6、式IVにおいて、R、R、R、Rはいずれもメチル基であり、R、R、R~R10はいずれもHである。
錯体7、式IVにおいて、R、R、R、Rはいずれもエチル基であり、R、R、R~R10はいずれもHである。
錯体8、式IVにおいて、R、R、R、Rはいずれもn-プロピル基であり、R、R、R~R10はいずれもHである。
錯体9、式IVにおいて、R、R、R、Rはいずれもイソプロピル基であり、R、R、R~R10はいずれもHである。
錯体10、式IVにおいて、R、R、R、Rはいずれもブチル基であり、R、R、R~R10はいずれもHである。
【0046】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記主触媒は、式aで表される化合物、式bで表される化合物及び式cで表される化合物から選択される少なくとも1種である。
【0047】
【化5】
【0048】
式a~式c中、XはBr又はClを表す。
【0049】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記主触媒は、式a1で表される化合物、式b1で表される化合物及び式c1で表される化合物から選択される少なくとも1種である。
【0050】
【化6】
【0051】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記助触媒は、有機アルミニウム化合物及び/又は有機ホウ素化合物から選択される。
【0052】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記有機アルミニウム化合物は、アルキルアルミノキサン、又は一般式がAlR 3-nである有機アルミニウム化合物(アルキルアルミニウム又はアルキルアルミニウムハライド)から選択され、一般式AlR 3-nにおいて、RはH、C~C20の炭化水素基又はC~C20のヒドロカルビルオキシ基であり、好ましくはC~C20のアルキル基、C~C20のアルコキシ基、C~C20のアラルキル基又はC~C20のアリール基であり、Xはハロゲンであり、好ましくは塩素又は臭素であり、0<n≦3。前記有機アルミニウム化合物の具体例には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、モノヒドロジエチルアルミニウム、モノヒドロジイソブチルアルミニウム、モノクロロジエチルアルミニウム、モノクロロジイソブチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロライド、ジクロロエチルアルミニウム、メチルアルミノキサン(MAO)、及び修飾メチルアルミノキサン(MMAO)が含まれるが、これらに限定されるものではない。好ましくは、前記有機アルミニウム化合物はメチルアルミノキサン(MAO)である。
【0053】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記有機ホウ素化合物は、芳香族炭化水素基ホウ素及び/又はホウ酸塩から選択される。前記芳香族炭化水素基ホウ素は、置換又は無置換のフェニルボロンであることが好ましく、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンであることがより好ましい。前記ホウ酸塩は、N,N-ジメチルアニリニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート及び/又はトリフェニルメチリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートであることが好ましい。
【0054】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記主触媒の反応系中の濃度は、0.00001~100mmol/Lであり、例えば、0.00001mmol/L、0.00005mmol/L、0.0001mmol/L、0.0005mmol/L、0.001mmol/L、0.005mmol/L、0.01mmol/L、0.05mmol/L、0.1mmol/L、0.3mmol/L、0.5mmol/L、0.8mmol/L、1mmol/L、5mmol/L、8mmol/L、10mmol/L、20mmol/L、30mmol/L、50mmol/L、70mmol/L、80mmol/L、100mmol/L及びそれらの間の任意の値であってもよく、好ましくは0.0001~1mmol/Lであり、より好ましくは0.001~0.5mmol/Lである。
【0055】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記助触媒が有機アルミニウム化合物である場合、前記助触媒におけるアルミニウムと前記主触媒におけるMとのモル比は、(10~10000000):1であり、例えば、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1000:1、2000:1、3000:1、5000:1、10000:1、100000:1、1000000:1、10000000:1及びそれらの間の任意の値であり、(10~100000):1であることが好ましく、(100~10000):1であることがより好ましい。前記助触媒が有機ホウ素化合物である場合、前記助触媒におけるホウ素と前記主触媒におけるMとのモル比は、(0.1~1000):1であり、例えば、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、5:1、8:1、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、700:1、800:1、1000:1及びそれらの間の任意の値であり、(0.1~500):1であることが好ましい。
【0056】
本発明のいくつかの実施の態様においては、前記オレフィンはエチレン又は炭素数3~16のα-オレフィンである。
【0057】
本発明の他のいくつかの実施の態様においては、前記オレフィンはC~C16の環状オレフィンであり、好ましくは5員環又は6員環である。
【0058】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式II中、L1~L3は、それぞれ独立に、H、C~C30の直鎖アルキル基、C~C30の分岐アルキル基、及びC~C30のシクロアルキル基から選択される。
【0059】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式IIで表されるオレフィンアルコールの具体例として、2-メチル-3-ブテン-1-オール、2-エチル-3-ブテン-1-オール、1,1-ジフェニル-3-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-2-オール、2,2-ジメチル-3-ブテン-1-オール、3-メチル-1-ペンテン-3-オール、2,4-ジメチル-4-ペンテン-2-オール、4-アルケニル-2-ペンタノール、4-メチル-4-ペンテン-2-オール、2-メチル-4-ペンテン-2-オール、2-フェニル-4-ペンテン-2-オール、2-アリルヘキサフルオロイソプロパノール、2-ヒドロキシ-5-ヘキセン、3-ブテン-2-オール、3-メチル-5-ヘキセン-3-オール、2-メチル-2-ヒドロキシ-5-ヘキセン、1-アリルシクロヘキサノール、2,3-ジメチル-2-ヒドロキシ-5-ヘキセン、1-ヘプテン-4-オール、4-メチル-1-ヘプテン-4-オール、4-n-プロピル-1-ヘプチル-4-オール、6-ヘプテン-3-オール、2-メチル-2-ヒドロキシ-6-ヘプテン、5-メチル-2-ヒドロキシ-6-ヘプテン、2-ヒドロキシ-3-メチル-6-ヘプテン、2-ヒドロキシ-3-エチル-6-ヘプテン、2-ヒドロキシ-4-メチル-6-ヘプテン、2-ヒドロキシ-5-メチル-6-ヘプテン、2,5-ジメチル-1-ヘプテン-4-オール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2-ヒドロキシ-2,4,5-トリメチル-6-ヘプテン、2-メチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、3-メチル-3-ヒドロキシ-6-ヘプテン、2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、3-メチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、4-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、4-メチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、5-メチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、6-メチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、3-エチル-3-ヒドロキシ-7-オクテン、1,2-ジヒドロキシ-7-オクテン、2,6-ジメチル-2,6-ジヒドロキシ-7-オクテン、2,6-ジメチル-2,3-ジヒドロキシ-7-オクテン、2-メチル-2-ヒドロキシ-3-クロロ-7-オクテン、2-メチル-2-ヒドロキシ-3,5-ジクロロ-7-オクテン、3,4-ジメチル-4-ヒドロキシ-8-ノネン、4-メチル-4-ヒドロキシ-8-ノネン、4-エチル-4-ヒドロキシ-8-ノネン、4-プロピル-4-ヒドロキシ-8-ノネン、7-オクテン-2-オール、3,5-ジクロロ-2-メチル-7-オクテン-2-オール、3-クロロ-2-メチル-7-オクテン-2,3-ジオール、及び2,6-ジメチル-7-オクテン-2,6-ジオールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
本発明の好ましい実施の態様によれば、式IIで表されるオレフィンアルコールの反応系中の濃度は0.01~6000mmol/L、好ましくは0.1~1000mmol/Lであり、より好ましくは1~500mmol/Lであり、例えば、1mmol/L、10mmol/L、20mmol/L、30mmol/L、50mmol/L、70mmol/L、90mmol/L、100mmol/L、200mmol/L、300mmol/L、400mmol/L、500mmol/L及びそれらの間の任意の値であってもよい。
【0061】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記連鎖移動剤は、アルキルアルミニウム、アルキルマグネシウム及びアルキル亜鉛から選択される1種又は複数種である。
【0062】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記連鎖移動剤は、トリアルキルアルミニウム及び/又はジアルキル亜鉛であり、好ましくはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、ジメチル亜鉛及びジエチル亜鉛から選択される1種又は複数種である。
【0063】
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記連鎖移動剤と主触媒におけるMとのモル比は(0.1~2000):1であり、例えば、0.1:1、0.2:1、0.5:1、1:1、2:1、3:1、5:1、8:1、10:1、20:1、50:1、100:1、200:1、300:1、500:1、600:1、800:1、1000:1、2000:1及びそれらの間の任意の値であり、好ましくは(10~600):1である。
【0064】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記アルカン溶媒は、C~C20のアルカンから選択される1種又は複数種であり、例えば、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンから選択される1種又は複数種であってもよく、好ましくはヘキサン、ヘプタン及びシクロヘキサンのうちの1種又は複数種である。
【0065】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記オレフィンアルコールは予め脱活性水素前処理を行い、好ましくは、上述した助触媒又は連鎖移動剤を使用して前記オレフィンアルコールに対して前処理を行うことでオレフィンアルコール中のヒドロキシ活性水素を除去する。好ましくは、前処理の過程において、オレフィンアルコール中のヒドロキシ基と助触媒又は連鎖移動剤とのモル比は、10:1~1:10である。
【0066】
本発明の好ましい実施の態様によれば、前記反応は、無水無酸素の条件下で行われる。
【0067】
本発明の好ましい実施の態様によれば、反応の条件は、反応の温度が-50℃~50℃、好ましくは-20~50℃、より好ましくは0~50℃であり、例えば0℃、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃及びそれらの間の任意の数値であってもよく、及び/又は、反応の時間が10~200min、好ましくは20~60minであることを含む。本願発明者らは、上記温度範囲において、球状及び/又は略球状のポリマーを製造するのに有利であることを見出した。
【0068】
本発明において、反応の圧力は特に制限されず、モノマーを配位共重合反応させることができればよい。オレフィンがエチレンである場合、コスト低減及び重合プロセスの簡略化の観点から、反応器において、エチレンの圧力が1~1000atmであることが好ましく、1~200atmであることがより好ましく、1~50atmであることがさらに好ましい。
【0069】
本発明において、前記「反応系」とは、溶媒、オレフィン、オレフィンアルコール単量体、触媒及び任意選択的な連鎖移動剤を含めてなる全体を意味する。
【0070】
本発明において、球状又は略球状のポリマーの粒径は、本明細書では、体積が粒子の体積と等しい球体の直径に等しいとみなす。
【0071】
本発明において、用語「置換又は無置換」の置換とは、それによって限定された基(例えば、オレフィン又はアルカン)のうちのC又はH原子が任意選択的に置換基で置換されることを意味し、前記置換基はハロゲン、炭化水素基(例えば、C~C10のアルキル基)、オキソ(-O-)、酸素、窒素、ホウ素、硫黄、リン、ケイ素、ゲルマニウム及びスズ原子を含む基から選択される。
【0072】
本発明において、「炭化水素基」及び「アルキル基」は、特に断らない限り、直鎖、分岐鎖及び環状の「炭化水素基」及び「アルキル基」を含む。「炭化水素基」は、特に断らない限り、本発明において脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含み、脂肪族炭化水素基はアルキル基、オレフィン及びアルキニル基を含む。
【0073】
本発明の別の側面によれば、前記オレフィン-オレフィンアルコール共重合体の発泡ポリオレフィン材料としての適用を提供する。
【0074】
本発明は、反応するオレフィンアルコール単量体、触媒、及び適切な重合プロセスを選択することにより、形態の良好な球状及び/又は略球状のポリマーが直接に製造され、得られた重合生成物が反応器にスケールを生じにくく、輸送しやすく、そして得られた球状及び/又は略球状のポリマーの少なくとも一部は中空構造を有しており、発泡プロセスを経ることなく発泡材料として使用することができ、工業用途において良好な将来性を有する。
【0075】
本発明が提供するオレフィン-オレフィンアルコール共重合体の製造方法は、従来産業上使われていたオレフィン-オレフィンアルコール共重合体を製造するプロセスに比べて、鹸化反応の工程が省略され、製造工程が簡単である。
【0076】
〔図面の簡単な説明〕
添付図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、明細書の一部を構成し、本発明の実施例と共に本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。図面において、
図1〕本発明の実施例2で得られた球状及び/又は略球状のポリマーの電子顕微鏡写真である。
【0077】
図2〕本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの断面電子顕微鏡写真である。
【0078】
図3〕本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの外面の電子顕微鏡写真である。
【0079】
図4〕本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの内面の電子顕微鏡写真である。
【0080】
〔発明を実施するための形態〕
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0081】
本発明の結果は、以下の方式で表現される。
【0082】
共重合体中のアルコール含有量(式Iで表されるオレフィンアルコールから誘導される構造単位の含有量):13C NMRスペクトル測定を用いて、400MHz Bruker Avance 400核磁気共鳴スペクトロメータで、10mm PASEX 13プローブを用いて、120℃で1,2,4-トリクロロベンゼンでポリマーサンプルを溶解させ分析試験を行って得られる。
【0083】
共重合体の分子量及び分子量分布PDI(PDI=Mw/Mn):PL-GPC220を用いて、トリクロロベンゼンを溶媒とし、150℃で測定した(標準サンプル:PS、流速:1.0mL/min、カラム:3×Plgel 10um M1×ED-B300×7.5nm)。
【0084】
共重合体の融点は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定した。サンプル10mgを坩堝に入れ、Pekin Elmer DSC 8500示差走査熱量計で測定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで0℃から180℃まで昇温し、1min保温し、10℃/minで0℃まで下げ、3min保温し、そして、10℃/minで180℃まで昇温し、2回目の昇温スキャンデータを記録した。
【0085】
ポリマーの密度:それぞれGB/T1033-1986及びGB/T6463-2009試験を採用する。なお、GB/T1033-1986試験を採用する場合、試験物は共重合生成物からランダムに選択される。GB/T6463-2009試験を採用する場合、共重合体に球状又は略球状のポリマーが含まれている場合、試験物は球状又は略球状のポリマーからランダムに選択され、共重合体に球状又は略球状のポリマーが含まれていない場合、試験物は共重合生成物からランダムに選択される。
【0086】
球状及び/又は略球状のポリマーの粒径:ASTM D1921を採用して試験する。
【0087】
錯体h、gの構造は式h、式gに示すとおりである。
【0088】
【化7】
【0089】
実施例1
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、15mmol(2.5mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、15mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0090】
実施例2
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0091】
実施例3(比較)
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、60℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0092】
実施例4
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、0.25mLのジエチル亜鉛(1mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0093】
実施例5
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、0.5mLのジエチル亜鉛(1mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0094】
実施例6(比較)
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、80℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0095】
実施例7
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、50mmol(8.5mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、50mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0096】
実施例8
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、100mmol(17.0mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、100mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0097】
実施例9
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(4.1mL)の3-メチル-5-ヘキセン-3-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0098】
実施例10
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.5mg)の錯体b1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0099】
実施例11
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.5mg)の錯体b1、50mmol(8.5mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、50mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0100】
実施例12
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.5mg)の錯体b1、30mmol(4.5mL)の4-メチル-1-ヘプテン-4-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0101】
実施例13
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.4mg)の錯体c1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0102】
実施例14
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)を加え、Ni/B=1となるように2.5mLのN,N-ジメチルアニリニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのトルエン溶液(1mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0103】
実施例15
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)を加え、3mLのAlEtCl(2mmol/Lのヘキサン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0104】
実施例16
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に5.0μmol(3.2mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0105】
比較例1
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0106】
比較例2
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体h、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0107】
比較例3
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体h、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、60℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0108】
比較例4
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(2.7mg)の錯体g、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0109】
比較例5
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのトルエンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(5.1mL)の2-メチル-2-ヒドロキシ-7-オクテン、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0110】
比較例6
機械的攪拌を備えた1Lステンレス重合釜を130℃で6h連続乾燥し、熱時真空引きしNガスで3回置換した。重合系に500mLのヘキサンを注入し、同時に2.5μmol(1.6mg)の錯体a1、30mmol(6.0mL)の10-ウンデセン-1-オール、30mLのAlEt(1.0mol/Lのヘキサン溶液)、3mLのMAO(1.53mol/Lのトルエン溶液)を加え、20℃で、10atmのエチレン圧を維持し、30min攪拌反応させた。最後に5体積%塩酸で酸化されたエタノール溶液で中和し、ポリマーを得た。重合活性及びポリマーの性能パラメータを表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
なお、上述した実施例は、あくまでも本発明を解釈するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。典型的な実施例を参照しながら本発明を説明したが、これらに用いられる用語は、限定的なものではなく、記述的及び解釈的な用語であると理解されるべきである。本発明は、特許請求の範囲に規定された範囲内において変更され得ると共に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で修正され得る。また、本発明は、特定の方法、材料及び実施例に関するものであるが、本発明はここに開示された特定の例に限定されるものではなく、同様な機能を有する他の全ての方法及び適用に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0113】
添付図面は、本発明の更なる理解を提供するためのものであり、明細書の一部を構成し、本発明の実施例と共に本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。図面において、
図1】本発明の実施例2で得られた球状及び/又は略球状のポリマーの電子顕微鏡写真である。
図2】本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの断面電子顕微鏡写真である。
図3】本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの外面の電子顕微鏡写真である。
図4】本発明の実施例2で得られた内部に空洞を有する球状及び/又は略球状のポリマーの内面の電子顕微鏡写真である。
図1
図2
図3
図4