(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】ポリカフェオイルキナ酸をベースとする新規組成物、その化粧的使用、及びそれを含む化粧用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20231013BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/20 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/24 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20231013BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20231013BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 1/14 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231013BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/19
A61K8/20
A61K8/24
A61K8/34
A61K8/9789
A61Q1/00
A61Q1/02
A61Q1/14
A61Q5/02
A61Q17/04
A61Q19/00
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2020552011
(86)(22)【出願日】2019-04-10
(86)【国際出願番号】 FR2019050840
(87)【国際公開番号】W WO2019197777
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-01-31
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】398057293
【氏名又は名称】ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ケルン、カタリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア、クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】ゴンバール、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ムシカ、フィリップ
【審査官】松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/129779(WO,A1)
【文献】特開2002-080360(JP,A)
【文献】特開平04-169526(JP,A)
【文献】特開2007-161632(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0905386(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/37
A61K 8/19
A61K 8/20
A61K 8/24
A61K 8/34
A61K 8/9789
A61Q 1/00
A61Q 1/02
A61Q 1/14
A61Q 5/02
A61Q 17/04
A61Q 19/00
A61Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧活性剤である組成物(C
1)を調製するための方法であって、次に示す連続したステップ:
- ステップa)バイオマス(BM
1)が得られるように、無土壌条件下で栄養液を供給して植物アルクチウム・ラッパ(Arctium lappa)を栽培するステップと;
- ステップb)先のステップa)で得られた前記バイオマス(BM
1)の根を媒体(S
1)に、バイオマス(BM
1)/混合物(S
1)の比が0.5kg/l~1.5kg/lの間となるように浸漬するステップであって、前記媒体(S
1)は、それ自体の質量100%当たり、水(そのpHは、硫酸、リン酸、及び塩酸から選択されるプロトン酸を添加することにより1.5~3.5の間の値に調整されている)を20質量%~35質量%と、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、又はこれらのジオールの混合物から選択される有機溶媒(OS
1)を65質量%~80質量%と、を含む、ステップと;
- ステップc)ステップb)で定義した処理が完了したら、液相(L
1)を単離するために前記バイオマスの前記根を分離するステップと;
- ステップd)ステップc)により得られた前記バイオマス(BM
2)の前記根を前記媒体(S
1)中に;バイオマス(BM
2)/混合物(S
1)比が0.1kg/l~1.5kg/lの間となるように浸漬するステップと;
- ステップe)ステップd)で定義した処理が完了したら、液相(L
2)を単離するために前記バイオマス(BM
2)を分離するステップと;
- ステップf)ステップ
e)で得られた前記液相(L
2)を、液相(L
3)を単離するために濾過するステップと、
- ステップg)期待された組成物(C
1)が得られるように、前記液相(L
1)及び(L
3)を混合し、次いで、必要に応じて、水及び/又は前記有機溶媒(OS
1)を添加するステップと、
を含み、
前記組成物(C
1)は、その質量100%当たり:
a)1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、又はこれらの化合物の混合物から選択される有機溶媒(OS
1)を、60.0質量%~75.0質量%と;
b)組成物(ES)であって、少なくとも1種の一般式(I):
【化1】
(式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、及びQ
5は、互いに独立に、ヒドロキシル基若しくはその塩又は:
(i)式(II)のカフェオイル基:
【化2】
(ii)式(IIIa)若しくは(IIIb)のマロイル基:
【化3】
(iii)式(IVa)若しくは(IVb)のカフェオイルマロイル基:
【化4】
(iv)式(Va)、(Vb)、(Vc)、若しくは(Vd)のマロイルカフェオイル基:
【化5】
から選択される基を表し、
但し、これらのQ
1、Q
2、Q
3、Q
4、及びQ
5基の少なくとも1種は、-OH基でもその塩でもないことが理解されよう)の化合物を、1-O-(2-カフェオイル)マロイル-3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸の質量当量として表した量x
1として、200mg/g以上含む組成物(ES)を、0.1質量%~2.0質量%と;
c)水を、20.0質量%~35.0質量%と;
を含む、化粧活性剤である組成物(C
1)を調製するための方法。
【請求項2】
前記組成物(ES)は:
- Q
1が式(IIIa)又は式(IIIb)のマロイル基を表し、Q
3及びQ
4及びQ
5が同一であり、それぞれ式(II)のカフェオイル基を表す、式(I)に相当する少なくとも1種の式(Ia)の化合物と;
- Q
1が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表し、Q
3及びQ
5が、それぞれ式(II)のカフェオイル基を表し、Q
4がヒドロキシル基を表す、式(I)に相当する式(Ib)の化合物と;
- 次に示す化合物:
- Q
1及びQ
5が、それぞれ式(II)のカフェオイル基を表し、Q
3がヒドロキシル基を表し、Q
4が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す、式(I)に相当する式(Ic
1)の化合物、及び
- Q
1及びQ
4が式(II)のカフェオイル基を表し、Q
3がヒドロキシル基を表し、Q
5が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す、式(I)に相当する式(Ic
2)の化合物、
から選択される少なくとも1種の式(Ic)の化合物と;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物(C
1)を調製するための方法。
【請求項3】
前記有機溶媒(OS
1)は、1,2-プロパンジオールであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物(C
1)を調製するための方法。
【請求項4】
前記組成物(C
1)が、あかぎれ及び/若しくは苔癬及び/若しくはひび割れ及び/若しくはアトピー性皮膚炎及び/若しくは魚鱗癬並びに/又は湿疹等の皮膚及び/若しくは粘膜の病変に付随する皮膚若しくは粘膜の乾燥を、軽減及び/又は消退及び/又は予防するための治療的処理に使用するためのものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物(C
1)を調製するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多置換キナ酸誘導体を含む新規組成物に関し、より詳細には、前記誘導体を含む植物アルクチウム・ラッパ(Arctium lappa)の抽出物と、それを調製するための方法と、多置換キナ酸誘導体を含む新規組成物の、皮膚、より詳細にはヒト又は動物の皮膚の表皮を保湿することが意図された局所用配合物を調製するための使用と、に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、主として化粧品分野及び皮膚科用医薬分野において用途が見出されているが、それ以外にも、繊維製品産業の分野、例えば、織成若しくは編成された合成繊維若しくは天然繊維製品の繊維処理、又は例えば公衆衛生用若しくは家庭用製紙分野においても用途が見出されている。
【0003】
皮膚は人体の非定型的臓器で、その広がりの範囲は極めて薄いが、各個体の最も重い臓器でもある。皮膚の特徴の一つは、内部環境(人体)と外部環境との界面にある臓器、即ち境界臓器であることにある。そのため皮膚は、皮膚を覆い、そこに生息している細菌叢と一緒に、人体の最初の防御壁となっている。
【0004】
皮膚は外部環境との境界に位置していることから、日々多くのストレス、例えば、衣服との接触、温度変化、湿度変化、圧力変化、更には攻撃因子、例えば、非常に高い酸性、非常に高い塩基性、又は刺激性を有するか又は有し得る特定の化学物質との接触や、汚染物質と見なされる化学物質との接触にさえ曝されている。
【0005】
皮膚は、組織の異なる層、
- 表皮(その最外部にあり、ケラチノサイトから構成されている)、続いて
- 真皮(主として線維芽細胞及び細胞外基質から構成される結合組織)、更に
- 皮下組織(脂肪細胞からなり、最も深部にあり、外部環境から最も遠い部位)、
から構成されている。
【0006】
皮膚は、それが保護する対象である系全体の利益のために様々な機能を果たしているが、その中でも次に示すものが挙げられ:
- 身体の内部環境の完全性を保証するための機械的バリア機能、
- 水、塩、及び酸性排泄物を主成分とする汗を分泌するための排泄機能、
- 体温を調節する機能、
他にも多くの調節機構、例えば、紫外放射に適応及び防御する機構(メラニンを産生することによる、適応のための色素沈着)、例えば、マクロファージ又は樹状細胞の存在による免疫監視機構が含まれる。
【0007】
また、ヒトの皮膚は、最初に他者の目に留まる像を形成する。
【0008】
したがって、見た目を良くすることは人々が常に関心を寄せているテーマである。皮膚は健康状態(多くの場合、若さが関係する)を反映し、裏を返せば疲労及び/又は老化が関係する状態を反映する。したがって、化粧品産業において行われている研究では、皮膚の最外層、即ち表皮の状態を保持及び改善することに主な焦点が置かれている。
【0009】
表皮の外面にあるのは、角質層として知られる上側の角化層であり、これは外部の気候条件(温度、圧力、湿度測定(hygrometry))の変動といった外部からのストレスや機械的応力を受ける表皮の最初の層である。
【0010】
角質層は、より具体的には、皮膚微生物叢に接している。
【0011】
本特許出願における「皮膚微生物叢」という語は、皮膚表面に生息している、特殊化した又は日和見的な微生物、例えば、細菌、真菌、酵母等の集団を指す。
【0012】
皮膚の微生物叢を、全ての個体に関し具体的及び一般化した形で定義することはできない。国立衛生研究所(National Institute of Health)が2007年に「ヒト・マイクロバイオーム・プロジェクト(Human Microbiome Project)」(HMP)を開始して以来、研究者らは、ヒトの微生物叢が生息部位間で(topographical)大きく異なり、また、個人差も大きいことを観測することができた。
【0013】
少なくとも19種の門が同定されており、そのうちの主要な4種が、アクチノバクテリア(Actinobacteria)門(51.8%)、フィルミクテス(Firmicutes)門(24.4%)、プロテオバクテリア(Proteobacteria)門(16.5%)、及びバクテロイデス(Bacteroidetes)門(6.3%)である。同定されている主要な属は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属、及びスタフィロコッカス(Staphylococcus)属である。各群の存在量は場所の違いに大きく依存する。皮膚から単離された真菌は、マラセチア属菌(Malassezia spp.)である。更に、デモデックス(Demodex)属に属するダニも存在しており、殆どの場合は、顔表面にある毛包脂腺系(pilosebaceous unit)に生息している。
【0014】
この微生物叢は、皮膚から排泄される分子(脂質、タンパク質等)及び微生物集団が分泌する化合物の両方を餌としており、この微生物叢内で実際に相互作用していることを示している。また、この宿主との関係は真の共生である。
【0015】
細菌が、宿主に損害を与えることなく、宿主を覆う皮膚粘膜に接して生息している場合は、片利共生となり得る。その場合、個体と皮膚及び粘膜の様々な片利共生細菌叢との間にバランスが確立されているが、このバランスは、角質層が受ける物理的また化学的攻撃、例えば、汚染、温度変化、紫外放射、洗浄性界面活性剤の頻繁な使用、圧迫(stress)等に常に脅かされている。加えて、これらの片利共生細菌は、望ましくなく、及び/又は病原性を有する一過性の日和見細菌である。
【0016】
スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)(S.epidermidis)は、好気性条件下で角質層中に存在する常在菌叢の90%超を構成する。また、皮脂腺領域、例えば、背中、顔、及び頭皮によく見られるアクチノバクテリア(Actinobacteria)門に属する嫌気性菌であるプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(P.acnes)等も常在菌叢を構成している。
【0017】
正常な皮膚の細菌叢が宿主の防御物を構成する一方で、細菌組成が増減(菌共生バランス失調(dysbiosis))すると、例えば、表皮に含まれるケラチノサイトの分化速度が遅くなることに起因して、生理学的バランスが損なわれる可能性があり、それによって皮膚のバリア機能が弱まり、その結果として、角質層が脱水及び乾燥に対しより無防備になる。
【0018】
したがって、人の皮膚の見た目を向上するか又は満足のいく見た目を維持することは、特に、角質層の保湿状態を最適且つ十分な水準に維持するか又はそれに到達させることを目的として、表皮のバリア機能を維持又は強化することである。そうすることにより、皮膚の乾燥に伴う審美的及び生理学的な不利益を回避することも可能になる。
【0019】
角質層から水分が失われることに起因する皮膚の乾燥の問題を解決するための、特に、保湿組成物を発展させることによる多くの解決策が既に提示されている。
【0020】
皮膚、より具体的には角質層の保湿の改善又は保持は、「保湿作用」を有する化合物を皮膚に接触させることにより行われることが想像できるであろう。
【0021】
「保湿作用」という語は、化学物質又は化学的組成物を処理すべき皮膚の表面に局所的に適用した結果として、角質層の保湿度を高めることを意味する。
【0022】
次に示すのは、皮膚、より詳細には、非常に乾燥しており構造破壊されている皮膚に用いられる保湿剤である:
- 密閉剤:皮膚表面に不透過性の膜を形成し、それにより表皮表面の水分の蒸発を大幅に抑制する能力を特徴とする。この種の剤の例としては、鉱油、例えば、ワセリン、流動パラフィン、グリセロール、シア脂(Butyrospermum parkii バター)、ミツロウ(Cera alba)、特定の植物油、例えば、コムギ胚芽油、ヤシ油、カカオ脂、羊毛脂、及びシリコーン誘導体が挙げられる;
- エモリエント剤:角質細胞(表皮の角化層の細胞)の間に存在する細胞間空間を満たす能力を特徴とする。これらは表皮からの水分の蒸発も制限するが、その度合いは密閉剤よりも低い。この種の剤の例としては、セラミド、リノール酸、及び特定の植物油、例えば、アーモンド油又はホホバ油が挙げられる;
- 被膜形成剤:水と会合して半透過性ヒドロゲルを形成する能力を特徴とする。したがってこれらは、角質層からの水分の蒸発の調節に関与する。この種の剤の例としては、コラーゲン、エラスチン、DNA、ペクチン、ゼラチン、キトサン、又はグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸等)が挙げられる;
- 保水剤:吸湿力の高い、即ち、水分を保持する能力を特徴とする親水性物質。したがってこれらは、角質層が、それ自身が含有している水及び化粧用配合物により与えられる水の両方を保持する能力に寄与する。この種の剤の例としては、尿素、グリセロール、乳酸、アミノ酸、乳酸ナトリウム、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、α-ヒドロキシ酸、又はソルビトールが挙げられる。保湿用化粧用組成物に最も多く用いられている保水剤は、グリセロール、尿素、及び乳酸であり、その中でも特に、非常に低価格なグリセロールが用いられる。
【0023】
但しグリセロール等の特定の保水剤は、バリア機能が不足していない正常な皮膚には望ましくない、即時的な密閉効果も示す。更にその中には、グリセロールのように、特に刺激に敏感な人に対し皮膚や粘膜に特定の炎症を引き起こすものもある。
【0024】
ヒトの微生物叢に作用させるために使用することができる植物抽出物の中でも、抗菌活性、より詳細には、口腔内微生物に対する活性を有することが実証されているゴボウ(又はアルクチウム・ラッパ(Arctium lappa))の葉の凍結乾燥抽出物を挙げることができ、これは、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、及びシュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)等の歯内病原体に関連する細菌により効果が高いことが分かっている(1)。
【0025】
中国特許出願公開第104304955A号明細書の番号で公開されている中国特許出願には、様々な植物部位、特にゴボウ根を混合した後、この植物部位の複雑な混合物を遠心分離して汁を取得することにより得られる複雑な組成物が開示されている。当該明細書にはまた、使用されているゴボウ根等の薬効植物が、腎臓、皮膚の保湿、及び老化の抑制に有利な作用を有することから、長い間使用されていることも開示されている。
【0026】
中国特許出願公開第105232438A号明細書の番号で公開されている中国特許出願には、多くの根抽出物、特にゴボウ根抽出物を含む複雑な混合物を含む、皮膚を保湿するためのパックが開示されている。
【0027】
中国特許出願公開第107157800A号明細書の番号で公開されている中国特許出願には、ゴボウ根由来の多糖類を含む、保湿、抗菌、抗炎症、抗老化、及び抗疲労効果を有する複雑な配合物が開示されている。
【0028】
中国特許出願公開第106074663A号明細書の番号で公開されている中国特許出願には、サキシマハマボウの木(Milo wood)の抽出物、ゴボウ根の抽出物、及びスイカズラ属種植物の抽出物を含む、植物抽出物の組成物が開示されており、より詳細には、異なる原因(外部ストレス又は遺伝的因子)により誘発される炎症性因子を抑制し、皮膚の免疫活性及び抗酸化活性を改善し、皮膚を鎮静化及び修復することにより、ゴボウ根の抽出物が、ドライスキン、急性掻痒、炎症、瘢痕、及び他の徴候を治療することが記載されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
皮膚の保湿を向上することに関する研究に関連して、本発明者らは、ヒト皮膚の保湿に好ましい効果を示す多置換キナ酸(又はPSQ)を含む新規組成物を発展させることに焦点を当てた。
【0030】
第1の態様によれば、本発明の主題は、その質量100%当たり:
a)1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、又はこれらの化合物の混合物から選択される有機溶媒(OS
1)を、60.0質量%~75.0質量%と;
b)組成物(ES)であって、
少なくとも1種の一般式(I):
【化1】
(式中、Q
1、Q
2、Q
3、Q
4、及びQ
5は、互いに独立に、ヒドロキシル基若しくはその塩又は:
(i)式(II)のカフェオイル基:
【化2】
(ii)式(IIIa)若しくは(IIIb)のマロイル基:
【化3】
(iii)式(IVa)若しくは(IVb)のカフェオイルマロイル基:
【化4】
(iv)式(Va)、(Vb)、(Vc)、若しくは(Vd)のマロイルカフェオイル基:
【化5】
から選択される基を表し、
但し、これらのQ
1、Q
2、Q
3、Q
4、及びQ
5基の少なくとも1種は、-OH基でもその塩でもないことが理解されよう)の化合物を、1-O-(2-カフェオイル)マロイル-3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸の質量当量として表した量x
1として、200mg/g以上含む、組成物(ES)を0.1質量%~2.0質量%と;
c)水を、20.0質量%~35.0質量%と;
を含む組成物(C
1)にある。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明における「前記量x1は、1-O-(2-カフェオイル)マロイル-3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸の質量当量として表す」という語は、この質量による量x1は、予め単離して含有率99%以上に精製した1-O-(2-カフェオイル)マロイル-3,5-ジ-O-カフェオイルキナ酸標準を参照標準として使用したUHPLC-MS(超高速液体クロマトグラフィー-質量分析)等の定量分析法を用いて決定したものであることを意味する。
【0032】
この種のUHPLC-MS系の定量分析は、波長330ナノメートルに調整したダイオードアレイ検出器を備えたUHPLC-MS Shimadzu_Nexera_LCMS 2020型の装置にKinetex 2.6μ XB-C18 100A、100×2.1型カラムを取り付け、水及び0.1質量%のギ酸から構成される移動相A及びアセトニトリルからなる移動相Bを用いて実施した。
【0033】
組成物(ES)中に存在する一般式(I)の化合物の中でも、次に示すものを挙げることができる:
- 次の表1に記載するジカフェオイルキナ酸(DCQ)の群の化合物:
【0034】
【0035】
- 次の表2に記載するトリカフェオイルキナ酸(TCQ)の群の化合物:
【0036】
【0037】
- 次の表3に記載するマロイルトリカフェオイルキナ酸(m-TCQ)の群の化合物:
【0038】
【0039】
- 次の表4に記載するマロイルジカフェオイルキナ酸(m-DCQ)に記載されている群の化合物:
【0040】
【0041】
- 次の表5に記載するカフェオイルマロイルトリカフェオイルキナ酸(cm-TCQ)の群の化合物:
【0042】
【0043】
- 次の表6に記載するカフェオイルマロイルジカフェオイルキナ酸(cm-DCQ)の群の化合物:
【0044】
【0045】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、先に定義した式(I)に相当する式(Ia)の化合物は、Q1は式(IIIb)のマロイル基を表し、Q3及びQ4及びQ5は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表す。
【0046】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、先に定義した式(I)に相当する式(Ib)の化合物は、Q1は式(IVa)のカフェオイルマロイル基を表し、Q3及びQ5は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q4は-OH基を表す。
【0047】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、先に定義した式(I)に相当する式(Ib)の化合物は、Q1は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表し、Q3及びQ5は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q4は-OH基を表す。
【0048】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、式(Ic)の化合物は、先に定義した式(I)に相当する式(Ic1)の化合物であり、Q1及びQ5は、同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q3は-OH基を表し、Q4は式(IVa)のカフェオイルマロイル基を表す。
【0049】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、式(Ic)の化合物は、先に定義した式(I)に相当する式(Ic1)の化合物であり、Q1及びQ5は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q3は-OH基を表し、Q4は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す。
【0050】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、式(Ic)の化合物は、先に定義した式(I)に相当する式(Ic2)の化合物であり、Q1及びQ4は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q3は-OH基を表し、Q5は式(IVa)のカフェオイルマロイル基を表す。
【0051】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(ES)において、式(Ic)の化合物は、先に定義した式(I)に相当する式(Ic2)の化合物であり、Q1及びQ4は同一であり、式(II)のカフェオイル基を表し、Q3は-OH基を表し、Q5は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す。
【0052】
本発明のより具体的な態様によれば、先に定義した組成物(C1)は、前記組成物(ES)が:
- Q1が式(IIIa)又は式(IIIb)のマロイル基を表し、Q3及びQ4及びQ5が同一であり、それぞれ式(II)のカフェオイル基を表す、式(I)に相当する少なくとも1種の式(Ia)の化合物と;
- Q1が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表し、Q3及びQ5がそれぞれ式(II)のカフェオイル基を表し、Q4がヒドロキシル基を表す、式(I)に相当する式(Ib)の化合物と;
- 次に示す化合物:
- Q1及びQ5がそれぞれ式(II)のカフェオイル基を表し、Q3がヒドロキシル基を表し、Q4が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す、式(I)に相当する式(Ic1)の化合物;及び
- Q1及びQ4が式(II)のカフェオイル基を表し、Q3がヒドロキシル基を表し、Q5が式(IVa)又は式(IVb)のカフェオイルマロイル基を表す、式(I)に相当する式(Ic2)の化合物;
から選択される少なくとも1種の式(Ic)の化合物と;
を含むことを特徴とする。
【0053】
本発明の他の特定の態様によれば、先に定義した組成物(C1)中に存在する有機溶媒(OS1)は、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及び2-メチル-2,4-ペンタンジオールから選択され、より具体的には1,2-プロパンジオールである。
【0054】
本発明の主題である組成物(C1)は、その構成要素を、20℃~60℃の間、より具体的には20℃~40℃の間、一層具体的には20℃~30℃の間の温度で、アンカー型の機械的撹拌機により50回転/分~150回転/分の間の速度で単純に混合することにより調製することができる。
【0055】
第2の態様によれば、本発明の主題は、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物(C1)を調製するための方法であって、次に示す連続したステップ:
- ステップa)バイオマス(BM1)が得られるように、無土壌条件下で栄養液を供給して植物アルクチウム・ラッパ(Arctium lappa)を栽培するステップと;
- ステップb)先のステップa)で得られた前記バイオマス(BM1)の根を媒体(medium)(S1)に、バイオマス(BM1)/混合物(S1)の比が0.5kg/l~1.5kg/lの間となるように浸漬するステップであって、前記媒体(S1)は、それ自体の質量100%当たり、水(そのpHは、硫酸、リン酸、及び塩酸から選択されるプロトン酸を添加することにより1.5~3.5の間の値に調整されている)を20質量%~35質量%と、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、又はこれらのジオールの混合物から選択される有機溶媒(OS1)を65質量%~80質量%と、を含む、ステップと;
- ステップc)ステップb)で定義した処理が完了したら、液相(L1)を単離す
るためにバイオマスの根を分離するステップと;
- ステップd)ステップc)により得られた前記バイオマスの根(BM2)を前記媒体(S1)中に;バイオマス(BM2)/混合物(S1)比が0.1kg/l~1.5kg/lの間となるように浸漬するステップと;
- ステップe)ステップd)で定義した処理が完了したら、液相(L2)を単離するために前記バイオマス(BM2)を分離するステップと;
- ステップf)ステップe)で得られた前記液相(L
2
)を、液相(L3)を単離するために濾過するステップと、
- ステップg)期待された組成物(C1)が得られるように、前記液相(L1)及び(L3)を混合し、次いで、必要に応じて、水及び/又は前記有機溶媒(OS1)を添加するステップと、
を含む、方法である。
【0056】
無土壌(又は気耕)条件下で植物アルクチウム・ラッパ(Arctium lappa)を栽培するステップa)は、当業者に知られている標準的な条件に従い、より詳細には、培養液中に存在する窒素含量(2)(3)(4)(5)(6)並びにリン及びカリウムの含量に影響を及ぼす条件に従い実施される。したがって、無土壌条件下で栽培するステップa)は、栄養培地中に存在する窒素/リン/カリウム比を最適化することにより、及びそのような栄養培地の電気伝導度のパラメータを最適化することにより、実施される。
【0057】
一般に、ステップa)は、バイオマス(BM1)が、特に根において多量に得られるように、20℃~40℃の間の温度で4~10週間実施され;ステップa)は、バイオマス(BM1)の生長がもはや認められなくなった時点で停止される。
【0058】
他の特定の態様によれば、先に定義した方法のステップb)の間、混合物(S1)は、それ自体の質量100%当たり、水を23質量%~32質量%、一層具体的には26質量%~32質量%と、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1-4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、及び1,8-オクタンジオールからなる群の構成要素から選択される有機溶媒(OS1)を68質量%~77質量%、一層具体的には68質量%~74質量%と、を含む。
【0059】
先に定義した組成物(C1)を調製するための方法のステップb)において、混合物(S1)中に存在する水のpHは、硫酸、リン酸、及び塩酸からなる群の構成要素から選択されるプロトン酸を添加することにより1.5~3.5の間の値に調整される。
【0060】
より具体的な態様によれば、先に定義した方法のステップb)において、混合物(S1)中に存在する水のpHは、硫酸、リン酸、及び塩酸からなる群の構成要素から選択されるプロトン酸を添加することにより1.5~3.0の間の値、一層具体的には1.5~2.5の間の値にされる。
【0061】
一層具体的な態様によれば、先に定義した方法のステップb)において、混合物(S1)中に存在する水のpHは、塩酸を添加することにより1.5~2.5の間の値にされる。
【0062】
先に定義した組成物(C1)を調製するための方法のステップb)において、ステップa)の完了時に得られるバイオマス(BM1)の根は、先に記載した混合物(S1)と、10分間~60分間の間の時間、20℃~30℃の間の温度で、バイオマス(BM1)/混合物(S1)比が0.5kg/L~1.5kg/Lとなるように接触される。
【0063】
より具体的な態様によれば、先に定義した方法のステップb)において、ステップa)の完了時に得られるバイオマス(BM1)の根は、先に記載した混合物(S1)と、10分間~45分間の間の時間、より具体的には10分間~30分間の間の時間、20℃~30℃の間の温度で、バイオマス(BM1)/混合物(S1)比が0.5kg/L~1.5kg/Lの間、より具体的には0.5kg/L~1.0kg/Lの間となるように接触され、より具体的には浸漬される。
【0064】
先に定義した組成物(C1)を調製するための方法のステップd)において、ステップc)の完了時に得られるバイオマス(BM2)は、先に記載した混合物(S1)と、24時間~72時間の間の時間、20℃~30℃の間の温度で、バイオマス(BM2)/混合物(S1)比が0.1kg/L~1.5kg/Lの間となるように接触される。
【0065】
より具体的な態様によれば、先に定義した方法のステップd)において、ステップc)の完了時に得られるバイオマス(BM2)の根は、先に記載した混合物(S1)と、24時間~60時間の間の時間、より具体的には24時間~48時間の間の時間、20℃~30℃の間の温度で、バイオマス(BM2)/混合物(S1)比が0.1kg/L~1.0kg/L、より具体的には0.3kg/L~1.0kg/Lとなるように接触され、より具体的には浸漬により接触される。
【0066】
先に定義した組成物(C1)を調製するための方法のステップf)において、液体(L3)を回収するために実施される、ステップe)の完了時に得られる液体(L2)の濾過は、当業者に知られている、固体及び液体を効果的に分離するための装置及び設備を用いて実施される。
【0067】
先に定義した組成物(C1)を調製するための方法のステップg)において、ステップc)の完了時に得られる液体(L1)とステップf)の完了時に得られる液体(L3)との混合は、20℃~30℃の間の温度で、アンカー型の機械的撹拌機を用いて50回転/分~150回転/分の間の速度で行われる。必要に応じて、期待された組成物(C1)が得られるように水又は有機溶媒(OS1)の任意選択的な添加が行われる。
【0068】
特定の態様によれば、先に定義した方法のステップg)において、有機溶媒(OS1)の含有量は65質量%~75質量%に調整され、水の含有量は25質量%~35質量%に調整され、より具体的には、水及び/又は有機溶媒(OS1)を添加することにより調整される。
【0069】
本発明の他の特定の態様によれば、有機溶媒(OS1)は、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及び2-メチル-2,4-ペンタンジオールからなる群の構成要素から選択される。
【0070】
本発明の他のより具体的な態様によれば、前記組成物(C1)を調製するための方法のステップb)及びステップd)に使用される混合物(S1)の水中に存在するプロトン酸は、リン酸である。
【0071】
他の態様によれば、本発明の主題は、先に定義した組成物(C1)の、保湿用化粧活性剤としての使用にある。
【0072】
本発明の主題はまた、少なくとも1種の化粧的に許容される賦形剤と、有効量の、先に定義した組成物(C1)とを含む局所用化粧用配合物にもある。
【0073】
本発明の主題である化粧方法に使用される化粧用配合物の定義において使用される「局所用」という表現は、前記配合物が、直接適用される(化粧用配合物の場合)か、間接的に適用される(本発明による化粧用配合物を、皮膚と接触させることが意図されている紙、ワイプシート(wipe)、繊維製品、経皮器具等の支持体に含浸させる場合)かに関わらず、皮膚に適用することにより使用されることを意味する。
【0074】
一般に、前記組成物(C2)は、処理すべき皮膚の表面に広げた後、しばらくの間皮膚に揉み込まれる。
【0075】
本発明の主題である化粧方法に使用される局所用化粧用配合物の定義に用いられる「化粧的に許容される」という表現は、1976年7月27日付の欧州経済共同体理事会指令(Council of the European Economic Community Directive)76/768/EECの改正である1993年6月14日付の指令93/35/EECに準拠し、前記配合物が、その清浄化、その香り付け、その外見の修正、及び/又はその体臭の矯正、及び/又はその保護、又はその良好な状態の維持を専らの及び主要な目的として、ヒトの身体の様々な部位(表皮、体毛及び頭髪系、爪、口唇、並びに生殖器)と、又は歯及び口腔粘膜と接触させることが意図された任意の物質又は製剤を含むことを意味する。
【0076】
「本発明の主題である方法において使用される局所用化粧用配合物中に存在する、有効量の、先に定義した組成物(C1)」という語は、前記局所用化粧用配合物の質量100%に対し、組成物(C1)の比率が0.01質量%~5質量%、より具体的には0.01質量%~3質量%、一層具体的には0.1質量%~3質量%、一層具体的には0.5質量%~2質量%であることを意味する。
【0077】
本発明の主題である化粧方法に使用される局所用化粧用配合物は、一般に、水性又は水性-アルコール性、若しくは水-グリコール溶液の形態、油中水型、水中油型、水中油中水型、若しくは油中水中油型のいずれかの懸濁液、エマルジョン、マイクロエマルジョン若しくはナノエマルジョンの形態、又は粉末形態にある。
【0078】
本発明の主題である化粧方法に使用される局所用化粧用配合物は、ボトルに、ポンプ式ボトル型器具に、加圧形態でエアゾール器具に、格子等の穴の開いた壁部を備えた器具に、又は塗布ボールを備えた器具(「ロールオン」器具)内に包装することができる。
【0079】
一般に、本発明の主題である化粧方法に使用される局所用化粧用配合物中に存在する組成物(C1)は、局所用配合物の分野に通常使用されている化学添加剤、例えば、起泡性及び/又は洗浄性界面活性剤、増粘性及び/又はゲル化性界面活性剤、増粘剤及び/又はゲル化剤、安定剤、被膜形成化合物、溶媒及び共溶媒、ハイドロトロープ剤、湧水又は鉱水、可塑剤、乳化剤及び補助乳化剤、不透明化剤、真珠光沢剤、過脂剤、金属封鎖剤、キレート剤、油、ワックス、酸化防止剤、香料、精油、防腐剤、コンディショニング剤、防臭剤、皮膚又は毛髪に治療及び/又は保護作用をもたらすことを意図した有効成分、サンスクリーン剤、鉱物フィラー又は顔料、視覚効果をもたらすか又は活性剤をカプセル化することを意図した粒子、角層除去粒子、キメ改善剤、蛍光増白剤、並びに昆虫忌避剤と併用される。
【0080】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる起泡性及び/又は洗浄性界面活性剤の例としては、アニオン性、カチオン性、両性、又は非イオン性起泡性及び/又は洗浄性界面活性剤を挙げることができ;
- 起泡性及び/又は洗浄性アニオン性界面活性剤の中でも、例えば、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、アルキルアミドエーテル硫酸エステル、アルキルアリールポリエーテル硫酸エステル、モノグリセリド硫酸エステル、α-オレフィンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキルアミドスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキルカルボン酸、アルキルスルホコハク酸エステル、アルキルエーテルスルホコハク酸エステル、アルキルアミドスルホコハク酸エステル、アルキルスルホ酢酸、アルキルサルコシン、アシルイセチオン酸、N-アシルタウリン、アシル乳酸、アミノ酸のN-アシル誘導体、ペプチドのN-アシル化誘導体、タンパク質のN-アシル化誘導体、又は脂肪酸のN-アシル化誘導体の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、又はアミノアルコール塩が挙げられる。
- 起泡性及び/又は洗浄性両性界面活性剤の中でも、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルタイン、アルキルアミドアルキルスルホベタイン、イミダゾリン誘導体、ホスホベタイン、アンホポリ酢酸塩(amphopolyacetate)、及びアンホプロピオン酸塩が挙げられる。
- 起泡性及び/又は洗浄性カチオン性界面活性剤の中でも、例えば、4級アンモニウム誘導体が挙げられる。
- 起泡性及び/又は洗浄性非イオン性界面活性剤の中でも、例えば、8~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和の脂肪族基を含むアルキルポリグリコシド(例えば、オクチルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、ウンデシレニルポリグルコシド、ドデシルグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、1,12-ドデカンジイルポリグルコシド);水添ヒマシ油のエトキシ化誘導体(例えば、INCI名PEG-40 hydrogenated castor oil(PEG-40水添ヒマシ油)で販売されている製品);ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート70、ポリソルベート80、及びポリソルベート85);ヤシ核油脂肪酸アミド;N-アルキルアミンが挙げられる。
【0081】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる増粘性及び/又はゲル化性界面活性剤の例としては、任意選択的にアルコキシル化されているアルキルポリグリコシド脂肪酸エステル(例えば、エトキシ化メチルポリグルコシドエステル(例えば、それぞれ、GlutamateTMLT及びGlutamateTMDOE120の名称で販売されている、トリオレイン酸PEG 120メチルグルコース及びジオレイン酸PEG 120メチルグルコース));アルコキシル化脂肪酸エステル(例えば、CrothixTMDS53の名称で販売されているテトラステアリン酸PEG 150ペンタエリスリチル、AntilTM141の名称で販売されているオレイン酸PEG 55プロピレングリコール);脂肪鎖ポリアルキレングリコールカルバミン酸エステル(例えば、ElfacosTMT211の名称で販売されているジカルバミン酸PPG-14ラウレスイソホリル(isophoryl)、ElfacosTMGT2125の名称で販売されているジカルバミン酸PPG-14パルメス-60ヘキシル)が挙げられる。
【0082】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の例としては、高分子電解質型の直鎖又は分岐又は架橋ポリマー、例えば、一部又は全部を塩形態にしたアクリル酸ホモポリマー、一部又は全部を塩形態にしたメタクリル酸ホモポリマー、一部又は全部を塩形態にした2-メチル[(1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]-1-プロパンスルホン酸(AMPS)ホモポリマー、アクリル酸とAMPSとのコポリマー、アクリルアミドとAMPSとのコポリマー、ビニルピロリドンとAMPSとのコポリマー、AMPSとアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、AMPSとメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、AMPSとヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのコポリマー、AMPSとトリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドメタン(THAM)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とヒドロキシエチルアクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とTHAMとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とN,N-ジメチルアクリルアミドとのコポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとアクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとメタクリル酸(2-ヒドロキシエチル)とのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとTHAMとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとN,N-ジメチルアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とAMPSとアクリルアミドとのターポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸とその炭素鎖が4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子を含むアクリル酸アルキルとのコポリマー、AMPSとその炭素鎖が4~30個の炭素原子、より具体的には10~30個の炭素原子を含むアクリル酸アルキルとのコポリマー、強酸官能基(遊離、一部が塩形成されている、又は完全に塩形成されている)を有する少なくとも1種のモノマーと、少なくとも1種の中性モノマーと、式(VIII):
CH2=C(R3)-C(=O)-[CH2-CH2-O]n-R4 (VIII)
(式中、R3は、水素原子又はメチル基を表し、R4は、8~30個の炭素原子を含む直鎖又は分岐のアルキル基を表し、nは、1以上50以下の数を表す)の少なくとも1種のモノマーと、の直鎖、分岐、又は架橋ターポリマーが挙げられる。
【0083】
前記ポリマーは、溶液、水性懸濁液、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、又は粉末形態とすることができる。市販のポリマーの例としては、SimulgelTM EG、SimulgelTM EPG、SepigelTM 305、SimulgelTM 600、SimulgelTM NS、SimulgelTM INS100、SimulgelTM FL、SimulgelTM A、SimulgelTM SMS 88、SepinovTM EMT10、SepiplusTM 400、SepiplusTM 265、SepiplusTM S、SepimaxTM ZEN、AristoflexTM AVC、AristoflexTM AVS、NovemerTM EC-1、NovemerTM EC2、AristoflexTM HMB、CosmediaTM SP、FlocareTM ET25、FlocareTM ET75、FlocareTM ET26、FlocareTM ET30、FlocareTM ET58、FlocareTM PSD30、ViscolamTM AT64、及びViscolamTM AT100の名称で販売されているものが挙げられる。
【0084】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる増粘剤及び/又はゲル化剤の他の例としては:
- 単一種の糖のみからなる多糖(例えば、グルカン又はグルコースホモポリマー)、グルコマンノグリカン(glucomannoglucans)、キシログルカン(xyloglycans)、D-マンノースの主鎖上のD-ガラクトース単位の置換度(DS)が0~1の間、より具体的には1~0.25の間にあるガラクトマンナン(例えば、カシアガム(DS=1/5)、ローカストビーンガム(DS=1/4)、タラガム(DS=1/3)、グアーガム(DS=1/2)又はフェヌグリークガム(DS=1)由来のガラクトマンナン);
- 単一種の糖誘導体からなる多糖(例えば、硫酸化ガラクタン(より具体的には、カラギーナン及び寒天)、ウロナン(uronan)(より具体的には、アルギン、アルギネート、及びペクチン)、単糖及びウロン酸のヘテロポリマー(より具体的には、キサンタンガム、ゲランガム、アラビアゴムの滲出液、カラヤゴムの滲出液、及びグルコサミノグリカン);
- セルロース及びその誘導体、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸塩、デンプン、親水性デンプン誘導体、及びポリウレタン;
が挙げられる。
【0085】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる安定剤の例としては、モノクリスタリンワックス、より詳細には、オゾケライト、無機塩(例えば、塩化ナトリウム又は塩化マグネシウム)、及びシリコーンポリマー(例えば、ポリシロキサンポリアルキルポリエーテルコポリマー)が挙げられる。
【0086】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる湧水又は鉱水の例としては、少なくとも300mg/lのミネラル分を含む湧水又は鉱水、特に、Aveneの水、Vittelの水、Vichy basinの水、Uriageの水、La Roche Posayの水、La Bourbouleの水、Enghien-les-bainsの水、Saint-Gervais-les-bainsの水、Neris-les-bainsの水、Allevard-les-bainsの水、Digneの水、Maizieresの水、Neyrac-les-bainsの水、Lons le Saunierの水、Rochefortの水、Saint Christauの水、Fumadesの水、及びTercis-les-bainsの水が挙げられる。
【0087】
前記組成物(C1)と組み合わせることができるハイドロトロープ剤の例としては、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、ヘキシルポリグルコシド、(2-エチルヘキシル)ポリグルコシド、及びn-ヘプチルポリグルコシドが挙げられる。
【0088】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる防臭剤の例としては、アルカリ金属ケイ酸塩、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、塩化亜鉛、又は乳酸亜鉛);4級アンモニウム塩(例えば、セチルトリメチルアンモニウム塩、セチルピリジニウム塩);グリセロール誘導体(例えば、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、カプリン酸ポリグリセリル);1,2-デカンジオール;1,3-プロパンジオール;サリチル酸;炭酸水素ナトリウム;シクロデキストリン;金属ゼオライト;TriclosanTM;アルミニウムブロモハイドレート、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムジルコニウムクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロハイドレート、硫酸アルミニウム、乳酸ナトリウムアルミニウム(sodium aluminum lactate)、アルミニウムクロロハイドレート、及びグリコールの錯体(例えば、アルミニウムクロロハイドレート及びプロピレングリコールの錯体、アルミニウムジクロロハイドレート及びプロピレングリコールの錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレート及びプロピレングリコールの錯体、アルミニウムクロロハイドレート及びポリエチレングリコールの錯体、アルミニウムジクロロハイドレート及びポリエチレングリコールの錯体、アルミニウムセスキクロロハイドレート及びポリエチレングリコールの錯体)が挙げられる。
【0089】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる溶媒及び共溶媒としては、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、水溶性アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール、及び水と前記溶媒との混合物が挙げられる。
【0090】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる油の例としては、鉱油(例えば、パラフィン油(liquid paraffin)、流動ワセリン(liquid petroleum jelly)、イソパラフィン、又は流動パラフィン(white mineral oil);動物性油(例えば、スクワレン又はスクワラン);植物性油(例えば、植物性スクワラン、アーモンド油、ヤシ核油(coconut kernel oil)、ヒマシ油、ホホバ油、オリーブ油、菜種油、落花生油、ヒマワリ油、コムギ胚芽油、トウモロコシ胚芽油、大豆油、綿実油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、月見草油、キビ油、オオムギ油、ライムギ油、紅花油、ククイ油、トケイソウ油、ヘーゼルナッツ油、パーム油、シア脂、杏仁油、テリハボク油、シシンブリウム油(sisymbrium oil)、アボカド油、カレンデュラ油、花由来又は野菜由来の油、植物油のエトキシ化物);合成油(例えば、脂肪酸エステル(例えば、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸ドデシル、ラウリン酸ヘキシル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ラノリン酸から誘導されたエステル(例えば、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソセチル)、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリド(例えば、トリヘプタン酸グリセリル)、安息香酸アルキル)、硬化油、ポリ(α-オレフィン)、ポリオレフィン(例えば、ポリ(イソブタン))、合成イソアルカン(例えば、イソヘキサデカン、イソドデカン)、パーフルオロオイル);シリコーン油(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミン変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコール及び脂肪酸で変性されたシリコーン、ポリエーテル基変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素基変性シリコーン、環状シリコーン及びアルキル基変性シリコーン)が挙げられる。本特許出願における「油」という語は、水に不溶であり、25℃の温度で液体の外観を呈している化合物及び/又は化合物の混合物を意味することを意図している。
【0091】
前記組成物(C1)と組み合わせることができるロウの例としては、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オウリキュリーロウ、木ロウ、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、パラフィンロウ、リグナイトワックス、マイクロクリスタリンワックス、羊毛ロウ;オゾケライト;ポリエチレンワックス;シリコーンワックス;植物性ロウ;室温で固体の脂肪族アルコール及び脂肪酸;室温で固体のグリセリドが挙げられる。本特許出願における「ロウ/ワックス(wax)」という語は、45℃以上の温度で固体の外観を呈する水に不溶な化合物及び/又は化合物の混合物を意味する。
【0092】
前記組成物(C1)と組み合わせることができる脂肪質物質の例としては、8~36個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐の脂肪族アルコール又は8~36個の炭素原子を含む飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐の脂肪酸が挙げられる。
【0093】
前記組成物(C1)と組み合わせることができるサンスクリーン剤の例としては、改正された化粧品指令(Cosmetic Directive)76/768/EECの附属書VIIに収載されている全てのもの:特に、次に示す化合物を挙げることができる:
- 2-フェニル-5-メチルベンゾオキサゾール、2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル(methyphenyl))ベンゾトリアゾール;ジベンザジン(dibenzazine);ジアニソイルメタン、4-メトキシ-4”-t-ブチルベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;ポリシロキサン類、例えば、ベンジリデンシロキサンマロネート(benzylidene siloxane malonate);又は次に示す群の化合物:
- 安息香酸誘導体の群(例えば、パラ-アミノ安息香酸(PABA)、特に、PABAのモノグリセリルエステル、N,N-プロポキシPABAのエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAのエチルエステル、N,N-ジメチル-PABAのエチルエステル、N,N-ジメチル-PABAのメチルエステル、N,N-ジメチル-PABAのブチルエステル);
- アントラニル酸誘導体の群(例えば、N-アセチルアントラニル酸ホモメンチル);
- サリチル酸誘導体の群(例えば、サリチル酸アミル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p-イソプロピルフェニル);
- ケイヒ酸誘導体の群(例えば、ケイヒ酸エチルヘキシル、4-イソプロピルケイヒ酸エチル、2,5-ジイソプロピルケイヒ酸メチル、p-メトキシプロピルシンナメート、p-メトキシイソプロピルシンナメート、p-メトキシイソアミルシンナメート、p-メトキシオクチルシンナメート(p-メトキシ2-エチルヘキシルシンナメート)、p-メトキシ2-エトキシエチルシンナメート、p-メトキシシクロヘキシルシンナメート、α-シアノ-β-フェニルケイヒ酸エチル、α-シアノ-β-フェニルケイヒ酸2-エチルヘキシル、グリセリルジ-パラ-メトキシモノ2-エチルヘキサノイルシンナメート):
- ベンゾフェノン誘導体の群(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホネート、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニルベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-(オクチルオキシ)ベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-(ベンジリデン)-d,l-カンファー、カンファーメト硫酸ベンザルコニウム);
- ウロカニン酸誘導体の群(例えば、ウロカニン酸又はウロカニン酸エチル);
- スルホン酸誘導体の群(例えば、2-フェニルベンズイミダゾール-5スルホン酸及びその塩);
- トリアジン誘導体の群(例えば、ヒドロキシフェニルトリアジン、(エチルヘキシルオキシ)(ヒドロキシ)フェニル-4-メトキシフェニルトリアジン、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、安息香酸の4,4-((6-(((1,1-ジメチルエチル)アミノ)カルボニル)フェニル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイルジイミノ)ビス(2-エチルヘキシル)エステル;
-アクリル酸ジフェニル誘導体の群(例えば、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノアート,エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニル-2-プロペノアート)。
【0094】
「無機サンブロック」としても知られる、前記組成物(C1)と組み合わせることができる無機サンスクリーン剤の中でも、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、黄色、赤色、又は黒色酸化鉄、及び酸化クロムが挙げられる。これらの無機サンブロックは微粉化されていてもいなくてもよく、表面処理されていてもいなくてもよく、任意選択的に水中又は油中予備分散液の形態で存在してもよい。
【0095】
本発明の主題はまた、有効量の先に定義した局所用組成物(C2)を処理すべき皮膚の表面に適用する少なくとも1つのステップa1)を含むことを特徴とする、ヒト皮膚の表皮の保湿状態を改善することにもある。
【0096】
本特許出願における「ヒト皮膚の表皮の保湿状態を改善する」という語は、ヒト皮膚の表皮の角質層の保湿度が、先に定義した前記局所用組成物(C2)を前記ヒト皮膚の表皮の角質層の表面に適用してから7日間及び21日間の間の期間に、前記局所用組成物(C2)を処理すべきヒト皮膚の表皮の前記角質層の表面に適用する前に測定及び観測された保湿度に対し、25%以上の増大が測定及び観測されることを意味する。
【0097】
上に定義した方法の定義における「有効量」という語は、処理すべき皮膚の表皮に適用した後に達成されるヒト皮膚の表皮の角質層の保湿状態に関し、処理すべき表皮の前記表面に前記組成物(C2)を適用してから7日間及び21日間の間の期間に、処理すべき皮膚の表皮の表面に先に定義した局所用組成物(C2)を適用する前に測定された保湿度に対し、処理後のヒト皮膚の表皮の角質層の保湿度が、25%を超える増大を示すような量を指す。
【0098】
本発明の主題はまた、先に定義した組成物(C1)の、あかぎれ(chapping)及び/若しくは苔癬(dry patch)及び/若しくはひび割れ及び/若しくはアトピー性皮膚炎及び/若しくは魚鱗癬並びに/又は湿疹等の皮膚及び/若しくは粘膜の病変に付随する皮膚若しくは粘膜の乾燥を、軽減及び/又は消退及び/又は予防するための治療的処理におけるその使用にある。
【0099】
先に定義した治療的処理に使用するための組成物(C1)は、医薬活性成分、特に皮膚科学的活性成分と併用することができる。
【0100】
参考文献
(1):Chan et al.,“A review of the pharmacological effects of Arctium lappa”,Inflammopharmacol.,2011,19,245-254)
(2):Rasmussen,S.,Parsons,A.J.,Fraser,K.,Xue,H.,and Newman,J.A.(2008):“Metabolic profile of lolium flowers and burdock roots using a standardized LC-DAD-ESI/MS profiling method”,Journal of Agricultural and Food Chemistry 56,10105-10114
(3):Dornenburg,and Knorr(1995),“Strategies secondary for improvement of metabolite production in plant cell cultures”,Enzyme and Microbial Technology,17,674-684
(4):Dinh,P.T.Y.,Roldan,M.,Leung,S.,and McManus,M.T(2012),“Regulation of root growth by auxin and ethylene is influenced by phosphate supply in white clover(Trifollium repens L.)”,Plant Growth Regulation,66,179-180
(5):Badry,D.V.,and Vivanco,J.M.(2009),“Regulation and function of root exudates”,Plant,Cell & Environment 32,666-681
(6):Baenas N.,Garcia-Viguera G.,and Moreno D.A.(2014),“Elicitation:a tool for enriching the bioactive composition of foods”,Molecules 19,13541-13563
【0101】
以下に示す実施例により本発明を例示するが、これらは本発明を制限するものではない。
【実施例】
【0102】
A1)本発明による組成物(C1A)の調製
ゴボウ又はアルクチウム・ラッパ(Arctium lappa)の種子を約10~15cmの大きさに達するように標準条件下で60日間生長させた植物体を予め入手し、次いでこれらをポットから取り出し、ゴボウの植物体を、電気伝導度が1.0mS(ミリジーメンス)~1.2mSであり、肥料により提供されるN/P/K(窒素/リン/カリウム)質量比が約15/10/30であることを特徴とする栄養液に、温度を20℃に調整して6週間浸すことからなる気耕栽培条件に付した。こうして得られた根の収量は1平方メートル当たり754gである。
【0103】
こうして得られたバイオマスの新鮮な根を回収し、その質量100%当たり1,2-プロパンジオール70質量%及び蒸留水30質量%を含む浴(リン酸75質量%を含む溶液を添加することによりpHを予め2.0±0.2に調整)1リットル当たりバイオマスの比率を1.0kgとし、25℃で15分間浸漬した。
【0104】
次いで植物体を浸出浴(L1)から取り出し、根から水分を切った後、細かく刻み、次いで残りのバイオマスを再び、その質量100%当たり、1,2-プロパンジオール70質量%及び蒸留水30質量%を含む混合物を含む新しい浴(予めリン酸75質量%を含む溶液を添加することによりpHを2.0±0.2に調整)1リットル当たりバイオマスの比率を0.5kgとして、25℃で48時間浸漬(macerate)した。
【0105】
この浸漬段階が完了したら、バイオマスを浸漬液(L2)から分離し、前記液体(L2)を50マイクロメートルのフィルターバッグで濾過した。
【0106】
液体(L1)及び(L2)を貯留し、次いで得られた混合物に1,2-プロパンジオールを補充してその質量含有率が70%になるように調整した。こうして得られた液体(L3)を1マイクロメートルの膜で濾過することにより清澄化し、次いで0.2マイクロメートルの膜で濾過することにより期待された組成物(C1A)を得た。
【0107】
A2)比較組成物(Ccomp)の調製例
後に気耕栽培に付す苗を得るために使用した種子(実施例A1)と同一ロットの種子から得られた苗を使用し、前記苗を6週間土壌栽培した。
【0108】
この期間が終了したら植物体をポットから抜き、採取直後の根の汚れを落とし、切り刻んで磨り潰し、次いで、得られた前記磨り潰した材料を、従来の液/固抽出法(浸漬、撹拌、濾過)に従い、1,2-プロパンジオール/蒸留水の70/30溶媒混合物を用いて、採取直後の根/溶媒媒体の質量比を、1,2-プロパンジオール及び水の混合物1リットル当たりバイオマスを0.5kgとして、25℃の温度で抽出した。蒸留水のpH値は、リン酸75質量%を含む溶液を添加することにより予め2.0±0.2に調整しておいた。
【0109】
この抽出段階終了後、バイオマスを液体から分離し、次いでこれを清澄化するべく50マイクロメートルのフィルターバッグで濾過し、次いで1マイクロメートルの膜で濾過し、最後に0.2マイクロメートルの膜で滅菌濾過することにより組成物(CComp)を得た。
【0110】
A3)本発明による組成物(C1A)及び比較組成物(Ccomp)の分析による特性評価
組成物(C1)(Ccomp)の特性を次の表11にまとめた:
【0111】
【0112】
B)本発明による組成物(C1A)及び比較組成物(Ccomp)の保湿性の実証。
B1)再構築ヒト表皮試料の皮膚バリア機能を損傷から保護することの実証。
B1.1.方法の基本方針
スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)株及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)株をそれぞれBHI(ブレインハートインフュージョン(Brain Heart Infusion))及びNB(ニュートリエントブロス(Nutrient Broth))培地にて37℃で24時間培養した。37℃、5%CO2で培養した、表面積が0.5cm2である再構築ヒト表皮試料に、まずスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)株を6時間定着(colonize)させ、次いでスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)株を24時間定着させた。
【0113】
本発明による組成物(C1A)(1%v/v)を再構築ヒト表皮試料に添加し、それと同時にスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)株、次いで同様にスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)株を添加した。
【0114】
こうして処理された再構築ヒト表皮試料のバリア機能を:
- 再構築ヒト表皮試料の経上皮電気抵抗(TEER)測定、及び
- 前記再構築ヒト表皮試料の組織学的評価、より具体的には、ヘマトキシリン及びエオシン染色後に前記染色性を「スコア化」すること
により評価した。
【0115】
組織学的評価に関連して、再構築ヒト表皮試料のバリア機能に及ぼされた効果を、ヘマトキシリン及びエオシンによる染色による組織学的スコアにて評価した。組織学的スコアは次に示すように割り当てた:
- 0=正常(standard):基準形態から有意な変化が認められない
- 1=軽度(mild):角質層が有意に変化
- 2=中等度(moderate):角質層及び顆粒層が有意に変化し、ケラトヒアリンが減少し、幾つかの壊死細胞が見られる
- 3=高度(strong):基底層が有意に変化し、壊死細胞及び細胞間の隙間及び浮腫が見られる
- 4=重度(severe):細胞間結合が喪失し、組織がポリカーボネートフィルターから剥離し、壊死細胞が見られ、特異的標識が存在しない。
【0116】
組織学的スコアが「正常」(スコア0)又は「軽度」(スコア1)と評価された場合、生成物は、ヒト表皮のバリア機能を保護すると判定する。
【0117】
組成物(C1A)の適用の有無による再構築ヒト表皮の微生物叢の平衡状態を、細菌叢やバイオフィルム等の超微細構造の形成をSEMによって調査することにより評価した。
【0118】
B.1.2.結果
B.1.2.1 再構築ヒト表皮試料のバリア機能の保護に関し、経上皮電気抵抗(TEER)測定から得られた結果
対応する処理毎に再構築ヒト表皮試料のTEER測定を実施し、表7にまとめる。経上皮電気抵抗(TEER)の低下は表皮のバリア機能が低下したことを示している。つまりこれは、皮膚の水分喪失、及びこの水分喪失が原因となり得る、美しさを損なう作用の1つの要因となる。再構築ヒト表皮表面の菌定着前後の経上皮電気抵抗の差Δも算出する。次式に従い保護率(percentage of protection)も求める:
保護率(%)=R[スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis) + スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させ、(C1A)1%(v/v)で処理した再構築ヒト表皮] - R[スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis) + スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させ、(C1A)を添加しなかった再構築ヒト表皮]/R[未処理の再構築ヒト表皮(対照)] - R[スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis) + スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させ、(C1A)を添加しなかった再構築ヒト表皮]
【0119】
【0120】
再構築ヒト表皮試料にスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させると、前記定着を開始する前後に測定したTEERの差は-3368.33オーム・cm2となり、未定着及び未処理の再構築ヒト表皮試料(-1173.33オーム・cm2)に対し187%増大する。
【0121】
スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の定着と同時に、再構築ヒト表皮試料に組成物(C1A)を接触させると、前記定着前後に測定されたTEER値の差は-2001.66オーム・cm2となった。これは未定着及び未処理の再構築ヒト表皮試料(-1173.33オーム・cm2)に対し71%の増大であり、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させた再構築ヒト表皮試料に対する保護率が42%であることを表す。
【0122】
したがって、組成物(C1A)を含む組成物を皮膚に適用することにより、皮膚の前記表皮のバリア機能を低下させる作用が知られている細菌の作用を皮膚が受ける前に、皮膚の表皮のバリア機能の低下を防ぐことが可能である。
【0123】
B.1.2.2 再構築ヒト表皮試料のバリア機能の保護に関し、再構築ヒト表皮の前記試料をヘマトキシリン及びエオシンで染色し、組織学的に評価することにより得られた結果
表皮試料のヘマトキシリン及びエオシン染色を、先に記載した「スコア」を割り当てることにより評価した。結果を次の表8にまとめる:
【0124】
【0125】
スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の定着と同時に、再構築ヒト表皮試料に組成物(C1A)を接触させた場合、組織学的スコアはレベル1と評価された。これは特に、基底層レベル及び角質層における損傷が低減されたことを示しており、より密なラメラ構造が観察される。
【0126】
したがって、皮膚に組成物(C1A)を含む組成物を適用することにより、組織の結合の低下を阻止し、その結果として、一過性菌が顔の表皮のバリア機能を侵襲することを阻止することが可能になる。
【0127】
更に、2種の細菌(スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus))の定着の分布状態(profile)を走査型電子顕微鏡(SEM、Zeiss Sigma Electron Microscope)により評価した。
【0128】
電子顕微鏡観察(×10000倍)によれば、再構築ヒト表皮試料にスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)のみが定着している場合、この細菌は再構築ヒト表皮の表面に均一に存在し、大きな凝集塊を形成しており、フィラメント状多糖構造を特徴とするバイオフィルムが発達している。
【0129】
再構築ヒト表皮の試料にスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)を定着させると、再構築ヒト表皮の表面にスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の球状凝集塊が幾つか出現したことが観察され、一方、スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)のフィルムは前記表皮の表面上に視認可能なままである。
【0130】
電子顕微鏡(×10000倍)によりスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の大きな凝集塊の存在も観察され、三次元構造を形成しており、したがって、表皮表面に早い段階でバイオフィルムが発達していることを示唆している。
【0131】
皮膚に組成物(C1A)を含む組成物を適用した後は、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の球状凝集塊はもはや存在しなくなる。つまりこれは、組成物(C1A)を添加することにより、表皮表面への細菌の付着及びスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のバイオフィルムの形成を阻止することが可能になることを意味している。スタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)のバイオフィルムは依然として表皮表面に視認可能である。
【0132】
これらの観察結果は、組成物(C1A)はスタフィロコッカス・エピデルミディス(Staphylococcus epidermidis)等の共生細菌の存在に支障を来すことなく、病原性日和見細菌、例えば、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の付着、したがってバイオフィルムの形成を低減することができることを示している。
【0133】
B.1.3.結論
皮膚細菌叢の共生細菌が定着し、その後に病原性細菌が定着する前に、再構築ヒト表皮試料の経上皮電気抵抗測定及び組織学的評価による測定を組み合わせて実施することは、前記表皮の微生物叢のバリア機能及び平衡状態の損傷、並びに組成物又は抽出物又は複雑な配合物による事前処理の影響を研究するモデルとなる。
【0134】
B.1.2.1項及びB.1.2.2項にまとめた一連の結果及び観察結果は、皮膚細菌叢の共生細菌を定着させ、次いで病原性細菌を定着させるヒト皮膚モデルにおいて、組成物(C1A)を用いることにより、ヒト皮膚表皮のバリア機能の低下を阻止し、その結果としてヒト皮膚表皮の水分喪失を阻止し、それに伴う美しさの低下効果、例えば、皮膚の乾燥及び荒れ(それが病原性細菌の存在が関与するものである場合は、炎症及び掻痒が付随し得る)を阻止することが可能になることを示している。
【0135】
B2)ケラチノサイトの分化を増加させることによる皮膚バリア機能が改善されることの実証
B.2.1 方法の基本方針
表皮ケラチノサイトの分化の進行は、前記表皮処理がヒト皮膚の表皮バリア機能の発達に、したがってヒト皮膚の表皮の保湿状態の発達に与える効果を示す手段となる。
【0136】
これを行うために、正常なヒトケラチノサイトを37℃、5%CO2で培養した。4日後、その作用を評価することが所望される生成物を用いてこれらを処理した。
【0137】
試験生成物と一緒に37℃、5%CO2で更に72時間培養した後、細胞層(cell lawn)を洗浄し、乾燥させた後、氷酢酸(glacial)メタノールで固定した。ケラチノサイト分化マーカーであるフィラグリンを、抗フィラグリン一次抗体及び蛍光二次抗体を用いる蛍光免疫標識により検出及び定量し、前者を明らかにした。DNAに結合し、したがって核を標識する蛍光染料であるヘキストで染色することにより核を検出及び定量した。この最後の標識化は、予めフィラグリンに関し取得した結果を正規化するために実施した。
【0138】
B.2.2 結果
異なる条件、特に本発明による組成物(C1A)の存在下及び比較組成物(C1Com)の存在下に培養したケラチノサイト上でフィラグリン測定を行った。表9にまとめる。
【0139】
フィラグリン(標識された面積)/核(標識された面積)比が増大したことは、表皮ケラチノサイトの分化が増加し、その結果として、皮膚の保湿状態を強化する要因の1つを構成する表皮のバリア作用が強化されたことの証拠である。ケラチノサイト分化を増加させることにより、ヒト表皮のバリア作用を強化し、その結果として、ヒト皮膚の脱水により引き起こされ得る美しさを損なう作用を抑制することが可能となる。
【0140】
【0141】
B.2.3.結論
本発明による組成物(C1A)を適用することにより、フィラグリン/核比の値を0.0254に到達させることが可能になり、それとは対照的に、組成物(C1A)を組成物(C1Comp)に替えた場合は0.0144であった。つまり、本発明による組成物(C1A)を用いることにより、フィラグリンの産生を対照(未処理のケラチノサイト)と比較して648%増加させることが可能である。一方、比較組成物(C1Comp)を用いた場合のフィラグリン産生の増加はわずか323%である。
【0142】
本発明による組成物(C1A)を用いることにより、ケラチノサイトの分化を増加し、その結果として表皮のバリア作用を強化し、したがって、前記ヒト表皮の保湿状態を促すことが可能になる。
【0143】
B3)本発明による組成物(C1A)が皮膚の保湿度に与える影響。
B.3.1.方法の基本方針
皮膚の電気的性質、例えば、インピーダンス、抵抗、及び静電容量は角質層に含まれる水分量に伴い変動するため、皮膚表面で測定されるこれらの誘電パラメータを評価することにより、皮膚の保湿度を測定した。
【0144】
本特許出願に関連して採用及び利用した方針は、皮膚表面の誘電体の静電容量の変化を測定することに基づく。具体的には、任意の材料又は任意の生物学的基質と同様に、角質層も静電容量の平均値で特徴付けることができ、この誘電的性質は、その水分量と共に変化する。
【0145】
B.3.2 設備
皮膚の保湿度はCourage & Khasaka社から販売されている2種類の金属電極から構成されるセンサーを備えたCM825TM型のコルネオメーターを使用して測定する。コルネオメーターが通電されると、角質層に電界を発生させ、電界が発生している皮膚の状態に対応する静電容量を測定することが可能になる。
【0146】
B.3.3 実験手順
試験組成物の保湿効果の調査を21人の志願者の群に実施した。これは、21日間に亘り、評価対象組成物、即ち偽薬(本明細書においてはPLACと称する)若しくは試験組成物(本明細書においてはCOMPと称する)のいずれかを1日2回適用するか、又は未処理の領域をそのままにする(本明細書においてはNTと称する)ことからなる。皮膚の保湿度を、組成物を適用する前(D0)、試験組成物を皮膚に適用してから7日後(D7)、及び試験組成物を皮膚に適用してから21日後(D21)にコルネオメーターを使用して測定した。
【0147】
志願者の群の特性は次の通りである:
- 18~48歳の女性、
- 平均年齢35歳、
- フォトタイプII~IV
- 脚部の皮膚が非常に乾燥している(コルネオメーターによる測定値≦30(au)の場合、本調査に適格とする)。
【0148】
B.3.4 結果の表示
保湿度の測定値は任意単位(au)で表す。
【0149】
この値(auで表す)の増加は角質層の水分量が増加したことを示唆しており、つまり、保湿効果を特徴付けるものである。
【0150】
それぞれの測定時点でコルネオメーターにて測定された値を記録し、D0及びD7の間の変動、次いでD0及びD21の間の変動を、評価を行った組成物毎に、D0で測定された値に対する百分率として表す。
【0151】
次に示すように定義を行う:
T(D0):、処理された領域及び未処理の領域で試験組成物を適用する前に測定した保湿度の平均値を任意単位(au)で表したもの;
T(D7):処理された領域及び未処理の領域で試験組成物を適用した7日後に測定した保湿度の平均値を任意単位(au)で表したもの;
T(D21):処理された領域及び未処理の領域で試験組成物を適用した21日後に測定した保湿度の平均値を任意単位(au)で表したもの;
【0152】
次に示すようにして、処理から7日後の保湿度の増加率Δ7を算出する:
偽薬の場合:
Δ7=100×[(T(D7)-T(D0))PLAC-(T(D7)-T(D0))NT]/[(T(D0))PLAC-(T(D7)-T(D0))NT]
試験組成物の場合:
Δ7=100×[T(D7)-T(D0))COMP-(T(D7)-T(D0))NT]/[(T(D0))COMP-(T(D7)-T(D0))NT]
【0153】
処理から21日後の保湿度の増加率Δ21も算出する:
偽薬の場合:
Δ21=100×[(T(D21)-T(D0))PLAC-(T(D21)-T(D0))NT]/[(T(D0))PLAC-(T(D21)-T(D0))NT]
試験組成物の場合:
Δ21=100×[(T(D21)-T(D0))COMP-(T(D21)-T(D0))NT]/[(T(D0))COMP-(T(D21)-T(D0))NT]
【0154】
生成物の効果も算出する:
偽薬に対する%(D7)=
100×(T(D7)-T(D0))COMP-(T(D7)-T(D0))PLAC]/[(T(D7)-T(D0))PLAC-(T(D7)-T(D0))NT]
偽薬に対する%(D21)=
100×[(T(D21)-T(D0))COMP-(T(D21)-T(D0))PLAC]/[(T(D21)-T(D0))PLAC-(T(D21)-T(D0))NT]
【0155】
B.3.5 結果
試験組成物を適用することにより得られた保湿度の測定値の平均を次の表10に示す:
【0156】
【0157】
偽薬及び試験組成物により得られたD7及びD21の保湿度の比較を次の表11に示す:
【0158】
【0159】
B.3.6 結果の分析
試験組成物を適用してから7日後に測定された保湿度の変化Δ7の平均値は、偽薬組成物による保湿度の増加が18.8%であったのに対し、本発明による組成物(C1A)の場合は28.8%であったことを示している。本発明による組成物(C1A)を用いることにより偽薬に対し保湿度が58%向上する。
【0160】
試験組成物を適用してから21日後に測定された保湿度の変化Δ21の平均値は、偽薬組成物による保湿度の増加が22.2%であったのに対し、本発明による組成物(C1A)の場合は37.9%であったことを示している。本発明による組成物(C1A)を用いることにより偽薬に対し保湿度が56%向上する。
【0161】
したがって、本発明による組成物(C1A)は、ヒト表皮の保湿度を改善することが可能である。
【0162】
B.4 分析
本特許出願のB.3項で得られた一連の結果は、本発明による組成物(C1A)が、表皮のバリア作用を強化する役割(バリア作用の低下に対する保護及びバリア作用の向上)及びヒト皮膚の表皮の保湿度を増大させる作用の両方を介して、ヒト皮膚の表皮に保湿効果をもたらすことを示している。
【0163】
C)配合
以下に示す配合において、百分率は配合物の重量で表す。
【0164】
C.1)顔用液体メイク落とし
配合
組成物(C1A) 10.00%
メチルパラベン 0.15%
フェノキシエタノール 0.80%
SepicalmTM S 1.00%
香料(Perfume/Fragrance) 0.10%
水 100.00%になる量
【0165】
手順:水中で各種成分を記載した順に磁気的撹拌により混合し、pHを約7に調整した。
【0166】
C.2)乳幼児用ヘア/ボディシャンプー
配合
A
組成物(C1A) 15.00%
ProteolTM APL 5.00%
SepicideTM HB 0.50%
香料 0.10%
B
水 20.00%
CapigelTM 98 3.50%
C
水 100.00%になる量
SepicideTM CI 0.30%
着色剤 適量
水酸化ナトリウム pH=7.2になる量
【0167】
手順:組成物(E4)をProteolTM APL及びSepicideTM HBと混合する(A相)。CapigelTM 98を一部の水で希釈し、先に得られたA相に添加する(B相)。残りの水をB相に加えた後、SepicideTM CI及び着色剤を添加する。混合物のpHを水酸化ナトリウムで約7.2に調整する。
【0168】
C.3)アイメイク拭き取りシート
配合
A
組成物(C1A) 3.00%
B
SepicideTM HB2 0.50%
C
SepicalmTM VG 0.50%
香料 0.05%
D
水 100.00%になる量
【0169】
手順:B相の成分及びC相の成分をA相中で溶液が透明になるまで混合する。D相を加える。
【0170】
C.4)低刺激性起泡ジェル(Mild foaming gel)
配合
A
組成物(C1A) 8.50%
ProteolTM APL 3.00%
EuxylTM PE9010 1.00%
香料 0.10%
B
水 100.00%になる量
乳酸 pH=6.0になる量
【0171】
手順:香料及び防腐剤EuxylTM PE9010を組成物E4及びProteolTM APLから構成される混合物に溶解する(A相)。水を加え、乳酸でpHを約6.0に調整する。
【0172】
C.5)日常使い(Regular-use)のシャンプー
配合
A
組成物(C1A) 12.80%
ProteolTM OAT 5.00%
EuxylTM PE9010 1.00%
香料 0.30%
水 100.00%になる量
B
MontalineTM C40 8.50%
乳酸 pH=6.0になる量
【0173】
手順:A相の全成分を混合し、均質化した後、MontalineTM C40を加え、乳酸でpHを約6.0に調整した。
【0174】
C.6)超低刺激性乳幼児用シャンプー
配合
A
組成物(C1A) 10.00%
AmisoftTM CS-11 4.00%
香料 0.10%
SepicideTM HB 0.30%
SepicideTM CI 0.20%
水 100.00%になる量
B
水 20.00%
CapigelTM 98 3.50%
トロメタミン pH=7.2になる量
【0175】
手順:A相の全成分を記載順にA相が透明になるまで混合する。これとは別に、CapigelTM 98を水に加え、次いでこうして調整されたB相をA相に加え、トロメタミンを用いてpHを7.2に調整する。
【0176】
C.7)乳児用乳液状洗浄料(cleansing milk)
配合
A
SimulsolTM 165 2.00%
MontanovTM 202 1.00%
LanolTM 99 3.00%
ジメチコン 1.00%
イソヘキサデカン 3.00%
B
水 100.00%になる量
C
SepiplusTM 400 0.30%
D
組成物(C1A) 6.35%
E
SepicideTM HB 0.30%
DMDMヒダントイン 0.20%
香料 0.10%
【0177】
手順:各種構成要素を混合することにより形成したA相及びB相を別々に加熱する。C相を高温の脂肪質相に加え、水相中に注ぐことによりエマルジョンを形成し;数分間激しく撹拌して均質化させる(ローター/ステーター型高速ミキサーによる)。次いでD相を高温のエマルジョンに加え、適度に撹拌しながらエマルジョンを室温に冷却する。E相を40℃で加える。
【0178】
C.8)敏感肌用パウダー入りローション洗浄料
配合
A
LipacideTM C8G 0.95%
メチルパラベン 0.10%
エチルパラベン 0.024%
プロピルパラベン 0.0119%
ブチルパラベン 0.024%
イソブチルパラベン 0.0119%
水 20.00%
EDTA二ナトリウム 0.10%
トリエタノールアミン 1.38%
B
組成物(C1A) 1.80%
香料 0.10%
C
SepicalmTM S 0.28%
水 100.00%になる量
乳酸 pH=5.2になる量
D
MicropearlTM M310 5.00%
【0179】
手順:A相の成分を水に80℃で溶解する。これとは別に、組成物(E4)に香料を溶解してB相を調製する。冷却したA相をB相に加え、次いでSepicalmTM S及び残りの水を導入する。最終pHを調べて、必要であれば約5.2に調整する。次いでMicropearlTMM310を加える。
【0180】
C.9)乳幼児用シャワージェル
配合
A
水 56.06%
SepimaxTM Zen 3.00%
SepiplusTM S 0.80%
B
ProteolTM OAT 20.80%
OramixTM NS 10 9.30%
AmonylTM 265 BA 5.10%
C
組成物(C1A) 2.00%
グリセリルグルコシド 1.00%
フェノキシエタノール & エチルヘキシルグリセロール 1.00%
香料 0.90%
着色剤 0.04%
【0181】
手順:SepimaxTM ZENを水中に分散させ、解凝集機(deflocculator)、即ち逆方向に回転する撹拌羽根及びアンカーパドルを備えた機械的撹拌機を用いて撹拌し、完全に滑らかなゲルを得る。SepiplusTM Sを加えた後、混合物が均質になるまで撹拌する。次いでB相の成分を加え、均質化し、C相の添加剤を個々に加える。pHを6.0~6.5に調整する。
【0182】
C.10)BBクリーム
配合
A
EasynovTM 2.30%
LanolTM 99 1.00%
SepimatTM H10W 1.00%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 5.00%
B
シクロメチコン 6.00%
トリエトキシカプリルシラン&アルミナ-シラン&酸化チタン 8.00%
赤色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン 0.24%
黄色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン 0.66%
黒色酸化鉄&トリエトキシカプリルシラン 0.09%
香料 0.10%
C
水 100%になる量
SepinovTM EMT10 1.20%
D
組成物(C1A) 2.00%
SepitonicTM M3 1.00%
フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセロール 1.00%
【0183】
手順:各種成分を混合し、ローター/ステーター機構を備えたミキサーを使用して回転数4500rpmで6分間均質化することによりB相を調製する。SepinovTM EMT10を水及びグリセロールの混合物に加え、ローター/ステーター機構を備えたミキサーを使用して回転数4000rpmで4分間混合して均質化することによりC相を調製する。A相及びB相をC相に加え、得られた混合物を、アンカーパドルを備えた機械的撹拌機を使用して回転数30rpmで2分間、次いで回転数50rpmで20分間撹拌する。相5の構成成分を1種ずつ加え、回転数50rpmで25分間撹拌する。
【0184】
C.11)SPFが30を超える防御力の高い抗日光スプレー
配合
A
MontanovTML 1.00%
MontanovTM 82 1.00%
安息香酸アルキル(C12-15) 17.00%
ジメチコン 3.00%
オクトクリレン 6.00%
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 6.00%
ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン 3.00%
トコフェロール 0.05%
B
水 100%になる量
C
SimulgelTM INS 100 0.50%
シクロジメチコン 5.00%
D
組成物(C1A) 3.00%
フェノキシエタノール&エチルヘキシルグリセロール 1.00%
香料 0.20%
E
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール 10.00%
25%クエン酸 pH=5になる量
SepicalmTM S:国際公開第98/09611号パンフレットに記載されているN-ココイルアミノ酸、サルコシン、アスパラギン酸カリウム、及びアスパラギン酸マグネシウムの混合物;
ProteolTM APL:リンゴ汁に特徴的なアミノ酸をアシル化することにより得られるN-ココイルアミノ酸のナトリウム塩;
SepicideTM HB:防腐剤であるフェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、及びブチルパラベンの混合物;
CapigelTM 98:アクリレートコポリマー;
SepicideTM CI:防腐剤であるイミダゾリン尿素(imidazoline urea);
SepicideTM HB:防腐剤であるフェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、及びイソブチルパラベンの混合物;
SepicalmTM VG:ナトリウム塩形態のN-パルミトイルプロリンとニンファエアアルバ花(Nymphea alba blossom)抽出物との混合物;
EuxylTM PE9010:フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセロールの混合物;
ProteolTM OAT:国際公開第94/26694号パンフレットに記載されているカラスムギタパクの完全加水分解により得られるN-ラウリルアミノ酸の混合物;
MontalineTM C40:モノエタノールアミンコカミドプロピルベタインアミドの塩化物;
AmisoftTM CS-11:N-ココイルグルタミン酸ナトリウム;
SimulsolTM 165:ステアリン酸PEG-100及びステアリン酸グリセリルの混合物;
MontanovTM 202(アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、及びアラキジルグルコシド)は、例えば、欧州特許第0977626号明細書に記載されている自己乳化型組成物である;
LanolTM99:イソノナン酸イソノニル;
SepiplusTM 400:国際公開第2005/040230号パンフレットに記載されている、ポリソルベート20を含む、ポリイソブテン中ポリアクリル酸エステルの自己転相性転相ラテックス;
LipacideTM C8G:SEPPIC社から販売されているカプリロイルグリシン;
MicropearlTM M310:質感調整剤として使用される、粉末形態にある架橋ポリメタクリル酸メチルポリマー;
SepimaxTM Zen(INCI名:Polyacrylate Crosspolymer-6(ポリアクリレートクロスポリマー-6)):粉末形態にある増粘ポリマー;
SepiplusTM S(INCI名:Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)&Polyisobutene(ポリイソブテン)&(PEG-7 Trimethylolpropane Coconut Ether(PEG-7トリメチロールプロパンヤシ油アルキルエーテル)):自己転相性転相ラテックス;
AmonylTM 265 BA(INCI名:cocoyl betaine(ココイルベタイン)):起泡性両性界面活性剤;
SepinovTM EMT10(INCI名:Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)):粉末形態の増粘コポリマー;
EasynovTM (INCI名:Octyldodecanol(オクチルドデカノール)及びOctyldodecyl Xyloside(オクチルドデシルキシロシド)及びPEG-30 Dipolyhydroxystearate(ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30)):親油性乳化剤;
SepimatTM H10 FW(INCI名:Methyl Methacrylate Crosspolymer(メタクリル酸メチルクロスポリマー)及びSqualane(スクワラン)):質感向上剤(texture agent)として使用されるポリマー;
SepitonicTM M3(INCI名:Magnesium Aspartate(アスパラギン酸マグネシウム)及びZinc Gluconate(グルコン酸亜鉛)及びCopper Gluconate(グルコン酸銅)):細胞のフリーラジカル捕捉剤及び賦活剤として使用される混合物;
MontanovTM L(INCI名:C14-22 Alcohols((C14~22)アルコール)及びC12-20 Alkylglucoside(C12~20アルキルグルコシド)):乳化剤;
MontanovTM 82(INCI名:Cetearyl Alcohol(セテアリルアルコール)及びCoco-glucoside(ヤシ油アルキルグルコシド)):乳化剤;
SimulgelTM INS100(INCI名:Hydroxyethyl Acrylate/Sodium Acryloyldimethyl Taurate Copolymer((アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー)及びisohexadecane(イソヘキサデカン)及びPolysorbate 60(ポリソルベート60)):高分子増粘剤。