(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】信号受信方法及び端末デバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 72/566 20230101AFI20231013BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20231013BHJP
H04W 88/02 20090101ALI20231013BHJP
【FI】
H04W72/566
H04W72/54
H04W88/02 141
(21)【出願番号】P 2020565342
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2018088131
(87)【国際公開番号】W WO2019222954
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-12-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジーフオン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,リー
(72)【発明者】
【氏名】ガン,ウエンユイ
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】中木 努
【審判官】角張 亜希子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0226539(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号受信方法であって、当該方法は、少なくとも第1の加入者識別モジュール(SIM)カード及び第2の加入者識別モジュール(SIM)カードを含む複数の加入者識別モジュール(SIM)カードを備える端末デバイスに適用され、前記第1のSIMカードは、第1のネットワークにおいて動作し、且つ、前記第2のSIMカードは、第2のネットワークにおいて動作し、前記端末デバイスは、複数の受信アンテナを備え、前記端末デバイスのリソーススケジューリングモードは、少なくとも第1のモード及び第2のモードを含
む複数のリソーススケジューリングモードから選択され、当該方法は、
受信したより上位の層のシグナリングに基づいて、開始時点及び終了時点によって定義される将来的な時間期間として、優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定するステップであって、前記受信したより上位の層のシグナリングは、前記将来的な時間期間においてシグナリングインタラクション手順に入るように前記端末デバイスに指示するのに使用され、前記優先順位の高い信号は、コアネットワークが前記端末デバイスへの接続を確立する必要がある場合又はシステムメッセージが変化する場合のうちの少なくとも1つの場合にアクセスネットワークデバイスが送信する必要がある、ステップと、
前記優先順位の高い信号を受信するための前記第1の時間期間を決定した後に、前記第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、
前記開始時点において又は前記開始時点の前に、前記第1のモードから前記第2のモードへ
と、前記端末デバイスの前記リソーススケジューリングモードを切り替え
るステップであって、前記第1のSIMカードは、優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードである、ステップ、又は、
前記優先順位の高い信号を受信するための前記第1の時間期間を決定した後に、前記第1のSIMカードの前記チャネル環境が前記あらかじめ設定された条件を満たさないときに、前記第1のモードから前記第2のモードへ
と、前記端末デバイスの前記リソーススケジューリングモードを切り替え
ないステップであって、前記第1のSIMカードは、優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードである、ステップ
と、
前記開始時点と前記終了時点との間で前記優先順位の高い信号を受信するステップと、を含み、
前記優先順位の高い信号は、
前記シグナリングインタラクション手順において受信されるページングメッセージ、システムメッセージ、又はダウンリンクシグナリングを含み、前記第1のモードから前記第2のモードへの前記切り替えに応答して、前記端末デバイスは、前記第1のSIMカード及び前記第2のSIMカードに最初に割り当てられている受信アンテナのすべてを前記第1のSIMカードに割り当てるように、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される前記受信アンテナの数を調整することが可能である、
方法。
【請求項2】
前記第1のネットワークは、3Gネットワークであり、前記第2のネットワークは、4Gネットワークである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比(SNR)が、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、前記第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイ(DR-DSDS)モードであり、前記第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)モードである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記端末デバイスは、2N個の受信アンテナを備え、
前記端末デバイスが前記第1のモードにあるときに、前記第1のSIMカードがN個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、第2のSIMカードがN個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信するステップ、
前記端末デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第1のSIMカードが2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信するステップ、
前記端末デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第2のSIMカードが2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のSIMカード及び第2のSIMカードが同じネットワークの中にあるときに、前記端末デバイスは、前記ネットワークの中で信号を受信するように構成される2つの無線周波数処理モジュールを含み、各々の無線周波数処理モジュールは、1つ又は複数の受信アンテナを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数よりも少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電子デバイスであって、
少なくとも第1の加入者識別モジュール(SIM)カード及び第2の加入者識別モジュール(SIM)カードを含む複数の加入者識別モジュール(SIM)カードであって、前記第1のSIMカードは、第1のネットワークにおいて動作し、且つ、前記第2のSIMカードは、第2のネットワークにおいて動作する、複数のSIMカードと、
複数の受信アンテナと、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されて、プログラミング命令を格納するメモリと、を含み、前記プログラミング命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、
当該電子デバイスが、受信したより上位の層のシグナリングに基づいて、開始時点及び終了時点によって定義される将来的な時間期間として、優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定するようにさせ、前記受信したより上位の層のシグナリングは、前記将来的な時間期間においてシグナリングインタラクション手順に入るように当該電子デバイスに指示するのに使用され、前記優先順位の高い信号は、コアネットワークが当該電子デバイスへの接続を確立する必要がある場合又はシステムメッセージが変化する場合のうちの少なくとも1つの場合にアクセスネットワークデバイスが送信する必要があり、
前記優先順位の高い信号を受信するための前記第1の時間期間を決定した後に、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、当該電子デバイスが、
前記開始時点において又は前記開始時点の前に、第1のモードから第2のモードへ
と、当該電子デバイスのリソーススケジューリングモードを切り替
えるようにさせ、前記第1のSIMカードは、優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードであり、
当該電子デバイスが、前記開始時点と前記終了時点との間で前記優先順位の高い信号を受信するようにさせ、
前記優先順位の高い信号は、
前記シグナリングインタラクション手順において受信されるページングメッセージ、システムメッセージ、又はダウンリンクシグナリングを含み、前記第1のモードから前記第2のモードへの前記切り替えに応答して、当該電子デバイスは、前記第1のSIMカード及び前記第2のSIMカードに最初に割り当てられている受信アンテナのすべてを前記第1のSIMカードに割り当てるように、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数を調整することが可能である、
電子デバイス。
【請求項9】
前記第1のネットワークは、3Gネットワークであり、第2のネットワークは、4Gネットワークである、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項10】
前記あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比(SNR)が、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項11】
当該電子デバイスは、デュアルSIM端末であり、前記第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイ(DR-DSDS)モードであり、前記第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)モードである、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項12】
当該電子デバイスは、2N個の受信アンテナを備え、
当該電子デバイスが前記第1のモードにあるときに、前記第1のSIMカードがN個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、第2のSIMカードがN個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、
当該電子デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第1のSIMカードが2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、
当該電子デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第2のSIMカードが2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信する、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項13】
前記第1のSIMカード及び第2のSIMカードが同じネットワークの中にあるときに、当該電子デバイスは、前記ネットワークの中で信号を受信するように構成される2つの無線周波数処理モジュールを含み、各々の無線周波数処理モジュールは、1つ又は複数の受信アンテナを含む、請求項8に記載の電子デバイス。
【請求項14】
命令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令が、少なくとも第1のネットワークにおいて動作する第1のSIMカード及び第2のネットワークにおいて動作する第2のSIMカードを含む端末デバイスによって実行されると、
前記端末デバイスが、受信したより上位の層のシグナリングに基づいて、開始時点及び終了時点によって定義される将来的な時間期間として、優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定することを可能とし、前記受信したより上位の層のシグナリングは、前記将来的な時間期間においてシグナリングインタラクション手順に入るように前記端末デバイスに指示するのに使用され、前記優先順位の高い信号は、コアネットワークが前記端末デバイスへの接続を確立する必要がある場合又はシステムメッセージが変化する場合のうちの少なくとも1つの場合にアクセスネットワークデバイスが送信する必要があり、
前記優先順位の高い信号を受信するための前記第1の時間期間を決定した後に、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たし、且つ、前記第1のSIMカードが第2のネットワークにおいて動作していないときに、前記端末デバイスが、
前記開始時点において又は前記開始時点の前に、第1のモードから第2のモードへ
と、前記端末デバイスのリソーススケジューリングモードを切り替え
ることを可能とし、前記第1のSIMカードは、優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードであり、
前記端末デバイスが、前記開始時点と前記終了時点との間で前記優先順位の高い信号を受信することを可能とし、
前記優先順位の高い信号は、
前記シグナリングインタラクション手順において受信されるページングメッセージ、システムメッセージ、又はダウンリンクシグナリングを含み、前記第1のモードから前記第2のモードへの前記切り替えに応答して、前記端末デバイスは、前記第1のSIMカード及び前記第2のSIMカードに最初に割り当てられている受信アンテナのすべてを前記第1のSIMカードに割り当てるように、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数を調整することが可能である、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
前記第1のネットワークは、3Gネットワークであり、第2のネットワークは、4Gネットワークである、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項16】
前記あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比(SNR)が、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項17】
前記端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、前記第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイ(DR-DSDS)モードであり、前記第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)モードである、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項18】
前記端末デバイスは、2N個の受信アンテナを備え、
前記端末デバイスが前記第1のモードにあるときに、前記第1のSIMカードは、N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、第2のSIMカードは、N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、
前記端末デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第1のSIMカードは、2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信し、
前記端末デバイスが前記第2のモードにあるときに、ダウンリンクデータの受信の際に、前記第2のSIMカードは、2N個の受信アンテナによってダウンリンクデータを受信する、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項19】
前記第1のSIMカード及び第2のSIMカードが同じネットワークの中にあるときに、前記端末デバイスは、前記ネットワークの中で信号を受信するように構成される2つの無線周波数処理モジュールを含み、各々の無線周波数処理モジュールは、1つ又は複数の受信アンテナを含む、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項20】
前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数よりも少ない、請求項14に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、通信分野に関し、より具体的には、信号受信方法及び端末デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
デュアルSIM電話は、現時点で広く使用されている端末デバイスである。デュアルSIMモードは、同じ携帯電話の中で、言い換えると、同じ端末デバイスの中で2つの加入者識別モジュール(subscriber identification module, SIM)カードを同時に使用することが可能であるということを意味する。技術の発達に伴い、より多くのSIMカードを有する端末デバイスが出現する可能性がある。
【0003】
一方で、コストを考慮すると、限定された無線周波数リソース及び端末デバイスの中のベースバンドリソースは、信号を受信し及び送信するのに使用される。ある1つの例としてデュアルSIM携帯電話を使用する。同じ携帯電話の中の2つのSIMカードは、場合によっては、無線周波数リソース及びベースバンドリソースを共有することがあるが、他の場合には、信号を受信し及び送信するために、独占的にリソースを占有する必要がある。
【0004】
したがって、ユーザ体験を改善するために複数のSIMカードにハードウェアリソースをどのようにして適切に割り当てるかは、解決されるべき緊急の技術的な課題となっている。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、信号受信方法及び端末デバイスを提供して、ユーザ体験を改善する。
【0006】
第1の態様によれば、信号受信方法であって、当該方法は、複数のSIMカードを備える端末デバイスに適用され、前記端末デバイスは、複数の受信アンテナを備え、当該方法は、
第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するステップを含み、
前記第1のSIMカードは、優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードであり、前記優先順位の高い信号は、ページングメッセージ、システムメッセージ、又はシグナリングインタラクション手順におけるダウンリンクシグナリングを含み、前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数とは異なる、信号受信方法が提供される。
【0007】
この出願のこの実施形態においては、第1のモード及び第2のモードは、2つの異なるリソーススケジューリングモードであってもよい。
【0008】
上記の技術的解決方法に基づいて、第1のSIMカードが優先順位の高い信号を受信する必要があるときに、マルチSIM端末デバイスは、現時点でのリソーススケジューリングモード及びチャネル環境を参照して予備決定を実行して、優先順位の高い信号を受信するためにリソーススケジューリングモードを変更する必要があるか否かを決定する。第1のSIMカードのチャネル環境が比較的悪いとき、例えば、あらかじめ設定された条件を満たすときに、端末デバイスは、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を調整し、例えば、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を増加させて、ダイバーシティ利得を実装し、そして、優先順位の高い信号の受信品質の改善に役立ててもよい。したがって、呼の欠落又はネットワークからの切断等のイベントを可能な限り回避して、ユーザ体験を改善することが可能である。
【0009】
第1の態様に関して、第1の態様の複数の実装のうちのいくつかにおいて、当該方法は、
前記第2のモードにおいて前記優先順位の高い信号を受信するステップをさらに含む。
【0010】
第1の態様に関して、第1の態様の複数の実装のうちのいくつかにおいて、当該方法は、
前記優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定するステップをさらに含む。
【0011】
優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定した後に、端末デバイスは、第1の時間期間の前に又はその第1の時間期間の最初の時点で、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行して、優先順位の高い信号を受信してもよい。
【0012】
第2の態様によれば、ページングメッセージ受信方法であって、当該方法は、複数のSIMカードを備える端末デバイスに適用され、前記端末デバイスは、複数の受信アンテナを備え、当該方法は、
第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するステップを含み、
前記第1のSIMカードは、ページングメッセージを受信するように構成されるSIMカードであり、前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数とは異なる、ページングメッセージ受信方法が提供される。
【0013】
この出願のこの実施形態においては、第1のモード及び第2のモードは、2つの異なるリソーススケジューリングモードであってもよい。
【0014】
上記の技術的解決方法に基づいて、第1のSIMカードがページングメッセージを受信する必要があるときに、マルチSIM端末デバイスは、現時点でのリソーススケジューリングモード及びチャネル環境を参照して予備決定を実行して、ページングメッセージを受信するためにリソーススケジューリングモードを変更する必要があるか否かを決定する。第1のSIMカードのチャネル環境が比較的悪いとき、例えば、あらかじめ設定された条件を満たすときに、端末デバイスは、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を調整し、例えば、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を増加させて、ダイバーシティ利得を実装し、そして、ページングメッセージの受信品質の改善に役立ててもよい。したがって、呼の欠落のイベントを可能な限り回避して、ユーザ体験を改善することが可能である。
【0015】
第2の態様に関して、第2の態様の複数の実装のうちのいくつかにおいて、当該方法は、
前記第2のモードにおいて前記ページングメッセージを受信するステップをさらに含む。
【0016】
第2の態様に関して、第2の態様の複数の実装のうちのいくつかにおいて、当該方法は、
前記ページングメッセージを受信するための第1の時間期間を決定するステップをさらに含む。
【0017】
具体的には、端末デバイスは、システムメッセージの中で搬送されるセルレベルの共通情報及びその端末デバイスのSIMカード情報に基づいて、ページングメッセージを受信するための第1の時間期間を計算し、決定された第1の時間期間に基づいて、第1の時間期間の前に又は第1の時間期間の最初の時点において、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行して、ページングメッセージを受信してもよい。
【0018】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数よりも少なく、
当該方法は、
前記第1のSIMカードの前記チャネル環境に基づいて、前記第1のモードから前記第2のモードへの切り替えを実行するべきであるか否かを決定するステップをさらに含む。
【0019】
具体的には、第1のSIMカードのチャネル環境が、あらかじめ設定された条件を満たすときに、端末デバイスは、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行し、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たさないときに、端末デバイスは、第1のモードに留まる。
【0020】
第1のSIMカードのチャネル環境をあらかじめ設定された条件と比較して、チャネル環境が良好であるか否かを決定する。チャネル環境が比較的悪いとき、端末デバイスは、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行し、そして、第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数を増加させて、ダイバーシティ利得を取得し、優先順位の高い信号の受信品質を改善し、そして、呼の欠落又はネットワークからの切断等のイベントの生起を回避してもよい。チャネル環境が比較的良好であるときに、端末デバイスは、第2のモードへの切り替えを実行することなく、第1のモードに留まって、優先順位の高い信号を受信してもよい。この場合には、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を減少させてもよく、他のSIMカードにリソースを割り当てて使用し、それによって、マルチSIM呼が生起するときに呼の欠落のイベントを回避することが可能である。したがって、一般的には、ユーザ体験を改善することが可能である。加えて、端末デバイスは、チャネル環境に基づいて、複数の異なるリソーススケジューリングモードの間で柔軟な切り替えを実行して、性能とコストとの間の妥協を達成することが可能である。
【0021】
選択的に、前記あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比SNRが、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、である。
【0022】
チャネル環境品質を決定するための2つの可能なパラメータとして、信号の信号対雑音比及び受信エネルギーを使用してもよいが、それらは、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。チャネル環境品質の評価パラメータは、この出願においては限定されない。
【0023】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数は、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数よりも多く、
当該方法は、
前記第1のSIMカードの前記チャネル環境に基づいて、前記第1のモードから前記第2のモードへの切り替えを実行するべきであるか否かを決定するステップをさらに含む。
【0024】
具体的には、第1のSIMカードのチャネル環境が、あらかじめ設定された条件を満たすときに、端末デバイスは、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行し、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たさないときに、端末デバイスは、第1のモードに留まる。
【0025】
第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数が、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも大きいときに、比較的良好なチャネル環境においてモードを調整して、他のSIMカードが実行するダウンリンク受信のために使用されるように、第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数を減少させてもよい。このようにして、他のSIMカードが発呼されたときにその呼が欠落するイベントを回避することが可能である。チャネル環境が比較的悪いときに、端末デバイスは、第1モードに留って、優先順位の高い信号の受信品質を保証するとともに、呼の欠落又はネットワークが切断されるといったイベントの生起を回避する。そのため、ユーザ体験を最大化することが可能である。
【0026】
選択的に、前記あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比SNRが、第3のあらかじめ設定されたしきい値よりも大きいということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第4のあらかじめ設定されたしきい値よりも大きいということ、である。
【0027】
チャネル環境品質を決定するための2つの可能なパラメータとして、信号の信号対雑音比及び受信エネルギーを使用してもよいが、それらは、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。チャネル環境品質の評価パラメータは、この出願においては限定されない。
【0028】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、前記第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイDR-DSDSモードであり、前記第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイDSDSモードである。
【0029】
したがって、デュアルSIM端末の場合には、チャネル環境を参照して、2つのSIMカードのサービス優先順位に基づいて、2つのSIMカードにリソースを動的に割り当てることが可能であり、それによって、デュアルSIM端末は、サービス優先順位及びチャネル環境等の要因に基づいて、複数の異なるリソーススケジューリングモードの間で柔軟な切り替えを実行することが可能であり、呼の欠落又はネットワークからの切断等のイベントの生起を可能な限り回避することが可能である。したがって、ユーザ体験を改善する。
【0030】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記端末デバイスの中の2つのSIMカードは、同じネットワーク規格にしたがって動作し、前記端末デバイスは、前記ネットワーク規格にしたがった信号を受信するように構成される2つの無線周波数処理モジュールを含み、各々の無線周波数処理モジュールは、1つ又は複数の受信アンテナを含む。
【0031】
統一されたネットワーク規格においてデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイリソーススケジューリングモードを実装するために、端末デバイスは、同じネットワーク規格について、2つのセットの無線周波数リソース及び2つのセットのベースバンドリソースを構成することが可能であり、それによって、その端末デバイスは、複数の異なるネットワーク規格において、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装することが可能であるのみならず、同じネットワーク規格において、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装することが可能である。
【0032】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記第1のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数が、前記第2のモードにある前記第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの前記数より少ない場合には、前記優先順位の高い信号を受信するために前記第1のモードから前記第2のモードへの切り替えを実行することを決定する前に、当該方法は、
前記2つのSIMカードのうちの第2のSIMカードが、前記第1の時間期間において前記優先順位の高い信号を受信しないということを決定するステップをさらに含む。
【0033】
コストを考慮して、通常、同じネットワーク規格においてデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装するために、各々のSIMカードのために1つのセットの無線周波数リソース及び1つのセットのベースバンドリソースを構成する。一方で、第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数を増加させる必要があるときに、受信アンテナは無線周波数リソースの一部であるので、言い換えると、使用のために無線周波数リソースの他のセットもまた第1のSIMカードに割り当てられるので、現時点では、第2のSIMカードによってはいかなる無線周波数リソースも使用することは不可能であり、言い換えると、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードに切り替えられる。したがって、切り替えの前に、第2のSIMカードが第1の時間期間において優先順位の高い信号を受信しないということを最初に決定して、第2のSIMカードが着呼を逃すか又はネットワークから切断されるというイベントの生起を回避する必要がある。
【0034】
第1の態様又は第2の態様に関して、複数の実装のうちのいくつかにおいて、前記ネットワーク規格は、ロングタームエボリューションLTE規格である。
【0035】
ユーザが、より多くの時間の間、デュアルSIMのLTE規格にしたがって動作して、ユーザ体験を最大化するということを考慮すると、受信のために使用される2つのセットの無線周波数リソース及び2つのセットのベースバンドリソースをLTE規格のために構成してもよく、それにより、LTE規格においてデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装することが可能である。
【0036】
LTE規格は、現時点での市場要件に適合するためのみに提案されているということを理解すべきである。他のネットワーク規格においてデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装するように、将来的に他のネットワーク規格のために2つ又はそれ以上のリソースセットを構成するという可能性は、この出願においては除外される。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0037】
第3の態様によれば、端末デバイスが提供される。その端末デバイスは、第1の態様又は第2の態様の方法の設計における端末デバイスを実装する機能を有する。これらの機能は、ハードウェアによって実装されてもよく、又は、対応するソフトウェアを実行するハードウェアによって実装されてもよい。それらのハードウェア又はソフトウェアは、上記の機能に対応する1つ又は複数のユニットを含む。
【0038】
第4の態様によれば、トランシーバー及びプロセッサを含む端末デバイスが提供される。選択的に、端末デバイスは、メモリをさらに含む。プロセッサは、信号を送信し及び受信するようにトランシーバーを制御するように構成される。メモリは、コンピュータプログラムを格納するように構成される。プロセッサは、メモリからコンピュータプログラムを呼び出し、そして、コンピュータプログラムを実行する、ように構成され、それによって、第1の態様又は第2の態様の方法の設計において端末デバイスが実行する方法をその端末デバイスが実行することを可能とする。
【0039】
第5の態様によれば、チップシステムが提供され、そのチップシステムは、メモリからコンピュータプログラムを呼び出し、そして、そのコンピュータプログラムを実行する、ように構成されるプロセッサを含み、それによって、そのチップシステムが配置されているデバイスは、第1の態様又は第2の態様にしたがって方法を実行する。選択的に、チップシステムは、メモリをさらに含む。
【0040】
第6の態様によれば、命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。端末デバイスにおいて命令を実行するときに、その端末デバイスが、第1の態様又は第2の態様にしたがった方法を実行することを可能とする。
【0041】
第7の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。端末デバイスにおいて命令を実行するときに、端末デバイスが、第1の態様又は第2の態様にしたがった方法を実行することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法に適用可能である携帯電話の概略的な構成図である。
【
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法に適用可能である携帯電話の他の概略的な構成図である。
【
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法に適用可能であるデュアルSIM携帯電話のソフトウェアの論理図である。
【
図4】この出願のある1つの実施形態にしたがったリソーススケジューリングモードを決定するある1つの特定のプロセスの概略的なフローチャートである。
【
図5】この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法の概略的なフローチャートである。
【
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがった端末デバイスの概略的なブロック図である。
【
図7】この出願のある1つの実施形態にしたがった端末デバイスの他の概略的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の技術的解決方法を説明する。
【0044】
この出願の複数の実施形態における複数の技術的解決方法は、(ユーザ機器と称されてもよい)さまざまな端末デバイスに適用されてもよく、それらの端末デバイスは、複数のSIMカードを備え、それらの端末デバイスは、通信端末には限定されないが、例えば、携帯電話、バンド、電話時計、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、及び、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(Ultra-Mobile Personal Computer, UMPC)、パーソナルディジタルアシスタント(Personal Digital Assistant, PDA)デバイス、店舗販売時点情報管理端末(Point of Sales, POS)、無線通信機能を有するハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス、無線モデムに接続される他の処理デバイス、車載型デバイス、及びウェアラブルデバイスであってもよい。
【0045】
この出願の複数の実施形態の理解を容易にするために、最初に、ある1つの例として、
図1に示されている携帯電話100を使用して、この出願の複数の実施形態が適用可能である端末デバイスを説明する。
図1は、この出願のある1つの実施形態にしたがった方法に適用可能である携帯電話の概略的な構成図である。図に示されているように、携帯電話100は、無線周波数(Radio Frequency, RF)回路110、電源120、プロセッサ130、メモリ140、入力ユニット150、表示ユニット160、センサ170、オーディオ回路180、及び無線忠実度(Wireless Fidelity, WIFI)モジュール190等の構成要素を含んでもよい。当業者は、
図1に示されている携帯電話の構成が、その携帯電話に対する限定を構成するものではないということを理解することが可能である。携帯電話は、図に示されている構成要素よりもより多くの構成要素又はより少ない構成要素を含んでもよく、又は、いくつかの構成要素の組み合わせを含んでもよく、又は、複数の異なる構成要素の配置を含んでもよい。
【0046】
以下の記載は、
図1を参照して、携帯電話100の各々の構成要素を詳細に説明する。
【0047】
無線周波数回路110は、情報の受信プロセス及び送信プロセス又は呼プロセスにおいて信号を受信し及び送信するように構成されてもよい。特に、基地局からダウンリンク情報を受信した後に、RF回路1001は、処理のためにプロセッサ130にダウンリンク情報を送信する。加えて、RF回路1001は、基地局にアップリンクデータを送信する。通常、RF回路は、これらには限定されないが、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、トランシーバー、結合器、低雑音増幅器(Low Noise Amplifier, LNA)、及び、デュープレクサ等を含む。簡単に説明すると、RF回路は、無線周波数フロントエンド(Radio Frequency Front End, RF FE)及びアンテナを含んでもよい。無線周波数フロントエンドは、周波数帯域に関連し、複数の異なる周波数帯域は、複数の異なる無線周波数フロントエンドに対応してもよい。
【0048】
RF回路110は、さらに、無線通信によってネットワーク及び他のデバイスとの間で通信してもよい。無線通信のためにいずれかの通信規格又はプロトコルを使用してもよく、それらの通信規格又はプロトコルは、これらには限定されないが、汎欧州ディジタル移動体通信システム(Global System of Mobile communication, GSM)、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service, GPRS)、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access, CDMA)、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access, WCDMA)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)、第5世代(5th Generation, 5G)、電子メール、及び、ショートメッセージサービス(short messaging service, SMS)等を含む。
【0049】
メモリ140は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを格納するように構成されてもよい。プロセッサ130は、メモリ140の中に格納されているソフトウェアプログラム及びモジュールを実行して、携帯電話100のさまざまな機能アプリケーションを実行し、そして、データ処理を実行する。メモリ140は、主として、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含んでもよい。プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム及び(音声再生機能及び画像再生機能等の)少なくとも1つの機能が必要とするアプリケーションプログラム等を格納してもよい。データ記憶領域は、携帯電話100の使用等に基づいて生成される(例えば、音声データ及び電話帳等の)データ等を格納してもよい。加えて、メモリ140は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、又は、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ記憶デバイス、又は他の揮発性固体記憶デバイス等の不揮発性メモリを含んでもよい。
【0050】
入力ユニット150は、入力された数字又は入力された文字情報を受信し、携帯電話100のユーザ設定及び機能制御に関連する重要な信号入力を生成する、ように構成されてもよい。具体的には、入力ユニット150は、タッチパネル151及び他の入力デバイス152を含んでもよい。タッチスクリーンとも称されるタッチパネル151は、(指又はスタイラス等のいずれかの適切な対象又はアクセサリを使用することによって、タッチパネル151において又はそのタッチパネル151の近傍においてユーザが実行する操作等の)タッチパネル151において又はそのタッチパネル151の近傍においてユーザが実行するタッチ操作を収集し、そして、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて、対応する接続装置を駆動してもよい。選択的に、タッチパネル151は、タッチ検出装置及びタッチコントローラの2つの部分を含んでいてもよい。タッチ検出装置は、ユーザのタッチ方向を検出し、そのタッチ操作が生成する信号を検出し、そして、そのタッチコントローラに信号を転送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、そのタッチ情報をタッチ点座標に変換し、そして、プロセッサ130にそのタッチ点座標を送信する。さらに、タッチコントローラは、プロセッサ130が送信するコマンドを受信し及び実行してもよい。加えて、タッチパネル151は、抵抗タイプ、容量タイプ、赤外線タイプ、及び表面音波タイプ等の複数のタイプで実装されてもよい。入力ユニット150は、タッチパネル151のほかに、他の入力デバイス152を含んでもよい。具体的には、他の入力デバイス152は、これらには限定されないが、物理的なキーボード、(例えば、ボリューム制御キー又はオン/オフキー等の)ファンクションキー、トラックボール、マウス、及びジョイスティック等のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0051】
表示ユニット160は、ユーザが入力する情報又はユーザに提供される情報及び携帯電話100のさまざまなメニューを表示するように構成されてもよい。表示ユニット160は、表示パネル161を含んでもよい。選択的に、表示パネル161は、LCD又はOLED等の形態で構成されてもよい。さらに、タッチパネル151は、表示パネル161を覆ってもよい。タッチパネル151において又はタッチパネル151の近傍においてタッチ操作を検出するときに、タッチパネル151は、タッチイベントのタイプを決定するように、プロセッサ130にそのタッチ操作を送信し、そして、その次に、プロセッサ130は、タッチイベントのタイプに基づいて、ディスプレイパネル161に、対応する視覚的な出力を提供する。
図1において、2つの独立した構成要素としてタッチパネル151及び表示パネル161を使用して、携帯電話100の入力
機能及び
出力機能を実装する。一方で、複数の実施形態のうちのいくつかにおいては、タッチパネル151及び表示パネル161を一体化して、携帯電話100の入力機能及び出力機能を実装してもよい。
【0052】
音声回路180及びスピーカ181は、ユーザと携帯電話100との間の音声インターフェイスを提供してもよい。音声回路180は、受信した音声データを電気信号へと変換し、そして、その次に、スピーカ181に電気信号を送信し、スピーカ181は、出力のために電気信号を音声信号に変換する。加えて、マイクロホン182は、捕捉された音声信号を電気信号に変換し、音声回路180は、電気信号を受信し、その電気信号を音声データに変換し、そして、その次に、RF回路110にその音声データを出力し、そして、その次に、他の携帯電話にその音声データを送信するか、又は、さらなる処理のためにメモリ140にその音声データを出力する。
【0053】
ブルートゥースモジュール182は、ブルートゥース機能を有するプリント回路基板アセンブリ(Printed Circuit Board Assembly, PCBA)であり、近距離無線通信を実行するように構成される。ブルートゥースモジュール182は、複数の機能に基づいて、ブルートゥースデータモジュール及びブルートゥース音声モジュールに分割される。
【0054】
WIFIは、近距離無線送信技術である。WIFIモジュール190を使用することによって、携帯電話100は、ユーザが、電子メールを送信し及び受信し、ウェブページを閲覧し、そして、ストリーミングメディアにアクセスするのを支援してもよい。WIFIモジュール190は、ユーザのための広帯域インターネットへの無線アクセスを提供する。
図1は、WIFIモジュール190を示しているが、WIFIモジュール190は、携帯電話100の必須の部分ではなく、この出願の本質的な範囲を変更することなく、要求に基づいて、完全に省略されてもよいということを理解することが可能である。
【0055】
プロセッサ130は、携帯電話100の制御中心であり、さまざまなインターフェイス及び回線を使用することによって、携帯電話全体のさまざまな部分に接続され、メモリ140の中に格納されているソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを起動し又は実行し、メモリ140の中に格納されているデータを呼び出して、携帯電話100のさまざまな機能を実行し、そして、データ処理を実行し、その結果、さまざまな携帯電話ベースのサービスを実装する。選択的に、プロセッサ130は、1つ又は複数の処理ユニットを含んでもよい。好ましくは、プロセッサ130は、アプリケーションプロセッサ及び通信プロセッサ(communication CPU, CCPU)を一体化してもよい。アプリケーションプロセッサは、主として、オペレーティングシステム、ユーザインターフェイス、及びアプリケーションプログラム等を処理する。通信プロセッサは、主として、例えば、信号の変調又は復調等の無線通信を処理する。モデムプロセッサは、プロセッサ130に一体化されなくてもよいということを理解することが可能である。この出願のこの実施形態においては、通信プロセッサは、
図2を参照して以下で説明するベースバンドチップ210に対応してもよい。
【0056】
携帯電話100は、構成要素に電力を供給する(例えば、バッテリ等の)電源120をさらに含む。好ましくは、電源は、電源管理システムを使用することによって、プロセッサ130に論理的に接続されて、電源管理システムを使用することによって、充電管理、放電管理、及び電力消費管理等の機能を実装してもよい。
【0057】
図示されていないが、携帯電話100は、カメラ等をさらに含んでもよい。本明細書においては、詳細は説明されない。
【0058】
図1に示されている携帯電話は、端末デバイスのある1つの例であるにすぎず、このことは、この出願においては特に限定されないということに留意すべきである。この出願のこの実施形態は、携帯電話又はタブレットコンピュータ等の電子デバイスに適用されてもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0059】
この出願の実施態様を説明する前に、最初にこの出願のいくつかの概念を簡単に説明する。
【0060】
1. ネットワーク規格: ネットワーク規格は、ネットワークのタイプを示し、無線規格又は無線アクセス技術(radio access technology, RAT)となる場合がある。現時点でのネットワーク規格は、主として、第2世代(the 2nd generation, 2G)規格、2.5世代(2.5G)規格、第3世代(the 3rd generation, 3G)規格、第4世代(the 4th generation, 4G)又はロングタームエボリューション(Long Term Evolution, LTE)規格、及び将来的な第5世代(the 5th generation, 5G)規格を含んでもよい。2Gは、汎欧州ディジタル移動体通信システム(Global System for Mobile Communication, GSM)、3Gは、チャイナテレコムの符号分割多元接続(Code Division Multiple Access, CDMA)、チャイナモバイルの時分割同期符号分割多元接続(Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access, TD-SCDMA)、及び、中国連合通信の広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access, WCDMA)によって表されてもよく、4Gは、チャイナモバイルの時分割ロングタームエボリューション(Time Division LTE, TD-LTE)、及び、チャイナテレコム及び中国連合通信の周波数分割複信LTE(Frequency Division Duplexing, FDD-LTE)によって表されてもよい。
【0061】
複数の異なるネットワーク規格は、異なるベースバンド信号処理方法につながる。したがって、複数の異なるネットワーク規格におけるベースバンド処理のために複数の異なる命令を使用してもよい。
【0062】
2. デュアルSIMデュアルスタンバイ(DSDS)モード: 複数の異なるネットワーク規格又は同じネットワーク規格をサポートする2つのSIMカードを同時に挿入してもよい。それらの2つのSIMカードを同時に使用することが可能であり、それらの2つのカードは、互いに干渉しない。本明細書においては、それらの2つのSIMカードが互いに干渉しないということは、それらの2つのSIMカードが、互いに干渉しない周波数帯域において動作することを選択するということ、又は、それらの2つのSIMカードが、ジャミング周波数帯域において動作するが、干渉の度合いが、許容範囲に属しているということを示してもよい。
【0063】
各々のネットワーク規格において、端末デバイスは、受信のための1つの無線周波数処理モジュール及び受信のための1つのベースバンド処理モジュールを備えてもよい。2つのSIMカードが同じネットワーク規格にしたがっている場合に、複数の異なるSIMカードは、時分割多重化方式で無線周波数処理モジュールを使用することによって信号を受信し及び送信してもよい。
【0064】
複数の異なるネットワーク規格に対応して、デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする端末デバイスは、受信のための複数のベースバンド処理モジュールを備えてもよい。複数の異なる周波数帯域に対応して、デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする端末デバイスは、受信のための複数の無線周波数処理モジュールを備えてもよい。
【0065】
無線周波数処理モジュール及びベースバンド処理モジュールは、分割によって取得されるとともに、複数の異なる命令を実行するように構成されて、複数の異なる機能を実装する複数のモジュールとして理解されてもよい。それらの複数のモジュールの特定の機能は、ハードウェアによって実装されてもよく、又は、ソフトウェアによって実装されてもよく、又は、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実装されてもよい。例えば、この出願のこの実施形態においては、複数の異なる機能を有する複数の無線周波数処理モジュールは、複数の異なる無線周波数回路を使用することによって実装されてもよく、複数の異なる機能を有する複数のベースバンド処理モジュールは、プロセッサによって複数の異なる命令を実行することによって実装されてもよい。実際の形態においては、複数の異なる機能を有する複数の無線周波数処理モジュールは、ともに一体化されてもよく、又は、離散的であってもよく、複数の異なる機能を有する複数のベースバンド処理モジュールは、ともに一体化されてもよく、又は、離散的であってもよい。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0066】
デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては、1つのSIMカードが受信タスクを有するときに、そのSIMカードは、受信のための無線周波数処理モジュール及び受信のためのベースバンド処理モジュールを独占的に占有してもよく、他のSIMカードは、ダウンリンクシグナリングを受信することは不可能である。一方のSIMカードが送信タスクを有するときに、そのSIMカードは、送信のための無線周波数処理モジュール及び送信のためのベースバンド処理モジュールを独占的に占有してもよく、他方のSIMカードは、アップリンク信号を送信することは不可能である。
【0067】
3. デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイ(DR-DSDS)モード: 複数の異なるネットワーク規格又は同じネットワーク規格をサポートする2つのSIMカードを同時に挿入してもよい。2つのSIMカードを同時に使用することが可能であり、それらの2つのカードは、互いに干渉しない。各々のネットワーク規格において、端末デバイスは、受信のための少なくとも1つの無線周波数処理モジュール及び受信のための少なくとも1つのベースバンド処理モジュールを備えてもよい。あるネットワーク規格において、端末デバイスが受信のための2つの無線周波数処理モジュール及び受信のための2つのベースバンド処理モジュールを備える場合に、端末デバイスは、そのネットワーク規格におけるデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートしてもよい。あるネットワーク規格において、端末デバイスが受信のための1つの無線周波数処理モジュールのみを備えているか、又は、受信のための1つのベースバンド処理モジュールのみを備えている場合に、その端末デバイスは、そのネットワーク規格においてデュアルSIMデュアルスタンバイモードのみをサポートしてもよい。
【0068】
複数の異なるネットワーク規格に対応して、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする端末デバイスは、受信のための複数のベースバンド処理モジュールを備えてもよい。複数の異なる周波数帯域に対応して、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする端末デバイスは、受信のための複数の無線周波数処理モジュールを備えてもよい。
【0069】
デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては、2つのSIMカードが同時に受信タスクのみを有するときに、それらの2つのSIMカードは、各々、受信のための1つの無線周波数処理モジュール及びネットワーク規格に対応するベースバンド処理モジュールを使用することによって、ダウンリンク信号を受信してもよく、一方のSIMカードが送信タスクを有するときに、そのSIMカードは、受信のための無線周波数処理モジュール及び受信のためのベースバンド処理モジュールを独占的に占有してもよく、他方のSIMカードは、アップリンク信号を送信することが不可能であり、又は、一方のSIMカードが受信タスクを有し、且つ、他方のSIMカードが送信タスクを有するときに、それらの2つのSIMカードは、対応する処理モジュールを使用することによって、信号を受信し及び送信してもよい。
【0070】
デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、端末デバイスがリソースをスケジューリングする2つのモードであり、複数の異なるネットワーク規格にしたがって構成されるリソースに大きく関連しているということに留意すべきである。複数の異なるネットワーク規格においては、同じ端末デバイスは、複数の異なるモードにしたがってリソースをスケジューリングしてもよい。
【0071】
さらに、この出願のこの実施形態においては、無線周波数処理モジュールは、例えば、周波数変調処理、信号増幅、又はフィルタリングを実行するモジュール等の無線周波数帯域において信号を処理するモジュールであってもよいということに留意すべきである。ベースバンド処理モジュールは、例えば、変調処理又は復調処理を実行するといったように、ベースバンドにおいて信号を処理するモジュールであってもよい。1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールは、独立して、一時的な信号の受信又は送信を完了してもよい。無線周波数処理モジュール及びベースバンド処理モジュールの複数の特定の機能は、プロセッサによって対応する命令を読み取ることによって実装されてもよく、又は、専用回路を使用することによって実装されてもよい。無線周波数処理モジュール又はベースバンド処理モジュールのある特定の形態は、この出願において限定されない。
【0072】
さらに、従来技術においては、受信アンテナは、無線周波数フロントエンドに対応し、同じ無線周波数処理モジュールの中の受信アンテナが受信する信号は、対応する無線周波数フロントエンドに送信されるということに留意すべきである。したがって、受信アンテナが1つのSIMカードによって独占的に占有されるときに、対応する無線周波数フロントエンドは、また、そのSIMカードによって独占的に占有される。言い換えると、無線周波数処理モジュールは、そのSIMカードによって独占的に占有される。一方で、無線周波数フロントエンドから受信アンテナを切り離す可能性は、この出願においては除外されてはいない。複数の異なるSIMカードによって、2つの無線周波数処理モジュールにおける受信アンテナを使用して、信号を受信してもよく、受信アンテナを使用することによって2つのSIMカードが受信する信号を同じ無線周波数フロントエンドに送信してもよい。言い換えると、それらの2つのSIMカードは、同じ無線周波数フロントエンドを共有してもよく、さらに、同じネットワーク規格において同じベースバンド処理モジュールを共有してもよい。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0073】
理解を容易にするために、以下の記載は、
図2を参照して、デュアルSIMデュアルスタンバイモードとデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードとの間の差異を詳細に説明する。
図2は、この出願のある1つの実施形態にしたがった方法に適用可能である携帯電話200の他の概略的な構成図である。図に示されているように、携帯電話200は、ベースバンドチップ210、無線周波数回路220、及び、SIM1カードスロット231、SIM2カードスロット232、外部記憶媒体240、電源、及びタッチスクリーン等の他の周辺機器を含んでもよい。
【0074】
ベースバンドチップ210は、変調及び復調のために使用されるベースバンドリソースを搬送するように構成されてもよく、ベースバンド信号に対して変調処理又は復調処理を実行するように構成することが可能である。ベースバンドチップ210は、例えば、
図1を参照して上記で説明しているプロセッサ130の中のモデムプロセッサに対応してもよい。ベースバンドチップ210は、アプリケーションプロセッサと一体化されてもよく、又は、アプリケーションプロセッサから分離されてもよい。このことは、この出願の実施形態においては限定されない。
【0075】
無線周波数回路220は、ダウンリンクサービスを受信し、そして、アップリンクサービスを送信するように構成されてもよい。無線周波数回路220は、例えば、
図1を参照して上記で説明されている無線周波数回路110に対応する。無線周波数回路220及びその無線周波数回路220に含まれる構成要素の特定の機能は、上記で詳細に説明されている。簡潔にするために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0076】
SIM1カードスロット231及びSIM2カードスロット232は、それぞれ、2つのSIMカードを設置するように構成され、コネクタを使用することによって、アプリケーションプロセッサに接続されてもよい。アプリケーションプロセッサは、通信プロセッサに接続される。したがって、SIMカードは、通信プロセッサに通信可能に接続されてもよい。本明細書においては、SIMカードは、共通のSIMカード、マイクロSIM(micro SIM)カード、又はナノSIM(nano-SIM)カードを含んでもよい。SIMカードのタイプは、この出願においては限定されない。
【0077】
外部記憶媒体240は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを格納するように構成されてもよい。外部記憶媒体240は、例えば、
図1を参照して上記で説明されているメモリ140に対応してもよい。この出願のこの実施形態においては、外部記憶媒体240は、ベースバンドチップ210及び無線周波数回路220が実行する命令を格納するように構成されてもよく、それによって、ベースバンドチップ210及び無線周波数回路220は、外部記憶媒体240から対応する命令を取得して、信号処理を完了する。外部記憶媒体240の機能及び可能な形態は、メモリ140を参照して上記で詳細に説明されている。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0078】
加えて、電源及びタッチスクリーン等の他の周辺機器も、また、
図1を参照して上記で詳細に説明されている。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0079】
この出願のこの実施形態においては、複数の異なる動作周波数帯域に対応する2つのカードの同時使用をサポートするために、無線周波数回路220を分割して、複数の無線周波数処理モジュールとしてもよく、複数の異なるネットワーク規格に対応して、ベースバンドチップ210を分割して、複数のベースバンド処理モジュールとしてもよい。信号のアップリンク方向及びダウンリンク方向に対応して、複数の無線周波数処理モジュールは、(
図2の中の送信無線周波数に対応してもよい)アップリンクサービスを送信するように構成される無線周波数処理モジュール及び(
図2の中の受信無線周波数に対応する)ダウンリンクサービスを受信するように構成される無線周波数処理モジュールを含んでもよい。アップリンク信号の送信は、この出願のこの実施形態には関連しないので、アップリンクサービスを送信するように構成される無線周波数処理モジュールの構成は、この出願においては限定されない。説明を容易にするために、以下で示されている複数の実施形態においては、特に断らない限り、無線周波数処理モジュールは、ダウンリンクサービスを受信するように構成される無線周波数処理モジュールであってもよい。
【0080】
具体的には、複数の異なるネットワーク規格に対応するために、デュアルSIM携帯電話は、複数のベースバンド処理モジュールを含んで、複数の異なるネットワーク規格によって受信されるダウンリンク信号に対して復調処理を実行してもよい。複数のベースバンド処理モジュールを一体化して、例えば、ベースバンドチップ210等の同じベースバンドチップとしてもよく、或いは、複数の異なるベースバンドチップに複数のベースバンド処理モジュールを離散的に配置してもよいということを理解すべきである。このことは、この出願においては限定されない。理解を容易にするために、図には、複数のベースバンド処理モジュールを一体化して、同じベースバンドチップとする場合を示している。
【0081】
さらに、携帯電話がデュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする場合に、携帯電話200は、1つの無線周波数処理モジュールを含んでもよい。無線周波数処理モジュールは、複数の異なるネットワーク規格によってダウンリンク信号を受信し、その信号を処理し、そして、ネットワーク規格に対応するベースバンド処理モジュールにその処理された信号を送信する、ように構成されてもよい。
【0082】
携帯電話が、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする場合に、携帯電話200は、2つ又はより多くの無線周波数処理モジュールを含んでもよい。2つのSIMカードが同時に受信タスクを有するときに、一方の無線周波数処理モジュールは、使用のために1つのSIMカードに割り当てられてもよく、他方の無線周波数処理モジュールは、使用のために他のSIMカードに割り当てられてもよい。
【0083】
上記で説明されているように、無線周波数回路220は、アンテナを含んでもよい。デュアルSIM携帯電話は、少なくとも1つの受信アンテナを備えてもよい。携帯電話がデュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする場合に、デュアルSIM携帯電話は、1つの受信アンテナのみを備えてもよく、又は、複数の受信アンテナを備えてもよい。2つのSIMカードのいずれかが受信タスクを有するときに、それらの1つ又は複数の受信アンテナは、すべて、受信タスクを有するSIMカードによって独占的に占有されて、ダウンリンク信号を受信する。携帯電話がデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをサポートする場合に、デュアルSIM携帯電話は、2つ又はより多くの受信アンテナを備えてもよい。例えば、2つの受信アンテナを備えるデュアルSIM携帯電話の場合には、それらの2つのSIMカードが、各々、受信タスクを有するときに、使用のために1つの受信アンテナを1つのSIMカードに割り当ててもよく、使用のために他の受信アンテナを他のSIMカードに割り当ててもよい。もちろん、2つの受信アンテナが構成され、そして、1つのSIMカードのみが受信タスクを有するときに、双方の受信アンテナは、使用のために、受信タスクを有するSIMカードに割り当てられてもよい。この場合には、携帯電話のリソーススケジューリングモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードからデュアルSIMデュアルスタンバイモードに切り替えられると考えられてもよい。ただし、このことは、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではない。1つのSIMカードのみが受信タスクを有するときには、受信タスクを有するSIMカードに使用のために1つの受信アンテナのみを割り当ててもよい。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0084】
理解及び説明を容易にするために、この出願のこの実施形態においては、各々の受信アンテナは、1つの無線周波数処理モジュールに対応してもよいということを理解すべきである。ただし、このことは、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではない。実際には、各々の無線周波数処理モジュールは、1つの受信アンテナを含んでもよく、又は、複数の受信アンテナを含んでもよい。このことは、この出願においては限定されない。簡潔さのために、以下では、同じ又は同様の場合の説明を省略する。
【0085】
この出願のこの実施形態においては、説明を容易にするために、受信のための無線周波数処理モジュールは、無線周波数リソースと称されてもよく、受信のためのベースバンド処理モジュールは、ベースバンドリソースと称されてもよい。無線周波数リソース及びベースバンドリソースは、信号を処理するのに使用されるリソースであるということを理解することが可能である。本明細書においては、リソースは、ハードウェアリソースには限定されず、ハードウェアリソースが実行する命令をさらに含んでもよい。
【0086】
十分な無線周波数リソース及び十分なベースバンドリソースの双方が存在するときに、デュアルSIM携帯電話は、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードで動作して、ユーザ体験を改善することが可能である。一方で、場合によっては、2つのSIMカードのうちの1つのSIMカードは、例えば、ページングメッセージ、システムメッセージ、及びシグナリングインタラクション手順におけるダウンリンクシグナリング等の重要な情報を受信する必要があるときに、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては比較的良好な受信品質を取得することが不可能である。結果として、呼の欠落又はネットワークからの切断等の有害なイベントが生起する場合があり、ユーザ体験に深刻な影響を与える。
【0087】
このことを考慮して、この出願は、SIMカードにリソースを適切に割り当てて、ユーザ体験を改善する方法を提供する。
【0088】
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願によって提供される信号受信方法を詳細に説明する。以下で示される複数の実施形態は、
図1又は
図2に示されている携帯電話には限定されないが、複数のSIMカードを備えていてもよい上記の列記されているさまざまな端末デバイスに適用されてもよいということを理解すべきである。さらに、
図2に示されている上記のデュアルSIM携帯電話はある1つの例であるにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。端末デバイスのために構成することが可能であるSIMカードの数は、この出願においては、限定されない。例えば、3つ又は4つのSIMカードが存在してもよい。
【0089】
この出願の複数の実施形態によって提供される信号受信方法は、端末デバイスの中に構成されるプロセッサによって実行されてもよく、プロセッサは、例えば、
図1を参照して上記で説明しているプロセッサ130であってもよいということを理解すべきである。具体的には、複数の異なる実装された機能に基づいて、プロセッサは、例えば、各々のSIMカードの(例えば、アップリンク送信又はダウンリンク受信又はネットワーク規格等の)現時点での動作状態を報告するように構成される情報入力モジュール或いは各々のSIMカードにハードウェアリソースを割り当てるように構成されるリソーススケジューリングモジュール等の複数の異なる処理モジュールを含んでもよい。
【0090】
理解を容易にするために、この出願の複数の実施形態によって提供される方法を説明する前に、
図3を参照して、この出願の複数の実施形態を実装するのに使用されるモジュールを詳細に説明する。
図3は、この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法に適用可能であるデュアルSIM携帯電話のソフトウェアの論理図である。
図3は、デュアルSIM携帯電話のプロトコルスタック(protocol stack, PS)を示す。プロトコルスタックは、上位層プロトコルスタック及び物理(physical, PHY)層プロトコルスタックを含んでもよい。各々のSIMカードは、SIMカードの非アクセス階層(non access stratum, NAS)構成要素及びアクセス階層(access stratum, AS)構成要素を含んでもよい。
【0091】
ある1つの例としてLTEプロトコルスタックを使用する。
図3は、非アクセス階層(non access stratum, NAS)の呼制御(call control, CC)、補助サービス(supplementary service, SS)、ショートメッセージサービス(short message service, SMS)、MMC、SM、モビリティ管理(mobility management, MM)/汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service, GPRS)モビリティ管理(GPRS mobility management, GMM)、進化型パケットシステム(Evolved Packet System, EPS)セッション管理(EPS session management, ESM)、EPSモビリティ管理(EPS mobility management, EMM)等を示している。加えて、
図3は、さらに、アクセス階層(access stratum, AS)の無線リソース制御(radio resource control, RRC)層、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol, PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control, RLC)層、メディアアクセス制御(Media Access Control, MAC)層、物理層等を示す。
【0092】
各々のネットワーク規格に対応する物理層は、変調及び復調のために使用されるリソースであってもよい、言い換えると、ベースバンドチップの機能を実装してもよい。複数の異なるネットワーク規格に対応して、物理層は、LTE規格のPHY(LPHY)、TD-SCDMA規格のPHY(TPHY)、CDMA2000規格のPHY(CPHY)、及びWCDMA規格のPHY(WPHY)を含んでもよい。
【0093】
図3を参照して上記で説明されている各々のプロトコル層及びプロトコル層の機能は、従来技術における各々のプロトコル層及びプロトコル層の機能と同じであってもよいということを理解すべきである。簡潔さのために、プロトコル層の特定の機能の詳細な説明は、本明細書においては省略される。さらに、プロトコル層の機能は、プロセッサを使用することによって実装されてもよいということを理解すべきである。複数の異なる機能に基づいて、プロセッサを分割して、複数の異なるモジュールとしてもよい。各々のプロトコル層は、対応する機能を有する処理モジュールとして理解されてもよい。
【0094】
さらに
図3を参照すると、カード1及びカード2のプロトコルスタックを使用して、リソーススケジューリングモジュールに、プロトコルスタック層における(ネットワーク規格及び現時点でのサービスタイプ等の)サービス情報を入力し、その結果、サービス認可を取得してもよい。例えば、カード1及びカード2の物理層は、リソーススケジューリングモジュールに物理層におけるサービス情報を入力するための情報入力モジュールとして使用されてもよく、或いは、カード1及びカード2の上位層及び物理層は、各々、リソーススケジューリングモジュールに各々のプロトコル層におけるサービス情報を入力するための情報入力モジュールとして使用されてもよい。リソーススケジューリングモジュールは、ベースバンドリソース、無線周波数リソース、及びデュアルSIM携帯電話のために構成されるサービス情報に基づいて、双方のカードにサービス認可を与えるか否かを決定してもよい。リソーススケジューリングモジュールは、1つのSIMカードのみを認可してもよく、又は、双方のカードを認可してもよい。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0095】
双方のカードにサービス認可を与えることを決定した後に、リソーススケジューリングモジュールは、最初に、プロトコルスタック層において双方のカードにサービス認可を与えてもよい。プロトコルスタック層において認可されるカードの物理層は、さらに、特定のベースバンドリソース及び無線周波数リソースのためのリソーススケジューリングモジュールに適用されてもよい。リソーススケジューリングモジュールは、サービス認可に基づいて、双方のカードにベースバンドリソース及び無線周波数リソースを割り当ててもよい。したがって、ベースバンドリソース及び無線周波数リソースを取得するSIMカードは、それぞれの受信タスク又は送信タスクを実行してもよい。
【0096】
上記の記載は、
図3におけるデュアルSIM携帯電話のソフトウェアの論理図を参照して、この出願の複数の実施形態における信号受信方法を実装するように構成されるプロセッサを詳細に説明しているということを理解すべきである。一方、このことは、この出願の複数の実施態様における方法のある1つの例であるに過ぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではない。この出願においては、他のソフトウェア論理を使用することによって、この出願の複数の実施形態によって提供される信号受信方法を実装する可能性を除外するものではない。加えて、端末デバイスがより多くのSIMカードを備えることが可能であるときは、
図3におけるソフトウェアの論理図と同様のソフトウェアの論理図を使用して、同じ機能又は同様の機能を実装してもでよい。
【0097】
理解を容易にするために、以下の記載は、
図4を参照して、上記のモジュールが、現時点で利用可能なリソーススケジューリングモードを決定する特定のプロセスを詳細に説明する。
【0098】
端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、第1のSIMカード及び第2のSIMカードを含むということを仮定する。
【0099】
301. 情報入力モジュールは、リソーススケジューリングモジュールに各々のSIMカードのサービス情報を送信する。サービス情報は、例えば、ネットワーク規格、動作周波数、サービス開始時点、及びサービス終了時点、及び、サービスがアップリンクリソースを必要とするか否かを含んでもよい。
【0100】
302. リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードのサービスが占有する時間が、第2のSIMカードのサービスが占有する時間と競合するか否か、言い換えると、カード1のサービス及びカード2のサービスが時間的に重複するか否かを決定する。カード1のサービス及びカード2のサービスが時間的に重複する場合には、2つのカードのサービスが占有する時間が互いに競合していると考えられ、ステップ304を実行するか、又は、カード1のサービス及びカード2のサービスが時間的に重複しない場合には、2つのカードのサービスが占有する時間が互いに競合しないと考えられ、ステップ303を実行する。
【0101】
303. リソーススケジューリングモジュールは、各々のカードのサービス特徴に基づいて、2つのSIMカードのサービスに、対応するベースバンドリソース及び無線周波数リソースを割り当て、その次に、ステップ309を実行する。
【0102】
304. リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードのベースバンドリソースが第2のSIMカードのベースバンドリソースと競合するか否かを決定し、第1のSIMカードのベースバンドリソースが第2のSIMカードのベースバンドリソースと競合する場合に、ステップ305を実行し、又は、第1のSIMカードのベースバンドリソースが第2のSIMカードのベースバンドリソースと競合しない場合に、ステップ306を実行する。
【0103】
305. リソーススケジューリングモジュールは、あらかじめ定義されている基準にしたがって、双方のカードのサービスの優先順位に基づいて、1つのカードのサービスを選択して、リソース割り当てを実行し、その次に、ステップ309を実行する。
【0104】
306. リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードの無線周波数リソースが第2のSIMカードの無線周波数リソースと競合するか否かを決定する。第1のSIMカードの無線周波数リソースが第2のSIMカードの無線周波数リソースと競合しない場合には、307を実行し、又は、第1のSIMカードの無線周波数リソースが第2のSIMカードの無線周波数リソースと競合する場合には、308を実行する。
【0105】
307. リソーススケジューリングモジュールは、双方のカードのサービス特徴に基づいて、第1のSIMカード及び第2のSIMカードのサービスに、対応するベースバンドリソース及び無線周波数リソースを個別に割り当て、その次に、ステップ309を実行する。
【0106】
308. リソーススケジューリングモジュールは、あらかじめ定義されている基準にしたがって、双方のカードのサービスの優先順位に基づいて、1つのカードのサービスを選択して、リソース割り当てを実行し、その次に、ステップ309を実行する。
【0107】
309. リソーススケジューリングモジュールは、各々のプロトコル層にデュアルカードスケジューリングモードを出力し、それによって、各々のプロトコル層は、デュアルカードスケジューリングモードを維持する。物理層は、リソーススケジューリングモジュールが割り当てるリソースに基づいて、受信又は送信のためのリソース構成を実行してもよい。
【0108】
例えば、端末デバイスは、LTE規格の場合に、2つのセットの無線周波数リソース及び2つのセットのベースバンドリソースを備えるとともに、3G規格及び2G規格の各々について、1つのセットの無線周波数リソース及び1つのセットのベースバンドリソースを備えているということを仮定する。第1のSIMカードが第3G規格にしたがって動作し、第2のSIMカードが第3G規格にしたがって動作している場合に、情報入力モジュールは、最初に、ネットワーク規格、動作周波数、サービス開始時点、サービス終了時点、及びアップリンクサービスがリソースを必要とするか否か等の2つのSIMカードの情報をリソーススケジューリングモジュールに通知してもよい。リソーススケジューリングモジュールは、2つのSIMカードのサービス開始時点及びサービス終了時点に基づいて、2つのSIMカードのサービスが時間的に競合するか否かを決定する。時間的に競合しないときは、リソーススケジューリングモジュールは、2つのSIMカードの(サービス時間及びサービスタイプ等の)サービス特徴に基づいて、対応するリソースを個別に割り当ててもよい。時間的に競合するときは、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、3G規格において、2つのSIMカードのベースバンドリソースが競合し、2つのSIMカードの無線周波数リソースが競合するか否かを決定する。2つのSIMカードのベースバンドリソースが競合する場合に、その競合は、2つのSIMカードのうち一方のみがベースバンドリソースを使用可能であり、他方のSIMカードがベースバンドリソースを使用することが不可能であるということを示す。代替的に、2つのSIMカードの無線周波数リソースが競合する場合には、その競合は、2つのSIMカードのうちの一方のみが無線周波数リソースを使用可能であり、他方のSIMカードは一時的に無線周波数リソースを使用不可能であるということを示す。言い換えると、競合が複数のベースバンドリソースの間で又は複数の無線周波数リソースの間で発生するときは、端末デバイスは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用してもよい。反対に、2つのSIMカードのベースバンドリソースの間に及び2つのSIMカードの無線周波数リソースの間に競合が存在しない場合には、端末デバイスは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用してもよい。3G規格においては、1つのセットのベースバンドリソース及び1つのセットの無線周波数リソースのみが構成されているため、2つのSIMカードのベースバンドリソースの間に及び2つのSIMカードの無線周波数リソースの間に競合が存在し、端末デバイスは、3G規格においてデュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用してもよい。
【0109】
他の例では、第1のSIMカードがLTE規格にしたがって動作するとともに、第2のSIMカードがLTE規格にしたがって動作する場合に、情報入力モジュールは、最初に、ネットワーク規格、動作周波数、及び、サービス開始時点及びサービス終了時点等の2つのSIMカードの情報をリソーススケジューリングモジュールに通知してもよい。リソーススケジューリングモジュールは、2つのSIMカードのサービス開始時点及びサービス終了時点に基づいて、2つのSIMカードのサービスが時間的に競合するか否かを決定する。時間的に競合するときに、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、LTE規格において、2つのSIMカードのベースバンドリソースが競合しているか否か、及び、2つのSIMカードの無線周波数リソースが競合しているか否かを決定する。LTE規格の場合には、2つのセットのベースバンドリソース及び2つのセットの無線周波数リソースが構成されるため、2つのSIMカードのベースバンドリソースの間に及び2つのSIMカードの無線周波数リソースの間に競合が存在し、端末デバイスは、LTE規格において、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用してもよい。
【0110】
あらかじめ定義されている基準にしたがって、双方のカードのサービスの優先順位に基づいて、一方のカードのサービスを選択して、リソース割り当てを実行するという上記の説明については、従来技術を参照すべきであるということに留意すべきである。ベンダーは、複数の異なるサービスの優先順位の複数の異なる定義を提供する。したがって、複数の異なる基準が定義されてもよい。このことは、この出願のこの実施態様においては限定されない。
【0111】
図4の複数のステップは、理解を容易にするために示されているにすぎず、すべてのステップを実行する必要はないということを理解すべきである。加えて、それらの複数のステップの順序番号は、実行順序に限定されるべきではない。例えば、ステップ304及びステップ306は、同時に実行されてもよく、又は、ステップ306は、ステップ304の前に実行されてもよい。ステップを実行する順序は、ステップの機能及び内部論理に基づいて決定されてもよい。
【0112】
さらに、
図4を参照して詳細に説明されている端末デバイスによるリソーススケジューリングモードの決定の上記の特定のプロセスは、ある1つの例であるにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。端末デバイスは、代替的に、他の方式によって、端末デバイスが現時点で使用しているリソーススケジューリングモードを決定してもよい。
【0113】
図4を参照して提供されている上記の説明に基づいて、リソーススケジューリングモジュールは、あらかじめ定義されているポリシーにしたがってリソーススケジューリングモードを決定してもよいということが分かる。例えば、デュアルSIM端末の場合には、リソーススケジューリングモジュールは、以下のポリシーにしたがって、端末デバイスのリソーススケジューリングモードを決定してもよい。
【0114】
ポリシー1: 同時に、1つのSIMカードのみが、アップリンク送信の認可を取得することが可能である。言い換えると、デュアルSIMデュアルスタンバイモードを選択する。このことは、ベースバンドリソース及び無線周波数リソースによって決定される。
【0115】
デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、アップリンクリソーススケジューリングモードであってもよいということに留意すべきである。具体的にいうと、同時に、1つのSIMカードのみが、送信のためのベースバンドリソース及び無線周波数リソースを使用することが可能である。
【0116】
ポリシー2: 双方のカードのサービスがダウンリンク受信のみを含むときに、デュアルSIMデュアルスタンバイモード又はデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、さらに、構成されているベースバンドリソース及び構成されている無線周波数リソースに基づいて選択されてもよい。リソースが十分であるときに、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモード又はデュアルSIMデュアルスタンバイモードのうちのいずれかを選択してもよい。リソースが不十分であるときには、デュアルSIMデュアルスタンバイモードを選択してもよい。
【0117】
デュアルSIMデュアルスタンバイモード又はデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、ダウンリンクリソーススケジューリングモードであってもよいということに留意すべきである。双方のカードのサービスは、双方の2つのカードがアイドル(idle)モードである可能な場合のダウンリンク受信のみを含む。したがって、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのSIMカードは、ページングメッセージ、システムメッセージ、及び測定タスク等を同時に受信してもよい。デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのSIMカードは、時分割多重化方式によってリソースを独占的に占有して、ページングメッセージ、システムメッセージ、及び測定タスク等を受信してもよい。
【0118】
ポリシー3: 一方のSIMカードがアップリンクサービス及びダウンリンクサービスの双方を有するとともに、他方のSIMカードがダウンリンクサービスのみを有するときに、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びデュアルSIMデュアルスタンバイモードを選択してもよい。
【0119】
デュアルSIMデュアルスタンバイモード又はデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードは、ダウンリンクリソーススケジューリングモードであってもよいということに留意すべきである。アップリンクサービス及びダウンリンクサービスの双方を有するSIMカードは、接続(connected)モードにあってもよく、ダウンリンクサービスのみを有する他のSIMカードは、アイドルモードにあってもよい。したがって、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのSIMカードは、ページングメッセージ、システムメッセージ、及び測定タスク等を同時に受信してもよい。デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのSIMカードは、時分割多重化方式によってリソースを独占的に占有して、ページングメッセージ、システムメッセージ、及び測定タスク等を受信してもよい。
【0120】
端末デバイスが使用するリソーススケジューリングモードは、構成されているベースバンドリソース及び構成されている無線周波数リソースに関連しており、ベースバンドリソースは、また、ネットワーク規格に関連しているということを理解することが可能である。したがって、端末デバイスは、現時点のネットワーク規格によって構成されているベースバンドリソース及び無線周波数リソースに基づいて、端末デバイスのリソーススケジューリングモードを決定してもよい。
【0121】
以下の記載は、複数の異なるネットワーク規格におけるリソース割り当ての場合を参照して、ポリシー2を詳細に説明している。
【0122】
従来技術においては、デュアルSIM携帯電話の2つのSIMカードがすべての規格にあるということを実装してきた。ネットワーク規格の発展に伴って、大抵の場合は、デュアルSIM携帯電話の2つのSIMカードは、LTE規格にしたがって動作する。一方で、現時点では、LTE規格の場合には、1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールのみが、デュアルSIM携帯電話に割り当てられている。具体的にいうと、2つのSIMカードがLTE規格にしたがって動作するときに、リソースが限られているため、その携帯電話は、デュアルSIMデュアルスタンバイリソーススケジューリングモードのみ使用することが可能である。結果として、ユーザ体験は、最適ではない。
【0123】
ユーザが、より多くの時間の間、デュアルSIMのLTE規格にしたがって動作して、ユーザ体験を最大化するということを考慮すると、この出願のこの実施形態にしたがって、2つの無線周波数処理モジュール及び2つのベースバンド処理モジュールをLTE規格によって構成してもよい。例えば、TD-SCDMA、CDMA2000、WCDMA、及びGSM等の規格等の他の規格においては、既存のネットワークカバレッジ、ユーザの使用習慣、及びコストを考慮すると、1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールのみが構成される可能性がある。加えて、コスト及び無線周波数相互干渉を考慮すると、受信のための2つの無線周波数処理モジュールが構成されてもよい。2つの無線周波数処理モジュールの双方の無線周波数フロントエンドは、LTE規格をサポートするが、一方で、1つの無線周波数フロントエンドのみが2G規格及び3G規格をサポートする。言い換えると、2つのSIMカードが2G規格にしたがって又は3G規格にしたがって動作するときに、1つの無線周波数処理モジュールのみを使用することが可能である。
【0124】
したがって、LTE規格の場合には、2つのSIMカードは、受信のための1つの無線周波数処理モジュール及び受信のための1つのベースバンド処理モジュールをそれぞれ使用して、ダウンリンク信号を同時に受信してもよい。上記の構成に基づいて、複数の異なるネットワーク規格によってデュアルSIM端末が使用することが可能であるリソーススケジューリングモードが、以下の表の中に示されている。
【表1】
【0125】
上記の構成に基づいて、端末デバイスは、デュアルSIM LTE規格におけるユーザ体験を最適化することが可能である。加えて、この出願のこの実施形態によって提供される方法を参照して、端末デバイスは、デュアルSIM LTE規格においてリソースを適切に割り当て、複数の異なるリソーススケジューリングモードの間で柔軟な切り替えを実行することが可能である。
【0126】
上記の表は、この実施形態にしたがって構成されるリソースに関連して、複数の異なるネットワーク規格において2つのSIMカードが使用してもよいリソーススケジューリングモードを列記しているということを理解すべきである。ただし、このことは、この出願に対するいかなる限定も構成しない。通信プロトコルの発展に伴って、2つのセットの無線周波数リソース及び2つのセットのベースバンドリソースが、5G規格のための将来的な端末デバイスのために構成される可能性は、この出願では除外されず、それによって、5G規格においてデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを実装することが可能である。
【0127】
以下の記載は、
図5を参照して、この出願によって提供される信号受信方法を詳細に説明する。その方法は、デュアルSIM端末デバイスに適用可能であるのみならず、より多くのSIMカードを備えることが可能である端末デバイスにも適用可能であるということを理解すべきである。この出願においては、SIMカードの数は制限されない。端末デバイスは、複数の受信アンテナを備えてもよい。例えば、端末デバイスは、マルチアンテナ端末デバイスである。一般性を損なうことなく、以下の記載は、ある1つの例として、複数のSIMカードのうちの第1のSIMカードを使用することによって、この出願のこの実施形態によって提供される信号受信方法を詳細に説明する。
【0128】
図5は、この出願のある1つの実施形態にしたがった信号受信方法400の概略的なフローチャートである。図に示されているように、方法400は、ステップ410乃至ステップ450を含んでもよい。
図5の中のステップを以下で詳細に説明する。
【0129】
ステップ410: 第1のSIMカードのチャネル環境を決定する。
【0130】
第1のSIMカードは、端末デバイスのために構成される複数のSIMカードのうちで優先順位の高い信号を受信するように構成されるある1つのSIMカードであってもよい。あらかじめ定義するよりもむしろ、例として、優先順位の高い信号は、ページング(paging)メッセージ、システムメッセージ、又はシグナリングインタラクション手順におけるダウンリンクシグナリングを含む。
【0131】
具体的には、例えば、ステップ410は、
図3を参照して上記で説明されている情報入力モジュールによって実行されてもよい。情報入力モジュールは、将来的な時間期間の中で優先順位の高い信号を受信する必要がある第1のSIMカードをあらかじめ決定し、その次に、さらに、第1のSIMカードのチャネル環境を決定してもよい。例えば、情報入力モジュールは、第1のSIMカードが受信する信号の信号対雑音比(signal noise ratio, SNR)又は信号対干渉雑音比(signal interference noise ratio, SINR)、或いは、信号の受信エネルギー又は受信電力等を決定してもよい。
【0132】
第1のSIMカードは、端末デバイスのために構成される複数のSIMカードのうちのいずれかのSIMカードであってもよい、言い換えると、端末デバイスのために構成される複数のSIMカードは、各々、複数の異なる時間期間の中で優先順位の高い信号を受信してもよい。優先順位の高い信号を受信するように構成されるSIMカードは、この出願においては特に限定されない。
【0133】
この出願のこの実施形態においては、説明を容易にするために、優先順位の高い信号の受信のための時間期間は、第1の時間期間として示されてもよい。例えば、複数の異なるネットワーク規格においては、アクセスネットワークデバイスは、ページングメッセージ及びシステムメッセージを周期的に送信してもよく、端末デバイスは、そのページングメッセージ及びそのシステムメッセージを受信するための開始時点及び終了時点、すなわち、第1の時間期間をあらかじめ決定してもよい。他の例では、端末デバイスが、呼を確立し、データ接続を確立し、又は、セルハンドオーバーを実行する等の手順を実行する必要があるときに、その端末デバイスは、前もって、より上位の層の信号を受信してもよい。そのより上位の層のシグナリングは、将来的な時間期間において、優先順位の高いシグナリングインタラクション手順に入るように端末デバイスに指示するのに使用されてもよい。例えば、より上位の層のシグナリングは、優先順位の高いシグナリングインタラクション手順に入るための開始時点及び終了時点、すなわち、第1の時間期間を通知してもよい。
【0134】
選択的に、方法400は、優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定するステップをさらに含む。
【0135】
以下の記載は、複数の異なる信号を参照して、第1の時間期間を決定するための複数の特定の方法を説明する。
【0136】
ページングメッセージは、コアネットワーク(core network, CN)が端末デバイスへの接続を確立する必要があるときに、アクセスネットワークデバイスを使用することによって端末デバイスに送信されるページングメッセージであってもよい。代替的に、ページングメッセージは、システムメッセージが変化するときにアクセスネットワークが能動的に送信するページングメッセージであってもよい。この出願のこの実施形態においては、SIMカードがページングメッセージを受信しない場合に、そのSIMカードは、呼又はショートメッセージ等を受信し損なう場合がある。ページングメッセージがシステムメッセージ変更指示を搬送するときに、SIMカードは、変更されたシステムメッセージを受信し損ない、ネットワークが切断されるイベントを引き起こす場合がある。
【0137】
ある1つの可能な実装において、端末デバイスは、システムメッセージの中で搬送されるパラメータに基づいて、ページングメッセージの受信のための時間期間を決定してもよい。具体的には、セルにアクセスした後に、端末デバイスは、アクセスネットワークデバイスがブロードキャストし及び送信するシステムメッセージを受信してもよい。そのシステムメッセージは、ページングメッセージの受信のための時間期間を決定するのに使用される共通情報を搬送する。例えば、その共通情報は、セルが割り当てるデフォルトの不連続受信(discontinuous reception, DRX)期間であってもよい。端末デバイスは、システムメッセージの中で搬送される共通情報及びその端末デバイスの国際移動体加入者識別情報(International Mobile Subscriber Identification Number, IMSI)に基づいて、ページングメッセージの受信のための時間期間を計算してもよい。
【0138】
システムメッセージは、端末デバイスが新たにセルにアクセスするか、又は、ブロードキャストメッセージが変化するときに端末デバイスが受信するシステムメッセージであってもよく、端末デバイスがセルアクセス又はセル同期等を実行するのに使用されてもよい。システム情報は、マスターシステム情報ブロック(master information block, MIB)及びセカンダリシステム情報ブロック(system information block)を含んでもよい。アクセスネットワークデバイスは、あらかじめ定義されているタイムスロットの中でシステムメッセージを送信してもよい。この出願のこの実施形態においては、SIMカードがシステムメッセージを受信しない場合に、ネットワークは、切断される場合がある。
【0139】
ある1つの可能な実装において、システムメッセージの受信のための時間期間は、通信プロトコルを使用することによって定義されてもよい。端末デバイスは、プロトコルの中で定義されているタイムスロットにおいてシステムメッセージを受信してもよい。
【0140】
シグナリングインタラクション手順は、端末デバイスの中のSIMカードがアイドルモードから接続モードへと切り替えられるシグナリングインタラクション手順であってもよく、又は、端末デバイスがソースセルからターゲットセルへと切り替えられるシグナリングインタラクション手順であってもよい。特定のシグナリングインタラクション手順は、この出願においては限定されない。アップリンク送信のために使用されるリソース割り当ては、この出願においては使用されないため、ダウンリンク受信のために使用されるリソースは、主として、この出願におけるシグナリングインタラクション手順の中でのダウンリンクシグナリングに割り当てられる。
【0141】
ある1つの可能な実装において、第1の時間期間は、シグナリングインタラクション手順の時間期間であってもよく、端末デバイスは、受信したより上位の層のシグナリングに基づいて、シグナリングインタラクション手順の時間期間を決定してもよい。例えば、シグナリングインタラクション手順がセルハンドオーバー手順であるときに、より上位の層のシグナリングは、層3からのハンドオーバ指示であってもよい。シグナリングインタラクション手順が、アイドルモードから接続モードへの切り替えの手順であるときに、LTEプロトコルにおいては、より上位の層のシグナリングは、NASからのサービス要求(service request)であってもよく、対応する呼は、例えば、ボイスオーバLTE(VoLTE)等のデータ交換(packet switched, PS)ドメイン呼であってもよく、代替的に、より上位の層のシグナリングは、NASからの拡張サービス要求(extended service request)であってもよく、対応する呼は、回路交換(circuit switched, CS)ドメイン呼であってもよい。
【0142】
したがって、情報入力モジュールは、各々のSIMカードによって優先順位の高い信号を受信するための時間期間をあらかじめ決定してもよい。本明細書においては、一般性を損なうことなく、この出願のこの実施形態を説明するためのある1つの例として、第1のSIMカードを使用する。それに対応して、第1のSIMカードによって優先順位の高い信号の受信のための時間期間を、第1の時間期間として示してもよい。
【0143】
複数の異なるネットワーク規格において、端末デバイスは、例えば、複数の異なるシグナリングに基づいて、複数の異なる方式によって、第1のSIMカードによって優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定してもよいということを理解すべきである。加えて、複数のSIMカードを端末デバイスに設けるときに、2つ又はそれよりも多くのSIMカードが優先順位の高い信号を受信する時間期間が重複する可能性は、この出願においては除外されない。
【0144】
さらに、優先順位の高い信号の上記の特定の内容は、ある1つの例であるにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成しないということを理解すべきである。通信プロトコルの発展に伴って、将来的なプロトコルと同じ機能又は同様の機能を実装するのに使用されるメッセージを新たに追加する可能性は、この出願においては除外されない。
【0145】
ステップ420: 第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行する。
【0146】
具体的には、例えば、ステップ420は、
図3を参照して上記で説明されているリソーススケジューリングモジュールによって実行されてもよい。第1のSIMカードによって優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定した後に、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードのチャネル環境を参照して、現時点での第1のモードを第2のモードに切り替える必要があるか否か、又は、第1のモードを第2のモードに切り替えることが可能であるか否かを決定してもよい。チャネル環境に基づいて、第1のモードを第2のモードに切り替える必要があるということ、又は、第1のモードを第2のモードに切り替えることが可能であるということを決定するときに、第1のモードは、第2のモードに切り替えられる。
【0147】
第1のモード及び第2のモードは、2つの異なるリソーススケジューリングモードであってもよい。第1のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数は、第2のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数とは異なってもよい。例えば、第1のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数は、第2のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数よりも大きい。限定ではなく例として、第1のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードであり、且つ、第2のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであるか、又は、第1のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数は、第2のモードにある1つのSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数よりも少ない。限定ではなく例として、第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであり、第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードである。
【0148】
受信アンテナは、無線周波数処理モジュールの一部として理解されてもよい。受信アンテナに加えて、無線周波数処理モジュールは、例えば、増幅器、トランシーバー、結合器、低雑音増幅器、及びデュープレクサを含んでもよい。ある1つの可能な設計において、2つのSIMカードに対応する2つの受信アンテナは、個別に、異なる増幅器、異なるトランシーバー、異なる結合器、異なる低雑音増幅器、及びデュープレクサ等に対応してもよい。この設計において、2つのSIMカードに対応する2つの無線周波数処理モジュールは、互いに独立していると考えられてもよく、各々の無線周波数処理モジュールの中の構成要素は、対応するSIMカードの信号を受信し及び処理するようにのみ構成される。他の可能な設計において、複数の受信アンテナは、上記の構成要素を共有してもよい。具体的にいうと、2つのSIMカードは、複数の異なる受信アンテナを使用してもよいが、同じ増幅器、同じトランシーバー、同じ結合器、同じ低雑音増幅器、及び同じデュープレクサ等を使用してもよい。この設計において、2つのSIMカードにそれぞれ対応する2つの無線周波数処理モジュールの中の複数の構成要素のうちのいくつかを多重化してもよい。
【0149】
この出願のこの実施形態においては、第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも大きくてもよく、又は、第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第2のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも小さくてもよい。
【0150】
ある1つの例として、デュアルSIM携帯電話を使用する。その携帯電話は、2つの受信アンテナを備えているということを仮定する。1つの受信アンテナは、第1のモードにある第1のSIMカードに割り当てられてもよく、2つの受信アンテナは、第2のモードにある第1のSIMカードに割り当てられてもよい。代替的に、2つの受信アンテナは、第1のモードにある第1のSIMカードに割り当てられてもよく、1つの受信アンテナは、第2のモードにある第1のSIMカードに割り当てられてもよい。
【0151】
選択的に、ステップ420の前に、方法400は、ステップ430: 端末デバイスが現時点で使用する第1のモードを決定するステップをさらに含む。
【0152】
上記で説明されているように、各々のSIMカードに割り当てられるリソースを決定した後に、リソーススケジューリングモジュールは、各々のプロトコル層にリソーススケジューリングモードを通知してもよい。各々のプロトコル層及びリソーススケジューリングモジュールは、リソーススケジューリングモードを維持してもよい。リソーススケジューリングモードは、現時点で使用されている第1のモードである。以下の記載は、2つの可能性のある状況を参照して、個別にステップ420を詳細に説明する。
【0153】
状況1:
【0154】
第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも少ない。
【0155】
この状況では、選択的に、ステップ420は、特に、
第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するステップを含む。
【0156】
さらに、選択的に、方法400は、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たさないときに、第1のモードに留まるステップ、又は、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行しないステップをさらに含む。
【0157】
判別及び説明を容易にするために、複数の異なる状況に使用されるあらかじめ設定された条件は、それぞれ、第1のあらかじめ設定された条件及び第2のあらかじめ設定された条件として示される。第1のあらかじめ設定された条件は、状況1に適用されてもよい。具体的にいうと、第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも少ない。第2のあらかじめ設定された条件は、状況2に適用されてもよい。具体的にいうと、第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも大きい。
【0158】
選択的に、ステップ420の前に、当該方法は、以下のステップをさらに含む。
【0159】
ステップ440: 第1のSIMカードのチャネル環境が第1のあらかじめ設定された条件を満たすか否かを決定する。
【0160】
第1のあらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比SNRが、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、を含む。
【0161】
ある1つの実装において、リソーススケジューリングモジュールは、チャネル環境を決定するためのパラメータとして、第1のSIMカードが受信する信号の信号対雑音比(signal noise ratio, SNR)を使用してもよい。例えば、信号対雑音比があらかじめ設定されたしきい値以上であるときに、そのチャネル環境は、比較的良好であると考えられてもよく、又は、信号対雑音比があらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときは、そのチャネル環境は、比較的劣悪であると考えられる。判別及び説明を容易にするために、信号対雑音比のしきい値は、第1のあらかじめ設定されたしきい値として示される。
【0162】
他の実装において、リソーススケジューリングモジュールは、チャネル環境を決定するためのパラメータとして、第1のSIMカードが受信する信号の受信エネルギーを使用してもよい。例えば、信号の受信エネルギーがあらかじめ設定されたしきい値以上であるときは、そのチャネル環境は、比較的良好であると考えられてもよく、又は、信号の受信エネルギーがあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときは、そのチャネル環境は比較的劣悪であると考えられる。判別及び説明を容易にするために、信号の受信エネルギーのしきい値は、第2のあらかじめ設定されたしきい値として示される。
【0163】
第1のあらかじめ設定されたしきい値及び第2のあらかじめ設定されたしきい値は、あらかじめ定義されていてもよいということを理解することが可能である。第1のあらかじめ設定されたしきい値及び第2のあらかじめ設定されたしきい値の特定の値は、この出願においては限定されない。
【0164】
さらに別の実装において、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードが受信する信号の信号対雑音比及び受信エネルギーを組み合わせることによってチャネル環境を決定してもよい。例えば、その信号の信号対雑音比が第1のあらかじめ設定されたしきい値以上であり、且つ、その信号の受信エネルギーが第2のあらかじめ設定されたしきい値以上であるときは、そのチャネル環境は、比較的良好であると考えられ、又は、信号の信号対雑音比が第1のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいか、又は、信号の受信エネルギーが第2のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときは、そのチャネル環境は、比較的劣悪であると考えられる。
【0165】
チャネル環境品質を決定する上記の列記されているあらかじめ設定された条件は、ある1つの例であるにすぎず、この出願に対していかなる限定も構成するべきではないということを理解するべきである。この出願においては、チャネル品質が他のパラメータを使用することによって決定される場合を除外しない。
【0166】
さらに、リソーススケジューリングモジュールは、前もって、第1の時間期間の中での第1のSIMカードのチャネル環境を知ることが不可能であるため、ステップ420において、第1のモードを第2のモードに切り替える必要があるか否かを決定するための根拠として、第1の時間期間の前に存在する第1のSIMカードのチャネル環境を使用することが可能である。
【0167】
リソースが十分であるときは、呼が欠落するという問題を回避するために、リソーススケジューリングモジュールは、使用のために、複数のSIMカードにリソースを割り当ててもよい。例えば、複数の受信アンテナは、使用のために、複数のSIMカードに割り当てられ、各々のSIMカードは、少なくとも1つの受信アンテナを使用することによってダウンリンク信号を受信してもよく、それらの複数のSIMカードは、ベースバンドリソース及び無線周波数リソースを共有し、そして、ダウンリンク信号を同時に受信することが可能である。
【0168】
情報入力モジュールが、第1のSIMカードが第1の時間期間の中で優先順位の高い信号を受信する必要があるということをリソーススケジューリングモジュールに通知する場合に、そのリソーススケジューリングモジュールが各々のSIMカードにリソースを割り当てるときに、第1のSIMカードの信号受信品質は、好ましくは、保証される必要がある。上記の優先順位の高い信号を受信しない場合に、比較的重大な結果を引き起こす場合がある。この出願のこの実施形態においては、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードのチャネル環境を参照して、優先順位の高い信号を受信するために、第1の時間期間の中で、現時点でのマルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードを他のモードに切り替える必要があるか否かを決定してもよい。
【0169】
第1のSIMカードのチャネル環境が比較的劣悪である場合に、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を増加させてもよく、それによって、第1のSIMカードは、より多くの受信アンテナを使用することによって優先順位の高い信号を受信して、ダイバーシティ利得を取得するとともに、優先順位の高い信号の信号受信品質を保証することが可能である。
【0170】
具体的にいうと、第1のモードにある第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数よりも少ない。
【0171】
限定ではなく例として、第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びマルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモード等を含んでもよい。
【0172】
限定ではなく例として、第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びマルチSIMマルチスタンバイモード等を含んでもよい。
【0173】
上記で説明しているように、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては、2つのSIMカードは、ベースバンドリソース及び無線周波数リソースを共有し、そして、ダウンリンク信号を同時に受信してもよい。同様に、マルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードにおいては、2つのSIMカードは、ベースバンドリソース及び無線周波数リソースを共有し、そして、ダウンリンク信号を同時に受信してもよい。マルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードにおいては、そのマルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードは、端末デバイスのために構成される複数のSIMカードのすべてが、同じ時間期間の中でベースバンドリソース及び無線周波数リソースを共有し、そして、ダウンリンク信号を同時に受信することが可能であるということを意味するわけではないということに留意すべきである。複数のSIMカードが端末デバイスのために構成されるときに、2つ又はより多くのSIMカードがベースバンドリソース及び無線周波数リソースを共有し、そして、ダウンリンク信号を同時に受信することが可能である限りは、その端末デバイスは、マルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードをサポートすると考えられる。
【0174】
それに対応して、デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては、2つのSIMカードのうちの1つは、いずれかの時間期間においてベースバンドリソース及び無線周波数リソースを独占的に占有する。同様に、マルチSIMマルチスタンバイモードにおいては、複数のSIMカードのうちの1つは、いずれかの時間期間においてベースバンドリソース及び無線周波数リソースを独占的に占有する。
【0175】
上記の例から、第1のモードと第2のモードとの間の相違は、受信アンテナの数の相違のみには限定されるものではなく、複数の異なるベースバンド処理モジュール及び/又は無線周波数処理モジュールは、また、複数の異なるSIMカードのために構成されてもよいということを理解することが可能である。このことは、この出願においては限定されない。異なる数の受信アンテナが、2つのモードにある第1のSIMカードに割り当てられる限り、このことは、この出願の保護範囲に属するものとする。
【0176】
ある1つの例として、デュアルSIM携帯電話を使用する。第1のモードにおいては、2つのSIMカードは、複数の異なる無線周波数処理モジュールを使用することによって、複数のダウンリンク信号を個別に受信してもよく、又は、同じ無線周波数処理モジュールの中の異なる受信アンテナを使用することによって、複数のダウンリンク信号を受信してもよい。それらの2つのSIMカードは、さらに、複数の異なるベースバンド処理モジュールを使用することによって、複数の異なる無線周波数処理モジュールから複数のダウンリンク信号を受信してもよく、又は、同じベースバンド処理モジュールを使用することによって、複数の異なる無線周波数処理モジュールから複数のダウンリンク信号を受信してもよい。
【0177】
さらに、2つのSIMカードが同じネットワーク規格にしたがって動作する場合に、それらの2つのSIMカードは、複数の異なる無線周波数処理モジュール及び複数の異なるベースバンド処理モジュールを使用してもよく、又は、複数の異なる無線周波数処理モジュール及び同じベースバンド処理モジュールを使用してもよい。ベースバンド処理モジュールが同じであるか又は異なっているかにかかわらず、ベースバンド処理モジュールは、同じネットワーク規格にしたがった信号処理に使用される。2つのSIMカードが複数の異なるネットワーク規格にしたがって動作する場合に、それらの2つのSIMカードは、複数の異なる無線周波数処理モジュール及び複数の異なるベースバンド処理モジュールを使用してもよい。複数の異なるネットワーク規格における信号処理のために、複数の異なるベースバンド処理モジュールを使用してもよい。
【0178】
第2のモードにおいては、第1のSIMカードに、2つのSIMカードに最初に割り当てられている受信アンテナのすべてを割り当ててもよく、第1のSIMカードは、それらの受信アンテナのすべてを独占的に占有する。
【0179】
一方で、第2のモードにおいては、使用のために第1のSIMカードに受信アンテナのすべてを割り当てることは、ある1つの可能な実装であるにすぎないということを理解すべきである。例えば、8つのアンテナ又は16つのアンテナ等の比較的大きな数の受信アンテナが存在するときに、リソーススケジューリングモジュールは、また、使用のために、第1のSIMカードに、(例えば、第2のSIMカードとして示される)他のSIMカードが使用する受信アンテナのうちの、例えば、2つのアンテナ又は4つのアンテナ等の一部のアンテナを割り当ててもよい。この場合に、第2のモードは、依然として、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードにしたがって動作してもよいが、一方で、複数の異なるSIMカードに割り当てられる受信アンテナの数は変化する。
【0180】
選択的に、方法400は、ステップ450: 優先順位の高い信号を受信するステップをさらに含む。
【0181】
具体的には、ステップ450は、リソーススケジューリングモジュールがSIMカードに割り当てる無線周波数処理モジュールを使用することによって実装されてもよい。例えば、優先順位の高い信号は、受信アンテナを使用することによって受信され、周波数変調処理、信号増幅、又はフィルタリング等の処理が、信号に対して実行される。無線周波数処理モジュールが処理した信号は、ベースバンド処理モジュールに送信されてもよく、ベースバンド処理モジュールによって処理される。その次に、優先順位の高い信号を取得する。
【0182】
上記の決定に基づいて、リソーススケジューリングモジュールは、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するか否かを決定してもよい。端末デバイスが第2のモードへの切り替えを実行するときに、その端末デバイスは、第2のモードにおいて優先順位の高い信号を受信してもよく、又は、その端末デバイスが第2のモードへの切り替えを実行しないときに、その端末デバイスは、第1のモードにおいて優先順位の高い信号を受信してもよい。上記の技術的解決方法に基づいて、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに、より多くの受信アンテナを割り当てることによって優先順位の高い信号を受信して、ダイバーシティ利得を取得するとともに、信号受信品質を改善し、呼の欠落及びネットワークの切断等のイベントの生起を回避し、そして、ユーザ体験を改善してもよい。
【0183】
状況2:
【0184】
第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも大きくてもよい。
【0185】
この状況では、選択的に、ステップ420は、特に、
第1のSIMカードのチャネル環境が第2のあらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するステップを含む。
【0186】
さらに、選択的に、方法400は、
第1のSIMカードのチャネル環境が第2のあらかじめ設定された条件を満たさないときに、第1のモードに留まるステップ、又は、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行しないステップをさらに含む。
【0187】
上記で説明されているように、第2のあらかじめ設定された条件は、状況2に適用されてもよい。
【0188】
選択的に、ステップ420の前に、当該方法は、以下のステップをさらに含む。
【0189】
ステップ440: 第1のSIMカードのチャネル環境が第2のあらかじめ設定された条件を満たしているか否かを決定する。
【0190】
第2のあらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比が、第3のあらかじめ設定されたしきい値よりも大きいということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第4のあらかじめ設定されたしきい値よりも大きいということ、を含む。
【0191】
リソーススケジューリングモジュールが、チャネル環境と第2のあらかじめ設定された条件との間の関係に基づいて、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するか否かを決定する特定のプロセスは、リソーススケジューリングモジュールが、チャネル環境と第1のあらかじめ設定された条件との間の関係に基づいて、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するか否かを決定する特定のプロセスと同様である。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0192】
本明細書において列記されている第3のあらかじめ設定されたしきい値及び第4のあらかじめ設定されたしきい値は、あらかじめ定義されていてもよいということを理解することが可能である。第3のあらかじめ設定されたしきい値及び第4のあらかじめ設定されたしきい値の特定の値は、この出願においては限定されない。第1のあらかじめ設定されたしきい値及び第3のあらかじめ設定されたしきい値は、同じであってもよく又は異なっていてもよく、第2のあらかじめ設定されたしきい値及び第4のあらかじめ設定されたしきい値は、同じであってもよく又は異なっていてもよい。このことは、この出願においては限定されない。
【0193】
場合によっては、例えば、端末デバイスのために構成される複数のSIMカードのうちのいくつかのSIMカードがタスクを受信しないときに、リソーススケジューリングモジュールは、受信タスクを有する第1のSIMカードに、受信アンテナのすべてを割り当ててもよく、又は、使用のために、第1のSIMカードにベースバンドリソース及び無線周波数リソースのすべてを割り当ててもよく、それにより、ダイバーシティ伝送を達成するとともに、信号受信品質を改善してもよい。
【0194】
情報入力モジュールが、第1のSIMカードが第1の時間期間の中で優先順位の高い信号を受信する必要があるということを決定し、そして、他のSIMカードが、また、受信タスクを有する場合に、その情報入力モジュールが、リソーススケジューリングモジュールに通知し、それによって、そのリソーススケジューリングモジュールは、各々のSIMカードにリソースを割り当てる。各々のSIMカードにリソースを割り当てるときに、そのリソーススケジューリングモジュールは、好ましくは、第1のSIMカードの信号受信品質を保証する必要がある。上記で説明されているように、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードのチャネル環境を参照して、第1の時間期間の中で、第1のモードに留まって、優先順位の高い信号を受信するべきであるか否か、又は、第2のモードへの切り替えを実行して、優先順位の高い信号を受信するべきであるか否かを決定してもよい。
【0195】
第1のSIMカードのチャネル環境が比較的劣悪である場合に、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに複数の受信アンテナを割り当ててもよく、端末デバイスは、切り替えを実行することなく、第1のモードに留まってもよい。第1のSIMカードのチャネル環境が比較的良好である場合に、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数を減少させてもよく、端末デバイスは、第2のモードへの切り替えを実行して、優先順位の高い信号を受信する。
【0196】
具体的にいうと、第1のモードにある第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードに割り当てられている受信アンテナの数よりも大きい。
【0197】
限定ではなく例として、第1のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びマルチSIMマルチスタンバイモード等を含んでもよい。
【0198】
限定ではなく例として、第2のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモード及びマルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモード等を含んでもよい。
【0199】
上記の記載は、デュアルSIMデュアルスタンバイモード、マルチSIMマルチスタンバイモード、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモード、及びマルチ受信マルチSIMマルチスタンバイモードを詳細に説明している。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0200】
選択的に、方法400は、ステップ450: 優先順位の高い信号を受信するステップ、をさらに含む。
【0201】
上記の決定に基づいて、リソーススケジューリングモジュールは、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するか否かを決定してもよい。端末デバイスが第2のモードへの切り替えを実行するときに、その端末デバイスは、第2のモードにおいて優先順位の高い信号を受信してもよく、又は、その端末デバイスが第2のモードへの切り替えを実行しないときに、その端末デバイスは、第1のモードにおいて優先順位の高い信号を受信してもよい。
【0202】
上記の技術的解決方法に基づいて、第1のSIMカードのチャネル環境が比較的良好なときに、リソーススケジューリングモジュールは、使用のために、受信タスクを有する他のSIMカードに受信アンテナの一部を割り当てて、マルチSIM端末デバイスにおける呼の欠落を防止するとともに、ユーザ体験を改善してもよい。
【0203】
選択的に、ステップ420の前に、当該方法は、以下のステップをさらに含む。
【0204】
ステップ440: 第1のSIMカードのチャネル環境が第2のあらかじめ設定された条件を満たすか否かを決定する。
【0205】
あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比SNRが、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、を含む。
【0206】
選択的に、ステップ440は、特に、第2の時間期間における第1のSIMカードのチャネル環境が、あらかじめ設定された条件を満たすか否かを決定するステップを含み、第2の時間期間は、第1の時間期間の前に存在し、第2の時間期間と第1の時間期間との間の時間間隔は、第3のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さい。
【0207】
例えば、第1の時間期間の開始時点と第2の時間期間の終了時点との間の時間間隔が、第3のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときに、第2の時間期間のチャネル環境は、ステップ420において第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するか否かを決定するための根拠として使用されてもよい。
【0208】
ある1つの可能な設計において、第3のあらかじめ設定されたしきい値は、例えば、1.28秒のページングメッセージ送信期間であってもよい。言い換えると、前回ページングメッセージを受信したときに取得された信号の信号対雑音比及び/又は受信エネルギーは、次回にページングメッセージを受信するチャネル環境を決定するためのパラメータとして使用されてもよい。
【0209】
第3のあらかじめ設定されたしきい値は、あらかじめ定義されてもよいということを理解することが可能である。第3のあらかじめ設定されたしきい値の特定の値は、この出願においては限定されない。
【0210】
上記の技術的解決方法に基づいて、第1のSIMカードが優先順位の高い信号を受信する必要があるときに、端末デバイスは、現時点でのリソーススケジューリングモード及びチャネル環境を参照して予備決定を実行して、優先順位の高い信号を受信するためにリソーススケジューリングモードを変更する必要があるか否かを決定する。信号品質が良好であるときは、端末デバイスは、第1のSIMカードに割り当てられているリソースの数を減少させ、そして、使用のために他のSIMカードにリソースを割り当ててもよい。信号品質が劣悪であるとき、端末デバイスは、第1のSIMカードに割り当てられているリソースの数を増加させて、優先順位の高い信号が正常に受信されることを保証する。したがって、呼の欠落又はネットワークからの切断等のイベントを可能な限り回避して、ユーザ体験を改善することが可能である。加えて、切り替えは、チャネル環境に基づいて、複数の異なるリソーススケジューリングモードの間で柔軟に実行されて、性能とコストとの間の妥協を達成することが可能である。
【0211】
選択的に、端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであり、第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードである。
【0212】
デュアルSIM端末による呼の欠落の生起を回避するために、通常、デュアルSIM端末は、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードに設定されてもよい。言い換えると、2つのSIMカードは、無線周波数リソース及びベースバンドリソースを共有してもよい。2つのSIMカードのうちの第1のSIMカードによって優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間決定した後に、第1のSIMカードが第1の時間期間の中で優先順位の高い信号の受信に成功することを保証にするために、第1のSIMカードのチャネル環境を参照して、端末デバイスが、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行する必要があるか否かを決定してもよい。上記で説明されているように、デュアルSIMデュアルスタンバイモードにおいては、第1のSIMカードは、無線周波数リソース及びベースバンドリソースを独占的に占有してもよい。したがって、ダイバーシティ利得を得ることが可能であるとともに、信号受信品質を改善することが可能である。
【0213】
この出願のこの実施形態においては、デュアルSIM端末の中の2つのSIMカードは、同じネットワーク規格にしたがって動作してもよく、又は、複数の異なるネットワーク規格にしたがって動作してもよい。
【0214】
2つのSIMカードが同じネットワーク規格にしたがって動作する場合に、端末デバイスは、2つのSIMカードのために、2つ又はそれ以上のセットの独立した無線周波数リソース及び2つ又はそれ以上のセットの独立したベースバンドリソースを事前に構成してもよい。コストを考慮して、端末デバイスは、2つのSIMカードのために2つのセットの独立した無線周波数リソース及び2つのセットの独立したベースバンドリソースを構成してもよく、又は、それらの2つのSIMカードのために2つのセットの独立した無線周波数リソース及び1つのセットのベースバンドリソースを構成してもよい。
【0215】
具体的には、端末デバイスは、2つのカードのうちの第1のSIMカードのために1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールを構成してもよく、それらの2つのカードのうちの第2のSIMカードのために1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールを構成してもよい。各々の無線周波数処理モジュールは、1つの受信アンテナを含む。代替的に、端末デバイスは、それらの2つのSIMカードのために、2つのセットの独立した無線周波数リソースを事前に構成してもよい。具体的には、端末デバイスは、それらの2つのカードのうちの第1のSIMカードのために1つの無線周波数処理モジュールを構成し、そして、それらの2つのカードのうちの第2のSIMカードのために1つの無線周波数処理モジュールを構成してもよい。第1のSIMカード及び第2のSIMカードは、同じベースバンド処理モジュールを共有してもよい。
【0216】
デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのSIMカードのうちの第1のSIMカード又は第2のSIMカードは、無線周波数リソース及びベースバンドリソースを独占的に占有してもよい。具体的にいうと、第1のSIMカード又は第2のSIMカードは、2つの無線周波数処理モジュール及び2つのベースバンド処理モジュールを独占的に占有してもよく、或いは、2つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールを独占的に占有してもよい。2つの無線周波数処理モジュールの中に含まれる受信アンテナのすべては、第1のSIMカード又は第2のSIMカードが実行するダウンリンク受信のために使用される。
【0217】
デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードの場合には、2つのカードのうちの第1のSIMカード及び第2のSIMカードは、無線周波数リソース及びベースバンドリソースを共有してもよい。具体的にいうと、第1のSIMカードは、1つの無線周波数処理モジュール及び1つのベースバンド処理モジュールを使用し、第2のSIMカードは、他の無線周波数処理モジュール及び他のベースバンド処理モジュールを使用する。代替的に、第1のSIMカードは、1つの無線周波数処理モジュールを使用し、第2のSIMカードは、他の無線周波数処理モジュールを使用し、第1のSIMカード及び第2のSIMカードは、1つのベースバンド処理モジュールを共同で使用する。
【0218】
選択的に、ネットワーク規格は、5G、LTE、3G、2.5G、又は2Gであってもよい。
【0219】
デュアルSIM端末の中に存在するリソースは限られているため、使用のためにリソースのすべてを第1のSIMカードに割り当てるときは、第2のSIMカードは、ダウンリンク受信を実行することは不可能である。したがって、第1のモードが、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであり、第2のモードが、デュアルSIMデュアルスタンバイモードである場合に、当該方法400は、選択的に、第2のSIMカードが第1の時間期間において優先順位の高い信号を受信しないということを決定するステップをさらに含む。
【0220】
上記で説明されているように、端末デバイスは、各々のSIMカードが、将来的な時間期間の中で、アップリンクサービスを送信するか又はダウンリンクサービスを受信するかを前もって知ることが可能であり、或いは、各々のSIMカードが、優先順位の高い信号を受信する時間をあらかじめ決定することが可能である。したがって、端末デバイスは、第2のSIMカードが、第1の時間期間の中で優先順位の高い信号を受信するか否かを決定することが可能である。第2のSIMカードが、第1の時間期間の中で、ページングメッセージ、システムメッセージ、又はシグナリングインタラクション手順におけるダウンリンクシグナリングを受信するタスクを有しない場合に、例えば、第2のSIMカードが、ウェブページを閲覧するか又はデータをダウンロードするとき等、第2のSIMカードは、第1の時間期間において、優先順位の高い信号を受信しないと考えられてもよい。使用のために第2のSIMカードに最初に割り当てられている無線周波数リソース及びベースバンドリソースは、使用のために第1のSIMカードに割り当てられてもよい。言い換えると、端末デバイスは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへと切り替えられる。
【0221】
上記の技術的解決方法に基づいて、デュアルSIM端末は、チャネル環境を参照して、2つのSIMカードのサービス優先順位に基づいて、2つのSIMカードにリソースを動的に割り当てることが可能であり、それによって、デュアルSIM端末は、サービス優先順位及びチャネル環境等の要因に基づいて、複数の異なるリソーススケジューリングモードの間で柔軟な切り替えを実行することが可能であり、呼の欠落又はネットワークからの切断等のイベントの生起を可能な限り回避することが可能である。したがって、ユーザ体験を改善する。
図5は、理解を容易にするために、上記の方法400における複数のステップのうちのいくつかのみを示しているが、このことは、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではないということを理解すべきである。上記の複数のステップの順序番号は、実行順序を示すものではない。それらのステップの実行順序は、それらのステップの機能及び内部論理に基づいて決定されるべきであり、この出願のこの実施形態の実施プロセスに対するいかなる限定としても解釈されるべきではない。
【0222】
上記の技術的解決方法は、
図4に示される手順においてステップ309の前に実行されるさらなる決定と同等であるということを理解することが可能である。ネットワーク規格、動作周波数帯域、ベースバンドリソースの構成、及び無線周波数リソースの構成に基づいて、利用可能なリソーススケジューリングモードを決定した後に、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、各々のSIMカードのチャネル環境を考慮し、ステップ309の前に決定されたリソーススケジューリングモードを調整する必要があるか否かを決定してもよい。例えば、リソーススケジューリングモジュールが、端末デバイスのために構成されるベースバンドリソース及び無線周波数リソースに基づいて、あるネットワーク規格において、デュアルSIMデュアルスタンバイモード又はデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用して、デュアルSIM端末において呼が欠落するという問題を回避してもよいということを決定する場合に、リソーススケジューリングモジュールは、好ましくは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードを使用してもよい。第1のSIMカードが、第1の時間期間において優先順位の高い信号を受信する必要があるということを仮定する。チャネル環境を参照して、第1のSIMカードのチャネル環境品質が良好であるときに、リソーススケジューリングモードは、さらに、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードに関する決定を維持してもよく、又は、第1のSIMカードのチャネル環境品質が劣悪であるときに、リソーススケジューリングモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードをデュアルSIMデュアルスタンバイモードへと調整し、そして、各々のプロトコル層にこのリソーススケジューリングモードを出力することが可能である。
【0223】
選択的に、ステップ410の前に、当該方法は、現時点でのネットワーク規格にしたがって構成されるベースバンドリソース及び無線周波数リソースに基づいて、端末デバイスの現時点でのリソーススケジューリングモードを決定するステップをさらに含む。
【0224】
具体的には、端末デバイスの現時点でのリソーススケジューリングモードは、上記で説明されている第1のモードである。このステップは、上記のリソーススケジューリングモジュールによって実行されてもよい。このステップを実行する特定のプロセスは、
図4を参照して上記で詳細に説明されている。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0225】
ある1つの特定の実施形態においては、端末デバイスはデュアルSIM携帯電話であり、双方のSIMカードはLTE規格にしたがって動作し、現時点でのリソーススケジューリングモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであってもよい。2つのSIMカードは、アイドルモードにあり、ページングメッセージ、システムメッセージ、又は測定タスクを受信するか、又は、シグナリングインタラクション手順に入ることが可能であるということを仮定する。第1のSIMカードは、NASからサービス要求を受信し、そして、呼の確立の準備をする。情報入力モジュールは、第1のSIMカードがNASからサービス要求を受信した後に、リソーススケジューリングモジュールに通知を送信して、第1のSIMカードが将来的な時間期間において呼を確立する必要があるということをリソーススケジューリングモジュールに通知してもよい。情報入力モジュールからの通知を受信した後に、リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードのチャネル環境を参照して、端末デバイスがデュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードからデュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行する必要があるか否かを決定してもよい。例えば、第1のSIMカードが受信する信号の信号対雑音比が、第1のあらかじめ設定されたしきい値以上であるときに、そのことは、チャネル環境が比較的良好であるということを示している。リソーススケジューリングモジュールは、端末デバイスが、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードに留まってもよく、第1のSIMカードが、接続モードへと切り替えられ、呼接続を確立し、そして、第2のSIMカードが、アイドル・モードに留まってもよいということを決定してもよい。第2のSIMカードは、依然として、使用されてもよいリソースを有しているため、第2のSIMカードは、例えば、ページングメッセージ、システムメッセージ、又は測定タスクを受信することが可能であるといったように、第2のSIMカードは、ダウンリンク信号を受信してもよい。第1のSIMカードが受信する信号の信号対雑音比が、第1のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときに、そのことは、チャネル環境が比較的劣悪であるということを示し、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに、第2のSIMカードの無線周波数リソース及びベースバンドリソースを割り当ててもよい。言い換えると、端末デバイスは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行してもよく、第1のSIMカードは、リソースを独占的に占有し、接続モードへと切り替えられ、そして、呼接続を確立してもよい。第2のSIMカードは、アイドルモードに留まっていてもよいが、使用されてもよいリソースが存在しないため、信号を受信し又は送信することが不可能である。
【0226】
他の例では、2つのSIMカードは、LTE規格にしたがって動作する。第1のSIMカードは、アイドルモードにあってもよく、第2のSIMカードは、例えば、データをダウンロードしているといったように、接続モードにあってもよい。現時点でのリソーススケジューリングモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであってもよい。第1のSIMカードがNASからのサービス要求を受信する場合には、第1のSIMカードは、呼接続の確立の準備をする。したがって、第1のSIMカードが、NASからのサービス要求を受信した後に、情報入力モジュールは、リソーススケジューリングモジュールに通知を送信して、第1のSIMカードが、(例えば、第1の時間期間等の)将来的な時間期間において呼接続を確立する必要があるということをリソーススケジューリングモジュールに通知してもよい。情報入力モジュールからの通知を受信した後に、リソーススケジューリングモジュールは、第2のSIMカードのダウンロードタスクを中断してもよい。例えば、第2のSIMカードは、アイドルモードに戻ってもよい。リソーススケジューリングモジュールは、さらに、第1のSIMカードのチャネル環境に基づいて、端末デバイスが、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行する必要があるか否かを決定してもよい。例えば、第1のSIMカードが受信する信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以上であるときに、そのことは、チャネル環境が比較的良好であるということを示している。リソーススケジューリングモジュールは、端末デバイスが、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードに留まってもよく、第1のSIMカードが、接続モードへと切り替えられ、そして、呼接続を確立してもよく、第2のSIMカードが、アイドルモードに留まってもよいということを決定してもよい。第2のSIMカードは、依然として、使用されてもよいリソースを有しているため、第2のSIMカードは、依然として、例えば、ページングメッセージ、システムメッセージ、又は測定タスクを受信してもよいといったように、アイドルモードにおいてダウンリンク信号を受信してもよい。第1のSIMカードが受信する信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときに、そのことは、チャネル環境が比較的劣悪であるということを示しており、リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードに、第2のSIMカードの無線周波数リソース及びベースバンドリソースを割り当ててもよい。言い換えると、リソーススケジューリングモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへと切り替えられてもよい。第1のSIMカードは、リソースを独占的に占有し、呼を確立し、そして、接続モードへの切り替えを実行する。第2のSIMカードは、アイドル状態に戻ってもよい。使用されてもよいリソースが存在しないため、第2のSIMカードは、信号を受信し又は送信することは不可能である。
【0227】
他の例では、2つのSIMカードは、LTE規格にしたがって動作する。第1のSIMカードは、アイドルモードにあってもよく、第2のSIMカードは、例えば、データをダウンロードしているといったように、接続モードにあってもよい。現時点でのリソーススケジューリングモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードであってもよい。第1のSIMカードが、(例えば、第1の時間期間等の)将来的な時間期間においてページングメッセージを受信するということを決定する場合に、情報入力モジュールは、リソーススケジューリングモジュールに通知を送信して、第1のSIMカードが第1の時間期間においてページングメッセージを受信する必要があるということをリソーススケジューリングモジュールに通知してもよい。リソーススケジューリングモジュールは、第1のSIMカードのチャネル環境に基づいて、端末デバイスが、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行する必要があるか否かを決定してもよい。例えば、第1のSIMカードが受信する信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以上であるときに、そのことは、チャネル環境が比較的良好であるということを示している。リソーススケジューリングモジュールは、端末デバイスが、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイモードに留まってもよいということを決定してもよい。第1のSIMカードは、依然としてアイドルモードに留まり、そして、リソーススケジューリングモジュールが割り当てるベースバンドリソース及び無線周波数リソースを使用することによって、ページングメッセージを受信してもよい。第2のSIMカードは、アイドルモードに戻ってもよく、又は、一時的に中断されてもよく、具体的にいうと、接続モードに留まるが、送信及び受信を実行しない。第1のSIMカードが受信する信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値よりも小さいときは、そのことは、チャネル環境が相対的に劣悪であるということを示している。リソーススケジューリングモジュールは、端末デバイスが、デュアルSIMデュアルスタンバイモードへの切り替えを実行することが可能であるということを決定してもよい。第1のSIMカードは、依然として、アイドルモードに留まってもよく、リソースを独占的に占有して、ページングメッセージを受信してもよい。第2のSIMカードは、アイドルモードに戻ってもよく、又は、一時的に中断されてもよい。使用されてもよいリソースが存在しないため、第2のSIMカードは、信号を受信し又は送信することが不可能である。上記の記載は、理解を容易にするために、いくつかの特定の例を参照して、この出願のこの実施形態によって提供される方法を説明しているということを理解すべきである。ただし、これらの例は、理解を容易にするために説明されているにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではない。加えて、SIMカードがアイドルモードにあるか又は接続モードにある上記の列記されている特定のシナリオは、理解を容易にするために説明されているにすぎず、この出願に対するいかなる限定も構成するべきではない。
【0228】
この出願の複数の実施態様によって提供される方法は、
図3乃至
図5を参照して、上記で詳細に説明されている。この出願の複数の実施形態によって提供される端末デバイスは、
図6及び
図7を参照して、以下で詳細に説明される。
【0229】
図6は、この出願のある1つの実施形態にしたがった端末デバイス600の概略的なブロック図である。図に示されているように、端末デバイス600は、決定ユニット610、切り替えユニット620、及び受信ユニット630を含んでもよい。
【0230】
具体的には、切り替えユニット610は、第1のSIMカードのチャネル環境があらかじめ設定された条件を満たすときに、第1のモードから第2のモードへの切り替えを実行するように構成されてもよい。第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数とは異なる。
【0231】
選択的に、あらかじめ設定された条件は、
信号対雑音比SNRが、第1のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、及び/又は、
信号の受信エネルギーが、第2のあらかじめ設定されたしきい値以下であるということ、を含む。
【0232】
選択的に、端末デバイス600は、第2のモードにおいて優先順位の高い信号を受信するように構成される受信ユニット620をさらに含む
【0233】
選択的に、端末デバイス600は、決定ユニット630をさらに含み、決定ユニット630は、優先順位の高い信号を受信するための第1の時間期間を決定するように構成される。
【0234】
選択的に、第1のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数は、第2のモードにある第1のSIMカードのために構成される受信アンテナの数よりも少ない。
【0235】
選択的に、端末デバイスは、デュアルSIM端末であり、第1のモードは、デュアル受信デュアルSIMデュアルスタンバイDR-DSDSモードであり、第2のモードは、デュアルSIMデュアルスタンバイDSDSモードである。
【0236】
端末デバイスの中の2つのSIMカードは、同じネットワーク規格にしたがって動作し、端末デバイスは、ネットワーク規格にしたがった信号を受信するように構成される2つの無線周波数処理モジュールを含み、各々の無線周波数処理モジュールは、1つ又は複数の受信アンテナを含む。
【0237】
選択的に、ネットワーク規格は、LTE規格である。
【0238】
具体的には、端末デバイス600は、この出願の複数の実施形態によれば、信号受信方法400における端末デバイスに対応してもよい。端末デバイス600は、
図5の信号受信方法400において端末デバイスが実行する方法を実行するように構成される複数のユニットを含んでもよい。決定ユニット630は、
図5に示されている実施形態において、ステップ410、ステップ430、及びステップ440を実行するように構成されてもよい。切り替えユニット610は、
図5に示されている実施形態においてステップ420を実行するように構成されてもよい。受信ユニット630は、
図5に示されている実施形態において、ステップ450を実行するように構成されてもよい。加えて、端末デバイス600の中の複数のユニット及び上記の他の動作及び/又は機能は、それぞれ、
図5の信号受信方法400の対応する手順を実装することを意図されている。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は記載されない。
【0239】
ある1つの可能な設計において、決定ユニット630及び切り替えユニット610は、
図1に示されている携帯電話の中のプロセッサ130に対応し、受信ユニット620は、
図1に示されている携帯電話の中の無線周波数回路110に対応してもよい。
【0240】
図7は、この出願のある1つの実施形態にしたがった端末デバイス700の他の概略的なブロック図である。図に示されているように、端末デバイス700は、プロセッサ710を含んでもよい。選択的に、端末デバイス700は、メモリ720をさらに含む。選択的に、端末デバイス700は、トランシーバー730をさらに含む。プロセッサ710、メモリ720、及びトランシーバー730は、制御信号及び/又はデータ信号を送信するために、内部接続チャネルを介して互いに通信してもよい。メモリ503は、コンピュータプログラムを格納するように構成される。プロセッサ710は、メモリ720からコンピュータプログラムを呼び出し、そして、コンピュータプログラムを実行して、信号を送信し及び受信するようにトランシーバー720を制御する。
【0241】
具体的には、端末デバイス700は、この出願の複数の実施形態によれば、信号受信方法400における端末デバイスに対応していてもよい。端末デバイス700は、
図5の信号受信方法400において端末デバイスが実行する方法を実行するように構成される複数のユニットを含んでもよい。プロセッサ710は、
図5に示されている実施形態においてステップ410からステップ440を実行するように構成されてもよく、トランシーバー730は、
図5に示されている実施形態においてステップ450を実行するように構成されてもよい。加えて、端末デバイス700の中のユニット及び上記の他の動作及び/又は機能は、それぞれ、
図5の信号受信方法400の対応する手順を実装することを意図している。簡潔さのために、本明細書においては、詳細は説明されない。
【0242】
ある1つの可能な設計において、プロセッサ710は、
図1に示されている携帯電話のプロセッサ130に対応してもよく、メモリは、
図1に示されている携帯電話のメモリ140に対応してもよく、トランシーバー730は、
図1に示されている携帯電話の無線周波数回路110に対応してもよい。
【0243】
プロセッサは、複数の方式によって、上記の複数の方法の実施形態によって示される複数の機能を実装することが可能であるということを理解すべきである。例えば、プロセッサは、第1の方式によって、すなわち、メモリの中に格納されているプログラムを実行する方式によって、上記の複数の方法の実施形態において端末デバイスが実行する複数のステップのうちの一部又はすべてを実行することが可能であり、或いは、第2の方式によって、すなわち、プロセッサの中のハードウェアの集積論理回路を命令と組み合わせる方式によって、上記の方法の実施形態において端末デバイスが実行する複数のステップのうちの一部又はすべてを実行することが可能であり、或いは、確実に、第1の方式及び第2の方式を参照して、上記の方法の実施形態において端末デバイスが実行する複数のステップの一部又はすべてを実行することが可能である。
【0244】
さらに、この出願の複数の実施形態において、プロセッサは、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)であってもよく、又は、他の汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)、又は他のプログラム可能な論理デバイス、個別のゲート又はトランジスタ論理デバイス、個別のハードウェア構成要素等であってもよいということを理解すべきである。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよく、又は、プロセッサは、いずれかの従来のプロセッサ等であってもよい。
【0245】
さらに、この出願の複数の実施形態におけるメモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであってもよく、或いは、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよいということを理解すべきである。不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(read-only memory, ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(programmable ROM, PROM)、消去可能な且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(erasable PROM, EPROM)、電気的に消去可能な且つプログラム可能な読み取り専用メモリ(electrically EPROM, EEPROM)、又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)であってもよく、外部キャッシュとして使用される。限定的な説明としてではなく、例として、例えば、静的ランダムアクセスメモリ(static RAM, SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM, SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(double data rate SDRAM, DDR SDRAM)、拡張同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(enhanced SDRAM, ESDRAM)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(synchlink DRAM, SLDRAM)、及びダイレクトランバスダイナミックランアクセスメモリ(direct rambus RAM, DR RAM)等の多くの形態のランダムアクセスメモリ(random access memory, RAM)を使用してもよい。
【0246】
この出願の複数の実施形態によって提供される方法によれば、この出願は、さらに、コンピュータプログラム製品を提供し、そのコンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードが端末デバイスにおいて実行されるときに、その端末デバイスは、
図5に示されている実施形態における方法を実行する。
【0247】
この出願の複数の実施形態によって提供される方法によれば、この出願は、さらに、コンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、端末デバイス読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードが端末デバイスにおいて実行されるときに、その端末デバイスは、
図5に示されている実施形態における方法を実行する。
【0248】
上記のプロセスの順序番号は、この出願の複数の実施形態における実行順序を意味するものではないということを理解すべきである。プロセスの実行順序は、プロセスの機能及び内部論理に基づいて決定されるべきであり、この出願の複数の実施態様の実装プロセスに対するいかなる限定としても解釈されるべきではない。
【0249】
ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせを使用することによって、上記の複数の実施形態のうちのすべて又は一部を実装することが可能である。ソフトウェアを使用してそれらの複数の実施形態を実装するときに、コンピュータプログラム製品の形態で、上記の複数の実施形態を完全に又は部分的に実装することが可能である。コンピュータプログラム製品は、1つ又は複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされ、そして、コンピュータによって実行されるときに、この出願の複数の実施形態にしたがった複数の手順又は機能をすべて又は部分的に生成する。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用のコンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラム可能な装置であってもよい。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されてもよく、又は、ある1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体へと送信されてもよい。例えば、コンピュータ命令は、(例えば、赤外線、無線、及びマイクロ波等の)有線方式によって、あるウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターから他のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、又はデータセンターに送信されてもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能であるいずれかの使用可能な媒体、或は、1つ又は複数の使用可能な媒体を一体化したサーバ又はデータセンター等のデータ記憶デバイスであってもよい。それらの使用可能な媒体は、(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、又は磁気テープ等の)磁気媒体、(例えば、DVD等の)光媒体、又は、半導体媒体であってもよい。半導体媒体は、ソリッドステートドライブであってもよい。
【0250】
当業者は、本明細書に開示されている複数の実施形態において説明されている複数の例と組み合わせて、電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェア及び電子ハードウェアの組み合わせによって、ユニット及びアルゴリズムステップを実装することが可能であるということを認識するであろう。それらの機能がハードウェアよって実行されるか又はソフトウェアによって実行されるかは、特定の用途及び技術的解決方法の設計上の制約条件によって決まる。当業者は、各々の特定の用途について、説明されている機能を実装するために複数の異なる方法を使用することが可能であるが、その実装が、この出願の範囲を超えるものであると解釈されるべきではない。
【0251】
当業者は、便利で簡単な説明のために、上記のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作プロセスについては、上記の方法の実施形態における対応するプロセスを参照するべきであるということを明確に理解することが可能である。本明細書においては、詳細は、繰り返しては説明されない。
【0252】
この出願によって提供される複数の実施形態のうちのいくつかにおいては、開示されたシステム、装置、及び方法は、他の方式によって実装されてもよいということを理解すべきである。例えば、説明されている装置の実施形態は、ある1つの例であるにすぎない。例えば、ユニットへの分割は、論理的な機能の分割であるにすぎず、実際の実装においては、他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素を組み合わせ又は一体化して、他のシステムとしてもよく、或いは、いくつかの特徴を無視してもよく又は実行しなくてもよい。加えて、いくつかのインターフェイスを使用することによって、示され又は説明されている相互結合、直接結合、又は通信接続を実装することが可能である。電子的な形態、機械的な形態、又は他の形態によって、複数の装置又は複数のユニットの間の非直接的な結合又は通信接続を実装することが可能である。
【0253】
個別の部分として説明されているユニットは、物理的に分離されていてもよく、又は、物理的に分離されていなくてもよく、複数のユニットとして示されている複数の部分は、複数の物理的なユニットであってもよく、又は、複数の物理的なユニットでなくてもよく、1つの場所に位置していてもよく、又は、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。実際の要件に基づいて、それらの複数のユニットのうちの一部又はすべてを選択して、複数の実施形態の解決方法の目的を達成してもよい。
【0254】
加えて、この出願のそれらの複数の実施形態における複数の機能的なユニットを一体化して、1つの処理ユニットとしてもよく、又は、それらの複数のユニットのうちの各々は、物理的に単独で存在していてもよく、又は、2つ又はそれ以上のユニットを一体化して、1つのユニットとしてもよい。
【0255】
複数の機能が、ソフトウェアの機能的なユニットの形態で実装され、独立した製品として販売され又は使用されるときに、それらの複数の機能は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の中に格納されてもよい。そのような理解に基づいて、この出願の複数の技術的解決方法は、本質的に、或いは、先行技術に寄与する部分又はそれらの複数の技術的解決方法のうちの一部は、ソフトウェア製品の形態で実装されてもよい。そのソフトウェア製品は、記憶媒体の中に格納され、いくつかの命令を含み、それらのいくつかの命令は、この出願のそれらの複数の実施形態において説明されている複数の方法の複数のステップのうちのすべて又は一部を実行するように、(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワークデバイスであってもよい)コンピュータデバイスに指示する。上記の記憶媒体は、プログラムコードを格納することが可能であるUSBフラッシュドライブ、取り外し可能なハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory, ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory, RAM)、磁気ディスク、又は光ディスク等のいずれかの媒体を含む。
【0256】
上記の説明は、この出願の特定の実装であるにすぎず、この出願の保護の範囲を限定することを意図してはいない。この出願によって開示されている技術的範囲の中で当業者が容易に考え出すことが可能であるいずれかの変形又は置換は、この出願の保護の範囲に属するものとする。したがって、この出願の保護の範囲は、特許請求の範囲の保護の範囲にしたがうものとする。