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特許7366089ロタンドン含有混合物を生産するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】ロタンドン含有混合物を生産するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/20 20160101AFI20231013BHJP
   A23L 33/105 20160101ALI20231013BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 31/015 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 31/045 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 31/122 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 31/22 20060101ALI20231013BHJP
   A61K 31/225 20060101ALI20231013BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20231013BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20231013BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
A23L27/20 E
A23L33/105
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/35
A61K8/37
A61K31/015
A61K31/045
A61K31/122
A61K31/22
A61K31/225
A61Q11/00
A61Q13/00 100
C11B9/00 B
C11B9/00 E
C11B9/00 P
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021132305
(22)【出願日】2021-08-16
(62)【分割の表示】P 2019546862の分割
【原出願日】2017-02-27
(65)【公開番号】P2021191856
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100168631
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康匡
(72)【発明者】
【氏名】バッケス ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】フェージング トビアス
(72)【発明者】
【氏名】ハイネマイアー ナディネ
(72)【発明者】
【氏名】マイアー ラース
(72)【発明者】
【氏名】シャトコフスキー ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】クリーガー ヴィリ
(72)【発明者】
【氏名】ライヘルト カタリーナ
(72)【発明者】
【氏名】オッテ-ヘルシャー スザンネ
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-534927(JP,A)
【文献】特開2016-198026(JP,A)
【文献】国際公開第2012/001018(WO,A1)
【文献】Journal of Agricultural and Food Chemistry,2014年,62(44),p10809-10815
【文献】Journal of Agricultural and Food Chemistry,2008年,56(10),p3738-3744
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 27/20
A23L 33/105
A61K 8/31
A61K 8/34
A61K 8/35
A61K 8/37
A61K 31/015
A61K 31/045
A61K 31/122
A61K 31/22
A61K 31/225
A61Q 11/00
A61Q 13/00
C11B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロタンドン、ブルネセン、グアイエン、グアイオール、およびブルネソールを含み、且つ任意にクエン酸トリエチルおよび/もしくはトリアセチンを含んでもよい、ロタンドン含有混合物、或いは
ロタンドン、ブルネセン、グアイエン、グアイオール、およびブルネソールと、任意に含まれていてもよいクエン酸トリエチルおよび/もしくはトリアセチンとからなる、ロタンドン含有混合物。
【請求項2】
1つまたは複数の味覚および/または嗅覚的印象、好ましくは柑橘類、果物、ミント、ナツメグ、コショウ、スパイス、ハーブ、コーヒー、チョコレート、ナッツ、ナッツヌガーの印象、貯蔵酒(例えばウイスキー、ラム酒、ブランデーの印象)、ワインおよびセイボリーの印象からなる群から選択される味覚および/または嗅覚的印象を、発生させる、付与する、または変更する、好ましくは強化するための、請求項1に記載の混合物の使用。
【請求項3】
請求項1に記載の混合物を含む、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤。
【請求項4】
請求項1に記載の混合物を含む、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤、を製造するための中間製品。
【請求項5】
1種または複数の(さらなる)香料および/または匂い物質をさらに含み、請求項1に記載の混合物の総量が、前記(さらなる)香料および/または匂い物質の1つまたは複数の味覚的および/または嗅覚的印象を変更する、好ましくは強化するのに十分である、請求項3に記載の医薬製剤。
【請求項6】
1種または複数の(さらなる)香料および/または匂い物質をさらに含み、請求項1に記載の混合物の総量が、前記(さらなる)香料および/または匂い物質の1つまたは複数の味覚的および/または嗅覚的印象を変更する、好ましくは強化するのに十分である、請求項4に記載の中間製品。
【請求項7】
請求項3または5に記載の医薬製剤製造するための方法であって、以下のステップ:
- 請求項1に記載の混合物、および1つまたは複数のさらなる構成成分を準備するステップ、ここで、前記さらなる構成成分、又はさらなる構成成分の1つまたは複数が、好ましくは香料および/または匂い物質からなる群から選択される、ならびに
- 請求項1に記載の混合物を、前記さらなる構成成分と混合するステップ
を含む、またはこれらからなる、方法。
【請求項8】
請求項4または6記載の中間製品を製造するための方法であって、以下のステップ:
- 請求項1に記載の混合物、および1つまたは複数のさらなる構成成分を準備するステップ、ここで、前記さらなる構成成分、又はさらなる構成成分の1つまたは複数が、好ましくは香料および/または匂い物質からなる群から選択される、ならびに
- 請求項1に記載の混合物を、前記さらなる構成成分と混合するステップ
を含む、またはこれらからなる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様によれば、本発明は、ロタンドンを含む混合物を製造するための方法に関する。本発明のさらなる態様は、ロタンドンを含有する混合物、ならびに1つまたは複数の味覚および/または嗅覚的印象を発生させる、付与する、または変更する、好ましくは強化するためのその使用に関する。さらに、本発明は、本発明による混合物を含む、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤、または栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤を製造するための中間製品、およびさらに、該製剤または中間製品を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロタンドン((3S,5R,8S)-3,4,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3,8-ジメチル-5-(1-メチルエテニル)-1(2H)-アズレノン、CAS#18374-76-0)は、様々なワインならびに黒コショウ、および種々のハーブにおいて天然に検出されている(J. Agric. Food Chem. 2008, 56, 3738-3744)。さらに、ロタンドンは、シプリオル(cypriole)油中で最も影響の大きい化合物として記載されている(J. Agric. Food. Chem. 2016, 64, 4566-4573)。ロタンドンはまた、芳香中に存在する(J. Nat. Prod. 2016, 79, 1160-1164)。
WO2015181257において、特別な時空プロファイルを有する香料組成物が記載されるが、これらはなかでも、ロタンドンも含有する場合がある。
さらに、ロタンドンは種々の果物(グレープフルーツ、オレンジ、リンゴ、およびマンゴーを明確に言及)中に同定され、果物のアロマにおけるロタンドンの肯定的な効果が知覚的に記載されたが、ここではやや、木のようなノートが傑出している(Wartburg Symposium 2016のポスター)。果物のアロマの強化は最近、同グループによって、特開2016-198026において記載された。
【0003】
グアイオール(グアヤックの木質油から抽出)から対応するグアイエンを経由するロタンドンの製造は、文献にも記載されている。しかし、記載される合成においては、純粋な物質が用いられ、有機金属試薬が用いられる(J. Agric. Food Chem. 2008, 56, 3738-3744およびIndian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry 1983, 22B, 1060)。
文書WO2011/106166はまた、金属ベース触媒を用いる酸化を通じた、グアイエンからのロタンドンの製造を記載している。
欧州特許第2588436号は、ラッカーゼを用いる、グアイエンから直接のロタンドンの製造を開示している。それによって、ロタンドンの新たな混合物、および対応するロタンドール(rotundol)、ならびにさらなる副生成物が形成する。
【0004】
有機溶媒中、または濾紙上でのグアイエンの自動酸化も記載されている(J. Agric. Food Chem. 2014, 62, 10809-10815)。また、該自動酸化の機構についての研究は公知である(J. Nat. Prod. 2015, 78, 131-145;J. Agric. Food Chem. 2015, 63, 1932-1938)。
最近、ロタンドンの合成について、電気化学を活用する改良された戦略が提示された(Nature 2016, 533, 77-81)。しかし、工業的に妥当な規模かつ許容可能な純度でロタンドンを調製することができる合成戦略は、これまで文献において開示されていない。
アロマ産業は、真正の、自然なアロマの配合物を可能にする、新たな原材料を常に探している。これらの特徴はロタンドンに起因するが、しかし今まで、この原材料の工業的に可能な製造方法を欠いていた(特に、関係するEU規則の枠組み内では)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、本発明の基礎となる研究の過程において、グアイオールおよびブルネソールを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂を、特にグアヤックの木質油を、有機酸および空気で(必要により溶媒を添加して)処理することによって、ロタンドンの他にさらなる構成成分を含有する混合物を得ること、アロマにおいて用いる場合、真正性および影響を有利に強化することを見出した。本発明による混合物は、食品中および食品に用いるためのアロマおよびアロマ特性を有する特定食品成分に関する欧州議会および理事会規則(EG)番号1334/2008に準拠した天然アロマとして、有利に用いることができる。
【0006】
したがって、第1の態様によれば、本発明は、ロタンドンを含む混合物を製造するための方法であって、以下のステップ:
a)グアイオールおよびブルネソールを含有する、好ましくは15~45質量%のグアイオールおよび25~55質量%のブルネソールを含有する、より好ましくは20~35質量%のグアイオールおよび30~45質量%のブルネソールを含有する、木質油、抽出物、および/もしくは天然樹脂、好ましくはグアヤック木質油と、1種もしくは複数の有機酸とを反応させるステップ、またはグアイエンおよびブルネセンを含有する、木質油、抽出物、および/もしくは天然樹脂を準備するステップ、
【化1】
b)ステップa)において得た、または準備した混合物からグアイエン含有画分を、好ましくは蒸留によって、分離するステップ、
c)好ましくは酸化剤として周囲空気および/または純粋酸素で、ステップb)の分離グアイエン含有画分を酸化するステップ、
【化2】
d)場合により、ステップc)において得た酸化混合物を加熱するステップ、好ましくは1~3時間の時間にわたって、かつ/または110~150℃で、好ましくは115~125℃で加熱するステップ、
e)ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物からロタンドン含有画分を、好ましくは蒸留によって、分離し、ロタンドン含有混合物を得るステップ
を含む、またはこれらからなる、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明による方法のステップa)において用いる木質油は、好ましくはグアヤック木質油であり、好ましくは樹種Bulnesia Sarmientoiの木材から得たもの、および/または種Callitris glaucophyllaから得た木質油である。本発明による方法のステップa)において用いる天然樹脂は、好ましくはグアヤック樹脂であり、好ましくは樹種Bulnesia sarmientoi、Guaiacum officinale、および/またはGuaiacum sanctumから得る。さらに、本発明の枠組み内で、グアイオールおよびブルネソールのための供給源として、またはグアイエンおよびブルネセンの供給源として、特定の植物種の抽出物、好ましくはオオウイキョウ種の抽出物を用いることができる。
【0008】
グアイオールおよびブルネソールを含有するグアヤック木質油は、好ましくは水蒸気蒸留によって、樹種Bulnesia sarmientoiの樹皮または木材から抽出される。さらに、他のグアヤック種、例えばGuaiacum officinaleおよび/またはGuaiacum sanctumを、出発材料として用いることができる。
本発明による方法の好ましい実施形態によれば、グアイエンおよびブルネセンを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂を、該方法の出発材料として用いることができる。この場合、グアイオールおよびブルネソールの反応は省略される(上に記載した通り)。
本発明による方法のステップc)において用いる純粋酸素は、存在する場合、好ましくは99.9体積%以上の純度、より好ましくは99.99体積%以上の純度、特に好ましくは99.998体積%以上の純度を有する酸素である。好ましくは、本発明による方法のステップc)における酸化剤として、周囲空気(すなわち、周囲空気に含有される酸素)を用いる。これによって、特に工業規模で、ロタンドンを含有する混合物の特に安価な製造方法が可能になる。
【0009】
本発明による方法は、生成物(すなわち、ロタンドンを含む本発明による混合物)、前駆体、および該方法において用いるすべてのさらなる構成成分を、食品技術的および法的観点からのいかなる懸念もなく用いることができるため、特に有利である。有利なことに、該方法は再生可能な原材料の使用に依拠しており、いかなる有機金属試薬も用いない。さらに、本発明による方法は、いかなる複雑な、または通常でない加工ステップまたは手順も必要とせず、そのため、問題なく、かつ工業規模で、一般的な生産設備において用いることができる。本発明による方法によって得るロタンドンを含む混合物は特に安定であり、したがって、アロマおよび食品中に広く用いることができ、種々の他の構成成分と適合する。
本発明による方法の好ましい実施形態によれば、ステップa)において用いる有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、およびシュウ酸からなる群から選択され、好ましくは、ステップa)において用いる有機酸は酒石酸である。
【0010】
一実施形態によれば、該方法のステップa)における反応の開始時に、有機酸を完全に添加することができる。しかし、少量の添加の繰り返しが好ましいことが示されている。したがって、好ましくは、該方法のステップa)における反応の開始時に酸の半分を添加し、ステップa)における反応の反応時間の後半に、酸の第2の半分を添加する。
本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、ステップa)において、グアイオールおよびブルネソールを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂の、有機酸に対する質量比は、50:1と3:1の間、好ましくは20:1と2:1の間、特に好ましくは12:1と8:1の間である。
【0011】
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップa)における反応は、1種または複数の共溶媒の存在下、好ましくはポリエチレングリコールまたは複数のポリエチレングリコールの存在下、特に好ましくはPEG600の存在下で行い、好ましくは、グアイオールおよびブルネソールを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂の、1種または複数の共溶媒に対する質量比は4:1~1:2である。
該方法のステップa)における反応の前または反応中に、1種または複数の共溶媒を混合物に添加することは、1種または複数の共溶媒の存在が、反応の撹拌性を確保するため、特に有利である。
【0012】
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップa)における反応の反応温度は、160℃と260℃の間、好ましくは180℃と220℃の間であり、かつ/またはステップa)における反応の反応時間は、1時間と20時間の間、好ましくは5時間と15時間の間であり、かつ/またはステップa)における反応は、常圧、もしくは負圧、好ましくは400~900mbar、特に好ましくは500~700mbarで実施する。
本発明の枠組み内で、常圧は、減圧を用いない大気圧を意味する。これは通常、海水面で約1,013.25hPa、または1.01325barであり、より高いレベルでは、それに応じてより小さい。
本発明による方法のステップa)において行う反応、または脱水(dehydratisation)反応は、発生した反応水の除去を改善または容易にするため、好ましくは、上に規定する負圧で実施する。
【0013】
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップa)において得た混合物からのグアイエン含有画分の分離は、ステップb)において蒸留によって、好ましくは負圧で、好ましくは1.0~20.0mbarかつ90~175℃のサンプ温度において、特に好ましくは2.0~10.0mbarかつ105~160℃のサンプ温度において、より好ましくは4.0mbarかつ130℃のサンプ温度において行う。
好ましくは、ステップb)において得たグアイエン含有画分中のグアイエンの割合は、18質量%以上である。
【0014】
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップb)のグアイエン含有画分の酸化は、ステップc)において、酸化剤として周囲空気および/もしくは純粋酸素で、かつ/または60~150℃の温度において、好ましくは80~130℃において、特に好ましくは90~110℃において、かつ/または前駆体1kg当たり、10L/時以上~1000L/時以下、好ましくは30L/時以上~500L/時以下、特に好ましくは40L/時以上~100L/時以下のガス量の酸化剤で、かつ/または10~60時間の、好ましくは15~30時間の時間にわたって行う。
この好ましい実施形態の枠組み内で、前駆体の用語は、発明による方法のステップb)において得たグアイエン含有画分をいう。
上に規定する方法のステップc)におけるガス量の酸化剤の使用は、少ない空気量では収率が非常に低いことが多く、多すぎる空気量は副生成物の形成、または形成中の所望の生成物の分解をもたらすため、特に有利である。
【0015】
好ましくは、本発明による方法のステップc)における酸化は、反応速度の顕著な低下が始まるまで実施する。反応速度の低下は、好ましくは酸化反応中の、サンプリング(反応フラスコから)および分析によって、または排気における酸素消費の測定によって判定される。好ましくは、ステップc)における酸化反応の終了後、未反応グアイエンのロタンドンに対する質量比は、12:1と3:1の間であり、この混合物中のロタンドンの量は、2000ppm超、特に好ましくは3500ppm超、理想的には6000ppm超である。
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物の過酸化物価は、30meq O/kg未満、好ましくは20meq O/kg未満である。
好ましい実施形態によれば、本発明による方法にステップd)が存在し、形成され得る過酸化物を有利に破壊する。上に規定する方法のステップd)において、特に好適な条件を選択する場合、混合物中のロタンドンの含有率はおおよそ保持される。より高温においては、ステップd)における過酸化物の分解はより速くなるが、ロタンドンの含有率は著しく減少する。
本発明による方法のステップc)の後または存在する場合ステップd)の後に得た、混合物中のロタンドン含有率の値は、半定量的方法(内部標準として2-ノナノール、および/またはトリデカンに対する)、好ましくはガスクロマトグラフィー法を活用して決定した。これらの値は、方法および選択した標準により変動し得る。
【0016】
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、トリアセチンおよびクエン酸トリエチルからなる群から選択される1種もしくは複数の共留剤を、ステップc)もしくは存在する場合ステップd)において得た混合物の、共留剤(entrainer)に対する質量比4:1~1:4、好ましくは3:1~1:1で、ステップe)において蒸留前かつ/もしくは蒸留中に混合物に添加し、
かつ/または、
ポリエチレングリコールおよびpalatinol Z(CAS#68515-9-1)、好ましくはPEG400および/もしくはPEG600からなる群から選択される1種もしくは複数の共溶媒を、ステップc)もしくは存在する場合ステップd)において得た混合物の、共溶媒に対する質量比10:1~1:5、好ましくは5:1~1:1で添加する。
【0017】
本発明による方法のステップe)において、蒸留前および/または蒸留中に、1種または複数の、共留剤および/または共溶媒を添加することは、共留剤が、ロタンドン含有混合物のより容易かつより効率的な蒸留または分離をもたらし、共溶媒の添加が、蒸留サンプの撹拌性を確保するため、特に有利である。好ましくは、アロマのための溶媒として許容される共留剤を用いる。
本発明による方法の別の好ましい実施形態によれば、ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物からのロタンドン含有画分の分離は、ステップe)において蒸留によって、好ましくは負圧で、好ましくは3~5mbarで行う。
【0018】
好ましくは、ステップc)または存在する場合ステップd)において得たロタンドン含有画分は、ステップe)における蒸留中に、不揮発性ポリマー構成成分から分離される。特に好ましくは、ロタンドンを含有しない、または少量含有する低沸点構成成分を含む画分(3~5mbarで95℃と105℃の間の頭部温度)が、先に分離される。3~5mbarで130℃~160℃の頭部温度に達したとき、蒸留を終了する。
好ましくは、ステップe)において得た蒸留物は、さらなる担体物質(ステップe)における蒸留前または蒸留中に添加される、好ましくは、例えば共留剤の添加、好ましくはクエン酸トリエチル)の添加によって、ステップe)において、0.25~2.5質量%、より好ましくは0.50~1.50質量%のロタンドンを含有し、次いでアロマに直接組み込むことができる混合物を得るように標準化される。
別の実施形態によれば、本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有混合物を、好ましくは、3~15質量%、好ましくは5~10質量%のロタンドン含有率を有する混合物を得るように、再び(精密)蒸留することができ、ここでロタンドンの、存在する場合クエン酸トリエチルに対する質量比は、さらなる蒸留後に得る混合物中、好ましくは1:3と1:10の間である。
【0019】
本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有画分中のロタンドン含有率について得た値は、半定量的方法(内部標準として2-ノナノールまたはトリデカンに対する)において決定した。これらの値は、方法および選択した標準により変動し得る。本開示のため、クエン酸トリエチルについて2.555という補正係数を、内部標準としてのトリデカンに対する測定について用いた。
【0020】
ロタンドンを、好ましくは0.25~2.5質量%含有する、特に好ましくは0.50~1.50質量%含有する、本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有混合物を、好ましくは、香料および/もしくは匂い物質混合物中、0.1ppm~5000ppm、より好ましくは0.5ppm~500ppm、特に好ましくは1ppm~200ppmの濃度において、かつ/または、好ましくは、最終(適当な場合、香料および/もしくは匂い物質混合物含有)製品(中間製品もしくは製剤)中、好ましくは0.0001ppm~10.0ppm、より好ましくは0.0001~1.0ppm、特に好ましくは0.0005ppm~0.5ppm、とりわけ好ましくは0.001ppm~0.25ppmのロタンドン含有混合物の濃度において用いる。
【0021】
本発明による混合物、または本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有混合物を含有する、香料および/または匂い物質混合物は、中間製品または製剤、特に本明細書に記載するものにおいて後に用いる前に、所望の配合物(例えば噴霧乾燥を通じて、好ましくはEvogran(登録商標))に移行することができる。
このような(好ましくは噴霧乾燥させた)混合物は、好ましくは、本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有混合物の他に、さらに匂い物質および/または香料化合物、ならびに消費に好適な1種または複数の担体を含む。
本発明によるこの好ましい(好ましくは噴霧乾燥させた)配合物において有利な担体は、酸化ケイ素(シリカ、シリカゲル)、炭水化物、および/もしくは炭水化物ポリマー(多糖類)、シクロデキストリン、デンプン、分解デンプン(デンプン加水分解物)、化学もしくは物理修飾デンプン、修飾セルロース、アラビアガム、ガティガム、トラガント、カラヤ、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、ペクチン、イヌリン、またはキサンタンガムである。好ましいデンプン加水分解物は、マルトデキストリン、およびデキストリンである。
好ましい担体は酸化ケイ素、アラビアガム、およびマルトデキストリンであり、ここでは5~20の範囲のDE値を有するマルトデキストリンが好ましい。デンプン加水分解物を製造するためのデンプンを、どの植物が当初供給したかは重要ではない。好適かつ容易に入手可能なものは、トウモロコシ系デンプン、およびタピオカ、イネ、小麦、またはジャガイモからのデンプンである。担体、例えば二酸化ケイ素等は、ここでは流動助剤としても機能する。
【0022】
本発明による方法のステップe)において得たロタンドン含有混合物を含有する、本発明による配合物は、1種または複数の固体担体も含むことに加えて、例えば、粒子の造粒が同時に発生し得る機械的混合によって処理することができ、または噴霧乾燥によって製造することができる。好ましいのは、固体担体を含み、噴霧乾燥によって製造された本発明による配合物であり、噴霧乾燥については、米国特許第3,159,585号、同第3,971,852号、同第4,532,145号、または同第5,124,162号を参照する。
担体を含み、噴霧乾燥によって製造された本発明による好ましい配合物は、好ましくは、30~300μmの範囲内の平均粒子径、および5質量%以下の残留水分を有する。
【0023】
本発明の別の態様は、(a)ロタンドン、ブルネセン、グアイエン、グアイオール、およびブルネソールと、任意成分として含まれていてもよいクエン酸トリエチルおよび/もしくはトリアセチンとを含むか、もしくはこれらからなる、ロタンドン含有混合物、かつ/または(b)上に規定される本発明による方法によって生産可能な、ロタンドン含有混合物に関する。
したがって、本発明による方法の観点から上に述べてきたことを、本発明によるロタンドン含有混合物、その製造方法、および好ましい実施形態に適用する。
【0024】
好ましいのは、クエン酸トリエチル、ならびにロタンドン、ブルネセン、グアイエン、ブルネソール、およびグアイオールのすべての化合物を、1:1~30:1、より好ましくは2:1~25:1、特に好ましくは5:1~20:1の質量比で含有する、本発明によるロタンドン含有混合物である。好ましくは、本発明によるロタンドン含有混合物中のブルネセンおよびグアイエンの総量に対する、ロタンドンの質量比は、20:1~1:40、より好ましくは5:1~1:20、特に好ましくは2:1~1:12である。好ましくは、本発明によるロタンドン含有混合物中、ブルネソールおよびグアイオールの総量に対する、ロタンドンの質量比はさらに、25:1~1:15、より好ましくは10:1~1:10、特に好ましくは5:1~1:5である。
【0025】
本発明の別の態様は、1つまたは複数の味覚および/または嗅覚的印象、好ましくは柑橘類、果物、ミント、ナツメグ、コショウ、スパイス、ハーブ、コーヒー、チョコレート、ナッツ、ナッツヌガーの印象、貯蔵酒(例えばウイスキー、ラム酒、ブランデーの印象)、ワインおよびセイボリーの印象からなる群から選択される味覚および/または嗅覚的印象を、発生させる、付与する、または変更(改変)する、好ましくは強化するための、上に規定する本発明による混合物の使用に関する。
好ましい実施形態によれば、上に規定する本発明による混合物は、他の香料化合物に、より複雑で、自然な(かつ適用可能であれば、強化された)味覚的印象を与えるために用いられる。
本発明の別の態様は、上に規定する本発明によるロタンドン含有混合物を含む、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤、または栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤を製造するための中間製品に関する。
【0026】
本発明の意味における、栄養のため、または快楽のための製剤は、例えばベーカリー製品(例えばパン、乾燥クッキー、ケーキ、他のペストリー)、菓子(例えばチョコレート、チョコレートバー製品、他のバー製品、果物ガム、ハードおよびソフトキャラメル、チューインガム)、アルコール飲料および非アルコール飲料(例えばコーヒー、茶、ワイン、ワイン含有飲料、ビール、ビール含有飲料、リカー、シュナップス、ブランデー、果物含有レモネード、アイソトニック飲料、ソフトドリンク、ネクター、果物および野菜のジュース、果物または野菜のジュースの製剤)、インスタント飲料(例えばインスタントココア飲料、インスタント茶飲料、インスタントコーヒー飲料)、肉製品(例えばハム、フレッシュなまたは生のソーセージ製剤、味付けしたまたはマリネした、フレッシュなまたは塩漬けの肉製品)、卵または卵製品(乾燥卵、卵白、卵黄)、シリアル製品(例えば朝食用シリアル、ミューズリバー、予備調理されたインスタント米製品)、乳製品(例えば乳飲料、ミルクアイスクリーム、ヨーグルト、ケフィア、フレッシュチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乾燥ミルク粉末、乳清、バター、バターミルク、部分的にまたは完全に加水分解した乳タンパク質含有製品)、大豆タンパク質または他の大豆画分由来製品(例えば豆乳およびその製造製品、大豆レシチン含有製剤、豆腐もしくはテンペなどの発酵製品、またはその製造製品、醤油)、果物製剤(例えばジャム、果物アイスクリーム、果物ソース、果物フィリング)、野菜製剤(例えばケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、予備調理された野菜、酢でマリネした野菜、茹で野菜)、スナック(例えば焼いたまたは揚げた、ジャガイモクリスプまたはジャガイモ生地製品、パン生地製品、トウモロコシまたはピーナッツベースの押出物)、脂肪および油ベースの製品またはそのエマルジョン(例えばマヨネーズ、レムラード、ドレッシング、シーズニング)、他のインスタント食品およびスープ(例えば乾燥スープ、インスタントスープ、予備調理したスープ)、スパイス、スナックの分野において適用されるスパイス混合物およびシーズニングである。本発明による製剤は、カプセル剤、錠剤(コーティングしていない、およびコーティングした錠剤、例えば腸溶性コーティングを有するもの)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、固体混合物、液相中の分散剤の形態で、乳剤として、散剤として、液剤として、ペースト剤として、または他の飲み込み可能もしくは噛み砕き可能な製剤として、栄養補助食品としても提供され得る。
【0027】
本発明による経口摂取用と決定された医薬製剤は、例えばカプセル剤、タ錠剤(コーティングしていない、およびコーティングした錠剤、例えば腸溶性コーティングを有するもの)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、固体混合物、液相中の分散剤の形態で、乳剤として、散剤として、液剤として、ペースト剤として、または他の飲み込み可能もしくは噛み砕き可能な製剤として提供される製剤であり、処方薬、薬局専用、もしくは他の医薬品として、または栄養補助食品として用いられる。
本発明による口腔ケアのための製剤は、特に練り歯磨き、ジェル状歯磨き、粉歯磨き、口腔洗浄剤、チューインガム、および他の口腔ケア製品などの、口腔および/または歯のケア製品である。
【0028】
本発明の枠組みにおける化粧用製剤は、例えば石鹸などの体部または頭部領域に適用するための化粧用製剤、顔面領域または体部のための他のクレンジングまたはケア製品、顔用クリーム、顔用ローション、または顔用軟膏、日光防護製品、ひげの洗浄またはケア製品、シェービングフォーム、シェービング石鹸、またはシェービングジェル、口紅もしくは他の唇用化粧品または唇ケア製品である。
本発明による中間製品および製剤中に含有されるロタンドンの好ましい量は、上のさらなる記述から得られる。
【0029】
本発明による中間製品または製剤において、中間製品または製剤の総質量に対して、0.9~99.999999質量%、好ましくは10~80質量%の量の、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは口腔用医薬製剤(すなわち、口腔使用用と決定された医薬製剤)、または化粧用製剤のための、通常の活性物質、原材料、賦形剤、および添加剤を含有することができる。特に、本発明による中間製品または製剤は、中間製品または製剤の総質量に対して、最大99.999999質量%、好ましくは5~80質量%の量の水を含有することができる。
【0030】
本発明による栄養または快楽のための製剤または中間製品のさらなる構成成分として、本発明による製剤において、食品または嗜好品のための通常の原材料、賦形剤、または添加剤、例えば水、未加工のまたは加工した、植物系または動物系の、基本または原材料の混合物(例えば生の、揚げた、乾燥した、発酵した、燻した、および/または加熱調理した、肉、骨、軟骨、魚、野菜、果物、ハーブ、ナッツ、野菜もしくは果物のジュース、もしくはペースト、またはそれらの混合物)、可消化性または難消化性炭水化物(例えばサッカロース、マルトース、フルクトース、グルコース、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース、タガトース)、糖アルコール(例えばソルビット、エリスリトール)、天然または硬化脂肪(例えば獣脂、豚脂、ヤシ脂肪、ココナッツ脂肪、硬化植物脂肪)、油(例えばヒマワリ油、落花生油、トウモロコシ油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸またはその塩(例えばステアリン酸カリウム)、タンパク質性または非タンパク質性アミノ酸および関連化合物(例えばγ-アミノ酪酸、タウリン)、ペプチド(例えばグルタチオン)、天然型または加工タンパク質(例えばゼラチン)、酵素(例えばペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な味覚的印象または不快でない味覚的印象のためのさらなる味補正剤または味調節剤、特に味調節物質(例えばイノシトールリン酸、グアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸などのヌクレオチド、またはグルタミン酸ナトリウム、もしくは2-フェノキシプロピオン酸などの他の物質)、乳化剤(例えばレシチン、ジアシルグリセロール、アラビアガム)、安定剤(例えばカラギーナン、アルギン酸塩)、保存料(例えば安息香酸、ソルビン酸(sorbinic acid)、抗酸化剤(例えばトコフェロール、アスコルビン酸)、キレート剤(例えばクエン酸)、有機または無機酸性化剤(例えばリンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸)、苦味物質(例えばキニーネ(chinin)、カフェイン、リモニン(limonine)、アマロゲンチン(amarogentine)、フムロン、ルポロン(lupolone)、カテキン、タンニン)、甘味料(例えばサッカリン、シクラメート、アスパルテーム、ネオテーム)、鉱物塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム)、酵素的褐変抑制物質(例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸)、精油、植物抽出物、天然または合成着色料または着色顔料(例えばカロチノイド、フラボノイド、アントシアン、クロロフィル、およびそれらの誘導体)、スパイス、三叉神経活性物質、またはこのような三叉神経活性物質を含有する植物抽出物、合成、(さらに)天然、または天然と同じ、アロマ物質、または嗅覚物質、および嗅覚補正剤を含有することができ(上に記載したように)、またはこのような製剤の製造のために用いることができる。
【0031】
歯のケア製品(本発明による口腔ケアのための製剤についての例として)は一般に、研磨系(研磨剤および磨き剤)、例えばシリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、および/もしくは水酸リン灰石など、界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルサルコシンナトリウム、および/もしくはコカミドプロピルベタインなど、保水剤、例えばグリセリン、および/もしくはソルビットなど、ゲル化剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、カラギーナン、および/もしくはLaponite(登録商標)など、甘味料、例えばサッカリンなど、不快な味覚的印象、もしくは通常は不快でない味覚的印象のための味補正剤、(もしくはさらに)味調節物質(例えばイノシトールリン酸、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸、もしくは他の物質、例えばグルタミン酸ナトリウム、もしくは2-フェノキシプロピオン酸)、冷却物質、例えばメントール、メントール誘導体(例えばL-メントール、L-乳酸メチル、L-メンチルアルキルカーボネート、メントンケタール、メンタン炭酸(carbonic acid)アミド)、2,2,2-トリアルキル酢酸アミド(例えば2,2-ジイソプロピルプロピオン酸メチルアミド)、イシリン(icillin)誘導体など、安定剤および活性物質、例えばフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、二フッ化スズ、第四級アンモニウムフルオリド、クエン酸亜鉛、硫酸亜鉛、ピロリン酸第一スズ、二塩化スズ、様々なピロリン酸塩の混合物、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、乳酸アルミニウム、クエン酸カリウム、硝酸カリウム、塩化カリウム、塩化ストロンチウム、過酸化水素、(もしくはさらに)アロマ、および/もしくは重炭酸ナトリウム、または嗅覚補正剤を含む。
【0032】
チューインガム(本発明による口腔ケアのための製剤のさらなる例として)は一般にガムベースを含み、これは噛むと可塑性を得るチューイングマス、様々な種類の糖、代替糖、甘味料、糖アルコール、不快な、もしくは通常は不快でない味覚的印象のための味補正剤もしくは味調節剤(もしくはさらに)味調節物質(例えばイノシトールリン酸、ヌクレオチド、例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸、もしくは他の物質、例えばグルタミン酸ナトリウム、もしくは2-フェノキシプロピオン酸)、保水剤、ゲル化剤、乳化剤、(もしくはさらに)アロマ、および安定剤、または嗅覚補正剤を意味する。
【0033】
上に規定する本発明による製剤または中間製品の好ましい実施形態によれば、本発明による製剤または中間製品はさらに、1種または複数の(さらなる)香料および/または匂い物質を含み、上に規定する本発明によるロタンドン含有混合物の総量は、(さらなる)香料および/または匂い物質の1つまたは複数の味覚的および/または嗅覚的印象を変更する、好ましくは強化するのに十分である。
【0034】
変更される、好ましくは強化される、本発明による好ましいさらなる香料および/または匂い物質は、特に以下の抽出物、精油、コンクリート、アブソリュート(absolues)、樹脂、レジノイド、バーム、またはチンキ剤中:アミリス油;アンゼリカ種子油;アンゼリカ根油;アニス油;バレリアン油;メボウキ油;ツリーモス油;ベイ油;オウシュウヨモギ油;安息香樹脂;ベルガモット油;蜜蝋アブソリュート;バーチタール油;苦扁桃油;セイボリー油;ブッコ葉油;カブリューバ油;カデ油;カルムス(calmus)油;樟脳油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カシア油;アカシアアブソリュート;カストリウムアブソリュート;スギ葉油;スギ木油;シスタス油;シトロネロール油、シトラス油;コパイババーム;コパイババーム油;コリアンダー油;コスタス根油;クミン油;サイプレス油;ダバナ油;ディル木油;ディル種子油;オークモスアブソリュート;エレミ油;タラゴン油;ユーカリシトリオドラ油;ユーカリ油;フェンネル油;トウヒ針葉油;ガルバナム油;ガルバナム樹脂;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;ガージャンバーム;ガージャンバーム油;ヘリクリサムアブソリュート;ヘリクリサム油;ショウガ油;イリス根アブソリュート;イリス根油;ジャスミンアブソリュート;ショウブ油;カモミール油ブルー;カモミール油ローマン;ニンジン種子油;カスカリラ油;松葉油;スペアミント油;クミン油;ラブダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナム樹脂;ラバンジンアブソリュート;ラバンジン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ロベージ油;ライム油蒸留;ライム油圧搾;リナロエ油;リツエアクベバ油、ベイリーフ油;マシス(macis)油;マジョラム油;タンジェリン油;マソイアバーク(massoi bark)油;ミモザアブソリュート;ムスクカーネル油;ムスクチンキ;ムスカテールセージ油;ナツメグ油;ミルラアブソリュート;ミルラ油;ミルテ油;チョウジ葉油;チョウジ花油;ネロリ油;オリバナムアブソリュート;オリバナム油;オポパナックス油;オレンジ花アブソリュート;オレンジ油;オリガヌム油;パルマローザ油;パチョリ油;エゴマ油;ペルーバルサム(perubalm)油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレン油;ペパーミント油;コショウ油;オールスパイス油;パイン油;ポレイ(poley)油;ローズアブソリュート;ローズウッド油;ローズ油;ローズマリー油;セージ油ダルマシアン;セージ油スパニッシュ;セロリ種子油;スパイク(spik)ラベンダー油;スターアニス油;スチラックス油;タゲテス油;ファーニードル油;ティーツリー油;テレビン油;タイム油;トルーバーム(tolu balm);トンカアブソリュート;チュベローズアブソリュート;バニラ抽出物;スミレ葉アブソリュート;バーベナ油;ベチバー油;ジュニパーベリー油;ワイン酵母油;ベルモット油;ウィンターグリーン油;イラン油;ヒソップ油;シベットアブソリュート;シナモン葉油;シナモン樹皮油、に存在する。
【0035】
本発明によって用いることができるさらなる香料および/または匂い物質についての例は、2013年4月22日以降有効な、執行規則(EU)Nr.872/2012のEUポジティブリストにさらに列挙される。このリストにおいて、欧州委員会は、EU内の食品産業において用いることができるアロマ物質のリストを発行している。さらなる例は、Flavor Ingredient Library of the American FEMA (Flavor & Extract Manufacturers Association)に見出すことができる。
本発明の枠組み内で、好ましくは変更される、より好ましくは強化される、さらなる香料および/または匂い物質は、様々な化学的群に属し、例えば、以下の群に属する:
【0036】
炭化水素の群、例えば3-カレン;α-ピネン;β-ピネン;α-テルピネン;γ-テルピネン;p-シモール;ビサボレン;カンフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギホレン;ミルセン;オシメン;バレンセン;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエンなど;
脂肪族アルコールの群、例えばヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチルヘプタノール;2-メチルオクタノール;(E)-2-ヘキセノール;(E)-および(Z)-3-ヘキセノール;1-オクテン-3-オール;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オールなど;
【0037】
脂肪族アルデヒドおよびそのアセタールの群、例えばヘキサナール;ヘキプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセンなど;
【0038】
脂肪族ケトンとそのオキシムの群、例えば2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;2-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オンなど;脂肪族イオウ含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール;3-メチルチオヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキサノール;3-メルカプトヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキシルブチレート;3-アセチルチオヘキシルアセテート;1メンテン-8-チオールなど;
脂肪族ニトリルの群、例えば2-ノネン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;2,12-トリデカジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリルなど;
【0039】
脂肪族炭酸のエステルの群、例えば(E)-および(Z)-3-ヘキセニルホルメート(formiate);アセト酢酸エチル;酢酸イソアミル;酢酸ヘキシル;3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート;3-メチル-2-ブテニルアセテート;(E)-2-ヘキセニルアセテート;(E)-および(Z)-3-ヘキセニルアセテート;酢酸オクチル;3-オクチルアセテート;1-オクテン-3-イルアセテート;エチルブチレート;ブチルブチレート;イソアミルブチレート;ヘキシルブチレート;(E)-および(Z)-3-ヘキセニル-イソブチレート;ヘキシルクロトネート;イソ吉草酸エチル;エチル-2-メチルペンタノエート;エチルヘキサノエート;アリルヘキサノエート;エチルヘプタノエート;アリルヘプタノエート;エチルオクタノエート;エチル-(E,Z)-2,4-デカジエノエート;メチル-2-オクチネート;メチル-2-ノニネート;アリル-2-イソアミルオキシアセテート;メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート;メンチルラクテート(FEMA GRAS 3748);モノメチルスクシネート(FEMA GRAS 3810);モノメンチルグルタレート(FEMA GRAS 4006)など;
【0040】
非環式テルペンアルコールの群、例えばシトロネロール;ゲラニオール;ネロール;リナロール;ラバンジュロール(lavadulol);ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール;2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール;およびそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエートなど;
【0041】
非環式テルペンアルデヒドおよびケトンの群、例えばゲラニアール;ネラール;シトロネラール;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;ならびにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチルおよびジエチルアセタールなど;
環式テルペンアルコールの群、例えばメントール;イソプレゴール;α-テルピネオール;テルピネオール-4;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;リナロールオキシド;ノポール;セドロール;アンブリノール;ベチベロール;およびそれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエートなど;
【0042】
環式テルペンアルデヒドおよびケトンの群、例えばメントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;樟脳;フェンコン;α-イオノン;β-イオノン;α-n-メチルイオノン;β-n-メチルイオノン;α-イソメチルイオノン;β-イソメチルイオノン;α-イロン;α-ダマスコン;β-ダマスコン;β-ダマセノン;δ-ダマスコン;γ-ダマスコン;1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;ノートカトン;ジヒドロノートカトン;α-シネンサール;β-シネンサールなど;
環式アルコールの群、例えば4-tert.-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールなど;
【0043】
シクロ脂肪族アルコールの群、例えばα,3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール;2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールなど;
シクロ脂肪族炭酸のエステルの群、例えばアリル-3-シクロヘキシルプロピオネート;アリルシクロヘキシルオキシアセテート;メチルジヒドロジャスモネート;メチルジャスモネート;メチル-2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート;エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル-2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートなど;
芳香族炭化水素の群、例えばスチレン、およびジフェニルメタンなど;
【0044】
芳香脂肪族アルコールの群、例えばベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;2フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタノール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールなど;
【0045】
芳香脂肪族アルコールと脂肪族炭酸とのエステルの群、例えば酢酸ベンジル;ベンジルプロピオネート;ベンジルイソブチレート;イソ吉草酸ベンジル;2-フェニルエチルアセテート;2-フェニルエチルプロピオネート;2-フェニルエチルイソブチレート;2-フェニルエチルイソバレレート(isovaleriate);1-フェニルエチルアセテート;α-トリクロロメチルベンジルアセテート;α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート;α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート;酢酸シンナミル;2-フェノキシエチルイソブチレート;4-メトキシベンジルアセテートなど;
【0046】
芳香脂肪族と脂肪族とのエーテル、およびアセタール、またはケタールの群、例えば、2-フェニルエチルメチルエーテル;2-フェニルエチルイソアミルエーテル;2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセリンアセタール;メンチルメチルエーテル;メントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807);メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808);メントキシ-1,2-プロパンジオール(FEMA GRAS 3784);メントキシ-2-メチル-1,2-プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)など;
【0047】
炭酸アミドの群、例えばWS-3(FEMA GRAS 3455)、WS-5(FEMA GRAS 4309)、WS-12(Frescolat(登録商標)SC-1、FEMA GRAS 4681)、WS-23(FEMA GRAS 3804)、(E)-3-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-N,N-ジフェニル-2-プロペンアミド(FEMA GRAS 4788)、および2-(4-メチルフェノキシ)-N-(1H-ピラゾール-3-イル)-N-(チオフェン-2-イルメチル)アセトアミド(FEMA GRAS 4809);N-(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシル)シクロプロパンカルボキサミド(FEMA GRAS 4558)、3-(3,4-ジメトキシフェニル)-N-[2-(3,4-ジメトキシフェニル)-エチル]-アクリルアミド(FEMA GRAS 4310);(E)-N-[2-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)エチル]-3-(3,4-ジメトキシフェニル)プロパ-2-エナミド(FEMA GRAS 4773)など;
炭酸塩および尿素の群、例えばメントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805);メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3806);3-[3-(2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキシル)ウレイド]酪酸エチルエステル(FEMA GRAS 4766)など;
【0048】
芳香族および芳香脂肪族アルデヒドの群、例えばベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドロアトロパアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert.-ブチル-フェニル)プロパナール;シンナミックアルデヒド;α-ブチルシンナミックアルデヒド;α-アミルシンナミックアルデヒド;α-ヘキシルシンナミックアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールなど;
芳香族および芳香脂肪族ケトンの群、例えばアセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert.-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタレニル)エタノン;ベンゾフェノンなど;
【0049】
芳香族および芳香脂肪族の炭酸およびそのエステルの群、例えば安息香酸;フェニル酢酸;安息香酸メチル;安息香酸エチル;安息香酸ヘキシル;安息香酸ベンジル;フェニル酢酸メチル;フェニル酢酸エチル;フェニル酢酸ゲラニル;フェニル酢酸フェニルエチル;メチルシンナメート;エチルシンナメート;ベンジルシンナメート;フェニルエチルシンナメート;シンナミルシンナメート;アリルフェノキシアセテート;サリチル酸メチル;サリチル酸イソアミル;サリチル酸ヘキシル;サリチル酸シクロヘキシル;cis-3-ヘキセニルサリチレート;サリチル酸ベンジル;サリチル酸フェニルエチル;メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート;エチル-3-フェニルグリシデート;エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデートなど;
【0050】
窒素含有芳香族化合物の群、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert.-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert.-ブチルアセトフェノン;ケイ皮酸ニトリル;5-フェニル-3-メチル-2-ペンテン酸(pentenic acid)ニトリル;5-フェニル-3-メチル-ペンタン酸(pentanic acid)ニトリル;メチルアントラニレート;メチル-N-メチルアントラニレート;メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール、または2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-カルバルデヒドのシッフ塩基;6-イソプロピルキノリン;6-イソブチルキノリン;6-sec.-ブチルキノリン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジンなど;
【0051】
フェノール、フェニルエーテル、およびフェニルエステルの群、例えばエストラゴール;アネトール;オイゲノール;オイゲニルメチルエーテル;イソオイゲノール;イソオイゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;β-ナフチルメチルエーテル;β-ナフチルエチルエーテル;β-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;酢酸オイゲニル;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;p-クレジル(kresyl)フェニルアセテートなど;
ヘテロ環式化合物の群、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンなど;
【0052】
ラクトンの群、1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;1,15-ペンタデカノリド;cis-およびtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド;cis-およびtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン1,12-ドデカンジオエート;エチレン1,13-トリデカンジオエート;クマリン;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリンなど。
さらなる態様によれば、本発明は、上に規定する発明による、組成物または中間製品を製造するための方法であって、以下のステップ:
- 上に規定するロタンドン含有混合物、および1つまたは複数のさらなる構成成分を準備するステップであり、1つまたは複数のさらなる構成成分が、好ましくは香料および/または匂い物質からなる群から選択されるステップ、ならびに
- 上に規定するロタンドン含有混合物を、さらなる構成成分と混合するステップ
を含む、またはこれらからなる、方法に関する。
以下に、例を用いて、本発明をさらに説明する。別段の指定がない限り、すべての仕様、特にパーセンテージおよび量の仕様は質量に関する。応用例における成分の質量の仕様は、-別段の明示的な指定がない限り-[g]において記載する。用語「Q.S.」は適量を表す。
【実施例
【0053】
本発明によるロタンドンを含有する混合物の製造
(例1a)
酒石酸によるグアヤック木質油の脱水
1000gのグアヤック木質油、50gの酒石酸、および500gのPEG600を準備し、210℃に加熱する。180℃から反応水が形成され、これを連続的に留去する。2時間後、50gの酒石酸を再度添加し、210℃でさらに1.5時間撹拌する。反応混合物を130℃のサンプ温度、4.0mbarの減圧下で蒸留することによって、18.4%のα-グアイエン含有率を有する766gの画分を得る。
【0054】
(例1b)
酒石酸によるグアヤック木質油の脱水
2250gのグアヤック木質油、112.5gの酒石酸、および750gのPEG400を準備し、210℃に加熱する。180℃から反応水が形成され、これを連続的に留去する。2時間後、112.5gの酒石酸を再度添加し、210℃でさらに1.5時間撹拌する。反応混合物を125℃のサンプ温度、10.0mbarの減圧下で蒸留することによって、24.3%のα-グアイエン含有率を有する1426gの画分を得る。
【0055】
(例2a)
例1aのグアイエン含有画分の酸化
ガラスフリットによって、例1aの蒸留画分に100℃で27時間、200L/時の空気量でガスを通じる。続いて、形成された過酸化物を蒸留の前に破壊するため、追加の空気供給をせずに、120℃で1時間撹拌する。この加熱ステップ後の過酸化物価(POZ)は30meq O/kg未満であり、混合物を430gのクエン酸トリエチルおよび300gのPEG600と混合し、30cmのビグリューカラムによって蒸留する。合計で、0.8%のロタンドンを含む850gの画分を得る。
GC分析(半定量的:標準 トリデカン、補正係数 クエン酸トリエチル:2.555):50% クエン酸トリエチル、0.8% ロタンドン、5.2% ブルネセン、3.6% グアイエン、1.0% グアイオール、0.7% ブルネソール。
【0056】
(例2b)
例1bのグアイエン含有画分の酸化
1400gの例1bの蒸留画分を、バブルカラム中、100℃で24時間、120L/時の空気量で反応させる。それについて、反応制御のためにガスクロマトグラフィー分析によって、ロタンドンおよびグアイエンの含有率を決定する。続いて、形成された過酸化物を蒸留の前に破壊するため、さらなる空気供給をせずに、120℃で2時間撹拌する。この加熱ステップの後、過酸化物価(POZ)は30meq O/kg未満である。続いて、700gの反応混合物を、500gのクエン酸トリエチルおよび500gのPEG400と混合し、30cmのビグリューカラムによって分留する。本発明のロタンドン含有混合物を含有する、またはロタンドン含有混合物からなる画分を、130℃~135℃の温度において、0.2~0.8mbarの減圧で収集した。合計で、252.2gのロタンドン含有混合物を得た。
【0057】
GC分析(半定量的:標準 トリデカン、補正係数 クエン酸トリエチル:2.555):69.2% クエン酸トリエチル、1.0% ロタンドン、0.2% ブルネセン、0.01% グアイエン、2.0% グアイオール、1.4% ブルネソール。
【0058】
本発明による中間製品および製剤
応用例1:柑橘油の改良
【表1】


【0059】
得た混合物は食品および飲料中に、好ましくは10~100ppm、より好ましくは20~50ppmの用量で用いる。例2bにおいて得た混合物の添加によって、すべての油について、影響が著しく増加し、さらに完全な香りプロファイルにおける肯定的な変化が生じた。ライム油の場合、樟脳様のノートが強化され、プロファイルはスパイシーノートとなる。タンジェリン油の場合、成熟ノートがわずかに抑制され、殻で覆われた新鮮な側面が強化される。オレンジ油については、例2bにおいて得た混合物の添加は、より成熟した、フルーティーノートを有する、より熟成したプロファイルをもたらす。グレープフルーツ油については、例2bにおいて得た混合物の添加後は、木のようなノートがより強く現れ、さらにプロファイルはよりフルーティーになり、硫黄ノートが強化される。レモン油については、全体的なプロファイルが強化され、新鮮で花のようなノートが強調される。
【0060】
応用例2:ヘーゼルナッツアロマ
【表2】

評価のため、一般に、80gの砂糖を0.1gのヘーゼルナッツアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、プロファイルが円熟し、ナッツヌガーノートがより強調される。
【0061】
応用例3:イチゴアロマ
【表3】
【0062】
評価のため、一般に、80gの砂糖、1.5gのクエン酸を0.4gのイチゴアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2aの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、エステルノートがより強く現れ、全体としてのプロファイルは、森の果物を思わせるより成熟したノートとなる。
【0063】
応用例4:ラズベリーアロマ
【表4】
【0064】
評価のため、一般に、80gの砂糖、1.5gのクエン酸を0.5gのラズベリーアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2aの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、イオノンを思わせる花のようなノートが強化され、プロファイルはより木のような特徴となる。
【0065】
応用例5:マンゴーアロマ(種類 熱帯)
【表5】
【0066】
評価のため、一般に、80gの砂糖、1.5gのクエン酸を0.5gのマンゴーアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、全体的なプロファイルはより強く、より特徴的になるようであり、殻で覆われたテルペンのノートを有するが、硫黄のノートが特に強化される。
【0067】
応用例6:洋ナシアロマ
【表6】
【0068】
評価のため、一般に、80gの砂糖、1.5gのクエン酸を0.1gのバナナアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、エステル状の成熟したノートが強調され、そのアロマはいっそう、ヴィリアムス・クリストナシを思わせる。
【0069】
応用例7:バナナアロマ
【表7】


評価のため、一般に、80gの砂糖、および0.4gの洋ナシアロマを混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2aの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、木のようでオイゲノール様の側面が目立つ。
【0070】
応用例8:チョコレートアロマ
【表8】
【0071】
評価のため、一般に、80gの砂糖、および0.5gのチョコレートアロマを混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより熟成し、より複雑であるように感じられ、フェノール状のノートがより強調される。
【0072】
応用例9:パイナップルアロマ
【表9】
【0073】
評価のため、一般に、80gの砂糖、1.5gのクエン酸を0.3gのパイナップルアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより熟成し、より複雑であるように感じられ、エステル状のノートがより強調される。
【0074】
応用例10:ラムアロマ
【表10】
【0075】
評価のため、一般に、20gの砂糖、2gのグリセリン、1gのカラメルシロップ、および417mLのエタノール(96.5%)を1.2gのラムアロマと混合し、水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより熟成し、より複雑であるように感じられ、オークウッドのノートが強化され、全体的なプロファイルはいっそう樽貯蔵した品質を思わせる。
【0076】
応用例11:ウイスキーアロマ
【表11】

0.005、または0.01%を本ウイスキーに添加することによって、影響は著しく強化され、さらにアロマはより熟成し、より円熟したように感じられ、オークウッドのノートが強化され、全体的なプロファイルはいっそう樽貯蔵した品質を思わせる。
【0077】
応用例12:ナツメグアロマ
【表12】
【0078】
応用例13:コショウアロマ
【表13】


このコショウアロマは0.05または0.1%からの用量で用いることができる。本発明による混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより典型的でより新鮮に感じられる。
【0079】
(応用例14:タマネギアロマ)
【表14】

評価のため、一般に、3gの塩、および0.1gのタマネギアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより新鮮でより調和したように感じられる。
【0080】
応用例15:ジャガイモアロマ
【表15】

評価のため、一般に、3gの塩、および0.2gのジャガイモアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらに全体的なアロマはより強烈に感じられる。
【0081】
応用例16:マッシュルームアロマ
【表16】
【0082】
評価のため、一般に、3gの塩、および0.2gのマッシュルームアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらに木のようで土のようなアロマが強化され、全体的なアロマは野生のマッシュルームの方向に移る。
【0083】
応用例17:ニンジンアロマ
【表17】

評価のため、一般に、3gの塩、および0.4gのニンジンアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による例2aの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより甘く、より成熟したように感じられる。
【0084】
応用例18:パプリカアロマ(赤)
【表18】
【0085】
評価のため、一般に、3gの塩、および0.2gのパプリカアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより成熟し、よりジューシーであるように感じられ、全体的により深く複雑な風味を有する。
【0086】
応用例19:トマトアロマ
【表19】
【0087】
評価のため、一般に、3gの塩、および0.1gのトマトアロマを混合し、温水で1Lに希釈する。本発明による例2bの混合物を含まないサンプルとの比較において、影響は著しく強化され、さらにアロマはより成熟し、よりジューシーであるように感じられ、全体的により深く複雑な風味を有する。
【0088】
応用例19a:噴霧乾燥させたトマトアロマ
【表20】

化合物を混合し、続いて噴霧乾燥させる。
【0089】
応用例20:スペアミントアロマ
【表21】
【0090】
応用例21:スペアミントアロマを有するチューインガム
【表22】
【0091】
応用例22:スペアミントアロマを有する(アルコールを含まない)口腔洗浄剤
【表23】
【0092】
応用例23:スペアミントアロマを有する(アルコールを含む)口腔洗浄剤
【表24】
【0093】
応用例24:スペアミントアロマを有する練り歯磨き
【表25】
【0094】
応用例25:キャンディー
【表26】
【0095】
応用例26:トマトクリームスープ
【表27】


すべての成分を混合する。続いて、120gのこの混合物を1000mLの沸騰水で溶解させる。
【0096】
応用例27:インスタントトマトスープ
【表28】
【0097】
すべての成分を混合し、各24.5gの小分け袋に包装する。調製のため、1つの袋の内容物をカップに出し、230mLの沸騰水で溶解させる。消費する前によく撹拌し、数分待つ。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ロタンドンを含む混合物を製造するための方法であって、以下のステップ:
a) グアイオールおよびブルネソールを含有する、好ましくは15~45質量%のグアイオールおよび25~55質量%のブルネソールを含有する、より好ましくは20~35質量%のグアイオールおよび30~45質量%のブルネソールを含有する、木質油、抽出物、および/もしくは天然樹脂、好ましくはグアヤック木質油と、1種もしくは複数の有機酸とを反応させるステップ、またはグアイエンおよびブルネセンを含有する、木質油、抽出物、および/もしくは天然樹脂を準備するステップ、
b) ステップa)において得た、または準備した混合物からグアイエン含有画分を、好ましくは蒸留によって、分離するステップ、
c) 好ましくは酸化剤として周囲空気および/または純粋酸素で、ステップb)の分離グアイエン含有画分を酸化するステップ、
d) 任意に行ってもよいステップであって、ステップc)において得た酸化混合物を加熱するステップ、好ましくは1~3時間の時間にわたって、かつ/または110~150℃で、好ましくは115~125℃で加熱するステップ、
e) ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物からロタンドン含有画分を、好ましくは蒸留によって、分離し、ロタンドン含有混合物を得るステップ
を含む、またはこれらからなる、方法。
〔2〕ステップa)において用いる有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、およびシュウ酸からなる群から選択され、好ましくは、ステップa)において用いる有機酸が酒石酸である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕ステップa)において、グアイオールおよびブルネソールを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂の、有機酸に対する質量比が、50:1~3:1の間、好ましくは20:1と2:1の間、特に好ましくは12:1と8:1の間である、前記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕ステップa)における反応を、1種または複数の共溶媒の存在下、好ましくはポリエチレングリコールまたは複数のポリエチレングリコールの存在下、特に好ましくはPEG600の存在下で行い、好ましくは、グアイオールおよびブルネソールを含有する木質油、抽出物、および/または天然樹脂の、1種または複数の共溶媒に対する質量比が4:1~1:2である、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔5〕ステップa)における反応の反応温度が、160℃と260℃の間、好ましくは180℃と220℃の間であり、かつ/またはステップa)における反応の反応時間が、1時間と20時間の間、好ましくは5時間と15時間の間であり、かつ/またはステップa)における反応は、常圧、もしくは負圧、好ましくは400~900mbar、特に好ましくは500~700mbarで実施する、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔6〕ステップa)において得た、または準備した混合物からのグアイエン含有画分の分離を、ステップb)において、蒸留によって、好ましくは負圧で、好ましくは1.0~20.0mbarかつ90~175℃のサンプ温度において、特に好ましくは2.0~10.0mbarかつ105~160℃のサンプ温度において、より好ましくは4.0mbarかつ130℃のサンプ温度において行われる、前記〔1〕から〔5〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔7〕ステップb)のグアイエン含有画分の酸化が、ステップc)において、酸化剤として周囲空気および/もしくは純粋酸素で、かつ/または60~150℃の温度において、好ましくは80~130℃において、特に好ましくは90~110℃において、かつ/または前駆体1kg当たり、10L/時以上~1000L/時以下、好ましくは30L/時以上~500L/時以下、特に好ましくは40L/時以上~100L/時以下のガス量の酸化剤で、かつ/または10~60時間の、好ましくは15~30時間の時間にわたって行われる、前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔8〕ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物の過酸化物価が、30meq O/kg未満、好ましくは20meq O/kg未満である、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔9〕トリアセチンおよびクエン酸トリエチルからなる群から選択される1種もしくは複数の共留剤が、ステップc)もしくは存在する場合ステップd)において得た混合物の、共留剤に対する質量比4:1~1:4、好ましくは3:1~1:1で、ステップe)において蒸留前かつ/もしくは蒸留中に混合物に添加され、
かつ/または、
ポリエチレングリコールおよびpalatinol Z、好ましくはPEG400および/もしくはPEG600からなる群から選択される1種もしくは複数の共溶媒が、ステップc)もしくは存在する場合ステップd)において得た混合物の、共溶媒に対する質量比10:1~1:5、好ましくは5:1~1:1で、添加される、前記〔1〕から〔8〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔10〕ステップc)または存在する場合ステップd)において得た混合物からのロタンドン含有画分の分離がステップe)において蒸留によって、好ましくは負圧で、好ましくは3~5mbarで行われる、前記〔1〕から〔9〕までのいずれか1項に記載の方法。
〔11〕ロタンドン、ブルネセン、グアイエン、グアイオール、およびブルネソールと、任意成分として含まれていてもよいクエン酸トリエチルおよび/もしくはトリアセチンとを含むか、もしくはこれらからなる、ロタンドン含有混合物、かつ/または前記〔1〕から〔10〕までのいずれか1項に記載の方法によって生産可能な、ロタンドン含有混合物。
〔12〕1つまたは複数の味覚および/または嗅覚的印象、好ましくは柑橘類、果物、ミント、ナツメグ、コショウ、スパイス、ハーブ、コーヒー、チョコレート、ナッツ、ナッツヌガーの印象、貯蔵酒(例えばウイスキー、ラム酒、ブランデーの印象)、ワインおよびセイボリーの印象からなる群から選択される味覚および/または嗅覚的印象を、発生させる、付与する、または変更する、好ましくは強化するための、前記〔11〕に記載の混合物の使用。
〔13〕前記〔11〕に記載の混合物を含む、栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤、または栄養のため、口腔ケアのため、もしくは快楽のための医薬製剤、もしくは化粧用医薬製剤、もしくは口腔内消費を意図した医薬製剤を製造するための中間製品。
〔14〕1種または複数の(さらなる)香料および/または匂い物質をさらに含み、前記〔11〕に記載の混合物の総量が、前記(さらなる)香料および/または匂い物質の1つまたは複数の味覚的および/または嗅覚的印象を変更する、好ましくは強化するのに十分である、前記〔13〕に記載の製剤または中間製品。
〔15〕前記〔13〕または〔14〕に記載の製剤または中間製品を製造するための方法であって、以下のステップ:
- 前記〔11〕に記載の混合物、および1つまたは複数のさらなる構成成分を準備するステップであり、前記1つまたは複数のさらなる構成成分が、好ましくは香料および/または匂い物質からなる群から選択されるステップ、ならびに
- 前記〔11〕に記載の混合物を、前記さらなる構成成分と混合するステップ
を含む、またはこれらからなる、方法。