(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】病理診断支援方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231013BHJP
G06V 10/30 20220101ALI20231013BHJP
G06V 20/69 20220101ALI20231013BHJP
【FI】
G06T7/00 630
G06T7/00 612
G06V10/30
G06V20/69
(21)【出願番号】P 2021201061
(22)【出願日】2021-12-10
【審査請求日】2021-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】521543026
【氏名又は名称】広州智睿医療科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】DM Intelligence Medicine LTD
【住所又は居所原語表記】Room 2801, No. 80 Xianlie Middle Road, Yuexiu District, Guangzhou City, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王▲シュィン▼章
(72)【発明者】
【氏名】謝偉東
(72)【発明者】
【氏名】▲ダァン▼日強
(72)【発明者】
【氏名】楊艶
【審査官】笠田 和宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-530177(JP,A)
【文献】国際公開第2020/026349(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06V 10/30
G06V 20/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
病理診断支援方法であって、
識別対象の病理画像及び患者情報を取得するステップと、
前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像に対する診断結果を出力するステップと、
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成するステップと、を含み、
前記識別対象の病理画像を取得する前に、
第1の解像度を用いて病理切片を走査し、第1の病理画像を得るステップと、
前記第1の病理画像の少なくとも1つの局所領域が疑似病巣領域であると決定するステップと、
前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を用いて前記疑似病巣領域を走査し、第2の病理画像を得るステップと、
前記第2の病理画像を識別対象の病理画像とするステップと、を含み、
前記識別対象の病理画像を取得するステップは、
前記識別対象の病理画像にグレースケール処理を行って識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記識別対象の病理グレースケール画像にノイズ除去フィルタ処理を行って、歪みのない識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さい領域を識別し、前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さいと識別される領域を黒にするステップと、をさらに含む
ことを特徴とする病理診断支援方法。
【請求項2】
前記病理画像モデルの取得過程は、
第1の診断結果に対応するいくつかの病理画像をトレーニングセットとして取得するステップと、
前記トレーニングセットを用いてニューラルネットワークモデルをトレーニングし、第2の診断結果を取得するステップと、
前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一でない場合、前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一となるまで前記ニューラルネットワークモデルのパラメータを調整するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の病理診断支援方法。
【請求項3】
前記ニューラルネットワークモデルのパラメータは、畳み込みカーネルバイアス重み、全接続層重み、及び全接続層バイアス重みを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の病理診断支援方法。
【請求項4】
患者情報に基づいて2次元識別コードを生成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の病理診断支援方法。
【請求項5】
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成する前記ステップは、
診断レポートテンプレートを予め設定するステップと、
前記識別対象の病理画像、病理名、罹患程度を含む前記診断結果を、前記診断レポートテンプレートの第1の空白位置に導入するステップと、
患者名、性別、IDカード番号を含む前記患者情報を、前記診断レポートテンプレートの第2の空白位置に導入するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の病理診断支援方法。
【請求項6】
病理診断支援装置であって
識別対象の病理画像及び患者情報を取得する取得モジュールと、
前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像の診断結果を出力する識別モジュールと、
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成するレポート生成モジュールと、を含み、
前記取得モジュールでは、前記識別対象の病理画像を取得する前に、
第1の解像度を用いて病理切片を走査し、第1の病理画像を得るステップと、
前記第1の病理画像の少なくとも1つの局所領域が疑似病巣領域であると決定するステップと、
前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を用いて前記疑似病巣領域を走査し、第2の病理画像を得るステップと、
前記第2の病理画像を識別対象の病理画像とするステップと、を含み、
前記取得モジュールでは、前記識別対象の病理画像を取得する際に、
前記識別対象の病理画像にグレースケール処理を行って識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記識別対象の病理グレースケール画像にノイズ除去フィルタ処理を行って、歪みのない識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さい領域を識別し、前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さいと識別される領域を黒にするステップと、をさらに含む
ことを特徴とする病理診断支援装置。
【請求項7】
コンピュータ装置であって
コンピュータ読み取り可能な命令を記憶するメモリと、
前記コンピュータ読み取り可能な命令を実行し、前記コンピュータ装置に請求項1~
5のいずれか1項に記載の方法を実行させるプロセッサと、を含む、ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項8】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに請求項1~
5のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータ読み取り可能な命令を記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患診断の分野に関し、特に病理診断支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病理診断は、癌を診断する「ゴールドスタンダード」であり、すなわち、患者の病変部から採取した病理組織を切片(通常はHE染色)にし、顕微鏡で微視的に観察して疾患の種類を確認すること。放射線科はすでにデジタル化時代に入っているが、病理科の医者は、数十年にわたって切片+光学顕微鏡を利用している。病理情報センターでは、医師は顕微鏡で病理切片を観察し、コンピュータで病理レポートを生成する必要がある。この過程を1日に200~300回繰り返さなければならない。癌病理診断は種類が非常に多く、全体的な組織構造情報を含み、また局所的な差異変化を含み、モードが複雑で、専門性が非常に高く、病理科のベテラン医師により完成しなければならない。
【0003】
従来技術では、大量の読影需要を満たすことができず、しかも手動作業のため病理医師に大量の繰り返し労力をもたらし、大量のデータ情報の処理の場合は、優位性がなく、十分な人力や物力のコストを必要とする。現在、病理医の不足が深刻な問題となっており、人材育成の周期が長いことは病院病理科の普遍的な苦境である。病理画像のデジタル化、情報化の程度は低い。診断の質は更に向上する必要がある。
【0004】
現在ここで、医師の診断を支援し、病院の診断品質を高めるとともに、医師の重複操作量を軽減する病理診断支援ツールが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、医師の作業負担を軽減し、医師の疾患診断を支援することができる病理診断支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、病理診断支援方法であって、
識別対象の病理画像及び患者情報を取得するステップと、
前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像に対する診断結果を出力するステップと、
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成するステップを含む病理診断支援方法を提供する。
【0007】
前記病理画像モデルの取得過程は、
第1の診断結果に対応するいくつかの病理画像をトレーニングセットとして取得するステップと、
前記トレーニングセットを用いてニューラルネットワークモデルをトレーニングし、第2の診断結果を取得するステップと、
前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一でない場合、前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一となるまで前記ニューラルネットワークモデルのパラメータを調整するステップと、を含む。
【0008】
前記ニューラルネットワークモデルのパラメータは、畳み込みカーネルバイアス重み、全接続層重み、及び全接続層バイアス重みを含む。
【0009】
前記識別対象の病理画像を取得する前に、
第1の解像度を用いて病理切片を走査し、第1の病理画像を得るステップと、
前記第1の病理画像の少なくとも1つの局所領域が疑似病巣領域であると決定するステップと、
前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を用いて前記疑似病巣領域を走査し、第2の病理画像を得るステップと、
前記第2の病理画像を識別対象の病理画像とするステップと、を含む。
【0010】
前記識別対象の病理画像を取得するステップは、さらに、
前記識別対象の病理画像にグレースケール処理を行って識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記識別対象の病理グレースケール画像にノイズ除去フィルタ処理を行って、歪みのない識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さい領域を識別し、前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さいと識別される領域を黒にするステップと、をさらに含む。
【0011】
前記方法は、患者情報に基づいて2次元識別コードを生成するステップをさらに含む。
【0012】
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成する前記ステップは、
診断レポートテンプレートを予め設定するステップと、
前記識別対象の病理画像、病理名、罹患程度を含む前記診断結果を、前記診断レポートテンプレートの第1の空白位置に導入するステップと、
患者名、性別、IDカード番号を含む前記患者情報を、前記診断レポートテンプレートの第2の空白位置に導入するステップと、を含む。
【0013】
本発明は、さらに、
識別対象の病理画像及び患者情報を取得する取得モジュールと、
前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像の診断結果を出力する識別モジュールと、
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成するレポート生成モジュールと、を含む病理診断支援装置を提供する。
【0014】
本発明は、さらに、
コンピュータ読み取り可能な命令を記憶するメモリと、
前記コンピュータ読み取り可能な命令を実行し、前記コンピュータ装置に上記の方法を実行させるプロセッサと、を含むコンピュータ装置を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに上記の方法を実行させるコンピュータ読み取り可能な命令を記憶するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力して診断結果を取得することにより、精度が高く、速度が速く、病理科医のワークフローを大幅に短縮し、人的コストを節約することができ、また、前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成することができる、
病理科医はレポートを審査するだけでよく、手書きする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において使用する必要がある図面について簡単に説明するが、以下の説明における図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な努力を必要とせずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
【0018】
【
図1】本発明の実施例による病理診断支援方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例による病理診断支援装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明するが、説明する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに得る他のすべての実施例は、本発明の特許範囲に属する。
【0020】
図1は、本発明の実施例による病理診断支援方法のフローチャートであり、この方法は、S101~S103を含む。
【0021】
S101、識別対象の病理画像及び患者情報を取得する。
【0022】
前記病理画像は病理電子切片図とも呼ばれ、電子顕微鏡によって走査された病理分析用の画像であり、例えば、胃部の病理画像、肝臓部の病理画像などである。病理画像は通常以下の特徴を備えている。(1)独自フォーマットが非常に多く、例えば病理画像はsvs(病理画像の独自フォーマット)フォーマットの画像であってもよく、ndpi(NanoZoomer Digital Pathology Image、ナノズームデジタル病理画像)フォーマットの画像であってもよく、これは主に各電子顕微鏡のメーカーによる設定の違いによるものである。(2)サイズが大きい。1枚の病理画像のサイズは通常500MB(MByte、メガビット、略称メガ)~1.5GB(Gigabyte、10億バイト)程度である。(3)解像度が高く、病理画像1枚の解像度が通常40000*40000画素以上である。
【0023】
前記識別対象の病理画像を取得する前に、以下のステップを含む。
第1の解像度を用いて病理切片を走査し、第1の病理画像を得る。
【0024】
患者の病理切片を取得した後、比較的短時間でこの病理切片の低解像度の完全な第1の画像を取得するために、比較的低い第1の解像度を用いて病理切片を走査し、例えば、従来の診断では、病理切片を40倍から100倍に拡大して走査する必要があり、得られる高解像度の走査画像の解像度は通常105×105レベルであり、占有する記憶空間も百メガバイト以上であり、本発明の実施例では、例えば104×104レベルほどの画像が要求される場合、病理切片を15倍に拡大して走査して、低い解像度の走査画像を得ることができる。なお、上記の例は単なる例示であり、具体的な限定とは理解できない。
【0025】
前記第1の病理画像の少なくとも1つの局所領域が疑似病巣領域であると決定する。
【0026】
病理切片の第1の画像を取得した後、機械学習やディープラーニングなどの人工知能のアルゴリズムを用いて、第1の画像における少なくとも1つの局所領域が疑似病巣領域であると決定してもよく、ここで、疑似病巣は、確実に病巣である領域であってもよいし、病巣が出現する確率が高い領域であってもよいし、医師の関心度が高い領域であってもよいが、本発明の実施例は特に限定しない。
【0027】
前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を用いて前記疑似病巣領域を走査し、第2の病理画像を得る。
【0028】
ここで、前記第2の解像度は、前記第1の解像度よりも高い。人工知能アルゴリズムを用いて第1の解像度の第1の画像における疑似病巣領域を決定した後、第2の解像度を用いて上記疑似病巣領域の病理切片上の対応する位置を走査し、疑似病巣領域に対応する疑似病巣組織の第2の解像度の第2の画像を得る。なお、第2の画像において、非疑似病巣領域は、疑似病巣領域とは異なる色で塗りつぶされてもよく、第1の画像における非疑似病巣領域で塗りつぶされてもよく、本発明は特に限定しない。
【0029】
前記第2の病理画像を識別対象の病理画像とする。
【0030】
前記識別対象の病理画像を取得した後、
前記識別対象の病理画像にグレースケール処理を行って識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記識別対象の病理グレースケール画像にノイズ除去フィルタ処理を行って、歪みのない識別対象の病理グレースケール画像を得るステップと、
前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さい領域を識別し、前記歪みのない識別対象の病理グレースケール画像においてグレースケール平均値が予め設定されたグレースケール値よりも小さいと識別される領域を黒にするステップとをさらに含む。
【0031】
S102、前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像に対する診断結果を出力する。
【0032】
第1の診断結果に対応するいくつかの病理画像をトレーニングセットとして取得する。
【0033】
前記トレーニングセットを用いてニューラルネットワークモデルをトレーニングし、第2の診断結果を取得する。
【0034】
前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一でない場合、前記第1の診断結果と前記第2の診断結果とが同一となるまで前記ニューラルネットワークモデルのパラメータを調整する。
【0035】
前記ニューラルネットワークモデルのパラメータは、畳み込みカーネルバイアス重み、全接続層重み、及び全接続層バイアス重みを含む。
【0036】
前記ニューラルネットワークモデルは、領域分類ネットワークモデル及び/又は分割畳み込みニューラルネットワークモデルであってもよく、この中でも、領域分類ニューラルネットワークモデルは、残差ネットワーク(Residual Networks,ResNet)モデル、VGG16モデル、VGGNetモデル、Inceptionモデルなどを含むが、これに限定されず、分割畳み込みニューラルネットワークモデルは、全畳み込みネットワーク(Fully Convolutional Networks,FCN)モデル、マルチタスクネットワークカスケードMNCモデル、Mask-RCNNモデルなどを含むが、これに限定されない。
【0037】
S103、前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成する。
【0038】
前記診断レポートテンプレートを予め設定する。
【0039】
前記識別対象の病理画像、病理名、罹患程度を含む前記診断結果を、前記診断レポートテンプレートの第1の空白位置に導入する。
【0040】
患者名、性別、IDカード番号、年齢、自宅住所などの情報を含む前記患者情報を、前記診断レポートテンプレートの第2の空白位置に導入する。
【0041】
前記方法は、患者情報に基づいて2次元識別コードを生成し、前記2次元識別コードを前記診断レポートの第3の空白位置に導入するステップをさらに含む。
【0042】
診断レポートは、電子機器で患者の医療記録を保存、管理、送信、再現することができ、従来の紙カルテのデジタル化版と理解することができる。
【0043】
診断レポートには入院記録、入院診断、経過記録、検査レポート、化学検査レポート、退院診断などの文書を含めることができ、そのうち入院記録には現病歴、既往歴、個人歴、家族歴、支援検査などの部分を含めることができる。
【0044】
診断レポートには、また前記診断結果に基づいて相応のリハビリテーションのアドバイスを与えることができ、例えば風邪の場合、水を多く飲んで、保温に注意して、冷たい風に晒さすことを避ける。気管支炎の場合、辛いものを食べない、喫煙を禁止し、茶を多く飲んで、あっさりした飲食をする。慢性咽頭炎の場合、夜更かしを控え、多くの水を飲んで、辛いものを食べない。慢性肺炎の場合、胸を広げる運働を多くしたり、水分や電解質を補給したりする。
【0045】
前記診断レポートは、データ署名及び暗号化を行い、ユーザの診断医の身元を認証することもできる。ユーザが診断レポートにデジタル署名できるのは、ユーザが正当なユーザである場合のみである。署名が完了すると、前記診断レポートにアクセス権を設定することもでき、アクセス権を持つ人だけが診断情報を解読して閲覧することができる。
【0046】
本発明は、識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力して診断結果を取得することにより、精度が高く、速度が速く、病理科医のワークフローを大幅に短縮し、人的コストを節約することができ、また、前記診断結果と患者情報に基づいて診断レポートを生成することができ、病理科医はレポートを審査するだけでよく、手書きする必要はない。
【0047】
図2は、本発明の実施例による病理診断支援装置の概略図であり、前記装置は、
識別対象の病理画像及び患者情報を取得する取得モジュール、
前記識別対象の病理画像を予め設定された病理画像モデルに入力し、前記病理画像モデルは前記識別対象の病理画像に対する診断結果を出力する識別モジュールと、
前記診断結果及び患者情報に基づいて診断レポートを生成するレポート生成モジュールと、を含む。
【0048】
なお、本明細書の様々な実施例は漸進的に説明されており、各実施例は他の実施例との相違点を中心に説明し、各実施例の同一や類似の部分は互いに参照されればよい。実施例で開示された装置の場合、それは実施例で開示された方法に対応するので、説明は比較的簡単であり、関連する点は方法の部分の説明を参照すればよい。
【0049】
1つの実施例では、メモリとプロセッサとを含むコンピュータ装置が提案されており、メモリはコンピュータ読み取り可能な命令を記憶し、コンピュータ読み取り可能な命令は1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピュータ読み取り可能な命令が実行されたときに、1つ以上のプロセッサに上記実施例における顔認証方法のステップを実現する。
【0050】
前記コンピュータ装置は、ユーザインタフェース、ネットワークインタフェース、カメラ、無線周波数(Radio Frequency,RF)回路、センサ、オーディオ回路、WI-FIモジュールなどをさらに含んでもよい。ユーザインタフェースは、ディスプレイ(Display)、キーボード(Keyboard)などの入力ユニットなどを含んでもよく、オプションのユーザインタフェースは、USBインタフェース、カードリーダインタフェースなどを含んでもよい。ネットワークインタフェースには、標準的な有線インタフェース、ワイヤレスインタフェース(例えばBluetoothインタフェース、WI-FIインタフェース)などが含まれてもよい。
【0051】
さらに、本発明の実施例は、プロセッサによって実行されると、上記顔認証方法のステップを実現するコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0052】
フローチャートで表されるか、又は本明細書において他の方式で説明される論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するために使用される実行可能命令のシーケンスリストと考えられ、具体的には、命令実行システム、装置、又は機器(例えばコンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置、又は機器から命令を取得して実行することができる他のシステム)用、又はこれらの命令実行システムと組み合わせて使用するために、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体に実現することができる。本明細書では、「コンピュータ読み取り可能な媒体」は、命令実行システム、装置、又は機器用、又はそれらの命令実行システムと組み合わせて使用するために、プログラムを含んだり、記憶、通信、伝播、又は送信したりすることができる任意の装置であってもよい。
【0053】
コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能編集可能読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル光ディスク読み出し専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、前記プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよく、これは、例えば、紙又は他の媒体を光学的に走査し、次いで編集、解釈、又は必要に応じて他の適切な方法で処理することによって前記プログラムを電子的に取得し、次いでコンピュータメモリに記憶できるためである。
【0054】
なお、本発明の様々な部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。上述した実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに格納され、適切な命令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現されてもよい。例えば、ハードウェアで実現すると、他の実施形態と同様に、データ信号に対する論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、当該技術分野において公知の技術のいずれか、又はそれらの組み合わせで実現することができる。
【0055】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などを参照する説明は、この実施例又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な記載は、必ずしも同じ実施例又は例を意味するものではない。さらに、説明された具体的な特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み合わせることができる。
【0056】
本発明の実施例が示され説明されているが、当業者が理解できるように、本発明の原理及び主旨から逸脱することなく、これらの実施例に様々な変更、修正、置換及び変形を行うことが可能であり、本発明の範囲は請求項及びその均等物によって定められる。