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特許7366123可動式密集保管及びピッキング装置、複合型倉庫保管システム及びその組立方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】可動式密集保管及びピッキング装置、複合型倉庫保管システム及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021509781
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2019106526
(87)【国際公開番号】W WO2020057571
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】201811090472.5
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517148051
【氏名又は名称】深▲せん▼市鯨倉科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN WHALEHOUSE TECHNOLOGY COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Suite 412, South China Logistics Cross-border E-commerce Center, Minxin Community, Minzhi Subdistrict, Longhua District Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 俊
(72)【発明者】
【氏名】李 林子
(72)【発明者】
【氏名】李 秀剛
(72)【発明者】
【氏名】張 孟文
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-155171(JP,U)
【文献】特開昭49-77760(JP,A)
【文献】特開平3-31103(JP,A)
【文献】特開2016-141496(JP,A)
【文献】特開平6-92410(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/95309(US,A1)
【文献】中国実用新案第204280472(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00 - 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の保管コンテナと、少なくとも1つのレール交換コンテナと、少なくとも1つの入出庫コンテナとを備える複合型倉庫保管システムであって、
複数の前記保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成し、前記組み合わせ保管エリア内には、レールアセンブリと、前記レールアセンブリ上に位置する箱取込ロボットと、前記箱取込ロボットの下に位置する複数の収容箱とが配置され、前記収容箱は、貨物を格納するためのものであり、前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリ上を往復走行して前記収容箱に対する保管・取出操作を実行することができ、前記箱取込ロボットは、走行機構と、前記走行機構の下方に吊り下げられ、前記走行機構に対して昇降可能な把持機構とを備え、前記走行機構は、前記レールアセンブリにスライド可能に実装されて前記レールアセンブリに沿って水平移動し、前記把持機構が水平移動するように駆動し、
前記レール交換コンテナの内部空間は、複数の前記保管コンテナのうちの少なくとも1つの保管コンテナの内部空間と連通し、前記レール交換コンテナ内には、レール交換装置が設けられ、前記レール交換装置は、前記少なくとも1つの保管コンテナ内の箱取込ロボットを前記箱取込ロボットが位置する現在の走行レールから目標走行レールに切り替えるように構成され、
前記入出庫コンテナの内部空間は、前記レール交換コンテナの内部空間と連通し、前記入出庫コンテナ内には、貨物の入出庫操作を実行するための入出庫装置が設けられ
前記レール交換装置は、移行レールと、レール交換ロボットとを備え、
前記移行レールは、前記レール交換コンテナの天板又はサイドプレートに固定され、前記少なくとも1つの保管コンテナ内のレールアセンブリの末端に垂直し、
前記レール交換ロボットは、前記移行レールに位置して前記移行レール上を往復移動可能であり、前記レール交換ロボットは、前記箱取込ロボットを受け取り、前記箱取込ロボットを前記移行レールに沿って前記目標走行レールに搬送するように構成される複合型倉庫保管システム。
【請求項2】
前記保管コンテナは、長さ方向、幅方向、及び高さ方向を定義し、前記保管コンテナ内に位置するレールアセンブリは前記長さ方向に沿って延出され、複数の前記保管コンテナは、前記幅方向に沿って組み合わされた複数の保管コンテナを含み、前記レール交換コンテナは、前記幅方向に沿って組み合わされた前記複数の保管コンテナに垂直し、且つ、前記レール交換コンテナの内部空間は、前記幅方向に沿って配列された前記複数の保管コンテナによって形成される内部空間と連通している請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項3】
各保管コンテナ及びレール交換コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、前記天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含み、前記レール交換コンテナの前記保管コンテナに面する1つのサイドプレートが取り外され、前記レール交換コンテナの内部と連通する各前記保管コンテナの前記レール交換コンテナに面する1つのエンドプレートが取り外されており、
前記少なくとも1つのレール交換コンテナは、少なくとも2つのレール交換コンテナを含み、前記少なくとも2つのレール交換コンテナは、前記レール交換コンテナの長さ方向に沿って組み合わされ、且つ、内部が互いに連通し、
前記少なくとも2つのレール交換コンテナを組み合わせる際に、前記少なくとも2つのレール交換コンテナの隣接するエンドプレートが取り外されており、
前記入出庫コンテナは、前記レール交換コンテナと平行に配置され、前記入出庫コンテナと前記レール交換コンテナの数は同じであり、前記入出庫コンテナは、前記入出庫コンテナの長さ方向に組み合わされ、且つ、内部が互いに連通し、
前記入出庫コンテナを組み合わせる際に、前記入出庫コンテナの隣接するエンドプレートが取り外され、
前記レール交換コンテナと前記入出庫コンテナの隣接するサイドプレートが取り外され、
複数の前記保管コンテナは、前記長さ方向に沿って組み合わされる複数の保管コンテナを含み、前記長さ方向に沿って配列された前記複数の保管コンテナは前記長さ方向に沿って互いに組み合わされ、且つ、内部が互いに連通し、
前記保管コンテナを前記長さ方向に組み合わせる際に、前記保管コンテナの隣接するエンドプレートが取り外される請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項4】
前記レール交換コンテナ及び入出庫コンテナは同じコンテナである請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項5】
前記組み合わせ保管エリアは、複数のサブ保管エリアを含み、各サブ保管エリア内には、レールアセンブリのうちの1つと、箱取込ロボットのうちの少なくとも1つと、前記複合型倉庫保管システムの一部の収容箱とが含まれ
各サブ保管エリアは、保管コンテナのうちの1つから形成される請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項6】
前記組み合わせ保管エリアは、複数のサブ保管エリアを含み、各サブ保管エリア内には、レールアセンブリのうちの1つと、箱取込ロボットのうちの少なくとも1つと、前記複合型倉庫保管システムの一部の収容箱とが含まれ、各保管コンテナが2つの前記サブ保管エリアを形成し、
前記保管コンテナは、長さ方向、幅方向、及び高さ方向を定義し、前記保管コンテナ内に位置するレールアセンブリは前記長さ方向に沿って延出され、複数の前記保管コンテナは、前記幅方向に沿って組み合わされた複数の保管コンテナを含み、各保管コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、前記天板、及び前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレートを含み、前記幅方向では、隣接する2つの保管コンテナの天板間は距離を置いて隔てられ、水平に配置された板体が前記隣接する2つの保管コンテナの天板間に架け渡されて、前記板体の下方に1つのサブ保管エリアが形成され、
前記板体は、隣接する2つの保管コンテナのうちの1つの保管コンテナのサイドプレートであり、前記サイドプレートは、一方の辺が前記保管コンテナのうちの一方の上部に回動可能に接続され、他方の辺が外向き及び上向きに90度回動して前記隣接する2つの保管コンテナのうちの他方の保管コンテナに支持される請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項7】
前記組み合わせ保管エリアは、複数のサブ保管エリアを含み、各サブ保管エリア内には、レールアセンブリのうちの1つと、箱取込ロボットのうちの少なくとも1つと、前記複合型倉庫保管システムの一部の収容箱とが含まれ、各保管コンテナが3つの前記サブ保管エリアを形成し、
前記保管コンテナは、長さ方向、幅方向、及び高さ方向を定義し、前記保管コンテナ内に位置するレールアセンブリは前記長さ方向に沿って延出され、複数の前記保管コンテナは、前記幅方向に沿って組み合わされた複数の保管コンテナを含み、各保管コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、前記天板、及び前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレートを含み、前記幅方向では、隣接する2つの保管コンテナの天板間は距離を置いて隔てられ、水平に配置された板体が前記隣接する2つの保管コンテナの天板間に架け渡されて、前記板体の下方に2つのサブ保管エリアが形成され、
前記板体は、前記隣接する2つの保管コンテナの隣接する2つのサイドプレートを含み、各サイドプレートは、一方の辺がそれぞれの保管コンテナの上部に回動可能に接続され、他方の辺が外向き及び上向きに90度回動して前記2つのサイドプレートが水平状態となり、各サイドプレートの下方に前記2つのサブ保管エリアのうちの一方のサブ保管エリアが形成される請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項8】
記レール交換ロボットには、前記レールアセンブリの末端にマッチングするドッキングレールが設けられ
前記入出庫装置は、前記入出庫コンテナの底板に配置され、前記移行レールの下方に位置する、収容箱を一時的に格納するための載物台を備え、
前記入出庫装置は、仕分け機器及び貨物輸送機器を備え、前記仕分け機器は、載物台上に格納した収容箱に対して貨物の仕分けを実行するためのものであり、前記貨物輸送機器は、貨物を搬送して入出庫するためのものである請求項に記載の複合型倉庫保管システム。
【請求項9】
複合型倉庫保管システムの組立方法において、
複数の保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成することであって、各保管コンテナは、長さ方向と幅方向を定義し、組み合わせた後の複数の保管コンテナは、1層又は多層の保管コンテナを含み、各層は、前記幅方向に沿って平行に配列し組み合わされた複数の保管コンテナを含み、前記組み合わせ保管エリア内には、箱取込ロボットが走行するためのレールが配置され、前記レールは複数の前記保管コンテナを組み合わせる前に複数の前記コンテナ内に実装され、前記箱取込ロボットは、走行機構と、前記走行機構の下方に吊り下げられ、前記走行機構に対して昇降可能な把持機構とを備え、前記走行機構は、レールアセンブリにスライド可能に実装されて前記レールアセンブリに沿って水平移動し、前記把持機構が水平移動するように駆動することと、
レール交換コンテナを各層の複数の保管コンテナの前記長さ方向における少なくとも一方の端部に実装して、前記レール交換コンテナ内の空間と同じ層の前記保管コンテナ内の空間とを連通させ、前記レール交換コンテナ内の移行レールを同じ層の前記保管コンテナ内のレールに垂直させることであって、前記移行レールは、レール交換ロボットが往復走行するように構成され、前記レール交換コンテナ内の移行レールは前記レール交換コンテナを複数の前記保管コンテナの前記端部に実装する前に前記レール交換コンテナ内に固定され、前記レール交換ロボットは、前記箱取込ロボットを受け取り、前記箱取込ロボットを前記移行レールに沿って前記箱取込ロボットが位置する走行レールから目標走行レールに搬送するように構成されることとを含むことを特徴とする複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項10】
各保管コンテナ及びレール交換コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含み、前記組立方法は、前記レール交換コンテナの前記保管コンテナに面する1つのサイドプレートを取り外し、前記レール交換コンテナの内部空間と連通する各前記保管コンテナの前記レール交換コンテナに面する1つのエンドプレートを取り外すことと、
前記レール交換コンテナを実装することは、少なくとも2つのレール交換コンテナを前記レール交換コンテナの長さ方向に沿って組み合わせ、前記少なくとも2つのレール交換コンテナを組み合わせる際に、隣接するエンドプレートを取り外してその内部を互いに連通させることと、を含むことを特徴とする請求項に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項11】
各保管コンテナ及びレール交換コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含み、前記組立方法は、前記レール交換コンテナの前記保管コンテナに面する1つのサイドプレートを取り外し、前記レール交換コンテナの内部空間と連通する各前記保管コンテナの前記レール交換コンテナに面する1つのエンドプレートを取り外すことと、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含むコンテナ箱本体を備える入出庫コンテナを前記レール交換コンテナに組み立てることと、互いに組み立てられた前記レール交換コンテナと前記入出庫コンテナの隣接するサイドプレートを取り外して、前記入出庫コンテナと前記レール交換コンテナの内部空間を連通させることとをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項12】
各保管コンテナ及びレール交換コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を含み、前記コンテナ箱本体は、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含み、前記組立方法は、前記レール交換コンテナの前記保管コンテナに面する1つのサイドプレートを取り外し、前記レール交換コンテナの内部空間と連通する各前記保管コンテナの前記レール交換コンテナに面する1つのエンドプレートを取り外すことを含み、複数の前記保管コンテナを組み合わせることは、前記長さ方向に少なくとも2つの保管コンテナを組み合わせ、前記少なくとも2つの保管コンテナを前記長さ方向に組み合わせる際に隣接するエンドプレートを取り外して、前記少なくとも2つの保管コンテナの内部空間が繋がるようにすることを含むことを特徴とする請求項に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項13】
複数の前記保管コンテナを組み合わせることは、
隣接する保管コンテナ間が距離を置いて隔てるように、複数の保管コンテナを前記幅方向に平行に配列することと、
水平に配置された板体を利用して、隣接する2つの保管コンテナ間を架け渡すこととを含むことを特徴とする請求項に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項14】
前記板体は、隣接する2つの保管コンテナのうちの一方の保管コンテナのサイドプレートであり、前記サイドプレートの一方の辺は前記一方の保管コンテナの上部に回動可能に接続され、前記組立方法は、辺の他方の辺を外向き及び上向きに90度回動させて前記隣接する2つの保管コンテナのうちの他方の保管コンテナに支持させ、前記サイドプレートの下方に前記組み合わせ保管エリアにおける1つのサブ保管エリアが形成されるように平状態に維持することを含む請求項13に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【請求項15】
前記板体は、前記隣接する2つの保管コンテナの隣接する2つのサイドプレートを含み、各サイドプレートの一方の辺は、それぞれの保管コンテナの上部に回動可能に接続され、前記組立方法は、前記2つのサイドプレートの他方の辺を外向き及び上向きに回動させ、各サイドプレートの下方に前記組み合わせ保管エリアにおける1つのサブ保管エリアが形成されるように、前記2つのサイドプレートを水平状態に維持することを含み、
前記2つのサイドプレートを水平状態に維持することは、支持体を使用して前記2つのサイドプレートの前記他方の辺を支持することを含む請求項13に記載の複合型倉庫保管システムの組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流倉庫保管技術に関し、具体的には、可動式密集保管及びピッキング装置、複合型倉庫保管システム及びその組立方法、収容箱把持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物流倉庫保管や倉庫では、多くの荷棚を使用する必要があった。従来の荷棚の多くはローラー付きの可動荷棚であり、可動荷棚はレール上に配置され、荷棚は駆動装置によってレール上を往復に走りながら貨物を搬送する。効率を高めるために、荷棚は通常複数の層になっており、各層の上に貨物を載置する必要がある。荷棚に貨物が積まれているため、荷棚の移動には多くの電気エネルギーを消費する必要があり、しかもある荷棚の仕分け、積み込み、荷卸し等の動作に対して、荷棚システム全体が全体的に起動及び移動する必要があり、エネルギー消費が比較的高い。特に、無効な電気エネルギー消費が高く、電気エネルギーの利用率が低い。各可動荷棚の重量は数百キログラムであることが多く、可動荷棚の全体的な移動中に、互いに衝突する等の損失が比較的大きく、レールとブレーキシステムに対する要件が高くなる。従来の荷棚循環移動システムでは、一般的な荷棚旋回設計はレール回路設計である。即ち、荷棚レールは大きな旋回半径を有し、荷棚は当該旋回レールで旋回循環を実行する。現在の荷棚レール交換設計では、横方向移動装置を採用することもある。即ち、レールの両端に横方向移動レールを設計し、横方向移動レール上に荷棚移載装置を配置し、荷棚は移載装置を介して別のレールに移送される。通常、荷棚は多層構造であるため、その重量が大きく、移載装置に移送された後、移載装置は大きな引っ張りパワーを必要とする。当該構造は、移載装置の耐荷重強度、耐衝撃強度、及びパワーに対して高い要求がある。このような特許文献として、例えば、中国特許出願番号が201610955227.0であり、発明の名称が「自動密集倉庫装置」であり、公開日が2017年2月8日の特許文献があり、レール上に荷棚を配置した倉庫保管システムが開示されている。このような荷棚倉庫保管システムは、貨物の積み重ね高さが高くない状況に適応できるが、高い層である場合、積み重ねが高すぎると、移動中に安全ではなく、無効な搬送エネルギーの損失が大きすぎる。
【0003】
さらに、上記の荷棚システムは、例えば、展示会に一時的に登場する小型小売車のような、移動式小売システムにも適用できない。従来の小型小売車は手動操作が一般的であり、自動倉庫保管システムを使用することはほとんどない。
【0004】
また、現在の自動倉庫は現場設置が複雑で、技術的要件が高い。そして、一度設置されると、容量の拡張や削減は容易ではなく、現在の急速に変化する市場ニーズに対応できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的問題は、全く新しい自動倉庫保管システムを採用することで移動式小売システムにも自動倉庫保管システムが適用できる可動式密集保管及びピッキング装置、複合型倉庫保管システム及びその組立方法を提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする他の技術的問題は、現場の実装が容易であり、柔軟に構築できる必要に応じた倉庫容量を有する複合型倉庫保管システムを提供することで、コストが低く、固定が容易で、インフラストラクチャ建設の時間を節約し、自動化倉庫の迅速な配置と移動配置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様として、本発明は、倉庫保管エリアを有し、出庫端を定義するスキッドマウント外箱と、前記倉庫保管エリアに位置し、それぞれが商品を収容するために使用される複数の収容箱と、前記スキッドマウント外箱の出庫端に位置する出庫ステーションと、前記スキッドマウント外箱内に実装され、前記収容箱の上方に位置するレールアセンブリと、前記レールアセンブリにスライド可能に実装され、前記収容箱の上方に位置する箱取込ロボットと、を備え、前記箱取込ロボットは、注文商品が配置されている収容箱を前記倉庫保管エリアから前記出庫ステーションまで搬送するために使用される可動式密集保管及びピッキング装置を提供する。
【0008】
他の態様として、本発明は、複数の保管コンテナと、少なくとも1つのレール交換コンテナと、少なくとも1つの入出庫コンテナとを備える複合型倉庫保管システムであって、 複数の前記保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成し、前記組み合わせ保管エリア内には、レールアセンブリと、前記レールアセンブリ上に位置する箱取込ロボットと、前記箱取込ロボットの下に位置する複数の収容箱とが配置され、前記収容箱は、貨物を格納するためのものであり、前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリ上を往復走行して前記収容箱に対する保管・取出操作を実行することができ、前記レール交換コンテナの内部空間は、複数の前記保管コンテナのうちの少なくとも1つの保管コンテナの内部空間と連通し、前記レール交換コンテナ内には、レール交換装置が設けられ、前記レール交換装置は、前記少なくとも1つの保管コンテナ内の箱取込ロボットを前記箱取込ロボットが位置する現在の走行レールから目標走行レールに切り替えるように構成され、前記入出庫コンテナの内部空間は、前記レール交換コンテナの内部空間と連通し、前記入出庫コンテナ内には、貨物の入出庫操作を実行するための入出庫装置が設けられている複合型倉庫保管システムを提供する。
【0009】
また、他の態様として、本発明は、複数の保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成することであって、各保管コンテナは、長さ方向と幅方向を定義し、組み合わせた後の複数の保管コンテナは、1層又は多層の保管コンテナを含み、各層は、前記幅方向に沿って平行に配列し組み合わされた複数の保管コンテナを含み、前記組み合わせ保管エリア内には、箱取込ロボットが走行するためのレールが配置され、前記レールは複数の前記保管コンテナを組み合わせる前に複数の前記コンテナ内に実装されていることと、レール交換コンテナを各層の複数の保管コンテナの前記長さ方向における少なくとも一方の端部に実装して、前記レール交換コンテナ内の空間と同じ層の前記保管コンテナ内の空間とを連通させ、前記レール交換コンテナ内の移行レールを同じ層の前記保管コンテナ内のレールに垂直させることであって、前記移行レールは、レール交換ロボットが往復走行するように構成され、前記レール交換コンテナ内の移行レールは前記レール交換コンテナを複数の前記保管コンテナの前記端部に実装する前に前記レール交換コンテナ内に固定されていることとを含む複合型倉庫保管システムの組立方法を提供する。
【0010】
また、他の態様として、本発明は、昇降可能なつかみ手プラットフォームと、収容箱の額縁を掴むための前記つかみ手プラットフォームに実装されたつかみ手を備える、収容箱を把持するための収容箱把持機構であって、前記つかみ手プラットフォームのコーナー位置に設けられた複数の位置合わせ部材を有する位置合わせ機構をさらに備え、各位置合わせ部材は、垂直下向きに延出する垂直延出部と、前記垂直延出部の底端から下向き及び外向きに延出する位置合わせ傾斜面とを含み、前記収容箱把持機構が前記収容箱を把持している場合、全ての位置合わせ部材の垂直延出部はいずれも前記収容箱の額縁の外表面に当接し、且つ、前記位置合わせ傾斜面は全て前記収容箱の底部の下方に位置しており、前記位置合わせ傾斜面は、把持している前記収容箱と下方の1つの第2収容箱とが鉛直方向にずれている場合、前記位置合わせ傾斜面を前記第2収容箱の額縁の上縁にスライド接触させる収容箱把持機構を提供する。
【0011】
さらに、他の態様として、本発明は、複数の保管コンテナと、少なくとも1つの入出庫コンテナとを備える複合型倉庫保管システムであって、複数の前記保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成し、前記組み合わせ保管エリア内には、レールアセンブリと、前記レールアセンブリ上に位置する箱取込ロボットと、前記箱取込ロボットの下に位置する複数の収容箱とが配置され、前記収容箱は、貨物を格納するためのものであり、前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリ上を往復走行して前記収容箱に対する保管・取出操作を実行することができ、前記レールアセンブリは前記保管コンテナの板体に固定され、前記入出庫コンテナ内には、貨物の入出庫操作を実行するための入出庫装置が設けられ、前記入出庫コンテナの内部空間は前記組み合わせ保管エリアと連通され、前記箱取込ロボットが前記組み合わせ保管エリアと前記入出庫装置との間で収容箱を搬送できるようになっている複合型倉庫保管システムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本出願に開示された種々の技術案は、次のような有益な効果を有する。
【0013】
本発明は、可動式密集保管及びピッキング装置を提供しており、当該可動式密集保管及びピッキング装置は、スキッドマウント外箱と、複数の収容箱と、出庫ステーションと、レールアセンブリと、箱取込ロボットと、ピッキングロボットとを備える。当該スキッドマウント外箱は、内部に1つの倉庫保管エリアを有し、出庫端を定義している。複数の収容箱は、前記倉庫保管エリアに位置し、各収容箱は商品を収容するために使用される。出庫ステーションは、前記スキッドマウント外箱の出庫端に位置している。前記レールアセンブリは、前記スキッドマウント外箱内に実装され、前記収容箱の上方に位置する。前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリにスライド可能に実装され、前記収容箱の上方に位置し、前記箱取込ロボットは、注文商品が配置されている収容箱を前記倉庫保管エリアから前記出庫ステーションまで搬送するために使用される。前記ピッキングロボットは、前記スキッドマウント外箱内に位置し、前記出庫ステーションに近接して配置され、前記ピッキングロボットは、前記出庫ステーション上に位置している収容箱から前記注文商品をピッキングするために使用される。前記可動式密集保管及びピッキング装置は、自動小売車又は展示車等として実現することができ、スキッドマウント外箱を採用し、ほとんどの部品はスキッドマウント外箱内に実装され、倉庫保管システム全体の可動機能を実現できる。その他に、箱取込ロボットの把持機構の位置合わせ機構を配置することにより、鉛直方向での正確な位置合わせを実現でき、箱取込ロボットに高コストの位置検出機構を配置する必要がなく、効果的にコストダウンを図ることができる。そして、スライド可能なピッキングロボットの設計により、ロボットハンドを長くすることなく、ピッキング操作を向上させることができる。
【0014】
一方、本発明が提供する複合型倉庫保管システムは、保管コンテナ、レール交換コンテナ、及び入出庫コンテナのうちの1つ又は複数を含む。従って、必要に応じた倉庫容量を有する複合型倉庫保管システムを柔軟に構築でき、コストが低く、固定が容易で、インフラストラクチャ建設の時間を節約し、自動化倉庫の迅速な配置と移動配置を実現する。
【0015】
他方、本発明は上記複合型倉庫保管システムの組立方法を提供しており、標準化及びモジュール化されたコンテナを形成することにより、標準化されたコンテナを設定された方法で積み重ね及び組み合わせ、且つ、標準化されたコンテナのコンテナ本体は、それぞれ取り外し可能又は反転可能なサイドプレートを有するように形成され、コンテナを積み重ね及び組み合わせる過程で、互いに隣接するサイドプレートを取り外したり反転した後に連結させたりして内部空間が連通する一体複合型倉庫保管システムを形成し、自動化倉庫の迅速な配置及び移動配置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】可動式密集保管及びピッキング装置の一実施例の立体模式図である。
図2図1の可動式密集保管及びピッキング装置のスキッドマウント外箱の立体模式図である。
図3図1の可動式密集保管及びピッキング装置のスキッドマウント外箱を取り外した後の立体模式図である。
図4図3の可動式密集保管及びピッキング装置の側面模式図である。
図5】収容箱の配置の簡略化された模式図である。
図6】収容箱の立体模式図である。
図7】別の角度から見た収容箱の立体模式図である。
図8】出庫ステーションの一実施例の立体模式図である。
図9】レールアセンブリの1つのレールユニットの部分模式図である。
図10図3の可動式密集保管及びピッキング装置の箱取込ロボットの立体模式図である。
図11図10の把持機構の立体模式図である。
図12図11の把持機構の位置合わせ部材の立体模式図である。
図13図11の把持機構の位置合わせ部材の部分立体模式図である。
図14図3の可動式密集保管及びピッキング装置のピッキングロボットの立体模式図である。
図15図14のピッキングロボットの固定台を取り外した後の立体模式図である。
図16図14のピッキングロボットの固定台の立体模式図である。
図17】複合型倉庫保管システムの上面模式図である。
図18】複合型倉庫保管システムの側面模式図である。
図19】複合型倉庫保管システムの一実施例の立体模式図である。
図20】複合型倉庫保管システムの部分放大図であり、レール交換ロボット、ドッキングレール、及び移行レールを示している。
図21】複合型倉庫保管システムの他の実施例の立体模式図である。
図22】複合型倉庫保管システムのまた他の一実施例の立体模式図である。
図23】複合型倉庫保管システムの組立方法の一実施例のフローチャートである。
図24】複合型倉庫保管システムの組立方法において、箱体の1つのサイドプレートが天板に対して展開可能な一実施例の模式図である。
図25】複合型倉庫保管システムの組立方法において、箱体の2つの対向側のサイドプレートが天板に対して展開可能な他の実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例を詳細に説明する前に、本発明は、本出願の以下に説明される、又は図面に記載される詳細な構造又は要素配置に限定されないことが理解されるべきである。本発明は他の形態で実現される実施例であってもよい。さらに、本明細書で使用される文言及び用語は、単に説明のために使用されるものであり、限定的に解釈されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書で使用される「備える」、「含む」、「有する」等の類似な表現は、その後に列挙された事項、それらの同等物、及びその他の追加的な事項を含むことを意味する。特に、「1つのある素子」を説明する場合、本発明は当該素子の数を1つに限定せず、複数の素子も含まれ得る。
【0018】
本出願は、可動式密集保管及びピッキング装置を開示しており、当該可動式密集保管及びピッキング装置は、スキッドマウント外箱と、複数の収容箱と、出庫ステーションと、レールアセンブリと、箱取込ロボットと、ピッキングロボットとを備える。当該スキッドマウント外箱は、内部に1つの倉庫保管エリアを有し、出庫端を定義している。複数の収容箱は、前記倉庫保管エリアに位置し、各収容箱は商品を収容するために使用される。出庫ステーションは、前記スキッドマウント外箱の出庫端に位置している。前記レールアセンブリは、前記スキッドマウント外箱内に実装され、前記収容箱の上方に位置する。前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリにスライド可能に実装され、前記収容箱の上方に位置し、前記箱取込ロボットは、注文商品が配置されている収容箱を前記倉庫保管エリアから前記出庫ステーションまで搬送するために使用される。前記ピッキングロボットは、前記スキッドマウント外箱内に位置し、前記出庫ステーションに近接して配置され、前記ピッキングロボットは、前記出庫ステーション上に位置している収容箱から前記注文商品をピッキングするために使用される。前記可動式密集保管及びピッキング装置は、自動小売車又は展示車等として実現することができ、スキッドマウント外箱を採用し、ほとんどの部品はスキッドマウント外箱内に実装され、倉庫保管システム全体の可動機能を実現できる。
【0019】
以下、上記の可動式密集保管及びピッキング装置の構成要素の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、可動式密集保管及びピッキング装置の一実施例の立体組み合わせ図である。
【0021】
図2は、図1の可動式密集保管及びピッキング装置のスキッドマウント外箱の立体模式図である。図3は、図1の可動式密集保管及びピッキング装置のスキッドマウント外箱を取り外した後の立体模式図であり、可動式密集保管及びピッキング装置の内部構造を見ることができる。図4は、図3の側面模式図であり、可動式密集保管及びピッキング装置の内部要素の大まかな配置を見ることができる。
【0022】
図1乃至図4を参照すると、可動式密集保管及びピッキング装置は、スキッドマウント外箱10、及びスキッドマウント外箱10内に収容される複数の収容箱12、出庫ステーション14、レールアセンブリ16、箱取込ロボット18、ピッキングロボット20等を備える。
【0023】
図2に示すように、示されるスキッドマウント外箱10は、上壁22、下壁24、及び2つの側壁26を含むコンテナ式設計を採用する。本実施例において、スキッドマウント外箱10内に1つの倉庫保管エリア28を形成し、前後の両端部は開口端であり、その一方の端部(後端)を入庫端30として定義し、他方の端部(前端)を出庫端32として定義する。入庫端30は、貨物の入庫操作を担当し、本実施例では、具体的に、入庫端30から倉庫保管エリア28に貨物が入った収容箱を追加することである。例えば、最初に倉庫を建てる時に、貨物が入った収容箱を倉庫保管エリア28に搬送するか、又は倉庫保管エリア28に位置する一部の収容箱が空き箱になった時に、入庫端30から貨物が入った収容箱を補充して倉庫保管エリア28の空き箱を置き換える。出庫端32は貨物の出庫操作を担当し、本実施例では、具体的に、ユーザが倉庫保管エリア28の商品(以下、「注文商品」という)を注文すると、注文商品が入った収容箱12は出庫端32に搬送され、その後に、ユーザが受け取るように当該収容箱12から注文商品をピッキングする。ピッキング操作が完了した後、当該収容箱12は再び倉庫保管エリア28に戻される。
【0024】
倉庫保管エリア28の作業状況の観察を容易にするために、側壁26に側窗34を開設してもよい。スキッドマウント外箱10に、ユーザインタフェース、例えばディスプレイ36をさらに実装してもよい。ディスプレイ36は、当該可動式密集保管及びピッキング装置の注文システムと通信接続して、ユーザが商品を直接購入するための購入インタフェースをユーザに示すか、又はユーザが自分の端末装置で商品を購入するためにスキャンするための2次元コードを表示する。
【0025】
図3図4及び図5に示すように、複数の収容箱12が3次元方向に密集して配列されて立体倉庫を形成し、荷棚を配置する必要がなく、収容箱12が直接相互に積み重ねられ、収容箱の密度がさらに向上する。具体的には、倉庫保管エリア28は、水平面上に2次元座標で定義された複数の収容箱位置40(図5)を有し、各収容箱位置40には複数の収容箱12が鉛直方向に積み重ねられる。従って、各収容箱は3次元座標(横方向座標、長さ方向座標、高さ座標)に基づいて識別することができる。より具体的には、示されている複数の収容箱12は、横方向に3列、長さ方向に4行、同時に、高さ方向に4層に配置されているため、収容箱12が位置する列数、行数、及び層数に基づいて識別することができる。
【0026】
好ましい一実施例において、前記複数の収容箱は、水平面上にN列に配列され、前記レールアセンブリは、前記N列の収容箱の上方に対応して位置するN個のレールを含み、当該可動式密集保管及びピッキング装置は、さらに、前記N個のレールに垂直な移行レールと、移行レール上を走行するレール交換ロボットを備え、前記レール交換ロボットには、前記レールアセンブリにおけるレール末端とマッチングするドッキングレールが設けられ、前記レール交換ロボットが前記移行レールに沿って移動することで、N個の異なるレール間の前記箱取込ロボットの切り替えを実現してもよい。ドッキングレールは、対応するレールアセンブリにおけるレールの末端に位置合わされ、レールの延長として、レールアセンブリにおけるレールからドッキングレールへの箱取込ロボットの移動を容易にし、レール交換ロボットが移行レールに沿って次の切り替えられたレールの末端まで移動することで、N個の異なるレール間の前記箱取込ロボットの切り替えを完了することができる。
【0027】
図6及び図7は、単一の収容箱12の斜視図である。収容箱12は、4つの側壁42と1つの下壁44を含み、側壁42と下壁44により1つの商品を収容するための収容空間46が囲まれ、収容箱12の上端部には、下壁44に真向く開口48が形成される。下壁44の底面にボス50が形成され、当該ボス50の形状は開口48の形状に一致し、複数の収容箱12が鉛直方向に積み重ねられた時、上の収容箱12のボス50が隣り合いの下の収容箱12の開口48に収容される。ボス50と開口48の形状が一致しているため、ボス50が開口48内に収容されると、積み重ねられた収容箱12は水平面上で相対的に移動することがなく、鉛直方向での非常にきれいな積み重ねを保証することができる。図示の収容箱12は、直方体形状であり、上方から見ると、4つの角を有し、開口48とボス50は両方とも矩形状である。ただし、示された形状は一例に過ぎず、他の適切な形状を採用してもよいことを理解すべきである。
【0028】
収容箱12の2つの対向する側壁42の上部には、箱取込ロボット18のつかみ手が把持するための1つの把持孔52がそれぞれ設けられている(以下、図面と併せて説明する)。
【0029】
図3図4及び図8に示すように、出庫ステーション14はスキッドマウント外箱10の出庫端32に配置され、スキッドマウント外箱10の下壁24に載置される。出庫ステーション14は、倉庫保管エリア28から搬送された収容箱12を受け取るためのものである。出庫ステーション14は、受け取った収容箱12を支持するための支持面53を有する。複数の収容箱12を同時に受け取ることができるようにするために、出庫ステーション14には複数の出庫位置54が設けられ、各出庫位置54は支持面53の一部を占めている。図示の実施例において、出庫ステーション14には3つの出庫位置54が設けられている。各出庫位置54は1列の収容箱12に対応する。
【0030】
箱取込ロボット18が収容箱12を正確に取り込み又は正確な位置に載置できるように、出庫位置54には収容箱位置決め機構が設けられている。図示の実施例において、収容箱位置決め機構は、横方向位置決め片56及び縦方向位置決め片58を備え、横方向位置決め片56及び縦方向位置決め片58は、出庫ステーション14の支持面53から垂直上向きに延出され、横方向及び縦方向で収容箱12を出庫位置54における位置にそれぞれ位置決めするために使用される。
【0031】
スキッドマウント外箱10の入庫端30には、入庫ステーション60が配置され、入庫ステーション60の構造及び機能は出庫ステーション14に類似である。図示の実施例において、その上にも3つの入庫位置が配置され、同時に3つの収容箱を受け取ることができ、各入庫位置は、位置上で倉庫保管エリア28の1列の収容箱12に対応する。構造的には、入庫ステーション60は出庫ステーション14と完全に一致してもよいので、ここでは繰り返して説明しない。操作時に、手動又は他の機構を利用して商品が入った収容箱12を入庫位置に搬送し、次いで、箱取込ロボット16によって当該箱を倉庫保管エリア28に搬送する必要がある。
【0032】
好ましい一実施例として、前記出庫端位置には、入出庫コンテナが配置され、前記入出庫コンテナは、入出庫箱本体と、前記入出庫箱本体内に位置する貨物輸送機器と、前記出庫ステーションと、前記ピッキングロボットとを備え、前記入出庫箱本体は、天板、底板、及び前記天板と前記底板との間に連結される取り外し可能なサイドプレートを含み、前記入出庫コンテナの入出庫箱本体は、同じ層の水平方向に沿って平行配列された複数の前記スキッドマウント外箱と垂直し、且つ、内部空間が連通している。当該入出庫コンテナの入出庫箱本体は、水平方向に配列し平行配置された複数のスキッドマウント外箱と垂直に配置され、且つ、入出庫コンテナ内の空間はスキッドマウント外箱の出庫端と連通する。
【0033】
また、好ましい他の実施例において、前記入庫端30の位置には、入出庫コンテナが配置され、前記入出庫コンテナは、入出庫箱本体と、前記コンテナ本体内に位置する貨物輸送機器と、前記入庫ステーションと、ピッキングロボットとを備え、前記入出庫箱本体は、天板、底板、及び前記天板と前記底板との間に連結される取り外し可能なサイドプレートを含み、前記入出庫コンテナの入出庫箱本体は、同じ層の水平方向に平行配列された複数の前記スキッドマウント外箱と垂直し、且つ、内部空間が連通している。
【0034】
なお、ここで、入庫端の入出庫コンテナと出庫端の入出庫コンテナとは、同一の標準化されたコンテナに形成できることに留意されたい。異なる実施例では、スキッドマウント外箱の一端に位置する入出庫コンテナのみを含み、一端の入出庫コンテナのみを通して商品の出庫及び入庫の機能を同時に実現するようにしてもよく、スキッドマウント外箱の両端にそれぞれ位置する入出庫コンテナを含んで、商品の出庫及び入庫の機能を別々に実現するようにしてもよい。
【0035】
また、各入出庫コンテナは、各入出庫コンテナの内部配置に応じて、出庫機能のみを有してもよいし、入庫機能のみを有してもよいし、出庫及び入庫機能の両方を有してもよい。
【0036】
上記の出庫端位置と入庫端位置のアセンブリを独立した入出庫コンテナとして形成する技術案では、ピッキングロボットと出庫ステーション/入庫ステーションを、スキッドマウント外箱内ではなく、当該入出庫コンテナ内に配置することができる。倉庫保管システムを構築する場合、必要な数のモジュール化された保管コンテナとモジュール化された入出庫コンテナを設定の通りに組み合わせて構築すればよい。本明細書では、このようなモジュール化された構築案について、以下の説明でより詳細に議論する。
【0037】
図3図4及び図9に示すように、レールアセンブリ16は、前記スキッドマウント外箱10内に実装され、前記倉庫保管エリア28の収容箱12の上方に位置する。図示の実施例では、レールアセンブリ16は、3列の収容箱12の上方に対応して位置する3つのレールユニット62を備え、各レールユニットには、いずれも1つの箱取込ロボット18がスライド可能に実装されている。従って、係る実施例において、箱取込ロボット18は、合計3つであり、各箱取込ロボット18は1列の収容箱12に対応する。
【0038】
上記実施例では、3列の収容箱12、3つの出庫位置54、3つの入庫位置、3つのレールユニット62、及び3つの箱取込ロボット18が設けられ、且つ、互いに対応している。他の実施例では、N列の収容箱12、N個の出庫位置54、N個の入庫位置、N個のレールユニット62、及びN個の箱取込ロボット18が設けられ、且つ、互いに対応しており、Nは1以上の整数である。一部の他の実施例では、収容箱12の列数、出庫位置54の数、入庫位置の数、レールユニット62の数、及び箱取込ロボット18の数は、対応しなくてもよく、実際の状況に応じて選択することができる。
【0039】
図9に示すように、レールユニット62のうちの1つの部分構造の模式図である。レールユニット62は、横方向に間隔を置いて配置された2つのガイドレール64を含み、各ガイドレール64にはガイドレール溝66が設けられ、同一のレールユニット62の2つのガイドレール64のガイドレール溝66は、箱取込ロボット18と協働するように対向して配置される。各ガイドレールは、側壁67と、側壁67の上端及び下端から他方のガイドレール64に向かって延出する上辺68及び下辺69とを含み、側壁67、上辺68、及び下辺69が共にC字形の横断面を構成する。
【0040】
図3図4及び図10に示すように、箱取込ロボット18は、走行機構70と、前記走行機構70の下方に吊り下げられ、前記走行機構70に対して昇降可能な把持機構72とを備える。走行機構70は、レールアセンブリ16にスライド可能に実装されてレールアセンブリ16に沿って水平移動し、把持機構72が水平移動するように駆動する。走行機構70は、両側に走行ローラー74とガイドホイール76が設けられ、内部に走行ローラー74が転がるように駆動する駆動装置が設けられている。4つの走行ローラー74は走行機構70の両側に2つずつ設けられている。一方側の2つの走行ローラー74は、レールユニット62の一方のガイドレール64の下辺69上を走行し、他方側の2つの走行ローラー74は、レールユニット62の他方のガイドレール64の下辺69上を走行する。一方、両側のガイドホイール76は2つのガイドレールの側壁67上を走行する。内部の駆動装置によって走行ローラー74が駆動され、走行機構70はガイドレールに沿って縦方向に移動可能である。
【0041】
駆動装置の駆動により、4つの走行ローラー74が同期して動力を得てレール内を移動し、箱取込ロボット18の荷重が4つの走行ローラー74に比較的均一に分散される。走行ローラー74がレール内を移動するため、ローラーとガイドレールの側壁67との接触が発生する可能性がある。それに対して、ガイドホイール76はこの問題を解決することができる。ガイドホイール76の作用下で、走行ローラー74とガイドレールの側壁67との間に安定した距離を維持し、車体の震え低減及び制御することができ、車体の安定性を高め、箱取込ロボット18の下の収容箱12の不利な揺れを回避することができる。
【0042】
図11に示すように、把持機構72は、つかみ手プラットフォーム78、つかみ手80、及び位置合わせ機構を備える。
【0043】
つかみ手プラットフォーム78と走行機構70との間には、つかみ手プラットフォーム78を昇降させるための昇降機構が設けられている。図示の実施例において、昇降機構は、リフトバー82及びリフト駆動装置を備える。リフトバー82の上端はリフト駆動装置に接続され、リフトバー82の下端はつかみ手プラットフォーム78に固定される。リフト駆動装置がリフトバー82を上方に引上げたり下方に下ろしたりすることにより、つかみ手プラットフォーム78の昇降を実現することができる。図示の実施例では、リフト駆動装置は、走行機構70内に配置され、駆動モータと、駆動モータに接続された巻上機とを備え、リフトバー82の上端は巻上機に巻き取られ、巻上機は駆動モータの駆動により巻取り動作を行い、リフトバー82の引上げ及び下ろし動作を実現する。リフトバー82は、他の柔軟なスチールバーやスチールロープ等であってもよい。
【0044】
つかみ手80は、つかみ手プラットフォーム78の側辺に設けられ、収容箱12の側壁42を掴むために使用される。図示の実施例では、つかみ手80は、2つ配置され、つかみ手プラットフォーム78の対向する両側辺にそれぞれ位置し、収容箱12の2つの把持孔52をそれぞれ掴むために使用される。つかみ手プラットフォーム78には、つかみ手80を駆動して把持位置と解放位置との間で回動軸86の周りを回動させるためのつかみ手駆動装置がさらに設けられている。ここで、把持位置では、つかみ手80が把持孔52内に進入するまで回動され、解放位置では、つかみ手80が把持孔52から退出するまで外側に回動される。つかみ手駆動装置は、任意の適切な形態で実施することができる。図示の実施例では、つかみ手駆動装置は、モータ84と、モータによって駆動されるリンク機構とを備え、リンク機構のリンク85のうちの1つがつかみ手80の上端に連結される。モータ84がリンク機構を駆動して移動させると、リンク85はつかみ手が把持位置と解放位置との間で回動軸86の周りを回動するように駆動する。
【0045】
同時に、図12及び図13を参照すると、位置合わせ機構は、つかみ手プラットフォーム78のコーナー位置に配置された複数の位置合わせ部材90を備える。図示の実施例では、位置合わせ部材90の数は、4つであり、収容箱12の4つの角にそれぞれ対応する。各位置合わせ部材90は、垂直下向きに延出する垂直延出部92と、前記垂直延出部92の底端から下向き及び外向きに延出する位置合わせ傾斜面94とを含む。把持機構72が1つの収容箱12を把持した後、位置合わせ部材90の全ての垂直延出部92は収容箱12の側壁の外表面に当接し、且つ、垂直延出部90の下向きに延出する長さは、位置合わせ傾斜面94が全て掴まれた収容箱12の底部の下方に位置するように設定される。
【0046】
掴まれた収容箱12を1つの下方の収容箱12に積み重ねる過程で、掴まれた収容箱12と下方の収容箱12が真向きではない場合、掴まれた収容箱12のボス50は下方の収容箱12の開口48からずれてしまい、正常な積み重ねを実現することができない。この時、位置合わせ傾斜面94が下方の収容箱12の側壁の上縁にスライド接触することにより、水平面上で上方の収容箱12の位置を微調整し、掴まれた収容箱12が下方の収容箱12と位置合わされる。本出願では、把持機構72に位置合わせ機構を配置して鉛直方向での正確な位置合わせを実現し、箱取込ロボット18に高コストの位置検出機構を配置する必要がなく、コストを効果的に低減する。
【0047】
図示の実施例では、各位置合わせ部材90の垂直延出部92は、第1位置合わせ板92Aと第2位置合わせ板92Bとを備える。第1位置合わせ板92A及び第2位置合わせ板92Bは、位置合わせ部材90の水平面に平行な横断面がL字状となるように互いに垂直である。第1位置合わせ板92A及び第2位置合わせ板92Bは、把持された収容箱12の2つの隣接する側壁の外表面、即ち、角のうちの1つを形成する2つの隣接する側壁の外表面に当接するためのものである。従って、位置合わせ傾斜面94は、第1位置合わせ板92Aの底端から下向き及び外向きに延出する第1位置合わせ傾斜面94Aと、第2位置合わせ板92Bの底端から下向き及び外向きに延出する第2位置合わせ傾斜面94Bとを含む。
【0048】
各位置合わせ部材90の第1位置合わせ傾斜面94Aと第2位置合わせ傾斜面94Bとは、交差するか、又はそれらの間に小さなギャップ(交差と見なすことができる)がある。各位置合わせ部材90に対して、その第1位置合わせ板92Aと第2位置合わせ板92Bは第1交差線92Cを有し、その第1位置合わせ傾斜面94Aと第2位置合わせ傾斜面94Bは第2交差線94Cを有し、第1交差線92Cと第2交差線94Cは同一の鉛直平面内に位置している。このように、第1位置合わせ傾斜面94Aと第2位置合わせ傾斜面94Bを利用して上下の2つの収容箱12の相対位置をスムーズに補正することができる。
【0049】
位置合わせ機構は、各位置合わせ部材90に対応して、つかみ手プラットフォーム78に固定される1つの実装部材96が配置される。位置合わせ部材90は、実装部材96を利用してつかみ手プラットフォーム78に実装される。
【0050】
把持機構72が1つの収容箱を把持してある収容箱位置に移動した場合、当該収容箱は別の収容箱の上に位置する(即ち、収容箱は高さ方向で第1層の上に位置する)か、プラットフォーム又は地面上に直接載置する(即ち、収容箱は高さ方向で第1層に位置する)可能性がある。後者の場合、位置決め部材90は最初にプラットフォーム又は地面に接触し、その結果、位置決め部材90が既にプラットフォーム又は地面に接触している場合、把持された収容箱はプラットフォーム又は地面と接触することができない。この時点でつかみ手80を軽率に解放すると、収容箱12がプラットフォーム又は地面に落下し、収容箱12内の商品に損傷を与える恐れがある。従って、本出願では、実装部材96と位置合わせ部材90との間にスライドレールアセンブリを設けて、プラットフォーム又は地面の反力の作用下で位置決め部材90が上方にスライドし、収容箱12をゆっくりと着地させることができる。上記のように、掴まれた収容箱12を下方の収容箱12に積み重ねる過程で、掴まれた収容箱12と下方の収容箱12が真向きでないと、位置決め部材90の位置合わせ傾斜面94が下方の収容箱12の側壁の上縁にスライド接触し、その時、下方の収容箱12の側壁の上縁は位置合わせ傾斜面94に1つの斜め上方の推力を与える。この推力が位置決め部材90を押し上げて上方にスライドするのを防止するために、本出願では、スライドレールアセンブリの減衰力を、前記下方の収容箱が位置合わせ傾斜面94に加える推力の鉛直方向の成分力よりも大きく設計される。
【0051】
図13に示すように、実装部材96及びスライドレールアセンブリがより明確に示されるように図面から位置決め部材90が取り除かれている。実装部材96はつかみ手プラットフォーム78から垂直下向きに延出され、前記スライドレールアセンブリは、実装部材に固定された第1ガイドレール98Aと、位置合わせ部材90に固定された第2ガイドレール98Bとを含み、前記第1ガイドレール98Aと第2ガイドレール98Bとはスライド可能に組み合わされる。図示の実施例では、第1ガイドレール98Aは、2つの凸ブロックを含み、各凸ブロックの第2ガイドレール98Bに面する表面にガイド溝が形成され、第2ガイドレール98Bは2つの凸ブロックのガイド溝にスライド可能に収容される。さらに、つかみ手プラットフォーム78は、各位置合わせ部材90に対応して1つの実装孔99が設けられ、位置合わせ部材90は前記実装孔99にスライド可能に実装される。図示の実施例では、実装孔99はL字状である。
【0052】
図14乃至図16に関連して、ピッキングロボット20は、移動台100とロボットハンド102とを備える。移動台100は、収容箱12に対して移動可能である。ロボットハンド102は、移動台100と共に移動できるように移動台100に支持されている。
【0053】
ロボットハンド102は、収容箱における注文商品を少なくとも1つの搬出口104にピッキングするために使用される(図1及び図3)。ユーザが商品を注文した後、当該注文商品が入った収容箱12は箱取込ロボット18によって出庫ステーション14の出庫位置54に搬送され、その後に、ユーザが受け取るように、ロボットハンド102が当該収容箱12から当該注文商品を搬出口104にピッキングする。
【0054】
上記のように、出庫ステーション14は、複数の出庫位置54を有し、各出庫位置54は1つの収容箱12を受け取るためのものである。移動台100はこれらの出庫位置54の配列方向に沿って移動可能であるため、注文商品が配置されている収容箱12がロボットハンド102から遠く離れている場合、移動台100は当該収容箱12に向かってスライドすることができ、ロボットハンド102を長くする必要なしに、ピッキング操作を改善できる。
【0055】
ピッキングロボット18は、スキッドマウント外箱10内に位置し、移動台100は固定台106に移動可能に支持され、固定台106はスキッドマウント外箱10内の出庫ステーション14に近接する位置に固定的に載置される。固定台106には支持台面108が設けられ、支持台面108と移動台100のうちの一方にガイドレールが設けられ、支持台面108と移動台100のうちの他方にガイド溝が設けられ、ガイドレールは前記ガイド溝内にスライド可能に収容されることで、固定台106上の移動台100の移動が実現される。
【0056】
図示の実施例では、移動台100の底面の両側の縁部それぞれに、少なくとも1つの凸ブロック110が設けられ、各凸ブロック110には1つの凹溝112が設けられ、前記凹溝112が前記ガイド溝を形成する。図15に示すように、移動台100の底面には4つの凸ブロック110が設けられ、そのうちの2つの凸ブロック110の凹溝112が1つのガイド溝を形成し、他の2つの凸ブロック110の凹溝112が他のガイド溝を形成する。固定台106の支持台面108上には2つのガイドレールが対応して固定実装される。支持台面108の4つのコーナー位置には、移動台100の移動を制限するために、1つのストッパー116がさらにそれぞれ設けられている。
【0057】
支持台面106には、ピッキングロボット20の移動方向に平行なラック118が設けられている。移動台100には、モータ120が設けられ、モータ120の出力軸にはギア122が固定配置され、ギア122は出力軸に伴って回動することができる。ギア122はラック118に噛み合わされる。ギア122がモータ120に駆動されて回動する場合、ギア122はラック118に沿って走行し、それによって移動台100を移動させる。もちろん、ギアとラックの組み合わせ案は一例に過ぎず、他の実施例では、移動台100は他の適切な駆動技術案を採用することができる。
【0058】
図示の実施例では、図1及び図3に示すように、搬出口104の数は4つであり、他の実施例では、搬出口104の数は他の数であってもよく、本出願はこれらに限定されない。
【0059】
また、図示の実施例では、ピッキングロボット18は、出庫ステーション14と搬出口104との間に位置し、且つ、搬出口104はスキッドマウント外箱10の外側に位置する。他の実施例では、搬出口104は、スキッドマウント外箱10の内側に位置してもよい。
【0060】
上記のピッキングロボット18の説明により、本出願では、このような自動倉庫保管システムの商品ピッキングアセンブリも開示する。
【0061】
当該商品ピッキングアセンブリは、商品を収容するための少なくとも1つの収容箱12と、前記少なくとも1つの収容箱12からの商品を受け取るための少なくとも1つの搬出口104(例えば、図示の4つの搬出口)と、ピッキングロボット18とを備え、
前記ピッキングロボット18は、前記収容箱12に対して移動可能な移動台100と、前記移動台100に伴って移動可能に前記移動台に支持されたロボットハンド102とを備え、前記ロボットハンド102は、前記収容箱12における注文商品を前記搬出口104にピッキングするために使用される。
【0062】
上記の自動倉庫保管システムの商品ピッキングアセンブリは、示された可動式密集保管及びピッキング装置に加えて、他の実施例では、他の自動倉庫保管システムにも適用することができる。
【0063】
要約すると、本発明の上記実施例は、可動式密集保管及びピッキング装置を提供しており、当該可動式密集保管及びピッキング装置は、スキッドマウント外箱と、複数の収容箱と、出庫ステーションと、レールアセンブリと、箱取込ロボットと、ピッキングロボットとを備える。当該スキッドマウント外箱は、内部に1つの倉庫保管エリアを有し、出庫端を定義している。複数の収容箱は、前記倉庫保管エリアに位置し、各収容箱は商品を収容するために使用される。出庫ステーションは、前記スキッドマウント外箱の出庫端に位置している。前記レールアセンブリは、前記スキッドマウント外箱内に実装され、前記収容箱の上方に位置する。前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリにスライド可能に実装され、前記収容箱の上方に位置し、前記箱取込ロボットは、注文商品が配置されている収容箱を前記倉庫保管エリアから前記出庫ステーションまで搬送するために使用される。前記ピッキングロボットは、前記スキッドマウント外箱内に位置し、前記出庫ステーションに近接して配置され、前記ピッキングロボットは、前記出庫ステーション上に位置している収容箱から前記注文商品をピッキングするために使用される。前記可動式密集保管及びピッキング装置は、自動小売車又は展示車等として実現することができ、スキッドマウント外箱を採用し、ほとんどの部品はスキッドマウント外箱内に実装され、倉庫保管システム全体の可動機能を実現できる。その他に、箱取込ロボットの把持機構の位置合わせ機構を配置することにより、鉛直方向での正確な位置合わせを実現でき、箱取込ロボットに高コストの位置検出機構を配置する必要がなく、効果的にコストダウンを図ることができる。そして、スライド可能なピッキングロボットの設計により、ロボットハンドを長くすることなく、ピッキング操作を向上させることができる。
【0064】
なお、上記可動式密集保管及びピッキング装置における収容箱の保管及びピッキングは、標準化された互いに独立するコンテナ構成部分として形成できることに留意されたい。例えば、スキッドマウント外箱、収容箱、レールアセンブリ、及び箱取込ロボットを共通に独立した標準保管コンテナとして形成することができる。また、入出庫ステーション及びピッキングロボットを共通に標準化、独立した入出庫コンテナとして形成することができる。さらに、レール交換ロボット、レール交換レール等のレール交換アセンブリを共通に標準化、独立したレール交換コンテナとして形成して、必要な倉庫保管システムの容量ニーズに応じて対応する数のコンテナ構成部分を選択して接ぎ合わせるのに便利である。また、実際の状況に応じて、入出庫コンテナ内のアセンブリとレール交換コンテナ内のアセンブリとを同一のコンテナ内に統合してもよい。また、レール交換アセンブリを配置しないか、又はレール交換アセンブリを入出庫コンテナ内に統合しなくてもよい。
【0065】
図17乃至図20を参照すると、本発明の実施例が提供する複合型倉庫保管システムは、複数の保管コンテナ200と、少なくとも1つのレール交換コンテナ202と、少なくとも1つの入出庫コンテナ204とを備える。
【0066】
図17に示すように、水平面上で、複数の保管コンテナ200が保管コンテナ200の長さ方向及び幅方向に沿って組み合わされ、1つ又は複数のレール交換コンテナ202が複数の保管コンテナ200の長さ方向の両端に配置され、1つ又は複数の入出庫コンテナ204がレール交換コンテナ202の外側に配置される。図示の実施例では、保管コンテナ200、レール交換コンテナ202、及び入出庫コンテナ204は、標準化コンテナであり、数は必要及び設定された接ぎ合わせ方法に応じて増減される。例えば、幅方向に組み合わせた保管コンテナ200の数に応じて、レール交換コンテナ202の組み合わせ数もそれに対応して変化し、同様に、入出庫コンテナ204の組み合わせ数もそれに対応して変化する。
【0067】
図18に示すように、複合型倉庫保管システムはコンテナの高さ方向に1層又は多層配置され、各層のレイアウトは図17を参照すればよい。
【0068】
図19及び図20は、簡略化した実施例によって本出願の組み合わせ構造及び原理を詳細に説明している。図19の例は、二層構造であり、同じ層の保管コンテナ200は5個であり、保管コンテナ200の幅方向に沿って組み合わされ、保管コンテナの両端それぞれに1つのレール交換コンテナを有し、レール交換コンテナは保管コンテナ200と垂直に配置されている。この実施例において、レール交換コンテナと入出庫コンテナが1つに組み合わされている。即ち、レール交換コンテナ内のアセンブリと入出庫コンテナ内のアセンブリは同一のコンテナ内に統合されている。そのため、このコンテナは、入出庫機能を有する(入出庫装置を有する)レール交換コンテナと呼んでもよく、レール交換機能を有する(レール交換アセンブリを有する)の入出庫コンテナと呼んでもよい。説明の便宜上、本実施例では、このコンテナをレール交換コンテナ202と呼ぶ。
【0069】
複数の前記保管コンテナ200が組み合わされて1つの組み合わせ保管エリアを形成し、前記組み合わせ保管エリア内には、レールアセンブリ206と、レールアセンブリ206上に位置する箱取込ロボット208と、箱取込ロボット208の下方に位置する複数の収容箱210とが含まれ、前記収容箱210は貨物を格納するためのものである。箱取込ロボット208は、レールアセンブリ206上を往復走行して、前記収容箱210に対して保管・取出操作を実行することができる。上記レールアセンブリ206、箱取込ロボット208、及び収容箱210の構造及び原理は、図1乃至図16に例示された実施例における関連要素と一致することができるので、その詳細は繰り返さない。
【0070】
上記組み合わせ保管エリアは、各コンテナによって形成される保管エリアの合計として理解されるべきである。図示の実施例では、組み合わせ保管エリアは、5個のサブ保管エリア212を含み、各サブ保管エリアは1つの保管コンテナ200から形成される。各サブ保管エリア212には、いずれも上記レールアセンブリ206、箱取込ロボット208、及び収容箱210が設けられている。
【0071】
保管コンテナ200は、コンテナ箱本体を備え、コンテナ箱本体は、底板214、天板216、天板216と底板214の長辺に連結される2つのサイドプレート218、及び天板216と底板214の短辺に連結される2つのエンドプレート220を含む。レールアセンブリ206、箱取込ロボット208、及び収容箱210は、いずれも保管コンテナ200のコンテナ箱本体内に配置される。保管コンテナ200を輸送する前に、少なくともレールアセンブリ206がコンテナ箱本体内に実装されている。例えば、接続部材を介してコンテナ箱本体の天板216又はサイドプレート218に実装されている。レールアセンブリ206のレールは保管コンテナ200の長さ方向に沿って延出される。
【0072】
保管コンテナ200と同様に、レール交換コンテナ202も底板214、天板216、天板216と底板214の長辺に連結される2つのサイドプレート218、及び天板216と底板214の短辺に連結される2つのエンドプレート220を含む。レール交換コンテナ202が保管コンテナ200の長さ方向の一端に組み立てられた後、当該レール交換コンテナ202の内部空間はこれらの保管コンテナ200の内部空間(即ち、サブ保管エリア212)と連通する。レール交換コンテナ202内には、レール交換装置が設けられ、レール交換装置は、少なくとも1つの保管コンテナ200内の箱取込ロボット208を前記箱取込ロボットが位置している現在の走行レールから目標走行レールに切り替えるために使用される。図示の実施例では、図20に示すように、レール交換装置は移行レール222とレール交換ロボット224を備える。レール交換コンテナ202を輸送する前に、少なくとも移行レール222が既にレール交換コンテナ202内に実装されている。例えば、接続部材を介してレール交換コンテナ202のコンテナ箱本体の天板216又はサイドプレート218に実装される。レール交換ロボット224は、前記移行レール222上に位置し、前記移行レール222上を往復移動可能である。前記レール交換ロボット224は、前記箱取込ロボットを受け取り、前記箱取込ロボットを前記移行レール222に沿って前記目標走行レールに搬送するように構成される。レール交換ロボット224には、前記レールアセンブリ206の末端とマッチングするドッキングレール226が設けられている。
【0073】
移行レール222は、レール交換コンテナ202の長さ方向に沿って延出され、各列の保管コンテナ内の走行レール206と垂直である。レール交換ロボット224は、車体と、移行レールに適合するように車体に実装された走行機構とを備え、走行機構は、駆動装置に接続され、駆動装置によって駆動され、レール交換ロボットが移行レールに沿って往復移動するように駆動する。ここで、レール交換ロボット224の車体には、前記ドッキングレール226が配置され、レール交換ロボット224が移行レール222に沿って1列の保管コンテナにおける走行レール206と真向くまで移動した場合、ドッキングレール226は、保管コンテナにおける走行レール206が位置する高さとちょうど同じ高さになり、レール交換ロボット224の車体におけるドッキングレール226は当該列の保管コンテナにおける走行レールの末端と位置合わされて互いに接続される。この時、保管コンテナ内の箱取込ロボット208が容易に走行レール206に沿ってレール交換ロボット224におけるドッキングレール226に直接スライドすることができる。レール交換ロボット224を再駆動して移行レールに沿って走行させる場合、レール交換ロボット224が1つの異なる列の保管コンテナにおける走行レールに真向くように変更することができ、レール交換ロボット224の車体におけるドッキングレール226は当該列の保管コンテナにおける走行レールの末端に位置合わされて互いに接続される。この時、保管コンテナ内の箱取込ロボット208が容易にレール交換ロボットにおけるドッキングレール226から当該異なる列の保管コンテナ内の走行レールにスライドすることができ、箱取込ロボット208がレール交換コンテナ202を介した異なる列の保管コンテナのレールアセンブリ206間の切り替えを実現できるようにする。レール交換機構の構造及び原理については、本出願人が2018年7月24日に出願した発明の名称が「立体倉庫保管システム」の中国発明特許出願に詳細に記載されており、当該中国発明特許出願の全内容は参照によりここに援用される。
【0074】
上記のように、図19に示す実施例では、入出庫コンテナの機能がレール交換コンテナ202に統合されている。レール交換コンテナ202には、貨物の入出庫操作を実行するための入出庫装置が配置される。図示の実施例では、入出庫装置は、前記入出庫コンテナ/レール交換コンテナ202の底板214に配置され、移行レール222の下方に位置する、収容箱を一時的に格納するための載物台228を備える。前記入出庫装置は、レール交換コンテナ202を複数の保管コンテナ200の一端に実装する前に前記レール交換コンテナ202内に実装されている。保管コンテナ200内の収容箱210は箱取込ロボット202によって取り出され、レール交換ロボット224は箱取込ロボット202を搭載して移動させ、収容箱210を載物台の指定位置に載置させる。この時、入出庫コンテナ/レール交換コンテナ202に作業員又はロボットを配置して貨物のピッキング動作を行うことができる。入出庫コンテナ/レール交換コンテナ202に、収容箱を搬送して入出庫させるための貨物輸送機器をさらに配置してもよい。入出庫装置の一実施形態として、図19に固定式入出庫、即ち収容箱が載物台で動かない入出庫を例示する。
【0075】
図21は、組立ライン型の入出庫装置である別の入出庫装置を例示する。本明細書では2つの入出庫形態を例示したが、入出庫装置は、貨物の入出庫機能を実現できれば、より多くの実施形態を有してもよいことを理解すべきである。また、いずれも「入出庫装置」と呼ばれているが、状況によっては、出庫機能のみ、入庫機能のみ、又は出庫と入庫機能の両方を実現することができる。
【0076】
図22図21と類似しているが、各層に2つの入出庫コンテナが表示されている点が異なる。
【0077】
図19乃至図22の実施例では、レール交換コンテナ202内に入出庫装置を同時に有する。即ち、レール交換機能及び入出庫機能を同時に有するコンテナと保管コンテナ200を組み合わせる。他の実施例では、レール交換機能を有しなく、入出庫機能のみを有するコンテナと保管コンテナ200を組み合わせる。即ち、レール交換機能を有しない入出庫コンテナ202と保管コンテナ200を組み合わせる。
【0078】
従って、本発明の一実施例が提供する複合型倉庫保管システムは、複数の保管コンテナと少なくとも1つの入出庫コンテナを備え、
複数の前記保管コンテナが組み合わされて1つの組み合わせ保管エリアを形成し、前記組み合わせ保管エリア内には、レールアセンブリと、前記レールアセンブリ上に位置する箱取込ロボットと、前記箱取込ロボットの下に位置する複数の収容箱とが配置され、前記収容箱は、貨物を格納するためのものであり、前記箱取込ロボットは、前記レールアセンブリ上を往復走行して前記収容箱に対する保管・取出操作を実行することができ、前記レールアセンブリは、前記保管コンテナの板体に固定され、
前記入出庫コンテナ内には、貨物の入出庫操作を実行するための入出庫装置が設けられ、前記入出庫コンテナの内部空間は前記組み合わせ保管エリアと連通され、前記箱取込ロボットが前記組み合わせ保管エリアと前記入出庫装置との間で収容箱を搬送できるようになっている。ここで、入出庫装置は前述実施例の入出庫装置と同じであり、さらに繰り返して説明しない。レール交換装置がない場合、箱取込ロボットは貨物を入出庫装置に直接搬送する。例えば、レール交換ロボットの協力を必要せず、載物台に搬送する。
【0079】
前記保管コンテナの幅方向に沿って組み合わされる複数の保管コンテナを有する場合、前記入出庫コンテナは、前記幅方向に沿って組み合わされる前記複数の保管コンテナと垂直であり、且つ、前記入出庫コンテナの内部空間は前記幅方向に沿って配列された前記複数の保管コンテナによって形成される内部空間と連通する。
【0080】
少なくとも2つの入出庫コンテナを有する場合、前記少なくとも2つの入出庫コンテナは前記入出庫コンテナの長さ方向に沿って組み合わされ、且つ、前記少なくとも2つの入出庫コンテナが組み合わされる時、隣接するエンドプレートは取り外されて内部を互いに連通させる。
【0081】
図23は、複合型倉庫保管システムの組立方法である。この方法は、以下のステップを含む。
【0082】
複数の保管コンテナを組み合わせて1つの組み合わせ保管エリアを形成することであって、各保管コンテナは、長さ方向と幅方向を定義し、組み合わせた後の複数の保管コンテナは、1層又は多層の保管コンテナを含み、各層は、前記幅方向に沿って平行に配列し組み合わされた複数の保管コンテナを含み、前記組み合わせ保管エリア内には、箱取込ロボットが走行するためのレールが配置され、前記レールは複数の前記保管コンテナを組み合わせる前に複数の前記コンテナ内に実装されていることと、
レール交換コンテナを各層の複数の保管コンテナの前記長さ方向における少なくとも一方の端部に実装して、前記レール交換コンテナ内の空間と同じ層の前記保管コンテナ内の空間とを連通させ、前記レール交換コンテナ内の移行レールを同じ層の前記保管コンテナ内のレールに垂直させることであって、前記移行レールは、レール交換ロボットが往復走行するように構成され、前記レール交換コンテナ内の移行レールは前記レール交換コンテナを複数の前記保管コンテナの前記端部に実装する前に前記レール交換コンテナ内に固定されていることとを含む。
【0083】
上記のように、各保管コンテナ及びレール交換コンテナは、いずれもコンテナ箱本体を備え、前記コンテナ箱本体は、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含む。レール交換コンテナ202と保管コンテナ200を組み立てる場合、レール交換コンテナ202の前記保管コンテナ200に面する1つのサイドプレートが取り外され、レール交換コンテナ202と内部が連通する各保管コンテナ200の前記レール交換コンテナ202に面する1つのエンドプレートが取り外され、このような内部空間の連通を実現し、箱取込ロボット208を保管コンテナ200からレール交換コンテナ202に走行させることができる。
【0084】
レール交換コンテナ202の長さ方向に沿って少なくとも2つのレール交換コンテナ202を組み合わせる場合(図17及び図18を参照)、前記少なくとも2つのレール交換コンテナ202が組み合わされる時に隣接するエンドプレートが取り外され、隣接するレール交換コンテナの内部空間の連通が実現される。
【0085】
入出庫コンテナ204とレール交換コンテナ202とが独立して配置される場合、当該組立方法は、入出庫コンテナ204をレール交換コンテナ202の外側に平行に配置し、且つ、入出庫コンテナ204の数をレール交換コンテナの数と一致させることをさらに含む。同様に、入出庫コンテナのコンテナ本体も、底板、天板、前記底板と天板の長辺を連結する2つのサイドプレート、及び前記底板と天板の短辺を連結する2つのエンドプレートを含む。入出庫コンテナ204はその長さ方向に沿って組み合わされる場合、隣接するエンドプレートが取り外され、隣接する入出庫コンテナ204の内部空間の連通が実現され、レール交換コンテナと入出庫コンテナとが組み立てる場合、前記レール交換コンテナ202と前記入出庫コンテナ204の隣接するサイドプレートが取り外され、両者間の内部空間の連通が実現される。
【0086】
前記保管コンテナ200はその長さ方向に組み合わされる場合、隣接するエンドプレートが取り外され、隣接する保管コンテナ200の内部空間の連通が実現される。
【0087】
多層配置される場合、コンテナのコーナーピースが揃うようにコンテナを整列させ、コンテナのコーナーピースは高さ方向で接続部材を介して固定され、コンテナの間隙はシール部材でシールされる。
【0088】
上記の実施例において、組立時に、各コンテナを密集に組み合わせ、各コンテナの一部の板体が取り外される以外、保管コンテナ200それぞれの容積は変化しない。各サブ保管エリアは保管コンテナ200のうちの1つから形成され、組み合わせ保管エリアの合計容積は、基本的に全ての保管コンテナ200の容積の和に等しい。しかし、幾つかの他の実施例では、組み合わせ保管エリアの総容積は、全ての保管コンテナの容積の和よりも大きくてもよい。
【0089】
図24及び図25は、別のコンテナの組み立て又は接ぎ合わせ方法を示す。ここで、複数の前記保管コンテナを組み合わせることは、隣接する保管コンテナ間が距離を置いて隔てるように、複数の保管コンテナを前記保管コンテナの幅方向に平行に配列することと、水平に配置された板体を利用して、隣接する2つの保管コンテナ間を架け渡すこととを含む。
【0090】
前述の組立方法の実施例における保管コンテナの密集組み合わせとは異なって、本実施例では、隣接する保管コンテナ間に距離を置いた後、水平の板体を利用して当該距離を架け渡すようにして、当該板体の下方により多くの貨物を保管するための追加的なサブ保管エリアを形成することができる。ここで、当該水平に配置される板体は、様々な実施形態を有することができ、図24及び図25には2つの形態が示され、次のように説明する。
【0091】
図24に示すように、ステップ24(a)では、まず、保管コンテナ200を提供する。保管コンテナ200のコンテナ本体は、底板214、天板216、及び天板216と底板214の長辺に連結される2つのサイドプレート218を有する。そのうちの一方のサイドプレート218の一方の辺230は保管コンテナ200の上部に回動可能に接続される。
【0092】
ステップ24(b)では、各保管コンテナ200の前記サイドプレート218の他方の辺を水平状態となるように外向き及び上向きに90度回動させる。
【0093】
ステップ24(c)では、サイドプレート218の他方の自由辺が、水平状態に維持されるように、隣接する保管コンテナによって支持接続される。複数の保管コンテナが保管コンテナの幅方向に沿って接ぎ合わせるように順次接続する。このように、水平状態に反転した各サイドプレート218の下方にはいずれも追加的な収容箱を保管することができる追加的なサブ保管エリアが形成される。
【0094】
ステップ24(d)では、同様の方法で別の層構造を接ぎ合わせて、多層倉庫保管システムを実現する。
【0095】
図24の実施例では、板体が保管コンテナの反転可能なサイドプレートである。総合的には、各保管コンテナ200は、片側のサイドプレートを展開することで2つのサブ保管エリアを形成する。即ち、同じ保管コンテナ数で2倍の収容箱保管空間を実現する。なお、上記のステップは実行順序を限定するものではない。例えば、ステップ24(b)及び24(c)では、まず、水平状態に反転されたサイドプレート218を1つの隣接する保管コンテナに支持接続した後、当該隣接する保管コンテナのサイドプレート218を反転してもよい。保管コンテナを輸送する前に、サイドプレート218の内側には、箱取込ロボット208が走行するためのレールが実装されている。反転後に、レールは水平に配置されたサイドプレート218の下表面に位置する。従って、この実施例では、保管コンテナの天板と反転する必要がある1つのサイドプレートに、予めレールを実装しておく。
【0096】
図25に示すように、ステップ25(a)では、まず、1つの保管コンテナ200を提供する。保管コンテナ200のコンテナ本体は、底板214、天板216、及び天板216と底板214の長辺に連結される2つのサイドプレート218を有する。各サイドプレート218の一方の辺230は保管コンテナ200の上部に回動可能に接続される。
【0097】
ステップ25(b)では、当該保管コンテナ200の2つのサイドプレート218の他方の辺を水平状態となるように外向き及び上向きに90度回動させる。
【0098】
ステップ25(c)では、隣接する1つの保管コンテナ200の2つのサイドプレート218も同様にして水平状態に反転される。隣接する2つの保管コンテナ200の間に1つの支持体232を提供する。本実施例では、複数の支持柱232である。
【0099】
ステップ25(d)では、前記2つのサイドプレート218の他方の辺は、前記2つのサイドプレート218が前記水平状態に維持されるようにドッキングされ、支持体232によって支持される。このように、水平状態に反転した各サイドプレート218の下方にはいずれも追加的なサブ保管エリアが形成され、隣接の2つの保管コンテナ200の間に追加的な収容箱を保管できる追加的な2つのサブ保管エリアを形成することに相当する。このようにして、より多くのコンテナを接ぎ合わせることができる。図示の実施例では、支持柱232が隣接する2つの保管コンテナ200の中央位置に位置している。
【0100】
ステップ25(e)では、同様の方法で別の層構造を接ぎ合わせて、多層倉庫保管システムを実現する。
【0101】
図25の実施例では、板体が保管コンテナの反転可能な2つのサイドプレートである。総合的には、各保管コンテナ200は、両側のサイドプレートを展開することで3つのサブ保管エリアを形成する。即ち、同じ保管コンテナ数で3倍の収容箱保管空間を実現する。なお、上記のステップは実行順序を限定するものではない。例えば、ステップ25(c)及び25(d)では、まず、保管コンテナの水平状態に反転されたサイドプレート218を支持体232によって支持した後、隣接する保管コンテナのサイドプレート218を反転してもよい。同様に、保管コンテナを輸送する前に、サイドプレート218の内側には、箱取込ロボット208が走行するためのレールが実装されている。反転後に、レールは水平に配置されたサイドプレート218の下表面に位置する。従って、この実施例では、保管コンテナの天板と2つのサイドプレートはいずれも予めレールを実装しておく。
【0102】
上記実施例では、標準化及びモジュール化された保管コンテナとレール交換コンテナを形成することで、標準化された保管コンテナとレール交換コンテナを設定された方法で積み重ね及び組み合わせ、且つ、標準化された保管コンテナの箱本体とレール交換コンテナの箱本体とを取り外し可能なサイドプレートを有するように形成して、保管コンテナとレール交換コンテナを積み重ね及び組み合わせる過程で、互いに隣接するサイドプレートを取り外した後に接続して内部空間が連通する一体複合型倉庫保管システムを容易に形成することができる。本発明はモジュール化とのアイデアを有し、拡張可能であり、コンテナの数や配列方式によって倉庫容量の大きさを調整することができる。前記保管コンテナ、レール交換コンテナ、及び入出庫コンテナはいずれも標準化コンテナであり、製造が容易で、コストが低く、固定が便利で、インフラストラクチャ建設の時間を節約し、自動化倉庫の迅速な配置と移動配置を実現する。
【0103】
本明細書に記載された概念は、その精神及び特性から逸脱しない限り、他の形態で実施可能である。開示された具体的な実施例は限定的ではなく例示的であると見なされる。従って、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付する特許請求の範囲によって決定される。請求項の文字通りの意味及び同等の範囲内の如何なる変更もこれらの特許請求の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
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図19
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図22
図23
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