(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】植え込みリード抜去のための画像ガイダンス
(51)【国際特許分類】
A61B 6/12 20060101AFI20231013BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20231013BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20231013BHJP
A61B 34/20 20160101ALN20231013BHJP
【FI】
A61B6/12
A61B6/03 360J
A61B6/03 377
G06T1/00 290A
A61B34/20
(21)【出願番号】P 2021516426
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 EP2019075268
(87)【国際公開番号】W WO2020064518
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2018-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】フラース ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】スハーフェル ディレク
(72)【発明者】
【氏名】ハーセ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ボウェ ウェイド アレン
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/035218(WO,A1)
【文献】特開2017-217474(JP,A)
【文献】国際公開第2009/119691(WO,A1)
【文献】特表2013-531525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
A61M 25/00 -25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抜去装置を使用して対象の体内のリードを抜去する抜去処置中に画像データを提供する装置において、前記装置は、
前記抜去処置中に前記対象の体内の前記リードのX線投影画像データのライブストリームを受信し、前記抜去処置を実行する前に取得された前記対象の体内の前記リードを表す3次元画像データを受信するように構成された入力部と、
前記抜去処置中に前記X線投影画像データの前記ライブストリーム内の前記抜去装置の位置を検出し、前記ライブストリーム内の前記位置を前記3次元画像データ内の位置と関連付けることによって、前記3次元画像データ内の前記抜去装置の位置を決定するように構成された処理ユニットと、
前記抜去装置の少なくとも1つのパラメータを制御するように構成されたインタフェースを有する出力部と、
を有し、
前記処理ユニットは、i)前記抜去装置の前記決定された位置における又はその近くの血管及び/又はプラーク特性を決定するように、及びii)前記特性を考慮に入れることによって、前記抜去装置の前記少なくとも1つのパラメータを制御するように更に構成される、
装置。
【請求項2】
前記出力部は、前記3次元画像データに基づいて、前記決定された位置において、前記リード及び/又は前記リードを取り囲む身体構造の断面ビューの画像を生成及び出力するように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記リードの長手方向及び/又は前記身体構造の長手方向における、前記3次元画像データにおける前記抜去装置の前記決定された位置から前方に離間された、又は前記決定された位置の周りに離間された複数の場所において、前記リード及び/又は前記身体構造の断面ビューの複数の画像を生成及び出力するように構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記3次元画像データに基づいて、前記抜去装置の前記決定された位置における前記リード及び/又は前記身体構造の長手方向ビューの更なる画像を生成及び出力するように構成される、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記抜去装置の前記少なくとも1つのパラメータは、前記抜去装置の出力設定及び/又はオン/オフ設定及び/又は角度的出力分布を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記処理ユニットは、前記検出された位置が、低い接着性を有する領域及び/又は硬いプラークの後のより柔らかい領域に対応する場合に、前記抜去装置を停止するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、前記3次元画像データを処理するためのプリプロセッサを有し、前記処理は、前記3次元画像データから前記リードをセグメント化してセグメント化された3次元画像を提供することを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記処理ユニットは、前記セグメント化された3次元画像を前記X線投影画像データのライブストリームに位置合わせして、前記X線投影画像データのライブストリーム内の前記抜去装置の前記検出された位置を前記3次元画像データ内の位置と関連付けるように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プリプロセッサは
、前記リードの3次元パラメトリックモデルを前記セグメント化3次元画像に適合させるように構成され、
前記適合された3次元パラメトリックモデルが、前記抜去処置を実行する前に前記対象の体内に存在する前記リードの空間構成を表し、前記処理ユニットは、前記適合された3次元パラメトリックモデルを前記X線投影画像データのライブストリームに位置合わせして、前記X線投影画像データのライブストリーム内の前記抜去装置の前記検出された位置を前記3次元画像データ内の位置と関連付けるように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記プリプロセッサは、前記3次元画像デー
タに基づいて、前記リードに沿った長手方向位置の関数としてパラメータを決定するように構成され、前記出力部は、前記抜去装置の前記決定された位置における又はその前方の長手方向位置に対応する前記パラメータを出力するように構成され、前記パラメータは、前記リードの局所的な湾曲及び/又は局所的な接着の程度、及び/又は前記血管壁に対する前記リードの近接性を有する、請求項7
又は8に記載の装置。
【請求項11】
前記プリプロセッサは、前記3次元画像データ及び/又は前記適合された3次元パラメトリックモデルに基づいて、前記リードに沿った長手方向位置の関数としてパラメータを決定するように構成され、前記出力部は、前記抜去装置の前記決定された位置における又はその前方の長手方向位置に対応する前記パラメータを出力するように構成され、前記パラメータは、前記リードの局所的な湾曲及び/又は局所的な接着の程度、及び/又は前記血管壁に対する前記リードの近接性を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プリプロセッサは、前入力部を介して受信された3次元画像データの時間シーケンスから前記血管壁に対する前記リードの局所的な動きを定量化し、前記局所的な動きに基づいて局所的な接着の程度を決定することによって、前記血管壁に対する前記局所的な接着の程度を決定するように構成される、請求項10
又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記3次元画像データが、前記対象の胸部及び心臓のコントラスト強調心臓コンピュータ断層撮影データセットを有する、請求項1乃至
12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
情報を提供し、及び/又は手術室、インターベンショナルラジオロジ室、又は心臓カテーテル検査室内の機器を制御するための統合システムにおいて、前記システムが、請求項1乃至
13のいずれか一項に記載の装置を有する、統合システム。
【請求項15】
抜去装置を使用して対象の体内のリードを抜去する抜去処置中に画像データを提供する装置の処理ユニットによって実行される場合に、前記装置に、
前記抜去処置を実行する前に取得された前記対象の体内の前記リードを表す3次元画像データを受信するステップと、
前記抜去処置中に前記対象の体内の前記リードのX線投影画像データのライブストリームを受信するステップと、
前記抜去処置中に前記X線投影画像データのライブストリーム内の前記抜去装置の位置を検出し、前記ライブストリーム内の前記位置を前記3次元画像データ内の位置と関連付けることによって、前記3次元画像データ内の前記抜去装置の位置を決定するステップと、
前記抜去装置の前記決定された位置における又はその近くの血管及び/又はプラーク特性を決定し、前記特性を考慮に入れて前記抜去装置の少なくとも1つのパラメータを制御するステップと、
前記3次元画像データに基づいて、前記決定された位置における前記リード及び/又は前記リードを取り囲む身体構造の断面ビューの画像を生成及び出力するステップと、
を実行させる命令を有する
コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記
コンピュータプログラムが、更に画像データを提供するためのものであり、前記
コンピュータプログラムが、前記3次元画像データに基づいて前記決定された位置における前記リード及び/又は前記リードを囲む身体構造の断面図の画像を生成及び出力するステップを
前記装置に実行させる命令を更に有する、請求項
15に記載の
コンピュータプログラム。
【請求項17】
前記抜去装置の前記少なくとも1つのパラメータが、前記抜去装置の出力設定及び/又はオン/オフ設定及び/又は角度的出力分布を有する、請求項
15又は
16に記載の
コンピュータプログラム。
【請求項18】
前記
コンピュータプログラムは、前記検出された位置が、低い接着性を有する領域及び/又は硬いプラークの後のより柔らかい領域に対応する場合に、前記抜去装置を停止するステップを
前記装置に実行させる命令を有する、請求項
17に記載の
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学における診断撮像及び画像ガイド治療の分野に関する。より具体的には、本発明は、抜去装置を使用して対象の身体からリードを抜去するための抜去処置中に画像データを提供するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースメーカ又は除細動器などの外科的に埋め込まれた心臓装置の抜去は、機能不全又は感染症の場合などの特定の条件下で必要とされ得る。このような装置の除去は、潜在的に、高リスク処置を意味し得る。特に、一般的にリードと称される(複数の)ワイヤは、典型的には、制御ユニット、例えばパルス信号発生器から心臓まで延びている。ペースメーカでは、これらのリードが、電気パルス列を送出することによって装置が心拍数に影響を及ぼすことを可能にし、一方、除細動器では、リードが、危険な細動状態を破壊するために高エネルギパルスを心臓に送出するように構成されてもよい。
【0003】
リードは、静脈を通って心臓まで延びている。リードの先端は、典型的には、例えば、歯、ネジ又はフックによって、及び移植後数ヶ月後に瘢痕組織によって、心筋に固定され得る。
【0004】
ペースメーカ又は除細動器リードの抜去は、単純なシース、レーザベースの抜去装置、又は回転機械式切断装置を含む様々なツールによって実行することができる。リード抜去を計画し、実行するために、石灰化の量及び位置、並びに/又は血管床へのリードの接着及び/若しくは適合についての情報に対する要望が、存在する。したがって、リードに近い解剖学的構造の高品質の視覚化は、処置の実行に対する貴重なサポートを提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の利点は、例えば、ペースメーカ又は除細動器の、植え込みリード(単数又は複数)を抜去する処置中に、良好で、効率的で、有用な画像ガイダンスを提供することである。
【0006】
本発明の実施形態の利点は、CT体積画像のような3D画像データが抜去介入の間に視覚化されることができることである。例えば、抜去装置先端の場所における局所診断3次元画像情報が、抜去処置中に提供されることができる。
【0007】
本発明の実施形態の利点は、例えば、処置中に関連情報を容易に利用可能にすることによって、及び/又はCT体積画像のような3D画像データから導出された情報に基づいて抜去装置を制御することによって、抜去処置の安全性が、高められることができることである。
【0008】
本発明の実施形態の利点は、抜去処置中(又は処置中の参照のために、抜去処置の前)に、提供された画像又は複数の画像から、抜去装置の場所などの任意の場所においてリード本体が血管壁にどの程度近接しているかが、容易に決定されることができることである。
【0009】
本発明の実施形態の利点は、抜去処置中に、抜去装置の場所においてリード本体がどの程度血管壁に近接しているかが、提供された画像又は複数の画像から容易に決定されることができることである。
【0010】
本発明の実施形態の利点は、抜去処置中に、抜去装置がリード先端の近く、例えばリードの埋め込まれた先端の近くにあるかどうかが、提供された1つ又は複数の画像から容易に決定されることができることである。
【0011】
本発明の実施形態の利点は、抜去処置の間に(又は処置の間の参照のために抜去処置の前に)、例えば、造影剤がリードの間をどのように流れるか、及び互いに対するリードの場所に基づいて、リード間結合が存在することができるかどうかが、提供された画像又は複数の画像から容易に決定されることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様では、本発明は、抜去装置を使用して対象の身体からリード、例えば身体の血管内のリードを抜去するための抜去処置中に画像データを提供するための装置に関する。装置は、抜去処置中に対象の体内のリードのX線投影画像データのライブストリームを受け取り、抜去処置を実行する前に取得された対象の体内のリードを表す3次元画像データを受け取るための入力部を含む。装置は、抜去処置中にX線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の位置を検出し、ライブストリーム内の位置と3次元画像データ内の位置とを関連付けることにより、3次元画像データ(の座標系)内の抜去装置の位置を決定する処理ユニットを有する。
【0013】
装置は、前記抜去装置の少なくとも1つのパラメータを制御するように構成されたインタフェースを有する出力部を有する。処理ユニットは、i)前記抜去装置の前記決定された位置における又はその近くの血管及び/又はプラーク特性を決定するように、及びii)前記特性を考慮に入れることによって前記抜去装置の前記少なくとも1つのパラメータを制御するように更に構成される。
【0014】
本発明の実施形態による装置では、出力部は、3次元画像データに基づいて決定された位置で、リード及び/又はその周囲の身体構造、例えば血管又は心腔の断面ビューの画像を生成し、出力するように更に構成される。例えば、3次元画像データは、介入前画像データであってもよい。例えば、3次元画像データは、コンピュータ断層撮影(CT)データ、CアームCTデータ、及び/又はコーンビームCTデータであってもよい。
【0015】
本発明の実施形態による装置では、出力部は、血管、例えば、血管の中心軸に沿った場所の長手方向における、及び/又はリードの長手方向の、3次元画像データ内の抜去装置の決定された位置から前方に離間された、又はその周囲に離間された複数の場所において、リード及び/又はその周囲の身体構造の断面ビューの複数の画像を生成し、出力するように構成されてもよい。
【0016】
本発明の実施形態による装置では、出力部は、3次元画像データに基づいて、抜去装置の決定された位置におけるリード及び/又はその周囲の身体構造の長手方向ビューの更なる画像を生成し、出力するように構成されてもよい。
【0017】
本発明の実施形態による装置では、出力部は、抜去装置の少なくとも1つのパラメータを制御するためのインタフェースを有してもよい。処理ユニットは、抜去装置の決定された位置における又はその近くの血管及び/又はプラーク特性を決定し、特性を考慮に入れることによって少なくとも1つのパラメータを制御するように構成されてもよい。抜去装置の少なくとも1つのパラメータは、前記抜去装置の電力設定及び/又はオン/オフ設定を有してもよい。
【0018】
本発明の実施形態による装置では、処理ユニットは、検出された位置が低い接着性を有する領域及び/又は硬いプラークの後のより柔らかい領域に対応する場合に、抜去装置を停止するように構成されてもよい。
【0019】
本発明の実施形態による装置は、3次元画像データを処理するためのプリプロセッサを有してもよい。この処理は、セグメント化された3次元画像を提供するために、3次元画像データからリードをセグメント化することを有してもよい。
【0020】
本発明の実施形態による装置では、処理ユニットは、X線投影画像データのライブストリームにセグメント化された3次元画像を位置合わせして、X線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の検出された位置を3次元画像データ内の位置と関連付けるように構成されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態による装置において、プリプロセッサは、適合された3次元パラメトリックモデルが、抜去処置を実行する前に対象の身体に存在するリードの空間構成を表すように、リードの3次元パラメトリックモデルをセグメント化された3次元画像に適合させるように構成されてもよい。処理ユニットは、X線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の検出された位置を3次元画像データ内の位置と関連付けるように、適合された3次元パラメトリックモデルをX線投影画像データのライブストリームに位置合わせするように構成されてもよい。
【0022】
本発明の実施形態による装置において、プリプロセッサは、3次元画像データ及び/又は適合された3次元パラメトリックモデルに基づいて、リードに沿った長手方向位置の関数としてパラメータを決定するように構成されてもよい。出力部は、抜去装置の決定された位置における又はその前方の長手方向位置に対応するパラメータを出力するように構成されてもよい。このパラメータは、リードの局所的な湾曲及び/又は局所的な接着の程度、及び/又は血管壁に対するリードの近接性を有してもよい。
【0023】
本発明の実施形態による装置では、プリプロセッサは、入力部を介して受信された3次元画像データの時間シーケンスから血管壁に対するリードの局所的な動きを定量化し、局所的な動きに基づいて局所的な接着の程度を決定することによって、血管壁に対する局所的な接着の程度を決定するように構成されてもよい。
【0024】
本発明の実施形態による装置では、3次元画像データは、対象の胸部及び心臓のコントラスト強調心臓コンピュータ断層撮影データセットを有してもよい。
【0025】
第2の態様では、本発明は、手術室、インターベンショナルラジオロジ室、又は心臓カテーテル検査室において情報を提供するための、及び/又は機器を制御するための統合システムに関し、システムは、本発明の第1の態様の実施形態による装置を有する。
【0026】
本発明の実施形態によるシステムは、抜去装置を有してもよい。
【0027】
第3の態様では、本発明は、抜去装置を使用して対象の身体から、例えば血管又は心腔内のリードを抜去するための抜去処置中に画像データを提供するための方法、例えばコンピュータ実装方法に関する。この方法は、抜去処置を実行する前に取得された、対象の体内のリードを表す3次元画像データを受信するステップを有する。この方法は、抜去処置中に対象の体内のリードのX線投影画像データのライブストリームを受信するステップを有する。本方法は、抜去処置中にX線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の位置を検出し、ライブストリーム内の前記位置を3次元画像データ内の前記位置と関連付けることによって、3次元画像データ内の抜去装置の位置を決定するステップを有する。本方法は、3次元画像データに基づいて、決定された位置におけるリード及び/又はその周囲の身体構造の断面ビューの画像を生成及び出力するステップを有する。
【0028】
更なる態様では、本発明は、計算装置上で実行される場合に本発明の第3の態様の実施形態による方法を実行するためのコンピュータプログラム製品にも関する。
【0029】
本発明の特定の好適な態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されているのみならず、適宜、独立請求項の特徴及び他の従属請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0030】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態による装置を概略的に示す。
【
図2】本発明の実施形態による方法を概略的に示す。
【
図3】本発明の実施形態の態様を説明するための、例示的なリード抜去装置の写真を示す。
【
図4】本発明の実施形態の態様を説明するために、撮像面内にリードを有する心臓コンピュータ断層撮影体積画像のスライスを示す。
【
図5】本発明の実施形態を説明するために、リード抜去装置がリードに沿って前進しているX線投影図を示す。
【
図6】本発明の実施形態を説明するために、抜去処置後の抜去されたリードを示す。
【
図7】本発明の実施形態に従って生成された例示的な断面画像を示す。
【
図8】本発明の実施形態に従って生成された長手方向ビューの例示的な画像を示す。
【
図9】本発明の実施形態に従って生成された長手方向ビューの例示的な画像を示す。
【
図10】本発明の実施形態に従って生成され得る画像の例示的な組み合わせを示す。 図面は、概略的なものに過ぎず、非限定的なものである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面において、いくつかの要素のサイズは、例示の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。
【0033】
請求項におけるいかなる参照符号も、その請求項の範囲を限定するものとして解釈されるべきでない。
【0034】
異なる図面において、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を指す。
【0035】
本発明は、特定の実施形態に関して、及び特定の図面を参照して説明されるが、本発明は、それに限定されず、特許請求項の範囲によってのみ限定される。説明される図面は、概略的なものにすぎず、非限定的なものである。図面において、いくつかの要素のサイズは、例示の目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていないことがある。寸法及び相対的な寸法は、本発明の実施に対する実際の変形に対応しない。
【0036】
更に、説明及び特許請求の範囲における第1、第2などの用語は、同様の要素を区別するために使用され、時間的に、空間的に、順位付けで、又は任意の他の方法で、必ずしも順番を説明するために使用されるわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明され又は図示される以外のシーケンスで動作することができることが理解されるべきである。
【0037】
更に、明細書及び特許請求の範囲における上、下などの用語は、説明の目的で使用されており、必ずしも相対的な位置を記述するために使用されているわけではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明され又は図示される以外の他の向きで動作することができることが理解されるべきである。
【0038】
特許請求の範囲で使用される「有する」という語は、その後に列挙される手段に限定されるものとして解釈されるべきではなく、他の要素又はステップを除外するものではなく、したがって、言及されるような述べられた特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ又は構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことに留意されたい。したがって、「手段A及びBを有する装置」という表現の範囲は、構成要素A及びBのみからなる装置に限定されるべきではない。本発明に関して、装置の関連する構成要素がA及びBであることを意味する。
【0039】
なお、本明細書において「一実施形態」又は「一つの実施形態」は、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の各箇所における「一実施形態において」又は「一つの実施形態において」の語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すものではないが、同じであってもよい。更に、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態において、本開示から当業者には明らかである任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0040】
同様に、本発明の例示的な実施形態の説明において、本発明の様々な特徴が、時々、開示を簡潔にし、様々な発明の態様の1つ又は複数の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、又はその説明において一緒にグループ化されることが理解されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求項に記載の本発明が、各請求項に明示的に列挙されるより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、特許請求の範囲が反映するように、発明の態様は、上述の単一の開示される実施形態の全ての特徴より少ないところにある。したがって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、この詳細な説明に明確に組み込まれ、各請求項は、それ自体が本発明の別個の実施形態として存在する。
【0041】
更に、本明細書に記載されたいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むが、他の特徴を含まず、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、当業者であれば理解されるように、本発明の範囲内であり、別の実施形態を形成することが意図される。例えば、特許請求の範囲では、請求項に記載の実施形態のいずれも、任意の組み合わせで使用されることができる。
【0042】
本明細書で提供される説明には、多くの具体的な詳細が、記載される。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の詳細なしで実施されうることが理解される。他の例において、この説明の理解を不明瞭にしないために、良く知られている方法、構造、及び技術は、詳細には示されていない。
【0043】
第1の態様では、本発明は、抜去装置を使用して対象の身体から、例えば血管又は心腔内のリードを抜去するための抜去処置中に使用するための画像データを提供するための装置に関する。装置は、処理ユニットと、入力部と、出力部とを有する。入力部は、抜去処置中に対象の体内のリードのX線投影画像データのライブストリームを受信するように構成される。入力部は、また、抜去処置を実行する前に取得された、対象の体内のリードを表す3次元画像データを受信するように構成される。処理ユニットは、抜去処置中にX線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の位置を、例えば連続的に決定する又は頻繁に更新するように構成される、例えばプログラムされる。処理ユニットは、また、ライブストリーム内の位置を3次元画像データ内の位置と関連付けるように、すなわち、抜去装置の位置が3次元画像データ内(すなわち、その座標系内)で決定されるように構成される。出力部は、3次元画像データに基づいて、決定された位置において、リード及び/又はその周囲の身体構造、例えば、血管又は心腔の断面ビューの画像を生成し、出力するように構成される。
【0044】
図1を参照すると、本発明の第1の態様の実施形態による装置1が、示されている。装置1は、対象の身体から少なくとも1つのリード、例えば、埋め込まれたリード、例えば、ペースメーカ、除細動器、神経刺激器、及び/又は電位センサの導電性ワイヤなどのリードワイヤを抜去するための抜去処置中に、画像データ、例えば、拡張画像情報を提供するように構成される。したがって、装置は、抜去処置の間、例えば、心筋に信号を送達するために除細動器又はペースメーカを心筋に接続する少なくとも1つのリードを抜去するための処置の間、画像ガイダンスを提供するように構成されてもよい。この装置は、インターベンショナルラジオロジ(IR)、心臓カテーテル検査室(CathLab)、又は手術室(OR)において画像情報を利用可能にするように構成されてもよい。例えば、装置1は、IR又はCathLabシステム(例えば、関係する撮像システムは、天井に取り付けられたCアームシステム、床に取り付けられたCアームシステム、バイプレーンCアームシステム、モバイルCアームシステム又はX線源及び検出器を有するロボットX線システムであってもよい)、例えば、情報提供し且つそのようなOR、IR又はCathLab室内の機器を制御するための統合システムを有してもよい。装置1は、また、抜去装置7を有してもよい。抜去装置7は、当技術分野で知られているように、身体の血管系内から埋め込まれたリードを除去するための組織切開、切り込み又は切断装置を有してもよい。抜去装置7は、機械的力によって、及び/又はレーザ装置の手段によって、及び/又は高周波源の手段によってエネルギを送達することによって、埋め込み組織からリードを切断するための切断装置を有してもよい。
【0045】
装置1は、入力部2を有する。入力部2は、抜去処置中に対象の身体の少なくとも一部のX線投影画像データのライブストリームを受信するように構成され、この部分は、抜去されるリードを含む。例えば、X線投影画像データのライブストリームは、連続的に又は頻繁に更新される2次元X線投影画像であってもよい。例えば、X線投影画像データのライブストリームは、X線透視画像データを有してもよい。X線投影画像データのライブストリームは、例えば、特に心臓内又は心臓付近のリードを抜去する処置で使用される場合に、対象の心臓(又はその一部)の画像のライブストリームを有してもよい。
【0046】
入力部2は、更に、対象の体内のリードを表す3次元(3D)データを受信するように構成される。特に、3Dデータは、抜去処置を実行する前に取得されてもよい。例えば、3Dデータは、抜去処置を実行する前に取得された画像データであってもよいし、又はそれに基づいていてもよい。
【0047】
3Dデータは、リードを含む、又はリードの少なくとも先端、例えば、リードを抜去する処置において、血管の壁などの身体の構造から取り外される必要がある先端を含む、対象の身体の少なくとも一部の、コンピュータ断層撮影(CT)再構成画像体積などの3D画像データを有する。しかしながら、本発明の実施形態は、これに限定されず、例えば、3D画像データは、異なるモダリティ、例えば、核医学画像データ、3Dエコーグラフィ画像データ、磁気共鳴撮像(MRI)データ、又は他の既知の医用3D撮像モダリティの3D画像体積を有してもよい。更に、入力によって受信される3Dデータは、また、例えばパラメトリック表現のリードの3Dモデル、例えば、対象の身体内に存在するようなリードの空間構成を表す3Dモデルを有してもよい。
【0048】
3D画像データは、複数の位置合わせされた画像体積、例えば、非コントラスト強調CT画像体積及びコントラスト強調CT画像体積のような1つ以上の位置合わせされた3D再構成、又は複数のスペクトルCT画像体積、例えば複数のスペクトル成分又はそれから導出される材料固有画像を有してもよい。複数の位置合わせされた画像は、また、複数の撮像モダリティ、例えば位置合わせされたCT及びMRIデータの画像を有してもよい。
【0049】
3D画像データは、リードが3D画像データからセグメント化される3D画像体積を有してもよい。例えば、3D画像体積は、例えば、各ボクセル場所におけるリードの有無がボクセル値で符号化される、リードのセグメント化を表す画像体積を有してもよい。しかしながら、ボクセル値は、血管、血管壁、心筋及び/又は他の解剖学的構造などの追加の他のフィーチャの有無を示してもよい。複数の位置合わせされた画像は、例えば少なくとも1つのCT又はMRI再構成画像体積に加えて、少なくともリードのセグメント化を表す画像体積を有してもよい。
しかしながら、3Dデータは、3D画像データからセグメント化されたリードのパラメトリックモデルを有してもよい。
【0050】
入力部2は、CT再構成画像体積又はMRI再構成画像体積のような、リード(例えば、その少なくとも先端)を含む対象の身体の少なくとも部分の画像体積を受信するように構成されてもよい。
【0051】
装置は、例えば抜去処置を実行する前に、画像体積を処理するためのプリプロセッサ5を有してもよい。以下で更に説明されるプリプロセッサ5は、画像体積又は複数の画像体積からリードをセグメント化して、リードが3D画像データからセグメント化される3D画像体積を提供するように構成されてもよい。プリプロセッサ5は、3Dモデル、例えば、パラメトリック3Dモデルを、リードのセグメント化された3D画像に適合するように構成されてもよい。
【0052】
例えば、入力部2は、例えばリード全体を含む、例えばペースメーカポケットから電極端部までの体積を含む、対象の胸部及び心臓の心臓CTデータセットを受信するように構成されてもよい。例えば、心臓CTデータセットは、胸郭及び心臓のコントラスト強調心臓CTデータセットを有してもよい。受信された3Dデータは、金属アーチファクト及び/又は動きアーチファクトについて補正されてもよい。
【0053】
プリプロセッサ5は、(例えば、リードによる)金属アーチファクト及び/又は動きアーチファクトについて、受信された3D画像データを補正するように構成されてもよい。このようにして、金属アーチファクトのない、リードに近い組織及び石灰化の良好な品質の視覚化が得られることができることは、有利である。例えば、入力部は、生の投影データの形で3D画像データを受信してもよく、プリプロセッサは、金属アーチファクト及び/又は動きアーチファクトを補正する(例えば、少なくとも低減する)ための当技術分野で知られているアルゴリズムを使用して断層撮影再構成を実行してもよい。
【0054】
プリプロセッサ5は、(例えば、リードによる)金属アーチファクト及び/又は動きアーチファクトについて、受信された3D画像データを補正するように構成されてもよい。このようにして、金属アーチファクトのない、リードに近い組織及び石灰化の良好な品質の視覚化が得られることができることは、有利である。例えば、入力部は、3D画像データを受信してもよく、プリプロセッサは、例えば、金属アーチファクト及び/又は動きアーチファクトのための訓練された畳み込みニューラルネットワークを使用して、機械学習ベースのアーチファクト除去を実行してもよい。
【0055】
プリプロセッサ5は、セグメント化されたリードから、例えばリードがセグメント化される3D画像体積から、及び/又はパラメトリック3Dモデルに基づいて、関心パラメータを決定するように構成されてもよい。例えば、リードに沿った長手方向位置の関数としてのリードの局所的曲率が、決定されてもよい。
【0056】
例えば、リードに沿った長手方向位置の関数として、リード先端及び/又はリードの局所的な接着の程度が、決定されてもよい。入力部2は、時間シーケンスにおける異なる取得時間を表す複数の画像体積を受信するように構成されてもよく、例えば、入力部は、4次元(4D、すなわち、3つの空間次元及び時間次元)CT(又はMRI)データセットを受信するように構成されてもよい。プリプロセッサ5は、リードを含む身体構造の壁へのリードの局所的接着を決定するように構成されてもよい。例えば、4Dデータセットは、少なくとも1つの心周期及び/又は少なくとも1つの呼吸サイクルにわたって延びる複数の時点に対応する複数の3D画像を有してもよく、その結果、身体の自然な動きによって誘発される、血管壁に対するリードの局所的な動きは、定量化されることができ、壁に対する大きな動き、例えば、壁に対する位置の大きな変動性を示すリードの領域は、低い接着を示すか、又は接着がないことを示し、壁に対する小さな動きを示すリードの領域は、高い接着を示す。したがって、接着は、直接的な方法で定量化又は決定されることができる。
【0057】
装置1は、また、処理ユニット3を有する。処理ユニット3は、例えばライブストリームの各フレームについて抜去装置の位置を更新することによって、抜去処置中に対象の体内のリードのX線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置7の位置を決定するように構成される。例えば、抜去装置の先端は、X線投影画像上で追跡されてもよい。当技術分野で知られているパターン認識アルゴリズムが、投影画像内の抜去装置の先端、又は抜去装置の別の顕著なフィーチャを識別するのに使用されてもよい。
【0058】
処理ユニット3は、また、X線投影画像データのライブストリーム、例えばストリームの各2次元画像フレームを、3次元データに位置合わせするように構成されてもよい。例えば、前記抜去処置を実行する前に対象の身体内に存在するリードの空間構成を表す3次元パラメトリックモデルは、X線投影画像データのライブストリームに、例えば各フレームに位置合わせされてもよく、及び/又はリードの画像セグメント化によって取得されたセグメント化された3次元画像は、X線投影画像データのライブストリームに、例えば各フレームに位置合わせされてもよく、及び/又は抜去処置の前に取得された、リードを含む対象の体の少なくとも一部の医用3次元撮像モダリティに対応する3次元画像データは、X線投影画像データのライブストリームに、例えば各フレームに位置合わせされてもよい。
【0059】
当技術分野で知られている位置合わせ技法が、適用されてもよい。例えば、3Dー2D位置合わせアルゴリズム、例えば、3Dモデルから2D画像へ、又は2D投影画像から3D体積画像への位置合わせが、使用されてもよい。位置合わせは、例えば、2D画像フレームの座標を3Dモデル又は体積画像の座標系にマッピングする剛体変換を決定する第1のステップを含有してもよい。位置合わせは、例えば、呼吸及び/又は心臓運動による、(3Dデータが取得された位置とは異なってもよい)抜去処置中の台上の患者位置による変形を補償するために、弾性変換を決定する第2のステップを有してもよい。更に、処理ユニット3は、例えばユーザに最適な投影角度を提案するために、3Dデータに基づいてX線投影画像データのライブストリームを取得するのに適した視角を決定するように構成されてもよい。
【0060】
更に、処理ユニット3は、抜去装置の位置情報を考慮に入れて、X線投影画像データのライブストリームを3次元データに位置合わせするように構成されてもよい。例えば、抜去装置は、当技術分野で知られているように、例えば、光ファイバ形状感知及び/又は電磁追跡によって、位置決め情報を提供するように構成されてもよい。
【0061】
装置1は、また、出力部4を有する。出力部4は、表示装置に接続するためのコネクタを有してもよく、又は出力部は、表示装置を有してもよい。例えば、出力部4は、コンピュータモニタ又はビデオ表示ユニットであってもよい。本発明の実施形態の利点は、CT体積画像のような3D画像データが、抜去介入の間に視覚化されることができることである。
【0062】
一実施形態では、出力部4は、3次元画像データに基づいて、抜去装置の決定された位置において、リード及び/又はその周囲の身体構造、例えば、血管又は心腔の断面ビューの画像を生成し、出力するように構成される。
【0063】
出力部4は、画像データ、例えば、表示画像及び/又は画像のビデオシーケンスを提供し、及び/又は連続的に又は頻繁に更新される画像を表示してもよい。例えば、出力部4は、抜去装置の決定された位置が示される、3D画像データに基づく画像、例えばCT体積画像を提供してもよい。
【0064】
断面ビューの画像は、抜去装置の遠位端の位置、例えば決定された位置における動的CT断面であってもよい。出力部4は、また、複数の画像、例えば血管の長手方向において抜去装置の決定された位置から前方に又はその周りに離間された複数の位置を示す、身体構造の複数の断面ビューを提供してもよい。例えば、抜去装置の5mm又は10mm前方を示すスライスが、提供されてもよい。
【0065】
このような断面ビューの例示的な画像が、
図7に示される。
【0066】
更に、出力部4は、また、3次元画像データに基づいて、抜去装置の決定された位置におけるリード及び/又はその周囲の身体構造の長手方向ビューの画像を生成及び出力するように構成されてもよい。
【0067】
このような長手方向ビューの例示的な画像が、
図8及び
図9に示されている。
【0068】
更に、3D画像データは、複数の3D画像、例えば心周期中に撮影されたシーケンス画像、及び/又は身体構造、例えば血管を通る造影剤の流れを示すシーケンスを有してもよい。したがって、出力部4は、また、このような複数の3D画像のそれぞれについて、実質的に上述されたように、1つ又は複数の画像を生成し、出力するように構成されてもよい。
【0069】
出力部は、抜去装置の現在位置、例えば抜去装置の先端又は適合されたMIPにおける先端の現在位置において、多面再形成又は複数平面再構成(MPR)又は最大強度投影(MIP)によって、画像又は複数の画像を生成してもよい。
【0070】
したがって、抜去装置をナビゲートしながら、これは、位置合わせされたリード先端に関してライブX線画像内で有利に追跡されることができ、抜去装置の局所的な近傍、例えばリードの近傍のCT画像情報が、ガイダンスのために表示されてもよい。
【0071】
出力部は、また、(投影画像データ及び3次元画像データの位置合わせを考慮して)投影画像データ上に投影された、リード及び/又は周囲の身体構造、例えば血管のセグメント化などの、3次元画像データから抽出された情報のオーバーレイ画像を生成し、投影画像データ上に出力してもよい。
【0072】
出力部は、例えば上述されたように、複数の異なる生成された画像をユーザインタフェースに構成してもよい。
【0073】
構成されたユーザインタフェースビューにおける例示的なオーバレイ画像は、
図10に示されている。
【0074】
抜去処置中の装置のユーザが、提供された画像又は複数の画像から、リード本体が抜去装置の場所で血管壁にどれだけ近いかを容易に決定することができることは、有利である。
【0075】
抜去処置中の装置のユーザが、抜去装置がリードの近く、例えばリードの埋め込まれた先端の近くにあるかどうかを、提供された1つ又は複数の画像から容易に決定することができることは、有利である。
【0076】
抜去処置中の装置のユーザが、例えば造影剤がリード間でどのように流れるか、及びリードの互いに対する場所に基づいて、リード間結合が存在することができるかどうかを、提供された1つ又は複数の画像から容易に決定することができることは、有利である。
【0077】
3D画像データ、例えばCT情報が、静的であり、例えば抜去処置の前に事前に取得され、牽引がリード上に配置され、及び/又は隣接するリードが取り出されるときに処置中に身体構造が変形しうるにもかかわらず、抜去装置の位置での断面ビュー及び/又は抜去装置の5mmから10mm前のビューを投影することは、依然として、オペレータに貴重な情報を提供することができる。例えば、現在の位置でのリードの結合及び接着は、視覚化されることができ、又は定量化さえされることができる。これは、処置中に、例えばリードに牽引力を加え、血管から独立して動くリードを探して、接着がないか、又は低いことを示すことによって確認されることができる。
【0078】
出力部4は、追加の情報を提供してもよい。例えば、出力部4は、抜去装置の決定された位置における局所的な湾曲及び/又は局所的な接着の程度を出力するように構成されてもよい。例えば、抜去装置を変更するためのアドバイスが、提供されてもよい。例えば、抜去装置の前方の湾曲及び/又は血管壁に対するリードの近接性に関する情報が、提供、例えば表示されてもよい。
【0079】
好ましい実施形態では、出力部4は、レーザ又は機械的抜去装置のパラメータなど、抜去装置7の少なくとも1つのパラメータを制御するためのインタフェースを有する。例えば、抜去装置の決定された位置(又はその近く)における血管及び/又はプラーク特性は、3D画像データから決定されてもよく、抜去装置7のパラメータは、これらの特性を考慮に入れることによって制御されてもよい。例えば、レーザ抜去装置の出力及び/又は波長、又は機械的切断装置の出力は、硬質プラーク領域よりも軟質プラーク領域に対して低くなるように制御されてもよい。更に、抜去装置は、その検出された位置に基づいて、血管壁を偶発的に傷つけることを回避するために、オン及びオフにされてもよい。例えば、抜去装置を前進させるために強い圧力が加えられる必要がある硬質プラークを有する領域の後に、一度硬質プラークが通過されると、切断先端の予期しない突然の前進が、血管に対する損傷を引き起こす可能性がある。これは、有利には、低い接着力を持つ領域において、又は硬質プラークを有する領域の後の特徴的な突然の前進の後に、切断装置を自動的にオフにすることによって回避されることができる。
【0080】
抜去装置7の少なくとも1つのパラメータを制御することは、また、抜去装置の別個の能動素子を制御すること、例えば、素子を個別にオン及びオフにすること、又は素子の出力を個別に変調することを有してもよい。したがって、組織の非対称的なアブレーションが、達成されることができる。例えば、血管の幾何学的形状に応じて、リードを取り囲む組織は、リードの一方の側から切断されることのみを必要とし得る。また、リードの異なる側のプラーク組成は、異なっていてもよい。血管の湾曲又は血管壁に対するリードの場所は、血管の敏感なセクションに対する損傷を回避するために、レーザカテーテルによる非対称的なアブレーションを必要とし得る。画像情報を使用することによって、このような非対称な切断挙動が、自動的に調整されてもよい。
【0081】
例えば、少なくとも1つのパラメータを制御することは、抜去装置、例えばレーザ抜去装置及び/又は機械的抜去装置の角度的出力分布を制御することを有してもよい。
【0082】
少なくとも1つのパラメータを制御することは、画像データを考慮に入れてもよいが、(例えば追加的に)例えば、力センサ、光学センサ、超音波センサ、又は当技術分野で知られている他のそのようなセンサ装置などの抜去装置上のセンサからの、センサデータを考慮に入れてもよい。
【0083】
更に、装置は、リードに沿って移動しながら抜去処置を実行する医師に、レーザ抜去装置から機械的抜去装置に切り替えることが望ましいことを、通知するための標示を生成する(例えば、出力部を介してメッセージを提供する)ように構成されてもよい。
【0084】
第2の態様では、本発明は、情報を提供する及び/又は介入放射線室又は心臓カテーテル検査室内の機器を制御するための統合システムに関し、システムは、本発明の第1の態様の実施形態による装置を有する。
【0085】
本発明の第2の態様の実施形態によるシステムは、また、抜去装置7を有してもよい。
【0086】
第3の態様では、本発明は、抜去装置を使用して対象の身体からリードを抜去する抜去処置中に画像データを提供する方法に関する。
【0087】
図2を参照すると、本発明の実施形態による例示的な方法100が、示されている。
【0088】
方法100は、前記抜去処置を実行する前に取得された対象の体内のリードを表す、例えば示す、3次元画像データを受信するステップ101を有する。例えば、本方法は、抜去処置の前に、例えばCT又はMRIスキャナのような医用撮像スキャナを使用して、3D画像データを取得するステップを有してもよい。例えば、この方法は、対象の胸部及び心臓のコントラスト強調心臓コンピュータ断層撮影データセットを受信するステップを有してもよい。
【0089】
この方法は、抜去処置中に対象の体内のリードのX線投影画像データのライブストリームを受信するステップ102を有する。例えば、ライブストリームは、X線透視撮像装置によって取得された画像を有してもよい。
【0090】
この方法は、抜去処置中にX線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の位置を検出し、ライブストリーム内のこの位置と3次元画像データ内の位置とを関連付けることによって、3次元画像データ内の抜去装置の位置を決定するステップ103を有する。
【0091】
この方法は、抜去装置の少なくとも1つのパラメータを制御するステップ105を更に有する。例えば、この方法は、抜去装置の決定された位置における又はその近くの血管及び/又はプラーク特性を決定するステップを有してもよい。少なくとも1つのパラメータを制御するステップ105は、この特性を考慮に入れてもよい。
【0092】
一実施形態では、本方法は、3次元画像データに基づいて、決定された位置において、リード及び/又はその周囲の身体構造、例えば、血管又は心腔の断面ビューの画像を生成及び出力するステップ104を更に有してもよい。
【0093】
例えば、本方法は、リードの長手方向及び/又は身体構造、例えば血管の長手方向において、3次元画像データにおける抜去装置の決定された位置から前方に離間された又はその周囲に離間された複数の場所において、リード及び/又はその周囲の身体構造の断面ビューの複数の画像を生成及び出力するステップを有してもよい。例えば、画像は、抜去装置の位置の両側の2cm、例えば1cm、例えば0.5cmの範囲、又は抜去装置から2cm、例えば1cm、例えば0.5cm前方に延びる範囲の長手方向の位置に対応してもよい。
【0094】
本方法は、3次元画像データに基づいて、抜去装置の決定された位置におけるリード及び/又はその周囲の身体構造の長手方向ビューの更なる画像を生成及び出力するステップを有してもよい。
【0095】
.
【0096】
抜去装置の少なくとも1つのパラメータは、抜去装置の出力設定及び/又はオン/オフ設定を有してもよい。
【0097】
この制御するステップ105は、検出された位置が、血管壁に対するリードの低接着性の領域及び/又は硬いプラークの後のより軟らかい領域に対応する場合に、抜去装置を(例えば、一時的に)停止するステップを有してもよい。
【0098】
本方法は、セグメント化された3次元画像を提供するために、3次元画像データからリードをセグメント化するステップ106を有してもよい。
【0099】
本方法は、X線投影画像データのライブストリームに対してセグメント化された3次元画像を位置合わせするステップ107であって、X線投影画像データのライブストリーム内の抜去装置の検出された位置を3次元画像データ内の位置と関連付けるステップを有してもよい。
【0100】
この方法は、適合された3次元パラメトリックモデルが前記抜去処置を実行する前に、対象の身体内に存在するリードの空間構成を表すように、リードの3次元パラメトリックモデル、例えば変形可能なワイヤモデルを、セグメント化された3次元画像に適合するステップ108を有してもよい。
【0101】
本方法は、適合された3次元パラメトリックモデルをX線投影画像データのライブストリームに位置合わせするステップ109であって、X線投影画像データのライブストリームにおける抜去装置の検出された位置を、3次元画像データにおける位置と関連付けるステップを有してもよい。
【0102】
また、本方法は、3次元画像データ及び/又は適合された3次元パラメトリックモデルに基づいて、リードに沿った長手方向位置の関数としてパラメータを決定するステップ110を有してもよい。この方法は、抜去装置の決定された位置における又はその前方(例えば所定の距離、例えば2cm、例えば1cm、例えば0.5cm前方)の長手方向位置に対応するこのパラメータを出力するステップを有してもよい。
【0103】
パラメータは、リードの局所的な湾曲及び/又は局所的な接着の程度、及び/又は血管壁に対するリードの近接性を有してもよい。
【0104】
本方法は、3次元画像データの時間シーケンスから血管壁に対するリードの局所的な動きを定量化し、局所的な動きに基づいて局所的な接着の程度を決定することによって、血管壁に対する局所的な接着の程度を決定するステップを有してもよい。
【0105】
更なる態様では、本発明は、計算装置によって実行される場合に、本発明の第3の態様の実施形態による方法を実行するためのコンピュータプログラム製品に関する。例えば、そのような方法のステップは、手作りの(例えば、人間がコード化した)決定論的アルゴリズムによって、及び/又は部分的に若しくは全体的に、アルゴリズムタスクを解くように訓練された機械学習又は深層学習方法によって実施されてもよい。
【0106】
図3を参照すると、例えば、本発明の実施形態と組み合わせて使用されることができる、例示的なリード抜去装置7の写真が、示されている。
【0107】
図4は、矢印によって示されるように、撮像面におけるリードを有する心臓CT 3D画像のスライスを示す。金属アーチファクト補正は、この例では適用されなかった。
【0108】
図5は、リード抜去装置がリードに沿って前進しているX線投影を示す。先端位置は、矢印で示されている。
【0109】