(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】取り付けデバイス、取り付けデバイスを含む試薬カートリッジ、ならびにその製造および作動の方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20231013BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/02 B
G01N35/10 A
(21)【出願番号】P 2021556431
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 US2020022315
(87)【国際公開番号】W WO2020190629
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-12-15
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・パダック
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181033(JP,A)
【文献】実開平02-088664(JP,U)
【文献】特開2008-094454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り付けデバイスであって:
25℃で9.5(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の第1のガス透過性を有する第1の材料から形成されたコアであって、
シャーシに固定するように構成された固定部分と、
容器に対して封止するように構成された、第2のガス透過性を有する第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は、第2の材料とは異なり、第1のガス透過性は、第2のガス透過性より小さい酸素透過性のものである、容器部分とを含む、コアと;
固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャとを含
み、
該取り付けデバイスは、容器に取り付けられるように構成されている、前記取り付けデバイス。
【請求項2】
第1の材料は、25℃で1.2(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)より小さい酸素の透過性を有する、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項3】
第1の材料は、ナイロンを含む、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項4】
第2の材料は、ポリプロピレンを含む、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項5】
第2の材料は、アパーチャの少なくとも一部分をコーティングする、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項6】
第2の材料の連続部分は、容器部分の外部の少なくとも一部分およびアパーチャの少なくとも一部分をコーティングする、請求項5に記載の取り付けデバイス。
【請求項7】
容器は、シームを含み、第2の材料は、該シームに対してヒートシールされるように構成される、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項8】
前記固定部分の近くのアパーチャを封止するカバーをさらに含む、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項9】
前記カバーは、前記第2の材料に対して封止される、請求項8に記載の取り付けデバイス。
【請求項10】
前記カバーは、金属ホイルである、請求項8に記載の取り付けデバイス。
【請求項11】
アパーチャ内の封止表面をさらに含み、該封止表面は、固定部分からアパーチャ内に延びるように構成されたプローブの外部に対して封止するように構成される、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項12】
封止表面は、第2の材料から形成される、請求項11に記載の取り付けデバイス。
【請求項13】
容器部分の少なくとも一部分は、容器内に配置されるように構成される、請求項1に記載の取り付けデバイス。
【請求項14】
試薬カートリッジであって:
試薬を保持するように構成された少なくとも1つのポーチであって:
取り付けデバイスをさらに含み、該取り付けデバイスは;
25℃で9.5(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の第1のガス透過性を有する第1の材料から形成され、シャーシに固定するように構成された固定部分を含む、コアと;
容器に対して封止するように構成された、第2のガス透過性を有する第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は、第2の材料とは異なり、第1のガス透過性は、第2のガス透過性より小さい酸素透過性のものである、容器部分と;
固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャと;
該アパーチャを覆うカバーとを含む、少なくとも1つのポーチと、
カバーを穿刺するように構成された少なくとも1つの穿孔プローブとを含む、前記試薬カートリッジ。
【請求項15】
マニホールドをさらに含み、ここで少なくとも1つの穿孔プローブは、マニホールドに連結され、該マニホールドは、少なくとも1つの穿孔プローブに連結されたチューブを含む、請求項14に記載の試薬カートリッジ。
【請求項16】
マニホールドは、少なくとも1つの穿孔プローブがカバーから離間される第1の位置と、少なくとも1つの穿孔プローブがカバーを通って延ばされ、アパーチャ内に配置される第2の位置との間で可動である、請求項15に記載の試薬カートリッジ。
【請求項17】
第1の材料は、25℃で9.5(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の透過性を有する、請求項14に記載の試薬カートリッジ。
【請求項18】
取り付けデバイスを製造する方法であって:
25℃で9.5(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の第1のガス透過性を有する第1の材料からコアを形成することであって、該コアは:
カートリッジシャーシに固定するように構成された固定部分と;
容器に対して封止するように構成された容器部分と;
固定部分と容器部分との間でコアを通るアパーチャとを含む、形成することと;
第2のガス透過性を有する第2の材料で、容器部分の少なくとも一部分およびアパーチャの少なくとも一部分をコーティングすることと
を含み、ここで、第2のガス透過性は、第1のガス透過性より大きい
酸素透過性のものであり、
該取り付けデバイスは、容器に取り付けられるように構成されている、前記方法。
【請求項19】
容器のシームに対して容器部分の少なくとも一部分を封止することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその開示が全体的に本明細書に組み入れられる、2019年3月21日出願の米国仮出願第62/821,623号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、ガス分析器用の試薬カートリッジ、より詳細には試薬カートリッジの取り付けデバイス、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血液ガス分析器などのガス分析器は、頻繁に較正が行われる。較正された試薬が、ガス分析器に供給され、ガス分析器を較正するために分析される。正確な較正を提供するために、較正試薬は、純粋でなければならない。たとえば、較正試薬は、外部ガスによって汚染されてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、改良された試薬ポーチおよびガス分析器較正方法が、求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、取り付けデバイスが、提供される。取り付けデバイスは:25℃で9.5(cm3)(mil)/(24時間)(100in2)(ATM)未満の酸素の第1の透過性を有する第1の材料から形成されたコアであって、シャーシに固定するように構成された固定部分と、容器に対して封止するように構成された、第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は第2の材料とは異なる、容器部分とを含む、コアと;固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャとを含むことができる。
【0006】
他の実施形態では、試薬カートリッジが,提供される。試薬カートリッジは:試薬を保持するように構成された少なくとも1つのポーチであって:取り付けデバイスであって、第1の材料から形成され、シャーシに固定するように構成された固定部分を含むコアと、容器に対して封止するように構成された、第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は第2の材料とは異なる、容器部分と、固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャと;アパーチャを覆うカバーとを含む、取り付けデバイスをさらに含む、少なくとも1つのポーチと;カバーを穿刺するように構成された少なくとも1つの穿孔プローブとを含むことができる。
【0007】
方法の実施形態では、カートリッジシャーシを有する試薬カートリッジを作動させる方法が、提供される。方法は、試薬を保持するように構成された少なくとも1つのポーチを提供することであって、少なくとも1つのポーチは、容器と;取り付けデバイスであって、第1の材料から形成され、カートリッジシャーシに固定するように構成された固定部分を含むコアと、第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は第2の材料とは異なり、容器に対して封止される、容器部分と、固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャと、アパーチャを閉じるカバーとを含む、取り付けデバイスとを含む、提供することと;カバーを貫通するように穿孔プローブを動かすこととを含むことができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、取り付けデバイスを製造する方法が、提供される。方法は、第1のガス透過性を有する第1の材料からコアを形成することであって、コアは:カートリッジシャーシに固定するように構成された固定部分と、容器に対して封止するように構成された容器部分と、固定部分と容器部分との間でコアを通るアパーチャとを含む、形成することと;第2のガス透過性を有する第2の材料で容器の少なくとも一部分およびアパーチャの少なくとも一部分をコーティングすることとを含むことができ、第2のガス透過性は、第1のガス透過性より大きい。
【0009】
数多くの他の態様および構成が、本開示のこれらおよび他の実施形態によって提供される。本開示の実施形態の他の構成および態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図からより完全に明らかになるであろう。
【0010】
以下で説明する図は、例示的目的にすぎず、必ずしも原寸に比例して描かれていない。図は、本開示の範囲をいかなる形でも限定することは意図していない。可能な場合、同じまたは同様の参照番号が、同じまたは同様の部分を示すために図を通じて使用される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示に説明する実施形態による、閉状態にあるガス分析器の側部等角図である。
【
図1B】本明細書に開示する実施形態による、開状態にあり、試薬カートリッジを受けるガス分析器の側部等角図である。
【
図2A】本明細書に開示する実施形態による、ガス分析器において使用される試薬カートリッジの内部を示す図である。
【
図2B】本明細書に開示する実施形態による、試薬カートリッジ内のマニホールドおよび他の構成要素の拡大図である。
【
図3】本明細書に開示する実施形態による、較正カートリッジにおいて使用されるポーチの正面等角図である。
【
図4A】本明細書に開示する実施形態による、試薬ポーチにおいて使用される取り付けデバイスの等角図であり、取り付けデバイスは、第2の材料を有さない。
【
図4B】本明細書に開示する実施形態による、第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた取り付けデバイスの等角図であり、取り付けデバイスは、試薬ポーチにおいて使用される。
【
図5A】本明細書に開示する実施形態による、ボアを含む取り付けデバイスの側部断面図であり、ボアはプローブを有さない。
【
図5B】本明細書に開示する実施形態による、ボアを含む取り付けデバイスの断面図であり、プローブはボア内で受けられる。
【
図6】本明細書に開示する実施形態による、取り付けデバイスを製造する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、添付の図に示す、提供された例示的な実施形態を詳細に参照する。別途明確に留意されない限り、本開示に説明するさまざまな実施形態の構成を互いに組み合わせることができる。
【0013】
血液ガス分析器などのガス分析器は、正確な分析を提供するために頻繁に較正が行われる。特定の較正試薬が充填されたポーチを、ガス分析器に供給することができる。較正試薬は、較正プロセスの一部としてガス分析器によって分析される、知られている、的確な化学組成物を含む。較正試薬の分析の結果は、較正のためにガス分析器によって使用される。
【0014】
ポーチはそれぞれ、較正試薬を収納するように構成された容器を含むことができる。ポーチに取り付けられた取り付けデバイスにより、ガス分析器が較正試薬にアクセスすることが可能になり、取り付けデバイスはまた、ポーチをガス分析器内に固定するために使用することもできる。従来の取り付けデバイスは、一部のガスが容器内に透過できるほど高い透過性を有することがあり、それによって較正試薬を劣化させる可能性がある。劣化した較正試薬は、一部の場合、不正確な較正、したがって不正確なガス分析を生じさせる可能性がある。
【0015】
低いガス透過性を有するポーチ、容器、取り付けデバイス、および他の装置が、本明細書において開示され、
図1A~6を参照して説明される。ポーチは、取り付けデバイスを含むことができ、取り付けデバイスは、ポーチを試薬カートリッジに固定し、容器内に収納された試薬(たとえば較正試薬)にアクセスすることを可能にする。取り付けデバイスは、ポーチを試薬カートリッジ内のシャーシなどに固定する固定部分を含むことができる。取り付けデバイスはまた、容器に対して取り付けデバイスを封止するように構成された容器部分を含むことができる。アパーチャが、固定部分と容器部分との間に延びることができ、内部に含まれた試薬へのアクセスを可能にするために容器内に延びるプローブを受けるように構成することができる。
【0016】
本開示の1つまたはそれ以上の実施形態によると、取り付けデバイスは、低いガス(たとえば酸素)透過性を有するナイロンなどの第1の材料から作られたコアを含むことができる。第2の材料が、コアの少なくとも一部分をコーティングすることができ、コアに対して容器を封止することを可能にすることができる。たとえば、第2の材料は、取り付けデバイスの容器部分に対して容器のシームを封止することを可能にすることができる。第2の材料は、アパーチャ内に延びてボアを形成することができ、ボア内にプローブを受けることができる。第2の材料は、プローブと共に封止部を少なくとも部分的に形成することができる。取り付けデバイスのこの構成は、ポーチのガス透過性を低減し、これは、内部に配置された試薬を温存するのを助け、すなわちそのガス(たとえば酸素)汚染を低減する。本明細書に開示する取り付けデバイスおよび他の装置ならびに方法は、他のデバイスにおいて使用することができる。
【0017】
次に、閉状態で示すガス分析器100(たとえば血液ガス分析器)の側部等角図を示す
図1Aを参照する。また、開状態のガス分析器100を示す
図1Bも参照する。ガス分析器100は、いくつかの実施形態では、液体(たとえば血液)サンプルを分析することができ、サンプル中の1つまたはそれ以上の化学物質または分析物の濃度レベルを測定することができる。ガス分析器100は、開口部104を含む本体102を含むことができ、開口部104内に取り出し可能な試薬カートリッジ106を受けることができる。
図1Aは、閉状態にあるガス分析器100を示し、ここでは、試薬カートリッジ106は、開口部104内に受けられている。
図1Bは、開状態にあるガス分析器100を示し、ここでは、試薬カートリッジ106は、開口部104内に受け入れ可能であり、またはここから取り出される。
【0018】
試薬カートリッジ106は、複数のポーチ(
図1Aまたは1Bには示さず)内に収納された複数の較正試薬(たとえば、液体較正試薬)を含むことができる。較正試薬は、個々の容器内に収納することができ、較正のためにガス分析器100によって使用される、的確なレベルの溶解ガスを含むことができる。たとえば、ガス分析器100は、較正試薬を分析し、特有の化学物質(たとえばガス)が較正試薬中に存在することを決定することができる。次いで、その分析と、較正試薬中にあることが知られている、知られている濃度の特有の化学物質との間の相違に基づいて、ガス分析器100を較正することができる。
【0019】
次に、試薬カートリッジ106の内部の一例を示す
図2Aを参照する。また、試薬カートリッジ106内のマニホールド210および他の構成要素の拡大図を示す
図2Bも参照する。試薬カートリッジ106は、較正試薬を収納する複数のポーチ212(たとえば、試薬ポーチ)を含むことができる。
図2Aに示す試薬カートリッジ106の実施形態は、ポーチ212A~212Fと個々に称される6つのポーチ212を示す。複数のプローブ214(たとえば穿孔プローブ)が、マニホールド210が-Z方向にポーチ212に向かって動くときにポーチ212A~212Fを穿孔し、その内部に挿入されるように、マニホールド210に連結することができる。
図2Aおよび2Bに示す実施形態では、マニホールド210は第1の位置にあり、ここでは、プローブ214は、ポーチ212から離間された第1の位置にある。マニホールド210は、第2の位置に動くことができ、ここでは、プローブ214は、封止部を穿孔し、ポーチ212内に配置される。
【0020】
ポーチ212すべてと同一または実質的に同様であることができるポーチ212Aを参照する。ポーチ212Aは、較正試薬(図示せず)を収納する容器220を含むことができる。容器220に対して取り付けデバイス222を封止することができる。取り付けデバイス222は、以下でより詳細に説明するように、ポーチ212Aを試薬カートリッジ106内のカートリッジシャーシ224に固定することができる。プローブ214A(たとえば、穿孔プローブ)が、取り付けデバイス222内に受けられて、容器220内に収納された較正試薬にアクセスすることができる。たとえば、マニホールド210は、第1の位置から第2の位置に動くことができ、それによってプローブ214Aを取り付けデバイス222内に動かすことができる。
【0021】
試薬カートリッジ106(
図2A)から取り出されたポーチ212Aの正面等角図を示す
図3をさらに参照する。後面図は、正面図と実質的に同じである。容器220は、容器220の周囲の少なくとも一部分の周りを延びるシーム322を含むことができる。シーム322は、較正試薬が容器220から漏れることを防止する封止部を形成する。シーム322はまた、ガスが容器220に入るおよび/または退出することを防止することもでき、このガスの出入りは、較正試薬を汚染する可能性がある。シーム322は、容器22の側部の幅W31と、(容器220に対して封止されて示す)取り付けデバイス222の近くの容器220の上部の幅W32とを有することができる。容器220は、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bから形成することができ、これらの材料は、シーム322において一緒に接着される。たとえば、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bを一緒にヒートシールすることができる。第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bは、低いガス透過性を有するホイル層(図示せず)を含むことができる。たとえば、ホイル層は、25℃で1.2(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素のガス透過性を有することができる。いくつかの実施形態では、容器220は、折り畳まれ、シーム322において封止された単一片の材料から形成することができる。
【0022】
上記で説明したように、ポーチ212Aは、プローブ214A(
図2A)が容器220にアクセスすることを可能にする取り付けデバイス222を含む。取り付けデバイス222はまた、ポーチ212Aを試薬カートリッジ106(
図2A)内のカートリッジシャーシ224に固定することもできる。
図3の実施形態では、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bの一部分は、取り付けデバイス222の側部に対して封止されて、取り付けデバイス222に対して容器220を封止することができる。たとえば、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bを取り付けデバイス222に対して封止することにより、周囲環境と取り付けデバイス222周りの容器220の内部との間のガスの交換を防止することができる。
【0023】
次に、第2の材料を有さずに示す取り付けデバイス222の等角図を示す
図4Aを参照する。また、第2の材料432を適用した取り付けデバイス222の等角図を示す
図4Bも参照する。
図4Aは、第1の材料を含むことができるコア430を示す。いくつかの実施形態では、コア430は、単一の第1の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、コア430の第1の材料は、ナイロンを含むことができ、または全体的にナイロンであることもできる。いくつの実施形態では、コア430の第1の材料は、25℃で9.5(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の透過性を有することができる。いくつかの実施形態では、コア430の第1の材料は、25℃で1.2(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)未満の酸素の透過性を有することができる。コア430の第1の材料の低い透過性は、コア430を通る酸素などのガスの移送を防止するか、または大きく抑える働きをすることができる。それにしたがって、コア430は、容器220(
図3)内に収納された較正試薬の劣化を防止するか、または大きく抑える働きをする。
【0024】
図4Bは、第2の材料432を付加した取り付けデバイス222を示す。第2の材料432は、第1の容器材料324A(
図3)および第2の容器材料324Bに対して封止する材料であることができる。たとえば、第2の材料432は、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bを取り付けデバイス222(
図2A)に対してヒートシールすることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、第2の材料432は、ポリプロピレンなどのヒートシール性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の材料432は、コア430のガス透過性より大きいガス透過性を有することができる。たとえば、第2の材料432は、25℃で1.2(cm
3)(mil)/(24時間)(100in
2)(ATM)より大きい酸素のガス透過性を有することができる。
【0025】
図4Aを参照すれば、コア430は、固定部分436と、容器部分438とを含むことができる。延長部437が、固定部分436および容器部分438を接合することができる。固定部分436は、第1のフランジ440Aおよび第2のフランジ440Bを含むことができ、これらのフランジは、距離D41によって分離され、したがって空間441を形成する。第1のフランジ440Aおよび第2のフランジ440Bは、ポーチ212Aをカートリッジシャーシ224(
図2A)に固定することができる。たとえば、空間441は、カートリッジシャーシ224に連結された1つまたはそれ以上の固定部材(
図4には示さず)を受けることができる。固定部分436は、コア430を通って延びるアパーチャ442の第1の端部を含むことができる。アパーチャ442は、容器部分438に第2の端部(図示せず)を含むことができる。
【0026】
容器部分438は、第1の端部444Aおよび第2の端部444Bにおいて接合する、第1の表面442Aおよび反対側の第2の表面442Bを含むことができる。第1の容器材料324A(
図3)と第2の容器材料324Bとの間のシーム322(
図3)は、第1の端部444Aおよび第2の端部444Bにおいて分離して、取り付けデバイス222と接触することができる。
図4Aに示すように、第1の表面442Aおよび第2の表面442Bは、湾曲することができる。湾曲した第1の表面442Aおよび第2の表面442Bは、容器部分438が適切な厚さを有することを可能にし、そのためアパーチャ442は、容器部分438を通過することができる。第1の表面442Aおよび第2の表面442Bの湾曲はまた、第1の容器材料324Aおよび第2の容器材料324Bが、縁に覆い被さる必要なく容器部分438に接着することも可能にする。容器部分438は、取り付けデバイス222と界接する上側部分にあるシーム322の幅W32(
図3)とほぼ同じ距離であることができる高さH41を有することができる。
【0027】
第1の表面442Aは、第2の表面442Bと同一であるか、または実質的に同様であることができる。第1の表面442Aは、第2の材料432を第1の表面442Aに固定する1つまたはそれ以上の構成を含むことができる。たとえば、第1の表面442Aは、開口部446を含むことができ、この開口部は、第2の材料432を第1の表面442Aに固定するのを助ける。いくつかの実施形態では、第2の材料432は、第1の表面442Aに直接接着することができる。
【0028】
図4Bを参照すれば、第2の材料432は、アパーチャ442内に延びて、ボア450を形成することができる。ボア450は、第2の材料432でコーティングされたアパーチャ442の少なくとも一部分を含む。ボア450は、固定部分436にある第1の端部と、容器部分438にある第2の端部とを有することができる。第2の材料432は、固定部分436から延びるリップ448を形成することができる。リップ448は、表面448Sを含むことができ、この表面は、表面448Sに接着することができるカバー(558-
図5A)を受けることができる。
【0029】
図5Aおよび5Bをさらに参照する。
図5Aは、取り付けデバイス222の側部断面図を示し、ここではボア450は、プローブ214A(
図2A)を有さずに示されている。たとえば、プローブ214Aは、取り付けデバイス222およびリップ448から離間された第1の位置にあることができる。
図5Bは、プローブ214Aがボア450内に受けられた第2の位置にある状態の取り付けデバイス222の側部断面図を示す。
図5Aおよび5Bに示すように、第2の材料432は、アパーチャ442内に延びてボア450を形成する材料の単一部分および/または連続部分であることができる。いくつかの実施形態では、第2の材料432は、アパーチャ442内に少なくとも部分的に延びることができる。図示する実施形態では、第2の材料432は、容器部分438の第1の表面442A、容器部分438の第2の表面442B、および/またはアパーチャ442の少なくとも一部分をコーティングすることができる。
【0030】
封止表面554が、ボア450内に配置され、プローブ214A(
図5B)の外部表面214ASに対して封止することができる。封止表面554とプローブ214Aの外部表面214ASとの間の封止は、プローブ214Aがボア450内に配置されたときに容器220(
図3)の内部と容器220の外部との間のガスの交換を防止または低減する。いくつかの実施形態では、封止表面554は、第2の材料432から形成することができる。他の実施形態では、封止表面554は、プローブ214Aの外部表面212ASに押し付けて封止することができる、柔軟なゴム材料などの別の材料で作ることができる。他の適切な封止機構を使用することができる。
【0031】
アパーチャ442は、アパーチャ442内に第2の材料432を保持する表面構成を含むことができる。たとえば、アパーチャ442は、環状リング556を含むことができ、環状リングは、アパーチャ442内に延び、アパーチャ内の第2の材料432が軸方向に動くことを防止する。コア430は、第2の材料432がアパーチャ442内で動くことを防止する他の構成を含むことができる。
【0032】
カバー558は、アパーチャ442および/またはボア450を封止して、容器220(
図3)の内部と容器220の外部との間のガスの交換を防止することができる。いくつかの実施形態では、カバー558は、リップ448の表面448Sに対して封止することができる。カバー558は、低いガス透過性を有する材料で作ることができ、それによって容器220(
図3)の内部と外部との間のガスの交換を防止または低減する。カバー558は、プローブ234Aがボア450内の第2の位置まで動くときにプローブ214Aによって穿孔する(たとえば破く)ことができる材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、カバー558は、金属ホイル、または経時的に非常に低いガス透過性を有する金属層を含むホイルを含むことができるか、またはこれで作ることができる。カバー558は、他の適切な材料で作ることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、ボア450は、円錐部分566を含むことができる。円錐部分566は、プローブ214Aがボア450および/またはカバー558から離間される第1の位置から、プローブ214Aがボア450内に配置される第2の位置まで移行するときに、プローブ214Aをボア450内へと案内することができる。一部の実施形態では、円錐部分566は、第2の材料432から形成することができる。円錐部分566は、ボア450の第1の端部の近くの広い直径と、ボア450の第1の端部から離れた狭い直径とを有することができる。
【0034】
プローブ214Aは、尖端560を含むことができる。尖端560は、カバー558を穿孔することができ、ボア450の円錐部分566と接触して、プローブ214Aをボア450内へと案内することができる。プローブ214Aは、尖端560から延びる通路564を含むことができる。通路564は、マニホールド210内のチューブ215(
図2A)に連結することができる。通路564は、容器220(
図3)の内容物をその分析のためにガス分析器100(
図1A)内のデバイス(図示せず)に移送することができる。
【0035】
図5Aおよび5Bに示すように、カートリッジシャーシ224は、下側表面から延びる部材を有することができ、この部材は、取り付けデバイス222を支持する。
図5Aおよび5Bに示す実施形態では、カートリッジシャーシ224は、カートリッジシャーシ224の上側部から延びる第1の部材560Aおよび第2の部材560Bを含む。第1の部材560Aは、第1の延長部562Aを含み、第2の部材560Bは、空間441内に受けることができる第2の延長部562Bを含む。たとえば、第1の延長部562Aおよび第2の延長部562Bは、空間441内に受けられて、取り付けデバイス222およびポーチ212Aをカートリッジシャーシ224に固定することができる。
【0036】
コア430は、射出成形プロセスによって形成することができる。たとえば、ナイロンまたは別の低いガス透過性材料を成形型に射出してコア430を形成することができる。第2の材料432は、第2の射出成形プロセスなどの第2の成形プロセスによってコア430に適用することができる。たとえば、コア430を第2の成形型内に置くことができ、ここではポリプロピレンなどの第2の材料432は、第2の成形型内に射出されて、本明細書に説明するようにコア430をコーティングする。第2の材料432は、他の材料を含むことができる。
【0037】
コア430、容器220およびカバー558は、低いガス透過性材料から作ることができ、それによって容器220の内部と外部との間のガス(たとえば酸素ガス)の交換を最小限にすることができる。第2の材料432は、コア430より高いガス透過性を有することができるが、第2の材料の適用は、ガスが容易に透過する経路を提供しない。たとえば、容器部分438の第1の表面442Aおよび第2の表面442Bに適用された第2の材料432は、容器部分438の高さH41にわたって全体的に、またはほぼ全体的に延びることができる。したがってガスは、容器220と交換するためには、距離H41をまたはほぼH41を移動する必要がある。同様に、ガスは、リップ448を通過することができるが、リップ448は、ガス透過の限定された領域しか提供できない。前述に基づいて、ポーチ212Aのガス透過は、従来の取り付けデバイスと比較して非常に低く、それによってポーチ212Aの貯蔵寿命を増大させる。
【0038】
別の態様では、取り付けデバイス(たとえば取り付けデバイス222)を製造する方法が、
図6のフロー
図600によって示される。方法は、602において、第1のガス透過性を有する第1の材料からコア(たとえばコア430)を形成することを含み、コアは:カートリッジシャーシ(たとえばカートリッジシャーシ224)に固定するように構成された固定部分(たとえば固定部分436)と;容器(たとえば容器220)に対して封止するように構成された容器部分(たとえば容器部分438)と;固定部分と容器部分との間でコアを通るアパーチャボア(たとえばアパーチャ422)とを含む。
【0039】
方法は、さらに、604において、第2のガス透過性を有する第2の材料(たとえば第2の材料432)で容器部分の少なくとも一部分およびアパーチャの少なくとも一部分をコーティングすることを含み、第2のガス透過性は、第1のガス透過性より大きい。
【0040】
本開示は、幅広い効用および用途が可能であることを容易に理解されたい。本明細書に説明するもの以外の本開示の数多くの実施形態および適合、ならびに数多くの変形形態、改変形態、および等価の配置は、本開示の要旨または範囲から逸脱することなく、本開示およびその前述の説明から明らかになるか、またはそれによって合理的に提案される。それにしたがって、本開示を特有の実施形態に関連して詳細に本明細書において説明してきたが、本開示は、例示的にすぎず、本開示の例を提示し、完全に有効な開示を提供する目的でのみ作られていることを理解されたい。本開示は、開示する特定の装置、アセンブリ、システム、および/または方法に限定されることを意図せず、その反対に、本発明は、特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべての改変形態、等価物、および代替策を対象とするものである。
【0041】
例示的な実施形態
1.カートリッジシャーシを有する試薬カートリッジを作動させる方法であって:
試薬を保持するように構成された少なくとも1つのポーチを提供することであって、
少なくとも1つのポーチは:
容器と;
取り付けデバイスであって:
第1の材料から形成され、カートリッジシャーシに固定するように構成された固定部分を含む、コアと;
第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は、第2の材料とは異なり、容器部分は、容器に対して封止される、容器部分と、
固定部分と容器との間を延びるアパーチャと;
アパーチャを閉じるカバーとを含む、取り付けデバイスとを含む、提供することと;
カバーを貫通するように穿孔プローブを動かすこととを含む、方法。
2.ポーチであって、
容器と;
取り付けデバイスとを含み、取り付けデバイスは:
25℃で9.5(cm3)(mil)/(24時間)(100in2)(ATM)未満の酸素の透過性を有する第1の材料から形成されたコアと;
シャーシに固定するように構成された固定部分と;
容器に対して封止される、第2の材料で少なくとも部分的にコーティングされた少なくとも1つの側部部分を含む容器部分であって、第1の材料は、第2の材料とは異なる、容器部分と;
固定部分と容器部分との間を延びるアパーチャとをさらに含む、ポーチ。