(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】スクロール圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04C 18/02 20060101AFI20231013BHJP
【FI】
F04C18/02 311Q
(21)【出願番号】P 2022024197
(22)【出願日】2022-02-18
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0022683
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0176917
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,キョン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジョン キ
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ジョン ヒョン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/015439(WO,A1)
【文献】特開2015-129476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング、
前記ハウジング内に備えられるモーター、
前記モーターにより回転される回転軸、
前記回転軸に連動されて旋回運動される旋回スクロール、
前記旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロール、を含み、
前記ハウジングは、前記回転軸が貫通するセンターハウジング、
前記モーターが収容されるモーター収容空間を形成するフロントハウジング、及び前記圧縮室から吐出される冷媒を収容する吐出室と前記ハウジングの外部から導入される中間圧の冷媒を収容する導入室を形成するリアハウジングを含み、
前記固定スクロールには前記導入室の冷媒を前記圧縮室に案内する複数の注入口が備えられ、
前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向する時、前記複数の注入口のうち少なくとも1つは隣接する圧縮室と連通しないように前記旋回スクロールの旋回ラップにより閉鎖され、
前記複数の注入口は、
前記旋回スクロールの旋回ラップの外周面と前記固定スクロールの固定ラップの内周面により形成される外側圧縮室と連通可能に、前記固定ラップの内周面に隣接するように配置される第1注入口、及び
前記旋回スクロールの旋回ラップの内周面と前記固定スクロールの固定ラップの外周面により形成される内側圧縮室と連通可能に、前記固定ラップの外周面に隣接するように配置される第2注入口を含み、
前記第1注入口と前記第2注入口はそれぞれ長孔形状に形成されて、
前記第1注入口と前記第2注入口のうち何れか一方の短軸の長さは他方の短軸の長さより短く形成されることを特徴とするスクロール圧縮機。
【請求項2】
前記固定スクロールと前記リアハウジングとの間には、前記導入室から中間圧の冷媒を前記複数の注入口に案内する注入流路を開閉するための注入バルブ組立体が備えられることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項3】
前記複数の注入口が前記旋回ラップに対向する時、前記複数の注入口にそれぞれ隣接する圧縮室は前記注入バルブ組立体の注入流路を通じて流体連通されないことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記注入バルブ組立体は、
前記リアハウジングに結合されて、前記導入室の冷媒が流入する1つ以上の流入口を有するカバープレート、
前記カバープレートに結合されて、前記流入口を通じて流入した冷媒が収容される1つ以上の傾斜空間と、前記傾斜空間の冷媒が前記複数の注入口に流出する複数の流出口を有するバルブプレート、及び
前記カバープレートと前記バルブプレート間に介在される注入バルブを含むことを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向される時、前記第1注入口に隣接する圧縮室の冷媒の圧力は、前記第2注入口に隣接する圧縮室の冷媒の圧力より高いことを特徴とする
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項6】
前記圧縮室は、冷媒の圧力が第1圧力範囲である一対の第1圧縮室、前記一対の第1圧縮室より半径方向の上、求心側に位置して冷媒の圧力が前記第1圧力範囲より高い第2圧力範囲である一対の第2圧縮室、及び前記一対の第2圧縮室より半径方向の上、求心側に位置して冷媒の圧力が前記第2圧力範囲より高い第3圧力範囲である一対の第3圧縮室を含み、
前記一対の第1圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第1外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第1内側圧縮室からなり、
前記一対の第2圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第2外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第2内側圧縮室からなり、
前記一対の第3圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第3外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第3内側圧縮室からなり、
前記第1注入口は前記第
1外側圧縮室と連通可能であり、前記第2注入口は前記第
1内側圧縮室と連通可能であることを特徴とする
請求項5に記載のスクロール圧縮機。
【請求項7】
前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向する時、前記第1注入口は前記第2内側圧縮室と隣接するようになり、前記第2注入口は前記第1外側圧縮室と隣接するようになることを特徴とする
請求項6に記載のスクロール圧縮機。
【請求項8】
前記第1注入口と前記第2注入口の長軸の長さは互いに同一に形成されることを特徴とする
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項9】
前記旋回ラップの端部は、平面部と、前記平面部の両側に配置される一対のチャンファーからなることを特徴とする
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項10】
前記旋回ラップが前記第1及び第2注入口に対向する時、前記第2注入口の短軸を定義する半径方向外側エッジは前記旋回ラップの平面部と接するように位置することを特徴とする
請求項9に記載のスクロール圧縮機。
【請求項11】
前記第2注入口の短軸の長さは前記旋回ラップの平面部の長さより短いか同じに形成されることを特徴とする
請求項10に記載のスクロール圧縮機。
【請求項12】
前記旋回ラップが前記第1及び第2注入口に対向する時、前記第1注入口の短軸を定義する半径方向内側エッジは前記旋回ラップの平面部と接するように位置することを特徴とする
請求項9に記載のスクロール圧縮機。
【請求項13】
前記第1注入口の短軸の長さは前記旋回ラップの平面部の長さより短いか同じに形成されることを特徴とする
請求項12に記載のスクロール圧縮機。
【請求項14】
前記注入バルブ組立体は、
前記カバープレートと前記バルブプレートとの間に介在して、前記流入口を前記傾斜空間と連通するように傾斜加工される1つ以上のリテーナー部を有するガスケットリテーナーをさらに含み、
前記注入バルブは前記カバープレートと前記ガスケットリテーナーとの間に介在して、
前記ガスケットリテーナーと前記注入バルブは前記カバープレートと前記バルブプレートとの間で圧搾されることを特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクロール圧縮機に係り、より詳しくは、固定スクロールと旋回スクロールで冷媒を圧縮できるようにしたスクロール圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動車には室内の冷暖房のための空調装置(Air Conditioning;A/C)が設置される。このような空調装置は冷房システムの構成として蒸発器から引入された低温低圧の気相冷媒を高温高圧の気相冷媒で圧縮させて凝縮機に送る圧縮機を含んでいる。
圧縮機にはピストンの往復運動によって冷媒を圧縮する往復式と、回転運動をしながら圧縮を遂行する回転式がある。往復式には駆動源の伝達方式によってクランクを使用して複数個のピストンに伝達するクランク式、斜板が設置されたシャフトに伝達する斜板式などがあり、回転式には回転するロータリー軸とベーンを使用するベーンロータリー式、旋回スクロールと固定スクロールを使用するスクロール式がある。
スクロール圧縮機は他の種類の圧縮機に比べて相対的に高い圧縮比を得ることができ、冷媒の吸入、圧縮、吐出行程がスムーズにつながり安定したトルクを得ることができる長所のため、空調装置などで冷媒圧縮用に広く使われている。
図1は従来のスクロール圧縮機を図示する断面図である。
【0003】
図1に示すとおり、従来のスクロール圧縮機は、ハウジング(100)、ハウジング(100)内に備えられるモーター(200)、モーター(200)により回転される回転軸(300)、回転軸(300)に連動されて旋回運動される旋回スクロール(400)及び旋回スクロール(400)と共に圧縮室(C)を形成する固定スクロール(500)を含む。
このような構成による従来のスクロール圧縮機は、モーター(200)に電源が印加されれば回転軸(300)がモーター(200)の回転子と共に回転し、旋回スクロール(400)が前転軸(300)に連動して旋回運動し、このような旋回スクロール(400)の旋回運動により冷媒は圧縮室(C)に吸入されて圧縮され、圧縮室(C)から吐出される一連の過程が繰り返される。
しかしながら、このような従来のスクロール圧縮機においては、圧縮室(C)から吐出される冷媒吐出量が決まっており、圧縮機の性能及び効率向上に限界があるという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、圧縮室から吐出される冷媒吐出流量を増加させて圧縮機の性能及び効率を向上させることのできるスクロール圧縮機を提供することをその目的とする。
本発明が達成しようとする課題は前述した技術的課題に制限されず、言及されない他の技術的課題は下記から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ハウジングと、前記ハウジング内に備えられるモーターと、前記モーターにより回転する回転軸と、前記回転軸に連動されて旋回運動する旋回スクロールと、前記旋回スクロールと共に圧縮室を形成する固定スクロールを含み、前記ハウジングは、前記回転軸が貫通するセンターハウジング前記モーターが収容されるモーター収容空間を形成するフロントハウジング及び前記圧縮室から吐出される冷媒を収容する吐出室と前記ハウジングの外部から導入される中間圧の冷媒を収容する導入室を形成するリアハウジングを含み、前記固定スクロールには前記導入室の冷媒を前記圧縮室に案内する複数の注入口が備えられ、前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向する時、前記複数の注入口の中の少なくとも1つは隣接する圧縮室と連通しないように前記旋回スクロールの旋回ラップにより閉鎖されることを特徴とするスクロール圧縮機を特徴とする。
【0006】
前記固定スクロールと前記リアハウジング間には、前記導入室から中間圧の冷媒を前記複数の注入口に案内する注入流路を開閉するための注入バルブ組立体が備えられることを特徴とする。
【0007】
前記複数の注入口が前記旋回ラップに対向する時、前記複数の注入口にそれぞれ隣接する圧縮室は前記注入バルブ組立体の注入流路を通じて流体連通されないことを特徴とする。
【0008】
前記注入バルブ組立体は、前記リアハウジングに結合されて、前記導入室の冷媒が流入する1つ以上の流入口を有するカバープレートと、前記カバープレートに結合されて、前記流入口を通じて流入した冷媒が収容される1つ以上の傾斜空間と、前記傾斜空間の冷媒が前記複数の注入口に流出する複数の流出口を有するバルブプレート及び前記カバープレートと前記バルブプレート間に介在される注入バルブを含むことを特徴とする。
【0009】
前記複数の注入口は、前記旋回スクロールの旋回ラップの外周面と前記固定スクロールの固定ラップの内周面により形成される外側圧縮室と連通可能になるように、前記固定ラップの内周面に隣接するように配置される第1注入口及び前記旋回スクロールの旋回ラップの内周面と前記固定スクロールの固定ラップの外周面により形成される内側圧縮室と連通可能になるように、前記固定ラップの外周面に隣接するように配置される第2注入口を含むことを特徴とする。
【0010】
前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向する時、前記第1注入口に隣接する圧縮室の冷媒の圧力は、前記第2注入口に隣接する圧縮室の冷媒の圧力より高いことを特徴とする。
【0011】
前記圧縮室は、冷媒の圧力が第1圧力範囲である一対の第1圧縮室、前記一対の第1圧縮室より半径方向上求心側に位置されて、冷媒の圧力が前記第1圧力範囲より高い第2圧力範囲である一対の第2圧縮室、及び前記一対の第2圧縮室より半径方向上求心側に位置して冷媒の圧力が前記第2圧力範囲より高い第3圧力範囲である一対の第3圧縮室を含み、前記一対の第1圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第1外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第1内側圧縮室からなり、前記一対の第2圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第2外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第2内側圧縮室からなり、前記一対の第3圧縮室は、前記旋回ラップの外周面と前記固定ラップの内周面により形成される第3外側圧縮室及び前記旋回ラップの内周面と前記固定ラップの外周面により形成される第3内側圧縮室からなり、前記第1注入口は前記第1外側縮室と連通可能であり、前記第2注入口は前記第1内側圧縮室と連通可能であることを特徴とする。
【0012】
前記複数の注入口が前記旋回スクロールの旋回ラップに対向する時、前記第1注入口は前記第2内側圧縮室と隣接するようになり、前記第2注入口は前記第1外側圧縮室と接するようになることを特徴とする。
【0013】
前記第1注入口と前記第2注入口はそれぞれ長孔形状に形成されて、前記第1注入口と前記第2注入口のうち何れか一方の短軸の長さは他方の短軸の長さより小さく形成されることを特徴とする。
【0014】
前記第1注入口と前記第2注入口の長軸の長さは互いに同一に形成されることを特徴とする。
【0015】
前記旋回ラップの端部は、平面部と、前記平面部の両側に配置される一対のチャンファーからなることを特徴とする。
【0016】
前記旋回ラップが前記第1及び第2注入口に対向する時、前記第2注入口の短軸を定義する半径方向外側エッジは前記旋回ラップの平面部と接するように位置することを特徴とする。
【0017】
前記第2注入口の短軸の長さは前記旋回ラップの平面部の長さより短いか、同じに形成されることを特徴とする。
【0018】
前記旋回ラップが前記第1及び第2注入口に対向する時、前記第1注入口の短軸を定義する半径方向内側エッジは前記旋回ラップの平面部と接するように位置できることを特徴とする。
【0019】
前記第1注入口の短軸の長さは前記旋回ラップの平面部の長さより短いか同じに形成されることを特徴とする。
【0020】
前記注入バルブ組立体は、前記カバープレートと前記バルブプレート間に介在して、前記流入口を前記傾斜空間と連通するように傾斜加工される1つ以上のリテーナー部を有するガスケットリテーナーをさらに含み、前記注入バルブは前記カバープレートと前記ガスケットリテーナー間に介在して、前記ガスケットリテーナーと前記注入バルブは前記カバープレートと前記バルブプレート間で圧搾されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、スクロール圧縮機の圧縮室(C)で吸入圧の冷媒だけではなく中間圧の冷媒が導入されることによって圧縮室から吐出される冷媒吐出流量を増加させ、圧縮機の性能及び効率を向上させることができる。
また、旋回スクロールの旋回ラップが圧縮室(C)に中間圧の冷媒を案内する注入口に対向する時、注入口が隣接する圧縮室と連通されないように閉鎖することによって、即ち、注入口をシーリング(sealing)することで注入口を通じて内部漏洩(leak)が発生することを防止できるので、圧縮機の性能と耐久性が向上することを特徴とする。
本発明の効果は上述した効果に限定されるのではなく、本発明の詳細な説明または特許請求範囲に記載された発明の構成から推論可能な全ての効果を含むことと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来のスクロール圧縮機を図示する断面図である。
【
図2】本発明の一実施例によるスクロール圧縮機を図示する断面図である。
【
図3】
図2のスクロール圧縮機でリアハウジング側を別の方向から図示する断面図である。
【
図4】
図2のスクロール圧縮機でリアハウジングを分離して図示する一部断面斜視図である。
【
図5】
図2のスクロール圧縮機でリアハウジングを分離して図示する正面図である。
【
図7】
図2のスクロール圧縮機で固定スクロールの背面図である。
【
図8】回転軸の回転角がそれぞれ第1、第2、第3及び第4の角度である時、固定ラップ、旋回ラップ及び注入口を図示する断面図である。
【
図9】回転軸の回転角がそれぞれ第1、第2、第3及び第4の角度である時、固定ラップ、旋回ラップ及び注入口を図示する断面図である。
【
図10】回転軸の回転角がそれぞれ第1、第2、第3及び第4の角度である時、固定ラップ、旋回ラップ及び注入口を図示する断面図である。
【
図11】回転軸の回転角がそれぞれ第1、第2、第3及び第4の角度である時、固定ラップ、旋回ラップ及び注入口を図示する断面図である。
【
図13】
図11の固定スクロールと旋回スクロールの配置状態を示す断面図である。
【
図15】
図2のスクロール圧縮機でリアハウジングとリアハウジングに収容される部品を図示する分解斜視図である。
【
図16】
図15の部品のうち吐出バルブが装着された固定スクロールの正面図である。
【
図17】
図15の部品のうち注入バルブ組立体を図示する分解斜視図である。
【
図18】
図17の注入バルブ組立体でカバープレートの背面を図示する斜視図である。
【
図19】
図17の注入バルブ組立体でバルブプレートの背面を図示する斜視図である。
【
図21】
図3のA部分を拡大して図示する断面図である。
【
図22】
図16のII-II線に沿って切開した斜視図である。
【
図23】本発明の別の実施例によるスクロール圧縮機でリアハウジング側を図示する断面図である。
【
図24】
図23のスクロール圧縮機でリアハウジングを分離して図示する一部断面斜視図である。
【
図25】
図23のスクロール圧縮機でリアハウジングを分離して図示する正面図である。
【
図27】
図23のスクロール圧縮機で固定スクロールの背面図である。
【
図28】
図23で固定スクロールと注入バルブ組立体を別の方向から図示する断面図である。
【
図29】
図23でリアハウジングとリアハウジングに収容される部品を図示する分解斜視図である。
【
図30】
図29の部品のうち吐出バルブが装着された固定スクロールの正面図である。
【
図31】
図29の部のうち注入バルブ組立体を図示する分解斜視図である。
【
図32】
図31の注入バルブ組立体でカバープレートの背面を図示する斜視図である。
【
図33】
図31の注入バルブ組立体でガスケットリテーナーの背面図である。
【
図34】
図31の注入バルブ組立体でバルブプレートの背面を図示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のスクロール圧縮機に関する実施例を図面を参照して説明する。
また、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義された用語として、これは使用者、運用者の意図または慣例によって変わることができ、下の実施例は本発明の権利範囲を限定するのではなく、本発明の請求範囲に提示された構成要素の例示的な事項に過ぎない。
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。明細書全体で、ある部分がある構成要素を「含む」とするとする時、これは特別に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく他の構成要素をさらに備えるという意味である。
【0024】
まず、
図2乃至12を参照して本発明のスクロール圧縮機を説明する。
図2に図示するとおり、本発明のスクロール圧縮機は、ハウジング(100)、ハウジング(100)内に備えられるモーター(200)、モーター(200)により回転する回転軸(300)、回転軸(300)に連動されて旋回運動する旋回スクロール(400)、旋回スクロール(400)と共に圧縮室(C)を形成する固定スクロール(500)及び固定スクロール(500)の一面上に配置されて圧縮室(C)で圧縮された冷媒が吐出される固定スクロールの吐出口(512)を開閉する吐出バルブ(600)を含む。
圧縮機は、ハウジング(100)の外部(スクロール圧縮機、凝縮機、膨脹バルブ及び蒸発器を含む蒸気圧縮式冷凍サイクルで、例えば凝縮機の下流)から中間圧の冷媒を圧縮室(C)に案内する注入流路を形成して注入流路を開閉するための注入バルブ組立体(700)をさらに含む。
【0025】
前記注入流路は後述する導入ポート(133)、導入室(I)、流入口(712)、傾斜空間(734)、連結流路(738)、流出口(736)及び注入口(514)を含んでリアハウジング(130)から固定スクロール(500)まで延長形成されて、注入バルブ組立体(700)は流入口(712)、傾斜空間(734)、連結流路(738)及び流出口(736)を含んでリアハウジング(130)と固定スクロール(500)間に介在されることができる。
具体的に、ハウジング(100)は、回転軸(300)が貫通するセンターハウジング(110)、センターハウジング(110)と共にモーター(200)が収容されるモーター収容空間(S1)を形成するフロントハウジング(120)及びセンターハウジング(110)と共に旋回スクロール(400)と固定スクロール(500)が収容されるスクロール収容空間(S2)を形成するリアハウジング(130)を含む。
センターハウジング(110)は、モーター収容空間(S1)とスクロール収容空間(S2)を区画して旋回スクロール(400)及び固定スクロール(500)を支持するセンターエンドプレート(112)及びセンターエンドプレート(112)の外周部からフロントハウジング(120)側に突出するセンター側板(114)を含む。
【0026】
センターエンドプレート(112)は略円板形に形成されて、センターエンドプレート(112)の中心部には回転軸(300)の一端部が貫通する軸受孔(112a)及び旋回スクロール(400)を固定スクロール(500)側に加圧する背圧室(112b)が形成される。ここで、回転軸(300)の一端部には回転軸(300)の回転運動を旋回スクロール(400)の旋回運動に転換させる偏心ブッシュ(310)が形成されて、背圧室(112b)は偏心ブッシュ(310)が回転できる空間を提供することもする。そして、センターエンドプレート(112)の外周部には後述するように、モーター収容空間(S1)に流入する冷媒をスクロール収容空間(S2)に案内する吸入流路(図示しない)が形成される。
【0027】
フロントハウジング(120)は、センターエンドプレート(112)に対向して回転軸(300)の他端部を支持するフロントエンドプレート(122)及びフロントエンドプレート(122)の外周部から突出してセンター側板(114)と締結されてモーター(200)を支持するフロント側板(124)を含む。ここで、センターエンドプレート(112)、センター側板(114)、フロントエンドプレート(122)及びフロント側板(124)がモーター収容空間(S1)を形成できる。そして、フロント側板(124)には外部から吸入圧の冷媒をモーター収容空間(S1)に案内する吸入ポート(図示しない)が形成される。
【0028】
図3乃至6に図示するように、リアハウジング(130)は、センターエンドプレート(112)に対向するリアエンドプレート(132)、リアエンドプレート(132)から突出してリアハウジング(130)の円周方向上最外郭側に位置する第1環形壁(134)、リアエンドプレート(132)から突出して第1環形壁(134)に収容される第2環形壁(136)及びリアエンドプレート(132)から突して第2環形壁(136)に収容される第3環形壁(138)を含んで、第1環形壁(134)、第2環形壁(136)及び第3環形壁(138)は互いに相違する高さを有するように形成される。
第1環形壁(134)はセンターエンドプレート(112)の外周部と略同等水準の直径を有する環形に形成されてセンターエンドプレート(112)の外周部に締結されて、スクロール収容空間(S2)を形成できる。
【0029】
第2環形壁(136)は第1環形壁(134)より小さな直径を有する環形に形成されて、後述する固定スクロール(500)の固定エンドプレート(510)の外周部に接触され、圧縮室(C)から吐出される冷媒を収容する吐出室(D)を形成できる。ここで、第2環形壁(136)は固定エンドプレート(510)に接触するように形成されることによって、リアハウジング(130)がセンターハウジング(110)に締結される時、固定スクロール(500)をセンターハウジング(110)側に加圧して固定スクロール(500)とセンターハウジング(110)間締結力を向上させて漏洩を防止できる。
第3環形壁(138)は第2環形壁(136)より小さな直径を有する環形に形成され、固定エンドプレート(510)から離隔されて、後述する注入バルブ組立体(700)のカバープレート(710)により覆蓋され、導入ポート(133)を通じて導入される冷媒を収容する導入室(I)を形成できる。
【0030】
リアエンドプレート(132)には吐出室(D)の冷媒をハウジング(100)の外部に案内する吐出ポート(131)が形成されるが、吐出ポート(131)はリアエンドプレート(132)の中心部からリアエンドプレート(132)の外周部一側にリアエンドプレート(132)の半径方向に延長形成できる。そして、リアエンドプレート(132)には吐出室(D)の冷媒を吐出ポート(131)に案内する吐出ポート入口(131a)が形成される。一方、吐出ポート(131)の内部には冷媒からオイルを分離させる管形のオイルセパレーター(図示しない)が備えられる。
また、リアエンドプレート(132)にはハウジング(100)の外部から中間圧の冷媒が導入される導入ポート(133)も形成されるが、導入ポート(133)はリアエンドプレート(132)の外周部他側からリアエンドプレート(132)の中心部にリアエンドプレート(132)の半径方向に延長形成されて、導入室(I)と連通できる。
【0031】
それと共に、リアハウジング(130)には吐出室(D)、吐出ポート(131)、導入ポート(133)及び導入室(I)が形成されて、導入室(I)の少なくとも一部は吐出室(D)に収容され、吐出ポート(131)の少なくとも一部は前記導入室(I)に収容され、導入ポート(133)の少なくとも一部は前記吐出室(D)に収容されるように形成できる。具体的に、第3環形壁(138)が第2環形壁(136)に収容されるように形成されることによって、そして第3環形壁(138)が固定エンドプレート(510)と離隔されて注入バルブ組立体(700)により覆蓋されることによって、導入室(I)の少なくとも一部が吐出室(D)に収容できる。即ち、導入室(I)の側部が第3環形壁(138)を挟んでリアハウジング(130)の半径方向に吐出室(D)と重畳されるように形成されて、導入室(I)の先端部が注入バルブ組立体(700)を挟んでリアハウジング(130)の軸方向に吐出室(D)と重畳されるように形成できる。
【0032】
そして、第3環形壁(138)には、注入バルブ組立体(700)を第3環形壁(138)に締結させるための締結ボルト(770)が挿入される締結溝(138a)及び後述する注入バルブ組立体(700)のカバープレート(710)、注入バルブ(720)及びバルブプレート(730)を事前に決定された位置に整列させるための位置決定ピン(780)が挿入される第1位置決定溝(138b)が形成できる。
図2に図示するように、モーター(200)は、フロント側板(124)に固定される固定子(210)及び固定子(210)の内部で固定子(210)との相互作用で回転される回転子(220)を含む。
回転軸(300)は、回転子(220)に締結されるが、回転子(220)の中心部を貫通して、回転軸(300)の一端部がセンターエンドプレート(112)の軸受孔(112a)を貫通して回転軸(300)の他端部がフロントエンドプレート(122)に支持される。
旋回スクロール(400)はセンターエンドプレート(112)と固定スクロール(500)間に介在して、円板形の旋回エンドプレート(410)、旋回エンドプレート(410)の中心部から固定スクロール(500)側に突出する旋回ラップ(420)及び旋回エンドプレート(410)の中心部から旋回ラップ(420)の反対側に突出して偏心ブッシュ(310)と締結されるボス部(430)を含むことができる。
【0033】
図3及び7に図示したように、固定スクロール(500)は、円板形の固定エンドプレート(510)、固定エンドプレート(510)の中心部から突出して旋回ラップ(420)と噛み合う固定ラップ(520)及び固定エンドプレート(510)の外周部から突出してセンターエンドプレート(112)に締結される固定側板(530)を含むことができる。
固定エンドプレート(510)は、圧縮室(C)の冷媒を吐出室(D)に吐出する吐出口(512)及び注入バルブ組立体(700)から吐出される冷媒を圧縮室(C)に案内する注入口(514)を含むことができる。 吐出口(512)は冷媒が過圧縮されることを防止するように複数で形成されて、複数の吐出口(512)は固定エンドプレート(510)と注入バルブ組立体(700)間に介在される吐出バルブ(600)により開閉される。
固定ラップ(520)は固定スクロール(500)の中心側から外周部側に、例えば対数螺旋形に延長形成される。固定側板(530)は固定エンドプレート(510)の外周部に沿って延びる環形に形成されて、一側に固定ラップ(520)と連結される固定ラップ初入部(532)を含むことができる。
【0034】
固定ラップ初入部(532)の軸方向高さは、圧縮室(C)の冷媒が固定ラップ初入部(532)を通じて漏洩されないように、固定ラップ(520)の軸方向高さと同等水準に形成される。また、固定ラップ初入部(532)の半径方向厚さは、固定ラップ(520)の支持剛性が向上するように、固定ラップ(520)の半径方向厚さより厚く形成できる。この時、固定スクロール(500)の重量及び原価削減のために、固定側板(530)は固定ラップ初入部(532)を除外した部位の半径方向厚さが固定ラップ初入部(532)の半径方向厚さより薄く形成できる。
具体的に、圧縮室(C)は、
図8乃至11に図示するように、スクロール収容空間(S2)の半径方向上遠心側に位置して冷媒の圧力が第1圧力範囲である第1圧縮室(C1)、第1圧縮室(C1)よりスクロール収容空間(S2)の半径方向上求心側に位置して冷媒の圧力が第1圧力範囲より高い第2圧力範囲である第2圧縮室(C2)及び第2圧縮室(C2)よりスクロール収容空間(S2)の半径方向上求心側に位置して冷媒の圧力が第2圧力範囲より高い第3圧力範囲である第3圧縮室(C3)を含み、第1圧縮室(C1)、第2圧縮室(C2)及び第3圧縮室(C3)はそれぞれ2つ一対に形成できる。
【0035】
第1圧縮室(C1)は、旋回ラップ(420)の外周面と固定ラップ(520)の内周面により形成される第1外側圧縮室(C11)及び旋回ラップ(420)の内周面と固定ラップ(520)の外周面により形成される第1内側圧縮室(C12)を含むことができる。
第2圧縮室(C2)は、旋回ラップ(420)の外周面と固定ラップ(520)の内周面により形成される第2外側圧縮室(C21)及び旋回ラップ(420)の内周面と固定ラップ(520)の外周面により形成される第2内側圧縮室(C22)を含むことができる。
第3圧縮室(C3)は、旋回ラップ(420)の外周面と固定ラップ(520)の内周面により形成される第3外側圧縮室(C31)及び旋回ラップ(420)の内周面と固定ラップ(520)の外周面により形成される第3内側圧縮室(C32)を含むことができる。
ここで、第3外側圧縮室(C31)と第3内側圧縮室(C32)は図8及び図9のように冷媒の圧縮が行われる過程で1つになることができる。
この時、吐出口(512)は、
第3圧縮室(C3)の冷媒を吐出するように固定エンドプレート(510)の中心側に形成されるメーン吐出口(512a)、第2外側圧縮室(C21)の冷媒を吐出するようにメーン吐出口(512a)を基準に固定エンドプレート(510)の半径方向外側に形成される第1サブ吐出口(512b)及び第2内側圧縮室(C22)の冷媒を吐出するようにメーン吐出口(512a)を基準に固定エンドプレート(510)の半径方向外側に形成されるが、メーン吐出口(512a)を基準に第1サブ吐出口(512b)の反対側に形成される第2サブ吐出口(512c)を含むことができる。
【0036】
また、注入口(514)は注入バルブ組立体(700)から吐出される冷媒を2つ一対の第
1圧縮室(C
1)に全て供給するように複数に形成できる。即ち、注入口(514)は第
1外側圧縮室(C
11)と連通可能な第1注入口(514a)及び第
1内側圧縮室(C
12)と連通可能な第2注入口(514b)を含み、第1注入口(514a)と第注入口(514b)は第1サブ吐出口(512b)と第2サブ吐出口(512c)をつなぐ仮想の線を基準に互いに反対側に形成できる。
ここで、注入口(514)は、第
1外側圧縮室(C
11)と第
1内側圧縮室(C
12)間圧力不均衡が発生しないように、第
1外側圧縮室(C
11)及び第
1内側圧縮室(C
12)と同時に連通するように形成できる。即ち、
図12に図示したように、第1注入口(514a)と第
1外側圧縮室(C
11)間連通が開始する時、第2注入口(514b)と第
1内側圧縮室(C
12)間連通が開始するように形成できる。
また、好ましくは、注入口(514)は第
1外側圧縮室(C
11)及び第
1内側圧縮室(C
12)と同時に遮蔽されるように形成できる。即ち、
図12に図示したように、第1注入口(514a)と第
1外側圧縮室(C
11)間連通が終了する時、第2注入口(514b)と第
1内側圧縮室(C
12)間連通が終了するように形成できる。
【0037】
ここで、
図11及び13に図示するように、スクロール圧縮機の作動によって圧縮が行われ、旋回スクロールの旋回ラップ(420)が第1及び第2注入口(514a、514b)と重畳する瞬間、即ち、第1及び第2注入口(514a、514b)が旋回スクロールの旋回ラップ(420)に対向する瞬間が発生するようになる。
この時、第
1外側圧縮室(C
11)と連通可能な第1注入口(514a)は、即ち、固定ラップ(520)の内周面に隣接するように配置される第1注入口(514a)は第2内側圧縮室(C22)と隣接するようになる。一方、第
1内側圧縮室(C
12)と連通可能な第2注入口(514b)は、即ち、固定ラップ(520)の外周面に隣接するように配置される第2注入口(514b)は第1外側圧縮室(C11)と隣接するようになる。
第2内側圧縮室(C22)の圧力は第1外側圧縮室(C11)の圧力より大きいので、第2内側圧縮室(C22)で隣接する第1注入口(514a)を通じて漏洩された高圧の冷媒が後述する注入バルブ組立体(700)の注入流路を経て第2注入口(514b)を通じて第1外側圧縮室(C11)に流れ込むことができる。
【0038】
具体的に、第2内側圧縮室(C22)で隣接する第1注入口(514a)を通じて漏洩した高圧の冷媒が後述する第1流出口(736a)と第1連結流路(738a)を通じて傾斜空間(734)に流動されて、以後第2連結流路(738b)と第2流出口(736b)を通じて第2注入口(514b)に流動して第1外側圧縮室(C11)に流れ込みできるということである。仮りに、このように内部漏洩(leak)が発生すれば吐出温度が増加し、圧縮機の耐久性に問題が発生する。
それで、本発明は前述のような冷媒の内部漏洩を防止するために、注入口の形状を調節してシーリングしている。
本実施例で第1及び第2注入口(514a、514b)は圧縮室(C)に注入される冷媒の流量増加のためにそれぞれ長孔形状に形成されて、短軸と長軸を有する。また、第1及び第2注入口(514a、514b)は、冷媒が注入口を通過する過程で圧力損失及び流量損失が発生しないように、断面形状が一定に形成されるようにできる。即ち、第1及び第2注入口(514a、514b)の内径は注入口の軸方向位置と関係なく事前に決定された値に形成されることができる。
この時、第2注入口(514b)の短軸を定義する半径方向外側エッジ(514ba)、即ち、第1外側圧縮室(C11)と隣接する外側エッジ(514ba)の位置が制限されることによって、第2注入口(514b)と第1外側圧縮室(C11)が連通されずシーリングできる。
【0039】
図14に図示したように、旋回ラップ(420)の各端部は平面部(422)と平面部(422)の両側に配置される一対のチャンファー(421)からなる。固定スクロールを加工する時、固定エンドプレート(510)と固定ラップ(520)がつながる部分はラウンド処理されなければならないので、これを回避するためには旋回ラップ(420)の端部の両側部またチャンファー(421)からなるべきである。
具体的に、第2注入口(514b)が旋回ラップ(420)と向き合う時、第2注入口(514b)の外側エッジ(514ba)は旋回ラップ(420)のチャンファー(421)を除外した平面部(422)と接するように位置する。それにより、第2注入口(514b)で冷媒が旋回ラップ(420)のチャンファー(421)部分を通じて第1外側圧縮室(C11)に漏洩しない。即ち、旋回スクロールの旋回ラップ(420)が第1及び第2注入口(514a、514b)と重畳した時、第2内側圧縮室(C22)で隣接する第1注入口(514a)を通じて冷媒が漏洩したとしても第2注入口(514b)を通じて第1外側圧縮室(C11)に冷媒が漏洩する恐れがないので内部漏洩が防止できる。
【0040】
ここで、第2注入口(514b)の半径方向内側には固定ラップ(520)が配置されており冷媒が漏洩する可能性が低いので、第2注入口(514b)の短軸を定義する半径方向内側エッジ(514bb)、即ち、固定ラップ(520)と隣接する内側エッジ(514bb)はその位置が制限されない。
しかし、さらに確実なシーリング効果のために、第2注入口(514b)の内側エッジ(514bb)も旋回ラップ(420)のチャンファー(421)を除外した平面部(422)と接するように位置できる。即ち、
図14に図示したように、第2注入口(514b)の短軸の長さ(L1)が旋回ラップのチャンファー(421)部分を除外した平面部(422)の長さ(L2)より短いか同じに形成できる。
この時、
図13に図示したように、第1注入口(514a)の短軸は第2注入口(514b)の短軸より大きく形成されている。即ち、第1注入口(514a)と第2注入口(514b)は非対称に形成されている。それにより、注入口(514)を通じて供給される冷媒の圧力損失なく性能が十分に発揮されるようにしながらも内部漏洩を防止できる。
ただし、第1注入口(514a)の長軸は第2注入口(514b)の長軸と同じ長さに形成されている。それにより、第1注入口(514a)と第2注入口(514b)の開閉タイミングは同一に維持できる。
【0041】
しかし、これに限定されるのではなく、高圧の第2内側圧縮室(C22)で第1注入口(514a)に冷媒が漏洩するのを根本的に遮断することもできる。そのために、第1注入口(514a)が旋回ラップ(420)と向き合う時、第1注入口(514a)の短軸を定義する半径方向内側エッジ(514ab)、即ち第2内側圧縮室(C22)と隣接する内側エッジ(514ab)が旋回ラップ(420)のチャンファー(421)を除外した平面部(422)と接するように位置するようにできる。それにより、2内側圧縮室(C22)で冷媒が前記旋回ラップ(420)のチャンファー(421)部分を通じて第1注入口(514a)に漏洩しない。また、第1注入口(514a)の短軸の長さが旋回ラップのチャンファー(421)部分を除外した平面部(422)の長さ(L2)より短いか同じに形成できる。
【0042】
次に、
図15及び16を参照して、吐出バルブ(600)について説明する。吐出バルブ(600)は固定エンドプレート(510)と注入バルブ組立体(700)間に介在して、吐出口(512)と吐出室(D)間を連通及び遮蔽させるためのものである。
吐出バルブ(600)は、メーン吐出口(512a)を開閉するメーン開閉部(610)、第1サブ 吐出口(512b)を開閉する第1サブ開閉部(630)、第2サブ吐出口(512c)を開閉する第2サブ開閉部(650)、固定エンドプレート(510)に締結される締結部(670)、メーン開閉部(610)から締結部(670)まで延びるメーン支持部(620)、第1サブ開閉部(630)から締結部(670)まで延びる第1サブ支持部(640)及び第2サブ開閉部(650)から締結部(670)まで延びる第2サブ支持部(660)を含むことができる。
吐出バルブ(600)は、吐出バルブ(600)による原価及び重量の上昇が最小化するように、メーン開閉部(610)、第1サブ開閉部(630)、第2サブ開閉部(650)、記締結部(670)、メーン支持部(620)、第1サブ支持部(640)及び第2サブ支持部(660)が一体に形成できる。また、締結部(670)の円周方向幅が第1サブ開閉部(630)と第2サブ開閉部(650)間の距離より小さく形成されて、1つの締結部材(680)により締結部(670)が固定エンドプレート(510)に締結できる。ここで、吐出バルブ(600)が1つの締結部材(680)により固定エンドプレート(510)に締結されても十分な支持を受けることができるように、1つの締結部材(680)は相対的に厚さと高さの大きい固定ラップ初入部(532)側に締結されることが好ましい。
【0043】
また、第1サブ支持部(640)と第2サブ支持部(660)のうち少なくとも1つが注入口(514)と干渉することを防止するために、第1サブ支持部(640)と第2サブ支持部(660)のうち少なくとも1つはメーン支持部(620)側に凹んで形成される回避部(690)を含むことができる。
ここで、第3圧縮室(C3)の圧力が吐出圧水準に達すればメーン開閉部(610)がメーン吐出口(512a)を開放する。この時、第2外側圧縮室(C21)の圧力が第2圧力範囲を超過する場合、第1サブ開閉部(630)が第1サブ吐出口(512b)を開放して第2外側圧縮室(C21)の圧力を第2圧力範囲に含まれる水準に下げて、第2内側圧縮室(C22)の圧力が第2圧力範囲を超過する場合、第2サブ開閉部(650)が第2サブ吐出口(512c)を開放して第2内側圧縮室(C22)の圧力を第2圧力範囲に含まれる水準に下げて、メーン吐出口(512a)から吐出される冷媒の圧力が吐出圧より過度に高くなることを防止できる。即ち、過圧縮が防止できる。
【0044】
一方、第1サブ吐出口(512b)と第2サブ吐出口(512c)は第2外側圧縮室(C21)と第2内側圧縮室(C22)間圧力不均衡が発生しないように、第2外側圧縮室(C21)及び第2内側圧縮室(C22)と同時に連通するように形成できる。即ち、第1サブ吐出口(512b)と第2外側圧縮室(C21)間連通が開始される時、第2サブ吐出口(512c)と第2内側圧縮室(C22)間連通が開始されるように形成できる。
そして、好ましくは、第1サブ吐出口(512b)と第2サブ吐出口(512c)は第2外側圧縮室(C21)及び第2内側圧縮室(C22)と同時に遮蔽されるように形成できる。即ち、第1サブ吐出口(512b)と第2外側圧縮室(C21)間連通が終了する時、第2サブ吐出口(512c)と第2内側圧縮室(C22)間連通が終了するように形成できる。
【0045】
次に、
図15及び17乃至20を参照して注入バルブ組立体(700)について説明する。注入バルブ組立体(700)は導入室(I)と注入口(514)間を連通及び遮蔽させるように第3環形壁(138)の先端面に形成される。
具体的に、注入バルブ組立体(700)は、第3環形壁(138)の先端面に締結されて導入室(I)を覆蓋するカバープレート(710)、カバープレート(710)を基準に導入室(I)の反対側でカバープレート(710)に締結されるバルブプレート(730)及びカバープレート(710)とバルブプレート(730)間に介在する注入バルブ(720)を含むことができる。
カバープレート(710)は、
図17及び18に図示したように、第3環形壁(138)に対向するカバープレート上面(710a)、バルブプレート(730)と注入バルブ(720)に対向するカバープレート下面(710b)及びカバープレート(710)の中心部でカバープレート下面(710b)から凹んで形成される注入バルブ装着装着溝(710c)を含む。
また、カバープレート(710)は、導入室(I)と後述する傾斜空間(734)を連通させる流入口(712)、締結溝(138a)と連通されて締結ボルト(770)により貫通される第2締結ホール(714)及び第1位置決定溝(138b)に連通されて位置決定ピン(780)により貫通される第1位置決定ホール(716)をさらに含むことができる。
【0046】
流入口(712)はカバープレート(710)の中心部でカバープレート上面(710a)から注入バルブ装着装着溝(710c)まで貫通形成される。第2締結ホール(714)はカバープレート(710)の外周部に形成されて、カバープレート上面(710a)からカバープレート下面(710b)まで貫通形成される。また、第1位置決定ホール(716)はカバープレート(710)の半径方向上流入口(712)と第2締結ホール(714)間に形成されて、カバープレート上面(710a)から注入バルブ装着装着溝(710c)、またはカバープレート下面(710b)まで貫通形成される。
注入バルブ(720)は、
図17に図示したように、流入口(712)を開閉する頭部(722)、頭部(722)を支持する脚部(724)及び脚部(724)を支持する周り部(726)を含むことができる。頭部(722)は外径が流入口(712)の内径より大きい円板形に形成できる。脚部(724)は頭部(722)から周り部(726)の一側まで一方向に延びた板形に形成できる。また、周り部(726)は注入バルブ装着装着溝(710c)に収容されながら頭部(722)と脚部(724)を収容する輪状、例えば、本実施例では四角形の輪状に形成できる。周り部(726)は第1位置決定ホール(716)に連通されて位置決定ピン(780)により貫通される第2位置決定ホール(726a)を含むことができる。
【0047】
ここで、注入バルブ(720)は、注入バルブ(720)を固定させるための別途の締結部材が無く、周り部(726)が注入バルブ装着装着溝(710c)とバルブプレート(730)間で圧搾されることによって固定される。そのために、周り部(726)の軸方向の厚さが注入バルブ装着溝(710c)の軸方向の深さ(さらに正確には、注入バルブ装着溝(710c)の基底面と後述するバルブプレート上面(730a)間の距離)より大きいか、同じに形成できる。この時、公差により周り部(726)が注入バルブ装着溝(710c)とバルブプレート(730)間で圧搾されない場合を未然に防止するために、周り部(726)の軸方向の厚さが注入バルブ装着溝(710c)の軸方向の深さより大きく設計されることが好ましい。
バルブプレート(730)は、
図17、19及び20に図示したように、カバープレート(710)及び注入バルブ(720)に対向するバルブプレート上面(730a)及びバルブプレート上面(730a)の背面をなしながら固定スクロール(500)に対向するバルブプレート下面(730b)を含むことができる。
また、バルブプレート(730)は、バルブプレート下面(730b)から第1注入口(514a)と第2注入口(514b)側に突出する突出部(732)をさらに含むことができる。即ち、バルブプレート(730)は、バルブプレート下面(730b)の一側から第1注入口(514a)側に突出する第1突出部(732a)及びバルブプレート下面(730b)の他側から第2注入口(514b)側に突出する第2突出部(732b)を含むことができる。
【0048】
この時、第1突出部(732a)は、バルブプレート下面(730b)の一側から第1注入口(514a)側に突出する第1大径部(732aa)及び第1大径部(732aa)から第1注入口(514a)側にさらに突出する第1小径部(732ab)を含むことができる。第1大径部(732aa)の外径は第1小径部(732ab)の外径より大きく形成される。
第2突出部(732b)も同様に、バルブプレート下面(730b)の他側から第2注入口(514b)側に突出する第2大径部(732ba)及び第2大径部(732ba)から第2注入口(514b)側にさらに突出する第2小径部(732bb)を含むことができる。第2大径部(732ba)の外径は第2小径部(732bb)の外径より大きく形成される。
また、バルブプレート(730)は、注入バルブ(720)のリテーナー(retainer)の役割をし、流入口(712)を通じて流入する冷媒を収容する傾斜空間(734)、第1突出部(732a)に形成されて第1注入口(514a)と連通される第1流出口(736a)、第2突出部(732b)に形成されて第2注入口(514b)と連通される第2流出口(736b)、傾斜空間(734)の冷媒を第1流出口(736a)に案内する第1連結流路(738a)及び傾斜空間(734)の冷媒を第2流出口(736b)に案内する第2連結流路(738b)をさらに含むことができる。
【0049】
バルブプレート上面(730a)はカバープレート下面(710b)と注入バルブ(720)の周り部(726)に接触する平面に形成でき、傾斜空間(734)はバルブプレート上面(730a)から凹んで形成できる。傾斜空間(734)は、注入バルブ(720)が流入口(712)を開放する時、即ち、注入バルブ(720)の頭部(722)と脚部(724)が周り部(726)に対してバルブプレート(730)側に移動しながら開かれる時、注入バルブ(720)の頭部(722)と脚部(724)を支持するためのリテーナー面を含むことができる。
第1流出口(736a)は第1突出部(732a)の先端面、さらに正確には第1小径部(732ab)の先端面から凹んで形成されて、第1大径部(732aa)まで延長形成できる。第2流出口(736b)は第2突出部(732b)の先端面、さらに正確には第2小径部(732bb)の先端面から凹んで形成されて、第2大径部(732ba)まで延長形成できる。
第1連結流路(738a)はバルブプレート上面(730a)から凹んで形成されて、傾斜空間(734)の一側と第1流出口(736a)を連通させるように形成できる。また、第2連結流路(738b)はバルブプレート上面(730a)から凹んで形成されて、傾斜空間(734)の他側と第2流出口(736b)を連通させるように形成できる。
【0050】
バルブプレート下面(730b)は、吐出バルブ(600)が前記固定エンドプレート(510)とバルブプレート下面(730b)間に介在するように、そして吐出口(512)から吐出される冷媒が吐出室(D)に流動できるように、固定エンドプレート(510)と離隔されるように形成される。
バルブプレート(730)は、第2締結ホール(714)に連通されるように、そして締結ボルト(770)により貫通されるように、バルブプレート(730)の外周部でバルブプレート上面(730a)からバルブプレート下面(730b)まで貫通形成される第1締結ホール(739a)をさらに含むことができる。また、バルブプレート(730)は、第2位置決定ホール(726a)に連通されるように、そして位置決定ピン(780)が挿入されるように、バルブプレート上面(730a)から凹んで形成される第2位置決定溝(739b)をさらに含むことができる。
それにより、位置決定ピン(780)の一端部が第1位置決定ホール(716)を貫通して第1位置決定溝(138b)に挿入されて、位置決定ピン(780)の他端部が第2位置決定ホール(726a)を貫通して第2位置決定溝(739b)に挿入されることによって、前記注入バルブ組立体(700)のカバープレート(710)、注入バルブ(720)及びバルブプレート(730)が整列できる。また、締結ボルト(770)が第1締結ホール(739a)と第2締結ホール(714)を貫通して締結溝(138a)に締結されることによって、注入バルブ組立体(700)がリアハウジング(130)に締結されることができる。
【0051】
一方、
図21及び22に図示したように、固定エンドプレート(510)は、注入バルブ組立体(700)から第1注入口(514a)と第2注入口(514b)に冷媒が流動する時、冷媒漏洩が発生しないように小径部挿入溝(516)をさらに含むことができる。即ち、固定エンドプレート(510)は、第1小径部(732ab)が挿入される第1小径部挿入溝(516a)及び第2小径部(732bb)が挿入される第2小径部挿入溝(516b)をさらに含むことができる。
具体的に、固定エンドプレート(510)は、注入バルブ組立体(700)に対向する固定エンドプレート上面(510a)及び固定エンドプレート上面(510a)の背面をなして、旋回スクロール(400)に対向する固定エンドプレート下面(510b)を含むことができる。
そして、第1小径部挿入溝(516a)は固定エンドプレート上面(510a)から固定エンドプレート下面(510b)側に凹んで形成されて第1小径部(732ab)が挿入されて、第1注入口(514a)は固定エンドプレート下面(510b)から固定エンドプレート上面(510a)側に凹んで形成されて、第1小径部挿入溝(516a)と連通することができる。
同様に、第2小径部挿入溝(516b)は固定エンドプレート上面(510a)から固定エンドプレート下面(510b)側に凹んで形成され、第2小径部(732bb)が挿入され、第2注入口(514b)は固定エンドプレート下面(510b)から固定エンドプレート上面(510a)側に凹んで形成され第2小径部挿入溝(516b)と連通できる。
【0052】
ここで、第1小径部(732ab)が第1小径部挿入溝(516a)に挿入可能なように、そして冷媒が注入バルブ組立体(700)から第1注入口(514a)に流動する過程で圧力損失及び流量損失が発生しないように、
図21に図示したように、第1小径部(732ab)の内径(第1流出口(736a)の内径)は第1注入口(514a)の内径より大きいか、同じに形成されて、第1小径部挿入溝(516a)の内径は第1小径部(732ab)の外径同等水準に形成されることができる。
第1大径部(732aa)は第1小径部挿入溝(516a)に挿入されないように第1大径部(732aa)の外径が第1小径部挿入溝(516a)の内径より大きく形成できる。この時、第1大径部(732aa)の先端面と固定エンドプレート上面(510a)間には第3シーリング部材(760)が圧搾された状態で介在できる。そのために、第1小径部(732ab)の突出長さ(第1大径部(732aa)の先端面と第1小径部(732ab)の先端面間の軸方向距離)が第3シーリング部材(760)の変形前の厚さよりは大きく、第3シーリング部材(760)の変形前の厚さと第1小径部挿入溝(516a)の軸方向の深さの合計よりは小さく形成できる。
同様に、第2小径部(732bb)が第2小径部挿入溝(516b)に挿入可能に、そして冷媒が注入バルブ組立体(700)から第2注入口(514b)に流動する過程で圧力損失及び流量損失が発生しないように、第2小径部(732bb)の内径(第2流出口(736b)の内径)は第2注入口(514b)の内径より大きいか、同じに形成されて、第2小径部挿入溝(516b)の内径は第2小径部(732bb)の外径と同等水準に形成できる。
【0053】
第2大径部(732ba)は第2小径部挿入溝(516b)に挿入されないように第2大径部(732ba)の外径が第2小径部挿入溝(516b)の内径より大きく形成される。この時、第2大径部(732ba)の先端面と固定エンドプレート上面(510a)間には第3シーリング部材(760)が圧搾された状態で介在できる。そのために、第2小径部(732bb)の突出長さ(第2大径部(732ba)の先端面と第2小径部(732bb)の先端面間の軸方向距離)が第3シーリング部材(760)の変形前の厚さよりは大きく、第3シーリング部材(760)の変形前の厚さと第2小径部挿入溝(516b)の軸方向の深さの合計よりは小さく形成できる。
一方、
図21に図示したように、注入バルブ組立体(700)がリアハウジング(130)に締結される時、カバープレート上面(710a)と第3環形壁(138)間に第1シーリング部材(740)が介在して、バルブプレート上面(730a)とカバープレート下面(710b)間に第2シーリング部材(750)が介在できる。
また、
図18に図示したように、カバープレート(710)には第1グルーブ(718)と第2グルーブ(719)が形成できる。第1グルーブ(718)は注入バルブ(720)の頭部(722)とカバープレート(710)間の接触面積を減少させて衝突騷音を減少させ、異物を捕集及び排出させて、注入バルブ(720)の頭部(722)とカバープレート(710)間に異物がつくことを防止するためのもので、注入バルブ装着溝(710c)から凹んで流入口(712)の周囲を囲む環形に形成できる。第2グルーブ(719)は異物を捕集及び排出させて注入バルブ(720)の脚部(724)とカバープレート(710)間に異物がつくことを防止するためのもので、注入バルブ(720)の脚部(724)に対向する位置で注入バルブ装着溝(710c)から凹んで形成できる。
【0054】
図16に図示したように、固定エンドプレート(510)には第3グルーブ(518)と第4グルーブ(519)が形成できる。第3グルーブ(518)は吐出バルブ(600)のメーン開閉部(610)と固定エンドプレート(510)間の接触面積を減少させて、吐出バルブ(600)のメーン開閉部(610)と固定エンドプレート(510)間の衝突騷音を減少させて、異物を捕集及び排出させ、吐出バルブ(600)のメーン開閉部(610)と固定エンドプレート(510)間に異物がつくことを防止するためのもので、固定エンドプレート上面(510a)から凹んでメーン吐出口(512a)の周囲を囲む環形に形成できる。第4グルーブ(519)は異物を捕集及び排出させて吐出バルブ(600)のメーン支持部(620)、第1サブ支持部(640)及び第2サブ支持部(660)と固定エンドプレート(510)間に異物がつくことを防止するためのもので、吐出バルブ(600)の支持部に対向する位置で固定エンドプレート上面(510a)から凹んで形成できる。
【0055】
以下、スクロール圧縮機の作用効果について説明する。
モーター(200)に電源が印加されれば回転子(220)と共に回転軸(300)が回転し、旋回スクロール(400)が偏心ブッシュ(310)を通じて回転軸(300)から回転力の伝達を受けて旋回運動する。 それにより、圧縮室(C)は中心側に向かって持続的に移動しながら体積が減少する。
それにより、圧縮室(C)に吸入された冷媒は圧縮室(C)の移動経路に沿って中心側に移動しながら圧縮されて記吐出口(512)を通じて吐出室(D)に吐出され、吐出室(D)に吐出された吐出圧の冷媒は吐出ポート(131)を通じて圧縮機の外部に排出される。
この時、吸入圧の冷媒は吸入ポート(図示しない)、モーター収容空間(S1)、吸入流路(図示しない)及びスクロール収容空間(S2)を通じて圧縮室(C)に流入できる。
また、スクロール圧縮機は、中間圧の冷媒を圧縮室(C)に案内する注入流路(導入ポート(133)、導入室(I)、注入バルブ組立体(700)、連通口(612)及び注入口(514))を含み、吸入圧の冷媒だけではなく中間圧の冷媒まで圧縮して吐出するによって、吸入圧の冷媒だけを吸入及び圧縮して吐出する時より、冷媒吐出流量が増加できる。それにより、圧縮機の性能及び効率が向上する。
【0056】
また、リアハウジング(130)が吐出室(D)及び吐出ポート(131)だけではなく導入ポート(133)及び導入室(I)まで含むことによって、即ち、吐出室(D)、吐出ポート(131)、導入ポート(133)及び導入室(I)を有するリアハウジング(130)が一体に形成されることによって、漏洩可能性が減少し、大きさ、原価及び重量が減少できる。
導入室(I)の少なくとも一部が吐出室(D)に収容されることによって、注入口(514)に案内される冷媒は第3環形壁(138)と注入バルブ組立体(700)を通じて吐出室(D)の冷媒と熱交換できる。即ち、導入室(I)の冷媒及び注入バルブ組立体(700)を通過する冷媒が吐出室(D)の冷媒から熱の伝達を受けて加熱される。それにより、液冷媒が注入口(514)を通じて圧縮室(C)に注入されることが防止できる。
【0057】
また、旋回スクロールの旋回ラップ(420)が第1及び第2注入口(514a、514b)に対向する時、第1注入口(514a)または第2注入口(514b)が旋回ラップのチャンファー(421)部分を通じてそれぞれ第2内側圧縮室(C22)及び第1外側圧縮室(C11)と連通されることを防止してシーリングするために、第1注入口(514a)または第2注入口(514b)の短軸を定義するエッジの位置を制限するによって、第1及び第2注入口(514a、514b)による内部漏洩(leak)が防止でき、圧縮機の性能と耐久性が向上する。即ち、第1及び第2注入口(514a、514b)が旋回ラップ(420)に対向する時、第1及び第2注入口(514a、514b)にそれぞれ隣接する第2内側圧縮室(C22)と第1外側圧縮室(C11)は注入バルブ組立体(700)の注入流路を通じて流体連通されない。
【0058】
次に、
図23乃至34を参照して本発明の第2実施例によるスクロール圧縮機を説明する。本発明の第2実施例によるスクロール圧縮機は第1実施例によるスクロール圧縮機と比較してセンターハウジング、フロントハウジング、モーター、回転軸、旋回スクロールの構成が同一であり、リアハウジング及びリアハウジング内に配置される固定スクロールと注入バルブ組立体の形状だけが相違することろ、相違する部分を重点的に説明する。
図23乃至26に図示したように、本実施例でリアハウジング(1130)は前述したようにリアエンドプレート(1132)、リアエンドプレート(1132)から突出する第1環形壁(1134)、第2環形壁(1136)及び第3環形壁(1138)を含み、第1環形壁(1134)、第2環形壁(1136)及び第3環形壁(1138)は互いに相違する高さを有するように形成される。この時、第1環形壁(1134)はスクロール 収容空間(S2’)を形成して、第2環形壁(1136)は第1環形壁(1134)より小さな直径を有する環形に形成されて、後述する固定スクロール(1500)の固定エンドプレート(1510)の外周部に接触することによって圧縮室から吐出される冷媒を収容する吐出室(D’)を形成する。また、第3環形壁(1138)は第2環形壁(1136)より小さな直径を有する環形に形成されて、後述する注入バルブ組立体(1700)のカバープレート(1710)により覆蓋されることによって導入ポート(1133)を通じて導入される冷媒を収容する導入室(I’)を形成する。
リアエンドプレート(1132)には吐出室(D’)の冷媒をハウジングの外部に案内する吐出ポート(1131)と、導入室(I’)と連通されてハウジングの外部から中間圧の冷媒が導入される導入ポート(1133)が備えられる。そして、第3環形壁(1138)には締結ボルト(1770)が挿入される締結溝(1138a)と、位置決定ピン(1780)が挿入される第1位置決定溝(1138b)が形成される。
【0059】
図23、27及び28に図示したように、本実施例で固定スクロール(1500)は前述したように円板形の固定エンドプレート(1510)、固定エンドプレート(1510)の中心部から突出して旋回スクロールの旋回ラップと噛み合う固定ラップ(1520)及び固定エンドプレート(1510)の外周部から突出してセンターハウジングのセンターエンドプレートに締結される固定側板(1530)を含む。
固定エンドプレート(1510)には圧縮室の冷媒を吐出室(D’)に吐出する吐出口(1512)及び注入バルブ組立体(1700)から吐出される冷媒を圧縮室に案内する注入口(1514)が形成される。吐出口(1512)は複数に形成されて、複数の吐出口(1512)は固定エンドプレート(1510)と注入バルブ組立体(1700)間に介在される吐出バルブ(1600)により開閉できる。複数の吐出口(1512)はメーン吐出口(1512a)、第1サブ吐出口(1512b)及び第2サブ吐出口(1512c)を含む。注入口(1514)も複数に形成されて、複数の注入口(1514)は第1注入口(1514a)及び第2注入口(1514b)を含む。
本実施例で第1注入口(1514a)及び第2注入口(1514b)は前述したように旋回スクロールの旋回ラップに重畳される瞬間、内部漏洩が発生しないように形成される。
【0060】
次に、
図29及び30を参照して吐出バルブ(1600)に関して説明する。吐出バルブ(1600)は前述したようにメーン吐出口(1512a)を開閉するメーン開閉部(1610)、第1サブ吐出口(1512b)を開閉する第1サブ開閉部(1630)、第2サブ吐出口(1512c)を開閉する第2サブ開閉部(1650)、固定エンドプレート(1510)に締結される締結部(1670)、メーン開閉部(1610)から締結部(1670)まで延びるメーン支持部(1620)、第1サブ開閉部(1630)から締結部(1670)まで延びる第1サブ支持部(1640)及び第2サブ開閉部(1650)から締結部(1670)まで延びる第2サブ支持部(1660)を含む。締結部(1670)は1つの締結部材(1680)により固定エンドプレート(1510)に締結される。
次に、
図29及び31乃至34を参照して注入バルブ組立体(1700)に関して説明する。本実施例で注入バルブ組立体(1700)は注入流路を開閉する注入バルブと共に漏洩防止手段を含むことによって、注入バルブ組立体による冷媒の漏洩を防止することができる。
具体的に、注入バルブ組立体(1700)は、第3環形壁(1138)の先端面に締結されて導入室(I’)を覆蓋するカバープレート(1710)、カバープレート(1710)を基準に導入室(I’)の反対側でカバープレート(1710)に締結されるバルブプレート(1730)、漏洩防止手段としてカバープレート(1710)とバルブプレート(1730)間に介在されるガスケットリテーナー(1750)及びカバープレート(1710)とガスケットリテーナー(1750)間に介在される注入バルブ(1720)を含む。
【0061】
カバープレート(1710)は
図31及び32に図示したように、第3環形壁(1138)に対向するカバープレート上面(1710a)及びガスケットリテーナー(1750)に対向するカバープレート下面(1710b)を含む。また、カバープレート(1710)は導入室(I’)と後述する傾斜空間(1734)を連通させる流入口(1712)、締結溝(1138a)と連通して締結ボルト(1770)により貫通される第2締結ホール(1714)及び第1位置決定溝(1138b)に連通されて位置決定ピン(1780)により貫通される第1位置決定ホール(1716)をさらに含む。
流入口(1712)はカバープレート上面(1710a)からカバープレート下面(1710b)まで貫通形成して、本実施例では導入室(I’)の一側と連通する第1流入口(1712a)及び第1流入口(1712a)と独立的に形成されて導入室(I’)の他側と連通する第2流入口(1712b)を含む。 この時、第1流入口(1712a)と第2流入口(1712b)はバルブリフティングフォース(valve lifting force)及び冷媒流入流量の最大化のためにそれぞれ長孔に形成されることが好ましい。一方、注入バルブ組立体(700)がリアハウジング(130)に締結される時、カバープレート上面(710a)と第3環形壁(138)間には第1シーリング部材(1740)が介在する。
【0062】
注入バルブ(1720)は、
図31に図示したように、第1流入口(1712a)を開閉する第1頭部(1722a)、第1頭部(1722a)を支持する第1脚部(1724a)、第2流入口(1712b)を開閉する第2頭部(1722b)、第2頭部(1722b)を支持する第2脚部(1724b)及び第1脚部(1724a)と第2脚部(1724b)を連結する連結部(1726)を含む。第1脚部(1724a)と第2脚部(1724b)は互いに平行するように形成されるが、第1脚部(1724a)と連結部(1726)間の連結部位と第2脚部(1724b)と連結部(1726)間の連結部位が互いに反対側に形成されることがコンパック化の面において好ましい。また、連結部(1726)は第1位置決定ホール(1716)に連通されて位置決定ピン(1780)により貫通される第2位置決定ホール(1726a)を含む。
ここで、注入バルブ(1720)は、注入バルブ(1720)を固定させるための別途の締結部材が無くカバープレート(1710)とガスケットリテーナー(1750)間で圧搾されることによって固定される。これはさらに詳細に後述する。
ガスケットリテーナー(1750)は、
図31及び33に図示したように、カバープレート(1710)及び注入バルブ(1720)に対向するガスケットリテーナー上面(1750a)及びバルブプレート(1730)に対向するガスケットリテーナー下面(1750b)を含む。そして、ガスケットリテーナー(1750)はガスケットリテーナー上面(1750a)に周りに沿って突出形成されるビード部(1752)及び注入バルブ(1720)のリテーナー(retainer)の役割をし、ガスケットリテーナー(1750)上に傾斜加工されるリテーナー部(1754)をさらに含む。この時、リテーナー部(1754)は注入バルブ(1720)が開かれる方向に、即ち、バルブプレート(1730)を向かう方向に傾斜加工される。
【0063】
リテーナー部(1754)は、注入バルブ(1720)が流入口(1712)を開放する時、注入バルブ(1720)の頭部(1722)と脚部(1724)を支持するためのもので、リテーナー部(1754)の決まった傾斜によって注入バルブ(1720)が最大で開かれる位置を制限することができる。そのために、リテーナー部(1754)は、第1頭部(1722a)と第1脚部(1724a)を支持するための第1リテーナー部(1754a)と、第2頭部(1722b)と第2脚部(1724b)を支持するための第2リテーナー部(1754b)を含む。ここで、第1リテーナー部(1754a)と第2リテーナー部(1754b)は第1脚部(1724a)及び第2脚部(1724b)に対応するように互いにすれ違う方向に傾斜するように形成されることが好ましい。
第1リテーナー部(1754a)と第2リテーナー部(1754b)はガスケットリテーナー(1750)上で切開部により傾斜加工される。具体的に、本実施例から切開部はU字形に形成されて、ガスケットリテーナー(1750)本体で切開部により切開された内側部分がリテーナー部(1754)として傾斜加工される。 この時、リテーナー部(1754)の両側にはリテーナー部の傾斜角度を維持するために、リテーナー部(1754)の両側とこれと向き合うガスケットリテーナー(1750)本体を連結する一対の翼部(1755)が備えられる。それにより、一対の翼部(1755)の一側にはU字形のメーン流動ホール(1750c)が形成でき、他側には一字形の一対の補助流動ホール(1750d)が形成できる。それにより、注入バルブ(1720)が開かれればメーン流動ホール(1750c)と一対の補助流動ホール(1750d)を通じて、カバープレートの流入口(1712)に流入する冷媒がバルブプレートの傾斜空間(1734)に流動できる。
【0064】
そして、ガスケットリテーナー(1750)は第2締結ホール(1714)に連通されて締結ボルト(1770)により貫通される第3締結ホール(1756)と、第2位置決定ホール(1726a)に連通されて位置決定ピン(1780)により貫通される第3位置決定ホール(1758)をさらに含むことができる。
ガスケットリテーナー(1750)はカバープレート(1710)とバルブプレート(1730)間で圧搾される。それにより、注入バルブ(1720)が共に圧搾されてカバープレート(1710)とガスケットリテーナー(1750)間で位置固定できると同時に、ガスケットリテーナー(1750)がカバープレート(1710)とバルブプレート(1730)間を密封することができる。 特に、ガスケットリテーナー(1750)がカバープレート(1710)とバルブプレート(1730)間で圧搾される時、ビード部(1752)は注入バルブ(1720)の周りをカバープレート(1710)に対して密封することができる。 そのために、ビード部(1752)の突出した高さは注入バルブ(1720)の厚さより大きいか、同じに形成されることが好ましい。
バルブプレート(1730)は、
図31及び34に図示したように、ガスケットリテーナー(1750)に対向するバルブプレート上面(1730a)及び固定スクロール(1500)に対向するバルブプレート下面(1730b)を含む。また、バルブプレート(1730)はバルブプレート下面(1730b)から第1注入口(1514a)と第2注入口(1514b)側に突出する突出部(1732)をさらに含む。即ち、バルブプレート下面(1730b)の一側から第1注入口(1514a)側に突出する第1突出部(1732a)及びバルブプレート下面(1730b)の他側から第2注入口(1514b)側に突出する第2突出部(1732b)を含む。
【0065】
この時、第1突出部(1732a)は、バルブプレート下面(1730b)の一側から第1注入口(1514a)側に突出する第1大径部(1732aa)及び第1大径部(1732aa)から第1注入口(1514a)側にさらに突出する第1小径部(1732ab)を含む。第2突出部(1732b)も同様に、バルブプレート下面(1730b)の他側から第2注入口(1514b)側に突出する第2大径部(1732ba)及び第2大径部(1732ba)から第2注入口(1514b)側にさらに突出する第2小径部(1732bb)を含む。それにより、
図30に図示されるように、固定エンドプレート(1510)には第1小径部(1732ab)が挿入される第1小径部挿入溝(1516a)及び第2小径部(1732bb)が挿入される第2小径部挿入溝(1516b)が備えられる。
また、バルブプレート(1730)は、第1流入口(1712a)を通じて流入する冷媒を収容する第1傾斜空間(1734a)、第2流入口(1712b)を通じて流入する冷媒を収容する第2傾斜空間(1734b)、第1突出部(1732a)に形成されて第1傾斜空間(1734a)の冷媒を第1注入口(1514a)に案内する第1流出口(1736a)及び第2突出部(1732b)に形成されて第2傾斜空間(1734b)の冷媒を第2注入口(1514b)に案内する第2流出口(1736b)をさらに含む。第1傾斜空間(1734a)及び第2傾斜空間(1734b)はバルブプレート上面(1730a)から凹んで形成されて、互いに分離されている。また、第1傾斜空間(1734a)と第2傾斜空間(1734b)はそれぞれ第1リテーナー部(1754a)と第2リテーナー部(1754b)が装着できるように互いにすれ違う方向に傾斜するように形成されることが好ましい。
そして、バルブプレート(1730)は、第3締結ホール(1756)に連通されて締結ボルト(1770)により貫通される第1締結ホール(1739a)と、第3位置決定ホール(1758)に連通されて位置決定ピン(1780)が挿入されるようにバルブプレート上面(1730a)から凹んで形成される第2位置決定溝(1739b)をさらに含むことができる。
本実施例でスクロール圧縮機の作用効果は前述したとおりである。
【0066】
本発明は説明した特定の実施例及び説明に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸することなく本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変形実施が可能であり、そのような変形は本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0067】
100:ハウジング
110:センターハウジング
112:センターエンドプレート
112a:軸受孔
112b:背圧室
114:センター側板
120:フロントハウジング
122:フロントエンドプレート
124:フロント側板
130、1130:リアハウジング
131、1131:吐出ポート
132、1132:リアエンドプレート
133、1133:導入ポート
134、1134:第1環形壁
136、1136:第2環形壁
138、1138:第3環形壁
138a、1138a:締結溝
138b、1138b:第1位置決定溝
200:モーター
210:固定子
220:回転子
300:回転軸
310:偏心ブッシュ
400:旋回スクロール
410:旋回エンドプレート
420:旋回ラップ
421:チャンファー
422:平面部
430:ボス部
500、1500:固定スクロール
510、1510:固定エンドプレート
512、1512:吐出口
514、1514:注入口
520、1520:固定 ラップ
530、1530:固定側板
532:固定ラップ初入部
600、1600:吐出バルブ
610、1610:メーン開閉部
620、1620:メーン支持部
630、1630:第1サブ開閉部
640、1640:第1サブ支持部
650、1650:第2サブ開閉部
660、1660:第2サブ支持部
670、1670:締結部
680、1680:締結部材
690:回避部
700、1700:注入バルブ組立体
710、1710:カバープレート
712、1712:流入口
714、1714:第2締結ホール
716、1716:第1位置決定ホール
718:第1グルーブ
719:第2グルーブ
720、1720:注入バルブ
722、1722:頭部
724、1724:脚部
726:周り部、1726:連結部
726a、1726a:第2位置決定ホール
730、1730:バルブプレート
732、1732:突出部
734、1734:傾斜空間
736、1736:流出口
738:連結流路
739a、1739a:第1締結ホール
739b、1739b:第2位置決定溝
740、1740:第1シーリング部材
750:第2シーリング部材
760: 第3シーリング部材
770、1770:締結ボルト
780、1780:位置決定ピン
1750:ガスケットリテーナー
1750c:メーン流動ホール
1750d:補助流動ホール
1752:ビード部
1754:リテーナー部
1755: 翼部
1756:第3締結ホール
1758:第3位置決定ホール
C:圧縮室
D、 D’:排出室
I、I’:導入室