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特許7366197情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20231013BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20231013BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06T19/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022100624
(22)【出願日】2022-06-22
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】諸星 一行
(72)【発明者】
【氏名】安藤 文紀
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 駿矢
(72)【発明者】
【氏名】保利 美幸
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-054370(JP,A)
【文献】特開2001-319163(JP,A)
【文献】特開2017-068607(JP,A)
【文献】特開2002-163404(JP,A)
【文献】特開2004-220074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況と、当該仮想店舗の利用状況とに応じて、当該仮想店舗の表示態様を制御する表示制御部
を有し、
前記表示制御部は、
前記仮想店舗の実際の訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記ECサイトの閲覧者の数に応じ、前記仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記実際の訪問者と前記疑似訪問者とを含む前記仮想店舗の訪問者の数が所定の数を超えないよう、当該実際の訪問者の数に応じて当該疑似訪問者の数を調整する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、
前記訪問者の数が前記所定の数を超えないよう、前記実際の訪問者の数に応じて前記疑似訪問者を前記仮想店舗から移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、
前記仮想店舗の訪問候補者を示すキャラクタ画像を前記仮想空間に表示させ、
前記訪問候補者が前記仮想店舗に接近したことに基づいて前記疑似訪問者の数を調整する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記訪問候補者が前記仮想店舗に接近したことに基づいて前記疑似訪問者を当該仮想店舗から移動させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記疑似訪問者を示すキャラクタ画像を、前記ECサイトの前記閲覧者が閲覧している商品の周囲に表示させ、
前記実際の訪問者が前記商品に接近したことに基づいて前記疑似訪問者を当該商品の周囲から移動させる、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記実際の訪問者が前記商品に接近したことに基づいて前記疑似訪問者を、前記ECサイトの前記閲覧者が閲覧している他の商品のうち、当該実際の訪問者が接近していない他の商品の周囲に移動させる、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、
前記ECサイトの前記閲覧者の数が所定の閾値以上である場合、前記疑似訪問者を示すキャラクタ画像を前記仮想店舗に表示させ、
前記ECサイトの前記閲覧者の数が前記所定の閾値未満である場合、前記疑似訪問者を示すキャラクタ画像を前記仮想店舗に表示させない、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記ECサイトの前記閲覧者の数が前記所定の閾値以上であり、前記仮想店舗の前記実際の訪問者の数が特定の閾値未満である場合、前記疑似訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させる、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記ECサイトの前記閲覧者の数に応じ、前記仮想店舗の外装及び内装のうちの少なくともいずれか一方の内容を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況と、当該仮想店舗の利用状況とに応じて、当該仮想店舗の表示態様を制御する表示制御工程
を含み、
前記表示制御工程は、
前記仮想店舗の実際の訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記ECサイトの閲覧者の数に応じ、前記仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記実際の訪問者と前記疑似訪問者とを含む前記仮想店舗の訪問者の数が所定の数を超えないよう、当該実際の訪問者の数に応じて当該疑似訪問者の数を調整する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況と、当該仮想店舗の利用状況とに応じて、当該仮想店舗の表示態様を制御する表示制御手
実行させ
前記表示制御手順は、
前記仮想店舗の実際の訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記ECサイトの閲覧者の数に応じ、前記仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクタ画像を当該仮想店舗に表示させ、
前記実際の訪問者と前記疑似訪問者とを含む前記仮想店舗の訪問者の数が所定の数を超えないよう、当該実際の訪問者の数に応じて当該疑似訪問者の数を調整する、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CG(Computer Graphics)などを用いて作り出された仮想空間を通じて、現実の世界と同様の疑似体験をユーザに提供する技術が種々提案されている。たとえば、特許文献1によれば、現実空間での体験、行為などと仮想空間の空間状態とを関連付ける技術が提案されている。また、特許文献2によれば、コストの増加を抑制しつつ、実店舗の変化を仮想店舗に容易に反映させる技術が提案されている。
【0003】
また、上述の技術などに関連して、インターネットなどのネットワークを介した接続可能なオンライン空間において、実際に店舗に来店したような感覚で買い物ができる環境を提供するサービスの提供が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-015156号公報
【文献】特開2021-131770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、オンライン空間での買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、サービス利用者であるユーザの分散による不都合を避けられないという問題がある。たとえば、あるブランドのECサイトで買い物を行うユーザと、同一のブランドの仮想店舗で買い物を行うユーザとに分散する結果、仮想店舗の訪問者数が少ない場合、ユーザが思い描くブランドイメージと仮想店舗の状況との間に乖離が生じてしまう可能性がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、ユーザの分散による不都合を回避できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する表示制御部を有する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、ユーザの分散による不都合を回避できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る仮想店舗の表示態様の制御方法の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る疑似訪問者の表示態様の制御方法の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理手順例を示すフローチャートである。
図8図8は、本実施形態または変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態に係る情報処理システムの構成例〕
以下、実施形態に係る情報処理システムSYSの構成の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、端末装置10と、ECサイトサーバ20と、情報処理装置100とを含む。なお、図1は、本実施形態に係る情報処理システムSYSの一例を示しており、図1には示されていない他の装置が含まれていてもよい。
【0012】
端末装置10、ECサイトサーバ20、及び情報処理装置100は、有線または無線によりネットワークNに接続される。端末装置10および情報処理装置100、端末装置10およびECサイトサーバ20は、ネットワークNを通じて相互に通信できる。また、情報処理装置100は、ネットワークNを通じて、ECサイトサーバ20から各種情報を取得できる。
【0013】
図1に示す端末装置10は、仮想空間に出店している仮想店舗でのオンラインショッピングサービスを利用するユーザ(たとえば、図2に示すユーザUXなど)により使用される情報処理装置である。また、図1に示す端末装置10は、ECサイト(自社サイト型ECサイト、モール型ECサイトなど)でのオンラインショッピングサービスを利用するユーザ(たとえば、図2に示すユーザUXなど)により使用される情報処理装置である。端末装置10の典型例としては、HMD(Head Mounted Display)やスマートグラスなどのウェアラブルデバイスなどが該当する。なお、端末装置10は、実施形態に係る情報処理を実現するために必要な機能を備えていれば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の装置またはこれらの組合せにより実現されてもよい。図2の例では、端末装置10として、ウェアラブルデバイスが示されている。
【0014】
また、端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信機能を有している。これにより、ユーザは、端末装置10を操作して情報処理装置100にアクセスし、仮想店舗でのオンラインショッピングを利用できる。また、ユーザは、端末装置10を操作してECサイトサーバ20にアクセスし、ECサイトでのオンラインショッピングを利用できる。
【0015】
また、端末装置10は、仮想店舗でのオンラインショッピングを利用するための情報を、情報処理装置100から取得して、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、端末装置10は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報を情報処理装置100から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。また、端末装置10は、ECサイトでのオンラインショッピングを利用するための情報を、ECサイトサーバ20から取得して、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示できる。このとき、端末装置10は、ウェブブラウザやアプリケーションなどによる情報の表示処理を実現するための制御情報をECサイトサーバ20から受け取った場合には、受け取った制御情報に従って表示処理を実現する。
【0016】
図1に示すECサイトサーバ20は、ECサイトを通じてオンラインショッピングサービスを提供する情報処理装置である。ECサイトサーバ20は、ECサイトでのオンラインショッピングに関する各種処理を実行する。ECサイトサーバ20は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。ECサイトサーバ20がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0017】
図1に示す情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理を実行する。情報処理装置100は、仮想店舗でのオンラインショッピングに関する各種処理を実行する。情報処理装置100は、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。情報処理装置100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0018】
なお、情報処理装置100は、端末装置10に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0019】
〔2.実施形態に係る情報処理の一例〕
以下、実施形態に係る情報処理装置100が実行する情報処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。なお、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理として、仮想空間(仮想商業施設など)に再現される店舗(以下、「仮想店舗」と称する。)に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。具体的には、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理として、仮想空間に出店している仮想店舗に紐付けられている自社サイト型ECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。また、情報処理装置100は、実施形態に係る情報処理として、仮想空間に出店している仮想店舗に紐付けられているモール型ECサイトに出店している店舗(以下、「EC店舗」と称する。)の利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。これにより、情報処理装置100は、オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、オンライン空間でのオンラインショッピングとECサイトでのオンラインショッピングとのユーザの分散による不都合を回避する。
【0020】
なお、以下に説明する仮想店舗に配置されて販売されている商品は、EC店舗や実店舗で販売されている実際の商品そのものであってもよいし、仮想空間のみで利用可能なデジタルコンテンツであってもよい。
【0021】
また、以下の説明において、端末装置10をユーザUXと言い換えて表記する場合がある。つまり、ユーザUXを端末装置10と読み換えることができる。
【0022】
図2に示すように、情報処理装置100は、ECサイトサーバ20からECサイト情報を取得する(ステップS1)。また、情報処理装置100は、ECサイトサーバ20から取得したECサイト情報に基づいて、ECサイトの利用状況を特定する(ステップS2)。たとえば、情報処理装置100は、ECサイト情報からECサイトの閲覧者数を取得する。具体的には、情報処理装置100は、ECサイト情報から自社サイト型ECサイトの閲覧者数を取得する。また、情報処理装置100は、ECサイト情報からモール型ECサイトに出店している各店舗の閲覧者数を取得する。
【0023】
また、情報処理装置100は、仮想店舗に紐付けられているECサイト(たとえば、同一ブランドのECサイト)の利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する(ステップS3)。たとえば、情報処理装置100は、ECサイトの実時間の閲覧者数が反映されるように、仮想店舗の表示態様を制御する。また、たとえば、情報処理装置100は、予め設定される一定期間ごとに、ECサイトの閲覧者数が反映されるように、仮想店舗の表示態様の更新を実行してもよい。図3は、実施形態に係る仮想店舗の表示態様の制御方法の一例を示す図である。なお、図3は、実施形態に係る仮想店舗の表示態様の制御方法の一例を示しており、図3に示す以外の制御方法を含んでいてもよい。
【0024】
たとえば、情報処理装置100は、図3に示すように、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値以上である場合、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数に応じた所定数の疑似訪問者(NPC:Non Player Character)を仮想店舗に配置することを決定する。たとえば、ECサイトの閲覧者数が10人(閾値以上)である場合、1人の疑似訪問者を仮想店舗に配置することを決定する。一方、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値未満である場合、図3に示すように、疑似訪問者を仮想店舗に配置しないことを決定する。なお、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値以上であるか否かにかかわらず、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数に応じた所定数の疑似訪問者を仮想店舗に配置することを決定してもよい。これにより、ECサイトに流れたユーザの数を仮想店舗の表示態様に適切に反映することができる。
【0025】
また、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数に応じて、仮想店舗の外装および内装のうちの少なくともいずれか一方の内容を決定する。たとえば、図3に示すように、情報処理装置100は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値以上である場合、仮想店舗の外装および内装を予め設定される豪華な装飾(たとえば、外装や内装のデザインや色などについて芸術的な工夫が施された既定の装飾)にすることを決定する。一方、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値未満である場合、仮想店舗の外装および内装を予め設定される通常の装飾(たとえば、外装や内装のデザインや色などについて芸術的な工夫のない既定の装飾)にすることを決定する。また、情報処理装置100は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値以上である場合、通常よりも仮想店舗の外からでも店内の様子が見え易くなる外装にしたり(例えば、通常よりも大きな窓を設置したり)、仮想店舗に配置されている商品とその価格帯などを示す看板を入口に設置するなど、通常よりも店内に入り易くなる外装にすることを決定してもよい。なお、情報処理装置100は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値以上である場合、ECサイトの閲覧者および仮想店舗の実際の訪問者の少なくともいずれか一方のユーザ傾向に応じて、予め設定される外装および内装のうち、どの外装および内装にするかを決定してもよい。これにより、ECサイトに流れたユーザの数を仮想店舗の表示態様に適切に反映することができる。
【0026】
また、情報処理装置100は、仮想店舗に紐付けられているECサイト(たとえば、同一ブランドのECサイト)の利用状況と、仮想店舗の利用状況とに応じて、仮想店舗の表示態様を制御してもよい。たとえば、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値以上であり、仮想店舗の実際の訪問者数が予め定められている閾値未満である場合、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数に応じた所定数の疑似訪問者を仮想店舗に配置することを決定する。一方、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)の閲覧者数が予め定められている閾値以上であり、仮想店舗の実際の訪問者数が予め定められている閾値以上である場合、疑似訪問者を仮想店舗に配置しないことを決定する。これにより、空間が限られている仮想店舗の混雑を緩和しつつ、ECサイトに流れたユーザの数を仮想店舗の表示態様に適切に反映することができる。
【0027】
また、情報処理装置100は、仮想店舗の映像を提供した後、ECサイトの利用状況および仮想店舗の実際の訪問者であるユーザUXの利用状況のうちの少なくともいずれか一方に応じて、疑似訪問者の表示態様を制御してもよい。図4は、実施形態に係る疑似訪問者の表示態様の制御方法の一例を示す図である。なお、図4は、実施形態に係る疑似訪問者の表示態様の制御方法の一例を示しており、図4に示す以外の制御方法を含んでいてもよい。
【0028】
たとえば、図4に示す「パターン1」のように、情報処理装置100は、仮想店舗に配置されている商品であって、ECサイト(EC店舗)の閲覧者により閲覧されている商品の周囲に、疑似訪問者を表示させてもよい。この場合、情報処理装置100は、ECサイト(EC店舗)における閲覧者数が上位の商品の周囲に限定して、疑似訪問者を表示させてもよい。これにより、情報処理装置100は、仮想店舗の訪問者であるユーザUXに対して、ECサイトにおいて人気のある可能性が高い商品を直感的に認識させることができ、商品選択をサポートできる。
【0029】
また、図4に示す「パターン2」のように、情報処理装置100は、仮想店舗において実際の訪問者であるユーザUX(たとえば、ユーザUXが操作するアバター)が一定距離まで接近した商品の周囲に表示されている疑似訪問者を、該当の商品の周囲から移動させてもよい。たとえば、情報処理装置100は、疑似訪問者を、ECサイト(EC店舗)の閲覧者により閲覧されている商品であって、実際の訪問者が接近していない商品の周囲に移動させてもよい。これにより、情報処理装置100は、仮想店舗の訪問者であるユーザUXが商品の内容を確認しやすくなるようにサポートできる。基本的には、ユーザUXは実際の他の訪問者と疑似訪問者とを区別することができないので、疑似訪問者を商品の周囲に表示し続けた場合、商品を購入することがない疑似訪問者に遠慮して商品に近づかない(商品が購入される機会を逃す)おそれがあるが、この制御により、商品販売の機会損失を防ぐことができる。
【0030】
また、図4に示す「パターン3」のように、情報処理装置100は、疑似訪問者を含む仮想店舗の訪問者数が所定数を超えないように、仮想店舗の実際の訪問者の数に応じて疑似訪問者の表示数を調整してもよい。つまり、情報処理装置100は、実際の訪問者が仮想店舗に来店することによって仮想店舗の訪問者数が所定数を超える場合、疑似訪問者を仮想店舗から移動させてもよい。これにより、情報処理装置100は、仮想店舗の混雑を緩和して、仮想店舗への来店を促すことができる。また、情報処理装置100は、仮想商業施設に滞在しており、いずれの仮想店舗にも来店していない訪問候補者が、いずれかの仮想店舗に一定距離まで接近した場合、疑似訪問者を当該仮想店舗から移動させて疑似訪問者の表示数を調整してもよい。これにより、情報処理装置100は、仮想店舗の混雑を緩和して、仮想店舗への来店を促すことができる。この場合、情報処理装置100は、訪問候補者が、接近した仮想店舗をお気に入りであるか否か(仮想店舗に頻繁に来店しているか否か、仮想店舗をお気に入り登録しているか否か、仮想店舗に紐付けられているECサイト(EC店舗)を頻繁に閲覧しているか否か、仮想店舗に紐付けられているECサイト(EC店舗)をお気に入り登録しているか否かなど)を判定し、お気に入りであると判定された場合に限り、疑似訪問者の表示数を調整してもよい。
【0031】
また、情報処理装置100は、上述した仮想店舗の表示態様の制御に加えて、仮想店舗に紐付けられているECサイト(EC店舗)の閲覧者数を示す情報を、仮想店舗に関連付けて表示させてもよい。たとえば、情報処理装置100は、仮想店舗の前に配置する看板などにECサイト(EC店舗)の閲覧者数を表示させたり、仮想店舗の商品を選択した際に表示される商品詳細画面に該当の商品を閲覧中のECサイト(EC店舗)の閲覧者数を表示させたりすることができる。これにより、情報処理装置100は、仮想店舗やECサイト(EC店舗)に対応するブランドの人気度や、商品の人気度などを仮想店舗の実際の訪問者であるユーザUXに容易に把握させることができる。
【0032】
このように、実施形態に係る情報処理装置100は、仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。これにより、情報処理装置100は、オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、ユーザの分散による不都合を回避する。すなわち、情報処理装置100は、あるブランドのECサイトで買い物を行うユーザと、同一のブランドの仮想店舗で買い物を行うユーザとに分散する結果、仮想店舗の訪問者数が少ない場合、仮想店舗を訪れたユーザが該当のブランドに対して思い描くブランドイメージと仮想店舗の状況との間にできるだけ乖離が生じないようにできる。これにより、仮想空間(仮想商業施設など)に滞在しており、いずれの仮想店舗にも来店していない訪問候補者は、疑似訪問者を含む各仮想店舗の訪問者数を次に来店する仮想店舗を決定するための指標とすることもできる。言い換えれば、情報処理装置100は、一般的なブランドイメージを保ちながらオンライン空間で買い物ができる環境をユーザに提供できる。一方、ECサイトや店舗の運営者にとっては、上述の情報処理によって、ECサイトの利用状況が仮想店舗に反映されることにより、集客の相乗効果が期待できる。
【0033】
〔3.装置構成例〕
(3-1.端末装置の構成)
次に、図5を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図5は、実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。図5に示すように、端末装置10は、通信部11と、入力部12と、出力部13と、制御部14とを有する。なお、図5は、端末装置10の一例であり、記憶部など、図5に示されていない機能部などを有していてもよい。
【0034】
(通信部11)
通信部11は、たとえば、NICなどによって実現される。そして、通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報処理装置100やECサイトサーバ20などとの間で情報の送受信を行う。
【0035】
(入力部12)
入力部12は、ユーザUからの各種操作を受け付ける。たとえば、入力部12は、タッチパネル機能により表示面を介してユーザUからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部12は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続された操作デバイスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0036】
(出力部13)
出力部13は、たとえば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどによって実現される表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。たとえば、出力部13は、情報処理装置100から送信された情報(仮想店舗の情報)やECサイトサーバ20から送信された情報(ECサイトの情報)などを表示する。
【0037】
(制御部14)
制御部14は、たとえば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、端末装置10の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。たとえば、この各種プログラムには、端末装置10にインストールされたアプリケーションのプログラムが含まれる。たとえば、この各種プログラムには、情報処理装置100やECサイトサーバ20などから送信された情報を表示させるアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部14は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0038】
(受信部141)
受信部141は、各種情報を受信する。受信部141は、情報処理装置100やECサイトサーバ20などの他の情報処理装置から各種情報を受信する。たとえば、受信部141は、ユーザUが利用中の仮想店舗の情報を受信する。また、たとえば、受信部141は、ユーザUが利用可能なECサイトの情報を受信する。
【0039】
(送信部142)
送信部142は、情報処理装置100などの他の情報処理装置へ各種情報を送信する。たとえば、送信部142は、仮想空間へのログイン要求を送信する。また、たとえば、送信部142は、ECサイトへのログイン要求を送信する。
【0040】
(3-2.情報処理装置の構成)
以下、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0041】
図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。図6は、情報処理装置100の一例であり、図6に示されていない機能部などを有していてもよい。
【0042】
(通信部110について)
通信部110は、有線又は無線により、ネットワークNに接続される。通信部110は、ネットワークNを介して、端末装置10やECサイトサーバ20との間で情報の送受信を行う。通信部110は、ECサイトサーバ20に記憶されているECサイト情報21などを受信できる。通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。ネットワークNは、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、ネットワークNは、たとえば、LAN(Local Area Network)、電話網(たとえば、携帯電話網や固定電話網など)、地域IP(Internet Protocol)網などの通信ネットワークを含んでもよい。また、ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0043】
(記憶部120について)
記憶部120は、制御部130による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図9に示すように、記憶部120は、ショップモデル記憶部121と、商品情報記憶部122と、表示制御テーブル記憶部123とを有する。
【0044】
(ショップモデル記憶部121)
ショップモデル記憶部121は、仮想店舗ごとに、仮想店舗の映像を再現するための3Dモデル情報が記憶される。情報処理装置100は、ショップモデル記憶部121に記憶されている3Dモデル情報に基づいて再現される仮想店舗の映像を、仮想店舗を訪れたユーザUXに提供できる。
【0045】
(商品情報記憶部122)
商品情報記憶部122は、仮想店舗ごとに、仮想店舗に配置される商品に関する情報が記憶される。情報処理装置100は、商品情報記憶部122に記憶されている商品情報を、仮想店舗に関連付けて、仮想店舗を訪れたユーザUXに提供できる。
【0046】
(表示制御テーブル記憶部123)
表示制御テーブル記憶部123は、ECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御するためのテーブル情報を記憶する。たとえば、表示制御テーブル記憶部123は、図3に例示した制御方法や、図4に例示した制御方法を実現するための制御情報が記録されたテーブル情報を記憶できる。
【0047】
(制御部130について)
制御部130は、情報処理装置100の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部130の各部は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
【0048】
図6に示すように、制御部130は、提供部131と、特定部132と、表示制御部133とを有する。制御部130は、図6に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0049】
(提供部131について)
提供部131は、ユーザUからのログイン要求に応じて、ログイン要求に対応する仮想空間における仮想店舗の映像をユーザUに提供する。たとえば、提供部131は、ショップモデル記憶部121に記憶されている3Dモデル情報に基づいて、仮想空間に仮想店舗のレンダリングを行い、仮想店舗を予め設定される仮想視点から見た仮想店舗の画像を生成する。また、提供部131は、生成した仮想店舗の画像に対して、仮想店舗に配置される商品の情報を関連付けて、仮想店舗の映像としてユーザUに提供する。
【0050】
(特定部132について)
特定部132は、ECサイトサーバ20から取得されるECサイト情報に基づいて、ECサイトの利用状況を特定する。たとえば、特定部132は、ECサイト情報からECサイトの閲覧者数を取得し、取得した閲覧者数が予め定められている閾値以上であるかどうかを判定する。特定部132は、判定結果を表示制御部133に受け渡す。
【0051】
また、特定部132は、ECサイト情報から、ECサイトにおいて閲覧されている商品の情報などを特定し、特定した商品の情報を表示制御部133に受け渡す。
【0052】
(表示制御部133について)
表示制御部133は、仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。たとえば、表示制御部133は、表示制御テーブル記憶部123に記憶されているテーブル情報を参照して、ECサイトの実時間の利用状況が反映されるように表示態様を制御してもよい。また、たとえば、表示制御部133は、予め設定される一定期間、仮想店舗の表示態様を制御してもよい。
【0053】
また、表示制御部133は、ECサイトの利用状況および仮想店舗の実際の訪問者の利用状況のうちの少なくともいずれか一方に応じて、仮想店舗の表示態様を制御してもよい。この場合、表示制御部133は、仮想店舗を訪問中であるユーザUXの仮想店舗における利用状況をモニタする。また、表示制御部133は、上述した表示制御テーブル記憶部123に記憶されているテーブル情報を参照し、テーブル情報に従って表示制御を実行する。
【0054】
具体的には、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数が所定の閾値以上である場合、仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクター画像(疑似訪問者を示すキャラクター画像は2D画像でも3D画像(アバター画像)でもよく、実際の訪問者を示すキャラクター画像と同様であることが望ましい)を仮想店舗に表示させる。また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者により閲覧されている商品の周囲に、仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクター画像を表示させる。また、表示制御部133は、仮想店舗において実際の訪問者が一定距離まで接近した商品の周囲に表示されているキャラクター画像を、該当の商品の周囲から移動させる。また、表示制御部133は、疑似訪問者を含む仮想店舗の訪問者数が所定数を超えないように、実際の訪問者の数に応じてキャラクター画像の表示数を調整する(実際の訪問者の数に応じてキャラクター画像を、該当の仮想店舗から移動させる)。表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数に応じて、仮想店舗の外装および内装のうちの少なくともいずれか一方の内容を決定する。
【0055】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数を示す情報を仮想店舗に関連付けて表示させてもよい。たとえば、表示制御部133は、仮想店舗の前に配置する看板などにECサイトの閲覧者数を表示させたり、仮想店舗の商品を選択した際に表示される商品詳細画面に該当の商品を閲覧中のECサイトの閲覧者数を表示させたりすることができる。
【0056】
〔4.処理手順〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置100が有する制御部130により繰り返し実行される。
【0057】
図7に示すように、特定部132は、ECサイトサーバ20からECサイト情報を取得し(ステップS101)、取得したECサイト情報から、ECサイトの閲覧者数を取得する(ステップS102)。
【0058】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値以上であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0059】
たとえば、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値以上であると判定した場合(ステップS103:Yes)、ECサイトの閲覧者数に基づいて疑似訪問者の配置数を決定する(ステップS104)。
【0060】
また、表示制御部133は、仮想店舗の外装および内装の装飾内容を「豪華」に決定する(ステップS105)。
【0061】
また、表示制御部133は、ステップS104およびステップS105の決定内容に従って、仮想店舗の表示態様を制御し(ステップS106)、図7に示す処理手順を終了する。
【0062】
また、上述のステップS103において、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数が予め定められている閾値未満であると判定した場合(ステップS103:No)、仮想店舗の外装および内装の装飾内容を「通常」に決定し(ステップS107)、上述したステップS106の処理手順に移る。
【0063】
〔5.変形例〕
上述してきた実施形態は、実施形態に係る情報処理の一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0064】
(5-1.ECサイトの利用状況について)
たとえば、上述した実施形態に係る情報処理の一例において、情報処理装置100は、ECサイトの実時間の利用状況を反映させるように、仮想店舗の表示態様を制御してもよい。また、情報処理装置100は、ECサイトの利用状況を一定時間ごとに区切って、一定時間ごとの利用状況を反映させるように仮想店舗の表示態様を制御してもよい。また、情報処理装置100は、ECサイトの過去の利用状況(前日の利用状況、閲覧者数が最も多かった時間帯の利用状況など)に基づいて、仮想店舗の表示態様を制御してもよい。
【0065】
(5-2.ECサイトが取り扱う商品の種別に基づく表示制御)
たとえば、上述した本実施形態に係る情報処理の一例において、情報処理装置100は、ECサイトが取り扱う商品(アイテム)の種別に応じて、仮想店舗の外装および内装の装飾内容を決定してもよい。
【0066】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態または変形例に係る情報処理装置100は、たとえば、図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態または変形例に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0067】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0068】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0069】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0070】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0071】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0072】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0073】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、本実施形態に係る情報処理装置100による処理を実現する。
【0074】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する表示制御部133を有する。
【0075】
また、表示制御部133は、ECサイトの利用状況および仮想店舗の実際の訪問者の利用状況のうちの少なくともいずれか一方に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する。
【0076】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数が所定の閾値以上である場合、仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクター画像を仮想店舗に表示させる。
【0077】
また、表示制御部133は、閲覧者数に応じた所定数の疑似訪問者を仮想店舗に表示させる。
【0078】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者により閲覧されている商品の周囲に、仮想店舗の疑似訪問者を示すキャラクター画像を表示させる。
【0079】
また、表示制御部133は、仮想店舗において実際の訪問者が一定距離まで接近した商品の周囲に表示されているキャラクター画像を商品の周囲から移動させる。
【0080】
また、表示制御部133は、疑似訪問者を含む仮想店舗の訪問者数が所定数を超えないように、実際の訪問者の数に応じて前記キャラクター画像の表示数を調整する。
【0081】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数に応じて、仮想店舗の外装および内装のうちの少なくともいずれか一方の内容を決定する。
【0082】
また、表示制御部133は、ECサイトの閲覧者数を示す情報を仮想店舗に関連付けて表示させる。
【0083】
このようにして、実施形態に係る情報処理装置100は、オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、ユーザの分散による不都合を回避する。すなわち、情報処理装置100は、あるブランドのECサイトで買い物を行うユーザと、同一のブランドの仮想店舗で買い物を行うユーザとに分散する結果、仮想店舗の訪問者数が少ない場合、仮想店舗を訪れたユーザが該当のブランドに対して思い描くブランドイメージと仮想店舗の状況との間にできるだけ乖離が生じないようにできる。これにより、仮想空間(仮想商業施設など)に滞在しており、いずれの仮想店舗にも来店していない訪問候補者は、疑似訪問者を含む各仮想店舗の訪問者数を次に来店する仮想店舗を決定するための指標とすることもできる。言い換えれば、情報処理装置100は、一般的なブランドイメージを保ちながらオンライン空間で買い物ができる環境をユーザに提供できる。一方、ECサイトや店舗の運営者にとっては、上述の情報処理によって、ECサイトの利用状況が仮想店舗に反映されることにより、集客の相乗効果が期待できる。
【0084】
〔8.その他〕
以上、本実施形態および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0085】
また、上述した情報処理装置100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、その構成を柔軟に変更できる。
【0086】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0087】
また、本願の実施形態に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本願の実施形態は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、実施形態の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0088】
10 端末装置
20 ECサイトサーバ
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ショップモデル記憶部
122 商品情報記憶部
123 表示制御テーブル記憶部
130 制御部
131 提供部
132 特定部
133 表示制御部
【要約】
【課題】オンライン空間で買い物ができる環境を提供するサービスにおいて、ユーザの分散による不都合を回避すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、仮想空間に再現される仮想店舗に紐付けられているECサイトの利用状況に応じて、仮想店舗の表示態様を制御する表示制御部を有する。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8