IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PayPay株式会社の特許一覧

特許7366212情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20231013BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20231013BHJP
【FI】
G06Q20/38 310
G06Q20/32 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022133299
(22)【出願日】2022-08-24
【審査請求日】2022-09-05
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大西 朋史
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-061038(JP,A)
【文献】特開2013-003872(JP,A)
【文献】特開2022-100992(JP,A)
【文献】特開2021-189459(JP,A)
【文献】特開2020-004292(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0013584(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に前記電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を記憶する記憶部と、
前記決済完了時に、設定された前記表示態様で前記利用者端末装置の前記決済完了画面を表示するように前記利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、
前記表示態様は、前記表示態様の設定時点では前記利用者端末装置によって表示されず、前記電子決済サービスを提供するサーバと、前記実店舗の店舗端末装置との間でのみ共有されるものであり、
前記表示態様に関する設定は、前記利用者端末装置の前記決済完了画面に表示するアニメーションの適用タイミングに関する設定を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示態様に関する設定は、前記決済完了画面に表示するアニメーションの内容に関する設定を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示態様に関する設定は、前記決済完了画面に表示するアニメーションを前記電子決済サービスの決済金額に応じて変化させることに関する設定を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示態様に関する設定は、前記決済完了画面に表示するアニメーションを前記電子決済サービスの前記実店舗における全利用者の決済回数の合計に応じて変化させることに関する設定を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示態様に関する設定を前記店舗端末装置から受け付けて、前記実店舗のみに紐づけて前記記憶部に記憶する受付部を更に備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記実店舗から受け付けた不正決済の報告件数に基づいて、前記表示態様に関する設定を変更する期間を動的に制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に前記電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を、前記実店舗の店舗端末装置から受け付け、
前記決済完了時に、設定された前記表示態様で前記利用者端末装置の前記決済完了画面を表示するように前記利用者端末装置に通知し、
前記表示態様は、前記表示態様の設定時点では前記利用者端末装置によって表示されず、前記電子決済サービスを提供するサーバと、前記店舗端末装置との間でのみ共有されるものであり、
前記表示態様に関する設定は、前記利用者端末装置の前記決済完了画面に表示するアニメーションの適用タイミングに関する設定を含む、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に前記電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を、前記実店舗の店舗端末装置から受け付けさせ、
前記決済完了時に、設定された前記表示態様で前記利用者端末装置の前記決済完了画面を表示するように前記利用者端末装置に通知させ、
前記表示態様は、前記表示態様の設定時点では前記利用者端末装置によって表示されず、前記電子決済サービスを提供するサーバと、前記店舗端末装置との間でのみ共有されるものであり、
前記表示態様に関する設定は、前記利用者端末装置の前記決済完了画面に表示するアニメーションの適用タイミングに関する設定を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスにおける決済の不正を防止する技術が知られている。例えば、特許文献1には、電子決済サービスの利用者端末が店舗のQRコードをスキャンし、支払金額を入力して決済要求を決済サーバに送信した際に、決済サーバが、店舗毎に異なる暗号キーで暗号した情報を含めた第二のQRコードを端末側に送信し、店舗端末で当該QRコードを複合化することによって、電子決済の不正を防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-152849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、電子決済の不正を防止するために、決済用のQRコードとは異なるQRコードを生成して、復号化するなど、電子決済サービスの利用者と店舗に負担がかかるものであった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子決済サービスの利用者と店舗に負担をかけることなく、電子決済の不正を防止することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に前記電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を、前記実店舗の店舗端末装置から受け付ける受付部と、前記決済完了時に、設定された前記表示態様で前記決済完了画面を表示するように前記利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、前記表示態様は、前記表示態様の設定時点では前記利用者端末装置によって表示されず、前記電子決済サービスを提供するサーバと、前記店舗端末装置との間でのみ共有されるものである、情報処理装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子決済サービスの利用者と店舗に負担をかけることなく、電子決済の不正を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】決済完了画面の表示態様を設定するためのインターフェースの一例を示す図である。
図8】決済完了画面設定情報178の内容の一例を示す図である。
図9】決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの一例を示す図である。
図10】決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの別の例を示す図である。
図11】決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの別の例を示す図である。
図12】決済完了画面の表示態様を設定するためのインターフェースの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。後述する利用者端末装置に搭載されるアプリケーションプログラムと、決済サーバとは協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、制御部150と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、決済完了画面設定情報178などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗IDが対応付けられた第3テーブル176Cと、加盟店IDに対して後述する決済完了画面設定がON(有効)であるかOFF(無効)であるかを示す情報が対応付けられた第4テーブル176Dとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。さらに、第4テーブル176Dの決済完了画面設定は、加盟店IDではなく、店舗IDごとに設定されていてもよい。
【0027】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、および後述する決済完了画面設定情報178を管理する。情報管理部140は、利用者情報172、加盟店/店舗情報176、および決済完了画面設定情報178について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。情報管理部140は、「受付部」の一例である。
【0028】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0029】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリケーション20に返信される。
【0030】
[決済完了画面の表示]
制御部150は、決済処理部130による処理が完了すると、決済完了通知を決済アプリ20に送信し、決済アプリ20は決済完了画面を利用者端末装置10に表示させる。このとき、例えば、図2に示したユーザスキャン方式の場合、利用者端末装置10の利用者は、ステップS9において表示される決済完了画面を事前に不正に作成し、店舗の従業員に提示することによって、実際には電子決済が完了していないにも関わらず、あたかも電子決済が完了したかのように詐称を行うことがあり得る。
【0031】
このような不正を防ぐために、制御部150は、図2のステップS7において電子決済が完了すると、決済完了画面設定情報178を参照して、加盟店IDに対応する決済完了画面の表示態様に関する設定を取得し、設定された表示態様で決済完了画面を表示するように決済アプリ20に通知する。それに応じて、決済アプリ20は、通知された表示態様で決済完了画面を表示する。以下で説明する通り、決済完了画面の表示態様は、例えば、第2店舗端末装置70を介して、加盟店の従業員によって事前に設定されるものである。すなわち、表示態様の設定時点では、当該表示態様は決済アプリ20によって表示されず、決済サーバ100と、第2店舗端末装置70との間でのみ共有される。これにより、悪意を有する電子決済の利用者は、事前に決済完了画面を作成することができず、電子決済サービスの利用者と店舗に負担をかけることなく、電子決済の不正を防止することができる。制御部150は、「通知部」の一例である。
【0032】
図7は、決済完了画面の表示態様を設定するためのインターフェースの一例を示す図である。図7において、領域A1は、決済完了画面の表示態様を設定する対象となる加盟店の加盟店IDを示す。決済完了画面の表示態様を店舗ごとに設定する場合、領域A1は、加盟店IDと店舗IDとを合わせて表示させてもよい。
【0033】
領域A2は、決済完了画面の表示態様の設定条件を識別する識別子を示す。すなわち、加盟店の従業員は、第2店舗端末装置70上で複数の設定条件を設定することができ、設定された個々の設定条件は、領域A2によって示される識別子と合わせて決済完了画面設定情報178に記憶される。領域A3は、設定された決済完了画面の表示態様が適用されるタイミング(スケジュール)を設定するための領域である。図7に示す通り、例えば、決済完了画面の表示態様は、適用タイミングとして、曜日および時間帯が設定される。図7の場合、月、水、金の9時から12時の時間帯において電子決済が実行された場合に、決済アプリ20は、設定された表示態様で決済完了画面を表示させる。
【0034】
なお、図7では、一例として、決済完了画面の表示態様の適用タイミングとして、曜日および時間帯が例示されている。しかし、本発明はそのような態様に限定されず、日付や、朝、昼、晩などの時間帯が適用タイミングとして設定されてもよい。さらに、より詳細に、一週間おき、二週間おき、などの間隔が設定され、例えば、偶数週の月曜日にのみ、設定された決済完了画面の表示態様が適用されてもよい。
【0035】
領域A4は、決済完了画面の表示態様の詳細を設定するための領域を示す。決済完了画面の表示態様は、例えば、回転、ズーム、フラッシュなどのアニメーション設定を含む。例えば、決済完了画面の表示態様が回転に設定された場合、決済アプリ20は、加盟店のロゴ画像を利用者端末装置10上で時計回りに回転させて表示させる。また、例えば、決済完了画面の表示態様がズームに設定された場合、決済アプリ20は、加盟店のロゴ画像を利用者端末装置10の中央部において、時間の経過に合わせて拡大するように表示させる。また、例えば、決済完了画面の表示態様がフラッシュに設定された場合、決済アプリ20は、加盟店のロゴ画像の周囲を複数回、発光させるように利用者端末装置10上で表示させる。なお、決済完了画面に表示される画像は加盟店のロゴ画像に限定されず、加盟店が任意に設定した画像を利用者端末装置10に表示させてもよい。さらに、上述したアニメーションは、あくまでも一例であり、本実施形態において、アニメーションは、少なくとも加盟店によって設定された画像が、加盟店によって設定された態様で利用者端末装置10上に表示されるものであればよい。
【0036】
加盟店の従業員は、第2店舗端末装置70上で決済完了画面の表示態様を設定して設定ボタンB1を押下すると、第2店舗端末装置は、設定された決済完了画面の表示態様に関する情報を、ネットワークNWを介して決済サーバ100に送信する。情報管理部140は、受信した決済完了画面の表示態様に関する情報を決済完了画面設定情報178に格納する。
【0037】
図8は、決済完了画面設定情報178の内容の一例を示す図である。決済完了画面設定情報178は、例えば、加盟店IDに対して、設定条件ID、曜日、時間帯、アニメーションなどの情報が対応付けられたものである。設定条件IDは、加盟店によって設定された設定条件を識別するIDであり、図7の領域A2に示される識別子に対応するものである。同様に、曜日、時間帯、アニメーションは、それぞれ図7の領域A3およびA4に示される曜日、時間帯、アニメーションに対応するものである。制御部150は、決済処理部130による処理が完了すると、決済完了画面設定情報178を参照して、加盟店IDに対応する設定条件を抽出し、抽出した設定条件を含む決済完了通知を決済アプリ20に送信する。決済アプリ20は、受信した決済完了通知に基づいて、決済完了画面を表示する。
【0038】
図9は、決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの一例を示す図である。図9に示す決済完了画面において、領域A5は電子決済が実行された加盟店および店舗の名称を示し、領域A6は決済金額を示し、領域A7はアニメーションの表示領域を示す。図9に示すアニメーションは、一例として、図8の決済完了画面設定情報178に設定された設定条件ID001の「回転」が実行されたものである。図9の左部から右部への推移に示す通り、決済アプリ20は、まず、加盟店のロゴ画像を決済完了画面の下部に表示させ、時間の経過とともに、当該ロゴ画像を時計回りに動作させる。このように、特定の曜日および時間帯にのみ、ロゴ画像を独自の表示態様で表示させることにより、悪意を持つ電子決済の利用者が、決済完了画面を事前に不正に作成し、店舗の従業員に提示することによって、電子決済の詐称を行うリスクを低減することができる。
【0039】
図10は、決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの別の例を示す図である。決済サーバ100は、決済完了画面の表示態様として、決済金額に応じて異なるパターンのアニメーションを表示させる旨の設定を第2店舗端末装置70から受け付け、決済アプリ20は、電子決済の実行時に、利用者による決済金額に応じて、表示する決済完了画面のアニメーションを切り替えてもよい。図10の場合、一例として、決済アプリ20は、決済金額が閾値(例えば、1000円)以下の場合には、ロゴ画像を時計回りに回転させるように表示させる一方、決済金額が閾値より大きい場合には、ロゴ画像を反時計回りに回転させるように表示させる。これにより、悪意を持つ電子決済の利用者が、決済完了画面を事前に不正に作成し、店舗の従業員に提示することによって、電子決済の詐称を行うリスクを低減することができる。
【0040】
図11は、決済アプリ20によって表示される決済完了画面のアニメーションの別の例を示す図である。決済サーバ100は、決済完了画面の表示態様として、所定期間(例えば、一日)における店舗での決済回数に応じて異なるパターンのアニメーションを表示させる旨の設定を第2店舗端末装置70から受け付け、決済アプリ20は、電子決済の実行時に、決済回数に応じて、表示する決済完了画面のアニメーションを切り替えてもよい。図11の場合、一例として、決済アプリ20は、一日における店舗での決済回数に等しい枚数のロゴ画像を表示させる。すなわち、店舗の従業員は、決済完了画面の確認時に、表示されるロゴ画像の枚数が適切に増加しているかを確認することによって、電子決済の正当性を確認することができる。また、例えば、決済アプリ20は、一日における店舗での決済回数に等しい回数分、ロゴ画像の周囲を発光させてもよい。これにより、悪意を持つ電子決済の利用者が、決済完了画面を事前に不正に作成し、店舗の従業員に提示することによって、電子決済の詐称を行うリスクを低減することができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、加盟店の従業員が、第2店舗端末装置70上で決済完了画面の表示態様に関する詳細な設定を行い、決済サーバ100に送信する例について説明した。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、決済サーバ100が、自動的に決済完了画面の表示態様を決定して、決定された表示態様を第2店舗端末装置70に通知してもよい。例えば、決済サーバ100は、表示態様に関する曜日、時間帯、アニメーションをランダムに決定して、第2店舗端末装置70に通知してもよいし、過去に不正の検知に成功した表示態様のパターンに関するデータを蓄積して、蓄積された表示態様のパターンの中から選択して第2店舗端末装置70に通知を行ってもよい。また、例えば、決済サーバ100は、決済完了画面の表示態様に関する設定の一部のみ(例えば、加盟店のロゴ画像)を受け付け、他の表示態様に関しては自動的に決定してもよい。
【0042】
さらに、上述した実施形態では、決済サーバ100は、加盟店のロゴ画像を第2店舗端末装置70から受け付け、当該ロゴ画像を用いた決済完了画面の表示態様に関する設定を受け付ける例について説明した。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、決済サーバ100は、加盟店のロゴ画像に代えて、電子決済サービスのロゴ画像に関する決済完了画面の表示態様に関する設定を受け付けてもよいし、サーバ側で自動的に決定してもよい。
【0043】
さらに、上述した実施形態では、決済サーバ100は、加盟店の従業員によって設定された決済完了画面の表示態様を固定的に適用する例について説明した。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、決済サーバ100は、一定期間ごとに、決済完了画面の表示態様に関する設定を変更し、第2店舗端末装置70に変更された設定を通知してもよい。その場合、決済サーバ100は、加盟店からの不正決済の報告件数に基づいて、設定を変更する期間を動的に制御してもよい。例えば、平均的に5日に1回の頻度で加盟店から不正決済の報告がなされる場合、決済サーバ100は、5日よりも短い期間で設定を変更してもよい。
【0044】
さらに、上述した実施形態では、加盟店の従業員が、第2店舗端末装置70上で、事前に用意された選択肢の中からアニメーションを選択する例について説明した。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、第2店舗端末装置70は、加盟店の従業員が独自にアニメーションを設定するためのインターフェースを設けてもよい。
【0045】
図12は、決済完了画面の表示態様を設定するためのインターフェースの別の例を示す図である。図12において、領域A8は、加盟店の従業員が、第2店舗端末装置70上で独自のアニメーションを指定するための領域を示す。図12に示す通り、加盟店の従業員は、例えば、第2店舗端末装置70上でロゴ画像を任意の軌道で動かすことによって、アニメーションを設定してもよい。その場合、第2店舗端末装置70は、ロゴ画像の軌道情報を決済サーバ100に送信し、情報管理部140は、受信した軌道情報をアニメーションとして決済完了画面設定情報178に記憶することとなる。
【0046】
以上の通り説明した本実施形態によれば、実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を、実店舗の店舗端末装置から受け付け、決済完了時に、設定された表示態様で決済完了画面を表示するように利用者端末装置に通知し、上記表示態様は、表示態様の設定時点では利用者端末装置によって表示されず、電子決済サービスを提供するサーバと、店舗端末装置との間でのみ共有されるものである。これにより、電子決済サービスの利用者と店舗に負担をかけることなく、電子決済の不正を防止することができる。
【0047】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
70 第2店舗端末装置
100 決済サーバ
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 制御部
【要約】
【課題】電子決済サービスの利用者と店舗に負担をかけることなく、電子決済の不正を防止すること。
【解決手段】実店舗での購買に係る決済を処理する電子決済サービスの決済完了時に前記電子決済サービスの利用者の利用者端末装置に表示させる決済完了画面の表示態様に関する設定を、前記実店舗の店舗端末装置から受け付ける受付部と、前記決済完了時に、設定された前記表示態様で前記決済完了画面を表示するように前記利用者端末装置に通知する通知部と、を備え、前記表示態様は、前記表示態様の設定時点では前記利用者端末装置によって表示されず、前記電子決済サービスを提供するサーバと、前記店舗端末装置との間でのみ共有されるものである、情報処理装置。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12