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特許7366256一方向減衰構造および当該一方向減衰構造を含む調整アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-12
(45)【発行日】2023-10-20
(54)【発明の名称】一方向減衰構造および当該一方向減衰構造を含む調整アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/123 20060101AFI20231013BHJP
   F16D 3/12 20060101ALI20231013BHJP
   F16F 7/04 20060101ALI20231013BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20231013BHJP
   F16D 49/04 20060101ALI20231013BHJP
【FI】
F16F15/123 Z
F16D3/12 G
F16F7/04
F16D63/00 R
F16D49/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022525012
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 CN2020103516
(87)【国際公開番号】W WO2021082541
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】201911054667.9
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921860583.X
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521290980
【氏名又は名称】▲がい▼博座椅机械部件有限公司
【氏名又は名称原語表記】KEIPER SEATING MECHANISMS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.451 Dieqiao Road,Kangqiao Industrial Zone,Pudong,Shanghai,P.R.China 201315
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】李 啓超
(72)【発明者】
【氏名】孫 培晶
(72)【発明者】
【氏名】常 健
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-504910(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108443463(CN,A)
【文献】実開昭60-082746(JP,U)
【文献】実開平05-081542(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第102808872(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 7/00-7/14
F16F 15/123
F16D 3/12
F16D 49/02-49/12
F16D 63/00
F16H 19/00-19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばね、駆動要素摩擦力発生部材および前記駆動要素から独立した突出構造を含み、
前記ばねと前記駆動要素とは、前記駆動要素によって前記ばねを駆動するように接続され、
前記ばねは、固定部、接続部および環状部を含み、
前記接続部は、前記固定部と前記環状部との間に配置され、かつ前記固定部と前記環状部とを接続し、
前記固定部は、前記突出構造に固定され、
記環状部は、前記ばねにおける円周方向にらせん状に伸びる部分であって、ばね穴を画定する部分の少なくとも半分を含み、かつ摩擦トルクを発生するように摩擦力発生部材に対してスライドし、
前記駆動要素は、突出した円環部を含み、
前記円環部は、摩擦力発生部材として形成され、
前記環状部は、前記環状部と前記円環部との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生するように、前記円環部にスリーブ化されることを特徴とする、一方向減衰構造。
【請求項2】
前記突出構造は、少なくとも一つの隆起を含み、
前記固定部は、前記隆起によって囲まれた空間溝によって固定されることを特徴とする、請求項に記載の一方向減衰構造。
【請求項3】
前記円環部と前記駆動要素の周縁は収容溝を規定し、
前記環状部は、前記収容溝に収容され、かつしまりばめで前記円環部にスリーブ化されることを特徴とする、請求項に記載の一方向減衰構造。
【請求項4】
請求項1-のいずれか1項に記載の一方向減衰構造を含むことを特徴とする、調整アセンブリ。
【請求項5】
前記調整アセンブリは、出力構造、設置構造およびドライバーをさらに含み、
前記一方向減衰構造および前記出力構造は、前記設置構造に設置され、
前記ドライバーは、前記一方向減衰構造を介して前記出力構造に接続されることを特徴とする、請求項に記載の調整アセンブリ。
【請求項6】
前記出力構造は、シートベイスンの高さ調整機構に接続され、
前記調整アセンブリは、シートハイトアジャスターとして構成されることを特徴とする、請求項に記載の調整アセンブリ。
【請求項7】
前記設置構造は、固定接続されたギアボックスおよびカバープレートを含み、
前記一方向減衰構造および前記出力構造は、前記ギアボックスと前記カバープレートとの間に設置されることを特徴とする、請求項に記載の調整アセンブリ。
【請求項8】
前記調整アセンブリは、ガスケットをさらに含み、
前記ガスケットは、前記ばねと前記ギアボックスとの間に設置されることを特徴とする、請求項に記載の調整アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシートに関し、より具体的には、一方向減衰構造および当該一方向減衰構造を含む調整アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在電動シート高さ調整市場では、一般に一次ウォームヘリカルギアおよび二次小歯数差伝達の構造形態を使用し、モーターの運動および動力を製品の出力端に伝達し、さらにシートベイスンの高さ調整機構を介して、シートの上下運動を調整し、動作の条件は次のとおりである。1)シートを上向きに調整する場合、負荷の重力が下向きになり、電動ハイプロファイルが常に負荷を克服しながら動作し、モーターは、ウォームを介して回転するように常にはすば歯車を駆動し、次に二次小歯数差運動を駆動し、さらに出力歯車を駆動してシートが上昇するように調整し、この過程において、ウォームの同じ歯面は、常にはすば歯車の同じ歯面と噛み合い、2)シートを下向きに調整する場合、負荷重力が下向きになり、この時に二つの状況が発生され、一つは、モーターがウォームを介して回転するようにはすば歯車を駆動し、次に二次小歯数差運動を駆動し、さらに出力歯車を駆動してシートを下に調整し、別の状況は、シート負荷が出力歯を駆動して回転させ、次に二次小歯数差運動を駆動し、さらにはすば歯車を駆動して回転させ、従ってはすば歯車がウォームを逆駆動させる状況が発生する。システムの内部抵抗が不安定な場合、二つの状況が交互に発生し、ウォームとはすば歯車との噛み合う歯面が互いに切り替わり、従って、二次小歯数差の伝達が不安定になり、下向きの調整時に異音が発生され、動作が不安定になる等の問題を引き起こす。
【0003】
上記のシートを下向きに調整する際に存在する不安定な問題を解決するために、現在知られている方法は、製品構造において円周方向のばねおよびウェッジブロック構造を増加して、負荷が下向きに動く場合のシステムの内部抵抗を増加させることである。しかし、このように内部抵抗を増加する方法は、上向きに調整する場合の製品の向上能力が低下され、同時にシステムの内部抵抗の制御も困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術におけるシートを下向きに調整する際に存在する不安定な問題を解決するために、本発明は、一方向減衰構造および当該一方向減衰構造を含む調整アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による一方向減衰構造は、ばね、駆動要素および摩擦力発生部材を含み、ここで、ばねと駆動要素とは、駆動要素によってばねを駆動するように接続され、ばねは、固定部、接続部および環状部を含み、ここで、接続部は、固定部と環状部との間に配置されかつ固定部と環状部とを接続し、当該固定部は固定され、当該環状部は、円周方向にらせん状に伸びる規定のばね穴の少なくとも半分のリングを含み、かつ摩擦トルクを発生するように当該摩擦力発生部材に対してスライドする。
【0006】
好ましい実施例において、当該一方向減衰構造は、設置シャフトを含み、当該設置シャフトは、摩擦力発生部材として形成され、当該環状部は、環状部の内穴壁と設置シャフトのシャフト外面との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生するように、しまりばめで設置シャフトにスリーブ化される。つまり、この時の摩擦力発生部材は、摩擦シャフトとしての設置シャフトである。
【0007】
好ましくは、当該駆動要素は、ばねに隣接する端面に固定穴または固定溝を有し、ばねの固定部は、当該固定穴または固定溝に収容されて固定される。
【0008】
好ましい実施例において、当該一方向減衰構造は、環状ブッシングをさらに含み、当該環状ブッシングの内穴壁は、摩擦力発生部材として形成され、環状部の外径面と環状ブッシングの内穴壁との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生する。つまり、この時の摩擦力発生部材は、摩擦穴の内壁としての環状ブッシング内穴壁である。
【0009】
好ましくは、環状部の外径面と環状ブッシングの内穴壁とは、しまりばめになる。
【0010】
好ましい実施例において、当該一方向減衰構造は、駆動要素から独立した突出構造をさらに含み、固定部は、当該突出構造に固定され、当該駆動要素は、突出した円環部を含み、当該円環部は、摩擦力発生部材として形成され、円環部は、環状部と円環部との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生するように、環状部にスリーブ化される。つまり、この時の摩擦力発生部材は、摩擦シャフトとしての円環部である。
【0011】
好ましくは、突出構造は、少なくとも一つの隆起を含み、固定部は、当該隆起によって囲まれた空間溝によって固定される。
【0012】
好ましくは、環状部と当該駆動要素の周縁は、収容溝を規定し、環状部は、当該収容溝に収容され、かつしまりばめで環状部にスリーブ化される。
【0013】
好ましい実施例において、当該一方向減衰構造は、駆動要素から独立したベアリング構造をさらに含み、当該ベアリング構造は、摩擦力発生部材として形成され、環状部は、環状部とベアリング構造との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生するように、しまりばめで当該ベアリング構造にスリーブ化される。つまり、この時の摩擦力発生部材は、摩擦シャフトとしてのベアリング構造である。
【0014】
好ましくは、当該一方向減衰構造は、設置シャフトを含み、駆動要素は、設置シャフトにスリーブ化され、駆動要素に面するベアリング構造の表面とベアリング構造に面する駆動要素の表面とは、協力して設置シャフトを支持する。
【0015】
好ましい実施例において、当該一方向減衰構造は、回転固定方式で駆動要素に接続されたブッシング構造をさらに含み、固定部は、当該ブッシング構造によってクランプされ、環状部は、拡張されて固定溝に設置され、当該固定溝の内側の円筒面は、摩擦力発生部材として形成され、環状部の外径面と固定溝の内側の円筒面との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生する。つまり、この時の摩擦力発生部材は、摩擦穴の内壁としての固定溝の内側の円筒面である。
【0016】
好ましくは、ブッシング構造は、本体から反対的に突き出たクランプ構造およびピンを有し、ブッシング構造は、ピンを介して駆動要素に接続され、固定部は、クランプ構造によってクランプされる。
【0017】
好ましくは、クランプ構造は、固定部をクランプするための固定バンプを有する。
【0018】
本発明による調整アセンブリは、上記の一方向減衰構造を含む。
【0019】
好ましくは、当該調整アセンブリは、出力構造、設置構造およびドライバーをさらに含み、ここで、一方向減衰構造および出力構造は、設置構造に設置され、また、ドライバーは、一方向減衰構造を介して出力構造に接続される。
【0020】
好ましくは、当該出力構造は、シートベイスンの高さ調整機構に接続され、当該調整アセンブリは、シートハイトアジャスターとして構成される。
【0021】
好ましくは、当該設置構造は、固定接続されたギアボックスおよびカバープレートを含み、ここで、一方向減衰構造および出力構造は、通常、ギアボックスとカバープレートとの間に設置される。
【0022】
好ましくは、当該調整アセンブリは、ガスケットをさらに含み、当該ガスケットは、ばねとギアボックスとの間に設置される。
【0023】
好ましくは、当該調整アセンブリは、設置構造およびドライバーをさらに含み、一方向減衰構造は、設置構造に設置され、当該ドライバーは、モーターシャフトを有し、ばねの環状部は、環状部の内穴壁とモーターシャフトのシャフト外面との間の相対的スライドによって摩擦トルクを発生するように、しまりばめでモーターシャフトにスリーブされる。
【0024】
好ましくは、当該設置構造は、固定接続されたギアボックスおよびカバープレートを含み、ここで、一方向減衰構造は、ギアボックスとカバープレートとの間に設置され、ギアボックスは、固定溝を有し、ばねの固定部は、当該固定溝に固定される。
【発明の効果】
【0025】
本実施例によるシートハイトアジャスターは、異なる回転方上に発生する一方向減衰構造のばねの異なるトルク一方向減衰特性を利用して、従来の出力構造および設置構造と組み合わせて、シートが負荷の下で下向きに動くときに、シートを上向きに調整する揚力に影響を与えずに、固定された負荷を安定して克服し続けながらドライバーを動作させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の好ましい実施例による一方向減衰構造の分解図である。
図2図1の一方向減衰構造の側面図である。
図3図2の線A-Aに沿った断面図である。
図4図1のばねの構造模式図である。
図5図1の設置シャフトとばねとの第1の協力状態図である。
図6図1の設置シャフトとばねとの第2の協力状態図である。
図7】本発明による第1の好ましい実施例の一方向減衰構造を含む調整アセンブリの側面図である。
図8図7の線B-Bに沿った断面図である。
図9図7の設置シャフトとばねとの第1の協力状態図である。
図10図7の設置シャフトとばねとの第2の協力状態図である。
図11】本発明の第2の好ましい実施例による一方向減衰構造の環状ブッシングおよびばねの分解図である。
図12図11の環状ブッシングとばねとの組立模式図である。
図13図12の側面図である。
図14図13の線C-Cに沿った断面図である。
図15図11の環状ブッシングとばねとの第1の協力状態図である。
図16図11の環状ブッシングとばねとの第2の協力状態図である。
図17】本発明の第3の好ましい実施例による一方向減衰構造のばねの構造模式図である。
図18】本発明の第3の好ましい実施例による一方向減衰構造の固定構造の構造模式図である。
図19図17のばねと図18の固定構造との組立模式図である。
図20】本発明の第3の好ましい実施例による一方向減衰構造のはすば歯車の構造模式図である。
図21図17のばねと図20のはすば歯車との組立模式図である。
図22図17のばねと図20のはすば歯車との第1の協力状態図である。
図23図17のばねと図20のはすば歯車との第2の協力状態図である。
図24】本発明の第4の好ましい実施例による一方向減衰構造のばねの構造模式図である。
図25】本発明の第4の好ましい実施例による一方向減衰構造のベアリング構造の構造模式図である。
図26図24のばねと図25のベアリング構造との組立模式図である。
図27】本発明の第4の好ましい実施例による一方向減衰構造のギアボックスの構造模式図である。
図28図25のベアリング構造と図27のギアボックスとの組立模式図である。
図29】本発明の第4の好ましい実施例による一方向減衰構造のはすば歯車の構造模式図である。
図30図25のベアリング構造と図29のはすば歯車との組立模式図である。
図31図25のベアリング構造と図29のはすば歯車との第1の協力状態図である。
図32図25のベアリング構造と図29のはすば歯車との第2の協力状態図である。
図33】本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造のばねの構造模式図である。
図34】本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造のブッシング構造の第1の構造模式図である。
図35】本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造のブッシング構造の第2の構造模式図である。
図36】本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造のはすば歯車の構造模式図である。
図37図33のばねと、図34のブッシング構造と図36のはすば歯車との組立模式図である。
図38】本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造のギアボックスの構造模式図である。
図39図33のばねと図38のギアボックスとの組立模式図である。
図40図33のばねと図34のブッシング構造との第1の協力状態図である。
図41図33のばねと図34のブッシング構造との第2の協力状態図である。
図42】本発明によるばねの第1のワイヤの模式図である。
図43】本発明によるばねの第2のワイヤの模式図である。
図44】本発明による別の好ましい実施例の一方向減衰構造を含む調整アセンブリの側面図である。
図45図44の一方向減衰構造の構造模式図である。
図46図44の線D-Dに沿った断面図であり、ばねを固定するためのギアボックスの固定溝を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面と併せて、本発明の好ましい実施例を提供しかつ詳細に説明する。
【0028】
図1に示されるように、本発明の第1の好ましい実施例による一方向減衰構造1は、ばね11、駆動要素12および設置シャフト13を含み、ここで、ばね11および駆動要素12は、設置シャフト13にスリーブ化される。具体的には、当該駆動要素12は、歯車と噛み合うウォーム121およびはすば歯車122を含み、ここで、ばね11およびはすば歯車122は、設置シャフト13にスリーブ化され、図2図3に示されたとおりである。
【0029】
図4に示されるように、ばね11は、固定部111、接続部112および環状部113を含み、ここで、接続部112は、固定部111と環状部113との間に配置されかつ固定部111を環状部113に接続する。特に、当該環状部113は、円周方向にらせん状に伸びる規定のばね穴の少なくとも半分のリングを含む。
【0030】
図1に戻ると、はすば歯車122は、ばね11に隣接する端面に、固定穴122a、接続溝122bおよび収容穴122cを有し、図2図3と組み合わせると、ばね11の固定部111、接続部112および環状部113は、それぞれはすば歯車122の固定穴122a、接続溝122bおよび収容穴122cに収容される。
【0031】
特に、ばね11の環状部113は、しまりばめで設置シャフト13にスリーブ化される。このように、ばね11の一端は、はすば歯車122に固定され、他端は、設置シャフト13としまりばめになる。はすば歯車122が外力の作用により設置シャフト13のシャフト線Lを中心に回転する場合、ばね11の固定部111は、それに応じて回転し、ばね11の環状部113は、設置シャフト13に対して相対的スライドして摩擦トルクを発生させる。当該設置シャフト13が固定されることができ、シャフト線Lを中心に回転させることもでき、設置シャフト13の回転とはすば歯車122の回転とが同期せずに相対的スライドがある限り、上記の摩擦トルクが発生することを理解されたい。
【0032】
らせん方向で回転するほどきつくなり、逆らせん方向で回転するほど緩くなるばね構造の特性に従って、図5に示されるように、ばね11がはすば歯車122によって与えられる逆らせん方向のF_cw作用力を受ける場合、ばね11の環状部113は、設置シャフト13に対してCW方向に沿って回転させ、設置シャフト13と相対的スライドするばね11の接触面との間には、比較的小さな摩擦トルクのみが発生され、図6に示されるように、ばね11がはすば歯車122によって与えられるらせん方向のF_ccw作用力を受ける場合、ばね11の環状部113は、設置シャフト13に対してCCW方向に沿って回転し、設置シャフト13と相対的スライドするばね11の接触面との間には、定格摩擦トルクが発生され、当該定格摩擦トルク値は、必要に応じて設計および制御することができる。上記の過程により、当該一方向減衰構造1は、ばね11が設置シャフト13に対して異なる方向に回転する場合、ばね11と設置シャフト13との相対的スライド面が異なる方向に異なる摩擦トルクを発生することを実現することにより、一方向の内部抵抗の効果を実現することができる。
【0033】
図7図8に示されるように、本発明による調整アセンブリAは、第1の好ましい実施例の上記の一方向減衰構造1、出力構造2、設置構造3およびドライバー4を含み、ここで、一方向減衰構造1および出力構造2は、設置構造3に設置され、ドライバー4は、一方向減衰構造1を介して出力構造2に接続される。本実施例において、当該出力構造2は、シートベイスンの高さ調整機構に接続されることにより、ドライバー4を介してシートの上下運動を調整し、このように、当該調整アセンブリは、シートハイトアジャスターとして構成される。
【0034】
ここで、設置構造3は、固定接続されたギアボックス31およびカバープレート32を含み、ここで、一方向減衰構造1および出力構造2は、通常、ギアボックス31とカバープレート32との間に設置される。
【0035】
ここで、ドライバー4は、ウォーム121に接続されるモーターである。
【0036】
特に、調整アセンブリAは、ばね11とギアボックス31との間に設置される、設置シャフト13にスリーブ化されるガスケット5をさらに含む。本実施例において、当該ガスケット5は、波形ガスケットである。当該ガスケット5は、一方ではばね11とギアボックス31との間の設置シャフト13に沿った軸方向の間隔の調整に使用され、もう一方ではばね11が設置シャフト13の軸方向に沿って脱出の防止に使用される、同様の弾性ガスケットであり得ることを理解されたい。ばね11が設置シャフト13の軸方向に沿って他の固定装置を有し、ばね11とギアボックス31との間の軸方向間隔が他の構造によって調整される場合、当該ガスケット5は、フラットガスケットまたは他の構造形状のガスケットであり得、さらに除去することさえできる。
【0037】
このように、本実施例によるシートハイトアジャスターがシートの高さを調整する過程中において、ドライバー4は、ウォーム121を回転させるように駆動し、運動および動力をはすば歯車122に伝達して、はすば歯車122が設置シャフト13を中心に回転し、ばね11の固定部111ははすば歯車122に固定接続され、環状部113はしまりばめで設置シャフト13にスリーブ化されるため、はすば歯車122が設置シャフト13に対して回転する場合、ばね11の環状部113は、設置シャフト13を中心に比較的に回転して、抵抗を提供し、はすば歯車122がばね11によって提供される抵抗を克服した後、運動および動力は、出力構造2を介して出力されることにより、シートを上向きにまたは下向きに調整するように駆動する。
【0038】
図9に示されるように、シートが下向きに調整される場合、はすば歯車122は、ばね11の環状部113を駆動して、設置シャフト13に対してCCW方向に沿って回転し、ばね11と設置シャフト13との間には、CW方向に沿った設定された摩擦抵抗トルクTf_CWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_Cの発生により、はすば歯車122の噛み合う歯面は、常にウォーム121の噛み合う歯面と密接に接触することにより、シート全体が下向きに調整される過程で、動作が安定する同時に速度が遅くなる。
【0039】
図10に示されるように、シートが上向きに調整される場合、はすば歯車122は、ばね11の環状部113を駆動して、設置シャフト13に対してCW方向に沿って回転させ、ばね11と設置シャフト13との間には、CCW方向に沿って比較的に小さな摩擦抵抗トルクTf_CCWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CCWは、摩擦抵抗トルクTf_CWに対して非常に小さく、基本的に無視できるため、基本的にシートの昇降方向で影響せず、シートの昇降能力および昇降方向の速度に対して基本的に影響しない。
【0040】
このように、上記二つの過程により、本実施例によるシートハイトアジャスターは、一方向減衰構造1を介して、一方では、シートを下向きに調整する場合にシステムの内部抵抗を増加して、全体の下向きの動きが安定し、もう一方では、シートを上向きに調整する場合、基本的に内部抵抗はなく、シートの昇降能力に影響しない。とにかく、本実施例によるシートハイトアジャスターは、異なる回転方向に発生する一方向減衰構造1のばね11の異なるトルクの一方向減衰特性を利用して、従来の出力構造2および設置構造3と組み合わせて、シートが負荷の下で下向きに動くときに、シートを上向きに調整する揚力に影響を与えずに、固定された負荷を安定して克服し続けながらドライバー4を動作させることができる。具体的には、負荷がかかった状態でのシートの高さの調整において、ドライバー4は、安定して動作し続け、システム全体の内部抵抗が安定し、不安定な内部抵抗または小さすぎる内部抵抗によるシステムの不安定な動作によって引き起こされる異音問題を排除し、一方向減衰構造1は、下向きの走行過程にのみ影響し、シートの上向きの調整には影響せず、揚力に影響せず、シートの下向きの調整方向での減衰が増加するため、下向き走行速度全体が遅くなり、上下調整速度の差が小さくなる。
【0041】
第1の実施例において、一方向減衰構造1のばね11の環状部113は、しまりばめで設置シャフト13にスリーブ化されることにより、ばね11の環状部113の内穴壁と設置シャフト13のシャフト外面との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。これとは異なり、図11図14に示されるように、本発明の第2の好ましい実施例による一方向減衰構造1’は、ばね11’の環状部113’の外径面と環状ブッシング14’の内穴壁との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される、環状ブッシング14’をさらに含む。特に、ばね11’の環状部113’は、環状部113’の外径面を介して環状ブッシング14’の内穴壁としまりばめになる。
【0042】
図15に示されるように、ばね11’が駆動力F_cwの作用下で環状ブッシング14’に対してCW方向に沿って回転する場合、ばね11’の環状部113’の外径面と環状ブッシング14’の内穴壁とは、相対的にスライドし、かつ接触表面でCCW方向に沿った定格摩擦トルク抵抗を発生させ、当該トルク値は、必要に応じて設計および制御することができる。
【0043】
図16に示されるように、ばね11’が駆動力F_ccwの作用下で環状ブッシング14’に対してCCW方向に沿って回転する場合、ばね11’の環状部113’の外径面は、環状ブッシング14’の内穴壁から徐々に外れ、かつ比較的に小さな摩擦抵抗トルクが発生する。
【0044】
上記の過程により、外力の作用下でばね11’を異なる方向に沿って回転させると、異なる大きさの摩擦抵抗トルクが発生され、従って、一方向減衰の効果を実現する。ばね11’のらせん方向(右らせんから左らせんに変えうる)を調整することにより、減衰方向の切り替えを実現することができる。
【0045】
第1の実施例において、一方向減衰構造1のばね11の固定部111は、はすば歯車122に固定接続され、ばね11の環状部113は、しまりばめで設置シャフト13にスリーブ化されることにより、環状部113と設置シャフト13との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。これとは異なり、図17図21に示されるように、本発明の第3の好ましい実施例による一方向減衰構造1’’は、突出構造15’’をさらに含み、ばね11’’の一端は、当該突出構造15’’に固定され、他端は、はすば歯車122と協力する。
【0046】
図17に示されるように、ばね11’’の形態は、第1の実施例のばね11とはわずかに異なるが、依然として固定部111’’、接続部112’’および環状部113’’を含み、ここで、接続部112’’は、固定部111’’と環状部113’’との間に配置されかつ固定部111’’を環状部113’’に接続する。特に、当該環状部113’’は、円周方向にらせん状に伸びる規定のばね穴の少なくとも半分のリングを含む。
【0047】
図18に示されるように、突出構造15’’は、ギアボックス31’’上の隆起151’’、152’’、153’’、154’’であり、図19に示されるように、ばね11’’の固定部111’’および接続部112’’は、当該隆起151’’、152’’、153’’、154’’で囲まれた空間溝によって固定される。
【0048】
図20に示されるように、固定穴122a、接続溝122bおよび収容穴122cを有する第1の実施例のはすば歯車122とは異なり、本実施例のはすば歯車122’’は、はすば歯車122’’の周縁と収容溝122e’’を規定する突出した円環部122d’’を含み、ばね11’’の環状部113’’は、しまりばめで円環部122d’’にスリーブ化されかつ当該収容溝122e’’に収容され、図21に示されるように、従って、ばね11’’の環状部113’’と円環部122d’’との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。
【0049】
図22に示されるように、シートが下向きに調整される場合、円環部122d’’(即ち、はすば歯車122’’)は、ばね11’’の環状部113’’に対してCCW方向に沿って回転し、ばね11’’と円環部122d’’との間には、CW方向に沿った設定された摩擦抵抗トルクTf_CWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CWの発生により、はすば歯車122’’の噛み合う歯面は、常にウォームの噛み合う歯面と密接に接触するようにすることにより、シート全体が下向きに調整される過程で、動作が安定する同時に速度が遅くなるようにする。
【0050】
図23に示されるように、シートが上向きに調整される場合、円環部122d’’(即ち、はすば歯車122’’)は、ばね11’’の環状部113’’に対してCW方向に沿って回転させ、ばね11’’と円環部122d’’との間には、CCW方向に沿って比較的に小さな摩擦抵抗トルクTf_CCWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CCWは、摩擦抵抗トルクTf_CWに対して非常に小さく、基本的に無視できるため、基本的にシートの昇降方向で影響せず、シートの昇降能力および昇降方向の速度に対して基本的に影響しない。
【0051】
このように、上記二つの過程により、本実施例によるシートハイトアジャスターは、一方向減衰構造1’’を介して、一方では、シートを下向きに調整する場合にシステムの内部抵抗を増加して、全体の下向きの動きが安定し、もう一方では、シートを上向きに調整する場合、基本的に内部抵抗はなく、シートの昇降能力に影響しない。
【0052】
第1の実施例において、一方向減衰構造1のばね11の環状部113は、しまりばめで設置シャフト13にスリーブ化されることにより、環状部113と設置シャフト13との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。これとは異なり、図24~30に示されるように、本発明の第4の好ましい実施例による一方向減衰構造1’’’は、ばね11’’’の環状部113’’’とベアリング構造16’’’とが協力する、ベアリング構造16’’’をさらに含む。
【0053】
図24に示されるように、ばね11’’’の形態は、第1の実施例のばね11とはわずかに異なるが、依然として固定部111’’’、接続部112’’’および環状部113’’’を含み、ここで、接続部112’’’は、固定部111’’’と環状部113’’’との間に配置されかつ固定部111’’’を環状部113’’’に接続する。特に、当該環状部113’’’は、円周方向にらせん状に伸びる規定のばね穴の少なくとも半分のリングを含む。
【0054】
図25に示されるように、ベアリング構造16’’’は、外周壁161’’’を有し、図26に示されるように、ばね11’’’の環状部113’’’は、しまりばめで当該外周壁161’’’にスリーブ化される。ベアリング構造16’’’の中部には、設置シャフトが通過するための貫通穴162’’’を有し、当該貫通穴162’’’の周りには、複数のねじれ防止構造163’’’が設置される。さらに、図26に示されるように、当該ねじれ防止構造163’’’の反対側の当該ベアリング構造16’’’の端面は、スライド面164’’’として形成される。
【0055】
図27に示されるように、ギアボックス31’’’は、ねじれ防止構造311’’’を有し、図28に示されるように、それは、ベアリング構造16’’’のねじれ防止構造163’’’と協力する。ここでのねじれ防止構造は、主にベアリング構造16’’’をギアボックス31’’’にスムーズに押し込むことができ、かつ相対的に回転せずに所定の位置に固定することができることを実現し、必要に応じて、当該ねじれ防止構造を同じ機能を実現することができる他のねじれ防止マッチング特性に置き換えることができ、ベアリング構造16’’’でさえギアボックス31’’’に一体的に形成することができることを理解されたい。
【0056】
図29に示されるように、接続溝122bおよび収容穴122cを有する第1の実施例のはすば歯車122とは異なり、本実施例のはすば歯車122’’’は、固定穴122a’’’のみを含み、ばね11’’’の固定部111’’’を当該固定穴122a’’’に挿入して固定し、ばね11’’’に面する端面は、スライド面122f’’’として形成される。ばね11’’’を固定するための固定部111’’’の構造は、必ずしも固定穴である必要はなく、ばね11’’’の一端をはすば歯車122’’’に固定することができる限り、それは、固定部111’’’に適合する溝または他の特徴であり得ることを理解されたい。
【0057】
図30に示されるように、組み立てた状態下で、ばね11’’’の環状部113’’’は、しまりばめでベアリング構造16’’’の外周壁161’’’にスリーブ化されることにより、ばね11’’’の環状部113’’’とベアリング構造16’’’との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生され、設置シャフトは、ベアリング構造16’’’の貫通穴162’’’に挿入され、はすば歯車122’’’のスライド面122f’’’は、ベアリング構造16’’’のスライド面164’’’と協力して、設置シャフトを支持する。
【0058】
図31に示されるように、シートが下向きに調整される場合、ベアリング構造16’’’は、ばね11’’’の環状部113’’’に対してCW方向に沿って回転させ、環状部113’’’とベアリング構造16’’’との間には、CCW方向に沿った摩擦抵抗トルクTf_CCWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CCWの発生により、はすば歯車122’’’の噛み合う歯面は、常にウォームの噛み合う歯面と密接に接触することにより、シート全体が下向きに調整されるようにする過程で、動作が安定する同時に速度が遅くなる。
【0059】
図32に示されるように、シートが上向きに調整される場合、ベアリング構造16’’’は、ばね11’’’の環状部113’’’に対してCCW方向に沿って回転し、環状部113’’’とベアリング構造16’’’との間には、CW方向に沿った設定された摩擦抵抗トルクTf_CWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CWは、摩擦抵抗トルクTf_CCWに対して非常に小さく、基本的に無視できるため、基本的にシートの昇降方向で影響せず、シートの昇降能力および昇降方向の速度に対して基本的に影響しない。
【0060】
このように、上記二つの過程により、本実施例によるシートハイトアジャスターは、一方向減衰構造1’’’を介して、一方では、シートを下向きに調整する場合にシステムの内部抵抗を増加して、全体の下向きの動きが安定するようにし、もう一方では、シートを上向きに調整する場合、基本的に内部抵抗はなく、シートの昇降能力に影響しない。
【0061】
第1の実施例において、一方向減衰構造1のばね11の固定部111は、はすば歯車122に固定接続され、ばね11の環状部113は、しまりばめで設置シャフト13にスリーブ化されることにより、環状部113と設置シャフト13との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。これとは異なり、図33図38に示されるように、本発明の第5の好ましい実施例による一方向減衰構造1’’’’は、ブッシング構造17’’’’をさらに含み、ばね11’’’’の一端は、ブッシング構造17’’’’と協力する。
【0062】
図33に示されるように、ばね11’’’’の形態は、第1の実施例のばね11とはわずかに異なるが、依然として固定部111’’’’、接続部112’’’’および環状部113’’’’を含み、ここで、接続部112’’’’は、固定部111’’’’と環状部113’’’’との間に配置されかつ固定部111’’’’と環状部113’’’’とを接続する。特に、当該環状部113’’’’は、円周方向にらせん状に伸びる規定のばね穴の一つのリングを含む。
【0063】
図34に示されるように、ブッシング構造17’’’’は、本体171’’’’から反対的に突き出たクランプ構造172’’’’およびピン173’’’’を有する。特に、図35に示されるように、クランプ構造172’’’’は、固定バンプ172a’’’’を有し、ピン173’’’’は、均等に分散されている三つの固定ピンである。
【0064】
図36に示されるように、接続溝122bおよび収容穴122cを有する第1の実施例のはすば歯車122とは異なり、本実施例のはすば歯車122’’’’は、固定穴122a’’’’のみを含み、ブッシング構造17’’’’のピン173’’’’を当該固定穴122a’’’’に挿入して固定する。ブッシング構造17’’’’を固定するためのピン173’’’’の構造は、必ずしも固定穴ではなく、ブッシング構造17’’’’がはすば歯車122’’’’に固定されることができる限り、それは、ピン173’’’’に協力する溝または他の特徴であり得ることを理解されたい。ブッシング構造17’’’’を回転固定方式ではすば歯車122’’’’に固定した後、ばね11’’’’は、クランプ構造172’’’’を介してブッシング構造17’’’’を固定し、特に、図37に示されるように、固定部111’’’’は、固定バンプ172a’’’’によってクランプされて固定される。
【0065】
図38に示されるように、ギアボックス31’’’’は、ギアボックス溝312’’’’を有し、ばね11’’’’は、当該ギアボックス溝312’’’’の内側の円筒面に拡張的に設置される。つまり、図39に示されるように、ばね11’’’’は半径方向外向きに拡張する予荷重を有することにより、ばね11’’’’の環状部113’’’’の外径面とギアボックス溝312’’’’の内側の円筒面との間の相対的スライドによって摩擦トルクが発生される。
【0066】
図40に示されるように、シートが下向きに調整される場合、はすば歯車122’’’’は、ブッシング構造17’’’’を介してばね11’’’’の環状部113’’’’を駆動し、ギアボックス31’’’’に対してCW方向に沿って回転させ、ばね11’’’’の環状部113’’’’の外径面とギアボックス溝312’’’’の内側の円筒面との間には、CCW方向に沿った摩擦抵抗トルクTf_CCWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CCWの発生により、はすば歯車122’’’’の噛み合う歯面は、常にウォームの噛み合う歯面と密接に接触することにより、シート全体が下向きに調整される過程で、動作が安定する同時に速度が遅くなる。
【0067】
図41に示されるように、シートが上向きに調整される場合、はすば歯車122’’’’は、ブッシング構造17’’’’を介してばね11’’’’の環状部113’’’’を駆動して、ギアボックス31’’’’に対してCCW方向に沿って回転させ、ばね11’’’’の環状部113’’’’の外径面とギアボックス溝312’’’’の内側の円筒面との間には、CW方向に沿った設定された摩擦抵抗トルクTf_CWが発生され、当該摩擦抵抗トルクTf_CWは、摩擦抵抗トルクTf_CCWに対して非常に小さく、基本的に無視できるため、基本的にシートの昇降方向で影響せず、シートの昇降能力および昇降方向の速度に対して基本的に影響しない。
【0068】
このように、上記二つの過程により、本実施例によるシートハイトアジャスターは、一方向減衰構造1’’’’を介して、一方では、シートを下向きに調整する場合にシステムの内部抵抗を増加して、全体の下向きの動きが安定し、もう一方では、シートを上向きに調整する場合、基本的に内部抵抗はなく、シートの昇降能力に影響しない。
【0069】
本発明によるばね11、11’、11’’’、11’’’’に使用されるワイヤは、図42に示されるような円形断面ワイヤであり得、図43に記載の長方形断面ワイヤでもあり得、他の特殊な形態の断面ワイヤでもあり得ることを理解されたく、ばね11、11’、11’’’、11’’’’の固定方法は、少なくとも一端が固定される限り、上記の実施例に限定されず、ばね11、11’、11’’’、11’’’’のトルクの発生は、ばねとマッチングするシャフトの相対的スライドに依存して摩擦トルクを発生し、相対的に接触する摩擦面において、正の圧力は、組み立て中の干渉によって保証されるか、他の方式によって発生されることができ、例えば、ばねは、他の調整機構に接続され、摩擦抵抗が必要な場合、ばねを手動または自動で調整して、ばねを締めてシャフトとの間に正の圧力を発生させることにより、摩擦抵抗を発生させ、摩擦抵抗が不要な場合、ばねを手動または自動で調整して、ばねを緩めてシャフトとの間に正の圧力をなくすことにより、摩擦抵抗をなくし、当該調整方法を制御することにより、ばねとシャフトとの間の正の圧力を調整することができ、当該構造は、可変抵抗値の大きさを有する減衰構造、即ち、一方向を有する可変減衰機構を発生することができることを理解されたく、ばね11、11’、11’’’、11’’’’のらせん方向を調整することにより、一方向減衰の方向の切り替絵を実現することができ、ばね11、11’、11’’’、11’’’’の抵抗トルクの大きさは、ばねのらせん部分の巻き数で調整することができ、同時に材料の選択、ばねおよびシャフトまたは穴の内壁干渉設計によって設定することもできる。
【0070】
本発明による一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、最も基本的な減衰発生ユニット、即ち、ばね、摩擦シャフトまたは摩擦穴の内壁を含むことを理解されたく、ばねの協力特徴が外側の円筒面である限り、そのうちの摩擦シャフトは、シャフトであり得、環状ボスまたはスリーブでもあり得、同時に、外側の円筒面は、連続的であり得、不連続的でもあり得、ばねの協力特徴が内側の円筒面である限り、そのうちの摩擦穴の内壁は、穴の内壁であり得、環状溝面でもあり得、同時に、内側の円筒面は、連続的であり得、不連続的でもあり得、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’において、言及される駆動ユニット、ばね固定ユニット等の協力部品はすべて様々な応用分野での当該構造の変更であり、ばねと駆動要素または固定要素の固定方法は、本特許に記載の固定方法に限定されず、ばねの固定を実現できる構造的特徴である限り、本特許の保護範囲に含めるべきであり、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’において、減衰力の発生は、動的摩擦抵抗であり得、同様に、その静的摩擦抵抗特性を利用することで伝達部材ユニットまたは他の機構に使用されることもでき、例えば、ばねおよび摩擦シャフトまたは摩擦穴の内壁は、相対的スライドの傾向を有する場合、静的摩擦力を発生し、一方向に一定の限定値を有する摩擦抵抗を発生し、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、負荷保護等の応用分野で使用されることができ、具体的には、当該単一の摩擦抵抗を発生する特徴を利用して、特定のトルク設計により、当該減衰構造ユニット1、1’、1’’’、1’’’’を一方向ロック機構として形成し、一方向負荷保護を形成することができ、一方向トルク試験等の分野で使用されることができ、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、より多くの工学分野に適用される減衰ベアリング形態にすることができる。当該一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、特定のトルク設計および同じまたは異なる一方向減衰機構の基礎ユニットの組み合わせにより、2方向の同一の減衰機構、2方向の異なる減衰機構、一方向ロック-一方向減衰機構、2方向ロック機構、一方向可変減衰機構、2方向可変減衰機構等を形成することができることを理解されたい。
【0071】
本発明による一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、シート高さ調整製品に適用するだけでなく、シートバック調整ユニット等の他の同様の調整機構にも適用することもできることを理解されたく、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、電気調整製品だけでなく、手動調整製品にも使用されることができ、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、シート伝達部材製品に限定されず、測定ツールの製造等の他の分野の製品にも適し、一方向減衰構造1、1’、1’’’、1’’’’は、はすば歯車に作用され、同様に、当該構造は、モーターシャフトまたは出力歯車シャフトの端等、相対的な運動で他の構造端に固定することもでき、例えば、シートハイプロファイル製品において、当該一方向減衰機構を、モーター回転シャフトとばねとの協力に適用されることができ、シートハイプロファイルの出力歯車シャフトに適用して、同様またはより優れた製品効果を実現することもできる。
【0072】
図44図46に示されるように、本発明の別の実施例による調整アセンブリの一方向減衰構造のばね110の環状部1130は、ドライバー40のモーターシャフト410にスリーブ化され、ばね110の固定部1110は、ギアボックス310の固定溝に固定される。モーターシャフト410を駆動して回転させる場合、環状部1130の内穴壁とモーターシャフト410のシャフト外面との間には、一方向摩擦力が発生されることにより、一方向減衰特性を実現する。摩擦力の方向は、ばねの回転および設置方向に応じて調整することができることを理解されたい。
【0073】
上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の上記実施例に様々な変更を加えることができる。即ち、本発明の特許請求の範囲および明細書の内容に従ってなされたすべての単純、同等の変更および修正は、本発明の特許の保護範囲に含まれる。本発明で詳述しない内容は、従来の技術内容である。
図1
図2
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