(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231016BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20231016BHJP
A63F 13/798 20140101ALI20231016BHJP
【FI】
A63F13/69 500
A63F13/795
A63F13/798
(21)【出願番号】P 2022007166
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2022-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/026327(WO,A1)
【文献】特開2021-023742(JP,A)
【文献】特開2002-119766(JP,A)
【文献】特開2003-225460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、
前記指示が、
特定のイベントに参加する者を選出するための選出ゲームの対象に前記ゲームを設定することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を
、前記特定のイベントへの選出者を選出する選出処理の処理対象として設定する処理対象設定手段と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記
選出処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に対して前記
選出処理を実行し、前記
選出処理の結果に基づいて、
前記特定のイベントに参加可能な権利を特典として前記ユーザ
に付与する特典付与手段と、として機能させる
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、前記ゲームを実行するゲーム実行手段として更に機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記指示が前記指定情報を含んでいるか否かに関わらず、前記指示に基づいて同一のゲームモードで前記ゲームを実行する
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数のユーザをマッチングさせて前記ゲームを実行する際に、複数の前記ユーザの中に、前記指定情報を含む前記指示を行ったユーザが含まれていることに基づいて、前記同一のゲームモードで実行された前記ゲームの進行内容の少なくとも一部を変更する
請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数の前記ユーザの中に、前記指定情報を含む前記指示を行った第1ユーザと、前記指定情報を含まない前記指示を行った第2ユーザとが含まれている場合、複数の前記ユーザのうちのいずれが前記第1ユーザであるかを少なくともゲームの開始時点では複数の前記ユーザが特定できないかたちで前記ゲームを実行する
請求項2または3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数の前記ユーザをマッチングさせて前記ゲームを実行する際に、前記指定情報を含む前記指示を行ったユーザ同士を優先してマッチングさせる
請求項2~4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記
選出処理は、前記ゲームの結果に基づいて複数の前記ユーザのランキングを作成する処理を含む
請求項1~5のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付部と、
前記指示が、
特定のイベントに参加する者を選出するための選出ゲームの対象に前記ゲームを設定することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を
、前記特定のイベントへの選出者を選出する選出処理の処理対象として設定する処理対象設定部と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記
選出処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に
対して前記
選出処理を実行し、前記
選出処理の結果に基づいて、
前記特定のイベントに参加可能な権利を特典として前記ユーザ
に付与する特典付与部と、を備える
ゲーム装置。
【請求項8】
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付部と、
前記指示が、
特定のイベントに参加する者を選出するための選出ゲームの対象に前記ゲームを設定することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を
、前記特定のイベントへの選出者を選出する選出処理の処理対象として設定する処理対象設定部と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記
選出処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に
対して前記
選出処理を実行し、前記
選出処理の結果に基づいて、
前記特定のイベントに参加可能な権利を特典として前記ユーザ
に付与する特典付与部と、を備える
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載のゲームシステムでは、ユーザにより私設イベントの設定および登録を行うことが可能である。このゲームシステムでは、私設イベントと公式イベントとの関連を設定することにより、私設イベントを公式イベントの予選として登録することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームシステムでは、公式イベントへの参加という特典をユーザに付与するためには、私設ではあるもののユーザがイベントを開催する必要がある。
本開示の目的は、より容易にユーザに特典を付与することが可能なゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面は、コンピュータを、
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、
前記指示が、前記ゲームの結果を特定のゲーム処理に利用することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を前記特定のゲーム処理の処理対象として設定する処理対象設定手段と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記特定のゲーム処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に対して前記特定のゲーム処理を実行し、前記特定のゲーム処理の結果に基づいて、ユーザに特典を付与する特典付与手段と、として機能させる
ゲームプログラムである。
【0006】
第1の側面において、前記コンピュータを、前記ゲームを実行するゲーム実行手段として更に機能させ、
前記ゲーム実行手段は、前記指示が前記指定情報を含んでいるか否かに関わらず、前記指示に基づいて同一のゲームモードで前記ゲームを実行することができる。
【0007】
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数のユーザをマッチングさせて前記ゲームを実行する際に、複数の前記ユーザの中に、前記指定情報を含む前記指示を行ったユーザが含まれていることに基づいて、前記同一のゲームモードで実行された前記ゲームの進行内容の少なくとも一部を変更することができる。
【0008】
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数の前記ユーザの中に、前記指定情報を含む前記指示を行った第1ユーザと、前記指定情報を含まない前記指示を行った第2ユーザとが含まれている場合、複数の前記ユーザのうちのいずれが前記第1ユーザであるかを少なくともゲームの開始時点では複数の前記ユーザが特定できないかたちで前記ゲームを実行することができる。
【0009】
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記指示を行った複数の前記ユーザをマッチングさせて前記ゲームを実行する際に、前記指定情報を含む前記指示を行ったユーザ同士を優先してマッチングさせることができる。
第1の側面において、前記特定のゲーム処理は、前記ゲームの結果に基づいて複数の前記ユーザのランキングを作成する処理を含むことができる。
【0010】
第1の側面において、前記特典付与手段は、複数の前記ユーザの前記ランキングの結果に基づいて、前記特典として、特定のイベントを前記ユーザに関連付けることができる。
第2の側面は、
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付部と、
前記指示が、前記ゲームの結果を特定のゲーム処理に利用することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を前記特定のゲーム処理の処理対象として設定する処理対象設定部と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記特定のゲーム処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に基づいて前記特定のゲーム処理を実行し、前記特定のゲーム処理の結果に基づいて、前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、を備える
ゲーム装置である。
【0011】
第3の側面は、
ゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける指示受付部と、
前記指示が、前記ゲームの結果を特定のゲーム処理に利用することを指定する指定情報を含むことに応じて、前記ゲームの結果を前記特定のゲーム処理の処理対象として設定する処理対象設定部と、
複数のユーザのそれぞれにより実行され、前記特定のゲーム処理の処理対象として設定される複数の前記ゲームの結果に基づいて前記特定のゲーム処理を実行し、前記特定のゲーム処理の結果に基づいて、前記ユーザに特典を付与する特典付与部と、を備える
ゲームシステムである。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、より容易にユーザに特典を付与することが可能なゲームプログラム、ゲーム装置、およびゲームシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図3】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図4】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図5】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図6】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図7】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図8】実施形態のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
【
図9】実施形態のゲームシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【
図10】実施形態のゲームシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
本開示のゲームシステム1の実施形態について図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示されるゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0015】
本実施形態のゲームは、ユーザが操作するプレイヤキャラクタと、他のユーザが操作する敵キャラクタとを仮想空間(ゲーム空間)で対戦させることが可能な対戦型アクションゲームである。より詳細には、このゲームでは、複数のユーザによりチームが構成されて、異なる2つのチーム同士が通信ネットワーク6を介してオンラインで対戦することが可能となっている。本実施形態のゲームでは、4名のユーザにより1つのチームが構成される。本実施形態のゲームでは、対戦方式として、ソロゲームとグループゲームとが用意されている。
【0016】
ソロゲームは、ソロゲームを選択した多数のユーザの中からランダムに選択された8名のユーザにより2つのチームが作成された上で、作成された2つのチーム同士で対戦が行われるゲームモードである。
グループゲームは、ユーザにより予め作成されたチームで対戦が行われるゲームモードである。なお、グループゲームを選択した際の敵チームは、予め作成されたチームであってもよいし、複数のユーザの中から任意に選択された4名のユーザにより構成されるチームであってもよい。
【0017】
本実施形態のゲームでは、ソロゲームおよびグループゲームのいずれを選択した場合であっても、複数回の対戦が行われて勝敗数がカウントされる。そして、勝利数の多いチームが勝利者となる。
本実施形態のゲームでは、ソロゲームまたはグループゲームが終了した際に、そのゲームのプレイ結果に応じた報酬がユーザに付与される。プレイ結果には、勝敗数、ゲームにおいて敵キャラクタを倒した数であるキルの総数などが含まれている。ユーザに付与される報酬は、例えばゲーム内の称号やゲーム媒体などである。ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、ユーザが仮想空間において操作するプレイヤキャラクタ、アイテム、並びにゲーム内で使用可能な消費媒体などである。
【0018】
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくはパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0019】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1はサーバ装置2および複数のゲーム装置5により構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5のゲームデータの管理、より詳細にはアカウント毎のゲームデータの管理を行う。
【0020】
ゲーム装置5はユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータの受信、具体的にはダウンロードおよびインストールを行う。各ユーザには、ゲーム装置5に対応付けられて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時にゲーム装置5からサーバ装置2に送信されて、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0021】
ユーザ認証を経てサーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ、例えばゲーム進行状況に関するデータをサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像および音声をディスプレイ61およびスピーカ62からそれぞれ出力しつつ、ゲームを進行させる。
【0022】
<ゲームシステム1の構成>
以下、
図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5のそれぞれは互いに同一の構成を有している。
【0023】
<サーバ装置2の構成>
図1に示されるように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を有している。ネットワークインターフェース21および記憶部22はバス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0024】
ネットワークインターフェース21はインターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能に接続されている。
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびSSD(Solid State Drive)などで構成されている。記憶部22には、本実施形態のゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB(Data Base)221、およびゲーム結果DB222などの各種データが記憶されている。
【0025】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号毎に、ユーザ情報、ユーザに付与されたゲーム媒体、およびユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報などが対応付けられて記憶されている。ユーザ情報は、ユーザ名、およびユーザランクなどの情報を含む。プレイヤキャラクタに関する情報とは、プレイヤキャラクタのレベルやステータス、当該プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムなどである。
【0026】
ゲーム結果DB222には、ユーザの識別番号毎に、ユーザにより行われたゲームの結果の情報が対応付けられて記憶されている。ゲーム結果の情報には、ゲームの勝敗数、およびゲームの勝率などが含まれている。
図1に示される制御部23は、CPUおよび半導体メモリを有するマイクロコンピュータにより構成されており、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、および照合手段232として機能する。本実施形態では、これらの手段231、232が情報処理部、および照合部にそれぞれ相当する。
【0027】
―情報処理手段―
情報処理手段231は各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、アカウント情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報などが挙げられる。
【0028】
―照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いてユーザアカウントの認証を行う。
<ゲーム装置5の構成>
図1に示されるように、ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、およびタッチパッド63が外部接続または内蔵されている。また、ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有している。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55はバス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に基づいて動画形式でゲーム画像を描画する。ゲーム画像には、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトが含まれる。グラフィック処理部52は、例えば液晶型のディスプレイ61に接続されており、動画形式で描画されたゲーム画像をゲーム画面としてディスプレイ61上に表示する。
【0030】
オーディオ処理部53は、スピーカ62に接続されており、制御部56の指示に基づいてゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ62から出力させる。
操作部54は、タッチパッド63に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザはタッチパッド63をタッチ操作することでゲーム装置5に操作信号を入力することができる。
【0031】
記憶部55はHDD、SSD、RAM、およびROMなどで構成されている。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、およびゲーム装置5のアカウント情報などが格納されている。
制御部56は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563、および表示制御手段564として機能する。本実施形態では、これらの手段561~564が、通信部、ゲーム実行部、音声制御部、および表示制御部にそれぞれ相当する。
【0032】
―通信手段―
通信手段561はネットワークインターフェース51を介してサーバ装置2と通信を行う。通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に基づいて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成するとともに、その情報をサーバ装置2に送信する。例えば通信手段561はアカウント情報、および新たなゲームデータのダウンロード要求情報などをサーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送信される新たなゲームデータなどをサーバ装置2から受信する。
【0033】
―ゲーム実行手段―
ゲーム実行手段562は、ユーザによるタッチパッド63の操作に基づいて、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを、記憶部55から読み込む、またはサーバ装置2から受信する。ゲーム実行手段562は、仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを用いてゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52により処理されることで、その処理後のゲーム画像がディスプレイ61に逐次表示される。
【0034】
ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、ゲーム装置5のユーザの操作に基づいてキャラクタを配置させて、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想空間におけるキャラクタの行動を制御する。
具体的には、本実施形態のゲームでは、ユーザがゲームを開始した後にタッチパッド63を操作してソロゲームおよびグループゲームのいずれかを選択すると、その選択情報がゲーム実行手段562により取得される。ゲーム実行手段562は、ユーザがソロゲームを選択した場合には、ソロゲームを選択している多数のユーザの中からランダムに選択された8名のユーザにより2つのチームが作成された上で、作成された2つのチーム同士でゲームを開始する。ゲーム実行手段562は、ユーザがグループゲームを選択した場合には、ユーザにより予め作成されたチームを用いてゲームを開始する。
【0035】
本実施形態のゲームでは、ユーザは、ソロゲームおよびグループゲームを選択する際に、そのマッチング条件を選択することが可能である。マッチング条件としては、ランダムマッチングと、パスワードマッチングとが用意されている。ランダムマッチングを選択した場合、任意のユーザの中から、対戦する仲間のユーザおよび敵のユーザが自動的にランダムで選択される。パスワードマッチングを選択した場合、マッチング時に予め定められたパスワードを入力したユーザの中から、対戦する仲間のユーザおよび敵のユーザが選択される。
【0036】
したがって、ユーザがソロゲームを選択した後に、そのマッチング条件としてランダムマッチングを選択した場合、ゲーム実行手段562は、ソロゲームを選択している任意のユーザの中からランダムに仲間のチームおよび敵のチームを作成した後、対戦を開始する。一方、ユーザがソロゲームを選択した後に、そのマッチング条件としてパスワードマッチングを選択した場合、ゲーム実行手段562は、マッチング時に所定のパスワードを入力した複数のユーザの中から仲間のチームおよび敵のチームを作成した後、対戦を開始する。
【0037】
一方、ユーザがグループゲームを選択した後に、そのマッチング条件としてランダムマッチングを選択した場合、ゲーム実行手段562は、ユーザが予め作成した仲間のチームと、予め作成された敵のチームとの対戦、または複数のユーザの中から任意に選択された他の4名のユーザにより構成される敵のチームとの対戦を開始する。一方、ユーザがグループゲームを選択した後に、そのマッチング条件としてパスワードマッチングを選択した場合、ゲーム実行手段562は、マッチング時に所定のパスワードを入力し、且つユーザにより予め作成された仲間のチームと、マッチング時に所定のパスワードを入力した他のユーザにより作成された敵のチームとの対戦を開始する。
【0038】
ゲーム実行手段562は、ユーザがソロゲームおよびグループゲームのいずれをプレイした場合であっても、マッチが終了した後にユーザのゲームのプレイ内容を評価点として数値化するとともに、その評価点に応じた特典をユーザに付与する。
例えば、ゲーム実行手段562は、ゲーム内でユーザがキルした敵キャラクタの数であるキル数や、ゲーム内で所定の行動を行ったか否かなどの情報から所定の演算式に基づいて評価点を演算する。ゲーム内の所定の行動としては、例えば所定時間内に複数の敵キャラクタをキルするといった行動や、仲間のキャラクタを助けるといった行動などが用いられる。評価点の演算は、ソロゲーム毎、またはグループゲーム毎に、例えばソロゲームとして行われた複数回の対戦が終了した後に行われる。したがって、評価点は、ソロゲームまたはグループゲームで行われた複数回の対戦の結果を数値化したものである。ゲーム実行手段562は、演算された評価値に応じた特典、例えばゲーム内の称号やゲーム媒体などの報酬をユーザに付与する。
【0039】
ゲーム実行手段562は、ユーザにより行われたゲームの評価点の情報をサーバ装置2に送信する。この評価点の情報は、ユーザの識別番号毎にゲーム結果DB222に記憶されている。
―音声制御手段―
音声制御手段563は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてスピーカ62の音声出力を制御する。
【0040】
―表示制御手段―
表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、ゲーム装置5に対するユーザの操作などに基づいてディスプレイ61の表示出力を制御する。例えば、表示制御手段564は、キャラクタの確認画面やガチャの実施画面などをディスプレイ61に表示する。
【0041】
<ゲームシステム1におけるイベントの開催のための構成>
このような対戦型のゲームでは、例えばゲームの運営会社によりゲーム大会などのイベントが開催される場合がある。ゲーム大会は例えば予選、決勝の順で行われる。予選では、ゲーム大会への参加を希望する多数のユーザ同士で対戦が行われて、その対戦結果に基づいて、決勝に進むことが可能な選手が選出される。例えば、予選では、対戦結果において最も上位のユーザから順に所定数のユーザが、決勝に進出可能な選手として選出される。決勝では、予選から選出された所定数のユーザがトーナメント形式やリーグ形式で対戦することにより、優勝者が決定される。
【0042】
このような大会を開催する場合には、通常、上記のソロゲームやグループゲームとは別に、予選のための特別なゲームモードをゲーム内に用意する必要がある。このような手間を省くために、本実施形態のゲームでは、ソロゲームをゲーム大会の予選として利用することができるようにしている。
【0043】
なお、予め作成されたチームで対戦を行うグループゲームよりも、任意のユーザでチームが構成されるソロゲームの方が、ユーザ個人の実力がゲームの勝敗に反映され易いと考えられる。また、パスワードマッチングはフレンド同士で行われることが多いため、パスワードマッチングよりも、ランダムマッチングの方が、ユーザ個人の実力がゲームの勝敗に反映され易いと考えられる。これらを考慮して、本実施形態のゲームでは、ゲーム大会の予選として、ランダムマッチングのソロゲームを採用することとしている。
【0044】
一方、ソロゲームをゲーム大会の予選として用いる場合、予選が行われている期間において、ソロゲームを予選として用いることを選択したユーザと、ソロゲームを予選として用いることを選択していないユーザとが同一のゲーム内で対戦することになる。このような予選対象のソロゲームでは、ソロゲームを予選として用いることを選択しているユーザだけでなく、ソロゲームを予選として用いることを選択していないユーザにも特典が付与される。
【0045】
上記の構成を実現するために、
図1に示されるように、サーバ装置2の制御部23は、各種プログラムを実行することにより、特典付与手段233として更に機能する。また、ゲーム装置5の制御部56は、各種プログラムを実行することにより、指示受付手段565、および処理対象設定手段566として更に機能する。本実施形態では、これらの手段233、565、566が特典付与部、指示受付部、および処理対象設定部にそれぞれ相当する。
【0046】
―指示受付手段―
ゲーム装置5の指示受付手段565は、ソロゲームまたはグループゲームをプレイするというユーザの指示を受け付ける。また、指示受付手段565は、ソロゲームをプレイするというユーザの指示を受け付ける際に、ソロゲームを予選対象に設定するか否かのユーザの指定を受け付ける。具体的には、本実施形態のゲームでは、例えばゲーム大会の予選が開催されている期間、ユーザがタッチパッド63を操作してソロゲームを選択する際に、ソロゲームを予選対象に設定するか否かを選択することが可能である。本実施形態では、ソロゲームを予選対象に設定するか否かを指定する情報が指定情報に相当する。
【0047】
指示受付手段565は、ユーザがソロゲームを予選対象に設定することをユーザが指定した場合には、その指定を受け付ける。その際、指示受付手段565は、ソロゲームを予選対象として設定することが可能な回数を所定回数に制限する。したがって、ソロゲームを予選対象として設定可能な回数には制限が設けられている。ソロゲームを予選対象として設定することが可能な回数は、例えば5回である。ゲーム装置5のゲーム実行手段562は、ソロゲームにおいて、予選対象に設定することを指定したユーザ同士を優先的に対戦させる。
【0048】
一方、指示受付手段565は、ユーザがソロゲームを予選対象に設定することを選択しなかった場合には、その選択をユーザの指定として受け付ける。この場合、ゲーム実行手段は通常のソロゲームを開始する。
―処理対象設定手段―
ゲーム装置5の処理対象設定手段566は、ソロゲームを予選対象にすることをユーザが指定した場合、そのソロゲームのゲーム結果を、決勝への進出者を決定する処理の対象として設定する。具体的には、処理対象設定手段566は、予選対象に設定されているソロゲームが終了すると、そのソロゲームのゲーム結果情報をサーバ装置2に送信する。ゲーム結果情報には、ソロゲームの勝敗情報、ソロゲームの評価点、ユーザの識別番号、およびソロゲームが予選対象であることを示す情報などが含まれている。サーバ装置2の情報処理手段231は、予選対象として設定されたソロゲームのゲーム結果情報がゲーム装置5から送信されると、その情報をゲーム結果DB222に記憶させる。したがって、ゲーム結果DB222には、ユーザの識別番号毎に、予選対象として設定されたソロゲームのゲーム結果の情報が記憶されている。
【0049】
―ゲーム実行手段―
ゲーム装置5のゲーム実行手段562は、ソロゲームをプレイする複数のユーザの中に当該ソロゲームを予選対象として設定しているユーザが含まれている場合であっても、ソロゲームを予選対象として設定しているユーザを特定できないかたちでソロゲームを開始する。これは、ソロゲームを予選対象として設定しているユーザに対して他のユーザが嫌がらせの行為などを行うことを回避するためである。
【0050】
ゲーム実行手段562は、ソロゲームをプレイする複数のユーザの中に当該ソロゲームを予選対象として選択するユーザが含まれている場合には、ソロゲームを対戦したユーザに特典を付与する。特典の付与は、例えばソロゲームが終了した後に評価点を演算する際に所定のボーナスポイントを評価点に加算するといった方法や、評価点に応じて付与されるゲーム媒体の数を増加させるといった方法で行われる。ボーナスポイントは、例えばソロゲームを予選対象として設定しているユーザのプレイヤキャラクタをキルすることでユーザに付与される。
【0051】
ゲーム実行手段562は、自身が予選対象として設定したソロゲームをユーザがプレイする際に、または他のユーザが予選対象として設定したソロゲームをユーザがプレイする際に、不正判定や罰則などを強化する。不正判定の強化とは、例えばチート行為の判定基準の強化である。罰則の強化とは、例えばチート行為が検出された際にゲームへのログインが禁止される期間を通常よりも長く設定することである。
【0052】
―特典付与手段―
サーバ装置2の特典付与手段233は、各ユーザのゲーム装置5から送信される予選対象のソロゲームのゲーム結果情報を集計するとともに、その集計結果に基づいて、決勝に進出する権利をユーザに付与する。本実施形態では、決勝への進出権が、ユーザに付与される特典に相当する。ただし、決勝への進出権を獲得するためには、ユーザは、予選対象として設定されたソロゲームを規定数である5回だけ行う必要がある。
【0053】
具体的には、特典付与手段233は、ゲーム大会の予選が開催されている期間、各ユーザのゲーム装置5から送信される予選対象のソロゲームのゲーム結果の情報に基づいて、現在までに行われた予選対象の複数のソロゲームの勝敗情報、および複数のソロゲームの評価点の平均値をユーザ毎に演算している。特典付与手段233は、ゲーム大会の予選の開催期間が終了した時点で、まず、全ユーザのうち、予選対象として選択したソロゲームを規定数である5回行うという条件を達成したユーザを抽出する。そして、特典付与手段233は、抽出されたユーザ毎に、予選対象のソロゲームの最終的な勝率および評価点の最終的な平均値を演算する。最終的な勝率は、5回のソロゲームの勝敗数に基づいて演算される。また、最終的な評価点は、5回のソロゲームのそれぞれの評価点の平均値として演算される。
【0054】
特典付与手段233は、抽出されたユーザのそれぞれの最終的な勝率および評価点の平均値を比較することにより、決勝への進出権を付与すべきユーザを所定数だけ選出する。例えば、特典付与手段233は、最終的な勝率に基づいて、抽出されたユーザのランキングリストを作成する。このランキングリストは、勝率の高いユーザが、より上位の順位になるように作成される。なお、特典付与手段233は、同一の勝率を示したユーザが複数存在する場合には、それらのユーザの評価点の平均値を比較することにより、それらのユーザの順位を決定する。特典付与手段233は、このようにしてゲーム大会の予選のランキングリストを作成した後、そのリストの上位に位置している所定数のユーザに対して決勝への進出権を付与する。
【0055】
なお、以下では、このようにして特典付与手段233により実行される、予選対象のソロゲームのゲーム結果に基づいて決勝への進出者を決定する一連の処理を「決勝進出者選出処理」と称する。本実施形態では、この決勝進出者選出処理が特定のゲーム処理に相当する。
【0056】
<ゲーム装置のディスプレイに表示される画面例>
次に、
図2~
図8を参照して、ゲーム装置5の表示制御手段564によりディスプレイ61に表示される画面の例を説明する。
表示制御手段564は、ユーザが対戦を開始する際のゲームモードを選択するための画面として、
図2に示されるようなゲームモード選択画面70をディスプレイ61に表示する。
図2に示されるように、ゲームモード選択画面70には、ソロゲーム選択ボタン701、グループゲーム選択ボタン702、および大会情報確認ボタン703が設けられている。
【0057】
大会情報確認ボタン703は、ゲーム大会の予選が行われている期間に限ってウィンドウ形式で表示される。ユーザが大会情報確認ボタン703を操作した場合、表示制御手段564は、
図3に示される大会情報確認画面71をディスプレイ61に表示する。
図3に示されるように、大会情報確認画面71には、例えば決勝が行われる日時、予選の期間、予選対象として選択すべきソロゲームの対戦数、およびゲーム大会の期間中にユーザが注意すべき事項などが表示される。ユーザが注意すべき事項とは、
図3に示されるように、例えば予選対象のソロゲームの成績に基づいて作成されるランキングに基づいて決勝の進出者が選出されること、および予選対象のソロゲームでは不正判定や罰則が強化されることなどである。
【0058】
図2に示されるソロゲーム選択ボタン701は、ユーザがソロゲームを行う際に操作されるボタンである。ユーザがソロゲーム選択ボタン701を操作した場合、表示制御手段564は、
図4に示されるマッチング条件設定画面72をディスプレイ61に表示する。
図4に示されるように、マッチング条件設定画面72には、ランダムマッチング選択ボタン721、パスワードマッチング選択ボタン722、および予選対象選択ボタン723が設けられている。
【0059】
ランダムマッチング選択ボタン721は、ソロゲームのマッチング条件としてランダムマッチングを選択する際に操作されるボタンである。
パスワードマッチング選択ボタン722は、ソロゲームのマッチング条件としてパスワードマッチングを選択する際に操作されるボタンである。
【0060】
予選対象選択ボタン723は、今回のソロゲームを予選対象として用いる場合に操作されるボタンである。予選対象選択ボタン723は、予選が行われている期間に限って表示される。ユーザが予選対象選択ボタン723を操作した場合、そのソロゲームの結果は、サーバ装置2の特典付与手段233により実行される決勝進出者選出処理の処理対象となる。すなわち、そのソロゲームの結果は、決勝への進出者を決定するための処理に利用される。
【0061】
また、
図4に示されるように予選対象選択ボタン723が操作されている場合、パスワードマッチング選択ボタン722は、
図4に示されるようにグレーアウト表示されて選択することが不可能となる。これにより、ユーザがパスワードマッチングのソロゲームを予選対象に設定できないようになっている。予選対象選択ボタン723が操作されていない場合、パスワードマッチング選択ボタン722のグレーアウト表示が解除されているため、当該ボタン722が操作可能である。
【0062】
さらに、ユーザが予選対象のソロゲームを規定回数である5回だけ行った場合、予選対象選択ボタン723はグレーアウト表示されて選択することが不可能となる。これにより、ユーザが予選対象のソロゲームを、規定数である5回を超えて行うことができないようになっている。
【0063】
図4に示されるマッチング条件設定画面72において、ユーザが予選対象選択ボタン723を選択した後にランダムマッチング選択ボタン721を操作した場合、表示制御手段564は、
図5に示されるマッチング結果画面73をディスプレイ61に表示する。
図5に示されるように、マッチング結果画面73には、プレイヤキャラクタ表示領域731と、バトル開始ボタン732と、注意事項表示領域733とが設けられている。
【0064】
プレイヤキャラクタ表示領域731には、ユーザの仲間のチームに所属する4名のプレイヤキャラクタが表示される。このプレイヤキャラクタ表示領域731では、ソロゲームを予選対象に設定している第1ユーザと、ソロゲームを予選対象に設定していない第2ユーザとが含まれている場合であっても、複数のユーザのうちのいずれが第1ユーザであるかを特定することはできない。
【0065】
注意事項表示領域733には、今回のソロゲームにおいてユーザが注意すべき事項が表示される。
図5に示されるように、注意事項表示領域733には、今回のソロゲームを行うユーザの中に予選対象として選択しているユーザが含まれていること、今回のソロゲームは通常よりも獲得報酬が増加すること、および予選対象として選択したユーザのプレイヤキャラクタをキルすることでボーナスポイントが付与されることなどが表示される。
【0066】
その後、予選対象に設定されたソロゲームが終了すると、表示制御手段564は、
図6に示されるリザルト画面74をディスプレイ61に表示する。リザルト画面74には、キル数表示領域741、ボーナス表示領域742、順位表示領域743、および評価点表示領域744、および確認ボタン745が設けられている。
【0067】
キル数表示領域741には、ソロゲームで行われた複数回の対戦でユーザがキルしたプレイヤキャラクタの総数が、予選対象として選択していない通常プレイヤキャラクタと、予選対象として選択した予選対象プレイヤキャラクタとに分けて表示される。また、予選対象のプレイヤキャラクタのキルの総数に関しては、評価点の演算時にボーナスが付与される旨が表示される。
【0068】
ボーナス表示領域742には、評価点に加算される行動を行った回数が表示される。
順位表示領域743には、ソロゲームの最終的なユーザの評価点に基づいて、ソロゲームの8名の参加者のうちのユーザの順位が表示される。
【0069】
評価点表示領域744には、ソロゲームの最終的なユーザの評価点が表示される。
確認ボタン745は、リザルト画面74の表示内容を確認した後にユーザにより操作されるボタンである。ユーザが確認ボタン745を操作すると、表示制御手段564は、
図7に示される予選ランキング確認画面75をディスプレイ61に表示する。予選ランキング確認画面75には、予選対象のソロゲームを行った全ユーザのランキング、勝率、および評価点の平均値がそれぞれ表示される。ユーザは、予選ランキング確認画面75を見ることにより、決勝に進む可能性の高いユーザを確認することができるとともに、自身が予選を通過することが可能なランキングに位置しているか否かを確認することができる。
【0070】
その後、予選期間が終了した時点で、決勝への進出者としてユーザが選出された場合、表示制御手段564は、
図8に示される予選通過報告画面76をディスプレイ61に表示する。予選通過報告画面76には、ユーザが予選を通過した旨が表示されるとともに、エントリボタン761と、辞退ボタン762とが設けられている。エントリボタン761は、ユーザが決勝への進出を希望する際に操作されるボタンである。辞退ボタン762は、ユーザが決勝への進出を辞退する際に操作されるボタンである。このように、本実施形態のゲームでは、予選を通過した場合であっても、決勝へ進むか否かをユーザの意思で選択することが可能である。
【0071】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
次に、
図9および
図10を参照して、本実施形態のシステム1の動作例について説明する。
図9に示されるように、ユーザがゲーム装置5のタッチパッド63を操作して、
図2に示されるゲームモード選択画面70においてソロゲーム選択ボタン701を操作したとする(ステップS10)。続いて、ユーザが、
図4に示されるマッチング条件設定画面72において予選対象選択ボタン723を操作した後に(ステップS11)、ランダムマッチング選択ボタン721を選択すると(ステップS12)、指示受付手段565は、ソロゲームを予選対象として用いるというユーザの指示を受け付ける。そして、ゲーム実行手段562は、
図5に示されるバトル開始ボタン732をユーザが操作することに基づいて、予選対象に設定されたソロゲームを開始する(ステップS13)。
【0072】
その後、予選対象に設定されたソロゲームが終了すると(ステップS14)、処理対象設定手段566は、そのソロゲームのゲーム結果を決勝進出者選出処理の処理対象として設定するとともに、そのゲーム結果情報をサーバ装置2に送信する(ステップS15)。
サーバ装置2の情報処理手段231は、ゲーム装置5から送信されるゲーム結果情報を受信すると(ステップS20)、その情報をゲーム結果DB222に記憶させる(ステップS21)。
【0073】
その後、ゲーム大会の予選期間が終了すると、
図10に示されるように、サーバ装置2の特典付与手段233は、ゲーム結果DB222に記憶されている各ユーザの予選対象のソロゲームのゲーム結果を集計するとともに(ステップS22)、その集計結果に基づいて、予選対象のソロゲームを行った全てのユーザのランキングリストを作成する(ステップS23)。そして、特典付与手段233は、ランキングリストの上位に位置している所定数のユーザを決勝進出者として選出するとともに(ステップS24)、決勝進出者として選出されたユーザのゲーム装置5に予選通過通知を送信する(ステップS25)。本実施形態では、この特典付与手段233により実行されるステップS22~S24の一連の処理が、決勝進出者選出処理に相当する。
【0074】
ゲーム装置5では、サーバ装置2から送信される予選通過通知を受信すると(ステップS16)、表示制御手段564が、
図8に示される予選通過報告画面76をディスプレイ61に表示する(ステップS16)。この予選通過報告画面76においてユーザがエントリボタン761を操作すると(ステップS17)、ユーザが決勝にエントリした旨がサーバ装置2に通知される(ステップS18)。これにより、サーバ装置2の特典付与手段233は、そのユーザに決勝への進出権を付与する(ステップS26)。具体的には、特典付与手段233は、決勝への進出権をユーザに関連付ける。
【0075】
以上をまとめると、本実施形態のゲームシステム1では、ゲーム装置5の制御部56(コンピュータ)を、指示受付手段565と、処理対象設定手段566として機能させる。指示受付手段565は、ソロゲームを実行するための指示をユーザから受け付ける。処理対象設定手段566は、当該指示が、決勝進出者選出処理(特定のゲーム処理)に利用することを指定する指定情報を含むことに応じて、ソロゲームのゲーム結果を決勝進出者選出処理の処理対象として設定する。また、本実施形態のゲームシステム1では、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、特典付与手段233として機能させる。特典付与手段233は、複数のユーザによりそれぞれ実行され、決勝進出者選出処理の処理対象として設定される複数のソロゲームの結果に対して決勝進出者選出処理を実行し、その結果に基づいて、ユーザに決勝への進出権(特典)を付与する。
【0076】
<効果>
本実施形態のゲームシステム1では、ソロゲームの結果を決勝進出者選出処理に利用することをユーザが指定すると、そのソロゲームの結果に基づいて特典付与手段233が決勝進出者選出処理を実行する。そして、決勝進出者選出処理によりユーザが決勝進出者に選出されれば、決勝への進出権という特典がユーザに付与される。このような構成であれば、ソロゲームをゲーム大会の予選として用いることができるため、ゲーム大会の予選を行うための別途のゲームモードを設ける必要がない。そのため、より容易に決勝への進出権という特典をユーザに付与することが可能となる。
【0077】
本実施形態のゲームシステム1では、ゲーム装置5の制御部56を、ゲームを実行するゲーム実行手段562として更に機能させる。ゲーム実行手段562は、ソロゲームをプレイするというユーザの指示に、当該ソロゲームを予選対象として用いるという指示が含まれているか否かに関わらず、同一のソロゲームというゲームモードでゲームを実行する。この構成によれば、ユーザがソロゲームをプレイする際に、ソロゲームを予選対象として用いることを指定した場合であっても、あるいはソロゲームを予選対象として用いることを指定しなかった場合であっても、ユーザは通常通りソロゲームを楽しむことができる。
【0078】
ゲーム実行手段562は、ソロゲームをプレイするという指示を行ったユーザをマッチングさせてゲームを実行する際に、複数のユーザの中に、ソロゲームを予選対象として用いるユーザが含まれている場合には、ソロゲームの進行内容、具体的には評価点の演算方法、不正の判定方法、および罰則方法などを変更する。この構成によれば、ソロゲームを予選対象として設定したユーザだけでなく、ソロゲームを予選対象として設定しないユーザも変更後のゲームを楽しむことができるため、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0079】
ゲーム実行手段562は、ソロゲームをプレイするユーザの中に、ソロゲームを予選対象に設定している第1ユーザと、ソロゲームを予選対象に設定していない第2ユーザとが含まれている場合であっても、複数のユーザのうちのいずれが第1ユーザであるかを少なくともゲームの開始時点では複数のユーザが特定できないかたちでゲームを実行する。この構成によれば、ソロゲームを予選対象として設定しているユーザに対して他のユーザが嫌がらせの行為などを行うことを回避できる。
【0080】
ゲーム実行手段562は、ソロゲームのプレイの指示を行った複数のユーザをマッチングさせてゲームを実行する際に、ソロゲームを予選対象に設定するユーザ同士を優先してマッチングさせる。この構成によれば、ソロゲームを予選対象に設定したユーザ同士を対戦させ易くなるため、ゲームの興趣性を更に向上させることができる。
【0081】
決勝進出者選出処理は、ソロゲームのゲーム結果に基づいて複数のユーザのランキングを作成する処理を含む。特典付与手段233は、ランキングの結果に基づいて、ユーザへの特典として、ゲーム大会の決勝という特別なイベントをユーザに関連付ける。この構成によれば、決勝への進出者をランキングに基づいて容易に決定することができるため、ユーザへの特典の付与が容易になる。
【0082】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0083】
予選対象に設定されているソロゲームに関しては、ソロゲームを予選対象に設定しているユーザのみでマッチングを行ってもよい。
上記実施形態では、ゲーム大会の予選として設定可能なゲームモードがソロゲームだけであったが、グループゲームを予選対象として設定可能であってもよい。なお、グループゲームのマッチング条件はランダムマッチおよびパスワードマッチのいずれであってもよい。その際、ユーザと共にチームを構成する他のユーザも、グループゲームを予選対象として選択していることが望ましい。すなわち、チーム内の全てのユーザが、グループゲームを予選対象として選択していることが望ましい。
【0084】
これにより、例えば予選対象として設定されたグループゲームにおいてマッチングされた当該チームで決勝においてもグループゲームを実行する場合、予選においてチームとしての強さを評価することができ、より適切に決勝にふさわしいチームを選出することができる。また、決勝においては当該チームと異なるチームでプレイすることになる場合においても、グループゲームに貢献するための各プレイヤのゲームスキルを適切に評価することができる。
【0085】
一方、対戦する敵チームのユーザに関しては、グループゲームを予選対象として設定しているか否かは問わないが、グループゲームのゲームスキルが近しい相手と対戦することによってチームとしての強さをより適切に評価できることから、敵チームのユーザも予選対象として設定していることが好ましい。したがって、予選対象に設定することを指定したユーザを含むチーム同士を優先的に対戦させることが好ましく、予選対象に設定することを指定したユーザ数が同等のチーム同士を優先的に対戦させることが好ましく、全員が予選対象に設定することを指定したチーム同士を優先的に対戦させることが特に好ましい。また、予選対象に設定することを指定したユーザを含むチーム同士による対戦の場合には、グループゲームが一方的な結果となる場合と比較して評価点が少なくなる可能性があることから、評価点を加点することとしてもよい。さらに、敵チームが対戦の途中でゲームを放棄した場合には適切な評価を行うことが難しく、またグループゲームの場合は再度実施し直すことにソロゲームより手間がかかることから、放棄した場合の敵チームへのペナルティはソロゲームの場合よりも大きくしても良い。
【0086】
上記の実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
上記のゲームは、アクションゲームに限らず、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0087】
上記の実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち特典付与手段233、ゲーム実行手段562、指示受付手段565、および処理対象設定手段566などが、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置2およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうちの組み合わせ可能な2つの装置(例えばサーバ装置2とゲーム装置5での分散処理など)に備えられていてもよい。また、サーバ装置2、ゲーム装置5、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかに関しても適宜変更可能である。例えば、上記実施形態で例示したゲーム装置5のゲーム実行手段562、指示受付手段565、および処理対象設定手段566について、サーバ装置2の制御部23が、各種プログラムを実行することにより、これらの手段として機能してもよい。
【0088】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…ゲームシステム
5…ゲーム装置
23…制御部(コンピュータ)
56…制御部(コンピュータ)
233…特典付与手段(特典付与部)
562…ゲーム実行手段
565…指示受付手段(指示受付部)
566…処理対象設定手段(処理対象設定部)