(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】電気集塵装置
(51)【国際特許分類】
B03C 3/49 20060101AFI20231016BHJP
B03C 3/45 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B03C3/49
B03C3/45 B
(21)【出願番号】P 2019233439
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391022614
【氏名又は名称】学校法人幾徳学園
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乾 貴誌
(72)【発明者】
【氏名】瑞慶覧 章朝
(72)【発明者】
【氏名】井上 将吾
(72)【発明者】
【氏名】石塚 大貴
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/085791(WO,A1)
【文献】特開2006-144570(JP,A)
【文献】特表2019-503471(JP,A)
【文献】特開2006-112383(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0194246(US,A1)
【文献】米国特許第06508861(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C3/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた延伸方向に延伸する内側電極と、
前記内側電極の周囲に設けられ、前記内側電極の側面と対向する内側面を有する外側電極と、
を備え、
前記内側電極は、前記内側電極の上面と前記側面とを接続し、前記内側電極の下面と前記側面とを接続する第1端部を有し、
前記外側電極は、前記外側電極の上面と前記内側面とを接続し、前記外側電極の下面と前記内側面とを接続する第2端部を有し、
前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方には、丸みが設けられ、
前記丸みの曲率半径は、前記側面と前記内側面との距離の1/2以上である、
電気集塵装置。
【請求項2】
前記延伸方向において、前記内側電極は前記外側電極よりも長く、
前記第2端部には、前記丸みが設けられている、
請求項1に記載の電気集塵装置。
【請求項3】
前記延伸方向において、前記外側電極は前記内側電極よりも長く、
前記第1端部には、前記丸みが設けられている、
請求項1に記載の電気集塵装置。
【請求項4】
前記第1端部の少なくとも一方に接続される電極支持棒をさらに備え、
前記電極支持棒の側面と前記内側面との距離が、15mm以上であり、
前記延伸方向に直交する直交方向における前記内側電極の幅が、前記直交方向における前記電極支持棒の幅よりも19mm以上大きい、
請求項3に記載の電気集塵装置。
【請求項5】
前記外側電極の外側面の少なくとも一部に設けられた第1蓄熱材料をさらに備え、
前記第1蓄熱材料の単位体積当たりの熱容量は、前記外側電極の単位体積当たりの熱容量よりも大き
い、
請求項1から4のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項6】
前記第1蓄熱材料の表面の熱伝導率は、前記外側電極の外側面の熱伝導率よりも小さい、請求項5に記載の電気集塵装置。
【請求項7】
前記第1蓄熱材料が設けられた、前記外側電極の外側面の面積は、前記外側電極の外側面の面積の1/2以上である、請求項5
または6に記載の電気集塵装置。
【請求項8】
前記内側電極の内部の少なくとも一部に設けられた第2蓄熱材料をさらに備え、
前記第2蓄熱材料の単位体積当たりの熱容量は、前記内側電極の単位体積当たりの熱容量よりも小さ
い、
請求項5
から7のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【請求項9】
前記第2蓄熱材料の表面の熱伝導率は、前記内側電極の側面の熱伝導率よりも大きい、請求項8に記載の電気集塵装置。
【請求項10】
前記第1蓄熱材料および前記第2蓄熱材料は、前記外側電極の温度が前記内側電極の温度よりも高くなるように、前記外側電極の温度と前記内側電極の温度とを保持する、請求項
8または9に記載の電気集塵装置。
【請求項11】
前記内側電極と前記外側電極との間に電圧を供給する電源と、
前記外側電極の温度と前記内側電極の温度との少なくとも一方を測定する温度測定部と、
をさらに備え、
前記電源は、前記温度測定部により測定された、前記外側電極の温度および前記内側電極の温度の少なくとも一方に基づいて、前記内側電極と前記外側電極との間の電圧を制御する、
請求項1から
10のいずれか一項に記載の電気集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電極端部に丸みを設けることにより、電極端部でのコロナ放電を抑制する電気集塵装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特許第6274357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気集塵装置においては、消費電力を低減することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、電気集塵装置を提供する。電気集塵装置は、予め定められた延伸方向に延伸する内側電極と、内側電極の周囲に設けられ、内側電極の側面と対向する内側面を有する外側電極と、を備える。内側電極は、内側電極の上面と側面とを接続し、内側電極の下面と側面とを接続する第1端部を有する。外側電極は、外側電極の上面と内側面とを接続し、外側電極の下面と内側面とを接続する第2端部を有する。第1端部および第2端部の少なくとも一方には、丸みが設けられている。丸みの曲率半径は、側面と内側面との距離の1/2以上である。
【0005】
延伸方向において、内側電極は外側電極よりも長くてよい。第2端部には、丸みが設けられていてよい。
【0006】
延伸方向において、外側電極は内側電極よりも長くてよい。第1端部には、丸みが設けられていてよい。
【0007】
電気集塵装置は、第1端部の少なくとも一方に接続される電極支持棒をさらに備えてよい。電極支持棒の側面と内側面との距離は、15mm以上であってよい。延伸方向に直交する直交方向における内側電極の幅は、直交方向における電極支持棒の幅よりも19mm以上大きくてよい。
【0008】
電気集塵装置は、外側電極の外側面の少なくとも一部に設けられた第1蓄熱材料をさらに備えてよい。第1蓄熱材料の単位体積当たりの熱容量は、外側電極の単位体積当たりの熱容量よりも大きくてよい。第1蓄熱材料の表面の熱伝導率は、外側電極の外側面の熱伝導率よりも小さくてよい。
【0009】
第1蓄熱材料が設けられた、外側電極の外側面の面積は、外側電極の外側面の面積の1/2以上であってよい。
【0010】
電気集塵装置は、内側電極の内部の少なくとも一部に設けられた第2蓄熱材料をさらに備えてよい。第2蓄熱材料の単位体積当たりの熱容量は、内側電極の単位体積当たりの熱容量よりも小さくてよい。
【0011】
第1蓄熱材料および第2蓄熱材料は、外側電極の温度が内側電極の温度よりも高くなるように、外側電極の温度と内側電極の温度とを保持してよい。
【0012】
電気集塵装置は、外側電極の温度と内側電極の温度との少なくとも一方を測定する温度測定部と、をさらに備えてよい。内側電極および外側電極の一方に電源が接続されてよく、他方が接地されてよい。電源は、温度測定部により測定された、外側電極の温度および内側電極の温度の少なくとも一方に基づいて、内側電極と外側電極との間の電圧を制御してよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の載置の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図2におけるA-A'線を通るXY断面の一例を示す図である。
【
図4】
図2におけるB-B'線を通るXZ断面の一例を示す図である。
【
図5】
図2におけるB-B'線を通るXZ断面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の集塵性能を検証するための集塵実験装置300の一例を示す図である。
【
図7】集塵実験装置300の電圧電流特性の測定結果を示す図である。
【
図8】第1電極332および第2電極334の電極長Lが150mmの場合における集塵率[%]の電圧V依存性を、ガス302の流速Vgが0.5[m/s]~5.0[m/s]の場合について示す図である。
【
図9】ガス302の流速Vgが2.5m/sの場合における集塵率[%]の電圧V依存性を、電極長Lが50mm~450mmの場合について示す図である。
【
図10】ガス302の流速Vgが1.5m/sの場合における集塵率[%]の電圧V依存性を、電極長Lが150mm~750mmの場合について示す図である。
【
図11】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す斜視図である。
【
図12】
図11におけるC-C'線を通るXZ断面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。
【
図14】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。
【
図15】本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0016】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置(ESP:Electrostatic Precipitator)100の載置の一例を示す図である。本例において、電気集塵装置100は工場200に載置されている。工場200には、動力装置110が設けられている。動力装置110は、例えば、工場200に設けられた空調設備等の電力設備を稼働させる発動機である。動力装置110は、燃料の燃焼による排ガス120を発生する。動力装置110は、例えば船舶等に搭載されるエンジンであってもよい。電気集塵装置100は、例えば船舶等に載置されてもよい。
【0017】
排ガス120には、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)および粒子状物質(PM:Particle Matter)等の物質が含まれる。粒子状物質(PM)はブラックカーボン(BC)とも称され、化石燃料の不完全燃焼により発生する。粒子状物質(PM)は、炭素を主成分とする微粒子である。
【0018】
電気集塵装置100は、排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)を除去する。電気集塵装置100は、粒子状物質(PM)を除去した浄化ガス130を出力する。本例においては、浄化ガス130は排管140を通過した後、工場200の外部に排出される。
【0019】
図2は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の一例を示す斜視図である。電気集塵装置100は、集塵部90および電源80を備える。集塵部90は、筐体40、内側電極10および外側電極20を備える。集塵部90は、排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)を捕集する。
【0020】
排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)は、微弱に自然帯電している。この微弱に帯電している粒子状物質(PM)を所定の集塵率で捕集するためには、当該粒子状物質(PM)に10kV/cm以上の電界を印加することが好ましい。また、集塵部90における放電を抑制するためには、当該電界は30kV/cm未満であることが好ましい。本例の電気集塵装置100は、集塵部90に10kV/cm以上30kV/cm未満の電界を印加することにより、微弱に帯電している粒子状物質(PM)を捕集する。
【0021】
電源80は、当該粒子状物質(PM)を捕集するための電力を、集塵部90に供給する。電源80は、内側電極10と外側電極20との間に電圧を供給する。電源80は、直流電源、交流電源およびパルス電源のいずれかであってよい。
【0022】
内側電極10は、予め定められた延伸方向に延伸している。延伸方向とは、内側電極10を例に説明すると、短手方向と、当該短手方向に交差する長手方向とを有する内側電極10において、内側電極10の当該長手方向を指す。本例においては、当該短手方向と当該長手方向とは直交する。
【0023】
内側電極10および外側電極20の一方には、電源80が接続されてよい。内側電極10および外側電極20の他方は、電源80により設定される電位とは異なる基準電位に接続されてよい。内側電極10および外側電極20の当該他方は、接地されてもよい。本例においては、内側電極10には電源80が接続されている。本例においては、外側電極20は接地されている。内側電極10および外側電極20は、金属により形成されていてよい。
【0024】
本明細書においては、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書においては、内側電極10の延伸方向をZ軸に平行な方向とし、Z軸に直交する平面をXY面とする。本明細書において、XY面内における所定の方向をX軸方向とし、XY面内においてX軸に直交する方向をY軸方向とする。
【0025】
本例の内側電極10は、円柱状である。当該円柱の中心軸は、Z軸に平行である。本例の内側電極10は、Z軸方向に延伸している。内側電極10は、側面12、上面14および下面15を有する。本例において、側面12は円柱状の内側電極10において中心軸を囲む側面である。側面12は、XY面内において内側電極10の外部と接する。上面14および下面15は、側面12と交差する。本例において、上面14および下面15は、内側電極10の中心軸と直交する。
【0026】
側面12には、開口18が設けられていてよい。側面12には、複数の開口18が設けられていてよい。複数の開口18は、内側電極10の延伸方向に所定の周期で設けられていてよい。開口18は、XY面内において、内側電極10の円弧状の側面12に複数設けられていてよい。内側電極10は、複数の開口18が設けられた、所謂パンチメタルであってよい。
【0027】
内側電極10の内部には、空洞状の第1捕集部が設けられている。内側電極10の外部と当該第1捕集部とは、開口18により連通している。後述するように、電気集塵装置100は、粒子状物質(PM)の少なくとも一部を当該第1捕集部に捕集してよい。第1捕集部の詳細については、後述する。
【0028】
内側電極10の上面14および下面15は、それぞれ内側電極10の延伸方向における一方側および他方側に配置される。内側電極10の上面14および下面15とは、内側電極10の延伸方向において、それぞれ内側電極10の延伸方向における中央から最も離れた一端および他端を含む面を指す。内側電極10の延伸方向における一方側および他方側に、側面12と交差する面がそれぞれ複数存在する場合は、当該複数の面のうち側面12に最も近い面を指す。本例においては、内側電極10の延伸方向における一方側および他方側に、側面12と交差する面がそれぞれ1つ存在する。本例の上面14および下面15は、XY面に平行な面である。上面14および下面15は、Z軸に平行な任意の断面において、点状の領域であってもよい。
【0029】
外側電極20は、予め定められた延伸方向に延伸していてよい。本例の外側電極20は、内側電極10の延伸方向と同じ方向に延伸している。本例の外側電極20は、円柱状である。外側電極20は、上面24、下面25、内側面22および外側面31を有する。外側電極20の内部には、空洞部23が設けられていてよい。本例の空洞部23は、Z軸に平行な方向に延伸している。本例の空洞部23は、外側電極20の延伸方向における上面24の位置および下面25の位置において、外側電極20の外部と連通している。
【0030】
外側電極20は、XY面内において空洞部23の周囲の少なくとも一部を囲っていてよい。本例においては、外側電極20はXY面内において空洞部23の周囲の全体を囲っている。本例の外側電極20は、空洞部23の当該周囲の全体を囲う殻形状を有している。内側面22は、XY面内おいて空洞部23と接する。外側面31は、XY面内おいて外側電極20の外部と接する。
【0031】
外側電極20は、内側電極10の側面12の周囲に設けられる。外側電極20が側面12の周囲に設けられるとは、内側電極10の延伸方向と交差する方向において、外側電極20が側面12の少なくとも一部を囲うように設けられている状態を指す。本例においては、外側電極20は、内側電極10の延伸方向(Z軸に平行な方向)と直交する方向(XY面内)において、側面12の全体を囲うように設けられている。
【0032】
外側電極20の内側面22は、内側電極10の側面12と対向している。内側面22が側面12と対向するとは、内側電極10の延伸方向と交差する方向において、空洞部23が内側面22と側面12との間に挟まれ、且つ、当該内側面22および当該側面12が当該空洞部23と接している状態を指す。
【0033】
本例において、内側電極10は空洞部23を延伸方向(Z軸方向)に貫通している。XY面内において、内側電極10の中心軸の位置と、外側電極20の中心軸の位置とは、一致していてよい。
【0034】
外側電極20の内側面22には、開口19が設けられていてよい。内側面22には、複数の開口19が設けられていてよい。複数の開口19は、外側電極20の延伸方向に所定の周期で設けられていてよい。開口19は、XY面内において、外側電極20の円弧状の内側面22に複数設けられていてよい。外側電極20は、複数の開口19が設けられた、所謂パンチメタルであってよい。
【0035】
筐体40は、空洞状の第2捕集部42を有する。第2捕集部42は、外側電極20の外側面31と接する。外側電極20の外部と内部は、開口19により連通している。即ち、空洞部23と第2捕集部42は、開口19により連通している。後述するように、電気集塵装置100は、粒子状物質(PM)の少なくとも一部を第2捕集部42に捕集する。
【0036】
外側電極20の上面24および下面25は、それぞれ外側電極20の延伸方向における一方側および他方側に配置される。外側電極20の上面24および下面25とは、外側電極20の延伸方向において、それぞれ外側電極20の延伸方向における中央から最も離れた一端および他端を含む面を指す。外側電極20の延伸方向における一方側および他方側に、内側面22と交差する面がそれぞれ複数存在する場合は、当該複数の面のうち内側面22に最も近い面を指す。本例においては、外側電極20の延伸方向における一方側および他方側に、内側面22と交差する面がそれぞれ1つ存在する。本例の上面24および下面25は、XY面に平行な面である。上面24および下面25は、Z軸に平行な任意の断面において、点状の領域であってもよい。
【0037】
内側電極10は、第1端部16を有する。第1端部16-1は、内側電極10の中心軸から側面12へ向かう、XY面内の任意の方向において、上面14と側面12との間に配置される面である。面の向きを当該面の法線方向とした場合、第1端部16-1の向きは、上面14の向きおよび側面12の向きのいずれとも異なる。第1端部16-1は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、上面14の側面12に最も近い端部と、側面12の最も上面14に近い端部とを接続する。上面14と側面12とが接している場合、第1端部16-1は上面14と側面12とが接続される頂点である。
【0038】
第1端部16-2とは、内側電極10の中心軸から側面12へ向かう、XY面内の任意の方向において、下面15と側面12との間に配置される面である。第1端部16-2の向きは、下面15の向きおよび側面12の向きのいずれとも異なる。第1端部16-2は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、下面15の側面12に最も近い端部と、側面12の最も下面15に近い端部とを接続する。下面15と側面12とが接している場合、第1端部16-2は下面15と側面12とが接続される頂点である。
【0039】
外側電極20は、第2端部26を有する。第2端部26-1とは、外側電極20の中心軸から内側面22へ向かう、XY面内の任意の方向において、上面24と内側面22との間に配置される面である。第2端部26-1の向きは、上面24の向きおよび内側面22の向きのいずれとも異なる。第2端部26-1は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、上面24の内側面22に最も近い端部と、内側面22の最も上面24に近い端部とを接続する。上面24と内側面22とが接している場合、第2端部26-1は上面24と内側面22とが接続される頂点である。
【0040】
第2端部26-2とは、外側電極20の中心軸から内側面22へ向かう、XY面内の任意の方向において、下面25と内側面22との間に配置される面である。第2端部26-2の向きは、下面25の向きおよび内側面22の向きのいずれとも異なる。第2端部26-2は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、下面25の内側面22に最も近い端部と、内側面22の最も下面25に近い端部とを接続する。下面25と内側面22とが接している場合、第2端部26-2は下面25と内側面22とが接続される頂点である。
【0041】
内側電極10が延伸する方向(Z軸に平行な方向)において、内側電極10の長さをLinとする。Z軸に平行な方向における外側電極20の長さをLoutとする。長さLinは、Z軸に平行な方向における、上面14と下面15との間の距離に等しい。長さLoutは、Z軸に平行な方向における、上面24と下面25との間の距離に等しい。
【0042】
長さLinは、長さLoutよりも大きくてよい。上面14および下面15の少なくとも一方は、外側電極20の外部に配置されてよい。本例においては、上面14および下面15の両方が、外側電極20の外部に配置されている。第1端部16-1および第1端部16-2の少なくとも一方は、外側電極20の外部に配置されてよい。本例においては、第1端部16-1および第1端部16-2の両方が、外側電極20の外部に配置されている。
【0043】
本例において、動力装置110(
図1参照)から排出された排ガス120は、空洞部23を通過する。本例において、排ガス120はZ軸に平行、且つ、第1端部16-2から第1端部16-1への方向に空洞部23を通過する。本例において、排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)は、内側電極10の内部に配置された第1捕集部(後述)、および、第2捕集部42の少なくとも一方に捕集される。本例において、粒子状物質(PM)が除去された浄化ガス130は、空洞部23から電気集塵装置100の外部に排出される。
【0044】
内側電極10の第1端部16および外側電極20の第2端部26の少なくとも一方には、丸み28が設けられている。丸み28とは、第1端部16を例に説明すると、内側電極10の外部と接する、第1端部16の少なくとも一部であって、丸み28上の任意の点における接線の傾きが、丸み28上の点の移動に伴い連続的に変化する、第1端部16の少なくとも一部を指す。本例においては、第2端部26に丸み28が設けられ、第1端部16には丸み28が設けられていない。本例において、第2端部26-1および第2端部26-2に設けられた丸み28を、それぞれ丸み28-1および丸み28-2とする。
【0045】
図3は、
図2におけるA-A'線を通るXY断面の一例を示す図である。A-A'断面は、筐体40、第2捕集部42、外側電極20、内側電極10および空洞部23を通るXY断面である。筐体40は、側壁44を有する。本例の第2捕集部42は、XY面内において側壁44に囲まれている。側壁44は、内側面46を有する。内側面46は、第2捕集部42に接している。
【0046】
内側電極10の内部には、第1捕集部82が設けられている。内側面84は、内側電極10の内側面である。内側面84は、第1捕集部82に接している。
【0047】
集塵部90は、排ガス120(
図1および
図2参照)に含まれる粒子状物質(PM)50を、クーロン力により第1捕集部82および第2捕集部42の少なくとも一方に捕集する。
図3において、粒子状物質(PM)50が黒い丸印にて示されている。
【0048】
自然帯電している1つの粒子状物質(PM)50は、プラスおよびマイナスの一方に帯電している。排ガス120に含まれる複数の粒状物質(PM)50の一部はプラスに帯電しており、他の一部はマイナスに帯電している。プラスおよびマイナスに帯電している粒子状物質(PM)50を、それぞれ粒子状物質(PM)50-1および粒子状物質(PM)50-2とする。本例においては、内側電極10には電源80が接続され、外側電極20は接地されている。このため、粒子状物質(PM)50-1および粒子状物質(PM)50-2は、それぞれ外側電極20および内側電極10に引き付けられる。
【0049】
外側電極20に引き付けられた粒子状物質(PM)50-1は、空洞部23から開口19を通って第2捕集部42に移動する。第2捕集部42に移動した粒子状物質(PM)50-1は、外側電極20の外側面31に捕集される。内側電極10に引き付けられた粒子状物質(PM)50-2は、空洞部23から開口18を通って第1捕集部82に移動する。第1捕集部82に移動した粒子状物質(PM)50-2は、内側電極10の内側面84に捕集される。
【0050】
図4は、
図2におけるB-B'線を通るXZ断面の一例を示す図である。ただし、
図4は
図2のY軸方向を中心に、X軸およびZ軸を90度回転させている。本例において、排ガス120はZ軸に平行、且つ、下面25から上面24への方向に空洞部23を通過する。集塵部90は、排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)50をクーロン力により捕集する。
【0051】
本例において、内側電極10には電源80により、内側電極10と外側電極20との間の空間に電圧が印加される。本例においては、内側電極10と外側電極20との間の空間に当該電圧が印加されることにより、内側電極10と外側電極20との間の空間には10kV/cm以上30kV/cm未満の電界Eeが形成される。外側電極20は、接地される。これにより、内側電極10に正極性の電圧が印加された場合は、空洞部23には内側電極10から外側電極20の方向に電界Eeが発生する。内側電極10に印加される電圧が正極性であるとは、外側電極20の電位よりも内側電極10の電位の方が高い状態で、内側電極10と外側電極20との間の空間に電圧が印加されている場合を指す。
図4において、ハッチングされた太い矢印にて、この電界Eeが示されている。
【0052】
本例において、空洞部23を流れる排ガス120に含まれる粒子状物質(PM)50-1および粒子状物質50-2は、電界Eeにより、外側電極20および内側電極10に引き付けられる。外側電極20に引き付けられた粒子状物質(PM)50-1は、外側電極20の外側面31に捕集される。内側電極10に引き付けられた粒子状物質50-2は、内側電極10の内側面84に捕集される。
【0053】
図5は、
図2におけるB-B'線を通るXZ断面の一例を示す図である。
図5には、外側電極20の第2端部26-1を含む領域のXZ断面が拡大して示されている。第2端部26-1には、丸み28-1が設けられている。丸み28は、XZ断面において曲線状である。本例の丸み28は、XZ断面において円弧状である。本例の丸み28は、Z軸に平行な任意の断面において曲線状である。内側面22と上面24とは、丸み28-1によって接続されている。
【0054】
1つの丸み28の一端および他端を、それぞれ一端27および他端29とする。
図5において、一端27および他端29が黒い丸印で示されているが、当該丸印は一端27および他端29の位置を明示しているに過ぎず、実在するわけではない。
【0055】
丸み28-1の一端27とは、一端27における接線が外側電極20の上面24と平行(XY面に平行)となる、丸み28の一部を指す。丸み28-1の他端29とは、他端29における接線が外側電極20の内側面22と平行(Z軸に平行)となる、丸み28の一部を指す。丸み28は、一端27において上面24の内側面22に最も近い端部と接続される。丸み28は、一端27において上面24と連続であってよい。丸み28は、他端29において内側面22の最も上面24に近い端部と接続される。丸み28は、他端29において内側面22と連続であってよい。
【0056】
内側電極10の中心軸を通る任意の断面において、当該中心軸に直交する方向(
図5においてはX軸方向)の幅を、幅W1とする。幅W1は、当該中心軸に直交する方向に対向する2つの側面12の間の距離である。2つの側面12の間の当該距離がZ軸方向に不均一である場合、幅W1は、2つの側面12の間の当該距離の平均値であってよく、最大値であってよく、最小値であってもよい。
【0057】
空洞部23を挟んで対向する、側面12と内側面22との距離を、距離D1とする。距離D1は、内側電極10と外側電極20との距離に等しい。側面12と内側面22との距離がZ軸方向に不均一である場合、距離D1は、側面12と内側面22との距離の平均値であってよく、最大値であってよく、最小値であってもよい。
【0058】
円弧状の丸み28のXZ断面における中心を、中心Cとする。丸み28の曲率半径をRとする。1つの丸み28において、曲率半径Rは一定であってよく、一定でなくてもよい。1つの丸み28において、曲率半径Rが一定でない場合、曲率半径Rは連続的に変化してよい。本例においては、曲率半径Rは中心Cを中心とする円弧状の丸み28の半径である。本例においては、曲率半径Rは一定である。
【0059】
本例の電気集塵装置100において、丸み28の曲率半径Rは、距離D1の1/2以上である。丸み28の曲率半径が距離D1の1/2未満であり、且つ、空洞部23の電界Eeが10kV/cmより大きい場合、第2端部26における電界が30kV/cmより大きくなりやすい。第2端部26における電界が30kV/cmより大きい場合、第2端部26においてコロナ放電が発生しやすい。第2端部26においてコロナ放電が発生した場合、電気集塵装置100の消費電力が大きくなりやすい。また、第2端部26においてコロナ放電が発生した場合、オゾン(O3)が発生しやすい。
【0060】
本例においては、丸み28の曲率半径Rが距離D1の1/2以上であるので、空洞部23の電界Eeが10kV/cm以上30kV/cm未満である場合であっても、第2端部26における電界が30kV/cmより大きくなりにくい。このため、第2端部26においてコロナ放電が発生しにくい。このため、本例の電気集塵装置100は、丸み28の曲率半径Rが距離D1の1/2未満である場合よりも、消費電力を抑制しやすい。また、本例の電気集塵装置100は、丸み28の曲率半径Rが距離D1の1/2未満である場合よりも、オゾン(O3)の発生を抑制しやすい。
【0061】
空洞部23の電界Eeが10kV/cm以上30kV/cm未満である場合、空洞部23を通過する粒子状物質(PM)50は、自然帯電している状態で外側電極20および内側電極10の少なくとも一方に捕集されやすい。即ち、電気集塵装置100は、自然帯電している粒子状物質(PM)50をさらに帯電させるための帯電部を備えなくてよい。このため、本例によれば電気集塵装置100が小型化されやすい。また、本例によれば電気集塵装置100の消費電力が抑制されやすくなる。
【0062】
本例の内側電極10は、開口18に接する端部86を有する。端部86とは、内側電極10の中心軸から側面12へ向かう、XY面内の任意の方向において、側面12と内側面84との間に配置される面である。端部86の向きは、側面12の向きおよび内側面84の向きのいずれとも異なる。端部86-1は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、開口18に接する側面12の下端と、開口18に接する内側面84の下端とを接続する。端部86-2は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、開口18に接する側面12の上端と、開口18に接する内側面84の上端とを接続する。
【0063】
本例の外側電極20は、開口19に接する端部96を有する。端部96とは、外側電極20の中心軸から外側面31へ向かう、XY面内の任意の方向において、外側面31と内側面22との間に配置される面である。端部96の向きは、外側面31の向きおよび内側面22の向きのいずれとも異なる。端部96は、Z軸に平行な方向の任意の断面において、開口19に接する外側面31の下端と、開口19に接する内側面22の下端とを接続する。
【0064】
端部86および端部96には、それぞれ丸み88および丸み98が設けられていてよい。端部86および端部96にそれぞれ丸み88および丸み98が設けられることで、空洞部23の電界が10kV/cm以上30kV/cm未満である場合であっても、内側電極10は端部86においてコロナ放電しにくくなり、外側電極20は端部96においてコロナ放電しにくくなる。
【0065】
図6は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の集塵性能を検証するための集塵実験装置300の一例を示す図である。集塵実験装置300は、ファン310、導入ダクト320、電気集塵部330、排気ダクト322および粒子量計測部340を備える。
【0066】
電気集塵部330は、第1電極332および第2電極334を有する。第1電極332には、直流電圧Vが印加される。第2電極334は、抵抗338を介して接地される。抵抗338は、第1電極332と第2電極334との間に流れる電流を計測するために設けられている。第1電極332および第2電極334には、それぞれ丸み336-1および丸み336-2が設けられている。丸み336は、円弧状である。
【0067】
ガス302の進行方向における第1電極332および第2電極334の電極長をLとする。ガス302の進行方向に垂直な方向における、第1電極332と第2電極334との間の距離をDとする。丸み336の曲率半径をrとする。本例において、曲率半径rはDに等しい。
【0068】
粒子状物質(PM)50を含むガス302は、ファン310により導入ダクト320に導入される。ガス302の流速をVg[m/s]とする。導入ダクト320に導入されたガス302は、電気集塵部330に導入される。電気集塵部330に導入されたガス302に含まれる粒子状物質(PM)50は、第1電極332と第2電極334との間において第2電極334に捕集される。ガス302は、電気集塵部330において浄化ガス304となる。浄化ガス302は、排気ダクト322を通過した後、集塵実験装置300の外部に排出される。
【0069】
粒子量計測部340は、導入ダクト320を通過するガス302に含まれる粒子状物質(PM)50の量、および、排気ダクト322を通過する浄化ガス304に含まれる粒子状物質(PM)50の量を計測する。本例の粒子量計測部340は、粒子状物質(PM)50の粒径が0.3μm以上である粒子状物質(PM)50の量を計測する。
【0070】
図7は、集塵実験装置300の電圧電流特性の測定結果を示す図である。
図7は、電気集塵部330にガス302が流れていない状態における電圧電流特性である。
図7は、電圧Vを0kV~12.5kVの間で変化させた場合に、抵抗338に流れる電流Idを測定した結果である。電流Idは、0.01μAの精度で測定されている。
図7に示されるとおり、電流Idは、電圧Vを増加させても殆ど増加しない。即ち、電気集塵部330にガス302が流れていない状態においては、電気集塵部330は、ほぼ電力を消費していない。
【0071】
図8は、第1電極332および第2電極334の電極長Lが150mmの場合における集塵率η[%]の電圧V依存性を、ガス302の流速Vgが0.5[m/s]~5.0[m/s]の場合について示す図である。集塵率η
t[%]の理論値は、以下の式(1)で表される。
【数1】
ここで、Eは第1電極332に印加される電圧であり、Aは定数である。
【0072】
集塵率η[%]の実験値は、以下の式(2)で表される。
【数2】
ここで、Nは浄化ガス304に含まれる粒子状物質(PM)50の粒子数であり、N
0はガス302に含まれる粒子状物質(PM)50の粒子数である。ガス302および浄化ガス304は、それぞれ導入ダクト320および排気ダクト322を通過する。粒子数Nおよび粒子数N
0は、粒子量計測部340により測定される。
【0073】
式(1)を変形すると、以下の式(3)が得られる。
【数3】
式(1)における定数Aは、電圧Vが2.5kVの場合における集塵率の実験値ηを式(3)に代入して算出されてよい。例えば、
図8より、流速Vgが0.5m/sの場合において、電圧Vが2.5kVの場合の集塵率ηは17%である。これより、流速Vgが0.5m/sの場合の定数Aは0.075と算出される。算出された定数Aを再び(1)式へ代入することにより、他の大きさの電圧が印加された場合の集塵率が算出される。たとえば、電圧Vが5.0kVの場合、集塵率は31%と算出される。
図8における理論値は、流速Vgごとに、このようにAを算出した結果を用いて、算出されている。
【0074】
図9は、ガス302の流速Vgが2.5m/sの場合における集塵率η[%]の電圧V依存性を、電極長Lが50mm~450mmの場合について示す図である。
図9の理論値における式(1)の定数Aは、
図8の場合と同様に、電圧Vが2.5kVにおける集塵率の実験値ηを式(3)に代入して算出されている。例えば、
図9より、電極長Lが450mmの場合において、電圧Vが2.5kVの場合の集塵率ηは21%である。これより、電極長Lが450mmの場合の定数Aは0.094と算出される。算出された定数Aを再び(1)式へ代入することにより、他の大きさの電圧が印加された場合の集塵率が算出される。たとえば、電圧Vが5.0kVの場合、集塵率は38%と算出される。
図9における理論値は、流速Vgごとに、このようにAを算出した結果を用いて、算出されている。
【0075】
図10は、ガス302の流速Vgが1.5m/sの場合における集塵率η[%]の電圧V依存性を、電極長Lが150mm~750mmの場合について示す図である。
図8~10より、電圧Vが大きいほど集塵率ηは大きくなる。
図8より、流速Vgが小さいほど集塵率ηは大きくなる。
図8において、流速Vgが0.5m/s、且つ、電圧Vが7.5kV~12.5kVの場合、集塵率ηの実験値は理論値を上回っている。
図9より、電極長Lが大きいほど集塵率ηは大きくなる。
図9において、電極長Lが300mm、且つ、電圧Vが5.0kV~12.5kVの場合、集塵率ηの実験値は理論値を上回っている。
図9において、電極長Lが450mm、且つ、電圧Vが12.5kVの場合、集塵率ηは70%が得られている。以上より、電気集塵部330は、ほぼ電力を消費せずに70%の集塵率ηを得ることができる。
【0076】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す斜視図である。内側電極10が延伸する方向(Z軸に平行な方向)において、本例の内側電極10の長さをLin'とする。本例においては、外側電極20の長さLoutが長さLin'よりも長い点で、
図2に示される電気集塵装置100と異なる。なお、
図11において外側電極20の開口19は省略されている。
【0077】
上面14および下面15の少なくとも一方は、外側電極20の内部に配置されてよい。本例においては、上面14および下面15の両方が、外側電極20の内部に配置されている。第1端部16-1および第1端部16-2の少なくとも一方は、外側電極20の内部に配置されてよい。本例においては、第1端部16-1および第1端部16-2の両方が、外側電極20の内部に配置されている。
【0078】
本例において、第1端部16には丸み28が設けられ、第2端部26には丸み28が設けられていない。本例において、内側電極10の上面14および下面15は、曲面である。本例において、第1端部16-1および第1端部16-2に設けられた丸み28を、それぞれ丸み28-1および丸み28-2とする。
【0079】
本例の電気集塵装置100は、第1端部16-1および第1端部16-2の少なくとも一方に電極支持棒30を備える。本例においては、第1端部16-1に電極支持棒30が設けられている。電極支持棒30は、内側電極10の延伸方向に延伸していてよい。本例においては、電極支持棒30の長手方向の一端が第1端部16-1に接続されている。電極支持棒30の当該一端は、内側電極10の中心軸の位置と同じ位置に配置されていてよい。本例において、電極支持棒30の他端は電源80に電気的に接続されている。
【0080】
図12は、
図11におけるC-C'線を通るXZ断面の一例を示す図である。
図12には、内側電極10の第1端部16-1を含む領域のXZ断面が拡大して示されている。第1端部16-1には、丸み28-1が設けられている。丸み28は、XZ断面において曲線状である。本例の丸み28は、XZ断面において半円状である。本例の丸み28は、Z軸に平行な任意の断面において曲線状である。
【0081】
本例の丸み28における半円の中心を中心C'とする。本例の丸み28は、頂点37を有する。頂点37のXY面内における位置は、中心C'の位置と同じであってよい。
【0082】
本例において、丸み28の一端は頂点37である。丸み28の他端を、他端39とする。
図12において、頂点37および他端39が黒い丸印で示されているが、当該丸印は頂点37および他端29の位置を明示しているに過ぎず、実在するわけではない。
【0083】
丸み28-1の頂点37とは、頂点37における接線がXY面に平行となる、丸み28の一部を指す。丸み28-1の他端39とは、他端39における接線が内側電極10の側面12と平行(Z軸に平行)となる、丸み28の一部を指す。本例において、上面14は丸み28の頂点37である。丸み28は、他端39において側面12の最も上面14に近い端部と接続される。丸み28は、他端39において側面12と連続であってよい。
【0084】
丸み28の曲率半径を、曲率半径R'とする。本例においては、曲率半径R'は中心C'を中心とする円弧状の丸み28の半径である。
【0085】
電極支持棒30は、側面32を有する。側面32とは、
図12のXZ断面においてXY面と交差する、電極支持棒30の一部である、本例においては、
図12のXZ断面においてXY面と直交する。
図12のX軸方向に対向する2つの内側面22に挟まれた領域において、側面32は空洞部23と接する。側面32は、Z軸に平行な任意の断面において内側面22と平行であってよく、平行でなくてもよい。
【0086】
電極支持棒30は、円柱状であってよい。本例の側面32は、円柱状の電極支持棒30の側面である。内側電極10の延伸方向に直交する直交方向(本例においてはXY面内における任意の方向、例えばX軸方向)における電極支持棒30の幅を、幅W2とする。空洞部23を挟んで側面32と対向する内側面22と、側面32との距離を、距離D2とする。電極支持棒30の当該幅がZ軸方向に不均一である場合、幅W2は電極支持棒30の空洞部23に接する一部のうち、当該幅の平均値であってよく、最大値であってよく、最小値であってもよい。内側面22と側面32との距離がZ軸方向に不均一である場合、距離D2は内側面22と側面32との距離の平均値であってよく、最大値であってよく、最小値であってもよい。
【0087】
空気の絶縁破壊電界をEa[kV/cm]、電極支持棒30のコロナ放電開始電界をEc[kV/cm]とすると、本例において、電界Ea[kV/cm]、電界Ec[kV/cm]、内側電極10と外側電極20との間の印加電圧Ve'[kV]、電極支持棒30の幅W2[mm]、丸み28の曲率半径R'[mm]、側面12と内側面22との距離D1[mm]、および、内側面22と側面32との距離D2[mm]は、以下の式を満たす。
【数4】
【0088】
ここで、電界Ea=30[kV/cm]、印加電圧Ve'=30[kV]の場合、距離D1≧10.0[mm]、曲率半径R'≧5.0[mm]となる。曲率半径R'=5.0[mm]の場合、(4-3)式および(4-4)式を満たす幅W2、距離D1および距離D2の組が存在しないので、ここでは曲率半径R'=10.0[mm]とする。
【0089】
電界Ec=30[kV/cm]とすると、(4-3)式の右辺は1[cm]となる。これより、距離D1=10.0[mm]、曲率半径R'=10.0[mm]の場合、(4-3)式および(4-4)式を満たす幅W2の範囲は、幅W2≦10.0[mm]となる。当該範囲を満たす幅W2として、幅W2=1.0[mm]とすると、(4-4)式よりD2=19.5[mm]となる。
【0090】
内側電極10のX軸方向の幅W1は、距離D1よりも大きくてよい。距離D1は、幅W2よりも大きくてよい。半径R'は、距離D1よりも小さくてよく、大きくてもよい。半径R'は、距離D1と等しくてもよい。
【0091】
幅W2は、例えば1.0mmである。距離D2は、15mm以上であってよく、20mm未満であってよい。距離D1は、5mm以上15mm以下であってよい。本例においては、距離D1は10mmである。
【0092】
幅W1は、幅W2よりも40mm以上大きくてよく、60mm以上大きくてもよい。本例においては、幅W1は幅W2よりも19mm大きい。即ち、本例において、幅W1は20mmである。
【0093】
第1端部16に丸み28が設けられ、且つ、距離D1および距離D2がそれぞれ10mmおよび19.5mmである場合、空洞部23の電界Eeが10kV/cmより大きい場合であっても、第2端部26においてコロナ放電が発生しにくい。このため、本例の電気集塵装置100は、
図2~5の例と同様に、空洞部23の電界を10kV/cm以上30kV/cm未満としやすくなる。このため、本例の電気集塵装置100は、空洞部23を通過する粒子状物質(PM)50を捕集しやすくなる。
【0094】
図13は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。本例の電気集塵装置100は、第1蓄熱材料60をさらに備える点で、
図2~5に示される電気集塵装置100と異なる。また、本例の電気集塵装置100は、外側電極20に開口19が設けられていない点で、
図2~5に示される電気集塵装置100と異なる。
図13は、
図2におけるB-B'断面に第1蓄熱材料60を合わせて示した図である。
【0095】
第1蓄熱材料60は、外側電極20の外側面31の少なくとも一部に設けられてよい。第1蓄熱材料60が設けられた外側面31の面積は、外側面31の面積の1/2以上であってよい。本例においては、第1蓄熱材料60は外側面31の全てに設けられている。
【0096】
内側面22には、第1蓄熱材料60は設けられなくてよい。内側面22には粒子状物質(PM)50-1が捕集される。このため、内側面22には第1蓄熱材料60が設けられないことが好ましい。
【0097】
外側電極20には、開口19が設けられていてもよい。この場合、第1蓄熱材料60には、開口19と連通するように開口が設けられていてよい。
【0098】
第1蓄熱材料60の単位体積当たりの熱容量をCs1[J/K・m3]とする。外側電極20の単位体積当たりの熱容量をCe1[J/K・m3]とする。熱容量Cs1は、熱容量Ce1よりも大きくてよい。
【0099】
第1蓄熱材料60の表面を、表面62とする。表面62とは、第1蓄熱材料60において外側電極20の外側面31と接する面を指す。表面62の熱伝導率をKs1[W/m・K]とする。外側電極20の外側面31の熱伝導率をKe1[W/m・K]とする。熱伝導率Ks1は、熱伝導率Ke1よりも小さくてよい。
【0100】
動力装置110(
図1参照)から排出される排ガス120の温度は、300℃~400℃である場合がある。このため、集塵部90が300℃~400℃の排ガス120に接した場合、集塵部90に接続された配線が燃焼する等の不具合が生じる場合がある。また、集塵部90が300℃~400℃の排ガス120に接した場合、空洞部23の温度が上昇しやすいので、空洞部23の電界が30kV/cm未満であっても、空洞部23に存在する空気が絶縁破壊しやすくなる。
【0101】
本例においては、熱容量Cs1が熱容量Ce1よりも大きく、且つ、熱伝導率Ks1が熱伝導率Ke1よりも小さいので、第1蓄熱材料60は、外側電極20に伝導した排ガス120の熱を吸収および蓄熱できる。このため、本例の電気集塵装置100は第1蓄熱材料60により、外側電極20の温度を、排ガス120の温度よりも低い所定の温度T1に維持できる。温度T1は、例えば200℃以上300℃以下である。これにより、本例の電気集塵装置100は集塵部90に接続された配線が燃焼する等の不具合を抑制できる。また、本例の電気集塵装置100は、空洞部23の電界が30kV/cm未満である場合に、空洞部23に存在する空気が絶縁破壊することを抑制できる。外側電極20の温度を温度T1に維持するためには、第1蓄熱材料60が設けられた外側面31の面積は、外側面31の面積の1/2以上であることが好ましい。
【0102】
第1蓄熱材料60は、化学蓄熱材料であってよい。化学蓄熱材料とは、化学反応に伴う反応熱を利用した蓄熱材料である。化学蓄熱材料は、例えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水素化マグネシウム(MgH2)、ペロブスカイト型セラミックス等である。
【0103】
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)は、脱水反応により酸化カルシウム(CaO)と水(H2O)を生成する。この脱水反応は、吸熱を伴う。酸化カルシウム(CaO)と水(H2O)は、水和反応により水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を生成する。この水和反応は、発熱を伴う。
[化学式1]
Ca(OH)2⇔CaO+H2O
第1蓄熱材料60が水酸化カルシウム(Ca(OH)2)である場合、この吸熱および発熱反応により、集塵部90の温度を温度T1に維持できる。
【0104】
水素化マグネシウム(MgH2)は、マグネシウム(Mg)と水素(H2)に分解される場合に吸熱を伴う。マグネシウム(Mg)と水素(H2)は、水素化マグネシウム(MgH2)に合成される場合に発熱を伴う。
[化学式2]
MgH2⇔Mg+H2
第1蓄熱材料60が水素化マグネシウム(MgH2)である場合、この吸熱および発熱反応により、集塵部90の温度を温度T1に維持できる。
【0105】
化学蓄熱材料は、他の蓄熱材料と比較して蓄熱容量が大きい場合が多い。このため、第1蓄熱材料60が化学蓄熱材料である場合、第1蓄熱材料60が小型化されやすい。このため、第1蓄熱材料60が化学蓄熱材料である場合、電気集塵装置100が小型化されやすい。温度Tは、200℃以上300℃以下の間で、化学蓄熱材料により異なっていてよい。
【0106】
図14は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。本例の電気集塵装置100は、第2蓄熱材料70をさらに備える点で、
図2~5に示される電気集塵装置100と異なる。
図14は、
図2におけるB-B'断面に第2蓄熱材料70を合わせて示した図である。
【0107】
第2蓄熱材料70は、内側電極10の内部の少なくとも一部に設けられてよい。第2蓄熱材料70は、Z軸に平行な方向において外側電極20の外側まで設けられてよい。第2蓄熱材料70は、Z軸を中心軸とする円柱状であってよい。内側電極10および第2蓄熱材料70が円柱状である場合、第2蓄熱材料70の中心軸の位置と内側電極10の中心軸の位置とは、XY面内において一致していてよい。本例において、第2蓄熱材料70は、
図3における第1捕集部82に充填されている。本例において、粒子状物質(PM)50-2は、内側電極10の側面12に捕集される。
【0108】
第2蓄熱材料70の単位体積当たりの熱容量をCs2[J/K・m3]とする。内側電極10の単位体積当たりの熱容量をCe2[J/K・m3]とする。熱容量Cs2は、熱容量Ce2よりも小さくてよい。
【0109】
第2蓄熱材料70の表面を、表面72とする。表面72とは、第2蓄熱材料70の内部において内側電極10と接する面を指す。表面72の熱伝導率をKs2[W/m・K]とする。内側電極10の側面12の熱伝導率をKe2[W/m・K]とする。熱伝導率Ks2は、熱伝導率Ke2よりも大きくてよい。
【0110】
内側電極10が粒子状物質(PM)50-2を捕集した場合、内側電極10の温度が硫酸露点(約200℃)以下に低下すると、粒子状物質(PM)50-2に含まれる硫黄酸化物(SOx)が側面12において凝縮する場合がある。側面12において硫黄酸化物(SOx)が凝縮すると、硫酸(H2SO4)が生成する場合がある。側面12において硫酸(H2SO4)が生成すると、側面12が硫酸(H2SO4)により腐食する場合がある。
【0111】
本例においては、熱容量Cs2が熱容量Ce2よりも小さく、且つ、熱伝導率Ks2が熱伝導率Ke2よりも大きいので、第2蓄熱材料70は内側電極10の温度を硫酸露点より大きい所定の温度T2に維持できる。温度T2は、温度T1よりも低くてよい。温度T2は、例えば100℃以上200℃未満である。このため、本例の電気集塵装置100は、硫酸(H2SO4)による内側電極10の腐食を抑制しやすくなる。また、本例のように集塵部90が内側電極10の側面12に粒子状物質(PM)50を捕集する場合、第2蓄熱材料70が内側電極10の内部に設けられることで、電気集塵装置100は内側電極10の内部の領域を有効に利用できる。
【0112】
外側電極20の外側面31に第1蓄熱材料60が設けられ、且つ、内側電極10の内部の少なくとも一部に第2蓄熱材料70が設けられる場合、第1蓄熱材料60および第2蓄熱材料70は、外側電極20の温度が内側電極10の温度よりも高くなるように、外側電極20の温度を温度T1に、内側電極10の温度を温度T2に、それぞれ保持してよい。第1蓄熱材料60および第2蓄熱材料70が、外側電極20の温度T1と内側電極10の温度T2とをこのように保持することで、集塵部90に接続された配線が燃焼する等の不具合を抑制し、且つ、空洞部23の絶縁破壊を抑制しつつ、硫酸(H2SO4)による内側電極10の腐食を抑制しやすくなる。
【0113】
図15は、本発明の一つの実施形態に係る電気集塵装置100の他の一例を示す図である。本例の電気集塵装置100は、温度測定部206、温度センサ210および温度センサ212をさらに備える点で、
図2に示される電気集塵装置100と異なる。温度測定部206は、外側電極20の温度と内側電極10の温度との少なくとも一方を測定する。本例においては、温度測定部206は外側電極20の温度および内側電極10の温度の両方を測定する。本例においては、温度測定部206は温度センサ212および温度センサ210により、それぞれ外側電極20の温度および内側電極10の温度を測定する。
【0114】
電源80は、外側電極20の温度および内側電極10の温度の少なくとも一方に基づいて、内側電極10と外側電極20との間の電圧を制御してよい。本例においては、電源80は外側電極20の温度および内側電極10の温度に基づいて、内側電極10と外側電極20との間の電圧を制御する。
【0115】
本例において、内側電極10および外側電極20は、それぞれ温度センサ210および温度センサ212を有する。内側電極10および外側電極20は、それぞれ複数の温度センサ210および複数の温度センサ212を有してよい。本例においては、内側電極10は2つの温度センサ210(温度センサ210-1および温度センサ210-2)を有し、外側電極20は2つの温度センサ212(温度センサ212-1および温度センサ212-2)を有する。本例において、温度センサ210-1および温度センサ210-2は、それぞれ内側電極10の上面14および下面15に設けられる。本例において、温度センサ212-1および温度センサ212-2は、それぞれ外側電極20の上面24および下面25に設けられる。
【0116】
本例においても、電気集塵装置100は、
図13に示されるように第1蓄熱材料60を備えてよく、
図14に示されるように第2蓄熱材料70を備えてもよい。内側電極10および外側電極20が、それぞれ1つの温度センサ210および1つの温度センサ212を有する場合、当該温度センサ210および当該温度センサ212は、排ガス120の流路における上流側に設けられることが好ましい。本例においては、内側電極10および外側電極20が、それぞれ温度センサ210-2および温度センサ212-2を有することが好ましい。
【0117】
内側電極10および外側電極20が、それぞれ1つの温度センサ210および1つの温度センサ212を有する場合、温度測定部206は、温度センサ212-2および温度センサ210-2により、それぞれ外側電極20の温度および内側電極10の温度を測定してよい。電源80は、外側電極20の当該温度および内側電極10の当該温度の少なくとも一方に基づいて、内側電極10と外側電極20との間の電圧を制御してよい。
【0118】
電気集塵装置100が第1蓄熱材料60を備える(
図13)か、または第2蓄熱材料70を備える(
図14)場合、排ガス120の熱は集塵部90において吸熱されやすい。このため、浄化ガス130の温度は排ガス120の温度よりも低くなりやすい。このため、電源80が外側電極20の温度および内側電極10の温度に基づいて、内側電極10と外側電極20との間の電圧を制御することにより、内側電極10の温度を上述したT2(即ち100℃以上200℃未満)に維持し、且つ、外側電極20の温度を上述したT1(即ち200℃以上300℃以下)に維持しやすくなる。
【0119】
内側電極10および外側電極20が、それぞれ2つの温度センサ210および2つの温度センサ212を有する場合、温度測定部206は内側電極10の上面14および下面15の温度、並びに外側電極の上面24および下面25の温度を測定できる。この場合、温度測定部206は、内側電極10の上面14の温度と下面15の温度とを比較することにより、内側電極10の蓄熱量を算出できる。また、温度測定部206は、外側電極20の上面24の温度と下面25の温度とを比較することにより、外側電極20の蓄熱量を算出できる。
【0120】
電源80は、内側電極10の蓄熱量および外側電極20の蓄熱量の少なくとも一方に基づいて、内側電極10と外側電極20との間の電圧を制御してよい。電源80は、内側電極10の蓄熱量および外側電極20の蓄熱量の少なくとも一方に基づいて、内側電極10と外側電極20との間に印加する電圧の周期を制御してよい。電源80は、内側電極10の蓄熱量および外側電極20の蓄熱量の少なくとも一方に基づいて、内側電極10と外側電極20との間に電圧を印加する時間を制御してよい。
【0121】
温度測定部206は、外側電極20の蓄熱量と第1蓄熱材料60の熱容量とを比較して、外側電極20の蓄熱量が第1蓄熱材料の熱容量未満であるか、または、外側電極20の蓄熱量が第1蓄熱材料の熱容量を超えているかを判定してよい。第1蓄熱材料60の熱容量には、上述した単位体積当たりの熱容量Cs1[J/K・m3]が用いられてよい。外側電極20の蓄熱量が第1蓄熱材料60の熱容量を超えていると判定された場合、当該第1蓄熱材料60は外側電極20から取り外されてよく、別の第1蓄熱材料60が外側電極20に取り付けられてよい。外側電極20から取り外された第1蓄熱材料60は、別の用途に用いられてよい。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0123】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0124】
10・・・内側電極、12・・・側面、14・・・上面、15・・・下面、16・・・第1端部、18・・・開口、20・・・外側電極、22・・・内側面、23・・・空洞部、24・・・上面、25・・・下面、26・・・第2端部、27・・・一端、28・・・丸み、29・・・他端、30・・・電極支持棒、31・・・側面、32・・・側面、37・・・頂点、39・・・他端、40・・・筐体、42・・・第2捕集部、44・・・側壁、46・・・内側面、60・・・第1蓄熱材料、62・・・表面、70・・・第2蓄熱材料、72・・・表面、80・・・電源、82・・・第1捕集部、84・・・内側面、86・・・端部、88・・・丸み、90・・・集塵部、100・・・電気集塵装置、110・・・動力装置、120・・・排ガス、130・・・浄化ガス、140・・・排管、200・・・工場、206・・・温度測定部、210・・・温度センサ、212・・・温度センサ、300・・・集塵実験装置、302・・・ガス、304・・・浄化ガス、310・・・ファン、320・・・導入ダクト、322・・・排気ダクト、330・・・電気集塵部、332・・・第1電極、334・・・第2電極、336・・・丸み、338・・・抵抗、340・・・粒子量計測部