IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トラスティーズ オブ ボストン ユニバーシティの特許一覧

特許7366385ヘルペスウイルス誘発疾患の処置のための方法および組成物
<>
  • 特許-ヘルペスウイルス誘発疾患の処置のための方法および組成物 図1A
  • 特許-ヘルペスウイルス誘発疾患の処置のための方法および組成物 図1B
  • 特許-ヘルペスウイルス誘発疾患の処置のための方法および組成物 図1C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ヘルペスウイルス誘発疾患の処置のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/52 20060101AFI20231016BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALI20231016BHJP
   A61K 31/522 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A61K31/52
A61K31/4406
A61K31/522
A61P31/22
A61P35/02
A61P43/00 121
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2017565967
(86)(22)【出願日】2016-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-07-05
(86)【国際出願番号】 US2016038148
(87)【国際公開番号】W WO2016205695
(87)【国際公開日】2016-12-22
【審査請求日】2019-06-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-24
(31)【優先権主張番号】62/182,071
(32)【優先日】2015-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】301069856
【氏名又は名称】トラスティーズ オブ ボストン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(74)【復代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファーラー,ダグラス ブイ.
【合議体】
【審判長】前田 佳与子
【審判官】鈴木 理文
【審判官】原田 隆興
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0331313(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0170221(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104083763(CN,A)
【文献】Mol. Med. Rep., Vol.5 Iss.6, 2012, pp.1503-1508
【文献】Blood, Vol.119, Iss.4, 2012, pp.1008-1017
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
A61P1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体中のエプスタイン・バーウイルス誘発リンパ腫を処置または予防するための薬剤の製造における、被験体のウイルス感染細胞においてウイルス遺伝子産物の発現を誘発するための誘発剤と、抗ウイルス薬との使用であって、前記抗ウイルス薬は、アシクロビル(ACV)、ガンシクロビル(GCV)、バルガンシクロビル、ファムシクロビルまたはペンシクロビル(PCV)を含み、および前記誘発剤はチダミドであることを特徴とする、使用。
【請求項2】
前記リンパ腫は、バーキットリンパ腫、ホジキン病、AIDSリンパ腫、NK/T細胞リンパ腫または中枢神経系リンパ腫であることを特徴とする請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記誘発剤は、前記被験体のウイルス感染細胞中のウイルス遺伝子産物の発現を誘発し、ウイルス遺伝子産物は、ウイルス酵素、癌遺伝子またはプロト癌遺伝子、転写調節因子、プロテアーゼ、ポリメラーゼ、逆転写酵素、細胞表面受容体、構造タンパク質、主要組織適合抗原、成長因子、または、その組み合わせであることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記ウイルス遺伝子産物はチミジンキナーゼ(TK)またはタンパク質キナーゼ(PK)から選択されるウイルス酵素であることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記ウイルス遺伝子産物はチミジンキナーゼであることを特徴とする、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記誘発剤は、約1.0から約1000mg/日の用量で投与されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記誘発剤は1日に2回(BID)投与されることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記誘発剤は、500nM以下の濃度で阻害活性を有するHDAC阻害剤であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記誘発剤は、500nM以下の濃度でチミジンキナーゼ発現を誘発することができるHDAC阻害剤であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記被験体中の前記誘発剤の血漿レベルは5μM未満であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
前記誘発剤は経口で投与されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記抗ウイルス薬はバルガンシクロビルであることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
前記誘発剤および前記抗ウイルス薬は治療の少なくとも1つのサイクルのために投与され、前記サイクルは
i.第1の期間にわたり、被験体へ誘発剤および抗ウイルス薬を投与することおよび、
ii.第2の期間の間に、被験体へ誘発剤を投与せずに、抗ウイルス薬の投与を継続することを含み、
前記第2の期間は、サイクルの残りの期間を表わすことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
前記第1の期間の間に、前記抗ウイルス薬および前記誘発剤は同じ組成物中で投与されることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記第1の期間はサイクルの長さの半分以下であることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
前記第1の期間は約5日以下であり、前記サイクルは約21日以下であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年6月19日に出願された米国仮出願第62/182,071号の利益を主張するものであり、その内容は全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ヘルペスウイルスは以下の多くの潜在的なメカニズムによって自己免疫性または炎症性の疾患を引き起こす場合がある;1)自己抗体を生成するためのB細胞の活性化、2)宿主組織を攻撃するT細胞の活性化、3)ヘルペスウイルス抗原が宿主抗原と交差反応して、これらの抗原に反応性であるT細胞または抗体が、宿主組織に損傷を引き起こす宿主抗原と交差反応した時に、自己免疫状態が生じる分子擬態、4)ヘルペスウイルス感染細胞は、免疫系の他の要素を作動させ、かつ、自己免疫状態も悪化させうる炎症を増加させるサイトカインを生成すること。ヘルペスウイルスに関係する証拠がある自己免疫性または炎症性の疾患には、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチおよびシェーグレン症候群、肝炎、大腸炎、網膜炎、肺臓炎、食道炎、横断性脊髄炎、脳炎または多発神経根症が含まれる。サイトメガロウイルスと単純ヘルペスウイルスも冠動脈疾患に関連している。
【0003】
多くの癌および新組織形成は、粘液性類表皮癌、リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫、鼻咽頭癌およびリンパ腫様肉芽腫症、および、子宮頸癌を含むが、これらに限定されない様々なヘルペスウイルスに関連している。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、本発明は、被験体においてヘルペスウイルス感染に関連した疾患を処置または予防する方法を提供し、該方法は、被験体のウイルス感染細胞においてウイルス遺伝子産物の発現を誘発するための誘発剤と、および、発現されたウイルス遺伝子産物に向けられる抗ウイルス活性を有する抗ウイルス薬と、を被験体に投与する工程を含み、前記誘発剤は、HDAC阻害剤であり、HDAC阻害剤は、チダミドまたは4SC-202である。
【0005】
特定の実施形態では、疾患はエプスタイン・バーウイルス感染に関連する癌である。あるさらなる実施形態では、癌は、リンパ腫、バーキットリンパ腫、ホジキン病、鼻咽頭癌、毛髪状白斑、AIDSリンパ腫、NK/T細胞リンパ腫または中枢神経系リンパ腫である。ある他の実施形態では、疾患は、エプスタイン・バーウイルス感染に関連した自己免疫性または炎症性の疾患であり、皮膚筋炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、シェーグレン症候群または多発性硬化症である。
【0006】
特定の実施形態では、疾患は単純ヘルペスウイルス感染に関連する癌である。特定の実施形態では、疾患はヒトヘルペスウイルス8型感染に関連する癌である。
【0007】
特定の実施形態では、疾患はサイトメガロウイルス感染に関連する癌である。あるさらなる実施形態では、癌は粘液性類表皮癌である。ある他の実施形態では、疾患はサイトメガロウイルス感染に関連する炎症性の疾患であり、肝炎、大腸炎、網膜炎、肺臓炎、食道炎、横断性脊髄炎、脳炎または多発神経根症である。
【0008】
特定の実施形態では、疾患はリンパ腫である。
【0009】
特定の実施形態では、誘発剤は、被験体のウイルス感染細胞のウイルス遺伝子産物の発現を誘発し、ウイルス遺伝子産物は、ウイルス酵素、癌遺伝子またはプロト癌遺伝子、転写調節因子、プロテアーゼ、ポリメラーゼ、逆転写酵素、細胞表面受容体、構造タンパク質、主要組織適合抗原、成長因子、または、その組み合わせである。あるさらなる実施形態では、遺伝子産物はチミジンキナーゼまたはタンパク質キナーゼである。ある他の実施形態では、誘発剤はウイルスTK発現を誘発する。
【0010】
特定の実施形態では、誘発剤は、約1.0から約1000mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、誘発剤は毎日で、1日に2回(b.i.d.)投与される。
【0011】
特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、インターフェロン、アミノ酸アナログ、ヌクレオシドアナログ、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、または転写酵素阻害剤である。あるさらなる実施形態では、ヌクレオシドアナログは、アシクロビル(ACV)、ガンシクロビル(GCV)、バルガンシクロビル、ファムシクロビル(famcyclovir)、ペンシクロビル(PCV)、ホスカルネット、リバビリン、ザルシタビン(ddC)、ジブドジン(AZT)、スタブジン(D4T)、ラミブジン(3TC)、ジダノシン(ddl)、シタラビン、ジデオキシアデノシン、エドクスジン、フロクスウリジン、イドクスウリジン、イノシンプラノベクス、2’-デオキシ-5-(メチルアミノ)ウリジン、トリフルリジンまたはビダラビンからなる群から選択される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬はガンシクロビルである。
【0012】
特定の実施形態では、誘発剤は、500ナノモル以下の濃度で阻害活性を有するHDAC阻害剤である。特定の実施形態では、誘発剤は、500ナノモル以下の濃度でチミジンキナーゼ発現を誘発することができるHDAC阻害剤である。ある他の実施形態では、前記被験体中の誘発剤の血漿レベルは5μM未満である。特定の実施形態では、誘発剤は経口で投与される。ある他の実施形態では、誘発剤はチダミド(chidamide)である。ある他の実施形態では、誘発剤は4SC-202である。
【0013】
特定の実施形態では、誘発剤および抗ウイルス薬は、治療の少なくとも1つのサイクルに投与され、前記サイクルは:(i)第1の期間にわたり、被験体へ誘発剤および抗ウイルス薬を投与すること;および、(ii)、第2の期間の間に、被験体へ誘発剤を投与せずに、抗ウイルス薬の投与を継続すること;を含み、前記第2の期間は、サイクルの残りの期間を表わす。
【0014】
あるさらなる実施形態では、第1の期間の抗ウイルス薬および誘発剤は同じ組成物中で投与される。特定の実施形態では、第1の期間はサイクルの長さの半分以下である。特定の実施形態では、第1の期間は約5日以下であり、前記サイクルは約21日以下である。特定の実施形態では、誘発剤は14日間投与され、続いて7日間は薬剤は投与されない。
【0015】
特定の実施形態では、ウイルス関連疾患は、敗血症またはウイルス血症ではない。
【0016】
<参照による組み込み>
個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個別に参照により組み入れられることが示されているのと同程度に、本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の新規な特徴は、特に添付の特許請求の範囲に明記されている。本発明の特徴および利点についてのよりよい理解が、本発明の原理が利用される例証的な実施形態を明記する以下の詳細な説明と、その添付の図面と、を参照することにより得られるだろう。
図1A図1Aは、TKについてのEBV+細胞株P3HR1の中のウイルスキナーゼ転写産物の発現を誘発する際のチダミドの効能についての試験の結果を示す。
図1B図1Bは、BGLF4についてのEBV+細胞株P3HR1の中のウイルスキナーゼ転写産物の発現を誘発する際のチダミドの効能についての試験の結果を示す。
図1C図1Cは、チダミドがガンシクロビルと組み合わされた時のEBV+細胞株P3HR1の死滅においてチダミドが有する相乗効果を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ウイルス性疾患、ウイルス誘発疾患、および、関連する癌および炎症性疾患を処置しおよび/または予防する方法のニーズがある。多くの患者は、ウイルスが存在するが、アシクロビル、ガンシクロビル、およびバルガンシクロビルなどの一般的な抗ウイルス薬の標的であるウイルス性チミジンキナーゼまたはタンパク質キナーゼなどのウイルスタンパク質を発現しない潜伏感染を有する。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC阻害剤-HDACi)などのウイルス誘発薬は、被験体のウイルス感染細胞においてウイルスチミジンキナーゼまたはタンパク質キナーゼの発現を再誘発するために使用することができる。被験体は潜伏性ウイルス感染を排除するために抗ウイルス薬で治療することができる。
ヘルペスウイルスおよび/または他の潜伏性ウイルス感染が、自己免疫性および炎症性の疾患、癌、およびアレルギー疾患を含む様々な疾患と関連し得るので、潜伏性ウイルスをHDACi療法で排除することは、そのような疾患の予防または治療に有用である。
【0019】
本明細書では、被験体におけるウイルス性疾病および疾患、癌または炎症性疾病および疾患を、処置および/または予防するための方法および組成物が提供される。疾患は潜伏性ウイルス感染に関連している場合がある。該方法は、被験体へのウイルス誘発剤および抗ウイルス薬を投与する工程を含みうる。該方法は、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、および、1つ以上の追加の薬剤を被験体へ投与する工程を含みうる。該方法は、同一のまたは別個の製剤のいずれかにおいて、経口HDAC阻害剤および抗ウイルス薬の同時投与を含んでもよい。
【0020】
提供される方法と組成物は、本明細書中に記載されたウイルスのいずれかによる感染を処置し、および/または、予防するために使用することができる。該方法および組成物は、本明細書中に記載された癌のいずれかを処置し、および/または、予防するために使用することができる。該方法および組成物は、本明細書中に記載された炎症性疾患のいずれかを処置し、および/または、予防するために使用することができる。本明細書中に記載されたウイルス誘発剤および/または抗ウイルス薬のいずれかは、提供される発明の方法および組成物において使用することができる。ウイルス誘発剤はHDAC阻害剤である場合がある。HDAC阻害剤は、クラスI HDAC、例えばHDAC1、HDAC2および、HDAC3のいずれかである場合がある。HDAC阻害剤はクラスIIb HDAC、例えばHDAC10、である場合がある。HDAC阻害剤はベンズアミドである場合がある。ベンズアミドは4SC-202である場合がある。ベンズアミドはチダミド(CS055またはHBI-8000としても知られている)である場合がある。
【0021】
本明細書中に記載された1つ以上の追加の薬剤を被験体に投与することができる。追加の薬剤は、被験体が有するか、または有している疑いのある疾患の種類に基づいて投与を選択することができる。
【0022】
本発明の別の態様は、薬剤、例えばウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、1つ以上の追加の薬剤、またはその組み合わせ、を含む医薬組成物のための製剤、投与の経路、および有効な量、に関する。ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、または1つ以上の追加的な薬剤は、個別の医薬組成物において被験体に投与することができ、または、単一の医薬組成物において合剤する(co-formulate)ことができる。
【0023】
また、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、または1つ以上の追加の薬剤を投与するための服用スケジュールに関する方法も提供される。1つ以上の医薬組成物は、ある期間にわたって「パルス投与」(pulsed administration)によって被験体に投与することができる。
【0024】
<定義>
障害に関して「ウイルス性」、「ウイルスに関連する」、「ウイルス誘発」という用語は、本明細書全体を通じて互換的に使用される。
【0025】
用語「組成物を得る」などにおける「得る」という用語は、購入する、合成する、またはその他の方法で組成物(または組成物の薬剤)を取得することを含むよう意図される。
【0026】
「含む(comprises)」「含む(comprising)」という用語は、それらに広い意味を帰着させるように意図され、かつ、「含む(includes)」と「含める(including)」を意味しうる。
【0027】
用語「被験体」、「患者」、または「個体」は本明細書で互換的に用いられ、例えば、本明細書に記載される障害に苦しむ哺乳動物と非哺乳動物を指す。哺乳動物の例は、限定されないが、哺乳網の任意の一員を含み:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿並びにサル類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物を含む。非哺乳動物の例は、限定されないが、鳥類、魚類などを含む。本明細書に提供される方法及び組成物の1つの実施形態において、哺乳動物はヒトである。
【0028】
本明細書で使用されるような、「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、または「処置(treatment)」という用語、および他の文法的な等価物は、症状を緩和すること、抑制すること、または低減すること、ある疾病または疾患の症状の重症度を低下させるまたは抑制すること、発生率を下げること、予防処置を取ること、再発を減らすことまたは抑制すること、発症を遅らせること、再発を遅らせること、和らげることまたは改善すること、症状の根底にある代謝性の原因を改善すること、疾病または疾患を抑えること、例えば、疾病または疾患の進行を阻むこと、疾病または疾患を和らげること、疾病または疾患の退行を引き起こすこと、疾病または疾患によって引き起こされる状態を和らげること、あるいは、疾患または疾病の症状を止めること、を含む。用語は更に、治療効果を達成することも含む。治療の有用性とは、処置される根本的な疾病の根絶あるいは改善、および/または、患者において改善が見られるような、根本的な疾病に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または改善を意味する。
【0029】
用語は「予防する(prevent)」、「予防すること(preventing)」、または「予防(prevention)」、および他の文法的な等価物は、本明細書で使用されるように、さらなる症状を予防すること、症状の根本的な代謝性原因を予防すること、疾患または症状を抑えること、例えば、疾患または症状の進行を阻むことを含み、および、予防を含むことを意図している。用語は更に、予防効果を達成することも含む。予防効果のため、組成物は、特定の疾病が進行するリスクのある患者、疾病の1以上の生理学的な症状を報告する患者、または、疾病の再発のリスクのある患者に、随意に投与される。
【0030】
用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、所望の効果、例えば、処置される疾病または疾患の1つ以上の症状をある程度まで和らげることを達成する、少なくとも1つの薬剤が十分に投与される量を指す。特定の例において、結果は、疾患の兆候、症状、または原因の減少及び/又は軽減、或いは生物系の任意の他の所望の改変である。特定の例において、治療上の使用に「有効な量」は、疾患を臨床的に著しく減少するのに必要とされる、本明細書にて説明されるような薬剤を含む組成物の量である。あらゆる個々の場合において適切な「有効な」量は、用量増加試験などの任意の適切な技術を使用して決定される。
【0031】
「投与する(administer)」、「投与すること(administering)」、「投与(administeration)」という用語などは、本明細書で使用されるように、生物学的作用の所望の部位への薬剤または組成物の送達を可能にするために使用される方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、または点滴を含む)、局所投与、および直腸投与を含む。ある場合に本明細書に記載される薬剤と方法とともに使用される投与技術は、例えば、Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics,(現行版); Pergamon;およびRemington’s, Pharmaceutical Sciences (現行版), Mack Publishing Co., Easton, Pa.で議論されるものを含む。特定の実施形態において、本明細書に記載される薬剤及び組成物は、経口投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるおよび組成物は、非経口投与される。
【0032】
「薬学的に許容可能な」という用語は、本明細書で使用されるように、本明細書に記載される薬剤の生物活性または特性を抑制せず、比較的無毒(つまり、材料の毒性が材料の有用性を著しく上回る)である材料を指す。いくつかの場合では、薬学的に許容可能な物質は、望ましくない著しい生物学的作用を引き起こさずに、または、組成物の中に含まれる任意の構成成分と有害な方法で著しく相互作用せずに、個体に投与される。
【0033】
「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、本明細書で使用されるように、それは、本発明の医薬組成物の有効成分(例えば本発明の化合物)と適合し(かつ、好ましくはそれを安定させることができ)、かつ、処置される被験体にとって有害でない担体とビヒクルを指す。例えば、本発明の化合物を備えた、特定のより多くの可溶性複合体を形成する可溶化剤は、化合物の送達のための医薬賦形剤として利用することができる。適切な担体およびビヒクルは、当業者に公知である。「賦形剤」という用語は、ここに使用されるように、そのような担体、アジュバント、希釈剤、溶媒または他の不活発な添加物をすべて包含するだろう。適切な薬学的に許容可能な賦形剤には、限定されないが、水、食塩水、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトーゼ、アミロース、マグネシウムステアリン酸塩、滑石、ケイ酸、粘着性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリン、石油エーテル脂肪酸エステル(petroethral fatty acid esters)、ヒドロキシメチル-セルロース、ポリビニルピロリドン、などが含まれる。本発明の医薬組成物はまた、所望の場合には殺菌され、助剤、例えば潤滑剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩類、緩衝液、着色料、調味料および/または、芳香物質などと混合されることができ、これらは本発明の活性化合物と有害な反応を起こさない。
【0034】
本発明は、以下の詳細な説明および例証的な実施例を参照することによってより完全に理解されることができ、これは、本発明の非限定的な実施形態を例証することを意図している。
【0035】
<ヘルペスウイルス>
ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)1および2、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびヒトヘルペスウイルス(HHV)6A、6B、7および8、を含むDNAウイルスの大規模なファミリーであり、ヒトにおいて様々な疾病を引き起こすことがある。ヘルペスウイルスには2段階の複製があり、細胞溶解性複製および潜伏複製である。一次感染の直後は、宿主による免疫監視により、ヘルペスウイルスが感染の潜伏状態に入るように強制され、そこでは少数の選択された遺伝子しか発現されない。ウイルス酵素のチミジンキナーゼ(TK)またはタンパク質キナーゼ(PK)が、それらの有毒代謝物質へプロドラッグが転換するのに必要とされる、ガンシクロビル、アシクロビルなどの従来の抗ヘルペスウイルス薬は、潜伏性感染細胞において発現しないので、これらの潜伏性感染細胞に作用しない。いくつかの実施形態では、細胞溶解性複製が誘発され、かつ、抗ウイルス薬が同時に投与される、併用療法が本明細書に提供される。
【0036】
例えば、インビトロで患者由来の細胞を使用する従来の研究、および、EBV関連リンパ腫を有する一連の患者における第一/二相臨床試験からも得られる研究は、この併用治療アプローチの大きな可能性を明らかに示した。様々なヒトのリンパの悪性腫瘍とエプスタイン・バーウイルス(EBV)との強い疫学的な関連、および、多数のEBVの潜伏性遺伝子産物の腫瘍形成の活性を実証するインビトロ研究は、EBVとこれらの疾患の間の因果関係を示唆している。しかしながら、EBVはこれらのリンパ腫において感染の潜伏状態を維持すると、ヌクレオシドアナログのガンシクロビル(GCV)またはアシクロビルなどの典型的な抗ヘルペスウイルス剤は、これらのプロドラッグが、その活性のために、細胞溶解相EBVタンパク質、チミジンキナーゼ(TK)またはタンパク質キナーゼ(EBV-PK)の発現を必要とするので、効果がない。したがって、抗ウイルス薬への同時露出と結び付けられる、潜伏EBVを内部に持つリンパ腫細胞中のEBV細胞溶解相の遺伝子発現の選択的な誘発は、細胞毒性をEBV感染腫瘍細胞に結果としての標的化のために、有望な標的治療として進められた。
【0037】
短鎖脂肪酸および化学療法剤を含む様々な薬剤が、培養細胞中のEBV細胞溶解相感染を誘発させるために使用されたが、しかし、これらのインビトロ研究は、一般に、臨床適用につながらなかった。例えば、アルギニン酪酸塩およびGCVは、近年の第一/二相臨床試験でのEBV陽性のリンパ悪性腫瘍を処置するために使用された。再発性または難治性EBV陽性リンパ腫瘍を有する15人の患者に関するこの研究で、4人の患者が完全な腫瘍の寛解を達成し、かつ、6人の患者が部分的な腫瘍の寛解を達成した。しかしながら、酪酸塩の迅速な新陳代謝には、高用量の持続点滴静注が必要になる。酪酸塩は汎HDAC阻害活性を有し、かつ、この活性がEBV-TKタンパク質の誘発の原因であることが確立された。HDAC阻害剤は、EBV感染腫瘍においてEBV-TKおよびEBV-PKの両方を誘発しうる。HDAC阻害剤は、腫瘍細胞におけるCMVプロモーター活性を増加させうる。HDAC阻害剤は、細胞培養および腫瘍において潜伏性単純ヘルペスウイルス遺伝子の転写を増加させうる。近年、いくつかの強力なHDAC阻害剤(HDACi)が抗癌剤として臨床上で試験された。いくつかの場合には、HDAC阻害剤は、ウイルス中の細胞溶解相の遺伝子発現を誘発し、かつ、抗ウイルス薬物と組み合わされて細胞を死滅させる。ある場合には、いくつかの新しい非常に強力な化合物を含むHDAC阻害剤が、EBVの細胞溶解相の遺伝子発現を誘発し、かつ、抗ウイルス薬と組み合わされてEBV感染細胞を死滅させる。いくつかの場合には、HDAC阻害剤は、ヘルペスウイルス中の細胞溶解相の遺伝子発現を誘発し、抗ウイルス薬と組み合わされてウイルス感染細胞を死滅させる。
【0038】
<方法および組成物>
1つの態様では、ヘルペスウイルスに関連する疾患を処置しかつ/または予防する方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、疾患は潜伏ウイルス感染に関連する。特定の実施形態では、ヘルペスウイルスに関連する疾患は癌であり、自己免疫性または炎症性の疾患である。特定の実施形態では、癌、自己免疫性または炎症性の疾患はエプスタイン・バーウイルスによる感染に関連する。特定の実施形態では、癌、自己免疫性または炎症性の疾患は単純ヘルペスウイルスによる感染に関連する。特定の実施形態では、癌、自己免疫性または炎症性の疾患はサイトメガロウイルスによる感染に関連する。特定の実施形態では、方法は、ウイルス誘発剤(例えばHDAC阻害剤)および抗ウイルス薬を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、方法はHDAC阻害剤および抗ウイルス薬を投与する工程を含む。特定の実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は合剤される。いくつかの実施形態では、方法は追加のウイルス誘発剤を投与する工程をさらに含む。他の実施形態では、方法は追加の抗ウイルス薬を投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、ウイルス誘発剤および/または抗ウイルス薬の追加の個別用量を投与する工程を含む。
【0039】
さらに、ウイルス性疾患、ウイルス誘発疾患または炎症性疾患を処置し、および/または予防する方法が本明細書で提供され、該方法はHDAC阻害剤を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はベンズアミドである。いくつかの実施形態では、ベンズアミドはチダミドである。いくつかの実施形態では、ベンズアミドは4SC-202である。特定の実施形態では、方法は抗ウイルス薬を投与する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は合剤される。
【0040】
また、ヘルペスウイルスに関連する癌を処置し、および/または予防する方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、方法はHDAC阻害剤および抗ウイルス薬を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はベンズアミドである。いくつかの実施形態では、ベンズアミドはチダミドである。いくつかの実施形態では、ベンズアミドは4SC-202である。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬はアシクロビルおよび/またはガンシクロビルおよび/またはバルガンシクロビルである。
【0041】
別の態様では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬を含む組成物が本明細書で提供される。特定の実施形態では、HDAC阻害剤はベンズアミドである。いくつかの実施形態では、ベンズアミドHDAC阻害剤は4SC-202またはチダミドである。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬はアシクロビル、ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルである。特定の実施形態では、組成物は、追加の薬剤を含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、抗ウイルス薬、HDAC阻害剤または化学療法薬である。特定の実施形態では、組成物は、カプセル、ゲル、錠剤、溶液または懸濁液として製剤される。いくつかの実施形態では、組成物は経口投与のために製剤される。他の実施形態では、組成物は非経口投与のために製剤される。いくつかの実施形態では、組成物は、静脈内、腹腔内、経口、皮下、くも膜下腔内、または腫瘍内の投与のために製剤される。特定の実施形態では、組成物はウイルス感染部位での投与のために製剤される。いくつかの実施形態では、組成物は、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬の修正された放出のために製剤される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬が溶解される前に、HDAC阻害剤が溶解される。他の実施形態では、抗ウイルス薬が溶解される後に、HDAC阻害剤が溶解される。いくつかの実施形態では、組成物は1日に1回の投与のために製剤される。他の実施形態では、組成物、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日おきに1回、週に1回、2週に1回、または、月ごとに製剤される。
【0042】
いくつかの実施形態では、組成物は周期的またはパルス的な方法で投与される。特定の実施形態では、これにより「休薬日」または「構造的な処置中断」が可能になり、これによって、ネガティブな副作用の管理ができる。特定の実施形態では、誘発剤および抗ウイルス薬は、少なくとも1つの治療サイクルで投与され、前記サイクルは:(i)第1の期間にわたり被験体へ誘発剤および抗ウイルス薬を投与すること;および、(ii)第2の期間の間に被験体への抗ウイルス薬の投与を継続すること;を含み、前記第2の期間は、サイクルの残りの期間を表わす。あるさらなる実施形態では、第1の期間の抗ウイルス薬および誘発剤は、同じ組成物の中で投与される。特定の実施形態では、第1の期間はサイクルの長さの半分以下である。特定の実施形態では、第1の期間は約5日以下であり、前記サイクルは約21日以下である。
【0043】
<ウイルス誘発剤>
提供される本発明の方法は、ウイルス感染細胞における遺伝子産物の発現を誘発するために、誘発剤を含む、本明細書に提供される1つ以上の医薬組成物の使用を含む。発現された遺伝子産物は、ウイルス感染細胞の中で広く発現される、ウイルス酵素または細胞酵素または細胞活性でありうる。標的化され得る発現産物には、例えば、ゲノムの修復または複製、完全なウイルス粒子の集合、ウイルス膜または壁の生成、RNA転写またはタンパク質翻訳、またはこれらの活性の組合せのための、DNA複製に関与する酵素、が含まれる。これらのプロセスに対する干渉は、次に酵素、好ましくは該プロセスにおいて重大な酵素を誘発させ、これに作用することにより、行なうことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、ウイルス誘発剤はHDAC阻害剤である。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、チダミド、4SC-202、ACY-822、ACY-957、ACY-1071、ACY-1112またはACY-1215である。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、ベンズアミド、例えばチダミドおよび/または4SC-202である。
【0045】
特定の実施形態では、HDAC阻害剤の分子量は275g/molを超える。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤の分子量は、200g/molを超える、225g/molを超える、250g/molを超える、275g/molを超える、300g/molを超える、325g/molを超える、350g/molを超える、375g/molを超える、400g/molを超える、425g/molを超える、450g/molを超える、475g/molを超える、500g/molを超える、525g/molを超える、550g/molを超える、575g/molを超える、600g/molを超える、625g/molを超える、650g/molを超える、675g/molを超える、700g/molを超える、725g/molを超える、750g/molを超える、775g/molを超える、800g/molを超える、850g/molを超える、900g/molを超える、950g/molを超える、または、1000g/molを超える。特定の実施形態では、HDAC阻害剤の分子量は、200g/mol未満、225g/mol未満、250g/mol未満、275g/mol未満、300g/mol未満、325g/mol未満、350g/mol未満、375g/mol未満、400g/mol未満、425g/mol未満、450g/mol未満、475g/mol未満、500g/mol未満、525g/mol未満、550g/mol未満、575g/mol未満、600g/mol未満、625g/mol未満、650g/mol未満、675g/mol未満、700g/mol未満、725g/mol未満、750g/mol未満、775g/mol未満、800g/mol未満、850g/mol未満、900g/mol未満、950g/mol未満、または、1000g/mol未満である。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤の分子量は500g/mol未満であり、かつ、250g/molを超える。他の実施形態では、HDAC阻害剤の分子量は400g/mol未満であり、かつ、300g/molを超える。
【0046】
特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、m-カルボキシケイ皮酸、ビスヒドロキサム酸、スベリンヒドロキサム酸(suberic bishydroxamic acid)、トリコスタチンA(7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-7-オキソヘプタ-2,4-ジエンアミド)、SAHA(スベロイルアニリドヒドロキサム酸)/ボリノスタット、オキサムフラチン、ABHA、SB-55629、SB939、ピロキサミド、プロペンアミド、アロイルピロリルヒドロキサミド、ベリノスタット/PXD101、パノビノスタット、LAQ824(((E)-N-ヒドロキシ-3-[4-[[2-ヒドロキシエチル-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]アミノ]メチル]フェニル]プロプ-2-エンアミド)、LBH589、CI-994、エンチノスタット/MS-275、SNDX-275、または、モセチノスタット/MGCD0103(N-(2-アミノフェニル)-4-((4-ピリジン-3-イルピリミジン-2-イルアミノ)メチル)ベンズアミド)ではない。
【0047】
いくつかの実施形態では、ウイルス誘発剤、例えばHDAC阻害剤、は血液脳関門に浸透する。特定の実施形態では、血液脳関門に浸透するウイルス誘発剤は、ベンズアミドHDAC阻害剤である。具体的な実施形態では、血液脳関門に浸透するウイルス誘発剤は、チダミドまたは4SC-202を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はチダミドである。特定の実施形態では、チダミドは40mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、約1mg/日、約2mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約25mg/日、約30mg/日、約35mg/日、約40mg/日、約45mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、および、約400mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、チダミドは、1mg/日未満、2mg/日未満、5mg/日未満、10mg/日未満、15mg/日未満、20mg/日未満、25mg/日未満、30mg/日未満、35mg/日未満、40mg/日未満、45mg/日未満、50mg/日未満、60mg/日未満、70mg/日未満、80mg/日未満、90mg/日未満、100mg/日未満、150m/g日未満、200mg/日未満、250mg/日未満、300mg/日未満、350mg/日未満、400mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1mg/日を超える、2mg/日を超える、5mg/日を超える、10mg/日を超える、15mg/日を超える、20mg/日を超える、25mg/日を超える、30mg/日を超える、35mg/日を超える、40mg/日を超える、45mg/日を超える、50mg/日を超える、60mg/日を超える、70mg/日を超える、80mg/日を超える、90mg/日を超える、100mg/日を超える、150m/g日を超える、200mg/日を超える、250mg/日を超える、300mg/日を超える、350mg/日を超える、または、400mg/日を超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、約1mg/日から約100mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、チダミドは、約5mg/日から約80mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に2回、5mgから80mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に3回、5mgから80mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、約10mg/日から約60mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に2回、10mgから60mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に3回、10mgから60mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、20mg/日から50mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に2回、20mgから50mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に3回、20mgから50mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、30mg/日から40mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に2回、30mgから40mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは、1週間に3回、30mgから40mgの用量で投与される。特定の実施形態では、チダミドは、一日に1回(q.d.)、一日に2回(b.i.d.)、または一日に3回(t.i.d.)投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、または、週に5回、投与される。いくつかの実施形態では、チダミドは月に1回、月に2回、月に3回、または、月に4回、投与される。特定の実施形態では、チダミドは、遅延放出、徐放、または、持続放出の形態である。
【0049】
いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤のチダミドおよび抗ウイルス薬の単位用量は、400mg未満のHDAC阻害剤および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤のチダミドおよび抗ウイルス薬の単位用量は、200mg未満のHDAC阻害剤および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤のチダミドおよび抗ウイルス薬の単位用量は、100mg未満のHDAC阻害剤および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤のチダミドおよび500mg未満の抗ウイルス薬を含む。他の実施形態では、単位用量は80mg未満のHDAC阻害剤のチダミドおよび1500mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤のチダミドおよび1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は約20mg未満のHDAC阻害剤のチダミドおよび約450mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は約40mg未満のHDAC阻害剤のチダミドおよび約900mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は制御放出として製剤される。
【0050】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は4SC-202である。特定の実施形態では、4SC-202は200mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、4SC-202は、約1mg/日、約2mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約25mg/日、約30mg/日、約35mg/日、約40mg/日、約45mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、または、約500mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、4SC-202は、1mg/日未満、2mg/日未満、5mg/日未満、10mg/日未満、15mg/日未満、20mg/日未満、25mg/日未満、30mg/日未満、35mg/日未満、40mg/日未満、45mg/日未満、50mg/日未満、60mg/日未満、70mg/日未満、80mg/日未満、90mg/日未満、100mg/日未満、150m/g日未満、200mg/日未満、250mg/日未満、300mg/日未満、350mg/日未満、400mg/日未満、450mg/日未満、または、500mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、4SC-202は、1mg/日を超える、2mg/日を超える、5mg/日を超える、10mg/日を超える、15mg/日を超える、20mg/日を超える、25mg/日を超える、30mg/日を超える、35mg/日を超える、40mg/日を超える、45mg/日を超える、50mg/日を超える、60mg/日を超える、70mg/日を超える、80mg/日を超える、90mg/日を超える、100mg/日を超える、150m/g日を超える、200mg/日を超える、250mg/日を超える、300mg/日を超える、350mg/日を超える、400mg/日を超える、450mg/日を超える、または、500mg/日を超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、4SC-202は、約10mg/日から約1000mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、4SC-202は、約20mg/日から約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、4SC-202は、約25mg/日から約600mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、4SC-202は、一日に1回(q.d.)、一日に2回(b.i.d.)、または一日に3回(t.i.d.)投与される。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約50mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約100mgである。
いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約150mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約200mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約250mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約300mgである。いくつかの実施形態では、4SC-202は週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、または、週に5回、投与される。いくつかの実施形態では、4SC-202は月に1回、月に2回、月に3回、または、月に4回、投与される。特定の実施形態では、4SC-202は、遅延放出、徐放、または、持続放出の形態である。
【0051】
いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤4SC-202および抗ウイルス薬の単位用量は、400mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤4SC-202および抗ウイルス薬の単位用量は、200mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および500mg未満の抗ウイルス薬を含む。他の実施形態では、単位用量は80mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および1500mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は約20mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および約450mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は約40mg未満のHDAC阻害剤4SC-202および約900mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は制御放出、遅延放出または徐放として製剤される。
【0052】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はACY-957である。特定の実施形態では、ACY-957は200mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-957は、約1mg/日、約2mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約25mg/日、約30mg/日、約35mg/日、約40mg/日、約45mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、または、約500mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-957は、1mg/日未満、2mg/日未満、5mg/日未満、10mg/日未満、15mg/日未満、20mg/日未満、25mg/日未満、30mg/日未満、35mg/日未満、40mg/日未満、45mg/日未満、50mg/日未満、60mg/日未満、70mg/日未満、80mg/日未満、90mg/日未満、100mg/日未満、150m/g日未満、200mg/日未満、250mg/日未満、300mg/日未満、350mg/日未満、400mg/日未満、450mg/日未満、または、500mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-957は、1mg/日を超える、2mg/日を超える、5mg/日を超える、10mg/日を超える、15mg/日を超える、20mg/日を超える、25mg/日を超える、30mg/日を超える、35mg/日を超える、40mg/日を超える、45mg/日を超える、50mg/日を超える、60mg/日を超える、70mg/日を超える、80mg/日を超える、90mg/日を超える、100mg/日を超える、150m/g日を超える、200mg/日を超える、250mg/日を超える、300mg/日を超える、350mg/日を超える、400mg/日を超える、450mg/日を超える、または、500mg/日を超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-957は、約10mg/日から約1000mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-957は、約20mg/日から約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-957は、約25mg/日から約600mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-957は、一日に1回(q.d.)、一日に2回(b.i.d.)、または一日に3回(t.i.d.)投与される。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約50mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約100mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約150mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約200mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約250mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約300mgである。いくつかの実施形態では、ACY-957は週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、または、週に5回、投与される。いくつかの実施形態では、ACY-957は月に1回、月に2回、月に3回、または、月に4回、投与される。特定の実施形態では、ACY-957は、遅延放出、徐放、または、持続放出の形態である。
【0053】
いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤ACY-957および抗ウイルス薬の単位用量は、400mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤ACY-957および抗ウイルス薬の単位用量は、200mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および500mg未満の抗ウイルス薬を含む。他の実施形態では、単位用量は80mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および1500mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は約20mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および約450mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は約40mg未満のHDAC阻害剤ACY-957および約900mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は制御放出、遅延放出または徐放として製剤される。
【0054】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤はACY-1215である。特定の実施形態では、ACY-1215は200mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約1mg/日、約2mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約15mg/日、約20mg/日、約25mg/日、約30mg/日、約35mg/日、約40mg/日、約45mg/日、約50mg/日、約60mg/日、約70mg/日、約80mg/日、約90mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約160mg/日、約170mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、または、約500mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-1215は、1mg/日未満、2mg/日未満、5mg/日未満、10mg/日未満、15mg/日未満、20mg/日未満、25mg/日未満、30mg/日未満、35mg/日未満、40mg/日未満、45mg/日未満、50mg/日未満、60mg/日未満、70mg/日未満、80mg/日未満、90mg/日未満、100mg/日未満、150m/g日未満、200mg/日未満、250mg/日未満、300mg/日未満、350mg/日未満、400mg/日未満、450mg/日未満、または、500mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、1mg/日を超える、2mg/日を超える、5mg/日を超える、10mg/日を超える、15mg/日を超える、20mg/日を超える、25mg/日を超える、30mg/日を超える、35mg/日を超える、40mg/日を超える、45mg/日を超える、50mg/日を超える、60mg/日を超える、70mg/日を超える、80mg/日を超える、90mg/日を超える、100mg/日を超える、150m/g日を超える、200mg/日を超える、250mg/日を超える、300mg/日を超える、350mg/日を超える、400mg/日を超える、450mg/日を超える、または、500mg/日を超える用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約10mg/日から約1000mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-1215は、約20mg/日から約800mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約25mg/日から約600mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約50mg/日から約400mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約100mg/日から約300mg/日の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は、約100mg/日から約200mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、ACY-1215は、一日に1回(q.d.)、一日に2回(b.i.d.)、または一日に3回(t.i.d.)投与される。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約50mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約100mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約150mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約200mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約250mgである。いくつかの実施形態では、用量は、1日に2回、約300mgである。いくつかの実施形態では、ACY-1215は週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、または、週に5回、投与される。いくつかの実施形態では、ACY-1215は月に1回、月に2回、月に3回、または、月に4回、投与される。特定の実施形態では、ACY-1215は、遅延放出、徐放、または、持続放出の形態である。
【0055】
いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤ACY-1215および抗ウイルス薬の単位用量は、400mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤ACY-1215および抗ウイルス薬の単位用量は、200mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および500mg未満の抗ウイルス薬を含む。他の実施形態では、単位用量は80mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および1500mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は50mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および1000mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、単位用量は約20mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および約450mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は約40mg未満のHDAC阻害剤ACY-1215および約900mg未満の抗ウイルス薬を含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は制御放出、遅延放出または徐放として製剤される。
【0056】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、ウイルス遺伝子の転写を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、EBV陽性のリンパ腫細胞中のEBV遺伝子の転写を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、CMV陽性細胞のCMV遺伝子の転写を誘発する。特定の実施形態では、HDACは、単純ヘルペスウイルス感染細胞のヘルペスウイルス遺伝子の転写を引き起こす。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、約100μM、約90μM、約80μM、約75μM、約70μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、約20μM、約10μM、約5μM、約2μM、約1μM、約900nM、約800nM、約700nM、約600nM、約500nM、約400nM、約300nM、約200nM、約100nM、約75nM、約50nM、約20nM、または約10nMの濃度でウイルス遺伝子の転写を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、100μM未満、90μM未満、80μM未満、75μM未満、70μM未満、60μM未満、50μM未満、40μM未満、30μM未満、25μM未満、20μM未満、10μM未満、5μM未満、2μM未満、1μM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、75nM未満、50nM未満、20nM未満、または10nM未満の濃度でウイルス遺伝子の転写を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、100μMを超える、90μMを超える、80μMを超える、75μMを超える、70μMを超える、60μMを超える、50μMを超える、40μMを超える、30μMを超える、25μMを超える、20μMを超える、10μMを超える、5μMを超える、2μMを超える、1μMを超える、900nMを超える、800nMを超える、700nMを超える、600nMを超える、500nMを超える、400nMを超える、300nMを超える、200nMを超える、100nMを超える、75nMを超える、50nMを超える、20nMを超える、または10nMを超える濃度でウイルス遺伝子の転写を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、50nMを超え、かつ100nM未満でウイルス遺伝子の転写を誘発する。実施形態では、HDAC阻害剤は、200nMを超え、かつ500nM未満でウイルス遺伝子の転写を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、100nMを超え、かつ200nM未満でウイルス遺伝子の転写を誘発する。
【0057】
<ウイルス関連遺伝子を含む誘発遺伝子>
誘発剤(発現を誘発する薬剤)は、ウイルスゲノムに直接的に、または、ウイルスの発現に必要な細胞因子を通じて間接的に、作用してもよい。例えば、ウイルスの遺伝子発現は、ZTA、RTA、tat、およびtaxなどのウイルスの転写調節因子、AP-1、AP-2、Sp1、NF―κB、および他の転写活性化因子および/またはリプレッサー(抑制因子)などのセルの転写調節因子、コアクティベーターおよびコリプレッサー、ヒストンアセチル化物および脱アセチル化物、DNAメチル化酵素および脱メチル化酵素、癌遺伝子または、プロト癌遺伝子、または、タンパク質キナーゼC、の発現の調節によって調節することができる。これらのタンパク質は、特定のウイルスおよび/または他の細胞の遺伝要素の発現を制御し、それにより、制御するように作用する。本発明の方法によれば、それらの発現に対する制御は感染に対する制御に結びつく場合がある。ウイルス性および細胞性起源両方の、発現が誘発剤で調節されうる他の遺伝子産物は、プロテアーゼ、ポリメラーゼ、逆転写酵素、細胞表面受容体、主要組織適合抗原、成長因子、および、これらの産物の組み合わせ、を含んでいる。
【0058】
酪酸の存在下で発現または転写の制御が変更される、さらなる遺伝子は、癌遺伝子myc、ras、myb、ablおよびsrcを含む。これらの遺伝子産物の活性は、他の癌遺伝子の活性と同様に、Slamon, J.D., et al. 1984 Science 224:256-62に記載されている。増殖抑制作用はまた、血管新生因子の活性、産生または放出の遮断、転写の制御、を通じて腫瘍血管形成を抑制する能力、または、血管新生因子または成長因子、または、ホルモン制御のもとで遺伝子の転写を調整する能力、を含む。そのいずれかは、特に前立腺の新組織形成および乳癌の両方に対して、有効な治療になるだろう。転写および/または細胞分化に影響を及ぼすさらなる活性には、細胞内cAMPレベルの増加、ヒストンアセチル化の阻害、およびゲノムメチル化の阻害が含まれる。これらの活性の各々は、遺伝子発現に直接関係しており、発現の増加により、感染細胞を特異的な抗ウイルス薬に感作させることができる。
【0059】
他の実施形態では、誘発剤は、EBV感染腫瘍においてEBV-PK活性(BGLF4としても知られる)を誘発するHDAC阻害剤を含む。EBV-PK/BGLF4の発現は、細胞を抗ウイルス薬に感作させる。ある場合には、HDAC阻害剤はEBV-PKを誘発する。いくつかの場合では、HDAC阻害剤はEBV-TKおよび/またはEBV-PKを誘発する。いくつかの場合では、HDAC阻害剤はHSV-TKおよび/またはHSV-PKを誘発する。いくつかの場合では、HDAC阻害剤はCMV-TKおよび/またはCMV-PKを誘発する。
【0060】
本発明に係るインビトロの予備研究は、これらの薬剤を用いたEBV不死化B細胞および患者由来腫瘍細胞におけるEBV-TK活性の誘発が可能であることと、これらの以前に抵抗性だった細胞はガンシクロビル治療の影響を受けやすくされることと、を実証する。EBV-TK/EBV-PKの発現を誘発するために誘発剤を用いて、かつ、EBV-TK/EBV-PKを発現する腫瘍細胞を除去するためにGCVを用いて、EBVなどのウイルス関連腫瘍を有する患者を処置することは、有効で無毒な治療である。この治療レジメンは、腫瘍の原因である関連するウイルスゲノムに依存しない。理論に縛られることを望むものではないが、潜伏形態のEBVゲノムが存在するだけで、腫瘍をこの組み合わせプロトコルに対して影響を受けやすくすると考えられている。
【0061】
いくつかの実施形態では、誘発剤は、処置の24時間後に4倍を超えるウイルス遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、処置の24時間後に4倍を超えるTKまたはEBV-PK発現を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、約48時間後、約36時間後、約24時間後、約18時間後、約12時間後、約8時間後、約6時間後、約4時間後、約3時間後、約2時間後、約1時間後、あるいは約30分後に、ウイルス遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、48時間未満、36時間未満、24時間未満、18時間未満、12時間未満、8時間未満、6時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満または30分未満でウイルスの遺伝子発現を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、48時間を超え、36時間を超え、24時間を超え、18時間を超え、12時間を超え、8時間を超え、6時間を超え、4時間を超え、3時間を超え、2時間を超え、1時間を超え、または30分を超えてから、ウイルスの遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、30分を超え、かつ24時間未満の後に、ウイルス遺伝子発現を誘発する。
【0062】
特定の実施形態では、誘発剤は500nM未満の濃度で遺伝子発現を誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘発剤はHDAC阻害剤である。特定の実施形態では、誘発剤はEBV-TKまたはEBV-PKの発現を誘発することができる。特定の実施形態では、誘発剤はHSV-TKまたはHSV-PKの発現を誘発することができる。特定の実施形態では、誘発剤はCMV-TKまたはCMV-PKの発現を誘発することができる。特定の実施形態では、誘発剤は、約100μM、約90μM、約80μM、約75μM、約70μM、約60μM、約50μM、約40μM、約30μM、約25μM、約20μM、約10μM、約5μM、約2μM、約1μM、約900nM、約800nM、約700nM、約600nM、約500nM、約400nM、約300nM、約200nM、約100nM、約75nM、約50nM、約20nM、または約10nMの濃度で、遺伝子発現を誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘発剤は、100μM未満、90μM未満、80μM未満、75μM未満、70μM未満、60μM未満、50μM未満、40μM未満、30μM未満、25μM未満、20μM未満、10μM未満、5μM未満、2μM未満、1μM未満、900nM未満、800nM未満、700nM未満、600nM未満、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、100nM未満、75nM未満、50nM未満、20nM未満、または10nM未満の濃度で、遺伝子発現を誘発することができる。特定の実施形態では、誘発剤は、100μMを超える、90μMを超える、80μMを超える、75μMを超える、70μMを超える、60μMを超える、50μMを超える、40μMを超える、30μMを超える、25μMを超える、20μMを超える、10μMを超える、5μMを超える、2μMを超える、1μMを超える、900nMを超える、800nMを超える、700nMを超える、600nMを超える、500nMを超える、400nMを超える、300nMを超える、200nMを超える、100nMを超える、75nMを超える、50nMを超える、20nMを超える、または10nMを超える濃度で、遺伝子発現を誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘発剤は、50nMを超え、かつ100nM未満の濃度で、遺伝子発現を誘発することができる。特定の実施形態では、誘発剤は、200nMを超え、かつ500nM未満の濃度で、遺伝子発現を誘発することができる。いくつかの実施形態では、誘発剤は、100nMを超え、かつ200nM未満で、遺伝子発現を誘発することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、1時間を超えかつ6時間未満後に、ウイルス遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約12倍、約15倍、約20倍、約25倍、約30倍、約35倍、約40倍、約45倍、または、約50倍の、ウイルス遺伝子発現を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、2倍未満、3倍未満、4倍未満、5倍未満、6倍未満、7倍未満、8倍未満、9倍未満、10倍未満、12倍未満、15倍未満、20倍未満、25倍未満、30倍未満、35倍未満、40倍未満、45倍未満、または、50倍未満の、ウイルス遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、2倍を超える、3倍を超える、4倍を超える、5倍を超える、6倍を超える、7倍を超える、8倍を超える、9倍を超える、10倍を超える、12倍を超える、15倍を超える、20倍を超える、25倍を超える、30倍を超える、35倍を超える、40倍を超える、45倍を超える、または、50倍を超える、ウイルス遺伝子発現を誘発する。いくつかの実施形態では、HDAC阻害剤は、2倍を超えかつ50倍未満の、ウイルス遺伝子発現を誘発する。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、5倍を超えかつ40倍未満の、ウイルス遺伝子発現を誘発する。
【0064】
<抗ウイルス薬>
提供される本発明の組成物および方法において使用することができる抗ウイルス薬は、例えば、ウイルス感染細胞を深刻に損ない、衰弱させ、または、さもなければ破壊する、基質および基質アナログ、阻害剤、および他の薬剤を含みうる。基質アナログはアミノ酸アナログおよびヌクレオシドアナログを含む。基質は毒素または他の殺ウイルス性物質と結合することができる。阻害剤は、インテグラーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤、および、逆転写酵素阻害薬などの転写酵素阻害剤、を含む。
【0065】
提供される本発明の組成物および方法において使用することができる抗ウイルス薬には、例えば、ガンシクロビル、バルガンシクロビル、オセルタミビル(タミフル(商標))、ザナミビル(リレンザ(商標))、アバカビル、アシクロビル、アシクロビル、アデフォビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリゲン(ampligen)、アルビドール(arbidol)、アタザナビル、アトリプラ、ボセプレビル、シドフォビル、コンビビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、融合阻害剤(例えばエンフビルチド)、イバシタビン、イムノビル(imunovir)、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インテグラーゼ阻害剤、インターフェロンタイプIII、インターフェロンタイプII、インターフェロンタイプ、インターフェロンI、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド(loviride)、マラビロク、モロキシジン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネクサビル(nexavir)、ヌクレオシドアナログ、ペグインターフェロンアルファ2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、プロテアーゼ阻害剤、ラルテグラビル、逆転写酵素阻害薬、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピリミジン、抗ウイルス性、サキナビル、スタブジン、相乗効果エンハンサー(抗レトロウイルス)、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル(バルトレックス(商標))、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビンおよびジドブジン、が含まれ得る。
【0066】
特定の実施形態では、抗ウイルス薬はアシクロビル、ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルである。
【0067】
幾つかの実施形態において、抗ウイルス薬は、ヌクレオシドアナログである。ヌクレオシドアナログの例には、アシクロビル(ACV)、ガンシクロビル(GCV)、バルガンシクロビル、ファムシクロビル、ホスカルネット、リバビリン、ザルシタビン(ddC)、ジドブジン(AZT)、スタブジン(D4T)、ラミブジン(3TC)、ジダノシン(ddI)、シタラビン、ジデオキシアデノシン、エドクスジン、フロクスウリジン、イドクスウリジン、イノシンプラノベクス、2’-デオキシ-5-(メチルアミノ)ウリジン、トリフルリジンおよびビダラビン、が含まれる。ヒト治療において特に有望ないくつかのプロテアーゼ阻害剤の例には、サキニビル、リトナビルおよびインジナビルが含まれる。他の抗ウイルス薬は、精製または組み換え生産が可能な、インターフェロン(例えば、α、β、γ-インターフェロン)、腫瘍壊死因子(TNF)またはインターロイキンなどのサイトカイン、細胞受容体および成長因子アンタゴニスト、を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は、3000mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は、約10mg/日、約20mg/日、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日、約1000mg/日、約1200mg/日、約1250mg/日、約1400mg/日、約1500mg/日、約1600mg/日、約1750mg/日、約1800mg/日、約1900mg/日、約2000mg/日、約2250mg/日、約2500mg/日、約2750mg/日、約3000mg/日、約3250mg/日、約3500mg/日、約3750mg/日、約4000mg/日、約4250mg/日、約4500mg/日、約4750mg/日、または約5000mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、10mg/日未満、20mg/日未満、50mg/日未満、100mg/日未満、150mg/日未満、200mg/日未満、250mg/日未満、300mg/日未満、350mg/日未満、400mg/日未満、450mg/日未満、500mg/日未満、600mg/日未満、700mg/日未満、800mg/日未満、900mg/日未満、1000mg/日未満、1200mg/日未満、1250mg/日未満、1400mg/日未満、1500mg/日未満、1600mg/日未満、1750mg/日未満、1800mg/日未満、1900mg/日未満、2000mg/日未満、2250mg/日未満、2500mg/日未満、2750mg/日未満、3000mg/日未満、3250mg/日未満、3500mg/日未満、3750mg/日未満、4000mg/日未満、4250mg/日未満、4500mg/日未満、4750mg/日未満、または5000mg/日未満、の用量で投与される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、10mg/日を超える、20mg/日を超える、50mg/日を超える、100mg/日を超える、150mg/日を超える、200mg/日を超える、250mg/日を超える、300mg/日を超える、350mg/日を超える、400mg/日を超える、450mg/日を超える、500mg/日を超える、600mg/日を超える、700mg/日を超える、800mg/日を超える、900mg/日を超える、1000mg/日を超える、1200mg/日を超える、1250mg/日を超える、1400mg/日を超える、1500mg/日を超える、1600mg/日を超える、1750mg/日を超える、1800mg/日を超える、1900mg/日を超える、2000mg/日を超える、2250mg/日を超える、2500mg/日を超える、2750mg/日を超える、3000mg/日を超える、3250mg/日を超える、3500mg/日を超える、3750mg/日を超える、4000mg/日を超える、4250mg/日を超える、4500mg/日を超える、4750mg/日を超える、または5000mg/日を超える用量で投与される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、10mg/日を超えかつ5000mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は、200mg/日を超えかつ1000mg/日未満の用量で投与される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、一日に1回(q.d.)、一日に2回(b.i.d.)、または一日に3回(t.i.d.)投与される。いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬は、毎日、週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、または、週に5回、投与される。
【0069】
特定の実施形態では、抗ウイルス薬はガンシクロビルである。いくつかの実施形態では、ガンシクロビルは、3000mg/日の一日の総用量で投与される。特定の実施形態では、ガンシクロビルは、一日に3回、1000mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、ガンシクロビルは、約100mg/日、約250mg/日、約500mg/日、約750mg/日、約1000mg/日、約1500mg/日、約2000mg/日、約2500mg/日、約3000mg/日、約3500mg/日、または約4000mg/日の用量で投与される。特定の実施形態では、ガンシクロビルは、100mg/日未満、250mg/日未満、500mg/日未満、750mg/日未満、1000mg/日未満、1500mg/日未満、2000mg/日未満、2500mg/日未満、3000mg/日未満、3500mg/日未満、または4000mg/日未満、の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ガンシクロビルは、100mg/日を超える、250mg/日を超える、500mg/日を超える、750mg/日を超える、1000mg/日を超える、1500mg/日を超える、2000mg/日を超える、2500mg/日を超える、3000mg/日を超える、3500mg/日を超える、または4000mg/日を超える用量で投与される。特定の実施形態では、ガンシクロビルは、500mg/日を超えかつ4000mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ガンシクロビルは、1000mg/日を超えかつ3000mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、ガンシクロビルは1日に1回、1日に2回、または、1日に3回、投与される。特定の実施形態では、ガンシクロビルは週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、または毎日、投与される。
【0070】
いくつかの実施形態では、抗ウイルス薬はバルガンシクロビルである。特定の実施形態では、バルガンシクロビルは、900mg/日の一日の総用量で投与される。実施形態では、バルガンシクロビルは、一日に1回、900mgの用量で投与される。特定の実施形態では、バルガンシクロビルは、1800mg/日の一日の総用量で投与される。いくつかの実施形態では、バルガンシクロビルは、一日に3回、900mgの用量で投与される。
【0071】
いくつかの実施形態では、バルガンシクロビルは、約100mg/日、約200mg/日、約300mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、約800mg/日、約900mg/日、約1000mg/日、約1100mg/日、約1200mg/日、約1300mg/日、約1400mg/日、約1500mg/日、約1600mg/日、約1700mg/日、約1800mg/日、約1900mg/日、または、約2000mg/日、の用量で投与される。特定の実施形態では、バルガンシクロビルは、100mg/日未満、200mg/日未満、300mg/日未満、400mg/日未満、500mg/日未満、600mg/日未満、700mg/日未満、800mg/日未満、900mg/日未満、1000mg/日未満、1100mg/日未満、1200mg/日未満、1300mg/日未満、1400mg/日未満、1500mg/日未満、1600mg/日未満、1700mg/日未満、1800mg/日未満、1900mg/日未満、または、2000mg/日未満、の用量で投与される。いくつかの実施形態では、バルガンシクロビルは、100mg/日を超える、200mg/日を超える、300mg/日を超える、400mg/日を超える、500mg/日を超える、600mg/日を超える、700mg/日を超える、800mg/日を超える、900mg/日を超える、1000mg/日を超える、1100mg/日を超える、1200mg/日を超える、1300mg/日を超える、1400mg/日を超える、1500mg/日を超える、1600mg/日を超える、1700mg/日を超える、1800mg/日を超える、1900mg/日を超える、または、2000mg/日を超える用量で投与される。特定の実施形態では、バルガンシクロビルは、100mg/日を超えかつ2000mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、バルガンシクロビルは、500mg/日を超えかつ1500mg/日未満の用量で投与される。いくつかの実施形態では、バルガンシクロビルは1日に1回、1日に2回、1日に3回、または、1日に3回、投与される。特定の実施形態では、バルガンシクロビルは週に1回、週に2回、週に3回、週に4回、週に5回、または毎日、投与される。
【0072】
特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、熱ショックタンパク質阻害剤、免疫抑制剤、抗生物質、グルココルチコイド、非ステロイド抗炎症剤、Cox-2-特異阻害剤、または、TNF-α結合タンパク質、ではない。関連する実施形態では、抗ウイルス薬は、Hsp90阻害剤、タクロリムス、シクロスポリン、ラパマイシン(シロリムス)、メトトレキサート、シクロホスファミド、アザチオプリン、メルカプトプリン、ミコフェノール酸塩、FTY720、レボフロキサシン、アモキシシリン、プレドニゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニソロン、デクサメタゾーン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン、サリチル酸塩、アリールアルカン酸、2-アリールプロピオン酸、N-アリールアントラニル酸、オキシカム、コキシブ、スルホンアニリド、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ、レフルノミド、金チオグルコース、金チオリンゴ酸、オーロフィン(aurofin)スルファサラジン、ヒドロキシクロロキニン(hydroxychloroquinine)、ミノサイクリン、インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、アバタセプト、アナキンラ、インターフェロン-β、インターフェロン-γ、インターロイキン2、アレルギーワクチン、抗ヒスタミン剤、抗ロイコトリエン剤、ベータアゴニスト、テオフィリン、または、抗コリン作用薬、ではない。
【0073】
<追加の薬剤>
提供される本発明の方法は、ウイルス誘発剤、および抗ウイルス薬、および1つ以上の追加の活性薬剤を被験体に投与する工程を含むことができる。追加の薬剤は、被験体が持つ又は持つ疑いのあるウイルス性、ウイルス誘発性、または炎症性の疾患のタイプに基づいて選択され得る。追加の薬剤は、例えば、別の抗ウイルス薬、別のウイルス誘発剤、ワクチン、または抗癌剤を含むことができる。例えば、多発性硬化症の被験体は、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、およびワクチン、例えば、ミエリン塩基性タンパク質を含むワクチンを投与され得る。別の例では、糖尿病の被験体は、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、およびワクチン、例えば、抗原を含むワクチンを投与され得る。幾つかの実施形態では、追加の薬剤は抗癌剤である。特定の実施形態では、抗癌剤は化学療法の抗癌剤である。化学療法の抗癌剤の例は、限定されないが、ナイトロジェンマスタード;スルホン酸アルキル;エチレンイミン;ニトロソ尿素;エポキシド;他のアルキル化剤;葉酸アナログ;プリンアナログ;ピリミジンアナログ;ビンカアルカロイド;ポドフィロトキシン誘導体;コルヒチン誘導体;タキサン;他の植物アルカロイドおよび天然物;アクチノマイシン;アントラサイクリン(antracyclines);他の抗悪性腫瘍性抗生物質;白金化合物;メチルヒドラジン;感作物質;タンパク質キナーゼ阻害剤;他の抗悪性腫瘍薬;エストロゲン;プロゲストゲン;ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ;抗エストロゲン;抗アンドロゲン;酵素阻害剤;他のホルモン拮抗薬;免疫賦活薬;免疫抑制剤;カルシニューリン阻害剤;および放射性医薬品を含む。幾つかの実施形態では、抗癌剤は、毒素、例えば、ジフテリア毒素である。幾つかの実施形態では、抗癌剤は抗体である。幾つかの実施形態では、抗体は、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、またはヒト化であるか、あるいは放射性同位体、毒素、または細胞毒性の化学物質に結合される。幾つかの実施形態では、抗癌抗体は、CD20、CD22、CD30、CD40、CD52に向けられる。幾つかの実施形態では、抗癌抗体は、リツキシマブ、ベルツズマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、GA-101、エプラツズマブ、90Y-エプラツズマブ、テトラキセタン、イノツズマブ オゾガマイシン、BL22、HA22、ダセツズマブ、ルカツムマブ、SGN-30、ブレンツキシマブベドチン、ブリナツモマブ、イブルチニブ(ibritunib)、レナリドミド、ペルツズマブ、トラスツズマブ、マパツズマブ、ジェムツツマブオゾガミシン、トシツモマブ、イブリツモマブチウクセタン、ベバシズマブ、ボロシキシマブ、エタラシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、デノスマブ、シブロツズマブ、IGN101、アデカツムマブ(adecatumumab)、ラベツズマブ、ペムツモマブ(pemtumomab)、オレゴボマブ、ファーレツズマブ、CC49(ミンレツモマブ(minretumomab))、cG250、J591、IM-2C6、CDP791、hu3S193およびIgN311、KB004、IIIA4、およびマパツズマブ(HGS-ETR1)である。
【0074】
特定の実施形態では、追加の薬剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。NSAIDは、例えば、アスピリン(Anacin(商標)、Ascriptin(商標)、Bayer(商標)、バファリン(商標)、Ecotrin(商標)、エキセドリン(商標)、コリンおよびサリチル酸マグネシウム(CMT(商標)、Tricosal(商標)、Trilisate(商標))、サリチル酸コリン(Arthropan(商標))、セレコキシブ(Celebrex(商標))、ジクロフェナクカリウム(Cataflam(商標))、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン(商標)、Voltaren XR(商標))、ミソプロストールを有するジクロフェナクナトリウム(Arthrotec(商標))、ジフルニサル(Dolobid(商標))、エトドラク(Lodine(商標)、Lodine XL(商標)、フェノプロフェンカルシウム(Nalfon(商標))、フルルビプロフェン(Ansaid(商標))、イブプロフェン(アドビル(商標)、モトリン(商標)、Motrin IB(商標))、Nuprin(商標)、インドメタシン(インドシン(商標)、Indocin SR(商標))、ケトプロフェン(Actron(商標)、オルヂス(商標)、Orudis KT(商標))、Oruvail(商標))、サリチル酸マグネシウム(Arthritab(商標))、Bayer Select(商標)、Doan's Pills(商標)、Magan(商標)、Mobidin(商標)、Mobogesic(商標)、メクロフェナム酸ナトリウム(メクロメン(商標))、メフェナム酸(Ponstel(商標))、メロキシカム(モービック(商標))、ナブメトン(Relafen(商標))、ナプロキセン(ナプロシン(商標)、Naprelan(商標))、ナプロキセンナトリウム(Aleve(商標)、アナプロックス(商標)、オキサプロジン(Daypro(商標))、ピロキシカム(フェルデン(商標))、ロフェコキシブ(バイオックス(商標))、サルサレート(Amigesic(商標)、Anaflex 750(商標)、Disalcid(商標)、Marthritic(商標)、Mono--Gesic(商標)、Salflex(商標)、Salsitab(商標))、サリチル酸ナトリウム(様々な同種医薬品)、スリンダク(クリノリル(商標))、トルメチンナトリウム(トレクチン(商標))、バルデコキシブ(ベクストラ(商標))を含む。
【0075】
幾つかの実施形態では、追加の薬剤は脂質低下薬である。特定の実施形態では、脂質低下薬はスタチンである。スタチンの例としては、限定されないが、Advicor(登録商標)(ナイアシン持続放出/ロバスタチン)、Altoprev(登録商標)(ロバスタチン持続放出)、Caduet(登録商標)(アムロジピンおよびアトルバスタチン)、Crestor(登録商標)(ロスバスタチン)、Lescol(登録商標)(フルバスタチン)、Lescol XL(フルバスタチン持続放出)、リピトール(登録商標)(アトルバスタチン)、Mevacor(登録商標)(ロバスタチン)、Pravachol(登録商標)(プラバスタチン)、Simcor(登録商標)(ナイアシン持続放出/シンバスタチン)、Vytorin(登録商標)(エゼチミブ/シンバスタチン)、およびZocor(登録商標)(シンバスタチン)が挙げられる。脂質低下薬は、アテローム性動脈硬化症を有しているか又は有している疑いのある被験体に投与され得る。例えば、サイトメガロウイルス誘発性のアテローム性動脈硬化症の被験体は、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、またはプラバスタチンを含むことができる追加の薬剤に投与され得る。
【0076】
特定の実施形態では、追加の薬剤は免疫抑制薬である。免疫抑制薬は、例えば、イムノフィリンに作用するグルココルチコイド、抗体、細胞分裂阻害剤、および薬物を含む。グルココルチコイドは、例えば、プレドニゾロン、プレドニゾン、またはメチルプレドニゾロンを含むことができる。細胞分裂阻害剤は、例えば、核酸合成に干渉する薬剤、例えば、葉酸、ピリミジンアナログ、およびプリンアナログを含むことができる。免疫抑制薬として使用され得る葉酸アナログは、メトトレキサートであり、これはジヒドロ葉還元酵素と結合し、テトラヒドロ葉酸塩の合成を防ぐことができる。別の細胞分裂阻害剤は、アザチオプリンであり、これは、非酵素的に切断されて、プリンアナログとして作用することができる、メルカプトプリンを形成することができる。細胞分裂阻害剤は、例えば、シクロホスファミドおよびニトロソ尿素を含む、例えば、アルキル化剤を含むことができる。細胞分裂阻害剤は白金化合物であり得る。他の細胞分裂阻害剤は、例えば、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、およびミトラマイシンを含む抗悪性腫瘍性抗生物質を含む。免疫抑制剤であり得る抗体の例としては、例えば、ウサギまたはウマからの、例えば、異種のポリクローナル抗体が挙げられる。他の抗体は、特異抗原に向けられたモノクローナル抗体、例えば、T細胞受容体に向けられた抗体(例えば、CD3を標的とする、OKT3、ムロモナブ)、およびIL-2受容体に向けられた抗体(例えば標的CD25)を含む。イムノフィリンに作用することができる薬物は、例えば、シクロスポリン、タクロリムス(プログラフ)、シロリムス(ラパマイシン、ラパミューン)を含む。免疫抑制薬として作用することができる他の薬物は、例えば、ミコフェノール酸塩(ミコフェノール酸)、インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、フィンゴリモド、ミリオシン、およびシクロスポリンを含む。
【0077】
追加の薬剤は、例えば、FK506、モノクローナル抗体、抗T細胞モノクローナル抗体、抗B細胞モノクローナル抗体、またはTNF阻害剤であり得る。モノクローナル抗体は、抗B細胞抗体であり得る。抗B細胞抗体は抗CD20であり得る。TNF阻害剤は、インフリキシマブ(レミケード(商標))、エタネルセプト(エンブレル(商標))、アダリムマブ(ヒュミラ(商標))、または抗IL-6抗体であり得る。
【0078】
自己免疫性疾患の被験体は、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、および追加の薬剤を投与され得、ここで追加の薬剤は、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、シクロホスファミド、FK506、タクロリムス、モノクローナル抗体、抗T細胞モノクローナル抗体、抗B細胞モノクローナル抗体、IL-2受容体抗体、またはTNF阻害剤を含む。
【0079】
追加の薬剤は、グラチラマー酢酸塩(Copaxone(商標))、ナタリズマブ(タイサブリ(商標))、ミトキサントロン(Novantrone(商標))、クラドリビン、またはCampath抗体であり得る。例えば、多発性硬化症の被験体は、グラチラマー酢酸塩、ミトキサントロン、ナタリズマブ、クラドリビン、またはCampath抗体を含むことができる追加の薬剤を投与され得る。
【0080】
<ウイルスおよびウイルス誘発性の疾患のタイプ>
本明細書に提供される方法および組成物は、ウイルス感染を処置する及び/又は予防するために使用され得る。感染を引き起こすウイルスは、ヘルペスウイルス属のメンバー、ヒト免疫不全ウイルス、パルボウイルス、またはコクサッキーウイルスであり得る。ヘルペスウイルス属のメンバーは、単純ヘルペスウイルス、陰部ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型、ヒトヘルペスウイルス8型、またはサイトメガロウイルスであり得る。被験体は、サイトメガロウイルスまたは単純ヘルペスウイルス感染に関連付けられる冠状動脈疾患を有し得る。被験体は、エプスタイン・バーウイルス感染に関連付けられる自己免疫性疾患を有し得る。被験体は、エプスタイン・バーウイルス感染に関連付けられるリンパ腫または他の癌を有し得る。被験体は、ヒトヘルペスウイルス8型感染に関連付けられるリンパ腫または他の癌を有し得る。被験体は、単純ヘルペスウイルス感染に関連付けられる自己免疫性疾患を有し得る。被験体は、単純ヘルペスウイルスに関連付けられる癌を有し得る。被験体は、サイトメガロウイルス感染に関連付けられる自己免疫性疾患を有し得る。被験体は、サイトメガロウイルス感染に関連付けられるリンパ腫または他の癌を有し得る。
【0081】
幾つかの実施形態では、ウイルス性、ウイルス誘発性の疾患は、HIV、HTLV1および2などの、レトロウイルスによって引き起こされる。特定の実施形態では、ウイルス性、ウイルス誘発性の疾患は、ヘルペスウイルスなどのDNAウイルスによって引き起こされる。幾つかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、カポジ肉腫ウイルス(ヒトヘルペスウイルス8型)、BKウイルス、または肝炎ウイルスである。特定の実施形態では、ウイルス誘発性またはウイルス関連の疾患は、癌である。幾つかの実施形態では、ウイルス誘発性またはウイルス関連の癌は、リンパ腫、慢性リンパ球白血病、AIDSリンパ腫、NK/T細胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、鼻咽頭癌、胃癌、またはカポジ肉腫である。他の実施形態では、ウイルス誘発性またはウイルス関連の疾患は、自己免疫性疾患である。特定の実施形態では、自己免疫性疾患は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、または多発性硬化症である。
【0082】
本明細書に記載される方法および組成物は、例えば、エーベルソン白血病ウイルス、エーベルソンマウス白血病ウイルス、エーベルソンウイルス、急性喉頭気管支炎ウイルス、アデレードリバー(Adelaide River)ウイルス、アデノ随伴ウイルスウイルス群、アデノウイルス、アフリカ馬疫ウイルス、アフリカ豚コレラウイルス、AIDSウイルス、アリューシャンミンク病パルボウイルス(Aleutian mink condition parvovirus)、アルファレトロウイルス、アルファウイルス、ALV関連ウイルス、アマパリウイルス、アフタウイルス、アクアレオウイルス、アルボウイルス、アルボウイルスC、アルボウイルス群A、アルボウイルス群B、アレナウイルス属群、アルゼンチン出血熱ウイルス(Argentine hemorrhagic fever virus)、アルゼンチン出血熱ウイルス(Argentine haemorrhagic fever virus)、アルテリウイルス、アストロウイルス、アテリンヘルペスウイルス群(Ateline herpesvirus group)、オーエスキー病ウイルス、アウラウイルス、オースダク病ウイルス(Ausduk condition virus)、オーストラリアコウモリリッサウイルス(Australian bat lyssavirus)、アビアデノウイルス、ニワトリ赤芽球症ウイルス、ニワトリ伝染性気管支炎ウイルス、トリ白血病ウイルス、ニワトリ白血病ウイルス、鳥類のリンパ腫症ウイルス、トリ骨髄芽球症ウイルス、トリパラミクソウイルス、トリ肺脳炎ウイルス(avian pneumoencephalitis virus)、トリ細網内皮症ウイルス、トリ肉腫ウイルス、トリ型Cレトロウイルス群(avian type C retrovirus group)、トリヘパドナウイルス、アビポックスウイルス、Bウイルス、B19ウイルス、ババンキウイルス(Babanki virus)、ヒヒヘルペスウイルス(baboon herpesvirus)、バキュロウイルス、バーマフォレストウイルス、ベバルウイルス、ベリマーウイルス(Berrimah virus)、ベータレトロウイルス、ビルナウイルス、ビットナーウイルス、BKウイルス、ブラッククリークカナルウイルス、ブルータングウイルス、ボリビア出血熱ウイルス、ボーマ病ウイルス(Boma condition virus)、羊のボーダー病ウイルス(border condition of sheep virus)、ボルナウイルス、ウシアルファヘルペスウイルス1、ウシアルファヘルペスウイルス2、ウシコロナウイルス、ウシ流行熱ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシ乳頭炎ウイルス、ウシパピローマウイルス、ウシ丘疹性口内炎ウイルス、ウシパルボウイルス、ウシシンシチアウイルス、ウシ型Cオンコウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、バギークリークウイルス(Buggy Creek virus)、弾丸型ウイルス群(bullet shaped virus group)、ブニヤムウェラウイルス超群、ブンヤウイルス、バーキットリンパ腫ウイルス、ブワンバ熱、CAウイルス、カリチウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ラクダ痘ウイルス、カナリア痘ウイルス、イヌヘルペスウイルス(canid herpesvirus)、イヌコロナウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌヘルペスウイルス(canine herpesvirus)、イヌ微小ウイルス(canine minute virus)、イヌパルボウイルス、Cano Delgaditoウイルス(Cano Delgadito virus)、ヤギ関節炎ウイルス、ヤギ脳炎ウイルス、ヤギヘルペスウイルス、カプリポックスウイルス、カルジオウイルス、テンジクネズミ科ヘルペスウイルス1、オナガザル科ヘルペスウイルス1(Cercopithecid herpesvirus 1)、オナガザルヘルペスウイルス1、オナガザルヘルペスウイルス2、チャンディプラウイルス、チャングイノラウイルス、アメリカナマズウイルス、チャールビルウイルス(Charleville virus)、水痘ウイルス、チクングニヤウイルス、チンパンジーヘルペスウイルス、チャブレオウイルス(chub reovirus)、シロザケウイルス(chum salmon virus)、球菌ウイルス、ギンザケレオウイルス(Coho salmon reovirus)、媾疹ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス、コルティウイルス、コロンビアSKウイルス、かぜウイルス、伝染性膿瘡ウイルス、伝染性膿胞性皮膚炎ウイルス、コロナウイルス、コリパルタウイルス、コリーザウイルス(coryza virus)、牛痘ウイルス、コクサッキーウイルス、CPV(細胞質多角体病ウイルス)、コオロギ麻痺ウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、クルップ随伴ウイルス、種子伝染性潜伏ウイルス、サイポウイルス、サイトメガロウイルス、サイトメガロウイルス群、細胞質多角体病ウイルス、シカパピローマウイルス、デルタレトロウイルス、デング熱ウイルス、デンソウイルス、ディペンドウイルス、ドーリウイルス、ジプロルナウイルス、ショウジョウバエCウイルス、アヒルB型肝炎ウイルス、アヒル肝炎ウイルス1、アヒル肝炎ウイルス2、ドゥオウイルス(duovirus)、ドゥベンヘイジウイルス(Duvenhage virus)、チヂレバネウイルス(Deformed wing virus)DWV、東部ウマ脳炎ウイルス、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、EBウイルス、エボラウイルス、エボラ様ウイルス、エコーウイルス(echo virus)、エコーウイルス(echovirus)、エコーウイルス10、エコーウイルス28、エコーウイルス9、エクトロメリアウイルス、EEEウイルス、EIAウイルス、EIAウイルス、脳炎ウイルス、脳心筋炎群ウイルス、脳心筋炎ウイルス、エンテロウイルス、酵素上昇ウイルス(enzyme elevating virus)、酵素上昇ウイルス(LDH)、流行性出血熱ウイルス、流行性出血性疾患ウイルス(epizootic hemorrhagic condition viru)、エプスタイン・バーウイルス、ウマ科アルファヘルペスウイルス1、ウマ科アルファヘルペスウイルス4、ウマ科ヘルペスウイルス2、ウマ流産ウイルス、ウマ動脈炎ウイルス、ウマの脳症ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウマモービリウイルス、ウマ鼻腔肺炎ウイルス、ウマリノウイルス、Eubenanguウイルス(Eubenangu virus)、ヨーロッパヘラジカパピローマウイルス(European elk papillomavirus)、ヨーロッパブタ熱ウイルスウイルス(European swine fever virus)、エバーグレーズウイルス、Eyachウイルス(Eyach virus)、ネコ科ヘルペスウイルス1、ネコカリチウイルス、ネコ線維肉腫ウイルス、ネコヘルペスウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ネコ白血病/肉腫ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコパルボウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコのシンシチアウイルス、フィロウイルス、フランダースウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、フォートモーガンウイルス(Fort Morgan virus)、フォーコーナーズハンタウイルス、トリアデノウイルス1、鶏痘ウイルス、フレンドウイルス、ガンマレトロウイルス、GB肝炎ウイルス、GBウイルス、風疹ウイルス、ゲタウイルス、テナガザル白血病ウイルス、腺熱ウイルス、ヤギ痘ウイルス、ゴールデンシャイナーウイルス(golden shinner virus)、ゴノメタウイルス(Gonometa virus)、ガチョウパルボウイルス、顆粒病ウイルス、グロスウイルス、地リスB型肝炎ウイルス、A群アルボウイルス、グアナリトウイルス、モルモット-サイトメガロウイルス、モルモットC型ウイルス、ハンタンウイルス、ハンタウイルス、ホンビノスガイレオウイルス(hard clam reovirus)、野兎線維腫ウイルス、HCMV(ヒト-サイトメガロウイルス)、赤血球吸着ウイルス2、センダイウイルス、出血熱ウイルス、ヘンドラウイルス、ヘニパウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス群、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、非A-非B型肝炎ウイルス、肝炎ウイルス、肝炎ウイルス(ヒト以外)、肝炎脳脊髄炎レオウイルス3(hepatoencephalomyelitis reovirus 3)、ヘパトウイルス、サギB型肝炎ウイルス、ヘルペスBウイルス、単純ヘルペスウイルス、単純疱疹ウイルス1、単純疱疹ウイルス2、ヘルペスウイルス、ヘルペスウイルス7ヘルペスウイルス‐アテレス、ヘルペスウイルス・ホミニス、ヘルペスウイルス感染、ヘルペスウイルスサイミリ、ヘルペスウイルス・スイス、ヘルペスウイルス水痘(Herpesvirus varicellae)、ハイランドスJウイルス(Highlands J virus)、ヒラメラブドウイルス、豚コレラウイルス、ヒトアデノウイルス2、ヒトアルファヘルペスウイルス1、ヒトアルファヘルペスウイルス2、ヒトアルファヘルペスウイルス3、ヒトBリンパ球指向性ウイルス、ヒトベータヘルペスウイルス5、ヒトコロナウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトフォーミーウイルス、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトガンマヘルペスウイルス6、ヒトA型肝炎ウイルス、ヒトヘルペスウイルス1群、ヒトヘルペスウイルス2群、ヒトヘルペスウイルス3群、ヒトヘルペスウイルス4群、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス8、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、ヒトパピローマウイルス、ヒトT細胞白血球ウイルス、ヒトT細胞白血球ウイルスI、ヒトT細胞白血球ウイルスII、ヒトT細胞白血球ウイルスIII、ヒトT細胞リンパ腫ウイルスI、ヒトT細胞リンパ腫ウイルスII、ヒトT細胞リンパ球指向性ウイルス1型、ヒトT細胞リンパ球指向性ウイルス2型 ヒトTリンパ球指向性ウイルスI、ヒトTリンパ球指向性ウイルスII、ヒトTリンパ球指向性ウイルスIII、イクノウイルス(Ichnovirus)、乳児胃腸炎ウイルス、ウシ伝染性鼻気管炎ウイルス、伝染性造血器壊死症ウイルス、伝染性膵臓壊死症ウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、インフルエンザウイルスD、インフルエンザウイルスpr8、昆虫虹彩ウイルス(insect iridescent virus)、昆虫ウイルス、イリドウイルス、日本Bウイルス、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、フニンウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、ケメロボウイルス、キルハムラットウイルス、クラマスウイルス(Klamath virus)、コロンゴウイルス(Kolongo virus)、韓国型出血熱ウイルス、クンバウイルス(kumba virus)、キァサヌール森林病ウイルス(Kysanur forest condition virus)、キジラガチウイルス(Kyzylagach virus)、ラクロスウイルス、乳酸デヒドロゲナーゼ上昇ウイルス、乳酸脱水素酵素ウイルス、ラゴスコウモリウイルス、ラングールウイルス(Langur virus)、ラピーヌパルボウイルス、ラッサ熱ウイルス、ラッサウイルス、潜伏性ラットウイルス、LCMウイルス、 リーキーウイルス(Leaky virus)、レンチウイルス、レポリポックスウイルス属、白血病ウイルス、白血病ウイルス、ランピースキン病ウイルス、リンパ節症関連ウイルス、リンホクリプトウイルス、リンパ球脈絡髄膜炎ウイルス、リンパ増殖性ウイルス群、マクポウイルス、 狂犬病恐怖症ウイルス(mad itch virus)、哺乳動物B型オンコウイルス群、哺乳動物B型レトロウイルス、哺乳動物C型レトロウイルス群、哺乳動物D型レトロウイルス、乳癌ウイルス、マプエラウイルス(Mapue
ra virus)、マールブルグウイルス、マールブルク様ウイルス、マソン・ファイザー・サルウイルス、マストアデノウイルス、マヤロウイルス、MEウイルス、麻疹ウイルス、メナングルウイルス、メンゴウイルス(Mengo virus)、メンゴウイルス(Mengovirus)、ミデルブルグウイルス(Middelburg virus)、搾乳者小節ウイルス(milkers nodule virus)、ミンク腸炎ウイルス、マウスの微小ウイルス、MLV関連ウイルス、MMウイルス、モコラウイルス(Mokola virus)、モルシポックスウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、サルBウイルス、サル痘ウイルス、モノネガウイルス目、モルビリウイルス、マウントエルゴンコウモリウイルス、マウス-サイトメガロウイルス、マウス脳脊髄炎ウイルス、マウス肝炎ウイルス、マウスKウイルス、マウス白血病ウイルス、マウス乳腺腫瘍ウイルス、マウス微小ウイルス、マウス肺炎ウイルス、マウスポリオウイルス、マウスポリオーマウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス痘ウイルス、モザンビークウイルス(Mozambique virus)、ムカンボウイルス、粘膜病ウイルス、ムンプスウイルス、ネズミベータヘルペスウイルス1、ネズミサイトメガロウイルス2、マウス(murine)サイトメガロウイルス群、マウス脳脊髄炎ウイルス、マウス肝炎ウイルス、マウス白血病ウイルス、マウス小結節誘発ウイルス、マウスポリオーマウイルス、マウス肉腫ウイルス、ムロメガロウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、ミキソーマウイルス、ミクソウイルス、多形性ミクソウイルス(Myxovirus multiforme)、流行性耳下腺炎ウイルス(Myxovirus parotitidis)、ナイロビヒツジ病ウイルス、ナイロウイルス、ナニルナウイルス(Nanirnavirus)、ナリバウイルス(Nariva virus)、ンデュモウイルス(Ndumo virus)、ニースリングウイルス(Neethling virus)、ネルソンベイウイルス(Nelson Bay virus)、神経向性ウイルス、新世界アレナウイルス、新生児肺炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、ニパウイルス、非細胞病原性ウイルス(noncytopathogenic virus)、ノーウォークウイルス、核多角体病ウイルス(NPV)、ニップルネックウイルス(nipple neck virus)、オニョンニョンウイルス、オケルボウイルス(Ockelbo virus)、腫瘍ウイルス、発癌性ウイルス様粒子(oncogenic viruslike particle)、オンコルナウイルス、オルビウイルス、オルフウイルス、オロポーシェウイルス、オルトヘパドナウイルス、オルトミクソウイルス、オルソポックスウイルス、オルトレオウイルス、オルンゴ(Orungo)、ヒツジパピローマウイルス、ヒツジカタル熱ウイルス、ヨザルヘルペスウイルス、パリアムウイルス、パピローマウイルス、ワタオウサギパピローマウイルス(Papillomavirus sylvilagi)、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、パラインフルエンザウイルス2型、パラインフルエンザウイルス3型、パラインフルエンザウイルス4型、パラミクソウイルス、パラポックスウイルス、パラワクシニアウイルス、パルボウイルス、パルボウイルスB19、パルボウイルス群、ペスチウイルス、フレボウイルス、アザラシジステンパーウイルス、ピコドナウイルス、ピコルナウイルス、ブタサイトメガロウイルス-鳩痘ウイルス、ピリウイルス、ピクスナウイルス、マウスの肺炎ウイルス、ニューモウイルス、ポリオウイルス、ポリオウイルス、ポリドナウイルス、多角体病ウイルス、ポリオーマウイルス(polyoma virus)、ポリオーマウイルス(Polyomavirus)、ポリオーマウイルスボビス(Polyomavirus bovis)、オナガザルヘルポリオーマウイルス、ポリオーマウイルスホミニス2、ポリオーマウイルスマカカエ1(Polyomavirus maccacae 1)、ポリオーマウイルスムリス1(Polyomavirus muris 1)、ポリオーマウイルスムリス2、ポリオーマウイルスパピオニス1(Polyomavirus papionis 1)、ポリオーマウイルスパピオニス2、ワタオウサギポリオーマウイルス(Polyomavirus sylvilagi)、オランウータンヘルペスウイルス1(Pongine herpesvirus 1)、ブタ伝染性下痢ウイルス、ブタ血球凝集脳脊髄炎ウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタC型ウイルス、ポックスウイルス(pox virus)、ポックスウイルス(poxvirus)、ポックスウイルス痘瘡、プロスペクトヒルウイルス(Prospect Hill virus)、プロウイルス、偽牛痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、オウム痘ウイルス(psittacinepox virus)、ウズラ痘ウイルス(quailpox virus)、ウサギ線維腫ウイルス、ウサギ腎空胞形成ウイルス(rabbit kidney vaculolating virus)、ウサギパピローマウイルス、狂犬病ウイルス、アライグマパルボウイルス、アライグマポックスウイルス、ラニケートウイルス(Ranikhet virus)、ラットサイトメガロウイルス、ラットパルボウイルス、ラットウイルス、ローシャーウイルス、組換えワクシニアウイルス、組替えウイルス、レオウイルス、レオウイルス1、レオウイルス2、レオウイルス3、爬虫類C型ウイルス、呼吸器感染症ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、呼吸系ウイルス、細網内皮症ウイルス、ラブドウイルス、ラブドウイルスカルピア(Rhabdovirus carpia)、ラジノウイルス、ライノウイルス、ライジディオウイルス(Rhizidiovirus)、リフトバレー熱ウイルス、ライリーウイルス、牛疫ウイルス、RNA腫瘍ウイルス、ロスリバーウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス(rougeole virus)、ラウス肉腫ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス(rubeola virus)、ルビウイルス、ロシア秋脳炎ウイルス、SA11シミアンウイルス、SA2ウイルス、サビアウイルス、サギヤマウイルス、サイミリヘルペスウイルス1、唾液腺ウイルス、サシチョウバエ熱ウイルス群、サンジンバウイルス(Sandjimba virus)、SARSウイルス、SDAV(ラット唾液腺涙腺炎ウイルス)、アザラシ痘ウイルス(sealpox virus)、セムリキ森林熱ウイルス、ソウルウイルス、ヒツジ痘ウイルス、ショープ線維腫ウイルス、ショープパピローマウイルス、サルフォーミーウイルス、サルA型肝炎ウイルス、サルヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、サルパラインフルエンザウイルス、サルT細胞リンパ増殖性ウイルス(simian T cell lymphotrophic virus)、シミアンウイルス、シミアンウイルス40、シンプレックスウイルス、シンノンブルウイルス、シンドビスウイルス、天然痘ウイルス、南アメリカ出血熱ウイルス、スズメ痘ウイルス、スプーマウイルス、リス線維腫ウイルス、リスザルレトロウイルス、SSV1ウイルス群、STLV(サルTリンパ球指向性ウイルス)I型、STLV(サルTリンパ球指向性ウイルス)II型、STLV(サルTリンパ球指向性ウイルス)III型、口内炎丘疹ウイルス(stomatitis papulosa virus)、顎下ウイルス(submaxillary virus)、ブタアルファヘルペスウイルス1、ブタヘルペスウイルス2、スイポックスウイルス、沼地熱ウイルス、豚痘ウイルス、スイスマウス白血病ウイルス、TACウイルス、タカリベウイルス群、タカリベウイルス、タナ痘ウイルス、アレチネズミ痘ウイルス、テンチレオウイルス(Tench reovirus)、タイラー脳脊髄炎ウイルス、タイラーウイルス、トゴトウイルス、トッタパラヤンウイルス(Thottapalayam virus)、ダニ媒介性脳炎ウイルス、ティオマンウイルス(Tioman virus)、トガウイルス、トロウイルス、腫瘍ウイルス、ツパイウイルス(Tupaia virus)、七面鳥鼻気管炎ウイルス、七面鳥痘ウイルス、C型レトロウイルス、D型オンコウイルス、D型レトロウイルス群、潰瘍性大腸炎ラブドウイルス、ウナウイルス、ウークニエミウイルス群、ワクシニアウイルス、空胞形成ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、バリセロウイルス、バリコラウイルス(Varicola virus)、最大死亡率が25パーセントである一種の天然痘ウイルス(variola major virus)、痘瘡ウイルス、ウアシン・ギシュ病ウイルス(Vasin Gishu condition virus)、VEEウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、ベネズエラ出血熱ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ベシクロウイルス、ビリュイスクウイルス(Vilyuisk virus)、バイパーレトロウイルス(viper retrovirus)、ウイルス性出血性敗血症ウイルス(viral haemorrhagic septicemia virus)、ビスナ・マエディウイルス、ビスナウイルス、ハタネズミ痘ウイルス、VSV(水疱性口内炎ウイルス)、ウォーラルウイルス(Wallal virus)、ヴァレゴウイルス(Warrego virus)、疣ウイルス、WEEウイルス、西ナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス、ワタロアウイルス、冬季嘔吐ウイルス(Winter Vomiting Virus)、ヤマネズミB型肝炎ウイルス、ウーリーモンキー肉腫ウイルス、ヨコバイによって感染する腫瘍ウイルス(wound tumor virus)、WRSVウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、ヤバウイルス、ヤタポックスウイルス、黄熱ウイルス、およびヤグボグダノバクウイルス(Yug Bogdanovac virus)を含む、あらゆるウイルスによって引き起こされた感染症を処置する及び/又は予防するために使用され得る。
【0083】
<炎症性疾患>
本明細書に提供される方法および組成物を使用して処置及び/又は予防され得る炎症性疾患は、例えば、自己免疫性疾患を含む。自己免疫性疾患は、例えば、関節リウマチ、多発性硬化症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、自己免疫性肝炎、自己免疫性甲状腺炎、血球貪食症候群(血球貪食性リンパ組織球症)、1型真性糖尿病、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性血小板減少性紫斑病、多発性筋炎、皮膚筋炎、重症筋無力症、自己免疫性甲状腺炎、エヴァンス症候群、自己免疫溶血性貧血、再生不良性貧血、自己免疫性好中球減少症、強皮症、ライター症候群、強直性脊椎炎、天疱瘡、類天疱瘡または自己免疫性肝炎、ベーチェット病、セリアック病、シャーガス病、急性散在性脳脊髄膜炎、アジソン病、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性内耳疾患、水疱性類天疱瘡、慢性閉塞性肺疾患、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、化膿性汗腺炎、間質性膀胱炎、神経性筋強直症、尋常性天疱瘡、悪性貧血、原発性胆汁性肝硬変症、および血管炎症候群を含む。
【0084】
提供される本発明の方法および組成物を使用して処置及び/又は予防され得る他の炎症性疾患は、例えば、アレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性湿疹)、皮膚疾患、冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、網膜炎、膵臓炎、心筋症、心膜炎、大腸炎、糸球体腎炎、肺炎症、食道炎、胃炎、十二指腸炎、回腸炎、髄膜炎、脳炎、脳脊髄炎、横断脊髄炎、膀胱炎、尿道炎、粘膜炎、リンパ節炎、皮膚炎、肝炎、骨髄炎、または帯状疱疹を含む。
【0085】
<製剤、投与経路、および有効量>
本発明の別の態様は、薬剤または薬剤の組み合わせを含む医薬組成物に関する、製剤、投与経路および有効量に関する。そのような医薬組成物は、上に記載されるようなウイルス誘発性の炎症性疾患を処置するために使用され得る。医薬組成物は、ウイルス誘発剤を含むことができる。医薬組成物は、ウイルス誘発剤および1つ以上の追加の薬剤を含むことができる。医薬組成物は、抗ウイルス薬を含むことができる。医薬組成物は、抗ウイルス薬および1つ以上の追加の薬剤を含むことができる。医薬組成物は、ウイルス誘発剤および抗ウイルス薬を含むことができる。医薬組成物は、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、および1つ以上の追加の薬剤を含むことができる。
【0086】
薬剤またはそれらの薬学的に許容可能な塩は、単独で、あるいは1つ以上の他の薬剤または1つ以上の他の形態と組み合わせて提供され得る。例えば、製剤は、各薬剤の相対効力および意図した効能によって、特定の割合で1つ以上の薬剤を含むことができる。例えば、2つの異なる標的を標的とするための組成物において、および効力が類似している場合に、約1:1の比率の薬剤が使用され得る。2つの形態は、同じ投与ユニット(dosage unit)において、例えば、1つのクリーム、坐剤、錠剤、カプセル、腸溶性の錠剤またはカプセル、エアロゾルスプレー、または飲料において溶解される袋入りの粉末において一緒に製剤され得るか、あるいは各形態が、別のユニット、例えば、2つのクリーム、2つの坐剤、2つの錠剤、2つのカプセル、錠剤および錠剤を溶解するための液体、2つのエアロゾルスプレー、または袋入りの粉末および粉末を溶解するための液体などにおいて製剤され得る。
【0087】
「薬学的に許容可能な塩」は、1つ以上の薬剤の生物学的効果および特性を保持し、生物学的にまたは他の方法で望ましくないわけではない塩であり得る。例えば、薬学的に許容可能な塩は、ウイルス誘発剤または抗ウイルス薬の有益な効果に干渉しない。
【0088】
塩は、無機イオン、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムのイオンなどの塩を含むことができる。塩は、無機または有機の酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸またはマレイン酸を有する塩を含むことができる。1つ以上の薬剤は、カルボキシ基または他の酸性基を含有する場合、無機または有機の塩基を有する薬学的に許容可能な付加塩に変換され得る。適切な塩基の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシル-アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
【0089】
薬学的に許容可能なエステルまたはアミドは、1つ以上の薬剤の生物学的効果および特性を保持し、生物学的にまたは他の方法で望ましくないわけではないエステルまたはアミドであり得る。例えば、エステルまたはアミドは、ウイルス誘発剤、抗ウイルス薬、または追加の薬剤の有益な効果に干渉しない。エステルは、例えば、エチル、メチル、イソブチル、エチレングリコールなどを含む。アミドは、例えば、非置換のアミド、アルキルアミド、ジアルキルアミドなどを含むことができる。
【0090】
ウイルス誘発剤、例えばHDAC阻害剤は、抗ウイルス薬と組み合わせて投与され得る。ウイルス誘発剤と抗ウイルス薬の組み合わせを含む医薬組成物は、特定のモル比を含むように製剤され得る。例えば、約99:1から約1:99のウイルス誘発剤対抗ウイルス薬のモル比が使用され得る。ウイルス誘発剤:抗ウイルス薬のモル比の範囲は、約80:20から約20:80まで;約75:25から約25:75まで、約70:30から約30:70まで、約66:33から約33:66まで、約60:40から約40:60まで;約50:50;および約90:10から約10:90まで、から選択され得る。ウイルス誘発剤および抗ウイルス薬は、同じ投与ユニットにおいて、例えば、1つのクリーム、坐剤、錠剤、カプセル、腸溶性のカプセルまたは錠剤、または飲料において溶解される袋入りの粉末において合剤され得るか、あるいは各々の薬剤、形態、及び/又は化合物は、別のユニット、例えば、2つのクリーム剤、坐剤、錠剤、2つのカプセル、腸溶性のカプセルまたは錠剤、錠剤および錠剤を溶解するための液体、エアロゾルスプレー、袋入りの粉末および粉末を溶解するための液体などにおいて製剤され得る。
【0091】
薬剤は、例えば、上に記載されるような、1つ以上の他の化合物、形態、及び/又は薬剤と組み合わせて投与され得る。1つ以上の他の活性薬剤とウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬の組み合わせを含む医薬組成物は、特定のモル比を含むように製剤され得る。例えば、約99:1から約1:99のウイルス誘発剤対他の活性薬剤のモル比が使用され得、約99:1から約1:99の抗ウイルス薬対他の活性薬剤のモル比が使用され得、約99:1から約1:99のウイルス誘発剤対抗ウイルスのモル比が使用され得る。ウイルス誘発剤:他の活性薬剤のモル比の範囲は、約80:20から約20:80まで;約75:25から約25:75まで、約70:30から約30:70まで、約66:33から約33:66まで、約60:40から約40:60まで;約50:50;および約90:10から約10:90まで、から選択され得る。抗ウイルス薬:他の活性薬剤のモル比の範囲は、約80:20から約20:80まで;約75:25から約25:75まで、約70:30から約30:70まで、約66:33から約33:66まで、約60:40から約40:60まで;約50:50;および約90:10から約10:90まで、から選択され得る。ウイルス誘発剤:他の活性薬剤のモル比は、約1:9または約1:1であり得る。抗ウイルス薬:他の活性薬剤のモル比は、約1:9または約1:1であり得る。2つ以上の薬剤、形態及び/又は化合物は、同じ投与ユニットにおいて、例えば、1つのクリーム、坐剤、錠剤、カプセル、腸溶性のカプセルまたは錠剤、または飲料において溶解される袋入りの粉末において一緒に製剤され得るか、あるいは各々の薬剤、形態、及び/又は化合物は、別のユニット、例えば、2つのクリーム、坐剤、錠剤、2つのカプセル、腸溶性のカプセルまたは錠剤、錠剤および錠剤を溶解するための液体、エアロゾルスプレー、または袋入りの粉末および粉末を溶解するための液体などにおいて製剤され得る。
【0092】
ウイルス誘発剤、例えばHDAC阻害剤は、抗ウイルス薬と組み合わせて投与され得る。ウイルス誘発剤と抗ウイルス薬の組み合わせを含む医薬組成物は、1投与量当たりの特定のmgを含むように製剤され得る。例えば、ウイルス誘発剤は、1投与量当たり0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、5、10、20、25、50、100、250、500、1000mg/kgで投与され得る。HDAC阻害剤は、1投与量当たり0.01-0.1、0.05-0.5、1-2、1-5、5-10、10-20、10-25、10-50、100-500、または500-1000mg/kgで投与され得る。ウイルス誘発剤の経口製剤の単回投与量は、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、5、10、20、25、50、100、250、500、1000mgを含有することができる。一実施形態では、HDAC阻害剤は、1投与量当たり0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、5、10、20、25、50、100、250、500、1000mg/kgで投与される。関連する実施形態では、HDAC阻害剤は経口で投与される。具体的な実施形態では、HDAC阻害剤の合計の毎日の経口量は、高々1、2、5、10、20、25、40、50、100、250、または500mgである。別の関連する実施形態では、HDAC阻害剤は、1日当たり1、2、3、4、または5回経口で投与される。他の実施形態では、HDAC阻害剤の単回の日用量が提供されるが、一方で経口バルガンシクロビル(oral valganciclovir)が、1日当たり2回、900mg/用量で提供される。
【0093】
HDAC阻害剤の経口製剤は、抗ウイルス薬と合剤され得る。抗ウイルス薬は、バルガンシクロビル、ガンシクロビル、アシクロビルであり得る。特定の実施形態では、HDAC阻害剤は、徐放または持続放出の形態であり得る。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、徐放または持続放出の形態であり得る。HDAC阻害剤およびバルガンシクロビルが単回の日用量のために合剤されるときの具体的な実施形態において、バルガンシクロビルは、徐放または持続放出の形態であり得る。特定の実施形態では、HDAC阻害剤およびバルガンシクロビルまたは他の抗ウイルス薬は、HDAC阻害剤が1投与量当たり高々100mgで存在する及び抗ウイルス薬が1投与量当たり高々1000mgで存在するように、合剤される。幾つかの実施形態では、HDAC阻害剤およびバルガンシクロビルまたは他の抗ウイルス薬は、HDAC阻害剤が1投与量当たり高々80mgで存在する及び抗ウイルス薬が1投与量当たり高々500mgで存在するように、合剤される。特定の実施形態では、HDAC阻害剤およびバルガンシクロビルまたは他の抗ウイルス薬は、HDAC阻害剤が1投与量当たり80mg以下で存在する及び抗ウイルス薬が1投与量当たり1500mg以下で存在するように合剤される。
【0094】
幾つかの実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬を含む合剤は、500mg未満、400mg未満、300mg未満、200mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、20mg未満、10mg未満、5mg未満、2mg未満、または1mg未満のHDAC阻害剤を含む。他の実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬を含む合剤は、1500mg未満、1400mg未満、1300mg、未満1200mg未満、1100mg未満、1000mg未満、900mg未満、800mg未満、700mg未満、600mg未満、500mg未満、400mg未満、300mg未満、200mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、20mg未満、10mg未満、5mg未満、2mg未満、または1mg未満の抗ウイルス薬を含む。
【0095】
特定の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の単位用量は、約1mgから約500mgの間のHDAC阻害剤および1mgから1500mgの間の抗ウイルス薬を含む。幾つかの実施形態では、単位用量は、約500mg、約400mg、約300mg、約200m、約100mg、約90mg、約80mg、約70mg、約60mg、約50mg、約40mg、約30mg、約20mg、約10mg、約5mg、約2mg、または約1mgのHDAC阻害剤を含む。特定の実施形態では、単位用量は、500mg未満、400mg未満、300mg未満、200mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、20mg未満、10mg未満、5mg未満、2mg未満、または1mg未満のHDAC阻害剤を含む。幾つかの実施形態では、単位用量は、500mgを超える、400mgを超える、300mgを超える、200mgを超える、100mgを超える、90mgを超える、80mgを超える、70mgを超える、60mgを超える、50mgを超える、40mgを超える、30mgを超える、20mgを超える、10mgを超える、5mgを超える、2mgを超える、または1mgを超えるHDAC阻害剤を含む。特定の実施形態では、単位用量は、2mgを超える且つ500mg未満のHDAC阻害剤を含む。幾つかの実施形態では、単位用量は、10mgを超える且つ50mg未満のHDAC阻害剤を含む。
【0096】
幾つかの実施形態では、単位用量は、約2000mg、約1900mg、約1800mg、約1700mg、約1600mg、約1500mg、約1400mg、約1300mg、約1200mg、約1100mg、約1000mg、約900mg、約800mg、約750mg、約700mg、約650mg、約600mg、約550mg、約500mg、約450mg、約400mg、約350mg、約300mg、約250mg、約200mg、約150mg、約140mg、約130mg、約120mg、約110mg、約100mg、約90mg、約80mg、約70mg、約60mg、約50mg、約40mg、約30mg、約20mg、約10mg、約5mg、約2mg、または約1mgの抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は、2000mg未満、1900mg未満、1800mg未満、1700mg未満、1600mg未満、1500mg未満、1400mg未満、1300mg未満、1200mg未満、1100mg未満、1000mg未満、900mg未満、800mg未満、750mg未満、700mg未満、650mg未満、600mg未満、550mg未満、500mg未満、450mg未満、400mg未満、350mg未満、300mg未満、250mg未満、200mg未満、150mg未満、140mg未満、130mg未満、120mg未満、110mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、40mg未満、30mg未満、20mg未満、10mg未満、5mg未満、2mg未満、または1mg未満の抗ウイルス薬を含む。幾つかの実施形態では、単位用量は、2000mgを超える、1900mgを超える、1800mgを超える、1700mgを超える、1600mgを超える、1500mgを超える、1400mgを超える、1300mgを超える、1200mgを超える、1100mgを超える、1000mgを超える、900mgを超える、800mgを超える、750mgを超える、700mgを超える、650mgを超える、600mgを超える、550mgを超える、500mgを超える、450mgを超える、400mgを超える、350mgを超える、300mgを超える、250mgを超える、200mgを超える、150mgを超える、140mgを超える、130mgを超える、120mgを超える、110mgを超える、100mgを超える、90mgを超える、80mgを超える、70mgを超える、60mgを超える、50mgを超える、40mgを超える、30mgを超える、20mgを超える、10mgを超える、5mgを超える、2mgを超える、または1mgを超える抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、単位用量は、50mgを超える且つ1500mg未満の抗ウイルス薬を含む。幾つかの実施形態では、単位用量は、100mgを超える且つ500mg未満の抗ウイルス薬を含む。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、徐放として製剤される。
【0097】
幾つかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、1日1回投与される。特定の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、1日2回投与される。他の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、1日3回投与される。幾つかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、1日1回、1日2回、または1日3回投与され、さらなる用量のHDAC阻害剤が、1日1回、1日2回、または1日3回投与される。特定の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、1日1回、1日2回、または1日3回投与され、さらなる用量の抗ウイルス薬が、1日1回、1日2回、または1日3回投与される。
【0098】
特定の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の1単位用量は、1日当たりで投与される。幾つかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の2単位用量は、1日当たりで投与される。特定の実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の3単位用量は、1日当たりで投与される。幾つかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の4単位用量は、1日当たりで投与される。特定の実施形態では、1、2、3、または4の単位用量は、週1回、週2週、週3回、週4回、または週5回投与される。
【0099】
幾つかの実施形態では、合剤されたHDAC阻害剤および抗ウイルス薬の1以上の単位用量は、抗体、化学療法剤、および放射線療法などの他の処置と組み合わせて投与される。
【0100】
1つ以上の薬剤及び/又は薬剤の組み合わせが、さらに他の薬剤とともに投与され得る。薬剤及び/又は薬剤の組み合わせと同時投与され得る薬剤の選択は、少なくとも部分的に、処置されている疾患に依存し得る。本発明の製剤における特定使用の薬剤は、例えば、炎症性疾患を処置するために使用される薬物を含む、例えば、ウイルス誘発性の炎症性疾患に対する治療効果を有している薬剤を含む。例えば、本発明の製剤は、NSAID、例えばイブプロフェン、ナプロキセン、アセトミノフェン(acetominophen)、ケトプロフェン、またはアスピリンなどの、1つ以上の従来の抗炎症薬をさらに含有することができる。幾つかの代替実施形態では、ウイルス誘発性の炎症性疾患の処置のために、本発明の製剤は、アマンタジン、リマンタジン、ザナミビル、およびオセルタミビルなどの、1つ以上の従来のインフルエンザ抗ウイルス薬をさらに含有することができる。HIVなどのレトロウイルス感染に対する処置において、本発明の製剤は、プロテアーゼ阻害剤(ロピナビル/リトナビル{カレトラ(商標)}、インジナビル{クリキシバン(商標)}、リトナビル{ノービア(商標)}、ネルフィナビル{ビラセプト(商標)}、サキナビルのハードゲルカプセル{インビラーゼ(商標)}、アタザナビル{レイアタッツ(商標)}、アンプレナビル{Agenerase(商標)}、ホスアンプレナビル{Telzir(商標)}、チプラナビル{アプティバス(商標)})、非ヌクレオシドおよびヌクレオシド/ヌクレオチドの阻害剤を含む、逆転写酵素阻害剤(AZT{ジドブジン、レトロビル(商標)}、ddI{ジダノシン、ヴァイデックス(商標)}、3TC{ラミブジン、エピビル(商標)}、d4T{スタブジン、ゼリット(商標)}、アバカビル{ザイアジェン(商標)}、FTC{エムトリシタビン、エムトリバ(商標)}、テノホビル{ビリアード(商標)}、エファビレンツ{サスティバ(商標)}およびネビラピン{ビラミューン(商標)})、融合阻害剤T20{エンフビルチド、フゼオン(商標)}、インテグラーゼ阻害剤(MK-0518およびGS-9137)、および成熟阻害剤(PA-457{Bevirimat(商標)})などの、1つ以上の従来の抗ウイルス薬をさらに含有し得る。別の例として、製剤は、ビタミンC、Eまたは他の抗酸化剤などの、1つ以上の栄養補助剤をさらに含有することができる。
【0101】
1つ以上の薬剤(またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステルあるいはアミド)は、それ自体で、または1つ以上の活性薬剤が1つ以上の薬学的に許容可能な担体と混和または混合している医薬組成物の形態で投与され得る。医薬組成物は、本明細書に使用されたように、被験体への投与のために調製される組成物であり得る。医薬組成物は、1つ以上の生理学的に許容可能な担体を使用して従来の方法で製剤され得、例えば、投与され得る調製物への活性薬剤の処理を促進する、賦形剤、希釈剤、及び/又は助剤を含む。適切な製剤は、選ばれる投与経路に少なくとも部分的に依存し得る。1つ以上の薬剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩、エステル、あるいはアミドは、経口、頬側、局所、直腸、経皮、経粘膜、皮下、静脈内、および筋肉内の適用の他に、吸入を含む、投与の多くの経路または様式を使用して、患者に送達され得る。
【0102】
経口投与のために、1つ以上の活性薬剤を当該技術分野に周知の薬学的に許容可能な担体と組み合わせることによって、1つ以上の薬剤が容易に製剤され得る。そのような担体によって、1つ以上の薬剤は、患者によって処置される経口摂取のために、咀嚼錠、丸剤、糖衣錠、カプセル、ロゼンジ、ハードキャンディー、液体、ゲル、シロップ、スラリー、粉末、懸濁液、エリキシル剤、ウェーハなどを含む、錠剤として製剤されることが可能になる。そのような製剤は、固体の賦形剤または注入剤(fillers)、滅菌水性溶媒および様々な無毒な有機溶媒を含む、薬学的に許容可能な担体を含むことができる。一般に、本発明の薬剤は、望ましい投与量の単位を提供するのに十分な量で、経口剤形の合計の組成物の約0.5重量%、約5重量%、約10重量%、約20重量%、または約30重量%から約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%または約90重量%の範囲の濃度レベルで含まれ得る。
【0103】
経口での使用のための水性懸濁液は、懸濁化剤(例えばメチルセルロース)、湿潤剤(例えば、レシチン、リソレシチン及び/又は長鎖脂肪アルコール)の他に、着色剤、防腐剤、香味剤などの、薬学的に許容可能な賦形剤とともに1つ以上の薬剤を含有することができる。
【0104】
例えば、大きな親油性部分の存在により、1つ以上の薬剤を溶液にするために、油または非水溶媒が必要とされ得る。代替的に、エマルジョン、懸濁液、または他の調製物(例えばリポソーム調製物)が使用され得る。リポソーム調製物に関して、疾患の処置のためにリポソームを調製する既知の方法が使用され得る。例えば、Bangham et al., J. Mol. Biol. 23: 238-252 (1965) and Szoka et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 75: 4194-4198 (1978)を参照し、これは引用によって本明細書に組み込まれる。特定の作用部位にこれらの組成物を配向するために、リガンドもリポソームに結合され得る。1つ以上の薬剤はまた、特定の患者集団において溶解化、投与、及び/又はコンプライアンスを促進するために、食糧、例えば、クリームチーズ、バター、サラダドレッシング、またはアイスクリームへと統合され得る。
【0105】
経口での使用のための医薬製剤は、随意に結果として生じる混合物を粉砕し、および望まれれば、錠剤またはドラゼーコアを得るために、適切な助剤を加えた後に、果粒剤の混合物を処理して、固体の賦形剤として得られ得る。適切な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む、糖などの注入剤;香味要素(flavoring elements)、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。崩壊剤、例えば、架橋されたポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのそれらの塩が加えられ得る。1つ以上の薬剤はまた、持効性製剤として製剤され得る。
【0106】
ドラゼーコアに適切なコーティングが提供され得る。この目的のために、濃縮した糖溶液が使用されてもよく、これは随意に、アラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有し得る。識別のために又は1つ以上の活性薬剤の様々な組み合わせを特徴付けるために、染料または色素が錠剤またはドラゼーコーティングに加えられ得る。
【0107】
経口で使用され得る医薬製剤は、ゼラチンで作られた押し込み型カプセルの他に、ゼラチンで作られた柔軟な密閉カプセル、およびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤を含む。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの注入剤、デンプンなどの結合剤、及び/又は滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および随意に安定剤と組み合わせて、有効成分を含有することができる。軟カプセルにおいて、活性薬剤は、脂肪油、流動パラフィン、または液体のポリエチレングリコールなどの、適切な液体中に溶解または懸濁され得る。さらに、安定剤が加えられ得る。経口投与のための製剤はすべて、投与に適した用量であり得る。
【0108】
注入のために、1つ以上の薬剤が、限定されないが、ハンクス液、リンゲル液、または生理食塩水緩衝液などの、生理学的に適合性のある緩衝液を含む、水溶液中で製剤され得る。そのような組成物はまた、1つ以上の賦形剤、例えば、防腐剤、可溶化剤、注入剤、滑沢剤、安定剤、アルブミンなどを含むことができる。製剤の方法は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, latest edition, Mack Publishing Co., Easton P.に開示されるように、当該技術分野で知られている。
【0109】
1つ以上の薬剤はまた、デポー製剤として製剤され得る。そのような長時間作用型の製剤は、移植または経皮送達(例えば皮下または筋肉内)、筋肉内注射または経皮パッチの使用によって投与され得る。したがって、例えば、1つ以上の薬剤は、適切なポリマー材料または疎水性材料(例えば、許容可能な油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として製剤され得る。
【0110】
1つ以上の薬剤を含む医薬組成物は、局所に投与されるか、あるいは感染の特定の部位に又はその近くに注入されるときに、局所および局部的な効果を発揮することができる。
例えば、粘性液体、ゲル、ゼリー、クリーム、ローション、軟膏、坐剤、泡、またはエアロゾルスプレーの直接的な局所適用は、局所投与のために使用され得、例えば、局所及び/又は局部的な効果を引き起こす。そのような製剤に対する薬学的に適切なビヒクルは、例えば、低級脂肪族アルコール、ポリグリコール(例えば、グリセロールまたはポリエチレングリコール)、脂肪酸のエステル、油、脂肪、シリコーンなどを含む。そのような調製物はまた、防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル)及び/又は抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸およびトコフェロール)を含み得る。Dermatological Formulations: Percutaneous absorption, Barry (Ed.), Marcel Dekker Incl, 1983も参照。幾つかの実施形態では、ウイルス誘発剤または抗ウイルス薬を含む局所製剤は、表皮または粘膜のウイルス誘発性の炎症性疾患を処置するために使用される。
【0111】
医薬組成物は、美容的または皮膚科学的に許容可能な担体を含有することができる。そのような担体は、皮膚、爪、粘膜、組織及び/又は毛と適合性があり得、これらの要件を満たす従来使用されてきた美容的または皮膚科学的な担体を含むことができる。そのような担体は、当業者によって容易に選択され得る。皮膚軟膏を製剤する際に、薬剤または薬剤の組み合わせが、油性の炭化水素塩基、無水の吸収塩基、油中水型の吸収塩基、水中油型の水除去可能な塩基及び/又は水溶性塩基において製剤され得る。
【0112】
本発明による組成物は、水性、水-アルコール、または油性の溶液、ローションまたは血清分散液、水性、無水または油性のゲル、水相(O/Wまたは水中油)またはその逆(W/Oまたは油中水)中の脂肪相の分散によって得られたエマルジョン、マイクロエマルジョンまたは代替的にマイクロカプセル、あるいはイオン及び/又は非イオン型の微粒子または脂質ベシクル分散液(lipid vesicle dispersions)を含む、局所適用に適した形態であり得る。これらの組成物は、従来の方法に従って調製され得る。本発明による組成物の様々な成分の量は、当該技術分野で従来使用される量であり得る。これらの組成物は、顔に対する、手に対する、身体に対する及び/又は粘膜に対する、または皮膚の洗浄のための、保護、処置またはケア用のクリーム、ミルク、ローション、ゲルまたは泡を構成する。組成物はまた、石鹸またはクレンジングバーを構成する固形製剤から成ることができる。
【0113】
医薬組成物はまた、化粧品および皮膚科学の分野に一般的なアジュバント、例えば、親水性または親油性のゲル化剤、親水性または親油性の活性薬剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、芳香、注入剤、日焼け止め、臭気吸収剤および染料を含有することができる。これらの様々なアジュバントの量は、考慮される分野において従来使用される量であり得、例えば、組成物の総重量の約0.01%から約20%である。それらの性質に依存して、これらのアジュバントは、脂肪相、水相及び/又は脂質ベシクルへと導入され得る。
【0114】
眼のウイルス感染は、本発明の薬剤または薬剤の組み合わせを含む、点眼液、懸濁液、軟膏またはインサート(inserts)で有効に処置され得る。
【0115】
幾つかの実施形態では、耳のウイルス感染は、本発明の薬剤または薬剤の組み合わせを含む、点耳液、懸濁液、軟膏またはインサートで有効に処置され得る。
【0116】
1つ以上の薬剤が、懸濁液形態ではなくむしろ可溶形態で送達され得、これによって、作用部位へのより急速且つ定量的な吸収が可能になる。一般的に、ゼリー、クリーム、ローション、坐剤および軟膏などの製剤は、本発明の薬剤へのより拡張された暴露を有する領域を提供することができる一方で、溶液中の製剤、例えば、噴霧剤(sprays)は、より即時の短期の暴露を提供する。
【0117】
局所適用に関して、医薬組成物は1つ以上の浸透促進剤を含むことができる。例えば、その製剤は、透過性障壁(例えば皮膚)にわたる本発明の薬剤または薬剤の組み合わせの浸透を増加させる又はその送達を助ける、適切な固体またはゲル相の担体または賦形剤を含むことができる。これらの浸透を促進させる化合物の多くは、局所製剤の技術分野で知られており、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、2-プロパノールのようなテルペン)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、テトラデシルメチルスルホキシド)、ピロリドン(例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-(2-ヒドロキシ-エチル)ピロリドン)、ラウロカプラム(laurocapram)、アセトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフルフリルアルコール、L-α-アミノ酸、陰イオン、陽イオン、両性、または非イオンの界面活性剤(例えば、イソプロピルミリステートおよびラウリル硫酸ナトリウム)、脂肪酸、脂肪アルコール(例えばオレイン酸)、アミン、アミド、クロフィブリン酸アミド、ヘキサメチレンラウラミド(hexamethylene lauramide)、タンパク質分解酵素、α-ビサボロール、d-リモネン、尿素およびN,N-ジエチル-m-トルアミドなどを含む。追加の例としては、保水剤(例えば尿素)、グリコール(例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、グリセロールモノラウレート、アルカン、アルカノール、ORGELASE、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、及び/又は他のポリマーが挙げられる。医薬組成物は、1つ以上のそのような浸透促進剤を含むことができる。
【0118】
局所適用のための医薬組成物は、1つ以上の抗菌防腐剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、有機水銀剤、p-ヒドロキシ安息香酸塩、芳香族アルコール、クロロブタノールなどを含むことができる。
【0119】
胃腸のウイルス感染は、本発明の薬剤または薬剤の組み合わせを含む、経口または直腸に送達される溶液、懸濁液、軟膏、浣腸剤及び/又は坐剤で有効に処置され得る。
【0120】
呼吸器のウイルス感染は、本発明の薬剤または薬剤の組み合わせを含む、エアロゾル溶液、懸濁液または乾燥粉で有効に処置され得る。吸入による投与は、インフルエンザなどの肺のウイルス感染を処置するのに特に有用である。エアロゾルは、呼吸器系または鼻通路を通って投与される。例えば、当業者は、本発明の組成物が、適切な担体、例えば、薬学的に許容可能な噴射剤(propellant)中に懸濁または溶解され得、点鼻薬または吸入薬を使用して肺へと直接投与され得ることを認識する。例えば、ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬を含むエアロゾル製剤は、例えば、点鼻薬または吸入薬としての投与のために、噴射剤または溶媒と噴射剤の混合物中に溶解、懸濁、または乳化され得る。エアロゾル製剤は、当該技術分野で従来使用されるように、美容的または皮膚科学的にあるいは薬学的に許容可能な噴射剤などの圧力下で許容可能な噴射剤を含有し得る。
【0121】
鼻への投与に対するエアロゾル製剤は、一般に、滴剤または噴霧剤で鼻通路に投与されるように設計された水溶液である。点鼻液は、一般に等張であり、約5.5から約6.5のpHを維持するためにわずかに緩衝されるという点で鼻汁に類似し得るが、この範囲外のpH値もさらに使用され得る。抗菌薬または防腐剤も製剤に含まれ得る。
【0122】
吸入剤および吸入薬に対するエアロゾル製剤は、薬剤または薬剤の組み合わせが、経鼻または経口の呼吸経路によって投与されるときに、被験体の呼吸樹へと運ばれ得るように、設計され得る。吸入液は、例えば、噴霧器によって投与され得る。細かく粉末にされた又は液体の薬物を含む、吸入剤または吹入剤は、例えば、排出(disbursement)を助けるために、噴射剤中の薬剤または薬剤の組み合わせの溶液または懸濁液の薬用エアロゾルとして呼吸器系に送達され得る。噴射剤は、ハロカーボン、例えば、フッ素化した塩化炭化水素、ハイドロクロロフルオロカーボン、およびハイドロクロロカーボンの他に、炭化水素および炭化水素エーテルなどの、フルオロカーボンを含む、液化ガスであり得る。
【0123】
ハロカーボン噴射剤は、水素がすべてフッ素と交換されるフルオロカーボン噴射剤、水素がすべて塩素および少なくとも1つのフッ素と交換されるクロロフルオロカーボン噴射剤、水素含有フルオロカーボン噴射剤、および水素含有クロロフルオロカーボン噴射剤を含むことができる。ハロカーボン噴射剤は、1994年12月27日に発行された、Johnson,米国特許第5,376,359号;1993年3月2日に発行された、Byron et al.,米国特許第5,190,029号;および1998年7月7日に発行された、Purewal et al.,米国特許第5,776,434号に記載されている。本発明において有用な炭化水素噴射剤は、例えば、プロパン、イソブタン、n-ブタン、ペンタン、イソペンタンおよびネオペンタンを含む。炭化水素の混合物も噴射剤として使用され得る。エーテル噴射剤は、例えば、エーテルに加えてジメチルエーテルも含む。本発明のエアロゾル製剤はまた、1つを超える噴射剤を含むことができる。例えば、エアロゾル製剤は、2つ以上のフルオロカーボンなどの、同じクラスからの1つを超える噴射剤;またはフッ化炭化水素および炭化水素などの、異なるクラスからの1つを超える、2つを超える、または3つを超える噴射剤を含むことができる。本発明の医薬組成物はまた、圧縮ガス、例えば、二酸化炭素、亜酸化窒素または窒素などの不活性ガスで分注され得る。
【0124】
エアロゾル製剤はまた、他の成分、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールの他に、界面活性剤または油および洗剤などの他の成分も含むことができる。これらの成分は、製剤を安定させる及び/又はバルブ用部品を潤滑する役割を果たすことができる。
【0125】
エアロゾル製剤は、圧力下でパッケージ化され得、溶液、懸濁液、エマルジョン、粉末および半固形製剤を使用してエアロゾルとして製剤され得る。例えば、溶液のエアロゾル製剤は、(実質的に)純粋な噴射剤中の又は噴射剤と溶媒の混合物としてのウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬などの、薬剤の溶液を含むことができる。溶媒は、薬剤を溶解する及び/又は噴射剤の蒸発を遅らせるために使用され得る。本発明に有用な溶媒は、例えば、水、エタノールおよびグリコールを含む。適切な溶媒の任意の組み合わせが、随意に防腐剤、抗酸化剤、及び/又は他のエアロゾル成分と組み合わせて使用され得る。
【0126】
エアロゾル製剤はまた、分散液または懸濁液であり得る。懸濁液のエアロゾル製剤は、本発明の薬剤、例えば、ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬、または薬剤の組み合わせの懸濁液、および分散剤を含み得る。本発明において有用な分散剤は、例えば、ソルビタントリオレエート、オレイルアルコール、オレイン酸、レシチンおよびトウモロコシ油を含む。懸濁液のエアロゾル製剤はまた、滑沢剤、防腐剤、抗酸化剤、及び/又は他のエアロゾル成分を含むことができる。
【0127】
エアロゾル製剤は、エマルジョンとして製剤され得る。エマルジョンのエアロゾル製剤は、例えば、エタノール、界面活性剤、水および噴射剤などのアルコールの他に、薬剤、例えば、ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬、または薬剤の組み合わせも含むことができる。使用される界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、または陽イオン性であり得る。エマルジョンのエアロゾル製剤の一例は、例えば、エタノール、界面活性剤、水および噴射剤を含む。エマルジョンのエアロゾル製剤の別の例は、例えば、植物油、モノステアリン酸グリセリンおよびプロパンを含む。
【0128】
本発明における使用に適した医薬組成物は、有効成分が有効な量で、即ち、少なくとも1つのウイルス誘発性の炎症性疾患を有する宿主において治療的及び/又は予防的な利点を達成するのに有効な量で存在する組成物を含むことができる。特定用途のために有効な実際量は、処置されている疾患、被験体の疾患、製剤、および投与経路の他に、当業者に既知の他の因子に左右される。ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬の有効な量の判定は、本開示の観点から、当業者の能力内に十分にあり、通例の最適な技術を使用して判定され得る。
【0129】
ヒトにおける使用のための有効な量は、動物モデルから判定され得る。例えば、ヒトに対する投与量は、動物において有効であると分かった、血中、肝臓、局所及び/又は胃腸の濃度を達成するために製剤され得る。当業者は、特に本明細書に記載される動物モデルの実験データの観点から、ヒトにおける使用のための有効な量を判定することができる。動物データおよび他のタイプの類似データに基づいて、当業者は、ヒトに適切な組成物の有効な量を判定することができる。
【0130】
本発明の薬剤または薬剤の組み合わせに言及するときの有効な量は、医術または製薬技術における様々な規制機関または諮問機関(例えば、FDA、AMA)のいずれかによって、あるいは製造業者またはサプライヤーによって推奨または承認された、投与量範囲、投与の様式、製剤などを一般に意味し得る。
【0131】
さらに、ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬に対する適切な投与量は、インビトロでの実験結果に基づいて判定され得る。
【0132】
当業者は、患者における特定の薬剤の投与の効果をモニタリングすることができるだろう。例えば、HIVまたはEBVのウイルス量のレベルは、CD4細胞数、及び/又はPCRによって検出されるようなウイルスレベルの測定などの、当該技術分野において標準の技術によって判定され得る。他の技術も当業者に明白となるだろう。
【0133】
本開示はキットを提供し、キットは1つ以上の容器を含むことができ、キットは、適切なパッケージングにおいて本開示に言及されるHDAC阻害剤、抗ウイルス薬または追加の薬剤の任意の組み合わせを含むことができる。キットは、使用のための説明書を含んでもよい。HDAC阻害剤または抗ウイルス薬は、本明細書に開示されるあらゆる濃度で存在し得るか、本明細書に開示されるあらゆる経路による投与のためにパッケージ化され得るか、あるいは本明細書に開示されるあらゆる製剤中に存在する。幾つかの実施形態では、HDACおよび抗ウイルス薬は、キットにおいて、適切なパッケージまたは容器に一緒にパッケージ化される。キットは、好適な投与または薬注、およびそれらの管理のためのものであり得る。幾つかのさらなる実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、単回投与における医薬組成物として一緒に製剤される。幾つかの代替的な実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、別の医薬組成物として製剤される。幾つかの実施形態では、HDAC阻害剤の医薬組成物は、週1回、週2回、週3回、週4回またそれ以上、月1回、月2回、月3回、月4回またはそれ以上の投与の間パッケージ化され、および抗ウイルス薬の医薬組成物は、毎日、毎日2回、毎日3回、毎日4回またはそれ以上の投与の間パッケージ化される。幾つかの実施形態では、抗ウイルス薬は、HDAC阻害剤なしで投与されるか又は摂取される。幾つかの実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬の処置経過は、以下の通りであり得る:HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、処置の1日目、2日目、3日目、4日目、5日目またはそれ以上の日のいずれかに同じ医薬組成物中で摂取されるか又は投与され、および抗ウイルス薬は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13日目または以上のいずれかに単独で摂取されるか又は投与される。幾つかのさらなる実施形態では、処置経過が以下の通りであり得る:HDAC阻害剤および抗ウイルス薬は、同じ時間に、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間、またはそれ以上の時間、一時的に分けられて、処置の1日目、2日目、3日目、4日目、5日目またはそれ以上の日のいずれかに異なる医薬組成物中で別々に摂取されるか又は投与され、および抗ウイルス薬は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13日目または以上のいずれかに単独で摂取されるか又は投与される。幾つかの実施形態では、キットにおいてパッケージ化されたHDAC阻害剤は、他の実施形態においてチダミドであり、それは4SC-202である。幾つかの実施形態では、抗ウイルス薬は、他の実施形態においてガンシクロビルであり、それはバルガンシクロビルである。幾つかの実施形態では、処置経過は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14回またはそれ以上繰り返される。
【0134】
本発明のキットは、適切なパッケージング中にある。適切なパッケージングは、限定されないが、バイアル、瓶、ジャー、フレキシブル包装(例えば、密閉するマイラー、ブリスターパック、プラスチック袋)などを含む。吸入器などの特有の装置、経鼻投与用装置(例えばアトマイザー)またはミニポンプなどの注入装置と組み合わせて使用するためのパッケージも熟考される。キットは、滅菌したアクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な、ストッパーを有する静脈注射用の溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。容器も、滅菌したアクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下注射針によって貫通可能な、ストッパーを有する静脈注射用の溶液バッグまたはバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、HDAC阻害剤である。HDAC阻害剤は、4SC-202またはチダミドであり得る。容器はさらに、第2の薬学的に活性な薬剤を含んでもよい。この第2の薬学的に活性な薬剤は、抗ウイルス薬であり得る。抗ウイルス薬は、ガンシクロビルまたはバルガンシクロビルであり得る。
【0135】
<服用スケジュール>
1つ以上の薬剤(例えば、ウイルス誘発剤及び/又は抗ウイルス薬)の投与は、間欠的であり得、例えば、投与は、2日ごと、3日ごと、5日ごと、週1回、月に1回または2回などであり得る。量、形態、及び/又は異なる形態の量は、投与の異なる時間に変更され得る。
【0136】
1つ以上の医薬組成物のパルス投与は、ウイルス誘発性の炎症性疾患の処置または予防に使用され得る。パルス用量が同じ組成物の連続投与から予期されるよりも少なくなり得るため、パルス投与は、継続的な処置より有効であり得る。各パルス用量は減少され得、患者への処置の経過にわたって投与される薬物の合計量は最小限にされ得る。
【0137】
パルス療法では、薬剤のインビボでのレベルは、有効な継続的な処置に必要とされるレベルより下に低下し得る。パルス投与は、効能の増大が伴って、1投与当たり又は全体の処置レジメン当たりで患者に投与される組成物の量を減少させることができる。パルス投与は、時間、労力および費用を節約することができ、より少ない有効量によって、被験体が経験し得る合併症の数および重要度を減少させることができる。そのため、パルス化(pulsing)は、同じ組成物の連続投与より有効であり得る。
【0138】
個々のパルスは、約2、4、6、8、10、12、14または16時間などの数時間、または2、3、4、5、6、または7日などの数日、あるいは約1時間から約24時間または約3時間から約9時間の期間にわたって、継続的に被験体に送達され得る。代替的に、周期的な用量は、短期間、例えば、1時間または2時間未満にわたって、組成物の単一のボーラス注入または少数の注入で投与され得る。例えば、HDAC阻害剤は、14日の期間にわたって投与され、その後7日間の未処置期間が続き得る。例えば、4SC-202は、14日の期間にわたって投与され、その後7日間の未処置期間が続き得る。例えば、チダミドは、14日の期間にわたって投与され、その後7日間の未処置期間が続き得る。
【0139】
パルスの間隔または送達なしの間隔は、24時間または48時間を超え得、3、4、5、6、7、8、9または10日間、2、3または4週間、あるいはさらに長いなど、さらにより長い期間になり得る。パルスの間隔は、当業者によって判定され得る。パルスの間隔は、組成物または組成物の有効成分が、次のパルスの送達前に患者においてもはや検出可能でないときに、別の用量の組成物を投与することによって計算され得る。間隔はまた、組成物のインビボでの半減期から計算され得る。間隔は、インビボでの半減期より長い、または組成物の半減期より2、3、4、5およびさらに10倍長い間隔として計算され得る。間隔は、化学組成物の半減期の25、50、100、150、200、250 300、およびさらに500倍であり得る。
【0140】
単一の治療レジメンにおけるパルスの数は、わずかに2であり得るが、約5~10、10~20、15~30またはそれ以上にもなり得る。被験体(例えば患者)は、本発明の方法に従って生涯(for life)1つ以上の薬剤(例えば薬物)を受け得る。組成物は、ほとんどの手段によって投与され得、注射(例えば、静脈内、皮下、動脈内)、注入または滴下として、およびより好ましくは経口摂取によって患者に送達され得る。患者への注入または送達の他の形態による組成物をパルス化する様々な方法および装置は、米国特許第4,747,825号;第4,723,958号;第4,948,592号;第4,965,251号および第5,403,590号に開示されている。
【0141】
特定の実施形態では、HDAC阻害剤および抗ウイルス薬を含む合剤された単位用量は、毎日投与される。さらなる実施形態では、投与は連続的である。幾つかの実施形態では、合剤された単位用量の投与は、パルス投与によるものである。特定の実施形態では、パルス投与は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月の間、合剤された単位用量のパルスを投与することを含む。幾つかの実施形態では、パルス投与は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月の間の合剤された単位用量を投与しない間隔を含む。
【0142】
幾つかの実施形態では、合剤された単位用量の投与は、パルス投与によるものである。特定の実施形態では、パルス投与は、約8週間、合剤された単位用量を投与すること、およびその後に約4週間、合剤された単位用量を投与しないことを含む。幾つかの実施形態では、パルス投与は、約6週間、合剤された単位用量を投与すること、およびその後に約2週間、合剤された単位用量を投与しないことを含む。特定の実施形態では、パルス投与は、約4週間、合剤された単位用量を投与すること、およびその後に約2週間、合剤された単位用量を投与しないことを含む。幾つかの実施形態では、パルス投与は、約2週間、合剤された単位用量を投与すること、およびその後に約2週間、合剤された単位用量を投与しないことを含む。幾つかの実施形態では、パルス投与は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月の間、合剤された単位用量を投与するパルスを含む。特定の実施形態では、パルス投与は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約10日、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、約12か月の間の合剤された単位用量を投与しない間隔を含む。幾つかの実施形態では、投与は連続的である。特定の実施形態では、投与は、被験体の生涯にわたって行われる。他の実施形態では、投与は、約1週、約2週、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約9か月、または約12か月の間行われる。幾つかの実施形態では、抗ウイルス薬は、合剤された単位用量を投与しない間隔の間に投与される。特定の実施形態では、抗ウイルス薬は、合剤された単位用量に加えて投与される。幾つかの実施形態では、抗ウイルス薬は、合剤された単位用量と同時に投与される。他の実施形態では、抗ウイルス薬は、合剤された単位用量とは別に投与される。
【0143】
抗ウイルス薬を含む医薬組成物が被験体に投与される前に、ウイルス誘発剤を含む医薬組成物が被験体に投与され得る。ウイルス誘発剤を含む医薬組成物は、抗ウイルス薬を含む医薬組成物とともに被験体に同時投与され得る。ウイルス誘発剤を含む医薬組成物は、抗ウイルス薬を含む医薬組成物および1つ以上の追加の薬剤を含む医薬組成物と同時投与され得る。医薬組成物は、パルス投与によって提供され得る。例えば、ウイルス誘発剤を含む医薬組成物が被験体に投与され得、続いて、時間の間隔が経過した後に、抗ウイルス薬を含む医薬組成物が被験体に投与され得、この投与の順序は、同じ又は類似した時間間隔で、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回あるいはそれ以上繰り返され得る。
【実施例
【0144】
実施例1:チダミドの効能の分析
チダミドがEBV関連の転写産物を誘発し得るかどうかを測定するために、EBV陽性のリンパ腫細胞株におけるタンパク質キナーゼTK(図1A)およびBGLF4(図1B)に対するmRNAの誘発を、24時間の異なる濃度の短鎖脂肪酸、ナトリウム酪酸塩(NaB)またはベンズアミド、チダミド(chid)への暴露後に測定した。定量的リアルタイムRT-PCRによって、転写産物を定量化した。
【0145】
HDACiとGCVの組み合わせの腫瘍細胞毒性活性を判定するために、EBV+リンパ腫細胞を、3日間、様々な濃度のナトリウム酪酸塩またはチダミド(GCV)に暴露し、その後、さらに3日間GCVに単独で暴露した(図1C)。その後、併用療法の手段でのナトリウム酪酸塩またはチダミドいずれかの効能を、生細胞の数を数えることによって判定した。一般的な実験のプロトコルが以下に記載される。
【0146】
<細胞>
EBV陽性のBリンパ腫細胞株P3HR1を、試験に使用した。P3HR1細胞株を、バーキットリンパ腫の患者から得た。EBVは、この細胞株における複製の潜伏状態を維持する。これらの細胞を、1ml当たり100Uのペニシリンおよび1ml当たり100μgのストレプトマイシンを含有している10%のウシ胎児血清でRPMI 1640において維持した。
【0147】
<研究薬剤>
HDAC阻害剤のチダミドを、この試験に使用した。陽性対照として、EBV-TKの確立された誘発因子である短鎖脂肪酸酪酸塩を使用した。ガンシクロビル(GCV)を抗ウイルス薬として使用した。
【0148】
<P3HR1細胞上のチダミドの滴定:>
培養中のP3HR1細胞の生存度または増殖に著しい影響を与えないチダミドの濃度を確立した。
【0149】
<薬物感受性アッセイ>
チダミドへのEBV陽性のリンパ腫細胞の感受性を試験するために、P3HR1細胞を、1つの抗ウイルス薬の存在下においてチダミドで処置した。アッセイの終わりに、未処置の細胞と比較した細胞増殖の阻害を測定することによって、チダミドの効能を評価した。
【0150】
健康な活発に増殖するP3HR1細胞を採取し、新鮮な増殖培地中に再懸濁した。細胞をウェルにおいて播種した。チダミドの適切な希釈液(dilutions)を特定のウェルに加え、それらの幾つかは、抗ウイルス薬(50μMの濃度のGCVなど)を受けた。72時間で、800μlの培養液を各ウェルから除去した。その後、ウェルに、HDAC阻害剤なしで1.0mlの新鮮な増殖培地を再供給した(refed)。新鮮なGCV溶液を、同じ初期濃度でGCVを元々受けているウェルに加えた。6日目に、細胞形態を顕微鏡で観察し、個々のウェルにおける生細胞の数を、自動細胞計数器(Countess, Invitrogen)を使用して、トリパンブルー色素排除法(trypan blue dye exclusion method)によって判定した。
【0151】
<チミジンキナーゼおよびタンパク質キナーゼの転写産物の発現アッセイ>
HDAC阻害剤が、EBVに感染したリンパ腫細胞中のチミジンキナーゼ(TK)またはPK(BGLF4)の発現を誘発したかどうかを判定するために、TK mRNAのアッセイを使用した。
【0152】
P3HR1細胞を、3mlの新鮮な増殖培地中の3×10細胞を含有している60mmのプレートにおいて播種した。適切な濃度のHDAC阻害剤をプレートに加え、細胞を、6時間、24時間、48時間、または必要に応じて、HDAC阻害剤の存在下でインキュベートした。細胞を、遠心分離によって採取し、冷たいPBS中で1回洗浄した。その後、総細胞RNAを抽出した。様々な完全なRNA調製物中のTK mRNAの相対レベルを測定するために、リアルタイムPCR解析を使用する逆転写および定量的PCRを使用した。Ghosh, S.K., Forman, L.W., Akinsheye, I., Perrine, S.P., Faller, D.V.: Short discontinuous sodium butyrate exposure efficiently sensitizes latently EBV infected cells towards nucleoside analogue-mediated growth inhibition, Blood Cells Mol. Diseases (2007), 38:57-65を参照。サンプル中のTK発現の相対レベルを、β-アクチンの発現レベルの正規化に従って計算した。
【0153】
<結果>
HDAC阻害剤のチダミドは、EBV+リンパ腫細胞の死滅の際に抗ウイルス薬のガンシクロビルとの相乗活性を有していた。チダミドは、500nMの濃度で開始してウイルス性TKおよびBGLF4の発現を誘発し、すべての試験された濃度で1.0mMのナトリウム酪酸塩より明らかに優れていた(図2Aおよび図2B)。死滅に関して、1μMのチダミドは、ガンシクロビルと組み合わせられたときに、ガンシクロビルと組み合わせられたときの1.0mMのナトリウム酪酸塩と同じくらい優れていた。
【0154】
実施例2:EBV、CMVおよびHHV-6のウイルスレベルに対する誘発剤の効能の分析
アルギニン酪酸塩および毎日のガンシクロビルで移植後のEBV陽性のリンパ腫のために処置されている女性患者は、EBV、CMVおよびHHV-6のレベルの有意な低下を示した。処置前(1週目)および3週間の処置後(3週目)に、レベルを判定した。結果は以下の表1に示される。
【0155】
【表1】
【0156】
実施例3.EBV関連のリンパ悪性腫瘍を有する患者におけるチダミド+バルガンシクロビルの第1相試験
EBV+であるリンパ系新生物が組織学的に確認された、EBV関連のリンパ悪性腫瘍を有する患者を、チダミドおよびバルガンシクロビルで処置する。バルガンシクロビルの投与をサイクルの全体にわたって継続する。チダミドを週1回投与する。最大耐量が確立されるまで、用量漸増を実行する。
【0157】
患者を抗腫瘍応答のために評価する。完全寛解(CR)は、(例えば、皮膚病変または扁桃質量(tonsillar masses)のための)画像検査または身体検査における検出可能な悪性疾患の消失として定義される。部分寛解(PR)は、処置の開始前の分析のために選ばれた、腫瘍サイズ(最大垂直直径の生成物の合計)または測定可能な病変の50%の縮小として定義される。皮膚(皮膚T細胞リンパ腫)などの、1寸法のみで測定され得る病変に関して、最大寸法の50%を超える縮小が、PRとして適格である。
【0158】
実施例4.EBV(+)のリンパ悪性腫瘍におけるチダミドまたは4SC-202およびバルガンシクロビルの第2相試験
EBV+であるリンパ系新生物が組織学的に確認された、EBV関連のリンパ悪性腫瘍を有する患者のために、臨床試験を実施し、チダミドまたは4SC-202の週1回の投与およびバルガンシクロビルの21日間の連続投与を利用する。患者を、FDG-PETによる応答のためにモニタリングし、完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、安定している疾患(SD)、または進行性の疾患(PD)として分類する。
【0159】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され記載されているが、そのような実施形態が例示目的のみで提供されることは当業者にとって明白となる。多くの変更、変化および置換が、本発明から逸脱することなく当業者に想到される。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C