IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

7366386ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム
<>
  • -ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム 図1
  • -ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム 図2
  • -ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/06 20060101AFI20231016BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B23Q3/06 304K
B23Q17/00 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018145685
(22)【出願日】2018-08-02
(65)【公開番号】P2020019107
(43)【公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】391003989
【氏名又は名称】株式会社コスメック
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】赤松 浩司
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-040200(JP,A)
【文献】特開2006-218580(JP,A)
【文献】実開平06-074209(JP,U)
【文献】特開平08-001463(JP,A)
【文献】実開平02-019440(JP,U)
【文献】特開2006-317387(JP,A)
【文献】特開2006-320979(JP,A)
【文献】国際公開第2016/139726(WO,A1)
【文献】特開2006-224261(JP,A)
【文献】実開平06-071005(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/00、 3/06
B23Q 17/00
B23B 31/00
F16B 1/02、 5/06
F15B 15/28
G01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力部材によって基準部材の上にクランプされたクランプ対象物を加工するマシニングセンタに設けられ、前記クランプ対象物の把持される箇所の厚さがばらつくクランプシステムにおいて、
磁性体からなる前記出力部材のストローク移動により、コイルと前記出力部材の重複する距離が変化するクランプ装置と、
前記コイルのインダクタンスの測定値を出力する変換器と、
加工を行う対象として前記基準部材に置かれたクランプ対象物に対してアンクランプ状態から前記出力部材をクランプ状態へ移動させ、移動していく過程で前記クランプ対象物が出力部材にクランプされたときの前記コイルのインダクタンスの測定値を表すデータを前記出力部材の位置とし、当該位置に対して許容する変動範囲を示すクランプエリアが設定されるメモリと、
前記メモリに前記クランプエリアと前記出力部材の位置の設定した後に前記マシニングセンタにクランプの実施を報告するとともに、前記マシニングセンタによるクランプ対象物の加工中においても、前記コイルのインダクタンスを測定し、前記メモリに記憶されたクランプエリアの範囲であるかどうかを判定し、範囲を超えたときに前記マシニングセンタに対して異常を発する制御部とを有することを特徴とするクランプ対象物の挙動検出機能を備えたクランプシステム。
【請求項2】
請求項1のクランプ対象物の挙動検出機能を備えたクランプシステムにおいて、前記コイルが前記出力部材に設けられた有底孔に挿入されることを特徴とするクランプ対象物の挙動検出機能を備えたクランプシステム。
【請求項3】
請求項1のクランプ対象物の挙動検出機能を備えたクランプシステムにおいて、加工中の前記コイルのインダクタンスの測定値をログとして記憶するログメモリを有することを特徴とするクランプ対象物の挙動検出機能を備えたクランプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク加工中におけるワークの挙動を検出するワーク挙動検出機能を備えたクランプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
マシニングセンタでは、テーブルやパレット等の基準部材にワークを固定するクランプ装置が設けられている。クランプ装置としては、例えば特許文献1に示すような流体圧シリンダを用いたクランプ装置が知られている。流体圧シリンダのピストンのストローク移動により、ワークを把握し、開放する。流体圧により駆動されるクランプ装置には、ストローク端を検出するために、位置検出器が設けられており、ストローク端にピストンが移動したときに、ストローク端の位置を検出して圧力流体の供給を停止する。特許文献1の位置検出器では、ピストンに磁石が配置され、シリンダチューブの外側には磁力を感知する磁気センサがピストンのストローク両端に夫々配置され、ピストンがストローク端に到ったときに、磁石の磁力を当該場所に配置された磁気センサが検出する。
【0003】
また、特許文献2の位置検出器によれば、磁性体からなるピストンを中空として、その中空にコイルを挿入して、ピストンのストローク移動によってコイルとの重合距離が変化するように配置したクランプ装置が開示されている。固定周波数パルス発振器からのパルスをコイルに接続して、重合距離の変化をインダクタンスの変化として検出することにより、ピストンの位置を検出する。特許文献1の技術と比較して、取付場所を要する磁気センサをシリンダチューブに対して取り付ける必要がなく、また、磁石を内蔵する取り付けスペースを必要としないとう効果がある。
【0004】
また、クランプ装置によっては、ストローク端の一方のみの位置を検出するように構成されているクランプ装置もある。このような装置は、圧力流体をストローク端の一方に向けて移動するときに用い、他方のストローク端に復帰するときにはバネの弾発力を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3280345号公報
【文献】特開2003-156304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
クランプ装置では、ストローク端の一方でワークを把握し、他方でワークを開放する。このような従来技術によれば、位置検出器は、ストローク端にピストンが到ったことを検出してストローク動作の切替えに利用されている。特許文献2では、位置検出器によりインダクタンス変化を検出している。このインダクタンス変化は時間若しくは電圧に変換されて所定の閾値と比較されることにより、所定位置に到達した時点でストローク端に到ったとしてスイッチ出力を発生させる。
【0007】
本発明は、ピストンが所定位置に到達したことを検出することに利用されていたストローク端の位置検出器を用いて、把持される箇所の厚さがばらつくクランプ対象物であっても、把持された後の加工中にワークの挙動を検出することを可能としたクランプシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、出力部材によって基準部材の上にクランプされたクランプ対象物を加工するマシニングセンタに設けられ、前記クランプ対象物の把持される箇所の厚さがばらつくクランプシステムにおいて、
磁性体からなる前記出力部材のストローク移動により、コイルと前記出力部材の重複する距離が変化するクランプ装置と、
前記コイルのインダクタンスの測定値を出力する変換器と、
加工を行う対象として前記基準部材に置かれたクランプ対象物に対してアンクランプ状態から前記出力部材をクランプ状態へ移動させ、移動していく過程で前記クランプ対象物が出力部材にクランプされたときの前記コイルのインダクタンスの測定値を表すデータを前記出力部材の位置とし、当該位置に対して許容する変動範囲を示すクランプエリアが設定されるメモリと、
前記メモリに前記クランプエリアと前記出力部材の位置の設定した後に前記マシニングセンタにクランプの実施を報告するとともに、前記マシニングセンタによるクランプ対象物の加工中においても、前記コイルのインダクタンスを測定し、前記メモリに記憶されたクランプエリアの範囲であるかどうかを判定し、範囲を超えたときに前記マシニングセンタに対して異常を発する制御部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ピストンが所定位置に到達したことを検出することに用いられていたストローク端の位置検出器を利用して、クランプポイントに対する加工時の変動に対して異常監視をすることができる。また、クランプの位置がランプ対象物によりバラ付くものであるが、クランプする過程においてクランプシステム側で実際の計測した値により、クランプの位置を取得し、マシニングセンタによる加工対象物の加工が始まり、その加工中においても、継続して測定して、クランプエリアの範囲であるかを判定し、範囲を超えたときにマシニングセンタに対して異常を発する。このため、クランプ対象物のクランプ位置を個別に設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステムとマシニングセンタを示す図である。
図2】クランプシステムにおいて利用されるクランプ装置の例を示す図であり、図2A、2Bは、旋回アームを備えたタイプのクランプ装置を示し、図2C、2Dはリンク機構を備えたタイプのクランプ装置を示している。
図3】制御部の処理を説明する図であり、図3Aは制御部2の初期設定プログラムを示し、図3Bはワーク加工状態における処理プログラムを示し、図3Cは表示部の画面を拡大して示している
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステムとマシニングセンタを示している。ワーク挙動検出機能を備えたクランプシステムは、クランプ装置1(図では4台)と、制御部2と、入出力機能を備えた表示部3と、油圧ユニット4とを有している。クランプ装置1はパレットPに設置されており、パレットPに設けられた台座PZの上に対してワークWを固定する。ワークWは、刃具Tにより加工される。図示されたクランプ装置1は、旋回アームを備えたタイプである。このタイプのクランプ装置1では、出力部材が下降する初期の段階で、出力部材の旋回アームが旋回し、その後直線的に下降することにより、ワークWのフランジ部WFを台座PZに押し付ける。クランプシステムは、さらに、クランプ時にクランプ装置1に圧油を送るロック側系統41とアンクランプ時に圧油を送るリリース側系統42との2系統が設けられた油圧ユニット4を備えており、制御部2により制御される。制御部は、マシニングセンタのコントローラ(図示せず)と接続されている。
【0012】
図2において、クランプシステムにおいて利用されるクランプ装置1の例を示している。図2A、2Bは、旋回アームを備えたタイプのクランプ装置1であり、図1に示したものである。また、図2C、2Dはリンク機構を備えたタイプのクランプ装置1である。
【0013】
図2A、2Bに示したクランプ装置1において、ハウジング10の内側にシリンダ孔11が形成されており、図面において上下を軸方向とした出力部材12が挿入されている。図2Aはアンクランプ状態、図2Bはクランプ状態の断面を示している。出力部材12は、アーム12dと、軸方向上側から順に形成されたロッド本体12aとそのロッド本体12aよりも大径となっているピストン部12bと下ロッド12cとを有する。ピストン部12bの上側に位置するシリンダ孔11aに対して圧力流体を供給する通路18と、ピストン部12bの下側に位置するシリンダ孔11bに対して圧力流体を供給する通路19がそれぞれハウジング10に穿孔されている。
【0014】
下ロッド12cには、アーム12dを旋回する旋回機構17が設けられている。旋回機構17は、ガイド溝17aとボール17bとを備えている。ガイド溝17aは、螺旋状の旋回溝とこれに続く直進溝とにより構成され(図では直進溝のみ示した)、ハウジング10に対して相対位置が固定されたボール17bがガイド溝17aを転動することにより、出力部材12を旋回させる。
【0015】
出力部材12には、くりぬき状に軸方向下側に向けて開放された有底孔14が設けられており、その中に空心とされたコイル15が挿入されている。コイル15は、シリンダ孔11の下底壁10aに設置され、軸方向に対して直角な半径方向に有底孔14内に隙間をあけて挿入されている。出力部材12のストローク移動に従って、コイル15の長さ方向において、コイル15が有底孔14に挿入された距離(若しくは、出力部材12と重複する距離)がL1(図2A)とL2(図2B)の間で変化するようになっている。出力部材12は、磁性体から形成されており、挿入距離が変化することで、コイル15により発生する磁束が通る磁気回路の磁気抵抗が変化する。
【0016】
図2C、2Dに示したクランプ装置1においては、図2A、2Bに示したクランプ装置1と同様の機能を有するものは同じ番号を付してある。図2C、2Dのクランプ装置1では、先に述べた旋回機構17は具備されておらず、出力部材12は、アーム12dの代わりにリンク機構12eを備えている点が異なる。また、図2Cはアンクランプ状態、図2Dはクランプ状態の断面を示しているが、ロッド本体12aがアンクランプ状態のときに下降し、クランプ状態のときに上昇している点も異なる。すなわち、挿入距離の長さが、それぞれ状態で逆転している。
【0017】
いずれのクランプ装置1においても、挿入距離により、コイル15により発生する磁束が通る磁気回路の磁気抵抗が決まり、コイル15のインダクタンスとして現れる。インダクタンスは、公知の手法により電気的に測定することができる。例えば、コイル15に、抵抗、コンデンサを直列に接続し、コンデンサに蓄えた電荷を、コイル15と抵抗を介して放電してゆく過程で、コンデンサの電圧と閾値電圧と比較し、放電開始から閾値電圧を下回ったときまでの時間間隔を測定することにより求めることができる。
【0018】
図1に戻り、制御部2は、処理ユニット21と、コイル15のインダクタンスを求めて、出力部材12の位置を表す情報として出力する変換器23と、処理ユニット21と変換器23とを接続するマルチプレクサ24と、メモリ22とを有している。表示部3は、例えばLCDタッチパネル等の入出力機能を備えた表示部を用いれば、様々な形式のキートップを表示できるので望ましい。
【0019】
表示部3には、様々なキートップが表示されている。キー32、キー33は、数値の入力キーである。キー32を押す毎に表示窓31に表示された数値が所定単位数だけ増加され、キー33を押す度に所定単位数だけ減少される。キー34は、運転モードを選択するキーである。キー34が押されると、マシニングセンタはワーク加工状態に入る。キー35、キー36、キー37はクランプポイント(空クランプポイント、ワーククランプポイント、アンクランプポイント)を決定するキーであり、図3において説明する。
【0020】
図3は、制御部2の処理を説明する図である。図3Aは初期設定プログラムを示し、図3Bはワーク加工状態における処理プログラムを示し、図3Cは表示部の画面を拡大して示している。キー35は空クランプポイント(CLPMと称する)に対応する。CLPMは、空クランプ状態での出力部材の位置を示す。キー37はアンクランプポイント(UPCLMと称する)に対応する。UPCLMは、アンクランプ状態での出力部材の位置を示す。従って、出力部材はCLPMとUPCLMとの間でストロークし、CLPMとUPCLMが夫々ストローク端である。また、キー36はワーククランプポイント(WCPMと称する)に対応する。WCPMは、ワークW(具体的にはワークWのフランジ部WF)を押さえる出力部材の位置を示す。UPCLM、CLPMには、夫々所定のマージン設定をすることができる。マージン設定で設定された範囲に出力部材12が到達したら、目的とするUPCLM、CLPMに到達したとみなす。
【0021】
図3Aにおいて、クランプ装置1の初期設定を行う。まず、ステップS1においてクランプ領域の設定を行う。この処理は、WCPMに対するクランプエリア設定の処理である。クランプエリアとは、ワークWの加工中に、出力部材12がこの範囲を超えて動いた場合に異常判定をする変動の許容範囲である。図3Cに示す表示部3の表示の中で、WCPMに対応するキー36が変色して、WCPMに対するクランプエリアの設定をするように促す。キー36の位置はデフォルトの位置である。キー32、キー33を用いて、表示窓31に数値を入力する。クランプエリアE2は、WCPMの上、下それぞれを設定し、数値が決まったらキー38を押す。上下併せて、例えば0-5mmの範囲内で設定する。
【0022】
次に、ステップS2において、UPCLMとCLPMに対するマージン設定を行う。UPCLMとCLPMに対応するキー37、キー35が順に変色して入力を促す。キー32、キー33を用いて、表示窓に数値を入力する。それぞれのマージン範囲E1、E3は、UPCLMとCLPMのそれぞれを起点として例えば0-1mmの範囲で設定する。数値が決まったらキー38を押す。
【0023】
ステップS3において、空クランプ状態で空クランプポイントを決定する。キー35が変色する。ワークWをパレットP上に設定していない状態で、キー33を押すと出力部材がクランプ状態へ移動し行く。空クランプポイントとして設定すべき位置で、キー35を押すと、当該位置におけるコイルのインダクタンスが、出力部材12の位置を表す情報として制御部2に取り込まれ、空クランプ状態での出力部材の位置として決定される。
【0024】
ステップS4において、アンクランプ状態でアンクランプポイントを決定する。キー37が変色する。キー32を押すと出力部材がアンクランプ状態へ移動して行く。アンクランプポイントとして設定すべき位置でキー37を押すと、当該位置におけるコイルのインダクタンスが出力部材12の位置を表す情報として制御部2に取り込まれ、空クランプ状態での出力部材の位置として決定される。
【0025】
ステップS5の処理の前に、ワークWをパレットPに搭載する。ステップS5において、キー36が変色する。キー33を押すと出力部材がクランプ状態へ移動して行く。クランプ装置1がワークWをクランプした位置で、キー36を押すと当該位置がクランプ状態でのワーククランプポイントとして決定される。ワークWの被把持部であるフランジ部WFの厚さは、ワークWによりばらつくことがあるが、従来はこれをクランプ状態のマージンとして、許容していた。具体的には、スイッチ出力を得るための閾値にマージンを持たせていた。しかしながら、本実施例によれば、ワークWのフランジ部WFの厚さに対して個別に設定することが可能になる。
【0026】
ステップS6において、クランプエリア、マージン、空クランプポイント、クランプポイント、アンクランプポイントがメモリ22の、クランプエリアメモリ22a、マージンメモリ22b、22c、空クランプポイントメモリ22d、クランプポイントメモリ22e、アンクランプポイントメモリ22fにそれぞれ設定され、初期設定が完了する。
【0027】
図3Bにおいて、ステップS8においてキー34が押され「運転モード」を選択されると、制御部2はマシニングセンタのコントローラに対してクランプが実施されたことを報告し、マシニングセンタは刃具Tによるワーク加工状態に入る。ステップS9において、出力部材の位置が設定されたクランプエリアE2の範囲内かどうか、コイルのインダクタンスについて常時監視を行う。監視されたインダクタンスが、出力部材の位置を表す情報としてクランプエリアE2の範囲を超えた場合、ステップS10において異常な状態であることをマシニングセンタのコントローラに対して報告する。マシニングセンタのコントローラでは、この報告に基づき、非常事態への対応(例えば、非常停止等)の処置を開始する。
【0028】
上記実施例において、メモリ22に、ログメモリ22gの領域を確保しておき、ステップS9における常時監視により得られた情報を、ログメモリ22gにログデータとして保存しておくことにより、非常停止にならなくても、加工されたワークWに対して不具合が発見された場合に、加工時におけるクランプ装置1のログデータによるデータ解析が可能になる。例えば、パレットPに4つあるクランプ装置1の一つについてクランプポイントの変動が見られた場合、刃具Tによる局所的な圧力が加わったと推察でき、対策に役立てることができる
【0029】
本実施例によれば、ストローク動作の切替えに用いられていたストローク端の位置検出器を利用して、クランプポイントに対する加工時の変動に対して異常監視をすることができる。また、ワークごとに被把持部の厚さがばらつく場合においても、クランプポイントを個別に設定できるので、きめの細かい異常検出が可能になる。
【符号の説明】
【0030】
1 クランプ装置
2 制御部
3 表示部
4 油圧ユニット
10 ハウジング
10a 下底壁
11 シリンダ孔
12 出力部材
12a ロッド本体
12b ピストン部
12c 下ロッド
12d アーム
12e リンク機構
14 有底孔
15 コイル
17 旋回機構
17a ガイド溝
17b ボール
21 処理ユニット
22 メモリ
23 変換器
24 マルチプレクサ
31 表示窓
32、33、34、35、36、37、38 キー
E1、E3 マージン範囲
E2 クランプエリア
P パレット
PZ 台座
T 刃具
W ワーク
WF フランジ部
図1
図2
図3