(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】井戸洗浄方法
(51)【国際特許分類】
B08B 9/035 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
B08B9/035
(21)【出願番号】P 2021186861
(22)【出願日】2021-11-17
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521435639
【氏名又は名称】くびき野温泉開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】丸山 隆志
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 哲行
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094362(JP,A)
【文献】特開昭47-044862(JP,A)
【文献】特開平08-126389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/00 - 9/46
E03B 3/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の掘削孔に設けられストレーナ部を有するケーシング体と、このケーシング体内に設けられる揚水ポンプとを備えた井戸の洗浄方法であって、前記揚水ポンプにおける揚水量を段階的に上昇させることで前記ストレーナ部に付着した不要物を除去することを特徴とする井戸洗浄方法。
【請求項2】
請求項1記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプはモーターポンプであり、この揚水ポンプに供給される電源の周波数を可変するインバータを有し、このインバータにより周波数を可変して前記揚水ポンプにおける揚水量を段階的に上昇させることを特徴とする井戸洗浄方法。
【請求項3】
請求項2記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプに供給される電源の周波数を前記インバータにより5Hz単位で上昇可変することで、前記揚水ポンプにおける揚水量を段階的に上昇させることを特徴とする井戸洗浄方法。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、周波数範囲が30Hz~50Hzであることを特徴とする井戸洗浄方法。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプにおける揚水量30~35L/minの揚水処理を所定時間行う第一工程と、この第一工程に続いて前記揚水ポンプにおける揚水量53~58L/minの揚水処理を所定時間行う第二工程と、この第二工程に続いて前記揚水ポンプにおける揚水量70~75L/minの揚水処理を所定時間行う第三工程と、この第三工程に続いて前記揚水ポンプにおける揚水量85~90L/minの揚水処理を所定時間行う第四工程と、この第四工程に続いて前記揚水ポンプにおける揚水量103~108L/minの揚水処理を所定時間行う第五工程とから成ることを特徴とする井戸洗浄方法。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、前記井戸は温泉井戸であることを特徴とする井戸洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、井戸洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、掘削孔にケーシング体を配して構築される井戸を洗浄するための装置として特開2005-307575に開示される井戸洗浄装置(以下、「従来例」という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、井戸内へ挿入可能な揚水管の外周面に、井戸の内周面に付着した汚れを掻き落とすブラシを設けたものであり、このブラシを上下方向に移動させることで井戸内を洗浄するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したように従来例を用いて井戸を洗浄する場合、井戸から既設の揚水ポンプや揚水パイプ等の揚水設備を取り外し、洗浄後には再びこの揚水設備を設置する作業が必要となり、厄介である。
【0006】
本発明は、前述した問題点について鑑みてなされたものであり、従来に無い画期的な井戸洗浄方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
地盤の掘削孔50に設けられストレーナ部2aを有するケーシング体2と、このケーシング体2内に設けられる揚水ポンプ3とを備えた井戸1の洗浄方法であって、前記揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることで前記ストレーナ部2aに付着した不要物Dを除去することを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプ3はモーターポンプであり、この揚水ポンプ3に供給される電源の周波数を可変するインバータ5を有し、このインバータ5により周波数を可変して前記揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプ3に供給される電源の周波数を前記インバータ5により5Hz単位で上昇可変することで、前記揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【0011】
また、請求項2,3いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、周波数範囲が30Hz~50Hzであることを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【0012】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、前記揚水ポンプ3における揚水量30~35L/minの揚水処理を所定時間行う第一工程と、この第一工程に続いて前記揚水ポンプ3における揚水量53~58L/minの揚水処理を所定時間行う第二工程と、この第二工程に続いて前記揚水ポンプ3における揚水量70~75L/minの揚水処理を所定時間行う第三工程と、この第三工程に続いて前記揚水ポンプ3における揚水量85~90L/minの揚水処理を所定時間行う第四工程と、この第四工程に続いて前記揚水ポンプ3における揚水量103~108L/minの揚水処理を所定時間行う第五工程とから成ることを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【0013】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の井戸洗浄方法において、前記井戸1は温泉井戸であることを特徴とする井戸洗浄方法に係るものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、井戸を簡易且つ良好に洗浄することができるなど、従来に無い画期的な井戸洗浄方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】本実施例に係るストレーナ部2aの通水孔2a’に不要物Dが付着した状態の拡大説明図である。
【
図3】本実施例に係る井戸洗浄方法の説明図である。
【
図4】本実施例の有効性を確認する試験結果の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0017】
本発明者等は、井戸1の洗浄に関し、前述した従来例のように井戸1から揚水ポンプ3や揚水パイプ6などの揚水設備を取り外すことなく井戸1の洗浄が行えないかと考え、揚水ポンプ3における揚水量を上げることで十分にストレーナ部2aに付着した不要物Dが除去できる点に着目し、種々の試験を行った結果、従来にない井戸1の洗浄方法を開発した。
【0018】
具体的には、井戸1は、時間の経過とともにストレーナ部2aの通水孔2a’の開口内縁に不要物D(汚れ)が付着し、この不要物Dが通水孔2a’を塞ぐ方向に成長する(通水孔2a’の開口度合いが小さくなる)ことで徐々に揚水量が低下してしまう為、この通水孔2a’に付着した不要物Dを除去する必要がある(
図2参照)。
【0019】
そこで、本発明者等は、揚水ポンプ3の通常作動時よりも出力を上げて揚水量(流速)を上げたところ、通水孔2a’に付着した不要物Dを除去できることを確認した。
【0020】
しかしながら、この通水孔2a’に付着した不要物Dを十分に除去しようとして、一気に揚水量を上げ過ぎると、通水孔2a’は不要物Dによって開口度合いが小さくなっている為、その付近の流速が急激に上がり、ケーシング体2(ストレーナ部2a)の外側周辺に位置する地盤の微細な土砂を該ケーシング体2内に吸い込んでしまい、通水孔2a’の目詰まりや揚水ポンプ3の破損の原因となるなどの問題点が生じることが確認された。
【0021】
そこで、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させてみたところ、地盤の微細な土砂を吸い込むことなく通水孔2a’に付着した汚れを除去することができた。
【0022】
具体的には、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させていくと徐々に揚水の濁り(地盤の微細な土砂から成る茶色い濁りでなく、通水孔2a’に付着する不要物Dから成る黒い濁り)が目立つようになり、ある段階をピークに濁りが消失して所謂整水となる。通水孔2a’に付着した不要物Dが除去できたことは、揚水の濁り具合で確認できる他、揚水ポンプ3の出力と揚水量との関係からも確認できる。
【0023】
つまり、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることで通水孔2aに付着した不要物Dが徐々に除去され、通水孔2a’の開口度合いが段階的に大きくなることで、通水孔2a’付近の流速が極端に上がることを抑えながら不要物Dを除去することができたと考えられ、そして、不要物Dが除去された井戸1は揚水ポンプ3の出力に合致する揚水量が得られることになる。
【0024】
以上、本発明は、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることでケーシング体2に付着した不要物Dを除去することができ、従来例のように井戸1から揚水ポンプ3や揚水パイプ6などの揚水設備を取り外すことなく井戸1の洗浄が行えることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、地盤の掘削孔50に設けられストレーナ部2aを有するケーシング体2と、このケーシング体2内に設けられる揚水ポンプ3とを備えた井戸1(井戸装置)の洗浄方法である。
【0027】
本実施例では、
図1に図示したように洗浄対象となる井戸1は温泉井戸であり、約1500mの掘削孔50に直径約25cm(断面積0.0490625m
2)の管部材2’を多数継合して成るケーシング体2を配設して構成され、このケーシング体2の途中部位(水源となる部位)に該ケーシング体2の長手方向に長さを有する複数本のスリット状の通水孔2a’(幅約6~12mm,長さ約10~30cm)が周方向に並設された管部材2’を配したストレーナ部2a(ケーシング体2における地下800m~1500mの範囲に合計約400mの長さのストレーナ部2a)が設けられ、更に、このケーシング体2内に揚水ポンプ3(水位計を備えたポンプ)を下端部に設けられた揚水パイプ6を配して構成されている。
【0028】
また、本実施例で使用する揚水ポンプ3の仕様は、以下のとおりである。
5.5kw×50Hz×3φ×200V(27.5A)
最大揚水量(105L/min)×最大揚程(139mH)
【0029】
また、本実施例は、揚水ポンプ3の作動を制御する制御部4を有しており、この制御部4にはインバータ5(インバータ回路)が設けられている。
【0030】
このインバータ5は、揚水ポンプ3に供給される電源(直流電圧)を所定の周波数の交流電圧に変換して揚水ポンプ3の駆動電力として出力するものである。
【0031】
従って、インバータ5を備えることで、必要な揚水量に応じて揚水ポンプ3の周波数(回転数)を任意の数値に設定することができ、電気の使用量を必要最小限に抑制し、コスト安な運転が可能となり、しかも、揚水ポンプ3の長寿命化が達成される。
【0032】
本実施例では、通常運転時の周波数は25Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は1500rpm)に設定され、後述するように洗浄する際の周波数は30Hz~50Hzの周波数範囲で設定される。勿論、通常運転時及び洗浄時の周波数は上記のみに限られるものではない。
【0033】
以上の構成から成る井戸1の洗浄方法について説明する。
【0034】
揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることでケーシング体2に付着した不要物D(スケールや鉄バクテリア等の目詰まり物質)を除去する。
【0035】
具体的には、揚水ポンプ3における揚水量30~35L/minの揚水処理を所定時間行う第一工程と、この第一工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量53~58L/minの揚水処理を所定時間行う第二工程と、この第二工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量70~75L/minの揚水処理を所定時間行う第三工程と、この第三工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量85~90L/minの揚水処理を所定時間行う第四工程と、この第四工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量103~108L/minの揚水処理を所定時間行う第五工程とを行う。
【0036】
更に詳述すると、第一工程では、
図2中の(a)に図示したように揚水ポンプ3に供給する駆動電力の周波数を30Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は1800rpm)とし、揚水量約32L/min(0.000533m
3/sec)の揚水処理を1~2時間行っている。尚、流速(LV)は0.0109m/secで、この揚水量約32L/minは掘削時揚水テスト時(235L/min)の負荷率13.6%である。本発明者等は、掘削時揚水テスト時(235L/min)の最大安定揚水量は141L/min(負荷率60%)程度と考える。
【0037】
この第一工程の際、揚水は少量の不要物Dが含まれた状態であり、工程開始時の動水位(揚水ポンプ3のポンプ作動時におけるケーシング体2内の水位)が約80mで、約30分後の動水位が約90mで、約60分後の動水位が約90mであり、約30分以降は動水位が安定した。繰り返し試験を行った結果、第一工程では揚水ポンプ3における揚水量30~35L/minの揚水処理が望ましいことが分かった。
【0038】
第二工程では、
図2中の(b)に図示したように揚水ポンプ3に供給する駆動電力の周波数を35Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は2100rpm)とし、揚水量約55L/min(0.0009167m
3/sec)の揚水処理を1~2時間行っている。尚、流速(LV)は0.0187m/secで、この揚水量約55L/minは掘削時揚水テスト時(235L/min)の負荷率23.4%である。
【0039】
この第二工程の際、揚水は少量の不要物Dが含まれた状態であり、工程開始時の動水位が約91mで、約30分後の動水位が約97mで、約60分後の動水位が約98mであり、約60分以降は動水位が安定した。繰り返し試験を行った結果、第二工程では揚水ポンプ3における揚水量53~58L/minの揚水処理が望ましいことが分かった。
【0040】
第三工程では、
図2中の(c)に図示したように揚水ポンプ3に供給する駆動電力の周波数を40Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は2400rpm)とし、揚水量約73L/min(0.0012166m
3/sec)の揚水処理を1~2時間行っている。尚、流速(LV)は0.0187m/secで、この揚水量約73L/minは掘削時揚水テスト時(235L/min)の負荷率31.1%である。
【0041】
この第三工程の際、揚水は多量の不要物Dが含まれた黒く濁った状態であり、工程開始時の動水位が約100mで、約30分後の動水位が約105mで、約60分後の動水位が約106mであり、約60分以降は動水位が安定した。繰り返し試験を行った結果、第三工程では揚水ポンプ3における揚水量70~75L/minの揚水処理が望ましいことが分かった。
【0042】
第四工程では、
図2中の(d)に図示したように揚水ポンプ3に供給する駆動電力の周波数を45Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は2700rpm)とし、揚水量約88L/min(0.0014667m
3/sec)の揚水処理を1~2時間行っている。尚、流速(LV)は0.02989m/secで、この揚水量約88L/minは掘削時揚水テスト時(235L/min)の負荷率37.4%である。
【0043】
この第四工程の際、揚水は多量の不要物Dが含まれた黒く濁った状態であり、工程開始時の動水位が約106mで、約30分後の動水位が約111mで、約60分後の動水位が約112mであり、約60分以降は動水位が安定した。繰り返し試験を行った結果、第三工程では揚水ポンプ3における揚水量85~90L/minの揚水処理が望ましいことが分かった。
【0044】
第五工程では、
図2中の(e)に図示したように揚水ポンプ3に供給する駆動電力の周波数を50Hz(揚水ポンプ3のモーター回転数は3000rpm)とし、揚水量約105L/min(0.00175m
3/sec)の揚水処理を1~2時間行っている。尚、流速(LV)は0.03567m/secで、この揚水量約105L/minは掘削時揚水テスト時(235L/min)の負荷率44.68%である。
【0045】
この第五工程の際、揚水は極めて少量の不要物Dが含まれた状態であり、工程開始時の動水位が約112mで、約30分後の動水位が約117mで、約60分後の動水位が約118mであり、約60分以降は動水位が安定した。繰り返し試験を行った結果、第三工程では揚水ポンプ3における揚水量103~108L/minの揚水処理が望ましいことが分かった。
【0046】
以上の結果から、本実施例は、井戸1の洗浄に際し、30Hz~50Hzの周波数範囲で揚水ポンプ3に供給される電源の周波数をインバータ5により5Hz単位で上昇可変することで、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させ、ストレーナ部2aに付着した不要物Dを良好に除去することができる。
【0047】
尚、本明細書で言う段階的とは、現在の工程から次の工程に移行する場合に、揚水ポンプ3を停止することなく該揚水ポンプ3における揚水量(回転数)を次のレベルまで一気に引き上げることを意味する。即ち、各工程は、一定の揚水量(回転数)を一定時間キープして行い、現在の工程が終了したら運転を途切れることなく次工程へ連続段階的に移行する。
【0048】
図4は井戸1における湧水量の経時変化の試験結果を示すグラフであり、本実施例の洗浄処理を行うごとに湧水量は増加しており、その有効性を確認することができる。尚、各回の洗浄処理は所定の期間をおいて実施している。
【0049】
本実施例は上述のように構成したから、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させることでケーシング体2(通水孔2a’)に付着した不要物Dを除去することができ、従来例のように井戸1から揚水ポンプ3や揚水パイプ6などの揚水設備を取り外すことなく井戸1の洗浄が行えることになる。
【0050】
また、本実施例は、揚水ポンプ3はモーターポンプであり、この揚水ポンプ3に供給される電源の周波数を可変するインバータ5を有し、このインバータ5により周波数を可変して揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させるものであるから、前述した作用効果を確実に奏することができる。
【0051】
また、本実施例は、揚水ポンプ3に供給される電源の周波数をインバータ5により30Hz~50Hzの周波数範囲で5Hz単位で上昇可変することで、揚水ポンプ3における揚水量を段階的に上昇させるから、前述した作用効果を確実に奏することができる。
【0052】
また、本実施例は、揚水ポンプ3における揚水量30~35L/minの揚水処理を所定時間行う第一工程と、この第一工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量53~58L/minの揚水処理を所定時間行う第二工程と、この第二工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量70~75L/minの揚水処理を所定時間行う第三工程と、この第三工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量85~90L/minの揚水処理を所定時間行う第四工程と、この第四工程に続いて揚水ポンプ3における揚水量103~108L/minの揚水処理を所定時間行う第五工程とから成り、試験結果に基づいた工程を行うことで前述した作用効果を確実に奏することができる。
【0053】
本実施例は、井戸1は温泉井戸であるから、本実施例のメリット(井戸1から揚水ポンプ3や揚水パイプ6などの揚水設備を取り外すことなく最短で良好に洗浄できるメリット)を十分に発揮することができる。
【0054】
尚、本発明は、実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0055】
D 不要物
1 井戸
2 ケーシング体
2a ストレーナ部
3 揚水ポンプ
5 インバータ
50 掘削孔