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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】定量吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/32 20060101AFI20231016BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B65D1/32
B65D1/02 221
B65D1/02 250
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019239182
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021107242
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】桑原 和仁
(72)【発明者】
【氏名】小賀坂 優太
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-105360(JP,A)
【文献】特開2012-062061(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01419970(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 1/32
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の口部、前記口部の下端に連なる胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底部を備えるとともに内容物を収容する容器本体と、前記口部に取付られるとともに前記内容物を吐出する吐出キャップとを有し、
前記胴部が、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネルからなるパネル対と、前記一対のパネル間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける被操作部とで構成される定量変形部を有し、
前記胴部が、前記被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の幅が異なる複数の前記定量変形部を有することを特徴とする定量吐出容器。
【請求項2】
前記被操作部が、容器外側から視たときに窪んでいる、請求項1に記載の定量吐出容器。
【請求項3】
前記被操作部が、前記被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の中央に位置する、請求項1又は2に記載の定量吐出容器。
【請求項4】
前記複数の定量変形部が前記周方向に並ぶ、請求項1~3の何れか1項に記載の定量吐出容器。
【請求項5】
各々の前記パネルが、上下方向に沿って延びる長方形状である、請求項に記載の定量吐出容器。
【請求項6】
筒状の口部、前記口部の下端に連なる胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底部を備えるとともに内容物を収容する容器本体と、前記口部に取付られるとともに前記内容物を吐出する吐出キャップとを有し、
前記胴部が、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネルからなるパネル対と、前記一対のパネル間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける被操作部とで構成される定量変形部を有し、
前記定量変形部が、異なる高さに位置する複数の前記被操作部を有し、
前記複数の被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の幅が異なることを特徴とする定量吐出容器。
【請求項7】
前記パネル対が、前記周方向に沿って延びる底辺を有する二等辺三角形状である、請求項に記載の定量吐出容器。
【請求項8】
前記胴部が、前記パネル対の前記二等辺三角形状の上下方向の向きが異なり前記周方向に並ぶ2つの前記定量変形部を有する、請求項に記載の定量吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定量の内容物を吐出し易い定量吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
口部、胴部及び底部を備えるとともに容器外側から押込操作を受ける容器本体(例えば特許文献1参照)と、口部に取付られるとともに前記押込操作によって内容物を吐出する吐出キャップとを有する吐出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-108056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば調味料を内容物とする吐出容器としては、分量を量りながら調理する人が近年増加していることから、定量の内容物を吐出し易いものが求められている。しかし、特許文献1に記載されるような容器本体を用いる吐出容器では、期待する吐出量に対して押込操作の押込量を一定にすることが難しく、そのため定量の内容物を吐出することは難しい。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、期待する吐出量に対して押込操作の押込量を一定にし易く、もって定量の内容物を吐出し易い定量吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様において定量吐出容器は、筒状の口部、前記口部の下端に連なる胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底部を備えるとともに内容物を収容する容器本体と、前記口部に取付られるとともに前記内容物を吐出する吐出キャップとを有し、前記胴部が、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネルからなるパネル対と、前記一対のパネル間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける被操作部とで構成される定量変形部を有し、前記胴部が、前記被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の幅が異なる複数の前記定量変形部を有することを特徴とするものである。
【0007】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、前記被操作部が、容器外側から視たときに窪んでいるのが好ましい。
【0008】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、前記被操作部が、前記被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の中央に位置するのが好ましい。
【0010】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、前記複数の定量変形部が前記周方向に並ぶのが好ましい。
【0011】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、各々の前記パネルが、上下方向に沿って延びる長方形状であるのが好ましい。
【0012】
本発明の第2態様において定量吐出容器は、筒状の口部、前記口部の下端に連なる胴部及び前記胴部の下端を閉塞する底部を備えるとともに内容物を収容する容器本体と、前記口部に取付られるとともに前記内容物を吐出する吐出キャップとを有し、前記胴部が、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネルからなるパネル対と、前記一対のパネル間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける被操作部とで構成される定量変形部を有し、前記定量変形部が、異なる高さに位置する複数の前記被操作部を有し、前記複数の被操作部の高さでの前記周方向における前記パネル対の幅が異なることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、前記パネル対が、前記周方向に沿って延びる底辺を有する二等辺三角形状であるのが好ましい。
【0014】
本発明の定量吐出容器は、上記構成において、前記胴部が、前記パネル対の前記二等辺三角形状の上下方向の向きが異なり前記周方向に並ぶ2つの前記定量変形部を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、期待する吐出量に対して押込操作の押込量を一定にし易く、もって定量の内容物を吐出し易い定量吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態である定量吐出容器を示す一部断面側面図である。
図2図1のA-A線に沿って示す断面図である。
図3図1に示す定量吐出容器の胴部の展開図である。
図4図2に示す状態から被操作部を押込操作したときの様子を示す断面図である。
図5】本発明の第2実施形態である定量吐出容器を示す一部断面側面図である。
図6図5に示す定量吐出容器の胴部の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明をより具体的に例示説明する。
【0018】
図1に示す本発明の第1実施形態である定量吐出容器1は、容器本体2と、吐出キャップ3とを有している。
【0019】
容器本体2は、筒状の口部2a、口部2aの下端に連なる胴部2b及び胴部2bの下端を閉塞する底部2cを有している。口部2aは円筒状であるが、円筒状以外の筒状であってもよい。口部2aは、口部2aの外周面に設けられた環状凸部2dによって吐出キャップ3を保持するように構成されているが、これに限らず例えば、口部2aの外周面に設けられたねじ部によって吐出キャップ3を保持するように構成してもよい。胴部2bは軸線Oを中心とする筒状である。より具体的に、胴部2bは円筒状の胴本体部2eと、口部2aの下端から胴本体部2eの上端まで徐々に拡径しながら延びる胴上部2fとからなっているが、これに限らない。口部2aは胴部2bに対して同心状に設けられているが、これに限らない。容器本体2は合成樹脂製であるが、これに限らない。また、容器本体2はブロー成形によって形成されているが、これに限らない。
【0020】
なお本実施形態において、説明の便宜上、軸線Oに沿う方向を上下方向といい、口部2aから底部2cに向かう方向(つまり図1における下方)を下方といい、その反対方向を上方といい、軸線Oを周回する方向を周方向といい、軸線Oに垂直な方向を径方向という。
【0021】
容器本体2は、図示しない内容物を収容している。内容物は調味料であるが、これに限らない。内容物は液状であるが、これに限らない。
【0022】
吐出キャップ3は、口部2aに取付られるとともに内容物を吐出するように構成されている。より具体的に、吐出キャップ3は、定量の内容物を吐出するための定量吐出口3aを備えるとともに口部2aに保持される定量吐出キャップ3bと、適量の内容物を吐出するための適量吐出口3cを備える適量吐出キャップ3dとを有している。適量吐出口3cは定量吐出口3aよりも大きい。適量吐出口3cを定量吐出キャップ3bで覆うように定量吐出キャップ3bを閉じることにより、適量吐出口3cを通じて定量吐出口3aから内容物を吐出することができる。適量吐出口3cを開放するように定量吐出キャップ3bを開くことにより、適量吐出口3cから内容物を吐出することができる。しかし吐出キャップ3は、適量吐出口3cを有する構成に限らない。
【0023】
定量吐出キャップ3bは、定量吐出キャップ3bを閉じるために適量吐出キャップ3dに螺合され、定量吐出キャップ3bを開くために適量吐出キャップ3dから螺脱されるように構成されているが、これに限らず例えば、適量吐出キャップ3dにヒンジを介して回動可能に構成してもよい。
【0024】
定量吐出キャップ3bは、定量吐出口3aを有する本体部材3eと、内容物の粘度等に応じて流路断面積を調整するために本体部材3eに取付られる調整部材3fとを有しているが、これに限らない。定量吐出キャップ3bは、低粘度の液状の内容物に適した構成である。しかし定量吐出キャップ3bはこれに限らず例えば、高粘度の液状の内容物に適した構成とするために、定量吐出口3aを形成するスリットを備えるスリット弁を有する構成としてもよい。
【0025】
定量吐出キャップ3bは、定量吐出口3aを開閉する蓋3gを有しているが、これに限らない。蓋3gは本体部材3eにヒンジhを介して一体に形成されているが、これに限らない。適量吐出キャップ3dは、プルリング3iを備えるとともに適量吐出口3cを開くために破断によって除去される抜栓部3jを有しているが、これに限らない。
【0026】
吐出キャップ3は合成樹脂製であるが、これに限らない。適量吐出キャップ3d、本体部材3e及び調整部材3fはそれぞれ射出成形によって形成されているが、これに限らない。
【0027】
図1図3に示すように、胴部2bは、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネル4からなるパネル対5と、一対のパネル4間に設けられるとともに容器外側から(つまり径方向内側への)押込操作を受ける被操作部6とで構成される定量変形部7を有している。胴部2bは、被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対5の幅(以下、変形幅Wともいう)が異なる複数の定量変形部7を有しているが、これに限らず、1つの定量変形部7を有していてもよい。定量変形部7は本実施形態では3つ設けられているが、定量変形部7の数は適宜増減が可能である。
【0028】
複数の定量変形部7は周方向に並んでいるが、これに限らず、例えば上下方向に並んでいてもよい。複数の定量変形部7は周方向に等間隔を開けて並んでいるが、これに限らない。例えば、複数の定量変形部7間の間隔が不均一であってもよいし、複数の定量変形部7が周方向に連続して並んでいてもよい。複数の定量変形部7は胴部2bの略全周に亘って設けられているが、これに限らず例えば、胴部2bの半周以下の範囲のみに複数又は1つの定量変形部7を設けてもよい。各々のパネル4は、上下方向に沿って延びる長方形状であるが、これに限らない。全てのパネル4の上端の高さと、全てのパネル4の下端の高さとはそれぞれ揃っているが、これに限らない。各々の定量変形部7において、被操作部6の高さでの周方向における一対のパネル4の幅は同じであるが、これに限らない。各々の定量変形部7において、一対のパネル4は、容器外側から視たときに被操作部6の中心を通り上下方向に沿う直線に関して線対称(左右対称)であるが、これに限らない。各々のパネル4の外周縁は、パネル外側からパネル内側に向けて窪む段差4aを全周に亘って形成しているが、これに限らない。各々のパネル4は、胴本体部2e内に収まるように設けられているが、これに限らない。各々のパネル4は、胴本体部2eの上下方向の略全範囲に亘って設けられているが、これに限らず例えば、胴本体部2eの上下方向の半分以下の範囲のみに設けてもよい。
【0029】
各々の定量変形部7において、被操作部6は、被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対5の中央に位置しているが、これに限らない。各々の定量変形部7において、被操作部6は、容器外側から視たときに窪んでいるが、これに限らない。各々の定量変形部7において、被操作部6は、容器外側から視たときに上下方向に沿う長軸を有する楕円状であるが、これに限らない。
【0030】
胴部2bは、最小の変形幅Wを有する最小定量変形部7aと、最大の変形幅Wを有する最大定量変形部7bと、最小定量変形部7aの変形幅Wと最大定量変形部7bの変形幅Wとの間の大きさの(つまり中位の)変形幅Wを有する中間定量変形部7cとを有しているが、これに限らない。
【0031】
図2図3に示すように、最小定量変形部7aの被操作部6の中心が位置する周方向位置を基準とし(つまり0°の周方向位置であるとし)、下方に向けて視たときの反時計回り方向を正方向とすると、中間定量変形部7cの被操作部6の中心は120°の周方向位置に配置され、最大定量変形部7bの被操作部6の中心は250°の周方向位置に配置されているが、これに限らない。周方向における3つの被操作部6の幅は同じであるが、これに限らない。また周方向における3つの定量変形部7間の間隔は同じであるが、これに限らない。
【0032】
図1に示すように、胴本体部2eにおける複数の定量変形部7よりも下方に位置する部分は、周方向に延びる1つの周溝8を有しているが、これに限らず例えば、複数の周溝8を有していてもよいし、周溝8を有していなくてもよい。胴部2bにおける複数の定量変形部7よりも上方に位置する部分は、周方向に延びる周溝を有していないが、これに限らず例えば、1つ又は複数の周溝を有していてもよい。
【0033】
定量吐出口3aが開放されて容器本体2の内部に連通した状態で、例えば図4に示すように、複数の定量変形部7の一つにおける被操作部6を容器外側から押込操作すると、径方向内側に押込まれていく被操作部6に追従するようにパネル対5が径方向内側に窪み変形し、それにより容器本体2の容積が減少し、内容物が定量吐出口3aから吐出される。このとき、容器本体2の容積を減少させる変形、つまり減容変形が、パネル対5という所定の部分で生じる。つまり押込操作によって常に規則的な減容変形が生じる。したがって、或る押込量によって得られる吐出量を一定にし易い。その結果、定量の内容物を吐出し易い。
【0034】
このように本実施形態によれば、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネル4からなるパネル対5と、一対のパネル4間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける被操作部6とで構成される定量変形部7により、期待する吐出量に対して押込操作の押込量を一定にし易くすることができ、もって定量の内容物を吐出し易くすることができる。
【0035】
本実施形態では変形幅Wが異なる複数の定量変形部7を設けているので、押込操作する定量変形部7を選択することで吐出量の水準を選択することができる。例えば、最小の変形幅Wを有する最小定量変形部7aを選択することにより、最小の定量の内容物を吐出することができる。また、最大の変形幅Wを有する最大定量変形部7bを選択することにより、最大の定量の内容物を吐出することができる。また、中位の変形幅Wを有する中間定量変形部7cを選択することにより、中位の定量の内容物を吐出することができる。
【0036】
本実施形態では被操作部6が窪んでいるので、押込操作を安定させ、もって定量の内容物を吐出し易くすることができる。また本実施形態では被操作部6が、被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対5の中央に位置しているので、この点からも押込操作を安定させ、もって定量の内容物を吐出し易くすることができる。また本実施形態では複数の定量変形部7が周方向に並んでいるので、どの定量変形部7を選択したときでも押込操作を容易に行うことができる。また本実施形態では各々のパネル4が、上下方向に沿って延びる長方形状であるので、スペース効率良く定量変形部7を設けることができる。
【0037】
前述した実施形態は、変形幅Wが異なる複数の定量変形部7から押込操作する定量変形部7を選択することで、吐出量の水準を選択することができるように構成されている。しかし、このような構成に代え、定量変形部7に異なる複数の変形幅Wを与える複数の被操作部6から押込操作する被操作部6を選択することで、吐出量の水準を選択することができるように構成してもよい。このような、本発明の第2実施形態である定量吐出容器1を図5図6に示す。なお、図5図6において、第1実施形態における要素に対応する要素に同一の符号を付している。
【0038】
本実施形態では、定量変形部7は、異なる高さに位置する複数の被操作部6を有している。すなわち、定量変形部7は、周方向に間隔を開けて並ぶ一対のパネル4からなるパネル対5と、一対のパネル4間に設けられるとともに容器外側から押込操作を受ける複数の被操作部6とで構成されている。本実施形態では定量変形部7が3つの被操作部6を有しているが、これに限らず、定量変形部7が有する被操作部6の数は適宜増減可能である。また本実施形態では胴部2bは複数の定量変形部7を有しているが、これに限らず、1つの定量変形部7を有していてもよい。また本実施形態では胴部2bは2つの定量変形部7を有しているが、これに限らず、定量変形部7の数は適宜増減可能である。本実施形態では複数の定量変形部7は周方向に並んでいるが、これに限らず、上下方向に並んでいてもよい。
【0039】
複数の定量変形部7は周方向に等間隔を開けて並んでいるが、これに限らない。例えば、複数の定量変形部7間の間隔が不均一であってもよいし、複数の定量変形部7が周方向に連続して並んでいてもよい。複数の定量変形部7は胴部2bの略全周に亘って設けられているが、これに限らず例えば、胴部2bの半周以下の範囲のみに複数又は1つの定量変形部7を設けてもよい。各々のパネル4は、三角形状であるが、これに限らない。全てのパネル4の上端の高さと、全てのパネル4の下端の高さとはそれぞれ揃っているが、これに限らない。各々の定量変形部7において、各々の被操作部6の高さでの周方向における一対のパネル4の幅は同じであるが、これに限らない。各々の定量変形部7において、一対のパネル4は、容器外側から視たときに複数の被操作部6の中心を通り上下方向に沿う直線に関して線対称(左右対称)であるが、これに限らない。各々のパネル4の外周縁は、パネル外側からパネル内側に向けて窪む段差4aを全周に亘って形成しているが、これに限らない。各々のパネル4は、胴本体部2e内に収まるように設けられているが、これに限らない。各々のパネル4は、胴本体部2eの上下方向の略全範囲に亘って設けられているが、これに限らず例えば、胴本体部2eの上下方向の半分以下の範囲のみに設けてもよい。
【0040】
各々の定量変形部7において、各々の被操作部6は、被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対5の中央に位置しているが、これに限らない。各々の定量変形部7において、各々の被操作部6は、容器外側から視たときに窪んでいるが、これに限らない。各々の定量変形部7において、各々の被操作部6は、容器外側から視たときに上下方向に沿う長軸を有する楕円状であるが、これに限らない。
【0041】
各々の定量変形部7において、複数の被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対の幅、つまり複数の被操作部6にそれぞれ対応する変形幅Wは異なっている。本実施形態ではパネル対5が周方向に沿って延びる底辺を有する二等辺三角形状であるので、被操作部6に対応する変形幅Wは被操作部6の高さに応じた長さになっている。しかし、パネル対5の形状はこれに限らない。また本実施形態では2つの定量変形部7は、パネル対5の二等辺三角形状の上下方向の向きが異なり周方向に並んでいるが、これに限らない。また本実施形態では2つの定量変形部7は周方向に180°隔てた位置に配置されているが、これに限らない。
【0042】
底辺が下方に位置する二等辺三角形状であるパネル対5を有する第1定量変形部7dにおいては、3つの被操作部6のうち最上部に位置する被操作部6である最上被操作部6aに対応する変形幅Wが最小であり、3つの被操作部6のうち最下部に位置する被操作部6である最下被操作部6bに対応する変形幅Wが最大であり、3つの被操作部6のうち上下方向中間部に位置する被操作部6である中間被操作部6cに対応する変形幅Wが中位である。底辺が上方に位置する二等辺三角形状であるパネル対5を有する第2定量変形部7eにおいては、最上被操作部6aに対応する変形幅Wが最大であり、最下被操作部6bに対応する変形幅Wが最小であり、中間被操作部6cに対応する変形幅Wが中位である。
【0043】
胴本体部2eにおける複数の定量変形部7よりも下方に位置する部分は、1つの周溝8を有しているが、これに限らず例えば、複数の周溝8を有していてもよいし、周溝8を有していなくてもよい。胴部2bにおける複数の定量変形部7よりも上方に位置する部分は、周方向に延びる周溝を有していないが、これに限らず例えば、1つ又は複数の周溝を有していてもよい。
【0044】
その他の構成は第1実施形態の場合と同様である。
【0045】
本実施形態では定量変形部7が異なる高さに位置する複数の被操作部6を有し、複数の被操作部6にそれぞれ対応する変形幅Wが異なっているので、押込操作する被操作部6を選択することで吐出量の水準を選択することができる。例えば、第1定量変形部7dの最上被操作部6aを選択することにより、最小の定量の内容物を吐出することができる。また、第1定量変形部7dの最下被操作部6bを選択することにより、最大の定量の内容物を吐出することができる。また、第1定量変形部7dの中間被操作部6cを選択することにより、中位の定量の内容物を吐出することができる。また、第1定量変形部7dの代わりに第2定量変形部7eを選択してもよい。
【0046】
また本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に被操作部6が窪んでいるので、押込操作を安定させ、もって定量の内容物を吐出し易くすることができる。また本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に被操作部6が、被操作部6の高さでの周方向におけるパネル対5の中央に位置しているので、この点からも押込操作を安定させ、もって定量の内容物を吐出し易くすることができる。また本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に複数の定量変形部7が周方向に並んでいるので、どの定量変形部7を選択したときでも押込操作を容易に行うことができる。また本実施形態においては、パネル対5が、周方向に沿って延びる底辺を有する二等辺三角形状であるので、スペース効率良く定量変形部7を設けることができる。また本実施形態においては、胴部2bが、パネル対5の二等辺三角形状の上下方向の向きが異なり周方向に並ぶ2つの定量変形部7を有しているので、より一層スペース効率良く定量変形部7を設けることができる。
【0047】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 定量吐出容器
2 容器本体
2a 口部
2b 胴部
2c 底部
2d 環状凸部
2e 胴本体部
2f 胴上部
3 吐出キャップ
3a 定量吐出口
3b 定量吐出キャップ
3c 適量吐出口
3d 適量吐出キャップ
3e 本体部材
3f 調整部材
3g 蓋
3h ヒンジ
3i プルリング
3j 抜栓部
4 パネル
4a 段差
5 パネル対
6 被操作部
6a 最上被操作部
6b 最下被操作部
6c 中間被操作部
7 定量変形部
7a 最小定量変形部
7b 最大定量変形部
7c 中間定量変形部
7d 第1定量変形部
7e 第2定量変形部
8 周溝
O 軸線
W 変形幅(被操作部の高さでの周方向におけるパネル対の幅)
図1
図2
図3
図4
図5
図6