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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】重量選別機
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/18 20060101AFI20231016BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20231016BHJP
   G01G 11/00 20060101ALN20231016BHJP
【FI】
B07C5/18
B65G47/46 H
G01G11/00 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020035739
(22)【出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2021137704
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】川野 良二
(72)【発明者】
【氏名】酒井 佳央
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-039117(JP,A)
【文献】特開平01-271319(JP,A)
【文献】特開2006-184107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/18
G01G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計量コンベヤで物品の重量を計重して重量ランクを判定し、判定した前記物品を、振分け搬送コンベヤで搬送して、判定した重量ランクに対応する振分け位置の収納容器へ振分ける重量選別機において、
前記振分け搬送コンベヤを支持する架台と、
前記架台の外側部に設けられると共に、前記振分け搬送コンベヤの搬送方向に沿って延びる支持部材と、
前記支持部材に着脱自在に装着される受け台とを備え、
前記収納容器が、前記受け台に配置される、
ことを特徴とする重量選別機。
【請求項2】
前記受け台は、その上部に、前記収納容器を位置決め支持する容器配置部を備えると共に、前記振分け搬送コンベヤ側の上端部に、前記支持部材に上方から引っ掛け係合するフック部を備える、
請求項1に記載の重量選別機。
【請求項3】
前記支持部材は、前記搬送方向の複数箇所に、前記フック部を位置決めする係合凹部を備える、
請求項2に記載の重量選別機。
【請求項4】
前記受け台は、その下部に、前記架台の外側面に当接する当接部を備え、
前記受け台は、前記フック部が前記支持部材に引っ掛け係合された状態で、前記当接部を介して前記架台に一定姿勢で当接支持される、
請求項2または3に記載の重量選別機。
【請求項5】
前記受け台は、前記振分け搬送コンベヤ側の下端部に、前記架台の下部に係合する下方フック部を備える、
請求項2ないし4のいずれか一項に記載の重量選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をその重量に応じた重量ランクに選別する重量選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
重量選別機としては、例えば、特許文献1に示されているように、物品を搬送しながらその重量を順次計量し、計量値が、複数の重量ランクの内のいずれの重量ランクに属するかを判定し、重量ランクが判定された各物品を、搬送経路外の各重量ランクに対応する所定の振分け位置の各収納容器へ振分けるようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-247101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる重量選別機では、収納容器を所定の振分け位置に容易に配置できると共に、物品が満杯になると収納容器を簡単かつ速やかに交換できることが望まれる。また、ユーザーの要求に応じて、例えば、搬送径路外の両側に物品を振分けたり、あるいは、搬送径路外の両側の一方側のみに物品を振分けるといった振分け仕様の設定が容易であることが望まれる。
【0005】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、収納容器を所定の振分け位置に迅速かつ容易に取り付け、取り外すことができる重量選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0007】
(1)本発明に係る重量選別機は、計量コンベヤで物品の重量を計重して重量ランクを判定し、判定した前記物品を、振分け搬送コンベヤで搬送して、判定した重量ランクに対応する振分け位置の収納容器へ振分ける重量選別機において、
前記振分け搬送コンベヤを支持する架台と、前記架台の外側部に設けられると共に、前記振分け搬送コンベヤの搬送方向に沿って延びる支持部材と、前記支持部材に着脱自在に装着される受け台とを備え、前記収納容器が、前記受け台に配置される。
【0008】
本発明によると、支持部材に装着した受け台に収納容器を配置するので、収納容器の取り替え等が容易になると共に、受け台自体が、支持部材に着脱自在に装着するものであるので、振分け位置の選択が容易である。また、振分け搬送コンベヤの搬送方向に沿って延びる支持部材を、振分け搬送コンベヤを支持する架台のコンベヤを挟む両外側部、あるいは、一方の外側部に設けることによって、振分け搬送コンベヤの搬送経路外の両側、あるいは、一方側のみに振分け位置を設けることができ、振分け仕様を容易に設定あるいは変更することができる。
【0009】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記受け台は、その上部に、前記収納容器を位置決め支持する容器配置部を備えると共に、前記振分け搬送コンベヤ側の上端部に、前記支持部材に上方から引っ掛け係合するフック部を備える。
【0010】
この実施態様によると、支持部材に対する受け台の着脱が、工具等を使用することなく、支持部材に対するフック部の係脱によって簡単容易に行える。更に、受け台の上部の容器配置部に、収納容器を容易に位置決めして配置することができる。
【0011】
(3)本発明の他の実施態様では、前記支持部材は、前記搬送方向の複数箇所に、前記フック部を位置決めする係合凹部を備える。
【0012】
この実施態様によると、受け台のフック部を、搬送方向に沿って延びる支持部材の係合凹部に係合することによって、受け台を搬送径路外における所定の振分け位置に正しく位置決めして取り付けることができる。
【0013】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記受け台は、その下部に、前記架台の外側面に当接する当接部を備え、前記受け台は、前記フック部が前記支持部材に引っ掛け係合された状態で、前記当接部を介して前記架台に一定姿勢で当接支持される。
【0014】
この実施態様によると、上部において支持部材に引っ掛け係合された受け台を、その下部の当接部を架台に当接させることによって、振分け搬送コンベヤの搬送径路外方に張り出した所定の片持ち姿勢に保持することができる。
【0015】
(5)本発明の他の実施態様では、前記受け台は、前記振分け搬送コンベヤ側の下端部に、前記架台の下部に係合する下方フック部を備える。
【0016】
この実施態様によると、受け台の下端部の下方フック部を、架台の下部に係合させることによって、受け台が上端部の引っ掛け箇所を中心として外方へ揺動するのを阻止することができる。これによって、収納容器を取り外す際などにおいて、受け台が収納容器に引きずられて動くようなことがなく、収納容器の取り外しが容易となる。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明によれば、収納容器を所定の振分け位置に、迅速かつ容易に取り付け、取り外すことができる。また、振分け搬送コンベヤの搬送経路外の両側、あるいは、一方側のみに物品を振分けるといった振分け仕様の設定や変更が容易である。更に、収納容器を配置する受け台は、支持部材に着脱自在に装着されるので、ランク数の変更にも容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は本発明の一実施形態の重量選別機の全体斜視図である。
図2図2図1の重量選別機の概略平面図である。
図3図3は受け台の取付け状態を示す縦断側面図である。
図4図4は受け台及び収納容器の斜視図である。
図5図5は受け台の取付け箇所の斜視図である。
図6図6は受け台の取付け状態の斜視図である。
図7図7は取付け高さを変更した受け台取の付け状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態の重量選別機の全体斜視図であり、図2は、図1の重量選別機の概略平面図である。
【0021】
この実施形態の重量選別機は、物品wを搬送しながらその重量を計量して重量ランクを判定する計量搬送装置1と、重量ランクが判定された物品を複数の重量ランクの内の該当する重量ランクに振分ける振分け装置2とを、物品wの搬送方向に沿って縦列配置して構成されている。
【0022】
計量搬送装置1は、物品wを載置して搬入する搬入コンベヤ3、その搬送方向下手に配備された計量コンベヤ4、重量ランク判定のための境界重量値などの各種の設定を行う共に、計量結果等を表示するタッチパネル式の操作設定表示部6を有する制御ボックス5などを、床置き設置した架台7に装備して構成されている。
【0023】
この計量搬送装置1では、搬入コンベヤ3で供給されてきた物品wを計量コンベヤ4に移載して搬送し、この搬送の間に物品wの重量を計量し、計量された物品の重量が、予め設定された複数の重量ランクのいずれの重量ランクに該当するかを判定する。
【0024】
振分け装置2は、計量搬送装置1からの物品wを受け取って直進搬送し、物品wの重量ランクに対応する振分け位置に物品wを振分ける。この振分け装置2は、長い振分け搬送コンベヤ8を床置き設置した架台9に装備して構成されている。振分け搬送コンベヤ8における搬送径路の両側には、複数個(この例では片側3個)ずつ振分けアーム10が搬送方向に沿って配備されている。
【0025】
各振分けアーム10は、搬送方向下手側の縦向き支点pを中心に水平揺動可能に駆動ケース11の上面に装備されている。振分けアーム10は、駆動ケース11に内装した図示されていないエアシリンダによって往復揺動駆動されるようになっている。振分けアーム10は、図2中の実線で示すように、搬送経路の横側方に外れた退避姿勢と、図2中の仮想線で示すように、搬送経路に斜めに交差して、搬送されてくる物品wを横外方に案内して搬送径路から排出する排出案内姿勢とに切換え制御される。
【0026】
各振分アーム10の外側箇所には、振分けアーム10によって搬送径路から排出された物品wを外方下方に滑落案内する排出シュート12が、配備されている。更に、排出シュート12によって滑落案内された物品wを受け取る収納容器13が、受け台14に支持された状態で配置されている。
【0027】
この例では、振分け搬送コンベヤ8を挟む両側の一方側のみに3個の振分けアーム10を配備しているので、最大3段階の重量ランクで物品wを重量選別することができる。また、振分け搬送コンベヤ8の終端からは規格外の重量の物品wを回収することができる。
【0028】
本実施形態の重量選別機では、前記収納容器13を以下のようにして支持している。
【0029】
図3は、受け台14の取付け状態を示す縦断側面図であり、図4は、受け台14及び収納容器13の斜視図であり、図5は、受け台14の取付け箇所の斜視図であり、図6は、受け台14の取付け状態の斜視図である。
【0030】
振分け搬送コンベヤ8を支持する架台9における外側面の上部、すなわち、架台9の、振分け搬送コンベヤ8を挟む両側の内の一方側の外側面の上部には、搬送方向に沿って長い支持部材15が左右水平に連結固定されている。この支持部材15は、下端辺をコンベヤ側に屈折させた厚板鋼材で構成されている。支持部材15は、図5に示されるように、スペーサ16を介して架台9の外側面にボルト連結することで、支持部材15の上端辺が架台9から所定寸法だけ離れた縦姿勢で固定されている。
【0031】
収納容器13の受け台14は、アングル材を側面形状三角形に組上げたものである。この受け台14は、その上端部に、コンベヤ側の前側板17、左右側板18、及び、後側板19を備えており、上方から嵌め入れるように載置される収納容器13の前後左右の位置決めが行われる。左右側板18及び後側板19は、その下端から内向きに屈折延出した受け面18a、19aを有しており、この受け面18a,19aによって、収納容器13の容器底面の左右及び外端部を、水平姿勢に受止める容器配置部20が構成されている。
【0032】
容器配置部20を形成する前側板17は厚板材で構成され、その前方延出部分を下方に略直角に屈折して、受け台13の左右幅と同幅のフック部21が形成されている。
【0033】
受け台14の前面とフック部21との間隔が、支持部材15の厚さより若干大きく設定されると共に、支持部材15の長手方向三箇所には、フック部21の横幅と略同幅の係合凹部22が形成されている。受け台14のフック部21を、支持部材15の係合凹部22に上方から引っ掛けることで、受け台14を搬送方向における所定の振分け位置に位置決めして係合支持することができる。
【0034】
また、受け台14における前面下部、すなわち、受け台14におけるコンベヤ側の下部には、受け台14の左右幅と同幅の板材を屈折形成してなる下方フック部23がボルト連結されている。この下方フック部23を架台9の外側下部に架設された横桟24に上方から係合することで、受け台14下部の外方への浮上り移動が阻止される。
【0035】
更に、受け台14における前面下端部の左右には、姿勢規制用の当接部として、前方に突出する当接ボルト25が備えられている。この当接ボルト25は、前方への突出量を調節することが可能である。この当接ボルト25の頭部を架台9の外面に当接することで、前端上部を支持部材15に引っ掛け係合された受け台14の前方への揺動を規制する。これによって、容器配置部20が前後水平となる所定姿勢で受け台14を、後向きに片持ち支持することができる。
【0036】
収納容器13は以上のようにして載置支持されるようになっている。したがって、収納容器13を、その左右外側面に備えた取っ手26を持って受け台14の容器配置部20に簡単に脱着することができる。また、受け台14自体も、少し持ち上げて支持部材15とフック部21、及び、横桟24と下方フック部23との係合を解除することで容易に取り外すことができる。また、支持部材15の係合凹部22を利用することで、受け台14を所望の振分け位置に位置決めして所定の姿勢に係合装着することができる。
【0037】
なお、支持部材15、下方フック部23、及び、当接ボルト25は同ピッチで取付け高さが複数段に変更可能となっている。従って、例えば、図7に示すように、支持部材15を下げて架台9に取り付けると共に、下方フック部23、及び、当接ボルト25を同量だけ上げて装着することで、受け台14を低い所定姿勢で架台9に取り付けることができる。これによって、より深い収納容器13´を配置することができる。
【0038】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0039】
(1)上記実施形態では、容器配置部20の前側板17を延長して、受け台14の左右幅と同幅のフック部21を形成しているが、棒材や帯板材などからなる一対のフック部を、受け台14の上端前部に左右所定間隔をもって取付けてもよい。
【0040】
(2)受け台14の容器配置部20を形成する左右側板18、及び、後側板19を、上半部が外拡がりになるよう屈折しておくと、容器配置部20へ上方から収納容器13を出し入れすることが容易となる。
【0041】
(3)容器配置部20の後側板19を低く設定して、収納容器13を低い後側板19を乗り越えるように後方から容器配置部20に差し込み装着し、低い後側板19で後方への位置決めを行うようにすることもできる。これによると、物品を収納した重い収納容器13を取り外す際に、収納容器13大きく持ち上げる必要がなくなる。
【0042】
(4)容器配置部20を少し前下がり傾斜すると共に、後側板19を省略し、収納容器13を容器配置部20に後方から差し込んで前側板17で位置決め当接し、収納容器13の自重で後方への抜け出しを阻止するようにしてもよい。
【0043】
(5)受け台14の前端下部に設けた下方フック部23は、架台9の横桟24に係合することで、収納容器13を取り外す際などにおいて、受け台14が後方への揺動するのを阻止することができる。しかし、受け台14の重量がある程度大きくて、受け台14が上方に引っ掛け箇所を中心に後方へ容易に揺動しない場合には、下方フック部23を省略してもよい。
【0044】
(6)支持部材15及びフック部21の形状は、上記実施形態に限らず、任意であり、引っ掛け係合できる形状であればよい。
【0045】
(7)収納容器13は、市販のプラスチックボックス等で代用することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 計量搬送装置
2 振分け装置
8 振分け搬送コンベヤ
9 架台
10 振分けアーム
13 収納容器
14 受け台
15 支持部材
20 容器配置部
21 フック部
22 係合凹部
23 下方フック部
25 当接ボルト(当接部)
w 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7