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特許7366561移動可能な案内要素を備えるケーブル処理機およびケーブル処理機内にケーブルを敷設するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】移動可能な案内要素を備えるケーブル処理機およびケーブル処理機内にケーブルを敷設するための方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 51/32 20060101AFI20231016BHJP
   B21F 23/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B65H51/32 J
B65H51/32 F
B21F23/00 B
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019054226
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2019167246
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】18163543.4
(32)【優先日】2018-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503231561
【氏名又は名称】コマツクス・ホールデイング・アー・ゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レト・エッギマン
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ストーブリ
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-523391(JP,A)
【文献】実開平06-073036(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 51/32
B21F 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル(16)を送り方向(P1)に移動させるためのケーブル送り装置(12)を備える、ケーブル処理機であって、
ケーブル送り装置(12)は第1の案内要素(70)と第2の案内要素(72)とを備え、それらの間にケーブル(16)が少なくともケーブル処理機(10)の作動モードにおいて案内され、
2つの案内要素(70、72)間の間隔が可変であり、
2つの案内要素(70、72)が、ケーブル(16)を敷設するためのケーブル敷設モードにおいて互いに対して第1の間隔を有し、作動モードにおいて互いに対して第2の間隔を有し、第2の間隔は第1の間隔よりも小さく、
2つの案内要素(70、72)が一緒になって、作動モードにおいて、ケーブル(16)を全面において包囲しており、
ケーブル敷設モードにおいて、敷設中にケーブルが通過するための間隙が、2つの案内要素(70、72)間の所定の側に、特に上部に形成されており、
ケーブル送り装置(12)が、第1のベルト駆動装置(18)および第2のベルト駆動装置(29)を備え、それらの間にケーブル(16)が案内され、ケーブルは、第1のベルト駆動装置(18)および第2のベルト駆動装置(29)の従動ベルトと接触することによって送り方向(P1)に移動され得る、
ことを特徴とする、
ケーブル処理機(10)。
【請求項2】
第1の案内要素(70、72)が、ケーブル処理機(10)のハウジング(54)に対して固定して配置され、第2の案内要素(72)が、第1の案内要素(70)に対して移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項3】
ケーブル送り装置(12)の第1のベルト駆動装置(18)が、ケーブル処理機(10)のハウジング(54)上に固定して配置され、第2のベルト駆動装置(20)が、ケーブル(16)を敷設するためにハウジング(54)に対して移動可能であるキャリア(52)に固定され、第2の案内要素(72)がキャリア(50)上に配置されることを特徴とする、請求項2に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項4】
2つの案内要素(70、72)が、ケーブル処理機(10)のハウジング(54)に対して移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項5】
2つの案内要素(70、72)が、互いに対して並進式に移動可能であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項6】
案内要素(70、72)のそれぞれが、断面が実質的にL字形であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項7】
2つの案内要素(70、72)がそれぞれ、ケーブル(16)と接触してケーブル(16)を案内するために互いに対して垂直に配置された2つの接触面(80から86)を有し、第1の案内要素(70)の接触面(80、82)の一方および第2の案内要素(72)の接触面(84、86)の一方が、いずれの場合も互いに対して平行に配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項8】
ケーブル送り装置(12)が、出口に、ケーブル(16)がそこを通って案内される案内管(36)を有し、案内管(36)は、制動状態においてケーブル(16)を保持するブレーキユニット(96)を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項9】
ブレーキユニット(96)が、ばね、好ましくは板ばねを備えることを特徴とする、請求項8に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項10】
案内管(36)をケーブル処理機(10)に締め付けるためのクランプレバー(38)が閉じられたときに、ブレーキユニット(96)が自動的に開かれることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載のケーブル処理機(10)。
【請求項11】
ケーブル処理機(10)内にケーブル(16)を敷設する方法であって、
ケーブル(16)が案内管(36)を通って摺動され、
案内管(36)が、ケーブル処理機(10)の管ホルダ(40)に挿入され、
ケーブル(16)が、2つのベルト駆動装置(18、20)間と、2つの案内要素(70、72)間とに敷設され、
ベルト駆動装置(18、20)が、互いに向かって移動され、
案内要素(70、72)も同様に互いに向かって移動される、方法。
【請求項12】
ケーブル(16)が、最初に案内管(40)のブレーキ装置(96)によってクランプされ、ブレーキユニット(96)が、案内管(36)が挿入された後、または前記管が管ホルダ(40)に挿入される間に解放されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル処理機であって、ケーブルを送り方向に移動させるためのケーブル送り装置を備え、前記ケーブル送り装置は、さらに、第1および第2のベルト駆動装置を備え、それらの間にケーブルが案内され、ベルト駆動装置の従動ベルトと接触することによってケーブルを送り方向に移動させることが可能である、ケーブル処理機に関する。本発明は、さらに、この種のケーブル処理機内にケーブルを敷設するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル処理機は、一般にケーブル送り駆動装置を備え、それによって処理されるべきケーブルが送り方向に移動される。ケーブル送り駆動装置の最も一般的な形態の1つは、ベルト駆動装置として知られているものであり、そこではケーブルは、それぞれ従動ベルトを備える2つのベルト駆動装置間に案内される。ケーブルは、前記従動ベルトとの接触によって送り方向に移動される。この種のケーブル処理機は、例えば、欧州特許出願公開第3219654号明細書から知られている。
【0003】
他のベルト駆動装置が、欧州特許第0423443号明細書に説明されている。
【0004】
ベルト駆動装置の一方がケーブル処理機のハウジング上に固定して配置され、他方の駆動装置が、ハウジングに対して、従って固定したベルト駆動装置に対して移動可能であるキャリア上に、特にケーブルの搬送面に対して垂直に配置され、それによりケーブルを敷設するためにベルト駆動装置が開かれ、その後作動のために閉じられ得るように、ベルト駆動装置は特に設計される。あるいは、両方のベルト駆動装置が移動可能に設計されたケーブル送り装置も知られている。
【0005】
ベルト駆動装置に加えて、ケーブル処理機内のケーブルは、ケーブル処理機内側の所定の搬送経路に沿ってケーブルが移動されることを確実にする複数の案内ユニットを通って案内され、こうしてケーブルの安全で高品質の処理を可能にする。案内ユニットは通常、ケーブルがそこを通って案内される円形穴を有する。したがって、新しいケーブルを敷設するとき、ケーブルは、案内ユニットのこの円形穴に通される必要がある。円形孔を有するそのような案内ユニットは、例えば、独国特許発明第102009031076号明細書から知られている。このケーブルを通すことは、通常手作業で行われ、非常に手間がかかる。特に、異なる直径を有するケーブルを処理するとき、案内ユニットを頻繁に変更する必要がある。これは、穴の直径が小さすぎるとケーブルが詰まり、簡単に通過できず、直径が大きすぎると隙間が大きくなり、ケーブルの高品質の処理は確実にされなくなるため、穴の半径をケーブルの直径に合致させる必要があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許出願公開第3219654号明細書
【文献】欧州特許第0423443号明細書
【文献】独国特許発明第102009031076号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によって対処される問題は、ケーブル交換を実施することが特に容易である、ケーブル処理機およびケーブル処理機内にケーブルを敷設するための方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、請求項1の特徴を有するケーブル処理機と、独立方法請求項の特徴を有する方法とによって解決される。本発明の有利な実施形態は、従属請求項に提供される。
【0009】
本発明によれば、ケーブル送り装置は、第1の案内要素と第2の案内要素とを備え、その間にケーブルが、少なくともケーブル処理機の作動モードにおいて案内される。2つの案内要素間の間隔は、可変である。
【0010】
案内ユニットが、知られているように一体的に形成されるのではなく、互いに対する間隔が可変である2つの案内要素によって形成されることにより、最初に大きい間隔を設定することによってケーブルはケーブル処理機内に容易に敷設可能であり、次いで、間隔を減少させることによってケーブルは依然として安全に案内可能であり、したがって高品質のケーブルの処理が可能である。したがって、特にケーブルの直径に応じてガイドユニットを変更する必要はなくなる。
【0011】
作動モードは、特に、ケーブル処理機が作動中に作動されるモード、すなわち、ケーブルがケーブル処理機によって処理されるモードを意味すると理解される。
【0012】
ケーブル送り装置は、特に、第1および第2のベルト駆動装置を備え、それらの間にケーブルが案内され、ベルト駆動装置の従動ベルトと接触することによってケーブルを送り方向に移動させることが可能である。
【0013】
2つの案内要素は、ベルト駆動装置の送り方向に見て、特に上流側に配置されている。あるいは、案内要素は、ベルト駆動装置の下流側にも配置され得る。特に好ましい実施形態では、案内要素は、ケーブル長さ測定装置の上流側に配置されている。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、2つの案内要素は、ケーブルを敷設するためのケーブル敷設モードでは互いに対して第1の間隔で配置され、作動モードでは互いに対して第2の間隔で配置され、前記第2の間隔は、第1の間隔より小さい。その結果、ケーブルは、より大きな第1の間隔で機械内に容易に敷設可能であり、次いで、第2の間隔を設定することによってケーブルを安全に案内することが可能である。特に、第2の間隔はケーブルの直径に依存し、すなわちケーブル直径に応じて、特に案内要素間の種々の間隔が作動モード中に設定可能であり、これはケーブルの最適な案内がいずれの場合も確実にされることを意味する。
【0015】
案内要素が、第2の間隔を有する位置、すなわち作動モードに配置されたとき、ケーブルが全面において取り囲まれ、したがってケーブルがすべての方向に案内されるように設計されているとさらに有利である。
【0016】
逆に、ケーブル敷設モードにおける案内要素は、ケーブル敷設モードにおいて、ケーブルがその中を通って敷設され得る間隙が、2つの案内要素間の所定の側に形成されるように配置され設計される。特に、前記間隙は上部に形成されているので、ケーブルは上方からケーブル処理機内に敷設され得る。これにより、ケーブルを特に簡単な方法で敷設することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、第1の案内要素は、ケーブル処理機のハウジング上に固定して配置され、第2の案内要素は、第1の案内要素に対して、したがってケーブル処理機のハウジングに対しても移動可能に配置される。したがって、案内要素間の間隔を設定するには2つの案内要素のうちの一方のみを移動させるだけでよい。
【0018】
本発明の特に好ましい実施形態では、ケーブル送り装置は、ケーブル処理機のハウジング上に固定して配置された第1のベルト駆動装置を備える。ケーブル送り装置は、ハウジングに対して移動可能なキャリアに固定された第2のベルト駆動装置をさらに有する。前記キャリアを移動させることにより、ケーブル送り装置は開閉可能であり、開放状態は特にケーブルをベルト駆動装置間に上方から敷設するために使用され、閉鎖状態は、ケーブル処理機の作動中に使用される。第2の案内要素もまた、特に前記キャリア上に配置される。これは、ベルト駆動装置の開閉時に2つの案内要素間の間隔が自動的に変更されるという利点を有し、これは、ベルト駆動装置が開いているとき、2つの案内要素間の間隔もケーブルを上方から敷設できるのに十分な大きさとなり、ベルト駆動装置を閉じることにより、ケーブルが前記要素によって安全に案内されるように、2つの案内要素が自動的に互いに向かって移動されることを意味する。
【0019】
本発明の代替の実施形態では、両方の案内要素が、ケーブル処理機のハウジングに対して移動可能になるように設計され得る。その結果、案内要素の動作範囲が増大する。
【0020】
案内要素は、特に互いに対して並進的に移動可能とすることができる。特に、2つの案内要素のうちの一方が他方に対して線形に移動される。あるいは、両方の案内要素は、互いに対して移動され得る。
【0021】
本発明の代替の実施形態では、案内要素はまた、間隔を変えるために互いに対して枢動可能であるように設計され得る。
【0022】
本発明の特に好ましい実施形態では、案内要素は、これらがそれぞれ実質的にL字形の断面を有するように設計される。
【0023】
この場合、案内要素はそれぞれ、特に、ケーブルと接触し、したがってケーブルを案内するために、互いに対して垂直に配置された2つの接触面を有する。この場合、案内要素は、いずれの場合も1つの案内要素の接触面の1つが第2の案内要素の接触面に対して平行に配置され、全体として全面における案内が4つの案内表面によって達成されるように互いに対して配置される。全面での案内は、こうして特に簡単な方法で達成される。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、ケーブル送り装置は、出口に、すなわちケーブル送り装置の下流端に、ケーブルが通り抜ける案内管を有する。この案内管は、制動状態においてケーブルを保持するブレーキユニットを備え、その結果、ケーブルが案内管に対して移動することが防止される。特に、ケーブルは、ブレーキユニットによってクランプされる。
【0025】
その結果、ケーブルがケーブル処理機内に敷設されるとき、ケーブルは、案内管に対して移動可能ではなく、したがって、ケーブルを同時に保持する必要なしに、案内管は容易に把持され、管ホルダに挿入され得る。その結果、ケーブルを敷設すること、特にベルト駆動装置と案内要素との間に上方から敷設することが、さらに簡単になる。
【0026】
ブレーキユニットは、特に、ばねを備えるように設計され、このばねは、第1の状態では案内管のハウジング、特に案内管のハウジングの内側と一緒になってケーブルをクランプし、第2の状態ではもはやクランプ作用を与えない。
【0027】
ばねは特に板ばねの形をしており、板ばねは案内管の凹部内に配置され、したがって案内管のハウジングを通って内側案内チャネルに係合し、こうしてケーブルがクランプされるのを確実にすることができる。
【0028】
案内管がケーブル送り装置の管ホルダ内にクランプレバーによってクランプされ得、クランプレバーが閉じられ得るとき、クランプレバーが閉じられたときにブレーキユニットが自動的に解放されるとさらに有利である。したがって、ブレーキユニットを解放する機構をさらに設ける必要はない。したがって、特に、解放は忘れられず、追加の作業ステップは必要とされない。
【0029】
本発明の代替の実施形態では、能動要素が管ホルダに設けられてよく、この要素によってブレーキユニットが解放される。
【0030】
本発明の別の態様は、ケーブル処理機内にケーブルを敷設するための方法に関する。この方法では、ケーブルが、最初に案内管に摺動される。案内管は、次いで、ケーブル処理機の管ホルダに挿入される。
【0031】
ケーブルは、次いで、特に上方から、ケーブル処理機のケーブル送り装置の2つのベルト駆動装置間およびケーブルを案内するための2つの案内要素間に敷設される。2つのベルト駆動装置は、次いで、互いに向かって移動され、こうして閉じられる。案内要素も同様に互いに向かって移動され、それにより、ケーブルは、前記要素によって案内される。
【0032】
ベルト駆動装置および案内要素の互いに向かう移動は、移動可能なベルト駆動装置の少なくとも1つと、案内要素の少なくとも1つが同じキャリア上に配置されていることによって特に並行して行われ得る。
【0033】
ベルト駆動装置または案内要素の互いに向かう移動は、2つのベルト駆動装置および2つの案内要素の両方がいずれの場合もケーブル処理機のハウジングに対して移動されること、またはベルト駆動装置の一方および案内要素の一方のみが移動され、関連する他のベルト駆動装置および他の案内要素は固定して配置されることを意味するように理解され得る。
【0034】
好ましい実施形態では、ケーブルは、摺動されるときに案内管にクランプされるか、または摺動された後に案内管のブレーキユニットによってクランプされ、これは、案内管に対するケーブルの移動が防止されることを意味する。案内管を管ホルダに挿入した後または挿入中に、ブレーキユニットは再び解放される。この場合、ブレーキユニットは、好ましくは、挿入中に自動的に解放される。
【0035】
特に、上述の方法は、上述のケーブル処理機のうちの1つを使用して実施される。
【0036】
上記で説明した方法は、独立装置請求項に戻って参照する、従属する装置請求項の特徴、または対応する方法の特徴によって展開され得る。
【0037】
添付の図と関連して本発明をより詳細に説明する本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明に見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】作動モードにあるケーブル処理機の詳細の概略斜視図である。
図2】ケーブル敷設モードにある図1によるケーブル処理機の詳細の概略斜視図である。
図3図1および図2によるケーブル処理機のケーブル送り装置の平面図である。
図4】作動モードにある図3によるケーブル送り装置の下方からの図である。
図5】ケーブル敷設モードにある図3によるケーブル送り装置の下方からの別の図である。
図6】ケーブル敷設モードにある2つの案内要素の図を伴う、図1および図5によるケーブル処理機の詳細図である。
図7】作動モードにある案内要素の図を伴う、図1および図6によるケーブル処理機の詳細図である。
図8】ケーブル敷設モードにある案内要素を貫通する断面図である。
図9】作動モードにある案内要素を貫通する断面図である。
図10】案内管が解放された状態の、図1図9によるケーブル処理機の詳細図である。
図11図1図10によるケーブル処理機の案内管の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、ケーブル処理機10の詳細の概略斜視図であり、特に、ケーブル送り装置12が示されており、それによってケーブル16は送り方向P1に移動可能である。図1に示すケーブル処理機10では、ケーブル送り装置12は、ピボットおよび排出ユニット14の一部の形態である。本発明の代替の実施形態では、ケーブル送り装置12はまた、ピボットおよび排出ユニット14とは別に形成されてよい。
【0040】
ケーブル送り装置12は、第1のベルト駆動装置18と第2のベルト駆動装置20とを有する。
【0041】
図1は、ベルト駆動装置18、20が閉じられ、ケーブル16がベルト駆動装置18、20によって送り方向P1に移動され、ケーブル16が処理される作動モードにあるケーブル処理機10を示す。対照的に、図2は、2つのベルト駆動装置18、20が開かれ、すなわちそれらの間にケーブル16が挿入され得る間隔が形成されている、ケーブル敷設モードにあるケーブル処理機10の詳細を示す。
【0042】
図3は、ケーブル送り装置12の平面図である。2つのベルト駆動装置18、20はそれぞれ伝動ベルト22、24を有し、この伝動ベルト間に、ケーブル16はクランプされ、それによってケーブル16は送り方向P1に移動される。2つの伝動ベルト22、24は、特定の駆動ローラ26、28によって、および特定の案内ローラ30、32によって駆動され、いずれの場合も4つの支持ローラによって支持され、そのうちの1つが、参照符号34によって例として示されている。
【0043】
ケーブル処理機10は、案内管36をさらに有し、この案内管は、送り方向P1に見て、ベルト駆動装置18、20の後、すなわちベルト駆動装置18、20の下流に配置され、クランプレバー36を使用して管ホルダ40内に締め付けられ得る。
【0044】
図4および図5はそれぞれ、ケーブル送り装置12の下方からの図であり、図4は作動モードを示し、図5はケーブル敷設モードを示している。歯付きベルトの形態であり、2つの駆動ローラ26、28を駆動し得る従動動力伝達ベルト50が、底部に設けられている。
【0045】
加えて、ケーブル処理機のハウジング54が示されており、このハウジング54上には、第1のベルト駆動装置18が固定して配置される。対照的に、第2のベルト20は、図4および図5に示すように、空気圧シリンダ56を介してハウジング54に対して移動され得るキャリア52上に配置され、その結果、第2のベルト駆動装置20は移動可能であり、したがってベルト駆動装置18、20間の間隔が設定可能であり、ケーブル送り装置12は、ケーブル敷設モードと作動モードとの間で移動され得る。
【0046】
ベルト駆動装置18、20の上流には長さ測定システム42が配置されている。入口の領域内でケーブル16を案内するための2つの案内要素70、72が、長さ測定システム42のさらに上流に設けられている。
【0047】
図6および図7はそれぞれ、2つの案内要素70、72の図を伴うケーブル送り装置12の詳細を示し、図6はケーブル敷設モードを示し、図7は作動モードを示す。図8および図9はそれぞれ、ケーブル送り装置12、特に2つの案内要素70、72を貫通する断面図を示す。図8はケーブル敷設モードを示し、図9は作動モードを示す。
【0048】
第1の案内要素70は、ケーブル処理機10のハウジング54に対して、したがって第1のベルト駆動装置18に対しても固定して配置されている。対照的に、第2の案内要素72は、キャリア52上に配置されており、したがって、ベルト駆動装置18、20が開かれるとき、またはベルト駆動装置18、20が閉じられるときに、第2のベルト駆動装置20と一緒に移動される。両側で交互に開くベルト駆動装置の場合、両方の案内要素70、72が移動されてもよい。
【0049】
図8および図9に見られるように、案内要素70、72は実質的にL字形であり、2つの案内要素はそれぞれ垂直案内面80、84と、水平案内面82、86とを有する。垂直案内面80、84はケーブルを横方向に案内するために使用され、水平案内面82、86はケーブルを上方または下方に案内するために使用される。
【0050】
移動可能な案内要素72はさらにラグ74を有し、第2の案内要素72の水平案内面86は、閉鎖状態においてケーブル16を上方に案内するラグ74の下側周縁を形成する。対照的に、開状態、すなわちケーブル敷設モードでは、ラグ74は、ケーブル16が上方から敷設され得るほど十分遠くに第1の案内要素70から離れるように移動される。
【0051】
それぞれの入口部分90、92が案内要素70、72の上流端に設けられており、これらの部分は、ケーブルが案内要素70、72に入るときに案内される丸い表面を有する。
【0052】
本発明の代替の実施形態では、3つ以上の案内要素70、72も設けられ得る。特に、ケーブル16の搬送経路上の他の箇所には、この種の追加の案内要素対が設けられることが可能であり、これも同様にケーブル16を適切な地点において案内する。
【0053】
さらに、代替的には、2つの案内要素70、72を2つのベルト駆動装置18、20と長さ測定ユニット42との間、またはベルト駆動装置18、20の後にも配置することが可能である。
【0054】
図10は、ケーブル処理機10の詳細の概略斜視図であり、案内管16は管ホルダ40から解放されている。
【0055】
図11は、案内管36の概略斜視図である。案内管36は板ばね96の形態のブレーキユニットを有し、このブレーキユニットは、案内管36のハウジング98の凹部を通って突出し、したがって制動状態においてケーブル16をクランプし、それによってケーブル16の案内管36に対する移動を防止する。
【0056】
ブレーキユニット96は、管ホルダ40への挿入後にクランプレバー38が閉じられると、特に自動的に解放され得る。代替的に、能動要素が、管ホルダ40に設けられることが可能であり、この要素はブレーキユニット96を解放する。
【0057】
全体として、ケーブル16を上述のケーブル処理機10によって特に簡単な方法で敷設することが可能である。この目的のために、ケーブルは最初に案内管36内に挿入され、ブレーキユニット96によって定位置にクランプされる。ケーブル16は、こうして案内管36によって容易に把持され得る。案内管36は、その後、管ホルダ40に挿入され、クランプレバー38が閉じられる。ここで、ブレーキユニット96は特に解放される。
【0058】
加えて、ケーブルは、開かれたベルト駆動装置18、20と同様に開かれた案内要素70、72との間に上方から敷設される。ベルト駆動装置18、20、ひいては自動的に案内要素70、72もその後閉じられ、したがってケーブル16はこのとき案内されており、ベルト駆動装置18、20によって送り方向P1に移動され得る。
【0059】
代替の実施形態では、案内管36は、ブレーキユニット96なしでも形成され得る。その場合、ブレーキユニット96を含むステップは、上述の方法においてそれに対応して省略される。
【符号の説明】
【0060】
10 ケーブル処理機
12 ケーブル送り装置
14 ピボットおよび排出ユニット
16 ケーブル
18 第1のベルト駆動装置
20 第2のベルト駆動装置
22、24 伝動ベルト
26、28 駆動ローラ
30、32 案内ローラ
34 支持ローラ
36 案内管
38 クランプレバー
40 管ホルダ
42 長さ測定システム、長さ測定ユニット
50 従動動力伝達ベルト
52 キャリア
54 ケーブル処理機のハウジング
56 空気圧シリンダ
70 第1の案内要素
72 第2の案内要素
74 ラグ
80、84 垂直案内面
82、86 水平案内面
90、92 入口部分
96 ブレーキユニット、板ばね
P1 送り方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11