IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-決済装置 図1
  • 特許-決済装置 図2
  • 特許-決済装置 図3
  • 特許-決済装置 図4
  • 特許-決済装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】決済装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20231016BHJP
【FI】
G06Q20/32
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019109814
(22)【出願日】2019-06-12
(65)【公開番号】P2020201837
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 浩喜
(72)【発明者】
【氏名】合田 晶生
(72)【発明者】
【氏名】村上 真衣子
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/078745(WO,A1)
【文献】特許第6224289(JP,B2)
【文献】特開2019-049993(JP,A)
【文献】特開2015-031991(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する無線端末までの距離を測定する距離測定部と、
前記無線端末の挙動を示す挙動データを取得する挙動データ取得部と、
前記距離測定部により測定された結果及び前記挙動データ取得部により取得された挙動データに基づいて、自装置から所定の距離の範囲内に存在し且つ前記挙動が所定の範囲内に収まる無線端末を特定する特定部と、
前記特定部により特定された無線端末と、決済に関するデータ通信を行う決済データ通信部とを備え、
前記特定部は、
自装置から所定の距離の範囲内に存在し且つ前記挙動が所定の範囲内に収まる無線端末として複数の無線端末を特定した場合において、当該複数の無線端末間で決められた優先順位に基づいて、決済に関するデータ通信を行う無線端末を特定する
ことを特徴とする決済装置。
【請求項2】
前記優先順位は、決済後に各々の前記無線端末のユーザに付与される特典、又は、決済される金額に応じて決められた優先順位である
ことを特徴とする請求項1に記載の決済装置。
【請求項3】
記特定部は、前記挙動データ取得部により取得された挙動データが示す挙動が前記所定の範囲に収まる無線端末を特定するときに、当該所定の範囲として、決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて異なる範囲を用いる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の決済装置。
【請求項4】
記決済データ通信部に比べて短い通信距離で前記無線端末と通信を行う短距離決済データ通信部と、
決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて、前記決済データ通信部又は前記短距離決済データ通信部のうちのいずれかを、決済に関するデータ通信を行う通信部として判断する判断部と
を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の決済装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子的に決済を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子的に決済を行うための技術として、例えば特許文献1には、可搬デバイスを携帯端末近づけて近接場通信を行うことにより、決済を行う仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許6224289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された仕組みにおいては、ユーザが可搬デバイスを携帯端末に近づけるという行為を行うことで、そのユーザが決済を行うことを意図しているユーザであることを特定している。将来的には、ユーザがこのような明示的な行為を行わなくても決済を行うことができれば便利である。ただし、このような決済行為が行われる商業店舗等には複数のユーザが居るため、どのユーザが決済を行うことを意図しているかを特定することは難しい。
【0005】
そこで、本発明は、決済を行うユーザを正確に特定して無線による決済を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザが携帯する無線端末までの距離を測定する距離測定部と、前記無線端末の挙動を示す挙動データを取得する挙動データ取得部と、前記距離測定部により測定された結果及び前記挙動データ取得部により取得された挙動データに基づいて、自装置から所定の距離の範囲内に存在し且つ前記挙動が所定の範囲内に収まる無線端末を特定する特定部と、前記特定部により特定された無線端末と、決済に関するデータ通信を行う決済データ通信部とを備え、前記特定部は、自装置から所定の距離の範囲内に存在し且つ前記挙動が所定の範囲内に収まる無線端末として複数の無線端末を特定した場合において、当該複数の無線端末間で決められた優先順位に基づいて、決済に関するデータ通信を行う無線端末を特定することを特徴とする決済装置を提供する。
【0007】
前記優先順位は、決済後に各々の前記無線端末のユーザに付与される特典、又は、決済される金額に応じて決められた優先順位であってもよい。
【0012】
前記特定部は、前記挙動データ取得部により取得された挙動データが示す挙動が前記所定の範囲に収まる無線端末を特定するときに、当該所定の範囲として、決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて異なる範囲を用いるようにしてもよい。
【0013】
前記決済データ通信部に比べて短い通信距離で前記無線端末と通信を行う短距離決済データ通信部と、決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて、前記決済データ通信部又は前記短距離決済データ通信部のうちのいずれかを、決済に関するデータ通信を行う通信部として判断する判断部とを備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、決済を行うユーザを正確に特定して無線による決済を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】決済システム1の構成の一例を示す図である。
図2】無線端末10のハードウェア構成を示す図である。
図3】決済装置20のハードウェア構成を示す図である。
図4】決済システム1の機能構成の一例を示す図である。
図5】決済装置20による動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[構成]
図1は、本実施形態の決済システム1の一例を示す図である。決済システム1は、ユーザが携帯する無線端末10と、商業店舗等に設置された決済装置20と、決済に関する各種データを保持して処理を行うサーバ装置30と、無線通信網又は有線通信網を含む通信網2とを備えている。図1には、無線端末10、決済装置20及びサーバ装置30を1つずつ示しているが、これらはそれぞれ複数であってもよい。
【0019】
図2は、無線端末10のハードウェア構成を示す図である。無線端末10は、例えばスマートフォン、ウェアラブル端末又はタブレットなどの、ユーザが携帯可能なコンピュータである。無線端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、ネットワーク通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、加速度センサ1007、スマートカード1008、UWB(Ultra Wide Band)通信装置1009、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。これらの各装置は図示せぬ電池から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線端末10のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、無線端末10を構成してもよい。
【0020】
無線端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0021】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0022】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。無線端末10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して通信網2から無線端末10に送信されてもよい。
【0023】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0024】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0025】
ネットワーク通信装置1004は、例えばLTE(Long Time Evolution)等の通信規格に従って通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどは、ネットワーク通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0026】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、カメラなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置2005及び出力装置2006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0027】
加速度センサ1007は、無線端末10に発生する加速度を検出する。この加速度センサ1007により、無線端末10の挙動を示す挙動データが生成される。
【0028】
スマートカード1008は、決済を行うためのデータを記憶する記憶媒体である。スマートカード1008は、例えばこのスマートカード1008の識別子や決済装置20との間で認証を行うための認証情報等を記憶している。
【0029】
UWB通信装置1009は、UWBの通信規格に従ってコンピュータ間の無線通信(以下、UWB通信という)を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。UWBでは、測位、レーダー、無線通信の3つの機能が実現可能であり、特に本実施形態では、測位及び無線通信の機能を利用する。
【0030】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0031】
無線端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0032】
図3は、決済装置20のハードウェア構成を示す図である。決済装置20は、いわゆるPOS(Point of Sales)レジと一体に構成されたコンピュータ又はPOSレジに接続されたコンピュータである。決済装置20のハードウェア構成は、図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、決済装置20を構成してもよい。
【0033】
決済装置20は、物理的には、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、UWB通信装置2007及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータ装置として構成されている。決済装置20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、入力装置2005、出力装置2006、UWB通信装置2007及びこれらを接続するバスは、無線端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、UWB通信装置1009及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。
【0034】
図4は、決済システム1の機能構成の一例を示す図である。決済装置20において、挙動データ取得部21は、無線端末10の挙動を示す挙動データを取得する。この挙動データは例えば無線端末10の加速度センサ1007により生成された加速度データである。挙動データ取得部21は、UWB通信により無線端末10から挙動データを取得する。
【0035】
決済装置20において、距離測定部22は、決済装置20から無線端末10までの距離を測定する。距離測定部22は、例えばUWBで実現される測位機能を用いて、この距離を測定する。従って、距離測定部22によって測定される距離は、より正確には決済装置20のUWB通信装置2007及び無線端末10のUWB通信装置1009間の距離である。
【0036】
決済装置20において、特定部23は、距離測定部22により測定された結果及び挙動データ取得部21により取得された挙動データに基づいて、自装置(決済装置20)から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末10を特定する。つまり、特定部23は、決済装置20に近くてあまり動かない無線端末10(つまり、そのような無線端末10を携帯する、決済装置20の近くでほぼ静止しているとみなされるユーザ)を特定する。無線端末10を特定するときに用いる閾値としての“距離の所定の範囲”及び“挙動の所定の範囲”は、いずれも特定部23に予め記憶されている。
【0037】
決済装置20において、決済データ通信部24は、特定部23により特定された無線端末10と、UWB通信によって決済に関するデータ通信を行う。
【0038】
上記のように本実施形態では、特定部23により特定される無線端末10を携帯するユーザを、決済を意図しているユーとみなす。一般にユーザがPOSレジにおいて決済行為を行うときは、例えば購入したい商品を持ってPOSレジまで運んでいき、そのPOSレジの前で決済が完了するまで待機する。本実施形態では、POSレジ(つまり決済装置20)の前の床に例えば50センチ四方の正方形の図形が描かれており、決済を意図するユーザはその正方形の図形の上に立つように決められているとする。そして、この正方形の図形とPOSレジとの間には人間が立てるようなスペースは無い程度に、両者の位置は接近しているものとする。このため、無線端末10を特定するときに用いる閾値としての“距離の所定の範囲”を、正方形の図形とPOSレジ(決済装置20)との間の距離程度にしておけば、特定部23は、無線端末10を携帯するユーザのうち、POSレジ(決済装置20)に最も近いユーザを特定することができる。なお、このような正方形の図形が描かれた位置を、以下では、ユーザ待機位置という。
【0039】
ただし、商業店舗内においてユーザの移動は自由であるため、決済の意図がないのにこのユーザ待機位置を通過するユーザもいると考えられる。そこで、このようなユーザを決済の意図があるユーザとして特定しないように、特定部23は、挙動が所定の範囲内に収まる無線端末10(つまりほぼ静止している無線端末10)を特定するようにしている。
【0040】
[動作]
次に、図5を参照して、決済装置20の動作について説明する。なお、以下の説明において、決済装置20を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信や、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。無線端末10についても同様である。
【0041】
図5において、決済装置20のUWB通信装置2007は、決済装置20が設置された商業店舗内にポーリング信号を定期的に発信している。ユーザがその商業店舗に入店すると、そのユーザが携帯する無線端末10のUWB通信装置1009は、決済装置20のUWB通信装置2007からのポーリング信号を受信する。このポーリング信号の受信に応じて、無線端末10は、決済装置20とのUWB通信を開始するとともに、加速度センサ1007による加速度の検出を開始する。この加速度の検出は十分に短い時間間隔で繰り返し行われ、その加速度データは無線端末10の挙動データとして、UWB通信により決済装置20に送信される。
【0042】
決済装置20において、距離測定部22は、UWBの測位機能を用いて無線端末10までの距離を測定するとともに、挙動データ取得部21は、UWB通信により、無線端末10から送信される挙動データを取得する、(ステップS11)。距離測定部22による測位は、各無線端末10に対して、十分に短い時間間隔で繰り返し行われる。この測位結果は、無線端末10ごとに(より具体的には無線端末10のスマートカード1008の識別情報ごとに)、距離測定部22に蓄積される。また、挙動データ取得部21によって各無線端末10から取得された挙動データは、無線端末10ごとに(より具体的には無線端末10のスマートカード1008の識別情報ごとに)、挙動データ取得部21に蓄積される。
【0043】
次に、決済装置20において、特定部23は、距離測定部22により測定された位置が、自装置(決済装置20)から所定の距離の範囲内に含まれるか否か(これを距離条件という)を判断する(ステップS12)。無線端末10の位置が決済装置20から所定の距離の範囲内に含まれる場合(つまり距離条件を満たした場合、ステップS12;YES)、特定部23は、その無線端末10の挙動が所定の範囲内に収まるか否か(これを静止条件という)を判断する(ステップS13)。
【0044】
この静止条件は、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在しているときの加速度の時系列の変位が閾値以内であるか否かという条件(これを第1の静止条件という)と、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在しているときに距離測定部22により測定された決済装置20と無線端末10との距離の変位が閾値以内であるか否かという条件(これを第2の静止条件という)とを含む。第1の静止条件において加速度の時系列の変位が閾値以内であり、且つ、第2の静止条件において距離の変位が閾値以内であれば、その無線端末10はユーザ待機位置においてほぼ静止していると考えられる。
【0045】
例えば第1の静止条件において加速度の時系列の変位が閾値以内であれば、その無線端末10はほぼ静止している(つまりその無線端末10を保持するユーザもほぼ静止している)とみなしてもよい。ただし、ユーザがユーザ待機位置で立ち止まっていたとしても、例えば身体を揺らしたり手を動かしたりすることもあり得る。このため、第1の静止条件において用いられる閾値を、このようなユーザの身体の動きを考慮した、或る程度の大きさの値とせざるを得ない。しかし、第1の静止条件においてこのような或る程度の大きさの閾値を用いたときには、例えば無線端末10を極めてゆっくり持って移動しているユーザを、決済の意図を持っているユーザとして誤って特定してしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、無線端末10の相対的な変位に注目した第1の静止条件に加えて、無線端末10の絶対的な変位に注目した第2の静止条件を用いるようにしている。これにより、決済の意図を持っているユーザを誤って特定する可能性を小さくしている。
【0046】
そして、第1の静止条件及び第2の静止条件を含む静止条件の全てが満たされたと判断される(ステップS13;YES)、特定部23は静止条件を満たす無線端末10を特定し、決済データ通信部24は、特定部23により特定された無線端末10と、周知の手順に従い決済に関するデータ通信を行う(ステップS14)。この決済に関するデータ通信には、例えばスマートカード1008の認証や決済金額の通知等が含まれる。このデータ通信により取得されたデータは決済装置20から通信網2経由でサーバ装置30に送信され、決済装置20及びサーバ装置30間において周知の手順に従い、決済に関する処理が実行される。
【0047】
以上説明した実施形態によれば、ユーザが決済を行うことを明示するための操作を行わなくても、決済を行うユーザを正確に特定して無線による決済を行うことが可能となる。
【0048】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
特定部23は、自装置(決済装置)20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末10であって、所定期間内にその所定の距離の範囲内に移動してきた無線端末10を特定するようにしてもよい。つまり、この場合、特定部23は、決済装置20に対して或る程度の速度以上で近づいてきた無線端末10(決済装置20に対して或る程度の速さで近づいてきて、ユーザ待機位置で静止しているとみなされるユーザ)を特定することになる。決済装置20に対して極めてゆっくりとした速さで近づいてきて、ユーザ待機位置で静止しているユーザは、決済の意図を持たないユーザとみなしてよい場合があるからである。なお、このような無線端末10を特定するときに用いる閾値としての“距離の所定の範囲”、“挙動の所定の範囲”及び“所定期間”は、いずれも特定部23に予め記憶されている。
【0049】
[変形例2]
例えば複数のユーザが友人や親子の関係にある場合、お互い近接した状態で移動を共にすることがあることから、複数のユーザがいずれもほぼ同時に接近条件及び静止条件を満たす場合があり得る。このように接近条件及び静止条件を満たす無線端末10を1つに特定できない場合、決済装置20は決済に関する処理を中止するようなエラー対応処理を行ってもよい。
【0050】
また、決済装置20は、これら接近条件及び静止条件を満たす複数の無線端末10に対する優先順位を用いて、決済に関する処理を行うようにしてもよい。具体的には、特定部23は、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末として複数の無線端末10を特定した場合において、これら複数の無線端末間で決められた優先順位に基づいて、決済に関するデータ通信を行う無線端末10を特定する。
【0051】
この優先順位は、例えば予め登録されたグループに属する複数の無線端末10について、例えば親が携帯する無線端末10に対する優先順位は、子供が携帯する無線端末10に対する優先順位よりも高いなどというように、予め決められている。つまりこの例の場合、特定部23は、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末として親と子供が携帯する複数の無線端末10を特定した場合において、優先順位に従い、親が携帯する無線端末10を、決済に関するデータ通信を行う無線端末10として特定する。この優先順位はグループ単位で、スマートカード1008の識別子に対応付けて特定部23に記憶されており、特定部23は記憶している優先順位を参照して無線端末10の特定を行う。
【0052】
また、優先順位は、決済後に各々の無線端末10のユーザに付与される特典、又は、決済される金額(決済金額という)に応じて決められた優先順位であってもよい。例えば、友人関係にある2人のユーザu1,u2のうち、一方のユーザu1は、商業店舗の会員であるため商品の購入に応じて何らかの特典(例えばユーザが利用可能なポイント等)が付与されるユーザであるが、他方のユーザu2はそのような特典が付与されないユーザであるとする。このような特典の付与相手となるユーザであるか否かは、スマートカード1008の識別子に対応付けて特定部23に記憶されており、優先順位は、特典が付与されるユーザが高く、特典が付与されないユーザが低い。よって、この例の場合、特定部23は、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末としてユーザu1,u2が携帯する複数の無線端末10を特定した場合において、優先順位に従い、特典が付与されるユーザu1が携帯する無線端末10を、決済に関するデータ通信を行う無線端末10として特定する。
【0053】
また、例えば、或るグループに含まれる2人のユーザu3,u4のうち、一方のユーザu3は、或る閾値以上の決済金額である場合に決済を行うユーザであり、他方のユーザu4は上記閾値未満の決済金額である場合に決済を行うユーザであると決められているとする。つまり、この場合の優先順位は、閾値以上の決済金額である場合にはユーザu3が高く、閾値未満の決済金額である場合にはユーザu4が高い。このような閾値と優先順位の関係はグループ単位で、スマートカード1008の識別子に対応付けて特定部23に記憶されている。決済金額は、決済装置20に対して例えば商業店舗の従業員等に行って入力される。この例の場合、特定部23は、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末としてユーザu3,u4が携帯する複数の無線端末10を特定した場合において、決済金額及び優先順位に従って、決済に関するデータ通信を行う無線端末10を特定する。
【0054】
なお、上記のような優先順位に基づいて、決済に関するデータ通信を行う無線端末10を特定しようとした場合において、いずれか1つの無線端末10を特定できない場合には、決済装置20は決済に関する処理を中止するようなエラー対応処理を行ってもよい。
【0055】
[変形例3]
上述した静止条件は何らかの規則に応じて変動してもよい。例えば、静止条件は決済金額又は商取引の種類に応じて異なっていてもよい。つまり、特定部23は、挙動が所定の範囲内に収まる無線端末10を特定するときに、当該所定の範囲として、決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて異なる範囲を用いてもよい。例えば決済金額が閾値以上の場合における静止条件を、決済金額が閾値未満の場合における静止条件よりも厳しく(つまり上記所定の範囲を小さく)してもよい。これは、決済金額が高額の場合には、決済を意図するユーザの無線端末10の特定をより厳格化したいという考えによるものである。
【0056】
商取引の種類としては、例えば商品の販売という商取引と、交通サービスの提供という商取引という例が考えられる。本発明に係る決済装置を例えば鉄道の改札口に設置して、無線端末10を携帯したユーザがその改札口をゆっくりと又はその改札口に一時停止してから通過するときに、上記実施形態と同様の方法で、決済を意図するユーザの無線端末10を特定するというような利用形態も考えられる。この場合、ユーザが通過する改札口の通路が、ユーザ待機位置に相当する。このような商品の販売という商取引と、交通サービスの提供という商取引という例の場合、後者(交通サービスの提供)の静止条件を前者(商品の販売)の静止条件よりも緩やか(つまり上記所定の範囲を大きく)してもよい。これは、交通サービスの提供という商取引の性格上、改札口であまり長い時間静止することをユーザに求めることは適切ではないからである。
【0057】
[変形例4]
無線端末10は、UWB通信装置1009に加えて、いわゆるNFC(Near Field Communication)等の非接触通信を行う機能を備えてもよい。この場合、決済装置20は、決済データ通信部24に比べて短い通信距離で、決済に関するデータ通信をNFC等で行う短距離決済データ通信部と、決済される金額又は決済に応じて行われる商取引の種類に応じて、決済データ通信部24又は短距離決済データ通信部のうちのいずれかを、決済に関するデータ通信を行う通信部として判断する判断部とを備える。ここで、決済データ通信部24を用いた決済を、タッチレス決済といい、短距離決済データ通信部を、タッチ決済という。判断部は、例えば決済金額が閾値以上の場合は、タッチ決済を行う(つまり短距離決済データ通信部でデータ通信を行う)と判断し、決済金額が閾値未満の場合には、タッチレス決済(つまり決済データ通信部24でデータ通信を行う)を行うと判断する例が考えられる。判断部はこの判断結果を音声や表示によってユーザに提示する。ユーザは、タッチ決済を行うことが提示された場合は無線端末10を決済装置20に近づける行為を行うし、タッチレス決済を行うことが提示された場合はなにも行わなくてもよい。この閾値は、決済金額に対して求められる無線端末10の特定の正確性と、ユーザの手間に応じて、決めておけばよい。また、例えば商品の販売という商取引の場合は、タッチ決済(つまり短距離決済データ通信部でデータ通信を行う)を行うと判断し、交通サービスの提供という商取引の場合には、タッチレス決済を行う(つまり決済データ通信部24でデータ通信を行う)と判断する例も考えられる。
【0058】
[変形例5]
上述した実施形態では、決済装置20が挙動データ取得部21、距離測定部22、特定部23、及び決済データ通信部24を備えていたが、これに代えて、無線端末10が、決済装置20との距離を測定する距離測定部と、自端末(無線端末10)の挙動を検出する挙動検出部と、距離測定部により測定された距離が所定の範囲内であり且つ挙動検出部により検出された挙動が所定の範囲内である場合に、決済に関するデータ通信を決済装置20と行う決済データ通信部とを備えるようにしてもよい。この場合、決済装置20が備える決済データ通信部24と無線端末10が備える決済データ通信部とが、互いに決済に関するデータ通信を行うことになる。
【0059】
また、実施形態で説明した決済装置20の機能の一部をサーバ装置30が行うようにしてもよい。例えば、決済装置20が決済データ通信部24を備える一方、サーバ装置30が、決済装置20から無線端末10までの距離を、例えば通信網2経由で決済装置20から取得したデータに基づいて測定する距離測定部と、無線端末10の挙動を示す挙動データを例えば通信網2経由で取得する挙動データ取得部と、距離測定部により測定された結果及び挙動データ取得部により取得された挙動データに基づいて、決済装置20から所定の距離の範囲内に存在し且つ挙動が所定の範囲内に収まる無線端末10を特定する特定部とを備えるようにしてもよい。
【0060】
[変形例6]
無線端末10及び決済装置20間の無線通信及び測位を行うための方法は、UWBを用いたものに限定されない。また、無線端末10の挙動を示す物理量は、加速度に限定されない。また、実施形態では、無線端末10の相対的な変位に注目した第1の静止条件に加えて、無線端末10の絶対的な変位に注目した第2の静止条件を用いるようにしていたが、これらのうちいずれか一方のみを用いてもよい。
【0061】
[その他の変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0062】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0063】
例えば、本開示の一実施の形態における決済装置などは、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0064】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0065】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0066】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0067】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0068】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0069】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0070】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0071】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0072】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0073】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0074】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0075】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0076】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0077】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1:決済システム、2:通信網、10:無線端末、1001:プロセッサ、1002:メモリ、1003:ストレージ、1004:ネットワーク通信装置、1005:入力装置、1006:出力装置、1007:加速度センサ、1008:スマートカード、1009:UWB通信装置、20:決済装置、21:挙動データ取得部、22:距離測定部、23:特定部、24:決済データ通信部、2001:プロセッサ、2002:メモリ、2003:ストレージ、2004:通信装置、2005:入力装置、2006:出力装置、2007:UWB通信部。
図1
図2
図3
図4
図5