(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ピクセル化光源の電力供給を制御するためのシステム
(51)【国際特許分類】
H05B 45/325 20200101AFI20231016BHJP
H05B 45/33 20200101ALI20231016BHJP
H05B 45/24 20200101ALI20231016BHJP
H05B 45/3725 20200101ALI20231016BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20231016BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20231016BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20231016BHJP
F21S 45/10 20180101ALI20231016BHJP
B60Q 1/00 20060101ALI20231016BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231016BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20231016BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231016BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231016BHJP
【FI】
H05B45/325
H05B45/33
H05B45/24
H05B45/3725
F21V23/00 140
F21S2/00 100
F21S43/145
F21S45/10
B60Q1/00 C
F21W103:00
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019120153
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-06-17
(32)【優先日】2018-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、クリック
(72)【発明者】
【氏名】キンユアン、シエ
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-041665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079096(US,A1)
【文献】特表2012-509558(JP,A)
【文献】特開2004-253364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
F21V 23/00
F21S 2/00
F21S 43/145
F21S 45/10
B60Q 1/00
H05B 47/00
F21W 103/00
F21W 103/55
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-電気的な入力電圧をピクセル化光源に供給されるべき電気的な負荷電圧に変換するようになっているコンバータ(110、210)と、
-前記コンバータのフィードバック制御手段(130、230)であって、前記フィードバック制御手段が前記ピクセル化光源を流れる電流の値を表す値を入力として有する、フィードバック制御手段(130、230)と、
を備える、ピクセル化光源(120)の電力供給を制御するための装置(100、200、300)において、
前記装置は、その少なくとも1つの特性が前記ピクセル化光源(120)の少なくとも1つのパラメータ(122)に依存する制御信号(142、242、342)を生成するようになっているとともにこの信号を前記フィードバック制御手段に注入するようになっているマイクロコントローラ素子(140、240、340)を備
え、
前記マイクロコントローラ素子(340)がパルス幅変調PWMタイプの第1の信号(341)を生成するようになっており、前記第1の信号のサイクリック比が前記パラメータ(122)に依存するとともに、前記第1の信号の平均値が前記制御信号(342)に対応するものであり、
前記第1の信号(341)の振幅は、電圧シフト回路を使用することによって所定の電圧値に設定されるものであり、
前記第1の信号(341)は、前記制御信号(342)を生成するためにローパスフィルタ回路(344)に接続されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記フィードバック制御手段(230)は、前記負荷電圧が前記フィードバック制御手段を流れる電流の値の関数であるように設けられる分圧器を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ピクセル化光源の前記少なくとも1つのパラメータ(122)は、前記ピクセル化光源の接合部温度の表示を含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
ピクセル化光源(120)と、前記ピクセル化光源の電力供給を制御するための装置(100、200、300)とを備える自動車用の光モジュールであって、電力供給を制御するための前記装置が
請求項1から3のいずれか一項に記載される装置であることを特徴とする光モジュール。
【請求項5】
前記ピクセル化光源は、発光素子のモノリシックアレイ又はセグメント化された有機光源OLEDを備えることを特徴とする
請求項4に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記電流を制御するための装置を備えることを特徴とする
請求項4又は5のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項7】
少なくとも1つの線形電流源が前記光源(120)の基板に組み込まれることを特徴とする
請求項4から6のいずれか一項に記載の光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピクセル化光源の電力供給の分野に関する。特に、本発明は、電力供給を制御するため、及び、光源、より詳細にはピクセル化又はセグメント化された発光ダイオード、LED、又は、有機発光ダイオードOLEDの熱管理のための装置に関する。また、本発明は、自動車用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流がそれを通過するときに発光することができる電子部品である。LEDによって放出される光強度は、一般に、LEDを通過する電流の値に依存する。とりわけ、LEDは閾値電流値によって特徴付けられる。この順方向電流(「順方向電流」は英語の用語)の閾値は、一般に、温度が上昇するにつれて減少する。同様に、LEDが発光すると、その順方向電圧に等しい電圧降下がその端子間で観察される。自動車分野では、LED及びOLEDの技術が様々な光信号伝送目的のために益々使用されている。LEDは、日中走行用ライト、信号灯などのライト機能をもたらすために使用される。LEDは高い動作温度に晒される。
【0003】
多数の基本的な発光光源を備えるLEDアレイ又はピクセル化光源の有用性は、多くの応用分野、特に自動車の照明及び信号伝送の分野において有益である。LEDのアレイは、例えば、ヘッドライト又は日中走行用ライトなどの照明機能のための有利な形状の光ビームを生成するために使用され得る。更に、単一のアレイを使用して幾つかの異なる照明機能を生み出すことができ、それにより、自動車用ランプの限られた空間内の物理的寸法を減少させることができる。そのようなアレイは、幾つかの平行なブランチのアセンブリを備え、また、各ブランチは、直列に接続される多数の発光光源を備える。そのようなピクセル化光源は一般に電圧源によって給電され、また、各基本光源は、均一な光度を保証するために線形電流源と関連付けられる。非常に限られた表面上で多数の基本光源がグループ化されるため、熱問題が一層大きくなり、電圧源を正確に且つ動的に制御することが重要になる。
【0004】
LEDのアセンブリ又はグループを制御するために制御回路を使用することが知られている。そのような回路は、DC/DCコンバータを使用して、給電されるLEDの数に応じて、例えば自動車のバッテリにより供給されるDC電圧をDC負荷電圧に変換する。しかしながら、安価であり、その結果として多くの用途で使用される所定の目標出力電圧を有するDC/DCコンバータにおいて、LEDの熱管理は問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術によってもたらされる問題のうちの少なくとも1つを克服することである。より正確には、本発明の目的は、ピクセル化光源の電力供給を制御するための装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ピクセル化光源の電力供給を制御するための装置が提案される。装置は、
-電気的な入力電圧をピクセル化光源に供給されるべき電気的な負荷電圧に変換するようになっているコンバータと、
-コンバータのフィードバック制御手段であって、フィードバック制御手段がピクセル化光源を流れる電流の値を表す値を入力として有する、フィードバック制御手段と、
を備える。
【0007】
この装置は、その少なくとも1つの特性が前記ピクセル化光源の少なくとも1つのパラメータに依存する制御信号を生成するようになっているとともにこの信号をフィードバック制御手段に注入するようになっているマイクロコントローラ素子を備えるという点において注目に値する。
【0008】
好ましくは、フィードバック制御手段は、負荷電圧がフィードバック制御手段を流れる電流の値の関数であるように設けられる分圧器を備えることができる。
【0009】
ピクセル化光源の少なくとも1つのパラメータは、ピクセル化光源の接合部温度の表示を含むことが好ましい。ピクセル化光源の接合部温度の表示は、ピクセル化光源の近傍に配置されるサーミスタ部品の端子間の電圧降下を読み取ることによって得ることができるのが好ましく、サーミスタ部品の抵抗はその温度に依存する。
【0010】
マイクロコントローラ素子は、パルス幅変調PWMタイプの第1の信号を生成するように設けられる得ることが好ましく、第1の信号のサイクリック比が前記パラメータに依存するとともに、第1の信号の平均値が前記制御信号に対応する。
【0011】
第1の信号の振幅は、電圧シフト回路を使用することによって所定の電圧値に設定され得ることが好ましい。
【0012】
好ましくは、第1の信号は、前記制御信号を生成するためにローパスフィルタ回路に接続される。
【0013】
本発明の第2の態様によれば、自動車用の光モジュールが提案される。このモジュールは、ピクセル化光源と、前記ピクセル化光源の電力供給を制御するための装置とを備える。モジュールは、電力供給を制御するための装置が本発明の第1の態様に従っているという点において注目に値する。
【0014】
好ましくは、ピクセル化光源は、発光素子のモノリシックアレイ又はセグメント化された有機光源OLEDを備えることができる。
【0015】
電流を制御するための独立した装置が制御装置とピクセル化光源との間に配置され得ることが好ましい。
【0016】
好ましくは、少なくとも1つの線形電流源を前記光源の基板に組み込むことができる。
【0017】
ピクセル化光源は、好ましくは、少なくとも2つの縦列及び少なくとも2つの横列に従って配列される発光素子の少なくとも1つのアレイ(英語の用語では「モノリシックアレイ」と呼ばれる)を備えることができる。好ましくは、発光源は、モノリシックアレイとも呼ばれる発光素子の少なくとも1つのモノリシックアレイを備える。
【0018】
モノリシックアレイにおいて、発光素子は、共通の基板から成長されるとともに、それらが選択的に、個別に、又は、発光素子のサブアセンブリを成して起動され得るように電気的に接続される。したがって、各発光素子又は発光素子群は、その材料又はそれらの材料に電気が供給されるときに光を発することができる前記ピクセル化光源の基本放射体のうちの1つを形成することができる。
【0019】
発光素子が共通の基板に対して略垂直なそれらの主伸長寸法のうちの1つを有するとともに、互いに電気的にグループ化される1つ以上の発光素子により形成される基本放射体間の間隔がプリント回路基板上に半田付けされる平坦な正方形チップの既知の配列に課される間隔と比べて小さければ、発光素子の異なる配列はモノリシックアレイのこの定義に従うことができる。
【0020】
基板は主に半導体材料から形成され得る。基板は、1つ以上の他の材料、例えば非半導体材料を備えることができる。サブミリメートル寸法を有するこれらの発光素子は、例えば、それらが六角形断面のロッドを形成するように基板から突出するように配置される。発光ロッドは基板の第1の面から生じる。この場合には窒化ガリウム(GaN)の使用により形成される各発光ロッドは、この場合にはシリコンを基にして形成される基板から垂直に又は略垂直に突出して延在するが、本発明の文脈から逸脱することなく、炭化ケイ素のような他の材料を使用することができる。一例として、発光ロッドは、窒化アルミニウムと窒化ガリウムとの合金(AlGaN)から、又は、リン化アルミニウム、リン化インジウム、及び、リン化ガリウムの合金(AlInGaP)から形成され得る。各発光ロッドはその高さを規定する伸長軸に沿って延在し、各ロッドの基部は、基板の上面の平面内に配置されている。
【0021】
同じモノリシックアレイの発光ロッドは、好適には、同じ形状及び同じ寸法を有する。発光ロッドはそれぞれ、端面と、ロッドの伸長軸に沿って延びる周壁とによって画定される。発光ロッドがドープされて偏光に晒されると、半導体光源の出力で結果として生じる光は、本質的に周壁から放出されるが、光線が端面を通じて出ることも可能であることが理解される。この結果、各発光ロッドが単一の発光ダイオードとして作用し、また、この光源の輝度は、一方では存在する発光ロッドの密度によって、他方では、周壁によって画定され、したがってロッドの周囲全体及び高さ全体にわたって延びる照明面のサイズによって改善される。ロッドの高さは、2~10μm、好ましくは8μmであってもよく、ロッドの端面の最大寸法は2μm未満、好ましくは1μm以下である。
【0022】
発光ロッドの形成中に、ピクセル化光源を形成するロッドの平均高さが増大されるときに対応するゾーンの輝度を増加させるように、高さをピクセル化光源の1つのゾーンから他のゾーンに変更できるのが分かる。したがって、発光ロッドの1つのグループは、発光ロッドの他のグループとは異なる1つの高さ又は複数の高さを有することができ、これらの2つのグループは、サブミリメートル寸法を有する発光ロッドを備える同じ半導体光源から構成される。また、発光ロッドの形状は、特にロッドの断面及び端面の形状において、モノリシックアレイごとに異なり得る。ロッドは一般に円筒形状を有し、また、ロッドは、特に、多角形、より詳細には六角形の断面形状を有することができる。周壁を通じて光を放出でき、また、周壁が多角形又は円形の形状を有することが重要であることが理解される。
【0023】
更に、端面は、それが基板の上面と略平行に延びるように、略平坦で且つ周壁に対して垂直である形状を有することができ、或いは、端面は、端面を出る光の放出方向を増やすために、ドーム形状を有することができ、又は、その中心で先が尖っていることができる。
【0024】
発光ロッドは、好ましくは二次元アレイとして配置され得る。この配列は、ロッドが互い違いに配置されるようにすることができる。一般に、ロッドは基板上に一定の間隔を隔てて配置され、また、アレイの各寸法において、2つの直接隣接する発光ロッドの離間距離は、各ロッドの周壁により放出される光が発光ロッドのアレイから出ることができるように、最小でも2μm、好ましくは3μm~10μmでなければならない。更に、隣接するロッドの2つの伸長軸間で測定されるこれらの離間距離は、100μmを超えないようにされる。
【0025】
或いは、モノリシックアレイは、例えば炭化ケイ素から形成される単一の基板上に、発光素子のエピタキシャル層によって、特にnドープGaNの第1の層とpドープGaNの第2の層とによって形成される発光素子を備えることができ、これらの発光素子は、同じ基板からもたらされる複数の基本放射体を形成するために(研削及び/又は切除によって)分割される。そのような概念は複数の発光ブロックをもたらし、これらの発光ブロックは、全てが同じ基板によりもたらされるとともに、それらを互いに対して選択的に起動させることができるように電気的に接続される。
【0026】
この他の方法に係る実施形態の1つの例において、モノリシックアレイの基板は、100μm~800μmの厚さ、特に200μmに等しい厚さを有することができ、各ブロックは、それぞれが50μm~500μm、好ましくは100μm~200μmの長さ及び幅を有することができる。一変形例では、長さ及び幅が等しい。各ブロックの高さは、500μm未満、好ましくは300μm未満である。最後に、各ブロックの出力面は、エピタキシーの反対側で基板により形成され得る。2つの基本放射体間の離間距離、すなわち、それぞれの隣接する基本放射体間の距離は、1μm未満、特に500μm未満であってもよく、好ましくは200μm未満である。
【0027】
或いは、発光ロッドが前述ように同じ基板から突出してそれぞれ延びる状態で、及び、同じ基板上の重ね合わされた発光層の分割によって発光ブロックが得られる状態で、モノリシックアレイは、発光素子が少なくとも部分的に埋め込まれるポリマー材料の層を更に備えることができる。したがって、層は、基板の全範囲にわたって又は特定のグループの発光素子の周りでのみ延びることができる。特にシリコーンをベースとすることができるポリマー材料は、光線の拡散を妨げることなく発光素子を保護できるようにする保護層を形成する。更に、このポリマー層に、波長変換手段と例えば素子のうちの1つによって放出される光線の少なくとも一部を吸収できる発光団とを組み込んで、前記吸収された励起光の少なくとも一部をその励起光の波長とは異なる波長を有する放射光に変換することができる。無関係に、発光団をポリマー材料の塊に埋め込むようにすることができる、又は、そのポリマー材料の表面上に発光団を配置するようにすることができる。
【0028】
ピクセル化光源は、光源の出力面に向かって光線を偏向させるために反射材料のコーティングを更に備えることができる。
【0029】
サブミリメートル寸法を有する発光素子は、基板と略平行な平面内に特定の出力面を画定する。この出力面の形状がそれを構成する発光素子の数及び配置に応じて規定されることが理解される。したがって、放射面の略長方形の形状を画定することが可能であり、本発明の文脈から逸脱することなく放射面が変化して何であれ任意の形状を有することができることが理解される。
【0030】
本発明の実施形態によって提案される手段を使用することにより、フィードバック制御ループを有するコンバータの出力電圧レベルを正確且つ動的な態様で制御してコンバータによって給電されるピクセル化光源の要求に出力電圧レベルを適合させることができるようになる。制御信号は、それをフィードバック制御ループに注入するマイクロコントローラ素子によって生成される。パルス幅変調信号により、信号のパルスの振幅及びマイクロコントローラ素子内のそのサイクリック比を適合させることによって、正確な離散値を生成することができる。制御信号は、何であれ光源の任意のパラメータに更に依存し得る。好ましい実施形態では、このパラメータが、本発明に係る装置が対象の光源の効果的な管理を実施できるようにするピクセル化光源の温度であるが、本発明はこの正にその実施形態に限定されない。
【0031】
本発明の他の特徴及び利点は、実施例の説明及び図面によってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の好ましい実施形態に係る制御装置の概略図を示す。
【
図2】本発明の好ましい実施形態に係る制御装置の概略図を示す。
【
図3】本発明の好ましい実施形態に係る制御装置の詳細の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
別段具体的に示唆されなければ、所定の実施形態に関して詳しく記載される技術的特徴は、一例として非限定的な態様で記載される他の実施形態との関連で説明される技術的特徴と組み合わされ得る。本発明の異なる実施形態の全体にわたって同様の参照数字が同様の概念を説明するために使用される。例えば、参照数字100、200、300は、本発明に係る制御装置の3つの実施形態を示す。
【0034】
図1に示される例図は、本発明の1つの実施形態に係る電力供給を制御するための装置100を概略的に示す。電圧降下(又は「バック」タイプ)又は電圧上昇(又は「ブースト」)タイプのコンバータであってもよい、或いは、バックコンバータとブーストコンバータとの組み合わせであってもよいコンバータ110は、図示されない電源により供給されるDC入力電圧VinをDC出力電圧Voutに変換することができる。出力電圧はピクセル化光源120に給電する。光源は、例えば、発光素子のモノリシックアレイ又は幾つかのセグメントを有する有機光源OLEDを備えることができる。負荷として接続される回路に供給される電圧レベルを適合させるために、コンバータ110を電流制御することが知られている。
【0035】
本発明によれば、フィードバック制御手段130が、ピクセル化光源120のパラメータ122をその入力として有するマイクロコントローラ素子140を備える。具体的な例を挙げると、パラメータがピクセル化光源120の温度であってもよいが、本発明はこの例に限定されない。マイクロコントローラは、その出力において、パラメータ122に応じた制御信号142を生成し、この制御信号142はコンバータ110のフィードバック制御手段130に注入される。したがって、マイクロコントローラ素子は、給電されるピクセル化光源のパラメータに応じて、コンバータ110により供給される電圧レベルVoutに正確且つ動的な態様で作用し得る。温度の場合、マイクロコントローラ素子は、光源の温度に応じて供給電圧に作用することによって、ピクセル化光源の熱管理を実施する。この目的のため、マイクロコントローラ素子は、例えば、光源の熱特性及び関連する挙動が予め記録されるメモリを備える。これらのデータを参照することによって、制御信号142は、電圧Voutを温度122に適合させるように選択される。
【0036】
図2に示される例図は、前述の実施形態の一般的なアーキテクチャを再利用する。フィードバック制御ループ230は、レジスタR1、R2それぞれのアセンブリによりもたらされる分圧器ブリッジを更に備える。コンバータ210の制御端子に印加される電圧VFBは、以下のように出力電圧に関連付けられる。
【数1】
【0037】
マイクロコントローラ素子240から来る制御信号242により電流I_ctrl_voutにバイアスを導入することによって電圧Voutの値が直接に影響され得ることが明らかになる。
【0038】
図3に示される例図は、制御信号342の生成の好ましい実施形態を示す。
図2に示される回路図と比較すると、マイクロコントローラ素子240がマイクロコントローラ素子340と回路344とに置き換えられるようになっている。マイクロコントローラ素子は、ピクセル化光源のパラメータ122をその入力として有するとともに、前述したように、コンバータのフィードバック制御ループに注入されるべき対応するバイアス値を決定する。
【0039】
選択されたバイアス値に対応するこの制御信号342を正確に生成するために、マイクロコントローラ素子は、最初に、PWMタイプの第1の信号341を生成する(「PWM」は「パルス幅変調」を表す)。この離散的周期信号は、そのサイクリック比によって、すなわち、パルスの持続時間とサイクルの周期の全持続時間との間の比率によって主に特徴付けられる。単位パルスPWM信号の50%のサイクリック比は、0.5Vの平均値を有する信号を生成する。
【0040】
マイクロコントローラ素子は、0~1Vで正確に規定される平均値を有するPWM信号を生成できるようにするサイクリック比を正確な態様で決定するようになっている。そのような単位信号をより高い電圧パルスに変えることが知られている。このようにすると、0から例えば5Vの間の平均を有するPWM信号341をマイクロコントローラ素子によって正確に生成することができる。このようにして生成された信号342を例えばレジスタR3、R4とコンデンサCとを備えるRC回路によりもたらされるローパスフィルタ回路344に通すことによって、制御信号342は、DC成分、すなわち、初期PWM信号341の平均に正確に対応する。形式的には、
図3に示される電圧Vctrlは次式によって与えられる。
【数2】
【0041】
ここで、VPWM_averageはPWM信号341の平均値を示す。R3>>R4を選択すると、これは次のようになる。
【数3】
【0042】
なお、フィードバック制御ループを流れる電流I_ctrl_Voutは、
【数4】
【0043】
で与えられる。一例として、VFB=0.8V、R3=40kΩ、R4=10kΩ、及び、C=10μFの場合、例えば1kHzのPWM信号を使用して1%のサイクリック比を伴って正確に決定され得る制御信号342における1Vの変動は、コンバータ110により供給される負荷電圧Voutにおいて0.1Vの変動を与える。
【0044】
保護の範囲は以下の特許請求の範囲によって規定される。