(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】塞栓用編組のための送達システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/00 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
A61B17/00 500
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019145123
(22)【出願日】2019-08-07
【審査請求日】2022-07-26
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】レイシー・ゴロチョウ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-196092(JP,A)
【文献】特表2006-509578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈瘤内でインプラントを解放するためのシステムであって、
編組インプラントと、
内部を通るルーメンと、遠位端と、外側表面と、前記外側表面に配設されたチャネルと、を備える送達チューブと、
解放構成要素であって、
前記編組インプラントの第1の部分に装着された外側表面と、前記送達チューブの前記遠位端に近接して前記送達チューブを包囲するルーメンと、を備えるバンドと、
前記バンドに装着されたバネ部材であって
、圧縮構成から伸張構成に移行可能
であるバネ部材と、を備える、解放構成要素と、
前記送達チューブの前記チャネル内に位置付けられたプルワイヤであって、前記プルワイヤは係合構成から解放構成に移行可能で
ある、プルワイヤと、
カテーテルと、を備え
、
前記編組インプラント、前記送達チューブ、前記解放構成要素、及び、前記プルワイヤは、前記カテーテルの内側を通って移動可能であり、
前記バネ部材が前記カテーテルの前記内側を通って遠位方向に移動することで、前記バネ部材は前記圧縮構成から前記伸張構成に移行し、前記バネ部材の前記圧縮構成において、前記カテーテルの前記内側に前記バネ部材が配置され、前記バネ部材は前記送達チューブの前記外側表面を押圧しており、前記バネ部材の前記伸張構成において、前記カテーテルの遠位端から前記バネ部材が露出し、前記バネ部材は前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在しており、
前記プルワイヤの前記係合構成において、前記プルワイヤは前記解放構成要素と係合しており、前記プルワイヤが近位方向に引かれることにより、前記プルワイヤと前記解放構成要素との係合が解除され、前記プルワイヤが前記解放構成となり、前記プルワイヤが前記解放構成にある際に、前記バネ部材が前記送達チューブの前記外側表面を押圧している状態で前記送達チューブが前記遠位方向に移動することで前記バネ部材が前記遠位方向に移動し、前記カテーテルの前記遠位端から前記バネ部材が露出し、前記バネ部材は前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在する、システム。
【請求項2】
前記編組インプラントの前記第1の部分は、折り畳み部によって前記編組インプラントの第2の部分から分離され、
前記第1の部分は、前記送達チューブの前記遠位端の前記外側表面の一部を包囲し、
前記第2の部分は細長い管状構造を備え、前記送達チューブの前記ルーメン内に位置付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プルワイヤは、延在部分と、細長い部分と、を備え、前記細長い部分の
前記近位方向の移動により、前記延在部分を前記係合構成から前記解放構成に移行させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プルワイヤは、接着剤で前記送達チューブの前記チャネルに固定され、前記細長い部分の
前記近位方向の前記移動により、前記接着剤が破断して前記プルワイヤを解放する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記編組インプラントを前記バンドの前記外側表面に固定する固定構成要素を更に備え、前記固定構成要素は内部を通るルーメンを備え、前記ルーメンは前記バンドを包囲する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記バネ部材は、近位端及び遠位端を備える細長い部材であり、
前記バネ部材の前記近位端は前記バンドの遠位面に装着され、
前記バネ部材の前記遠位端は、前記圧縮構成において前記送達チューブの前記外側表面を押圧し、
前記バネ部材の前記遠位端は、前記伸張構成において前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記解放構成要素は、送達構成から展開構成に移行可能な、前記バンドに装着された閉塞部材を更に備え、前記送達構成は、前記送達チューブの前記外側表面に沿って長手方向に延在し、前記展開構成は、前記バンドの前記ルーメンを少なくとも部分的に閉塞させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記解放構成要素は放射線不透過性物質からなる、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具に関し、より具体的には、動脈瘤治療用装置のための送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
動脈瘤は、合併症を伴うことがあり、治療が困難であり得る。例えば、動脈瘤が重要な組織に近接して位置する場合、治療アクセスが制限され得る、又はアクセス不能であり得る。かかる要因は、頭蓋血管を取り囲む脳組織の存在に起因する頭蓋動脈瘤に関するものである。
【0003】
これまでの解決策としては、血管内治療アクセスが挙げられ、これにより、動脈血圧及び血流から動脈瘤嚢の内部容積が除去される、又は排除される。血管内又は他の外科的アプローチの代替としては、動脈瘤の嚢を塞栓性物質で充填して血栓塊を生成すること、又は動脈瘤の入口(つまりネック)を治療して、入口全体の血流を最小化し、動脈瘤内での静脈鬱滞血を誘発し、動脈瘤内の血栓塊の自然形成を促進することのいずれかを行う閉塞装置が挙げられる。かかる装置は、典型的には、複数の塞栓コイルを用いて、嚢の充填又は入口の治療のいずれかを行う。
【0004】
塞栓コイルで動脈瘤嚢を充填することによって動脈瘤を閉塞させるのに十分な充填密度を得ることは困難であり、時間がかかり、動脈瘤の形態(例えば、幅広のネック、分岐部など)などは、コイル塊を支持し、所望の充填密度を得るためにステント又はバルーンなど補助装置を必要とした。
【0005】
塞栓コイルを用いた動脈瘤の入口の治療によって形成される自然形成の血栓塊は、動脈壁から生じ得る膨張を低減し、ネック面に沿った元の親血管形状への再統合を可能にすることによって、塞栓コイルで充填した動脈瘤塊と比較して治癒を改善できる。しかしながら、動脈瘤のネックに送達される塞栓コイルは、隣接する血管内の血流を妨げる悪影響を潜在的に有し得、同時に、入口の充填が不十分である場合、血流は動脈瘤に流入し続け得る。
【0006】
更に、塞栓コイルは、動脈瘤を常に効果的に治療するわけではない。これは、多数のコイルで治療された動脈瘤は、多くの場合、コイリング不良、動脈瘤のネック全体を被覆しないこと、血流、又は更には動脈瘤のサイズにより、再開通、つまりコイルコンパクションを起こすためである。
【0007】
閉塞装置のいくつかの例は、米国特許第8,998,947号に記載されている。しかしながら、このアプローチは、塞栓コイルの使用に依存するか、又はコイルアプローチを模倣して安全な充填密度を得、したがって動脈瘤破裂の危険を不要に冒す。更に、このアプローチは、閉塞装置が、その動脈瘤閉塞構造体の初期配置後に再配置され得て、正確な位置決めに関連する患者の安全性を確保する、送達システムを教示することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、親血管と連通する穿通枝血管への流れを遮断することなく、動脈瘤のネック又は親血管内の他の動静脈の奇形部を、容易かつ正確かつ安全に閉塞する装置を得ることが望ましい。
【0009】
更に、動脈瘤内に配置されると、外科医は、装置が確実に解放されたことを確実に確認する必要がある。特定の先行技術の解放機構は取り外し時に問題を有し、装置の誤配置をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の必要性に対処できる、本発明の様々な例示的な装置及びシステムを開示する。この装置は、概して、送達チューブ及びプルワイヤと取り外し可能に係合し得る解放構成要素に装着された編組インプラントを含み得る。解放構成要素は、圧縮構成で送達チューブを係合でき、解放構成、つまり展開構成に拡張することによって送達チューブを係合解除できる。プルワイヤは、解放構成要素に係合できる延在部分と、引かれて解放構成要素を係合解除できる細長い部分と、を有し得る。編組インプラントは、埋め込まれると、解放構成要素からプルワイヤを係合解除し、送達チューブから解放構成要素を係合解除することによって、送達チューブから解放され得る。
【0011】
一実施例では、システムは、編組インプラントと、送達チューブと、解放構成要素と、プルワイヤと、を含み得る。送達チューブは、内部を通るルーメンと、遠位端と、外側表面と、外側表面上のチャネルと、を有し得る。解放構成要素は、バンドと、バンドに装着されたバネ部材と、を有し得る。バンドは、編組インプラントの第1の部分に装着され得、バネ部材は、送達チューブの外側表面を押圧する圧縮構成及び送達チューブの外側表面から離れる方向に延在する伸張構成から移行可能であり得る。プルワイヤは、送達チューブのチャネル内に配置され得、係合構成から解放構成に移行可能であり得る。係合構成は解放構成要素を係合し得、解放構成は、バネ部材のその伸張構成への拡張を可能にし得る。
【0012】
編組インプラントは、折り畳み部によって分離された第1の部分と、第2の部分と、を有し得る。第1の部分は、送達チューブの遠位端の外側表面の一部を包囲し得る。第2の部分は細長い管状構造を有し得、送達チューブのルーメン内に配置され得る。
【0013】
プルワイヤは、延在部分と、細長い部分と、を有し得、細長い部分の移動により、延在部分を係合構成から解放構成に移行させ得る。プルワイヤは、接着剤で送達チューブのチャネルに固定され得、細長い部分の移動により接着剤を破断させて、プルワイヤを解放し得る。
【0014】
システムは、編組インプラントを解放構成要素のバンドの外側表面に固定する固定構成要素を含み得る。固定構成要素は、内部を通るルーメンを含み得る。ルーメンは、解放構成要素のバンドを包囲し得る。
【0015】
バネ部材は、近位端及び遠位端を有する細長い部材であり得る。近位端は、解放構成要素のバンドの遠位面に装着され得る。遠位端は、圧縮構成において送達チューブの外側表面を押圧し得、遠位端は、伸張構成において送達チューブの外側表面から離れる方向に延在し得る。
【0016】
解放構成要素は、送達構成から展開構成に移行可能であり得る、バンドに装着された閉塞部材を有し得る。送達構成は、送達チューブの外側表面に沿って長手方向に延在し得、展開構成は、バンドのルーメンを少なくとも部分的に閉塞させ得る。
【0017】
解放構成要素は、放射線不透過性物質から構成され得る。
【0018】
例示的な動脈瘤治療用装置は、管状送達部材と、編組管状インプラントと、解放構成要素と、曲げ部材と、を有し得る。管状送達部材は、遠位送達端と、内側と、外側と、を有し得る。編組管状インプラントは、管状送達部材の遠位送達端から外向きに延在し、管状送達部材の外側の一部の上で近位方向に折り畳まれ得る遠位インプラント端を有し得る。編組管状インプラントは、管状送達部材の内側に位置付けられ得る近位インプラント端を有し得る。解放構成要素は、編組インプラントの遠位インプラント端に装着され、遠位送達端付近で管状送達部材の外側に取り外し可能に装着され得る。曲げ部材は、管状送達部材の遠位送達端付近に位置付けられ得る。曲げ部材は、屈曲構成及び直線構成を有し得る。屈曲構成は、解放構成要素の遠位面に係合し得、直線構成は、解放構成要素の遠位面を係合解除し得る。
【0019】
解放構成要素は、装着構成及び展開構成を有し得る。装着構成は、管状送達部材の外側に係合し得、展開構成は、管状送達部材の外側を係合解除し得る。
【0020】
展開構成は、解放構成要素のバンドのルーメンを少なくとも部分的に閉塞させ得る。
【0021】
曲げ部材はプルワイヤの延在部分であり得、プルワイヤの細長い部分の移動により、延在部分を屈曲構成から直線構成に移行させ得る。プルワイヤは、管状送達部材の外側のチャネル内に位置付けられ得る。プルワイヤは、接着剤で管状送達部材に固定され得、細長い部分の移動により接着剤を破断させて、プルワイヤを解放し得る。
【0022】
動脈瘤治療部位においてインプラントを解放するための例示的な方法は、編組インプラント送達システムを準備する工程と、送達システムのプルワイヤを送達システムの解放構成要素に係合させる工程と、解放構成要素を送達システムの送達チューブに係合させる工程と、送達システムの編組インプラントを治療部位において埋め込む工程と、解放構成要素からプルワイヤを係合解除する工程と、送達チューブから解放構成要素を解放する工程と、送達チューブから解放構成要素を解放し、それによって送達チューブから編組インプラントを解放する工程と、を含み得る。
【0023】
解放構成要素を解放する工程は、解放構成要素のバネ部材を、送達チューブの外側表面に係合する係合構成から、送達チューブの外側表面から離れる方向に延在する解放構成に移行させる工程を含み得る。
【0024】
編組インプラントを埋め込む工程は、編組インプラントの一部を反転させることによって閉塞袋を形成することを含み得る。
【0025】
この方法は、接着剤でプルワイヤを送達チューブに固定する工程を含み得る。プルワイヤを引く工程は、接着剤を破断させる工程を含み得る。
【0026】
この方法は、解放構成要素の可動部材を移動させて、解放構成要素のルーメンを少なくとも部分的に閉塞させる工程を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例示として、本発明の装置の1つ以上の実装形態を描写している。
【
図1a】本発明の例示的な装置の構成要素を示す分解組み立て図である。
【
図1b】本発明の例示的な装置の切り欠き図である。
【
図3a】本発明による動脈瘤内での埋め込みの様々な段階における編組インプラントを示す切り欠き図である。
【
図3b】本発明による動脈瘤内での埋め込みの様々な段階における編組インプラントを示す切り欠き図である。
【
図5a】本発明の例示的な装置の切り欠き図である。
【
図7a】本発明による埋め込みの様々な段階における例示的な装置の切り欠き図である。
【
図7b】本発明による埋め込みの様々な段階における例示的な装置の切り欠き図である。
【
図7c】本発明による埋め込みの様々な段階における例示的な装置の切り欠き図である。
【
図8】本発明による装置を使用するための例示的な方法工程を概説するフローチャートである。
【
図9】本発明による装置を使用するための例示的な方法工程を概説するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
塞栓コイルを用いる以前のアプローチは、動脈瘤の入口を治療すること、及び/又は塞栓編組インプラントで動脈瘤を充填することによって改善され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/903,860号を参照されたい。動脈瘤を編組インプラントで治療することは、例えば、より高い充填密度、埋め込み処置中にインプラントを後退させ、再配置する能力、ステント又はバルーンなど補助装置を使用せずに埋め込みを行う能力、再分析又はコイルコンパクションのリスクの低減、及び動脈ネック全体の被覆の改善など塞栓コイルを用いる治療に勝る潜在的な利点を有し得る。
【0029】
編組インプラント送達システムでは、インプラントが治療部位において所定の位置に配置されるまでインプラントと送達システムとの装着を維持し、次いで、送達システムを引き出せるようにインプラントを取り外すことが有利であり得る。本開示は、少なくともこの目的のために用いることができる様々な例示的なシステム、装置、及び方法について記載する。
【0030】
図1a~
図1cは、マイクロカテーテルを通して治療部位へ送達するように構成されている、例示的な送達システムを示す。
図1aは、例示的な送達システムの構成要素を示す分解組み立て図である。
図1bは、
図1aに示す構成要素を含む、組み立てられた例示的な送達システムを示す切り欠き図である。
図1cは、
図1bの組み立てられたシステムの上面断面図である。図示するように、システムは、編組インプラント300と、解放構成要素110と、固定構成要素150と、送達チューブ500と、プルワイヤ200と、を含み得る。
【0031】
編組インプラント300は、インプラント300の外側折り畳み部302をインプラント300の内側折り畳み部304から分離する折り畳み部303を有する、実質的に管状の構造を有し得る。インプラント300は、内側折り畳み部304が送達チューブ500のルーメン504内にフィットするようにサイズ決めされ得、折り畳み縁部303は、送達チューブ500の遠位端506上で丸まり、外側折り畳み部302は近位方向に延在する送達チューブ500上にフィットし、解放構成要素110に固定される。
【0032】
解放構成要素110は、編組インプラント300の外側折り畳み部302に装着され得、治療部位への送達中及び埋め込み中に編組インプラント300を送達チューブ500に装着するように機能し得る。埋め込みの完了後、解放構成要素110は、患者から取り出すことができるように送達チューブを解放し得る。
【0033】
図1a~
図1cは、解放構成要素110が編組インプラント300の送達チューブ500への装着を可能にし得る圧縮構成にある、例示的な解放構成要素110を示す。
図1a~
図1cに示すように構成されている、編組インプラント300の外側折り畳み部302は、解放構成要素110上で折り畳まれ、解放構成要素110のバンド112に装着され得る。バンド112は、外側表面118及びルーメン116を含む管状構造を有し得るが、他の形状も想到される。解放構成要素110は、バンドから延在し、送達チューブ500の外側表面508を押圧し、解放構成要素110と送達チューブ500との間に摩擦嵌合をもたらす、1つ以上のバネ部材120を含み得る。バネ部材120は、バンドの遠位面114から遠位方向に延在し、送達チューブ500を押圧して押し上げる遠位端122を有し得る。
【0034】
固定構成要素150を使用して、解放構成要素110を編組インプラント300に装着することができる。固定構成要素150は、外側表面158と、ルーメン156と、を有し得る。固定構成要素150は、解放構成要素110のバンド112上に配置され得、固定構成要素150と解放構成要素110との間に編組インプラント300の外側折り畳み部302の一部を固定する。
【0035】
送達チューブ500は、内部を通るルーメン504を有し得る。ルーメン504は、編組インプラント300の内側折り畳み部304を含み得る。このルーメンはまた、編組インプラント300の埋め込みを容易にする追加要素(図示せず)を含み得る。
【0036】
送達チューブ500は、外側表面508上を長手方向に進むチャネル502を有し得、プルワイヤ200はチャネル502内に位置付けられ得る。プルワイヤ200は、解放構成要素110に係合し得る、フックなど延在部分202と、近位方向に延在する、チャネル502内に位置付けられ得る細長い部分204と、を有し得る。図示するように、延在部分202は、バンド112の遠位面114を横切って延在し得る。延在部分202は、解放構成要素と係合することにより送達チューブ500に対する解放構成要素110の遠位移動を阻止でき、それによって、編組インプラント300の埋め込み完了まで、編組インプラント300と解放構成要素110との装着を維持できる。
【0037】
プルワイヤ200の細長い部分204は、送達チューブ500の近位端505を越えて近位方向に延在し得、プルワイヤ200へのアクセスをシステムの操作者を提供する。
図1bに示すように、プルワイヤ200は、接着剤250で送達チューブ500に取り外し可能に装着され得る。接着剤250は、プルワイヤ200に十分な力が加えられて接着剤250を破断させるまでプルワイヤ200の移動を阻止できる。
【0038】
図1cは、
図1bに示すように、近位方向に見て折り畳み部303に近位の、送達チューブの遠位端506付近のシステムの断面図を示す。編組インプラント300の内側折り畳み部304は、送達チューブ500のルーメン504の内側に位置付けられ得、解放構成要素110は、送達チューブ500の外側表面508上に位置付けられ得、バネ部材120は、解放構成要素110のバンド112の遠位面114から延在し得、外側折り畳み部分302は、解放構成要素110上にフィットして解放構成要素のバンド112に装着され得、固定構成要素150は、解放構成要素のバンド112及び編組インプラント300の外側折り畳み部302の一部上にフィットし得、編組インプラント300を解放構成要素110に固定する。
【0039】
図2a~
図2gは、本発明によるシステム又は装置を用いて編組インプラント300を展開するための方法を示す。
図2aは、提供され得る編組インプラント送達システム又は装置を示す。システムは、編組インプラント300と、送達チューブ500と、解放構成要素110と、プルワイヤ200と、を含み得る。システムは、
図1a~
図1cに関連して記載するように組み立てられ得、その結果、プルワイヤ200は解放構成要素110と係合し、解放構成要素110は送達チューブ500に係合される。組み立てられたシステムは、マイクロカテーテルなど送達カテーテル600を介して動脈瘤治療部位に送達され得る。
【0040】
送達されると、編組インプラント300は、例えば、米国特許出願第15/903,860号に記載のように展開され得る。
図2bは、送達カテーテル600の遠位端602から押し出された押出部分306を有する編組インプラント300を示す。図示するように、編組インプラント300は、外側折り畳み部302の少なくとも一部がカテーテル600の内側に留まるように、送達システムに装着されたままであり得る。編組インプラント300は、解放構成要素110が送達チューブ500に装着されたままである限り、送達チューブ500に装着されたままであり得る。編組インプラントの埋め込みの完了前に、編組インプラント300の押出部分306は、後退させられ、再配置され得る。
【0041】
図2cは、埋め込みの完了後に行われ得る、送達チューブ500から解放構成要素110を解放し、それによって送達チューブ500から編組インプラント300を解放する工程を示す。
図2cは、解放構成要素110から係合解除されたプルワイヤ200及び解放構成への移行を開始する解放構成要素110を示す。
【0042】
プルワイヤ200の延在部分202は可撓性であり得、延在部分202は、プルワイヤ200の細長い部分204が近位方向に引かれると、解放構成要素110を係合解除し得る。係合解除されると、プルワイヤ200は、解放構成要素110の遠位移動を阻害しないように(送達チューブに対して)移動され得る。
【0043】
バネ部材120の遠位端122は、送達チューブ500から離れる方向に延在し得、圧縮構成から伸張構成に移行する。バネ部材120が圧縮構成にあるとき、バネ部材120は、送達チューブ500に対する解放構成要素110の移動を阻止できる。バネ部材120は、血液など体液との接触時に、バネ部材120が、送達チューブ500から離れる方向に延在する所定の形状に移行できるように、ニチノール又は他の形状記憶材料で作製され得る。
図2cは、送達チューブ500がカテーテルに対して遠位方向に移動し、その結果、送達システムがカテーテル600から出始め、それによってバネ部材120の遠位端122を露出させることを示す。
【0044】
図2dは、カテーテル600から出る際に解放構成に移行し続けるバネ部材120を示す。バネ部材120は編組インプラント300を押圧でき、インプラント300の一部を延在させて、例えば、動脈瘤のネックなど治療部位開口部を閉塞させる。
【0045】
図2eは、送達チューブ500の遠位端506から滑り落ちる解放構成要素110を示す。
図2fは、
図2eに示すように近位に見た断面図である。解放構成要素110のバンド112は、バネ部材120が外向きに延在する際に送達チューブ500の遠位端506を包囲して示されている。
【0046】
図2gは、送達チューブ500から分離された解放構成要素110を示す。係合解除されると、送達チューブ500は取り出され得るが、その一方で、編組インプラント300及び解放構成要素110は埋め込まれたままである。
【0047】
図3a及び
図3bは、動脈瘤10内での埋め込みの様々な段階における編組インプラント300を示す切り欠き図である。
図3aは、血管20の動脈瘤10内に部分的に展開されるが、送達システムからはまだ解放されていない編組インプラント300を示す。カテーテル600は動脈瘤10の部位に送達されている。図示するように、編組インプラント300は、動脈瘤10の壁14まで延在するようにサイズ決めされた閉塞袋308を形成し得る。閉塞袋308を形成しない編組インプラント300の部分は、塞栓充填編組310を形成する動脈瘤嚢12内に充填され得る管状形状を保持し得る。
図3aは、編組の一部が送達システム内に留まるように部分的に展開された塞栓充填編組310を示す。部分的に展開された状態では、編組310は、後退して送達チューブ500へと戻り、再配置され得る。後退、再配置、及び再展開の間、解放構成要素110は、送達チューブ500に装着された、つまりそれと係合したままであり得、それによって編組インプラント300と送達システムとの装着を維持する。
【0048】
図3bは、展開時のインプラント300を示す。解放構成要素110は、編組インプラント300に装着されたままであり得、埋め込まれると動脈瘤10のネックに存在し得る。解放構成要素110は、バネ部材120又は外向きに延在する他の構造体を有し得、動脈瘤10のネックにおいて閉塞袋308を拡張する。
【0049】
図4a~
図4cは、解放構成要素110の別の例を示す。図示するように、解放構成要素110は閉塞部材130を有し得る。
図4aは、送達チューブ500上にフィットし、マイクロカテーテル600を通って移動するようにサイズ決めされた構成にある解放構成要素110を示す。
図4bは、例示的な展開構成にある、
図4aに示す解放構成要素110の側面図である。
図4cは、展開構成にある解放構成要素110の上面図である。展開構成では、閉塞部材130は内向きに屈曲し得、解放構成要素110のルーメン116を少なくとも部分的に閉塞させる。バネ部材120に関して記載したように、閉塞部材130は、可撓性材料から構成され得、及び/又はニチノールなど形状記憶合金から構成され得る。閉塞部材130は、送達構成において変形され得、展開構成において所定の形状に移行し得る。変形形状から所定の形状への移行は、閉塞部材130の血液又は他の体液との接触時の温度変化によって促進され得る。
【0050】
解放構成要素110は、閉塞部材130による解放構成要素110のルーメン116の閉塞により、閉塞部材130が、送達チューブ500からの解放構成要素110の係合解除及び分離を阻止しないように方向付けられ得る。図示するように、閉塞部材130は、バンド112の近位側に装着され得、バネ部材120は遠位側に装着され得る。上述のように方向付けられる場合、バネ部材120は、マイクロカテーテル600を出ると血液又は体液と接触し得、その結果、送達チューブ500を係合解除する。一方、カテーテル600は、閉塞部材130と血液又は流体との間に障壁を設けることができる。次いで、送達チューブ500は、閉塞部材130が血液又は体液と接触する前に取り出され得る。送達チューブ500が取り出されると、送達カテーテル600は取り出され得、したがって閉塞部材130を血液又は流体に曝露し、閉塞部材130を後退させてバンド112のルーメン116を閉塞させる。
【0051】
図5aは、カテーテル600の切り欠きの前の装置の外側を示す。プルワイヤ200は、送達チューブ500の外側表面508のチャネル502内に位置付けられる。プルワイヤ200は解放構成要素110の下に延在して、解放構成要素110に係合する。編組インプラント300は、固定構成要素150を用いて解放構成要素110に装着され、折り畳まれて、外側折り畳み部302は送達チューブ500上に位置付けられ、折り畳み部303は送達チューブ500の遠位端上に位置付けられる。
【0052】
図5bは、
図5aに示したシステムの断面図を示す。
図5bは、送達チューブ500、送達チューブチャネル502、プルワイヤ200、解放構成要素110のバンド112、編組インプラント300の外側折り畳み部302、固定構成要素150、及びカテーテル600の可能な位置付けを示す。
【0053】
図6は、
図5a及び
図5bに示す構成にある、装置及びカテーテル600の断面図である。断面図では、送達チューブ500の内側、つまりルーメン504、編組インプラント300の近位端312、並びにプルワイヤ200、送達チューブチャネル502、解放構成要素110、固定構成要素150、編組インプラントの内側折り畳み部304、送達チューブ500、及び編組インプラントの外側折り畳み部302の断面を見ることができる。プルワイヤ200の延在部分202は、解放構成要素110のバンド112に係合して示されており、バネ部材120は、解放構成要素110のバンド112から遠位方向に延在するように示されている。プルワイヤ200は更に延在して、編組インプラント300に係合し得る。
【0054】
図7a~
図7cは、編組インプラント300の埋め込みに続く様々な段階における例示的な装置の切り欠き図であり、送達システムからの編組インプラント300の解放を示す。
図7a~
図7cは、送達チューブ500、送達チューブチャネル502、プルワイヤ200、解放構成要素110、固定構成要素150、編組インプラントの近位端312、及び閉塞袋308の断面を示す。
図7aに示す段階では、編組インプラント300は送達チューブ500から押し出され、編組インプラント300は送達システムからの取り外しを開始する。送達チューブ500の遠位端506は遠位方向に延在して送達カテーテル600から出る。また、バネ部材120は送達チューブから離れる方向に延在する。プルワイヤ200は解放構成要素110に係合し得、延在部分202は解放構成要素110の遠位方向移動を阻止する。
【0055】
図7bに示す段階では、プルワイヤ200は解放構成要素110を係合解除済みである。延在部分202は、力に応答して真っ直ぐになり得る可撓性材料で作製され得、その結果、プルワイヤ200の細長い部分204を近位方向に引くと、延在部分202は、解放構成要素110のバンド112の遠位面114から後退し、解放構成要素110のバンド112の下で送達チューブのチャネル502内にフィットするように真っ直ぐになる。
図7bに示すようにプルワイヤ200が解放構成要素110から係合解除され、バネ部材120が送達チューブ500から離れる方向に延在すると、解放構成要素110は、送達チューブ500の遠位端506から自由に滑り落ち得る。
【0056】
図7cに示す段階では、編組インプラント300は送達チューブ500から取り外し済みである。図示するように、バネ部材120は外向きに延在して、編組インプラント300を並置し得る。分離されると、カテーテル600、プルワイヤ200、及び送達チューブ500は、患者から取り出され得る。
【0057】
図8及び
図9は、本発明による装置を使用するための例示的な方法工程を概説するフローチャートである。これらの方法工程は、本明細書に記載の例示的手段のいずれかによって、又は当業者に既知である任意の手段によって実施され得る。
【0058】
図8に概説する方法700を参照すると、工程710では、編組インプラント、送達チューブ、解放構成要素、及びプルワイヤ200を有する編組インプラント送達システムを準備できる。編組インプラント送達システムは、本明細書に記載の特徴の任意の組み合わせ、並びに当業者に既知である任意の特徴を有する、本明細書に記載の送達システムのいずれかであり得る。工程720では、プルワイヤを解放構成要素に係合できる。工程730では、解放構成要素を送達チューブに係合できる。工程740では、治療部位において編組インプラントを動脈瘤内に埋め込むことができる。工程750では、プルワイヤを引いて、プルワイヤを解放構成要素から係合解除できる。工程760では、送達チューブから解放構成要素を係合解除できる。工程770では、解放構成要素を送達チューブから解放し、それによって編組インプラントを送達チューブから解放できる。
【0059】
図9に概説する方法800を参照すると、工程810では、編組インプラント、送達チューブ、解放構成要素、及びプルワイヤを有する編組インプラント送達システムを準備できる。編組インプラント送達システムは、本明細書に記載の特徴の任意の組み合わせ、並びに当業者に既知である任意の特徴を有する、本明細書に記載の送達システムのいずれかであり得る。工程815では、接着剤でプルワイヤを送達チューブに固定できる。工程820では、プルワイヤを解放構成要素に係合できる。工程830では、解放構成要素を送達チューブに係合できる。工程840では、治療部位において編組インプラントを動脈瘤内に埋め込み、編組インプラントの一部分を反転させることによって閉塞袋を形成できる。工程850では、接着剤を破断でき、プルワイヤを引くことによって解放構成要素からプルワイヤを係合解除できる。工程860では、送達チューブの外側表面に係合する係合構成から、送達チューブの外側表面から離れる方向に延在する解放構成にバネ部材を移行させることによって、送達チューブから解放構成要素を係合解除できる。工程870では、送達チューブから解放構成要素を解放し、それによって編組インプラントを送達チューブから解放できる。
【0060】
本明細書に含まれる記述は、本発明を示す例であり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。本明細書に記載のように、本発明は、動脈瘤内で編組インプラント300を解放するために使用され得るシステム、装置、又は方法の多くの変形形態及び修正形態を企図する。変形形態は、本明細書に記載の要素及び構成要素の代替形状に限定されるものではなく、例えば、各構成要素又は要素に様々な材料(例えば、放射線不透過性物質、形状記憶合金など)のいずれかを用いること、編組インプラント300を治療部位に位置付ける、若しくは送達チューブ500の内側から編組インプラント300の一部を押し出す構成要素など追加構成要素を用いること、追加構成要素を用いて本明細書に記載の機能を実行すること、又は追加構成要素を用いて本明細書に未記載の機能を実行すること、が挙げられる。これらの修正形態は、本発明の関連技術分野の当業者に明らかであろうし、かつ、以下の特許請求項の範囲内であることが意図される。
【0061】
〔実施の態様〕
(1) 動脈瘤内でインプラントを解放するためのシステムであって、
編組インプラントと、
内部を通るルーメンと、遠位端と、外側表面と、前記外側表面に配設されたチャネルと、を備える送達チューブと、
解放構成要素であって、
前記編組インプラントの第1の部分に装着された外側表面と、前記送達チューブの前記遠位端に近接して前記送達チューブを包囲するルーメンと、を備えるバンドと、
前記バンドに装着されたバネ部材であって、前記バネ部材は圧縮構成から伸張構成に移行可能であり、前記圧縮構成は前記送達チューブの前記外側表面を押圧し、前記伸張構成は前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在する、バネ部材と、を備える、解放構成要素と、
前記送達チューブの前記チャネル内に位置付けられたプルワイヤであって、前記プルワイヤは係合構成から解放構成に移行可能であり、前記係合構成は前記解放構成要素を係合しており、前記解放構成は前記バネ部材のその伸張構成への拡張を可能にする、プルワイヤと、を備える、システム。
(2) 前記編組インプラントの前記第1の部分は、折り畳み部によって前記編組インプラントの第2の部分から分離され、
前記第1の部分は、前記送達チューブの前記遠位端の前記外側表面の一部を包囲し、
前記第2の部分は細長い管状構造を備え、前記送達チューブの前記ルーメン内に位置付けられている、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記プルワイヤは、延在部分と、細長い部分と、を備え、前記細長い部分の移動により、前記延在部分を前記係合構成から前記解放構成に移行させる、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記プルワイヤは、接着剤で前記送達チューブの前記チャネルに固定され、前記細長い部分の前記移動により、前記接着剤が破断して前記プルワイヤを解放する、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記編組インプラントを前記バンドの前記外側表面に固定する固定構成要素を更に備え、前記固定構成要素は内部を通るルーメンを備え、前記ルーメンは前記バンドを包囲する、実施態様1に記載のシステム。
【0062】
(6) 前記バネ部材は、近位端及び遠位端を備える細長い部材であり、前記近位端は前記バンドの遠位面に装着され、前記遠位端は、前記圧縮構成において前記送達チューブの前記外側表面を押圧し、前記遠位端は、前記伸張構成において前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在する、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記解放構成要素は、送達構成から展開構成に移行可能な、前記バンドに装着された閉塞部材を更に備え、前記送達構成は、前記送達チューブの前記外側表面に沿って長手方向に延在し、前記展開構成は、前記バンドの前記ルーメンを少なくとも部分的に閉塞させる、実施態様1に記載のシステム。
(8) 前記解放構成要素は放射線不透過性物質からなる、実施態様1に記載のシステム。
(9) 動脈瘤を治療するための装置であって、
遠位送達端と、内側と、外側と、を備える、管状送達部材と、
編組管状インプラントであって、
前記管状送達部材の前記遠位送達端から外向きに延在し、前記管状送達部材の前記外側の一部の上で近位に折り畳まれる、遠位インプラント端と、
前記管状送達部材の前記内側に位置付けられた近位インプラント端と、を備える、編組管状インプラントと、
前記遠位インプラント端に装着され、前記遠位送達端に近接して前記管状送達部材の前記外側に取り外し可能に装着された解放構成要素と、
前記管状送達部材の前記遠位送達端に近接して位置付けられた曲げ部材であって、前記曲げ部材は屈曲構成及び直線構成を含み、前記屈曲構成は前記解放構成要素の遠位面を係合し、前記直線構成は前記解放構成要素の前記遠位面から係合解除されている、曲げ部材と、を備える、装置。
(10) 前記解放構成要素は装着構成及び展開構成を含み、前記装着構成は前記管状送達部材の前記外側を係合し、前記展開構成は前記管状送達部材の前記外側を係合解除する、実施態様9に記載の装置。
【0063】
(11) 前記展開構成は、前記バンドの前記ルーメンを少なくとも部分的に閉塞させる、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記曲げ部材はプルワイヤの前記延在部分であり、前記プルワイヤの細長い部分の移動により、前記延在部分を前記屈曲構成から前記直線構成に移行させる、実施態様9に記載の装置。
(13) 前記プルワイヤは、前記管状送達部材の前記外側のチャネル内に位置付けられている、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記プルワイヤは、接着剤で前記管状送達部材に固定され、前記細長い部分の前記移動により、前記接着剤が破断して前記プルワイヤを解放する、実施態様12に記載の装置。
(15) 動脈瘤治療部位においてインプラントを解放するための方法であって、
編組インプラント送達システムを準備することであって、前記インプラント送達システムは、編組インプラントと、送達チューブと、解放構成要素と、プルワイヤと、を備える、ことと、
前記プルワイヤを前記解放構成要素に係合することと、
前記解放構成要素を前記送達チューブに係合することと、
前記治療部位において前記編組インプラントを埋め込むことと、
前記プルワイヤを引いて前記解放構成要素から係合解除することと、
前記解放構成要素を前記送達チューブから係合解除することと、
前記送達チューブから前記解放構成要素を解放し、それによって前記送達チューブから前記編組インプラントを解放することと、を含む、方法。
【0064】
(16) 前記解放構成要素を解放する工程は、前記解放構成要素のバネ部材を、前記送達チューブの外側表面を係合する係合構成から、前記送達チューブの前記外側表面から離れる方向に延在する解放構成に移行させる工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記編組インプラントを埋め込む工程は、前記編組インプラントの一部を反転させることによって閉塞袋を形成することを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 接着剤で前記プルワイヤを前記送達チューブに固定する工程を更に含み、前記プルワイヤを引く工程は、前記接着剤を破断させる工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記解放構成要素は、ルーメンと、可動部材と、を備え、前記方法は、前記部材を移動させて前記ルーメンを少なくとも部分的に閉塞させる工程を更に含む、実施態様15に記載の方法。