(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】発光素子駆動装置、光源ユニットおよび発光装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20231016BHJP
H05B 45/3725 20200101ALI20231016BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20231016BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/3725
H01L33/00 J
(21)【出願番号】P 2019153193
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】多田 亮平
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-233255(JP,A)
【文献】特開2005-122979(JP,A)
【文献】特開2017-157374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端子と第2端子との間に直流の第1電圧が入力される、前記第1端子および前記第2端子と、
一端が前記第1端子に接続され、第2電圧を生成する電圧生成部、および、一端が前記電圧生成部の他端に接続され、他端が前記第2端子に接続される抵抗部を備え、前記抵抗部の両端の間の電圧を参照電圧として出力する参照電圧生成回路と、
前記第1端子に接続される第3端子、前記第2端子に接続される第4端子、および前記参照電圧が入力される参照端子を有し、前記参照電圧に対して一次関数的な変化を示す電流を発光素子に出力する駆動回路と、
を備え、
前記参照電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との絶対値の差分の電圧であり、
前記第2電圧は、定電圧であることを特徴とする発光素子駆動装置。
【請求項2】
前記駆動回路は、スイッチング方式の降圧コンバータであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子駆動装置。
【請求項3】
前記第1電圧と前記駆動回路が出力する電圧との差は6V以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光素子駆動装置。
【請求項4】
前記抵抗部に流れる電流は、1mA以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項5】
所定の周波数以下の電圧のみを通過させるローパスフィルタをさらに備え、
前記参照電圧生成回路は、前記ローパスフィルタを介して前記参照電圧を前記参照端子に入力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置と、
前記発光素子とを備えることを特徴とする光源ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の光源ユニットと、
前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1電圧を入力し、かつ前記第1電圧を変動させることが可能な定電圧源とを備えることを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子駆動装置、当該発光素子駆動装置を備える光源ユニット、および当該光源ユニットを備える発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗におけるショーケースの内部、または看板の内部などにおいて、LED(Light Emitting Diode)を用いた発光装置が使用されている。このような発光装置のうち、最も安価なものは、直並列に接続された複数のLEDと抵抗素子とを直接に接続した回路構成を有する。当該回路構成は、抵抗での電力損失が大きいデメリットと、入力電圧を変化させることで調光できるというメリットとを有する。
【0003】
抵抗での電力損失を改善する方法として、LEDをスイッチング方式で駆動させることが挙げられる。特許文献1には、基本LEDドライバとLED装置との間に接続可能であるLED調光器が開示されている。当該LED調光器は、LEDドライバ、調光器回路、およびコントローラを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているLED調光器では、入力電圧を変化させてもLEDに出力される電流は一定であるため、入力電圧を変化させることによる調光はできない。このため、当該LED調光器では、LEDドライバによる入力電圧とは別に、LEDに出力される電流を制御するための制御入力が必要であり、構成が複雑であるという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、入力電圧を変動させることによる調光が可能、かつ抵抗における損失を低減可能な発光素子駆動装置などを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光素子駆動装置は、第1端子と第2端子との間に直流の第1電圧が入力される、前記第1端子および前記第2端子と、一端が前記第1端子に接続され、第2電圧を生成する電圧生成部、および、一端が前記電圧生成部の他端に接続され、他端が前記第2端子に接続される抵抗部を備え、前記抵抗部の両端の間の電圧を参照電圧として出力する参照電圧生成回路と、前記第1端子に接続される第3端子、前記第2端子に接続される第4端子、および前記参照電圧が入力される参照端子を有し、前記参照電圧に対して一次関数的な変化を示す電流を発光素子に出力する駆動回路と、を備え、前記参照電圧は、前記第1電圧と前記第2電圧との絶対値の差分の電圧であり、前記第2電圧は、定電圧である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、入力電圧を変動させることによる調光が可能、かつ抵抗における損失を低減可能な発光素子駆動装置などを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る発光装置の構成を示す図である。
【
図3】実施形態2に係る発光装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0011】
図1は、実施形態1に係る発光装置1000の構成を示す図である。
図1に示すように、発光装置1000は、光源ユニット1と、定電圧源200とを備える。光源ユニット1は、発光素子駆動装置10および発光素子群100(発光素子)を備える。発光素子駆動装置10は、第1端子11、第2端子12、参照電圧生成回路20、駆動回路30、およびコンデンサ40を備える。
【0012】
定電圧源200は、第1端子11と第2端子12との間に所定の直流電圧(第1電圧)を入力する。換言すれば、第1端子11と第2端子12との間に直流の第1電圧が入力される。定電圧源200においては、第1電圧を変動させることが可能である。具体的には、定電圧源200においては、第1電圧に最大値が設定され、当該最大値またはそれよりも低い値に第1電圧を変動させることが可能である。第1電圧の最大値は、例えば5V、12V、24V、または48Vなどである。定電圧源200と第1端子11との間には、過大な電流が定電圧源200から光源ユニット1に流れることを防止するためのヒューズ(不図示)が配される。
【0013】
参照電圧生成回路20は、駆動回路30が出力する電流を決定するための参照電圧を出力する。参照電圧生成回路20は、定電圧生成部21(電圧生成部)および抵抗部22を備える。
【0014】
定電圧生成部21の一端は、第1端子11に接続される。定電圧生成部21は、上記一端と、当該一端とは逆側の他端との間に、所定の定電圧(第2電圧)を生成する。第2電圧は、上記他端に対する上記一端の電位差であり、絶対値が第1電圧よりも小さい。第2電圧の大きさは、発光素子の順方向電圧などを考慮して適宜設定されてよい。定電圧生成部21は、例えばツェナーダイオード、LEDまたはシャントレギュレータである。また、参照電圧生成回路20は、定電圧生成部21の代わりに抵抗素子を備えていてもよい。この場合、抵抗素子は、第1電圧および抵抗部22の抵抗値に応じた電圧を生成する。
【0015】
抵抗部22は、所定の抵抗値を有する抵抗素子である。また、抵抗部22は、複数の抵抗素子を含んでいてもよい。抵抗部22の一端は、定電圧生成部21の、第1端子11に接続される一端とは逆側の他端に接続される。抵抗部22の他端は、第2端子12に接続される。抵抗部22の両端の間には、第1電圧と第2電圧との絶対値の差分の電圧が印加される。参照電圧生成回路20は、抵抗部22の両端の間の電圧を参照電圧として出力する。
【0016】
発光素子駆動装置10において、抵抗部22に流れる電流は、1mA以下である。より詳細には、抵抗部22の抵抗値の大きさは、当該抵抗部22に流れる電流が1mA以下になるように設定されている。例えば第1電圧の最大値が24Vであり、第2電圧が21Vである場合、抵抗部22の両端の間の電圧の最大値は3Vである。この場合、抵抗部22の抵抗値を3kΩ以上とすれば、抵抗部22に流れる電流は1mA以下になる。
【0017】
駆動回路30は、発光素子群100に電流を出力する。駆動回路30は、第3端子31、第4端子32、および参照端子33を備える。第3端子31は、第1端子11に接続される。第4端子32は、第2端子12に接続される。参照端子33は、抵抗部22の、定電圧生成部21と接続されている側の一端に接続される。これにより、上述した参照電圧が参照端子33に入力される。駆動回路30は、所定の出力電圧、かつ参照電圧に応じた電流を発光素子群100に出力する。
【0018】
コンデンサ40は、駆動回路30から出力される電流を平滑化するコンデンサである。コンデンサ40は、発光素子群100と並列に接続される。
【0019】
実施形態1における駆動回路30は、スイッチング方式の降圧コンバータである。なお、駆動回路30は、昇圧コンバータであってもよい。ただし、駆動回路30が昇圧コンバータである場合には、コンデンサ40への突入電流が大きくなる。これに対し、駆動回路30を降圧コンバータとした場合、発光装置1000の電源のオン/オフ時に、定電圧源200と第1端子11との間に配されたヒューズに流れる突入電流を低減することができる。したがって、当該ヒューズが切れて発光装置1000が故障する虞が低減される。
【0020】
発光素子駆動装置10においては、第1電圧と駆動回路30が出力する電圧との差は6V以下であることが好ましい。一般に、スイッチング方式の降圧コンバータにおける損失は、入力電圧と出力電圧との差が小さいほど小さくなる。このため、第1電圧、すなわち駆動回路30に入力される電圧と、駆動回路30が出力する電圧と、の差を6V以下とすることで、駆動回路30における損失を低減することができる。
【0021】
例えば第1電圧の最大値が12Vである場合には、駆動回路30が出力する電圧を9Vまたは6Vとしてよい。また、第1電圧の最大値が24Vである場合には、駆動回路30が出力する電圧を21Vまたは18Vとしてよい。また、第1電圧の最大値が48Vである場合には、駆動回路30が出力する電圧を45Vまたは42Vとしてよい。
【0022】
また、駆動回路30においては、入力電圧が大きければ、出力電圧が大きくなるとともに出力電流が小さくなり、発光素子群100における損失が小さくなる。このため、第1電圧の最大値は、例えば上記の例のうちでは48Vとすることが好ましい。ただし、第1電圧の最大値はこれに限られない。
【0023】
発光素子群100は、複数の発光素子を含む。実施形態1では、発光素子はLEDである。ただし、発光素子は、有機EL(Electro Luminescence)素子などであってもよい。発光素子群100は、任意の数の発光素子を備えていてよい。また、発光素子駆動装置10には、発光素子群100の代わりに単一の発光素子が接続されていてもよい。
【0024】
表1は、発光装置1000における調光特性を示す表である。調光特性は、第1電圧と出力電流(LED電流)との関係である。また、表1には第1電圧に対応する参照電圧も併せて示している。表1においては、第1電圧の最大値が24Vであり、第2電圧が21Vであるものとしている。
【0025】
【0026】
表1に示すように、発光装置1000において、駆動回路30は、参照電圧に対して一次関数的な変化を示すLED電流を出力する。表1に示す例では、駆動回路30は、参照電圧に比例するLED電流を出力している。また、参照電圧は第1電圧に対して一次関数的な変化を示す。このため、出力電流は第1電圧に対して一次関数的な変化を示す。したがって、発光装置1000においては、第1電圧を変動させることで、発光素子群100の調光を行うことができる。
【0027】
また、発光素子駆動装置10においては、駆動回路30が出力する電流が、発光素子群100と直列に接続されていない抵抗部22の両端の間の電圧により決定される。このため、発光素子駆動装置10においては、発光素子群100を発光させるための電流と同じ大きさの電流を抵抗部22に流す必要がない。したがって、抵抗部22の抵抗値を上述したように設定し、抵抗部22に流れる電流を小さくすることで、発光素子駆動装置10における損失を低減し、電力効率を向上させることができる。
【0028】
図2は、従来の発光装置9000の構成の例を示す図である。
図2に示すように、発光装置9000は、光源ユニット9および定電圧源200を備える。光源ユニット9は、発光素子群100および電流制限抵抗110を備える。電流制限抵抗110は、発光素子群100に流れる電流の大きさを決定する抵抗素子である。光源ユニット9においては、定電圧源200の第1端子に発光素子群100の一端が接続されている。また、電流制限抵抗110の一端が発光素子群100の他端に接続され、電流制限抵抗110の他端が第2端子12に接続される。光源ユニット9においては、電流制限抵抗110の両端の間の電圧に応じた電流が発光素子群100に流れる。
【0029】
表2は、光源ユニット9における第1電圧、電流制限抵抗110の両端の間の電圧(抵抗両端電圧)、および発光素子群100に流れる電流(LED電流)の関係を示す表である。表2においては、第1電圧の最大値が24Vであり、発光素子群100が発光素子としてのLEDを7個備え、かつ個々のLEDの順方向電圧が3Vであるものとしている。この場合、電流制限抵抗110の両端の間の電圧は第1電圧に応じて変動し、上限は3Vである。
【0030】
【0031】
表2に示すように、発光装置9000における調光特性は、表1に示した、発光装置1000における調光特性と一致している。換言すれば、発光装置1000によれば、発光装置9000よりも高い電力効率で発光装置9000と同様の調光特性を得ることができる。
【0032】
特に、発光装置9000においては、第1電圧が大きい場合には発光素子群100と直列に接続される電流制限抵抗110での損失が大きくなるため、消費電力が増大するとともに、発光装置9000の信頼性が低下する。発光装置1000によれば、このような消費電力の増加および信頼性の低下が低減される。
【0033】
また、例えば発光装置9000において、発光素子群100を互いに直列に接続された8個のLEDとした場合、電流制限抵抗110の両端の間の電圧は0となり、電流が流れなくなる。したがって、発光装置9000においては発光素子群100を互いに直列に接続された8個のLEDとすることはできない。このように、発光装置9000においては、発光素子群100の構成は第1電圧に応じて制限される。
【0034】
これに対し、発光装置1000の調光特性は、定電圧源200が出力する電圧、および定電圧生成部21が生成する電圧のみによって決定される。このため、発光素子群100の構成、例えば発光素子群100に含まれる発光素子の数および配置を変更しても、調光特性は一定である。したがって、発光装置1000においては、発光素子の数および配置を自由に選択することができる。
【0035】
また、発光装置1000においては、上記のとおり損失が低減されることで、当該発光装置1000における発熱が低減される。一般に、LED等の発光素子の寿命は、温度が高くなるほど短くなる。このため、発光装置1000における発熱が低減されることで、発光素子の寿命を向上させることができる。
【0036】
さらに、発光装置1000を冷蔵ショーケースまたは冷凍ショーケースなどで用いる場合には、発光装置1000における発熱が低減されるため、冷蔵または冷凍に要する電力を低減することができる。したがって、発光装置1000によれば冷蔵ショーケースまたは冷凍ショーケース全体での電力損失を低減できる。
【0037】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0038】
図3は、実施形態2に係る発光装置2000の構成を示す図である。
図3に示すように、発光装置2000は、光源ユニット1の代わりに光源ユニット2を備える点で発光装置1000と相違する。光源ユニット2は、発光素子駆動装置10の代わりに発光素子駆動装置10Aを備える点で光源ユニット1と相違する。発光素子駆動装置10Aは、発光素子駆動装置10が備える各構成要素に加えて、LPF(ローパスフィルタ、Low Pass Filter)50を備える。LPF50は、所定の周波数以下の電圧のみを通過させるフィルターである。
【0039】
LPF50は、LPF抵抗素子51およびLPFコンデンサ52を備える。LPF抵抗素子51の一端は、定電圧生成部21の上記他端、および抵抗部22の上記一端に接続されている。LPF抵抗素子51の他端は、第3端子31に接続される。LPFコンデンサ52の一端は、LPF抵抗素子51の上記他端に接続される。LPFコンデンサ52の他端は、第2端子12に接続される。すなわち、光源ユニット2においては、参照電圧生成回路20は、LPF50を介して参照電圧を駆動回路30の参照端子33に入力する。LPF抵抗素子51の抵抗値およびLPFコンデンサ52の容量は、通過させるべき電圧の周波数の上限を考慮して適宜設定されればよい。
【0040】
光源ユニット2においては、定電圧源200が出力する電圧に変動が生じた場合に、当該変動の高周波成分がLPF50により遮断される。このため、発光素子群100が発する光のチラつきを防止できる。また、光源ユニット2においては、LPF50を備えることで、発光素子群100およびコンデンサ40への突入電流が低減されるため、発光素子群100およびコンデンサ40の負荷を低減することができる。
【0041】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る発光素子駆動装置は、第1端子と第2端子との間に直流の第1電圧が入力される、前記第1端子および前記第2端子と、一端が前記第1端子に接続され、第2電圧を生成する電圧生成部、および、一端が前記電圧生成部の他端に接続され、他端が前記第2端子に接続される抵抗部を備え、前記抵抗部の両端の間の電圧を参照電圧として出力する参照電圧生成回路と、前記第1端子に接続される第3端子、前記第2端子に接続される第4端子、および前記参照電圧が入力される参照端子を有し、前記参照電圧に対して一次関数的な変化を示す電流を発光素子に出力する駆動回路と、を備えている。
【0042】
上記の構成によれば、光源ユニットは、第1端子および第2端子と、参照電圧生成回路と、駆動回路とを備える。第1端子と第2端子との間に、直流の第1電圧が入力される。参照電圧生成回路は、一端が第1端子に接続されて第2電圧を生成する電圧生成部と、両端がそれぞれ電圧生成部の他端および第2端子に接続される抵抗部とを備え、抵抗部の両端の間の電圧を参照電圧として出力する。駆動回路は、参照電圧に対して一次関数的な変化を示す電流を発光素子に出力する。
【0043】
参照電圧は、第1電圧に対して一次関数的な変化を示す。したがって、光源ユニットによれば、第1電圧を変化させることによる調光が可能である。さらに、光源ユニットによれば、発光素子に流れる電流と同じ大きさの電流を抵抗部に流す必要がないため、抵抗部における損失を低減することができる。
【0044】
本発明の態様2に係る発光素子駆動装置は、上記態様1において、前記駆動回路は、スイッチング方式の降圧コンバータであることが好ましい。
【0045】
上記の構成によれば、発光装置の電源のオン/オフ時の突入電流が低減されるため、発光装置が故障する虞が低減される。
【0046】
本発明の態様3に係る発光素子駆動装置は、上記態様1または2において、前記第1電圧と前記駆動回路が出力する電圧との差は6V以下であることが好ましい。
【0047】
上記の構成によれば、駆動回路における入力電圧と出力電圧との差が比較的小さいため、駆動回路で生じる損失が小さくなる。
【0048】
本発明の態様4に係る発光素子駆動装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記抵抗部に流れる電流は、1mA以下であることが好ましい。
【0049】
上記の構成によれば、抵抗部に流れる電流が十分に小さいため、当該抵抗部における電力損失が十分に抑制される。
【0050】
本発明の態様5に係る発光素子駆動装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、所定の周波数以下の電圧のみを通過させるローパスフィルタをさらに備え、前記参照電圧生成回路は、前記ローパスフィルタを介して前記参照電圧を前記参照端子に入力することが好ましい。
【0051】
上記の構成によれば、定電圧源が出力する電圧に変動が生じた場合に、高周波成分がローパスフィルタにより遮断されるため、発光素子が発する光のチラつきを防止できる。また、発光素子、および当該発光素子に流れる電流を平滑化するためのコンデンサに流れる突入電流がローパスフィルタにより低減されるため、発光素子およびコンデンサへの負荷が小さくなる。
【0052】
本発明の態様6に係る光源ユニットは、態様1~5のいずれかの発光素子駆動装置と、 前記発光素子とを備える。
【0053】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0054】
本発明の態様7に係る発光装置は、態様6の光源ユニットと、前記第1端子と前記第2端子との間に前記第1電圧を入力し、かつ前記第1電圧を変動させることが可能な定電圧源とを備える。
【0055】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0056】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0057】
1、2 光源ユニット
10、10A 発光素子駆動装置
11 第1端子
12 第2端子
20 参照電圧生成回路
21 定電圧生成部(電圧生成部)
22 抵抗部
30 駆動回路
31 第3端子
32 第4端子
33 参照端子
50 LPF(ローパスフィルタ)
100 発光素子群(発光素子)
200 定電圧源
1000、2000 発光装置