(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20231016BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/11 302G
H01R13/11 H
(21)【出願番号】P 2019218599
(22)【出願日】2019-12-03
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】芦部 健太
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-000879(JP,A)
【文献】特開2018-125095(JP,A)
【文献】特開平05-217641(JP,A)
【文献】特開2013-65459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
H01R 13/11
H01R 4/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、
複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、
コネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、
前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向において前記ガイド部から延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部と、を含み、
前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触する、
コネクタ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のコネクタ組立体であって、
前記ガイド部と前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向においてこの記載順に配置されている、
コネクタ組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコネクタ組立体であって、
前記少なくとも1つのバネ片は、片持ち梁である、
コネクタ組立体。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のコネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向において前記ガイド部から突出する少なくとも1つの脚部を有する、
コネクタ組立体。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載のコネクタ組立体であって、
前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、
前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、
前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触する、
コネクタ組立体。
【請求項6】
複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、
複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、
コネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、を含み、
前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、
前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、
前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、
各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、
前記2つのバネ片は、前記第2辺から片持ち梁状に延びている、
コネクタ組立体。
【請求項7】
複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、
複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、
コネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、を含み、
前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、
前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、
前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、
各レセプタクルコンタクトは、
前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部と、
前記第2辺から前記挿入方向に延びる支持脚部と、
を更に含み、
前記2つのバネ片は、前記支持脚部から片持ち梁状に延びている、
コネクタ組立体。
【請求項8】
複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、
複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、
コネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、を含み、
前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、
前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、
前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺と、互いに平行となる第3辺と第4辺と、を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、
各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、
前記2つのバネ片は、前記第3辺及び前記第4辺から片持ち梁状にそれぞれ延びている、
コネクタ組立体。
【請求項9】
複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、
複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、
を備え、
前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、
コネクタ組立体であって、
各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、を含み、
前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、
前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、
前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触し、
前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、
各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、
前記2つのバネ片は、前記ハンダ付け脚部から片持ち梁状に延びている、
コネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2019-129137号公報)は、基板対基板のコネクタ組立体を開示している。本願の
図23に示すように、特許文献1のコネクタ組立体は、プラグコネクタに設けられるシグナルピン100と、レセプタクルコネクタに設けられるターミナル101と、を含む。特許文献1のコネクタ組立体は、プラグコネクタとレセプタクルコネクタを互いに嵌合させるためにプラグコネクタをレセプタクルコネクタに対してスライドさせる。具体的には、シグナルピン100のシグナル接触部102をターミナル101の幅広部103に挿入した後、プラグコネクタをレセプタクルコネクタに対して、基板の実装面に対して平行な方向でスライドさせている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の構成では、ガイド部が存在しないため堅牢性が低く、また、シグナル接触部102を幅広部103に挿入した後、プラグコネクタをスライドさせる必要があるので嵌合作業が煩雑である。
【0004】
本発明の目的は、基板対基板のコネクタ組立体において、堅牢性を向上すると共に、嵌合作業を簡素化する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の観点によれば、複数のプラグコンタクトと、前記複数のプラグコンタクトを保持するプラグハウジングと、を備え、プラグ側基板に搭載可能なプラグコネクタと、複数のレセプタクルコンタクトと、前記複数のレセプタクルコンタクトを保持するレセプタクルハウジングと、を備え、レセプタクル側基板に搭載可能なレセプタクルコネクタと、を備え、前記プラグコネクタと前記レセプタクルコネクタを互いに嵌合させることで各プラグコンタクトが各レセプタクルコンタクトと電気的に接触する、コネクタ組立体であって、各レセプタクルコンタクトは、前記レセプタクル側基板に近づく方向で各プラグコンタクトを挿入可能なガイド孔を有するガイド部と、前記ガイド孔に各プラグコンタクトが挿入されることによって弾性変形する少なくとも1つのバネ片と、を含み、前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触する、コネクタ組立体が提供される。
好ましくは、前記ガイド部と前記少なくとも1つのバネ片は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向においてこの記載順に配置されている。
好ましくは、前記少なくとも1つのバネ片は、片持ち梁である。
好ましくは、各レセプタクルコンタクトは、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向において前記ガイド部から突出する少なくとも1つの脚部を有する。
好ましくは、前記少なくとも1つのバネ片は、2つのバネ片を含み、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトは、前記2つのバネ片の間に挿入されるように構成されており、前記2つのバネ片は、前記ガイド孔に挿入された各プラグコンタクトに対してバネ復元力によって接触する。
好ましくは、前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、前記2つのバネ片は、前記第2辺から片持ち梁状に延びている。
好ましくは、前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部と、前記第2辺から前記挿入方向に延びる支持脚部と、を更に含み、前記2つのバネ片は、前記支持脚部から片持ち梁状に延びている。
好ましくは、前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺と、互いに平行となる第3辺と第4辺と、を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、前記2つのバネ片は、前記第3辺及び前記第4辺から片持ち梁状にそれぞれ延びている。
好ましくは、前記ガイド部は、前記ガイド孔に各プラグコンタクトを挿入する挿入方向で見ると、互いに平行となる第1辺と第2辺を含む矩形状であって、前記第1辺と前記第2辺の間に前記ガイド孔が形成されており、各レセプタクルコンタクトは、前記第1辺から前記挿入方向に延びて、前記レセプタクル側基板にハンダ付け可能なハンダ付け部を含む、ハンダ付け脚部を更に含み、前記2つのバネ片は、前記ハンダ付け脚部から片持ち梁状に延びている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、簡素な嵌合作業が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】嵌合状態のコネクタ組立体の斜視図である。(第1実施形態)
【
図2】嵌合前のコネクタ組立体の斜視図である。(第1実施形態)
【
図3】レセプタクルコネクタの分解斜視図である。(第1実施形態)
【
図4】レセプタクルハウジングの斜視図である。(第1実施形態)
【
図5】レセプタクルホールドダウンの斜視図である。(第1実施形態)
【
図6】レセプタクルホールドダウンの断面斜視図である。(第1実施形態)
【
図7】レセプタクルコンタクトの斜視図である。(第1実施形態)
【
図8】レセプタクルコンタクトの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
【
図9】レセプタクルコンタクトの側面図である。(第1実施形態)
【
図10】レセプタクルコンタクトの平面図である。(第1実施形態)
【
図11】プラグコネクタの斜視図である。(第1実施形態)
【
図12】プラグコネクタの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
【
図13】プラグコネクタの分解斜視図である。(第1実施形態)
【
図14】プラグホールドダウンの斜視図である。(第1実施形態)
【
図15】プラグコンタクトの斜視図である。(第1実施形態)
【
図16】嵌合状態のコネクタ組立体におけるレセプタクルコンタクト及びプラグコンタクトの斜視図である。(第1実施形態)
【
図17】レセプタクルコンタクトの斜視図である。(第2実施形態)
【
図18】レセプタクルコンタクトの一部切り欠き斜視図である。(第2実施形態)
【
図19】レセプタクルコンタクトの斜視図である。(第3実施形態)
【
図20】レセプタクルコンタクトの一部切り欠き斜視図である。(第3実施形態)
【
図21】レセプタクルコンタクトの斜視図である。(第4実施形態)
【
図22】レセプタクルコンタクトの一部切り欠き斜視図である。(第4実施形態)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、
図1から
図16を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
【0009】
図1及び
図2に示すように、コネクタ組立体1は、プラグ側基板2とレセプタクル側基板3を機械的及び電気的に接続する基板対基板コネクタであって、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aに搭載されるプラグコネクタ4と、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに搭載されるレセプタクルコネクタ5と、により構成されている。
【0010】
図3に示すように、レセプタクルコネクタ5は、複数のレセプタクルコンタクト6と、複数のレセプタクルコンタクト6を保持するレセプタクルハウジング7と、2つのレセプタクルホールドダウン8と、を含む。
【0011】
複数のレセプタクルコンタクト6は、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向において2列を成すように配置されている。2つのレセプタクルホールドダウン8は、レセプタクルハウジング7をレセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに固定するものである。
【0012】
ここで、
図1から
図3を参照して、「挿抜方向」「ピッチ方向」「幅方向」を定義する。挿抜方向及びピッチ方向、幅方向は互いに直交する方向である。
【0013】
挿抜方向は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に対して挿抜する方向である。挿抜方向は、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに対して直交する方向でもある。従って、挿抜方向は、プラグコネクタ4のコネクタ高さ方向、又は、レセプタクルコネクタ5のコネクタ高さ方向でもある。挿抜方向は、上方(抜去方向)及び下方(嵌合方向)を含む。上方は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去する方向である。下方は、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に嵌合する方向である。上方及び下方は、単に説明の便宜上用いる用語であって、コネクタ組立体1の使用時における姿勢を限定解釈してはならない。
【0014】
ピッチ方向は、複数のレセプタクルコンタクト6が並べられる方向である。本実施形態のように複数のレセプタクルコンタクト6が2列を構成する場合、ピッチ方向は、2列のうち一方の列に属する複数のレセプタクルコンタクト6が並べられる方向と定義し得る。ピッチ方向は、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向である。ピッチ方向は、ピッチ方向内方及びピッチ方向外方を含む。ピッチ方向内方は、コネクタ組立体1のピッチ方向における中央に近づく方向である。ピッチ方向外方は、コネクタ組立体1のピッチ方向における中央から離れる方向である。
【0015】
幅方向は、挿抜方向及びピッチ方向に対して直交する方向である。本実施形態のように複数のレセプタクルコンタクト6が2列を構成する場合、幅方向は、2列が互いに対向する方向と定義し得る。幅方向は、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2A、及び、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに対して平行な方向である。幅方向は、幅方向内方及び幅方向外方を含む。幅方向内方は、コネクタ組立体1の幅方向における中央に近づく方向である。幅方向外方は、コネクタ組立体1の幅方向における中央から離れる方向である。
【0016】
(レセプタクルコネクタ5)
以下、
図3から
図10を参照して、レセプタクルコネクタ5を詳細に説明する。
【0017】
図3を参照して前述したように、レセプタクルコネクタ5は、複数のレセプタクルコンタクト6と、複数のレセプタクルコンタクト6を保持するレセプタクルハウジング7と、2つのレセプタクルホールドダウン8と、を含む。
【0018】
(レセプタクルコネクタ5:レセプタクルハウジング7)
図4に示すように、レセプタクルハウジング7は、平面視で矩形状の板体であって、ピッチ方向に細長く形成されている。レセプタクルハウジング7は、例えば絶縁性の樹脂により構成されている。
【0019】
レセプタクルハウジング7は、複数のレセプタクルコンタクト6を保持するレセプタクルコンタクト保持部10と、2つのレセプタクルホールドダウン8をそれぞれ保持する2つのレセプタクルホールドダウン保持部11と、を含む。
【0020】
レセプタクルコンタクト保持部10には、複数のレセプタクルコンタクト6をそれぞれ収容する複数のレセプタクルコンタクト収容孔12が形成されている。複数のレセプタクルコンタクト収容孔12は、複数のレセプタクルコンタクト6と対応するように2列を成すように形成されている。
【0021】
2つのレセプタクルホールドダウン保持部11は、レセプタクルコンタクト保持部10に対してピッチ方向で隣り合うように配置されている。2つのレセプタクルホールドダウン保持部11は、ピッチ方向において2つのレセプタクルホールドダウン保持部11の間にレセプタクルコンタクト保持部10が位置するように配置されている。各レセプタクルホールドダウン保持部11には、レセプタクルホールドダウン貫通孔13と、2つのレセプタクルホールドダウン圧入溝14と、が形成されている。2つのレセプタクルホールドダウン圧入溝14は、幅方向において2つのレセプタクルホールドダウン圧入溝14の間にレセプタクルホールドダウン貫通孔13が位置するように形成されている。
【0022】
(レセプタクルコネクタ5:レセプタクルホールドダウン8)
前述したように、各レセプタクルホールドダウン8は、レセプタクルハウジング7をレセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに固定するものである。
図5及び
図6に示すように、各レセプタクルホールドダウン8は、1枚の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。金属板は、典型的には銅又は銅合金である。レセプタクルホールドダウン8は、好適には、打ち抜き加工及び曲げ加工する前に、又は、打ち抜き加工及び曲げ加工した後に、錫メッキされる。
【0023】
図5に示すように、各レセプタクルホールドダウン8は、レセプタクルホールドダウンガイド部15と、2つのレセプタクルホールドダウン圧入部16と、レセプタクルホールドダウンハンダ付け脚部17と、を含む。
【0024】
レセプタクルホールドダウンガイド部15には、板厚方向が挿抜方向に平行な板体であって、
図4に示すレセプタクルハウジング7のレセプタクルホールドダウン保持部11のレセプタクルホールドダウン貫通孔13に対応するレセプタクルホールドダウンガイド孔18が形成されている。
図6に示すように、レセプタクルホールドダウンガイド部15は、レセプタクルホールドダウンガイド孔18内において互いに対向する2つのロック爪19を有する。
【0025】
2つのレセプタクルホールドダウン圧入部16は、
図4に示すレセプタクルハウジング7のレセプタクルホールドダウン保持部11の2つのレセプタクルホールドダウン圧入溝14にそれぞれ圧入される部分である。本実施形態においてレセプタクルホールドダウン8は、2つのレセプタクルホールドダウン圧入部16を2つのレセプタクルホールドダウン圧入溝14にそれぞれ圧入することによりレセプタクルハウジング7に固定される。しかし、これに代えて、レセプタクルホールドダウン8は、接着剤を用いてレセプタクルハウジング7に固定されてもよいし、レセプタクルハウジング7に締結されてもよく、更にその他の方法を採用し得る。
【0026】
レセプタクルホールドダウンハンダ付け脚部17は、レセプタクルホールドダウンガイド部15から下方に延びるハンダ付け脚部本体17Aと、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aにハンダ付け可能なハンダ付け部17Bと、を含む。ハンダ付け部17Bをレセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aにハンダ付けすることにより、レセプタクルコネクタ5は、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに実装される。
【0027】
(レセプタクルコネクタ5:レセプタクルコンタクト6)
次に、
図7から
図10を参照して、各レセプタクルコンタクト6を詳細に説明する。
【0028】
図7から
図9に示すように、各レセプタクルコンタクト6は、1枚の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。金属板は、典型的には銅又は銅合金である。各レセプタクルコンタクト6は、好適には、打ち抜き加工及び曲げ加工する前に、又は、打ち抜き加工及び曲げ加工した後に、錫メッキされる。
【0029】
図7から
図9に示すように、各レセプタクルコンタクト6は、幅方向に延びる線に関して対称な形状であって、レセプタクルコンタクトガイド部20(ガイド部)と、ハンダ付け脚部21と、2つのバネ片22と、を含む。
【0030】
レセプタクルコンタクトガイド部20は、板厚方向が挿抜方向に平行であって、平面視で矩形の板体である。レセプタクルコンタクトガイド部20は、幅方向で互いに対向する第1辺201及び第2辺202と、ピッチ方向で互いに対向する第3辺203及び第4辺204と、を有する。第1辺201と第2辺202は、幅方向内方においてこの記載順に配置されている。第1辺201と第2辺202の間には、レセプタクルコンタクトガイド孔23(ガイド孔)が形成されている。レセプタクルコンタクトガイド孔23は、レセプタクルコンタクトガイド部20を挿抜方向に貫通する貫通孔である。
【0031】
ハンダ付け脚部21は、第1辺201から下方に延びている。ハンダ付け脚部21は、ハンダ付け脚部本体21Aと、ハンダ付け部21Bと、を含む。ハンダ付け脚部本体21Aは、第1辺201から下方に延びている。ハンダ付け部21Bは、ハンダ付け脚部本体21Aの下端から幅方向外方に延びている。ハンダ付け部21Bは、レセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aの図示しない電極にハンダ付けされる。
【0032】
2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の下方に配置されている。2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20に片持ち梁状に支持されている。2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から片持ち梁状に延びている。2つのバネ片22は、ピッチ方向において若干離れて配置されている。
【0033】
図9に示すように、各バネ片22は、第1延長部24、湾曲部25、第2延長部26を含む。
【0034】
第1延長部24は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から下方に延びる部分である。
【0035】
湾曲部25は、第1延長部24の下端から幅方向外方に向かって延びる部分であって、下方に向かって凸となるように湾曲している。即ち、湾曲部25は、上方に向かって開口するU字状に形成されている。
【0036】
第2延長部26は、湾曲部25から幅方向外方に延びる部分である。第2延長部26の下方には、各バネ片22が下方へ弾性変形するための変形空間26Pが形成されている。
【0037】
そして、
図10に示すように、2つのバネ片22は、平面視において、幅方向外方に向かうにつれて互いに近づくように延びている。
【0038】
2つのバネ片22のうち一方のバネ片22の第2延長部26は、他方のバネ片22の第2延長部26に向かって突出する接触部26Qを有する。他方についても同様である。そして、コネクタ組立体1の嵌合前の状態において、2つのバネ片22の接触部26Qの間のピッチ方向における離間距離26Wは、レセプタクルコンタクトガイド孔23のピッチ方向における寸法23Wよりも小さい。従って、2つのバネ片22の第2延長部26の接触部26Qは、平面視で、レセプタクルコンタクトガイド孔23を通じて視認可能となっている。
【0039】
本実施形態において、各レセプタクルコンタクト6は、レセプタクルハウジング7の各レセプタクルコンタクト収容孔12に圧入により固定されている。しかし、これに代えて、各レセプタクルコンタクト6は、インサート成形や接着剤によりレセプタクルハウジング7の各レセプタクルコンタクト収容孔12に固定されてもよいし、レセプタクルコンタクト収容孔12に締結されてもよく、更にその他の方法を採用し得る。
【0040】
(プラグコネクタ4)
次に、
図11から
図15を参照して、プラグコネクタ4を詳細に説明する。なお、プラグコネクタ4がレセプタクルコネクタ5に嵌合した状態においてプラグコネクタ4のレセプタクルコネクタ5に対する姿勢は一義的に定まるので、以下、プラグコネクタ4を説明するに際し、レセプタクル側基板3やレセプタクルコネクタ5に基づいて定義した各種方向をそのまま使用するものとする。
【0041】
図11から
図13に示すように、プラグコネクタ4は、複数のプラグコンタクト30と、複数のプラグコンタクト30を保持するプラグハウジング31と、2つのプラグホールドダウン32と、を含む。
【0042】
複数のプラグコンタクト30は、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aに対して平行な方向において2列を成すように配置されている。2つのプラグホールドダウン32は、プラグハウジング31をプラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aに固定するものである。
【0043】
(プラグコネクタ4:プラグハウジング31)
図13に示すように、プラグハウジング31は、平面視で矩形状の板体であって、ピッチ方向に細長く形成されている。
【0044】
プラグハウジング31は、例えば絶縁性の樹脂により構成されている。プラグハウジング31は、複数のプラグコンタクト30を保持するプラグコンタクト保持部33と、2つのプラグホールドダウン32をそれぞれ保持する2つのプラグホールドダウン保持部34と、を含む。
【0045】
プラグコンタクト保持部33には、複数のプラグコンタクト30をそれぞれ収容する複数のプラグコンタクト収容孔35が形成されている。複数のプラグコンタクト収容孔35は、複数のプラグコンタクト30と対応するように2列を成すように形成されている。
【0046】
2つのプラグホールドダウン保持部34は、プラグコンタクト保持部33に対してピッチ方向で隣り合うように配置されている。2つのプラグホールドダウン保持部34は、2つのプラグホールドダウン保持部34の間にプラグコンタクト保持部33が位置するように配置されている。各プラグホールドダウン保持部34には、ホールドダウン収容切り欠き36が形成されている。
【0047】
(プラグコネクタ4:プラグホールドダウン32)
前述したように、各プラグホールドダウン32は、プラグハウジング31をプラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aに固定するものである。
図14に示すように、各プラグホールドダウン32は、1枚の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。金属板は、典型的には銅又は銅合金である。各プラグホールドダウン32は、好適には、打ち抜き加工及び曲げ加工する前に、又は、打ち抜き加工及び曲げ加工した後に、錫メッキされる。
【0048】
各プラグホールドダウン32は、ハンダ付け部37と、U字突出部38と、姿勢安定部39と、を含む。ハンダ付け部37とU字突出部38、姿勢安定部39は、ピッチ方向内方に向かってこの記載順に配置されている。
【0049】
ハンダ付け部37は、板厚方向が挿抜方向に平行な板体であって、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aにハンダ付け可能な部分である。
【0050】
U字突出部38は、下方に向かって凸となるようにU字状に湾曲する部分であって、ピッチ方向外方を向く外側係合面38Aと、ピッチ方向内方を向く内側係合面38Bと、を有する。外側係合面38Aには、ロック爪係合凹部40が形成されている。ロック爪係合凹部40は、
図6に示すロック爪19が引っ掛かることでロック爪19と協働してコネクタ組立体1の嵌合状態を維持するロック力を発揮する。内側係合面38Bにも同様にロック爪係合凹部が形成されている。
【0051】
姿勢安定部39は、板厚方向が挿抜方向に平行な板体である。
【0052】
本実施形態において、各プラグホールドダウン32は、インサート成形によりプラグハウジング31の各プラグホールドダウン保持部34のホールドダウン収容切り欠き36に固定されている。しかし、これに代えて、各プラグホールドダウン32は、圧入や接着剤によりプラグハウジング31の各プラグホールドダウン保持部34のホールドダウン収容切り欠き36に固定されてもよいし、プラグハウジング31に締結されてもよく、更にその他の方法を採用し得る。
【0053】
(プラグコネクタ4:プラグコンタクト30)
次に、
図15を参照して、各プラグコンタクト30を詳細に説明する。
【0054】
図15に示すように、プラグコンタクト30は、1枚の金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することで形成されている。金属板は、典型的には銅又は銅合金である。各プラグコンタクト30は、好適には、打ち抜き加工及び曲げ加工する前に、又は、打ち抜き加工及び曲げ加工した後に、錫メッキされる。
【0055】
プラグコンタクト30は、ハンダ付け部45と、U字突出部46と、姿勢安定部47と、を含む。
【0056】
ハンダ付け部45は、板厚方向が挿抜方向に平行な板体であって、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aの図示しない電極にハンダ付けされる。
【0057】
U字突出部46は、下方に向かって凸となるようにU字状に湾曲する部分であって、ピッチ方向を向く2つのピッチ接触面46Aと、幅方向を向く2つの幅接触面46Bと、を有する。
【0058】
2つのピッチ接触面46Aの一方はピッチ方向外方を向き、他方はピッチ方向内方を向く。
【0059】
2つの幅接触面46Bの一方は幅方向内方を向き、他方は幅方向外方を向く。
【0060】
U字突出部46のピッチ方向における寸法46Wは、
図10に示す離間距離26Wよりも大きく、寸法23Wよりも小さい。
【0061】
図15に戻り、姿勢安定部47は、板厚方向が挿抜方向に平行な板体である。
【0062】
本実施形態において、各プラグコンタクト30は、インサート成形によりプラグハウジング31のプラグコンタクト保持部33の各プラグコンタクト収容孔35に固定されている。しかし、これに代えて、各プラグコンタクト30は、圧入や接着剤により各プラグコンタクト収容孔35に固定されてもよいし、プラグハウジング31に締結されてもよく、更にその他の方法を採用し得る。
【0063】
(コネクタ組立体1の嵌合動作)
次に、コネクタ組立体1の嵌合動作を説明する。
【0064】
まず、プラグ側基板2のコネクタ搭載面2Aに搭載されたプラグコネクタ4をレセプタクル側基板3のコネクタ搭載面3Aに搭載されたレセプタクルコネクタ5に嵌合するには、
図2に示すように、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ5を挿抜方向で対向させる。
【0065】
次に、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に向かって下方に移動させる。すると、
図12に示すプラグコネクタ4の各プラグコンタクト30のU字突出部46が
図2に示す各レセプタクルコンタクト6のレセプタクルコンタクトガイド部20に接触する。それと同時に、
図12に示す各プラグホールドダウン32のU字突出部38が
図2に示す各レセプタクルホールドダウン8のレセプタクルホールドダウンガイド部15に接触する。
【0066】
この状態で、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に押し付けながら、プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5に対して相対的にピッチ方向及び幅方向で揺する。すると、
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46が
図2に示す各レセプタクルコンタクト6のレセプタクルコンタクトガイド部20のレセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入される。
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46が
図2に示す各レセプタクルコンタクト6のレセプタクルコンタクトガイド部20のレセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入される方向は、下方に一致している。それと同時に、
図12に示す各プラグホールドダウン32のU字突出部38が
図2に示す各レセプタクルホールドダウン8のレセプタクルホールドダウンガイド部15のレセプタクルホールドダウンガイド孔18に挿入される。
【0067】
図12に示す各プラグホールドダウン32のU字突出部38が
図2に示す各レセプタクルホールドダウン8のレセプタクルホールドダウンガイド部15のレセプタクルホールドダウンガイド孔18に挿入されると、
図6に示す各レセプタクルホールドダウン8の2つのロック爪19が、
図14に示す各プラグホールドダウン32の2つのロック爪係合凹部40に引っ掛かる。これにより、各ロック爪19と各ロック爪係合凹部40は協働してコネクタ組立体1の嵌合状態を維持するロック力を発揮するようになる。
【0068】
一方で、
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46が
図2に示す各レセプタクルコンタクト6のレセプタクルコンタクトガイド部20のレセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入されると、
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46は、
図10に示す各レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22の間に挿入される。
図16には、各プラグコンタクト30のU字突出部46が各レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22の間に挿入された状態を示している。
【0069】
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46が、
図10に示す各レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22の第2延長部26の間に挿入されると、2つのバネ片22はU字突出部46によってピッチ方向に押し退けられ、結果として、2つのバネ片22は互いに離れる方向に弾性変形する。この弾性変形に起因するバネ復元力により、
図10に示す2つのバネ片22の第2延長部26の接触部26Qが、
図15に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46の2つのピッチ接触面46Aに接触する。これにより、各プラグコンタクト30と各レセプタクルコンタクト6が電気的に接触することになる。
【0070】
(コネクタ組立体1の抜去動作)
次に、コネクタ組立体1の抜去動作を説明する。
【0071】
プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去するには、前述したロック力を上回る力でプラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から上方に引き抜けばよい。プラグコネクタ4をレセプタクルコネクタ5から抜去すると、
図10に示すレセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22は、図示する無負荷状態へと弾性復帰することになる。
【0072】
以上に、第1実施形態を説明したが、上記第1実施形態は以下の特徴を有している。
【0073】
図1から
図3、
図13に示すように、コネクタ組立体1は、複数のプラグコンタクト30と、複数のプラグコンタクト30を保持するプラグハウジング31と、を備え、プラグ側基板2に搭載可能なプラグコネクタ4と、複数のレセプタクルコンタクト6と、複数のレセプタクルコンタクト6を保持するレセプタクルハウジング7と、を備え、レセプタクル側基板3に搭載可能なレセプタクルコネクタ5と、を備える。
図1及び
図2、
図16に示すように、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ5を互いに嵌合させることで各プラグコンタクト30が各レセプタクルコンタクト6と電気的に接触する。
【0074】
図7から
図10に示すように、各レセプタクルコンタクト6は、レセプタクル側基板3に近づく方向で各プラグコンタクト30を挿入可能なレセプタクルコンタクトガイド孔23(ガイド孔)を有するレセプタクルコンタクトガイド部20(ガイド部)と、レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30が挿入されることによって弾性変形する2つのバネ片22と、を含む。2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入された各プラグコンタクト30に対してバネ復元力によって接触する。以上の構成によれば、簡素な嵌合作業が実現される。また、レセプタクルコンタクトガイド部20と2つのバネ片22が同一のレセプタクルコンタクト6に属しているので、プラグコネクタ4とレセプタクルコネクタ5が嵌合した状態で各プラグコンタクト30がレセプタクルコンタクトガイド部20に接触していても問題ない。
【0075】
また、レセプタクルコンタクトガイド部20が金属製であるので、
図12に示す各プラグコンタクト30のU字突出部46を
図2に示す各レセプタクルコンタクト6のレセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入するに際し、レセプタクルコンタクトガイド部20が損傷し難い。
【0076】
なお、本実施形態において、下方は、上記『レセプタクル側基板3に近づく方向』の一具体例である。『レセプタクル側基板3に近づく方向』は、コネクタ高さ方向や挿抜方向の一具体例である。
【0077】
本実施形態において、レセプタクルコンタクト6は2つのバネ片22を含んでいる。しかしながら、レセプタクルコンタクト6は、例えば、1つ又は3つ以上のバネ片22を含んでもよい。
【0078】
また、
図7に示すように、レセプタクルコンタクトガイド部20と2つのバネ片22は、下方(レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する挿入方向)においてこの記載順に配置されている。端的に言えば、2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の下方に配置されている。以上の構成によれば、レセプタクルコネクタ5がレセプタクル側基板3に搭載された状態で2つのバネ片22がレセプタクルコンタクトガイド部20に覆われることになるので、コネクタ組立体1の嵌合前において2つのバネ片22が保護される。
【0079】
また、
図7に示すように、2つのバネ片22は、片持ち梁である。以上の構成によれば、2つのバネ片22が弾性変形し易い。
【0080】
また、
図7に示すように、各レセプタクルコンタクト6は、下方(レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する挿入方向)においてレセプタクルコンタクトガイド部20から突出する2つの脚部を有する。本実施形態において、2つの脚部のうち一方は、ハンダ付け脚部21のハンダ付け脚部本体21Aであり、他方は、各バネ片22の第1延長部24である。2つの脚部は、2つの脚部の間にレセプタクルコンタクトガイド孔23が位置するように配置されている。以上の構成によれば、レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する際に各プラグコンタクト30がレセプタクルコンタクトガイド部20に衝突したときの各レセプタクルコンタクト6の変形を抑制することができる。
【0081】
なお、各レセプタクルコンタクト6は、下方(レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する挿入方向)においてレセプタクルコンタクトガイド部20から突出する少なくとも1つの脚部を有してもよい。この場合でも、レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する際に各プラグコンタクト30がレセプタクルコンタクトガイド部20に衝突したときの各レセプタクルコンタクト6の変形を抑制することができる。
【0082】
また、
図16に示すように、レセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入された各プラグコンタクト30は、2つのバネ片22の間に挿入されるように構成されている。2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド孔23に挿入された各プラグコンタクト30に対してバネ復元力によって接触する。以上の構成によれば、2つのバネ片22のバネ復元力が互いに相殺するように各プラグコンタクト30に作用するので、コネクタ組立体1の嵌合状態における各プラグコンタクト30の位置が安定する。
【0083】
また、
図7に示すように、レセプタクルコンタクトガイド部20は、下方(レセプタクルコンタクトガイド孔23に各プラグコンタクト30を挿入する挿入方向)で見ると、互いに平行となる第1辺201と第2辺202を含む矩形状であって、第1辺201と第2辺202の間にレセプタクルコンタクトガイド孔23が形成されている。各レセプタクルコンタクト6は、第1辺201から下方(挿入方向)に延びて、レセプタクル側基板3にハンダ付け可能なハンダ付け部21Bを含む、ハンダ付け脚部21を更に含む。2つのバネ片22は、第2辺202から片持ち梁状に延びている。
【0084】
(第2実施形態)
以下、
図17及び
図18を参照して、第2実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0085】
上記第1実施形態では、例えば
図7に示すように、レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から延びている。
【0086】
これに対し、本実施形態のレセプタクルコンタクト6は、
図17及び
図18に示すように、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から下方に延びる支持脚部50(脚部)を更に備えている。そして、2つのバネ片22は、支持脚部50のピッチ方向における側端50Aから片持ち梁状に延びている。
【0087】
具体的には、各バネ片22は、支持脚部50の側端50Aから幅方向外方に延びる第1湾曲部51と、第1湾曲部51から幅方向外方に延びる第2湾曲部52と、を含む。
【0088】
一方のバネ片22の第1湾曲部51は、他方のバネ片22からピッチ方向において離れる方向に凸となるように湾曲している。他方についても同様である。
【0089】
一方のバネ片22の第2湾曲部52は、他方のバネ片22にピッチ方向において近づく方向に凸となるように湾曲している。他方についても同様である。
【0090】
従って、各バネ片22は、平面視でS字状に湾曲している。
【0091】
(第3実施形態)
以下、
図19及び
図20を参照して、第3実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0092】
上記第1実施形態では、例えば
図7に示すように、レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から延びている。
【0093】
これに対し、本実施形態において、2つのバネ片22は、
図19及び
図20に示すように、レセプタクルコンタクトガイド部20の第3辺203及び第4辺204からそれぞれ片持ち梁状に延びている。
【0094】
具体的には、各バネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第3辺203又は第4辺204から延びる第1延長部53と、第1延長部53から延びる第1湾曲部54と、第1湾曲部54から延びる第2湾曲部55と、を含む。
【0095】
各バネ片22の第1延長部53は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第3辺203又は第4辺204から下方に延びている。
【0096】
一方のバネ片22の第1湾曲部54は、下方に向かって凸となるように湾曲すると共に、他方のバネ片22に向かうように延びている。他方についても同様である。
【0097】
一方のバネ片22の第2湾曲部55は、他方のバネ片22に向かって凸となるように湾曲すると共に、上方に向かうように延びている。他方についても同様である。
【0098】
また、本実施形態のレセプタクルコンタクト6は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から下方に延びる支持脚部50(脚部)を更に備えている。
【0099】
(第4実施形態)
以下、
図21及び
図22を参照して、第4実施形態を説明する。以下、本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0100】
上記第1実施形態では、例えば
図7に示すように、レセプタクルコンタクト6の2つのバネ片22は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から延びている。
【0101】
これに対し、本実施形態において、2つのバネ片22は、
図21及び
図22に示すように、ハンダ付け脚部21のハンダ付け脚部本体21Aのピッチ方向における側端21Cから片持ち梁状に延びている。
【0102】
具体的には、各バネ片22は、ハンダ付け脚部21のハンダ付け脚部本体21Aのピッチ方向における側端21Cから幅方向内方に延びる第1湾曲部60と、第1湾曲部60から幅方向内方に延びる第2湾曲部61と、を含む。
【0103】
一方のバネ片22の第1湾曲部60は、他方のバネ片22からピッチ方向において離れる方向に凸となるように湾曲している。他方についても同様である。
【0104】
一方のバネ片22の第2湾曲部61は、他方のバネ片22にピッチ方向において近づく方向に凸となるように湾曲している。他方についても同様である。
【0105】
従って、各バネ片22は、平面視でS字状に湾曲している。
【0106】
また、
図21に示すように、本実施形態のレセプタクルコンタクト6は、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から下方に延びる支持脚部50(脚部)を更に備えている。
【0107】
なお、上記第1実施形態は、例えば、以下のように変更できる。即ち、上記第1実施形態のレセプタクルコンタクト6は、例えば
図17及び
図18に示すように、レセプタクルコンタクトガイド部20の第2辺202から下方に延びる支持脚部50(脚部)を更に備えてもよい。そして、2つのバネ片22は、支持脚部50の下端から片持ち梁状に延びるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0108】
1 コネクタ組立体
2 プラグ側基板
2A コネクタ搭載面
3 レセプタクル側基板
3A コネクタ搭載面
4 プラグコネクタ
5 レセプタクルコネクタ
6 レセプタクルコンタクト
7 レセプタクルハウジング
8 レセプタクルホールドダウン
10 レセプタクルコンタクト保持部
11 レセプタクルホールドダウン保持部
12 レセプタクルコンタクト収容孔
13 レセプタクルホールドダウン貫通孔
14 レセプタクルホールドダウン圧入溝
15 レセプタクルホールドダウンガイド部
16 レセプタクルホールドダウン圧入部
17 レセプタクルホールドダウンハンダ付け脚部
17A ハンダ付け脚部本体(脚部)
17B ハンダ付け部
18 レセプタクルホールドダウンガイド孔
19 ロック爪
20 レセプタクルコンタクトガイド部(ガイド部)
201 第1辺
202 第2辺
203 第3辺
204 第4辺
21 ハンダ付け脚部
21A ハンダ付け脚部本体
21B ハンダ付け部
21C 側端
22 バネ片
23 レセプタクルコンタクトガイド孔(ガイド孔)
23W 寸法
24 第1延長部(脚部)
25 湾曲部
26 第2延長部
26P 変形空間
26Q 接触部
26W 離間距離
30 プラグコンタクト
31 プラグハウジング
32 プラグホールドダウン
33 プラグコンタクト保持部
34 プラグホールドダウン保持部
35 プラグコンタクト収容孔
36 ホールドダウン収容切り欠き
37 ハンダ付け部
38 U字突出部
38A 外側係合面
38B 内側係合面
39 姿勢安定部
40 ロック爪係合凹部
45 ハンダ付け部
46 U字突出部
46A ピッチ接触面
46B 幅接触面
46W 寸法
47 姿勢安定部
50 支持脚部(脚部)
50A 側端
51 第1湾曲部
52 第2湾曲部
53 第1延長部
54 第1湾曲部
55 第2湾曲部
60 第1湾曲部
61 第2湾曲部