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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/44 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
B65D5/44 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019219706
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021088389
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】小作 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】松浦 積弥
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06325282(US,B1)
【文献】実開平03-081817(JP,U)
【文献】特開2005-239168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外壁(10)を周方向に連設して角筒状に形成された周壁(1W,2W,3W,4W)と、
複数の前記外壁のうち少なくとも隣接する一対の前記外壁の上端部に折返し線(L3)を介して連設された一対のフラップ(12)と、
前記周壁の下端面を閉じる底部(11A,11B)と、を備え、
一対の前記フラップは、
一対の前記外壁の境界線から延長された正折線(L4)を介して周方向に連設された一対の柱壁(20)と、
一対の前記柱壁に逆折線(L5)を介して連設され、且つ一対の前記外壁に前記折返し線を介して連設された一対の内壁(21)と、を有し、
一対の前記柱壁は、切断線(22)によって一対の前記外壁から分離され、
一対の前記内壁の少なくとも一方には、捨罫線(L6)が前記逆折線と前記切断線との交点付近から斜めに延設され、
一対の前記内壁の少なくとも一方が前記捨罫線に沿って折れながら、一対の前記内壁が前記折返し線に沿って前記周壁の内側に折り返される過程において、前記正折線に沿って正折りされた一対の前記柱壁は一対の前記逆折線に沿って逆折りされながら前記周壁の内側に進入し、
前記捨罫線で折れた前記内壁が平らに戻され、一対の前記内壁が一対の前記外壁の内側に重なった状態になることで、一対の前記逆折線に沿って逆折りされた一対の前記柱壁は前記正折線を前記周壁の内側に突き出して角柱(23)を形成した状態に保持され
一対の前記柱壁には、一対の前記外壁に食い込むように一対の突起部(24)が突設され、
前記底部には、前記角柱に対応する位置に係合穴(25)が穿設され、
一対の前記内壁が前記周壁の内側に折り返された状態において、一対の前記突起部は、前記切断線に沿って一対の前記外壁から刳り貫かれて一対の前記内壁よりも上方に突き出し、
複数の前記包装箱を積層した状態において、下方の前記包装箱の一対の前記突起部が、上方の前記包装箱の前記係合穴に係合することを特徴とする包装箱。
【請求項2】
複数の外壁(10)を周方向に連設して角筒状に形成された周壁(1W,2W,3W,4W)と、
複数の前記外壁のうち少なくとも隣接する一対の前記外壁の上端部に折返し線(L3)を介して連設された一対のフラップ(12)と、を備え、
一対の前記フラップは、
一対の前記外壁の境界線から延長された正折線(L4)を介して周方向に連設された一対の柱壁(20)と、
一対の前記柱壁に逆折線(L5)を介して連設され、且つ一対の前記外壁に前記折返し線を介して連設された一対の内壁(21)と、を有し、
一対の前記柱壁は、切断線(22)によって一対の前記外壁から分離され、
一対の前記内壁の少なくとも一方には、捨罫線(L6)が前記逆折線と前記切断線との交点付近から斜めに延設され、
一対の前記内壁の少なくとも一方が前記捨罫線に沿って折れながら、一対の前記内壁が前記折返し線に沿って前記周壁の内側に折り返される過程において、前記正折線に沿って正折りされた一対の前記柱壁は一対の前記逆折線に沿って逆折りされながら前記周壁の内側に進入し、
前記捨罫線で折れた前記内壁が平らに戻され、一対の前記内壁が一対の前記外壁の内側に重なった状態になることで、一対の前記逆折線に沿って逆折りされた一対の前記柱壁は前記正折線を前記周壁の内側に突き出して角柱(23)を形成した状態に保持され、
一対の前記外壁には、一対の前記柱壁に食い込むように一対の凸片部(26)が形成され、
一対の前記内壁が前記周壁の内側に折り返された状態において、一対の前記凸片部の上部は、前記切断線に沿って一対の前記柱壁から刳り貫かれて前記角柱よりも上方に突き出すことを特徴とする包装箱。
【請求項3】
一対の前記凸片部の境界線上には、一対の前記凸片部を分離する凸片切断線(27)が形成され、
一対の前記外壁には、前記凸片切断線の下端から前記切断線の両端まで斜めに延びた一対の開放折線(L7)が形成されていることを特徴とする請求項に記載の包装箱。
【請求項4】
前記周壁の下端面を閉じる底部(11A,11B)を更に備え、
前記角柱の下端は前記底部に接触することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項5】
前記周壁の下端面を閉じる底部(11A,11B)を更に備え、
前記角柱の下端は前記底部から離間することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の包装箱。
【請求項6】
複数の前記フラップは、全ての前記外壁に連設され、
前記角柱を形成する複数組の一対の前記柱壁と複数の前記内壁とは周方向に交互に連設されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、平面方形状をなす周壁の隅部内面に補強材を設けた補強箱が開示されている。補強材は、第1~第3補強片を三角筒状に折り曲げて構成されている。第1補強片は、二段折線を介して周壁の側面部に連結されている。第1補強片を側面部の内側に折り返した後、第2~第3補強片を折り曲げて三角筒状を形成する。第2補強片には係止突片が設けられ、係止突片を補強箱の底面部に開口した係止孔に係止させることで、補強材が三角筒状に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-301642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した補強箱では、ユーザが第1~第3補強片を順番通りに折り曲げなければ補強材を三角筒状に形成することができず、補強材の組立が簡単とは言えなかった。また、上記した補強箱では、第2補強片の係止突片を底面部の係止孔に係止させなければ、補強材を三角筒状に保持することができなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、簡単に角柱を形成することができ、角柱を形成した状態を保持することができる包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の包装箱は、複数の外壁を周方向に連設して角筒状に形成された周壁と、複数の前記外壁のうち少なくとも隣接する一対の前記外壁の上端部に折返し線を介して連設された一対のフラップと、を備え、一対の前記フラップは、一対の前記外壁の境界線から延長された正折線を介して周方向に連設された一対の柱壁と、一対の前記柱壁に逆折線を介して連設され、且つ一対の前記外壁に前記折返し線を介して連設された一対の内壁と、を有し、一対の前記柱壁は、切断線によって一対の前記外壁から分離され、一対の前記内壁の少なくとも一方には、捨罫線が前記逆折線と前記切断線との交点付近から斜めに延設され、一対の前記内壁の少なくとも一方が前記捨罫線に沿って折れながら、一対の前記内壁が前記折返し線に沿って前記周壁の内側に折り返される過程において、前記正折線に沿って正折りされた一対の前記柱壁は一対の前記逆折線に沿って逆折りされながら前記周壁の内側に進入し、前記捨罫線で折れた前記内壁が平らに戻され、一対の前記内壁が一対の前記外壁の内側に重なった状態になることで、一対の前記逆折線に沿って逆折りされた一対の前記柱壁は前記正折線を前記周壁の内側に突き出して角柱を形成した状態に保持される。
【0007】
この場合、前記周壁の下端面を閉じる底部を更に備え、一対の前記柱壁には、一対の前記外壁に食い込むように一対の突起部が突設され、前記底部には、前記角柱に対応する位置に係合穴が穿設され、一対の前記内壁が前記周壁の内側に折り返された状態において、一対の前記突起部は、前記切断線に沿って一対の前記外壁から刳り貫かれて一対の前記内壁よりも上方に突き出し、複数の前記包装箱を積層した状態において、下方の前記包装箱の一対の前記突起部が、上方の前記包装箱の前記係合穴に係合してもよい。
【0008】
他の場合、一対の前記外壁には、一対の前記柱壁に食い込むように一対の凸片部が形成され、一対の前記内壁が前記周壁の内側に折り返された状態において、一対の前記凸片部の上部は、前記切断線に沿って一対の前記柱壁から刳り貫かれて前記角柱よりも上方に突き出してもよい。
【0009】
この場合、一対の前記凸片部の境界線上には、一対の前記凸片部を分離する凸片切断線が形成され、一対の前記外壁には、前記凸片切断線の下端から前記切断線の両端まで斜めに延びた一対の開放折線が形成されてもよい。
【0010】
この場合、前記周壁の下端面を閉じる底部を更に備え、前記角柱の下端は前記底部に接触してもよい。
【0011】
この場合、前記周壁の下端面を閉じる底部を更に備え、前記角柱の下端は前記底部から離間してもよい。
【0012】
この場合、複数の前記フラップは、全ての前記外壁に連設され、前記角柱を形成する複数組の一対の前記柱壁と複数の前記内壁とは周方向に交互に連設されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単に角柱を形成することができ、角柱を形成した状態を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る包装箱の周壁を形成した状態を示す斜視図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る包装箱の一対の上フラップを周壁の内側に倒し始めた状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る包装箱の一対の上フラップを周壁の内側に進入させた状態を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る包装箱の角柱を形成した状態を示す斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る包装箱であって、取出し口を開口させた状態を示す斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図12】本発明の第4実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図14】本発明の第1実施形態の第1変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図15】本発明の第1実施形態の第2変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。前後方向は、左右方向に直交し、上下方向は前後方向と左右方向とに直交している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
[第1実施形態:包装箱の概要]
図1および図2を参照して、包装箱1の構成について説明する。図1は包装箱1を示す斜視図である。図2は包装箱1のブランク5を示す平面図である。
【0017】
図1に示すように、包装箱1は、略角筒状の周壁1Wの上端面を開放させたトレイ状の箱である。包装箱1の内部には、複数の物品(図示せず)が収容されるようになっている。
【0018】
包装箱1は、図2に示すブランク5を組み立てることで形成される。ブランク5は、例えば、一枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aの表裏に表ライナ9Bと裏ライナ9C(図3参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図2は、表ライナ9B側(包装箱1の外面側)を示している。本明細書では、段ボールの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向(中しん9A)に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。また、本明細書では、「上(天)」、「下(底)」およびこれに類する用語は、包装箱1を組み立てた状態(組立状態)における上(天)、下(底)およびこれに類する概念を指している。
【0019】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク5は、一対の第1外壁10Aと、一対の第2外壁10Bと、一対の下外フラップ11Aと、一対の下内フラップ11Bと、一対の第1上フラップ12Aと、一対の第2上フラップ12Bと、を備えている。
【0020】
<第1外壁,第2外壁>
一対の第1外壁10Aと一対の第2外壁10Bとは、第1折曲線L1を介して交互に連設されている。第1外壁10Aは、第2外壁10Bよりも流れ方向に幅広い略長方形状に形成されている。第1外壁10Aの流れ方向の一端部には、外側継代片13が第1折曲線L1を介して連設されている。また、一対の第2外壁10Bに挟まれた第1外壁10Aには、取出し口30(図7参照)を開口させるための外側切断線31が形成されている。外側切断線31は、第1外壁10Aの上端から下方に延設された一対のジッパー31Aと、一対のジッパー31Aの下端を結ぶように形成された切目線31Bとで略U字状に形成されている。
【0021】
<下外フラップ,下内フラップ>
一対の下外フラップ11Aは、第2折曲線L2を介して一対の第1外壁10Aの下端部(段方向の一端部)に連設されている。下外フラップ11Aは、第1外壁10Aの流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。下外フラップ11Aの段方向の寸法(延出寸法)は、第2外壁10Bの流れ方向の寸法の略半分に設定されている。一対の下内フラップ11Bは、第2折曲線L2を介して一対の第2外壁10Bの下端部に連設されている。下内フラップ11Bは、第2外壁10Bの流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。下内フラップ11Bの段方向の寸法(延出寸法)は、下外フラップ11Aの延出寸法と略同一である。
【0022】
<第1上フラップ,第2上フラップ>
一対の第1上フラップ12Aは折返し線L3を介して一対の第1外壁10Aの上端部(段方向の他端部)に連設され、一対の第2上フラップ12Bは折返し線L3を介して一対の第2外壁10Bの上端部に連設されている。第1上フラップ12Aの流れ方向の寸法は第1外壁10Aの流れ方向の寸法と略同一であり、第1上フラップ12Aの段方向の寸法(延出寸法)は第1外壁10Aの段方向の寸法よりも僅かに短く設定されている。第2上フラップ12Bの流れ方向の寸法は第2外壁10Bの流れ方向の寸法と略同一であり、第2上フラップ12Bの段方向の寸法(延出寸法)は第1上フラップ12Aの延出寸法と略同一である。一対の第1上フラップ12Aと一対の第2上フラップ12Bとは、第1外壁10Aと第2外壁10Bとの境界線(第1折曲線L1)から延長された正折線L4を介して交互に連設されている。
【0023】
第1上フラップ12Aには、その先端(自由端)から折返し線L3に向かって第1凹部15Aが凹設されている。第1凹部15Aは、第1上フラップ12Aの流れ方向の中央付近において略台形状に窪んでいる。このため、第1上フラップ12Aは、略U字状に形成されている。第1上フラップ12Aの流れ方向の一端部には、内側継代片14が正折線L4を介して連設されている。また、一対の第2上フラップ12Bに挟まれた第1上フラップ12Aには、取出し口30を開口させるための内側切断線32が形成されている。内側切断線32は、折返し線L3から第1上フラップ12Aの先端に向かって延設された一対のジッパー32Aと、一対のジッパー32Aの先端から湾曲しつつ第1凹部15Aまで延設された一対の切目線32Bと、を含んでいる。内側切断線32の一対のジッパー32Aは、外側切断線31の一対のジッパー31Aよりも僅かに流れ方向の両外側に形成されている。
【0024】
第1上フラップ12Aと同様に、第2上フラップ12Bには第2凹部15Bが凹設されており、第2上フラップ12Bは略U字状に形成されている。第2凹部15Bは、内側切断線32が形成された第1上フラップ12Aから流れ方向に離れるように傾斜した略台形状に形成されている。
【0025】
第1上フラップ12Aは、流れ方向の両側に設けられた一対の第1柱壁20Aと、一対の第1柱壁20Aの間に設けられた第1内壁21Aと、を有している。これと同様に、第2上フラップ12Bは、一対の第2柱壁20Bと、第2内壁21Bと、を有している。第1柱壁20Aと第2柱壁20Bとは、正折線L4を介して連設されている。第1内壁21Aは逆折線L5を介して一対の第1柱壁20Aに連設され、第2内壁21Bは逆折線L5を介して一対の第2柱壁20Bに連設されている。なお、逆折線L5は正折線L4と略平行に形成されている。
【0026】
ここで、本明細書では、説明の便宜上、第1上フラップ12Aと第2上フラップ12Bとをまとめて「上フラップ12」と呼ぶこともあり、第1柱壁20Aと第2柱壁20Bとをまとめて「柱壁20」と呼ぶこともあり、第1内壁21Aと第2内壁21Bとをまとめて「内壁21」と呼ぶこともあり、第1凹部15Aと第2凹部15Bとをまとめて「凹部15」と呼ぶこともある。また、これらの符号には算用数字のみを使用する。これらと同様に、第1外壁10Aと第2外壁10Bとをまとめて「外壁10」と呼ぶこともあり、符号には算用数字のみを使用する。また、本明細書では、説明を簡単にするため、1つの正折線L4を介して隣接する第1上フラップ12Aと第2上フラップ12Bと(一対の上フラップ12)に着目して説明する。
【0027】
(柱壁)
1つの正折線L4を介して流れ方向(周壁1Wの周方向)に連設された一対の柱壁20は、それぞれ、段方向に細長い略長方形状に形成されている。また、一対の柱壁20は、切断線22によって一対の外壁10から分離されている。切断線22は、流れ方向に延びた折返し線L3と略同一直線状に形成されている。なお、上記した内側継代片14は、切断線22によって外側継代片13から分離されている。
【0028】
(内壁)
一対の内壁21は、(正折線L4を挟んで隣接する)一対の柱壁20に逆折線L5を介して連設されている。換言すれば、一対の内壁21は、一対の柱壁20を挟んで連続している。また、一対の内壁21は、一対の外壁10に折返し線L3を介して連設されている。内壁21には凹部15が形成されており、内壁21は略U字状に形成されている。各々の内壁21には、捨罫線L6が逆折線L5と切断線22との交点から凹部15の角部まで斜めに延設されている。すなわち、捨罫線L6は、当該交点から内壁21の先端(凹部15)に向かって逆折線L5から離れるように傾斜している。第1上フラップ12Aに形成された一対の捨罫線L6は、略同一角度で傾斜している。第2上フラップ12Bに形成された一対の捨罫線L6は互いに異なる角度で傾斜している。内側切断線32に近い方の捨罫線L6は、内側切断線32から遠い方の捨罫線L6よりも、逆折線L5と成す角度が大きく設定されている。
【0029】
なお、本明細書では、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折曲させることを「正折り」と呼び、表ライナ9Bを内側に向けるように段ボールシートを折曲させることを「逆折り」と呼ぶこととする。また、第1折曲線L1、第2折曲線L2、折返し線L3および正折線L4は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に直線状に潰した汎用罫線である。汎用罫線は、主に段ボールシートを正折りさせる機能を有している。逆折線L5は、段ボールシートを厚み方向に貫通した複数の切目を所定間隔に並べたミシン刃線である。捨罫線L6は、汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に並べたリード罫線である。ミシン刃線(逆折線L5)およびリード罫線(捨罫線L6)は、段ボールシートを正逆両方に折ることを可能にしている。第1折曲線L1および正折線L4並びに逆折線L5は段方向に延びており、第2折曲線L2および折返し線L3は流れ方向に延びている。上記した折線の種類は、一例であって、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0030】
[包装箱の組立]
次に、図1図3ないし図7を参照して、包装箱1を組み立てる工程(組立作業)等について説明する。図3は包装箱1の周壁1Wを形成した状態を示す斜視図である。図4は一対の上フラップ12を周壁1Wの内側に倒し始めた状態を示す斜視図である。図5は一対の上フラップ12を周壁1Wの内側に進入させた状態を示す斜視図である。図6は角柱23を形成した状態を示す斜視図である。図7は取出し口30を開口させた包装箱1を示す斜視図である。
【0031】
なお、包装箱1は、作業者によって手作業で組み立てられてもよいし、製函機によって自動または半自動で組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が包装箱1を組み立てる場合について説明する。また、ブランク5は二つ折りされ、包装箱1は折り畳まれた状態であるものとする(図示せず)。具体的には、流れ方向両側の一対の外壁10が第1折曲線L1で正折りされ、外側継代片13が第2外壁10Bの内面端部に接着されている。この一対の外壁10の折り曲げに伴って、流れ方向両側の一対の上フラップ12も正折線L4で正折りされている。そして、内側継代片14が第2上フラップ12Bの内面端部(柱壁20の内面)に接着されている。なお、段ボールシートの接着手段としては、例えば、ホットメルト接着剤、合成樹脂系エマルジョン接着剤、粘着テープまたは両面テープ等を用いることができる。
【0032】
まず、図3に示すように、作業者は、一対の第1外壁10Aと一対の第2外壁10Bとを第1折曲線L1で略直角に折り曲げる。4つの外壁10が周方向に連設され、略角筒状の周壁1Wが形成される。なお、この状態で、一対の第1上フラップ12Aと一対の第2上フラップ12Bも、正折線L4で略直角に折り曲げられて略角筒状に形成されている。
【0033】
次に、作業者は、一対の下内フラップ11Bを第2折曲線L2に沿って周壁1Wの内側に折り曲げた後、一対の下外フラップ11Aを第2折曲線L2で周壁1Wの内側に折り曲げる。また、作業者は、一対の下外フラップ11Aの突き合せ部に沿って粘着テープ(図示せず)を貼り付ける。以上によって、下内フラップ11Bおよび下外フラップ11Aが周壁1Wの下端面を閉じる底部を構成する。なお、下外フラップ11Aの固定手段としては、粘着テープに限らず、例えば、接着剤や両面テープ等を用いてもよい。
【0034】
次に、作業者は、4つの上フラップ12を折返し線L3に沿って周壁1Wの内側に折り返す。ここで、4つの上フラップ12は、周壁1Wと同様に周方向に連なって角筒状を成しているため、一般的に、上フラップ12を周壁1Wの内側に折り返すことは極めて困難である。これに対し、第1実施形態に係る包装箱1は、角筒状を成す4つの上フラップ12を円滑に折り返すことを可能にする構造を有している。なお、説明を簡単にするため、引き続き、1つの正折線L4を介して隣接する一対の上フラップ12に着目して説明する。
【0035】
図4に示すように、例えば、作業者が一対の上フラップ12を周壁1Wの内側に倒し込むと、一対の内壁21は捨罫線L6に沿って逆折りされながら折返し線L3に沿って周壁1Wの内側に折り返されて行く。一対の内壁21が折り返される過程において、一対の上フラップ12の柱壁20は、正折線L4に沿って正折りされた状態を維持しながら一対の逆折線L5に沿って正折りされる。図5に示すように、一対の内壁21の折り返しが更に進むと、正折線L4で正折りされた一対の柱壁20は、一対の逆折線L5に沿って逆折りされながら周壁1Wの内側に進入する。
【0036】
図6に示すように、一対の上フラップ12(内壁21)が略180度折り返されると、捨罫線L6で逆折りされた一対の内壁21は平らに戻され一対の外壁10の内側に重なった状態になる。この状態で、一対の柱壁20は、隣接する内壁21に対して逆折線L5で略直角に逆折りされ、且つ正折線L4で略直角に正折りされ、正折線L4を周壁1Wの内側に突き出した角柱23を形成する。また、この状態で、一対の柱壁20は、角柱23を形成した状態に保持される。また、角柱23の下端(柱壁20の先端)は下内フラップ11B(底部)に接触している。
【0037】
作業者は、以上と同様の手順で、4つの上フラップ12を折返し線L3に沿って周壁1Wの内側に折り返すことで、周壁1Wの4つの内側角部に4つの角柱23を形成する(図1参照)。本実施形態に係る包装箱1では、4つの上フラップ12が全て(4つ)の外壁10に連設され、角柱23を形成する4組の一対の柱壁20と4つの内壁21とが周方向に交互に連設されているため、一対の上フラップ12を折り返すと、隣接する上フラップ12も引き摺られて折り返される。この構成によれば、4つの上フラップ12を連続的に折り返すことができ、4つの角柱23を簡単且つ迅速に形成することができる。
【0038】
以上によって、包装箱1の組立作業が完了する(図1参照)。なお、第1上フラップ12Aの内側切断線32は、第1外壁10Aの外側切断線31上に重なるように配置される。図7に示すように、第1外壁10Aが外側切断線31に沿って切断され、第1上フラップ12Aが内側切断線32に沿って切断されることで、包装箱1の前側面に取出し口30が開口する。また、この包装箱1の4つの角柱23の上には、他の包装箱1を積み重ねることができる。下方の包装箱1は、4つの角柱23によって上方の包装箱1からの荷重を受けることができる。
【0039】
以上説明した第1実施形態に係る包装箱1によれば、一対の内壁21が捨罫線L6に沿って逆折りされることで、一対の柱壁20を正折線L4で屈曲させたまま周壁1Wの内側に折り返すことができる。また、一対の上フラップ12(内壁21)の折り返しに伴って、一対の柱壁20が自然に一対の逆折線L5で逆折りされて角柱23を構成していた。この構成によれば、一対の内壁21を周壁1Wの内側に折り返すだけで、簡単に周壁1Wの内側角部に角柱23を形成することができる。さらに、一対の内壁21が一対の外壁10の内側に重なることで、柱壁20を係止する構造を設けることなく、周壁1Wの内側角部に角柱23を形成した状態に保持することができる。
【0040】
また、第1実施形態に係る包装箱1によれば、角柱23の下端が下内フラップ11Bに当接するため、角柱23にかかる荷重を包装箱1の底部(下内フラップ11B、下外フラップ11A)に伝えることができる。これにより、角柱23の下端が下内フラップ11Bから離間している場合に比べて、包装箱1の耐荷重性能を向上させることができる。
【0041】
なお、第1実施形態に係る包装箱1では、一対の内壁21が捨罫線L6に沿って逆折りされながら周壁1Wの内側に折り返されていたが(図4および図5参照)、本発明はこれに限定されない。作業者は、一対の内壁21を捨罫線L6に沿って正折りしながら周壁1Wの内側に折り返すこともできる(図示せず)。
【0042】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、一対の捨罫線L6が一対の内壁21に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。捨罫線L6は一対の内壁21の少なくとも一方に形成されていればよい(図示せず)。
【0043】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、第2上フラップ12Bに形成された一対の捨罫線L6が逆折線L5に対して互いに異なる角度で傾斜していたが、これに限らず、例えば、逆折線L5に対して同一角度で傾斜してもよい(図示せず)。各々の捨罫線L6は折返し線L3と逆折線L5とに対し傾斜していればよく、その傾斜角度は自由に設定することができる。
【0044】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、捨罫線L6が直線状に形成されていたが、これに限らず、例えば、僅かに屈曲または湾曲していてもよい(図示せず)。
【0045】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、逆折線L5と切断線22との交点から1つの捨罫線L6が延びていたが、これに限らず、当該交点から複数の捨罫線L6が延びていてもよい(図示せず)。また、複数の捨罫線L6は、同一の角度で傾斜してもよいし、異なる角度で傾斜してもよい(図示せず)。
【0046】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、捨罫線L6が逆折線L5と切断線22との交点から延びていたが、本発明はこれに限定されない。捨罫線L6は逆折線L5と切断線22との交点から僅かにずれた交点付近から延びていてもよい。「交点付近」とは、捨罫線L6(またはその延長線)が当該交点に接することを要求するものではなく、当該交点から僅かに離れることを許容する意味である。
【0047】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、逆折線L5が正折線L4と略平行に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、逆折線L5は、正折線L4に対して傾斜していてもよい(図示せず)。この場合、逆折線L5は、上方に向かって正折線L4に接近するように傾斜してもよいし、上方に向かって正折線L4から離間するように傾斜してもよい。
【0048】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、正折線L4を挟んで隣接する一対の柱壁20が略同じ大きさの長方形状に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。一対の柱壁20の大きさ(流れ方向の幅)は互いに異なっていてもよい(後述する第3実施形態に係る包装箱3(図10等)参照)。
【0049】
また、第1実施形態に係る包装箱1では、第1外壁10Aに外側切断線31が形成され、第1上フラップ12Aに内側切断線32が形成されていたが、本発明はこれに限定されない。外側切断線31は4つの外壁10の少なくとも1つに形成されていればよく、内側切断線32は4つの上フラップ12の少なくとも1つに形成されていればよい。また、外側切断線31および内側切断線32は、ジッパーや切目線に限らず、段ボールシートを切断するための線であれば如何なるものでもよい。また、外側切断線31および内側切断線32は、不要であれば省略(削除)されてもよい。
【0050】
[第2実施形態]
次に、図8および図9を参照して、第2実施形態に係る包装箱2について説明する。図8は包装箱2のブランク6を示す平面図である。図9は包装箱2を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る包装箱1と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
【0051】
図8に示すように、第2実施形態に係る包装箱2(ブランク6)では、第1上フラップ12Aと第2上フラップ12Bとの延出寸法が周壁2Wの高さ(第1外壁10A、第2外壁10Bの段方向の寸法)よりも短く設定されている。図9に示すように、包装箱2を組み立てた状態(上フラップ12を内側に折り返した状態)において、角柱23の下端(柱壁20の先端)は、下内フラップ11B(底部)から離間している。
【0052】
第2実施形態に係る包装箱2によれば、角柱23を構成する柱壁20が外壁10よりも低く(段方向に短く)形成されているため、ブランク6の面積を小さくすることができる。これにより、ブランク6の製造に必要な段ボールシートの面積が小さくなるため、包装箱2(ブランク6)の製造コストを低減することができる。
【0053】
[第3実施形態]
次に、図10および図11を参照して、第3実施形態に係る包装箱3について説明する。図10は包装箱3のブランク7を示す平面図である。図11は包装箱3を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第1~第2実施形態に係る包装箱1~2と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
【0054】
図10に示すように、第3実施形態に係る包装箱3のブランク7では、外側切断線31、内側切断線32、第1凹部15Aおよび第2凹部15Bが省略されている。捨罫線L6は、逆折線L5の基端(切断線22との交点)から上フラップ12の先端まで斜めに延設されている。複数の捨罫線L6の傾斜角度(逆折線L5と成す角度)は略同一である。また、このブランク7では、正折線L4を挟んで隣接する一対の柱壁20の大きさ(流れ方向の幅)が互いに異なっている。具体的には、第2上フラップ12Bの第2柱壁20Bは、第1上フラップ12Aの第1柱壁20Aよりも流れ方向に幅広く形成されている。また、上フラップ12の延出寸法が周壁3Wの高さよりも短く設定されている。
【0055】
さらに、正折線L4を挟んで隣接する一対の柱壁20には、一対の外壁10に食い込むように一対の突起部24が突設されている。なお、突起部24には、折返し線L3は形成されていない。突起部24の突出量は、段ボールシートの厚みと同程度に設定されている。一対の突起部24は、正折線L4を挟んで連設され、略U字状(コ字状)の切断線22によって一対の外壁10から分離されている。一方で、各々の下外フラップ11Aの流れ方向両端の基部(第2折曲線L2沿い)には、一対の係合穴25が穿設されている。係合穴25は、角柱23の断面形状と略相似となる四角形状に切り欠かれている。
【0056】
図11に示すように、一対の内壁21が周壁3Wの内側に折り返された状態において、一対の突起部24は、切断線22に沿って一対の外壁10から刳り貫かれて一対の内壁21(折返し線L3)よりも上方に突き出す。つまり、一対の突起部24は、角柱23(一対の柱壁20)の上端から突出する。なお、一対の外壁10の上角部には、一対の突起部24が刳り貫かれたことにより、凹みが形成される。また、角柱23の下端は下内フラップ11Bから離間している。
【0057】
また、包装箱3の底部には、角柱23に対応する位置に係合穴25が開口する。複数の包装箱3を積層した状態において、下方の包装箱3の一対の突起部24は、上方の包装箱3の係合穴25に係合する(図示せず)。この構成によれば、積層された包装箱3の水平方向の位置ずれを抑制することができる。これにより、複数の包装箱3を積層した状態を適切に維持することができる。
【0058】
なお、第3実施形態に係る包装箱3では、突起部24の突出量が段ボールシートの厚みと同程度であったが、これに限らず、突起部24の突出量は段ボールシートの厚みよりも大きく(長く)てもよい。この場合、係合穴25は、下外フラップ11Aのみならず、下内フラップ11Bにも穿設される。
【0059】
また、第3実施形態に係る包装箱3では、第2柱壁20Bが第1柱壁20Aよりも幅広く形成されていたが、これに限らず、第2柱壁20Bが第1柱壁20Aよりも幅狭く形成されてもよいし、第1柱壁20Aと同一幅に形成されてもよい(いずれも図示せず)。また、上フラップ12の延出寸法が周壁3Wの高さと略同等で、角柱23の下端が下内フラップ11Bに当接してもよい(図示せず)。
【0060】
[第4実施形態]
次に、図12および図13を参照して、第4実施形態に係る包装箱3について説明する。図12は包装箱4のブランク8を示す平面図である。図13は包装箱4を示す斜視図である。なお、以下の説明では、第1~第3実施形態に係る包装箱1~3と同一または対応する構成には同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
【0061】
図12に示すように、第4実施形態に係る包装箱4のブランク8では、外側切断線31、内側切断線32、第1凹部15Aおよび第2凹部15Bが省略されている。捨罫線L6は、逆折線L5の基端から上フラップ12の先端まで斜めに延設されている。複数の捨罫線L6の傾斜角度(逆折線L5と成す角度)は略同一である。また、上フラップ12の段方向の寸法が周壁3Wの高さよりも短く設定されている。
【0062】
また、一対の外壁10には、(正折線L4を挟んで隣接する)一対の柱壁20に食い込むように一対の凸片部26が形成されている。一対の凸片部26の境界線上には、一対の凸片部26を分離する凸片切断線27が形成されている。一対の外壁10には、凸片切断線27の下端から切断線22の両端まで斜めに延びた一対の開放折線L7(汎用罫線)が形成されている。一対の凸片部26は、全体として略五角形状に形成されている。各々の凸片部26は、凸片切断線27と開放折線L7との間に形成された略三角形部分と、凸片切断線27と切断線22との間に形成された略長方形部分とを含み、略台形状に形成されている。凸片部26の上部(略長方形部分)の突出量は、段ボールシートの厚みと同程度に設定されている。また、一対の柱壁20は、略U字状(コ字状)の切断線22によって一対の凸片部26から分離されている。
【0063】
図13に示すように、一対の内壁21が周壁4Wの内側に折り返された状態において、一対の凸片部26の上部は、切断線22に沿って一対の柱壁20から刳り貫かれて角柱23よりも上方に突き出す。なお、角柱23の上部には、一対の凸片部26が刳り貫かれたことにより、凹みが形成される。また、角柱23の下端は下内フラップ11Bから離間している。
【0064】
複数の包装箱4を積層した状態において、上方の包装箱4の下角部は、下方の包装箱4の四角に突設された4つの凸片部26の内側に入り込む(図示せず)。この構成によれば、積層された包装箱4の水平方向の位置ずれを抑制することができる。
【0065】
上方の包装箱4の下角部を、下方の包装箱4の四角に突設された4つの凸片部26の内側に入れ難い場合には、凸片切断線27で分離した一対の凸片部26を一対の開放折線L7に沿って外側に折り曲げてもよい。これにより、下方の包装箱4の凸片部26が上方の包装箱3の下角部に干渉することが抑制されるため、複数の包装箱4を容易に積み重ねることができる。また、上方の包装箱4を積層した後、開放折線L7で折れた凸片部26を元に戻すことで、複数の包装箱4を積層した状態を維持することもできる。
【0066】
なお、第4実施形態に係る包装箱4では、一対の凸片部26が、凸片切断線27で切断され、一対の開放折線L7で折れ曲がるように構成されていたが、本発明はこれに限定されない。凸片切断線27および一対の開放折線L7は省略され、一対の凸片部26が第1折曲線L1を介して連設されていてもよい(図示せず)。
【0067】
なお、第1~第4実施形態に係る包装箱1~4では、4つの上フラップ12が周方向に連設されており、周壁1W~4Wの四角にある一対の柱壁20が4つの内壁21によって連設されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図14に示すように、各々の上フラップ12(内壁21)が二分割され、周壁1Wの角部毎に一対の柱壁20と一対の内壁21とが設けられてもよい(第1変形例)。なお、図14では、第1変形例の特徴を第1実施形態に係る包装箱1に適用していたが、第1変形例の特徴を第2~第4実施形態に係る包装箱2~4の何れかに適用してもよい(図示せず)。
【0068】
また、第1~第4実施形態に係る包装箱1~4では、周壁1W~4Wの四角に4つの角柱23を形成していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図15に示すように、4つの外壁10のうち少なくとも隣接する一対の外壁10の上端部に折返し線L3を介して一対の上フラップ12が連設されていればよい(第2変形例)。つまり、周壁1W~4Wの四角の何れか1つに角柱23が形成されていればよい。この場合でも、角柱23は補強部材として機能する。なお、図15では、第2変形例の特徴を第1実施形態に係る包装箱1に適用していたが、第1変形例の特徴を第2~第4実施形態に係る包装箱2~4の何れかに適用してもよい(図示せず)。
【0069】
また、第1~第4実施形態に係る包装箱1~4では、一対の下外フラップ11Aと一対の下内フラップ11Bが包装箱1~4の底部を構成していたが、これに限らず、例えば、包装箱の底部が1枚の底板で構成されてもよい(図示せず)。また、一対の下外フラップ11Aの先端同士が突き合せられていたが、これに限らず、一対の下外フラップ11Aの先端同士は離間していてもよい。つまり、周壁1W~4Wの下端面は、完全に閉じられていなくてもよく、その一部が閉じられていればよい。
【0070】
また、第1~第4実施形態に係る包装箱1~4では、周壁1W~4Wが長方形断面を有する筒状に形成されていたが、これに限らず、例えば、三角形断面を有する筒状に形成されてもよい(図示せず)。
【0071】
また、第1~第4実施形態に係る包装箱1~4は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、段ボールシートは、中しん9Aの片面にライナを貼り付けた片面段ボールシートであってもよいし、片面段ボールシートを両面段ボールシートに貼り合せた複両面段ボールシートであってもよい。また、例えば、包装箱1は、紙製の段ボールシートに代えて、厚紙や樹脂製の板等で形成されていてもよい。
【0072】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0073】
1,2,3,4 包装箱
1W,2W,3W,4W 周壁
10A(10) 第1外壁(外壁)
10B(10) 第2外壁(外壁)
11A 下内フラップ(底部)
11B 下外フラップ(底部)
12A(12) 第1上フラップ(上フラップ)
12B(12) 第2上フラップ(上フラップ)
20A(20) 第1柱壁(柱壁)
20B(20) 第2柱壁(柱壁)
21A(21) 第1内壁(内壁)
21B(21) 第2内壁(内壁)
22 切断線
23 角柱
24 突起部
25 係合穴
26 凸片部
27 凸片切断線
L3 折返し線
L4 正折線
L5 逆折線
L6 捨罫線
L7 開放折線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15