(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】電子機器、制御装置、制御方法、および、制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/65 20230101AFI20231016BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20231016BHJP
G03B 17/00 20210101ALI20231016BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20231016BHJP
G03B 19/07 20210101ALI20231016BHJP
H04N 23/45 20230101ALI20231016BHJP
H04N 23/667 20230101ALI20231016BHJP
【FI】
H04N23/65 100
G03B15/00 Q
G03B15/00 R
G03B17/00 K
G03B17/02
G03B19/07
H04N23/45
H04N23/667
(21)【出願番号】P 2019222824
(22)【出願日】2019-12-10
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】石井 康史
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-110499(JP,A)
【文献】特開2015-126255(JP,A)
【文献】特開2010-178318(JP,A)
【文献】特開2009-239390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/65
G03B 15/00
G03B 17/00
G03B 17/02
G03B 19/07
H04N 23/45
H04N 23/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、
前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、
前記第1カメラおよび前記第2カメラを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定処理と、
前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御処理とを行
い、
前記制御装置は、
前記判定処理において、
前記画像の中で、所定の被写体が、前記場面の所定範囲内に存在する場合に、該場面の重要度を、第1閾値以上に決定し、
前記画像の中に前記所定の被写体が存在しない場合に、前記場面の重要度を、前記第1閾値よりも低い第2閾値未満に決定し、
前記画像の中で、前記所定の被写体が、前記所定範囲外に存在する場合に、前記場面の重要度を、前記第2閾値以上前記第1閾値未満に決定し、
前記カメラ制御処理において、
判定された前記重要度が、前記第1閾値未満から該第1閾値以上に変化した場合に、前記第2カメラを前記撮影モードに切り替え、
判定された前記重要度が、前記第2閾値以上から該第2閾値未満に変化した場合に、前記第2カメラを前記低消費電力モードに切り替える、ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、
前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、
前記第1カメラおよび前記第2カメラを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定処理と、
前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御処理とを行い、
前記制御装置は、
前記判定処理において、
前記画像に所定の被写体が写っている場合に、前記場面の重要度を
、第1閾値以上に決定し、
前記画像に前記所定の被写体が所定時間以上写っていない場合に、前記場面の重要度を、
前記第1閾値よりも低い第2閾値未満に決定し、
前記所定の被写体が前記画像に写らなくなってから前記所定時間経過するまでの間の前記場面の重要度を、前記第2閾値以上前記第1閾値未満に決定
し、
前記カメラ制御処理において、
判定された前記重要度が、前記第1閾値未満から該第1閾値以上に変化した場合に、前記第2カメラを前記撮影モードに切り替え、
判定された前記重要度が、前記第2閾値以上から該第2閾値未満に変化した場合に、前記第2カメラを前記低消費電力モードに切り替えることを特徴とする、電子機器。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第2カメラの前記撮影モードにおいて、前記第1カメラに実行させる撮影動作とは異なる撮影動作を前記第2カメラに実行させることを特徴とする請求項1
又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電子機器を制御する制御装置であって、
前記判定処理を実行する判定部と、
前記カメラ制御処理を実行するカメラ制御部とを備えていることを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の電子機器の制御方法であって
、
前記制御装置が、前記判定処理を実行する判定ステップと、
前記制御装置が、前記カメラ制御処理を実行するカメラ制御ステップとを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項6】
請求項
4に記載の制御装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記判定部、および、前記カメラ制御部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカメラを搭載した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1台の電子機器に複数のカメラを搭載し、それぞれのカメラから画像を得る技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-205530号公報(2011年10月13日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、以下の問題がある。例えば、特許文献1に記載された複眼デジタルカメラなどのように、1台の電子機器に複数台のカメラが搭載されている場合、複数台のカメラが同時に撮影のために駆動すると消費電力が非常に高くなるという問題がある。この問題は、上述の電子機器が電池駆動の機器である場合には、電池の消耗が激しくなるため特に深刻となる。また、電力消費に伴う発熱の問題も無視できず、比較的小型で精密な機構が密集して構成されている機器においては、特に深刻な問題となる。
【0005】
本発明の一態様は、複数台のカメラを搭載した電子機器において、電力消費量の低減を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子機器は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、前記第1カメラおよび前記第2カメラを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定処理と、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御処理とを行う。
【0007】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御装置は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、を備える電子機器を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定部と、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御部とを備えている。
【0008】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、を備える電子機器の制御方法であって、前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定ステップと、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御ステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、複数台のカメラを搭載した電子機器において、電力消費量の低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】電子機器の一例であるスマートフォンの要部構成を示すブロック図である。
【
図2】撮影の対象となっている場面と、実施形態1に係るスマートフォンの動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【
図3】実施形態1に係るスマートフォンに記憶されている、重要度判定規則のデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1に係るスマートフォンが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る判定部が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】撮影の対象となっている場面と、実施形態2に係るスマートフォンの動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【
図7】実施形態2に係るスマートフォンに記憶されている、重要度判定規則のデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】実施形態2に係るスマートフォンが実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2に係る判定部が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】撮影の対象となっている場面と、実施形態3に係るスマートフォンの動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【
図11】実施形態3に係るスマートフォンに記憶されている、重要度判定規則のデータ構造の一例を示す図である。
【
図12】実施形態3に係る判定部が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】第2カメラの要部構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態では、一例として、本開示の電子機器が、複数のカメラが搭載されたスマートフォンである場合を想定して説明する。しかし、本開示の電子機器は、スマートフォンに限らず、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、タブレット、ゲーム機器など、複数のカメラを搭載し得るあらゆる電子機器であってもよい。
【0012】
<スマートフォンの構成>
(ハードウェア構成)
図1は、スマートフォン1の要部構成を示すブロック図である。スマートフォン1は、一例として、制御装置10、記憶部13、第1カメラ11、第2カメラ12、および、操作部14を備えている。なお、スマートフォン1は、一般的なスマートフォンが備えている機能を実現するために、スマートフォンが標準的に備えている、不図示の各種部品をさらに備えていてもよい。
【0013】
操作部14は、ユーザの操作を受け付けて、該操作に対応する指示信号を制御装置10に出力する入力装置である。一例として、操作部14は、不図示の表示部とともにタッチパネルを構成してもよい。操作部14は、表示部の表示面でもある操作部14の入力面に、ユーザの指などの指示体が接触または接近することを検知可能なデバイスで構成される。
【0014】
例えば、表示部には、後述の第1カメラ11を操作するためのソフトウェアボタン等のユーザインタフェース(UI)部品が表示される。ユーザは、これらのUI部品をタッチ操作することにより、第1カメラ11に実行させたい撮影動作を制御装置10に対して指示することができる。
【0015】
他の例では、操作部14は、各種の指示信号を入力するためのハードウェアボタン等の入力機構を含んでいてもよい。
【0016】
第1カメラ11は、撮影対象となる場面の撮影を行って静止画または動画を生成する。第1カメラ11は、後述するカメラ制御部22の制御下で、操作部14を介して行われるユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する。なお、以下では、静止画と動画とを区別する必要が無い場合には、総称として「画像」との用語を用いる。
【0017】
第2カメラ12は、撮影対象となる場面の撮影を行って画像を生成する。第2カメラ12は、後述するカメラ制御部22の制御下で、予め定められた撮影動作を実行する。具体的には、記憶部13には、後述するように、第2カメラ12の撮影動作を予め定義したモード定義情報33が記憶されている。第2カメラ12は、モード定義情報33に基づいてカメラ制御部22によって生成された制御信号にしたがって、撮影動作を実行する。
【0018】
一例として、第1カメラ11および第2カメラ12は、撮影対象からの光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)などの撮像素子と、撮像素子からの電気信号をRGB各色のデジタルデータに変換する映像処理回路とを備える。第1カメラ11および第2カメラ12が撮像した画像は、制御装置10の制御にしたがって、記憶部13の所定領域に格納される。
【0019】
なお、第2カメラ12の撮影動作は、第1カメラ11の撮影動作と同様であってもよいし、異なっていてもよい。第2カメラ12が第1カメラ11とは異なる撮影動作を実行する場合、スマートフォン1は、同じ時間同じ場面に対して異なる撮影方法にて撮影された複数の画像を得ることができる。
【0020】
一例として、第1カメラ11が、場面全体を広く撮影して俯瞰画像、引き画像などを生成する場合に、第2カメラ12は、画面の中の特定の被写体にズームして撮影して寄り画像、ズームアップ画像などを生成してもよい。他の例では、第1カメラ11が所定のフレームレートで場面を撮影する場合に、第2カメラ12は、該所定のフレームレートよりも高いフレームレートで場面を撮影してスロー画像を得てもよい。これにより、第1カメラ11からは、通常のスピードで進行する動画を得ることができ、第2カメラ12からは、同じ時間同じ場面について、スローで進行する動画を得ることができる。
【0021】
制御装置10は、スマートフォン1の各部の動作を制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)や専用プロセッサなどの演算処理部などにより構成されるコンピュータ装置から成る。制御装置10は、記憶部13に記憶されている、スマートフォン1の各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで、スマートフォン1の各部の動作を統括的に制御する。制御装置10の詳細については後述する。
【0022】
記憶部13は、制御装置10にて用いられる各種データを記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。本実施形態では、一例として、記憶部13には、重要度判定規則31およびモード定義情報33が不揮発的に記憶されている。重要度閾値32は、省略されてもよいが、必要に応じて不揮発的に記憶されていてもよい。
【0023】
重要度判定規則31は、第1カメラ11にて撮影された画像が示す場面がどのような場合に、重要度をどのように判定するかを定義する情報である。重要度とは、撮影の対象となる場面の重要性を定量化した指標である。本開示において、一例として、重要度は数値で表され、数値が高いほど場面が重要であることを示すものとする。他の例では、重要度の値が低いほど、場面の重要性が高いことを意味するように値が決定されてもよい。さらに他の例では、重要度を数値以外の記号を用いて表現してもよい。重要度判定規則31は、後述する判定部21によって、場面の重要度を判定するために参照される。
【0024】
重要度閾値32は、第2カメラ12に実行させる動作モードを決定するときの条件として用いられる閾値である。重要度閾値32は、後述するカメラ制御部22によって、第2カメラ12に実行させる動作モードを決定するために参照される。
【0025】
モード定義情報33は、第2カメラ12に実行させる動作モードを定義する情報である。本実施形態では、一例として、第2カメラ12に実行させる動作モードには、撮影モードと低消費電力モードとがある。撮影モードは、撮影動作を実行するという第2カメラ12の1つ目の動作態様を指す。低消費電力モードは、撮影モードにおける撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなるように各種の動作を実行するという第2カメラ12の2つ目の動作態様を指す。モード定義情報33は、撮影モードにおける第2カメラ12の撮影動作の具体的な内容を定義する情報と、低消費電力モードにおける第2カメラ12の動作の具体的な内容を定義する情報とを含む。モード定義情報33は、カメラ制御部22によって、第2カメラ12にどのような動作を行わせるのかを決定するために参照される。モード定義情報33は、出荷時から予めスマートフォン1に組み込まれていてもよいし、ユーザによって後から任意に設定されてもよい。
【0026】
なお、低消費電力モードにおける、撮影モードにおける撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなるような各種の動作の中には、撮影モードにおける撮影動作よりも電力消費量が小さくなるように撮影を行う低電力撮影動作が含まれていてもよい。
【0027】
(ソフトウェア構成)
カメラ制御部22は、第1カメラ11および第2カメラ12の各部に制御信号を送って各部の動作を制御するものである。カメラ制御部22は、第1カメラ11に対して、操作部14に対してなされた操作に対応する制御信号を送り、第1カメラ11に、ユーザの操作にしたがった撮影動作を実行させる。
【0028】
また、カメラ制御部22は、第1カメラ11によって撮影された画像に基づいて判定された場面の重要度に応じて、第2カメラ12の動作を制御する。
【0029】
判定部21は、撮影の対象となる場面の重要性を示す重要度を判定するものである。具体的には、判定部21は、第1カメラ11によって撮影された場面に応じて、該場面の重要度を数値にて判定する。判定部21は、第1カメラ11によって現在撮影されている画像に基づいて、現在進行している場面が重要な場面であると判断した場合には、高い数値の重要度をカメラ制御部22に対して出力する。また、判定部21は、上述の画像に基づいて、現在進行している場面が重要な場面でないと判断した場合には、低い数値の重要度をカメラ制御部22に対して出力する。
【0030】
なお、判定部21にどのようにして重要度を判定させるのかについては、特に限定されてないが、一例として、以下の方法が採用され得る。まずは、予め判定規則を定め、該判定規則にしたがって判定部21に場面の重要度を判定させる方法が採用され得る。本実施形態では、上述の判定規則として、重要度判定規則31を記憶部13に格納しておく。判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、撮影された画像に応じて場面の重要度を判定することができる。重要度判定規則31は、出荷時から予めスマートフォン1に組み込まれていてもよいし、ユーザによって後から任意に設定されてもよい。次に、画像を入力として、画像に含まれる場面の重要度を出力するように構築された学習済みニューラルネットワークを適用する方法が採用され得る。ニューラルネットワークが適用された判定部21は、例えば、画像と場面の重要度とをセットにした大量の教師データを用いた機械学習により獲得される。このように機械学習により得られた判定部21は、重要度判定規則31が定められていなくても、第1カメラ11が撮影により得た画像を入力として、該画像に含まれる場面の重要度を出力することができる。機械学習は、出荷前に、製造者が事前に用意した教師データを用いて行われてもよいし、出荷後、ユーザが用意した教師データを用いて行われてもよい。後者の場合、ユーザの好みにより即した重要度判定を行える判定部21を得られる可能性がある。
【0031】
さらに、カメラ制御部22は、判定部21によって判定された場面の重要度に応じて、第2カメラ12の動作モードを制御する。本実施形態では、一例として、カメラ制御部22は、場面の重要度に応じて、第2カメラ12の動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替える。
【0032】
上述の構成によれば、撮影の対象となっている場面の重要度に応じて第2カメラ12を低消費電力モードに切り替えることができるので、「重要度が低い場面にて、第2カメラ12が撮影を行ってしまい、無駄に電力が消費される」という不都合な事態を回避することができる。
【0033】
より具体的には、カメラ制御部22は、判定部21によって判定された重要度が、撮影の対象となっている場面の重要性が高いことを示す場合、第2カメラ12を撮影モードにて動作させ、判定された上述の重要度が、場面の重要性が低いことを示す場合、第2カメラ12を低消費電力モードにて動作させる。
【0034】
上述の構成によれば、撮影の対象となっている場面の重要度に応じて第2カメラ12の動作モードが切り替えられる。よって、重要度が高い場面では第2カメラ12に撮影を行わせるとともに、重要度が低い場面では、第2カメラ12を低消費電力モードで動作させて、電力消費量を減らすことができる。結果として、電力消費を抑えつつ、重要度が高い場面の画像を第2カメラ12からも得ることが可能となる。
【0035】
続いて、カメラ制御部22は、場面の重要度に応じて第2カメラ12に実行させる動作モードを決定すると、モード定義情報33を参照して、決定した動作モードについて定義されている内容にしたがって、第2カメラ12を制御する。具体的には、カメラ制御部22は、第2カメラ12を撮影モードに切り替えた場合には、モード定義情報33において撮影モードとして定義されている動作を第2カメラ12が実行するように、第2カメラ12を制御する。また、カメラ制御部22は、第2カメラ12を低消費電力モードに切り替えた場合には、モード定義情報33において低消費電力モードとして定義されている動作を第2カメラ12が実行するように、第2カメラ12を制御する。
【0036】
<具体例>
図2は、撮影の対象となっている場面と、実施形態1に係るスマートフォン1の動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【0037】
本具体例において、撮影の対象となっているのは、一例として、子供が縄跳びを行う場面である。本具体例において、重要度判定規則31は、後述するように
図3に示す内容にて予め設定されている。なお、本具体例において、重要度は、一例として、「0」か「1」かの値を示すバイナリデータであるので、重要度閾値32の設定は省略されてもよい。
【0038】
本具体例において、モード定義情報33は、一例として、第2カメラ12の撮影モードを「第1カメラ11のフレームレートよりも高いフレームレートにてスロー撮影を行うこと」と定義する。モード定義情報33は、スロー撮影におけるフレームレートを具体的に指定する情報を含んでいてもよい。また、モード定義情報33は、一例として、第2カメラ12の低消費電力モードを「スタンバイ状態で待機すること」と定義する。スタンバイ状態とは、第2カメラ12が撮影動作を行うことなく、非常に低い電流の供給を受けている状態を意味する。すなわち、第2カメラ12がスタンバイ状態にあるとき、撮影された画像を得ることはできないが、第2カメラ12が撮影モードにて動作しているときと比較して消費電力は大幅に低減される。なお、スタンバイ状態には、具体的には、第2カメラ12を構成する電子部品のうちのどの部品にどのように信号または電流が供給されるかによって、いくつかのパターンがある。スタンバイ状態のいくつかのパターンについては、後に詳述する。
【0039】
<低消費電力モード>
低消費電力モードは、上述のとおり、第2カメラ12が、撮影モードにて撮影動作を実行しているときよりも消費電力が低くなる動作を実行するという動作態様を意味する。低消費電力モードにおける第2カメラ12の動作内容は、撮影モードにおける第2カメラ12の動作内容とともに、モード定義情報33において定義される。以下、スタンバイ状態のいくつかのパターンについて説明する。
【0040】
図13は、第2カメラ12の要部構成を示す概略ブロック図である。第2カメラ12は、撮影部121と設定記憶部122とを含んで構成される。撮影部121は、撮影を行うための各種部品で構成された撮影機構であり、例えば、レンズ、レンズ駆動部、絞り、絞り駆動部、撮像素子、信号増幅器、A/D変換器、画像信号出力コントローラおよびバッファなどで構成される。撮影を行うためには、これらの各種部品を駆動させるために多くの電力が消費される。
【0041】
設定記憶部122は、撮影部121の動作内容を定めた各種の設定情報を一時的に記憶するものである。設定記憶部122は、電源が供給されているかぎり設定された値を記憶しておくことができる。設定記憶部122での電力消費量は、撮影部121が動作している時の電力消費量と比較すると少なくなる。
【0042】
ここで、第2カメラ12が撮影動作を実行するためには、撮影部121および設定記憶部122を両方駆動させる必要があり、撮影部121および設定記憶部122の双方で電力が消費される。一方、第2カメラ12が撮影動作を実行しない場合は、設定された値を保持する必要がある場合には、設定記憶部122への電力供給を継続する必要があるが、撮影部121については停止させることが可能である。そして、撮影部121を停止させると、第2カメラ12の電力消費量を大幅に低減することができる。
【0043】
そこで、本実施形態では、スタンバイ状態として少なくとも撮影部121を停止させることにより、低消費電力モードを実現することができる。一例として、スタンバイ状態としては、以下の4パターンが想定される。
【0044】
(パターン1:第2カメラ12の電源をオフにする)
パターン1のスタンバイ状態では、第2カメラ12自体に電源が供給されないようにする。この場合、制御装置10のカメラ制御部22から撮影開始を指示する制御信号が入力されると、まず、記憶部13などの不揮発性の記憶装置から、各種の設定情報を読み出して、設定記憶部122に書き込む動作が必要になる。この動作の分、カメラ制御部22から撮影開始が指示されてから、撮影部121が撮影を開始するまでにかかる撮影起動期間は、すべてのパターンの中で最も長くなる。しかし、第2カメラ12自体に電源が供給されないようにするため、第2カメラ12をパターン1のスタンバイ状態に移行させると、すべてのパターンの中で電力消費量を最も小さくすることができる。
【0045】
(パターン2:撮影部121の駆動とクロック信号とを停止し、リセットを実行する)
パターン2のスタンバイ状態では、第2カメラ12自体に電源が供給されるものの、撮影部121の駆動とクロック信号の供給とを停止し、リセットを実行した状態を維持する。パターン1との比較では電力消費量は増えるが、クロック信号を供給しない分、電力消費量を低減することができる。そして、パターン1のように、電源の立ち上がり時に、撮影部121の状態を初期化するための動作が不要となるため、その分、撮影起動期間を、パターン1よりも短縮することができる。
【0046】
(パターン3:電源およびクロック信号を供給してリセットを解除しつつ、撮影部121の駆動を停止する)
パターン3のスタンバイ状態では、第2カメラ12自体に電源が供給され、クロック信号の供給が維持され、リセットは解除されている。パターン3では、カメラ制御部22は、制御信号を使って、各種の設定情報を設定記憶部122内に保持しておくが、撮影部121については、停止した状態を維持する。
【0047】
設定記憶部122内の設定情報を維持するために、設定記憶部122に電力が供給されるため、パターン2と比較すると電力消費量は増える。しかし、パターン3では、スタンバイ状態中も電力供給が維持されていることにより、設定記憶部122に設定情報が保持されているため、不揮発性の記憶装置から、各種の設定情報を読み出して、設定記憶部122に書き込む動作が不要になる。そのため、撮影起動期間を、パターン2よりもさらに短縮することができる。
【0048】
(パターン4:電源を供給してリセットを解除しつつ、クロック信号と撮影部121の駆動とを停止する)
パターン4のスタンバイ状態では、第2カメラ12自体に電源が供給され、クロック信号の供給が維持され、リセットは解除されている。パターン4では、カメラ制御部22は、制御信号を使って、各種の設定情報を設定記憶部122内に保持しておくが、撮影部121については、停止した状態を維持し、また、クロック信号も停止させる。
【0049】
撮影部121が撮影動作を行っていなくてもクロック信号が供給されているだけで消費される電力がある。そのため、クロック信号を停止することで、その分、パターン3よりも電力消費量を低減することができる。パターン4においても、パターン3と同様に、設定記憶部122に設定情報が保持されているため、不揮発性の記憶装置から、各種の設定情報を読み出して、設定記憶部122に書き込む動作が不要になる。そのため、パターン4においてもパターン3と同様に、撮影起動期間を、パターン2よりもさらに短縮することができる。
【0050】
以上のとおり、カメラ制御部22は、第2カメラ12を、低消費電力モードの一例としてスタンバイ状態に移行させることにより、第2カメラ12が撮影モード下で撮影動作を実行しているときと比較して、電力消費量を大幅に削減することができる。なお、上述のいずれのパターンのスタンバイ状態を採用するかについては、電力消費量とオフセットの関係にある撮影起動時間、および、第2カメラ12の搭載目的などを考慮して適宜決定され得る。
【0051】
なお、低消費電力モードは、撮影を行わないスタンバイ状態に限定されない。他の例として、撮影モードが「第1カメラ11のフレームレートよりも高いフレームレートにてスロー撮影を行うこと」であるのに対して、低消費電力モードが「撮影モードの撮影動作よりも電力消費量が少ない低電力撮影動作を行うこと」であってもよい。
【0052】
撮影によって得られる画像の解像度、画像サイズ、または、動画の場合フレームレートなどを落とすことにより、撮影部121において撮影動作時に消費される電力量を減らすことができる。そこで、カメラ制御部22は、低消費電力モード下では、解像度、画像サイズ、または、フレームレートなどを撮影モード時よりも落として、低電力撮影動作を実行するように第2カメラ12を制御してもよい。
【0053】
上述の構成によれば、第2カメラ12に常に撮影を行わせるが、重要でない場面においては、第2カメラ12に低品質な画像を得る低電力撮影動作を実行させ、重要な場面に限って高品質な画像を得る通常の撮影動作を実行させることができる。このようにすれば、複数のカメラに高品質な画像を得る撮影動作を常に実行させる場合と比較して、電力消費量を低減することが可能である。さらに、第2カメラ12をスタンバイ状態にしないので、第2カメラ12における撮りたい場面の撮り逃しを回避することも可能となる。
【0054】
<データ構造>
図3は、実施形態1に係るスマートフォン1の記憶部13に記憶されている、重要度判定規則31のデータ構造の一例を示す図である。重要度判定規則31は、一例として、条件の項目と、重要度の項目とを含む。
【0055】
条件の項目には、重要度を判定するときの条件として、第1カメラ11によって撮影された画像において観測される特徴が格納されている。重要度の項目には、上述の画像について、条件の項目に示された条件が満足された場合に、該画像に含まれている場面に対して適用する重要度が格納されている。
【0056】
判定部21は、第1カメラ11によって撮影された画像において、該条件の項目に格納されている特徴が観測されるとき、該画像が、該条件の項目に定義されている条件を満たすと判断する。そして、判定部21は、上述の条件に対応付けられている重要度の項目に格納されている値を、上述の画像に含まれている場面の重要度として出力する。
【0057】
具体的には、判定部21は、まず、
図3に示す重要度判定規則31にしたがって、第1カメラ11が現在撮影している動画について、所定速度X以上で運動している動体の有無を判定する。判定部21は、上述の動画に所定速度X以上で運動している動体を検出した場合、
図3に示す重要度判定規則31にしたがって、該動画に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。判定部21は、上述の動画に所定速度X以上で運動している動体を検出しなかった場合、重要度判定規則31にしたがって、場面の重要度を「0」と判定する。
【0058】
図2に示す具体例に基づいて、より詳細に説明すれば、以下のとおりである。子供が縄跳びを跳ぶ前の第1のフェーズ「跳ぶ前」では、第1カメラ11は、子供が跳ぶ準備をしている場面を含む動画を撮影する。この動画において、判定部21は、所定速度X以上で非常に早く動く動体を検出しない。この場合、判定部21は、
図3に示す重要度判定規則31にしたがって、第1のフェーズ「跳ぶ前」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0059】
本実施形態では、カメラ制御部22は、重要度が「0」と判定された場合、第2カメラ12を低消費電力モードにて動作させる。本実施形態では、上述したとおり、低消費電力モードは、「スタンバイ状態で待機すること」とモード定義情報33において定義されている。したがって、第2カメラ12は、スタンバイ状態を維持し、第1のフェーズ「跳ぶ前」の場面について動画を撮影しない。
【0060】
第2のフェーズ「前跳び」では、第1カメラ11が撮影する動画に子供が前跳びする場面が含まれる。しかし、子供および縄を含む動体の速度は、依然、所定速度Xに満たず、この動画においても、判定部21は、所定速度X以上で非常に早く動く動体を検出しない。したがって、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第2のフェーズ「前跳び」の場面について、重要度を「0」と判定する。よって、カメラ制御部22は、第2カメラ12の低消費電力モードを維持するので、このフェーズでも第2カメラ12による動画の撮影は行われない。
【0061】
第3のフェーズ「二重跳び」では、第1カメラ11が撮影する動画に子供が二重跳びする場面が含まれる。ここで、縄の速度が所定速度X以上に到達し、この動画において、判定部21は、所定速度X以上で非常に早く動く動体を検出する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第3のフェーズ「二重跳び」の場面について、重要度を「1」と判定する。
【0062】
本実施形態では、カメラ制御部22は、重要度が「1」と判定された場合、第2カメラ12を撮影モードにて動作させる。本実施形態では、上述したとおり、撮影モードは、「第1カメラ11のフレームレートよりも高いフレームレートにてスロー撮影を行うこと」とモード定義情報33において定義されている。したがって、第2カメラ12は、撮影動作を実行し、第3のフェーズ「二重跳び」の場面についてスロー動画を撮影する。
【0063】
第4のフェーズ「跳んだ後」では、第1および第2のフェーズと同様に、判定部21は、所定速度X以上で非常に早く動く動体を、第1カメラ11の動画から検出しない。よって、重要度は「0」と判定され、第2カメラ12によって動画の撮影は行われない。
【0064】
<処理フロー>
図4は、実施形態1に係るスマートフォン1の制御装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
ステップS101では、カメラ制御部22は、操作部14を介して入力される、撮影の開始を指示するユーザの操作を受け付ける。カメラ制御部22は、上述のユーザの操作を受け付けると、S101のYESからS102に進む。
【0066】
ステップS102では、カメラ制御部22は、ユーザの操作にしたがって、第1カメラ11を制御する。第1カメラ11は、カメラ制御部22にしたがって、撮影動作を実行し、撮影の対象となっている場面の画像を生成する。
【0067】
ステップS103(判定処理、判定ステップ)では、判定部21は、S102の撮影によって第1カメラ11から取得された画像(以下、第1画像)に基づいて、場面の重要度を判定する重要度判定処理を実行する。
【0068】
ステップS104では、カメラ制御部22は、S103で判定された重要度を参照する。重要度が「1」を示す場合、カメラ制御部22は、ステップS105に進む。重要度が「0」を示す場合、カメラ制御部22は、ステップS106に進む。
【0069】
ステップS105(カメラ制御処理、カメラ制御ステップ)では、カメラ制御部22は、第2カメラ12を撮影モードにて動作させる。第2カメラ12は、カメラ制御部22の指示にしたがって、撮影動作を実行する。一例として、第2カメラ12は、場面をスロー撮影してもよい。
【0070】
ステップS106(カメラ制御処理、カメラ制御ステップ)では、カメラ制御部22は、第2カメラ12を低消費電力モードにて動作させる。第2カメラ12は、カメラ制御部22の指示にしたがって、低消費電力モードにて動作する。一例として、第2カメラ12は、スタンバイ状態を維持してもよい。
【0071】
ステップS107では、カメラ制御部22は、操作部14を介して、撮影の終了を指示するユーザの操作を受け付ける。カメラ制御部22は、上述のユーザの操作を受け付けると、S107のYESに進み、第1カメラ11および第2カメラ12の撮影に係る一連の処理を終了させる。なお、上述のユーザの操作を受け付けないうちは、カメラ制御部22は、S107のNOからS102に戻る。そして、以降の処理が繰り返される。
【0072】
(重要度判定処理)
図5は、実施形態1に係る制御装置10の判定部21が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5に示す一連の処理は、
図4に示すステップS103に対応している。
【0073】
ステップSS1では、判定部21は、S102で第1カメラ11によって生成された第1画像において所定速度X以上で運動している動体の有無を判断する。判定部21は、第1画像から所定速度X以上で運動している動体を検出した場合、SS1のYESからSS2に進む。判定部21は、第1画像から所定速度X以上で運動している動体を検出しなかった場合、SS1のNOからSS3に進む。
【0074】
ステップSS2では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。
【0075】
ステップSS3では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「0」と判定する。
【0076】
判定部21は、ステップSS2またはSS3にて判定した重要度をカメラ制御部22が参照できるように不図示のバッファに格納して、一連の重要度判定処理を終了する。
【0077】
なお、本実施形態において、他の例では、判定部21は、場面の重要度を多段階値にて評価してもよい。例えば、判定部21は、第1カメラ11が撮影して得られた動画に含まれている動体の運動の速度に応じて、重要度を、3段階または5段階などで評価したり、10点満点または100点満点などの点数で評価したりしてもよい。この場合、重要度に基づいて、第2カメラ12を撮影モードにするか否かを判定するための重要度閾値32が1つ設定される。カメラ制御部22は、判定部21によって出力された多段階値の重要度を、重要度閾値32と比較する。そして、例えば、カメラ制御部22は、出力された重要度が重要度閾値32未満であれば、第2カメラ12を低消費電力モードで動作させ、出力された重要度が重要度閾値32以上であれば、第2カメラ12を撮影モードで動作させることができる。
【0078】
以上のとおり、実施形態1に係るスマートフォン1の制御装置10では、判定部21は、第1カメラ11が撮影した画像から所定速度X以上で運動する動体が検出された場合の場面の重要度が、所定速度X未満で運動する動体が検出された場合または動体が検出されなかった場合の重要度よりも高くなるように、重要度を決定する。
【0079】
上述の構成および方法によれば、電力消費を抑えつつ、所定速度以上で運動する動体が第1カメラ11の画像に写っているという重要な場面の画像を第2カメラ12からも得ることができる。
【0080】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0081】
<具体例>
図6は、撮影の対象となっている場面と、実施形態2に係るスマートフォン1の動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【0082】
本具体例において、撮影の対象となっているのは、一例として、1以上の演者が舞台で演劇を行う場面である。本具体例において、重要度判定規則31は、後述するように
図7に示す内容にて予め設定されている。なお、本具体例において、重要度は3段階以上の多段階値を示す。一例として、重要度は、「0」、「1」および「2」のいずれかの値を示すように3段階で判定される。本具体例では、重要度の値が高いほど、場面の重要性が高いことを意味している。
【0083】
本実施形態では、重要度閾値32は、2つの閾値を有する。具体的には、重要度閾値32は、オン閾値とオフ閾値とを有する。オン閾値(第1閾値)とは、第2カメラ12を撮影モードにするときの判断基準になる閾値である。例えば、カメラ制御部22は、重要度が、オン閾値未満からオン閾値以上に変化した場合に、第2カメラ12を撮影モードに切り替えることができる。本具体例では、一例として、重要度のオン閾値は、「2」と設定されているものとする。
【0084】
オフ閾値(第2閾値)とは、第2カメラ12を低消費電力モードにするときの判断基準になる閾値である。オフ閾値は、オン閾値よりも低く設定される。例えば、カメラ制御部22は、重要度が、オフ閾値以上からオフ閾値未満に変化した場合に、第2カメラ12を低消費電力モードに切り替えることができる。本具体例では、一例として、重要度のオフ閾値は、「1」と設定されているものとする。
【0085】
場面の重要度が、重要か否かの2値で判定される場合、場面の推移に伴って、重要度が2値の間であわただしく変化することが想定される。この重要度の変化に、第2カメラ12のモードの切り替えを追随させると、第2カメラ12が撮影を行ったり行わなかったりをあわただしく繰り返すことになる。
【0086】
そこで、低消費電力モードから撮影モードに切り替えるためのオン閾値を設け、撮影モードから低消費電力モードに切り替えるときの閾値として、オン閾値よりも低いオフ閾値を設ける。これにより、オン閾値未満になったことで、ただちに低消費電力モードに切り替わるのではなく、さらに、低いオフ閾値未満になるまでは、撮影モードが維持されて、オフ閾値未満になってようやく低消費電力モードに切り替えられる。一方、低消費電力モードから撮影モードに切り替えるときは、オフ閾値以上になってもそれより高いオン閾値に到達するまでは低消費電力モードが維持されて、オン閾値以上になってようやく撮影モードに切り替えられる。結果として、第2カメラ12のモードの切り替えが、頻繁に起こることを回避できる。
【0087】
本具体例において、モード定義情報33は、一例として、第2カメラ12の撮影モードを「演者のフルショット(全身を捉える構図での撮影)を、第1カメラ11よりもズームで撮ること」と定義する。なお、モード定義情報33は、撮影モードにおいて画角に捉えるべき被写体(所定被写体)のモデルデータを含んでいてもよい。モデルデータは、被写体の写真であってもよいし、被写体の写真から抽出された特徴量データであってもよい。また、モード定義情報33は、一例として、第2カメラ12の低消費電力モードを「スタンバイ状態で待機すること」と定義する。
【0088】
スマートフォン1は、ユーザが、上述の重要度判定規則31、重要度閾値32、および、モード定義情報33を任意に設定できるように、設定の支援を行うユーザインタフェースを不図示の表示部に提示してもよい。
【0089】
<データ構造>
図7は、実施形態2に係るスマートフォン1の記憶部13に記憶されている、重要度判定規則31のデータ構造の一例を示す図である。実施形態1と同様に、重要度判定規則31は、条件の項目と、重要度の項目とを含む。
【0090】
具体的には、判定部21は、まず、
図7に示す重要度判定規則31にしたがって、第1カメラ11が現在撮影している動画において、所定被写体が、撮影の対象となっている場面における所定範囲Y内に存在するか否かを判定する。
【0091】
所定被写体は、撮影モードにおいて撮影すべき対象として事前にスマートフォン1に設定されている被写体を指す。本具体例では、一例として、所定被写体は「人物」と設定されているものとし、判定部21は、舞台上の演者を人物として捉え、所定被写体であると認識できるものとする。判定部21に実施させる、画像の中に特定の事物を検出する画像認識処理としては、適宜公知の技術が採用され得る。なお、所定被写体は、ユーザが操作部14を介して任意に選択可能であってもよい。
【0092】
所定範囲Yは、本具体例では、一例として、「舞台中央」と設定されているものとする。例えば、判定部21は、画像に写っている舞台上の各種幕または書割などから特定される特徴点に基づいて、舞台の中央を特定し、中央から所定距離以内の領域を、所定範囲Y、すなわち、「舞台中央」と特定することができる。なお、所定範囲Yは、ユーザが操作部14を介して任意に設定可能であってもよい。
【0093】
判定部21は、上述の動画において、場面の所定範囲Y内に所定被写体が存在すると判定した場合、
図7に示す重要度判定規則31にしたがって、該動画に含まれている場面の重要度を「2」と判定する。判定部21は、上述の動画において、場面の所定範囲Y外に所定被写体が存在すると判定した場合、重要度判定規則31にしたがって、場面の重要度を「1」と判定する。判定部21は、上述の動画において、所定被写体が存在しないと判定した場合、重要度判定規則31にしたがって、場面の重要度を「0」と判定する。
【0094】
つまり、本具体例では、判定部21は、舞台中央に演者がいる場面を最も重要性が高いと判定し、中央ではないが舞台上に演者がいる場面を次に重要性が高いと判定し、舞台上に演者がいない場面を最も重要性が低いと判定する。
【0095】
図6に示す具体例に基づいて、より詳細に説明すれば、以下のとおりである。演者が舞台上にいない第1のフェーズ「演者不在」では、第1カメラ11は、舞台上に演者がいない場面を含む動画を撮影する。この動画において、判定部21は、舞台上に演者が存在しないと判定する。この場合、判定部21は、
図7に示す重要度判定規則31にしたがって、第1のフェーズ「演者不在」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0096】
本実施形態では、カメラ制御部22は、第2カメラ12の現在の動作モードが低消費電力モード、すなわち、撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「0」は、オン閾値「2」未満であると判断する。この場合、カメラ制御部22は、第2カメラ12の低消費電力モードを維持する。本実施形態では、上述したとおり、低消費電力モードは、「スタンバイ状態で待機すること」とモード定義情報33において定義されている。したがって、第2カメラ12は、スタンバイ状態を維持し、第1のフェーズ「演者不在」の場面について動画を撮影しない。
【0097】
第2のフェーズ「舞台端に演者」では、第1カメラ11が撮影する動画に、演者が舞台の端に登場した場面が含まれる。しかし、演者は、舞台中央にはいない。この動画では、判定部21は、舞台中央以外の位置において演者を検出する。よって、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第2のフェーズ「舞台端に演者」の場面について、重要度を「1」と判定する。
【0098】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「1」は、依然、オン閾値「2」未満であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12のスタンバイ状態を維持する。したがって、第2カメラ12は、第2のフェーズ「舞台端に演者」の場面について、引き続き、動画を撮影しない。
【0099】
第3のフェーズ「舞台中央に演者」では、第1カメラ11が撮影する動画に、少なくとも1人の演者が舞台中央に移動した場面が含まれる。この動画では、判定部21は、舞台中央に1以上の演者を検出する。よって、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第3のフェーズ「舞台中央に演者」の場面について、重要度を「2」と判定する。
【0100】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「2」は、オン閾値「2」以上であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の動作モードを、低消費電力モードから撮影モードへと切り替える。したがって、第2カメラ12は、第3のフェーズ「舞台中央に演者」の場面について、動画の撮影を開始する。本具体例では、上述したとおり、モード定義情報33において、撮影モードは、「演者のフルショットを、第1カメラ11よりもズームで撮ること」と定義されている。したがって、第2カメラ12は、カメラ制御部22の制御にしたがって、舞台中央にいる演者たちの全身が写るようにズーム撮影を行う。
【0101】
第4のフェーズ「舞台端に演者」では、第1カメラ11が撮影する動画に、舞台中央にいた全演者が再び舞台中央を離れた場面が含まれる。本具体例では、1人の演者は、舞台袖に隠れ、もう1人の演者は舞台端に移動しており、舞台中央には演者が1人もいなくなっている。この動画では、判定部21は、舞台中央以外の位置において演者を検出する。よって、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第4のフェーズ「舞台端に演者」の場面について、重要度を「1」と判定する。
【0102】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオンであることに基づいて、判定された重要度を、オフ閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「1」は、オフ閾値「1」以上であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の撮影モードを維持する。したがって、第2カメラ12は、第4のフェーズ「舞台端に演者」の場面について、引き続き、演者のフルショットを捉えたズーム撮影を行う。
【0103】
第5のフェーズ「演者不在」では、第1カメラ11が撮影する動画に、全演者が舞台袖に隠れた場面が含まれる。この動画において、判定部21は、舞台上に演者が存在しないと判定する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第5のフェーズ「演者不在」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0104】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオンであることに基づいて、判定された重要度を、オフ閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「0」は、オフ閾値「1」未満であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の動作モードを、撮影モードから低消費電力モードへと切り替える。したがって、第2カメラ12は、第5のフェーズ「演者不在」の場面について、動画を撮影しない。
【0105】
<処理フロー>
図8は、実施形態2に係るスマートフォン1の制御装置10が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0106】
ステップS201では、カメラ制御部22は、操作部14を介して入力される、撮影の開始を指示するユーザの操作を受け付ける。カメラ制御部22は、上述のユーザの操作を受け付けると、S201のYESからS202に進む。
【0107】
ステップS202では、カメラ制御部22は、ユーザの操作にしたがって、第1カメラ11を制御する。第1カメラ11は、カメラ制御部22にしたがって、撮影動作を実行し、撮影の対象となっている場面の画像を生成する。
【0108】
ステップS203(判定処理、判定ステップ)では、判定部21は、S202の撮影によって第1カメラ11から取得された第1画像に基づいて、場面の重要度を判定する重要度判定処理を実行する。
【0109】
ステップS204では、カメラ制御部22は、現在の第2カメラ12の動作モードに応じて、S203で判定された重要度と比較するための重要度閾値32を選択する。第2カメラ12の動作モードが低消費電力モードである場合、カメラ制御部22は、S204のAからS205に進む。第2カメラ12の動作モードが撮影モードである場合、カメラ制御部22は、S204のBからS209に進む。
【0110】
ステップS205では、カメラ制御部22は、重要度の比較に用いる重要度閾値32として、オン閾値を選択する。
【0111】
ステップS206では、カメラ制御部22は、S203で判定された重要度をオン閾値と比較する。重要度がオン閾値以上である場合、カメラ制御部22は、S206のYESからS207に進む。重要度がオン閾値未満である場合、カメラ制御部22は、S206のNOからS208に進む。
【0112】
ステップS207(カメラ制御処理、カメラ制御ステップ)では、カメラ制御部22は、第2カメラ12を撮影モードにて動作させる。S204のAを経由してS207に至った場合には、カメラ制御部22は、ここで、第2カメラ12の動作モードを低消費電力モードから撮影モードへと切り替える。
【0113】
ステップS208(カメラ制御処理、カメラ制御ステップ)では、カメラ制御部22は、第2カメラ12を低消費電力モードにて動作させる。S204のAを経由してS207に至った場合には、カメラ制御部22は、第2カメラ12の低消費電力モードをそのまま維持する。
【0114】
ステップS209では、カメラ制御部22は、重要度の比較に用いる重要度閾値32として、オフ閾値を選択する。
【0115】
ステップS210では、カメラ制御部22は、S203で判定された重要度をオフ閾値と比較する。重要度がオフ閾値以上である場合、カメラ制御部22は、S210のNOからS207に進む。S204のBを経由してS207に至った場合には、カメラ制御部22は、第2カメラ12の撮影モードをそのまま維持する。重要度がオフ閾値未満である場合、カメラ制御部22は、S210のYESからS208に進む。S204のBを経由してS208に至った場合には、カメラ制御部22は、ここで、第2カメラ12の動作モードを撮影モードから低消費電力モードへと切り替える。
【0116】
ステップS211では、カメラ制御部22は、操作部14を介して、撮影の終了を指示するユーザの操作を受け付ける。カメラ制御部22は、上述のユーザの操作を受け付けると、S211のYESに進み、第1カメラ11および第2カメラ12の撮影に係る一連の処理を終了させる。なお、上述のユーザの操作を受け付けないうちは、カメラ制御部22は、S211のNOからS202に戻る。そして、以降の処理が繰り返される。
【0117】
(重要度判定処理)
図9は、実施形態2に係る制御装置10の判定部21が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9に示す一連の処理は、
図8に示すステップS203に対応している。
【0118】
ステップSS11では、判定部21は、S202で第1カメラ11によって生成された第1画像において所定被写体が場面の所定範囲Y内に存在するか否かを判断する。判定部21は、第1画像において、所定範囲Y内にいる所定被写体を検出した場合、SS11のYESからSS12に進む。判定部21は、第1画像において、所定範囲Y内に所定被写体を検出しなかった場合、SS11のNOからSS13に進む。
【0119】
ステップSS12では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「2」と判定する。
【0120】
ステップSS13では、判定部21は、第1画像において、所定範囲Y外に所定被写体が存在するか否かを判断する。判定部21は、第1画像において、所定範囲Y外にいる所定被写体を検出した場合、SS13のYESからSS14に進む。判定部21は、第1画像において、所定範囲Y外にも所定被写体を検出しなかった場合、つまり、所定被写体が第1画像に含まれていない場合、SS13のNOからSS15に進む。
【0121】
ステップSS14では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。
【0122】
ステップSS15では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「0」と判定する。
【0123】
判定部21は、ステップSS12、SS14またはSS15にて判定した重要度をカメラ制御部22が参照できるように不図示のバッファに格納して、一連の重要度判定処理を終了する。
【0124】
以上のとおり、実施形態2に係るスマートフォン1の制御装置10では、判定部21は、第1カメラ11が撮影した画像の中で、所定被写体(演者)が、場面の所定範囲Y内(舞台中央)に存在する場合に、場面の重要度を、オン閾値以上(例えば、2)に決定し、画像の中に所定被写体が存在しない場合に、場面の重要度を、オフ閾値未満(例えば、0)に決定し、画像の中で、所定被写体が、所定範囲Y外に存在する場合に、場面の重要度を、オフ閾値以上オン閾値未満(例えば、1)に決定する。
【0125】
上述の構成および方法によれば、電力消費を抑えつつ、被写体が所定範囲にいるという重要な場面の画像を第2カメラ12からも得ることができる。その上、被写体が所定範囲から出たり入ったりを短い時間間隔で繰り返しても、それに追随して第2カメラ12の撮影動作のオンオフが頻繁に切り替わることを防止できる。
【0126】
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0127】
<具体例>
図10は、撮影の対象となっている場面と、実施形態3に係るスマートフォン1の動作とを時系列で示すタイミングチャートである。
【0128】
本具体例において、撮影の対象となっているのは、一例として、我が子を含む1以上の演者が舞台で演劇を行う場面である。本具体例において、重要度判定規則31は、後述するように
図11に示す内容にて予め設定されている。なお、本具体例において、重要度は3段階以上の多段階値を示す。一例として、重要度は、「0」、「1」および「2」のいずれかの値を示すように3段階で判定される。本具体例では、重要度の値が高いほど、場面の重要性が高いことを意味している。
【0129】
本実施形態では、実施形態2と同様に、カメラ制御部22は、重要度閾値32として、オン閾値「2」およびオフ閾値「1」を用いて、第2カメラ12の動作モードを決定する。
【0130】
本具体例において、モード定義情報33は、一例として、第2カメラ12の撮影モードを「所定被写体である我が子のウエストショット(腰から上を捉える構図での撮影)を、ズーム撮影すること」および「我が子が不在になった場合には、不在になった位置を、ズーム倍率を維持して撮ること」と定義する。なお、モード定義情報33は、撮影モードにおける所定被写体のモデルデータを含んでいてもよい。本具体例では、一例として、所定被写体は、「我が子」であるとする。我が子のモデルデータは、ユーザが事前に登録した少なくとも1枚の我が子の写真であってもよい。あるいは、我が子のモデルデータは、ユーザが事前に登録した複数の我が子の写真から抽出された我が子の顔の特徴量データであってもよい。判定部21に実施させる、画像の中に特定の人物を検出する個体識別処理としては、顔認識技術など、適宜公知の技術が採用され得る。
【0131】
スマートフォン1は、ユーザが、上述の重要度判定規則31、重要度閾値32、および、モード定義情報33を任意に設定できるように、設定の支援を行うユーザインタフェースを不図示の表示部に提示してもよい。
【0132】
<データ構造>
図11は、実施形態3に係るスマートフォン1の記憶部13に記憶されている、重要度判定規則31のデータ構造の一例を示す図である。実施形態1および実施形態2と同様に、重要度判定規則31は、条件の項目と、重要度の項目とを含む。
【0133】
具体的には、判定部21は、まず、
図11に示す重要度判定規則31にしたがって、第1カメラ11が現在撮影している動画において、所定被写体が検出されるか否かを判定する。本具体例では、事前に登録されている我が子が動画に写っているか否かを判定する。
【0134】
判定部21は、上述の動画について、所定被写体を検出した場合、
図11に示す重要度判定規則31にしたがって、該動画に含まれている場面の重要度を「2」と判定する。
【0135】
判定部21は、上述の動画について、所定被写体非検出直後であると判断した場合、重要度判定規則31にしたがって、該動画に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。所定被写体非検出直後の動画とは、動画に写っていた所定被写体が写らなくなった時点(以下、非検出時点)からの経過時間が所定時間Z秒未満である期間に撮影された動画のことを指している。本具体例では、判定部21は、第1カメラ11の動画に写っていた我が子が写らなくなってから所定時間Z秒未満の期間に撮影された動画について、該動画に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。
【0136】
判定部21は、上述の動画について、所定被写体非検出であると判断した場合、重要度判定規則31にしたがって、該動画に含まれている場面の重要度を「0」と判定する。所定被写体非検出の動画とは、所定被写体の非検出時点からの経過時間が所定時間Z秒以降に撮影された動画のことを指している。本具体例では、判定部21は、第1カメラ11の動画に写っていた我が子が写らなくなってから所定時間Z秒が経過した場合、それ以降に撮影された動画について、該動画に含まれている場面の重要度を「0」と判定する。
【0137】
つまり、本具体例では、判定部21は、我が子が舞台上にいる場面を最も重要性が高いと判定し、我が子が舞台からいなくなっても、不在期間が所定時間Z秒未満である場面を次に重要性が高いと判定する。そして、判定部21は、我が子がいなくなってから所定時間Z秒以上経過した場面を最も重要性が低いと判定する。
【0138】
図10に示す具体例に基づいて、より詳細に説明すれば、以下のとおりである。我が子が舞台上にいない第1のフェーズ「我が子不在」では、第1カメラ11は、舞台上に我が子がいない場面を含む動画を撮影する。この動画において、判定部21は、舞台上に我が子がいない、つまり、所定被写体非検出と判定する。この場合、判定部21は、
図11に示す重要度判定規則31にしたがって、第1のフェーズ「我が子不在」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0139】
本実施形態では、カメラ制御部22は、現在、第2カメラ12の撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「0」は、オン閾値「2」未満であると判断する。この場合、カメラ制御部22は、第2カメラ12の低消費電力モードを維持する。本実施形態では、上述したとおり、低消費電力モードは、「スタンバイ状態で待機すること」とモード定義情報33において定義されている。したがって、第2カメラ12は、スタンバイ状態を維持し、第1のフェーズ「我が子不在」の場面について動画を撮影しない。
【0140】
第2のフェーズ「我が子不在」では、第1カメラ11が撮影する動画に、我が子以外の演者が舞台の端に登場した場面が含まれる。しかし、特定被写体として登録されている我が子は舞台上にいない。この動画では、判定部21は、第1のフェーズに引き続き、舞台上に我が子がいない、つまり、所定被写体非検出と判定する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第2のフェーズ「我が子不在」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0141】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「0」は、依然、オン閾値「2」未満であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12のスタンバイ状態を維持する。したがって、第2カメラ12は、第2のフェーズ「我が子不在」の場面について、引き続き、動画を撮影しない。
【0142】
第3のフェーズ「我が子在」では、第1カメラ11が撮影する動画に、我が子が舞台の端に登場した場面が含まれる。この動画では、判定部21は、舞台上に我が子がいる、つまり、所定被写体検出と判定する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第3のフェーズ「我が子在」の場面の重要度を「2」と判定する。
【0143】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオフであることに基づいて、判定された重要度を、オン閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「2」は、オン閾値「2」以上であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の動作モードを、低消費電力モードから撮影モードへと切り替える。したがって、第2カメラ12は、第3のフェーズ「我が子在」の場面について、動画の撮影を開始する。本具体例では、上述したとおり、モード定義情報33において、撮影モードは、「所定被写体である我が子のウエストショットを、ズーム撮影すること」と定義されている。したがって、第2カメラ12は、カメラ制御部22の制御にしたがって、我が子の腰から上が写るようにズーム撮影を行う。
【0144】
第4のフェーズ「我が子不在直後」では、第1カメラ11が撮影する動画に、我が子が舞台から去った直後の場面が含まれる。この動画では、判定部21は、我が子が写らなくなった時点からの経過時間を計測し、経過時間が所定時間Z秒未満である場合に、我が子が舞台から去って間もない、つまり、所定被写体非検出直後と判定する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第4のフェーズ「我が子不在直後」の場面の重要度を「1」と判定する。
【0145】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオンであることに基づいて、判定された重要度を、オフ閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「1」は、オフ閾値「1」以上であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の撮影モードを維持する。したがって、第2カメラ12は、第4のフェーズ「我が子不在直後」の場面について、撮影動作を続行する。本具体例では、モード定義情報33において、さらに、第2カメラ12の撮影モードは「我が子が不在になった場合には、不在になった位置を、ズーム倍率を維持して撮ること」とも定義されている。したがって、第2カメラ12は、カメラ制御部22の制御にしたがって、第3のフェーズと同じ倍率にて、我が子が不在になった直後の位置に対してズーム撮影を行う。
【0146】
演者は、舞台から一旦去ったとしても長い時間を置かずに去った位置から再登場することが考えられる。所定被写体である演者が舞台に登場したり、去ったりを頻繁に繰り返している場合、該演者の在不在に追随させて第2カメラ12の動作モードを切り替えると、得られる動画も細切れになる。細切れで撮影された動画に関しては、視認性が悪い、管理しにくいなど様々な不都合が生じる。そこで、上述の構成のように、特定被写体の短い期間での再登場の可能性を考慮して、特定被写体が不在になっても直ちに低消費電力モードに移行せず、所定時間Z秒(例えば、10秒)間、撮影モードを第2カメラ12に維持させる。これにより、所定被写体の頻繁に繰り返される在不在の影響を受けることなく、撮影モードが維持されるので、第2カメラ12が捉える所定被写体の様子を連続した1つの動画に収めることができる。
【0147】
第5のフェーズ「我が子不在」では、第1カメラ11が撮影する動画に、我が子が舞台に不在のまま所定時間が経過した場面が含まれる。この動画では、判定部21は、我が子が写らなくなった時点からの経過時間が所定時間Z秒以上である場合に、所定被写体非検出と判定する。この場合、判定部21は、重要度判定規則31にしたがって、第5のフェーズ「我が子不在」の場面の重要度を「0」と判定する。
【0148】
カメラ制御部22は、現在第2カメラ12の撮影動作がオンであることに基づいて、判定された重要度を、オフ閾値と比較する。具体的には、カメラ制御部22は、判定された重要度「0」は、オフ閾値「1」未満であると判断する。そして、カメラ制御部22は、第2カメラ12の動作モードを、撮影モードから低消費電力モードへと切り替える。したがって、第2カメラ12は、第5のフェーズ「我が子不在」の場面について、動画を撮影しない。
【0149】
<処理フロー>
実施形態3に係るスマートフォン1の制御装置10は、実施形態2に係る制御装置10と同様に、
図8に示す一連の処理を実行する。
【0150】
(重要度判定処理)
図12は、実施形態3に係る制御装置10の判定部21が実行する重要度判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12に示す一連の処理は、
図8に示すステップS203に対応している。
【0151】
ステップSS21では、判定部21は、S202で第1カメラ11によって生成された第1画像において所定被写体を検出したか否かを判断する。判定部21は、第1画像において、所定被写体を検出した場合、SS21のYESからSS22に進む。判定部21は、第1画像において、所定被写体を検出しなかった場合、SS21のNOからSS23に進む。
【0152】
ステップSS22では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「2」と判定する。
【0153】
ステップSS23では、判定部21は、所定被写体が検出されなくなってから所定時間Z秒が経過したか否かを判定する。所定時間Z秒が経過していない場合、判定部21は、SS23のNOからSS24に進む。所定時間Z秒が経過している場合、判定部21は、SS23のYESからSS25に進む。
【0154】
ステップSS24では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「1」と判定する。
【0155】
ステップSS25では、判定部21は、記憶部13に格納されている重要度判定規則31に基づき、第1画像に含まれている場面の重要度を「0」と判定する。
【0156】
判定部21は、ステップSS22、SS24またはSS25にて判定した重要度をカメラ制御部22が参照できるように不図示のバッファに格納して、一連の重要度判定処理を終了する。
【0157】
以上のとおり、実施形態3に係るスマートフォン1の制御装置10では、判定部21は、第1カメラ11が撮影した画像に所定被写体(例えば、我が子)が写っている場合に、場面の重要度を、オン閾値以上(例えば、2)に決定し、画像に所定被写体が所定時間(例えば、10秒間)以上写っていない場合に、場面の重要度を、オフ閾値未満(例えば、0)に決定し、所定被写体が映像に写らなくなってから所定時間経過するまでの間の場面の重要度を、オフ閾値以上オン閾値未満(例えば、1)に決定する。
【0158】
上述の構成および方法によれば、電力消費を抑えつつ、所定被写体が第1カメラ11に写っている、つまり、所定被写体が登場しているという重要な場面の画像を第2カメラ12からも得ることができる。その上、被写体が写ったり写らなかったりを短い時間間隔で繰り返しても、それに追随して第2カメラ12の撮影動作のオンオフが頻繁に切り替わることを防止できる。
【0159】
〔変形例〕
判定部21は、第1カメラ11によって生成された画像のうち、不図示のラインバッファ等に揮発的に格納されるライブビュー画像に基づいて、場面の重要度の判定を行ってもよい。あるいは、判定部21は、記憶部13に不揮発的に記憶された画像に基づいて、場面の重要度の判定を行ってもよい。
【0160】
撮影モード下で第2カメラ12に実行させる撮影動作は、実施形態1~3に記載した例に限らず、静止画の撮影、連射などであってもよい。例えば、
図2に示す具体例の第3のフェーズ「二重跳び」において、第1カメラ11は、通常の動画を撮影する。その一方で、第2カメラ12は、事前に設定したシャッタースピードおよびISO感度にて高速な動きを切り取るような静止画撮影または連射を行ってもよい。
【0161】
所定被写体の特徴を判定部21に学習させる方法は、所定被写体の顔のモデルデータを登録しておく方法に限られない。例えば、判定部21に対する所定被写体の学習は、以下のように行われてもよい。まず、ユーザは、第1カメラ11にて所定被写体に設定したい被写体を所定秒間撮影する。このとき、所定被写体に固有の特徴的な衣装などの装備品を含めて撮影することが好ましい。スマートフォン1の不図示の表示部には、第1カメラ11が捉えるライブビュー画像が表示される。ユーザは、ライブビュー画像の中から、所定被写体に指定したい被写体を、操作部14を用いて指定する。カメラ制御部22は、指定された被写体の特徴量をライブビュー画像から抽出して、所定被写体のモデルデータとして記憶部13に登録する。この方法では、所定被写体(例えば、我が子)が事前に登録されている普段の顔で舞台に出演しない場合であっても、舞台出演時の特徴的な装備品を当日学習することによって、ユーザが意図する所定被写体を判定部21が識別することが可能となる。
【0162】
なお、電子機器に搭載されるカメラの数は、2台に限定されず3台以上でもよい。例えば、1台の第1カメラ11と、2台の第2カメラ12とが搭載された電子機器も本発明の範疇に入る。この場合、第1カメラ11は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を行う。1台目の第2カメラ12Aは、第1カメラ11が撮影する画像に基づいて判定された重要度に応じて、第1カメラ11とは異なる撮影動作を行う。2台目の第2カメラ12Bは、第1カメラ11が撮影する画像に基づいて判定された重要度に応じて、第1カメラ11とも第2カメラ12Aとも異なる撮影動作を行う。
【0163】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置10の制御ブロック(特に、判定部21およびカメラ制御部22)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0164】
後者の場合、制御装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0165】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子機器(スマートフォン1)は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラ11と、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラ12と、前記第1カメラおよび前記第2カメラを制御する制御装置10とを備え、前記制御装置は、前記第1カメラによって撮影された画像(動画、静止画)に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定処理(S103、S203)と、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御処理(S105、S106、S207、S208)とを行う。
【0166】
本発明の態様2に係る電子機器では、態様1において、前記制御装置は、前記カメラ制御処理において、判定された前記重要度が、前記場面の重要性が高いことを示す場合、前記第2カメラを前記撮影モードにて動作させ(S105、S207)、判定された前記重要度が、前記場面の重要性が低いことを示す場合、前記第2カメラを前記低消費電力モードにて動作させてもよい(S106、S208)。
【0167】
本発明の態様3に係る電子機器では、態様1において、前記制御装置は、前記判定処理において、3段階以上の多段階値にて前記場面の重要度を判定し、前記カメラ制御処理において、判定された前記重要度が、第1閾値(オン閾値)未満から該第1閾値以上に変化した場合に、前記第2カメラを前記撮影モードに切り替え、判定された前記重要度が、前記第1閾値よりも低い第2閾値(オフ閾値)以上から該第2閾値未満に変化した場合に、前記第2カメラを前記低消費電力モードに切り替えてもよい。
【0168】
本発明の態様4に係る電子機器では、態様3において、前記制御装置は、前記判定処理において、前記画像の中で、所定の被写体(所定被写体、演者)が、前記場面の所定範囲Y(舞台中央)内に存在する場合に、該場面の重要度を、前記第1閾値以上に決定し、前記画像の中に前記所定の被写体が存在しない場合に、前記場面の重要度を、前記第2閾値未満に決定し、前記画像の中で、前記所定の被写体が、前記所定範囲外に存在する場合に、前記場面の重要度を、前記第2閾値以上前記第1閾値未満に決定してもよい。
【0169】
本発明の態様5に係る電子機器では、態様3において、前記制御装置は、前記判定処理において、前記画像に所定の被写体が写っている場合に、前記場面の重要度を、前記第1閾値以上に決定し、前記画像に前記所定の被写体が所定時間以上写っていない場合に、前記場面の重要度を、前記第2閾値未満に決定し、前記所定の被写体が前記画像に写らなくなってから前記所定時間Z秒経過するまでの間の前記場面の重要度を、前記第2閾値以上前記第1閾値未満に決定してもよい。
【0170】
本発明の態様6に係る電子機器では、態様1~3のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記判定処理において、前記画像から所定速度X以上で運動する動体が検出された場合の前記場面の重要度が、前記所定速度X未満で運動する動体が検出された場合または動体が検出されなかった場合の重要度よりも高くなるように、前記重要度を決定してもよい。
【0171】
本発明の態様7に係る電子機器では、態様1~6のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記第2カメラの前記撮影モードにおいて、前記第1カメラに実行させる撮影動作とは異なる撮影動作を前記第2カメラに実行させることが好ましい。
【0172】
本発明の態様8に係る制御装置は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、を備える電子機器を制御する制御装置であって、前記制御装置は、前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定部21と、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御部22とを備えている。
【0173】
本発明の態様9に係る制御方法は、ユーザの操作にしたがって撮影動作を実行する第1カメラと、前記第1カメラとは異なる1以上の第2カメラと、を備える電子機器の制御方法であって、前記第1カメラによって撮影された画像に基づいて、撮影の対象となっている場面の重要度を判定する判定ステップ(S103、S203)と、前記重要度に応じて、前記第2カメラの動作モードを、撮影動作を実行する撮影モードか、該撮影動作の実行時よりも消費電力が低くなる低消費電力モードかに切り替えるカメラ制御ステップ(S105、S106、S207、S208)とを含む。
【0174】
本発明の各態様に係る制御装置10は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを制御装置10が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより制御装置10をコンピュータにて実現させる制御装置10の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0175】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0176】
例えば、複数のカメラの光学系は、複数のカメラに対して各々別系統であっても、複数のカメラに対して共通であっても良い。例えば、レンズを、複数のカメラに対して各々に設けた複眼で構成しても良く、或いは複数のカメラに対して共有する単眼で構成しても良い。
【符号の説明】
【0177】
1 スマートフォン(電子機器)、10 制御装置、11 第1カメラ、12 第2カメラ、13 記憶部、14 操作部、21 判定部、22 カメラ制御部