(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】光走査装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20231016BHJP
B41J 2/47 20060101ALI20231016BHJP
H04N 1/113 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
G02B26/10 F
B41J2/47 101Z
H04N1/113
(21)【出願番号】P 2019223791
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 秀礼
(72)【発明者】
【氏名】中尾 篤夫
(72)【発明者】
【氏名】山本 弥史
(72)【発明者】
【氏名】元山 貴晴
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-128539(JP,A)
【文献】特開2015-219384(JP,A)
【文献】特開2000-261174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0075733(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10,26/12
H04N 1/113
B41J 2/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射して走査させる光走査部と、
前記光走査部に設けられ、光を偏向させる光偏向部材と、
前記光偏向部材を冷却する空気が流れる通風流路と
、
前記光走査部が取り付けられる金属の取付部材とを備えた光走査装置であって、
前記通風流路は、前記光偏向部材に応じた位置に導風部が設けられ、
前記通風流路を空気が流れる方向を通風方向としたとき、
前記導風部は、該導風部より上流側での前記通風方向に対して傾斜し
、前記光偏向部材に向けて前記通風方向を傾斜させる第1傾斜部
と、前記第1傾斜部に導かれた空気を通過させる第1開口とを有し、
前記取付部材の一部を切り起こして前記第1傾斜部が設けられ、前記第1傾斜部が切り起こされる前の元あった部分が前記第1開口とされていること
を特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光走査装置であって、
前記光偏向部材は、回転多面鏡と、前記回転多面鏡を回転駆動させる回転軸とを備え、
前記導風部は、前記回転軸に面すること
を特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光走査装置であって、
前記導風部は、前記第1傾斜部から前記通風方向での下流側に延びた導風平面部が設けられ、
前記導風平面部は、前記第1傾斜部が傾斜する方向と交差する方向に延びており、
前記導風部のうち、前記導風平面部が、前記通風方向で前記光偏向部材と重なる位置に設けられていること
を特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の光走査装置であって
、
前記取付部材は、前記通風流路の一部とされていること
を特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光走査装置であって、
前記取付部材は、前記光偏向部材の外表面を覆う板状部材であり、
前記導風部は、前記取付部材の一部とされ
ていること
を特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の光走査装置であって、
前記導風部は、
前記第1傾斜部よりも前記通風方向での下流側に設けられ、前記光偏向部材から離れる方向に前記通風方向を傾斜させる第2傾斜部と、
前記第2傾斜部に導かれた空気を通過させる第2開口とを有すること
を特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載の光走査装置であって、
前記取付部材と前記光偏向部材との間に、空気の流れを規制する規制部が設けられていること
を特徴とする光走査装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1つに記載の光走査装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光を出射して走査させる光走査部を備えた光走査装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電子写真プロセス技術を用いた画像形成装置では、感光体上で光を走査させる光走査装置が用いられている。光走査装置では、光偏向器に用いられるポリゴンミラー(回転多面鏡)をモータ等で回転させており、高速で回転させると発熱が起きやすい。光走査装置での発熱に関して、空気流を送風して冷却する方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-223148号公報
【文献】特開2001-337291号公報
【文献】特開2016-112697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の光走査装置では、光学ハウジング内部に光偏向器を収納し、光偏向器と接触しないように配設した温度調節手段で、光偏向器を直接冷却している。
【0005】
上述した光走査装置では、光偏向器を直接冷却する温度調節手段の配置が限定されるので、温度調節手段のサイズや性能を自由に選択できず、冷却性能が制約されるという課題がある。
【0006】
特許文献2に記載の冷却機構では、ポリゴンモータの制御基板を光学ハウジングの外側面に露出配置し、光学ハウジングの外側面に放熱ダクトの周面を固定し、放熱ダクトに形成した穴を介して発熱部品が放熱ダクト内部の流体に直接触れるように構成している。
【0007】
引用文献3に記載の光走査装置では、ハウジング本体の略中央部にポリゴンモータが支持されており、ハウジング本体には、空気流が通過する冷却ダクトと、ハウジング本体を画像形成装置の本体フレームに固定するビスが締結される締結部とが設けられている。
【0008】
上述した構成では、ダクト内部での流れ次第で発熱部品に流体(空気流)が当たらないことも考えられ、充分な冷却性能が得られないという懸念がある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、空気を効率良く流すことで、冷却効率を向上させた光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光走査装置は、光を出射して走査させる光走査部と、前記光走査部に設けられ、光を偏向させる光偏向部材と、前記光偏向部材を冷却する空気が流れる通風流路と、前記光走査部が取り付けられる金属の取付部材とを備えた光走査装置であって、前記通風流路は、前記光偏向部材に応じた位置に導風部が設けられ、前記通風流路を空気が流れる方向を通風方向としたとき、前記導風部は、該導風部より上流側での前記通風方向に対して傾斜し、前記光偏向部材に向けて前記通風方向を傾斜させる第1傾斜部と、前記第1傾斜部に導かれた空気を通過させる第1開口とを有し、前記取付部材の一部を切り起こして前記第1傾斜部が設けられ、前記第1傾斜部が切り起こされる前の元あった部分が前記第1開口とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る光走査装置では、前記光偏向部材は、回転多面鏡と、前記回転多面鏡を回転駆動させる回転軸とを備え、前記導風部は、前記回転軸に面する構成としてもよい。
【0012】
本発明に係る光走査装置では、前記導風部は、前記第1傾斜部から前記通風方向での下流側に延びた導風平面部が設けられ、前記導風平面部は、前記第1傾斜部が傾斜する方向と交差する方向に延びており、前記導風部のうち、前記導風平面部が、前記通風方向で前記光偏向部材と重なる位置に設けられている構成としてもよい。
【0013】
本発明に係る光走査装置は、前記取付部材は、前記通風流路の一部とされている構成としてもよい。
【0014】
本発明に係る光走査装置では、前記取付部材は、前記光偏向部材の外表面を覆う板状部材であり、前記導風部は、前記取付部材の一部とされている構成としてもよい。
【0015】
本発明に係る光走査装置では、前記導風部は、前記第1傾斜部よりも前記通風方向での下流側に設けられ、前記光偏向部材から離れる方向に前記通風方向を傾斜させる第2傾斜部と、前記第2傾斜部に導かれた空気を通過させる第2開口とを有する構成としてもよい。
【0016】
本発明に係る光走査装置は、前記取付部材と前記光偏向部材との間に、空気の流れを規制する規制部が設けられている構成としてもよい。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る光走査装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、第1傾斜部によって、光偏向部材に向かう空気を効率良く流すことで、冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略側面図である。
【
図2】第1側壁および第3側壁側から見た光走査装置を示す外観斜視図である。
【
図3】第2側壁および第3側壁側から見た光走査装置を示す外観斜視図である。
【
図4】上側から見た光走査装置を示す外観平面図である。
【
図5】第3側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図である。
【
図6】第1側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図である。
【
図7】第2側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図である。
【
図8】一方の側面側から見た光走査部を示す外観斜視図である。
【
図9】他方の側面側から見た光走査部を示す外観斜視図である。
【
図10】上側から見た光走査部を示す外観平面図である。
【
図11】上蓋を取り外した状態の光走査部を示す外観斜視図である。
【
図13】ステイが取り付けられた支持体を示す外観斜視図である。
【
図14】支持体の導風部近傍を拡大して示す拡大斜視図である。
【
図15】支持体の導風部近傍を拡大して示す拡大平面図である。
【
図16】通風流路を模式的に示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略側面図である。
【0022】
画像形成装置1は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機であり、上部に設けられた画像読取装置110によって読み取られた原稿Gの画像を外部に送信し(スキャナ機能に相当する)、読み取られた原稿Gの画像または外部から受信した画像を用紙Pに画像形成する(複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能に相当する)。
【0023】
画像読取装置110の上側には、画像読取装置110に対して開閉自在に支持された原稿搬送装置108(ADF)が設けられている。原稿搬送装置108は、載置された原稿Gを画像読取装置110の上に自動で搬送する。画像読取装置110は、原稿搬送装置108から搬送された原稿Gや、読取台107の上に載置された原稿Gを読み取って画像データを生成する。
【0024】
画像形成装置1は、光走査装置200、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、定着装置7、用紙搬送経路S1、給紙カセット15、積載トレイ14等を備えている。
【0025】
ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去および回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。光走査装置200は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。なお、光走査装置200の詳細な構造については、後述する
図2ないし
図7を参照して説明する。
【0026】
転写ローラ10は、感光体ドラム3との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路S1を通じて搬送されて来た用紙Pをニップ域に挟み込んで搬送する。用紙Pは、ニップ域を通過する際に、感光体ドラム3の表面のトナー像が転写されて定着装置7に搬送される。
【0027】
定着装置7は、用紙Pを挟んで回転する定着ローラ7aおよび加圧ローラ7bを備えている。定着装置7は、定着ローラ7aおよび加圧ローラ7bの間にトナー像が転写された用紙Pを挟み込んで加熱および加圧し、トナー像を用紙Pに定着させる。
【0028】
給紙カセット15は、画像形成に使用する用紙Pを蓄積しておくためのカセットである。用紙Pは、用紙ピックアップローラ11aによって給紙カセット15から引き出されて、用紙搬送経路S1を通じて搬送され、転写ローラ10や定着装置7を経由し、排紙ローラ17を介して積載トレイ14へと搬出される。用紙搬送経路S1には、用紙Pを一旦停止させて、用紙Pの先端を揃えた後、感光体ドラム3と転写ローラ10との間のニップ域でのトナー像の転写タイミングに合わせて用紙Pの搬送を開始する用紙レジストローラ13、用紙搬送経路S1から反転搬送経路S2へ用紙Pの搬送を促す反転分岐ローラ12a、および排紙ローラ17が配置されている。
【0029】
また、画像形成装置1では、用紙Pの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う構成とされており、用紙Pを反転分岐ローラ12aから逆方向に搬送する反転搬送経路S2が設けられている。用紙Pは、表裏を反転させた状態で、反転搬送ローラ12bを通じて用紙レジストローラ13へ再度導かれ、表面と同様にして裏面に画像形成が行われた後、積載トレイ14へ搬出される。
【0030】
また、画像形成装置1の側面には、開放することで用紙Pを積載できる手差しトレイ16が設けられている。手差しトレイ16に積載された用紙Pは、手差しピックアップローラ11bによって搬送されて、用紙レジストローラ13へ導かれる。
【0031】
本実施の形態では、感光体ドラム3から用紙Pに直接トナー像が転写される構成としたが、これに限定されず、感光体ドラムから中間転写ベルトにトナー像を転写した後、中間転写ベルトから用紙Pにトナー像が転写されるベルト転写方式としてもよい。
【0032】
図2は、第1側壁および第3側壁側から見た光走査装置を示す外観斜視図であって、
図3は、第2側壁および第3側壁側から見た光走査装置を示す外観斜視図であって、
図4は、上側から見た光走査装置を示す外観平面図であって、
図5は、第3側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図であって、
図6は、第1側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図であって、
図7は、第2側壁側から見た光走査装置を示す外観側面図である。
【0033】
本発明の実施の形態に係る光走査装置200は、光を出射して走査させる光走査部20が、フレーム(取付部材の一例)に取り付けられている。フレームは、上部が開口した支持体30と、支持体30に取り付けられたステイ40とで構成されている。なお、以下では説明のため、上側から見た状態で、支持体30の一方の側辺(例えば、第3側壁33)に沿った方向を副走査方向Xと呼び、副走査方向Xと直交する方向を主走査方向Yと呼ぶことがある。
【0034】
支持体30は、矩形状の支持体底面35(平面部に相当する)の外周に沿って第1側壁31、第2側壁32、第3側壁33、および第4側壁34(立設部に相当する)が設けられている。支持体30の側壁は、第1側壁31と第2側壁32とが副走査方向Xで対向しており、第3側壁33と第4側壁34とが主走査方向Yで対向している。ステイ40は、一方の端部が第3側壁33に取り付けられ、他方の端部が第4側壁34に取り付けられている。なお、以下では説明のため、支持体底面35に対して側壁が立設している方向を高さ方向Zと呼ぶことがある。また、支持体30およびステイ40の詳細な構造については、後述する
図13と併せて説明する。
【0035】
光走査部20は、一方の側面に設けられたステイ側係止部22がステイ40に係止され、他方の側面に設けられた側壁側係止部25が第2側壁32に係止されている。
【0036】
図8は、一方の側面側から見た光走査部を示す外観斜視図であって、
図9は、他方の側面側から見た光走査部を示す外観斜視図であって、
図10は、上側から見た光走査部を示す外観平面図である。
【0037】
光走査部20は、上側から見た状態で略矩形状とされ、各種光学部材を収容しており、一方の側面に設けられた出射窓21から出射した光を走査させる。出射窓21は、筐体の一部が開口され、開口を透光性の部材で覆って形成されている。光走査部20に収容される光学部材は、例えば、光源、レンズ、ミラー、アパーチャ、光センサ、および回転多面鏡73などとされているが、これに限らず、用途に応じて適宜変更や追加をしてもよい。また、光源については、基板などに搭載されていてもよく、光源の出射部が光走査部20の側面に設けた穴に挿入されるようにしてもよい。光走査部20は、塵埃の侵入を防ぐように密閉されているが、隙間を塞いだ状態で部材の一部(例えば、回転多面鏡の回転軸など)を露出させていてもよい。なお、光走査部20に収容される光学部材については、後述する
図11および
図12を参照して説明する。
【0038】
なお、
図10では、光走査部20に設けられた光学部材のうち、回転多面鏡73を有する光偏向部材70だけを抽出して、透視的に示している。光偏向部材70については、導風部36と併せて、後述する
図15を参照して説明する。
【0039】
ステイ側係止部22は、出射窓21が設けられた側面に設けられ、側壁側係止部25は、出射窓21が設けられた側面と対向する側面に設けられている。光走査部20をフレームに取り付けた状態において、ステイ側係止部22が設けられた側面と側壁側係止部25が設けられた側面とは、副走査方向Xで対向している。
【0040】
ステイ側係止部22は、自身が設けられた側面において、主走査方向Yでの略中央に位置し、外側に向かって延出されている。ステイ側係止部22は、根元が所定の太さとされ、先端には端部に近づくに従って徐々に細くなる挿入端部22aが設けられている。本実施の形態において、ステイ側係止部22の断面は、略十字状とされているが、これに限定されず、円形の穴に挿入された際、回転自在に支持される形状であればよい。
【0041】
側壁側係止部25は、自身が設けられた側面において、主走査方向Yでの略中央に位置し、外側に向かって延出されている。側壁側係止部25は、根元が細い細径部25aとされ、先端が太い太径部25bとされており、細径部25aと太径部25bとの間では、徐々に太さが変わっている。
【0042】
ステイ側係止部22と側壁側係止部25とは、主走査方向Yで重なる位置に設けられている。つまり、ステイ側係止部22と側壁側係止部25とは、副走査方向Xに平行な直線に沿って延びている。
【0043】
側壁側係止部25が設けられた側面の両端には、主走査方向Yに延出した第1位置決め部23および第2位置決め部24が設けられている。第1位置決め部23には、高さ方向Zに長い長穴とされた第1位置決め穴23aが設けられ、第2位置決め部24には、高さ方向Zに長い長穴とされた第2位置決め穴24aが設けられている。
【0044】
上述したステイ側係止部22、側壁側係止部25、第1位置決め穴23a、および第2位置決め穴24aを用いて光走査部20をフレームに取り付ける方法は、後述する支持体30およびステイ40の詳細な構造と併せて説明する。
【0045】
光走査部20には、外側に基板などの部材が取り付けられていてもよく、フレームに干渉しない位置に配置されていればよい。
【0046】
図11は、上蓋を取り外した状態の光走査部を示す外観斜視図であって、
図12は、
図11に示す光走査部の外観平面図である。
【0047】
光走査装置200では、光学部材として、光源211(レーザーダイオード素子)、コリメータレンズ212、アパーチャー部材213、シリンドリカルレンズ214、光源用反射ミラー215、光偏向部材70、fθレンズ231、ビーム検知用反射ミラー232、ビーム検知用レンズ233(集光レンズ)、およびビーム検知部234(Beam Detectセンサ(BDセンサ))を備えている。
【0048】
光走査部20の筐体の底面には、光偏向部材70が収まるように凹凸を設けて偏向収容部203が形成されている。偏向収容部203に出入りする光ビームが通過する部分には、透明な防塵ガラス235が設けられている。
【0049】
光偏向部材70は、基板71と、基板71に取り付けられた回転多面鏡73と、回転多面鏡73の回転軸72とを有している。回転軸72の軸線方向は、高さ方向Zと略平行にされている。なお、
図12では簡略化しているが、光偏向部材70は、モータや素子などの部品が適宜搭載されていてもよい。
【0050】
光源211は、光ビーム(レーザービーム)を出射する。コリメータレンズ212は、光源211からの光ビームを略平行光にしてアパーチャー部材213に照射する。アパーチャー部材213は、入射した光ビームを絞ってシリンドリカルレンズ214に照射する。シリンドリカルレンズ214は、入射した光ビームを収束して光源用反射ミラー215に照射する。光源用反射ミラー215は、光ビームを反射して光偏向部材70の回転鏡73に集光させる。
【0051】
光偏向部材70では、回転多面鏡73を回転させて、入射した光ビームを主走査方向Yに偏向走査する。光偏向部材70で偏向走査された光ビームは、主走査方向Yに長尺な形状のfθレンズ231と、ビーム検知用反射ミラー232とに導かれる。fθレンズ231に入射した光ビームは、出射窓21を介して光走査部20の外部へ出射される。また、ビーム検知用反射ミラー232に入射した光ビームは、反射されてビーム検知用レンズ233に入射する。ビーム検知用レンズ233は、光ビームをビーム検知部234に集光する。ビーム検知部234は、光走査部20に取り付けられた検知基板240に設けられ、主走査の開始前のタイミングを示すビーム検知信号を出力する。なお、検知基板240には、光源211が接続されていてもよく、光源211を駆動する回路が設けられていてもよい。また、光走査部20の筐体には、ビーム検知部234に向かう光ビームが通過する開口が設けられていてもよい。
【0052】
図13は、ステイが取り付けられた支持体を示す外観斜視図である。
【0053】
本実施の形態において、支持体30は、1枚の板金を折り曲げて形成されており、一部を後から取り付けたり、穴を開けるなどの加工を施したりしている。なお、支持体30は、板金に限らず、樹脂などを成型して形成した樹脂フレームであってもよい。
【0054】
第1側壁31には、外側に向かって突出した係止ボス31a(取付係止部の一例)が設けられている。係止ボス31aは、第1側壁31における主走査方向Yでの両端の2箇所に設けられている。
【0055】
第2側壁32には、側壁側係止部25を係止するための側壁受け部32aが設けられている。側壁受け部32aは、第2側壁32における主走査方向Yでの略中央に設けられている。側壁受け部32aの上方には、受け挿入部32bが繋げて設けられており、側壁受け部32aと受け挿入部32bとを併せて、第2側壁32に設けられた凹部とされている。側壁受け部32aは、第2側壁32を貫通する略円形の穴とされており、受け挿入部32bによって上方が開放されている。受け挿入部32bは、側壁受け部32aの径よりも幅が狭くなっている。具体的に、側壁受け部32aは、側壁側係止部25の太径部25bと略同じ径となっている。受け挿入部32bは、側壁側係止部25に対し、太径部25bよりも幅が狭く、細径部25aよりも幅が狭い。
【0056】
つまり、側壁受け部32aに側壁側係止部25を係止する際、上方から受け挿入部32bに細径部25aを通さなければならない。そして、細径部25aが側壁受け部32aに到達した後、側壁側係止部25を副走査方向Xに押して、太径部25bを側壁受け部32aに嵌め込むことで、側壁側係止部25が側壁受け部32aに係止される。
【0057】
第3側壁33には、上端の一部を外側に折り曲げて形成した第1ビス受け部33a(取付係止部の一例)が設けられている。第1ビス受け部33aにおける副走査方向Xに直交する平面には、第1支持体固定穴33bが設けられている。第1支持体固定穴33bは、第2側壁32側の端部近傍に位置している。
【0058】
第4側壁34は、第3側壁33と略同様の形状とされており、第1ビス受け部33aに対応する第2ビス受け部34aと、第1支持体固定穴33bに対応する第2支持体固定穴34bとが設けられている。上述した第2ビス受け部34aおよび第2支持体固定穴34bは、対応する第3側壁33の各部と副走査方向Xで重なる位置に設けられている。
【0059】
支持体底面35には、板金の一部を切り起こして形成した第1立設固定部35aおよび第2立設固定部35bが設けられている。第1立設固定部35aは、副走査方向Xに垂直な平面とされ、フレームに取り付けられた光走査部20の第1位置決め部23に面する位置(例えば、
図4参照)に設けられている。第1立設固定部35aには、光走査固定ビス60が挿入される第1立設固定穴35a1が設けられている。第2立設固定部35bは、第1立設固定部35aと略同様とされ、フレームに取り付けられた光走査部20の第2位置決め部24に面する位置に設けられ、第2立設固定穴35b1を有している。
【0060】
さらに、支持体底面35には、板金の一部を開口させた導風部36が設けられている。導風部36は、フレームに取り付けられた光走査部20の底面に面する位置に設けられている。導風部36も第1立設固定部35aおよび第2立設固定部35bと同様に、板金の一部を切り起こして形成されており、支持体底面35に対して上方に折り曲げた部分と、下方に折り曲げた部分とを有している。上方に切り起こす高さは、適宜調整すればよく、光走査部20の底面に当たらない高さとされている。
【0061】
また、支持体底面35には、板金から第1立設固定部35aおよび第2立設固定部35bを切り起こして形成したことで、第1底面孔35cおよび第2底面孔35dが形成される。第1底面孔35cを設けたことで、第1立設固定部35aに繋がる部分が分断され、第1立設固定部35aに固定された光走査部20への振動が伝わりにくくなる。同様に、第2底面孔35dによって、第2立設固定部35bへの振動が伝わりにくくなる。
【0062】
本実施の形態において、ステイ40は、1枚の板金を折り曲げて形成されており、穴を開けるなどの加工を施している。なお、ステイ40は、板金に限らず、樹脂などを成型して形成してもよい。
【0063】
ステイ40は、略長方形状の平面とされたステイ係止面41を有し、ステイ係止面41の長手方向での両端を折り曲げて第1ステイ固定面42および第2ステイ固定面43が設けられている。
【0064】
ステイ係止面41は、長手方向の長さが、支持体30の第3側壁33から第4側壁34までの長さと略同じとされている。つまり、ステイ40を支持体30に取り付けた際は、第1ステイ固定面42が第3側壁33の内側壁に接し、第2ステイ固定面43が第4側壁34の内側壁に接する。以下では説明のため、ステイ40を支持体30に取り付けた状態に合わせて、ステイ係止面41の長手方向を主走査方向Yと呼ぶことがある。
【0065】
ステイ係止面41には、主走査方向Yでの略中央にステイ受け部41aが設けられている。ステイ受け部41aは、ステイ係止面41を貫通する円形状の穴とされている。また、ステイ係止面41には、上端の一部を折り曲げて光通過部41bが形成されている。光通過部41bを設けた部分では、高さ方向Zでの幅が短くなっている。さらに、ステイ係止面41には、下端を折り曲げてステイ補強部41cが形成されている。つまり、平面状の板金を折り曲げて、立体的な構造とすることで、ステイ40の強度を増している。
【0066】
第1ステイ固定面42は、第3側壁33の副走査方向Xでの中央付近に接しており、第3側壁33に対してステイ固定ビス50で固定されている。また、第2ステイ固定面43は、第4側壁34の副走査方向Xでの中央付近に接しており、第4側壁34に対してステイ固定ビス50で固定されている。第1ステイ固定面42、第2ステイ固定面43、第3側壁33、および第4側壁34には、ステイ固定ビス50を挿入するためのビス穴が適宜設けられている。
【0067】
ステイ40を支持体30に取り付けた際、ステイ受け部41aと側壁受け部32aとは、主走査方向Yおよび高さ方向Zでの位置が略重なる。また、ステイ40は、支持体底面35から離間して支持されており、ステイ係止面41の下端(ステイ補強部41c)は、支持体底面35の上面に接していない。
【0068】
次に、導風部36について、
図14および
図15を参照して説明する。
【0069】
図14は、支持体の導風部近傍を拡大して示す拡大斜視図であって、
図15は、支持体の導風部近傍を拡大して示す拡大平面図である。なお、
図15では、導風部36に対する光偏向部材70の位置を示すため、光走査部20のうち、光偏向部材70を抽出して示している。
【0070】
導風部36では、板金の一部を切り起こすことで、支持体底面35に対して上方に折り曲げた第1規制支持部36dおよび第2規制支持部36eと、下方に折り曲げた第1傾斜部36fおよび第2傾斜部36gとが設けられている。第1規制支持部36dと第1傾斜部36fとは、元の板金において連続した部分とされており、両者が元あった部分が第1開口36aとなっている。また、第2規制支持部36eと第2傾斜部36gとは、元の板金において連続した部分とされており、両者が元あった部分が第2開口36bとなっている。第1傾斜部36fと第2傾斜部36gとの間には、元の板金から略手を付けられていない導風平面部36cが設けられている。つまり、導風平面部36cは、支持体底面35の一部であり、高さ方向Zと直交する平面である。導風部36では、主走査方向Yのうち、第3側壁33から第4側壁34に向かう方向に沿って、第1規制支持部36d、第1開口36a、第1傾斜部36f、導風平面部36c第2傾斜部36g、第2開口36b、および第2規制支持部36eの順に設けられている。
【0071】
第1傾斜部36fおよび第2傾斜部36gは、支持体底面35に対して折り曲げた角度が鋭角となるように形成されている。つまり、導風部36を上面視した状態で、第1傾斜部36fの先端が第1開口36aと重なる位置にあり、第2傾斜部36gの先端が第2開口36bと重なる位置にある。
【0072】
導風部36には、上面視した状態(
図15参照)での外周を囲むように規制部90が設けられている。規制部90は、例えば、ポリエチレンテレフタラートなどで形成された薄膜のフィルムであって、第1規制支持部36dおよび第2規制支持部36eに貼り付けられている。規制部90は、下端が支持体底面35と略接しており、上端が第1規制支持部36dおよび第2規制支持部36eよりも高くなっている。なお、これに限らず、規制部90は、導風部36のうち、特に、第1開口36a、導風平面部36c、および第2開口36bを併せて囲むように設けられていればよく、導風部36より一回り大きい範囲を囲っていてもよい。また、規制部90は、上述したものに限らず、空気を通さない材料で形成されていればよい。
【0073】
本実施の形態において光偏向部材70は、基板71と、基板71に取り付けられた回転多面鏡73と、回転多面鏡73の回転軸72とを有している。なお、
図15では簡略化しているが、光偏向部材70は、モータや素子などの部品が適宜搭載されていてもよい。
図15に示すように、光走査部20をフレームに取り付けた際、導風部36の上方に位置するように、光偏向部材70が配置されている。さらに、光偏向部材70において、回転軸72が導風平面部36cの直上に位置している。また、回転軸72は、軸線が高さ方向Zに沿うように取り付けられている。
【0074】
光走査部20は、ステイ40と支持体30とを組み合わせたフレームに取り付けられる(例えば、
図1参照)。光走査部20をフレームに取り付ける際、先ず、ステイ側係止部22の先端(挿入端部22a)をステイ受け部41aに差し込みながら、側壁側係止部25の細径部25aを受け挿入部32bを通じて側壁受け部32aに挿入する。その後、光走査部20を第1側壁31側に押し込むことで、ステイ側係止部22がステイ受け部41aに係止され、側壁側係止部25の太径部25bが側壁受け部32aに係止される。この状態において、光走査部20は、位置が完全には固定されておらず、ステイ側係止部22および側壁側係止部25を通る軸を中心にして、主走査方向Yでの端部が高さ方向Zに揺動し、支持体底面35を基準とした平面に対する光走査部20の傾きが定まっていない。そこで、第1位置決め穴23aおよび第1立設固定穴35a1を通る光走査固定ビス60と、第2位置決め穴24aおよび第2立設固定穴35b1を通る光走査固定ビス60とによって、光走査部20と支持体30とを固定することで、光走査部20の位置決めがなされる。この際、第1位置決め穴23aおよび第2位置決め穴24aは、光走査固定ビス60の径より長い長穴とされているので、光走査部20の傾きを調整することができる。
【0075】
ステイ40が固定された支持体30に光走査部20を組み合わせた状態で、光走査装置200は、画像形成装置1に取り付けられる。本実施の形態に係る画像形成装置1では、側面を開口して光走査装置200の収容部が設けられている。この収容部には、係止ボス31aが挿入されるボス受けと、第1支持体固定穴33bおよび第2支持体固定穴34bに対応するビス穴が設けられている。光走査装置200は、第1側壁31側から収容部に挿入され、係止ボス31aをボス受けに係止させた後、第1支持体固定穴33bおよび第2支持体固定穴34bをビスで固定される。なお、画像形成装置1の収容部については、光走査装置200の形状や構成に応じて適宜設計すればよく、光走査装置200が収まる構造とされていればよい。また、画像形成装置1に設けた開口については、光走査装置200を取り付けた後、カバーなどで覆ってもよい。
【0076】
図6に示すように、光走査部20をフレームに取り付けた状態では、出射窓21がステイ40の光通過部41bに面しており、光走査部20から出射された光は、ステイ40に遮られることなく、第1側壁31側に抜けていく。
【0077】
光走査装置200では、空気流によって光偏向部材70を冷却している。次に、光偏向部材70を冷却する空気が流れる通風流路について、
図16を参照して説明する。
【0078】
図16は、通風流路を模式的に示す概略説明図である。
【0079】
本実施の形態において、通風流路は、光走査装置200を画像形成装置1に取り付けることで構成される。具体的に、画像形成装置1における光走査装置200の収容部には、支持体底面35(特に、導風部36近傍)との間に隙間が設けられており、この隙間が通風流路となる。
図16では、画像形成装置1の筐体の一部として流路形成部80を模式的に簡略化して示しているが、画像形成装置1の筐体については、内蔵する部品や光走査装置200の外形などを考慮し、形状を適宜変更してもよい。
【0080】
流路形成部80は、導風部36に対応する部分が光走査装置200(支持体底面35)側が開放された凹部とされており、それ以外の部分は、筒状などにして外部へ空気を逃がさない形状とされていてもよい。流路形成部80には、取り込んだ空気を通風流路へ送る送風ファン300が繋がっている。なお、送風ファン300は、通風流路だけに限らず、他の部分へ空気を送る流路に繋がっていてもよい。また、図示しないが、通風流路は、送風ファン300と反対側の端部が排気ファンなどに繋がっていてもよく、通り抜けた空気が排出されるようになっていればよい。
【0081】
流路形成部80は、第1傾斜部36fおよび第2傾斜部36gの下端(先端)に対して隙間が非常に小さくなるように形成されている。導風部36では、第1傾斜部36f、導風平面部36c、および第2傾斜部36gによって、流路形成部80との隙間が塞がれているので、支持体底面35に対し上面側が通風流路として機能する。上述したように、支持体30(特に、支持体底面35)は、光偏向部材70の外表面(下面)を覆う板状部材とされている。以下では説明のため、支持体底面35に対し上面側をフレームの内側と呼び、支持体底面35に対し下面側をフレームの外側と呼ぶことがある。本実施の形態において、通風流路を空気が流れる通風方向は、第1開口36a側が上流とされており、第2開口36b側が下流とされている。
【0082】
送風ファン300から送られた空気は、導風部36近傍において、矢符F1で示すように、支持体底面35と流路形成部80との隙間であるフレームの外側を通る。空気が導風部36に到達した際、第1傾斜部36fが上流側での通風方向に対して傾斜しているので、そのまま進むことができず、矢符F2で示すように、第1傾斜部36fの傾斜に沿って進む。それによって、空気は、第1開口36aを通じて、フレームの外側からフレームの内側に導かれ、光偏向部材70に向かって流れる。フレームの内側では、空気は、矢符F3で示すように、導風平面部36cに沿って進み、光偏向部材70の中でも、熱を生じやすい回転軸72を特に冷却することで、熱による影響を低減することができる。フレームの内側では、規制部90によって、入り込んだ空気が導風部36の外に逃げないように規制されているため、空気は、自然と第2開口36bを通じて下流側に流れていく。この際、第2傾斜部36gが設けられているので、矢符F4で示すように、空気は、第2傾斜部36gの傾斜に沿って、下流側へ向かいつつ、フレームの外側へ進むように導かれる。フレームの外側に出ると、矢符F5で示すように、支持体底面35と流路形成部80との隙間を通って、空気が下流側に流れていく。
【0083】
本実施の形態において、流路形成部80は、画像形成装置1の筐体の一部であって、画像を形成するための画像形成部を構成する部品(例えば、駆動モータやローラなど)を取り付けるためのものであり、上述した支持体30とは別体とされている。
【0084】
上述したように、第1傾斜部36fを設けることで、光偏向部材70に向かう空気を効率良く流し、冷却効率を向上させることができる。また、空気の流れを安定させた導風平面部36cを設けることで、光偏向部材70をさらに効率良く冷却することができる。導風平面部36cは、光偏向部材70の外表面に対して、平行な方向に延びており、通風流路は、導風平面部36cが設けられている部分において、一様な断面積とされていることが好ましい。つまり、導風平面部36cと光偏向部材70の外表面とが平行に延びているので、両者に沿って一方向に空気が流れる区間を通風流路に設けることができる。
【0085】
また、光走査部20を支持するフレームが通風流路の一部を兼ねることで、通風流路を構成する部材を削減し、装置の小型化を図ることができる。そして、第1傾斜部36fに応じた第1開口36aを設けることで、フレームの内側に空気を送り込むことができる。さらに、導風部36によって、フレームの内側と外側とで空気を行き来させているので、通風流路をフレームの外側に形成でき、通風流路の設計の自由度を向上させることができる。規制部90を設けることで、フレームの内側での空気の流れを規制することで、通風方向に沿って円滑に空気が流れるようにすることができる。
【0086】
流路形成部80については、全てを一体に形成する必要はなく、例えば、導風部36に応じた一部だけ異なる部材で構成してもよい。特に、第1傾斜部36fおよび第2傾斜部36gに面する部分では、板金や樹脂よりも柔らかいシートなどとし、第1傾斜部36fおよび第2傾斜部36gに接触した際、変形して衝撃を緩和するようにしてもよい。また、規制部90についても、光走査部20との隙間をできるだけ小さくすることが好ましいが、振動によって衝突する可能性が高くなるので、柔らかい材料で形成してもよい。このように、他の部材と衝突する虞がある部分では、衝突による破損などを防ぐように、適宜材料を選択してもよい。
【0087】
なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 画像形成装置
20 光走査部
21 出射窓
22 ステイ側係止部
23 第1位置決め部
24 第2位置決め部
25 側壁側係止部
30 支持体
31 第1側壁
31a 係止ボス
32 第2側壁
32a 側壁受け部
33 第3側壁
34 第4側壁
35 支持体底面
35a 第1立設固定部
35b 第2立設固定部
36 導風部
36a 第1開口
36b 第2開口
36c 導風平面部
36d 第1規制支持部
36e 第2規制支持部
36f 第1傾斜部
36g 第2傾斜部
40 ステイ
41 ステイ係止面
42 第1ステイ固定面
43 第2ステイ固定面
50 ステイ固定ビス
60 光走査固定ビス
70 光偏向部材
71 基板
72 回転軸
73 回転多面鏡
80 流路形成部
90 規制部
200 光走査装置
X 副走査方向
Y 主走査方向
Z 高さ方向