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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】通知システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20231016BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
H04M11/00 301
H04Q9/00 311K
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019229642
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021100146
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 正史
(72)【発明者】
【氏名】丸谷 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】中川 達也
(72)【発明者】
【氏名】金山 将也
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134448(JP,A)
【文献】特開2015-133663(JP,A)
【文献】国際公開第2014/049948(WO,A1)
【文献】特開2017-060096(JP,A)
【文献】特開2016-076799(JP,A)
【文献】特開2012-227841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24- 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00- 7/16
11/00-11/10
99/00
H03J 9/00- 9/06
H04Q 9/00- 9/16
H04L 12/28
F24F 11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
H05B 39/00-39/10
45/00-45/59
47/00-47/29
D06F 33/00-34/34
58/30-58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器と、
前記家電機器と通信可能な通知機器と、
前記家電機器のユーザの位置を測る推測手段と、を備えている通知システムであって、
前記家電機器は、前記家電機器の状態に関する状態情報を送信可能な送信部を備えており、
前記通知機器は、前記家電機器の前記送信部から送信された状態情報を受信可能な受信部と、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を通知可能な通知部と、制御部とを備えており、
前記通知機器の前記制御部は、前記推測手段によって測られる前記家電機器のユーザの位置が前記家電機器から所定の距離の領域内に存在することに基づいて通知情報を通知しないことが通知システムにおいて決定された場合は、前記受信部が状態情報を受信している場合であっても、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を前記通知部から通知しない、通知システム。
【請求項2】
前記推測手段は、前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を推測可能であり、
前記通知機器の前記制御部は、前記推測手段によって測られる前記家電機器のユーザの位置が前記家電機器から所定の距離の領域内に存在することに基づいて通知情報を通知しないことが通知システムにおいて決定された場合は、前記受信部が状態情報を受信している場合であっても、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を前記通知部から通知しない、請求項1に記載の通知システム。
【請求項3】
前記通知機器の前記通知部から通知情報が常に通知されるように設定可能に構成されており、
前記通知機器の前記制御部は、通知情報が常に通知されるように設定された場合は、前記受信部が状態情報を受信した場合に、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を前記通知部から常に通知する、請求項1又は2に記載の通知システム。
【請求項4】
通知情報を通知しないことが通知システムにおいて決定された場合に前記通知部から通知情報が通知されない設定と、前記通知機器の前記通知部から通知情報が常に通知される設定とが、切り換え可能に構成されている、請求項3に記載の通知システム。
【請求項5】
前記通知機器は、ユーザが携帯する携帯端末機器であり、
前記推測手段は、前記携帯端末機器が所定の領域内に存在しているか否かに基づいて前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を測る、請求項2から4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項6】
前記推測手段は、衛星測位システムに基づいて前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を測る、請求項2から5のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項7】
前記通知機器は、ユーザが携帯する携帯端末機器であり、
前記携帯端末機器は、所定の場所に設置されているローカルエリアネットワークと通信可能に構成されており、
前記推測手段は、前記携帯端末機器と前記ローカルエリアネットワークとの通信が確立されるか否かに基づいて前記家電機器のユーザの位置を測る、請求項1から4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項8】
前記通知機器は、ユーザが携帯する携帯端末機器であり、
前記家電機器と前記携帯端末機器は、ネットワークを介さずに近距離無線通信によって直接通信可能に構成されており、
前記推測手段は、前記家電機器と前記携帯端末機器との前記近距離無線通信による通信が確立されるか否かに基づいて前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を測る、請求項2から4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項9】
前記家電機器は、操作部を備えており、
前記推測手段は、前記操作部が操作されたことに基づいて前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を測る、請求項2から4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項10】
前記家電機器が配置されている位置から所定の距離の領域内にユーザが存在することを検知可能なセンサを更に備えており、
前記推測手段は、前記センサの検知結果に基づいて前記家電機器とユーザとの相対的な位置関係を測る、請求項2から4のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項11】
前記家電機器及び前記通知機器とネットワークを介して通信可能なサーバを更に備えており、
前記サーバが前記推測手段を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載の通知システム。
【請求項12】
前記家電機器又は前記通知機器が前記推測手段を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載の通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの宅内に設置された機器と情報端末を用いて遠隔制御する遠隔制御システムが開示されている。特許文献1の遠隔制御システムは、宅内に設置された機器の設定状態を取得し、普段の設定状態と取得した設定状態とが相違する場合に、相違することをユーザに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-88720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遠隔制御システムでは、設定状態が相違することをユーザに通知しているが、通知する情報の内容によっては、ユーザの状況次第で情報を通知しないことが適切な場合もある。例えば、通知する情報の内容によって、ユーザが外出中にはユーザに情報を通知することが適切であるが、ユーザが在宅中にはユーザに情報を通知することが適切でない場合もある。そこで本明細書は、ユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する通知システムは、家電機器と、前記家電機器と通信可能な通知機器と、前記家電機器のユーザの位置を測る推測手段と、を備えている。前記家電機器は、前記家電機器の状態に関する状態情報を送信可能な送信部を備えている。前記通知機器は、前記家電機器の前記送信部から送信された状態情報を受信可能な受信部と、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を通知可能な通知部と、制御部とを備えている。前記通知機器の前記制御部は、前記推測手段によって測られる前記家電機器のユーザの位置に関する所定の条件に基づいて通知情報を通知しないことが通知システムにおいて決定された場合は、前記受信部が状態情報を受信している場合であっても、前記受信部が受信した状態情報に関する通知情報を前記通知部から通知しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例に係る通知システムの構成図である。
図2】実施例に係る通知システムのブロック図である。
図3】実施例に係るクラウドサーバのブロック図である。
図4】実施例に係る状態情報送信処理のフローチャートである。
図5】実施例に係るサーバ処理のフローチャートである。
図6】実施例に係る通知処理のフローチャートである。
図7】スマートフォンから通知される通知情報の一例である。
図8】非通知設定のための画面の一例である。
図9】実施例3に係る通知処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施例に係る通知システム2について図面を参照して説明する。図1及び図2に示されるように、通知システム2は、複数の洗濯機10(10a、10b)と、複数のスマートフォン20(20a、20b)と、複数のテレビ30(30a、30b)と、クラウドサーバ100とを備えている。
【0008】
複数の洗濯機10(10a、10b)、複数のスマートフォン20(20a、20b)、複数のテレビ30(30a、30b)及びクラウドサーバ100は、インターネット200を介して相互に通信可能に構成されている。複数の洗濯機10、複数のテレビ30及び複数のスマートフォン20は、例えば、家屋1内に設置されているルータ90を介してインターネット200に接続される。ルータ90は、例えば、WiFi(登録商標)に基づく無線通信によって各機器と通信可能に構成されている。また、複数のスマートフォン20は、家屋1外に設置されているルータ(不図示)を介してインターネット200に接続されてもよい。なお、変形例では、これらが有線LANや無線LAN等のインターネット200とは異なるローカルエリアネットワーク400を介して相互に通信可能に構成されていてもよい。また、変形例では、通知システム2がクラウドサーバ100を有していなくてもよい。この場合は、洗濯機10、スマートフォン20及びテレビ30の間で直接的に通信が行われてもよい。以下では、複数の洗濯機10a、10bのうち、代表で1つの洗濯機10aについて説明する。同様に、代表で1つのスマートフォン20a及び1つのテレビ30aについて説明する。
【0009】
洗濯機10(10a)は例えば家屋1内に設置される。洗濯機10が設置される場所は家屋1に限定されず、例えば店舗や事務所等であってもよい。洗濯機10が設置される家屋1は、互いに壁で仕切られている居間4、洗面室6及び寝室8等の複数の領域を備えている。洗濯機10は例えば洗面室6に設置される。洗濯機10は、いわゆるドラム式又はタテ型の洗濯乾燥機である。洗濯機10は家電機器の一例である。家電機器としては、洗濯機10に限定されず、例えば、冷蔵庫、エアコン、自走式掃除機、電子レンジ等であってもよい。
【0010】
図2に示されるように、洗濯機10(10a)は、操作部12と、表示部14と、制御部16と、送信部18と、洗濯槽19とを備えている。操作部12は、電源ボタン等の複数のボタンを備えている。操作部12は、ユーザによってボタンが操作されると、操作されたボタンに従った信号を制御部16に送信する。表示部14は液晶パネルを有しており、ユーザに提供する画像を表示する。なお、表示部14はタッチパネルで構成されてもよく、この場合、表示部14は操作部12としても機能する。
【0011】
制御部16は、CPUと、RAM、ROM等のメモリ(図示省略)を備えている。制御部16は、図示省略した配線によって、各部12、14、18、19に制御可能に接続されている。制御部16は、洗濯機10の各部12、14、18、19を制御するためのコンピュータプログラムを格納している。
【0012】
送信部18は、洗濯機10が所定の状態である場合に、所定の状態に応じた状態情報をクラウドサーバ100に送信する。例えば、洗濯機10で洗濯運転が開始された場合に、送信部18は、洗濯運転が開始されたことを示す状態情報をクラウドサーバ100に送信する。また、例えば、洗濯機10で洗濯運転が終了した場合に、送信部18は、洗濯運転が終了したことを示す状態情報をクラウドサーバ100に送信する。送信部18が送信する状態情報は、当該状態情報の送信元が洗濯機10であることを示す情報を含んでいてもよい。なお、変形例では、送信部18は、状態情報をクラウドサーバ100でなく、スマートフォン20(20a)に直接送信してもよい。
【0013】
洗濯槽19は、前方に開口を有する有底の円筒形状を有する。洗濯槽19は、洗濯機10の筐体に対して外槽(図示省略)を介してその内部に回動可能に支持されている。洗濯槽19は、制御部16から信号を取得したモータ(図示省略)により回動される。洗濯機10は、洗濯槽19に投入される洗濯物を収容して、洗い工程、すすぎ工程及び脱水工程等を実行する洗濯運転と、洗濯物を乾燥させる乾燥工程を実行する乾燥運転と、を含む運転動作を実行可能に構成されている。洗濯機10は、上記の各工程を組み合わせた運転コースに従って、運転動作を実行することができる。
【0014】
次に、スマートフォン20(20a)について説明する。スマートフォン20はユーザによって携帯される(図1参照)。例えば、ユーザが家屋1外又は家屋1内においてスマートフォン20を所持する。スマートフォン20は通知機器の一例である。また、スマートフォン20はユーザが携帯する携帯端末機器の一例である。通知機器としては、スマートフォン20に限定されず、例えば、携帯電話、タブレットPC、ノートPC等の携帯端末機器であってもよい。また、通知機器としては、携帯端末機器以外であってもよく、例えば、テレビ、デスクトップPC等の据え置き型の機器であってもよい。また、通知機器としては、洗濯機や冷蔵庫の家電機器が利用されてもよい。
【0015】
図2に示されるように、スマートフォン20(20a)は、操作表示部22と、受信部24と、GPS受信機26と、制御部28とを備えている。操作表示部22はタッチパネルで構成されている。操作表示部22は、複数のボタンを備えており、ユーザによってボタンがタッチ操作されると、操作されたボタンに従った信号を制御部28に送信する。また、操作表示部22はユーザに提供する画像を表示する。
【0016】
受信部24は、インターネット200を介してクラウドサーバ100から情報を受信する。例えば、受信部24は、洗濯機10の送信部18からクラウドサーバ100に送信された洗濯機10の状態に関する状態情報をクラウドサーバ100から受信する。なお、変形例では、受信部24は、洗濯機10の送信部18から直接的に状態情報を受信してもよい。
【0017】
GPS受信機26は、GPS衛星300(図1参照)から送信される電波を受信する。GPS(Global Positioning System)は、GPS衛星300を利用して位置を測位する衛星測位システムの一例である。GPS受信機26は、GPS衛星300から受信した電波に基づいてスマートフォン20の位置を特定する。GPS受信機26は、特定したスマートフォン20の位置を示す情報を端末位置情報として制御部28に送信する。
【0018】
制御部28は、CPU122と、RAM、ROM等のメモリ124とを備えている。制御部28は、図示省略した配線によって、各部22、24、26に制御可能に接続されている。制御部28のメモリ124は、各部22、24、26を制御するためのコンピュータプログラムを格納している。また、メモリ124は、洗濯機10(10a)のアプリケーションソフト(以下「洗濯機アプリ」という)を格納している。また、メモリ124は、洗濯機10が設置されている位置を示す家電位置情報を格納している。洗濯機10の家電位置情報は、洗濯機アプリに基づいて特定される。洗濯機10の家電位置情報は、例えば、ユーザが操作表示部22を操作することによって洗濯機アプリに予め登録される。洗濯機アプリは、例えば洗濯機10のベンダによって提供されている。
【0019】
制御部28は、メモリ124に記憶されている洗濯機10の家電位置情報と、GPS受信機26から受信するスマートフォン20の端末位置情報とに基づいて、洗濯機10とスマートフォン20との相対的な位置関係を特定することができる。これによって制御部28は、洗濯機10と、スマートフォン20を携帯しているユーザとの相対的な位置関係を推測することができる。
【0020】
次に、テレビ30(30a)について説明する。テレビ30(30a)は例えば家屋1内の居間4に設置される(図1参照)。テレビ30が設置される場所は家屋1に限定されず、例えば店舗や事務所等であってもよい。テレビ30は外部機器の一例である。外部機器としては、テレビ30に限定されず、例えば、冷蔵庫、エアコン、自走式掃除機、電子レンジ等であってもよい。
【0021】
図2に示されるように、テレビ30は、操作部32と、表示部34と、制御部36と、通信部38とを備えている。操作部12は、電源ボタン等の複数のボタンを備えている。操作部32は、ユーザによってボタンが操作されると、操作されたボタンに従った信号を制御部36に送信する。操作部32はリモコンであってもよい。表示部34は液晶パネルを有しており、ユーザに提供する画像を表示する。
【0022】
制御部36は、CPUと、RAM、ROM等のメモリ(図示省略)を備えている。制御部36は、図示省略した配線によって、各部32、34、38に制御可能に接続されている。制御部36は、各部32、34、38を制御するためのコンピュータプログラムを格納している。通信部38は、インターネット200を介してクラウドサーバ100、洗濯機10及びスマートフォン20との間で情報を送受信する。
【0023】
次に、クラウドサーバ100について説明する。クラウドサーバ100は、通信部104と、制御部102とを備えている。通信部104は、インターネット200を介して洗濯機10、スマートフォン20及びクラウドサーバ100との間で情報を送受信する。
【0024】
図3に示されるように、制御部102は、CPU112と、RAM、ROM等のメモリ114とを備えている。メモリ114は、識別テーブル116を格納している。識別テーブル116は、家電識別情報と、端末識別情報と、プッシュ通知許可情報とを含んでいる。家電識別情報、端末識別情報及びプッシュ通知許可情報は、例えばスマートフォン20の洗濯機アプリによって予め登録されている。家電識別情報は、複数の家電機器(複数の洗濯機10a、10b)の中から特定の家電機器(例えば、洗濯機10a)を識別するための情報である。家電識別情報は、例えば、各家電機器(洗濯機10a、10b)に固有の文字列で表される。
【0025】
端末識別情報は、複数の携帯端末機器(複数のスマートフォン20a、20b)の中から特定の携帯端末機器(例えば、スマートフォン20a)を識別するための情報である。端末識別情報は、例えば、各携帯端末機器(スマートフォン20a、20b)に固有の文字列で表される。
【0026】
プッシュ通知許可情報は、各スマートフォン20a、20bでプッシュ通知が許可されているか否かを示す情報である。スマートフォン20でプッシュ通知が許可されている場合は、スマートフォン20において所定の通知情報を通知可能である。
【0027】
次に、図4を参照して通知システム2で実行される状態情報送信処理について説明する。状態情報送信処理は洗濯機10で実行される。状態情報送信処理は、例えば、洗濯機10の電源がオンになると開始される。図4に示されるように、状態情報送信処理のS100では、洗濯機10(10a)の制御部16が、洗濯機10の状態が変化したか否かを判断する。洗濯機10の状態が変化した場合は、S100で制御部16がYESと判断してS102に進む。そうでない場合は、制御部16がNOと判断して待機する。例えば、洗濯機10で洗濯運転が実行されていない状態から洗濯運転が開始された場合は、洗濯機10の状態が変化したと判断される(S100でYES)。また、洗濯機10で洗濯運転が実行されている状態から洗濯運転が終了した場合は、洗濯機10の状態が変化したと判断される(S100でYES)。
【0028】
続くS102では、制御部16が、洗濯機10の状態に関する状態情報及び洗濯機10を識別するための家電識別情報をクラウドサーバ100に送信する。状態情報は、例えば、洗濯機10で洗濯運転が開始されたことを示す情報や洗濯運転が終了したことを示す情報である。家電識別情報は、洗濯機10(10a)に固有の文字列で表される。S102の処理が終了すると、制御部16は、S100の処理に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0029】
次に、図5を参照して通知システム2で実行されるサーバ処理について説明する。サーバ処理は、クラウドサーバ100で実行される。図5に示されるように、サーバ処理のS110では、クラウドサーバ100の制御部102が、洗濯機10(10a)から送信された洗濯機10の状態に関する状態情報及び洗濯機10(10a)を識別するための家電識別情報を受信したか否かを判断する。状態情報及び家電識別情報を受信した場合は、S110で制御部102がYESと判断してS112に進む。そうでない場合は、制御部102がNOと判断して待機する。
【0030】
続くS112では、制御部102が、上記のS110で受信した洗濯機10の家電識別情報に基づいて、その家電識別情報に関連付けられているスマートフォン20を特定する。制御部102は、メモリ114に格納されている識別テーブル(図3参照)に基づいてスマートフォン20を特定する。例えば、制御部102は、洗濯機10の家電識別情報「10a」に対応する端末識別情報「20a」のスマートフォン20を特定する。
【0031】
続くS114では、制御部102が、上記のS112で特定したスマートフォン20(例えば、端末識別情報「20a」のスマートフォン20)でプッシュ通知が許可されているか否かを判断する。制御部102は、メモリ114に格納されている識別テーブル(図3参照)に基づいてプッシュ通知が許可されているか否かを判断する。プッシュ通知が許可されている場合は、S114で制御部102がYESと判断してS116に進む。そうでない場合は、制御部102がNOと判断してサーバ処理を終了する。
【0032】
続くS116では、制御部102が、上記のS110で受信した状態情報を、上記のS112で特定したスマートフォン20(例えば、端末識別情報「20a」のスマートフォン20)に送信する。S116の処理が終了すると、制御部16は、S110の処理に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0033】
次に、図6を参照して通知システム2で実行される通知処理について説明する。通知処理は、スマートフォン20にインストールされている洗濯機アプリに基づいて実行される。通知処理は、スマートフォン20の電源がオンのときに、スマートフォン20でプッシュ通知が許可されている場合に開始される。図6に示されるように、通知処理のS120では、スマートフォン20の制御部28が、クラウドサーバ100から送信された状態情報(図5のS116参照)を受信部24が受信したか否かを判断する。受信部24が状態情報を受信した場合は、S120で制御部28がYESと判断してS122に進む。そうでない場合は、制御部28がNOと判断して待機する。
【0034】
続くS122では、制御部28が、スマートフォン20の位置を示す端末位置情報をGPS受信機26から受信する。続くS124では、制御部28が、メモリ124に格納されている家電位置情報126(図2参照)と、S122で受信した端末位置情報とに基づいて、洗濯機10とスマートフォン20との相対的な位置関係を特定する。これによって制御部28は、洗濯機10と、スマートフォン20を携帯しているユーザとの相対的な位置関係を推測することができる。
【0035】
続くS126では、制御部28が、上記のS124で特定した位置関係に基づいて、スマートフォン20が所定の領域内に存在しているか否かを判断する。所定の領域は、洗濯機10が設置されている位置から所定の距離(例えば、100m)の領域である。スマートフォン20が所定の領域内に存在している場合は、S126で制御部28がYESと判断してS128に進む。即ち、スマートフォン20を携帯しているユーザが所定の領域内に存在していると推測される場合は、S126で制御部28がYESと判断する。そうでない場合は、制御部28がNOと判断してS130に進む。
【0036】
S126でYESの後のS128では、制御部28が、上記のS120で受信した状態情報に関する通知情報を通知しないことを決定する。この場合は、制御部28は、操作表示部22に通知情報を表示せずにリターンに進む。
【0037】
一方、S126でNOの後のS130では、制御部28が、上記のS120で受信した状態情報に関する通知情報を通知することを決定する。続くS132では、制御部28が、操作表示部22に通知情報を表示する。通知情報は、例えば、状態情報で示される洗濯機10の状態を説明する情報である。例えば、上記のS120で受信した状態情報が洗濯機10で洗濯運転が開始されたことを示す情報である場合は、制御部28は、図7に示すように、「洗濯運転が開始されました。」というメッセージを操作表示部22に表示する。また、状態情報が洗濯機10で洗濯運転が終了したことを示す情報である場合は、制御部28は、「洗濯運転が終了しました。」というメッセージを操作表示部22に表示する(図示省略)。その後、S126又はS132の処理が終了すると、制御部28は、S120の処理に戻り、上記の処理を繰り返す。
【0038】
以上、実施例に係る通知システム2について説明した。上記の説明から明らかなように、通知システム2では、スマートフォン20の制御部28が、洗濯機10から所定の距離の領域内にユーザが存在していると判断した場合は、通知情報を通知しないことを決定する。制御部28は、通知情報を通知しないことを決定した場合は、受信部24が状態情報を受信している場合であっても、受信部24が受信した状態情報に関する通知情報を操作表示部22に表示しない(図6のS126でYES、S128参照)。即ち、制御部28は、洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係に関する所定の条件に基づいて通知情報を通知しないことを決定した場合は、受信部24が状態情報を受信している場合であっても、受信部24が受信した状態情報に関する通知情報を操作表示部22から通知しない。
【0039】
この構成によれば、ユーザの状況に応じて不要な通知情報を通知しないようにすることができる。例えば、ユーザが洗濯機10の近傍にいる状況では、洗濯機10から通知される情報によってユーザが通知情報の内容を既に把握していることが考えられる。この状況では、通知情報がスマートフォン20から通知されるとユーザがその通知情報を不要だと感じることが考えられる。そのため、この場合は不要な通知情報を通知しないようにすることができる。これによってユーザの利便性を向上させることができる。
【0040】
家電機器の状態情報に関する通知情報は、ユーザの状況によってユーザにとって必要な場合もあれば不要な場合もある。通知情報がユーザにとって不要な状況においてまで通知情報を通知することは、ユーザにとって不便であると考えられる。そのため、ユーザの状況によって通知情報の通知と非通知を区別する上記の構成が効果的である。
【0041】
また、上記の通知システム1では、スマートフォン20の制御部28が、スマートフォン20が所定の領域内に存在しているか否かに基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測している(図6のS124、S126参照)。この構成によれば、ユーザが携帯するスマートフォン20を利用して洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を測ることができる。例えば、ユーザがスマートフォン20を携帯して外出中のときにはスマートフォン20から通知情報を通知することができる。一方、ユーザが在宅中のときにはスマートフォン20から通知情報が通知されないようにすることができる。ユーザが外出中のときには洗濯機10の状態を直ぐに把握することができないので、ユーザが通知情報を必要と感じることが考えられる。一方、ユーザが在宅中のときには洗濯機10の状態を直ぐに把握することができるので、ユーザが通知情報を不要と感じることが考えられる。スマートフォン20を利用してユーザの状況を把握することによってユーザの利便性を向上させることができる。
【0042】
上記の通知システム2では、スマートフォン20の制御部28が、洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を測っている。即ち、スマートフォン20が推測手段を備えている。この構成によれば、スマートフォン20の受信部24がクラウドサーバ100から状態情報を受信した後にスマートフォン20とインターネット200との接続が仮に遮断された場合であっても、制御部28は、洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係に基づいて通知情報を通知するか否かを決定することができる。
【0043】
上記の通知システム2では、スマートフォン20の制御部28が、GPS受信機26から受信するスマートフォン20の端末位置情報に基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を測っている。即ち、制御部28が衛星測位システムに基づいて相対的な位置関係を測っている。この構成によれば、洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を正確に測ることができる。したがって、ユーザの状況を正確に把握したうえで通知情報を通知しないようにすることができる。
【0044】
(対応関係)
スマートフォン20の制御部28が「推測手段」の一例である。制御部28は、家電機器としての洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測する。スマートフォン20の操作表示部22が「通知部」の一例である。
【0045】
以上、実施例について説明したが、具体的な態様は上記実施例に限定されるものではない。以下の説明において、上述の説明における構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
(実施例2)
実施例2の通知システム2では、図8に示されるように、非通知設定のオン/オフが切り換え可能に構成されていてもよい。非通知設定は、上記の図6の通知処理のS128でスマートフォン20の制御部28が通知情報を通知しないことを決定した場合に通知情報を操作表示部22から通知しない処理を実行するための設定である。非通知設定がオン(非通知)である場合は、通知処理のS126及びS128の処理が実行される(図6参照)。即ち、非通知設定がオン(非通知)である場合は、スマートフォン20を携帯しているユーザが所定の領域内に存在していると推測される場合に(S126でYES)、スマートフォン20の操作表示部22から通知情報が通知されない。
【0047】
一方、非通知設定がオフ(通知)である場合は通知設定が設定される。操作表示部22がユーザ操作を受け付けることによって非通知設定と通知設定とが切り換え可能に構成されている。通知設定は、図6の通知処理のS120で受信部24が状態情報を受信した場合に、受信部24が受信した状態情報に関する通知情報を操作表示部22から常に通知する処理を実行するための設定である。通知設定がされている場合(非通知設定がオフ(通知)である場合)は、図6の通知処理のS126及びS128の処理が実行されない。即ち、非通知設定がオフ(通知)である場合は、制御部28が、クラウドサーバ100から受信した状態情報(S120参照)に関する通知情報を通知することを決定する(S130参照)。制御部28は、受信部24が状態情報を受信した場合に(S120参照)、状態情報に関する通知情報を操作表示部22に常に表示する(S132参照)。
【0048】
上記の構成によれば、通知情報が常に通知されるようにユーザが設定できるのでユーザの利便性を向上させることができる。例えば、ユーザが洗濯機10の近傍にいる状況であって、洗濯機10から通知される情報によってユーザが通知情報の内容を既に把握している状況であっても、ユーザが通知情報を知りたいと考える場合もある。この場合は通知情報を通知することによってユーザの利便性を向上させることができる。通知情報を通知しない非通知設定と、通知情報を常に通知する通知設定とをユーザが切り換えることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0049】
(実施例3)
実施例3の通知システム2では、スマートフォン20の制御部28が、スマートフォン20と所定の場所(例えば、家屋1)に設置されたローカルエリアネットワーク400(図1参照、以下「LAN」と略す)との通信が確立されるか否かに基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測してもよい。実施例3の通知システム2では、図9に示される通知処理が実行される。図9に示されるように、実施例3の通知処理では、S140で制御部28が、スマートフォン20とLAN400との通信が確立されるか否かを判断する。スマートフォン20とLAN400との間で通信が確立された場合は、S140で制御部28がYESと判断してS120に進む。そうでない場合は、制御部28がNOと判断して待機する。例えば、スマートフォン20が家屋1に設置されているルータ90(図1参照)との間でWiFi(登録商標)に基づく無線通信可能な範囲に存在する場合は、S140でYESと判断される。例えば、スマートフォン20を携帯するユーザが在宅中のときにはS140でYESと判断される。一方、スマートフォン20がルータ90(図1)との間で無線通信可能な範囲に存在しない場合は、S140でNOと判断される。例えば、スマートフォン20を携帯するユーザが外出中のときにはS140でNOと判断される。
【0050】
S140でYESの後のS120では、制御部28が、クラウドサーバ100から送信された状態情報(図5のS116参照)を受信部24が受信したか否かを判断する。S120の処理については、上述したので詳細な説明を省略する(図6のS120参照)。
【0051】
S120でYESの後のS142では、制御部28が、再びスマートフォン20とLAN400との通信が確立されるか否かを判断する。スマートフォン20とLAN400との間で通信が確立される場合は、S142で制御部28がYESと判断してS130に進む。そうでない場合は、制御部28がNOと判断してS128に進む。通信が確立される場合は、スマートフォン20が家屋1内に設置されているルータ90(図1)との間で無線通信可能な範囲に存在している場合である。即ち、スマートフォン20が家屋1内に存在しており、スマートフォン20が家屋1内に設置されている洗濯機10から所定の距離の領域内に存在している状態である。この場合は、スマートフォン20を携帯しているユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していると推測することができる。一方、通信が確立されない場合は、スマートフォン20を携帯しているユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していないと推測することができる。例えば、ユーザが外出中であると判断することができる。
【0052】
S142でNOの後のS128では、制御部28が、上記のS120で受信した状態情報に関する通知情報を通知しないことを決定する。この場合は、制御部28は、操作表示部22に通知情報を表示せずにリターンに進む。
【0053】
一方、S142でYESの後のS130では、制御部28が、上記のS120で受信した状態情報に関する通知情報を通知することを決定する。続くS132では、制御部28が、操作表示部22に通知情報を表示する。通知情報は、例えば、状態情報で示される洗濯機10の状態を説明する情報である。例えば、上記のS120で受信した状態情報が洗濯機10で洗濯運転が開始されたことを示す情報である場合は、制御部28は、「洗濯運転が開始されました。」というメッセージを操作表示部22に表示する(図7参照)。
【0054】
上記の構成によれば、例えばユーザが在宅中でスマートフォン20とLAN400との通信が確立される状況では、通知情報がスマートフォン20から通知されるようにすることができる。一方、ユーザが外出中でスマートフォン20とLAN400との通信が確立されない状況では、通知情報がスマートフォン20から通知されないようにすることができる。ユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる。
【0055】
上記の実施例3では、スマートフォン20とLAN400との通信が確立されるか否かに基づいて、洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係が推測されていたが、この構成に限定されるものではない。他の実施例では、スマートフォン20とLAN400との通信が確立されるか否かに基づいて、相対的な位置関係ではなく、ユーザの存在位置が推測される構成であってもよい。例えば、LAN400が設置されている場所が宅外の施設(例えば、ショッピングモール等)である場合に、スマートフォン20の制御部28は、スマートフォン20とLAN400との通信が確立された場合は、LAN400が設置されている施設にユーザが存在していると推測する。この場合は、制御部28は、通知情報を通知することを決定し、操作表示部22に通知情報を表示してもよい。一方、制御部28は、スマートフォン20とLAN400との通信が確立されない場合は、LAN400が設置されている施設にユーザが存在していないと推測する。この場合は、制御部28は、通知情報を通知しないことを決定してもよい。この構成によれば、ユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる。
【0056】
上記の実施例では、ユーザが持つスマートフォン20が、所定の場所に設置されたLAN400と通信接続が確立されたか否かに基づいてユーザの居場所を推測することを説明した。しかし、スマートフォン20とLAN400との接続が確立されないまでも、LAN400による通信電波をスマートフォン20が受信することをもって、そのスマートフォン20を持つユーザがその所定のLAN400の通信範囲内に居ることがわかる。本発明における「通信が確立されるか否か」とは、そのように現に通信接続が確立されている場合のみならず、通信接続が確立可能な状態を含む表現である。
【0057】
(実施例4)
実施例4の通知システム2では、洗濯機10とスマートフォン20とが通信可能に構成されていてもよい。洗濯機10とスマートフォン20とは、インターネット200を介さずに、近距離無線通信によって直接通信可能に構成されている。洗濯機10とスマートフォン20とは、例えば、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)に基づいて無線通信可能に構成されている。
【0058】
また、実施例4では、スマートフォン20の制御部28が、洗濯機10とスマートフォン20との通信が確立されるか否かに基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測してもよい。例えば、洗濯機10とスマートフォン20との通信が確立される場合は、スマートフォン20が家屋1内に存在しており、スマートフォン20が家屋1内に設置されている洗濯機10から所定の距離の領域内に存在している状況である。この場合は、スマートフォン20を携帯しているユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していると推測することができる。一方、洗濯機10とスマートフォン20との通信が確立されない場合は、スマートフォン20を携帯しているユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していないと推測することができる。この構成によれば、実施例3と同様にユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる。
【0059】
(実施例5)
実施例5の通知システム2では、洗濯機10の制御部16が、洗濯機10の操作部12が操作されたことに基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測してもよい。例えば、洗濯機10の操作部12が操作された場合は、制御部16は、ユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していると判断する。この場合は、制御部16は、ユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していることを示す所定の存在情報を送信部18から送信する。制御部16は、送信部18からインターネット200を介してスマートフォン20に存在情報を送信する。変形例では、制御部16は、送信部18からインターネット200を介さずにスマートフォン20に存在情報を直接送信してもよい。
【0060】
スマートフォン20の制御部28は、洗濯機10から送信された存在情報を受信部24から受信する。制御部28は、存在情報を受信してから所定の時間(例えば30秒)内に状態情報を受信部24から受信した場合は、受信した状態情報に関する通知情報を通知しないことを決定する。この場合は、制御部28は、状態情報に関する通知情報を操作表示部22に表示しない。
【0061】
一方、制御部28は、存在情報を受信してから所定の時間(例えば30秒)が経過した後に状態情報を受信部24から受信した場合は、受信した状態情報に関する通知情報を通知することを決定する。この場合は、制御部28は、操作表示部22に通知情報を表示する。
【0062】
上記の構成によれば、ユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していると推測される状況では、通知情報を通知しないようにすることができる。よって、ユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる。
【0063】
洗濯機10の制御部16が「推測手段」の一例である。制御部16は、家電機器としての洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測する。
【0064】
(実施例6)
実施例6の通知システム2では、洗濯機10の制御部16が、洗濯機10が配置されている位置から所定の距離の領域内の温度に関する温度情報に基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測してもよい。例えば、洗濯機10に温度センサ(不図示)が取り付けられていてもよい。温度センサは、洗濯機10から所定の距離の領域内の温度を検出し、その温度に関する温度情報を制御部16に送信する。制御部16は、温度センサから受信する温度情報に基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測する。例えば、制御部16は、受信する温度情報によって示される温度が人間の体温近傍の温度である場合は、ユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していると判断する。この場合は、制御部16は、存在情報をスマートフォン20に送信する。一方、制御部16は、温度情報によって示される温度が通常の気温の温度である場合は、ユーザが洗濯機10から所定の距離の領域内に存在していないと判断する。この構成によれば、実施例5と同様にユーザの状況に応じて不要な情報を通知しないようにすることができる。温度センサは、家電機器(例えば洗濯機10)が配置されている位置から所定の距離の領域内にユーザが存在することを検知可能なセンサの一例である。
【0065】
他の実施例では、上記の温度センサに代えて、例えば、赤外線センサやカメラ等が用いられてもよい。赤外線センサやカメラがセンサの他の一例である。赤外線センサの場合は、赤外線センサが受光した赤外線に関する情報が赤外線センサから制御部16に送信される。制御部16は、赤外線センサによる検知結果に基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測する。また、カメラの場合は、カメラが撮像した画像情報がカメラから制御部16に送信される。制御部16は、カメラによる撮像画像に基づいて洗濯機10とユーザとの相対的な位置関係を推測する。
【0066】
更に他の実施例では、例えば、レーザセンサ等の距離センサを用いて家電機器又は通知機器とユーザとの相対的な位置関係を実測してもよい。
【0067】
(その他の実施例)
(1)上記の実施例では、スマートフォン20の制御部28又は洗濯機10の制御部16が「推測手段」の一例であったが、この構成に限定されない。他の実施例では、クラウドサーバ100の制御部102が「推測手段」の一例であってもよい。即ち、通知システム2では、家電機器(例えば洗濯機10)が推測手段を備えていても、通知機器(例えばスマートフォン20)が推測手段を備えていても、サーバ(例えばクラウドサーバ100)が推測手段を備えていてもよい。また、外部機器(例えばテレビ30)が推測手段を備えていてもよい。家電機器又は通知機器が推測手段を備えている場合は、例えばインターネット200を介さずに情報処理を適切に行うことができる。例えば、家電機器と通知機器との間でWiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)に基づく通信を行うことによって、適切に情報処理を行うことができる。また、サーバが推測手段を備えている場合は、複数の機器間での情報処理を適切に行うことができる。
【0068】
(2)上記の実施例では、スマートフォン20の操作表示部22に表示される通知情報が洗濯機10の洗濯運転に関する情報であったが、通知情報の内容は限定されるものではない。例えば、通知情報は、洗濯機10の乾燥運転に関する情報であってもよい。また、例えば家電機器が冷蔵庫である場合は、通知情報が冷蔵庫の庫内の温度に関する情報であってもよい。また、通知情報は、ユーザに何らかの行動を促す内容であってもよい。例えば、通知情報は、「冷蔵庫のドアを閉めてください。」といった内容であってもよい。また、例えば家電機器がテレビである場合は、通知情報が視聴予約時間に関する情報であってもよい。例えば、通知情報は、「視聴予約時間になりました。」といった内容や、「視聴予約時間が近づきました。」といった内容であってもよい。また、例えば家電機器が電子レンジである場合は、通知情報は、「ドアが閉められていません。」といった内容であってもよい。また、ユーザが電子レンジの近傍に存在しないと推測される場合に、通知機器(スマートフォン20)から通知情報が通知されてもよい。
【0069】
(3)家電機器又は通知機器とユーザとの相対的な位置関係に関する所定の条件は特に限定されない。例えば、ユーザが家電機器を利用することができる位置にいると推測される場合は、所定の条件が満たされないと判断されてもよい。一方、ユーザが家電機器を利用することができる位置にいないと推測される場合は、所定の条件が満たされると判断されてもよい。例えば、家電機器がテレビであってユーザがテレビを視聴していると推測される場合は、所定の条件が満たされないと判断されてもよい。一方、ユーザがテレビを視聴していないと推測される場合は、所定の条件が満たされると判断されてもよい。或いは、ユーザが在宅中であると推測される場合は、所定の条件が満たされないと判断されてもよい。一方、ユーザが外出中であると推測される場合は、所定の条件が満たされると判断されてもよい。
【0070】
(4)上記の実施例では、家電機器(例えば、洗濯機10)とユーザとの相対的な位置関係として、ユーザが在宅か否かであることとし、その結果に基づき家電機器の状態情報を通知するか否かを判断することを説明してきた。しかし、本発明における家電機器とユーザとの相対的な位置関係としては、これに限られない。例えば、ユーザが勤務先に居る場合には家電機器の状態情報を通知しないようにし、ユーザが勤務先に居ない場合には家電機器の状態情報を通知するようにしてもよい。このような通知機能は、実行または不実行をユーザが選択できるようにするとよい。勤務先など宅外におけるユーザの居場所は、例えばユーザが持つ通知機器(例えば、スマートフォン20)からその通知機器の現在地を示す衛星測位情報を取得するなどの手段により把握することができる。
【0071】
(5)また、通知機器(例えば、スマートフォン20)がインターネット200を介してクラウドサーバ100や家電機器(例えば、洗濯機10)と通信接続されたとき、通知機器との通信相手となるクラウドサーバ100や家電機器は、通知機器が接続される基地局のIPアドレスなどの情報に基づいて、通知機器の現実の場所(例えば市町村名など)を示す情報を取得し得る。クラウドサーバ100や家電機器の制御部は、そのような態様で通知機器の現在位置の情報を取得できる場合は、その情報をもってユーザの居場所を推測するようにしてもよい。
【0072】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0073】
1:家屋、2:通知システム、10:洗濯機、20:スマートフォン、26:GPS受信機、30:テレビ、90:ルータ、100:クラウドサーバ、116:識別テーブル、126:家電位置情報、200:インターネット、300:GPS衛星
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9