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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231016BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20231016BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 350Z
G02F1/1333
H04N5/64 541J
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020010095
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021117332
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田畑 新二
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109407377(CN,A)
【文献】特開2005-062777(JP,A)
【文献】国際公開第2014/050138(WO,A1)
【文献】特開2012-181454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0168995(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/1333
H04N 5/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に画像を表示する表示パネルが設置された表示モジュールと、
前記表示モジュールの側面を覆う側壁と後面とを覆う後壁とを備えた筐体と、
前記表示パネルの前側に前記表示パネルと所定の間隔を隔てて設置される透明保護板と、
内部に乾燥剤を設置する乾燥剤設置室と、
前記筐体の内部に形成された通気路と
を備え、
前記透明保護板と前記表示パネルとの間には内部空間が形成され、
前記乾燥剤設置室は、前記筐体の後壁の外側に設けられ、
前記通気路は、前記表示パネルよりも前側に位置する前記内部空間から、前記内部空間よりも後側に位置する前記乾燥剤設置室に対して、前記表示パネルと前記筐体の側壁との間を、前記筐体の後壁に設けられた孔を通じて連通する、表示装置。
【請求項2】
前記透明保護板と前記表示モジュールとの間に、スペーサ、及び前記スペーサが存在しない通気路設置空間を有しており、
前記通気路は、前記通気路設置空間に形成される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記筐体の後壁は、前記筐体の後壁の一部が前側に向けて窪んだ窪み部を有しており、
前記乾燥剤設置室は、前記窪み部に設置される、請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記乾燥剤設置室の最も後側の部位は、前記筐体の後壁の最も後側の部位に対して、前後方向において前側又は同じ場所に位置する、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記乾燥剤設置室は、内部に乾燥剤が入れられた乾燥剤設置箱であり、
前記筐体の後壁の外側に前記乾燥剤設置箱を着脱可能に取り付ける乾燥剤設置箱取り付け機構を備える、請求項から請求項のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前面に画像を表示する表示パネルが設置された表示モジュールと、
前記表示モジュールの側面を覆う側壁と後面とを覆う後壁とを備えた筐体と、
前記表示パネルの前側に前記表示パネルと所定の間隔を隔てて設置される透明保護板と、
内部に乾燥剤を設置する乾燥剤設置室と、
前記筐体の内部に形成された通気路と
を備え、
前記透明保護板と前記表示パネルとの間には内部空間が形成され、
前記通気路は、前記表示パネルよりも前側に位置する前記内部空間から、前記内部空間よりも後側に位置する前記乾燥剤設置室に対して、前記表示パネルと前記筐体の側壁との間を通じて連通し、
前記乾燥剤設置室は、前記筐体の内部における前記表示モジュールと前記筐体の後壁との間に設けられる、表示装置。
【請求項7】
前記乾燥剤設置室は、内部に乾燥剤が入れられた乾燥剤設置箱であり、
前記筐体の一部が開口した状態で前記乾燥剤設置箱が着脱可能なように、前記筐体の内部に前記乾燥剤設置箱を取り付ける乾燥剤設置箱取り付け機構を備える、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記筐体の一部が開口した状態で、前記乾燥剤設置室の内部の乾燥剤を交換可能である、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前面に画像を表示する表示パネルが設置された表示モジュールと、
前記表示モジュールの側面を覆う側壁と後面とを覆う後壁とを備えた筐体と、
前記表示パネルの前側に前記表示パネルと所定の間隔を隔てて設置される透明保護板と、
内部に乾燥剤を設置する乾燥剤設置室と、
前記筐体の内部に形成された通気路と
を備え、
前記透明保護板と前記表示パネルとの間には内部空間が形成され、
前記通気路は、前記表示パネルよりも前側に位置する前記内部空間から、前記内部空間よりも後側に位置する前記乾燥剤設置室に対して、前記表示パネルと前記筐体の側壁との間を通じて連通し、
前記乾燥剤設置室は、前記筐体の内部における前記表示モジュールと前記筐体の側壁との間に設けられ、
前記乾燥剤設置室は、内部に乾燥剤が入れられた乾燥剤設置箱であり、
前記筐体の一部が開口した状態で前記乾燥剤設置箱が着脱可能なように、前記筐体の内部に前記乾燥剤設置箱を取り付ける乾燥剤設置箱取り付け機構を備える、表示装置。
【請求項10】
前面に画像を表示する表示パネルが設置された表示モジュールと、
前記表示モジュールの側面を覆う側壁と後面とを覆う後壁とを備えた筐体と、
前記表示パネルの前側に前記表示パネルと所定の間隔を隔てて設置される透明保護板と、
内部に乾燥剤を設置する乾燥剤設置室と、
前記筐体の内部に形成された通気路と
を備え、
前記透明保護板と前記表示パネルとの間には内部空間が形成され、
前記通気路は、前記表示パネルよりも前側に位置する前記内部空間から、前記内部空間よりも後側に位置する前記乾燥剤設置室に対して、前記表示パネルと前記筐体の側壁との間を通じて連通し、
前記乾燥剤設置室は、前記筐体の内部における前記表示モジュールと前記筐体の側壁との間に設けられ、
前記筐体の一部が開口した状態で、前記乾燥剤設置室の内部の乾燥剤を交換可能である、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイパネルの前面にカバーガラスが設置された表示装置が記載されている。ディスプレイパネルとカバーガラスとの間にはスペーサが設置され、スペーサの内部には乾燥剤が配置される。乾燥剤は、ディスプレイパネルとカバーガラスとの間の空間で生じた湿気を吸収する。
【0003】
ディスプレイパネルとカバーガラスとの間隔は、狭い方が好ましい。理由は、ディスプレイパネルとカバーガラスとの間隔が広くなると、ディスプレイパネルに表示される画像の画質が低下し、また、ディスプレイパネルがタッチパネルとして機能する場合、タッチしたポイントがずれる等してタッチ精度が低下するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開番号WO2014-050138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の表示装置において、ディスプレイパネル(表示パネル)とカバーガラス(透明保護板)との間隔を狭くすると、スペーサの寸法がディスプレイパネルとカバーガラスとの間隔に合わせて小さくなる。その結果、スペーサの内部に配置される乾燥剤の量が少なくなるので、ディスプレイパネルとカバーガラスとの間の空間で生じた湿気を効果的に吸収できない可能性があった。
【0006】
本発明は、表示パネルと透明保護板との間の内部空間で生じた湿気を乾燥剤により効果的に吸収できる表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の局面によれば、表示装置は、表示モジュールと、筐体と、透明保護板と、乾燥剤設置室と、通気路とを備える。表示モジュールには、前面に画像を表示する表示パネルが設置される。筐体は、前記表示モジュールの側面を覆う側壁と後面とを覆う後壁とを備える。透明保護板は、前記表示パネルの前側に前記表示パネルと所定の間隔を隔てて設置される。乾燥剤設置室は、内部に乾燥剤を設置する。通気路は、前記筐体の内部に形成される。前記透明保護板と前記表示パネルとの間には内部空間が形成される。前記通気路は、前記表示パネルよりも前側に位置する前記内部空間から、前記内部空間よりも後側に位置する前記乾燥剤設置室に対して、前記表示パネルと前記筐体の側壁との間を通じて連通する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示パネルと透明保護板との間の内部空間で生じた湿気を乾燥剤により効果的に吸収できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2】表示装置の断面図である。
図3】乾燥剤設置箱の斜視図である。
図4】通気路確保部の分解斜視図である。
図5】乾燥剤設置箱の設置構造を示す分解斜視図である。
図6】乾燥剤設置箱の設置構造を示す斜視図である。
図7】乾燥剤設置箱の断面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る表示装置の模式図である。
図9】乾燥剤設置箱が筐体から取り外された状態を示す図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る表示装置の模式図である。
図11】本発明の第4実施形態に係る表示装置の模式図である。
図12】本発明の第5実施形態に係る表示装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る表示装置100について説明する。図1は、表示装置100の斜視図である。図2は、表示装置100の断面図である。表示装置100は、例えば、テレビ受像機、インフォメーションディスプレイ、又は電子黒板である。
【0012】
図1及び図2に示すように、表示装置100は、筐体1と、表示モジュール2と、透明保護板4と、乾燥剤設置箱6と、通気路Rとを備える。
【0013】
筐体1は、透明保護板4との間に表示モジュール2を収容する。筐体1は、例えば、金属又は樹脂により形成される。筐体1は、後壁11と、側壁12とを含む。後壁11は、表示モジュール2の後側に位置し、表示モジュール2の後面を覆う。側壁12は、前後が開口した、略矩形の環状に形成される。側壁12は、表示モジュール2を上下左右から囲むように形成され、表示モジュール2の側面(上面、下面、左面、及び右面)を覆う。側壁12の前部には透明保護板4が設置される。側壁12の後部には後壁11が設置される。
【0014】
表示モジュール2は、画像を表示する表示パネル21を備える。表示パネル21は、例えば、液晶パネルを含む。表示パネル21は、表示モジュール2の前面に設けられる。表示モジュール2は、バックライトをさらに備え、バックライトからの光を表示パネル21に照射することで、表示パネル21に画像を表示させる。なお、表示パネル21にタッチセンサが設けられることで、表示パネル21がタッチパネルとして機能してもよい。表示モジュール2は、筐体1に固定される。
【0015】
透明保護板4は、表示パネル21を保護する。透明保護板4は、例えば、ガラスにより形成される透明な部材である。透明保護板4は、略矩形状に形成される。透明保護板4は、筐体1に固定される。透明保護板4は、表示パネル21の前側に設置され、表示パネル21を前方から覆う。透明保護板4は、表示パネル21との間に前後方向に間隔を空けて設置される。透明保護板4と表示パネル21との間には、内部空間S1が形成される。
【0016】
乾燥剤設置箱6は、筐体1の内部に設置される。乾燥剤設置箱6の内部64には、乾燥剤Xが設置される(図7参照)。筐体1の内部は、後壁11と、側壁12とで囲まれた空間を示す。乾燥剤Xは、例えば、シリカゲルを含む。乾燥剤設置箱6は、本発明の乾燥剤設置室の第1例である。
【0017】
通気路Rは、筐体1の内部に形成される空所である。通気路Rは、表示パネル21よりも前側に位置する内部空間S1と、内部空間S1よりも後側に位置する乾燥剤設置箱6の内部64とを連通する。通気路Rは、表示パネル21と筐体1の側壁12との間を通じて、内部空間S1と乾燥剤設置箱6とを連通する。
【0018】
次に、図3及び図7を参照して、乾燥剤設置箱6について説明する。図3は、乾燥剤設置箱6の斜視図である。図7は、乾燥剤設置箱6の断面図である。
【0019】
図3及び図7に示すように、乾燥剤設置箱6は、中空の部材である。乾燥剤設置箱6は、開口部6bを含む。開口部6bは、乾燥剤設置箱6の内部64と外部とを連通する。
【0020】
表示装置100は、シール部材63をさらに備える。シール部材63は、乾燥剤設置箱6と通気路Rとの間の密閉性を確保する。シール部材63は、弾性変形する。シール部材63は、例えば、ゴム製の部材である。シール部材63は、シール部材63を貫通する貫通孔62を含む。貫通孔62は、乾燥剤設置箱6の開口部6bと対向配置されることで、乾燥剤設置箱6の内部64と連通している。
【0021】
次に、図4及び図7を参照して、通気路確保部7について説明する。図4は、通気路確保部7の分解斜視図である。
【0022】
図4及び図7に示すように、表示装置100は、通気路確保部7をさらに備える。通気路確保部7は、表示モジュール2と透明保護板4との間に、通気路Rを形成するための空間を確保する。通気路確保部7は、例えば、樹脂又は金属により形成される。通気路確保部7は、第1板部71と、第2板部72と、介在部73と、開口部74aとを含む。第1板部71及び第2板部72は、略板状の部材である。第1板部71と第2板部72とは、互いに対向配置される。第2板部72は、第2板部72を貫通する貫通孔72aを含む。介在部73は、第1板部71の一部と、第2板部72の一部との間に介在することで、第1板部71と第2板部72との間に隙間74を形成する。
【0023】
貫通孔72a及び開口部74aは、隙間74と通気路確保部7の外部とを連通する。開口部74a、隙間74、及び貫通孔72aは、通気路Rの一部を形成する。
【0024】
次に、図5を参照して、表示装置100についてさらに説明する。図5は、乾燥剤設置箱6の設置構造を示す分解斜視図である。
【0025】
図5に示すように、表示装置100は、ブラケット5をさらに備える。ブラケット5は、筐体1の側壁12に乾燥剤設置箱6を固定するための部材である。ブラケット5は、例えば、金属により形成される。ブラケット5は、筐体1の内部に設置される。ブラケット5は、第1部分5aと、第1部分5aから略垂直に突出する第2部分5bとを含む。第1部分5a及び第2部分5bは、略板状に形成される。第1部分5aは、側壁12の内面に沿うように設置される。第2部分5bは、第2部分5bを貫通する貫通孔5cを含む。
【0026】
表示装置100は、スペーサ8aと、クッション部材8bとをさらに備える。スペーサ8aは、透明保護板4と表示パネル21との間に隙間(内部空間S1)を形成するための部材である。スペーサ8aは、例えば、金属又は樹脂により形成される。クッション部材8bは、筐体1に表示モジュール2が装着される際、表示モジュール2に接触して弾性変形する。クッション部材8bは、例えば、ゴム製の部材である。
【0027】
次に、図5図7を参照して、乾燥剤設置箱6の設置構造について説明する。図6は、乾燥剤設置箱6の設置構造を示す斜視図である。
【0028】
図5図7に示すように、スペーサ8a及びクッション部材8bは、透明保護板4の後面の縁部に沿うように設置される。
【0029】
透明保護板4の後面の縁部には、スペーサ8a及びクッション部材8bが存在しない通気路設置空間S2が形成される。通気路設置空間S2には、通気路確保部7が設置される。
【0030】
通気路確保部7の第1板部71は、側壁12の内面に沿うように設置される。通気路確保部7の第2板部72は、第1板部71の後側に設置される。第2板部72の貫通孔72aは、後ろ向きに開口する。通気路確保部7の開口部74aは、内部空間S1と対向することで、内部空間S1と連通している。
【0031】
通気路確保部7の後側には、ブラケット5が設置される。通気路確保部7の貫通孔72aは、ブラケット5の貫通孔5cと対向することで、貫通孔5cと連通している。
【0032】
ブラケット5の第2部分5bの後側には、シール部材63が設置される。ブラケット5の貫通孔72aは、シール部材63の貫通孔62と対向することで、貫通孔5cと連通している。
【0033】
シール部材63の後側には、乾燥剤設置箱6が設置される。乾燥剤設置箱6は、ブラケット5の第1部分5a及び第2部分5bの各々に沿うように設置される。乾燥剤設置箱6は、ねじGのような締結部材により、ブラケット5を介して筐体1の側壁12に固定される。
【0034】
次に、図7を参照して、通気路Rについて説明する。
【0035】
図7に示すように、通気路Rは、通気路確保部7の開口部74a、隙間74、貫通孔72a、ブラケット5の貫通孔5c、シール部材63の貫通孔62、及び乾燥剤設置箱6の開口部6bに亘って形成される。これにより、内部空間S1と乾燥剤設置箱6の内部64とが、通気路Rを介して連通される。その結果、内部空間S1で生じた湿気を、通気路Rを通じて乾燥剤設置箱6の内部64に供給して、乾燥剤Xにより吸収することができる。
【0036】
以上、図1図7を参照して説明したように、通気路Rは、表示パネル21よりも前側に位置する内部空間S1から、内部空間S1よりも後側に位置する乾燥剤設置箱6に対して、表示パネル21と筐体1の側壁12との間を通じて連通する。これにより、乾燥剤設置箱6を、表示パネル21と透明保護板4との間の領域(内部空間S1)から離間した場所に配置できるので、乾燥剤設置箱6の寸法が表示パネル21と透明保護板4との間隔の広さに応じた制限を受けることを防止できる。これによると、表示パネル21と透明保護板4との間隔を狭くしつつ、乾燥剤設置箱6の寸法を効果的に確保できる。その結果、乾燥剤設置箱6の内部64に配置される乾燥剤Xの量が低減することを抑制できるので、内部空間S1で生じた湿気を乾燥剤Xにより効果的に吸収できる。
【0037】
また、表示パネル21と透明保護板4との間隔を狭くできるので、表示パネル21に表示される画像の画質が低下することを抑制でき、かつ、表示パネル21がタッチパネルとして機能する場合、タッチ精度が低下することを抑制できる。
【0038】
[第2実施形態]
図8及び図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る表示装置100について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る表示装置100の模式図である。図9は、乾燥剤設置箱6が筐体1から取り外された状態を示す図である。
【0039】
図8に示すように、乾燥剤設置箱6は、筐体1の外部に設けられる。具体的には、乾燥剤設置箱6は、筐体1の後壁11の外側に設けられる。
【0040】
後壁11には、後壁11を貫通する孔11aが形成される。通気路Rは、孔11aを通じて乾燥剤設置箱6の内部64に連通する。
【0041】
表示装置100は、乾燥剤設置箱取り付け機構9aをさらに備える。乾燥剤設置箱取り付け機構9aは、筐体1の後壁11の外側に乾燥剤設置箱6を着脱可能に取り付けるための機構である。乾燥剤設置箱取り付け機構9aにより乾燥剤設置箱6が後壁11の外側に取り付けられることで、乾燥剤設置箱6の内部64と通気路Rとが連通し、乾燥剤設置箱6が取り外されることで、乾燥剤設置箱6の内部64と通気路Rと連通が解除される。乾燥剤設置箱取り付け機構9aの構成は特に限定されない。
【0042】
図8及び図9に示すように、乾燥剤設置箱取り付け機構9aは、例えば、乾燥剤設置箱6を後壁11の外面に取り付けるためのブラケットと、乾燥剤設置箱6及び後壁11の各々をブラケットに締結するためのねじとで構成される。乾燥剤設置箱6が乾燥剤設置箱取り付け機構9aにより後壁11の外側に取り付けられる際、乾燥剤設置箱6の開口部6bを閉塞する保護シールZが開口部6bから取り外された後、開口部6bに通気路Rが係合される。そして、ブラケットに対して、乾燥剤設置箱6及び後壁11の各々がねじにより締結されることで、後壁11の外側に乾燥剤設置箱6が取り付けられる。また、乾燥剤設置箱6が後壁11に取り付けられた状態から、ブラケットに対して乾燥剤設置箱6及び後壁11の各々を締結しているねじが外されることで、後壁11から乾燥剤設置箱6が取り外される。
【0043】
また、乾燥剤設置箱取り付け機構9aは、乾燥剤設置箱6及び後壁11のうちの一方に設けられる爪部と、乾燥剤設置箱6及び後壁11のうちの他方に設けられ、爪部と係合する係合部とで構成されてもよい。この場合、爪部が係合部に係合されることで、後壁11の外側に乾燥剤設置箱6が取り付けられ、爪部と係合部との係合が解除されることで、後壁11から乾燥剤設置箱6が取り外される。
【0044】
[第3実施形態]
図10を参照して、本発明の第3実施形態に係る表示装置100について説明する。図10は、本発明の第3実施形態に係る表示装置100の模式図である。
【0045】
図10に示すように、筐体1の後壁11は、筐体1の後壁11の一部が前側に向けて窪んだ窪み部11bを有する。窪み部11bには、孔11aが形成される。乾燥剤設置箱6は、窪み部11bに設置される。乾燥剤設置箱6は、窪み部11bに設置された状態で、通気路Rと連通するように、乾燥剤設置箱取り付け機構9aにより窪み部11bに取り付けられる。その結果、筐体1から乾燥剤設置箱6が出っ張ることを抑制できるので、表示装置100をコンパクトに構成できる。
【0046】
なお、乾燥剤設置箱6が窪み部11bに設置された状態で、乾燥剤設置箱6の最も後側の部位61aは、筐体1の後壁11の最も後側の部位11dに対して、前後方向において前側又は同じ場所に位置していてもよい(図10参照)。その結果、乾燥剤設置箱6が窪み部11bに設置された状態で、乾燥剤設置箱6の全体を窪み部11bに収容できるので、表示装置100をよりコンパクトに構成できる。
【0047】
[第4実施形態]
図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る表示装置100について説明する。図11は、本発明の第4実施形態に係る表示装置100の模式図である。
【0048】
図11に示すように、乾燥剤設置箱6は、筐体1の内部における表示モジュール2と側壁12との間に設けられる。その結果、筐体1の内部において、表示モジュール2と側壁12との間に存在するスペースを利用して、乾燥剤設置箱6の設置場所を効果的に確保することができる。
【0049】
[第5実施形態]
図12を参照して、本発明の第5実施形態に係る表示装置100について説明する。図12は、本発明の第5実施形態に係る表示装置100の模式図である。
【0050】
図12に示すように、乾燥剤設置箱6は、筐体1の内部における表示モジュール2と後壁11との間に設けられる。その結果、筐体1の内部において、表示モジュール2と後壁11との間に存在するスペースを利用して、乾燥剤設置箱6の設置場所を効果的に確保することができる。
【0051】
表示装置100は、乾燥剤設置箱取り付け機構9bをさらに備える。乾燥剤設置箱取り付け機構9bは、筐体1の内部(内面)に乾燥剤設置箱6を着脱可能に取り付けるための機構である。乾燥剤設置箱取り付け機構9bにより乾燥剤設置箱6が筐体1の内部に取り付けられることで、乾燥剤設置箱6の内部64と通気路Rとが連通し、乾燥剤設置箱6が取り外されることで、乾燥剤設置箱6の内部64と通気路Rと連通が解除される。
【0052】
乾燥剤設置箱取り付け機構9bの構成は特に限定されない。乾燥剤設置箱取り付け機構9bは、例えば、乾燥剤設置箱6を筐体1の内面に取り付けるためのブラケットと、乾燥剤設置箱6及び筐体1の内面の各々をブラケットに締結するためのねじとで構成される。なお、乾燥剤設置箱取り付け機構9bは、乾燥剤設置箱6及び筐体1の内面のうちの一方に設けられる爪部と、乾燥剤設置箱6及び筐体1の内面のうちの他方に設けられ、爪部と係合する係合部とで構成されてもよい。
【0053】
筐体1は、後壁11を貫通し、筐体1の内部と外部とを連通する開口11cと、開口11cを開閉する蓋11eとを含む。蓋11eは、筐体1に着脱可能に取り付けられる着脱式の蓋である。なお、蓋11eは、筐体1に回転可能に取り付けられる回転式の蓋でもよく、又は、筐体1にスライド可能に取り付けられるスライド式の蓋でもよい。
【0054】
第5実施形態の表示装置100においては、開口11cが開いた状態(筐体1の一部が開口した状態)で、乾燥剤設置箱取り付け機構9bにより、筐体1の内部に乾燥剤設置箱6を着脱できる。その結果、乾燥剤設置箱6の着脱を容易に行うことができる。
【0055】
乾燥剤設置箱6は、乾燥剤設置箱6の内部64と外部とを連通する開口61cと、開口61を開閉する蓋61bとを含む。蓋61bは、乾燥剤設置箱6に着脱可能に取り付けられる着脱式の蓋である。なお、蓋61bは、乾燥剤設置箱6に回転可能に取り付けられる回転式の蓋でもよく、又は、乾燥剤設置箱6にスライド可能に取り付けられるスライド式の蓋でもよい。
【0056】
第5実施形態の表示装置100においては、筐体1の開口11cが開いた状態で、乾燥剤設置箱6の開口61を介して、乾燥剤設置箱6の内部64の乾燥剤Xを交換できる。その結果、乾燥剤設置箱6の内部64の乾燥剤Xを容易に交換できる。
【0057】
以上、図面(図1図12)を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、(1)~(4))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
(1)第1実施形態~第5実施形態において、乾燥剤Xを収容する乾燥剤設置室として、乾燥剤設置箱6が用いられる。しかし、本発明は、これに限定されない。乾燥剤設置室は、乾燥剤設置箱6のような乾燥剤Xの設置用に設けられた箱状の部材ではなくてもよい。乾燥剤設置室は、例えば、筐体1の内部に設置される各種部材間に形成された隙間でもよい。その結果、乾燥剤設置箱6のような専用の部材を設ける必要がないので、表示装置100の構成を簡素化できる。
【0059】
(2)第1実施形態~第4実施形態の乾燥剤設置箱6において、第5実施形態の乾燥剤設置箱6(図12参照)と同様に、開口61と蓋61bとを設けてもよい。その結果、乾燥剤Xの交換を容易に行うことができる。
【0060】
(3)第1実施形態~第5実施形態において、通気路Rは、ダクトのような管状の部材を用いて形成してもよく、又は、筐体1の内部に設置される各種部材間に形成される隙間を通気路Rとして活用してもよい。
【0061】
(4)内部空間S1で生じた湿気は、内部空間S1のような比較的狭い空間内では、表示装置100の内部で生じた熱の流れにのって上昇しやすい。これにより、第1実施形態~第5実施形態において、通気路Rが内部空間S1の上部に連通するので、内部空間S1で生じた湿気を通気路Rに効果的に供給することができる。その結果、内部空間S1で生じた湿気を、乾燥剤Xによってより効果的に吸収することができる。
【0062】
なお、内部空間S1のうち通気路Rが連通する場所は、特に限定されない。その結果、通気路Rの設計の自由度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、表示装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 筐体
2 表示モジュール
4 透明保護板
6 乾燥剤設置箱
21 表示パネル
100 表示装置
R 通気路
S1 内部空間
図1
図2
図3
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図12