(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231016BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20231016BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20231016BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20231016BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20231016BHJP
G09G 3/34 20060101ALI20231016BHJP
G09G 3/38 20060101ALI20231016BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20231016BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
G09F9/30 337
G09F9/00 308Z
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/33
G09G3/20 621M
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/20 680H
G09G3/3233
G09G3/34 C
G09G3/38
H01L29/78 612C
H01L29/78 626C
(21)【出願番号】P 2020020754
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅延
(72)【発明者】
【氏名】金谷 康弘
(72)【発明者】
【氏名】佐野 匠
(72)【発明者】
【氏名】川田 靖
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0027945(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0020273(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0040677(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109742119(CN,A)
【文献】特表2018-532250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0211471(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0046221(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0263256(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0111481(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0299362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H01L21/336
29/76
29/772
29/78
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H05K1/00-1/02
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1島状部と、2つの前記第1島状部を繋ぐ複数の非直線状の線部と、を有する絶縁基材と、
前記複数の第1島状部にそれぞれ配置された発光素子と、
前記複数の第1島状部にそれぞれ配置され、前記発光素子を駆動する画素回路と、
前記複数の線部にそれぞれ配置され、前記線部が繋ぐ2つの前記第1島状部の前記画素回路に接続された複数の配線と、
を備え
、
前記複数の第1島状部は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に並び、
前記複数の線部は、前記第1方向に並ぶ前記第1島状部を繋ぐ第1線部と、前記第2方向に並ぶ前記第1島状部を繋ぐ第2線部と、を含み、
前記複数の配線は、前記第1線部に配置された第1配線と、前記第2線部に配置された第2配線と、を含み、
前記画素回路に接続されていないダミー配線が前記第1線部に配置され、
1つの前記第1線部に配置される前記第1配線および前記ダミー配線の数の和が、1つの前記第2線部に配置される前記第2配線の数と同じである、表示装置。
【請求項2】
1つの前記線部において複数の前記配線が同層かつ平行に配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1島状部において前記第1配線と異なる層の配線に前記第1配線を接続するコンタクトホールをさらに備える、
請求項
1または
2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1線部において前記第1配線が形成される層と、前記第2線部において前記第2配線が形成される層が同じである、
請求項
1乃至
3のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記絶縁基材は、前記線部を介して前記第1島状部と繋がった複数の第2島状部をさらに有し、
前記表示装置は、前記複数の第2島状部にそれぞれ配置され、前記画素回路を駆動するための信号を前記配線に供給する複数の駆動回路をさらに備える、
請求項1乃至
4のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記複数の線部は、一端が前記第2島状部に繋がり前記表示装置の端部に向けて延びる線部を含み、当該線部にも前記配線が配置されている、
請求項
5に記載の表示装置。
【請求項7】
1つの前記第1島状部には、複数の副画素に対応する複数の前記発光素子および複数の前記画素回路が配置されている、
請求項1乃至
6のうちいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
複数の第1島状部と、2つの前記第1島状部を繋ぐ複数の非直線状の線部と、を有する絶縁基材と、
前記複数の第1島状部にそれぞれ配置された発光素子と、
前記複数の第1島状部にそれぞれ配置され、前記発光素子を駆動する画素回路と、
前記複数の線部にそれぞれ配置され、前記線部が繋ぐ2つの前記第1島状部の前記画素回路に接続された複数の配線と、
を備え、
前記第1島状部には、前記画素回路を含む集積回路が実装されている
、表示装置。
【請求項9】
1つの前記線部において複数の前記配線が同層かつ平行に配置されている、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記絶縁基材は、前記線部を介して前記第1島状部と繋がった複数の第2島状部をさらに有し、
前記表示装置は、前記複数の第2島状部にそれぞれ配置され、前記画素回路を駆動するための信号を前記配線に供給する複数の駆動回路をさらに備える、
請求項8または9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂基板に表示素子を配置したフレキシブルな表示装置が開発されている。この種の表示装置においては画面を曲げることができるために、新たな電子機器のデザインや表示装置の用途を実現できる。
【0003】
一方、従来のフレキシブルな表示装置は伸縮性を有していないために、例えば球面状やその他の3次元曲面に変形させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2017/0068318号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、伸縮性を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、絶縁基材と、発光素子と、画素回路と、配線とを備えている。前記絶縁基材は、複数の第1島状部と、2つの前記第1島状部を繋ぐ複数の非直線状の線部と、を有している。前記発光素子は、前記複数の第1島状部にそれぞれ配置されている。前記画素回路は、前記複数の第1島状部にそれぞれ配置され、前記発光素子を駆動する。前記配線は、前記複数の線部にそれぞれ配置され、前記線部が繋ぐ2つの前記第1島状部の前記画素回路に接続されている。前記複数の第1島状部は、第1方向および前記第1方向と交差する第2方向に並んでいる。前記複数の線部は、前記第1方向に並ぶ前記第1島状部を繋ぐ第1線部と、前記第2方向に並ぶ前記第1島状部を繋ぐ第2線部と、を含む。前記複数の配線は、前記第1線部に配置された第1配線と、前記第2線部に配置された第2配線と、を含む。前記画素回路に接続されていないダミー配線が前記第1線部に配置されている。さらに、1つの前記第1線部に配置される前記第1配線および前記ダミー配線の数の和が、1つの前記第2線部に配置される前記第2配線の数と同じである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る表示装置の概略的な斜視図である。
【
図2】
図2は、上記表示装置が備える表示パネルの概略的な回路図である。
【
図3】
図3は、上記表示パネルが備える絶縁基材の一部を拡大して示す概略的な平面図である。
【
図4】
図4は、上記表示パネルが備える副画素の等価回路の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、上記表示パネルの概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、上記表示パネルの線部を含む部分の概略的な断面図である。
【
図7】
図7は、上記画素に含まれる要素の一部の概略的な平面図である。
【
図8】
図8は、上記画素に含まれる他の要素の概略的な平面図である。
【
図9】
図9は、上記表示パネルの非表示領域における絶縁基材の一部を拡大して示す概略的な平面図である。
【
図10】
図10は、上記表示パネルが備える走査ドライバの構造の一例を示す概略的な平面図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る副画素の等価回路の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る表示パネルの概略的な断面図である。
【
図13】
図13は、上記表示パネルが備える画素に含まれる要素の概略的な平面図である。
【
図14】
図14は、上記画素に含まれる他の要素の概略的な平面図である。
【
図15】
図15は、上記画素に含まれるさらに他の要素の概略的な平面図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態に係る画素の概略的な平面図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係る画素の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一または類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一または類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
各実施形態においては一例として、LED(発光ダイオード)素子を備える自発光型の表示装置を開示する。ただし、各実施形態は、他種の表示装置に対する、各実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。
【0010】
例えば、各実施形態にて開示する構成の少なくとも一部は、有機エレクトロルミネッセンス素子を備える表示装置、電気泳動素子を有する電子ペーパ型の表示装置、Micro Electro Mechanical System(MEMS)を応用した表示装置、或いはエレクトロクロミズムを応用した表示装置等にも適用可能である。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る表示装置1の概略的な斜視図である。以下の説明においては、図示したように第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zを定義する。これら方向X,Y,Zは互いに直交しているが、90°以外の角度で交わってもよい。本実施形態においては、第3方向Zに沿って表示装置1やその構成要素を見ることを平面視と呼ぶ。また、第3方向Zを上と呼び、第3方向Zの反対方向を下と呼ぶことがある。
【0012】
表示装置1は、表示パネル2と、第1回路基板3と、第2回路基板4と、コントローラ5とを備えている。
図1の例において、表示パネル2は、第1方向Xと平行な短辺EXと、第2方向Yと平行な長辺EYとを有した矩形状である。第3方向Zは、表示パネル2の厚さ方向に相当する。
【0013】
表示パネル2は、画像を表示する表示領域DAと、表示領域DAの周りの非表示領域NDA(周辺領域)とを有している。非表示領域NDAは、短辺EXに沿う端子領域MTを含む。本実施形態においては表示領域DAが矩形状であるが、表示領域DAが他の形状であってもよい。表示領域DAには、第1方向Xおよび第2方向Yにおいてマトリクス状に並ぶ複数の画素PXが配置されている。
【0014】
第1回路基板3は、端子領域MTの上に実装され、表示パネル2と電気的に接続されている。第2回路基板4は、第1回路基板3と電気的に接続されている。第1回路基板3は、例えばフレキシブル回路基板(FPC)である。第2回路基板4は、例えばプリント回路基板(PCB)である。コントローラ5は、例えば集積回路(IC)である。
図1の例においては、第1回路基板3の上にコントローラ5が実装されている。ただし、コントローラ5は、第1回路基板3の下や非表示領域NDA、または第2回路基板4に実装されてもよい。
【0015】
コントローラ5は、例えば第2回路基板4を介して制御基板(図示せず)と接続されている。コントローラ5は、制御基板から出力される映像信号に基づいて複数の画素PXを駆動する。
【0016】
図2は、本実施形態に係る表示パネル2の概略的な回路図である。表示パネル2は、非表示領域NDAにおいて、映像ドライバXDRと、第1走査ドライバYDR1と、第2走査ドライバYDR2とを備えている。映像ドライバXDRは、第1方向Xに延びている。走査ドライバYDR1,YDR2は、第2方向Yに延びている。表示領域DAは、走査ドライバYDR1,YDR2の間に位置している。
【0017】
表示パネル2は、複数種類の配線を備えている。これら配線は、複数の第1走査線Sgaと、複数の第2走査線Sgbと、複数の第3走査線Sgcと、複数の第4走査線Sgdと、複数の映像信号線VLと、複数の第1電源線SLaと、複数の第2電源線SLbと、複数のリセット配線Sgrと、複数の初期化配線Sgiとを含む。
【0018】
走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdは、第1方向Xに延びており、走査ドライバYDR1,YDR2に接続されている。例えば、第2方向Yに並ぶ画素PXのうち、偶数番目の画素PXを駆動するための走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdが第1走査ドライバYDR1に接続され、奇数番目の画素PXを駆動するための走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdが第2走査ドライバYDR2に接続されている。他の例として、例えば走査線Sga,Sgbが全て第1走査ドライバYDR1に接続されるとともに走査線Sgc,Sgdが全て第2走査ドライバYDR2に接続されるなど、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdのいずれかが第1走査ドライバYDR1に接続され、残りが第2走査ドライバYDR2に接続されてもよい。
【0019】
映像信号線VL、第1電源線SLa、第2電源線SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiは、第2方向Yに延びている。映像信号線VLは、映像ドライバXDRに接続されている。第1電源線SLaには、コントローラ5から高電位Pvddが供給される。第2電源線SLbには、コントローラ5から高電位Pvddよりも低い低電位Pvssが供給される。リセット配線Sgrには、コントローラ5からリセット電位Vrstが供給される。初期化配線Sgiには、コントローラ5から初期化電位Viniが供給される。
【0020】
コントローラ5は、走査ドライバYDR1,YDR2にスタートパルス信号STVやクロック信号CKVも出力する。走査ドライバYDR1,YDR2は複数のシフトレジスタ回路を含んでおり、クロック信号CKVに応じてスタートパルス信号STVを次段のシフトレジスタ回路に順次転送し、各走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdに走査信号を順次供給する。
【0021】
表示パネル2は、フレキシブルな絶縁基材20を備えている。
図2に示す映像ドライバXDR、走査ドライバYDR1,YDR2、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgd、映像信号線VL、電源線SLa,SLb、リセット配線Sgr、初期化配線Sgiおよび画素PX等は、絶縁基材20の上に配置される。
【0022】
図3は、絶縁基材20の一部を拡大して示す概略的な平面図である。絶縁基材20は、複数の島状部21を有している。島状部21は、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリクス状に配置されている。
図3の例においては島状部21が正方形であるが、島状部21は長方形、ひし形、正円形あるいは楕円形など他の形状であってもよい。第1方向Xに並ぶ島状部21のピッチおよび第2方向Yに並ぶ島状部21のピッチは同じであるが、これらピッチが異なってもよい。
【0023】
絶縁基材20は、複数の第1線部22と、複数の第2線部23とをさらに有している。第1線部22は、第1方向Xに隣り合う2つの島状部21を繋いでいる。第2線部23は、第2方向Yに隣り合う2つの島状部21を繋いでいる。
図3の例においては、線部22,23がそれぞれ島状部21の直線状の辺に接続されている。他の例として、線部22,23は、島状部21の角部に接続されてもよい。
【0024】
線部22,23は、いずれも非直線状である。
図3の例においては、線部22,23が大きく2回屈曲し、全体としてS字型に蛇行した形状を有している。このような形状は、ミアンダパターンと呼ばれることがある。ただし、線部22,23の形状は
図3の例に限られず、例えば1回のみ屈曲する形状や3回以上屈曲する形状など種々の形状を適用し得る。第1線部22の形状と第2線部23の形状が異なってもよい。
【0025】
絶縁基材20は、例えばポリイミドによって形成されている。この場合において、各島状部21および各線部22,23は、ポリイミド膜をパターニングすることにより一体的に形成することができる。なお、絶縁基材20の材料はポリイミドに限られず、他の樹脂材料を用いることもできる。
【0026】
このように絶縁基材20を複数の島状部21とこれら島状部21を繋ぐ非直線状の線部22,23とで構成することにより、絶縁基材20および表示パネル2に可撓性および伸縮性を与えることができる。すなわち、特定の方向への張力または圧縮力が表示パネル2に働くと、この張力または圧縮力に応じて線部22,23が伸縮する。これにより、表示パネル2が張力または圧縮力に応じた形状に変形する。
【0027】
本実施形態においては、表示領域DAおよび非表示領域NDAのいずれにおいても絶縁基材20が
図3に示したパターンを有している。ただし、表示領域DAおよび非表示領域NDAの一部において、絶縁基材20が一様な板状などの他の形状を有してもよい。
【0028】
図4は、画素PXに含まれる副画素SPの等価回路の一例を示す図である。副画素SPは、発光素子10と、発光素子10を駆動する画素回路PCとを備えている。本実施形態においては、発光素子10がマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)である場合を想定する。すなわち、表示装置1は、マイクロLED表示装置である。
【0029】
一例として、マイクロLEDである発光素子10においては、最長の一辺の長さが100μm以下である。ただし、発光素子10は、例えば最長の一辺の長さが100μmより大きく300μm未満のミニLEDであってもよい。また、発光素子10は、最長の一辺の長さが300μm以上のLEDであってもよい。
【0030】
画素回路PCは、映像信号線VLに供給される映像信号Vsigに応じて発光素子10を制御する。このような制御を実現するために、本実施形態における画素回路PCは、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCT、駆動トランジスタDRT、保持容量Csおよび補助容量Cadを有している。補助容量Cadは発光電流量を調整するために設けられる素子であり、場合によっては不要となることもある。
【0031】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTは、薄膜トランジスタ(TFT)により構成されている。リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTは、例えばNチャネル型のTFTにより構成できるが、これらの少なくとも1つがPチャネル型のTFTにより構成されてもよい。
【0032】
本実施形態において、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTは、同一工程かつ同一層構造で形成され、半導体層に多結晶シリコンを用いたトップゲート構造の薄膜トランジスタである。あるいは、リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTは、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタであってもよい。なお、半導体層としては、酸化物半導体や多結晶GaN半導体などを用いてもよい。
【0033】
リセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTは、第1端子、第2端子および制御端子を有している。本実施形態においては、第1端子をソース電極、第2端子をドレイン電極、制御端子をゲート電極と呼ぶ。
【0034】
駆動トランジスタDRTおよび出力スイッチBCTは、第1電源線SLaと第2電源線SLbの間で発光素子10と直列に接続されている。第1電源線SLa(高電位Pvdd)は例えば10Vに設定され、第2電源線SLb(低電位Pvss)は例えば1.5Vに設定されている。
【0035】
出力スイッチBCTのドレイン電極は、第1電源線SLaに接続されている。出力スイッチBCTのソース電極は、駆動トランジスタDRTのドレイン電極に接続されている。出力スイッチBCTのゲート電極は、第2走査線Sgbに接続されている。これにより、出力スイッチBCTは、第2走査線Sgbに与えられる制御信号BGによりオン、オフされる。ここで、オンは導通状態を表し、オフは非導通状態を表す。出力スイッチBCTは、制御信号BGに基づき発光素子10の発光時間を制御する。
【0036】
駆動トランジスタDRTのソース電極は、発光素子10の一方の電極(ここでは陽極)に接続されている。発光素子10の他方の電極(ここでは陰極)は、第2電源線SLbに接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号Vsigに応じた駆動電流を発光素子10に出力する。
【0037】
画素スイッチSSTのソース電極は、映像信号線VLに接続されている。画素スイッチSSTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続されている。画素スイッチSSTのゲート電極は、信号書き込み制御用のゲート配線として機能する第3走査線Sgcに接続されている。画素スイッチSSTは、第3走査線Sgcから供給される制御信号SGによりオン、オフされ、画素回路PCと映像信号線VLの接続および非接続を切り替える。すなわち、画素スイッチSSTがオンされることにより、映像信号線VLの映像信号Vsigが画素回路PCに取り込まれる。
【0038】
初期化スイッチISTのソース電極は、初期化配線Sgiに接続されている。初期化スイッチISTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続されている。初期化スイッチISTのゲート電極は、第1走査線Sgaに接続されている。初期化スイッチISTは、第1走査線Sgaから供給される制御信号IGによりオン、オフされ、画素回路PCと初期化配線Sgiの接続および非接続を切り替える。すなわち、初期化スイッチISTがオンされることにより、初期化配線Sgiの初期化電位Viniが画素回路PCに取り込まれる。
【0039】
リセットスイッチRSTのソース電極は、リセット配線Sgrに接続されている。リセットスイッチRSTのゲート電極は、リセット制御用ゲート配線として機能する第4走査線Sgdに接続されている。リセットスイッチRSTは、第4走査線Sgdから供給される制御信号RGによりオン、オフされる。リセットスイッチRSTがオンに切り替えられることにより、駆動トランジスタDRTのソース電極の電位をリセット配線Sgrのリセット電位Vrstにリセットすることができる。
【0040】
保持容量Csは、駆動トランジスタDRTのゲート電極とソース電極の間に接続されている。補助容量Cadは、駆動トランジスタDRTのソース電極と第1電源線SLaの間に接続されている。
【0041】
以上のような構成においては、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdに供給される制御信号IG,BG,SG,RGによって画素回路PCが駆動され、映像信号線VLの映像信号Vsigに応じた輝度で発光素子10が発光する。
【0042】
制御信号IG,BG,SG,RGは、走査ドライバYDR1,YDR2が上述のスタートパルス信号STVおよびクロック信号CVKに基づいて、各ライン(第1方向Xに並ぶ一連の副画素SP)の走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdに対し順次供給する。また、
図2に示したコントローラ5から供給される信号に基づいて、映像ドライバXDRが各映像信号線VLに映像信号Vsigを順次供給する。
【0043】
ここで、本実施形態においては、
図3に示した島状部21に画素PXが配置される。すなわち、
図4において鎖線で囲ったように、画素PXに含まれる各副画素SPの発光素子10および画素回路PCは、島状部21の上に位置する。また、
図4において他の鎖線で囲ったように、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgd、映像信号線VL、電源線SLa,SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiは、線部22,23のいずれかの上に位置する。
【0044】
図5は、表示パネル2の概略的な断面図である。ここでは、表示領域DAにおいて島状部21に配置される画素PX(副画素SP)の一部に対応する構造を示している。
【0045】
表示パネル2は、上述の絶縁基材20と、絶縁基材20の上に設けられた絶縁層31,32,33,34,35,36と、樹脂層37と、コーティング層38と、支持フィルム39とを備えている。
【0046】
絶縁層31は、絶縁基材20の上に設けられている。絶縁層31の上には、
図4に示したリセットスイッチRST、画素スイッチSST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび駆動トランジスタDRTなどのTFTが設けられている。
図5においては、駆動トランジスタDRTのみを示し、他のTFTを省略している。駆動トランジスタDRTは、半導体層SCと、ソース電極E1と、ドレイン電極E2と、ゲート電極GEとを有している。
【0047】
半導体層SCは、絶縁層31の上に設けられている。絶縁層32は、絶縁層31および半導体層SCを覆っている。ゲート電極GEは、絶縁層32の上に設けられている。絶縁層33は、ゲート電極GEおよび絶縁層32を覆っている。ソース電極E1およびドレイン電極E2は、絶縁層33の上に設けられ、絶縁層32,33を貫通するコンタクトホールを通じて半導体層SCに接触している。
図5の例においては、第1電源線SLaも絶縁層33の上に設けられている。
【0048】
絶縁層34は、ソース電極E1、ドレイン電極E2、第1電源線SLaおよび絶縁層33を覆っている。絶縁層34には、ソース電極E1の上面を露出させるコンタクトホールh1と、第1電源線SLaの上面を露出させるコンタクトホールh2とが設けられている。絶縁層34の上に導電層CL1が設けられている。導電層CL1は、コンタクトホールh2を通じて第1電源線SLaに接触している。
【0049】
絶縁層35は、導電層CL1および絶縁層34を覆っている。絶縁層35は、コンタクトホールh1と重なるコンタクトホールh3を有している。絶縁層35の上に導電層CL2,CL3が設けられている。導電層CL2は、コンタクトホールh1,h3を通じてソース電極E1に接触している。
【0050】
絶縁層36は、導電層CL2,CL3および絶縁層35を覆っている。絶縁層36には、導電層CL2を露出させるコンタクトホールh4と、導電層CL3を露出させるコンタクトホールh5とが設けられている。
【0051】
絶縁層36の上に画素電極PEとコンタクト電極CONが設けられている。画素電極PEは、コンタクトホールh4を通じて導電層CL2に接触している。コンタクト電極CONは、コンタクトホールh5を通じて導電層CL3に接触している。画素電極PEの上には接続層LA1が設けられ、コンタクト電極CONの上には接続層LA2が設けられている。
【0052】
発光素子10は、接続層LA1の上に設けられている。発光素子10は、陽極ANと、陰極CAと、陽極ANと陰極CAの間に配置された発光層LIとを有している。発光層LIは、陽極ANと陰極CAの電位差に応じて光を放つ。陽極ANは、接続層LA1の上面に接触している。
【0053】
樹脂層37は、接続層LA1,LA2および絶縁層36を覆うとともに、複数の発光素子10の隙間を満たしている。陰極CAは、樹脂層37から露出している。樹脂層37には、接続層LA2を露出させるコンタクトホールh6が設けられている。
【0054】
樹脂層37は、共通電極CEで覆われている。共通電極CEは、例えば島状部21の全体と重なるように配置されているが、線部22,23には設けられていない。共通電極CEは、コンタクトホールh6を通じて接続層LA2に接触している。また、共通電極CEは、陰極CAにも接触している。
【0055】
コーティング層38は、共通電極CEを覆っている。支持フィルム39は、絶縁基材20の下面を覆っている。これらコーティング層38および支持フィルム39は、表示パネル2の全体に設けられている。
【0056】
絶縁層31,32,33,35は、例えばシリコン酸化物(SiO)やシリコン窒化物(SiN)などの無機絶縁材料で形成されている。絶縁層34,36は、感光性アクリル樹脂などの有機絶縁材料で形成されている。絶縁層34,36は、絶縁層31,32,33,35よりも厚く、平坦化層としての機能を有している。
【0057】
ソース電極E1、ドレイン電極E2および第1電源線SLaは、同層に位置し、同一の金属材料で形成されている。この金属材料としては、例えばチタン系(Ti)、アルミニウム系(Al)、チタン系(Ti)の三層積層構造を適用することができる。
【0058】
導電層CL1は、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電材料で形成されている。導電層CL2,CL3、画素電極PEおよびコンタクト電極CONは、金属材料で形成されている。この金属材料としては、例えばチタン系(Ti)およびアルミニウム系(Al)の二層積層構造を適用することができる。
【0059】
接続層LA1,LA2は、例えば半田で形成されている。共通電極CEは、ITOなどの透明導電材料で形成されている。コーティング層38は、例えばパリレン(ポリパラキシリレン)あるいは無機のシロキサン結合を主鎖に持ち側鎖に有機結合をもつシリコンで形成されている。支持フィルム39は、絶縁基材20の下面に樹脂材料を塗布して形成されてもよいし、接着層を介して貼り付けられてもよい。
【0060】
図6は、表示パネル2の第1線部22を含む部分の概略的な断面図である。第2線部23を含む部分の表示パネル2の断面も
図6と同様である。線部22,23の上には、複数の配線Sが同層かつ平行に配置されている。これら配線Sは、例えば上述の走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgd、映像信号線VL、電源線SLa,SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiのいずれかであるが、他の配線を含んでもよい。
【0061】
線部22,23は、表示パネル2の伸縮や曲げに伴って変形しやすい。仮に線部22,23に無機絶縁材料で形成された絶縁層が存在すると、変形に伴い当該絶縁層が損傷することがある。これら絶縁層の上に配線Sが配置されていれば、配線Sも絶縁層とともに損傷し得る。そこで、
図6の例においては、線部22,23の上に絶縁層31,32,33,35,などの無機絶縁材料で形成された絶縁層が設けられていない。
【0062】
線部22,23および配線Sは、絶縁層34,36および樹脂層37で覆われている。例えば、絶縁層34,36および樹脂層37も
図3に示した絶縁基材20と同様の形状にパターニングされている。
【0063】
コーティング層38および支持フィルム39は、表示パネル2のうち線部22,23に相当する部分や、島状部21および線部22,23が存在しない部分にも設けられている。島状部21および線部22,23が存在しない部分において、
図6に示すようにコーティング層38と支持フィルム39が接触してもよいし、コーティング層38と支持フィルム39の間に何らかの絶縁層が介在してもよい。コーティング層38および支持フィルム39は、表示パネル2の可撓性や伸縮性を阻害しないように、可撓性や伸縮性に優れた材料で形成されることが好ましい。
【0064】
続いて、画素PXの構造の詳細について説明する。
図7は、画素PXに含まれる要素の一部の概略的な平面図である。本実施形態においては、画素PXが3つの副画素SPa,SPb,SPcを含み、かつこれら副画素SPa,SPb,SPcの発光素子10と画素回路PCが島状部21に配置されている場合を想定する。副画素SPaは第1色を表示し、副画素SPbは第2色を表示し、副画素SPcは第3色を表示する。一例として、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。ただし、画素PXは白色などの他の色を表示する副画素を含んでもよい。
【0065】
副画素SPa,SPb,SPcは、
図4および
図5に示した構造を有している。
図7においては、各副画素SPa,SPb,SPcの画素電極PE(PEa,PEb,PEc)、接続層LA1(LA1a,LA1b,LA1c)および発光素子10(10a,10b,10c)の形状と、コンタクト電極CONおよび接続層LA2の形状と、コンタクトホールh4,h5,h6の位置とを示している。これらの要素は、いずれも島状部21に配置されている。
【0066】
図7の例においては、副画素SPaの画素電極PEaと副画素SPcの画素電極PEcが第1方向Xに並び、副画素SPbの画素電極PEbとコンタクト電極CONが第1方向Xに並んでいる。さらに、画素電極PEaと画素電極PEbが第2方向Yに並び、画素電極PEcとコンタクト電極CONが第2方向Yに並んでいる。例えば画素電極PEa,PEb,PEcおよびコンタクト電極CONは矩形状であるが、この例に限られない。
【0067】
副画素SPaの接続層LA1aは画素電極PEaの上に配置され、副画素SPbの接続層LA1bは画素電極PEbの上に配置され、副画素SPcの接続層LA1cは画素電極PEcの上に配置され、接続層LA2はコンタクト電極CONの上に配置されている。
【0068】
副画素SPaの発光素子10aは接続層LA1aの上に配置され、副画素SPbの発光素子10bは接続層LA1bの上に配置され、副画素SPcの発光素子10cは接続層LA1cの上に配置されている。
【0069】
図8は、画素PXに含まれる他の要素の概略的な平面図である。この図においては、副画素SPa,SPb,SPcの導電層CL2(CL2a,CL2b,CL2c)の形状と、導電層CL3の形状と、各種配線の形状と、コンタクトホールh3,h6の位置とを示している。
【0070】
副画素SPaの導電層CL2a、副画素SPbの導電層CL2b、および副画素SPcの導電層CL2cは、
図7に示した画素電極PEa,PEb,PEcの下にそれぞれ位置している。
【0071】
図8の例において、画素PXは、第1方向Xに延びる配線WLaと、第2方向Yに延びる配線WLbとをさらに備えている。これら配線WLa,WLbは互いに接続されており、導電層CL3で形成されている。配線WLa,WLbは、導電層CL2a,CL2b,CL2cと同層において同一の材料で形成されている。
【0072】
第1線部22の上には、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよび複数のダミー配線Sdが配置されている。走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdは、本実施形態における第1配線の一例である。
【0073】
ダミー配線Sdは、画素回路PCに接続されない配線であり、島状部21にまでは延びていない。
図8の例においては、第2方向Yにおける第1線部22の一端近傍に3本のダミー配線Sdが配置され、他端近傍に2本のダミー配線Sdが配置され、これらの間に走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdが配置されている。走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよび複数のダミー配線Sdは、
図6に示した配線Sのように同層で並んでいる。
【0074】
第2線部23の上には、3本の第1電源線SLa、3本の映像信号線VL、第2電源線SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiが配置されている。これら3本の第1電源線SLa、3本の映像信号線VL、第2電源線SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiは、本実施形態における第2配線の一例である。
【0075】
3本の第1電源線SLaは、それぞれ副画素SPa,SPb,SPcに高電位Pvddを供給する。3本の映像信号線VLは、それぞれ副画素SPa,SPb,SPcに映像信号Vsigを供給する。3本の第1電源線SLa、3本の映像信号線VL、第2電源線SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiは、
図6に示した配線Sのように同層で並んでいる。
【0076】
本実施形態においては、第1線部22に配置される配線の数(走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdとダミー配線の数の和)と、第2線部23に配置される配線の数が、いずれも同じ(9本)である。すなわち、ダミー配線Sdは、第1線部22と第2線部23の配線本数を一致させるために設けられる。
【0077】
本実施形態においては、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgd、電源線SLa,SLb、映像信号線VL、リセット配線Sgr、初期化配線Sgiおよびダミー配線Sdが同層かつ同一の金属材料で形成されている。これら配線が配置される層は、例えば
図5に示した島状部21の構造においては絶縁層33,34の間の層である。また、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよび第2電源線SLbは、島状部21において他の層の配線に接続されている。
【0078】
具体的には、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdは、それぞれ島状部21の上に配置された中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdに接続されている。中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdは、例えば絶縁層32,33の間に配置されている。すなわち、中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdは、第1電源線SLa、映像信号線VL、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiの下を通る。
【0079】
中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdの一端は、絶縁層33に設けられたコンタクトホールhaを通じて図中左側の第1線部22の走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdにそれぞれ接続されている。中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdの他端は、絶縁層33に設けられたコンタクトホールhbを通じて図中右側の第1線部22の走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdにそれぞれ接続されている。これらコンタクトホールha,hbは、いずれも島状部21の上に位置している。
【0080】
3本の第1電源線SLa、3本の映像信号線VL、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiは、層を変えることなく島状部21とこの島状部21に繋がった2つの第2線部23にわたって延びている。
【0081】
図中下方の第2線部23の第2電源線SLbは、コンタクトホールhcを通じて配線WLbの一端に接続されている。図中上方の第2線部23の第2電源線SLbは、コンタクトホールhdを通じて配線WLbの他端に接続されている。これにより、第2電源線SLbの低電位Pvssが配線WLa,WLbに供給される。コンタクトホールhc,hdは、例えば
図5に示した絶縁層34,35を貫通するものであり、いずれも島状部21の上に位置している。
【0082】
図8の例において、第1線部22における走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよび5本のダミー配線Sdの束の第2方向Yにおける幅は、島状部21における中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdの束の第2方向Yにおける幅よりも小さい。
【0083】
また、第2線部23における3本の第1電源線SLa、3本の映像信号線VL、第2電源線SLb、リセット配線Sgrおよび初期化配線Sgiの束の第1方向Xにおける幅は、島状部21におけるこれら配線の束の第1方向Xにおける幅よりも小さい。
【0084】
続いて、非表示領域NDAにおける構造につき、第1走査ドライバYDR1を例に説明する。
図9は、非表示領域NDAにおける絶縁基材20の一部を拡大して示す概略的な平面図である。非表示領域NDAにおいても、絶縁基材20は複数の島状部21および複数の線部22,23を有している。
【0085】
例えば、表示領域DAに配置される島状部21(第1島状部)および線部22,23の形状と、非表示領域NDAに配置される島状部21(第2島状部)および線部22,23の形状は同じである。ただし、表示領域DAと非表示領域NDAとで島状部21や線部22,23の形状が異なってもよい。表示パネル2の全体において一様な可撓性と伸縮性を実現するためには、表示領域DAと非表示領域NDAとで島状部21や線部22,23の形状が同じであることが好ましい。
【0086】
第1走査ドライバYDR1は、複数の島状部21の上に配置される。この場合、第1走査ドライバYDR1は、
図9に示すように第2方向Yに並ぶ1列の島状部21の上に配置されてもよいし、2列以上の島状部21の上に配置されてもよい。
【0087】
第1方向Xにおける表示パネル2の端部2a(表示装置1の端部)に最も近い島状部21と当該端部2aとの間には、当該島状部21と繋がった第1線部22(以下、第1線部22aと呼ぶ)が配置されている。第2方向Yにおける表示パネル2の端部2b(表示装置1の端部)に最も近い島状部21と当該端部2bとの間には、当該島状部21と繋がった第2線部23(以下、第2線部23aと呼ぶ)が配置されている。
【0088】
図10は、第1走査ドライバYDR1の構造の一例を示す概略的な平面図である。第1走査ドライバYDR1は、複数の第1駆動回路40aと、複数の第2駆動回路40bと、複数の第3駆動回路40cと、複数の第4駆動回路40dとを有している。これら駆動回路40a,40b,40c,40dは、第1走査ドライバYDR1に対応する島状部21に対して1つずつ配置される。第1走査ドライバYDR1は、駆動回路40a,40b,40c,40d以外にもシフトレジスタ回路等を含む。
【0089】
第1駆動回路40aは、第1走査線Sgaに対して制御信号IGを出力する。第2駆動回路40bは、第2走査線Sgbに対して制御信号BGを出力する。第3駆動回路40cは、第3走査線Sgcに対して制御信号SGを出力する。第4駆動回路40dは、第4走査線Sgdに対して制御信号IGを出力する。
図10においては駆動回路40a,40b,40c,40dが第1方向Xに並んでいるが、駆動回路40a,40b,40c,40dの配置態様はこの例に限られない。
【0090】
島状部21には、中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdが配置されている。中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdは、例えば
図5に示した絶縁層32,33の間に配置されている。中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdの一端は、それぞれ駆動回路40a,40b,40c,40dに接続されている。中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdの他端は、絶縁層33に設けられたコンタクトホールheを通じて第1線部22の走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdにそれぞれ接続されている。これらコンタクトホールheは、いずれも島状部21の上に位置している。
【0091】
第2線部23には、駆動回路40a,40b,40c,40dを制御するための配線群Sdrが配置されている。配線群Sdrには、例えば電源線SLa,SLb、上述のスタートパルス信号STVが供給される配線、上述のクロック信号CKVが供給される配線などが含まれる。駆動回路40a,40b,40c,40dは、配線群Sdrの各配線に供給される信号に基づき動作する複数のTFTを含む。
【0092】
配線群Sdrは、層を変えることなく島状部21とこの島状部21に繋がった2つの第2線部23にわたって延びている。これら配線が配置される層は、例えば
図5に示した島状部21の構造においては絶縁層33,34の間の層である。すなわち、中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdは、配線群Sdrの下を通る。本実施形態においては、走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgd、ダミー配線Sdおよび配線群Sdrが同層かつ同一の金属材料で形成されている。ただし、これら配線の少なくとも一部が異なる層に配置されてもよい。また、これら配線の少なくとも一部が異なる材料で形成されてもよい。
【0093】
図10の例において、第1線部22における走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよび5本のダミー配線Sdの束の第2方向Yにおける幅は、島状部21における中継配線Nga,Ngb,Ngc,Ngdの束の第2方向Yにおける幅よりも小さい。
【0094】
また、第2線部23における配線群Sdrの第1方向Xにおける幅は、島状部21における配線群Sdrの第1方向Xにおける幅よりも小さい。配線群Sdrは、第2線部23においては一定間隔で並んでいるが、島状部21においては疎密を有している。
【0095】
最端に位置する第1線部22aには、例えば他の第1線部22に配置された走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよびダミー配線Sdの数と同じ数(
図10では9本)のダミー配線Sdが配置されている。すなわち、第1線部22aにはNga,Ngb,Ngc,Ngdと非接続の配線のみが配置される。
【0096】
図10の例においては第1線部22に配置される走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdおよびダミー配線Sdの数よりも、第2線部23に配置される配線群Sdrに含まれる配線の数の方が多い。他の例として、第1線部22に配置されるダミー配線Sdの数を増やすことにより、線部22,23の配線数を同じにしてもよい。
【0097】
第2走査ドライバYDR2においても、第1走査ドライバYDR1と同様の構造を適用できる。さらに、映像ドライバXDRが複数の島状部21に配置された駆動回路により構成されてもよい。
【0098】
駆動回路40a,40b,40c,40dは、走査ドライバYDR1,YDR2に分散して配置されてもよい。例えば、駆動回路40a,40bを第1走査ドライバYDR1に対応する位置の島状部21に配置し、駆動回路40c,40dを第2走査ドライバYDR2に対応する位置の島状部21に配置してもよい。
【0099】
以上の本実施形態においては、絶縁基材20が島状部21と非直線状の線部22,23とで構成されているために、上述のように表示パネル2に可撓性および伸縮性を与えることができる。これにより、表示パネル2を例えば球面状やその他の3次元曲面に変形させることが可能となる。
【0100】
さらに、各画素PX(副画素SP)の画素回路PCは、島状部21に配置されている。表示パネル2の変形は主に線部22,23によって実現され、線部22,23よりも幅が大きい島状部21は変形しにくい。したがって、表示パネル2の変形に伴う画素回路PCの損傷を抑制できる。
【0101】
線部22,23においては、複数の配線が同層かつ平行に配置されている。これにより、線部22,23が変形しやすくなる。さらに、
図8に示したように表示領域DAの線部22,23における配線数を同じにすれば、変形の方向依存性を抑制できる。これら線部22,23の配線が上述のように同層に位置し、かつ同一の金属材料で形成されていれば、変形の方向依存性をより好適に抑制することが可能となる。
【0102】
本実施形態においては、
図8に示したように走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdを中継配線Mga,Mgb,Mgc,Mgdに接続するためのコンタクトホールha,hbが島状部21に配置されている。このような構成であれば、例えば線部22,23にコンタクトホールha,hbを設ける場合に比べ、変形による負荷がコンタクトホールha,hbに加わりにくいので、導通の信頼性を高めることができる。
図8に示したコンタクトホールhc,hdや
図10に示したコンタクトホールheについても同様である。また、発光素子10と画素回路PCとの接続部(接続層LA1)も島状部21に配置されているので、発光素子10と画素回路PCの導通の信頼性も高めることができる。
【0103】
図9および
図10に示したように非表示領域NDAに設けられる第1走査ドライバYDR1等も島状部21と線部22,23とで構成すれば、非表示領域NDAにも表示領域DAと同様の可撓性および伸縮性を与えることができる。
【0104】
図1に示した端子領域MTを島状部21と線部22,23とで構成してもよい。この場合においては、例えば第1回路基板3と接続するための端子を島状部21に配置すればよい。このような構成であれば、端子領域MTにも表示領域DAと同様の可撓性および伸縮性を与えることができる。
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0105】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。特に言及しない構成および効果については第1実施形態と同様である。
【0106】
図11は、本実施形態に係る副画素SPの等価回路の一例を示す図である。第1実施形態と同じく、副画素SPは、発光素子10と、発光素子10を駆動する画素回路PCとを備えている。ただし、画素回路PCは、画素スイッチSST、駆動トランジスタDRTおよび保持容量Csを有しているが、リセットスイッチRST、初期化スイッチIST、出力スイッチBCTおよび補助容量Cadは有していない。
【0107】
本実施形態に係る表示装置1は、
図4に示した走査線Sga,Sgb,Sgc,Sgdに変えて、走査線Sgを有している。走査線Sgには、走査ドライバYDR1,YDR2の駆動回路から制御信号Gが供給される。また、本実施形態に係る表示装置1は、初期化配線Sgiおよびリセット配線Sgrを有していない。
【0108】
駆動トランジスタDRTのドレイン電極は、第1電源線SLaに接続されている。駆動トランジスタDRTのソース電極は、発光素子10の一方の電極(ここでは陽極)に接続されている。発光素子10の他方の電極(ここでは陰極)は、第2電源線SLbに接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号Vsigに応じた駆動電流を発光素子10に出力する。
【0109】
画素スイッチSSTのソース電極は、映像信号線VLに接続されている。画素スイッチSSTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続されている。画素スイッチSSTのゲート電極は、信号書き込み制御用のゲート配線として機能する走査線Sgに接続されている。画素スイッチSSTは、走査線Sgから供給される制御信号Gによりオン、オフされ、画素回路PCと映像信号線VLの接続および非接続を切り替える。すなわち、画素スイッチSSTがオンされることにより、映像信号線VLの映像信号Vsigが画素回路PCに取り込まれる。
【0110】
本実施形態でも、
図11において鎖線で囲ったように画素回路PCが島状部21に位置する。また、
図11において他の鎖線で囲ったように、走査線Sg、映像信号線VLおよび電源線SLa,SLbが第1線部22および第2線部23のいずれかに位置する。
【0111】
図12は、本実施形態に係る表示パネル2の概略的な断面図である。
図5に示した例と同じく、表示パネル2は、絶縁基材20、絶縁層31,32,33,34,35,36、樹脂層37、コーティング層38、支持フィルム39、画素電極PE、共通電極CE、発光素子10、導電層CL1,CL2、接続層LA1,LA2および駆動トランジスタDRT等を備えている。
【0112】
図12の例においては、駆動トランジスタDRTのドレイン電極E2が導電層CL4の一部である。導電層CL4は、絶縁層33の上に設けられ、絶縁層34で覆われている。導電層CL4と第3方向Zに重なる位置において、絶縁層34は、コンタクトホールh7を有している。さらに、絶縁層35は、コンタクトホールh7と重なるコンタクトホールh8を有している。絶縁層35の上に配線WLcが設けられ、この配線WLcがコンタクトホールh7,h8を通じて導電層CL4に接触している。配線WLcには駆動ドランジスタDRTを介して高電位Pvddが印加されている。
【0113】
絶縁層32,33の間に走査線Sgが設けられている。また、絶縁層36と樹脂層37の間に配線WLdが設けられている。配線WLc,WLdおよび走査線Sgは、第3方向Zにおいて重なっている。接続層LA2は、配線WLdの上に設けられている。
【0114】
絶縁層35,36の間に導電層CL5が設けられている。配線WLdと重なる位置において絶縁層36がコンタクトホールh9を有しており、このコンタクトホールh9を通じて配線WLdが導電層CL5に接触している。
【0115】
また、絶縁層32,33の間に第2電源線SLbの一部が設けられている。導電層CL5と重なる位置において絶縁層33,34,35を貫通するコンタクトホールh10が設けられ、このコンタクトホールh10を通じて導電層CL5が第2電源線SLbに接触している。このような構成においては、第2電源線SLbの低電位Pvssが導電層CL5、配線WLdおよび接続層LA2を介して共通電極CEに供給される。
【0116】
導電層CL2,CL5および配線WLcは、同層に位置し、同一の金属材料で形成されている。配線WLdおよび画素電極PEは、同層に位置し、同一の金属材料で形成されている。
【0117】
図13は、画素PXに含まれる要素の一部の概略的な平面図である。本実施形態においては、島状部21に2つの画素PX(画素PX1,PX2)が配置されている。これら画素PX1,PX2は、3つの副画素SPa,SPb,SPcを含む。副画素SPaは第1色を表示し、副画素SPbは第2色を表示し、副画素SPcは第3色を表示する。一例として、第1色は赤色、第2色は緑色、第3色は青色である。ただし、画素PX1,PX2は白色などの他の色を表示する副画素を含んでもよい。また、画素PX1,PX2は、異なる色の組み合わせの副画素を含んでもよい。
【0118】
図13においては、副画素SPa,SPb,SPcを構成する要素のうち、発光素子10、導電層CL2、コンタクトホールh1,h7および画素スイッチSSTの半導体層SC1を示している。半導体層SC1は、
図12に示した駆動トランジスタDRTの半導体層SCと同層に位置している。
【0119】
画素PX1の副画素SPa,SPb,SPcは島状部21の図中右上部に配置され、画素PX2の副画素SPa,SPb,SPcは島状部21の図中左下部に配置されている。すなわち、画素PX1,PX2は、島状部21の対角方向に配置されている。画素PX1,PX2のそれぞれにおいて、副画素SPa,SPb,SPcの導電層CL2および発光素子10は、第1方向Xに並んでいる。
【0120】
画素PX1,PX2の間には、それぞれの副画素SPa,SPb,SPcに対応する6本の映像信号線VLが配置されている。これら映像信号線VLは、いずれも同層に位置し、層を変えることなく島状部21とこの島状部21に繋がった2つの第2線部23にわたって第2方向Yに延びている。各副画素SPa,SPb,SPcの半導体層SC1は、対応する映像信号線VLにそれぞれ接続されている。
【0121】
また、画素PX1,PX2の間には、走査線Sgおよび配線WLc,WLdが配置されている。走査線Sgは、層を変えることなく島状部21とこの島状部21に繋がった2つの第1線部22にわたって第1方向Xに延びている。配線WLc,WLdは、走査線Sgと重なって第1方向Xに延びている。各副画素SPa,SPb,SPcは、コンタクトホールh7を通じて配線WLcに接続されている。
【0122】
第1線部22には、走査線Sgおよび電源線SLa,SLbが配置されている。さらに、
図13の例においては、3本のダミー配線Sdが第1線部22に配置されている。走査線Sg、電源線SLa,SLbおよび複数のダミー配線Sdは、いずれも同層に位置する。
【0123】
なお、島状部21においては、映像信号線VLと走査線Sgおよび電源線SLa,SLbとが異なる層に位置する。すなわち、映像信号線VLは
図12における絶縁層33,34の間に位置し、走査線Sgおよび電源線SLa,SLbは
図12における絶縁層32,33の間に位置する。
図6に示したように絶縁層33が線部22,23に設けられていない場合、線部22,23においては映像信号線VL、走査線Sgおよび電源線SLa,SLbがいずれも絶縁基材20と絶縁層34の間に位置する。
【0124】
図14は、配線WLdおよび共通電極CEの形状の一例を示す平面図である。共通電極CEは、島状部21と全体的に重なる形状を有している。共通電極CEは、線部22,23には設けられていない。
【0125】
配線WLdは、第1部分Pd1と、第2部分Pd2と、第3部分Pd3とを有している。第1部分Pd1は、走査線Sgと重なって第1方向Xに延びている。第2部分Pd2は、画素PX1側の第1部分Pd1の端部に接続され、画素PX1から離れるように第2方向Yに延びている。第3部分Pd3は、画素PX2側の第1部分Pd1の端部に接続され、画素PX2から離れるように第2方向Yに延びている。
【0126】
第2部分Pd2および第3部分Pd3と重なる位置に、上述のコンタクトホールh6,h9が設けられている。配線WLdと共通電極CEは、各コンタクトホールh6を通じて接続されている。
【0127】
図15は、配線WLcおよび導電層CL5の形状の一例を示す平面図である。配線WLcは、第1部分Pc1と、第2部分Pc2と、第3部分Pc3とを有している。第1部分Pc1は、走査線Sgと重なって第1方向Xに延びている。第2部分Pc2は、画素PX1側の第1部分Pc1の端部に接続され、画素PX1の側方において第2方向Yに延びている。第3部分Pc3は、画素PX2側の第1部分Pc1の端部に接続され、画素PX2の側方において第2方向Yに延びている。
【0128】
第2部分Pc2および第3部分Pc3と重なる位置に、コンタクトホールh11がそれぞれ設けられている。コンタクトホールh11は、
図12に示した絶縁層33,34,35を貫通している。一対の第1線部22のそれぞれに配置された第1電源線SLaは、島状部21において絶縁層32,33の間に位置している。配線WLcは、各コンタクトホールh11を通じてこれら第1電源線SLaと接続されている。
【0129】
導電層CL5は、
図14に示した配線WLdの第2部分Pd2および第3部分Pd3と重なる位置にそれぞれ配置されている。各導電層CL5は、コンタクトホールh9を通じて配線WLdと接続されている。さらに、各導電層CL5と重なる位置に、上述のコンタクトホールh10が設けられている。各導電層CL5は、一対の第1線部22のそれぞれに配置された第2電源線SLbとコンタクトホールh10を通じて接続されている。
【0130】
このように、島状部21において電源線SLa,SLbを他層の配線WLd,WLcに繋ぎ変えることで、複数の画素PXを島状部21に配置する場合であっても効率的な画素レイアウトを実現できる。その他にも、本実施形態は第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0131】
なお、本実施形態においては導電層CL5を介して配線WLdと第2電源線SLbを接続する例を示したが、配線WLdと第2電源線SLbが直接接続されてもよい。
【0132】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。特に言及しない構成および効果については第1実施形態と同様である。
【0133】
図16は、本実施形態に係る画素PXの概略的な平面図である。本実施形態においては、画素PXが画素回路PCを含む集積回路100(IC)を備えている。集積回路100は、島状部21に実装されている。
【0134】
画素PXは、第1実施形態と同じく副画素SPa,SPb,SPcを含む。副画素SPa,SPb,SPcの発光素子10a,10b,10cは、島状部21に設けられた配線WLによって集積回路100と接続されている。
【0135】
第1線部22には、第1配線群SG1が配置されている。第2線部23には、第2配線群SG2が配置されている。
図16の例においては、第1配線群SG1に含まれる配線の数が第2配線群SG2に含まれる配線の数よりも少ない。この配線数の差を無くすために、第1線部22にはダミー配線Sdが配置されている。
【0136】
他の例として、第1配線群SG1に含まれる配線の数が第2配線群SG2に含まれる配線の数より多くてもよい。この場合においては、配線数の差を無くすために第2線部23にダミー配線Sdが配置されてもよい。
【0137】
図16に示すように、第1配線群SG1の各配線は、島状部21において中継配線Mgに接続されてもよい。第1配線群SG1の各配線と中継配線Mgを接続するコンタクトホールhfは、島状部21に設けることが好ましい。第2配線群SG2も同様に、島状部21において中継配線に接続されてもよい。
【0138】
第1配線群SG1および第2配線群SG2の各配線は、集積回路100に接続されている。集積回路100は、これら配線から供給される駆動電圧、制御信号および映像信号等に基づき、各発光素子10a,10b,10cを点灯させる。
【0139】
本実施形態のように集積回路100にて画素PXを駆動する場合、集積回路100の実装部が変形すると集積回路100の接続不良が生じ得る。本実施形態においては、集積回路100が変形しにくい島状部21に実装されているために、可撓性および伸縮性を有する表示パネル2を実現しつつも集積回路100の実装部における接続信頼性を向上させることができる。その他にも、本実施形態は第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0140】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。特に言及しない構成および効果については第1実施形態と同様である。
【0141】
図17は、本実施形態に係る画素PXの概略的な平面図である。本実施形態においては、ダミー配線Sd´が島状部21に形成されている点で
図8の例と相違する。すなわち、
図8の例においても第1線状部22に形成されているダミー配線Sdに加え、
図17の例ではダミー配線Sd´が島状部21に配置されている。その他、
図8の例と重複する構造については説明を省略する。
図17の例において島状部21に設けられたダミー配線Sd´は、画素PXを構成する画素回路PC(
図4参照)およびそれに関わる各種配線や半導体などと接続されておらず、画素回路PCから距離をおいて配置されている。ダミー配線Sd´は、島状部21の周縁部であって、第1線部22と第2線部23の間の領域に形成されている。ダミー配線Sd´は第1線部22のダミー配線Sdと接続されてもよいし、ダミー配線Sdと接続されていなくてもよい。ダミー配線Sd´が島状部21の周縁部に配置されることで、第1線部22や第2線部23の変形に伴う歪みが島状部21に発生することを抑制できる。
【0142】
図17の例において、各ダミー配線Sd´は、第1方向Xに延びる3本の直線部と、第2方向Yに延びる1本の直線部とを有している。ただし、各ダミー配線Sd´の形状はこの例に限られない。
【0143】
以上の各実施形態においては、島状部21に1つまたは2つの画素PXが配置される場合を例示した。しかしながら、島状部21に配置される画素PXの数は3つ以上であってもよい。また、1つの画素PXに含まれる副画素SPが複数の島状部21に分散して配置されてもよい。この場合において、1つの島状部21に対して1つの副画素SPのみが配置されてもよい。
【0144】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0145】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0146】
また、各実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0147】
1…表示装置、2…表示パネル、10…発光素子、20…絶縁基材、21…島状部、22…第1線部、23…第2線部、DA…表示領域、NDA…非表示領域、PX…画素、SP…副画素、PC…画素回路、Sga,Sgb,Sgc,Sgd,Sg…走査線、VL…映像信号線、SLa…第1電源線、SLb…第2電源線、Sd…ダミー配線。