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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】ブラインドのガイドワイヤ固定構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/327 20060101AFI20231016BHJP
   E06B 9/323 20060101ALI20231016BHJP
   E06B 9/322 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
E06B9/327
E06B9/323
E06B9/322
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020029613
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021134505
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】若林 弘樹
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-37697(JP,A)
【文献】実開平3-33194(JP,U)
【文献】特開昭62-148791(JP,A)
【文献】米国特許第4753281(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24 - 9/388
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遮蔽材を吊り下げ支持するヘッドボックス、前記遮蔽材の下方に設けたボトムレール、及び、上下方向に延びて前記ボトムレールを挿通し、前記ボトムレールの下方に固定したガイドワイヤを備えたブラインドのガイドワイヤ固定構造であって、
前記ガイドワイヤは、前記ヘッドボックスに連結可能なワイヤ連結部を一端部に備え、
前記ヘッドボックスは、前記ワイヤ連結部が挿入可能な挿通孔を有し、
前記挿通孔に挿入した前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスの内部でスライド又は回転することで、前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスに着脱できる、ブラインドのガイドワイヤ固定構造。
【請求項2】
前記挿通孔は、大径孔と小径孔が連通していると共に、前記ヘッドボックスの下面に開口し、
前記ワイヤ連結部を前記大径孔に挿入後に、前記小径孔に移動することで、前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスに連結できる、請求項1記載のブラインドのガイドワイヤ固定構造。
【請求項3】
前記ヘッドボックスは、前記ワイヤ連結部が前記ヘッドボックスの挿通孔から脱落することを防止できる脱落防止部材を更に備えている、請求項1又は2記載のブラインドのガイドワイヤ固定構造。
【請求項4】
前記脱落防止部材は、前記挿通孔を形成する大径孔に螺合する螺子部を有している、請求項3記載のブラインドのガイドワイヤ固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドのガイドワイヤ固定構造に関する。特に、水平方向に配置された複数のスラット及びボトムレールを吊り下げたブラインドにおいて、スラット及びボトムレールの揺動を防止するブラインドのガイドワイヤ固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
水平方向に配置された複数のスラット及びボトムレールを吊り下げた、いわゆる、横型ブラインドが知られている。このような横型ブラインドにおいて、一対のガイドワイヤをスラット及びボトムレールの両端部に張設し、スラット及びボトムレールをガイドワイヤが貫通することで、ブラインドを円滑に開閉できるブラインドのガイドワイヤ固定構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平3-33194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によるブラインドは、ヘッドボックスと一対のガイドワイヤを備えている。ヘッドボックスは、窓の上枠に固定している。ガイドワイヤは、ヘッドボックスから複数のスラット及びボトムレールを貫通して、窓の下枠に至っている。
【0005】
又、特許文献1によるブラインドは、フレームブラケットとC形チャンネル状のボトムフレームを備えている。フレームブラケットは、窓の下枠に固定している。ボトムフレームは、フレームブラケットの左右に延在する状態で配置されている、又、ボトムフレームは、フレームブラケットに対して摺動自在に連結している。
【0006】
ガイドワイヤは、上止着具と下止着具を有している。上止着具は、ガイドワイヤの上端に取り付けている。又、上止着具は、ヘッドボックスに連結している。下止着具は、ガイドワイヤの下端に取り付けている。又、下止着具は、ボトムフレームに連結している。
【0007】
特許文献1によるブラインドのガイドワイヤ固定構造は、ガイドワイヤの下端を連結したボトムフレームを下枠の左右方向に位置を調整することで、ガイドワイヤがスラット及びボトムレールに開口した挿通孔の中心を通らせることができ、これにより、ブラインドを円滑に開閉できるという特徴を有している。
【0008】
しかしながら、特許文献1によるブラインドのガイドワイヤ固定構造では、ガイドワイヤの上端は、ヘッドボックスの内部に配置した上止着具に止着しており、かつ、上止着具は、ヘッドボックスの下方からは挿脱困難に取付けられている。このため、ガイドワイヤをヘッドボックスに取り付け、又は、ガイドワイヤを交換作業する場合には、予めヘッドボックスを上枠から取り外しておく必要があり、取り付け作業又は交換作業が煩雑になるという課題があった。
【0009】
スラット及びボトムレールを昇降自在に案内するガイドワイヤをヘッドボックスに容易に着脱できるブラインドのガイドワイヤ固定構造が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ガイドワイヤをヘッドボックスに容易に着脱できるブラインドのガイドワイヤ固定構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、ヘッドボックスに連結可能なワイヤ連結部をガイドワイヤの一端部に設け、ワイヤ連結部が挿入可能な挿通孔をヘッドボックスに設け、挿通孔に挿入されたワイヤ連結部をヘッドボックスの内部でスライド又は回転させることで、ワイヤ連結部をヘッドボックスに着脱可能にできると考え、これに基づいて、以下のような新たなブラインドのガイドワイヤ固定構造を発明するに至った。
【0012】
(1)本発明によるブラインドのガイドワイヤ固定構造は、複数の遮蔽材を吊り下げ支持するヘッドボックス、前記遮蔽材の下方に設けたボトムレール、及び、上下方向に延びて前記ボトムレールを挿通し、前記ボトムレールの下方に固定したガイドワイヤを備えたブラインドのガイドワイヤ固定構造であって、前記ガイドワイヤは、前記ヘッドボックスに連結可能なワイヤ連結部を一端部に備え、前記ヘッドボックスは、前記ワイヤ連結部が挿入可能な挿通孔を有し、前記挿通孔に挿入した前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスの内部でスライド又は回転することで、前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスに着脱できる。
【0013】
(2)前記挿通孔は、大径孔と小径孔が連通していると共に、前記ヘッドボックスの下面に開口し、前記ワイヤ連結部を前記大径孔に挿入後に前記小径孔に移動することで、前記ワイヤ連結部を前記ヘッドボックスに連結できることが好ましい。
【0014】
(3)前記ヘッドボックスは、前記ワイヤ連結部が前記ヘッドボックスの挿通孔から脱落することを防止できる脱落防止部材を更に備えていることが好ましい。
【0015】
(4)前記脱落防止部材は、前記挿通孔を形成する大径孔に螺合する螺子部を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるブラインドのガイドワイヤ固定構造は、ヘッドボックスに連結可能なワイヤ連結部を一端部に備えたガイドワイヤと、ワイヤ連結部が挿入可能な挿通孔を有するヘッドボックスを備え、ワイヤ連結部をヘッドボックスの内部でスライド又は回転させて、ヘッドボックスから着脱可能にすることで、ヘッドボックスを窓枠などに設置した状態でガイドワイヤの着脱作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態によるブラインドの全体構成を示す正面図である。
図2】第1実施形態によるブラインドの全体構成を示す右側面図である。
図3】第1実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した斜視図であり、図3(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入する前の状態図、図3(B)は、ワイヤ連結部を挿通孔の小径孔に移動した状態図である。
図4】第1実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した下面図であり、図4(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入する前の状態図、図4(B)は、ワイヤ連結部を挿通孔の小径孔に移動した状態図、図4(C)は、挿通孔の大径孔を脱落防止部材で封鎖した状態図である。
図5】第1実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した縦断面図であり、図5(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入する前の状態図、図5(B)は、ワイヤ連結部を挿通孔の小径孔に移動した状態図である。
図6】第1実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した縦断面図であり、挿通孔の大径孔を脱落防止部材で封鎖した状態図である。
図7】本発明の第2実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した図であり、図7(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入した状態を示すヘッドボックスの縦断面図、図7(B)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入した状態を示すヘッドボックスの下面図である。
図8】第2実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した図であり、図8(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の小径孔に移動して回転した状態を示す縦断面図、図8(B)は、ワイヤ連結部を挿通孔の小径孔に移動して回転した状態を示す下面図である。
図9】第3実施形態によるブラインドに備わるヘッドボックスを拡大した図であり、図9(A)は、ワイヤ連結部を挿通孔の大径孔に挿入する前の状態を示す斜視図、図9(B)は、挿通孔の大径孔を脱落防止部材で封鎖した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
[第1実施形態]
(ブラインドの構成)
最初に、本発明の第1実施形態によるブラインドの全体構成を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1又は図2を参照すると、本発明の第1実施形態によるブラインド10は、C形チャンネル状のヘッドボックス1Bhを上部に取り付けている。ヘッドボックス1Bhは、複数のラダーコードCeを介して、遮蔽材となるスラットStを複数吊り下げ支持している。ブラケットBrを用いて、ヘッドボックス1Bhを二点以上支持すると共に、これらのブラケットBrを窓枠の上面、天井、カーテンボックス又は外壁などの固定面に固定することで、ブラインド10を窓などの室内側又は室外側に配置できる。
【0021】
図1又は図2を参照すると、ブラインド10は、複数のスラットStの下方にボトムレールRbを配置している。ヘッドボックス1Bhは、複数のラダーコードCeを介して、ボトムレールRbを吊り下げ支持している。
【0022】
又、図1又は図2を参照すると、ブラインド10は、ラダーコードCeと同列に昇降コードCrをヘッドボックス1Bhから垂下している。昇降コードCrは、複数のスラットStを挿通して、下端部がボトムレールRbに係留している。
【0023】
図1を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、モータMtと駆動軸Saを内部に配置している。駆動軸Saは、ヘッドボックス1Bhの長手方向に延在している。モータMtは、その出力軸が駆動軸Saに連結している。モータMtを駆動することで、駆動軸Saをその軸回りに回転できる。
【0024】
又、図1を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、制御ユニットUcとエンコーダEdを内部に配置している。制御ユニットUcは、外部からの指令信号により、モータMtの回転を制御している。エンコーダEdは、駆動軸Saに連結している。エンコーダEdが駆動軸Saに連結していることで、制御ユニットUcは、モータMtの回転をフィードバック制御できる。
【0025】
図1を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、複数の巻き取りドラムDrを駆動軸Saと同軸上に配置している。巻き取りドラムDrには、駆動軸Saの回転が伝動される。巻き取りドラムDrには、ラダーコードCe及び昇降コードCrの一端部側が巻き回されている。モータMtを駆動することで、巻き取りドラムDrが回転して複数のスラットStを一斉に傾動でき、更に巻き取りドラムDrが回転を継続することでボトムレールRbを上昇又は下降させ、巻き取りドラムDrが回転を停止することでボトムレールRbの昇降を停止させることができる。
【0026】
このように、図1又は図2を参照すると、実施形態によるブラインド10は、モータで開閉自在な電動式の横型ブラインドを開示している。
【0027】
(ガイドワイヤの構成)
次に、実施形態によるガイドワイヤ1の構成を説明する。図1を参照すると、ブラインド10は、一対のガイドワイヤ1・1を複数のスラットSt及びボトムレールRbの両端部に張設している。図1又は図2を参照すると、ガイドワイヤ1は、ヘッドボックス1Bhから垂下している。又、ガイドワイヤ1は、ボトムレールRbを挿通し、ボトムレールRbの下方に固定している。
【0028】
図1又は図3を参照すると、ガイドワイヤ1は、ワイヤ本体Wbとワイヤ連結部となるワイヤ端子11で構成している。ワイヤ端子11は、ワイヤ本体Wbの一端部に固定されている(図3参照)。例えば、ワイヤ端子11は、カシメ付けなどの固定手段により、ワイヤ本体Wbの一端部に固定されている(図3参照)。
【0029】
図1から図3を参照すると、ワイヤ端子11は、ヘッドボックス1Bhに着脱自在に連結できる。ワイヤ本体Wbの他端部側は、後述するガイドワイヤ張力調整装置となる巻き取りセットSrに巻取り自在に係留している。
【0030】
図1又は図2を参照すると、巻き取りセットSrは、ボトムレールRbの下面の対向面となる床面に固定している。巻き取りセットSrは、図示しないウォーム歯車装置と巻き取り軸を内部に備えている。巻き取り軸には、ワイヤ本体Wbの他端部側が巻き回されている。ウォーム歯車装置は、巻き取り軸と伝動可能に連結している。ウォーム歯車装置を外部から操作することで、巻き取り軸がワイヤ本体Wbを巻き回又は巻き解くことができる。これにより、ガイドワイヤ1の張力を調整できる。
【0031】
従来技術によるブラインドは、ガイドワイヤの上端に固定したワイヤ端子をヘッドボックスの下方から着脱することは困難であった。本発明によるガイドワイヤは、その上端に固定したワイヤ端子をヘッドボックスの下方から容易に着脱できる。
【0032】
(ヘッドボックスの構成)
次に、第1実施形態によるヘッドボックス1Bhの構成を説明する。図3を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、挿通孔1hを下面Suに開口している。挿通孔1hは、大径孔Lhと小径孔Shが連通した、いわゆる、だるま穴で構成している。挿通孔1hの大径孔Lhには、ワイヤ端子11を挿入できる。言い換えれば、大径孔Lhの直径は、ワイヤ端子11に形成した鍔部11fの直径より大きく形成している(図3(A)参照)。
【0033】
図3(A)を参照して、大径孔Lhを介して、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhの内部に挿入後に、ガイドワイヤ1を小径孔Shに向かってスライドすることで、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhから脱落困難に、ヘッドボックス1Bhを連結できる。言い換えれば、小径孔Shの直径は、ワイヤ端子11に形成した鍔部11fの直径より小さく、かつ、ワイヤ本体Wbの直径より大きく形成している(図3(B)参照)。
【0034】
図3(B)を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、脱落防止部材となる雄ねじScを備えている。雄ねじScは、挿通孔1hを形成する大径孔Lhに螺合する螺子部msを軸部に形成している。図3(B)を参照して、ガイドワイヤ1が小径孔Shにスライドした状態で、雄ねじScを大径孔Lhに螺合することで、ワイヤ端子11が大径孔Lh方向にスライドすることを阻止できる(図6参照)。これにより、ワイヤ端子11がヘッドボックス1Bhの挿通孔1hから脱落することを防止できる。
【0035】
一方、雄ねじScを大径孔Lhに螺合していない図3(B)に示した状態から、ワイヤ端子11を大径孔Lhにスライドすることで、ヘッドボックス1Bhとガイドワイヤ1の連結を解除できる。つまり、ワイヤ端子11を挿通孔1hから取り外すことができる(図3(A)参照)。
【0036】
図1から図3を参照すると、第1実施形態によるブラインド10のガイドワイヤ固定構造は、ヘッドボックス1Bhに連結可能なワイヤ端子11を一端部に備えたガイドワイヤ1と、ワイヤ端子11が挿入可能な挿通孔1hを有するヘッドボックス1Bhを備え、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhの内部でスライドさせて、ヘッドボックス1Bhから着脱可能にすることで、ヘッドボックス1Bhを窓枠などに設置した状態でガイドワイヤ1の着脱作業を容易にできる。
【0037】
(ブラインドの作用)
次に、第1実施形態によるブラインド10のガイドワイヤ固定構造の操作手順を説明しながら、ブラインド10のガイドワイヤ固定構造の作用及び効果を説明する。
【0038】
図1図2を参照して、ガイドワイヤ1をヘッドボックス1Bhに取り付ける場には、最初に、巻き取りセットSrを外部から操作して、ガイドワイヤ1を予め弛めておく。次に、図3(A)又は図4(A)及び図5(A)を参照して、大径孔Lhを介して、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhの内部に挿入する。
【0039】
次に、図3(B)又は図4(B)及び図5(B)を参照して、ガイドワイヤ1を小径孔Shに向かってスライドする。これにより、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhから脱落困難に、ヘッドボックス1Bhを連結できる。
【0040】
次に、図4(C)又は、図6を参照して、雄ねじScを大径孔Lhに螺合することができる。そして、ワイヤ端子11がヘッドボックス1Bhの挿通孔1hから脱落することを確実に防止できる。
【0041】
一方、図3(B)又は図4(B)及び図5(B)に示した状態から、ワイヤ端子11を大径孔Lhにスライドすることで、ヘッドボックス1Bhとガイドワイヤ1の連結を解除できる。つまり、ワイヤ端子11を挿通孔1hから取り外すことができる(図3(A)参照)。
【0042】
図1から図3を参照すると、第1実施形態によるブラインド10のガイドワイヤ固定構造は、ヘッドボックス1Bhに連結可能なワイヤ端子11を一端部に備えたガイドワイヤ1と、ワイヤ端子11が挿入可能な挿通孔1hを有するヘッドボックス1Bhを備え、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhの内部でスライドさせて、ヘッドボックス1Bhから着脱可能にすることで、ヘッドボックス1Bhを窓枠などに設置した状態でガイドワイヤ1の着脱作業を容易にできる。
【0043】
図1から図3を参照すると、挿通孔1hは、大径孔Lhと小径孔Shが連通していると共に、ヘッドボックス1Bhの下面Suに開口している。そして、ワイヤ端子11を大径孔Lhに挿入後に、小径孔Shに移動することで、ワイヤ端子11をヘッドボックス1Bhに連結できる。
【0044】
第1実施形態によるブラインド10のガイドワイヤ固定構造は、ヘッドボックス1Bhの下面Suに形成した挿通孔1hは、大径孔Lhと小径孔Shが連通しているので、ワイヤ端子11の着脱作業がブラインド10のヘッドボックス1Bhを固定面から外すことなく、ブラインド10の正面側から行え、交換作業及びメンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0045】
又、ヘッドボックス1Bhは、ワイヤ端子11がヘッドボックス1Bhの挿通孔1hから脱落することを防止できる雄ねじScを更に備えている。これにより、ワイヤ端子11が挿通孔1hから脱落することを防止できる。
【0046】
更に、雄ねじScは、挿通孔1hを形成する大径孔Lhに螺合する螺子部msを有している。これにより、雄ねじScは、挿通孔1hの大径孔Lhに容易に着脱できる。
【0047】
[第2実施形態]
(ブラインドの構成)
次に、本発明の第2施形態によるブラインドの構成を説明する。
【0048】
図7又は図8を参照すると、本発明の第2実施形態によるブラインド20は、第1実施形態によるブラインド10と同様に構成している。ブラインド20は、ヘッドボックス1Bhに代えて、C形チャンネル状のヘッドボックス2Bhを上部に取り付けている。ヘッドボックス2Bhの内部構成は、ヘッドボックス1Bhの内部構成と同じである(図1参照)。
【0049】
図5図7を対比すると、ヘッドボックス1Bhとヘッドボックス2Bhは、それらの下面Suに挿通孔1hを開口している点は同じであるが、ヘッドボックス2Bhは、内壁側に突出した一対の脱落防止部材となる脱落防止部2b・2bを挿通孔1hの周囲に配置した点が異なっている(図7(B)又は図8(B)参照)。
【0050】
又、図7又は図8を参照すると、ブラインド20は、第1実施形態によるガイドワイヤ1に代えて、ガイドワイヤ2を備えている。
【0051】
図7又は図8を参照すると、ガイドワイヤ2は、ワイヤ本体Wbとワイヤ連結部となるワイヤ端子21で構成している。ワイヤ端子21は、ワイヤ本体Wbの一端部に固定されている。例えば、ワイヤ端子21は、カシメ付けなどの固定手段により、ワイヤ本体Wbの一端部に固定されている。
【0052】
図7又は図8を参照すると、ワイヤ端子21は、ヘッドボックス2Bhに着脱自在に連結できる。ワイヤ本体Wbの他端部側は、ガイドワイヤ張力調整装置となる巻き取りセットSrに巻取り自在に係留している(図1又は図2参照)。
【0053】
図7(B)又は図8(B)を参照すると、ワイヤ端子21は、略円形の鍔部21fを基端部に形成している。又、鍔部21fは、遠心方向に突出した突出部21dを形成している。ヘッドボックス2Bhの挿通孔1hには、ワイヤ端子21を挿入できる(図7参照)。
【0054】
(ブラインドの作用)
次に、第2実施形態によるブラインド20のガイドワイヤ固定構造の操作手順を説明しながら、ブラインド20のガイドワイヤ固定構造の作用及び効果を説明する。
【0055】
図7又は図8を参照して、ガイドワイヤ2をヘッドボックス2Bhに取り付ける場には、最初に、巻き取りセットSrを外部から操作して(図1又は図2参照)、ガイドワイヤ2を予め弛めておく。次に、図7を参照して、挿通孔1hを介して、ワイヤ端子21をヘッドボックス2Bhの内部に挿入する。
【0056】
次に、図7に示した状態から、ガイドワイヤ2を小径孔Shに向かって移動する。ガイドワイヤ2を小径孔Shに向かって移動した状態では、鍔部21fは、一対の脱落防止部2b・2bの間を通過している(図8(B)参照)。
【0057】
次に、ワイヤ端子21を略90度回動することで、突出部21dをいずれか一方の脱落防止部2bに対向配置できる(図8(B)参照)。図8(B)に示した状態では、ワイヤ端子21の突出部21dが脱落防止部2bを乗り越えることが阻止される。これにより、ワイヤ端子21をヘッドボックス2Bhから脱落困難に、ヘッドボックス2Bhを連結できる。
【0058】
一方、図8(B)に示した状態から、前述を逆の手順を実施することで、ヘッドボックス2Bhとガイドワイヤ2の連結を解除できる。つまり、ワイヤ端子21を挿通孔1hから取り外すことができる。
【0059】
図7又は図8を参照すると、第2実施形態によるブラインド20のガイドワイヤ固定構造は、ヘッドボックス2Bhに連結可能なワイヤ端子21を一端部に備えたガイドワイヤ2と、ワイヤ端子21が挿入可能な挿通孔1hを有するヘッドボックス2Bhを備え、ワイヤ端子21をヘッドボックス2Bhの内部で回転させて、ヘッドボックス2Bhから着脱可能にすることで、ヘッドボックス2Bhを窓枠などに設置した状態でガイドワイヤ2の着脱作業を容易にできる。
【0060】
図7又は図8を参照すると、第2実施形態では、ワイヤ端子21の鍔部21fが一対の脱落防止部2b・2bの間を通過できる実施例を開示したが、一対の脱落防止部2b・2bの間隔を狭くすること、又は、鍔部21fの外径を大きくすることで、鍔部21fが一対の脱落防止部2b・2bを乗り越えた後に一対の脱落防止部2b・2bによって阻止され、ワイヤ端子21を回転する必要を無くすことができる。又、この場合、ワイヤ端子21は突出部21dを設けずに構成してもよい。
【0061】
[第3実施形態]
(ブラインドの構成)
次に、本発明の第3施形態によるブラインドの構成を説明する。
【0062】
図9を参照すると、本発明の第3実施形態によるブラインド30は、第1実施形態によるブラインド10と同様に構成している。ヘッドボックス1Bhは、それらの下面Suに挿通孔1hを開口している点は同じであるが、脱落防止部材が大径孔Lhに螺合する雄ねじScではなく、係合部Epを備えるキャップCpである点が異なっている。
【0063】
図9を参照すると、ヘッドボックス1Bhは、脱落防止部材となるキャップCpを備えている。キャップCpは、挿通孔1hを形成する大径孔Lhに嵌合する係合部Epを軸部に形成している。図9(B)を参照して、ガイドワイヤ1が小径孔Sh側にスライドした状態で、キャップCpを大径孔Lhに嵌合することで、ワイヤ端子11が大径孔Lh方向にスライドすることを阻止できる。これにより、ワイヤ端子11がヘッドボックス1Bhの挿通孔1hから脱落することを防止できる。
【0064】
本発明によるブラインドのガイドワイヤ固定構造は、複数のスラットを開閉自在な横型ブラインドに好適な実施例を開示したが、本発明によるブラインドのガイドワイヤ固定構造は、プリーツスクリーンを備えた横型ブラインドにも適用できる。
【符号の説明】
【0065】
1 ガイドワイヤ
1h 挿通孔
1Bh ヘッドボックス
10 ブラインド
11 ワイヤ端子(ワイヤ連結部)
Rb ボトムレール
St スラット(遮蔽材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9