(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】天候予測方法、及び、天候予測装置
(51)【国際特許分類】
G01W 1/10 20060101AFI20231016BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231016BHJP
【FI】
G01W1/10 D
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020062054
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】村上 順也
(72)【発明者】
【氏名】白井 公人
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭57-173777(JP,A)
【文献】特開平03-156398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0212236(US,A1)
【文献】特開平10-096790(JP,A)
【文献】特開2008-102115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/10
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された地点の気温を含む気象データから、前記地点の前記気象データを取得した時刻から所定時間後の天候を予測する天候予測方法であって、
前記気象データ、前記気象データを取得した時刻のデータ、及び、前記時刻における全天画像のデータ
の3種類のデータの組をデータセットと
し、予測する時刻の基準となる時刻である基準時刻
を、前記気象データを取得した時刻としたとき、
前記基準時刻のデータセットである基準時データセットを求めるステップと、
予め求めておいた、前記
基準時刻よりも前の時刻
に取得した気象データ、前記前の時刻のデータ、及び、前記前の時刻における全天画像のデータの組である過
去データセットと前記基準時データセットとの類似度を算出するステップと、
前記類似度が算出された過去データセットを類似データセットとしたとき、
前記過去データセットの中から、前記類似データセットの
前記所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットを抽出するステップと、
前記基準時刻から
前記所定時間経過後の前記予め設定された地点の天候を予測するステップと、を備え、
前記類似度を求めるステップでは、
前記基準時データセットの各データと
前記過去データセットの各データとを比較して、前記類似度を算出し
前記天候を予測するステップでは、
前記類似データセットの類似度と前記天候予測用過去データセットの天候とから、前記基準時刻から
前記所定時間経過後の天候を予測することを特徴とする天候予測方法
。
【請求項2】
予め設定された地点の気温を含む気象データから、前記地点の前記気象データを取得した時刻から所定時間後の天候を予測する天候予測システムであって、
前記気象データと、前記気象データを取得した時刻のデータ、及び、前記時刻における全天画像のデータ
の3種類のデータをそれぞれ採取する気象データ採取手段と、
前
記3種類のデータの組をデータセットとし
、予測する時刻の基準となる時刻である基準時刻
を、前記気象データを取得した時刻としたとき、
前記基準時刻のデータセットである基準時データセットを作成する基準時データセット作成手段と、
予め求めておいた、前記
基準時刻よりも前の時刻
に取得した気象データ、前記前の時刻のデータ、及び、前記前の時刻における全天画像のデータの組であ
る過去データセットを
複数記憶する記憶手段と、
前記基準時データセット
と前記過去データセットとの類似度を算出する類似度算出手段と、
前記類似度が算出された過去データセットを類似データセットとしたとき、
前記記憶手段から、前記類似データセットと前記類似データセットの
前記所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットとを抽出するデータセット抽出手段と、
前記基準時刻から
前記所定時間経過後の前記予め設定された地点の天候を予測する天候予測手段と、を備え、
前記類似度算出手段は、
前記基準時データセットの各データと
前記過去データセットの各データとを比較して、前記類似度を算出し、
前記天候予測手段は、
前記類似データセットの類似度と前記天候予測用過去データセットの天候とから、前記基準時刻から
前記所定時間経過後の天候を予測することを特徴とする天候予測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気象データの観測地点の所定時間経過後の天候を予測する方法とその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、天候の予測方法として、遠隔の装置から入力された、第1の場所、及び、第1の時刻における風や温度などの気象関連事象を観測することで得られた観測データである第1の観測データと、特定の場所に配置された複数のセンサーで観測された観測データである第2の観測データとから、第2の場所、及び、第2の時刻における天気予報を生成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この天気予測方法では、前記特定の場所を複数設けるとともに、第2の場所、及び、第2の時刻における、温度や気圧などの天気予報値に関連付けられる画素を含む画像の天気予報値を、前記複数の第2の観測データに基づいて変更することで、天気予報の精度を向上させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1において、第2の場所を第1の場所とすれば、第1の場所における第2の時間(例えば、第1の時間の数時間後)の天気を予測することができる。
しかしながら、この場合、特許文献1の方法では、第1の場所、及び、第1の時刻とは場所と時間とが異なる第2の観測データを用いて第1の場所の第2の時刻での天気を予測しているため、上記の特定の場所が複数であったとしても、予報の精度は必ずしも十分とはいえなかった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、予め設定された地点の気温を含む気象データから、当該地点の所定時間後の天候を精度よく予測する方法とその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、予め設定された地点の気温を含む気象データから、前記地点の前記気象データを取得した時刻から所定時間後の天候(晴や雨など)を予測する天候予測方法であって、前記気象データ、前記気象データを取得した時刻のデータ、及び、前記時刻における全天画像のデータの3種類のデータの組をデータセットとし、予測する時刻の基準となる時刻である基準時刻を、前記気象データを取得した時刻としたとき、前記基準時刻のデータセットである基準時データセットを求めるステップと、予め求めておいた、前記基準時刻よりも前の時刻に取得した気象データ、前記前の時刻のデータ、及び、前記前の時刻における全天画像のデータの組である過去データセットと前記基準時データセットとの類似度を算出するステップと、前記類似度が算出された過去データセットを類似データセットとしたとき、前記過去データセットの中から、前記類似データセットの前記所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットを抽出するステップと、前記基準時刻から前記所定時間経過後の前記予め設定された地点の天候を予測するステップとを備え、前記類似度を求めるステップでは、前記基準時データセットの各データと前記過去データセットの各データとを比較して、前記類似度を算出し、前記天候を予測するステップでは、前記類似データセットの類似度と前記天候予測用過去データセットの天候とから、前記基準時刻から前記所定時間経過後の天候を予測することを特徴とする。
このように、予め設定された地点において測定、もしくは、撮影したデータを用いて、基準時刻から所定時間経過後の天候を予測するようにしたので、当該地点の所定時間経過後の天候を精度よく予測することができる。
【0007】
また、本発明は、予め設定された地点の気温を含む気象データから、前記地点の前記気象データを取得した時刻から所定時間後の天候を予測する天候予測システムであって、前記気象データと、前記気象データを取得した時刻のデータ、及び、前記時刻における全天画像のデータの3種類のデータをそれぞれ採取する気象データ採取手段と、前記3種類のデータの組をデータセットとし、予測する時刻の基準となる時刻である基準時刻を、前記気象データを取得した時刻としたとき、前記基準時刻のデータセットである基準時データセットを作成する基準時データセット作成手段と、予め求めておいた、前記基準時刻よりも前の時刻に取得した気象データ、前記前の時刻のデータ、及び、前記前の時刻における全天画像のデータの組である過去データセットを複数記憶する記憶手段と、前記基準時データセットと前記複数の過去データセットとの類似度を算出する類似度算出手段と、前記類似度が算出された過去データセットを類似データセットとしたとき、前記記憶手段から、前記類似データセットと前記類似データセットの前記所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットを複数抽出するデータセット抽出手段と、前記基準時刻から前記所定時間経過後の前記予め設定された地点の天候を予測する天候予測手段と、を備え、前記類似度算出手段は、前記基準時データセットの各データと前記過去データセットの各データとを比較して、前記類似度を算出し、前記天候予測手段は、前記類似データセットの類似度と前記天候予測用過去データセットの天候とから、前記基準時刻から前記所定時間経過後の天候を予測することを特徴とする。
このような構成を採ることにより、気温を含む気象データを測定した地点の所定時間経過後の天候を精度よく予測きる天候予測システムを得ることができる。
【0008】
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係わる天候予測システムを示す図である。
【
図2】本発明による天候予測方法を示すフローチャートである。
【
図3】データセットの抽出方法と天候の予測方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施の形態に係わる天候予測システム10を示す図で、同図において、11は気象データ採取手段、12は撮影手段、13は全天画像作成手段、14は基準時データセット作成手段、15は記憶手段、16は過去データセット抽出手段、17は類似度算出手段、18はデータセット抽出手段、19は天候予測手段である。
気象データ採取手段11は、例えば、ビルの屋上などの予め設定された地点(以下、観測点という)に設置されて、観測点の気象データD1を計測して採取する。具体的には、温度計111により温度を、湿度計112により湿度を、日射計113により日射量をそれぞれ計測する。また、気圧計114で気圧を計測し、風向風速計115で風向きと風速とを計測する。これら採取された気象データD1(温度、湿度、日射量、気圧、風向き、及び、風速のデータ)は、基準時データセット作成手段14に送られる。
撮影手段12は、雲の様子などの観測点の空模様を撮影するもので、本例では、魚眼レンズを備えた、視野が180°の全天カメラを用いて、全天像を撮影した。また、撮影手段12は、撮影時刻のデータ(ここでは、2020年2月20日10:00)を時刻データD3として基準時データセット作成手段14に送る。なお、時刻データD3は、温度計111や気圧計114、あるいは、風向風速計115などから送ってもよい。
全天画像作成手段13は、撮影手段12で撮影された映像を画像に変換した全天画像データD2を作成し、基準時データセット作成手段14に送る。
基準時データセット作成手段14は、送られてきた気象データD1、全天画像データD2、及び、時刻データD3の3種類のデータ
を1組としたデータセットを作成する。このデータセットは、天候を予測する時刻の基準となる時刻のデータセットであるので、以下、このデータセットを基準時データセット101という。
なお、前記の気象データD1及び全天画像データD2は、1分間ごとに採取されるが、基準時データセット作成手段14に送る気象データD1としては、所定時間(例えば、20分)の平均値を送り、全天画像データD2は所定時間毎に代表値として1個送ればよい。
また、気象データD1に関しては、基準となる時刻の20分前から基準となる時刻までの推移を1組のデータセットとしても構わない。これにより、基準となる時刻に至るまでの気象データの推移を1組のデータとして扱うことが可能となる。
基準時データセット作成手段14で作成された基準時データセット101は、その後、過去データセットして記憶手段15に保存される。上記のように気象データD1として平均値を用い、全天画像データD2として代表値を用いれば、データ精度を高めることができるだけでなく、過去データセットの個数を必要以上に大きくしないという効果がある。
【0011】
記憶手段15は、複数の過去データセット15k(k=1~n、n;整数)を記憶する。過去データセット15kは、基準時データセット101と同じく、気象データD1、全天画像データD2、及び、時刻データD3の3種類のデータを1組としたデータセットで、記憶手段15に計測時刻順に並べて保存されている。
過去データセット抽出手段16は、類似度算出手段17に送る過去データセットを抽出する。本例では、基準時データセット101の採取時刻を、例えば、上記の2020年2月20日10:00とした場合、日付が2月10日~3月2日で、かつ、時間が8:00~12:00のものを抽出するようにしている。
これは、保存されている全ての過去データセットのうち、例えば、春、夏、秋に採取した過去データセットと、2月に採取した基準時データセット101との類似性も、午前中に採取した過去データセットと、夕方に採取した過去データセットとの類似性も、ともに、低いことは明らかだからである。なお、過去データセット抽出手段16の抽出基準は、上記に限るものではなく、もっと範囲を広げてもよいし、逆に狭めてもよい。あるいは、日射量や気圧など、気象データD1の中の1つあるいは複数を、抽出基準に選んでもよい。
【0012】
類似度算出手段17は、過去データセット抽出手段16で抽出された複数の過去データセットとの類似度を算出する。具体的には、前記基準時データセット101の各データと過去データセット15pの各データとの類似度を求め、これら各データ間の類似度を用いて、データセット間の類似度Spを算出する。
例えば、温度の類似度をs1、湿度の類似度をs2、日射量の類似度をs3、気圧の類似度をs4、風向きの類似度をs5、風速の類似度をs6、全天画像データD2の類似度をs7としたとき、Sp=(a1・s1+a2・s2+……+a7・s7)/7と表せる。
なお、温度の類似度s1は、例えば、基準時データセット101の温度をT、過去データセットの温度をT’としたとき、T’=Tのなら100%とし、|T-T’|≦2℃なら75%、2℃<|T-T’|≦4℃なら50%、4℃<|T-T’|≦6℃なら25%、|T-T’|>6℃なら0%などと設定すればよい。
また、akは、気象データD1を構成する各要素がSpに与える寄与度(影響度)となる。それぞれの寄与度の合計は、データを計測する地点の地形、気象データ採取手段11の設置場所等を考慮して、(a1+a2+……+a7)=1となるように定める。
湿度の類似度s2、日射量の類似度s3、気圧の類似度s4、風速の類似度s6についても、温度の類似度s1と同様に設定すればよい。
なお、風向きの類似度s5については、北風を0°、南風を180°とした角度で表し、角度差により風向きの類似度s5を設定とすればよい。例えば、基準時データセット101の風向きをθとし、過去データセットの風向きをθ’としたとき、風速の類似度の限界角度(s6=0となる角度差)を|θ-θ’|=15°などとすればよい。
また、全天画像データD2の類似度s7は、基準時データセット101の全天画像Gと、過去データセットの全天画像G’とを画像比較により設定される。
具体的には、全天画像G,G’の特徴量g1~gm同士を比較する。特徴量としては、例えば、画像全体に占める雲の割合、雲の形状、雲の色(明るさ)、空の色、空の明るさ、などが挙げられる。
なお、全天画像G,G’として、例えば、5分間隔で撮影した2枚の画像を用いれば、例えば雲が、南北方向に流れている、などの雲の動きも特徴量に入れることができる。
【0013】
データセット抽出手段18は、記憶手段15から、類似度算出手段17にて類似度が算出された複数の過去データセット(以下、類似データセットという)と、この類似データセットの所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットとを、複数抽出して天候予測手段19に送る。
なお、類似データセットの全てについて、類似データセットと天候予測用過去データセットとを抽出して天候予測手段19に送る必要はないが、天候予測手段19に送る類似データセットと天候予測用過去データセットとしては、類似データセットのうちの、類似度の高い複数の類似データセットとその所定時間後の過去データセットである天候予測用過去データセットとすることが好ましい。
天候予測手段19は、天候予測用過去データセットの類似度と、天候予測用過去データセットの天候とから、基準時刻から所定時間経過後の天候を予測する。
所定時間経過後の天候の予測方法については、後述する。
なお、過去データセットの類似度を、天候予測用過去データセットのデータに付加しておけば、類似データセットは、天候予測手段19に送る必要はない。
【0014】
次に、本発明の天気予測方法について、
図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、観測点の気象データD1((温度、湿度、日射量、気圧、風向き、及び、風速のデータ)を採取してするとともに、全天カメラを用いて雲の様子などの観測点の空模様である全天像を撮影する(ステップS10)。
次に、撮影された映像を画像に変換した全天画像データD2を作成するとともに、撮影時刻のデータである時刻データD3を生成(ステップS11)した後、気象データD1、全天画像データD2、及び、時刻データD3の3種類のデータの組であるデータセット(基準時データセット101)を作成する(ステップS12)。
次に、予め求めておいた過去時刻のデータセットである過去データセットを、複数組抽出(ステップS13)し、この抽出された過去データセットと、基準時データセット101との類似度を算出する(ステップS14)。
そして、算出された類似度を付加した類似データセットと、類似データセットの所定時間(例えば、7時間)後の過去データセットである天候予測用過去データセットとを、過去データセットの中から抽出する(ステップS15)。
最後に、類似データセットの類似度と、天候予測用過去データセットの天候とから、基準時刻から所定時間経過後の天候を予測する(ステップS16)。
ステップS16の天候予測の具体例について、
図3を参照して説明する。なお、同図では、類似データセットのデータとしては類似度のみを表示し、天候予測用過去データセットのデータとしては天候のみを表示した。
まず、類似データセットの類似度と、天候予測用過去データセットの天候とから、所定時間経過後の天候が「雨」になる確率を算出する。
類似データセット(1)は、類似度S
1が90%で、その7時間後のデータセットである天候予測用過去データセット(1)天気は「晴」であった。したがって、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率P
1は10%となる。
類似データセット(2)は、類似度S
2が75%で、その7時間後の天気は「雨」なので、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率P
2は75%となる。
類似データセット(3)は、類似度S
3が49%で、その7時間後の天気は「雨」なので、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率P
3は49%となる。
類似データセット(4)は、類似度S
4が66%で、その7時間後の天気は「晴」なので、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率P
4は34%となる。
また、類似データセット(5)は、類似度S
5が56%で、その7時間後の天気は「晴」なので、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率P
5は44%となる。
本例では、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率Pを、以下の式に示す、類似データセット(1)~(5)の相加平均により求める。
P=(P
1+P
2+P
3+P
4+P
5)/5
上記式にP
1~P
5を代入すると、基準時から7時間後の天候が「雨」である確率Pは、42.4%となる。
なお、説明の関係上、
図3では、天候予測に使用するデータセットを5個としているが、実際には100個程度用いている。
このように、予め設定された地点の気温を含む気象データと全天画像データとから作成した基準時データセット101と、過去に作成した過去データセットとの類似度を算出し、基準時データセット101と類似した類似データセットを過去データセットの中から抽出するとともに、類似データセットの類似度と、類似データセットの所定時間後の天候から、基準時データセット101を取得した地点の所定時間後の天候を予測するようにしたので、当該地点の所定時間後の天候を精度よく予測することができる。
【0015】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
【0016】
例えば、前記実施形態では、データセットを、気象データ、気象データを取得した時刻のデータ、及び、前記時刻における全天画像のデータの3種類のデータとしたが、少なくとも2種類のデータの組をデータセットとしてもよい。
また、気象データD1についても、温度、湿度、日射量、気圧、風向き、及び、風速の5つに限るものではなく、風向き、及び、風速などを省略してもよい。あるいは、降水量(あるいは、降水の有無)などの他の気象データを追加してもよい。
また、前記実施形態では、予測する天候を「晴」と「雨」の2種類としたが、更に、「曇り」を加えるなどしてもよい。
【符号の説明】
【0017】
10 天候予測システム、101 基準時データセット、
11 気象データ採取手段、12 撮影手段、13 全天画像作成手段、
14 基準時データセット作成手段、15 記憶手段、
16 過去データセット抽出手段、17 類似度算出手段、
18 データセット抽出手段、19 天候予測手段、
111 温度計、112 湿度計、113 日射計、114 気圧計、
115 風向風速計、151~15n 過去データセット、D1 気象データ、
D2 全天画像データ、D3 時刻データ。