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特許7366873超音波画像表示システム及びその制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】超音波画像表示システム及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
A61B8/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020194331
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083080
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2020-12-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】319011672
【氏名又は名称】ジーイー・プレシジョン・ヘルスケア・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真由美
(72)【発明者】
【氏名】船矢 晴二
(72)【発明者】
【氏名】橋本 浩
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-46193(JP,A)
【文献】特表2015-512301(JP,A)
【文献】特開2003-70786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサとメモリと超音波プローブとディスプレイを備える超音波画像表示システムであって、
前記プロセッサは、
被検体に対して第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、前記第1の超音波スキャンは、前記被検体における観察対象を含んでおり、
前記第1の超音波スキャンによって得られた第1のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第1の超音波画像を作成して前記メモリに記憶し、
該メモリに前記第1の超音波画像が記憶された後に、前記観察対象を含む第2の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、
前記第2の超音波スキャンによって得られた第2のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第2の超音波画像を作成して前記ディスプレイに表示し、
該ディスプレイに表示された第2の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して計測値を取得し、
該計測値が基準を満たすか否か判定し、
前記計測値が基準を満たさない場合、前記メモリから前記第1の超音波画像を読み出して前記ディスプレイに表示する、ことを含む制御を実行するよう構成される超音波画像表示システム。
【請求項2】
前記第1の超音波画像は、前記プロセッサによって前記計測値が基準を満たさないと判定されると前記メモリから読み出される、請求項1に記載の超音波画像表示システム。
【請求項3】
オペレーターの入力を受け付けるユーザインタフェースをさらに備え、
前記プロセッサは、前記計測値が基準を満たさないと判定した場合、該判定結果を報知するようさらに構成されており、
前記第1の超音波画像は、前記判定結果の報知を認識したオペレーターによる入力を前記ユーザインタフェースが受け付けると、前記メモリから読み出される、請求項1に記載の超音波画像表示システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
複数の画像取得工程を含むプロトコルに従って、前記第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第1の超音波画像を作成し、
前記プロトコルに従って、前記第2の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第2の超音波画像を作成するよう構成され、
前記メモリから読み出される前記第1の超音波画像は、前記複数の画像取得工程のうち、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程で取得された画像である、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の超音波画像を作成する前記複数の画像取得工程のうちのいずれかの画像取得工程において前記プロトコルを中断した後に、前記第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第1の超音波画像を作成するようさらに構成されており、
前記メモリから読み出される前記第1の超音波画像は、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像が取得された前記画像取得工程と同じ画像取得工程において前記プロトコルが中断された後に、前記第1の超音波スキャンが行われて作成された画像である、請求項4に記載の超音波画像表示システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記第2の超音波画像を作成する前記複数の画像取得工程のうちのいずれかの画像取得工程において前記プロトコルを中断した後に、前記第2のスキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第2の超音波画像を作成するようさらに構成されており、
前記メモリから読み出される前記第1の超音波画像は、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像を取得するために前記プロトコルが中断された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された画像である、請求項4に記載の超音波画像表示システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、さらに、
前記第1の超音波画像を作成する前記複数の画像取得工程のうちのいずれかの画像取得工程において前記プロトコルを中断した後に、前記第1のスキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第1の超音波画像を作成し、
前記第2の超音波画像を作成する前記複数の画像取得工程のうちのいずれかの画像取得工程において前記プロトコルを中断した後に、前記第2のスキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、なおかつ前記第2の超音波画像を作成するようさらに構成されており、
前記メモリから読み出される前記第1の超音波画像は、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像を取得するために前記プロトコルが中断された画像取得工程と同じ画像取得工程において前記プロトコルが中断された後に前記第1のスキャンが行われて作成された画像である、請求項4に記載の超音波画像表示システム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記第1の超音波スキャンのスキャン部位を特定する内容を含むコメント又は前記超音波プローブの位置を含むボディパタンを用いて前記第1の超音波画像を特定して前記メモリから読み出す、請求項1~3のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して第1の計測値を取得するようさらに構成され、
前記第1の計測値を取得する計測は、前記第1の超音波画像を前記メモリに記憶する前、又は前記メモリに前記第1の超音波画像を記憶した後であって該第1の超音波画像を前記メモリから読み出す前に実施され、
前記第2の超音波画像における前記観察対象について取得された前記計測値は、第2の計測値であり、
前記メモリから読み出される前記第1の超音波画像は、前記第2の計測値を取得した計測と同じ種類の計測を実施して前記第1の計測値が取得された画像である、請求項1~8のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第1の計測値が基準を満たすか否か判定し、前記第1の計測値が基準を満たさないと判定した場合、前記第2の計測値を取得する計測が実施される前に、前記判定結果を報知すること及び前記第1の超音波画像をメモリから読み出して表示することの少なくとも一方を実行する、請求項9に記載の超音波画像表示システム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記メモリから読み出した前記第1の超音波画像における前記観察対象に対して計測を実施して第1の計測値を取得するようさらに構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム。
【請求項12】
前記メモリは、不揮発性の記憶媒体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の超音波画像表示システム
【請求項13】
前記プロセッサは、さらに、
前記第2の超音波画像を前記メモリに記憶し、
前記メモリに前記第2の超音波画像が記憶された後に、前記プロトコルに従って、前記観察対象を含む第3の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、
前記第3の超音波スキャンによって得られた第3のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第3の超音波画像を作成し、
該第3の超音波画像が作成される前記プロトコルに含まれる前記画像取得工程のうち、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程において、該画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像を前記ディスプレイに表示する、請求項4に記載の超音波画像表示システム。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記第3の超音波画像を前記ディスプレイに表示し、
前記第3の超音波画像が作成される前記プロトコルに含まれる前記画像取得工程のうち、前記計測値が基準を満たさないと判定された前記第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程において、前記ディスプレイに表示された第3の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して計測値を取得する、よう構成される、請求項13に記載の超音波画像表示システム。
【請求項15】
少なくとも一つのプロセッサとメモリと超音波プローブとディスプレイを備える超音波画像表示システムの制御プログラムであって、
該制御プログラムは、前記プロセッサに、
被検体に対して第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、前記第1のスキャンは、前記被検体における観察対象を含んでおり、
前記第1の超音波スキャンによって得られた第1のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第1の超音波画像を作成して前記メモリに記憶し、
該メモリに前記第1の超音波画像が記憶された後に、前記観察対象を含む第2の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、
前記第2の超音波スキャンによって得られた第2のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第2の超音波画像を作成して前記ディスプレイに表示し、
該ディスプレイに表示された第2の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して計測値を取得し、
該計測値が基準を満たすか否か判定し、
前記計測値が基準を満たさない場合、前記メモリから前記第1の超音波画像を読み出して前記ディスプレイに表示する、ことを含む制御を実行させる超音波画像表示システムの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波画像における観察対象について計測を実施して計測値を取得する超音波画像表示システム及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像表示システムの一例である超音波診断装置を用いた検査において、超音波画像に表示された腫瘤などの観察対象について、直径などを計測して計測値を取得する場合がある。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-109074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
計測値を得た後に、その計測値が注目すべき値であった場合、その計測値が得られた観察対象について同じ計測が実施された過去の超音波画像を表示して確認したい場合がある。オペレーターが、その過去の超音波画像を検索して表示するのは煩雑である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様の超音波画像表示システムは、少なくとも一つのプロセッサとメモリと超音波プローブとディスプレイを備える超音波画像表示システムである。前記プロセッサは、被検体に対して第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、前記第1の超音波スキャンは、前記被検体における観察対象を含んでおり、前記第1の超音波スキャンによって得られた第1のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第1の超音波画像を作成して前記メモリに記憶することを含む制御を実行する。また、前記プロセッサは、前記メモリに前記第1の超音波画像が記憶された後に、前記観察対象を含む第2の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、前記第2の超音波スキャンによって得られた第2のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第2の超音波画像を作成して前記ディスプレイに表示し、このディスプレイに表示された第2の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して計測値を取得することを含む制御を実行するよう構成される。さらに、前記プロセッサは、計測値が基準を満たすか否か判定し、前記計測値が基準を満たさない場合、前記メモリから前記第1の超音波画像を読み出して前記ディスプレイに表示する、ことを含む制御を実行するよう構成される。
【発明の効果】
【0006】
上記態様における超音波画像表示システムによれば、プロセッサは、計測値が基準を満たさない場合、前記メモリから前記第1の超音波画像を読み出して前記ディスプレイに表示するので、オペレーターが検索して表示する手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態による超音波画像表示システムの一例である超音波画像表示装置を示すブロック図である。
図2】実施形態によるプロトコルの第1の実行における処理の一例を示すフローチャートである。
図3】観察対象について計測が実施され、計測値が表示された状態のディスプレイを示す図である。
図4】実施形態によるプロトコルの第2の実行における処理の一例を示すフローチャートである。
図5】計測値を囲む枠が表示された状態のディスプレイを示す図である。
図6】第1の超音波画像及び第2の超音波画像が並んで表示された状態のディスプレイを示す図である。
図7】実施形態の第1の変形例によるプロトコルの第1の実行における処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態の第1の変形例によるプロトコルの第2の実行における処理の一例を示すフローチャートである。
図9】超音波画像表示システムの他例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、超音波画像表示システムが超音波画像表示装置で構成される場合について説明する。超音波画像表示装置は、例えば超音波診断装置である。
【0009】
図1に示す超音波画像表示装置1は、超音波プローブ2、送信ビームフォーマ3及び送信機4を含む。超音波プローブ2は、被検体に対して超音波スキャンを実行して超音波のエコーを受信する。より具体的には、超音波プローブ2は、パルス超音波を被検体(図示せず)に放射する複数の振動素子2aを有する。複数の振動素子2aは、送信ビームフォーマ3および送信機4によってドライブされパルス超音波を放射する。
【0010】
超音波画像表示装置1は、さらに受信機5及び受信ビームフォーマ6を含む。振動素子2aから放射されたパルス超音波は、被検体内において反射して振動素子2aに戻るエコーを生成する。エコーは、振動素子2aによって電気信号に変換されてエコー信号となり、受信機5に入力される。エコー信号は、受信機5において所要のゲインによる増幅等が行なわれた後に受信ビームフォーマ6に入力され、この受信ビームフォーマ6において受信ビームフォーミングが行われる。受信ビームフォーマ6は、受信ビームフォーミング後の超音波データを出力する。
【0011】
受信ビームフォーマ6は、ハードウェアビームフォーマであってもソフトウェアビームフォーマであってもよい。受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、受信ビームフォーマ6は、グラフィックス処理ユニット(GPU)、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または論理演算を実行することができる他の種類のプロセッサのうちの任意の1つまたは複数を含む1つまたは複数のプロセッサを備えることができる。受信ビームフォーマ6を構成するプロセッサは、後述のプロセッサ7とは別のプロセッサで構成されていてもよいし、プロセッサ7で構成されていてもよい。
【0012】
超音波プローブ2は、送信ビームフォーミングおよび/または受信ビームフォーミングの全部または一部を行うための電気回路を含むことができる。例えば、送信ビームフォーマ3、送信機4、受信機5、および受信ビームフォーマ6の全部または一部は、超音波プローブ2内に設けられていてもよい。
【0013】
超音波画像表示装置1は、送信ビームフォーマ3、送信機4、受信機5、および受信ビームフォーマ6を制御するためのプロセッサ7も含む。さらに、超音波画像表示装置1は、ディスプレイ8、メモリ9、ユーザインタフェース10及びスピーカー11を含む。
【0014】
プロセッサ7は、1つ又は複数のプロセッサを含んでいる。プロセッサ7は、超音波プローブ2と電子通信している。プロセッサ7は、超音波プローブ2を制御して超音波データを取得することができる。プロセッサ7は、振動素子2aのどれがアクティブであるか、および超音波プローブ2から送信される超音波ビームの形状を制御する。プロセッサ7はまた、ディスプレイ8とも電子通信しており、プロセッサ7は、超音波データを処理してディスプレイ8上に表示するための超音波画像にすることができる。「電子通信」という用語は、有線通信と無線通信の両方を含むように定義することができる。プロセッサ7は、一実施形態によれば中央処理装置(CPU)を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、または他のタイプのプロセッサなど、処理機能を実行することができる他の電子構成要素を含むことができる。他の実施形態によれば、プロセッサ7は、処理機能を実行することができる複数の電子構成要素を含むことができる。例えばプロセッサ7は、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、およびグラフィックスプロセッシングユニットを含む電子構成要素のリストから選択された2つ以上の電子構成要素を含むことができる。
【0015】
プロセッサ7は、RFデータを復調する複合復調器(図示せず)を含むこともできる。別の実施形態では、処理チェーンの早いうちに復調を実行することができる。
【0016】
プロセッサ7は、複数の選択可能な超音波モダリティに従った1つまたは複数の処理動作をデータに行うように構成されている。エコー信号が受信されるとき、データは走査セッション中にリアルタイムで処理することができる。この開示のために、「リアルタイム」という用語は、いかなる意図的な遅延もなく行われる手順を含むように定義される。
【0017】
また、データは、超音波の走査中に一時的にバッファ(図示せず)に格納し、ライブ操作またはオフライン操作でリアルタイムではなく処理することができる。この開示において、「データ」という用語は、本開示においては、超音波画像表示装置を用いて取得される1つまたは複数のデータセットを指すように使用することができる。
【0018】
超音波データは、プロセッサ7によって他のまたは異なるモード関連モジュール(例えば、Bモード、カラードップラ、Mモード、カラーMモード、スペクトルドップラ、造影モード、エラストグラフィ、TVI、歪み、歪み速度、など)で処理して超音波画像のデータを作ることができる。例えば、1つまたは複数のモジュールが、Bモード、カラードップラ、Mモード、カラーMモード、スペクトルドップラ、造影モード、エラストグラフィ、TVI、歪み、歪み速度、およびそれらの組合せ、などの超音波画像を生成することができる。
【0019】
画像ビームおよび/または画像フレームは保存され、データがメモリに取得された時を示すタイミング情報を記録することができる。前記モジュールは、例えば、画像フレームを座標ビーム空間から表示空間座標に変換するために走査変換演算を実行する走査変換モジュールを含むことができる。被検体に処置が実施されている間にメモリから画像フレームを読み取り、その画像フレームをリアルタイムで表示する映像プロセッサモジュールが設けられてもよい。映像プロセッサモジュールは画像フレームを画像メモリに保存することができ、超音波画像は画像メモリから読み取られディスプレイ8に表示される。
【0020】
なお、本明細書で使用する場合、「画像」という用語は、可視画像と可視画像を表すデータの両方を広く指す。また、「データ」という用語は、走査変換演算前の超音波データであるローデータ(raw data)と、走査変換演算後のデータである画像データを含みうる。
【0021】
プロセッサ7が複数のプロセッサを含む場合、プロセッサ7が担当する上述の処理タスクを、複数のプロセッサが担当してもよい。例えば、第1のプロセッサを使用して、RF信号を復調および間引きすることができ、第2のプロセッサを使用して、データをさらに処理した後、画像を表示することができる。
【0022】
また、例えば受信ビームフォーマ6がソフトウェアビームフォーマである場合、その処理機能は、単一のプロセッサで実行されてもよいし、複数のプロセッサで実行されてもよい。
【0023】
ディスプレイ8は、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。
【0024】
メモリ9は、任意の既知のデータ記憶媒体である。一例では、超音波画像表示装置1は、メモリ9として非一過性の記憶媒体及び一過性の記憶媒体を含み、複数のメモリ9を含んでいる。非一過性の記憶媒体は、例えば、HDD(Hard Disk:ハードディスク)、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性の記憶媒体である。非一過性の記憶媒体は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの可搬性の記憶媒体を含んでいてもよい。非一過性の記憶媒体には、プロセッサ7によって実行されるプログラムが記憶される。また、非一過性の記憶媒体には、後述のプロトコル、第1及び第2の超音波画像、情報SI1、SI2も記憶される。これらは、すべて同じメモリ9に記憶されてもよいし、少なくともいずれか一つが異なるメモリ9に記憶されてもよい。
【0025】
一過性の記憶媒体は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶媒体である。
【0026】
ユーザインタフェース10は、オペレーターの入力を受け付けることができる。例えば、ユーザインタフェース10は、オペレーターからの指示や情報の入力を受け付ける。ユーザインタフェース10は、キーボード(keyboard)、ハードキー(hard key)、トラックボール(trackball)、ロータリーコントロール(rotary control)及びソフトキー等を含んで構成されている。ユーザインタフェース10は、ソフトキー等を表示するタッチスクリーンを含んでいてもよい。
【0027】
スピーカー11は、プロセッサ7によって制御されて音を出力する。一例では、スピーカー11は、プロセッサ7から入力された信号に基づいて音を出力する。
【0028】
次に、本例の超音波画像表示装置1における作用について説明する。以下、メモリ9に記憶されたプロトコルに従って超音波画像を取得し表示することについて、図2のフローチャートに基づいて説明する。プロトコルは、複数の画像取得工程を含んでおり、図2のフローチャートに従って各画像取得工程が実行され被検体に対する検査が行われる。各画像取得工程において、被検体の表面における超音波プローブの位置及び角度の少なくとも一方が異なっていてもよい。また、各画像取得工程において、超音波の送受信の条件が異なっていてもよく、また超音波画像のデータの作成条件が異なっていてもよい。これら超音波の送受信の条件及び超音波画像のデータの作成条件は、画像取得工程の各々についてメモリ9に記憶され、プロトコルの内容を構成する。
【0029】
複数のプロトコルがメモリ9に記憶されていてもよい。この場合、ユーザインタフェース10が、複数のプロトコルの中からいずれかを選択するオペレーターの入力を受け付けると、図2のフローチャートが開始され、検査が開始される。
図2のフローチャートにおけるプロトコルの実行を、第1の実行と定義する。このプロトコルの第1の実行には、プロトコルを中断して第1の超音波画像を取得することも含まれる。この第1の実行における後述のステップS2における超音波スキャンを第1の超音波スキャンと定義し、第1の超音波スキャンによって後述のステップS2において作成される超音波画像を第1の超音波画像と定義する。また、プロトコルの第1の実行を中断して後述のステップS5において行われる後述の超音波スキャンも第1の超音波スキャンと定義する。さらに、後述のステップS5において作成される超音波画像も第1の超音波画像と定義する。
【0030】
先ず、ステップS1では、プロセッサ7は、メモリ9からプロトコルを読み出す。次に、ステップS2では、プロセッサ7はプロトコルに含まれる画像取得工程を開始する。ここでは、プロトコルに含まれる最初の画像取得工程が開始される。プロセッサ7は、画像取得工程において定められた条件に従って、被検体に対して超音波スキャンを行なうよう超音波プローブ2を制御する。そして、プロセッサ7は、得られたエコー信号に基づいて、画像取得工程において定められた条件に従って第1の超音波画像を作成し、ディスプレイ8に表示する。例えば、条件には、超音波画像の表示深さ(depth)、送信周波数、送信フォーカス及び受信フォーカス、ゲイン、ダイナミックレンジ、フィルタ等が含まれる。
【0031】
第1の超音波スキャンは、被検体における観察対象を含むように行われ、第1の超音波画像はこの観察対象を含んでいてもよい。
【0032】
ステップS3では、プロセッサ7は、作成された第1の超音波画像をメモリ9に記憶する。例えば、ユーザインタフェース10が、第1の超音波画像のデータの記憶を指示するオペレーターの入力を受け付けた場合、プロセッサ7は第1の超音波画像をメモリ9に記憶する。ここでのメモリ9は、一例では不揮発性の記憶媒体である。第1の超音波画像は、特定のプロトコルにおいて取得されたことが分かる状態で記憶される。
【0033】
プロセッサ7は、複数の画像取得工程のうち、実行中の画像取得工程を示す情報SI1をメモリ9に記憶してもよい。情報SI1は、メモリ9に記憶される第1の超音波画像と関連付けて記憶される。第1の超音波画像は、一例ではDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式で記憶され、情報SI1はDICOMヘッダに記憶されるようになっていてもよい。情報SI1は、データベースの一部として記憶されてもよい。
【0034】
情報SI1は、複数の画像取得工程の各々を識別する情報であり、例えば数字であってもよい。情報SI1は、第1の超音波画像に対する画像番号であってもよい。この場合、複数の画像取得工程の各々について画像番号の範囲を定めておくことにより、画像番号を複数の画像取得工程の各々を識別する情報として用いることができる。例えば、最初の画像取得工程の画像番号の範囲を、「100」~「199」までとし、2番目の画像取得工程の画像番号の範囲を、「200」~「299」までとするというように、複数の画像取得工程の各々について画像番号の範囲を定める。画像番号は、特定のプロトコルにおいて付与されたことが分かるように記憶されてもよい。
【0035】
ただし、ここに挙げた情報SI1は一例に過ぎず、例えば情報SI1は、画像取得工程を示し、画像番号とは別のテキスト情報などであってもよい。
【0036】
また、ステップS3では、プロセッサ7は、ディスプレイ8に表示された第1の超音波画像において計測を実施する。ステップS3で得られる計測値、プロトコルの第1の実行を中断して得られる計測値を第1の計測値と定義する。例えば、プロセッサ7は、ユーザインタフェース10が計測用グラフィックGを設定するオペレーターの入力を受け付けると、この入力に基づいて、図3に示すように第1の超音波画像UI1に計測用グラフィックGを設定する。計測用グラフィックGは、カーソルC1及びC2と、このカーソルC1及びC2の間の線分Lを含んでおり、第1の超音波画像UIにおける観察対象Tに設定される。計測用グラフィックGは、カーソルC1及びC2の間の距離、すなわち線分Lの長さを計測する計測ツールである。プロセッサ7は、線分Lの長さを計測して第1の計測値V1をディスプレイ8に表示する。第1の計測値は、実際の被検体における値である。プロセッサ7は、第1の計測値をメモリ9に記憶してもよい。
【0037】
ステップS3において、プロセッサ7は、計測を実施したことを第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。また、ステップS3において、プロセッサ7は、計測の種類を第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。
【0038】
ステップS3における計測は、第1の超音波画像がメモリ9に記憶される前に実施されてもよいし、第1の超音波画像がメモリ9に記憶された後に実施されてもよい。
【0039】
次に、ステップS4では、プロセッサ7は、プロトコルの実行を中断するか否か判定する。この「中断」とは、一時的な中断、言い換えれば一時停止を意味している。ユーザインタフェース10が、オペレーターによるプロトコルの実行を中断する入力を受け付けると、プロセッサ7はプロトコルの実行を中断すると判定し(ステップS4において「YES」)、ステップS5へ処理が移行する。一方、ユーザインタフェース10が次の画像取得工程への移行を指示するオペレーターの入力を受け付けると、プロトコルの実行を中断しないと判定し(ステップS4において「NO」)、ステップS7へ処理が移行する。
【0040】
ステップS5では、プロセッサ7は、超音波プローブ2を制御してプロトコルに含まれない超音波スキャンを開始し、第1の超音波画像を作成しディスプレイ8に表示する。プロトコルの実行が中断された後における第1の超音波画像の作成は、プロトコルに含まれる画像取得工程を逸脱した第1の超音波画像、言い換えれば逸脱画像を取得することを意味する。
【0041】
オペレーターがプロトコルの実行を中断し、画像取得工程を逸脱した第1の超音波画像を取得することは、例えば中断直前の画像取得工程において取得される第1の超音波画像が対象とする部分について、病変の疑いがあるなど気になる観察対象が見られたことを意味する。逸脱画像は、一例では観察対象についてより詳細に観察するための画像であるということができる。従って、中断直前の画像取得工程において取得される第1の超音波画像と中断後に取得される第1の超音波画像は、同じ観察対象を含んでいる。
【0042】
ステップS5における超音波スキャンの条件及び第1の超音波画像の作成の条件は、中断直前の画像取得工程に含まれる条件とは異なる条件を含んでいてもよい。一例では、オペレーターによる条件の入力をユーザインタフェース10が受け付けて、ステップS5における第1の超音波画像を取得するための条件が設定されてもよい。
【0043】
例えば、プロトコルの中断前と比べて、超音波プローブ2の角度を変えて得られたエコー信号に基づいてステップS5における第1の超音波画像が作成されてもよい。また、中断前の第1の超音波画像が静止画である場合、ステップS5では動画の第1の超音波画像が作成されてもよい。
【0044】
ステップS6では、プロセッサ7は、ステップS5において作成された第1の超音波画像をメモリ9に記憶する。プロセッサ7は、例えばステップS3と同様にユーザインタフェース10における入力に基づいて記憶を行なう。また、プロセッサ7は、情報SI2をメモリ9に記憶する。ここでのメモリ9も、一例では不揮発性の記憶媒体である。プロセッサ7は、ユーザインタフェース10が第1の超音波画像の記憶を行なうオペレーターの入力を受け付けると、メモリ9への記憶を実行する。
【0045】
情報SI2は、プロトコルの第1の実行が、複数の画像取得工程のうち特定の画像取得工程において中断されたことを少なくとも示す。情報SI2は、プロトコルの第1の実行が、複数の画像取得工程のうち特定の画像取得工程において中断されたことを示し、なおかつステップS5において作成された第1の超音波画像を特定する情報であってもよい。メモリ9に複数のプロトコルが記憶されている場合、情報SI2は、複数のプロトコルの中の特定のプロトコルを示す情報を含んでいてもよい。
【0046】
情報SI2は、ステップS5において作成された第1の超音波画像と関連付けて記憶されてもよい。一例では、ステップS5において作成された第1の超音波画像も、DICOM形式で記憶され、情報SI2はDICOMヘッダに記憶されるようになっていてもよい。また、情報SI2はデータベースの一部として記憶されてもよい。
【0047】
例えば、プロセッサ7は、情報S1と同様に、画像番号を情報SI2として記憶してもよい。一例では、上述のように画像番号が3桁である場合、プロセッサ7は、中断直前にステップS3において記憶された第1の超音波画像に対して付与された画像番号の10の位を変更した画像番号を情報SI2として付与してもよい。具体的には、中断直前に記憶された第1の超音波画像に対して付与された画像番号が「100」である場合、中断後にステップS6で記憶される第1の超音波画像には、画像番号「110」を付与する。画像番号「100」~「110」は、ステップS3で記憶される第1の超音波画像、画像番号「110」以降は、ステップS6で記憶される第1の超音波画像であることを示す。ただし、特定の画像取得工程において、ステップS3で記憶される第1の超音波画像に対して付与される画像番号の範囲と、ステップS6で記憶される第1の超音波画像に対して付与される画像番号の範囲が定められていればよく、上述の画像番号の付与例は一例に過ぎない。画像番号は、特定のプロトコルにおいて付与されたことが分かるように付与されてもよい。
【0048】
ステップS6では、プロセッサ7は、ステップ5において第1の超音波画像を取得するために用いた条件を第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。プロセッサ7は、ユーザインタフェース10が第1の超音波画像の記憶を行なうオペレーターの入力を受け付けると、上述の条件の記憶を実行してもよい。
【0049】
また、ステップS6では、プロセッサ7は、ステップS5において表示された第1の超音波画像において、ステップS3と同様にして計測を実施する。ステップS6で得られる計測値、すなわちプロトコルの第1の実行を中断して得られる計測値も、第1の計測値と定義する。プロセッサ7は、ステップS6で得られた第1の計測値をメモリ9に記憶してもよい。
【0050】
ステップS6において、プロセッサ7は、ステップS3と同様に、計測を実施したことを第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。また、ステップS6において、プロセッサ7は、計測の種類を第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。
【0051】
次に、ステップS7では、プロセッサ7は、プロトコルにおいて次の画像取得工程があるか否かを判定する。次の画像取得工程があると判定された場合(ステップS7において「YES」)、ステップS2へ処理が戻り、次の画像取得工程が開始される。ステップS3においてプロトコルの第1の実行が中断された場合、次の画像取得工程が開始されることで、第1の実行が再開されることになる。一方、次の画像取得工程がないと判定された場合(ステップS7において「NO」)、プロトコルの第1の実行が終了し、検査が終了する。
【0052】
なお、プロトコルが実行されると、特定の被検体についてのプロトコルの実行履歴がメモリ9に記憶されてもよい。
【0053】
次に、プロトコルの第1の実行が終了した後に、同じプロトコルを同じ被検体について実行する場合の処理について、図4のフローチャートに基づいて説明する。図4のフローチャートにおけるプロトコルの実行を、第2の実行と定義する。
【0054】
プロトコルの第2の実行は、図2に従ってプロトコルの第1の実行が終了した後に行われる。例えば、プロトコルの第1の実行において第1の超音波画像が取得された被検体について、経過観察等を目的として超音波画像を取得するため、プロトコルの第2の実行が行われる。このプロトコルの第2の実行には、プロトコルを中断して第2の超音波画像を取得することも含まれる。この第2の実行における後述のステップS11における超音波スキャンを第2の超音波スキャンと定義し、第2の超音波スキャンによって後述のステップS11において作成される超音波画像を第2の超音波画像と定義する。また、プロトコルの第1の実行を中断して後述のステップS16において行われる後述の超音波スキャンも第2の超音波スキャンと定義する。さらに、後述のステップS16において作成される超音波画像も第2の超音波画像と定義する。プロトコルの第1の実行と第2の実行とで、同じ画像取得工程において取得される第1及び第2の超音波画像は、同じ観察対象を含んでいる。
【0055】
例えば、ユーザインタフェース10が、プロトコルを選択するオペレーターの入力を受け付けると、プロトコルの第2の実行が開始される。ここでは、図2に従って実行されたプロトコルと同じプロトコルが選択される。
【0056】
プロトコルの第1の実行により、メモリ9には、複数の画像取得工程の各々において取得された第1の超音波画像と、いずれかの画像取得工程においてプロトコルが中断して取得された第1の超音波画像が記憶されているものとする。
【0057】
図4のフローチャートにおいて、ステップS10~S12については、図2のステップS1~S3と同様であり、詳細な説明を省略する。ただし、ステップS11及びS12では、第1の超音波画像の代わりに第2の超音波画像の作成、表示及び記憶が行われる。また、ステップS12においては、第2の超音波画像における観察対象についての計測が実施される。この第2の超音波画像における観察対象は、ステップS3において計測が実施された観察対象Tである。ステップS12で得られる計測値、すなわちプロトコルの第2の実行において得られる計測値を、第2の計測値と定義する。
【0058】
ステップS13では、プロセッサ7は、第2の計測値が基準を満たすか否かを判定する。第2の計測値が基準を満たしている場合(ステップS13において「YES」)、ステップS15の処理へ移行する。一方、第2の計測値が基準を満たしていない場合(ステップS13において「NO」)、ステップS14の処理へ移行する。
【0059】
基準について具体的に説明する。基準は、一例では所要の値から所要の範囲内であることである。所要の値は、一例では予め設定された標準値などの値や、第1の超音波画像における第1の計測値である。また、所要の範囲は、一例では予め設定された範囲である。また、所要の範囲は、他の例では、ステップS12における計測が実施された観察対象と同じ観察対象について過去に複数の計測値が得られている場合、この複数の計測値の標準偏差の範囲であってもよい。過去の複数の計測値は、一例では、同じ被検体について過去に同じプロトコルによる複数回の検査が行われ、同じ画像取得工程について複数の第1の超音波画像が取得されている場合、第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された複数の第1の超音波画像の各々における第1の計測値である。
【0060】
第2の計測値が基準を満たしていない場合、プロセッサ7は、このことを示すタグを第2の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。タグは、情報SI1と関連付けられてもよい。
【0061】
次に、ステップS14では、プロセッサ7は、メモリ9から第1の超音波画像を読み出してディスプレイ8に表示する。メモリ9から読み出される第1の超音波画像は、第2の超音波画像(第2の計測値が基準を満たさないと判定された画像)が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された画像である。また、メモリ9から読み出される第1の超音波画像は、第2の超音波画像(第2の計測値が基準を満たさないと判定された画像)が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程においてプロトコルの第1の実行が中断された後にステップS5において作成された画像であってもよい。プロセッサ7は、一例では情報SI1及びSI2(一例では画像番号)を用いて第1の超音波画像を検索し読み出しを行なう。
【0062】
ステップS14においてメモリ9から読み出される第1の超音波画像は、第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得され、なおかつ第2の超音波画像において行われた計測と同じ種類の計測が実施された画像であってもよい。また、ステップS14においてメモリ9から読み出される第1の超音波画像は、第2の超音波画像が取得された画像取得工程と同じ画像取得工程においてプロトコルの第1の実行が中断された後にステップS5において作成され、なおかつ第2の超音波画像において行われた計測と同じ種類の計測が実施された画像であってもよい。同じ種類の計測とは、一例では同じ計測ツールを用いた計測である。プロセッサ7は、メモリ9に記憶された計測の種類を参照して、同じ種類の計測が実施された第1の超音波画像を特定する。
【0063】
第1の超音波画像は、プロセッサ7によって第2の計測値が基準を満たさないと判定されるとメモリ9から読み出されてもよい。この場合、オペレーターが入力の操作を行なうことなく、第1の超音波画像が表示される。これにより、第2の計測値が基準を満たさない場合、この第2の計測値が得られた観察対象について同じ計測が実施された過去の画像である第1の超音波画像を、オペレーターが検索して表示させる手間を省くことができる。
【0064】
また、第1の超音波画像は、オペレーターによる入力をユーザインタフェース10が受け付けると、プロセッサ7によって読み出されてもよい。この場合、プロセッサ7は、ステップS14において、ステップS13の判定結果を報知する。プロセッサ7は、一例では図5に示すように、第2の超音波画像UI2と並んで表示された第2の計測値V2を囲む枠Fをディスプレイ8に表示することにより、第2の計測値V2が基準を満たさないことを報知する。プロセッサ7は、第2の計測値V2の色を、基準を満たす場合と満たさない場合とで変えることにより、判定結果を報知してもよい。また、プロセッサ7は、スピーカー11から音を出力することにより、判定結果を報知してもよい。オペレーターは、第2の計測値V2が基準を満たしていないことを認識すると、ユーザインタフェース10において、第1の超音波画像を表示する入力を行なう。これにより、第2の計測値が基準を満たさない場合、この第2の計測値が得られた観察対象について同じ計測が実施された過去の画像である第1の超音波画像を、オペレーターが検索する手間を省くことができる。
【0065】
プロセッサ7は、図6に示すように、メモリ9から読み出された第1の超音波画像UI1及び第2の超音波画像UI2を並べて表示してもよい。プロセッサ7は、第1の計測値V1及び第2の計測値V2を並べて表示してもよい。
【0066】
次に、ステップS15では、ステップS4と同様にしてプロトコルの実行を中断するか否かが判定される。プロトコルの実行を中断すると判定されると(ステップS15において「YES」)、ステップS16へ処理が移行する。一方、プロトコルの実行を中断しないと判定されると(ステップS15において「NO」)、ステップS20へ処理が移行する。
【0067】
ステップS16及びS17は、ステップS5及びS6と同様であり、詳細な説明を省略する。ただし、ステップS16及びS17では、第1の超音波画像の代わりに第2の超音波画像の作成、表示及び記憶が行われる。また、ステップS17においては、第2の超音波画像における観察対象についての計測が実施される。この第2の超音波画像における観察対象は、ステップS12において計測が実施された観察対象Tである。ステップS17で得られる計測値、すなわちプロトコルの第2の実行を中断して得られる計測値も、第2の計測値と定義する。
【0068】
ステップS18では、プロセッサ7は、ステップS17で得られた第2の計測値が基準を満たすか否かを、ステップS13と同様にして判定する。基準が満たされている場合(ステップS18において「YES」)、ステップS20の処理へ移行する。基準が満たされていない場合(ステップS18において「NO」)、ステップS19の処理へ移行する。
【0069】
ステップS18においても、ステップS13と同様に、第2の計測値が基準を満たしていない場合、プロセッサ7は、このことを示すタグを第2の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。タグは、情報SI2と関連付けられてもよい。
【0070】
ステップS19では、プロセッサ7は、ステップS14と同様にしてメモリ9から第1の超音波画像を読み出してディスプレイ8に表示する。メモリ9から読み出される第1の超音波画像は、ステップS18において第2の計測値が基準を満たさないと判定された第2の超音波画像を取得するため(ステップS16において第2の超音波画像を作成するため)にプロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された画像(ステップS2において作成された第1の超音波画像)である。また、メモリ9から読み出される第1の超音波画像は、ステップS18において第2の計測値が基準を満たさないと判定された第2の超音波画像を取得するために、プロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程においてプロトコルの第1の実行が中断された後に前記第1のスキャンが行われて作成された画像(ステップS5において作成された第1の超音波画像)であってもよい。
【0071】
ステップS19においてメモリ9から読み出される第1の超音波画像も、ステップS14と同様に、第2の超音波画像において行われた計測と同じ種類の計測が実施された画像であってもよい。
【0072】
ステップS19においても、ステップS18の判定結果がステップS14と同様にして報知されるようになっていてもよく、またユーザインタフェース10が第1の超音波画像を表示する入力を受け付けてもよい。
【0073】
プロセッサ7は、ステップS14と同様に、メモリ9から読み出された第1の超音波画像及び第2の超音波画像を並べて表示してもよい。また、プロセッサ7は、第1の計測値及び第2の計測値を並べて表示してもよい。
【0074】
ステップS19で表示される第1の超音波画像は、ステップS14で表示された第1の超音波画像と並べられてもよい。
【0075】
ステップS20では、ステップS7と同様にして次の画像取得工程があるか否かが判定される。次の画像取得工程があると判定された場合(ステップS20において「YES」)、ステップS11へ処理が戻り、次の画像取得工程が開始される。一方、次の画像取得工程がないと判定された場合(ステップS20において「NO」)、プロトコルの第2の実行が終了し、検査が終了する。
【0076】
プロトコルの第2の実行が終了した後に、再び同じプロトコルを同じ被検体について実行する場合、図4のフローチャートと同じ処理が行われる。プロトコルの第2の実行が終了した後における図4のフローチャートにおけるプロトコルの実行を、第3の実行と定義する。このプロトコルの第3の実行では、第2の超音波スキャンの代わりに第3の超音波スキャンが行われ、第2の超音波画像の代わりに第3の超音波画像が得られ、第2の計測値の代わりに第3の計測値が得られる。プロトコルの第1の実行、第2の実行及び第3の実行において、同じ画像取得工程において取得される第1、第2及び第3の超音波画像は、同じ観察対象を含んでいる。
【0077】
プロトコルの第3の実行における画像取得工程のうち、プロトコルの第2の実行のステップS13において第2の計測値が基準を満たしていないと判定された画像取得工程と同じ画像取得工程においては、プロセッサ7は、ステップS11において第1及び第2の超音波画像をディスプレイ8に表示し、なおかつステップS12において計測を起動して計測グラフィックをディスプレイ8に表示してもよい。ディスプレイ8に表示される第2の超音波画像は、プロトコルの第2の実行におけるステップS13において、第2の計測値が基準を満たしていないと判定された画像取得工程において取得された画像である。また、ディスプレイ8に表示される第1の超音波画像は、第2の計測値が基準を満たしていないと判定された画像取得工程と同じ画像取得工程において取得された画像である。
【0078】
プロセッサ7は、第2の計測値が基準値を満たしていないことを示すタグを参照して、上述のステップS11及びS12における第1及び第2の超音波画像の表示及び計測の起動を行なう。
【0079】
プロトコルの第2の実行におけるステップS18において第2の計測値が基準を満たしていないと判定された場合、プロセッサ7は、プロトコルの第3の実行におけるステップS16において、上述と同様に第1及び第2の超音波画像をディスプレイ8に表示し、なおかつステップS12において計測を起動して計測グラフィックをディスプレイ8に表示してもよい。
【0080】
次に、実施形態の変形例について説明する。先ず、第1変形例について説明する。第1変形例では、プロトコルの第1の実行は図7のフローチャートに従って行われ、プロトコルの第2の実行は図8のフローチャートに従って行われる。
【0081】
図7において、ステップS30、S31、S33、S34及びS36については、ステップS1、S2、S4、S5及びS7と同様である。
【0082】
ステップS32及びS35では、プロセッサ7は、ステップS3及びS6と同様にして第1の超音波画像をメモリ9に記憶する。ただし、第1の超音波画像における計測の実施は行われない。
【0083】
図8において、ステップS40、S41、S42、S43、S45、S46、S47、S48及びS50については、図4のステップS10、S11、S12、S13、S15、S16、S17、S18及びS20と同様である。
【0084】
ステップS44及びS49では、プロセッサ7は、ステップS14及びS19と同様にして第1の超音波画像をディスプレイ8に表示する。さらに、プロセッサ7は、ディスプレイ8に表示された第1の超音波画像において、ステップS3及びS6と同様にして計測を実施し、第1の計測値を取得する。
【0085】
このような第1変形例によれば、第1の超音波画像において計測が実施されていなかった場合であっても、第2の超音波画像における第2の計測値が基準を満たしていない場合に、第1の超音波画像についての第1の計測値が取得される。このように、第2の計測値が基準を満たしていなかった観察対象について、過去画像である第1の超音波画像において第1の計測値が取得されるので、両計測値を比較することができる。
【0086】
次に、第2変形例について説明する。上記実施形態では、超音波画像表示システムの一例として超音波画像表示装置を説明したが、図9に示すように、超音波画像表示システム100は、超音波画像表示装置1とサーバ101を含んで構成されていてもよい。
【0087】
超音波画像表示装置1とサーバ101は、ネットワーク102を介して接続されている。超音波画像表示装置1は、図1と同一の構成である。ただし、図9では、超音波画像表示装置1のプロセッサ7、ディスプレイ8、メモリ9及びユーザインタフェース10を、第1のプロセッサ7、第1のディスプレイ8、第1のメモリ9及び第1のユーザインタフェース10として説明する。超音波画像表示装置1の構成要素として、図9では第1のプロセッサ7、第1のディスプレイ8、第1のメモリ9及び第1のユーザインタフェース10のみが図示されているが、超音波画像表示装置1は、他にも超音波プローブ2等の図1に示された構成要素を有している。なお、図9では、各構成をブロックのみで示すものとする。
【0088】
サーバ101は、第2のプロセッサ103及び第2のメモリ104を有している。サーバ101は、特に図示しないが他にも公知のサーバの構成要素を有している。
【0089】
超音波画像表示システム100においても、図2に示すフローチャートに沿って処理が行なわれる。ただし、処理を行なう主体等が上記実施形態と異なる。以下、上記実施形態とは異なる事項について説明する。
【0090】
プロトコルの第1の実行においては、ステップS3及びS6において、第1の超音波画像、情報SI1及び第1の計測値は、サーバ101の第2のメモリ104に記憶されてもよい。また、計測を実施したことや計測の種類についても、サーバ101の第2のメモリ104に記憶されてもよい。
【0091】
また、プロトコルの第2の実行においては、ステップS12及びS17において、第2の超音波画像、情報SI2及び第2の計測値は、サーバ101の第2のメモリ104に記憶されてもよい。また、計測を実施したことや計測の種類についても、サーバ101の第2のメモリ104に記憶されてもよい。
【0092】
また、プロトコルの第2の実行においては、ステップS14及びS19において第1のディスプレイ8に表示される第1の超音波画像は、第2のメモリ104に記憶された画像であってもよい。この場合、第1のプロセッサ7がネットワーク102を介してサーバ101に対して第1の超音波画像を要求すると、第2のプロセッサ103が第2のメモリ104から第1の超音波画像を読み出し、ネットワーク102を介して超音波画像表示装置1へ出力する。
【0093】
本発明についてある特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を施してもよく、均等物に置換してもよい。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明が添付の特許請求の範囲内に属するすべての実施形態を含むことになることを意図している。
【0094】
例えば、ステップS14及びS19において表示すべき第1の超音波画像が複数存在する場合、これら複数の第1の超音波画像が並べて表示されてもよい。複数の第1の超音波画像は、サムネイル画像として表示され、選択されたものが第2の超音波画像と並べて表示されてもよい。この場合、複数の第1の超音波画像の各々の計測値の時間変化をグラフで表示してもよい。グラフには、標準値や標準偏差が示されてもよい。
【0095】
また、図3図5及び図6に示すように第1の計測値V1及び第2の計測値V2が表示される場合、これら第1の計測値V1及び第2の計測値V2と一緒に標準値や標準偏差等が表示されてもよい。
【0096】
また、第1の超音波画像及び第2の超音波画像は、プロトコルに従って取得されるものに限られない。例えば、ある観察対象について第1の超音波画像が作成されてメモリ9や第2のメモリ104に記憶された後に、同じ観察対象について第2の超音波画像が作成されて取得された第2の計測値が基準を満たさない場合に、第1の超音波画像が表示されるようになっていてもよい。この場合、プロセッサ7は、第2の超音波画像と同じ観察対象について作成された第1の超音波画像を、例えば第1の超音波画像に付加され、スキャン部位を特定する内容を含むコメントや超音波プローブ2の位置を含むボディパタンに基づいて特定してもよい。また、プロセッサ7は、画像認識により第2の超音波画像と同じ観察対象を含む第1の超音波画像を特定してもよい。
【0097】
また、第1の超音波画像及び第2の超音波画像が、プロトコルに従って取得された場合であっても、プロセッサ7は、第2の超音波画像と同じ観察対象について作成された第1の超音波画像を、例えば第1の超音波画像に付加され、スキャン部位を特定する内容を含むコメントや超音波プローブ2の位置を含むボディパタンに基づいて特定してもよい。
【0098】
また、ステップS3及びS6において、プロセッサ7は、ステップS13及びS18における第2の計測値についての判定と同様に、第1の計測値が基準を満たすか否かを判定してもよい。この基準も、ステップS13及びS18と同様に、一例では所要の値から所要の範囲内であることである。所要の値は、一例では予め設定された標準値などの値である。また、所要の範囲は、一例では予め設定された範囲である。
【0099】
プロセッサ7は、第1の計測値が基準を満たさないことをステップS3及びS6において報知してもよい。プロセッサ7は、ステップS14及びS19と同様に、第1の計測値を囲む枠などをディスプレイ8に表示することにより報知を行なってもよい。これにより、オペレーターは、第1の計測値が基準を満たさないことを知ることができる。
【0100】
プロセッサ7は、第1の計測値が基準を満たしていないと判定した場合、このことを示すタグを第1の超音波画像と関連付けてメモリ9に記憶してもよい。タグは、情報SI1及びSI2と関連付けられてもよい。
【0101】
また、プロセッサ7は、プロトコルの第2の実行におけるステップS12で第2の超音波画像における計測が実施される前に、プロトコルの第1の実行における同じ画像取得工程で得られた第1の計測値(プロトコルの第2の実行における画像取得工程と同じ画像取得工程のステップS3において基準を満たさないと判定された第1の計測値)が基準を満たさないことを報知してもよい。プロセッサ7は、ステップS14及びS19と同様に、第1の計測値を囲む枠などをディスプレイ8に表示することにより報知を行なってもよい。プロセッサ7は、第1の計測値が基準値を満たしていないことを示すタグを参照して、プロトコルの第2の実行における画像取得工程と同じ画像取得工程で得られた第1の計測値が基準を満たさないことを報知する。第1の計測値が基準を満たさないことが報知されることで、オペレーターが注意を払ったり、基準を満たさない第1の計測値が取得された第1の超音波画像を表示させたりすることができる。
【0102】
プロセッサ7は、プロトコルの第2の実行におけるステップS12で第2の超音波画像における計測が実施される前に、メモリ9から第1の超音波画像を読み出してディスプレイ8に表示してもよい。この第1の超音波画像は、プロトコルの第2の実行における画像取得工程と同じ画像取得工程のステップS3において基準を満たしていないと判定された第1の計測値が取得された画像である。プロセッサ7は、第1の計測値が基準値を満たしていないことを示すタグを参照して、プロトコルの第2の実行における画像取得工程と同じ画像取得工程で得られた第1の超音波画像を検索して表示する。プロセッサ7は、タグを参照して自動的に第1の超音波画像を表示してもよい。また、プロセッサ7は、オペレーターによる入力をユーザインタフェース10が受け付けると第1の超音波画像を表示してもよい。ステップS12で第2の超音波画像における計測が実施される前に第1の超音波画像が表示される場合、ステップS14の処理は行われなくてもよい。
【0103】
また、プロセッサ7は、プロトコルの第2の実行におけるステップS17で第2の超音波画像における計測が実施される前に、プロトコルの第1の実行において同じ画像取得工程が中断されて得られた第1の計測値(ステップS15でプロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程でプロトコルの第1の実行が中断された後のステップS6において、基準を満たさないと判定された第1の計測値)が基準を満たさないことを報知してもよい。プロセッサ7は、ステップS14及びS19と同様に、第1の計測値を囲む枠などをディスプレイ8に表示することにより報知を行なってもよい。プロセッサ7は、第1の計測値が基準値を満たしていないことを示すタグを参照して、プロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程でプロトコルの第1の実行が中断されて得られた第1の計測値が基準を満たさないことを報知する。
【0104】
また、プロセッサ7は、プロトコルの第2の実行におけるステップS17で第2の超音波画像における計測が実施される前に、メモリ9から第1の超音波画像を読み出してディスプレイ8に表示してもよい。この第1の超音波画像は、プロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程が中断された後のステップS6において基準を満たしていないと判定された第1の計測値が取得された画像である。プロセッサ7は、第1の計測値が基準値を満たしていないことを示すタグを参照して、プロトコルの第2の実行が中断された画像取得工程と同じ画像取得工程が中断されて得られた第1の超音波画像を検索して表示する。プロセッサ7は、タグを参照して自動的に第1の超音波画像を表示してもよい。また、プロセッサ7は、オペレーターによる入力をユーザインタフェース10が受け付けると第1の超音波画像を表示してもよい。ステップS17で第2の超音波画像における計測が実施される前に第1の超音波画像が表示される場合、ステップS19の処理は行われなくてもよい。
【0105】
また、上記実施形態は、
少なくとも一つのプロセッサとメモリと超音波プローブとディスプレイを備える超音波画像表示システムの制御方法であって、
該制御方法は、前記プロセッサが、
被検体に対して第1の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、前記第1のスキャンは、前記被検体における観察対象を含んでおり、
前記第1の超音波スキャンによって得られた第1のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第1の超音波画像を作成して前記メモリに記憶し、
該メモリに前記第1の超音波画像が記憶された後に、前記観察対象を含む第2の超音波スキャンを行なうように前記超音波プローブを制御し、
前記第2の超音波スキャンによって得られた第2のエコー信号に基づいて前記観察対象を含む第2の超音波画像を作成して前記ディスプレイに表示し、
該ディスプレイに表示された第2の超音波画像における前記観察対象について計測を実施して計測値を取得し、
該計測値が基準を満たすか否か判定し、
前記計測値が基準を満たさない場合、前記メモリから前記第1の超音波画像を読み出して前記ディスプレイに表示する、ことを含む制御を実行する超音波画像表示システムの制御方法としてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1 超音波画像表示装置
2 超音波プローブ
7 プロセッサ、第1のプロセッサ
8 ディスプレイ、第1のディスプレイ
9 メモリ、第1のメモリ
10 ユーザインタフェース、第1のユーザインタフェース
11 スピーカー
100 超音波システム
101 サーバ
104 第2のメモリ
図1
図2
図3
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図9