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特許7366908PD-1に対する単一ドメイン抗体及びその変異体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】PD-1に対する単一ドメイン抗体及びその変異体
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20231016BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20231016BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20231016BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20231016BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20231016BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20231016BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20231016BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20231016BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20231016BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20231016BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61P35/00
A61P1/00
A61K39/395 D
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P43/00 111
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020538951
(86)(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-30
(86)【国際出願番号】 CN2019071691
(87)【国際公開番号】W WO2019137541
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/072589
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518261261
【氏名又は名称】ナンジン レジェンド バイオテック カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】NANJING LEGEND BIOTECH CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6 Building of Nanjing Life Science Town,No.568 Longmian Avenue,Jiangning District,Nanjing city,Jiangsu,China
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ヤフェン
(72)【発明者】
【氏名】ウー, シュ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ, チュアン-チュ
【審査官】飯濱 翔太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/087589(WO,A1)
【文献】特表2011-504742(JP,A)
【文献】特表2013-505923(JP,A)
【文献】国際公開第2018/014855(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 1/21
C12N 5/10
C12P 21/08
A61P 35/00
A61P 1/00
A61K 39/395
A61K 45/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PD-1を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分(抗PD-1sdAb部分)を含む単離抗PD-1構築物であって、前記抗PD-1sdAb部分が、以下:
(1)配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3;あるいは
(2)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3;
のいずれか1つを含む、単離抗PD-1構築物。
【請求項2】
前記抗PD-1sdAb部分が、以下:
(I)
a-1)37位のアミノ酸残基が、F、Y、L、I、及びVからなる群から選択され;
a-2)44位のアミノ酸残基が、A、G、E、D、G、Q、R、S、及びLからなる群から選択され;
a-3)45位のアミノ酸残基が、L、R、及びCからなる群から選択され;
a-4)103位のアミノ酸残基が、W、R、G、及びSからなる群から選択され;及び
a-5)108位のアミノ酸残基が、であり;または
(II)
b-1)37位のアミノ酸残基が、F、Y、L、I、及びVからなる群から選択され;
b-2)44位のアミノ酸残基が、E、Q、及びGからなる群から選択され;
b-3)45位のアミノ酸残基が、Rであり;
b-4)103位のアミノ酸残基が、W、R、及びSからなる群から選択され;及び
b-5)108位のアミノ酸残基が、Q及びLからなる群から選択される
のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含み、
アミノ酸位置が、Kabat番号付けに従っている、請求項1に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項3】
前記抗PD-1sdAb部分が、
(i)配列番号295、321~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、
(ii)配列番号295、321~324のいずれか1つに対して少なくとも80%の配列同一性を有するVHドメイン、または
(iii)配列番号295、321~324のいずれか1つに対して最大で3つのアミノ酸置換を含むVHドメイン
を含む、請求項1または2に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項4】
前記抗PD-1sdAb部分が、ラクダ、キメラ、部分ヒト化、または完全ヒト化である、請求項1~3のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項5】
前記単離抗PD-1構築物が、適宜リンカーを介してFc断片に融合した前記抗PD-1sdAb部分を含む重鎖のみ抗体(HCAb)である、請求項1~4のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項6】
(i)前記HCAbが、二量体である、および/または
(ii)前記Fc断片が、ヒトIgG1(hIgG1)Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、もしくはhIgG4 Fc(S228P)である、および/または
(iii)前記リンカーが、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、
請求項5に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項7】
前記HCAbが、配列番号331、357~360のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項5または6に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項8】
前記単離抗PD-1構築物が、第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗体部分をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項9】
前記第2の抗体部分が、完全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである、請求項8に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項10】
前記抗PD-1sdAb部分、及び前記第2の抗体部分が、リンカーによって適宜連結される、請求項8または9に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項11】
前記リンカーが、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項12】
前記第2の抗体部分が、PD-1またはCTLA-4を特異的に認識する第2のsdAbである、請求項8~11のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項13】
前記第2の抗体部分が、2本の重鎖及び2本の軽鎖からなる完全長抗体である、請求項8~11のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項14】
前記重鎖のFc断片が、hIgG1Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である、請求項13に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項15】
前記単離抗PD-1構築物が、
(i)前記抗PD-1sdAb部分のN末端が、前記完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、
(ii)前記抗PD-1sdAb部分のC末端が、前記完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、
(iii)前記抗PD-1sdAb部分のN末端が、前記完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、
(iv)前記抗PD-1sdAb部分のC末端が、前記完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、
(v)前記単離抗PD-1構築物が、4個の抗PD-1sdAb部分を含み、各抗PD-1sdAb部分の前記C末端が、前記完全長抗体の各鎖の前記N末端に融合される、および
(vi)前記単離抗PD-1構築物が、4個の抗PD-1sdAb部分を含み、前記4個の抗PD-1sdAb部分のうちの2個が互いに融合し、前記完全長抗体の各重鎖の前記N末端にさらに融合される
からなる群から選択される構成を含む、請求項13または14に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項16】
前記完全長抗体が、
(1)TIGITを特異的に認識する(抗TIGIT完全長抗体)、
(2)LAG-3を特異的に認識する(抗LAG-3完全長抗体)、
(3)TIM-3を特異的に認識する(抗TIM-3完全長抗体)、
(4)CTLA-4を特異的に認識する(抗CTLA-4完全長抗体)、または
(5)PD-1を特異的に認識する(抗PD-1完全長抗体)、
請求項13~15のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項17】
前記抗TIGIT完全長抗体が、
(i)配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び、配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3、ならびに/または
(ii)配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項16に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項18】
前記抗LAG-3完全長抗体が、
(i)配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3、ならびに/または
(ii)配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項16に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項19】
前記抗TIM-3完全長抗体が、
(i)配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3、ならびに/または
(ii)配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項16に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項20】
前記抗CTLA-4完全長抗体が、
(i)配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3、ならびに/または
(ii)配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項16に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項21】
前記抗PD-1完全長抗体が、
(i)配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3、ならびに/または
(ii)配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖
を含む、請求項16に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項22】
前記単離抗PD-1構築物が、
(a)前記単離抗PD-1構築物が、N末端からC末端に4個のポリペプチド(i)V-C、(ii)V-C1-適宜ペプチドリンカー-第1の抗PD-1sdAb部分-C2-C3、(iii)V-C1-適宜ペプチドリンカー-第2の抗PD-1sdAb部分-C2-C3、および(iv)V-Cを含み、ポリペプチド(i)のV-Cおよびポリペプチド(ii)のV-C1が第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗体部分を形成し、ポリペプチド(iv)のV-Cおよびポリペプチド(iii)のV-C1が第3のエピトープを特異的に認識する第3の抗体部分を形成する、
(b)前記単離抗PD-1構築物が、N末端からC末端に2個のポリペプチド(i)第2のエピトープを特異的に認識する第1のscFv-適宜ペプチドリンカー-第1の抗PD-1sdAb部分-C2-C3および(ii)第3のエピトープを特異的に認識する第2のscFv-適宜ペプチドリンカー-第2の抗PD-1sdAb部分-C2-C3を含む、
(c)前記単離抗PD-1構築物が、N末端からC末端に4個のポリペプチド(i)V-C-適宜ペプチドリンカー-第1の抗PD-1sdAb部分-C、(ii)V-C1-適宜ペプチドリンカー-第2の抗PD-1sdAb部分-C1-C2-C3、(iii)V-C1-適宜ペプチドリンカー-第3の抗PD-1sdAb部分-C1-C2-C3、および(iv)V-C-適宜ペプチドリンカー-第4の抗PD-1sdAb部分-Cを含み、ポリペプチド(i)のV-Cおよびポリペプチド(ii)のV-C1が第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗体部分を形成し、ポリペプチド(iv)のV-Cおよびポリペプチド(iii)のV-C1が第3のエピトープを特異的に認識する第3の抗体部分を形成する、
(d)前記単離抗PD-1構築物が、N末端からC末端に4個のポリペプチド(i)第1の抗PD-1sdAb部分-C、(ii)第2のエピトープを特異的に認識する第1のscFv-適宜ペプチドリンカー-第2の抗PD-1sdAb部分-C1-C2-C3、(iii)第3のエピトープを特異的に認識する第2のscFv-適宜ペプチドリンカー-第3の抗PD-1sdAb部分-C1-C2-C3および(iv)第4の抗PD-1sdAb部分-Cを含む、
からなる群から選択される構成を含む、請求項8~11のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物、及び適宜、医薬的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
【請求項24】
個体においてPD-1関連疾患を治療するための医薬であって、請求項1~22のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物または請求項23に記載の医薬組成物を、前記PD-1関連疾患の治療に有効な量で含む、医薬。
【請求項25】
前記PD-1関連疾患が、がん、病原性感染または免疫関連疾患である、請求項24に記載の医薬。
【請求項26】
(i)前記がんが、固形腫瘍である、または
(ii)前記病原性感染がウイルス感染である、または
(iii)前記免疫関連疾患がT細胞機能不全障害と関連する、
請求項25に記載の医薬。
【請求項27】
(i)前記固形腫瘍が、大腸がんである、または
(ii)前記T細胞機能不全障害が、T細胞アネルギー、サイトカイン分泌能力の低下、増殖能力の低下、細胞溶解活性実行能力の低下もしくはT細胞消耗によって特徴付けられる、
請求項26に記載の医薬。
【請求項28】
請求項1~22のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物をコードする、単離核酸。
【請求項29】
請求項28に記載の単離核酸を含む、ベクター。
【請求項30】
請求項28に記載の単離核酸、または請求項29に記載のベクターを含む、単離宿主細胞。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年1月15日に出願された国際特許出願第PCT/CN2018/072589号の利益を主張し、この内容は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルによる配列表の提出
ASCIIテキストファイル上の以下の提出物の内容、すなわち、コンピューターで読取り可能な形態(CRF)の配列表(ファイル名:761422000840SEQLIST.txt、記録日:2018年1月14日、サイズ:271KB)は、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
本発明は、PD-1を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む構築物、及びこれらを作製し、使用する方法に関する。
【0004】
主として活性化T及びB細胞上で発現される免疫阻害性受容体である、プログラム細胞死受容体1(PD-1;プログラム死受容体1、プログラム細胞死タンパク質1、CD279とも呼ばれる)は、CD28及び細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4、CD152)に関連する免疫グロブリンスーパーファミリーの成員である。PD-1(及び同様のファミリー成員)は、そのリガンドに結合する細胞外Ig可変型(V型)ドメイン及びシグナル伝達分子に結合する細胞質尾部を含有するI型膜貫通糖タンパク質である。PD-1の細胞質尾部は、2つのチロシンに基づくシグナル伝達モチーフ、ITIM(免疫受容体チロシンに基づく阻害モチーフ)及びITSM(免疫受容体チロシンに基づくスイッチモチーフ)を含有する。
【0005】
PD-1は、プログラム死リガンド1(PD-L1、CD274、B7-H1)とも呼ばれるプログラム細胞死リガンド1、及び/またはプログラム死リガンド2(PD-L2、CD273、B7-DC)とも呼ばれるプログラム細胞死リガンド2に結合した場合、T細胞応答を減弱させる。これらのリガンドのいずれかのPD-1への結合は、T細胞増殖、サイトカイン産生、及び細胞傷害性機能を阻害するシグナルを変換する。PD-L1のPD-1への結合を遮断することは、免疫系による腫瘍細胞のクリアランスを助けつつ、腫瘍特異的CD8+T細胞免疫を増強する。
【0006】
PD-1/PD-L1相互作用の抗体媒介遮断は、黒色腫、腎細胞がん、大腸がん、非小細胞肺がん、及び血液悪性腫瘍を含む難治性固形腫瘍の治療において臨床試験に入っている。しかしながら、特にPD-1/PD-L1遮断の際の耐性及び再発の観点から、種々のがんの発症を治療する、安定させる、予防する、及び/または遅らせるための最適な治療が依然として必要とされている。
【0007】
本明細書に参照される全ての刊行物、特許、特許出願、及び公開特許出願の開示は、それらの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、PD-1(以下、「抗PD-1 sdAb」と呼ばれる)、例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 HCAb、例えば、ヒト免疫グロブリンG(IgG)の結晶性断片(Fc)断片に融合した抗PD-1 sdAbを含む抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質、及び、例えば、他のsdAbsに融合したまたは完全長4本鎖抗体またはその抗原結合断片(例えば、FabまたはscFv)に融合した抗PD-1 sdAbを含む多重特異性(例えば、二重特異性)抗原結合タンパク質を特異的に認識するsdAb部分を含む抗PD-1構築物、及びこれらを作製し、使用する方法に関する。
【0009】
本出願の一態様は、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1構築物であって、sdAb部分が、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、単離抗PD-1構築物を提供する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含み、sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内であり、CDR3は、配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。
【0010】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、以下のいずれか1つを含む:
(1)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(2)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(4)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(5)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(6)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(7)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(8)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(9)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(10)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(11)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(12)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(13)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(14)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(15)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(16)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(17)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(18)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(19)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(20)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(21)配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(22)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(23)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(24)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(25)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(26)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(27)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(28)配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(29)配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(30)配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(31)配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(32)配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(33)配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(34)配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(35)配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;または
(35)配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体。
【0011】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、以下のいずれか1つを含む:
(1)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(2)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(4)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(5)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(6)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(7)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(8)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(9)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(10)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(11)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(12)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(13)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(14)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(15)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(16)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(17)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(18)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(19)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(20)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(21)配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(22)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(23)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(24)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(25)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(26)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(27)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(28)配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(29)配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(30)配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(31)配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(32)配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(33)配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(34)配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;
(35)配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;または
(36)配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体。
【0012】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、以下のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む:a-1)37位のアミノ酸残基は、F、Y、L、I、及びV(例えば、F、YまたはV、または例えば、F)からなる群から選択され;a-2)44位のアミノ酸残基は、A、G、E、D、G、Q、R、S、及びL(例えば、E、Q、またはG、または例えば、E)からなる群から選択され;a-3)45位のアミノ酸残基は、L、R、及びC(例えば、LまたはR)からなる群から選択され;a-4)103位のアミノ酸残基は、W、R、G、及びS(例えば、W、G、またはR、または例えば、W)からなる群から選択され;及びa-5)108位のアミノ酸残基は、Qであり;またはb-1)37位のアミノ酸残基は、F、Y、L、I、及びV(例えば、F、VまたはY、または例えば、F)からなる群から選択され;b-2)44位のアミノ酸残基は、E、Q、及びGからなる群から選択され;b-3)45位のアミノ酸残基は、Rであり;b-4)103位のアミノ酸残基は、W、R、及びS(例えば、W)からなる群から選択され;及びb-5)108位のアミノ酸残基は、Q及びL(例えば、Q)からなる群から選択され;アミノ酸位置は、Kabat番号付けに従っており、108位は、108位がQである場合、Lに適宜ヒト化することができる。
【0013】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、または配列番号289~324のいずれか1つに対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか)の配列同一性を有するその変異体を含む。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはVHドメインにおいて最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つのCDR、例えば、CDR1、及び/またはCDR2、及び/またはCDR3内である。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つのFR、例えば、FR1、及び/またはFR2、及び/またはFR3、及び/またはFR4内である。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR及びFRの両方の内である。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。
【0014】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-5M~約10-12M、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。
【0015】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0016】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、適宜リンカーを介してFc断片に融合したPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む重鎖のみ抗体(HCAb)である。いくつかの実施形態では、HCAbは、単量体である。いくつかの実施形態では、HCAbは、二量体である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、ヒトIgG1(hIgG1)Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、hIgG4 Fc(S228P)である。いくつかの実施形態では、適宜リンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、HCAbは、配列番号325~360のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0017】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗体部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、完全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、単一特異性である。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、多重特異性(例えば、二重特異性)である。いくつかの実施形態では、第2のエピトープは、PD-1由来でない。いくつかの実施形態では、第2のエピトープは、PD-1由来であるが、抗PD-1 sdAb部分によって特異的に認識されるものとは異なる。いくつかの実施形態では、第2のエピトープは、抗PD-1 sdAb部分によって特異的に認識されるものと同じである。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分及び第2の抗体部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーによって適宜連結される。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、sdAb、例えば、PD-1またはCTLA-4を特異的に認識するsdAbである。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、Fabである。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、scFvである。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖からなる完全長抗体である。いくつかの実施形態では、重鎖のFc断片は、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分のN末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分のC末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分のN末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分のC末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、上述したように、PD-1を特異的に認識する4つの同一なsdAb部分を含み、抗PD-1 sdAb部分の各々のC末端は、適宜ペプチドリンカーを介して、完全長抗体の各鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、上述したように、PD-1を特異的に認識する4つの同一なsdAb部分を含み、2つの抗PD-1 sdAb部分は、適宜ペプチドリンカーを介して互いに融合され、他の2つの抗PD-1 sdAb部分は、適宜ペプチドリンカーを介して互いに融合され、及び抗PD-1 sdAb部分融合ポリペプチドの各々のC末端は、適宜ペプチドリンカーを介して完全長抗体の各重鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;(3)抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;及び(4)V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)V-C1-C2-C3-抗PD-1 sdAb;(3)V-C1-C2-C3-抗PD-1 sdAb;及び(4)V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)抗PD-1 sdAb-V-C;(2)V-C1-C2-C3;(3)V-C1-C2-C3;及び(4)抗PD-1 sdAb-V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C-抗PD-1 sdAb;(2)V-C1-C2-C3;(3)V-C1-C2-C3;及び(4)V-C-抗PD-1 sdAbからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)抗PD-1 sdAb-V-C;(2)抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;(3)抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;及び(4)抗PD-1 sdAb-V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)抗PD-1 sdAb-抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;(3)抗PD-1 sdAb-抗PD-1 sdAb-V-C1-C2-C3;及び(4)V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)V-C1-抗PD-1 sdAb-C2-C3;(3)V-C1-抗PD-1 sdAb-C2-C3;及び(4)V-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原



結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造:V-V-抗PD-1 sdAb-C2-C3を各々が有する2つのポリペプチド鎖からなり、各ポリペプチド鎖のV及びVは、第2のエピトープ第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))のコピーに特異的に結合するscFVドメインを形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C-抗PD-1 sdAb-C;(2)V-C1-抗PD-1 sdAb-C1-C2-C3;(3)V-C1-抗PD-1 sdAb-C1-C2-C3;及び(4)V-C-抗PD-1 sdAb-Cからなり、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))の第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、以下のようなN末端からC末端までの構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)抗PD-1 sdAb-C;(2)V-V-抗PD-1 sdAb-C1-C2-C3;(3)V-V-抗PD-1 sdAb-C1-C2-C3;及び(4)抗PD-1 sdAb-Cからなり、ポリペプチド鎖(2)及び(3)のV及びVの各々は、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))のコピーに特異的に結合するscFVを形成し、及び各抗PD-1 sdAbは、PD-1のコピーに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、TIGITを特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗TIGIT完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗TIGIT完全長抗体は、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、TIGITを特異的に認識する完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、LAG-3を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗LAG-3完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗LAG-3完全長抗体は、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、LAG-3を特異的に認識する完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、TIM-3を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗TIM-3完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗TIM-3完全長抗体は、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、TIM-3を特異的に認識する完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、CTLA-4を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4完全長抗体は、配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)CTLA-4を特異的に認識するは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1完全長抗体は、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識する完全長抗体(またはV及びVを含む抗原結合部分)は、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。
【0018】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つに記載のいくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、生物学的に活性なタンパク質またはその断片をさらに含む。
【0019】
PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1構築物であって、sdAb部分が、配列番号289~324のうちのいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む、単離抗PD-1構築物をさらに提供する。
【0020】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つと競合的にPD-1に特異的に結合する単離抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 HCAb(例えば、抗PD-1 sdAb-Fc融合体)、PD-1×TIGIT BABP、PD-1×LAG-3 BABP、PD-1×TIM-3 BABP、PD-1×CTLA-4 BABP、またはPD-1×PD-1 BABP)をさらに提供する。
【0021】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つ、及び適宜、医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
【0022】
本出願の別の態様は、個体に有効量の上述の医薬組成物のいずれか1つを投与することを含む、PD-1関連疾患(例えば、がん、または免疫関連疾患)を有する個体の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍、例えば、大腸がんである。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、免疫関連疾患である。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、T細胞機能不全障害と関連する。いくつかの実施形態では、T細胞機能不全障害は、T細胞アネルギー、またはサイトカイン分泌能力、増殖能力、もしくは細胞溶解活性実行能力の低下によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、T細胞機能不全障害は、T細胞消耗によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、未解明な急性感染、慢性感染、及び腫瘍免疫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、病原性感染である。いくつかの実施形態では、方法は、個体に追加療法(例えば、がん療法)、例えば、外科外科手術、放射線、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、またはそれらの組み合わせを投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、追加療法は、免疫療法である。いくつかの実施形態では、免疫療法は、個体に、免疫調節薬を含む第2の医薬組成物、例えば、免疫チェックポイント阻害薬(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1、またはPD-L1に特異的に認識する抗体)の有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全身に、例えば、静脈内(i.v.)または腹腔内(i.p.)に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所的に、例えば、腫瘍内に投与される。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0023】
上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つをコードする単離核酸をさらに提供する。いくつかの実施形態では、単離核酸は、配列番号253~288のいずれか1つの核酸配列を含む。
【0024】
上述の単離核酸のいずれか1つを含むベクターをさらに提供する。
【0025】
上述の単離核酸またはベクターのいずれか1つを含む単離宿主細胞をさらに提供する。
【0026】
上述の単離抗PD-1構築物、単離核酸、ベクター、または単離宿主細胞のいずれか1つを含むキットをさらに提供する。
【0027】
本出願の別の態様は、上述の単離核酸またはベクターのいずれか1つを含む宿主細胞を培養すること、またはコードされた抗PD-1構築物の発現に効果的な条件下で上述の単離宿主細胞のいずれか1つを培養すること;及び発現された抗PD-1構築物を前記宿主細胞から得ることを含む、上述の単離抗PD-1構築物のいずれか1つの産生方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、上述の単離核酸またはベクターのいずれか1つを含む宿主細胞を産生することをさらに含む。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
PD-1を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む単離抗PD-1構築物であって、前記sdAb部分が、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体を含む、前記単離抗PD-1構築物。
(項目2)
前記sdAb部分が、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において、最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体を含む、項目1に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目3)
前記sdAb部分が、以下:
(1)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(2)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(4)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(5)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(6)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(7)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(8)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(9)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(10)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(11)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(12)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(13)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(14)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(15)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(16)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(17)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(18)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(19)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(20)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(21)配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(22)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(23)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(24)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(25)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(26)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(27)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(28)配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(29)配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(30)配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(31)配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(32)配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(33)配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(34)配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(35)配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;または
(36)配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体
のいずれか1つを含む、項目1または2に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目4)
前記sdAb部分が、以下:
(1)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(2)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(3)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(4)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(5)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(6)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(7)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(8)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(9)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(10)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(11)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(12)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(13)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(14)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(15)配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(16)配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(17)配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(18)配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(19)配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(20)配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(21)配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(22)配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(23)配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(24)配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(25)配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(26)配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(27)配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(28)配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(29)配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(30)配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(31)配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(32)配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(33)配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(34)配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;
(35)配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3;または前記CDR領域において最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体;または
(36)配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3;または最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体
のいずれか1つを含む、項目1~3のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目5)
前記sdAb部分が、以下:
a-1)37位のアミノ酸残基が、F、Y、L、I、及びVからなる群から選択され;
a-2)44位のアミノ酸残基が、A、G、E、D、G、Q、R、S、及びLからなる群から選択され;
a-3)45位のアミノ酸残基が、L、R、及びCからなる群から選択され;
a-4)103位のアミノ酸残基が、W、R、G、及びSからなる群から選択され;及び
a-5)108位のアミノ酸残基が、Qであり;または
b-1)37位のアミノ酸残基が、F、Y、L、I、及びVからなる群から選択され;
b-2)44位のアミノ酸残基が、E、Q、及びGからなる群から選択され;
b-3)45位のアミノ酸残基が、Rであり;
b-4)103位のアミノ酸残基が、W、R、及びSからなる群から選択され;及び
b-5)108位のアミノ酸残基が、Q及びLからなる群から選択され;
のいずれか1つのアミノ酸配列を含むV Hドメインを含み、
アミノ酸位置が、Kabat番号付けに従っており、108位がQである場合、108位が、Lに適宜ヒト化することができる、項目1~4のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目6)
前記sdAb部分が、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むV Hドメイン、または配列番号289~324のいずれか1つに対して少なくとも約80%の配列同一性を有するその変異体を含む、項目1~5のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目7)
前記sdAb部分が、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むV Hドメイン、または前記V Hドメインにおいて最大で約3つのアミノ酸置換を含むその変異体を含む、項目6に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目8)
前記sdAb部分と前記PD-1の間の結合のK が、約10 -5 M~約10 -12 Mである、項目1~7のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目9)
前記sdAb部分と前記PD-1の間の結合のK が、約10 -7 M~約10 -12 Mである、項目8に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目10)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分が、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である、項目1~9のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目11)
前記単離抗PD-1構築物が、適宜リンカーを介してFc断片に融合したPD-1を特異的に認識する前記sdAb部分を含む重鎖のみ抗体(HCAb)である、項目1~10のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目12)
前記HCAbが、単量体または二量体である、項目11に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目13)
前記Fc断片が、ヒトIgG1(hIgG1)Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である、項目11または12に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目14)
前記適宜リンカーが、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、項目11~13のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目15)
前記HCAbが、配列番号325~360のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、項目11~14のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目16)
前記単離抗PD-1構築物が、第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗体部分をさらに含む、項目1~10のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目17)
前記第2の抗体部分が、完全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’) 、Fv、一本鎖Fv(scFv)、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbである、項目16に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目18)
前記抗PD-1構築物が、多重特異性である、項目16または17に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目19)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分、及び前記第2の抗体部分が、ペプチドリンカーによって適宜連結される、項目16~18のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目20)
前記ペプチドリンカーが、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、項目19に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目21)
前記第2の抗体部分が、PD-1またはCTLA-4を特異的に認識する第2のsdAbである、項目16~20のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目22)
前記第2の抗体部分が、2本の重鎖及び2本の軽鎖からなる完全長抗体である、項目16~20のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目23)
前記重鎖のFc断片が、ヒトIgG1(hIgG1)Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である、項目22に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目24)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分のN末端が、前記完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、項目22または23に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目25)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分のC末端が、前記完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、項目22または23に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目26)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分のN末端が、前記完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、項目22または23に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目27)
PD-1を特異的に認識する前記sdAb部分のC末端が、前記完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、項目22または23に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目28)
前記完全長抗体が、TIGITを特異的に認識する、項目22~27のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目29)
前記完全長抗体が、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び、配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む、項目28に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目30)
前記完全長抗体が、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目28または29に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目31)
前記完全長抗体が、LAG-3を特異的に認識する、項目22~27のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目32)
前記完全長抗体が、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む、項目31に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目33)
前記完全長抗体が、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目31または32に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目34)
前記完全長抗体が、TIM-3を特異的に認識する、項目22~27のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目35)
前記完全長抗体が、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む、項目34に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目36)
前記完全長抗体が、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目34または35に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目37)
前記完全長抗体が、CTLA-4を特異的に認識する、項目22~27のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目38)
前記完全長抗体が、配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む、項目37に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目39)
前記完全長抗体が、配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目37または38に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目40)
前記完全長抗体が、PD-1を特異的に認識する、項目22~27のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目41)
前記完全長抗体が、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む、項目40に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目42)
前記完全長抗体が、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、項目40または41に記載の単離抗PD-1構築物。
(項目43)
PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1構築物であって、前記sdAb部分が、配列番号289~324のうちのいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む、前記単離抗PD-1構築物。
(項目44)
項目1~43のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物と競合的にPD-1に特異的に結合する、単離抗PD-1構築物。
(項目45)
項目1~44のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物、及び適宜、医薬的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
(項目46)
PD-1関連疾患を有する個体の治療方法であって、前記個体に有効量の項目45に記載の医薬組成物を投与することを含む、前記方法。
(項目47)
前記PD-1関連疾患が、がんである、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記がんが、固形腫瘍である、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記がんが、大腸がんである、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記個体に追加療法を投与することをさらに含む、項目46~49のいずれか1項に記載の方法。
(項目51)
前記個体が、ヒトである、項目46~50のいずれか1項に記載の方法。
(項目52)
項目1~44のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物をコードする、単離核酸。
(項目53)
項目52に記載の単離核酸を含む、ベクター。
(項目54)
項目52に記載の単離核酸、または項目53に記載のベクターを含む、単離宿主細胞。
(項目55)
項目1~44のいずれか1項に記載の単離抗PD-1構築物、項目52に記載の単離核酸、項目53に記載のベクター、または項目54に記載の単離宿主細胞を含む、キット。
(項目56)
抗PD-1構築物の産生方法であって、
(a)コードされた抗PD-1構築物を発現するのに効果的な条件下で、項目52に記載の単離核酸または項目53に記載のベクターを含む宿主細胞、または項目54に記載の単離宿主細胞を培養すること;及び
(b)前記宿主細胞から発現した抗PD-1構築物を得ること
を含む、前記方法。
(項目57)
工程(a)が、項目52に記載の単離核酸または項目53に記載のベクターを含む宿主細胞を産生することをさらに含む、項目56に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】A~Bは、PD-1免疫化後の第1のラクダの免疫応答評価を示す。図1Aは、6番目の免疫化後の第1のラクダの免疫前血清及び免疫血清の免疫応答評価を示す。図1Bは、6番目の免疫化(終末放血)後の重鎖抗体(IgG2及びIgG3)の免疫応答評価を示す。免疫前血清から分画した重鎖抗体は、陰性対照として使用した。
図2】A~Bは、PD-1免疫化後の第2のラクダの免疫応答評価を示す。図2Aは、6番目の免疫化後の第2のラクダの免疫前血清及び免疫血清の免疫応答評価を示す。図2Bは、6番目の免疫化(終末放血)後の重鎖抗体(IgG2及びIgG3)の免疫応答評価を示す。免疫前血清から分画した重鎖抗体は、陰性対照として使用した。
図3-1】A~Fは、表面プラズマ共鳴によって測定された、選択された6つのラクダ科sdAbの親和性を示す。kon、koff、及びK値を図3Gにまとめる。
図3-2】A~Fは、表面プラズマ共鳴によって測定された、選択された6つのラクダ科sdAbの親和性を示す。kon、koff、及びK値を図3Gにまとめる。
図4】A~Bは、生成されたsdAbのヒトPD-1発現細胞への結合能力を示す。図4Aは、フローサイトメトリーによる、AS06962 sdAb、AS07424 sdAb、及びA31543 sdAbのヒトPD-1発現細胞への結合を示す。EC50データを図4Bにまとめる。
図5】A~Bは、フローサイトメトリーによって測定された、生成されたsdAbのリガンド競合活性評価を示す。図5Aは、PD-L1 Fc リガンド及びPD-1発現細胞株を用いて、フローサイトメトリーによって測定された、AS06962 sdAb及びA31543 sdAbのリガンド競合活性評価を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した。IC50図5Bにまとめる。
図6-1】B~Lは、表面プラズマ共鳴によって測定された、生成されたラクダ科HCAbの親和性を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図6K)。kon、koff、及びKパラメーターを図6Aにまとめる。
図6-2】B~Lは、表面プラズマ共鳴によって測定された、生成されたラクダ科HCAbの親和性を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図6K)。kon、koff、及びKパラメーターを図6Aにまとめる。
図6-3】B~Lは、表面プラズマ共鳴によって測定された、生成されたラクダ科HCAbの親和性を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図6K)。kon、koff、及びKパラメーターを図6Aにまとめる。
図7-1】A~Xは、フローサイトメトリーによる、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞への結合能力を示す。図7A~7Vは、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞へのFACSに基づく結合を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図7W)。EC50図7Xにまとめる。
図7-2】A~Xは、フローサイトメトリーによる、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞への結合能力を示す。図7A~7Vは、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞へのFACSに基づく結合を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図7W)。EC50図7Xにまとめる。
図7-3】A~Xは、フローサイトメトリーによる、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞への結合能力を示す。図7A~7Vは、生成されたラクダ科HCAbのヒトPD-1発現細胞へのFACSに基づく結合を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図7W)。EC50図7Xにまとめる。
図8-1】A~Xは、フローサイトメトリーによって測定された、生成されたラクダ科HCAbのリガンド競合活性評価を示す。図8A~8Vは、PD-L1 Fc リガンド及びPD-1発現細胞株を用いた、生成されたラクダ科HCAbのFACSに基づくリガンド競合アッセイを示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図8W)。IC50図8Xにまとめる。
図8-2】A~Xは、フローサイトメトリーによって測定された、生成されたラクダ科HCAbのリガンド競合活性評価を示す。図8A~8Vは、PD-L1 Fc リガンド及びPD-1発現細胞株を用いた、生成されたラクダ科HCAbのFACSに基づくリガンド競合アッセイを示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図8W)。IC50図8Xにまとめる。
図8-3】A~Xは、フローサイトメトリーによって測定された、生成されたラクダ科HCAbのリガンド競合活性評価を示す。図8A~8Vは、PD-L1 Fc リガンド及びPD-1発現細胞株を用いた、生成されたラクダ科HCAbのFACSに基づくリガンド競合アッセイを示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図8W)。IC50図8Xにまとめる。
図9】A~Hは、NFAT誘導ルシフェラーゼレポーター活性によって測定された、生成されたラクダ科HCAbの生物学的活性評価を示す。図9A~9Fは、PD-1エフェクター細胞及びPD-L1細胞インキュベーション中の、生成されたラクダ科HCAbの存在下における、IL-2プロモーターからNFAT応答要素を介したRLU誘導を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図9G)。EC50図9Hにまとめる。
図10】A~Cは、混合リンパ球反応(MLR)アッセイによる、ラクダ科HCAb AS15140_HCAb、AS15156_HCAb、及びAS15193_HCAbの機能的活性評価を示す。キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図10D)。EC50図10Eにまとめる。
図11】親AS15193 sdAb、その対応する4つのヒト化バージョン、及びヒトアクセプターの配列アラインメントを示す。
図12】A~Eは、表面プラズマ共鳴によって測定された、4つのヒト化HCAb(図12B~12E)及び親HCAb(AS15193_HCAb、図12A)の親和性を示す。kon、koff、及びK値を図12Fにまとめる。
図13】A~Eは、4つのヒト化HCAb(図13B~13E)及び親HCAb(AS15193_HCAb、図13A)のヒトPD-1発現細胞への結合能力を示す。EC50図13Fにまとめる。
図14】A~Fは、フローサイトメトリーによって測定された、4つのヒト化HCAbのリガンド競合活性評価を示す。図14B~14Eは、PD-L1-Fcリガンド及びPD-1発現細胞株を用いた、ヒト化HCAbのFACSに基づくリガンド競合アッセイを示す。親HCAb AS15193_HCAbは、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図14A)。IC50図14Fにまとめる。
図15】A~Fは、NFAT誘発ルシフェラーゼレポーター活性によって測定された、4つのヒト化HCAb及びそれらの親HCAbの生物学的活性評価を示す。図15B~15Eは、PD-1エフェクター細胞及びPD-L1細胞インキュベーション中の、ヒト化HCAbの存在下における、IL-2プロモーターからNFAT応答要素を介したRLU誘導を示す。親HCAb AS15193_HCAbは、陽性抗PD-1対照抗体として使用した(図15A)。EC50図15Fにまとめる。
図16】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び2つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各抗PD-1 sdAbのC末端が、適宜ペプチドリンカーを介して1つの重鎖のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。2つの抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。完全長抗体は、第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)VH-V-C1-C2-C3;(3)VH-V-C1-C2-C3;及び(4)V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図17】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び2つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各抗PD-1 sdAbのN末端が、適宜ペプチドリンカーを介して1つの重鎖のC末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。2つの抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する完全長抗体は、第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)V-C1-C2-C3-VH;(3)V-C1-C2-C3-VH;及び(4)V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図18】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び2つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各抗PD-1 sdAbのC末端が、適宜ペプチドリンカーを介して1つの軽鎖のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。2つの抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。完全長抗体は、第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)VH-V-C;(2)V-C1-C2-C3;(3)V-C1-C2-C3;及び(4)VH-V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図19】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び2つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各抗PD-1 sdAbのN末端が、適宜ペプチドリンカーを介して1つの軽鎖のC末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。2つの抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープに特異的に結合する。完全長抗体は、第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C-VH;(2)V-C1-C2-C3;(3)V-C1-C2-C3;及び(4)V-C-VHからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図20】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び4つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各抗PD-1 sdAbのC末端が、適宜ペプチドリンカーを介して単一特異性完全長抗体の重鎖または軽鎖のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。各抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。完全長抗体は、各々が第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)VH-V-C;(2)VH-V-C1-C2-C3;(3)VH-V-C1-C2-C3;及び(4)VH-V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図21】2つの同一の重鎖及び2つの同一の軽鎖、及び4つの同一の抗PD-1 sdAbを有する単一特異性完全長抗体を含み、各重鎖のN末端が、2つの同一の抗PD-1 sdAbであり、2つの抗PD-1 sdAbが、適宜ペプチドリンカーを介して互いに融合され、及び2つの抗PD-1 sdAbが、適宜ペプチドリンカーを介して各重鎖のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。各抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。完全長抗体は、各々が第2のエピトープに特異的に結合する2つの抗原結合部位を有する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)VH-VH-V-C1-C2-C3;(3)VH-VH-V-C1-C2-C3;及び(4)V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。単一特異性完全長抗体は、二重特異性完全長抗体と置換して、結合特異性をさらに拡張してもよい。
図22】2つの同一の抗原結合(Fab)断片、2つの同一の抗PD-1 sdAb、及びFc領域を含み、各抗PD-1 sdAbのN末端が、適宜ペプチドリンカーを介してFab断片のC1領域のC末端に融合され、及び各抗PD-1 sdAbのC末端が、Fc領域のC2領域のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。各抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。各Fab断片は、第2のエピトープに特異的に結合する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C;(2)V-C1-VH-C2-C3;(3)V-C1-VH-C2-C3;及び(4)V-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。代替フォーマットでは、特異性を拡張するため、2つのFab断片は、異なるエピトープに特異的に結合することができ、及び/またはVH断片は、異なるエピトープに特異的に結合することができる。
図23】2つの同一の一本鎖可変断片(scFv)、2つの同一の抗PD-1 sdAb、及びFc領域を含み、各抗PD-1 sdAbのN末端が、適宜ペプチドリンカーを介してscFvのC末端に融合され、各抗PD-1 sdAbのC末端が、Fc領域のN末端に融合される、例示的なBABPの概略構造を示す。各抗PD-1 sdAbは、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。各scFvは、第2のエピトープに特異的に結合する。例えば、BABPは、各々が以下のようなN末端からC末端の構造を有する2つのポリペプチド鎖:V-V-VH-C2-C3からなり得、各ポリペプチド鎖のV及びVは、第2のエピトープのコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、scFvドメインは、N末端からC末端まで、V-Vを含み得る。代替フォーマットでは、各抗PD-1 sdAbは省略してもよく、または互いに融合した2つの同一または異なる抗PD-1 sdAbと置換してもよい。さらに、特異性を拡張するため、2つのscFvは、異なるエピトープに特異的に結合することができ、及び/またはVH断片は、異なるエピトープに特異的に結合することができる。
図24】2つの同一のFab断片、各々が2つのVH断片を含む2つの同一のFab様断片、及びFc領域を含む、例示的なBABPの概略構造を示す。各Fab様断片では、V及びV領域は各々、抗PD-1 sdAbによって置換される。各Fab様断片は、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。各Fab断片は、第2のエピトープに特異的に結合する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)V-C-VH-C;(2)V-C1-VH-C1-C2-C3;(3)V-C1-VH-C1-C2-C3;及び(4)V-C-VH-Cからなり得、ポリペプチド鎖(1)及び(2)のV及びVは、第2のエピトープの第1のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、ポリペプチド鎖(3)及び(4)のV及びVは、第2のエピトープの第2のコピーに特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、特異性を拡張するため、2つのFab断片は、異なるエピトープに特異的に結合することができ、及び/またはFab様断片は、異なるエピトープ(例えば、PD-1から異なるエピトープ)に特異的に結合することができる。
図25】2つの同一のscFv、各々が2つのVH断片を含む2つの同一のFab様断片、及びFc領域を含む、例示的なBABPの概略構造を示す。各Fab様断片では、V及びV領域は各々、抗PD-1 sdAbによって置換される。各Fab様断片は、第1のエピトープ(PD-1)に特異的に結合する。各scFvは、第2のエピトープに特異的に結合する。例えば、BABPは、以下のようなN末端からC末端の構造を有する4つのポリペプチド鎖:(1)VH-C;(2)V-V-VH-C1-C2-C3;(3)V-V-VH-C1-C2-C3;及び(4)VH-Cからなり得、ポリペプチド鎖(2)及び(3)のV及びVは、各々、第2のエピトープのコピーに特異的に結合するscFvを形成し、各VHは、第1のエピトープ(PD-1)のコピーに特異的に結合する。代替フォーマットでは、scFvのC末端は、VH-Cを含むFab様断片における鎖のN末端に融合され得;及び/またはscFvドメインは、N末端からC末端まで、V-Vを含み得る。さらに、特異性を拡張するため、2つのscFvは、異なるエピトープに特異的に結合することができ、及び/またはVH断片は、異なるエピトープ(例えば、PD-1から異なるエピトープ)に特異的に結合することができる。
図26】A~Bは、例示の抗PD-1 HCAbの概略構造を示す。図26Aは、例示の単一特異性二価抗PD-1 HCAbの概略構造を示す。図26Bは、例示の二重特異性二価抗PD-1 HCAbの概略構造を示す。
図27】2つのヒト化HCAb AS15193VH8M1_HCAb及びAS15193VH18M1_HCAbのインビボ効能試験を示す。
図28】選択されたsdAbの精製概要を示す。
図29】選択されたHCAbの精製概要を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、PD-1を特異的に認識する新規のsdAb(以下、「抗PD-1 sdAb」とも呼ばれる)、及びその抗体変異体(例えば、抗PD-1 sdAb、例えば、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質、完全長抗体に融合した抗PD-1 sdAb、Fab、またはscFvを含む、より大きなタンパク質またはポリペプチド、または抗PD-1 sdAbを含む多重特異性抗原結合タンパク質(MABP、例えば、二重特異性抗原結合タンパク質(BABP))、及びPD-1関連疾患(例えば、がん)を治療するためのそれらの使用、ならびにそれらの作製方法を提供する。
【0030】
sdAbは、軽鎖の助けを借りることなく抗原に対して高親和性を示すことができる単一単量体抗体可変ドメイン、例えば、重鎖可変ドメイン(VH)、を有することが、従来の4本鎖抗体とは異なる。ラクダ科動物のVHは、おおよそ15kDの分子量を有する最小の機能的抗原結合断片として知られる。
【0031】
したがって、本出願の一態様は、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1構築物を提供する。単離抗PD-1構築物は、例えば、抗PD-1 sdAb(例えば、天然、ヒト化、またはヒト)、一緒に融合した本明細書に記載の複数の抗PD-1 sdAbを含むポリペプチド、Fc断片(例えば、ヒトIgG1 Fc、エフェクターレス(不活性)hIgG1 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P))に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAbを含む抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、抗PD-1 HCAb)、または完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)を特異的に認識する抗体)もしくは重鎖可変ドメイン(V)及び軽鎖可変ドメイン(V)を含むその抗原結合断片に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAbを含むMABPであり得る。抗PD-1構築物は、単一特異性または多重特異性(例えば、二重特異性)、一価または多価(例えば、二価)であり得る。
【0032】
組成物(例えば、医薬組成物)、本明細書に記載の抗PD-1構築物を含むキット及び製造品、本明細書に記載の抗PD-1構築物の作製方法、及び本明細書に記載の抗PD-1構築物を用いたPD-1関連疾患(例えば、がん)の治療方法も提供する。
【0033】
I.定義
「エピトープ」という用語は、抗体に特異的に結合することができるタンパク質決定基を意味する。エピトープは、通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、エピトープは、通常、特異的な三次元構造特徴、ならびに特異的な電荷特性を有する。立体構造的エピトープ及び非立体構造的エピトープは、後者でなく前者に対する結合が変性溶媒の存在下で失われるという点で区別される。
【0034】
本明細書で使用する場合、「治療」または「治療すること」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的では、有益なまたは所望の結果としては、以下:疾患から生じる1つ以上の症状を緩和すること、疾患範囲を縮小すること、疾患を安定化すること(例えば、疾患の悪化を予防または遅らせること)、疾患の拡散(例えば、転移)を予防または遅らせること、疾患の再発を予防または遅らせること、疾患の進行を遅延または遅らせること、疾患状態を改善すること、疾患の寛解(部分的なまたは完全な)を提供すること、疾患を治療するために必要な1つ以上の他の薬物適用の用量を低下させること、疾患の進行を遅らせること、生活の質を向上させること、及び/または生存を延長することの1つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。また、「治療」によって包含されるのは、がんの病理学的結果の縮小である。本発明の方法は、治療のこれらの態様のいずれか1つ以上を企図する。
【0035】
「予防する」という用語、及び「予防した」、「予防すること」などの同様の言葉は、疾患または状態、例えば、がんの再発の可能性を予防、阻害、または低減するためのアプローチを示す。それは、疾患もしくは状態の再発を遅らせること、または疾患もしくは状態の症状の再発を遅らせることも指す。本明細書で使用する場合、「予防」及び同様の言葉は、疾患または状態の再発の前に、疾患または状態の強度、効果、症状、及び/または負担を軽減することも含む。
【0036】
本明細書で使用する場合、がんの発症を「遅らせること」とは、疾患の発症を引き延ばす、妨害する、遅らせる、妨げる、安定化する、及び/または延期することを意味する。この遅延は、治療する疾患及び/または個体の病歴に応じて時間の長さを変化させることであると言える。がんの発症を「遅延する」方法は、方法を用いない場合と比較して、所定の時間枠で疾患発症の可能性を低下させる及び/または所定の時間枠で疾患の程度を軽減する方法である。そのような比較は、典型的には、統計的に有意な数の個体を用いた臨床研究に基づいている。がんの発症は、コンピューター断層撮影(CATスキャン)、磁気共鳴画像法(MRI)、腹部超音波検査、凝固試験、動脈造影、または生検を含むが、これらに限定されない標準方法を用いて検出可能であり得る。また、発症とは、最初は検出不可能であり得るがんの進行のことであってもよく、発生、再発、及び開始が含まれる。
【0037】
本明細書で使用される「有効量」という用語は、特異的な疾病、状態または疾患を治療する、例えば、その症状の1つ以上を改善、緩和、軽快、及び/または遅延させるのに十分な薬剤または薬剤の組み合わせの量を指す。がんを引き合いに出す場合、有効量は、腫瘍が退縮するか、及び/または腫瘍の増殖速度が低下するか(腫瘍増殖の抑制など)、または他の望ましくない細胞増殖が予防または遅延されるのに十分な量を含む。いくつかの実施形態では、有効量は、発症を遅延させるのに十分な量である。いくつかの実施形態では、有効量は、再発を予防するかまたは遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回または複数回の投与によって投与することができる。薬物または組成物の有効量は、(i)がん細胞の数を減少させる、(ii)腫瘍のサイズを低減させる、(iii)がん細胞が末梢器管に浸潤するのを阻害、遅延、ある程度まで緩徐化及び望ましくは停止させる、(iv)腫瘍の転移を阻害する(すなわち、ある程度まで緩徐化し、望ましくは停止させる)、(v)腫瘍の成長を阻害する、(vi)腫瘍の発現及び/または再発を予防または遅延させる、及び/または(vii)がんに伴う症状の1つ以上をある程度まで緩和することができる。
【0038】
本明細書で使用する場合、「個体」または「対象」は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、げっ歯類または霊長類を含むが、これらに限定されない哺乳動物を指す。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。
【0039】
「抗体」、「抗原結合部分」、または「抗体部分」という用語は、それらの最も広い意味で用いられ、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、完全長抗体及びその抗原結合断片を含むが、これらに限定されない種々の抗体構造を包含する。
【0040】
基本となる4本鎖抗体ユニットは、2つの同一の軽(L)鎖と、2つの同一の重(H)鎖からなる、ヘテロ四量体糖タンパク質である。IgM抗体は、基本ヘテロ四量体ユニットと共に、J鎖と呼ばれる追加のポリペプチドの5つから構成され、10個の抗原結合部位を含有する一方、IgA抗体は、重合し、J鎖と組み合わせて多価集合体を形成できる基本4本鎖ユニットのうち、2~5つを含む。IgGの場合、4本鎖ユニットは、一般的に、約150,000ダルトンである。各L鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に連結される一方、2本のH鎖は、H鎖のアイソタイプによって1つ以上のジスルフィド結合によって互いに連結される。また、各H及びL鎖は、規則的に離間した鎖内ジスルフィド架橋も有する。各H鎖は、N末端において可変ドメイン(V)を、続けて、α及びγ鎖のそれぞれには3つの定常ドメイン(C)を、μ及びεアイソタイプには4つのCドメインを有する。各L鎖は、N末端において可変ドメイン(V)を、続けて他方の末端に定常ドメインを有する。Vは、Vと並び、Cは、重鎖の第1の定常ドメイン(C1)と並ぶ。特定のアミノ酸残基は、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の境界部を形成すると考えられている。VとVの対形成は、共に単一の抗原結合部位を形成する。異なる種類の抗体の構造及び特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Edition,Daniel P.Sties,Abba I.Terr and Tristram G.Parsolw(eds),Appleton & Lange,Norwalk,Conn.,1994,page 71及びChapter 6を参照されたい。任意の脊椎動物由来のL鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κ及びλと呼ばれる2種類の明らかに異なる種類のうちの1つに割り当てることができる。重鎖(C)の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンを異なる種類、つまりアイソタイプに割り当てることができる。免疫グロブリンは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと指定される重鎖を有する、IgA、IgD、IgE、IgG、IgMの5種類がある。γ及びαクラスは、Cの配列及び機能における比較的わずかな違いに基づいて、さらにサブクラスに分類され、例えば、ヒトは、IgG1、IgG2A、IgG2B、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2のサブクラスを発現している。
【0041】
「重鎖のみ抗体」または「HCAb」という用語は、重鎖を含むが、4本鎖抗体で通常見られる軽鎖が欠けている機能的抗体を指す。ラクダ科動物(例えば、ラクダ、ラマ、またはアルカパ)は、HCAbを産生することが知られている。
【0042】
「単一ドメイン抗体」または「sdAb」という用語は、3つの相補性決定領域(CDR)を有する単一抗原結合ポリペプチドを指す。sdAbのみは、対応するCDR含有ポリペプチドと対合せずに抗原に結合することができる。場合によっては、単一ドメイン抗体は、ラクダ科動物のHCAbから操作されており、それらの重鎖可変ドメインは、「VH」(重鎖抗体の重鎖の可変ドメイン)とも本明細書で呼ばれる。ラクダ科動物のsdAbは、公知の最小抗原結合抗体断片の1つである(例えば、Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-8(1993);Greenberg et al.,Nature 374:168-73(1995);Hassanzadeh-Ghassabeh et al.,Nanomedicine(Lond),8:1013-26(2013)を参照されたい)。基本的なVHは、N末端からC末端までの以下の構造:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4を有し、ここで、FR1~FR4は、フレームワーク領域1~4をそれぞれ指し、CDR1~CDR3は、相補性決定領域1~3を指す。
【0043】
「単離された」抗体(または構築物)は、その産生(例えば、天然または組み換え)環境の成分から同定され、単離され、及び/または回収されたものである。単離されたポリペプチドは、その産生環境からの他の全ての成分と関連しないのが好ましい。その産生環境の混入汚染成分、例えば、組み換えトランスフェクト細胞から生じるものは、典型的には、抗体の研究、診断、または治療への使用を妨げる物質であり、それらには、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性溶質または非タンパク質性溶質が含まれ得る。好ましい実施形態では、ポリペプチドは、(1)例えば、Lowry法で測定した場合に、抗体の95重量%を超えるまで、いくつかの実施形態では、99重量%を超えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使用して、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クマシーブルーまたは好ましくは銀染色を用いた非還元条件または還元条件下でのSDS-PAGEによって均一になるまで精製される。単離された抗体(または構築物)には、抗体の天然の環境の少なくとも1つの成分は存在しないことになるため、組み換え細胞内にインサイチュ抗体が含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチド、抗体、または構築物は、少なくとも1つの精製ステップにより調製されることになる。
【0044】
抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」とは、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、「V」及び「V」と呼ばれ得る。これらのドメインは、一般的に、(同じクラスの他の抗体に対して)抗体の最も可変な部分であり、抗原結合部位を含有している。ラクダ科の種に由来する重鎖のみ抗体は、「VH」と呼ばれる単一重鎖可変領域を有する。従って、VHは、特殊型のVである。
【0045】
「可変」という用語は、可変ドメインのある特定のセグメントが抗体間で配列が広範囲に異なることを指す。Vドメインは、抗体結合に関与し、特定の抗体のその特定の抗原に対する特異性を定義付ける。しかしながら、可変性は、可変ドメイン全体にわたって均一に分布されていない。その代わり、軽鎖及び重鎖可変ドメインの両方にある相補性決定領域(CDR)または超可変領域(HVR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのうちより良く保存されている部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ4つのFR領域を含み、大部分がβシート構造を採用しており、3つのCDRによって接続されて、βシート構造に連結する、場合によっては構造の一部を形成するループを形成する。各鎖のCDRは、FR領域により近接して保持され、他の鎖由来のCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al.,Sequences of Immunological Interest,Fifth Edition,National Institute of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい)。定常ドメインは、抗体の抗原への結合には直接関与しないが、抗体依存性細胞傷害における抗体の関与などの種々のエフェクター機能を示す。
【0046】
「モノクローナル抗体」という用語は、本明細書で使用する場合、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る自然発生突然変異及び/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)以外は同一である。モノクローナル抗体は、単一の抗原性部位に対するものであり、高特異性である。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物に比べて、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基に対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ培養によって合成され、他の免疫グロブリンが混入しない点で有利である。修飾語である「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の製造を必要とすると解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体を様々な技術で作製でき、例えば、ハイブリドーマ法(例えば、Kohler and Milstein.,Nature,256:495-97(1975);Hongo et al.,Hybridoma,14(3):253-260(1995),Harlow et al.,Antibodies:A Laboratory Manual,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,2nd ed.1988);Hammerling et al.,in:Monoclonal Antibodies and T-Cell Hybridomas 563-681(Elsevier,N.Y.,1981))、組み換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)、ファージディスプレイ法(例えば、Clackson et al.,Nature,352:624-628(1991)を参照されたい);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)、及び、ヒト免疫グロブリン遺伝子座またはヒト免疫グロブリン配列をコードする遺伝子の一部または全てを有する動物中でヒトまたはヒト様抗体を産生する技術(例えば、WO1998/24893、WO1996/34096、WO1996/33735、WO1991/10741、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551(1993);Jakobovits et al.,Nature 362:255-258(1993);Bruggemann et al.,Year in Immunol.7:33(1993);米国特許第5,545,807号、同第5,545,806号、同第5,569,825号、同第5,625,126号、同第5,633,425号、及び同第5,661,016号;Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992);Lonberg et al.,Nature 368:856-859(1994);Morrison,Nature 368:812-813(1994);Fishwild et al.,Nature Biotechnol.14:845-851(1996);Neuberger,Nature Biotechnol.14:826(1996);及びLonberg and Huszar,Intern.Rev.Immunol.13:65-93(1995)を参照されたい)が挙げられる。
【0047】
「完全長抗体」、「無傷抗体」、または「全抗体」という用語は、交換可能に使用され、抗体断片とは対照的に、その実質的に無傷な形態の抗体を指す。具体的には、完全長4本鎖抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を伴うものを含む。完全長重鎖のみ抗体は、重鎖可変ドメイン(例えば、VH)及びFc領域を含む。定常ドメインは、天然配列の定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異体であり得る。場合によっては、無傷抗体は、1つ以上のエフェクター機能を有し得る。
【0048】
「抗体断片」または「抗原結合断片」は、無傷抗体の一部、好ましくは、無傷抗体の抗原結合及び/または可変領域を含む。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)及びFv断片;ダイアボディ;線状抗体(米国特許第5,641,870号、実施例2;Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062(1995)を参照されたい);抗体断片から形成される一本鎖抗体(scFv)分子;単一ドメイン抗体(例えば、VH)、及び多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗原結合断片、ならびに残余「Fc」断片(この名称は容易に結晶化する能力を反映している)を産生した。Fab断片は、H鎖の可変領域ドメイン(V)及び1つの重鎖の第1の定常ドメイン(C1)を伴う完全L鎖からなる。各Fab断片は、抗原結合に関して一価であり、すなわち、それは単一の抗原結合部位を有する。抗体のペプシン処理は、単一大型F(ab’)断片を生じるが、これは、異なる抗原結合活性を有する2つのジスルフィド結合Fab断片におおよそ対応し、依然として抗原に架橋し得る。Fab’断片は、抗体ヒンジ領域からの1つ以上のシステインを含めてC1ドメインのカルボキシ末端に2~3の付加的残基を有することでFab断片と異なる。Fab’-SHは、定常ドメインのシステイン残基(複数可)が遊離チオール基を有するFab’に関する本明細書中での呼称である。F(ab’)抗体断片は、元来、それらの間にヒンジシステインを有するFab’断片の対として産生された。抗体断片の他の化学的カップリングも既知である。
【0049】
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含む、免疫グロブリンの他の部分である可変ドメインと比較して、より保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のC1、C2、及びC3ドメイン(総称して、C)、及び軽鎖のCL(またはC)ドメインを含む。
【0050】
いかなる脊椎動物種に由来する抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」も、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて明確に区別される、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2タイプの1つに割り当てられ得る。
【0051】
「Fv」は、完全な抗原認識かつ結合部位を含む最小抗体断片である。この断片は、強く非共有結合的に会合している、1本の重鎖及び1本の軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。これら2つのドメインが折り畳まれると、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に対する抗原結合特異性を与える6つの超可変ループ(H及びL鎖それぞれに3つのループ)が延びる。しかしながら、結合部位全体よりも親和性は低いものの、単一可変ドメイン(つまり、抗原に特異的な3つのみのCDRからなるFvの半分)であっても抗原を認識し、結合する能力を有する。
【0052】
「一本鎖Fv」(「sFv」または「scFv」とも略される)は、単一ポリペプチド鎖に連結されるV及びV抗体ドメインを含む抗体断片である。好ましくは、scFvポリペプチドは、V及びVドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、これは、抗原結合のために望ましい構造をscFvに形成させる。scFvの概説については、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,Springer-Verlag,New York,pp.269-315(1994)を参照されたい。
【0053】
「ダイアボディ」という用語は、VとVドメインとの間に短いリンカー(約5~10)残基)を有するFv断片(上記パラグラフを参照)を構築することによって調製される小さい抗体断片を指し、Vドメイン鎖内ではなく鎖間の対形成が達成されることによって、二価断片、すなわち、2つの抗原結合部位を有する断片が得られる。二重特異性ダイアボディは、2つの「クロスオーバー」するsFv断片のヘテロに量体であり、2つの抗体のV及びVドメインが、異なるポリペプチド鎖に存在する。ダイアボディは、例えば、EP404,097;WO93/11161、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)で詳細に説明されている。
【0054】
本明細書のモノクローナル抗体は、特に「キメラ」抗体(免疫グロブリン)を含み、これは、所望の生物活性を示す限りにおいて、重鎖及び/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する、または特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同である一方、鎖(複数可)の残部は、別の種に由来する、または別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同であり、並びに、このような抗体の断片である(米国特許第4,816,567号、Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))。「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットとして使用される。
【0055】
非ヒト(例えば、ラマまたはラクダ科)抗体の「ヒト化」型は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最低限の配列を含有するキメラ抗体である。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であり、ここでは、レシピエントのCDR(以下で定義される)の残基が、所望の特異性、親和性及び/または能力を有するマウス、ラット、ウサギ、ラクダ、ラマ、アルパカ、または非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRの残基で置換される。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク(「FR」)残基が、対応する非ヒト残基で置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体内にない残基を含んでもよい。結合親和性などの抗体の性能をさらに改善するため、これらの修飾がなされる場合がある。一般的に、ヒト化抗体は、実質的に全ての少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインを含み、全てまたは実質的に全ての超可変ループは、非ヒト免疫グロブリン配列のものと一致し、全てまたは実質的に全てのFR領域は、ヒト免疫グロブリン配列のものであるが、FR領域は、抗体の性能、例えば、結合親和性、異性化、免疫原性などを改善する、1つ以上の個々のFR残基の置換を含んでもよい。FR中のこれらのアミノ酸置換の数は、典型的にはH鎖では6以下であり、L鎖では3以下である。ヒト化抗体は、任意に、典型的にはヒト免疫グロブリンのものである、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部も含むだろう。さらなる詳細は、例えば、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照されたい。また、例えば、Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma & Immunol.1:105-115(1998);Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035-1038(1995);Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428-433(1994)、並びに米国特許第6,982,321号及び同第7,087,409号も参照されたい。
【0056】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体の配列に対応するアミノ酸配列を有し、及び/または、本明細書に開示されるヒト抗体を作製するためのいずれかの技術を用いて作製された抗体である。このヒト抗体の定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を、具体的に排除する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーを含む当該技術分野において既知の様々な技術を用いて作製できる。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。また、ヒトモノクローナル抗体の調製には、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boerner et al.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)に記載される方法も使用可能である。また、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)も参照されたい。ヒト抗体は、抗原投与に応答して、かかる抗体を産生するように改変されているが、内因性の遺伝子座が無効になっている、トランスジェニック動物、例えば、免疫化したゼノマウスに抗原を投与することによって調製できる(例えば、XENOMOUSE(商標)技術に関する米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号を参照されたい)。また、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術によって発生するヒト抗体に関しては、例えば、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照されたい。
【0057】
「超可変領域」、「HVR」、または「HV」という用語は、本明細書で使用する場合、配列が超可変である、及び/または構造的に定義されたループを形成する、抗体可変ドメインの領域を指す。一般的に、単一ドメイン抗体は、3つのHVR(またはCDR):HVR1(またはCDR1)、HVR2(またはCDR2)、及びHVR3(またはCDR3)を含む。HVR3(またはCDR3)は、3つのHVRのうち最も高い多様性を示し、抗体に優れた特異性を付与するうえで特異な役割を果たすと考えられている。例えば、Hamers-Casterman et al.,Nature 363:446-448(1993)及びSheriff et al.,Nature Struct.Biol.3:733-736(1996)を参照されたい。
【0058】
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、Kabatシステムで定義されるように、超可変領域を指すように使用される。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest、5th Ed.Public Health SerVice,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)を参照されたい。
【0059】
多くのHVR描写が本明細書において使用され、包含される。Kabatの相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づき、最も共通して使用される(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991))。Chothiaは、代わりに、構造的ループの位置を指す(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。AbM HVRは、KabatのHVRとChothiaの構造的ループの間での妥協を表わし、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアにより使用される。「接触」HVRは、利用可能な複雑な結晶構造の分析に基づく。これらのHVRの各々からの残基を以下の表1に指摘する。
【表1】
【0060】
HVRは以下の通りの「伸長HVR」:V内に、24~36または24~34(L1)、46~56または50~56(L2)、及び89~97または89~96(L3)、ならびに、V内に、26~35(H1)、50~65または49~65(H2)、及び93~102、94~102、もしくは95~102(H3)を含み得る。可変ドメイン残基を、Kabat et al.,supraに従って、これらの定義の各々について番号付けする。
【0061】
単一ドメイン抗体(例えば、VH)のアミノ酸残基は、Riechmann and Muyldermans,J.Immunol.Methods 2000 Jun 23;240(1-2):185-195の論文においてラクダ科動物に由来するVHドメインに適用されるように、Kabat et al.(「Sequence of proteins ofimmunological interest」,USPublic Health Services,NIH Bethesda,MD,Publication No.91)によって与えられたVドメインに関する一般的な番号付けに従って番号付けされる。この番号付けに従うと、VHのFR1は、1位~30位のアミノ酸残基を含み、VHのCDR1は、31位~35位のアミノ酸残基を含み、VHのFR2は、36位~49位のアミノ酸残基を含み、VHのCDR2は、50位~65位のアミノ酸残基を含み、VHのFR3は、66位~94位のアミノ酸残基を含み、VHのCDR3は、95位~102位のアミノ酸残基を含み、VHのFR4は、103位~113位のアミノ酸残基を含む。これに関して、Vドメイン及びVHドメインに関して当該技術分野で既知のように、CDRそれぞれにおけるアミノ酸残基の総数は変わる可能性があり、Kabat番号付けで示されるアミノ酸残基の総数に対応していなくてもよい(すなわち、Kabat番号付けによる1つ以上の位置が実際の配列で占められていなくてもよく、または実際の配列が、Kabat番号付けで可能な数より多くのアミノ酸残基を含有していてもよい)ことに留意すべきである。
【0062】
「Kabatにおける可変ドメイン残基番号付け」または「Kabatにおけるアミノ酸位置番号付け」という表現、ならびにそのバリエーションは、Kabat et al.,supraにおいて抗体の編集での重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインについて使用される番号付けシステムを指す。この番号付けシステムを使用し、実際の直鎖アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはHVRの短縮、またはその中への挿入に対応するより少ないまたは追加のアミノ酸を含み得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後の単一アミノ酸挿入(Kabatに従った残基52a)及び重鎖FR残基82の後の挿入残基(例えば、Kabatに従った残基82a、82b、及び82cなど)を含み得る。残基のKabat番号付けは、「標準的な」Kabat番号付け配列を伴う抗体の配列の相同性の領域でのアライメントにより所与の抗体について決定することができる。
【0063】
本明細書で別段の指定がない限り、免疫グロブリン重鎖における残基の番号付けは、Kabat et al.,supraと同様のEUインデックスのものである。「Kabatと同様のEUインデックス」とは、ヒトIgG1 EU抗体の残基番号付けを指す。
【0064】
「フレームワーク」または「FR」残基は、本明細書で定義されるHVR残基以外の可変ドメイン残基である。
【0065】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」または「アクセプターヒトフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVまたはVフレームワーク配列の選択において、最も共通に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVまたはV配列の選択肢は、可変ドメイン配列のサブグループである。一般的に、配列のサブグループは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991)にあるようなサブグループである。例として、Vについては、サブグループは、Kabat et al(上記)にあるような、サブグループκI、κII、κIIIまたはκIVであってよい。また、Vについては、サブグループは、Kabat et alにあるような、サブグループI、サブグループIIまたはサブグループIIIであってよい。あるいは、ヒトコンセンサスフレームワークは、例えば、ドナーフレームワーク配列を様々なヒトフレームフレーム配列の集合とアライメントすることによって、ドナーフレームワークとの相同性に基づいてヒトフレームワーク残基を選択するときなど、特定の残基において、上記のもの由来である場合がある。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「由来である」アクセプターヒトフレームワークは、それらと同じアミノ酸配列を含んでよく、または、予め存在するアミノ酸配列変化を含んでもよい。いくつかの実施形態では、予め存在するアミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。
【0066】
「親和性成熟した」抗体は、その1つ以上のCDRに1つ以上の変更を伴うものであり、その変更により、それらの変更(複数可)を持たない親抗体と比較して、抗体の抗原に対する親和性の改善がもたらされる。いくつかの実施形態では、親和性成熟した抗体は、標的抗原に対してナノモル濃度またはさらにはピコモル濃度の親和性を有する。親和性成熟した抗体は、当該技術分野において既知の手順によって作製される。例えば、Marks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992)は、V-及びV-ドメインのシャッフリングによる親和性成熟について述べている。CDR及び/またはフレームワーク残基のランダム変異誘発は、例えば、Barbas et al.Proc Nat.Acad.Sci.USA 91:3809-3813(1994);Schier et al.Gene 169:147-155(1995);Yelton et al.J.Immunol.155:1994-2004(1995);Jackson et al.,J.Immunol.154(7):3310-9(1995);及びHawkins et al,J.Mol.Biol.226:889-896(1992)に記載されている。
【0067】
本明細書で使用する場合、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」、または「特異的である」という用語は、測定可能で再現性のある相互作用、例えば、標的と抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)の間での結合を指し、それは、生物学的分子を含む分子の異種集団の存在において標的の存在を決定可能である。例えば、標的(エピトープであり得る)に特異的に結合する抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)は、より大きな親和性、アビディティを伴い、より容易に、及び/またはそれが他の標的に結合するよりも大きな持続時間を伴いこの標的に結合する抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)である。いくつかの実施形態では、無関係な標的への抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)により測定される通り、標的への抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)の結合の約10%未満である。いくつかの実施形態では、標的に特異的に結合する抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)は、≦10-5M、≦10-6M、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、または≦10-12Mの解離定数(K)を有する。いくつかの実施形態では、抗原結合タンパク質は、異なる種からのタンパク質間で保存されているタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的結合は、排他的な結合を含み得るが、それを要求しない。抗体または抗原結合ドメインの結合特異性は、当該技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウェスタンブロット、ELISA、RIA、ECL、IRMA、EIA、BIAcore試験、及びペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0068】
「特異性」という用語は、抗原の特定のエピトープに対する抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)の選択的認識を指す。天然抗体は、例えば、単一特異性である。「多重特異性」という用語は、本明細書で使用する場合、抗原結合タンパク質が、ポリトロープ特異性を有する(すなわち、1つの生物学的分子上の2つ、3つ、またはそれ以上の異なるエピトープに特異的に結合することができる、または2つ、3つ、またはそれ以上の異なる生物学的分子上のエピトープに特異的に結合することができる)ことを指す。「二重特異性」は、本明細書で使用する場合、抗原結合タンパク質が2つの異なる抗原結合特異性を有することを指す。別段の指定がない限り、二重特異性抗体によって結合した抗原を表記した順番は任意である。すなわち、例えば、「抗TIGIT/PD-1」、「抗PD-1/TIGIT」、「TIGIT×PD-1」、「PD-1×TIGIT」、「PD-1/TIGIT」、「TIGIT/PD-1」、「PD-1-TIGIT」、及び「TIGIT-PD-1」という用語は、TIGIT及びPD-1の両方を特異的に認識する二重特異性抗体を指すように交換可能に使用され得る。「単一特異性」という用語は、本明細書で使用する場合、各々が同じ抗原の同じエピトープに結合する1つ以上の結合部位を有する抗原結合タンパク質(例えば、sdAb)を指す。
【0069】
「価」という用語は、本明細書で使用する場合、抗原結合タンパク質における特定の数の結合部位の存在を指す。例えば、天然抗体または完全長抗体は、2つの結合部位を有し、二価である。このように、「三価」、「四価」、「五価」、及び「六価」という用語は、抗原結合タンパク質における2つの結合部位、3つの結合部位、4つの結合部位、5つの結合部位、及び6つの結合部位の存在をそれぞれ指す。
【0070】
「抗体エフェクター機能」は、抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列変異Fc領域)に起因するこれらの生物活性を指し、抗体アイソタイプによって変化する。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、B細胞活性化が挙げられる。抗体エフェクター機能の「低下または最小化」は、野生型または未修飾の抗体から、少なくとも50%(あるいは60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%)低下することを意味する。抗体エフェクター機能の決定は、当業者によって容易に判定可能かつ測定可能である。好ましい実施形態では、抗体エフェクター機能である補体結合、補体依存性細胞傷害及び抗体依存性細胞傷害が影響を受ける。いくつかの実施形態では、エフェクター機能は、グリコシル化を排除した定常領域における変異、例えば、「エフェクターレス変異」によって解消される。一態様では、エフェクターレス変異は、C2領域におけるN297AまたはDANA(D265A+N297A)変異である。Shields et al.,J.Biol.Chem.276(9):6591-6604(2001)。あるいは、エフェクター機能の低下または解消をもたらす追加の突然変異としては、K322A及びL234A/L235A(LALA)が挙げられる。あるいは、エフェクター機能は、製造手法によって低下または解消されることがあり、例えば、グリコシル化しない宿主細胞(例えば、E.coli.)または、エフェクター機能の促進に無効であるかもしくは効果が低い、改変された変更されたグリコシル化パターンをもたらす宿主細胞(例えば、Shinkawa et al.,J.Biol.Chem.278(5):3466-3473(2003)中での発現である。
【0071】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」つまりADCCは、細胞傷害の一形態を指し、分泌されたIgが特定の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)上に結合すると、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原提示標的細胞に特異的に結合し、続いてその標的細胞を細胞毒で死滅することを可能にする。細胞傷害性細胞の抗体「アーム」は、このメカニズムによる標的細胞の死滅に必要である。ADCCを媒介する主要な細胞であるNK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFc発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-92(1991)の464ページの表2にまとめられている。対象分子のADCC活性の評価には、米国特許第5,500,362号または同5,821,337号に記載されるものなどの、インビトロADCCアッセイを実施してもよい。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核球(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。代替的または追加的に、対象分子のADCC活性を、インビボ、例えば、動物モデル(例えば、Clynes et al.,PNAS USA 95:652-656(1998)に開示されるもの)で評価してもよい。
【0072】
本明細書において「Fc領域」または「断片結晶化可能領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域(天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む)を定義するために使用される。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変動し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、位置Cys226のアミノ酸残基から、またはPro230から、そのカルボキシル末端まで伸展すると定義される。Fc領域のC末端リジン(EU番号付けシステムによる残基447)を、抗体の産生もしくは精製の間に、または抗体の重鎖をコードする核酸の組み換え操作により除去してもよい。したがって、無傷抗体の組成物は、全てのK447残基が除去された抗体集団、K447残基が除去されていない抗体集団、及びK447残基を伴う及び伴わない抗体の混合物を有する抗体集団を含み得る。本明細書に記載の使用のための適当な天然配列Fc領域は、ヒトIgG1、IgG2(IgG2A、IgG2B)、IgG3、及びIgG4を含む。
【0073】
「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を表す。好ましいFcRは、天然配列のヒトFcRである。さらに、好ましいFcRは、IgG抗体(γ受容体)に結合するものであり、対立遺伝子変異体及び異なるスプライシングを受けた型を含む、FcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIサブクラスの受容体が挙げられ、FcγRII受容体として、FcγRIIA(「活性化受容体」)及びFcγRIIB(「抑制受容体」)が挙げられ、これらは主に細胞質ドメインが異なる類似のアミノ酸配列を有する。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系活性化モチーフ(ITAM)を含む。抑制受容体FcγRIIBは、細胞質ドメインに免疫受容体チロシン系抑制モチーフ(ITIM)を含む。(M.Daeron,Annu.Rev.Immunol.15:203-234(1997)を参照されたい。FcRの総説は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-92(1991);Capel et al.,Immunomethods 4:25-34(1994);及びde Haas et al.,J.Lab.Clin.Med.126:330-41(1995)にある。他のFcR(将来同定されるものを含む)は、本明細書の用語「FcR」に包含される。
【0074】
また、用語「Fc受容体」または「FcR」は、胎児への母体IgGの移動を担う、新生児期受容体であるFcRnも含む。Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994)。FcRnへの結合の測定方法は、既知である(例えば、Ghetie and Ward,Immunol.Today 18:(12):592-8(1997);Ghetie et al.,Nature Biotechnology 15(7):637-40(1997);Hinton et al.,J.Biol.Chem.279(8):6213-6(2004);WO2004/92219(Hinton et al.を参照されたい)。インビボのFcRnへの結合及びヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドの血清半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウスもしくはトランスフェクトされたヒト細胞株、または変異Fc領域を有するポリペプチドが投与された霊長類で評価することができる。WO2004/42072(Presta)は、FcRへの結合が改善または低下した抗体変異体について説明している。例えば、Shields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)も参照されたい。
【0075】
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」は、補体の存在下で標的細胞を溶解することを指す。従来の補体経路の活性化は、補体系の第1の成分(C1q)の、その同種抗原に結合する抗体(適切なサブクラスの)への結合によって開始される。補体活性化の評価には、CDCアッセイ、例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996)に記載されるものを実施してよい。Fc領域のアミノ酸配列が変更されており、C1q結合能が増加または低下している抗体変異体が、米国特許第6,194,551(B1)号及びWO99/51642に記載されている。これらの特許公報の内容は、具体的に参照することにより本明細書に組み込まれる。Idusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)も参照されたい。
【0076】
「結合親和性」は、一般的に、分子(例えば、抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)の間での非共有結合的な相互作用の合計の強度を指す。別段の指定がない限り、本明細書で使用する場合、「結合親和性」は、結合対のメンバーの間での1:1の相互作用を反映する内因性の結合親和性を指す。結合親和性は、K、Koff、Kon、またはKによって示すことができる。「Koff」という用語は、本明細書で使用する場合、動態選択の機構から決定される、抗体/抗原複合体からの抗体(または抗原結合ドメイン)の解離についてのoff速度定数を指すことを意図し、s-1の単位で表される。「Kon」という用語は、本明細書で使用する場合、抗体(または抗原結合ドメイン)が抗原に会合して、抗体/抗原複合体を形成するon速度定数を指すことを意図し、M-1-1の単位で表される。平衡解離定数「K」または「K」という用語は、本明細書で使用する場合、特定の抗体-抗原相互作用の解離定数を指し、平衡状態にある抗体分子の溶液中に存在する全ての抗体結合ドメインの半分を占めるのに必要な抗原の濃度を示し、Koff/Konに等しく、Mの単位で表される。Kの測定から、全ての結合剤が溶液中にあることが想定される。例えば、酵母発現系で、抗体が細胞壁に繋がっている場合、対応する平衡速度定数は、EC50として表され、それからKの良好な近似値が得られる。親和性定数Kは、解離定数Kの逆数であり、M-1の単位で表される。解離定数(KまたはK)は、抗体の抗原に対する親和性を示す指標として使用される。例えば、種々の標識剤で標識した抗体を用いたスキャチャード方法、ならびに市販の測定キットであるBiacoreX(Amersham Biosciences社製)または類似のキットを用いて、当該キットに添付された取扱い説明書及び実験操作方法に従って容易に分析することができる。これらの方法を用いて求められるK値は、M(モル)の単位で表される。標的に特異的に結合する抗体またはその抗原結合断片は、例えば、≦10-5M、≦10-6M、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、または≦10-12Mの解離定数(K)を有し得る。
【0077】
半分の最大阻害濃度(IC50)は、特定の生物学的または生化学的機能を阻害する際の物質(例えば、抗体)の効力の尺度である。それは、どの程度の量の特定の薬物または他の物質(阻害剤、例えば、抗体)が、所与の生物学的過程(例えば、PD-1及びPD-L1/PD-L2の間の結合、または過程の成分、すなわち、酵素、細胞、細胞受容体、または微生物)を半分まで阻害するのに必要とされるかということを示す。値は、典型的には、モル濃度として表される。IC50は、作動薬または他の物質(例えば、抗体)に対するEC50に匹敵する。また、EC50は、最大効果の50%をインビボで得るために必要な血漿濃度を表す。本明細書で使用する場合、「IC50」は、抗原の生物学的活性(例えば、PD-1の生物学的活性)の50%をインビトロで中和するために必要な抗体(例えば、抗PD-1 sdAb)の有効な濃度を示すように使用される。IC50またはEC50は、バイオアッセイ、例えば、FACS分析によるリガンド結合の阻害(競合結合アッセイ)、細胞に基づくサイトカイン放出アッセイ、または増幅発光近接均質アッセイ(AlphaLISA)によって測定することができる。
【0078】
ペプチド、ポリペプチド、または抗体配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」及び「相同性」は、配列を整列させ、ギャップを導入し(必要な場合)、最高パーセント配列同一性を達成した後(任意の保存的置換を配列同一性の部分として考えず)、特定のペプチドまたはポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアライメントは、当該技術分野内にある種々の方法で、例えば、公的に利用可能なコンピューターソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMEGALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェアなどを使用して達成することができる。当業者は、アライメントを測定するための適切なパラメーター(比較されている配列の全長にわたる最高アライメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む)を決定することができる。
【0079】
本明細書に記載の構築物、抗体、またはその抗原結合断片をコードする「単離」核酸分子は、それが産生された環境において通常会合している少なくとも1つの混入核酸分子から同定及び分離される核酸分子である。好ましくは、単離核酸は、産生環境に関連する全ての成分との会合がない。本明細書に記載のポリペプチド及び抗体をコードする単離核酸分子は、それが天然で見出される形態または設定以外の形態である。単離核酸分子は、従って、細胞中に天然に生じる本明細書に記載のポリペプチド及び抗体をコードする核酸から区別される。単離核酸は、核酸分子を通常含有する細胞中に含有される核酸分子を含むが、その核酸分子は、染色体外に、またはその天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
【0080】
「対照配列」という用語は、特定の宿主生物における操作可能に連結されたコーディング配列の発現に必要なDNA配列を意味する。例えば、原核生物に適した対照配列は、プロモーター、任意のオペレーター配列、及びリボソーム結合部位を含む。真核細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを利用することが知られている。
【0081】
核酸は、別の核酸配列と機能的関係に配置される場合、「操作可能に連結」される。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に関与する前タンパク質として発現される場合、ポリペプチドのDNAに操作可能に連結され、プロモーターまたはエンハンサーは、その配列の転写に影響する場合、コード配列に操作可能に連結され、リボソーム結合部位は、翻訳を促進するために配置される場合、コード配列に操作可能に連結される。一般的に、「操作可能に連結される」とは、連結されているDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合は、読まれるときに近接していることを意味する。しかしながら、エンハンサーは近接している必要はない。連結は、都合がいい制限部位でのライゲーションによって達成される。このような部位が存在しない場合、合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが、従来の方法に従って使用される。
【0082】
「ベクター」という用語は、本明細書で使用する場合、それが連結される別の核酸を伝播することができる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造としてのベクター、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結される核酸の発現を指示することができる。そのようなベクターは、「発現ベクター」と本明細書中で呼ばれる。
【0083】
「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」という用語は、本明細書で使用する場合、それによって外来性の核酸が宿主細胞に導入(transferred)されるか、または導入(introduced)されるプロセスを指す。「トランスフェクトされた」または「形質転換された」または「形質導入された」細胞は、外来性の核酸を用いてトランスフェクション、形質転換、または形質導入された細胞である。細胞には、初代対象細胞及びその子孫が含まれる。
【0084】
「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養」という用語は、交換可能に使用され、外因性の核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含める。宿主細胞は、「形質転換体」及び「形質転換細胞」を含み、継代の数に関係なく、それに由来する一次形質転換細胞及び子孫が含まれる。子孫は、親細胞と核酸含量が完全に同一ではない場合があるが、突然変異を含み得る。最初に形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異子孫が本明細書に含まれる。
【0085】
「アジュバント設定」とは、ある個体が、がんの既往歴を持ち、全般的に(必ずしもそうとは限らない)、外科手術(例えば、外科切除)、放射線治療、及び化学療法などを含むが、これらに限定されない治療に応答的である場合の臨床設定である。しかしながら、がんの既往歴のため、これらの個体は、疾患の発症のリスクがあると考えられる。「アジュバント設定」における治療または投与とは、事後の治療方式を指す。リスクの程度(例えば、アジュバント設定における個体が、「高リスク」または「低リスク」と考えられる場合)は、いくつかの要因に依存するが、もっとも多くの場合、最初に治療されたときの疾患の程度に依存する。
【0086】
「ネオアジュバント設定」は、方法が、一次/根治治療の前に実施される臨床的設定を指す。
【0087】
「医薬組成物」の「医薬製剤」という用語は、有効成分の生物活性が有効となることを可能にするような形態であり、その製剤が投与される対象に許容されないほど毒性がある追加の成分を含まない、調製物を指す。このような製剤は、無菌である。「無菌」製剤は、無菌性であり、つまり、全ての生微生物及びその芽胞を含まない。
【0088】
本明細書に記載の本発明の実施形態は、実施形態「からなる」こと、及び/または実施形態「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
【0089】
「約」に関して、本明細書における値またはパラメーターは、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする変化量を含む(記載されている)。例えば、「約X」という記述は、「X」の記述を含む。
【0090】
本明細書で使用する場合、ある値またはパラメーター「ではない」という言及は、一般的にある値またはパラメーター「以外」を意味し、記載する。例えば、方法は、タイプXのがんを治療するために使用されないということは、この方法は、X以外のタイプのがんを治療するために使用されることを意味する。
【0091】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある」、「または」、及び「その」は、文脈が別段に決定することが明らかでない限り、複数の指示を包含する。
【0092】
II.抗PD-1構築物
(I)抗PD-1単一ドメイン抗体部分
本明細書に記載の単離抗PD-1構築物は、PD-1(または「抗PD-1 sdAb」)を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む。いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、抗PD-1 sdAbである。
【0093】
いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0094】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含み、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。従って、いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0095】
いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である、抗PD1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0096】
いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0097】
本明細書に記載したCDRの配列を表3に提供する。CDRは、種々のペアワイズ組み合わせで組み合わせて、多くの抗PD-1 sdAb部分を生成することができる。
【0098】
例えば、いくつかの実施形態では、配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0099】
いくつかの実施形態では、配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号182のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0100】
いくつかの実施形態では、配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号183のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0101】
いくつかの実施形態では、配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号184のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0102】
いくつかの実施形態では、配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号185のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0103】
いくつかの実施形態では、配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号186のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0104】
いくつかの実施形態では、配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号187のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0105】
いくつかの実施形態では、配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号188のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0106】
いくつかの実施形態では、配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号189のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0107】
いくつかの実施形態では、配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号190のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0108】
いくつかの実施形態では、配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号191のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0109】
いくつかの実施形態では、配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号192のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0110】
いくつかの実施形態では、配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号193のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0111】
いくつかの実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号194のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0112】
いくつかの実施形態では、配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号51のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号195のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0113】
いくつかの実施形態では、配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号52のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号196のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0114】
いくつかの実施形態では、配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号53のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号197のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0115】
いくつかの実施形態では、配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号54のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号198のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0116】
いくつかの実施形態では、配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号55のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号199のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0117】
いくつかの実施形態では、配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号56のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号200のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0118】
いくつかの実施形態では、配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号57のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号201のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0119】
いくつかの実施形態では、配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号58のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号202のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0120】
いくつかの実施形態では、配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号59のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号203のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0121】
いくつかの実施形態では、配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号60のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号204のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0122】
いくつかの実施形態では、配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号61のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号205のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0123】
いくつかの実施形態では、配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号62のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号206のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0124】
いくつかの実施形態では、配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号63のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号207のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0125】
いくつかの実施形態では、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号64のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号208のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0126】
いくつかの実施形態では、配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号65のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号209のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0127】
いくつかの実施形態では、配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号66のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号210のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0128】
いくつかの実施形態では、配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号67のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号211のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0129】
いくつかの実施形態では、配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号68のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号212のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0130】
いくつかの実施形態では、配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号69のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号213のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0131】
いくつかの実施形態では、配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号70のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号214のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0132】
いくつかの実施形態では、配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号71のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号215のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0133】
いくつかの実施形態では、配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、配列番号72のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号216のアミノ酸配列を含むCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0134】
抗PD-1 sdAb部分は、1つ以上のFR配列中に1つ以上の「ホールマーク残基」を含み得る。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、以下のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む:a-1)37位のアミノ酸残基は、F、Y、L、I、及びV(例えば、F、YまたはV、または例えば、F)からなる群から選択され;a-2)44位のアミノ酸残基は、A、G、E、D、G、Q、R、S、及びL(例えば、E、Q、またはG、または例えば、E)からなる群から選択され;a-3)45位のアミノ酸残基は、L、R、及びC(例えば、LまたはR)からなる群から選択され;a-4)103位のアミノ酸残基は、W、R、G、及びS(例えば、W、G、またはR、または例えば、W)からなる群から選択され;及びa-5)108位のアミノ酸残基は、Qであり;またはb-1)37位のアミノ酸残基は、F、Y、L、I、及びV(例えば、F、V、またはY、または例えば、F)からなる群から選択され;b-2)44位のアミノ酸残基は、E、Q、及びGからなる群から選択され;b-3)45位のアミノ酸残基は、Rであり;b-4)103位のアミノ酸残基は、W、R、及びS(例えば、W)からなる群から選択され;及びb-5)108位のアミノ酸残基は、Q及びL(例えば、Q)からなる群から選択され;アミノ酸位置は、Kabat番号付けに従う。Kabat番号付けによるアミノ酸位置37、44、45、103及び108でのこれらの「ホールマーク残基」は、天然VH配列の抗PD-1 sdAb部分に適用し、及びヒト化中に置換することができることに留意すべきである。例えば、Kabat番号付けによるアミノ酸位置108でのQは、Lに適宜ヒト化することができる。他のヒト化置換は、当業者には明らかであろう。例えば、潜在的に有用なヒト化置換は、天然に生じるVHのFR配列を、1つ以上の密接に関連するヒトVの対応するFR配列と比較した後、当該技術分野で公知の(本明細書にも記載される)方法を用いて、1つ以上のそのような潜在的に有用なヒト化置換を前記VHに導入することで決定することができる。得られるヒト化VH配列は、PD-1結合親和性、安定性、発現のしやすさ及びレベル、及び/または他の所望の特性について試験することができる。可能な残基置換は、抗体Vドメインから来てもよく、V/V界面は、1つ以上の高電荷アミノ酸残基を含む。本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、部分的または完全にヒト化することができる。好ましくは、得られるヒト化抗PD-1 sdAbは、本明細書に記載のK、Kon、KoffでPD-1に結合する。
【0135】
いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、または配列番号289~324のいずれか1つに対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか)の配列同一性を有するその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはVHドメインにおいて最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはその変異体を含む抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのCDR、例えば、CDR1、及び/またはCDR2、及び/またはCDR3においてアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはその変異体を含む抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含み、アミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つのFR、例えば、FR1、及び/またはFR2、及び/またはFR3、及び/またはFR4内である。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはその変異体を含む抗PD-1 sdAb部分は、CDR及びFRの両方においてアミノ酸置換を含む。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のうちのいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む、抗PD-1 sdAb部分を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0136】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分のいずれか1つと競合的にPD-1に特異的に結合する抗PD-1 sdAb部分(以下、「競合抗PD-1 sdAb部分」または「競合抗PD-1 sdAb」と呼ばれる)または抗PD-1 sdAb部分を含む、抗PD-1構築物(以下、「競合抗PD-1構築物」と呼ばれる)を提供する。いくつかの実施形態では、競合的結合は、ELISAアッセイを用いて決定してもよい。いくつかの実施形態では、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗PD-1 sdAb部分と競合的にPD-1に特異的に結合する抗PD-1 sdAb部分(または抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物)を提供する。いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗PD-1 sdAb部分と競合的にPD-1に特異的に結合する、抗PD-1 sdAb部分(または抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物)を提供する。いくつかの実施形態では、競合抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、競合抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0137】
単一ドメイン抗体
例示的なsdAbとしては、重鎖のみ抗体に由来する重鎖可変ドメイン(例えば、ラクダ科におけるVH(重鎖抗体の重鎖の可変ドメイン)または軟骨魚類におけるVNAR(サメ新抗原受容体の可変ドメイン))、軽鎖を天然に欠く結合分子、慣用の4本鎖抗体に由来する単一ドメイン(例えば、VまたはV)、ヒト化重鎖のみ抗体、ヒト重鎖セグメントを発現するトランスジェニックマウスまたはラットにより産生されたヒト単一ドメイン抗体、及び抗体に由来するもの以外の操作されたドメイン及び単一ドメイン足場が挙げられるが、これらに限定されない。sdAbは、マウス、ラット、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤツメウナギ、サカナ、サメ、ヤギ、ウサギ、及びウシを含むが、これらに限定されない任意の種由来であってもよい。本明細書で検討されるsdAbは、ラクダ科及びサメ以外の種に由来する天然に生じるsdAb分子も含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、sdAbは、軽鎖を欠く重鎖として知られる天然に生じる単一ドメイン抗原結合分子(「重鎖のみ抗体」、または「HCAb」とも本明細書中で呼ばれる)由来である。そのような単一ドメイン分子は、例えば、WO94/04678及びHamers-Casterman,C.et al.(1993)Nature 363:446-448に開示されている。明確化するために、天然に軽鎖を欠く重鎖分子に由来する可変ドメインは、4本鎖免疫グロブリンの慣用のVと区別するために、VHとして本明細書で知られる。そのようなVH分子は、ラクダ科種、例えば、ラクダ、ラマ、ビクーニャ、ヒトコブラクダ、アルカパ、及びグアナコで育った抗体由来であり得る。ラクダ科以外の他の種は、天然に軽鎖を欠く重鎖分子を産生し得、そのようなVHは、本出願の範囲内である。
【0139】
いくつかの実施形態では、sdAbは、軟骨魚類で見られる免疫グロブリンの可変領域由来である。例えば、sdAbは、サメの血清に見られる新規抗原受容体(NAR)として知られる免疫グロブリンアイソタイプ由来であり得る。NAR(「IgNAR」)の可変領域に由来する単一ドメイン分子を生成する方法は、WO03/014161及びStreltsov(2005)Protein Sci.14:2901-2909に記載されている。
【0140】
いくつかの実施形態では、sdAbは、組み換え、CDR移植、ヒト化、ラクダ化、脱免疫化、及び/またはインビトロで生成される(例えば、ファージディスプレイにより選択される)。いくつかの実施形態では、フレームワーク領域のアミノ酸配列は、フレームワーク領域における特定のアミノ酸残基の「ラクダ化」によって変更され得る。ラクダ化とは、従来の4本鎖抗体からの(天然に生じる)Vドメインのアミノ酸配列における1つ以上のアミノ酸残基を、重鎖抗体のVHドメインにおける対応する位置(複数可)で生じる1つ以上のアミノ酸残基と置き換えるまたは置換することを指す。これは、それ自体が知られた方法で行うことができ、例えば、本明細書中のさらなる説明に基づいて、当業者には明白であろう。そのような「ラクダ化」置換は、本明細書で定義するように、V-V界面及び/またはいわゆるラクダ科動物のホールマーク残基を形成する、及び/またはに存在するアミノ酸位置に挿入するのが好ましい(例えば、WO94/04678、Davies及びRiechmann FEBS Letters 339:285-290、1994;Davies and Riechmann Protein Engineering 9(6):531-537,1996;RiechMann J.Mol.Biol.259:957-969,1996;及びRiechmann and Muyldermans J.Immunol.Meth.231:25-38,1999を参照されたい)。
【0141】
いくつかの実施形態では、sdAbは、ヒト重鎖セグメントを発現するトランスジェニックマウスまたはラットが産生するヒトsdAbである。例えば、US20090307787A1、米国特許第8,754,287号、US20150289489A1、US20100122358A1、及びWO2004049794を参照されたい。いくつかの実施形態では、sdAbは、親和性成熟される。
【0142】
いくつかの実施形態では、特定の抗原または標的に対する天然に生じるVHドメインは、ラクダ科動物のVH配列の(ナイーブまたは免疫)ライブラリーから得ることができる。そのような方法は、1つ以上のそれ自体が知られたスクリーニング技術を使用して、前記抗原または標的、またはその少なくとも一部、断片、抗原決定基またはエピトープを用いてそのようなライブラリーをスクリーニングすることを伴ってもよいし、伴わなくてもよい。そのようなライブラリー及び技術は、例えば、WO99/37681、WO01/90190、WO03/025020、及びWO03/035694に記載されている。あるいは、(ナイーブまたは免疫)VHライブラリーに由来する改良した合成または半合成ライブラリーは、例えば、WO00/43507に記載されるように、無作為突然変異誘発及び/またはCDRシャッフリングなどの技術によって(ナイーブまたは免疫)VHライブラリーから得られたVHライブラリーのように使用してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、sdAbは、従来の4本鎖抗体から生成される。例えば、EP0368684、Ward et al.(Nature 1989 Oct.12;341(6242):544-6)、Holt et al.,Trends Biotechnol.,2003,21(11):484-490;WO06/030220;及びWO06/003388を参照されたい。
【0144】
sdAbの特有な特性により、VHドメインを単一抗原結合タンパク質または抗原結合ドメイン(すなわち、より大きいタンパクやポリペプチドの一部として)として使用することは、従来のV及びV領域、scFvまたは従来の抗体断片(例えば、Fabまたは(Fab’))を上回る多くの有意な優位性を提供する:1)たった1つのドメインしか抗原が高い親和性で結合するのに必要でないので、第2のドメインを有する必要も、これら2つのドメインが正しい空間的な構造及び立体配置に存在することを確かめる必要もない(例えば、折り畳み中に重鎖と軽鎖を対合する必要がない、特別に設計されたリンカー(例えば、scFvに対して)を使用する必要がない);2)VHドメイン及び他のsdAbは、1つの遺伝子から発現することができ、転写後の折り畳みまたは改変の必要がない;3)VHドメイン及び他のsdAbは、簡単に多価及び多重特異的な形態(例えば、本出願に記載されるもの)に操作することができる;4)VHドメイン及び他のsdAbは、高い可溶性を示し、凝集しやすい傾向(マウス由来「dAb」に見られるような、Ward et al.,Nature.1989 Oct 12;341(6242):544-6)に記載されている)が見られない;5)VHドメイン及び他のsdAbは、熱、pH、プロテアーゼ、及び他の変性剤や変性条件に対して高い安定性を示す;6)VHドメイン及び他のsdAbは、例えば、微生物発酵を用いて、(大規模な生産規模であっても)容易かつ比較的安価に調製でき、(例えば、従来の抗体断片の生産に必要な)哺乳類の発現系を必要としない;7)VHドメイン及び他のsdAbは、従来の4本鎖抗体及びそれらの抗原結合断片と比較して比較的小さい(従来のIgGよりもおおよそ15kDaまたは10倍小さい)ため、例えば、固形腫瘍及び他の密集組織への(より)高い組織浸透能力を有する;及び8)VHドメイン及び他のsdAbは、(従来のVドメインのものと比較して拡張されたCDR3ループにより)いわゆる「空洞結合特性」を示すため、従来の4本鎖抗体及びその抗原結合断片が接近できなかった標的及びエピトープに接近することができる。例えば、VHドメイン及び他のsdAbは、酵素を阻害することができることが示されている(例えば、WO1997049805;Transue et al.,Proteins.1998 Sep 1;32(4):515-22;Lauwereys et al.,EMBO J.1998 Jul 1;17(13):3512-20を参照されたい)。
【0145】
PD-1
「プログラム細胞死タンパク質1」、「PD-1」、「PD-1抗原」、「PD-1エピトープ」、及び「プログラム死1」という用語は、交換可能に使用され、ヒトPD-1の変異体、アイソフォーム、種ホモログ、及びPD-1と少なくとも1つの共通エピトープを有するアナログが含まれる。
【0146】
ヒトPD-1のアミノ酸配列は、Genbank受託番号NP_005009で開示される。アミノ酸1~20の領域は、リーダーペプチドであり;21~170は、細胞外ドメインであり;171~191は、膜貫通ドメインであり;及び192~288は、細胞質ドメインである。
【0147】
特定のヒトPD-1配列は、一般的に、Genbank受託番号NP_005009のヒトPD-1に対するアミノ酸配列が少なくとも90%同一であり、他の種(例えば、ネズミ)のPD-1アミノ酸配列と比較した場合にアミノ酸配列をヒトとして同定するアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態では、ヒトPD-1は、Genbank受託番号NP_005009のPD-1に対してアミノ酸配列が少なくとも約95%、96%、97%、98%、または99%同一であり得る。いくつかの実施形態では、ヒトPD-1配列は、Genbank受託番号NP_005009のPD-1から10未満のアミノ酸差異を示す。いくつかの実施形態では、ヒトPD-1は、Genbank受託番号NP_005009のPD-1から5、4、3、2、または1未満のアミノ酸差異を示し得る。同一性パーセントは、本明細書に記載されるように決定することができる。いくつかの実施形態では、ヒトPD-1配列は、例えば、保存された突然変異または非保存領域中の突然変異を有することによってGenbank受託番号NP_005009のヒトPD-1と異なる場合があり、PD-1は、Genbank受託番号NP_005009のヒトPD-1と実質的に同じ生物学的機能を有する。例えば、ヒトPD-1の生物学的機能は、本開示の抗PD-1構築物によって特異的に結合されるPD-1の細胞外ドメイン中にエピトープを有することであり、またはヒトPD-1の生物学的機能は、T細胞活性の調節である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、Genbank受託番号NP_005009のPD-1に対して100%のアミノ酸配列同一性を有するPD-1ポリペプチドを特異的に認識する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、配列番号361または362のアミノ酸配列を含むPD-1ポリペプチドを特異的に認識する。
【0148】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ヒト以外の種、またはヒトPD-1に構造的に関連する他のタンパク質(例えば、ヒトPD-1ホモログ)に由来するPD-1と交差反応し得る。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ヒトPD-1に対して完全に特異的であり、種または他の種類の交差反応性を示さない。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ヒトPD-1の可溶性アイソフォームを特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ヒトPD-1(例えば、配列番号361)の膜結合アイソフォームを特異的に認識する。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、PD-1の細胞外ドメイン(ECD)を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、PD-1 ECDのN末端部分を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、PD-1 ECDのC末端部分を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、PD-1 ECDの中央部分を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分によって特異的に認識されるPD-1のECDは、Genbank受託番号NP_005009のPD-1の細胞外ドメインに対してアミノ酸配列が少なくとも約95%、96%、97%、98%、または99%同一である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分によって特異的に認識されるPD-1のECDは、Genbank受託番号NP_005009のPD-1の細胞外ドメインに対してアミノ酸配列が100%同一である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号362のアミノ酸配列を含むPD-1ポリペプチドを特異的に認識する。
【0150】
抗体親和性
抗体または抗原結合ドメインの結合特異性は、当該技術分野で公知の方法によって実験的に決定することができる。そのような方法は、ウェスタンブロット、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BIAcore試験及びペプチドスキャンを含むが、これらに限定されない。
【0151】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-6M、約10-6M~約10-7M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9M~約10-10M、約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-5M~約10-12M、約10-6M~約10-12M、約10-7M~約10-12M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M、約10-5M~約10-11M、約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-5M~約10-10M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M、約10-5M~約10-9M、約10-7M~約10-9M、約10-5M~約10-8M、または約10-6M~約10-8Mである。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKonは、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、約10-1-1~約10-1-1、または約10-1-1~約10-1-1である。
【0153】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKoffは、約1s-1~約10-2-1、約10-2-1~約10-4-1、約10-4-1~約10-5-1、約10-5-1~約10-6-1、約1s-1~約10-6-1、約10-2-1~約10-6-1、約10-3-1~約10-6-1、約10-4-1~約10-6-1、約10-2-1~約10-5-1、または約10-3-1~約10-5-1である。
【0154】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のEC50は、増幅発光近接均質アッセイ(AlphaLISA)で10nM未満である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のEC50は、FACS分析(競合結合アッセイ)または細胞に基づくサイトカイン放出アッセイによるリガンド結合の阻害において500nM未満である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のEC50は、1nM未満(例えば、約0.001nM~約0.01nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.1nM~約1nMなど)、約1nM~約10nM、約10nM~約50nM、約50nM~約100nM、約100nM~約200nM、約200nM~約300nM、約300nM~約400nM、または約400nM~約500nMである。
【0155】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のIC50は、AlphaLISAで10nM未満である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のIC50は、FACS分析(競合結合アッセイ)または細胞に基づくサイトカイン放出アッセイによるリガンド結合の阻害において500nM未満である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のIC50は、1nM未満(例えば、約0.001nM~約0.01nM、約0.01nM~約0.1nM、約0.1nM~約1nMなど)、約1nM~約10nM、約10nM~約50nM、約50nM~約100nM、約100nM~約200nM、約200nM~約300nM、約300nM~約400nM、または約400nM~約500nMである。
【0156】
キメラまたはヒト化抗体
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗PD-1 sdAb部分は、キメラ抗体である。ある特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号、及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、ラクダ科の種、例えば、ラマに由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例では、キメラ抗体は、クラスまたはサブクラスが親抗体のものから変更された「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するために、親の非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持したまま、ヒト化されている。一般的に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(またはその一部)が非ヒト抗体から由来し、FR(またはその一部)がヒト抗体配列に由来する、1つ以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、場合により、ヒト定常領域の少なくとも部分も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性または親和性を回復もしくは改善するめに、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)に由来する対応する残基で置換されている。
【0158】
ヒト化抗体及びそれらの製造方法は、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に総説されており、かつ、例えば、Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号;同第7,527,791号;同第6,982,321号;及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフト化を記載する);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「再表面化」を記載する);Dall’Acqua et al.Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフリング」を記載する);Osbourn et al.Methods 36:61-68(2005);及びKlimka et al.Br.J.Cancer 83:252-260(2000)(FRシャッフリングに対する「誘導型選択」アプローチを記載する)にさらに記載されている。
【0159】
ヒト化のために用いることができるヒトフレームワーク領域としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:「ベストフィット」法を用いて選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)を参照されたい);軽鎖または重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)を参照されたい);ヒトプロセシング型(体細胞突然変異型)フレームワーク領域またはヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照されたい);及びFRライブラリーのスクリーニングに由来するフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997);及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照されたい)。
【0160】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAbは、異種の種に対するその免疫原性を減少させながら、抗原に対するドメインの天然の親和性を減少させることなく改変される、例えば、ヒト化される。例えば、ラマ抗体の抗体可変ドメイン(VH)のアミノ酸残基は、決定することができ、例えば、フレームワーク領域におけるラクダ科動物のアミノ酸の1つ以上は、ヒトコンセンサス配列で見られるようにそれらのヒト対応物によって置換され、それなしでは、ポリペプチドは、その典型的な特性を失う、すなわち、ヒト化は、得られるポリペプチドの抗原結合能力に有意な影響を与えない。ラクダ科動物の単一ドメイン抗体のヒト化には、単一ポリペプチド鎖における限られた量のアミノ酸の導入及び突然変異誘発が必要である。これは、2本の鎖、軽鎖及び重鎖におけるアミノ酸変化の導入、ならびに両鎖のアセンブリの保存が必要なscFv、Fab’、(Fab’)、及びIgGのヒト化と対照的である。
【0161】
Hドメインを含むsdAbは、ヒト様配列を有するようにヒト化することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるVHドメインのFR領域は、ヒトVHフレームワーク領域に対して少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上のいずれか1つのアミノ酸配列相同性を含む。ヒト化VHドメインの1つの例示的なクラスは、そのVHが、Kabat番号付けに従って、位置45にグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン、スレオニン、アスパラギン、またはグルタミンからなる群より選ばれるアミノ酸(例えば、L45など)を持ち、位置103にトリプトファンを持つことを特徴とする。したがって、このクラスに属するポリペプチドは、ヒトVHフレームワーク領域に対して高いアミノ酸配列相同性を示し、前記ポリペプチドは、望ましくない免疫応答を引き起こす可能性を伴わず、かつさらなるヒト化の負担も伴わずに、ヒトに直接投与され得る。
【0162】
ヒト化ラクダ科単一ドメイン抗体の別の例示的なクラスは、WO03/035694に記載されており、ヒト起源のまたは他の種由来の従来型抗体に典型的に見られる疎水性FR2残基を含有するが、この親水性の喪失を、二本鎖抗体由来のVに存在する保存されたトリプトファン残基に代わる103位の荷電アルギニン残基によって補償している。したがって、これら2つのクラスに属するペプチドは、ヒトVフレームワーク領域に対して高いアミノ酸配列相同性ーを示し、前記ペプチドは、望ましくない免疫応答を引き起こす可能性を伴わず、かつさらなるヒト化の負担も伴わずに、ヒトに直接投与され得る。
【0163】
ヒト抗体
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗PD-1 sdAb部分は、ヒト抗体(ヒトドメイン抗体、またはヒトDabとして知られる)である。ヒト抗体は、当該技術分野で公知の様々な技術を用いて生産することができる。ヒト抗体は、一般的に、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001),Lonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008),and Chen,Mol.Immunol.47(4):912-21(2010)に記載されている。完全ヒト単一ドメイン抗体(またはDAb)を産生することができるトランスジェニックマウスまたはラットは、当該技術分野で公知である。例えば、US20090307787A1、米国特許第8,754,287号、US20150289489A1、US20100122358A1、及びWO2004049794を参照されたい。
【0164】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、抗原攻撃に応答して、無傷ヒト抗体またはヒト可変領域を持つ無傷抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に、免疫原を投与することにより調製することができる。そのような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座を置換するか、または染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含む。そのようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照されたい。また、例えば、米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号(XENOMOUSETM技術を記載する);米国特許第5,770,429号(HuMab(登録商標)技術を記載する);米国特許第7,041,870号(K-M MOUSE(登録商標)技術を記載する);米国特許出願公開2007/0061900号(VelociMouse(登録商標)技術を記載する)も参照されたい。そのような動物で生成された無傷抗体に由来するヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、さらに改変される可能性がある。
【0165】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、ハイブリドーマベースの方法により作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の産生のための、ヒトミエローマ及びマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63,Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して産生されるヒト抗体もまた、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。追加の方法としては、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の生成を記載する)及びNi,Xiandai Mianyixue 26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載する)に記載されるものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)もまた、Vollmers and Brandlein,Histol.Histopathol.,20(3):927-937 (2005)及びVollmers and Brandlein Methods Find Exp.Clin.Pharmacol.,27(3):185-91(2005)に記載されている。
【0166】
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、ヒトに由来するファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても生成され得る。そのような可変ドメイン配列は、次に所望のヒト定常ドメインと組み合わせてもよい。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術が、以下に説明される。
【0167】
特定の抗原または標的に対するVH配列を得る1つの技術は、重鎖抗体を発現することができるトランスジェニック哺乳動物を適当に免疫化すること(すなわち、免疫応答及び/または前記抗原または標的に対する重鎖抗体をもたらすために)、前記VH配列(をコードする核酸配列)を含有する前記トランスジェニック哺乳動物から適当な生物学的試料(例えば、血液試料、血清試料またはB細胞の試料)を得ること、及び次に、それ自体公知である任意の適当な技術(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかまたはハイブリドーマ技術)を用いて、前記試料から開始して、前記抗原または標的に対するVH配列を生成することを伴う。例えば、この目的のために、重鎖抗体を発現するマウス、及びWO02/085945、WO04/049794及びWO06/008548及びJanssens et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2006 Oct.10;103(41):15130-5に記載されるさらなる方法及び技術を用いることができる。例えば、そのような重鎖抗体を発現するマウスは、任意の適当な(単一)可変ドメイン、例えば、天然の供給源からの(単一)可変ドメイン(例えば、ヒトの(単一)可変ドメイン、ラクダ科動物の(単一)可変ドメインまたはサメの(単一)可変ドメイン)、ならびに、例えば、合成または半合成の(単一)可変ドメインを有する重鎖抗体を発現することができる。
【0168】
ライブラリー由来抗体
本出願の抗体は、所望の活性(1種または複数)を有する抗体について、コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し、かつ所望の結合特性を保持する抗体についてそのようなライブラリーをスクリーニングするための、種々の方法が当技術分野で公知である。そのような方法は、例えば、Hoogenboom et al.,Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)に総説され、かつ、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);Marks et al.J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,Methods in Molecular Biology 248:161-175,Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2003);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)にさらに記載されている。単一ドメイン抗体ライブラリーを構築する方法は、例えば、米国特許第7371849号に記載されている。
【0169】
ある特定のファージディスプレイ法では、V及びV遺伝子のレパートリーがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリーにおいてランダムに組み換えられ、これをその後、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されるように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。VH遺伝子のレパートリーは、PCRにより同様にクローニングされ、ファージライブラリーにおいてランダムに組み換えられ、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的には、抗体断片を、scFv断片またはFab断片のいずれかとして提示する。免疫された供給源由来のライブラリーは、ハイブリドーマを構築することを必要とせずに、免疫原に対して親和性の高い抗体を提供する。あるいは、Griffiths et al.,EMBO J.12:725-734(1993)に記載されるようにして、ナイーブレパートリーを(例えば、ヒトから)クローニングし、いかなる免疫付与も無しに、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対する、単一供給源の抗体を提供できる。最後に、ナイーブライブラリーはまた、幹細胞由来の再構成されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、かつ、ランダム配列を含有するPCRプライマーを用いて高度可変CDR3領域をコードし、インビトロでの再構成を実行することにより、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)により記載される通りに、合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許公報としては、例えば、以下のものが挙げられる:米国特許第5,750,373号、ならびに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号。
【0170】
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体または抗体断片は、本明細書でヒト抗体またはヒト抗体断片とみなされる。
【0171】
生物学的活性
本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分の生物学的活性は、その標的に結合する抗体の効力の尺度であるその50%有効濃度(EC50)、または、特異的な生物学的または生化学的機能を阻害する(例えば、PD-1及びPD-L1/PD-L2の間の結合を阻害する)抗体の効力の尺度であるその50%阻害濃度(IC50)を測定することで決定することができる。例えば、ここで、EC50は、細胞表面上に50%のPD-1が結合するのに必要な抗PD-1 sdAbの有効濃度を示すために使用することができ、IC50は、PD-1生物活性の50%をインビトロで中和するのに必要な抗PD-1 sdAbの有効濃度を示すために使用することができる。EC50は、最大効果の50%をインビボで得るのに必要な血漿濃度も表す。EC50またはIC50は、当該技術分野で公知のアッセイ、例えば、FACS結合分析、FACS分析(競合結合アッセイ)によるリガンド結合の阻害、細胞に基づくサイトカイン放出アッセイ、または増幅発光近接均質アッセイ(AlphaLISA)などのバイオアッセイによって測定することができる。
【0172】
例えば、リガンド結合の遮断は、フローサイトメトリーを用いて試験することができる(実施例1も参照されたい)。ヒトPD-1を発現するCHO細胞を接着培養フラスコから解離して、試験用の種々の濃度の試験用の抗PD-1 sdAb、及び一定濃度の標識PD-1タンパク質または標識PD-L2タンパク質(例えば、ビオチン標識ヒトPD-L1-Fcタンパク質またはビオチン標識ヒトPD-L2-Fcタンパク質)と混合することができる。抗PD-1抗体陽性対照、例えば、キイトルーダ(登録商標)を使用することができる。混合物を室温で30分間平衡化し、FACS緩衝液(1%BSAを含有するPBS)で3回洗浄した。その後、一定濃度の標識PD-L1またはPD-L2タンパク質を特異的に認識する抗体(例えば、PE/Cy5ストレプトアビジン二次抗体)を加え、室温で15分間インキュベートする。細胞をFACS緩衝液で洗浄し、フローサイトメトリーで分析する。非線形回帰を用いて、Prism(GraphPad Software、San Diego、CA)でデータを分析し、IC50を算出することができる。競合アッセイからの結果は、抗PD-1 sdAbが標識PD-L1/PD-L2及びPD-1の間の相互作用を阻害する能力を示すことができる。
【0173】
抗PD-1 sdAb部分の生物学的活性は、サイトカイン放出に対するPD-1に基づく遮断アッセイによって試験することもできる(実施例1も参照されたい)。PD-1シグナル伝達は、典型的には、細胞増殖よりもサイトカイン産生に大きな影響を有し、IFN-γ、TNF-α、及びIL-2産生に有意な影響を有する。従って、抗PD-1抗体によるPD-1経路の遮断は、T細胞増殖、IFN-γ放出、またはIL-2分泌をモニターする種々のバイオアッセイを用いて試験することができる。PD-1が媒介する抑制性シグナル伝達も、TCRシグナル伝達の強度に依存しており、低レベルのTCR刺激においてより大きな阻害が送達される。この低減は、CD28による共刺激により(Freeman et al.,J.Exp.Med.192:1027-34(2000))またはIL-2の存在により(Carter et al.,Eur.J.Immunol.32:634-43(2002))克服され得る。PD-L1及びPD-L2は、PD-1に結合する際に(Freeman et al.,J.Exp.Med.192:1027-34(2000))またはIL-2の存在する際に(Carter et al.,Eur.J.Immunol.32:634-43(2002))T細胞活性化を下方制御することが示された。
【0174】
例えば、PD-1エフェクター細胞(ヒトPD-1タンパク質及びNFATルシフェラーゼで安定してトランスフェクトさせたジャーカット細胞)及びCHO-K1/ヒトCD274(ヒトPD-L1を安定して発現するCHO-K1)をウェル中で混合する。抗PD-1 sdAbを各ウェルに異なる濃度で添加する。バックグラウンド対照として抗体を使用することはできない。陰性対照(例えば、ヒトIgG4)及び陽性対照(例えば、キイトルーダ(登録商標))を使用することができる。37℃/5%COインキュベーター中でインキュベーションの24時間後、培地を各試験ウェルから取り出し、IL-2分泌測定(Cisbio)する。試験抗体ごとのEC50値を測定し、これは、試験抗PD-1 sdAbが、ジャーカット細胞上のPD-1とPD-L1の間の相互作用を遮断する能力を反映している(PD-1/PD-L1相互作用が、T細胞IL-2産生を阻害する)。
【0175】
抗PD-1 sdAb部分の生物学的活性はまた、ルシフェラーゼレポーター活性について、PD-1に基づく遮断レポーターアッセイによって試験することができる(実施例1も参照されたい)。エフェクター細胞は、PD-1/PD-L1受容体-リガンド相互作用を破壊する際に誘導されるルシフェラーゼ構築物を含む。例えば、PD-1エフェクター細胞(ヒトPD-1タンパク質及びNFATルシフェラーゼで安定的にトランスフェクトしたジャーカット細胞)は、一晩載置した後、抗PD-1 sdAbを含む抗PD-1構築物の連続希釈でインキュベートし、PD-L1発現細胞(CHO-K1/ヒトCD274)を適当なE:T比で加えることができる。37℃、5%COでの誘導の6時間後、Bio-Glo(商標)ルシフェラーゼアッセイ試薬を加えることができ、発光を判断することができる。結果は、抗PD-1 sdAbがPD-L1及びPD-1の間の相互作用を阻害する能力を示すことができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、PD-1受容体により形質導入されたシグナルを遮断またはまたは拮抗する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、PD-L1/PD-L2との相互作用からPD-1を阻害するように、PD-1上のエピトープに結合することができる。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、抗体結合部位対PD-1リガンド結合部位の比が1:1より大きく、かつ、抗体の濃度が10-8Mより大きい条件下で、PD-1のPD-L1/PD-L2への結合を少なくとも約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、または99.9%のいずれかまで減少させることができる。
【0177】
(II)抗PD-1 sdAb部分を含む構築物
抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物は、任意の可能な形式のものであり得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物は、追加のポリペプチド配列、例えば、1つ以上の抗体部分(または抗原結合部分)、または免疫グロブリンのFc断片をさらに含み得る。そのような追加のポリペプチド配列は、抗PD-1 sdAbの(生物学的)特性に変化あるいはそれに影響を及ぼしても及ぼさなくてもよく、本明細書に記載の抗PD-1 sdAbにさらなる機能性を追加しても追加しなくてもよい。いくつかの実施形態では、追加のポリペプチド配列は、本発明の抗PD-1 sdAbに1つ以上の所望の特性または機能性を与える。
【0179】
いくつかの実施形態では、追加のポリペプチド配列は、第2のエピトープを特異的に認識する第2の抗原または第2の抗体部分(例えば、sdAb、scFv、Fab、完全長抗体など)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のエピトープは、PD-1由来である。いくつかの実施形態では、第2のエピトープは、PD-1由来でない。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分(または第2の抗原結合部分)は、本明細書に記載される抗PD-1 sdAbとして、PD-1上の同じエピトープを特異的に認識する。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分(または第2の抗原結合部分)は、本明細書に記載される抗PD-1 sdAbとして、PD-1上の異なるエピトープを特異的に認識する。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、適宜リンカー(例えば、ペプチドリンカー、例えば、以下の「ペプチドリンカー」節に開示されるもののいずれか)を介して一緒に連結した、本明細書に記載の2つ以上の抗PD-1-sdAb部分を含む。一緒に連結した2つ以上の抗PD-1-sdAb部分は、同じか、または異なり得る。いくつかの実施形態では、適宜ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、追加のポリペプチド配列は、CTLA-4を特異的に認識する第2の抗原または第2の抗体部分(例えば、sdAb、scFv、Fab、完全長抗体など)を含み得る。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、本明細書に記載の1つ以上の抗PD-1-sdAb部分、及び、適宜リンカー(例えば、ペプチドリンカー、例えば、以下の「ペプチドリンカー」節に開示されるもののいずれか)を介して一緒に連結した1つ以上の抗CTLA-4 sdAbを含む。一緒に連結した1つ以上の抗PD-1-sdAb部分は、同じか、または異なり得、一緒に連結した1つ以上の抗CTLA-4-sdAbは、同じか、または異なり得る。抗CTLA-4 sdAbは、PCT/CN2017/105506及びPCT/CN2016/101777に開示されるものなど任意の形式であってもよく、それらの全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4 sdAbは、A34311VH11、AS07014VH11、またはAS07189TKDVH11のアミノ酸配列を含む。本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分及び抗CTLA-4 sdAbを含む抗PD-1構築物は、例えば、N末端からC末端まで、(抗CTLA-4 sdAb1)-L-(抗CTLA-4 sdAb2)-L-(抗PD-1 sdAb)、(抗CTLA-4 sdAb1)-L-(抗PD-1 sdAb)-L-(抗CTLA-4 sdAb2)、(抗PD-1 sdAb)-L-(抗CTLA-4 sdAb1)-L-(抗CTLA-4 sdAb2)、(抗PD-1 sdAb1)-L-(抗PD-1 sdAb2)-L-(抗CTLA-4 sdAb)、(抗PD-1 sdAb1)-L-(抗CTLA-4 sdAb)-L-(抗PD-1 sdAb2)、(抗CTLA-4 sdAb)-L-(抗PD-1 sdAb1)-L-(抗PD-1 sdAb2)などの任意の形式であり得る(L及びLは、同じかまたは異なる適宜リンカー、例えば、適宜ペプチドリンカーであり得る)。
【0181】
いくつかの実施形態では、追加のポリペプチド配列は、本明細書に記載の抗PD-1 sdAbそれ自体と比較して、本発明の抗PD-1構築物の抗体構築物半減期、溶解度もしくは吸収を増加させ、免疫原性もしくは毒性を低減し、望ましくない副作用を排除もしくは軽減し、及び/または他の有利な特性をそれに付与し、及び/またはその望ましくない特性を低減してもよい。そのような追加のポリペプチド配列のいくつかの非限定例は、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(例えば、WO00/27435を参照されたい)またはハプテン分子(例えば、循環抗体によって認識されるハプテン、例えば、WO98/22141を参照されたい)である。免疫グロブリンの断片(例えば、Vドメイン)を血清アルブミンまたはその断片に連結することが、抗体半減期を増加させ得ることを示した(例えば、WO00/27435及びWO01/077137を参照されたい)。従って、いくつかの実施形態では、本発明の抗PD-1構築物は、適当なリンカー(例えば、ペプチドリンカー)を適宜介して、血清アルブミン(またはその適当な断片)に連結した本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、血清アルブミンドメインIIIを少なくとも含む血清アルブミンの断片に連結することができる(PCT/EP2007/002817を参照されたい)。抗PD-1 sdAb-HSA融合タンパク質は、例えば、(sdAb)-HSA(nは、少なくとも1の整数である)、sdAb-HSA-sdAbなどの任意の形式であり得る。いくつかの実施形態では、適宜ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0182】
抗PD-1重鎖のみ抗体(HCAb)
いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む重鎖のみ抗体(HCAb)である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、リンカー配列を適宜介して、1つ以上の(好ましくは、ヒト)C2及び/またはC3ドメイン、例えば、Fc断片に連結して、その半減期をインビボで増加させることができる。
【0183】
従って、いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、免疫グロブリン、例えば、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMのFc断片に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1 HCAbである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、IgG、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4のいずれかのFc配列を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、ヒトFc、例えば、ヒトIgG1(hIgG1)Fc、hIgG2Fc、またはhIgG4 Fcである。いくつかの実施形態では、Fc断片は、抗体エフェクター機能が減少、最小化、または排除されたエフェクターレス、例えば、ADCC、CDC、及び/またはADCP(抗体依存性細胞貪食)である。例えば、いくつかの実施形態では、エフェクターレスFcは、C2領域においてN297AまたはDANA突然変異(D265A+N297A)を含む。いくつかの実施形態では、エフェクターレスFcは、K322A及びL234A/L235A(LALA)突然変異を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、エフェクターレス(不活性)IgG1 Fc、例えば、エフェクターレスhIgG1 Fcである。いくつかの実施形態では、Fc断片は、ヒトIgG4 Fc(S228P)である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、単量体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、二量体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、多重特異性かつ多価(例えば、二重特異性及び二価)であり、例えば、本明細書に記載の2つ以上の異なる抗PD-1 sdAb部分を含む(図26Bとして例示される)。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、単一特異性かつ多価(例えば、二価;図26Aとして例示される)である。
【0184】
いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分及びFc断片は、ペプチドリンカーによって適宜連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、ヒトIgG1ヒンジ(配列番号369)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、変異型ヒトIgG1ヒンジ(配列番号368)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、ヒトIgG4ヒンジ(配列番号367)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、hIgG2ヒンジである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つ、例えば、配列番号371、375、または376のアミノ酸配列を含む。
【0185】
従って、いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;またはCDR領域において最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、CDR1及び/またはCDR2内である。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、または配列番号289~324のいずれか1つに対して少なくとも約80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のいずれか)の配列同一性を有するその変異体を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメイン、またはVHドメインにおいて最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、VHドメインにおけるアミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3などのCDR内である。いくつかの実施形態では、VHドメインにおけるアミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つのFR1、及び/またはFR2、及び/またはFR3、及び/またはFR4などのFR内である。いくつかの実施形態では、アミノ酸置換は、配列番号289~324のいずれか1つの両方のCDR及びFR内である。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、sdAb部分は、配列番号289~324のうちのいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含み、抗PD-1 sdAb部分は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識する2つのsdAb部分を含む単離抗PD-1 HCAbであって、各抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み、各抗PD-1 sdAbのC末端は、適宜リンカーを介して免疫グロブリンのFc断片のN末端に融合される、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、2つの抗PD-1 sdAb部分は、同じである(図26Aとして例示される)。いくつかの実施形態では、2つの抗PD-1 sdAb部分は、異なる(図26Bとして例示される)。いくつかの実施形態では、Fc断片は、ヒトIgG1 Fc、エフェクターレスヒトIgG1 Fc、hIgG2 Fc、ヒトIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である。いくつかの実施形態では、Fc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、単量体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 HCAbは、二量体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分及びFc断片は、ペプチドリンカーによって適宜連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0186】
いくつかの実施形態では、配列番号325~360のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、単離抗PD-1 HCAbを提供する。
【0187】
いくつかの実施形態では、単離抗PD-1 HCAb、抗PD-1 sdAb、または本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物のいずれか1つと競合的にPD-1に特異的に結合する、単離抗PD-1 HCAb(以下、「競合抗PD-1 HCAb」と呼ばれる)も提供する。競合的結合は、ELISAアッセイを用いて決定してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、配列番号325~360のいずれか1つのアミノ酸配列を含む単離抗PD-1 HCAbと競合的にPD-1に特異的に結合する、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1 HCAbと競合的にPD-1に特異的に結合する、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗PD-1 sdAb部分(または抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物)と競合的にPD-1に特異的に結合する、単離抗PD-1 HCAbを提供する。いくつかの実施形態では、競合抗PD-1 HCAbのFc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、競合抗PD-1 HCAb及びPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、競合抗PD-1 HCAbは、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0188】
多価及び/または多重特異性抗体
いくつかの実施形態では、単離抗PD-1構築物は、1つ以上の他の抗体部分または抗原結合部分(例えば、別のエピトープを特異的に認識する抗体部分)に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む。1つ以上の他の抗体部分は、任意の抗体または抗体断片形式、例えば、完全長抗体、Fab、Fab’、(Fab’)、Fv、scFv、scFv-scFv、ミニボディ、ダイアボディ、またはsdAbであり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の抗体部分(または抗原結合部分)は、重鎖可変ドメイン(V)及び軽鎖可変ドメイン(V)を含む。ある特定の抗体断片の概説については、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の概説については、例えば、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113,Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag,New York),pp.269-315(1994)を参照されたい;WO93/16185;ならびに米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボ半減期が長くなっているFab断片及びF(ab’)断片の考察については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。多重特異性抗体の概説については、Weidle et al.,Cancer Genomics Proteomics,10(1):1-18,2013;Geering and Fussenegger,Trends Biotechnol.,33(2):65-79,2015;Stamova et al.,Antibodies,1(2):172-198,2012を参照されたい。ダイアボディは、二価または二重特異的であり得る、2つの抗原結合性部位を含む抗体断片である。例えば、EP 404,097;WO1993/01161;Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003);及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 6444-6448(1993)を参照されたい。トリアボディ及びテトラボディについても、Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。抗体断片は、種々の技術で作成することができ、限定されないが、本明細書に記載されるように、無傷抗体の分解、ならびに組み換え宿主細胞(例えば、E.coliまたはファージ)による産生を含む。
【0189】
多重特異性抗体を作製するための技術には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組み換え同時発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))、WO93/08829、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)を参照されたい)、及び「ノブ-イン-ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されない。また、抗体Fcヘテロ二量体分子を作製するための静電気的操縦効果を操作すること(WO2009/089004A1);2つ以上の抗体または断片を架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan,M.et al.,Science,229:81-83(1985)を参照されたい);二重特異性抗体を作製するためのロイシンジッパーを用いること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547-1553(1992)を参照されたい);二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術を用いること(例えば、Holliger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)を参照されたい);及び単鎖Fv(scFv)二量体を用いること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)を参照されたい);ならびに、例えば、Tutt et al.,J.Immunol.147:60(1991)に記載されているように、三重特異性抗体を調製すること;及びタンデム単一ドメイン抗体を含むポリペプチドを生成すること(例えば、米国特許出願第20110028695号;及びConrath et al.J.Biol.Chem.,2001;276(10):7346-50を参照されたい)によって、多重特異性抗体を作製することもできる。「オクトパス抗体」を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する改変抗体も、本明細書に含まれる(例えば、US2006/0025576A1を参照されたい)。
【0190】
ペプチドリンカー
いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物内の抗PD-1 sdAb及び他の1つ以上の抗体部分(例えば、完全長抗体、sdAb、またはV及びVを含む抗原結合部分)は、ペプチドリンカーによって適宜連結することができる。抗PD-1構築物で使用されるペプチドリンカー(複数可)の長さ、柔軟性の程度、及び/または他の特性は、1つ以上の特定の抗原またはエピトープに対する親和性、特異性、またはアビディティを含むが、これらに限定されない特性にいくらかの影響を与え得る。例えば、2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にするために、より長いペプチドリンカーが選択され得る。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、隣接するドメインが互いに自由に動くように、可動性残基(例えば、グリシン及びセリン)を含む。例えば、グリシン-セリンダブレットは、適当なペプチドリンカーであり得る。
【0191】
ペプチドリンカーは、任意の適当な長さであり得る。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100以上のアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、約100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5未満のアミノ酸長のいずれかである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸長、約30アミノ酸~約50アミノ酸、約50アミノ酸~約100アミノ酸、または約1アミノ酸~約100アミノ酸のいずれかである。
【0192】
ペプチドリンカーは、天然に生じる配列または非天然に生じる配列を有し得る。例えば、重鎖のみ抗体のヒンジ領域に由来する配列は、リンカーとして使用され得る。例えば、WO1996/34103を参照されたい。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、ヒトIgG1ヒンジ(配列番号369)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、変異ヒトIgG1ヒンジ(配列番号368)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、ヒトIgG4ヒンジ(配列番号367)である。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、hIgG2ヒンジである。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、フレキシブルリンカーである。例示的なフレキシブルリンカーとしては、グリシンポリマー(G)(配列番号372)、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)(配列番号373)、(GSGGS)(配列番号374)、(GGGS)(配列番号375)、及び(GGGGS)(配列番号376)、nは、少なくとも1つの整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び当該技術分野で公知の他のフレキシブルリンカーが挙げられる。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号370(GGGGSGGGS)または371(GGGGSGGGGSGGGGS)のアミノ酸配列を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分及び1つ以上の他の抗体部分(例えば、完全長抗体、sdAb、またはV及びVを含む抗原結合部分)を含む抗PD-1構築物は、単一特異性である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分、及び1つ以上の他の抗体部分(例えば、完全長抗体、sdAb、またはV及びVを含む抗原結合部分)を含む抗PD-1構築物は、多重特異性(例えば、二重特異性)である。多重特異性分子は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する分子である(例えば、二重特異性抗体は、2つのエピトープに対して結合特異性を有する)。3つ以上の価数及び/または特異性を有する多重特異性分子も考慮される。例えば、三重特異性抗体は、調製することができる。Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)。当業者であれば、本明細書に記載の個々の多重特異性分子の適切な機能を選択して、互いに組み合わせて、本発明の多重特異性の抗PD-1分子を形成できることが理解されるはずである。
【0194】
いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、多価であるが、単一特異性である、すなわち、抗PD-1構築物は、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分と同じPD-1エピトープを特異的に認識する、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分、及び少なくとも第2の抗体部分(例えば、完全長抗体、sdAb、またはV及びVを含む抗原結合部分)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分と同じPD-1エピトープを特異的に認識する1つ以上の抗体部分は、抗PD-1 sdAb部分と同じCDR及び/または同じVHアミノ酸配列を含み得る。例えば、抗PD-1構築物は、本明細書に記載の2つ以上の抗PD-1 sdAb部分を含み得、2つ以上の抗PD-1 sdAb部分は、同じであり、ペプチドリンカー(複数可)によって適宜連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、多価及び多重特異性(例えば、二重特異性)である、すなわち、抗PD-1構築物は、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分、及びPD-1以外の第2の抗原を特異的に認識する少なくとも第2の抗体部分(例えば、完全長抗体、sdAb、またはV及びVを含む抗原結合部分)、または本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分により認識される異なるPD-1エピトープを含む。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、sdAb、例えば、抗PD-1 sdAb、または抗CTLA-4 sdAbである(例えば、PCT/CN2017/105506及びPCT/CN2016/101777に開示されるもののいずれか、これらは、それら全体を参照することによって本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、ヒト血清アルブミン(HSA)を特異的に認識する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分は、第2の抗体部分のN末端及び/またはC末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、三価及び二重特異性である。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、本明細書に記載の2つの抗PD-1 sdAb部分、及び第2の抗体部分(例えば、抗HSA sdAb、抗CTLA-4 sdAb)を含み、第2の抗体部分は、2つの抗PD-1 sdAb部分の間にある。いくつかの実施形態では、抗体部分は、ペプチドリンカー(複数可)によって適宜連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0196】
2つ以上の抗PD-1 sdAb部分を含む単一特異性または多重特異性の抗PD-1構築物は、本明細書に記載の単一抗PD-1 sdAb部分のものと比較して、アビディティの増加を有し得る。
【0197】
完全長抗体に融合した抗PD-1 sdAb部分を含む二重特異性抗体
いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、第2の抗体部分に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含み、第2の抗体部分は、2本の重鎖及び2本の軽鎖からなる完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分及び完全長抗体は、適宜リンカー、例えば、ペプチドリンカーを介して連結される。
【0198】
従って、いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分、及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、単離抗PD-1構築物を提供する。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;抗PD-1 sdAb部分のN末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図17として例示される)。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図16として例示される)。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;抗PD-1 sdAb部分のN末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のC末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図19として例示される)。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識するsdAb部分及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のN末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図18として例示される)。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識する4つのsdAb部分、及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、各抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の重鎖及び軽鎖の両方のN末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図20として例示される)。いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識する4つのsdAb部分、及び完全長抗体(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1を特異的に認識する完全長抗体(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))を含む単離抗PD-1構築物であって、各抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含み;2つの抗PD-1 sdAb部分は、第1の適宜リンカーを介して一緒に融合され、他の2つの抗PD-1 sdAb部分は、第2の適宜リンカーを介して一緒に融合され、2つの抗PD-1 sdAb融合体の各セットのC末端は、第3及び第4の適宜リンカーを介して、完全長抗体の各重鎖のN末端に融合される、単離抗PD-1構築物を提供する(図21として例示される)。いくつかの実施形態では、4つの抗PD-1 sdAb部分は、同一である。いくつかの実施形態では、4つの抗PD-1 sdAb部分は、異なる。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のうちのいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体のFc断片は、hIgG1 Fc、エフェクターレスhIgG1 Fc、hIgG2 Fc、hIgG4 Fc、またはhIgG4 Fc(S228P)である。いくつかの実施形態では、完全長抗体のFc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、刺激性免疫チェックポイント分子のアクチベーターである。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、免疫チェックポイント阻害薬、例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1の阻害剤(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープを特異的に認識する抗体)である。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、抗TIGIT抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗TIGIT抗体は、tiragolumabである。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、抗LAG-3抗体である。いくつかの実施形態では、抗LAG-3抗体は、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗LAG-3抗体は、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗LAG-3抗体は、relatlimabである。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、抗TIM-3抗体である。いくつかの実施形態では、抗TIM-3抗体は、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗TIM-3抗体は、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗TIM-3抗体は、MBG453である。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、



配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))である。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープを特異的に認識する)抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1完全長抗体は、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含むV、及び配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含むVを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1完全長抗体は、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1完全長抗体は、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分及び完全長抗体は、ペプチドリンカーによって適宜連結される。いくつかの実施形態では、ペプチドリンカーは、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。
【0199】
TIGIT
Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT:Vstm3またはWUCAMとしても知られる)は、CD28ファミリーに属する免疫受容体である。TIGITは、いくつかの機序を介してその阻害性免疫チェックポイント機能を発揮する。第1に、その主要リガンドCD155(PVR)に結合する際に、そのITIMドメインにおけるTIGITのその後のリン酸化は、阻害シグナルを変換して、NF-κB経路を介してT細胞及びNK細胞中のIFN-γ発現を下方調節する。第2に、TIGITが、CD226とよりもPVRと高親和性で相互作用する際に、TIGITは、CD226と競合し、CD226によって変換された刺激性シグナルを減衰させる。第3に、PVRが樹状細胞上でTIGITに結合することで、IL-10発現の上方調節及びIL-12発現の下方調節をもたらすため、樹状細胞の抗腫瘍免疫応答を損ない得る。最後に、TIGITが、シスでCD226に直接結合して、T細胞活性化に必要なCD226二量体化を阻害することができることが、最近の研究により示された。したがって、TIGITは、感染及びがんにおける免疫応答の重要な負の調節因子として作用し、TIGITシグナル伝達の遮断は、がん治療用のT細胞及びNK細胞免疫を強化するためのアプローチとして提案されている。本出願に適応することができる例示の抗TIGIT抗体としては、tiragolumabが挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
TIGIT及びPD-1に対する二重特異性を含む構築物は、「抗TIGIT/PD-1抗体」、「抗TIGIT/PD-1構築物」、「PD-1×TIGIT抗体」、または「PD-1×TIGIT BABP」と以下で呼ばれる。
【0201】
LAG-3
LAG-3(リンパ球活性化遺伝子3、CD223)は、Tregに対する作用、ならびにCD8+T細胞に対する直接的な効果によって免疫応答を抑制するように働く(Huang et al.,2004,Immunity.21(4):503-13;Grosso et al.,2007,J Clin Invest.117(11):3383-92)。本出願に適応することができる例示の抗LAG-3抗体としては、relatlimab(BMS-986016)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
LAG-3及びPD-1に対する二重特異性を含む構築物は、「抗LAG-3/PD-1抗体」、「抗LAG-3/PD-1構築物」、「PD-1×LAG-3抗体」、または「PD-1×LAG-3 BABP」と以下で呼ばれる。
【0203】
TIM-3
T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有3(TIM3)は、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)としても知られる。それは、リンパ球活性の阻害、及び場合によってはリンパ球アネルギーの誘導に関連している免疫チェックポイント分子である(Pardoll D.Nature Reviews 2012 April Vol.12: 252)。TIM-3は、ガレクチン9(GAL9)の受容体であり、乳がんを含む様々な種類のがんで上方制御される。TIM-3は、消耗CD8+T細胞によって発現される別の重要な阻害性受容体として同定されている。がんのマウスモデルでは、最も機能不全な腫瘍浸潤CD8+T細胞が、PD-1及びΤIΜ-3と実際に同時発現することが示された。本出願に適応することができる例示の抗TIM-3抗体としては、MBG453が挙げられるが、これらに限定されない。
【0204】
TIM-3及びPD-1に対する二重特異性を含む構築物は、「抗TIM-3/PD-1抗体」、「抗TIM-3/PD-1構築物」、「PD-1×TIM-3抗体」、または「PD-1×TIM-3 BABP」と以下で呼ばれる。
【0205】
CTLA-4
細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4、またはCD152)は、CD28のホモログであり、活性化T細胞上で上方調節される阻害性免疫チェックポイント分子として知られる。CTLA-4は、B7-1及びB7-2にも結合するが、CD28よりも親和性が大きい。B7とCTLA-4の間の相互作用は、T細胞活性化を弱め、これは、腫瘍免疫逃避の重要な機序を構成する。抗CTLA-4抗体療法は、黒色腫などの多くのがんに有望であることが示された。本出願に適応することができる例示の抗CTLA-4抗体としては、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0206】
CTLA-4及びPD-1に対する二重特異性を含む構築物は、「抗CTLA-4/PD-1抗体」、「抗CTLA-4/PD-1構築物」、「PD-1×CTLA-4抗体」、または「PD-1×CTLA-4 BABP」と以下で呼ばれる。
【0207】
PD-1
いくつかの実施形態では、第2の抗体部分は、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分によって認識されるPD-1エピトープと異なる、PD-1の別のエピトープを特異的に認識する、2本の重鎖及び2本の軽鎖からなる完全長抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を、異なるPD-1エピトープを特異的に認識する抗PD-1完全長抗体と融合することで、抗体の効力を増加させる。本発明に適用することができる例示の抗PD-1抗体としては、ペムブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))及びニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
PD-1に対する二重特異性を含む構築物は、「抗PD-1/PD-1抗体」、「抗PD-1/PD-1構築物」、「PD-1×PD-1抗体」、または「PD-1×PD-1 BABP」と以下で呼ばれる。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1構築物のいずれか1つ(例えば、抗PD-1 sdAb部分、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、抗PD-1 HCAb)、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む多重特異性または単一特異性の抗PD-1構築物、例えば、本明細書に記載のPD-1×TIGIT BABP、PD-1×LAG-3 BABP、PD-1×TIM-3 BABP、PD-1×CTLA-4 BABP、またはPD-1×PD-1 BABP)と競合的にPD-1に特異的に結合するPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む抗PD-1構築物(以下、「競合抗PD-1構築物」と呼ばれる)も提供する。
【0210】
抗PD-1多重特異性抗原結合タンパク質(MABP)
いくつかの実施形態では、完全長抗体またはV及びVを含む抗原結合断片に融合した本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む単離抗PD-1構築物であって、抗PD-1構築物は、多重特異性である(以下、「多重特異性抗PD-1構築物」または「抗PD-1多重特異性抗原結合タンパク質(MABP)」と呼ぶ)、単離抗PD-1構築物を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABPは、二重特異性(以下、「二重特異性抗PD-1構築物」または「抗PD-1二重特異性抗原結合タンパク質(BABP)」と呼ぶ)である。抗PD-1 sdAb部分は、完全長抗体またはV及びVを含む抗原結合断片により認識される標的(複数可)とは異なるPD-1に特異的に結合することで、より広範な標的化能力を与える。sdAbの小さいサイズのため、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1 MABP(例えば、抗PD-1 BABP)は、完全長抗体または抗原結合断片成分のものと比較して、同様の分子量及び薬物動態特性を有し得る。例えば、抗PD-1 MABPは、臨床効果及び安全性が証明されたモノクローナル抗体に1つ以上の抗PD-1 sdAb部分を融合させることで設計し、多重特異性構築物の発現性を妨げることなく臨床的有用性の増加及び望ましい薬物動態特性を提供することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の1つ以上の抗PD-1 sdAb部分は、適宜ペプチドリンカーによって完全長抗体または抗原結合断片に融合される。本明細書に記載の抗PD-1 MABP(例えば、抗PD-1 BABP)は、PD-1を加えた種々の疾患関連エピトープまたは抗原の組み合わせ、例えば、免疫チェックポイント分子、細胞表面抗原(例えば、腫瘍抗原)、または炎症促進性分子との組み合わせによるPD-1を標的にするように適用し、種々の疾患及び状態、例えば、がん、炎症、及び自己免疫疾患の治療に有用な薬剤を提供することができる。抗PD-1 MABP(例えば、抗PD-1 BABP)は、PCT/CN2017/093644に開示されるものなど任意の形式であってもよく、その全体を参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0211】
例示的な抗PD-1 MABP及びBABP
いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、(a)本明細書に記載のPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)V及びVを含む第2の抗原結合部分を含み、V及びVは、PD-1に特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される(以下、「PD-1×TIGIT MABP」または「PD-1×TIGIT BABP」で呼ばれる)。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、(a)本明細書に記載のPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)V及びVを含む第2の抗原結合部分を含み、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される(以下、「PD-1×LAG-3 MABP」または「PD-1×LAG-3 BABP」と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、(a)本明細書に記載のPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)V及びVを含む第2の抗原結合部分を含み、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される(以下、「PD-1×TIM-3 MABP」または「PD-1×TIM-3 BABP」と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、(a)本明細書に記載のPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)V及びVを含む第2の抗原結合部分を含み、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される(以下、「PD-1×CTLA-4 MABP」または「PD-1×CTLA-4 BABP」と呼ばれる)。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、(a)本明細書に記載のPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)V及びVを含む第2の抗原結合部分を含み、V及びVは、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープに特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される(以下、「PD-1×PD-1 MABP」または「PD-1×PD-1 BABP」と呼ばれる)。
【0212】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-C2-C3-抗PD-1 sdAb部分を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAbは、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、C3及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図17に示す構造を有する。
【0213】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-C2-C3-抗PD-1 sdAb部分を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図16に示す構造を有する。
【0214】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-C-抗PD-1 sdAb部分を含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、C及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図19に示す構造を有する。
【0215】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb部分-V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメインを含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図18に示す構造を有する。
【0216】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb1部分-V-C1-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb2部分-V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、同じである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、異なる。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及び抗PD-1 sdAb2部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、VH及び抗PD-1 sdAb1部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 MABP(例えば、BABP)は、図20に示す構造を有する。
【0217】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb1部分-抗PD-1 sdAb2部分-V-C1-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、同じである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、異なる。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分、及び/またはVH及び抗PD-1 sdAb2部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 MABP(例えば、BABP)は、図21に示す構造を有する。
【0218】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-抗PD-1 sdAb部分-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、C1及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図22に示す構造を有する。
【0219】
いくつかの実施形態では、N末端からC末端において、V-V-抗PD-1 sdAb部分-C2-C3を含むポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合するscFvを一緒に形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、N末端からC末端において、V-V-抗PD-1 sdAb部分-C2-C3を含むポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合するscFvを一緒に形成し、及び抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 BABPを提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、TIGITに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、LAG-3に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、TIM-3に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、CTLA-4に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFvを形成するV及びV、及び/またはscFv及び抗PD-1 sdAb部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 BABPは、ポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 BABPは、図23に示す構造を有する。
【0220】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-C1-抗PD-1 sdAb1部分-C1-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、V-C-抗PD-1 sdAb2部分-Cを含む第2のポリペプチドを含み、V及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を形成し、及び抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、同じである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、異なる。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIGITに特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、LAG-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、TIM-3に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、CTLA-4に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、V及びVは、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する抗原結合部位を形成する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、C1及び抗PD-1 sdAb1部分、及び/またはC及び抗PD-1 sdAb2部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 MABP(例えば、BABP)は、図24に示す構造を有する。
【0221】
いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-V-抗PD-1 sdAb1部分-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb2部分-Cを含む第2のポリペプチドを含み、scFvを形成するV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合し、及び抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を提供する。いくつかの実施形態では、(a)N末端からC末端において、V-V-抗PD-1 sdAb1部分-C2-C3を含む第1のポリペプチド;及び(b)N末端からC末端において、抗PD-1 sdAb2部分-Cを含む第2のポリペプチドを含み、scFvを形成するV及びVは、第2のエピトープ(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合し、及び抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分の各々は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、同じである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb1部分及び抗PD-1 sdAb2部分は、異なる。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、TIGITに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、LAG-3に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、TIM-3に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、CTLA-4に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ)に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、scFv(またはscFvを形成するV及びV)は、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、scFvを形成するV及びV、及び/またはscFv及び抗PD-1 sdAb1部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを適宜介して互いに融合される。いくつかの実施形態では、C2及びC3ドメインは、IgG1 Fc、エフェクターレスIgG1 Fc、IgG2 Fc、IgG4 Fc、またはIgG4 Fc(S228P)由来、例えば、配列番号363~365のいずれかである。いくつかの実施形態では、抗PD-1 MABP(例えば、BABP)は、第1のポリペプチドの2つの同一のコピー、及び第2のポリペプチドの2つの同一のコピーを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、PD-1 MABP(例えば、BABP)は、図25に示す構造を有する。
【0222】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1構築物のいずれか1つ(例えば、抗PD-1 sdAb部分、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む多重特異性(例えば、二重特異性)または単一特異性の抗PD-1構築物、例えば、本明細書に記載の抗PD-1/TIGIT、抗PD-1/LAG-3、抗PD-1/TIM-3、抗PD-1/CTLA-4、または抗PD-1/PD-1構築物(例えば、MABPまたはBABP)と競合的にPD-1に特異的に結合するPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む抗PD-1 MABP(例えば、BABP)(以下、「競合抗PD-1構築物」、「競合抗PD-1 MABP」、または「競合抗PD-1 BABP」と呼ばれる)も提供する。
【0223】
(III)抗PD-1構築物抗体変異体
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb部分、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1 MABP/BABP)のアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/または他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードする核酸配列に適切な改変を導入するか、またはペプチド合成によって調製し得る。そのような改変には、例えば、抗体のアミノ酸配列内における残基の欠失、及び/または挿入、及び/または置換が含まれる。最終構築物が所望の特徴(例えば、抗原結合)を有する限り、最終構築物に到達するために、欠失、挿入及び置換のいかなる組み合わせも行うことができる。
【0224】
a)置換、挿入、欠失、及び変異体
いくつかの実施形態では、1つ以上のアミノ酸置換を有する抗体変異体を提供する。置換突然変異誘発のための目的の部位には、HVR(またはCDR)及びFRが含まれる。保存的置換は、「好ましい置換」という見出しの下で表2に示す。より実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しの下で表2に提供し、これは、アミノ酸側鎖クラスに関連して以下にさらに記載する通りである。アミノ酸置換を目的の抗体に導入し、生成物を所望の活性、例えば、保持/改善された抗原結合、低減した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCについて、スクリーニングすることができる。
【表2】
【0225】
アミノ酸は、側鎖の共通する特性に従って分類することができる:(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0226】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴う。
【0227】
置換変異体の1つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つ以上の超可変領域残基を置換することを伴う。一般的に、さらなる研究のために選択される得られる変異体(複数可)は、ある特定の生物学的特性(例えば、増加した親和性、低減した免疫原性)において、親抗体に比して改変(例えば、改善)されているか、及び/または、親抗体のある特定の生物学的特性が実質的に保持されている。例示的な置換変異体は、例えば、本明細書に記載するようなファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を用いて簡便に生成され得る親和性成熟抗体である。簡単に言えば、1つ以上のHVR残基を突然変異させ、ファージ上で変異体抗体を提示させ、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
【0228】
変化(例えば、置換)を、例えば、抗体親和性を改善するために、HVRにおいて起こさせてもよい。そのような変化を、HVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程の間に高頻度に突然変異を起こすコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury,P.S.,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照されたい)、及び/またはSDR(a-CDR)によってコードされる残基において起こさせてもよく、得られた変異体VまたはVを結合親和性について試験する。二次ライブラリーを構築し、そこから再選択することによる親和性成熟は、例えば、HoogenbooM et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001)に記載されている。親和性成熟のいくつかの実施形態では、種々の方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリングまたはオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)のいずれかによって、成熟のために選択された可変遺伝子に多様性を導入する。次いで、二次ライブラリーを作製する。次いで、ライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有するあらゆる抗体変異体を同定する。多様性を導入するための別の方法は、数個のHVR残基(例えば、一度に4~6残基)をランダム化するHVR特異的なアプローチを伴う。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発またはモデル化を用いて具体的に同定され得る。特に、CDR-H3及びCDR-L3は標的とされることが多い。
【0229】
いくつかの実施形態では、置換、挿入、または欠失は、そのような変更が、抗体が抗原に結合する能力を実質的に低減させない範囲で、1つ以上のHVR内で生じてもよい。例えば、結合親和性を実質的に低減しない保存的変化(例えば、本明細書で提供される保存的置換)を、HVR内で起こさせてもよい。そのような変化は、例えば、HVR「ホットスポット」またはCDRの外であってもよい。上で提供された変異体VH配列のいくつかの実施形態では、各HVRは変化していないか、1、2、または3以下のアミノ酸置換しか含まない。
【0230】
突然変異誘発のための標的とし得る抗体の残基または領域を同定するための有用な方法は、Cunninghamand Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されるように、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、残基または一群の標的残基(例えば、Arg、Asp、His、Lys及びGluのような荷電残基)を同定し、それを中性または負電荷を持つアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)で置換して、抗体の、抗原との相互作用が影響を受けるか否かを決定する。最初の置換に対して機能的感受性を示すアミノ酸位置に、さらなる置換を導入してもよい。あるいは、またはさらに、抗体と抗原の間の接触点を同定するために、抗原-抗体複合体の結晶構造を用いることができる。このような接触残基及びその隣接残基を、置換の候補として標的にしても、排除してもよい。変異体をスクリーニングして、それらが所望の特性を含むか否かを決定してもよい。
【0231】
アミノ酸配列挿入には、1残基から、100残基またはそれ以上を含有するポリペプチドまでに及ぶ長さのアミノ末端及び/またはカルボキシル末端融合、ならびに単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入も含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入変異体には、抗体のN末端またはC末端への、酵素(例えば、ADEPTの場合)、または抗体の血清中半減期を増加させるポリペプチドの融合が含まれる。
【0232】
b)グリコシル化変異体
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗PD-1構築物を変化させて、構築物がグリコシル化される程度を増加または減少させる。抗体へのグリコシル化部位の付加または欠失は、1つ以上のグリコシル化部位が作出または除去されるようにアミノ酸配列を変化させることによって、簡便に達成することができる。
【0233】
抗PD-1構築物がFc領域(例えば、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、PD-1×TIGIT MABP、PD-1×LAG-3 MABP、PD-1×TIM-3 MABP、PD-1×CTLA-4 MABP、またはPD-1×PD-1 MABP)を含む場合、そこに結合する糖質を変化させてもよい。哺乳動物細胞によって産生される天然抗体は、典型的には、分岐した二分岐オリゴ糖を含み、これは一般的には、Fc領域のC2ドメインのAsn297にN連結によって結合される。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、種々の炭水化物、例えば、二分岐オリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合した、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、シアル酸、ならびにフコースを含み得る。いくつかの実施形態では、本出願の抗PD-1構築物におけるオリゴ糖の改変は、一定の改善された特性を有する抗体変異体を作成するために行われ得る。
【0234】
いくつかの実施形態では、Fc領域に(直接または間接的に)結合したフコースを欠く糖質構造を有する、抗PD-1構築物抗体変異体を提供する。例えば、そのような抗体におけるフコースの量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%または20%~40%であってもよい。フコースの量は、例えば、WO2008/077546に記載されているように、MALDI-TOF質量分析によって測定される、Asn297に結合した全ての糖構造(例えば、複合型、混成型、及び高マンノース型構造)の合計に比しての、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を算出することによって決定される。Asn297は、Fc領域内の約297位(Fc領域残基のEU番号付け)に位置するアスパラギン残基を指す;しかしながら、抗体における軽微な配列変異のため、Asn297は、297位の上流側または下流側約±3アミノ酸、すなわち294位と300位の間に位置する場合もあり得る。そのようなフコシル化変異体は、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、米国特許公開第2003/0157108号(Presta,L.);US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体変異体に関する刊行物の例としては、US2003/0157108;WO2000/61739;WO2001/29246;US2003/0115614;US2002/0164328;US2004/0093621;US2004/0132140;US2004/0110704;US2004/0110282;US2004/0109865;WO2003/085119;WO2003/084570;WO2005/035586;WO2005/035778;WO2005/053742;WO2002/031140;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);YaMane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を製造することが可能な細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損しているLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願第2003/0157108A1号、Presta, L;及びWO2004/056312A1、Adams et al.,特に、実施例11)、及びアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);及びWO2003/085107を参照されたい)などのノックアウト細胞株が挙げられる。
【0235】
抗PD-1構築物変異体は、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcによって二分されている二分オリゴ糖とともにさらに与えられる。そのような抗体変異体は、フコシル化を減少させ、及び/またはADCC機能を改善している可能性がある。そのような抗体変異体の例は、例えば、WO2003/011878(Jean-Mairet et al.);米国特許第6,602,684号(Umana et al.);及びUS2005/0123546(Umana et al.)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖内に少なくとも1つのガラクトース残基を持つ抗体変異体も提供される。そのような抗体変異体は、CDC機能を改善させた可能性がある。そのような抗体変異体は、例えば、WO1997/30087(Patel et al.);WO1998/58964(Raju,S.);及びWO1999/22764(Raju,S.)に記載されている。
【0236】
c)Fc領域変異体
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、PD-1×TIGIT MABP、PD-1×LAG-3 MABP、PD-1×TIM-3 MABP、PD-1×CTLA-4 MABP、またはPD-1×PD-1 MABP)のFc領域に1つ以上のアミノ酸改変を導入することにより、Fc領域変異体を生成させてもよい。Fc領域変異体は、1つ以上のアミノ酸位置にアミノ酸改変(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4Fc領域)を含み得る。
【0237】
いくつかの実施形態では、本出願は、インビボにおける抗PD-1構築物の半減期が重要であるが、ある特定のエフェクター機能(例えば、補体及びADCCなど)が不要または有害である用途のための望ましい候補とならしめる、全てではないが一部のエフェクター機能を有する抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、PD-1×TIGIT MABP、PD-1×LAG-3 MABP、PD-1×TIM-3 MABP、PD-1×CTLA-4 MABP、またはPD-1×PD-1 MABP)変異体を意図している。インビトロ及び/またはインビボでの細胞傷害性アッセイを、CDC活性及び/またはADCC活性の減少/枯渇を確認するために行うことができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠くが(それゆえ、恐らくADCC活性を欠く)、FcRn結合能力を保持していることを確認するために行うことができる。ADCC、NK細胞を媒介する一次細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単球はFcγRI、FcγRII、及びFcγRIIIを発現する。造血細胞におけるFcRの発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464ページの表2に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986)を参照されたい)及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);同第5,821,337号(Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照されたい)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることができる(例えば、フローサイトメトリー用のACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA;及びCytoTox(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)を参照されたい)。そのようなアッセイに有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、またはさらに、目的の分子のADCC活性は、Clynes et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるように、インビボで、例えば、動物モデルにおいて評価することができる。C1q結合アッセイはまた、抗体が体C1qを結合することができないこと、したがって、CDC活性を欠いていることを確認するために行うことができる。例えば、WO2006/029879及びWO2005/100402のC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)を参照されたい)。FcRn結合、及びインビボでのクリアランス/半減期の測定ではまた、当該技術分野で公知の方法を用いて行うことができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照されたい)。
【0238】
エフェクター機能が減少した抗体は、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327、329の1つ以上の置換を有するものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。そのようなFc変異体は、残基265及び297のアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc変異体を含む、アミノ酸位置265、269、270、297及び327の2つ以上での置換を有するFc変異体を含む(米国特許第7,332,581号)。
【0239】
FcRへの改善または減少させた結合を持つある特定の抗体変異体が記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;WO2004/056312、及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照されたい)。
【0240】
いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物変異体は、ADCCを改善する1つ以上のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/または334における置換(残基のEU番号付け)を含む。
【0241】
本明細書に記載のFc変異体のいずれかまたはそれらの組み合わせを含む抗PD-1構築物(例えば、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、完全長抗体に融合した抗PD-1 sdAb、または抗PD-1 MABP/BABP)が企図される。
【0242】
d)システイン改変抗体変異体
いくつかの実施形態では、抗体の1つ以上の残基がシステイン残基で置換されている、システイン改変抗PD-1構築物、例えば、「チオMAb」を作成することが望まれ得る。特定の実施形態では、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位で起きる。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中でさらに記載されるように、イムノコンジュゲートを作成するために、例えば、薬物部分またはリンカー-薬剤部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートするために使用することができる。いくつかの実施形態では、以下の残基のいずれか1つ以上がシステインで置換され得る:重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン改変抗PD-1構築物は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成され得る。
【0243】
III.医薬組成物
本明細書に記載されるようにPD-1を特異的に認識するsdAbを含む抗PD-1構築物のいずれか1つ(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))、及び適宜、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物が本発明でさらに提供される。医薬組成物は、所望の純度を有する本明細書に記載の抗PD-1構築物を、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、または安定剤と適宜混合することにより(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製することができる。
【0244】
医薬組成物は、安定的であることが好ましく、その中で、本明細書に記載の抗PD-1 sdAb部分を含む抗PD-1構築物は、その物理的及び化学的安定性ならびに保管時の完全性を本質的に保持する。タンパク質の安定性を測定するための様々な分析技術が当該技術分野で利用でき、例えば、Peptide and Protein Drug Delivery,247-301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,New York,Pubs.(1991)及びJones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29-90(1993)に概説されている。
【0245】
医薬組成物をインビボでの投与のために使用するために、それらは無菌でなければならない。医薬組成物を、無菌ろ過膜を通じたろ過により無菌にしてもよい。本明細書における医薬組成物は、一般的に、無菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針により穴を開けることができるストッパーを有する静脈用溶液のバッグまたはバイアル中に置く。
【0246】
投与経路は、公知の受け入れられた方法に従って、例えば、適した様式での長期間にわたる単回または複数回のボーラスまたは注入、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、病巣内、または関節内経路による注射または注入、局所投与、吸入あるいは持続放出または延長放出の手段による。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与、例えば、腫瘍内に投与される。
【0247】
ここで、医薬組成物は、治療される特定の効能に必要な1つ以上の活性化合物、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有し得る。あるいは、またはさらに、組成物は、細胞毒性剤、化学療法剤、サイトカイン、免疫抑制剤、または成長阻害剤を含み得る。そのような分子は、好適には、意図した目的に有効な量で組み合わせて存在する。
【0248】
IV.PD-1関連疾患の治療方法
本明細書に記載されるようにPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))、及びその組成物(例えば、医薬組成物)は、種々の用途、例えば、診断、分子アッセイ、及び治療において有用である。
【0249】
本発明の一態様は、本明細書に記載の抗PD-1構築物を含む医薬組成物の有効量を個体に投与することを含む、それを必要とする個体におけるPD-1関連疾患もしくは状態の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、がん、例えば、固形腫瘍(例えば、大腸がん)である。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、病原性感染、例えば、ウイルス感染である。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、免疫関連疾患である。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、T細胞機能不全障害と関連する。いくつかの実施態様では、T細胞機能不全障害は、T細胞アネルギーまたはサイトカインを分泌し、増殖しまたは細胞溶解活性を果たす能力の減少によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、T細胞機能不全障害は、T細胞消耗によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、T細胞は、CD4+及びCD8+T細胞である。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、未解明な急性感染、慢性感染、及び腫瘍免疫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1構築物は、それを必要とする対象における免疫応答または機能の増加、増強、または刺激に使用され得る。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患(例えば、がん、免疫関連疾患)は、免疫チェックポイント分子モノ遮断に部分的な耐性を示す(例えば、抗TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1抗体単剤治療に部分的な耐性を示す)。
【0250】
本発明は、一部、少なくともいくつかの態様では、薬学的に許容可能な担体または賦形剤と一緒に、単体または別の治療法と任意の組み合わせのいずれかで投与することができる、タンパク質構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))、核酸分子及び/またはそれをコードするベクター、核酸分子及び/またはそれをコードするベクターを含む宿主細胞を企図している。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物の投与前に、それらは、当該技術分野で周知の適当な医薬担体及び賦形剤と組み合わせてもよい。本開示に従って調製された組成物は、がんの治療またはがんの悪化の遅延、または、それを必要とする対象における免疫応答または機能の増加、増強、または刺激に使用することができる。
【0251】
いくつかの実施形態では、PD-1を特異的に認識する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む単離抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))を含む医薬組成物の有効量を個体に投与することを含む、PD-1関連疾患(例えば、がん、免疫関連疾患、例えば、T細胞機能不全障害と関連するもの)の治療方法であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び適宜薬学的に許容可能な担体を含む、PD-1関連疾患の治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、がんである。いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍(例えば、大腸がん)である。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患は、免疫関連疾患である。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、T細胞機能不全障害と関連する。いくつかの実施態様では、T細胞機能不全障害は、T細胞アネルギーまたはサイトカインを分泌し、増殖しまたは細胞溶解活性を果たす能力の減少によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、T細胞機能不全障害は、T細胞消耗によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患は、未解明な急性感染、慢性感染、及び腫瘍免疫からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、PD-1関連疾患(例えば、がん、免疫関連疾患)は、免疫チェックポイント分子モノ遮断に部分的な耐性を示す(例えば、抗TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1抗体単剤治療に部分的な耐性を示す)。いくつかの実施形態では、方法は、追加の療法(例えば、がん療法、例えば、外科手術、放射線、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、またはそれらの組み合わせ)を個体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の療法は、例えば、免疫調節薬を含む第2の医薬組成物の有効量を個体に投与することによる免疫療法である。いくつかの実施形態では、免疫調節薬は、免疫チェックポイント阻害薬、例えば、抗TIGIT、抗LAG-3、抗TIM-3、抗CTLA-4、抗PD-1、または抗PD-L1抗体である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全身投与される(例えば、静脈内または腹腔内)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与される(例えば、腫瘍内)。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、がんの治療方法は、以下の生物学的活性:(1)がん細胞の死滅(バイスタンダー死滅を含む);(2)がん細胞の増殖の阻害;(3)腫瘍における免疫応答の誘導;(4)腫瘍サイズの減少;(5)がんを有する個体における1つ以上の症状の軽減;(6)腫瘍転移の阻害;(7)生存の延長;(8)がんの進行までの時間の延長;及び(9)がんの再発の可能性の防止、阻害、または低減の1つ以上を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介されるがん細胞の死滅方法は、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上のいずれかの腫瘍細胞死率を達成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介されるがん細胞の死滅方法は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上のいずれかの(抗PD-1構築物をコードする腫瘍溶解度VVによって非感染な)バイスタンダー腫瘍細胞死率を達成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介される腫瘍サイズの減少方法は、腫瘍サイズの少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか)を減らすことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介される腫瘍転移の阻害方法は、転移の少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれか)を阻害することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介される個体(例えば、ヒト)の生存の延長方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、または24ヵ月のいずれかまで個体の生存率を延ばすことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物によって仲介されるがんの進行までの時間の延長方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間のいずれかまでがんの進行までの時間を延ばすことができる。いくつかの実施形態では、免疫関連疾患の治療方法は、対象における免疫応答または機能の増加、増強、または刺激することができる。いくつかの実施形態では、免疫応答または機能は、対象におけるエフェクター細胞(例えば、T細胞、例えば、CD8+及び/またはCD4+T細胞)を活性化する、エフェクター細胞集団を拡張する(増加させる)、及び/または(例えば、標的腫瘍細胞)を死滅させることによって増加、増強、または刺激することができる。
【0252】
いくつかの実施形態では、方法は、異常なPD-1またはPD-L1/PD-L2発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがん(非限定的な例としては、血液がん及び/または固形腫瘍が挙げられる)の治療に適当である。本発明の抗体を使用して増殖が阻害され得るいくつかのがんは、一般的に、免疫療法に応答するがんを含む。治療のための他のがんの非限定的な例としては、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫)、腎臓がん(例えば、明細胞がん腫)、前立腺がん(例えば、ホルモン抵抗性前立腺がん)、乳がん、大腸がん及び肺がん(例えば、非小細胞性肺がん)、胃がん、卵巣がん、及び膠芽腫が挙げられる。さらに、本発明は、本発明の抗体を使用して増殖が阻害され得る難治性または再発性悪性腫瘍を含む。本発明の方法を使用して治療し得る他のがんの例としては、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部または頸部のがん、皮膚または眼内の悪性黒色腫、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、肛門領域のがん、胃がん、精巣がん、子宮がん、卵管のがん腫、子宮内膜のがん腫、子宮頸のがん腫、腟のがん腫、外陰のがん腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道のがん、小腸のがん、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、副腎のがん、軟組織の肉腫、尿道のがん、陰茎のがん、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性または急性白血病、幼児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱のがん、腎臓または尿管のがん、腎盂のがん腫、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管形成、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮がん、扁平上皮がん、T細胞リンパ腫、アスベストにより誘導されるがんを含む環境的に誘導されるがん、及び前記がんの組み合わせが挙げられる。本発明は、転移性がん、特に、PD-1またはPD-L1/PD-L2を発現する転移性がんの治療にも有用である。いくつかの実施形態では、異常なPD-1またはPD-L1/PD-L2発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがんは、PD-1モノ遮断に部分的な耐性を示す(例えば、抗PD-1抗体単剤治療に部分的な耐性を示す)、または免疫チェックポイント阻害薬単剤治療(例えば、抗TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4抗体単剤治療)に部分的な耐性を示す。そのような場合には、本明細書に記載のPD-1×TIGIT、PD-1×LAG-3、PD-1×TIM-3、PD-1×CTLA-4、またはPD-1×PD-1 MABP(例えば、BABP)などの抗PD-1 MABP(例えば、BABP)を使用することができる。
【0253】
本明細書に記載の方法は、固形がん及び液体がんの両方を含む、種々のがんの治療に適当である。方法は、早期がん、非転移性がん、原発性がん、進行がん、局所進行がん、転移性がん、または寛解のがんを含む、全てのステージのがんに適用可能である。本明細書に記載の方法は、アジュバント設定またはネオアジュバント設定において、第1の療法、第2の療法、第3の療法、または当該技術分野で公知の他の種類のがん治療、例えば、化学療法、外科手術、ホルモン療法、放射線、遺伝子療法、免疫療法(例えば、T細胞療法、または免疫調節薬の投与)、骨髄移植、幹細胞移植、標的治療、凍結療法、超音波療法、光線力学療法、ラジオ波焼灼療法などとの併用療法として使用され得る(すなわち、方法は、一次/根治治療の前に実施してもよい)。いくつかの実施形態では、方法を用いて、以前に治療されている個体を治療する。いくつかの実施形態では、がんは、前治療に無効であった。いくつかの実施形態では、方法を用いて、以前に治療されていない個体を治療する。いくつかの実施形態では、がんは、免疫チェックポイント阻害薬単剤治療に部分的な耐性を示す(例えば、抗TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4抗体単剤治療に部分的な耐性を示す)。
【0254】
従って、いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物(例えば、異常なTIGIT/LAG-3/TIM-3/CTLA-4/PD-1発現、活性、及び/またはシグナリングに対応するPD-1×TIGIT、PD-1×LAG-3、PD-1×TIM-3、PD-1×CTLA-4、PD-1×PD-1 MABPまたはBABP)を含む医薬組成物の有効量を個体に投与することを含む、がん(例えば、がん腫または腺がん、例えば、異常なPD-1発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがん、及び/または異常なTIGIT/LAG-3/TIM-3/CTLA-4発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがん)の治療方法であって、(a)配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体を含む抗PD-1 sdAb部分を含む第1の抗原結合部分、及び(b)第2のV及びVを含む抗原結合部分を含み、V及びVは、第2の免疫チェックポイント分子(例えば、TIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、PD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープ))に特異的に結合する抗原結合部位を一緒に形成し、第1の抗原結合部分及び第2の抗原結合部分は、互いに融合される;及び適宜薬学的に許容可能な担体を含む、がんの治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部分は、Vを含む重鎖、及びVを含む軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部分は、重鎖のN末端、軽鎖のN末端、Fc領域のN末端、重鎖のC末端、または軽鎖のC末端で第2の抗原結合部分に融合される。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部分は、完全長4本鎖抗体またはその抗原結合断片(例えば、FabまたはscFv)を含む。いくつかの実施形態では、第1の抗原結合部分は、FabまたはscFvを含む第2の抗原結合部分のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、第1及び第2の抗原結合部分は、ペプチドリンカー、例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカーを介して適宜融合される。いくつかの実施形態では、第2の抗原結合部分は、(例えば、IgG4、IgG2、またはIgG1由来の)Fc断片を含む。いくつかの実施形態では、Fc断片は、配列番号363~365のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体に融合したPD-1を特異的に認識するsdAb部分を含む単離抗PD-1構築物(例えば、異常なTIGIT/LAG-3/TIM-3/CTLA-4/PD-1発現に対応するTIGIT、LAG-3、TIM-3、CTLA-4、またはPD-1(例えば、本明細書に記載される抗PD-1 sdAb部分によって認識されるものとは異なる第2のPD-1エピトープを特異的に認識する抗体)を含む医薬組成物の有効量を個体に投与することを含む、がん(例えば、がん腫または腺がん、例えば、異常なPD-1発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがん、及び/または異常なTIGIT/LAG-3/TIM-3/CTLA-4発現、活性、及び/またはシグナリングを有するがん)の治療方法であって、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号37~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;配列番号109~144のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び配列番号181~216のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、または最大で約3つ(例えば、約1、2、または3のいずれか)のアミノ酸置換を含むその変異体;及び適宜薬学的に許容可能な担体を含む、がんの治療方法を提供する。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、tiragolumab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号377のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号378のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、配列番号377のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号378のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TIGIT抗体である。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、relatlimab由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号379のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号380のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、配列番号379のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号380のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗LAG-3抗体である。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、MBG453由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号381のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号382のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、配列番号381のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号382のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗TIM-3抗体である。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、イピリムマブ(例えば、ヤーボイ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号383のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号384のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、配列番号383のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号384のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗CTLA-4抗体である。いくつかの実施形態では、V及びVドメインは、ペンブロリズマブ(例えば、キイトルーダ(登録商標))またはニボルマブ(例えば、オプジーボ(登録商標))由来である。いくつかの実施形態では、Vは、配列番号385のアミノ酸配列のHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含み、及びVは、配列番号386のアミノ酸配列のLC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む。いくつかの実施形態では、完全長抗体は、配列番号385のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号386のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む抗PD-1抗体である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分とPD-1の間の結合のKは、約10-5M~約10-12M(例えば、約10-7M~約10-12M、または約10-8M~約10-12M)である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、ラクダ、キメラ、ヒト、部分ヒト化、または完全ヒト化である。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のN末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の重鎖の少なくとも1本のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のN末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のC末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の軽鎖の少なくとも1本のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、4つの抗PD-1 sdAb部分を含み、各抗PD-1 sdAb部分のC末端は、完全長抗体の各鎖のN末端に融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1構築物は、4つの抗PD-1 sdAb部分を含み、2つの抗PD-1 sdAb部分は一緒に融合され、それは、完全長抗体の各重鎖のN末端にさらに融合される。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分は、配列番号289~324のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHドメインを含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1 sdAb部分及び完全長抗体は、ペプチドリンカー(例えば、配列番号367~376のいずれか1つのアミノ酸配列を含むペプチドリンカー)によって適宜連結される。いくつかの実施形態では、がんは、固形腫瘍(例えば、大腸がん)である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、全身投与される(例えば、静脈内または腹腔内)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与される(例えば、腫瘍内)。いくつかの実施形態では、方法は、追加のがん療法(例えば、外科手術、放射線、化学療法、免疫療法、ホルモン療法、またはそれらの組み合わせ)を個体に投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、個体は、ヒトである。いくつかの実施形態では、がんは、免疫チェックポイント分子モノ遮断に部分的な耐性を示す(例えば、抗PD-1抗体、抗TIGIT抗体、抗LAG-3抗体、抗TIM-3抗体、または抗CTLA-4抗体単剤治療に部分的な耐性を示す)。
【0255】
本出願の医薬組成物の投与量及び所望の薬物濃度は、想定される特定用途に応じて変わり得る。適切な投与量または投与経路の決定は、当業者の能力の十分に範囲内である。動物実験は、ヒトの治療に対する有効量の決定において、信頼性のあるガイダンスを提供する。有効量の外挿は、Mordenti,J.and Chappell,W.「The Use of Interspecies Scaling in Toxicokinetics」,In Toxicokinetics and New Drug Development,Yacobi et al.,Eds,Pergamon Press,New York 1989,pp.42-46に著される原則に従って実施することができる。
【0256】
再溶解製剤または液体製剤などが挙げられるが、これらに限定されない本出願の医薬組成物は、本明細書に記載の抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))による治療を必要とする個体、好ましくはヒトに、既知の方法、例えば、単回または一定時間にわたる持続的注入による静脈内投与、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、静脈内(i.V.)、関節内、滑液内、髄腔内、経口、局所、または吸入経路によって投与される。再溶解製剤は、本明細書に記載の凍結乾燥した抗PD-1構築物を、タンパク質が全体に分散されるように希釈剤中に溶解させることによって調製することができる。本出願での使用に適当な例示的な薬学的に許容可能な(ヒトへの投与について安全かつ非毒性な)希釈剤としては、滅菌水、静菌性注射用水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えば、リン酸緩衝食塩水)、無菌生理食塩液、リンゲル液、またはデキストロース溶液、または塩及び/または緩衝剤の水溶液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0257】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮下(すなわち、皮膚の下)投与により個体に投与される。そのような目的のために、医薬組成物は、シリンジを使用して注射してもよい。しかしながら、医薬組成物の投与のための他のデバイス、例えば、注射デバイス;インジェクターペン;オートインジェクターデバイス、無針デバイス;及び皮下パッチ送達システムが利用可能である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、個体の静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、点滴静注などの注入によって個体に投与される。免疫療法の注入技術は、当該技術分野において公知である(例えば、Rosenberg et al.,New Eng.J.of Med.319:1676(1988)を参照されたい)。
【0258】
V.調製方法
本明細書に記載の抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP)は、当該技術分野で公知の任意の方法を用いて、または本明細書に記載されるように調製され得る。実施例1~3も参照されたい。いくつかの実施形態では、(a)コードされた抗PD-1構築物の発現に効果的な条件下で本明細書に記載の抗PD-1構築物をコードする単離核酸またはベクターを含むの宿主細胞を培養すること;及び発現された抗PD-1構築物を前記宿主細胞から得ることを含む、抗PD-1構築物の産生方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、(a)本明細書に記載の抗PD-1構築物をコードする単離核酸またはベクターを含む宿主細胞を産生する工程をさらに含む。
【0259】
sdAbの調製方法は記載されている。例えば、Els Pardon et al,Nature Protocol,2014;9(3):674を参照されたい。sdAb(例えば、VH)は、当該技術分野で公知の方法、例えば、ラクダ科の種(例えば、ラクダまたはラマ)を免疫化して、それからハイブリドーマを得ることによって、または当該技術分野で公知の分子生物学技術を用いて単一ドメイン抗体のライブラリーをクローニングして、未選択ライブラリーの個別クローンによるELISAによるその後の選択によって、またはファージディスプレイを用いることによって得られ得る。
【0260】
sdAbの組み換え産生の場合、単一ドメイン抗体をコードする核酸を単離し、複製可能なベクターに挿入し、さらにクローニング(DNAの増幅)または発現させる。単一ドメイン抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを用いて)容易に単離され、配列決定される。多くのベクターが入手可能である。ベクターの選択は、使用される宿主細胞に部分的に依存する。一般的に、好ましい宿主細胞は、原核生物または真核生物(一般的に、哺乳動物)起源のいずれかのものである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の抗PD-1構築物をコードする単離核酸は、配列番号253~288のいずれか1つの核酸配列を含む。
【0261】
1.原核細胞における組み換え産生
真核生物での発現のために、ベクター成分は、一般的に、限定はされないが、以下:シグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、ならびにエンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列の1つ以上を含む。
【0262】
a)シグナル配列成分
真核生物宿主における使用のためのベクターはまた、成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特定の切断部位を有するシグナル配列または他のポリペプチドをコードするインサートを含んでもよい。選択される異種シグナル配列は、宿主細胞により認識され、処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼにより切断される)ものである。哺乳動物細胞での発現において、哺乳動物シグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルを利用可能である。
【0263】
そのような前駆体領域のためのDNAを、リーディングフレーム中で、本出願の抗体をコードするDNAに連結する。
【0264】
b)複製起点
一般的に、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターのために必要とされない(初期プロモーターを含むという理由だけでSV40起点を典型的に使用してもよい)。
【0265】
c)選択遺伝子成分
発現ベクター及びクローニングベクターは、選択遺伝子(選択可能マーカーとも呼ばれる)を含んでもよい。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素(例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリン)に対して耐性を付与する、(b)栄養要求性欠損を補完する、または(c)複雑な培地から利用可能ではない決定的な栄養分を供給するタンパク質をコードする(例えば、バシラス属についてのDアラニンラセマーゼをコードする遺伝子)。
【0266】
選択計画の1例では、宿主細胞の増殖を停止させるための薬物を利用する。異種遺伝子を用いて成功裏に形質転換されるそれらの細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を産生し、このように選択計画中に生存する。そのような優性選択の例では、薬物(ネオマイシン、ミコフェノール酸、及びハイグロマイシン)を使用する。
【0267】
哺乳動物細胞のための適した選択マーカーの別の例は、本出願の抗体をコードする核酸を取り込む能力がある細胞の同定を可能にするものである(例えば、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネインI及びII、好ましくは霊長類のメタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなど)。
【0268】
例えば、DHFR選択遺伝子を用いて形質転換された細胞は、最初に、メトトレキサート(Mtx)(DHFRの競合的アンタゴニスト)を含む培養液中で形質転換体の全てを培養することにより同定される。野生型DHFRを用いた場合での適切な宿主細胞は、DHFR活性が欠損したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(例えば、ATCC CRL-9096)である。
【0269】
あるいは、ポリペプチドをコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及び別の選択マーカー、例えば、アミノグリコシド3’ホスホトランスフェラーゼ(APH)などを用いて形質転換または同時形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含む野生型宿主)を、選択マーカー用の選択薬剤(例えば、アミノグリコシド抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン、またはG418など)を含む培地中での細胞増殖により選択することができる。米国特許第4,965,199号を参照されたい。
【0270】
d)プロモーター成分
発現ベクター及びクローニングベクターは、通常、宿主生物により認識され、所望のポリペプチド配列をコードする核酸に機能的に連結されたプロモーターを含む。事実上、全ての真核生物遺伝子が、転写が開始される部位から約25~30塩基上流に位置付けられるATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70~80塩基上流に見出される別の配列は、CNCAAT領域であり、そこでNは任意のヌクレオチドであり得る。大半の真核生物の3’末端は、AATAAA配列であり、それはコード配列の3’末端へのポリAテールの付加のためのシグナルであり得る。これらの配列の全てを、真核生物発現ベクター中に挿入してもよい。
【0271】
原核生物宿主との使用のために適した他のプロモーターは、phoAプロモーター、ラクタマーゼ及びラクトースプロモーターシステム、アルカリホスファターゼプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーターシステム、及びハイブリッドプロモーター(例えば、tacプロモーターなど)を含む。しかしながら、他の公知の細菌プロモーターが適する。細菌システムにおける使用のためのプロモーターはまた、抗体をコードするDNAに機能的に連結されたShine-Dalgarno(S.D.)配列を含み得る。
【0272】
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからの抗体ポリペプチド転写は、例えば、以下のウイルスのゲノムから得られるプロモーターにより制御される:例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2など)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及び最も好ましくははサルウイルス40(SV40)、異種哺乳動物プロモーターから、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーター、熱ショックプロモーターから(そのようなプロモーターが宿主細胞系に適合するという条件で)。
【0273】
SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含むSV40制限断片として便利に得られる。ヒトサイトメガロウイルスの最初期プロモーターは、HindIII E制限断片として便利に得られる。ウシパピローマウイルスをベクターとして使用して哺乳動物宿主においてDNAを発現させるためのシステムが、米国特許第4,419,446号に開示されている。このシステムの改変が、米国特許第4,601,978号に記載されている。また、マウス細胞における単純ヘルペスウイルスからのチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのヒトインターフェロンcDNAの発現に関するReyes et al.,Nature 297:598-601(1982)を参照されたい。あるいは、ラウス肉腫ウイルス末端反復配列をプロモーターとして使用することができる。
【0274】
e)エンハンサーエレメント成分
より高い真核生物による本出願の抗体をコードするDNAの転写は、しばしば、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することにより増加される。多くのエンハンサー配列が、現在、哺乳動物遺伝子から公知である(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、及びインスリン)。典型的には、しかしながら、真核細胞ウイルスからのエンハンサーが使用され得る。例としては、複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100~270bp)、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。真核プロモーターの活性化のためのエンハンサーエレメントについては、Yaniv,Nature 297:17-18(1982)も参照されたい。エンハンサーは、抗体コード配列に対する位置5’または3’でベクター中にスプライシングされ得るが、しかし、好ましくはプロモーターから部位5’に位置付けられる。
【0275】
f)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または他の多細胞生物からの有核細胞)において使用される発現ベクターは、転写の終結のために及びmRNAを安定化させるために必要な配列も含み得る。そのような配列は、一般的に、真核生物またはウイルスのDNAまたはcDNAの5’及び、時には3’の非翻訳領域から利用可能である。これらの領域は、ポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分におけるポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026及びその中で開示される発現ベクターを参照されたい。
【0276】
g)宿主細胞の選択及び形質転換
本明細書におけるベクター中でDNAをクローン化または発現するための適した宿主細胞は、本明細書に記載のより高い真核細胞(脊椎動物宿主細胞を含む)を含む。培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、通常の手順になっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、以下:SV40により形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7,ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293細胞または浮遊培養中での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977));仔ハムスター腎細胞(BHK,ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト子宮頚癌細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳癌(MMT 060562,ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982));MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝細胞癌株(Hep G2)である。
【0277】
宿主細胞を、抗体産生のための上記の発現またはクローニングベクターを用いて形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために適宜改変された従来の栄養培地中で培養する。
【0278】
h)宿主細胞の培養
本出願の抗体を産生するために使用される宿主細胞を、種々の培地中で培養してもよい。商業的に利用可能な培地、例えば、Ham’s F10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などが、宿主細胞を培養するために適する。また、Ham et al.,Meth.Enz.58:44(1979)、Barnes et al.,Anal.Biochem.102:255(1980)、米国特許第4,767,704号;同第4,657,866号;同第4,927,762号;同第4,560,655号;または同第5,122,469号;WO90/03430;WO87/00195;または米国特許Re.30,985に記載される培地のいずれかを宿主細胞用の培養液として使用してもよい。これらの培地のいずれかに、必要に応じて、以下を補給してもよい:ホルモン及び/または他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子など)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸)、緩衝剤(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、GENTAMYCIN(商標)薬物)、微量元素(通常マイクロモル範囲の最終濃度で存在する無機化合物と定義される)、及びグルコースまたは等価のエネルギー供給源。任意の他の必要な補給剤を、また、当業者に公知であり得る適切な濃度で含めてもよい。培養条件、例えば、温度、pHなどは、発現のために選択された宿主細胞と共に以前に使用されたものであり、当業者に明らかであろう。
【0279】
i)タンパク質精製
組み換え技術を使用する場合、抗体は、細胞内に、ペリプラズム間隙中に産生され得る、または培地中に直接的に分泌され得る。抗体が細胞内に産生される場合、最初の工程として、微粒子細片、宿主細胞または溶解断片のいずれかを、例えば、遠心分離または限外ろ過により除去する。Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992)には、E.coliのペリプラズム間隙に分泌される抗体を単離するための手順が記載される。簡単に説明すると、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、及びフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)の存在において約30分にわたり溶解させる。細胞片を遠心分離により除去することができる。抗体が培地中に分泌される場合、そのような発現系からの上清を、一般的に、商業的に利用可能なタンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外ろ過ユニットを使用して最初に濃縮する。プロテアーゼ阻害剤、例えば、PMSFなどを、先の工程のいずれかに含め、タンパク質分解を阻害してもよく、抗生物質を含め、外来性混入菌の増殖を予防してもよい。
【0280】
細胞から調製された抗体組成物を、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーを使用して精製することができ、アフィニティークロマトグラフィーが好ましい精製技術である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体中に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAを使用し、1、2、または4の重鎖を含むヒト免疫グロブリンに基づく抗体を精製することができる(Lindmark et al.,J.Immunol.Meth.62:1-13(1983))。プロテインGが全てのマウスアイソタイプについて及びヒト3について推奨される(Guss et al.,EMBO J.5:15671575(1986))。親和性リガンドが付着するマトリクスは、最もしばしばアガロースであるが、しかしながら、他のマトリクスを利用可能である。機械的に安定なマトリクス、例えば、制御された細孔ガラスまたはポリ(スチレン-ジビニル)ベンゼンによって、アガロースを用いて達成することができるよりも速い流速及び短い処理時間が可能になる。抗体がC3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,NJ)が精製のために有用である。タンパク質精製のための他の技術、例えば、イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー、陰イオンまたは陽イオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラムなど)上でのヘパリンSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫安塩析も、回収される抗体に依存して利用可能である。
【0281】
任意の予備精製工程(複数可)に続き、目的の抗体及び混入物を含む混合物を、pHが約2.5~4.5の溶出バッファーを使用し、好ましくは低塩濃度(例えば、約0~0.25M塩)で実施される、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供してもよい。
【0282】
2.ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、一般的に、関連抗原及びアジュバントの複数回の皮下(s.c.)または腹腔内(i.p.)注射により動物において産生される。関連抗原を、免疫化される種において免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、または大豆トリプシン阻害剤に、二機能性薬剤または誘導体化薬剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を通じた抱合)、Nヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を通じて)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl、またはRN=C=NR(式中、R及びRは、非依存的により低いアルキル基である)を使用して抱合することが有用であり得る。用いてもよいアジュバントの例としては、フロイント完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコラート)が挙げられる。免疫化プロトコルは、過度の実験なしに当業者により選択され得る。
【0283】
動物を、抗原、免疫原性コンジュゲート、または誘導体に対して、例えば、100μgまたは5μgのタンパク質またはコンジュゲート(それぞれウサギまたはマウス用)を3容積のフロイント完全アジュバントと組み合わせることにより、及び、溶液を複数部位に皮内注射することにより免疫化する。1ヶ月後、動物に、フロイント完全アジュバント中のペプチドまたはコンジュゲートの最初の量の1/5~1/10を用いて、複数部位での皮下注射により追加免役する。7~14日後、動物を出血させ、血清を抗体価についてアッセイする。動物に、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。コンジュゲートも、タンパク質融合体として組み換え細胞培養において作製することができる。また、凝集剤(例えば、ミョウバン)が免疫応答を増強するために適する。ラクダの免疫化について実施例1も参照されたい。
【0284】
VI.製造品及びキット
単離抗PD-1構築物(例えば、抗PD-1 sdAb、抗PD-1 sdAb-Fc融合タンパク質(例えば、HCAb)、抗PD-1/TIGIT二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIGIT BABP)、抗PD-1/LAG-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×LAG-3 BABP)、抗PD-1/TIM-3二重特異性抗体(例えば、PD-1×TIM-3 BABP)、抗PD-1/CTLA-4二重特異性抗体(例えば、PD-1×CTLA-4 BABP)、または抗PD-1/PD-1二重特異性抗体(例えば、PD-1×PD-1 BABP))、単離核酸またはそれをコードするベクター、または本明細書に記載の抗PD-1構築物をコードする単離核酸またはベクターを含む単離宿主細胞のいずれかを含むキット及び製造品がさらに提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物のいずれか1つを含むキットが提供され、好ましくは、その使用のための説明書を提供する。
【0285】
本出願のキットは、適当に包装されている。適当な包装には、バイアル、ボトル、ジャー、可動性包装(例えば、密封マイラーまたはビニール袋)などがあるが、これらに限定されない。キットは、例えば、緩衝剤及び解説情報などの追加の成分を適宜提供する。従って、本出願は、バイアル(例えば、密封バイアル)、ボトル、ジャー、可動性包装などを含む製造品も提供する。
【0286】
キットは、複数単位用量の医薬組成物及び使用説明書を含んでもよく、薬局、例えば、病院薬局及び調剤薬局で貯蔵及び使用するために十分な量で包装されている。
【実施例
【0287】
以下の実施例は、完全に本発明の例であることを意図しており、したがって決して本発明を限定すると考えられるべきではない。以下の実施例及び詳細な説明は、限定としてではなく例証として提供される。
【0288】
実施例1:抗PD-1 sdAb及び抗PD-1 HCAbの生成
免疫化
最新の動物保護規制に全て従い、PD-1細胞外ドメイン(ECD)タンパク質(受託番号NP_005009.2、配列番号362)により2匹のラクダを免疫化した。免疫化用に、抗原をCFA(一次免疫化)またはIFA(ブースト免疫化)による乳剤として製剤化した。抗原は、首の筋肉内にダブルスポット注射で投与した。各動物に、100μgのPD-1 ECDを含む乳剤を2本注射し、続いて50μgの抗原を含む4本の注射を1週間間隔でした。免疫化の間の異なった時点で、動物から10mlの血液試料を回収し、血清を調製した。抗原特異的体液免疫応答の誘導は、固定化したPD-1 ECDタンパク質を用いたELISAに基づく実験で血清試料を用いて確認した(図1A~1B及び図2A~2B)。最後の免疫化から5日後、200mlの血液試料を回収した。末梢血リンパ球(PBL)を、ラクダ重鎖免疫グロブリン(HCAb)の遺伝源として、血液試料200mlからFicoll-Paque勾配(Amersham Biosciences)を用いて単離し、5×10個のPBLを得た。抗体の最大多様性は、サンプリングしたBリンパ球の数、すなわちPBLの数の約20%に等しいことが予想される(1×10個)。ラクダにおける重鎖抗体の割合は、Bリンパ球の数の最大で20%である。従って、血液試料200ml中のHCAbの最大多様性は、2×10個の異なる分子として計算する。
【0289】
ライブラリー構築及びバインダー選択
PBL及びリンパ節から抽出したRNAを、RT-PCRの出発物質として使用して、sdAbをコードする遺伝子断片を増幅した。これらの断片を社内プラスミドベクターにクローニングした。ベクターは、sdAbコード配列とインフレームで、C末端His6タグをコードする。ライブラリーサイズは、1×10個を超える。ライブラリーファージは、標準プロトコルに従って調製し、滅菌ろ過の後、さらなる使用のために4℃で保管した。
【0290】
選択は、固形パニングならびに細胞に基づくパニングを用いて、上記ライブラリーで実施した。コロニーを採取して、96ディープウェルプレート(1ml容量)で培養し、IPTG及び0.1%Tritonを添加することにより上清中でsdAb発現を誘導した。(ELISAによって)PD-1 ECDタンパク質及び(FACSによって)PD-1安定細胞株に結合する能力について上清を分析した。陽性バインダーを配列決定し、固有のクローンを選択し、さらに特徴付けた(表3)。
【0291】
sdAb産生
選択されたHis6標識sdAbは、AKTAによるペリプラズム抽出液から精製した。NTA樹脂は、製造者の指示に従って処理した。調製したペリプラズム抽出液を、回転子上で室温にて30分間、樹脂でインキュベートした。樹脂をPBSで洗浄し、カラムに移した。充填した樹脂を15mMイミダゾールで洗浄した。150mMイミダゾールを用いて、sdAbをカラムから溶出した。溶出した画分を、Hybond Membraneにスポットすることで分析し、Ponceauで可視化した。タンパク質を含む画分をプールし、PBSで透析した。透析したタンパク質を回収し、ろ過滅菌し、濃度を測定し、-20℃で保存した。
【0292】
純度を決定するために、タンパク質試料を12%のSDS-PAGEゲルで分析した。10μlのLaemmli試料緩衝液を10μl(2μg)の精製タンパク質に添加し、試料を95℃で10分間加熱し、冷却して、12%SDS-PAGEゲルにロードした。ゲルは、一般的な手順に従って処理し、クーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色した。精製データを図28にまとめた。
【0293】
表面プラズモン共鳴(SPR)によるsdAbの親和性測定
sdAbの結合動態をBIAcore T200機器(GE Healthcare)上のSPRによって決定した。簡単に言えば、PD-1 ECDを約50RUの密度でCM5センサーチップにアミンカップリングさせた。sdAbを3倍段階希釈による5つの濃度で(2nMから開始して、162nMまで)、被覆したセンサーチップに注入した。流速は、全ての実験で30μl/分であった。会合相は、5分であり、解離相は、5分、10分、または15分であった。チップをグリシン/HCl(pH1.5)を用いて再生させた。異なる濃度のsdAbでの結合曲線を1:1ラングミュア結合モデルに適合させて、動態パラメーターkon、koff、及びKを算出した(sdAb親和性データについて、図3A~3Fを参照されたい)。センサーグラム処理及びデータ分析をBiacore T200評価ソフトウェア(GE Healthcare)で行った。親和性パラメーターを図3Gにまとめた。
【0294】
FACS分析による細胞上で発現したPD-1への結合
sdAbの、CHO細胞上で発現したPD-1への結合は、蛍光活性化セルソーティング(FACS)に基づくアッセイを用いて決定した。ヒトPD-1を発現するCHO細胞を接着培養フラスコから解離して、種々の濃度の抗体と混合した(両方とも、96ウェルプレート中で)。混合物を室温で30分間平衡化し、FACS緩衝液(1%BSAを含有するPBS)で3回洗浄した。その後、二次抗体フルオレセインイソチオシアネート(FITC)共役抗ヒトカッパ抗体(Jackson ImmunoResearch)を添加し、室温で15分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で再び洗浄し、フローサイトメトリーで分析した。非線形回帰を用いて、Prism(GraphPad Software,San Diego,CA)でデータを分析し、EC50値を算出した。図4A~4Bから分かるように、A31543、AS06962、及びAS07424 sdAbが、低濃度(1~10μg/ml)でPD-1に結合できることが、FACS結合アッセイにより実証された。
【0295】
FACS分析によるリガンド結合の阻害
リガンド結合の遮断は、フローサイトメトリーを用いて試験した。抗PD-1 sdAbを評価するため、ヒトPD-1を発現するCHO細胞を接着培養フラスコから解離して、種々の濃度の抗体、及び一定濃度のビオチン標識ヒトPD-L1/FcまたはヒトPD-L2/Fcタンパク質と混合した(両方とも、96ウェルプレート中で)。キイトルーダ(登録商標)は、抗PD-1抗体陽性対照として使用した。混合物を室温で30分間平衡化し、FACS緩衝液(1%BSAを含有するPBS)で3回洗浄した。その後、PE/Cy5ストレプトアビジン二次抗体を添加し、室温で15分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で再び洗浄し、フローサイトメトリーで分析した(図5A)。非線形回帰を用いて、Prism(GraphPad Software,San Diego,CA)でデータを分析し、IC50値を算出した。
【0296】
HCAb構築、産生、及び特徴付け
上記の研究から機能的活性及び遅いオフレートを有するsdAbを選択して、HCAb構築及び産生をした。選択されたsdAbのDNA配列をヒトIgG4 Fc(S228P)のDNA配列と融合させて、HCAb構築物を作製した。HCAb構築物をCHO細胞にトランスフェクトして、HCAbを発現させた。条件培地中の分泌HCAbをプロテインAカラムによって精製した。精製データを図29にまとめた。
【0297】
表面プラズモン共鳴(SPR)によるHCAbの親和性測定
抗PD-1ラクダHCAbの結合動態をSPRバイオセンサー、Biacore T200(GE Healthcare)を用いて決定した。約50RUの密度でFc捕捉法を介してセンサーチップ上に抗体を固定化した。ヒトPD-1-His抗原を3倍段階希釈による5つの濃度で(3nMから開始して、243nMまで)、被覆したセンサーチップに注入した。流速は、全ての実験で30μl/分であった。チップをグリシン/HCl(pH1.5)を用いて再生させた。異なる濃度のPD-1-His抗原での結合曲線を1:1ラングミュア結合モデルに適合させて、動態パラメーターkon、koff、及びKを算出した(HCAb親和性データについて、図6B~6Kを参照されたい)。キイトルーダ(登録商標)は、実験対照として使用した(図6L)。センサーグラム処理及びデータ分析をBiacore T200評価ソフトウェア(GE Healthcare)で行った。親和性パラメーターを図6Aにまとめた。
【0298】
図6A~6Lから分かるように、選択されたHCAb(AS15140_HCAb、AS15152_HCAb、AS15156_HCAb、AS15193_HCAb、AS06962_HCAb、AS15881_HCAb、AS15883_HCAb、AS15892_HCAb、AS15899_HCAb、及びAS25170_HCAb)は、キイトルーダ(登録商標)に匹敵する結合親和性を示す。
【0299】
FACS分析によるHCAbの、細胞上で発現したPD-1への結合
22個の精製抗PD-1 HCAbを、上述のように、CHO細胞上で発現されたPD-1に結合する能力について試験した(図7A~7V)。キイトルーダ(登録商標)は、実験対照として使用した(図7W)。EC50図7Xにまとめた。図7A~7Xから分かるように、22個全てのHCAbが細胞表面上のPD-1に良好な結合を呈したことが、FACS結合アッセイにより実証された。
【0300】
FACS分析によるリガンド結合の阻害
22個の精製抗PD-1 HCAbを、上記と同様に、FACS分析によってPD-1及びPD-L1結合を阻害する能力について試験した(図8A~8V)。キイトルーダ(登録商標)は、実験対照として使用した(図8W)。IC50図8Xにまとめた。図8A~8Xから分かるように、低濃度(1~10μg/ml)でPD-1/PD-L1相互作用を効果的に阻害する抗PD-1 HCAbの能力が競合アッセイにより実証された。FACSデータのIC50によれば、22個全てのHCAbは、リガンド競合活性を示した。
【0301】
PD-1に基づく機能的遮断アッセイ
PD-L1を安定して発現するCHO-K1細胞、及びジャーカットエフェクター細胞を使用して、PD-1遮断を評価して、抗PD-1 HCAbを評価した。エフェクター細胞は、PD-1/PD-L1受容体-リガンド相互作用を破壊する際に、例えば、PD-L1発現細胞を、PD-1を発現するエフェクター細胞と混合する際に誘導されるルシフェラーゼ構築物を含む。従って、抗PD-1 HCAbによるCHO-K1安定細胞上のPD-L1の、エフェクター細胞上のPD-1との相互作用を阻害する有効性は、ルシフェラーゼレポーター活性を測定することによって評価することができる。アッセイは、以下のように行う。
【0302】
1日目に、CHO-K1細胞を発現するPD-L1を、細胞が解凍するまで(約3~4分)37℃の水浴で解凍し、0.5mLの解凍した細胞を14.5mLの細胞回収培地(10%FBS/F-12)に移した。管を穏やかに1~2回逆さにすることによって、細胞懸濁液をよく混合した。その後、細胞懸濁液を無菌試薬リザーバーに移し、25μLの細胞懸濁液/ウェルでアッセイプレートに分配した。100μLのアッセイ培地をブランク対照としてウェルごとに添加した。100μLの細胞回収培地を、ブランク対照として作用するウェルのウェルごとに添加した。次いで、プレートに蓋をして、COインキュベーター中で37℃にて一晩インキュベートした。
【0303】
次に、PD-1ジャーカットエフェクター細胞を、細胞が解凍するまで(約3~4分)37℃の水浴で解凍した。細胞懸濁液を上下にピペッティングすることによってバイアル中で穏やかに混合し、0.5mLの細胞を5.9mLのアッセイ緩衝液に添加した。管を穏やかに1~2回逆さにすることによって、細胞懸濁液をよく混合した。細胞をスピンダウンした後、200μLアッセイ緩衝液中の無菌試薬リザーバーに移し、細胞を有する40μLの緩衝液を、種々の濃度の抗PD-1 HCAbまたは対照抗体を含む各ウェルに分配した(3倍希釈で1μMから開始して、合計で8つの濃度)。その後、160μLのPD-L1 CHO-K1細胞を各ウェルに添加した。プレートに蓋をして、COインキュベーター中で37℃にて6時間インキュベートした。
【0304】
ルシフェラーゼアッセイシステムは、1ボトルの緩衝液を、基質を含むボトルに移すことによって再構成した。システムを室温で保管し、使用するまで遮光した。6時間の誘導後、アッセイプレートをCOインキュベーターから除去し、周囲温度で5~10分間平衡にした。80μLの試薬を各ウェルに添加した。プレートを周囲温度で5~10分間インキュベートした。GloMax(登録商標)Discover System(Promega,Madison,WI)またはグロー型の発光読取能力を有するプレートリーダーで発光を測定した。
【0305】
発光は、相対発光量(RLU)として表される。希釈したHCAbまたはキイトルーダ(登録商標)対照を有するウェルのRLU値を、抗体なしのRLUに正規化し、ルシフェラーゼ誘導倍率を提供した。RLU誘導倍率対HCAb抗体(またはキイトルーダ(登録商標)対照)のLog10濃度としてデータをグラフ化した。データを曲線に適合させて、各HCAb及び対照抗PD-1抗体キイトルーダ(登録商標)のEC50は、GraphPad Prismなどの曲線フィッティングソフトウエアを用いて決定した(図9A~9G)。EC50データを図9Hにまとめた。
【0306】
抗体によるPD-1阻害は、PD-1及び活性化T細胞を発現する標的細胞を含む混合リンパ球反応(MLR)におけるIL-2分泌レベルを決定することによって研究することができ、抗PD-1 HCAbは、種々の濃度で提供される。
【0307】
ヒトCD4T細胞及び同種異系単球は、単離キット(Miltenyl Biotec)を用いて、PBMCから精製した。単球を樹状細胞中に誘導した。各ウェルは、10個のCD4T細胞及び10個の同種異系樹状細胞を含み、200μlの最終作用体積であった。抗PD-1 HCAbを異なる濃度で各ウェルに添加した。抗体は、バックグラウンド対照として使用しなかった。ヒトIgG4は、陰性対照(不図示)として使用し、キイトルーダ(登録商標)は、陽性抗PD-1抗体対照として使用した。37℃/5%COインキュベーターで72時間インキュベーションした後、100μl培地を各試験ウェルから採取し、IL-2分泌測定をした(Cisbio)。MLR中のIL-2の抗体濃度依存的分泌を使用して、抗PD-1抗体の抗PD-1活性のEC50値を抽出し(図10A~10C)、完全長抗PD-1抗体キイトルーダ(登録商標)のEC50値と比較した(図10D)。MLRアッセイのEC50図10Eにまとめた。FACSに基づくリガンド競合アッセイ結果(図8A~8X)と一致して、PD-1を標的にする3つの選択されたHCAbの機能的活性は、MLRによって、それらのモノクローナル抗体キイトルーダ(登録商標)に匹敵した。
【0308】
実施例2:抗PD-1 sdAbヒト化及び特徴付け
抗PD-1 sdAbのヒト化
AS15193 sdAbのタンパク質配列を、最も高い相同性を共有している3つの最も近いヒト生殖細胞系列配列と並べた。最良のヒト生殖細胞系列配列をヒトアクセプターとして選択した。ホモロジーモデルを作製した。モデル分析データに従って、抗原結合または抗体足場形成のために潜在的に重要な残基を放置した一方、ヒト対応物に変換するために残りを選択した。3つの配列最適化変異体のパネルを生成し、結合、安定性、及び機能的活性データに基づいて選択した。4つの変異体(AS15193VH8、AS15193VH8M1、AS15193VH18及びAS15193VH18M1)を結合及びオフレートランキングデータに基づいて選択した。ラクダ親sdAb、ヒト化変異体、及びヒトアクセプター配列を図11で並べた。ヒト化sdAbは、それらの名称において「VH」で示される。
【0309】
実施例3:ヒト化HCAb構築、産生、及び特徴付け
実施例2(データ不図示)でBIAcore T200を用いた上記のオフレートランキング試験から機能的活性及び遅いオフレートを有する4つのsdAb(AS15193VH8、AS15193VH8M1、AS15193VH18、及びAS15193VH18M1)を選択して、HCAb構築及び産生をした。選択されたsdAbのDNA配列をヒトIgG4 Fc(S228P)のDNA配列と融合させて、ヒト化HCAb構築物を作製した。HCAb構築物をCHO細胞にトランスフェクトして、HCAbを発現させた。条件培地中の分泌HCAbをプロテインAカラムによって精製した。
【0310】
表面プラズモン共鳴(SPR)によるヒト化HCAbの親和性測定
抗PD-1ヒト化HCAbの結合動態は、SPRバイオセンサー、Biacore T200(GE Healthcare)を用いて決定した。抗体は、実施例1で述べたように、Fc捕獲方法を介してセンサーチップ上に固定化した。抗原PD-1-Hisタンパク質は、分析物として使用した(3倍段階希釈(1nMから開始して、27nMまで)による4つの濃度のヒトPD-1-His抗原)。解離(k)及び会合(k)速度定数は、Biacore T200評価ソフトウェアを用いて得た。見かけの平衡解離定数(K)は、k/kの比から算出した。データを図12Fにまとめた。データによれば、ヒト化HCAb(AS15193VH8_HCAb、AS15193VH8M1_HCAb、AS15193VH18_HCAb、及びAS15193VH18M1_HCAb)の結合親和性は、その親HCAb(AS15193_HCAb)に近く、抗体親和性がヒト化後に維持されたことを示唆している。
【0311】
FACS分析によるヒト化HCAbの、細胞上で発現したPD-1への結合
精製ヒト化抗PD-1 HCAbを、実施例1に記載されているように、CHO細胞上で発現されたPD-1に結合するそれらの能力について試験した。図13A~13Eから分かるように、種々のヒト化HCAbが親AS15193_HCAbに匹敵する結合能力を呈したことがFACS結合アッセイにより実証された。FACS結合EC50データを図13Fにまとめた。上記の結合親和性結果と一致して、ヒト化HCAb(AS15193VH8_HCAb、AS15193VH8M1_HCAb、AS15193VH18_HCAb、及びAS15193VH18M1_HCAb)は、その親AS15193_HCAbに匹敵する結合能力も示した。
【0312】
FACS分析によるリガンド結合の阻害
精製ヒト化抗PD-1 HCAbを、実施例1に記載されているように、FACS分析によってPD-1/PD-L1結合を阻害するそれらの能力について試験した。図14A~14Eから分かるように、低濃度(1~10μg/ml)でPD-1/PD-L1相互作用を効果的に阻害するヒト化抗PD-1 HCAbの能力が、競合アッセイ結果により実証された。FACSデータ(図14F)のIC50によれば、4つのヒト化HCAbは、それらの親AS15193_HCAbに匹敵するリガンド遮断活性を示した。
【0313】
PD-1に基づく機能的遮断アッセイ
4つのヒト化HCAbによるPD-1阻害は、実施例1に記載されるように、IL-2に基づくルシフェラーゼレポーターアッセイによって試験した。IL-2レポーターの抗体濃度依存的活性化を使用して、ヒト化抗PD-1 HCAbの抗PD-1活性のEC50値を抽出し、親AS15193_HCAbのEC50値と比較した(図15A~15E)。FACSに基づくリガンド競合アッセイ結果と一致して、4つのヒト化HCAbの機能的活性は、それらの親AS15193_HCAbに匹敵した。データを図15Fにまとめた。
【0314】
ヒト化HCAbのインビボ活性
ここで提示される試験では、ネズミ腫瘍モデルに対するPD-1ヒト化HCAb遮断の有効性を調査した。PD-1/PD-L1相互作用の阻害は、抗腫瘍CD8+T細胞応答を回復することで治療効果を発揮することが提案されるため、宿主の免疫系が完全に無傷である同系ネズミ腫瘍モデルで臨床前有効性試験を実施した。ヒトPD-1トランスジェニックマウスを使用した。
【0315】
1×10個のヒトPD-L1過剰発現MC38大腸がん細胞をマウスの右脇腹に皮下注射した。腫瘍の平均体積が約100mmに到達すると、マウスを処置群(n=5)に選別した(試験0日目として定義)。2つのヒト化抗PD-1 HCAb:AS15193VH8M1_HCAb及びAS15193VH18M1_HCAbをこの試験で試した。群に基準抗体キイトルーダ(1mg/kg)またはヒト化HCAb(0.53mg/kg)を週2回で2週間静脈内投与した。2つの対照群を、1ml/kgのPBSまたは1mg/kgのヒトIgG4アイソタイプ対照で処置した。腫瘍を試験期間中に週2回測定した。全ての処置群は、対照群と比較した場合、有意な有効性(P<0.050)を示した(図27)。抗PD-1療法が抗腫瘍CD8T細胞応答を駆動する効果的な戦略であると、これらの観察は支持している。
【0316】
配列表
表3.抗PD-1 sdAb配列番号
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】

配列番号253(A31543 sdAb核酸配列)
CAGGTACAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCAAGGTGCAGCCTGGGGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGAGGCACTTTGGATTATTATGCCATAGGCTGGTTCCGCCAGGCCCCAGGGAAGGAGCGCGAGGCCGTGTCATGTATTAGTAGTAGCGATGGTAGCACATACTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATGCCAAGAACACGGTGTATCTTCAAATGAACAGCCTGAAACCTGGGGACACGGCCGTTTATCACTGTGCGACAGATCGGGCGTGCGGTAGTAGCTGGTTAGGGGCCGAATCATGGGCCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号254(AS06962 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGGTGGATTCTGGGGGAGGCTTGGTGCAGCCTGGGGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGAAGCATCACCAGTAGAAATACCATGGGCTGGTACCGGCAGGTTCCAGGGAAGCAGCGCGAATTGGTCGCGCTAATTGCGACTTTTGTCACACATTATGCGGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGATAACGCCAGGAAGATGGTGTTTCTAGAGATGAACAGCCTGCAACCTGAGGACACGGGCGCGTATTATTGTTATGTCGATGTCTCGCCCTATTGGGGCCGGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号255(AS15090 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATACACCTATATTCCCAACTGCATGGCCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCACACTTATTTTTACTGGTGATGGTACCTCAACCTATGTCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAACGCCAAGAACACGGTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCCGAGGACACTGCCTTGTACTACTGTGCGGCAGCCGAACGTTGTAGTGGTTCAAACGACAGAATATCCTTTTGGGGAATTAGCTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号256(AS15140 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGGGGGTCTTTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGCATACACCTACAGTAACATCTGTTTGGGCTGGCTCCGCCAGGCTCCAGGGGGGGGGCTCGAGGCTGTCGCAACGATTTATATTGCGGATCAGACATCATACTATGCCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCCGCATCTCTAAAGACGCCGCCAAGAACGCGGTGTATCTGCAAATGAGCAGCCTGAGACCTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGTCCCGGTACGGTAGTACCTGCGGCGAATATTTAGCTGACTATACCTCCCGGGCCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号257(AS15152 sdAb核酸配列)
CAGATGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCTTGTGCAGTCTCTGGATACATCTACAATCGCAACTTCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCCGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCGGCTATTTATACTGGTGGCCCATACACATACTATACCGACTCCGTGCAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAACACCAAGAACACGGTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGAGGACACTGCCATGTATTACTGTGTGTCAGATCTTTCGGACGGTACTTGGGACCAGGGCCGATGGAACTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号258(AS15156 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGCGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATACATTTACAATCGTAACTTCATGGGCTGGTTCCGCCAGGTTCCAGGAAAGGTGCGCGAGGGGGTCGCAGCAATTTATACTGGTACTGAACGCACGTACTATGCCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAACGCCAAGAACACGGTGTATCTGCAGATGAATAGTCTGAAACCTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGTGGCGGATTTGCGGGATGGTACTTGGGATACGGGCGTATGGAACACCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号259(AS15193 sdAb核酸配列)
CAGATTCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGCGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGTAGTCTCTGGAAACATCTACAATCGTAACTTCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGTGCGCGAGGGGGTCGCAGCAATTTATACTGGTACTAGTCGCACGTACTATGCCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAACGCCAAGAATACGGTGTATCTGCAAATGAATAGTCTGAAACCTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCGGATTTGCGGGATGGTTTCTGGGATACGGGCGTATGGAACACCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号260(AS15872 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTGCAGCCTGGGGGGTCTCTGACACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACGTTCAGTACCGCCGCCATGAGCTGGGTCCGCCAGGTTCCAGAGGAGGGACTCGAGTGGGTCGCATCTATTGATAGTAGTGGTAGTCGCACATACTATGCGGGCTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACACGCTGTATTTGCAATTGAACAGCCTGAAAGCTGAGGACACGGCCATGTATTACTGTGCAAAAGATCACATGAGCTGGTTGCCGCGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号261(AS15881 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGATCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCGACAGTTCGTACTGCGGGGCCTGGTTTCGCCAGGTTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCGATTATCGATAGATATGGTGGGACAATGTACAAAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAAAGACACTGCCAAGAATATTCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACTTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCAGCCGAATATCGAGGCTCTTCGTGTGACGCGGAGAGTGGCTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号262(AS15883 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGATGGAGTCTGGGGGAGGTTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCCCTGACTCTCTCCTGTGCAGCCTCTGTATTCACCGACAGTAACTACTGCATGGCCTGGTTCCGCCAGGTTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATCGATAGATATGGTGGTACGATGTACAAAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAAAGACACTGCCAAGAATATTCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACTTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCAGCCGGGTATCGAGGCTCTTCGTGTGACGCGGATAGTGGCTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号263(AS15892 sdAb核酸配列)
CAGATTCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGATCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCGACAGTTCGTACTGCGGGGCCTGGTTTCGCCAGGTTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCGATTATCGATAGATATGGTGGGACAATGTACAAAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAAAGACACTGCCAAGAATATTCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACTTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCAGCCGAATATCGAGGCTCTTCGTGTGACGCGGAGAGTGGCTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号264(AS15899 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAACTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATACACCGCCGGTAGCCTCTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAGCTATTTATACTGGTGGTGGTAGCACATACTATGCCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAACGCCAAGAACACGGTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGAGGACACTGCCCAGTACTACTGCGGGGCGGGTAGTAGGGAAGACTACTGCGACAGGGGTTACATCTATGATCACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号265(AS17049 sdAb核酸配列)
CAGGTGAAGTTAGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTACCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGAGACACCAACAACTTGAACTTCAGGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAGTTATCACTCACTCTGGTAGCACATACTATGCCGAATCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACCTCGCCAAGAACACGATGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAAACCTGAGGACACTGCTATGTACTACTGTGCGGCAGCAGATGTGTGGCGTATTAGCTGGTCCTTTGTTCCGGAACTCTTTAGTTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号266(AS17118 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCTTGTGCAGGCTCTGGATTTACCTTCAATAACTACGCCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGAATCGCGGGAATTTGGACTGGTGGTGGTAGTACATACTATGCCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCGAAGACGTCGCCAAGAACACGGTGTATCTGCAAATGGACAGCCTGAAACCTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCCGAGCGCTGGGACTATAGCGACTGGCGACGCCTAAAGAGGGGGGACTATAACTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号267(AS24984 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGATGGAGTCTGGGGGAGGGTCGGTGCCGTCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAGTCGCGGCTGCTTCGCATGGTTCCAGCAGCGTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATATGGATGGGCACACAAGATACTCAGACTCCGTGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTACATCTGCAAATGAACACCCTGAGACCTGACGACACGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATCGCAGTCAGTGTTACGTGCTAAGCGACCGCTTACGCCTCCCAGGTACCTTTAGTGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号268(AS25037 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAACTGGCGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAAACTCTCCTGTTTAGCCTCGCAATGGATCAGTAGTGATTGCGGAATGGCCTGGTACCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAATTGGTCTCACGCATTAGTAGTGATGATACCACAACCTATGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAGTGCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAAGCTGAAAACTGAAGACACGGGCGTGTATTATTGTGCGGCAGAAGCCAAGAGCACTATAACGAGCCTGTGCTACCCCTTGAACTACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号269(AS25064 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCCGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCACCTGTGCAGCCACTGGATACTCTTGGAGACCCGACTGCATGGGCTGGTACCGCCAGGCTGCAGAGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAGTTATTGATGCTGATGGTATCACAAGCTACGCAGACGCCGCGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCGAGACAACAACAAGATCACTCTATATCTGCAAATGCTGAAACCTGACGACACTGGCATGTACGTCTGTGTGGTAGGATGGAGAGTAAGCAGTGGTGGTAACTGCCAATTCAATGACTACTGGGGTCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号270(AS25067 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGATGGAGTCTGGGGGAGGCGCGGTGCAGACCGGAGGGTCTCTGAGGCTCTCCTGTGCAGTATCGGGAATCTCCATCAGTCCAGACTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGAAGCGCGAGGCGGTCACGACAATTTTTGCTAATACTGGTAGCGCGCGCTATGGCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCAGCTCCCAAGGCAACGCCAAGAATACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCGTGAAACTTGATGACACTGGCACGTACTACTGTGCGGCACGGTTTACGGGGGGTGACTGCTTTGATCATCAGCCATTGGCGTGGCGCTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号271(AS25071 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAACTGGCGGAGTCTGGGGGAGGGTCGGTGCAGTCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAGTCGCGGCTGCTTCGCGTGGTTCCAGCAGCGTCCAGGAAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATAGTGATGGGCACACAGCATACTCAGACTCCGTGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTATATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGACGACACGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATCGCAGTCAGTGTTACGTGCTTCGCGACCGCTTACGCCTCCCAGATACCTTTACTGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号272(AS25115 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGGTGGAGTCTGGGGGAGCCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCACTGCGTACACCGCCAGTAATTATTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGTCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGCAGTCGCAAGTATTAATGATGACGGCGTCACAAGCTACGCAGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCAAGACAGCGCCAAGAAGACTCTGTATCTCCAAATGAACCGCCTGAAACCTGAGGACACTGCCATGTACTACTGTGCGGCCACCCCGGATGGTTACTGCTACGCCGAGAGACTTTCCCGGTGGAGATATGAGTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号273(AS25117 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGCGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGGCTCTCCTGTGTAATATCAGGAACCTCCATCAGTCCAGACTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGAAGCGCGAGGCAGTCATGAGTATTTTTACAAATACTGGTAGCACGCGCTATGGCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCAGCTCCCAAGGCAACGCCAAGAATACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCTTGAAACTTGATGACACTGCCACGTACTACTGTGCGGCCCGGTATACGGGGGGTGACTGCTTTAATCTTGAACCATTGGCGTGGCGCTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号274(AS25119 sdAb核酸配列)
CAGGTTCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCCGTGCAGGCTGGAGGGCCTCTGAGACTCACCTGTGCAGCCACTGGATACTCTTGGAGACCCGACTGCATGGGCTGGTACCGCCAGGCTGCAGAGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAGTTATTGATGCTGATGGTATCACAAGTTACGCAGACGCCGCGAAGGGCCGATTCACCATCTCCCGAGACAACAACAACATCACTCTATATCTGCAAATGCTGAAACCTGACGACACTGGCATGTACGTCTGTGTGATAGGATGGAGAGTAAGCAGTGGTGGTAACTGCCAATTCAATGACTACTGGGGTCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号275(AS25149 sdAb核酸配列)
CAGGTTCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTCGGTGCAGTCTGGAGGGTCTCTGAAACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAGTCGCGGCTGCTTCGCATGGTTCCAACAGCGTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATAGCGATGGACACACAAGATACTCAGACTCCGTGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTATATCTCCAAATGAACAGCCTGAAACCTGACGACGCGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATCGCAATCAGTGTTACGTTCTTCTCGACCGCTTACGCCTCCCAGGTACCTTTAGTGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号276(AS25164 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTCGGTGCAGTCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAATCGCGGCTGCTTCGCGTGGTTCCAGCAGCGTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATAGCGATGGGCACACAACGTACGGAGACTCCGTGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTAGATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGACGACACGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATCGCAATCAGTGTTACGTGCTTCGCGACCGCTTACGCCTCCCAGATACCTTTACTGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号277(AS25170 sdAb核酸配列)
CAGGTGAAGTTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTTGGTGCAGTCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAGTCGCGGCTGCTTCGCATGGTTCCAGCAGCGTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATATGGATGGGCACACAATGTACTCAGACTTGGCGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTATATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGACGACACGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATCGCGATCAGTGTTACGTACTTCGGGACCGCTTACGCCTCCCAGATACCTTTAATGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号278(AS25222 sdAb核酸配列)
CAGATTCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGGCTCTCCTGTGCAGTGACAGGAATCTCCATCAGTCCAGACTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGAAGCGCGAGGCAGTCGCGACTATTTTTACTAATACTGCGAGCACGCGCTATGGCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCAGCTCCCAAGGGAACGGCAAGAATACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCTTGAACGTTGATGACACTGCCACGTACTACTGTGCGGCCCGCTATACGGGGGGTAACTGCTTTAATCTTGAGCCATTGGCGTGGCACTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号279(AS25396 sdAb核酸配列)
CAGGTGCACCTGATGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGGCTCTCCTGTGTAGTATCAGGAATCTCCATCAGTCCAGACTGTATGGGGTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGAAGCGCGAGGCAGTCGCGACTATTTTTACTAATACTCGTAGGACGCGCTATGGCGACTCCGTGAAGGGCCGAGTCACCAGCTCCCAAGGCAACGCCAAGAATACGCTGTATCTAAAAATGGACAACTTGAGGCACGATGACACTGCCACGTACTACTGTGCGGCCCGGTATACGGGGGGTGACTGCTTTAATCTTGACCCATTGTCCTGGCGCTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号280(AS25457 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGGCTCTCCTGTGCAGTATCAGGAATCTCCATCAGTCCAGACTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGAAGCGCGAGGCAGTCGCGACTATTTTTACTAATACTCGTAGCACGCGCTATGGCGACTCCGTGAAGGGCCGATTCACCAGCTCCCAAGGCAACGCCAAGAATACGCTGTATCTGCAAATGGACAGCTTGAAACTTGATGACACTGCCACGTACTACTGTGCGGCCCGGTATACGGGGGGTGACTGCTTTAATCTTGAGCCTGTGGCGTGGCGCTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号281(AS25487 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTGCAGCCTGGGGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGCTTCACCTTCAGTGTTTGGTCGATGTCCTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGGAGGGACTCGAGTGGGTCTCAACTATCACTGGGAGTGGCGCACAAACATATTATGCAAGCTCAGTGAGGGGCCGATTCACCACCTCCAGAGACAACGCCAAGAACACGGTATATCTGCAAATGAACAGCCTGAAATCTGACGACACGGCCGTGTATTATTGTGAGAGAGGAAATGGTCAGACTGCTATGGAGGCTCTCATTAACCCGCCCGAGCGTCCGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号282(AS25095 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGATGCAGCCTGGGGGGTCTTTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGTTACTGGATGTACTGGGTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGGGCTTGAGTGGGTCTCGGTTATTAATAGAGCTGGTGATTCCGCCTGGTATGCAGACTCAGTGACGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACACGGTGTATCTGCAAATGGACAGCCTGAAACCTGAGGACACGGCCATGTACTACTGTGCGGCAGACTCGAGGGGGTACGGTGGTGACTGGTACAAGCTCCTCTCAGACTTTAATTATTGCGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号283(AS25435 sdAb核酸配列)
CAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTCGGTGCAGGCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCACTGCGTACACCGCCAGTTTCTACTGCATGGGCTGGTTCCGCCAGGCTCCAGGGAAGGAGCGCGAGGCGGTCGCAAGTATTAATGATGACGGCGTCACAATGTACGCAGACTCCGTGAAGGGCCAATTCACCATCTCCCAAGACAGCGCCACGAAGACTCTGTATCTGCAAATGAACCGCCTGAAACCTGAGGACACCGCCATGTACTACTGTGCGGCCACCCCGGAAGGTTACTGCTACGCCGAGAGACTTTCCACGTGGAGATATACGTTCTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号284(AS25156 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGGTCGGTGCAGTCTGGAGGGTCTCTGAGACTCTCCTGTGCAGTCTCTGGATCTGGATACAGCTATAGTCGCGGCTGCTTCGCGTGGTTCCAGCAGCGTCCAGGAAAGGAGCGCGAGGGGGTCGCAATTATTAATAGCGATGGGCACACAAGATACTCAGACTCCGTGCAGGGCCGATTCATCATCTCCCAAGACAAGGCCAAGAACACACTATATCTGCAAATGAACAGCCTGAAACCTGACGACACGGCCATGTATTACTGTGCGTACGATTGCAGTCAGTGTTACGTGCTTCGCGACCGCTTACGCCTCCCAGATACCTTTACTGACTGGGGCCAGGGGACCCAGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号285(AS15193VH8 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGAGCGGAGGAGGACTGGTGCAGCCAGGAGGCTCTCTGAGACTGTCCTGCGCCGTGAGCGGCAACATCTACAACAGAAATTTCATGGGATGGTTTAGGCAGGCTCCTGGCAAGGGACTGGAGGGCGTGTCCGCCATCTATACCGGCACATCTCGCACCTACTATGCTGACTCCGTGAAGGGCAGGTTCACCATCTCTCGGGATAACTCCAAGAATACAGTGTACCTGCAGATGAACTCTCTGAGGGCCGAGGACACAGCCGTGTACTATTGTGCCGCTGACCTGCGGGATGGCTTTTGGGATACCGGCGTGTGGAATACATGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC
配列番号286(AS15193VH8M1 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGAGCGGAGGAGGACTGGTGCAGCCAGGAGGCTCTCTGAGACTGTCCTGCGCCGTGAGCGGCAACATCTACAACAGAAATTTCATGGGATGGTTTAGGCAGGCTCCTGGCAAGGGACTGGAGGGCGTGTCCGCCATCTATACCGGCACATCTCGCACCTACTATGCTGACTCCGTGAAGGGCAGGTTCACCATCTCTCGGGATAACTCCAAGAATACAGTGTACCTGCAGATGAACTCTCTGAGGGCCGAGGACACAGCCGTGTACTATTGTGCCGCTGACCTGCGGGAGGGCTTTTGGGATACCGGCGTGTGGAATACATGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC
配列番号287(AS15193VH18 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCCGGAGGAGGACTGGTGCAGCCAGGAGGCTCTCTGAGGCTGTCCTGCGCCGTGAGCGGAAACATCTACAACAGAAATTTCATGGGATGGTTTAGGCAGGCTCCTGGCAAGGGAAGGGAGGGCGTGTCTGCTATCTATACCGGCACATCCAGGACCTACTATGCCGACAGCGTGAAGGGCAGGTTCACCATCTCTCGGGATAACGCTAAGAATACAGTGTACCTGCAGATGAACTCCCTGCGGCCAGAGGACACAGCCGTGTACTATTGTGCCGCTGACCTGAGAGATGGCTTTTGGGATACCGGCGTGTGGAATACATGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC
配列番号288(AS15193VH18M1 sdAb核酸配列)
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCCGGAGGAGGACTGGTGCAGCCAGGAGGCTCTCTGAGGCTGTCCTGCGCCGTGAGCGGAAACATCTACAACAGAAATTTCATGGGATGGTTTAGGCAGGCTCCTGGCAAGGGAAGGGAGGGCGTGTCTGCTATCTATACCGGCACATCCAGGACCTACTATGCCGACAGCGTGAAGGGCAGGTTCACCATCTCTCGGGATAACGCTAAGAATACAGTGTACCTGCAGATGAACTCCCTGCGGCCAGAGGACACAGCCGTGTACTATTGTGCCGCTGACCTGAGAGAGGGCTTTTGGGATACCGGCGTGTGGAATACATGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACAGTGTCCAGC
配列番号289(A31543 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGKVQPGGSLRLSCAASGGTLDYYAIGWFRQAPGKEREAVSCISSSDGSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPGDTAVYHCATDRACGSSWLGAESWAQGTQVTVSS
配列番号290(AS06962 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLVDSGGGLVQPGGSLRLSCAASGSITSRNTMGWYRQVPGKQRELVALIATFVTHYADSVKGRFTISRDNARKMVFLEMNSLQPEDTGAYYCYVDVSPYWGRGTQVTVSS
配列番号291(AS15090 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGYTYIPNCMAWFRQAPGKEREGVTLIFTGDGTSTYVDSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTALYYCAAAERCSGSNDRISFWGISYWGQGTQVTVSS
配列番号292(AS15140 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCTASAYTYSNICLGWLRQAPGGGLEAVATIYIADQTSYYADSVKGRFRISKDAAKNAVYLQMSSLRPEDTAMYYCASRYGSTCGEYLADYTSRAQGTQVTVSS
配列番号293(AS15152 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QMQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVSGYIYNRNFMGWFRQAPGKEREGVAAIYTGGPYTYYTDSVQGRFTISQDNTKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCVSDLSDGTWDQGRWNYWGQGTQVTVSS
配列番号294(AS15156 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSAQAGGSLRLSCAVSGYIYNRNFMGWFRQVPGKVREGVAAIYTGTERTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCVADLRDGTWDTGVWNTWGQGTQVTVSS
配列番号295(AS15193 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QIQLVESGGGSAQAGGSLRLSCVVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKVREGVAAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTQVTVSS
配列番号296(AS15872 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGLVQPGGSLTLSCAASGFTFSTAAMSWVRQVPEEGLEWVASIDSSGSRTYYAGSVKGRFTISRDNAKNTLYLQLNSLKAEDTAMYYCAKDHMSWLPRGQGTQVTVSS
配列番号297(AS15881 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGFTDSSYCGAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAEYRGSSCDAESGYWGQGTQVTVSS
配列番号298(AS15883 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLMESGGGSVQAGGSLTLSCAASVFTDSNYCMAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAGYRGSSCDADSGYWGQGTQVTVSS
配列番号299(AS15892 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QIQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGFTDSSYCGAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAEYRGSSCDAESGYWGQGTQVTVSS
配列番号300(AS15899 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGYTAGSLCMGWFRQAPGKEREGVAAIYTGGGSTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAQYYCGAGSREDYCDRGYIYDHWGQGTQVTVSS
配列番号301(AS17049 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVKLVESGGGSVQAGGYLRLSCAASGDTNNLNFRGWFRQAPGKEREGVAVITHSGSTYYAESVKGRFTISQDLAKNTMYLQMNSLKPEDTAMYYCAAADVWRISWSFVPELFSYWGQGTQVTVSS
配列番号302(AS17118 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAGSGFTFNNYAMGWFRQAPGKEREGIAGIWTGGGSTYYADSVKGRFTISEDVAKNTVYLQMDSLKPEDTAMYYCAAERWDYSDWRRLKRGDYNYWGQGTQVTVSS
配列番号303(AS24984 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLMESGGGSVPSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINMDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLHLQMNTLRPDDTAMYYCAYDRSQCYVLSDRLRLPGTFSDWGQGTQVTVSS
配列番号304(AS25037 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLAESGGGSVQAGGSLKLSCLASQWISSDCGMAWYRQAPGKERELVSRISSDDTTTYADSVKGRFTISQDSAKNTLYLQMNKLKTEDTGVYYCAAEAKSTITSLCYPLNYWGQGTQVTVSS
配列番号305(AS25064 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLTCAATGYSWRPDCMGWYRQAAEKEREGVAVIDADGITSYADAAKGRFTISRDNNKITLYLQMLKPDDTGMYVCVVGWRVSSGGNCQFNDYWGQGTQVTVSS
配列番号306(AS25067 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLMESGGGAVQTGGSLRLSCAVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVTTIFANTGSARYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSVKLDDTGTYYCAARFTGGDCFDHQPLAWRFWGQGTQVTVSS
配列番号307(AS25071 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLAESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTAYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRSQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSS
配列番号308(AS25115 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLVESGGASVQAGGSLRLSCAATAYTASNYCMGWFRQSPGKEREAVASINDDGVTSYADSVKGRFTISQDSAKKTLYLQMNRLKPEDTAMYYCAATPDGYCYAERLSRWRYEFWGQGTQVTVSS
配列番号309(AS25117 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLAESGGGSVQAGGSLRLSCVISGTSISPDCMGWFRQAPGKKREAVMSIFTNTGSTRYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSLKLDDTATYYCAARYTGGDCFNLEPLAWRFWGQGTQVTVSS
配列番号310(AS25119 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGPLRLTCAATGYSWRPDCMGWYRQAAEKEREGVAVIDADGITSYADAAKGRFTISRDNNNITLYLQMLKPDDTGMYVCVIGWRVSSGGNCQFNDYWGQGTQVTVSS
配列番号311(AS25149 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQSGGSLKLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDAAMYYCAYDRNQCYVLLDRLRLPGTFSDWGQGTQVTVSS
配列番号312(AS25156 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDCSQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSS
配列番号313(AS25164 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYNRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTTYGDSVQGRFIISQDKAKNTLDLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRNQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSS
配列番号314(AS25170 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVKLVESGGGLVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINMDGHTMYSDLAQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRDQCYVLRDRLRLPDTFNDWGQGTQVTVSS
配列番号315(AS25222 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QIQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVTGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTASTRYGDSVKGRFTSSQGNGKNTLYLQMDSLNVDDTATYYCAARYTGGNCFNLEPLAWHFWGQGTQVTVSS
配列番号316(AS25396 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVHLMESGGGSVQAGGSLRLSCVVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTRRTRYGDSVKGRVTSSQGNAKNTLYLKMDNLRHDDTATYYCAARYTGGDCFNLDPLSWRFWGQGTQVTVSS
配列番号317(AS25457 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTRSTRYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSLKLDDTATYYCAARYTGGDCFNLEPVAWRFWGQGTQVTVSS
配列番号318(AS25487 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSVWSMSWVRQAPGEGLEWVSTITGSGAQTYYASSVRGRFTTSRDNAKNTVYLQMNSLKSDDTAVYYCERGNGQTAMEALINPPERPGTQVTVSS
配列番号319(AS25095 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGLMQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMYWVRQAPGKGLEWVSVINRAGDSAWYADSVTGRFTISRDNAKNTVYLQMDSLKPEDTAMYYCAADSRGYGGDWYKLLSDFNYCGQGTQVTVSS
配列番号320(AS25435 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAATAYTASFYCMGWFRQAPGKEREAVASINDDGVTMYADSVKGQFTISQDSATKTLYLQMNRLKPEDTAMYYCAATPEGYCYAERLSTWRYTFWGQGTQVTVSS
配列番号321(AS15193VH8 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGLEGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSS
配列番号322(AS15193VH8M1 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGLEGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAADLREGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSS
配列番号323(AS15193VH18 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGREGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLRPEDTAVYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSS
配列番号324(AS15193VH18M1 sdAbアミノ酸配列;CDRは下線付き)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGREGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLRPEDTAVYYCAADLREGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSS
配列番号325(A31543 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGKVQPGGSLRLSCAASGGTLDYYAIGWFRQAPGKEREAVSCISSSDGSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLKPGDTAVYHCATDRACGSSWLGAESWAQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号326(AS06962 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLVDSGGGLVQPGGSLRLSCAASGSITSRNTMGWYRQVPGKQRELVALIATFVTHYADSVKGRFTISRDNARKMVFLEMNSLQPEDTGAYYCYVDVSPYWGRGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号327(AS15090 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGYTYIPNCMAWFRQAPGKEREGVTLIFTGDGTSTYVDSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTALYYCAAAERCSGSNDRISFWGISYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号328(AS15140 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCTASAYTYSNICLGWLRQAPGGGLEAVATIYIADQTSYYADSVKGRFRISKDAAKNAVYLQMSSLRPEDTAMYYCASRYGSTCGEYLADYTSRAQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号329(AS15152 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QMQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVSGYIYNRNFMGWFRQAPGKEREGVAAIYTGGPYTYYTDSVQGRFTISQDNTKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCVSDLSDGTWDQGRWNYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号330(AS15156 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSAQAGGSLRLSCAVSGYIYNRNFMGWFRQVPGKVREGVAAIYTGTERTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCVADLRDGTWDTGVWNTWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号331(AS15193 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QIQLVESGGGSAQAGGSLRLSCVVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKVREGVAAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAMYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号332(AS15872 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGLVQPGGSLTLSCAASGFTFSTAAMSWVRQVPEEGLEWVASIDSSGSRTYYAGSVKGRFTISRDNAKNTLYLQLNSLKAEDTAMYYCAKDHMSWLPRGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号333(AS15881 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGFTDSSYCGAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAEYRGSSCDAESGYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号334(AS15883 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLMESGGGSVQAGGSLTLSCAASVFTDSNYCMAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAGYRGSSCDADSGYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号335(AS15892 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QIQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGFTDSSYCGAWFRQVPGKEREGVAIIDRYGGTMYKDSVKGRFTISKDTAKNILYLQMNSLKLEDTAMYYCAAAEYRGSSCDAESGYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号336(AS15899 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAASGYTAGSLCMGWFRQAPGKEREGVAAIYTGGGSTYYADSVKGRFTISQDNAKNTVYLQMNSLKPEDTAQYYCGAGSREDYCDRGYIYDHWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号337(AS17049 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVKLVESGGGSVQAGGYLRLSCAASGDTNNLNFRGWFRQAPGKEREGVAVITHSGSTYYAESVKGRFTISQDLAKNTMYLQMNSLKPEDTAMYYCAAADVWRISWSFVPELFSYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号338(AS17118 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAGSGFTFNNYAMGWFRQAPGKEREGIAGIWTGGGSTYYADSVKGRFTISEDVAKNTVYLQMDSLKPEDTAMYYCAAERWDYSDWRRLKRGDYNYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号339(AS24984 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLMESGGGSVPSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINMDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLHLQMNTLRPDDTAMYYCAYDRSQCYVLSDRLRLPGTFSDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号340(AS25037 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLAESGGGSVQAGGSLKLSCLASQWISSDCGMAWYRQAPGKERELVSRISSDDTTTYADSVKGRFTISQDSAKNTLYLQMNKLKTEDTGVYYCAAEAKSTITSLCYPLNYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号341(AS25064 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLTCAATGYSWRPDCMGWYRQAAEKEREGVAVIDADGITSYADAAKGRFTISRDNNKITLYLQMLKPDDTGMYVCVVGWRVSSGGNCQFNDYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号342(AS25067 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLMESGGGAVQTGGSLRLSCAVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVTTIFANTGSARYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSVKLDDTGTYYCAARFTGGDCFDHQPLAWRFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号343(AS25071 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLAESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTAYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRSQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号344(AS25115 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLVESGGASVQAGGSLRLSCAATAYTASNYCMGWFRQSPGKEREAVASINDDGVTSYADSVKGRFTISQDSAKKTLYLQMNRLKPEDTAMYYCAATPDGYCYAERLSRWRYEFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号345(AS25117 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLAESGGGSVQAGGSLRLSCVISGTSISPDCMGWFRQAPGKKREAVMSIFTNTGSTRYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSLKLDDTATYYCAARYTGGDCFNLEPLAWRFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号346(AS25119 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGPLRLTCAATGYSWRPDCMGWYRQAAEKEREGVAVIDADGITSYADAAKGRFTISRDNNNITLYLQMLKPDDTGMYVCVIGWRVSSGGNCQFNDYWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号347(AS25149 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQSGGSLKLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDAAMYYCAYDRNQCYVLLDRLRLPGTFSDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号348(AS25156 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTRYSDSVQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDCSQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号349(AS25164 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGSVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYNRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINSDGHTTYGDSVQGRFIISQDKAKNTLDLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRNQCYVLRDRLRLPDTFTDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号350(AS25170 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVKLVESGGGLVQSGGSLRLSCAVSGSGYSYSRGCFAWFQQRPGKEREGVAIINMDGHTMYSDLAQGRFIISQDKAKNTLYLQMNSLKPDDTAMYYCAYDRDQCYVLRDRLRLPDTFNDWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号351(AS25222 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QIQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVTGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTASTRYGDSVKGRFTSSQGNGKNTLYLQMDSLNVDDTATYYCAARYTGGNCFNLEPLAWHFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号352(AS25396 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVHLMESGGGSVQAGGSLRLSCVVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTRRTRYGDSVKGRVTSSQGNAKNTLYLKMDNLRHDDTATYYCAARYTGGDCFNLDPLSWRFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号353(AS25457 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAVSGISISPDCMGWFRQAPGKKREAVATIFTNTRSTRYGDSVKGRFTSSQGNAKNTLYLQMDSLKLDDTATYYCAARYTGGDCFNLEPVAWRFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号354(AS25487 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSVWSMSWVRQAPGEGLEWVSTITGSGAQTYYASSVRGRFTTSRDNAKNTVYLQMNSLKSDDTAVYYCERGNGQTAMEALINPPERPGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号355(AS25095 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGLMQPGGSLRLSCAASGFTFSSYWMYWVRQAPGKGLEWVSVINRAGDSAWYADSVTGRFTISRDNAKNTVYLQMDSLKPEDTAMYYCAADSRGYGGDWYKLLSDFNYCGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号356(AS25435 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
QVQLVESGGGSVQAGGSLRLSCAATAYTASFYCMGWFRQAPGKEREAVASINDDGVTMYADSVKGQFTISQDSATKTLYLQMNRLKPEDTAMYYCAATPEGYCYAERLSTWRYTFWGQGTQVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号357(AS15193VH8 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGLEGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号358(AS15193VH8M1 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGLEGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNSKNTVYLQMNSLRAEDTAVYYCAADLREGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号359(AS15193VH18 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGREGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLRPEDTAVYYCAADLRDGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号360(AS15193VH18M1 HCAbアミノ酸配列;CDRは下線付き、リンカーは太字)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAVSGNIYNRNFMGWFRQAPGKGREGVSAIYTGTSRTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNSLRPEDTAVYYCAADLREGFWDTGVWNTWGQGTLVTVSSESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号361(ヒトPD-1アミノ酸配列、リーダーペプチドを除く)
PGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLVVGVVGGLLGSLVLLVWVLAVICSRAARGTIGARRTGQPLKEDPSAVPVFSVDYGELDFQWREKTPEPPVPCVPEQTEYATIVFPSGMGTSSPARRGSADGPRSAQPLRPEDGHCSWPL
配列番号362(ヒトPD-1アミノ酸配列の細胞外ドメイン)
PGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLV
配列番号363(IgG4 Fcアミノ酸配列)
APEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号364(IgG1不活性Fcアミノ酸配列)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYASTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号365(IgG1 Fcアミノ酸配列)
APELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号366(ヒトアクセプターアミノ酸配列)
QVQLVESGGGVVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMHWVRQAPGKGLEWVSVIYSGGSSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAK
配列番号367(ヒトIgG4(hIgG4)ヒンジアミノ酸配列)
ESKYGPPCPPCP
配列番号368(変異型ヒトIgG1(hIgG1)ヒンジアミノ酸配列)
EPKSSDKTHTSPPSP
配列番号369(ヒトIgG1(hIgG1)ヒンジアミノ酸配列)
EPKSCDKTHTCPPCP
配列番号370(リンカーペプチド(9GS)アミノ酸配列)
GGGGSGGGS
配列番号371(リンカーペプチドアミノ酸配列)
GGGGSGGGGSGGGGS
配列番号372(リンカーペプチドアミノ酸配列、nは少なくとも1つの整数)
(G)
配列番号373(リンカーペプチドアミノ酸配列、nは少なくとも1つの整数)
(GS)
配列番号374(リンカーペプチドアミノ酸配列、nは少なくとも1つの整数)
(GSGGS)
配列番号375(リンカーペプチドアミノ酸配列、nは少なくとも1つの整数)
(GGGS)
配列番号376(リンカーペプチドアミノ酸配列、nは少なくとも1つの整数)
(GGGGS)
配列番号377(抗TIGIT mAb tiragolumab重鎖アミノ酸配列)
EVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGKTYYRFKWYSDYAVSVKGRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVFYCTRESTTYDLLAGPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号378(抗TIGIT mAb tiragolumab軽鎖アミノ酸配列)
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQTVLYSSNNKKYLAWYQQKPGQPPNLLIYWASTRESGVPDRESGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYYSTPFTFGPGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号379(抗LAG-3 mAb relatlimab重鎖アミノ酸配列)
QVQLQQWGAGLLKPSETLSLTCAVYGGSFSDYYWNWIRQPPGKGLEWIGEINHRGSTNSNPSLKSRVTLSLDTSKNQFSLKLRSVTAADTAVYYCAFGYSDYEYNWFDPWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG
配列番号380(抗LAG-3 mAb relatlimab軽鎖アミノ酸配列)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSISSYLAWYQQKPGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTNLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号381(抗TIM-3 mAb MBG453重鎖アミノ酸配列)
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYNMHWVRQAPGQGLEWIGDIYPGQGDTSYNQKFKGRATMTADKSTSTVYMELSSLRSEDTAVYYCARVGGAFPMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号382(抗TIM-3 mAb MBG453軽鎖アミノ酸配列)
DIVLTQSPDSLAVSLGERATINCRASESVEYYGTSLMQWYQQKPGQPPKLLIYAASNVESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQSRKDPSTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号383(抗CTLA-4 mAbイピリムマブ重鎖アミノ酸配列)
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYTMHWVRQAPGKGLEWVTFISYDGNNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAIYYCARTGWLGPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
配列番号384(抗CTLA-4 mAbイピリムマブ軽鎖アミノ酸配列)
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVGSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGAFSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
配列番号385(抗PD-1 mAbペンブロリズマブ(IgG4 S228P)重鎖アミノ酸配列)
QVQLVQSGVEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMYWVRQAPGQGLEWMGGINPSNGGTNFNEKFKNRVTLTTDSSTTTAYMELKSLQFDDTAVYYCARRDYRFDMGFDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号386(抗PD-1 mAbペンブロリズマブ(IgG4 S228P)軽鎖アミノ酸配列)
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKGVSTSGYSYLHWYQQKPGQAPRLLIYLASYLESGVPARFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQHSRDLPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6-1】
図6-2】
図6-3】
図7-1】
図7-2】
図7-3】
図8-1】
図8-2】
図8-3】
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
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【配列表】
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