(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】缶およびボトル製造循環システムのための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20231016BHJP
B65G 47/86 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B21D51/26 J
B65G47/86 B
(21)【出願番号】P 2020561006
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(86)【国際出願番号】 US2019030464
(87)【国際公開番号】W WO2019213438
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-28
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ランディ・イー・ヨーダー
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ヤービー
【審査官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-532770(JP,A)
【文献】特開昭59-223623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0014281(US,A1)
【文献】特表2017-507786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
B65G 47/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を形成または処理するために使用される再循環システムを介して物品を移送するための装置であって、前記装置は、
物品と接触するよう構成された上部であって、前記上部は、第1の略中央開口部内に配置された駆動ナットを有し、前記上部は、複数の開口部をさらに含む、上部と、
第2の略中央開口部を有するハブ部分であって、前記ハブ部分は、前記ハブ部分から延在する複数の排出ピンをさらに含み、前記複数の排出ピンは、前記上部の前記複数の開口部のそれぞれ1つを通り延在するよう構成されて、前記ハブ部分が前記上部に摺動可能に結合される、ハブ部分と、
前記ハブ部分に回転可能に結合された外輪であって、前記外輪は、第1の複数のプロングおよび第2の複数のプロングを有し、前記第1および第2の複数のプロングは、半径方向外向きに延在し、前記第1の複数のプロングおよび前記第2の複数のプロング
は、略反対方向にオフセットされ、前記外輪は、半径方向内向きに突出し、第3の略中央開口部内に配置されたポストをさらに含む、外輪と、
前記第1、第2、および第3の
略中央開口部を通り延在する駆動ネジであって、前記駆動ネジは、ヘッドおよび略反対側のネジ付き端部を有し、前記ヘッドは、前記ポストに係合するよう構成され、かつ前記ネジ付き端部は、前記駆動ナットに係合するよう構成された、駆動ネジと、
を備える装置。
【請求項2】
前記上部および前記ハブ部分の間に配置された弾性装置をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記物品が磁気材料からなり、前記上部が前記物品を固定するために1または複数の磁石を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハブ部分がグリッパー装置をコンベヤに取り付けるための1または複数の取付機構をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ハブ部分が、略リング状部分およびそこから延在する略弧状部分を有する延長部を含み、前記延長部の外壁が前記外輪の内面に隣接する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ポストの上面が前記リング状部分の底部に隣接し、前記ポストの第1の側が、前記外輪が第1の方向に回転する場合に前記弧状部分の第1の端部に隣接するよう構成され、前記ポストの第2の対向側が、前記外輪が第2の方向に回転する場合に前記弧状部分の第2の対向端部に隣接するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記上部および前記ハブ部分が略円形であり、前記上部の外径が前記ハブ部分の内径より小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ハブ部分が、前記外輪を前記ハブ部分に軸方向に固定する可撓性の保持タブをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記上部が接触面の周囲から軸方向に延在するリムをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ハブ部分が、前記ハブ部分の上面の周囲から軸方向に延在する壁をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記上部は、各物品の周囲で開閉するよう構成された複数の作動フィンガーをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記作動フィンガーは、前記上部に結合され、各前記作動フィンガーの底部は、前記ハブ部分に形成されたそれぞれのハブ開口部内へ延在し、各前記作動フィンガーの上部は、略反対方向へ前記上部から離れるように延在し、前記ハブ開口部の底部は、前記ハブ開口部の上部よりも前記ハブ部分の中心近くに配置されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
処理される複数の物品を移送するための再循環システムであって、前記システムは、
プロセスラインを形成するように協調して配置された複数のラインスターホイールであって、各前記複数のラインスターホイールは、複数のスターホイールポケットを含む、複数のラインスターホイールと、
再循環ラインと、
を備え、前記再循環ラインとは、
コンベヤと、
前記コンベヤに結合された複数のグリッパー装置であって、前記複数のグリッパー装置は、前記複数の物品を前記再循環ラインに沿って固定および移送するよう構成され、各前記複数のグリッパー装置は、物品接触面を有する上部と、接触面を通る複数の開口部とを含み、各前記複数のグリッパー装置は、前記複数の開口部のそれぞれ1つを通り延在するよう構成された複数の排出ピンをさらに含み、各前記複数のグリッパー装置は、略半径方向外向きに延在する第1の複数のプロングおよび第2の複数のプロングを有する外輪をさらに含み、前記第1および第2の複数のプロングは、略反対方向にオフセットされ、前記外輪は、前記上部に対して回転可能である、複数のグリッパー装置と、
前記再循環ラインに沿った第1の位置に配置された第1のアクチュエータであって、前記第1のアクチュエータは、前記第1の複数のプロングと係合するように構成された第1の複数の歯を有して、前記複数の排出ピンが前記複数の開口部から延在するように前記外輪を第1の方向に回転させる、
第1のアクチュエータと、
前記再循環ラインに沿って第2の位置に配置された第2のアクチュエータであって、前記第2のアクチュエータは、前記第2の複数のプロングと係合するよう構成された第2の複数の歯を有して、前記複数の排出ピンが前記複数の開口部から引っ込むように前記外輪を第2の方向に回転させる、第2のアクチュエータと、
を含む、システム。
【請求項14】
前記グリッパー装置が前記上部および前記外輪の間に配置されたハブ部分をさらに備え、前記複数の排出ピンが前記ハブ部分に配置されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記上部は、前記ハブ部分に対して軸方向に移動可能であり、かつ略半径方向に固定され、前記外輪は、前記ハブ部分に対して略軸方向に固定され、かつ回転可能である、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記グリッパー装置が第1の端部およびネジ山を有する第2の端部を有する駆動ネジをさらに含み、前記上部は、略中央開口部内に配置された駆動ナットをさらに含み、前記駆動ネジの前記第1の端部は、前記外輪に結合され、前記駆動ネジの前記第2の端部は、前記駆動ナットに係合される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記上部は、各物品の周囲で開閉するよう構成された複数の作動フィンガーをさらに含み、前記作動フィンガーは、前記上部にヒンジ結合され、各前記作動フィンガーの底部は、前記ハブ部分に形成されたそれぞれのハブ開口部内へ延在し、各前記作動フィンガーの上部は、前記上部から離れるように略反対方向に延在し、前記ハブ開口部の底部は、前記ハブ開口部の上部よりも前記ハブ部分の中心近くに配置されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
プロセスラインを形成するように協調して配置された複数のラインスターホイールをさらに備え、各前記複数のラインスターホイールが複数のスターホイールポケットを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項19】
1または複数の前記ラインスターホイールの回転を駆動および同期するよう構成されたサーボモータをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項20】
物品を変化させる方法であって、
変化させる物品を複数のラインスターホイールに提供するステップであって、各前記複数のラインスターホイールは、複数のスターホイールポケットを含む、ステップと、
第1パス物品を形成するために、少なくとも1つの前記ラインスターホイールを用いて前記物品を変化させるステップと、
前記第1パス物品を再循環ラインのコンベヤに結合されたグリッパー装置に移送するステップであって、前記グリッパー装置は、伸長位置にあり、前記グリッパー装置は、物品接触面および接触面を通る複数の開口部を有する上部を含み、前記グリッパー装置は、前記複数の開口部のそれぞれ1つを通り延在するよう構成された複数の排出ピンをさらに含み、前記グリッパー装置は、略半径方向外向きに延在する第1の複数のプロングおよび第2の複数のプロングを有する外輪をさらに含み、前記第1および第2の複数のプロングは、略反対方向にオフセットされ、前記外輪は、前記上部に対して回転可能である、ステップと、
前記再循環ラインの経路に沿った第1のアクチュエータと接触するように前記再循環ラインに沿って前記グリッパー装置を動かすステップであって、前記外輪の各前記第1の複数のプロングが前記第1のアクチュエータの複数の歯のそれぞれ1つと係合する、ステップと、
前記第1のアクチュエータの前記複数の歯が前記グリッパー装置の前記第1の複数のプロングのそれぞれ1つと係合することに応じて、複数の排出ピンが前記グリッパー装置の前記接触面を通り延在するように、前記外輪を第1の方向に回転させるステップであって、前記排出ピンが前記第1パス物品の閉鎖底面を前記接触面から離れるように押して、前記物品が前記グリッパー装置から解放される、ステップと、
前記再循環ラインの経路に沿った第2のアクチュエータと接触するように前記再循環ラインに沿って前記グリッパー装置をさらに動かすステップであって、前記グリッパー装置の各前記第2の複数のプロングが前記第2のアクチュエータの複数の歯のそれぞれ1つと係合する、ステップと、
前記第2のアクチュエータの前記複数の歯が前記第2の複数のプロングのそれぞれ1つに係合することに応じて、前記外輪を第2の方向に回転させるステップであって、複数の排出ピンが前記グリッパー装置の前記接触面を通り引っ込められて、前記グリッパー装置が第2の物品を受け入れるように構成された伸長位置になる、ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年5月2日出願の米国仮特許出願第62/665810号及び米国特許出願第2019年5月1日号の優先権を主張し、これらの出願、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、飲料容器などの製品に関し、特に、製造中に容器を再循環させるための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ボトルおよび缶製造用の従来の機械配置は、通常、線形であり、一般に機械ラインと呼ばれる。つまり、すべての加工機および/または成形機を備えた機械ラインは、単一のラインで延びている。製品は、製造の望ましい段階を達成するために一度だけ機械ラインを通過する。このような「シングルパス」配置は、倉庫、工場、またはその他の場所で大量のスペースを占める可能性がある。建物はそのような複雑で長い機械の配置を収容するのに十分な大きさまたは長さではないことがある。たとえば、ボトルまたは缶の作業では、ネッキング、カーリング、拡張、トリミングなど、さまざまなタイプのプロセスをボトルまたは缶で実行する必要がある。各タイプのプロセスは、プロセス全体を十分に実行するために複数の機械を必要とする場合もある。たとえば、ネッキング作業では、特定の長さまたはサイズのボトルまたは缶を適切にネッキングするために、複数の機械で複数の動作が必要になる場合がある。従来のシングルパス構成の欠点は、目的の機能を実行するために機械ラインに複製または追加の機械を含める必要がある場合があり、これらの機械のコストと専有面積の両方が増加することである。
【0004】
機械の配置は、缶やボトルの一回の再循環を行うことが開発されている。このような配置では、缶またはボトルが機械ラインを1回通過した後、下流のポイントから排出し、缶またはボトルを上流のポイントに移送して機械に再装填し、機械ラインを2回通過する。つまり、再循環ループ内の機械ラインの各加工機または成形機は、製造の2つの異なる段階で缶またはボトルを受け入れる。機械ラインの1回目の通過では、各機械は、缶またはボトルに対して第1の作業を実行する。これらの作業により、製造の一段階で缶またはボトルが作成される。これらの缶またはボトルは、機械ラインを2回通過するために再循環される。2回目の通過では、各機械が缶またはボトルに対して2回目の作業を実行し、所望の製造段階の缶またはボトルが作成される。缶またはボトルは、その後の下流のシングルパス機械作業に渡され、機械ラインから排出されてさらに処理される。これらの機械配置は、シングルパスの対応物と比較して、ラインスターホイールの数が半分で、必要なプロセスステージの数を同じにする。これにより、一般的に専有面積が小さい一般的に低コストの機械が得られるが、機械のスループットが犠牲になる。このような2パスシステムでは、再循環ループによって受け取られる缶またはボトルは常に製造の同じ段階にある。
【0005】
このような2パスシステムは、単一段階容器のみが関与していることでポケット相関を必要としないので、非同期である。このようなシステムの非同期性により、缶やボトルが再循環のために間違った位置に配置される可能性があるため、複数の再循環の実行が妨げられる。このような不適切な配置は、衝突、詰まり、システムの下流に配送される不均一な製品、それらの組み合わせなどを引き起こす。
【0006】
2パス再循環は、典型的には、スターホイール(例えば、ネッカー)から容器を取り出すための真空ベルト技術を採用しながら、典型的にはネッカーに容器を再導入するために、従来の重力送り込みトラック技術を採用する。取り出しと再導入の間の輸送には、ランダムな蓄積輸送が使用されている。3パスを超えるマルチパス再循環ループを実装するには、再循環ループ全体で個別ポケット相関を維持する必要がある。輸送中のランダムな蓄積は、必要なポケット相関を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、個別の容器輸送システムの開発は、新たな容器処理機器およびハードウェアの必要性を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のいくつかの態様によれば、物品を形成または処理するために使用される再循環システムを介して物品を移送するための装置が開示されている。装置は、物品に接触するように構成された上部を含む。上部は、第1の略中央開口部内に配置された駆動ナットを有する。上部はさらに、複数の開口部を含む。装置は、第2の略中央開口部を有するハブ部分をさらに含む。ハブ部分は、そこから延びる複数の排出ピンをさらに含む。複数の排出ピンは、ハブ部分が上部にスライド可能に結合されるように、上部の複数の開口部のそれぞれ1つを通って延びるように構成される。この装置は、ハブ部分に回転可能に結合された外輪をさらに含む。外輪は、第1の複数のプロングと第2の複数のプロングとを有する。第1および第2の複数のプロングは、半径方向外側に延在し、略反対方向にオフセットされている。外輪はさらに、半径方向内側に突出し、第3の略中央開口部内に配置されたポストを含む。装置はさらに、第1、第2、および第3の開口部を通って延びる駆動ネジを含む。駆動ネジは、ヘッドと略反対側のネジ端部を有する。ヘッドは、ポストにかみ合うように構成され、ネジ端部は駆動ナットにかみ合うように構成されている。
【0009】
本開示のさらなる態様によれば、処理されている複数の物品を移送するための再循環システムが開示される。システムは、プロセスラインを形成するために協調して配置された複数のラインスターホイールを含む。複数のラインスターホイールのそれぞれは、その上に複数のスターホイールポケットを含む。このシステムは、コンベヤと、コンベヤに結合された複数のグリッパー装置とを含む再循環ラインをさらに含む。複数のグリッパー装置は、再循環ラインに沿って複数の物品を固定および移送するように構成される。複数のグリッパー装置のそれぞれは、物品接触面とそれを通る複数の開口部とを有する上部を含む。複数のグリッパー装置のそれぞれは、複数の開口部のそれぞれ1つを通って延びるように構成された複数の排出ピンをさらに含む。複数のグリッパー装置のそれぞれは、第1の複数のプロングと、そこから略半径方向外向きに延在し、略反対方向にオフセットされた第2の複数のプロングとを有する外輪をさらに含む。外輪は上部に対して回転可能である。再循環ラインは、再循環ラインに沿った第1の位置に配置された第1のアクチュエータをさらに含む。第1のアクチュエータは、第1の複数の歯を有するように構成され、第1の複数のプロングと係合して、複数の排出ピンが複数の開口部から延びるように外輪を第1の方向に回転させる。再循環ラインは、再循環ラインに沿った第2の位置に配置された第2のアクチュエータをさらに含む。第2のアクチュエータは、第2の複数の歯を有するように構成され、第2の複数のプロングと係合して、複数の排出ピンが複数の開口部から収縮するように外輪を第2の方向に回転させる。
【0010】
本開示のさらに別の態様によれば、物品を改変する方法が開示されている。この方法は、変化される物品を複数のラインスターホイールに提供するステップを含む。複数のラインスターホイールのそれぞれは、その上に複数のスターホイールポケットを含む。この方法はさらに、少なくとも1つのラインスターホイールを使用して物品を変化させて、第1パス物品を形成するステップを含む。この方法は、再循環ラインのコンベヤに結合されたグリッパー装置に第1パス物品を移送するステップをさらに含み、グリッパー装置は、伸長位置にある。グリッパー装置は、物品接触面とそれを通る複数の開口部とを有する上部を含む。グリッパー装置は、複数の開口のそれぞれ1つを通って延びるように構成された複数の排出ピンをさらに含む。グリッパー装置は、第1の複数のプロングと、そこから略半径方向外向きに延びる第2の複数のプロングとを有する外輪をさらに含む。第1および第2の複数のプロングは、概して反対方向にオフセットされている。外輪は、上部に対して回転可能である。この方法は、グリッパー装置を再循環ラインに沿って動かして、再循環ラインの経路に沿って第1のアクチュエータに接触させるステップをさらに含む。外輪の第1の複数のプロングのそれぞれは、第1のアクチュエータの複数の歯のそれぞれ1つと係合する。この方法は、第1のアクチュエータの複数の歯がグリッパー装置の第1の複数のプロングのそれぞれに係合することに応答して、複数の排出ピンがグリッパー装置の接触面を通って延びるように外輪を第1の方向に回転させるステップをさらに含む。排出ピンは、第1パス物品の閉じた底面を接触面から押しのけて、物品がグリッパー装置から解放されるようにする。この方法は、グリッパー装置を再循環ラインに沿ってさらに動かして、再循環ラインの経路に沿って第2のアクチュエータに接触させるステップをさらに含む。グリッパー装置の第2の複数のプロングのそれぞれは、第2のアクチュエータの複数の歯のそれぞれ1つと係合する。この方法は、第2のアクチュエータの複数の歯が第2の複数のプロングのそれぞれに係合することに応答して、グリッパー装置が第2の物品を受け入れるように構成された伸長位置にあるように複数の排出ピンがグリッパー装置の接触面を通って収縮するように、外輪を第2の方向に回転させるステップをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1a】一実施形態による、容器の複数のパスを実行するための再循環ラインを有する例示的なシステムの概略図を示す。
【
図1b】サーボモータを利用する再循環ラインの一部を示す。
【
図2】
図1aの例示的なシステムの一部からのラインスターホイールの概略図を示す。
【
図3a】
図1の例示的なシステム内のラインスターホイールと再循環ラインとの間のインターフェースの拡大図を示す。
【
図3b】
図1の例示的なシステム内のラインスターホイールと再循環ラインとの間のインターフェースの別の拡大図を示している。
【
図4a】本開示の一実施形態によるグリッパー装置の上面図である。
【
図4b】伸長位置における
図4aのグリッパー装置の側面図である。
【
図4c】伸長位置における
図4aおよび
図4bのグリッパー装置の斜視上面図である。
【
図4d】収縮位置における
図4a~
図4cのグリッパー装置の断面側面図である。
【
図4e】収縮位置における
図4a~
図4dのグリッパー装置の底面図である。
【
図4f】伸長位置における
図4a~
図4eのグリッパー装置の断面側面図である。
【
図4g】伸長位置における
図4a~
図4fのグリッパー装置の底面図である。
【
図5】一実施形態によるグリッパー装置の上部の分解図である。
【
図6】一実施形態による、排出点での再循環線の一部の斜視上面図である。
【
図7a】一実施形態によるグリッパー装置の格納を示す。
【
図7b】一実施形態によるグリッパー装置の格納を示す。
【
図7c】一実施形態によるグリッパー装置の格納を示す。
【
図8a】一実施形態によるグリッパー装置の伸長を示す。
【
図8b】一実施形態によるグリッパー装置の伸長を示す。
【
図8c】一実施形態によるグリッパー装置の伸長を示す。
【
図8d】一実施形態によるグリッパー装置の伸長を示す。
【
図9a】一実施形態による、「追跡」タイプ移送の移送ゾーンを示す。
【
図9b】一実施形態による、「引き抜き」タイプ移送の移送ゾーンを示す。
【
図10a】は、一実施形態によるグリッパー装置の斜視図を示している。
【
図11a】別の実施形態によるグリッパー装置の斜視図を示す。
【
図12a】別の実施形態によるグリッパー装置の斜視図を示す。
【
図13a】別の実施形態による、収縮位置にあるグリッパー装置の断面側面図を示す。
【
図13b】収縮位置における
図13aのグリッパー装置の断面斜視図を示す。
【
図14a】別の実施形態によるグリッパー装置の斜視図を示す。
【
図15】別の実施形態による、チェーン上に配置された複数のグリッパー装置の斜視図を示す。
【
図16a】さらに別の実施形態による、チェーン上に配置された複数のグリッパー装置の斜視図を示す。
【
図16b】カムアセンブリで使用される
図16aのグリッパー装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、特定の実施形態が、図面に例として示されており、本明細書で詳細に説明されているが、様々な修正および代替形態が可能である。ただし、本発明を開示された特定の形式に限定することを意図するものではなく、逆に、本発明の精神および範囲に含まれるすべての修正、同等物、および代替物を網羅することを意図することを理解されたい。
【0013】
本発明の態様は、単一の再循環ラインを使用して製造の種々の段階で物品を再循環させるという課題に対するものである。特に、再循環ラインは、複数のポケットを含み、各ポケットは、特定の異なる製造段階で物品を受け入れるように構成される。再循環ラインは、マルチパスプロセスを通じて物品を固定および移送するために、再循環ラインに沿って配置された複数のグリッパー装置をさらに含む。再循環ラインは、機械ラインと同期しているため、受け取った各物品は、機械ラインを再循環するときに正しいポケットに運ばれる。有利なことに、これにより、より少ないラインスターホイールで容器の製造が可能になり、シングルパスまたは2パス機械よりも専有面積が小さく、一般的に低コストの機械が得られる。
【0014】
図1~
図3は、物品110を形成するためのシステム100を示す。物品110は、缶、任意の適切な食品または飲料の容器、広口瓶、ボトル、または任意の他の適切な製造品であり得る。物品は、金属、金属合金、ポリマー、その他の適切な材料、またはそれらの組み合わせで形成することができる。各物品110は、閉鎖端の反対側に開放端を有し、開放端と閉鎖端とを橋渡しする少なくとも1つの側壁を有する。上部、蓋、または他のクロージャーは、システム100による作業中または後の段階で物品110に追加され得る。
【0015】
図1を参照すると、システム100は、送込みスターホイール102、複数のラインスターホイール104、再循環ライン106、および送出スターホイール108を含む。送込みスターホイール102は、形成される物品110を受け取り、一定の間隔で物品110をラインスターホイール104に供給する。図示の例では、送込みスターホイール102は、半回転あたり1つの物品110の速度で物品110をラインスターホイール104に供給する。
【0016】
ラインスターホイール104は、プロセスラインを形成するように協働して配置される。各ラインスターホイール104は、その上に複数のスターホイールポケット140を含む。図示の例では、各ラインスターホイール104は、その周囲に略一定の間隔で配置された10個のスターホイールポケット140を含む。各スターホイールポケット140は、それぞれの所定の製造段階で物品110を受け入れるように構成される。
【0017】
図1~
図3の再循環ライン106は、ヘッドプーリー162、テールプーリー164、コンベヤ166、および巻取機構168を含む。コンベヤ166は、ヘッドプーリー162とテールプーリー164との間を走る。コンベヤ166は、作業側166aと戻り側166bを有する。コンベヤ166の作業側166aは、テールプーリー164からヘッドプーリー162まで、矢印Bによって示される方向に移動する。コンベヤ166の戻り側166bは、ヘッドプーリー162からテールプーリー164まで、矢印Aで示される方向に移動する。コンベヤ166は、チェーン、ベルト、卓上チェーン、ローラーチェーンなどのように、物品を第1の場所から第2の場所に移動させるのに適した任意の機構であり得る。
【0018】
コンベア166は、その上に配置された複数のラインポケットセット170を含む。複数のラインポケットセット170のそれぞれは、複数の個別のラインポケット172a~dを含む。各ラインポケット172a~dは、製造の所定の段階で、下流のラインスターホイール104dから物品110を受け取り、受け取った物品110を上流のラインスターホイール104uに移送するように構成される。コンベヤ166が例えば卓上チェーンを使用する実施形態では、ラインポケット172a~dは、卓上チェーン上の指定された位置とすることができる。卓上チェーンは、コンベヤ166に対する物品の動きを阻止するのを助けるために、突起、延長部、ラグ、リップなどの突起を含むことができる。
【0019】
図示の実施形態では、送出スターホイール108を介してシステム100から下流に渡される前に、各物品110は、5回ラインスターホイール104を通過する。つまり、各物品は、4回循環される。これを達成するために、各ラインポケットセット170は、第1のラインポケット172a、第2のラインポケット172b、第3のラインポケット172c、および第4のラインポケット172dを含む。
【0020】
コンベア166は、ヘッドプーリー162および/またはテールプーリー164によって駆動される。物品110が詰まることなく、コンベヤ166とスターホイール104との間を通過することができるように、ヘッドプーリー162および/またはテールプーリー164の回転速度は、ラインポケット172a~dのそれぞれを、上流および下流のスターホイール104u、dのスターホイールポケット140のそれぞれ1つと適切に時間を合わせるように選択される。少なくとも1つの同期機構(図示せず)を使用して、ヘッドプーリー162の回転は、上流ラインスターホイール104uの回転と同期され、テールプーリー164の回転は、下流スターホイール104dの回転と同期される。機械ラインの各スターホイールは同期して回転するため、ヘッドプーリー162とテールプーリー164の回転も同期する。
【0021】
同期機構は、上流スターホイール104uとヘッドプーリー162の回転を同期させ、下流スターホイール104dとテールプーリー164の回転を同期させるために適した任意の機構とすることができる。いくつかの態様において、機械的リンケージは、ヘッドプーリー162およびテールプーリー164の回転を駆動および同期させるために使用され得る。例えば、ヘッドプーリー162は、ギアトレインまたはタイミングチェーンを使用して上流ラインスターホイール104uに機械的に連結され得、同様に、テールプーリー164および下流スターホイール104dは、ギアトレインまたはタイミングチェーンを使用して機械的に連結され得る。したがって、同期は、スターホイールのタイミングを、たとえば、中間送込みと中間排出に固定することによって実現される。
【0022】
いくつかの態様において、一つ以上のサーボモータ165(
図1B参照)は、ラインスターホイールの一つ又はそれ以上、例えば、ヘッドプーリー162およびテールプーリー164の回転を駆動および同期させるために使用され得る。サーボ駆動システムでは、機械駆動部との2点電子インターフェースが実装されている。
図1Bの実施形態では、例えば、エンコーダ169が、中間送込みまたは中間排出において出力シャフト167に取り付けられている。そのため、隣接するタレットと移送スターホイールは、物理的に接続されていないが、電子的手段を介して通信し、相互に同期して機能するようにする。サーボ駆動システムは、通常、機械駆動部の変動するバックラッシュを自己補償する。いくつかの実施形態では、スプロケットシステムテンショナーは、バックラッシュ変動の吸収を提供する。機械は、中間送込みと中間排出でのスターホイールのデジタルタイミングによって同期される場合がある。
【0023】
いくつかの態様では、コンベヤ166は、コンベヤ166の作業側166A及び/又は戻り側166Bに配置されたプーリーによって駆動されてもよい。コンベヤ166は、例えば、より短いシステムまたはタイミングのわずかな変動を可能にするように設計されたシステムにおいて、同期メカニズムとして使用され得ることが企図される。
【0024】
巻取機構168は、コンベア166に張力をかけ、コンベヤ166の作業側166aが移動する直線距離を調整することができる。これは、温度変化、製造公差、ロット間のばらつき、セクション間の違い、摩耗、チェーン張力の伸び、それらの任意の組み合わせなどによる長さまたはピッチのばらつきを補正するために使用できる。図示の実施形態では、巻取機構168は、第1の巻取アイドラー168aがコンベヤ166の作業側166aに張力をかけ、第2の巻取アイドラー168bがコンベヤ166の戻り側166bに張力をかける二重巻取機構である。いくつかの実施形態では、巻取アイドラー168a、bは、コンベヤ166に張力をかけるために直線的に移動する(例えば、図示の実施形態では、上向きまたは下向きに移動する)。いくつかの実施形態では、巻取アイドラー168a、bは、コンベヤ166に張力をかけるために軸を中心に旋回するように取り付けられている。例えば、巻取アイドラー168aは、旋回軸の遠位にあるアームの第1の端部に配置することができる。アームおよび巻取アイドラー168aが軸を中心に旋回すると、巻取アイドラー168aは、コンベヤ166の張力を増加または減少させるように、コンベヤ166によって移動される直線距離を調整する。巻取機構168は、図示された数よりも少ないまたは多い数のプーリーまたはスプロケットで達成され得ることが企図される。例えば、再循環ライン106は、4つのプーリーのみ、6つのプーリーのみ、または他の適切な数のプーリーを含むことができる。
【0025】
ラインスターホイール104が略直線配置で配置され、再循環ラインが、上流および下流ラインスターホイール104u、d上で同じ相対的な方向で物品110を移送する場合、再循環ライン106は、物品110をフェイズシフトしなければならない。すなわち、コンベヤ166の作業側166aは、第1のラインポケットセット170のラインポケット172a~dが上流ラインスターホイール104uにnパス物品110を置き、第2のラインポケットセット170のポケット172a~dが下流ラインスターホイール104からmパス物品110を受け取とるように直線距離を移動しなければならない。ここで、m=n+1である。このようなフェイズシフトの一例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2016/0361750号に記載されている。例えば、テールプーリー164に配置されたラインポケットセット170の第2のラインポケット172bが下流ラインスターホイール104dから第2パス物品112bを受け入れると同時に、ヘッドプーリー162に配置されたラインポケットセット170の第1のラインポケット172aは、上流ラインスターホイール104uの第2パススターホイールポケット140に第1パス物品112aを置く。有益なことに、巻取機構168を使用して、コンベヤ166の作業側166aが移動する距離を動的に調整することができる。このような動的調整は、再循環ライン106と複数のラインスターホイール104との同期を維持しながら、例えば、コンベヤ166の加熱または通常の摩耗またはコンベヤピッチ距離の他の不一致によって発生する可能性のある伸長を補償するために使用することができる。
【0026】
図2を参照すると、複数のラインスターホイール104の一部が示されている。図示の実施形態では、複数のラインスターホイール104のそれぞれは、その上に10個のポケット140を含む。ただし、ラインスターホイール104は、任意の適切な数のポケットを含み得ることが企図されている。10個のスターホイールポケット140のそれぞれは、所定の製造段階の物品110を受け入れるように構成される。図示の例では、複数のラインスターホイール104は、製造の5つの異なる段階の物品を受け取るように構成される。本明細書で使用する場合、複数のラインスターホイール104を最初に通過する物品110は、第1パス物品112aと呼ばれ、複数のラインスターホイール104を2回通過した1回目の再循環の物品110は、第2パス物品112bと呼ばれ、ラインスターホイール104を3回通過した2回目の再循環の物品110は、第3パス物品112cなどと呼ばれる。
【0027】
複数のラインスターホイール104を通過した場合、すべての第1パス物品112aは、各ラインスターホイール104の第一の所定のポケットと接触し、すべての第2パス物品112bは、各ラインスターホイール104の第2の所定のポケットと接触し、すべての第3パス物品112cは、各ラインスターホイール104の第3の所定のポケットに接触し、すべての第4パス物品112dは、各ラインスターホイール104の第4の所定のポケットに接触し、すべての第5パス物品112eは、各ラインスターホイール104の第5の所定のポケットに接触する。図示の実施形態の各ラインスターホイール104は、10個のスターホイールポケット140を含むので、各ラインスターホイール104は、それぞれのパスから物品を受け取るための2つのポケットを含む。それぞれのパスの2つのポケットは、互いに略反対側に配置されている。
【0028】
図2の複数のラインスターホイール104の図示された部分は、線形に交互配置に配置された成形スターホイール202a、bおよび移送スターホイール204a~cを含む。各ラインスターホイール104は、それぞれの中心軸を中心に回転する。方向矢印Dで示されるように、複数のスターホイール内の隣接するラインスターホイール104は、逆回転する。移送スターホイール204a~cは、変化作業を実行することなく、物品110を下流にロード、アンロード、および通過させるように構成される。
【0029】
成形スターホイール202a、bが成形タレット(図示せず)上に配置される。成形タレットは、物品110に対して任意の適切なタイプの成形作業またはプロセスを実行することができる。例えば、成形タレットは、ネッキング、カーリング、トリミング、ネジ切り、拡張、加熱、または他の適切なタイプの作業を実行することができる。成形スターホイール202a、bの隣接するスターホイールポケット140は、異なる動作を実行することができる。例えば、成形スターホイール202a、bの第1のスターホイールポケット140内の物品110は、ネッキングステップを受けることができる一方、第1のスターホイールポケット140に隣接する成形スターホイール202の第2のスターホイールポケット140内の物品110は、拡張ステップを受けることができる。さらに、成形スターホイール202a、bの1つまたは複数のスターホイールポケット140は、物品110に対して変化作業を実行することなく、物品110を移送するように構成され得る。
【0030】
動作中、第1の移送スターホイール204aが、第1の移送スターホイール204aに隣接し下流にある第1の成形スターホイール202aに物品110を装填する。絶えず回転させながら第1の成形スターホイール202aは、物品110上への成形作業を行う。成形作業は、成形スターホイールの作動角度内で完了する。図示の例では、第1の成形スターホイール202aの作動角は、180°、または第1の成形スターホイール202aの2分の1回転である。他の作業角度を使用することも考えられる。第1の成形スターホイール202aに隣接し、その下流にある第2の移送スターホイール204bは、第1の成形スターホイール202aから物品110を降ろす。次に、第2の移送スターホイール204bは、物品110を、第2の移送スターホイール204bに隣接し、その下流にある第2の成形スターホイール202bに移送する。第2の成形スターホイール202bは、絶えず回転させながら、物品110に追加の成形作業を行う。第2の成形スターホイール202bに隣接して下流にある第3の移送スターホイール204cは、次に、物品110を第2の成形スターホイール202bから降ろし、物品110を下流に通過させて再循環および/またはさらなる成形作業を実行させる。
【0031】
一例として、システム100を介する単一の物品110の流路について説明する。
図3a~
図3bは、システム100内の複数のラインスターホイール104と再循環ライン106との間のインターフェースの拡大図を示す。送込みスターホイール102は、プリフォーム物品312と係合し、プリフォーム物品312を、複数のラインスターホイール104の上流ラインスターホイール104uの第1パススターホイールポケット140に送り込む。図示の例では、上流ラインスターホイール104uは、移送スターホイール204である。プリフォーム物品312は、複数のラインスターホイール104のそれぞれの対応する第1パススターホイールポケット140の間で渡される。ラインスターホイール104の第1パスポケット140のうちの少なくとも1つは、第1パス物品112aを形成するためにネッキング、拡張、トリミングなどの成形作業を適用する。下流ラインスターホイール104dに到達した後、第1パス物品112aは、第1ラインポケット172aによって受け取られる。第1パス物品112aは次いで、コンベア166の作業側166aに沿って搬送され、第1パス物品112aが1回目の再循環のために上流ラインスターホイール104uの第2パススターホイールポケット140内に置かれるようにフェイズシフトされる。このプロセスは、物品が第3パス、第4パス、および第5パスのスターホイールポケットのそれぞれを再循環して、それぞれのさらなる成形または処理作業を受けるまで続く。得られた第5パス物品112eは、下流ラインスターホイール104dに到達した後、送出スターホイール108によって受け取られる。次に、送出スターホイール108は、さらなる変化またはパッケージングのために、第5パス物品112eを下流プロセスに渡す。ただし、本明細書で企図されるパスの数は5つに限定されず、任意の適切な数のパスを使用できることに留意されたい。
【0032】
システム100の第1の巻取アイドラー168aおよび第2の巻取アイドラー168bは、再循環ライン106のモジュール化を可能にする。すなわち、上流ラインスターホイール104uと下流ラインスターホイール104dとの間のラインスターホイール104は、複数のモジュラーユニット内に収容することができる。モジュールがシステム100に追加されるか、またはシステム100から除去される場合、モジュール幅の約2倍に等しいコンベヤ166のセクションは、一般に、再循環ライン106に追加または除去される。第1の巻取アイドラー168aおよび第2の巻取アイドラー168bとは、適切な同期とフェイズシフトを維持しながらシステム100へのこれらのモジュールユニットの追加または除去に適応するように調整することができる。この構成可能性は、システム変更に関連するコストと時間を削減することにより、ユーザーに利益をもたらす。さらに、この構成可能性は、さまざまなシステムを提供するために必要なさまざまな部品の量を減らすことにより、製造業者に利益をもたらすものである。第1の巻取アイドラー168aおよび第2の巻取アイドラー168bは、コンベヤ166のセクションを追加または除去する必要なしに、少なくとも1つのモジュラーユニットの追加または削除に対応するように構成できることが企図される。
【0033】
図4~
図5を参照すると、マルチパスプロセス(
図1~
図3に示され、本明細書で記載されるものなど)を介して物品110を固定および移送するためのグリッパー装置200が示されている。上記のように、マルチパス再循環では、プロセス全体を通してポケット相関を維持する必要がある。したがって、例えば、ネッキングフロー段階nのポケットpから排出された物品は、ネッキングフロー段階n+1でポケットp+1へ再導入されなければならない。
【0034】
図4a~
図4hを参照すると、一実施形態によるグリッパー装置200が示されている。グリッパー装置200は、物品110の閉鎖端に接触(および保持/解放)するための上部205、ハブ部分208、上部205およびハブ部分208の間に配置された任意の弾性装置(例えば、ばね)217、プロング付き外輪212、および駆動ネジ216を含む。上部205、ハブ部分208、およびプロング付き外輪212は、略円形であり、駆動ネジ216を受け入れるためのそれぞれの略中央開口部213a、213b、213cを含む。上部205の中央開口部213aは、その中に取り付けられた、またはそれと一体の駆動ナット219(
図4fを参照)を含み、駆動ネジ216のネジ部分と嵌合するように構成される(以下でより詳細に説明する)。
【0035】
上部205はさらに、物品110の閉鎖端に接触する接触面230と、軸方向に接触面230の周囲から延びるリム232とを含む。リム232の内面232aは、物品110の側壁を取り囲むように構成される。物品110を上部205に固定するために様々な機構を使用することができ、これらに限定されないが、上部205上または内部に配置された磁石206(磁性金属物品に有用であり得る)、カム作動フィンガー、物品110およびリム232間の摩擦、真空、それらの組み合わせなどを含む。上部205はまた、底面(図示せず)から接触面230まで延びる複数の開口部231(
図4a、
図4c、
図4hを参照)を含む。図示の実施形態では、複数の開口部231は、一般に、上部205の周囲に沿って配置されている。しかし、複数の開口部は、上部205の他の適切な位置上/中に配置され得ることが企図される。
【0036】
グリッパー装置200のハブ部分208は、上面233と軸方向に上面230の周縁から延びる壁235を含む。ハブ部分208は、上部205の外径よりもわずかに大きい内径を有し、その結果、リム232の外面232bが壁235の内面235aに隣接するか、または略当接するように、上部205がハブ部分208によって受容され得る。ハブ部分208は、上面233から軸方向に上方に延びる複数の排出ピン236をさらに含む。排出ピン236のそれぞれは、軸方向並進移動のために上部205をハブ部分208にスライド可能に結合するために、複数の開口部231のそれぞれ1つによって受け入れられるように構成される。したがって、上部205は、軸方向に移動可能であり、ハブ部分208に対して略半径方向に固定されている。
【0037】
一実施形態によれば、ハブ部分208の底部237は、例えば、
図5に示されるように、そこから突出する延長部239を含む。延長部239は、壁235よりも小さい直径を有する略リング状部分239aと、リング状部分239aから延びる略弧状部分239bとを含む。延長部239は、ハブ部分208の軸方向位置(回転位置ではない)が一般に外輪212に対して固定されるように、外輪212に回転可能に結合されている。このように、外輪212は、概して、軸方向に固定され、ハブ部分208に対して回転可能である。いくつかの実施形態では、「釣り針スタイル」の可撓性保持タブを使用して、ハブ部分208を外輪212に軸方向に固定することができる。他の適切な結合機能もまたまたは代替的に使用され得ることが企図される。
【0038】
弧状部分239bは、(以下でより詳細に説明するように)再循環ラインのコンベア166へのグリッパー装置200の連結を支援するように構成された取付機構を含むことができる。図示の実施形態では、取付機構は、それぞれのピン218のネジ部分と嵌合するように構成されたネジ開口部241を含み、ピン218は、同様に、コンベヤ166の開口部を通って延びる。他の取付機構を使用することができ、および/または異なる数の取付機構(例えば、2つより多いまたは少ない)を使用することができることが企図される。
【0039】
外輪212は、外輪212の中心に向かって開口部213cを通る外輪212の側壁の内面214から半径方向内側に突出するポスト215を有する。ポスト215の長さは、弧状部分239bが干渉しないような長さである。すなわち、
図4dおよび
図4fに示すように、外輪212がハブ部分208に結合される場合、延長部239の外壁は、外輪212の内面210に隣接するか、または当接し、ポスト215の上面は、リング状部分239aの底部に隣接するか、または当接する。ポスト215の第1の側は、外輪212がハブ部分208に対して第1の方向に回転される場合に、弧状部分239bの第1の端部245aに隣接するように構成され、ポスト215の第2の側は、外輪212がハブ部分208に対して第2の方向に回転される場合に、弧状部分239bの第2の対向端部245bに隣接するように構成される。したがって、外輪212は、ハブ部分208の延長部239に回転的に結合され、回転運動は、弧状部分239bの端部245a、245bに接触するポスト215によって制限される。
【0040】
外輪212は、外輪212の側壁246から半径方向外向きに延び、一般的に反対方向にオフセットされている複数の収縮プロング238a-238cと、複数の伸長プロング242a-242dをさらに含む。図示された非限定的な実施形態を参照すると、例えば、各プロングは、長い側部243a、短い側部243b、および長い側部243aと短い側部243bとを橋渡しする傾斜部を含む(
図4cを参照)。伸長プロング242a~242dおよび収縮プロング238a~238cは、本質的に互いの鏡像であり、例えば、長い側部243aは、伸長プロング242a~242dの左側であり、長い側部243aは、収縮プロング238a~238cの右側である(またはその逆)。複数の収縮プロング238a~238cおよび伸長プロング242a~242dのそれぞれは、外輪212の円周の所定の範囲にわたって配置される。図示の実施形態は、3つの収縮プロング238a~238cおよび4つの伸長プロング242a~242dを含むが、外輪212は、任意の適切な数の収縮プロングおよび/または伸長プロングを含み得ることが企図される。示されている非限定的な実施形態では、収縮プロング238a~238cの円周方向の作用線は、伸長プロング242a~242dの円周方向の作用線とは異なる。伸長プロング242a~242dの角度作用の速度はより小さく、それにより、収縮および伸長中に上部205の等しい軸方向変位を達成するために追加のプロング(すなわち、242d)が必要である。
【0041】
駆動ネジ216は、遠位端225の略反対側に配置されたヘッド部分224と、ヘッド部分224から遠位端225(またはその一部)まで延びる側壁に沿ったネジ山227とを含む。図示の実施形態では、ヘッド部分224は、外輪212のポスト215と係合するように構成されたスロット226を含む。しかし、駆動ネジ216は、任意の適切な機構を使用して外輪212に結合され得ることが企図される。
【0042】
上述のように、駆動ネジ216の遠位端225は、上部205のそれぞれの開口部213a、b、c、ハブ部分208、および外輪212を通り受け入れられ、駆動ナット219の上部205と係合するように構成されている。図示の実施形態では、駆動ネジ216はまた、弾性装置234の略中央開口部217を通して受け入れられるように構成される(
図4hを参照)。駆動ネジ216が回転すると(それが結合されている外輪212の回転を介して)、駆動ナット219が変位し、円筒軸に沿ってハブ部分208および外輪212に対して上部205が軸方向に移動する。このように、外輪212/駆動ネジ216の回転は、高速双方向回転移動を双方向軸移動に変換することにより、収縮位置(
図4dを参照)から伸長位置(
図4fを参照)へ、またはその逆に軸方向移動をもたらす。
【0043】
図4dに示すように、グリッパー装置200が収縮位置にある場合、任意の弾性装置234が圧縮され、上部205とハブ部分208と外輪212との間の軸方向距離が減少する。言い換えると、収縮位置では、上部205は、ハブ部分208によって受け入れられるか、少なくとも部分的に囲まれ、その結果、上部205のリム232の外面232bは、ハブ部分208の壁235の内面235aに略当接する。グリッパー装置200が収縮位置に圧縮されると、排出ピン236は、上部205のそれぞれの開口部231を通って突出し、それによって、上部205の接触面230に隣接する物品110の閉鎖下端部を接触面230から離れるように押す。このように、物品110は、上部205から解放され、例えば、機械ラインまたは再循環ラインに送り返される。
【0044】
図4fに示されるように、グリッパー装置200が伸長位置にある場合、任の弾性装置234が、一般に減圧され(または一般に非圧縮)、上部205とハブ部分208と外輪212との間の軸方向距離が増加する。グリッパー装置200が伸長位置にある場合、排出ピン236は、一般に、上部205の開口部231を通って突出しない。したがって、伸長位置にある場合、上部205は、物品110の閉鎖端を受け入れて保持するように構成され、物品110は、排出ピン236によって妨害されない。
【0045】
図6~
図8を参照すると、1つの非限定的な実施形態による、物品110を機械ラインまたは再循環システムから排出し再導入するための再循環システムとともに使用される複数のグリッパー装置200が示されている。図示の実施形態では、各グリッパー装置200は、コンベヤ166に結合されている。排出および再導入ゾーンでは、グリッパー装置200は、機械ライン内のスターホイール202、204の回転と同期している。いくつかの実施形態では、複数のグリッパー装置200は、規則的な(または不規則な)間隔でコンベヤ166に結合されている。
【0046】
機械ラインから物品110の排出または再導入時には、グリッパー装置200は、延在する「歯」304a~cを有する収縮アクチュエータ304との収縮プロング238a~cの係合を介した駆動ネジ216の回転によって、スターホイールおよび対応するスプロケット306の90度の回転フェイズを通り収縮位置(
図4d参照)をとることができる。収縮アクチュエータ304は、再循環ライン内で略固定された位置にあり、グリッパー装置200が通過する「トンネル」を形成することができる。
【0047】
図7a~
図7cに示される実施形態では、スプロケット306およびそれに結合されたコンベヤ166は、矢印Cの時計回りの方向に移動する。グリッパー装置200の第1の収縮プロング238aは、収縮アクチュエータ304の第1の歯304aを「キャッチ」し、それにより、外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216を矢印Dの反時計回り方向に回転させる。スプロケット306が矢印Cの方向に動き続けると、第2の収縮プロング238bが第2の歯308bを捕捉し、それにより、外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216を矢印Dの方向にさらに回転させる(
図7bを参照)。スプロケット306が矢印Cの方向にさらに移動し続けると、第3の収縮プロング238cが第3の歯308cを捕捉し、それにより、外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216を矢印Dの方向にさらに回転させる(
図7cを参照)。駆動ネジ216の回転は、駆動ネジ216が上部205に結合された駆動ナット219と係合することにより、上部205を下方向に軸方向に収縮位置へ移動させる(
図4dを参照)。したがって、排出ピン236は、複数の開口部231を通ってさらに延在し、それによって、物品110の閉鎖底部を上部205から離れるように押す。このように、物品110は、機械ラインまたは再循環ラインに再導入され得る。
【0048】
図8a~dを参照すると、グリッパー装置200が再循環線に沿って移動し続けると、第2の複数の歯324a~dを有する伸長アクチュエータ320と係合する反対側の伸長プロング242a~dを介した駆動ネジ216の逆回転を介して、スターホイールおよび対応するスプロケットの次の90度回転フェイズを通り伸長される(
図6、8a~dを参照)。図示の実施形態では、スプロケット320およびそれに結合されたコンベヤ166は、矢印Eの反時計回り方向に移動する。第1の伸長プロング242aは、伸長アクチュエータ320の第1の歯324aを捕捉し、それにより、外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216を矢印Fの方向に回転させる。スプロケット322が矢印Fの方向に動き続けると、第2の排出プロング242bが第2の歯324bを捕捉し、それにより、外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216を矢印Fの方向にさらに回転させる(
図8bを参照)。スプロケット322をさらに動かすと、第3の排出プロング242cが第3の歯324cを捕捉し(
図8cを参照)、最後に、第4の排出プロング242dが第4の歯324dを捕捉し(
図8dを参照)、それにより外輪212およびそれに結合された駆動ネジ216が矢印Fの方向にさらに回転する。駆動ネジ216の回転は、駆動ネジ216が上部205に結合された駆動ナット219と係合して伸長位置になることにより、上部205を上方向に軸方向に移動させる(
図4c、4fを参照)。したがって、排出ピン236は、複数の開口部231からさらに収縮する。このように、
図8a~dに示される伸長サイクルの終わりに、グリッパー装置200は、物品110を受け入れるように構成され、例えば、物品110の閉鎖端は、排出ピン236によって妨害されることなく、上部205の接触面230に接触することができる。
【0049】
上記の90度フェイズ収縮とそれに続く90度フェイズ伸長により、リレーレース中にランナー間でバトンを渡すのと同様に、機械のスターホイールからチェーンに取り付けられたグリッパーへの物品110の段階的なマージ「チェイス」タイプの移送が提供される。例えば、
図9aに示されるように、移送は、約100度のスイープゾーンの間に発生する。グリッパーの正常な閉鎖とボトルの正確な配向は、約100度のスイープゾーンを通過するときに発生する。約100度の接線スイープゾーンでは、容器が機械のスターホイールから解放され、グリッパーと完全に噛み合うタイミングも発生する。約120rpmで回転する場合、移送には通常約139msかかる。さらに、再循環システムを備えたニュートラルモードに構成されたコンベヤ166を用いて、物品110は、成形機(例えば、ネッカー)から排出され、同じポケットに再導入され得る。ローラーがプラスワンピッチモードで構成されている場合、物品110は、ネッカーの後置のポケットに再導入され、それにより、進行的なネッキングが可能になる。スターホイールへの/スターホイールからの再循環システムへの/からの物品110の移送中のグリッパー装置200のこのような瞬間的な双方向作動は独特であり、いくつかの利点を提供する。たとえば、「チェイス」アクションによって与えられる余分な時間は、缶またはボトルのグリッパー装置への/からのスムーズな移動に影響を与え、それによって缶またはボトルの損傷および/または缶またはボトルの落下のリスクを低減する。
【0050】
本明細書に記載された実施形態とは異なり、既存の「引き抜き」タイプの方法は、一般に、チェーンの位置とスターホイールポケットの互いが通過する際に瞬時に達成される物品の完全移送(例えば、機械スターホイールから、グリッパーに搭載されたチェーンへ)が必要である。「引き抜き」の合計作動(収縮および伸長)サイクル時間は、「チェイス」の合計サイクル時間の約4分の1から8分の1である。
図9bの例示的な図に示されているように、「引き抜き」移送システムにおいて、移送は、機械スターホイールポケットとチェーン駆動スプロケットマウンタグリッパーとの間の約20度の接線方向のスイープゾーン(角度B)で発生する。約20度の接線方向のスイープゾーンを通過する間に、グリッパーを正常に閉じ、容器を正確に配向する必要がある。容器が機械のスターホイールから解放されるタイミングとグリッパーとの完全な係合も、約20度の接線方向のスイープゾーンで発生する必要がある。約120rpmで回転する場合、移送には通常約28msかかる。
【0051】
本開示によるさらなる非限定的なグリッパー装置の実施形態は、
図10~
図16に示されている。
図10~
図12は、3つの独立した「フィンガー」がマルチパート機構の一部として作動する(
図10~
図11を参照)例示的な装置、または2つの独立したフィンガーが単一部分のユニット化された機構の一部として作動する(
図12a~
図12c)例示的な装置を示す。
図13~
図14は、例示的なグリッパー装置を示している。
【0052】
図10a~
図10dを参照すると、一実施形態による第1の装置250が示されている。装置250は、マルチパート機構の一部であり、複数(例えば、3つ)の独立した作動フィンガー252a~252cを有する。フィンガー252a~252cは、略円筒形であり、その上にグリップパッド254を有し得るか、または物品110の保持を容易にするためのコーティングまたは処理を含み得る。フィンガー252a~252cは、任意の適切な形状および/またはサイズを有し得ることが企図される。装置250は、少なくとも1つの中実ピン256および保持クリップ257によってコンベヤ166に結合されている。
図10a~
図10dの装置250は、複数(例えば、3つ)のアクチュエータ258a~258cを含む。フィンガー252a~252cのそれぞれは、それぞれのアクチュエータ258a~258cに結合されている。したがって、アクチュエータ258a~258cがそれぞれのカム(例えば、
図10dに示される、内側カム259aおよび外側カム259b)との相互作用を介して係合されると、対応するフィンガー252a~252cは、それに応じて開閉し、それによってフィンガー252a~252cの間に配置された物品110を把持または解放する。カム259a、259bは、フィンガー252a~252cを略同時に開閉させて、物品110の位置が歪んだり、中心から外れたりしないようにするのを助けることができる。
図10dは、物品が装置250aに入るまたは装置250aから解放され得る拡張位置にある第1の装置250aと、物品110が装置250bによって保持される収縮位置にある第2の装置250bを示す。
図10a~
図10dの装置250は、軸方向の変位(つまり、z軸に沿った)を必要としない。そのため、作動はxy平面でのみ発生する。
【0053】
図11a~
図11cは、別の実施形態による第2の装置260を示している。
図11a~
図11cの装置260は、アクチュエータ268a~268cおよびそれに結合されたフィンガー262a~262cの形状がわずかに異なることを除いて、一般に、
図10a~10dのものと同様である。
図11a~
図11cの実施形態では、フィンガー262a~262cのそれぞれは、概して平坦であり、2つのグリップパッド264を含む。しかし、フィンガー262a~262cは、任意の適切な形状および/またはサイズを有し得、および/または任意の数のグリップパッドまたは物品の保持を容易にするためのコーティングまたは処理を含み得ることが企図される。
【0054】
図12a~
図12dを参照すると、一実施形態による、成形プラスチックグリッパーを利用する第3の装置270が示されている。装置270は、2つの独立した作動フィンガー272a~272bを含む単一部分のユニット化された装置であり得る。フィンガー252a~252cは、その上にグリップパッド274を有し得るか、または物品110を保持することを容易にするためのコーティングまたは処理を含み得る。容器273は、装置270が使用されている容器273の側壁の形状に概ね対応する、概して固定された表面275によってさらに支持される。例えば、
図12a~cの表面275は、湾曲しており、略弧状である。表面275はまた、V字形または別の適切な形状を有し得ることが企図される。
図12a、
図12cに示すように、表面275は、容器273の方向に軸方向に延在して、それをさらに支持することができる。装置270は、少なくとも1つの中実ピン276および保持クリップ(図示せず)によってコンベヤ166に結合されている。
【0055】
フィンガー272a、272bの各々は、それぞれのアクチュエータ278a、278bに結合されている。アクチュエータ278a~278bがそれぞれのカム(図示せず)との相互作用を介して係合されると、対応するフィンガー272a~272bがそれに応じて開閉し、それにより、フィンガー272a~272bの間に配置された容器273を把持または解放する。
【0056】
図12a~12cの装置270は、複数のリビングヒンジ279をさらに含む。アクチュエータ278a~278bがそれぞれのカム(図示せず)との相互作用を介して係合されると、対応するフィンガー272a~272bは、それぞれのリビングヒンジ279の屈曲を介して開閉する。カムは、容器273の位置が歪んだり中心から外れたりしないように、フィンガー272a~272bを略同時に開閉させるのを助けることができる。
図10~
図11に関して説明した装置250、260のように、
図12a~
図12cの装置270は、軸方向の変位(つまり、z軸に沿った)を必要としない。そのため、作動はxy平面でのみ発生する。したがって、アクチュエータ278a~278bがそれぞれのカム(例えば、
図12dに示される、内側カム271aおよび外側カム271b)との相互作用を介して係合されると、対応するフィンガー272a~272bは、それに応じて開閉し、それによって把持またはフィンガー272a~272bの間に配置された物品110を解放する。カム271a、271bは、フィンガー272a~272bを略同時に開閉させて、物品110の位置が歪んだり、中心から外れたりしないようにするのを助けることができる。
【0057】
図13a~
図13dを参照すると、別の実施形態によるグリッパー装置300が示されている。グリッパー装置300は、一般に、
図4a~
図4hのグリッパー装置200と同様であるが、
図13a~
図13dのグリッパー装置300は、複数の作動フィンガーを使用して、物品110を把持および解放する。このように、グリッパー装置300は、磁気機構が物品110を保持するのに十分でない非金属物品で使用されるように構成される。ただし、装置300は、金属製品にも使用できることが企図されている。
【0058】
図4a~
図4hのグリッパー装置200のように、グリッパー装置300は、物品110の閉鎖に接触する(および保持/解放する)ための上部305、ハブ部分308、上部305およびハブ部分308の間に配置された任意の弾性装置(例えば、ばね)317、プロング付き外輪312、および駆動ネジ316を含む。上部305、ハブ部分308、およびプロング付き外輪312は、略円形であり、駆動ネジ316を受け入れるためのそれぞれの略中央開口部313a、313b、313cを含む。上部305の中央開口部313aは、その中に取り付けられた、またはそれと一体の駆動ナット319を含む。駆動ナット319は、駆動ネジ316のネジ部分と嵌合するように構成される(
図4a~
図4hのグリッパー装置200に関して上でより詳細に説明されているように)。
【0059】
上部305は、物品110の閉鎖端に接触するための接触面330と、接触面330の周囲から軸方向に延びるリム332とを含む。上部305はまた、底面(図示せず)から接触面330に延びる複数の開口部331(
図13b、
図13dを参照)を含む。
【0060】
グリッパー装置300のハブ部分308は、上面333と軸方向に上面330の周縁から延びる壁335を含む。ハブ部分308は、上部305の外径よりわずかに大きい内径を有し、その結果、リム332の外面332bが壁335の内面335aに隣接するかまたは当接するように、上部305がハブ部分308によって受容され得る。ハブ部分308は、上面333から軸方向に上方に延びる複数の排出ピン336をさらに含む。排出ピン336のそれぞれは、軸方向並進運動のために上部305をハブ部分308にスライド可能に結合するために、複数の開口部331のそれぞれ1つによって受け入れられるように構成される。したがって、上部305は、軸方向に移動可能であり、ハブ部分308に対して略半径方向に固定されている。
【0061】
いくつかの実施形態において、ハブ部分308の底部337は、そこから突出する延長部339を含む。延長部339は、ハブ部分308の軸方向位置(回転位置ではない)が、
図5に関して上記で一般的に説明したように、外輪312に対して略固定されるように、外輪312に回転可能に結合される。このように、外輪312は、一般に、軸方向に固定され、ハブ部分308に対して回転可能である。他の適切な結合機能もまたまたは代替的に使用され得ることが企図される。
【0062】
いくつかの実施形態では、外輪312は、上述の外輪212と略同様である。例えば、外輪312は、上記のグリッパー装置200と同様の方法でハブ部分308と係合することができる。さらに、外輪312は、複数の格納プロング338a~338cおよび複数の伸長プロング342a~342dを含み得る。また、ハブ部分308および外輪312に対する上部305の円筒軸に沿った軸方向の動きは、グリッパー装置300から物品110を受け取り/把持および/または解放するために
図4a~
図4hのグリッパー装置200に関して同じまたは同様の方法で起こり得ることが企図される。
【0063】
図13a~dに示される一実施形態では、物品110は、物品110の周りで開閉するように構成された複数の作動フィンガー350を介してグリッパー装置300の上部305に固定される。作動フィンガー350は、上部305の上面330にヒンジで結合され、上部305の中心に向かって、および中心から離れるように半径方向に移動するように構成される。例えば、スライドカム機構など、ヒンジ以外の機構を使用して、作動するフィンガー350を動かすことができると考えられる。たとえば、スライド要素は、たとえば射出成形で使用されるサイドアクションカムと同様に、カムインおよびカムアウトすることができる。スライドカムの実施形態では、作動フィンガー350が単一のピボット点の周りに固定され、上部305内の移動カム経路に係合する代わりに、 例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,387,505号に記載されているように、フィンガーは、カム経路に、または上面330に取り付けられたカムに沿って、およびカム経路を介した別個の点で係合する。
【0064】
作動フィンガー350は、一般に形状が細長く、リム332と壁335と略平行に配置されている。具体的には、作動フィンガー350のそれぞれの上部352は、上部305から離れて略軸方向に延在し、作動フィンガー350のそれぞれの底部353は、ハブ部分308の上部333で形成されるそれぞれの開口部354内に略反対方向に延在する。
【0065】
ハブ部分308に形成された開口部354は、ハブ部308の上部333から下方にハブ部308の中心に向かって内側に延び、カムとして作用する。各作動フィンガー350の底部353は、装置300を作動させると、それぞれの開口部354の上部356に入る。したがって、各作動フィンガー350は、開口部354と嵌合し、カムフォロアとして機能する。したがって、グリッパー装置300が伸長位置にある場合(
図13c、13dを参照)、作動フィンガー350の底部353は、開口部354の上部356に接触し、それにより、作動フィンガー350の上部350を上部305の中心に向かって内側に傾斜させる。このように、作動フィンガー350は、物品110をグリッパー装置300上の所定の位置に保持するのを補助する。グリッパー装置300が収縮位置にある場合(
図13a、13bを参照)、作動フィンガー350のそれぞれは、一般に、作動フィンガー350の底部353が開口部354の底部358に接触するように、それぞれの開口部354内にある。これにより、作動フィンガー350の上部350が、上部305のリム332に向かって外側に傾斜する。このように、作動されたフィンガー350は、グリッパー装置300から物品110を解放するのを補助する。
【0066】
図14a~
図14cを参照すると、別の実施形態によるグリッパー装置370が示されている。グリッパー装置370は、非軸方向運動を利用して、複数のアーム372を動かして、物品110を保持および解放する。複数のアーム372が開位置にある場合、物品はそれらの間を通過することができ、複数のアーム372が閉鎖位置にある場合、アーム372は、物品110を所定の位置に保持するのを補助する。ラックアンドピニオン機構(
図14bを参照)を使用して、アーム372を動かすことができる。太陽歯車374は、1つまたは複数の外部アクチュエータ376を介して中心軸の周りを回転する。アーム372は、外部アクチュエータ376によって作動される。ピニオンラックに配置された遊星歯車378は、複数のアーム372を出し入れし、それにより、円運動を直線運動に変換する。
図14a~
図14cの実施形態は、中空ピンチェーンを利用し、それにより、グリッパー装置370は、ネジまたは他の適切な機構を使用してチェーンに結合される。
【0067】
中空ピンチェーンを利用する実施形態において、ポスト371は、突出して、ソケットヘッドキャップネジ373aおよびワッシャー373bがポストにねじ込まれる(
図10c、
図11c、及び
図14c参照)。ポスト371は、中空ピンチェーン377(
図15を参照)の開口部375を通って延在して、グリッパー装置をチェーン377に取り付けることができる。本明細書に記載の特定の実施形態は、中空ピン/中空ピンチェーンを利用するものとして説明されているが、中実ピン/保持ナクリップも使用でき、その逆も可能であると考えられる。
【0068】
図15の一実施形態を参照すると、カム作動用のグリッパー装置390が示されている。装置390は、単一部品機構の一部であり、複数(例えば、3つ)の独立した作動フィンガー392a~392cを有する。図示の実施形態では、フィンガー392a~392cは、略円筒形であり、その上にグリップパッド(図示せず)を有し得るか、または物品110の保持を容易にするためのコーティングまたは処理を含み得る。フィンガー392a~392cは、任意の適切な形状および/またはサイズを有し得ることが企図される。装置390は、外部リンクによってコンベヤ166に結合またはスナップフィットされる。装置390のアクチュエータアーム393がそれぞれのカムと相互作用すると、対応するフィンガー392a~392cがそれに応じて開閉し、それにより、フィンガー392a~392cの間に配置された物品110を把持または解放する。
図15の装置390は、軸方向の変位(すなわち、z軸に沿った)を必要としない。そのため、作動はxy平面でのみ発生する。
【0069】
図16a~
図16bの一実施形態を参照すると、カム作動用の例示的なグリッパー装置400a、400bが示されている。第1のグリッパー装置400aは、一対の凹状アーム395aを含み、第2のグリッパー装置400bは、一対の凸状アーム395bを含む。凹状および凸状のグリッパー装置395a、395bのそれぞれは、一般的に交換可能に使用され得ることが企図される。グリッパー装置395a、395bは、
図16bに示されるように、カム394とインターフェース接続されるローラー393を含み、これにより、ローラー393およびそれに接続された一対のアーム395が変位する。この変位により、ローラー393の変位およびその相対方向に応じて、接続されたアーム395の端部に配置されたグリップパッド396が開閉する。
【0070】
上述したシステム100は、10つのポケットを有する成形スターホイール含むが、他の数のポケットを使用することができる。このようなシステムで可能な再循環の数は、成形スターホイールのポケットの数によって決まる。つまり、パスの数はスターホイールポケットの数の因子である。たとえば、10ポケットのラインスターホイールを備えたシステムは、ラインスターホイールを通る1、2、5、または10回のパスに対応できる。別の例では、12ポケット形成スターホイールを備えたシステムは、ラインスターホイールを通る1、2、3、4、6、または12回のパスに対応できる。
【0071】
物品の所望の変化を達成するために必要とされるステージの数は、一般に一定であるので、単一のシステムによって実行されるパスの数を増やすことは、ラインスターホイールの総数を減らすことを可能にする。たとえば、シングルパスシステムでは、所望の変化を実現するために50ラインのスターホイールが必要な場合がある、5パスシステムでは同じ変化を実現するために10ラインのスターホイールのみが必要となる。特定の処理または機械の制限により、必要なスターホイールの最小数がわずかに増える可能性があると考えられる。一部のシステムは、単一ラインのスターホイールのみを使用し、スターホイールのポケット間で物品を再循環させることができることがさらに企図されている。
【0072】
上述したシステム100は、ラインスターホイール104の略直線状の構成を含むが、異なる構成が使用されてもよいことが企図される。例えば、いくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0212393号、米国特許出願公開第2010/0212394号、及び/又は米国特許出願公開第2013/0149073号に記載されているように、ラインスターホイール104は、非線形構成で配置されている。
【0073】
上述したシステム100は、物品110をフェイズシフトするために作業側166aによって進む直線距離を制御するが、異なる方法が使用されてもよいことが企図される。
【0074】
上述のシステム100は、スターホイール202a、bが略水平に配置されている軸を有するように構成されるが、スターホイール202a、bは、略垂直に配置された軸を有するように配向されてもよいことが企図される。同様に、上記の再循環ライン166は、概して垂直面に向けられているが、再循環ライン166は、水平面に沿って向けられ得ることが企図される。さらに、上記の再循環ライン166は、概して2次元に沿って移動するが、再循環ライン166は、3次元を移動することができると考えられる。有利には、3次元を進むことにより、機械ラインによって占有される全体的なスペース(例えば高さ)を低減することができる。
【0075】
上述したシステム100は、スターホイールポケット140の直列配置を含むが、先行パスポケットが後続のパスポケットに隣接していないといった他の構成が使用されてもよいことが企図される。
【0076】
これらの各実施形態およびその明白な変形は、以下の請求項に記載されている請求された発明の精神および範囲内に収まるものとして企図されている。さらに、本概念は、前述の要素および態様のありとあらゆる組み合わせおよびサブ組み合わせを明示的に含むものである。
【符号の説明】
【0077】
100 システム
102 スターホイール
104 ラインスターホイール
104u 上流ラインスターホイール
104d 下流ラインスターホイール
106 再循環ライン
108 送出スターホイール
110 物品
140 スターホイールポケット
162 ヘッドプーリー
164 テールプーリー
165 サーボモータ
166 再循環ライン、コンベヤ
166a 作業側
166b 戻り側
168 巻取アイドラー
170 ラインポケットセット
172a~d ラインポケット
200 グリッパー装置
202 成形スターホイール
204 移送スターホイール
205 上部
208 ハブ部分
210 内面
215 ポスト
216 駆動ネジ
217 弾性装置(ばね)
219 駆動ナット
230 接触面
231 開口部
236 排出ピン
238 収縮プロング
239 延長部
242 伸長プロング
252 作動フィンガー
258 アクチュエータ