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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置の検査方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231016BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20231016BHJP
   H01L 21/677 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
H01L21/66 J
H01L21/302 101G
H01L21/68 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021048143
(22)【出願日】2021-03-23
(65)【公開番号】P2022147049
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2022-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉森 大晃
(72)【発明者】
【氏名】嘉瀬 慶久
(72)【発明者】
【氏名】中澤 和輝
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-179528(JP,A)
【文献】特開2013-179309(JP,A)
【文献】特開2003-017478(JP,A)
【文献】特開2004-197196(JP,A)
【文献】特開2008-192828(JP,A)
【文献】特開2007-142284(JP,A)
【文献】特開2001-345279(JP,A)
【文献】特開2007-186757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
H01L 21/3065
H01L 21/677
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧よりも減圧された雰囲気を維持し、処理物を内部に載置可能な第1のチャンバと、
前記第1のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第1の排気部と、
前記第1のチャンバの内部にプラズマを発生可能なプラズマ発生部と、
前記第1のチャンバの内部であって、前記プラズマを発生させる領域に、プロセスガスを供給可能な第1のガス供給部と、
ゲートバルブを介して、前記第1のチャンバと接続され、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な第2のチャンバと、
前記第2のチャンバの内部に設けられ、前記第1のチャンバとの間で、前記処理物を搬送可能な搬送部と、
前記第2のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第2の排気部と、
前記第2のチャンバの内部に、ガスを供給可能な第2のガス供給部と、
前記搬送部、前記第2の排気部、および前記第2のガス供給部を制御可能なコントローラと、
を備えたプラズマ処理装置の検査方法において、
前記第2のチャンバから前記第1のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、
前記搬送部による前記第1のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、
前記検査用ウェーハが搬入された前記第1のチャンバ内でプラズマ処理を行う工程と、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、
前記搬送部による前記第2のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、
前記第2のチャンバから搬出された前記検査用ウェーハに付着したパーティクルを測定する工程と、
を含む第1のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置の検査方法。
【請求項2】
外部から前記第2のチャンバへ、ロードロック部を介して前記検査用ウェーハを搬送する際に、前記第2のチャンバへ前記ガスを供給して所定の減圧状態とした後、前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送する工程と、
を更に有する請求項1に記載のプラズマ処理装置の検査方法
【請求項3】
外部から前記第2のチャンバへ、ロードロック部を介して前記検査用ウェーハを搬送する際に、前記第2のチャンバへ前記ガスを供給して所定の減圧状態とした後、前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送する工程と、
前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送した後、前記検査用ウェーハを前記第2のチャンバへ留める工程と、
前記検査用ウェーハを前記第1のチャンバへ搬送すること無く、第2のチャンバから前記ロードロック部へと搬送する工程と
前記検査用ウェーハに付着したパーティクルを測定する工程と、を含む第2のパーティクル測定工程を更に有する請求項1に記載のプラズマ処理装置の検査方法。
【請求項4】
前記第1のパーティクル測定工程を実施し、パーティクルが検出されたなら、前記第2のパーティクル測定工程を実施する請求項3に記載のプラズマ処理装置の検査方法。
【請求項5】
前記第2のパーティクル測定工程を実施し、パーティクルが検出されなかったら、前記第1のパーティクル測定工程を実施する請求項3に記載のプラズマ処理装置の検査方法。
【請求項6】
前記ガスを供給することで、前記第2のチャンバの内部の圧力を、5×10-3Pa以上にする請求項1~5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プラズマ処理装置の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマを利用したドライプロセスは、例えば、微細構造体を製造する際に活用されている。例えば、半導体装置、フラットパネルディスプレイ、フォトマスクなどの製造においては、エッチング処理、アッシング処理、ダメージの除去などの各種のプラズマ処理が行われている。
【0003】
この様なプラズマ処理を行うプラズマ処理装置には、例えば、処理物にプラズマ処理を施すプロセスチャンバ、ゲートバルブを介して、プロセスチャンバと接続されたトランスファチャンバ、トランスファチャンバの内部に設けられ、プロセスチャンバとの間で、処理物を搬送する搬送ロボットなどが設けられている。また、トランスファチャンバ内を減圧雰囲気に維持するために、ゲートバルブを介してトランスファチャンバと接続されたロードロックチャンバが設けられる場合もある。
【0004】
前述のプラズマ処理装置では、プロセスチャンバ内においてプラズマ処理を行う。プラズマ処理を繰り返し行っていると、プラズマ処理によって生成された反応生成物に由来するパーティクルが発生するおそれがある。発生したパーティクルが処理物の表面に落下して処理物の表面に付着すると、歩留まりの低下を招く。
【0005】
また、パーティクルは、プロセスチャンバ内だけで発生するとは限らない。例えば、トランスファチャンバ内の搬送ロボットの動作によって発生したり、外部空間から処理物をロードロックチャンバ内に搬入する際に混入したり、チャンバ同士を接続するゲートバルブの開閉動作によって発生したりもする。
【0006】
したがって、処理物を処理する前にパーティクルが発生していないかを確認してから処理を開始する必要がある。あるいは、パーティクルに起因する不良の発生が判明した場合、パーティクルがどのチャンバ内で発生しているかを突き止める必要がある。
そこで、処理室内の状態の検査を,製品用ウェーハとは異なる検査用ウェーハを検査対象の処理室に搬送して処理を施し,この検査用ウェーハ上のパーティクルを測定することによって,処理室内の状態を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
ところが、チャンバ内の状態を検査する際に、検査用ウェーハ上のパーティクルの測定が正確に行えない場合があった。
そこで、チャンバ内の状態を検査する際に、検査用ウェーハ上のパーティクルの測定を正確に行うことができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2006-179528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、チャンバ内の状態を検査する際に、検査用ウェーハ上のパーティクルの測定を正確に行うことができるプラズマ処理装置の検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係るプラズマ処理装置の検査方法は、
大気圧よりも減圧された雰囲気を維持し、処理物を内部に載置可能な第1のチャンバと、
前記第1のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第1の排気部と、
前記第1のチャンバの内部にプラズマを発生可能なプラズマ発生部と、
前記第1のチャンバの内部であって、前記プラズマを発生させる領域に、プロセスガスを供給可能な第1のガス供給部と、
ゲートバルブを介して、前記第1のチャンバと接続され、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な第2のチャンバと、
前記第2のチャンバの内部に設けられ、前記第1のチャンバとの間で、前記処理物を搬送可能な搬送部と、
前記第2のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第2の排気部と、
前記第2のチャンバの内部に、ガスを供給可能な第2のガス供給部と、
前記搬送部、前記第2の排気部、および前記第2のガス供給部を制御可能なコントローラと、
を備えたプラズマ処理装置の検査方法において、
前記第2のチャンバから前記第1のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、
前記搬送部による前記第1のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、
前記検査用ウェーハが搬入された前記第1のチャンバ内でプラズマ処理を行う工程と、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、
前記搬送部による前記第2のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、
前記第2のチャンバから搬出された前記検査用ウェーハに付着したパーティクルを測定する工程と、
を含む第1のパーティクル測定工程を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、チャンバ内の状態を検査する際に、検査用ウェーハ上のパーティクルの測定を正確に行うことができるプラズマ処理装置の検査方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係るプラズマ処理装置を例示するためのレイアウト図である。
図2】C1630の蒸気圧曲線である。
図3】処理部の一例を例示するための模式断面図である。
図4】受け渡し部を例示するための模式断面図である。
図5】第1のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置の検査時におけるガスの供給を例示するためのタイミングチャートである。
図6】第2のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置の検査時におけるガスの供給を例示するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するためのレイアウト図である。
プラズマ処理装置1の各部の詳細については、後述する。
まず、本発明者らは、プラズマ処理装置1を用いた実験により、以下のことを突き止めた。
すなわち、本発明者らは、前述のプラズマ処理装置1の内部におけるパーティクルの有無を確認した。より具体的には、本発明者らは、ロードロック部5、処理部6および受け渡し部7の各内部のパーティクルを検査用ウェーハ100aを用いて測定した。
【0014】
すると、受け渡し部7の内部にて検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数が処理部6の内部にて検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数よりも多い場合があった。通常、処理部6で付着するパーティクルの数が多くなる。処理部6の内部のパーティクルを測定する場合、検査用ウェーハ100aは、受け渡し部7の内部を通過する必要がある。つまり、受け渡し部7の内部においてパーティクルが発生していた場合、処理部6の内部のパーティクルを測定するのに用いた検査用ウェーハ100aにもパーティクルが付着するはずである。
【0015】
そこで、本発明者らは、受け渡し部7の内部のパーティクルの測定を更に複数回行った。すると、検査用ウェーハ100aに付着するパーティクルの数が処理部6よりも増加する場合と、増加しない場合があり、パーティクルの測定が正確に行えない場合があることを突き止めた。
【0016】
本発明者は、付着したパーティクルの数が増加した検査用ウェーハ100aについて鋭意調査した。すると、検査用ウェーハ100aの表面にウォーターマークが形成されていることを突き止めた。つまり、ウォーターマークがパーティクルとして認識され、カウントされてしまっていた。パーティクルがどこで発生しているかを突き止める際に、ウォーターマークがパーティクルと誤認されると、パーティクルが発生している箇所を正確に特定することができない。あるいは、メンテナンス不要の箇所のメンテナンスを実行して、装置の生産性を低下させてしまうおそれがある。
【0017】
そこで、本発明者らは、ウォーターマークの成分について調査を行った。すると、ウォーターマークの成分は、主にC1630であることを突き止めた。このC1630について、鋭意調査を行ったところ、ロードロック部5、処理部6および受け渡し部7の各内部にガスが流入するのを防ぐために用いられるシール部材の成分であることが判明した。
【0018】
図2は、C1630の蒸気圧曲線である。
1630は、Oリングなどのシール部材に多く含まれる成分である。
また、図2中の点B1、B2は測定値であり、図2中の点線は、点B1、B2に基づく近似曲線である。
【0019】
蒸気圧曲線の下側の領域では、C1630の成分が蒸発し易くなり。蒸気圧曲線の上側の領域では、C1630の成分が蒸発し難くなる。例えば、受け渡し部7の内部の温度が50℃とすると、受け渡し部7の内部における圧力の値が図2の蒸気圧曲線と50℃の目盛り線とが交差する圧力の値よりも低い値である場合、C1630の成分が蒸発し易くなる。反対に、受け渡し部7の内部における圧力の値が図2の蒸気圧曲線と受け渡し部7の内部の温度の目盛り線とが交差する圧力の値よりも高い値である場合、C1630の成分が蒸発し難くなる。
【0020】
つまり、受け渡し部7のパーティクル測定を行う場合、受け渡し部7の内部の圧力を、蒸気圧曲線の上側の領域となるようにすれば、シール部材の成分の放出を抑制することができる。
【0021】
ところで、処理部6の内部は、プラズマに曝されるため、処理部6は、80℃から100℃程度まで加熱される場合がある。上記のような場合、受け渡し部7は、処理部6と接続されているため、受け渡し部7の温度も50℃~70℃程度まで上昇する。
【0022】
図2の蒸気圧曲線によれば、処理部6の内部に処理物100が搬送された後に、受け渡し部7の内部の圧力を、5×10-3Pa以上とすれば、受け渡し部7の温度が50℃程度となったとしても、C1630の成分が蒸発するのを抑制することができる。
【0023】
ただし、プラズマ処理の種類や処理条件などによっては、受け渡し部7の温度がさらに高くなることが生じ得る。
本発明者らは検討の結果、受け渡し部7の内部の圧力を、1×10-1Pa以上とすれば、プラズマ処理の種類や処理条件などが変わったとしても、C1630の成分の蒸発をほぼ無くすことができるとの第1の知見を得た。
【0024】
ところで、処理部6で使用されるシール部材は、受け渡し部7で使用されるシール部材と同じである。また、処理部6の内部の圧力は、プラズマ処理を実施する以外の間、シール部材の成分が蒸発を生じ得る圧力に維持される。したがって、シール部材の成分が蒸発して、処理部6の内部に放出され、処理物100に付着するおそれがある。しかし、発明者が鋭意調査したところ、処理部6の内部で汚染物(蒸発したシール部材の成分)が付着する確率よりも、受け渡し部7の内部で汚染物が付着する確率の方が高かった。
【0025】
本発明者らは検討の結果、処理部6の内部には、プラズマ処理を実施するためにプロセスガスが導入されるため、汚染物(蒸発したシール部材の成分)が、プロセスガスと共に処理部6の内部から排出されているためと考察した。つまり、受け渡し部7の内部の圧力をシール部材の成分が蒸発し得る圧力以下としても、受け渡し部7の内部にガスを導入することで、汚染物(蒸発したシール部材の成分)が処理物100へ付着することを抑制できるという第2の知見を得た。
【0026】
本来ならば、前述の通り、搬送中も受け渡し部7の内部の圧力が蒸気圧曲線の上側の領域に含まれる圧力となっていた方がシール部材の成分の放出を抑制するためには好ましい。しかし、処理部6にて処理物100にプラズマ処理を行う場合、残留ガスの影響を取り除くため、処理部6内部の圧力が1×10-3Pa~5×10-3Paの間の圧力となってからプロセスガスを導入している。処理物100を処理部6に搬送する際に、受け渡し部7の内部の圧力が蒸気圧曲線の上側の領域に含まれる圧力(例えば、1×10-1Pa)となっていた場合、受け渡し部7から処理部6へとガスが流入し、処理部6の圧力が受け渡し部7の内部の圧力と同程度まで上昇してしまう。
【0027】
処理部6の圧力が蒸気圧曲線の上側の領域に含まれる圧力と同程度まで上昇してしまうと、圧力が規定の値まで下がるのを待つ時間が長くなり、処理部6の処理時間が長くなる。また、受け渡し部7の内部の圧力と処理部6の内部の圧力との差圧で、処理部6の内部でパーティクルが舞い上がるおそれもある。そのため、受け渡し部7と処理部6との間で処理物100の受け渡しを行う際には、受け渡し部7の圧力を一時的に蒸気圧曲線の下側の領域に含まれる圧力とする。
【0028】
本発明者らは、前述の第1の知見および第2の知見から、処理物100の搬送の前後に、受け渡し部7の内部の圧力を、蒸気圧曲線の上側の領域となるようにすれば、シール部材の成分の放出を抑制しつつ、汚染物(蒸発したシール部材の成分)が処理物100へ付着することを抑制できることを見出した。
【0029】
プラズマ処理装置1の検査を行う場合、処理物100をプラズマ処理装置1で実際に処理するのと同じ条件で検査を行った方が好ましい。本発明者らは、第1の知見および第2の知見からパーティクルの測定を正確に行う検査方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0030】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0031】
図1は、本実施の形態に係るプラズマ処理装置1を例示するためのレイアウト図である。 図1に示すように、プラズマ処理装置1は、例えば、コントローラ2、収納部3、搬送部4、ロードロック部5、処理部6、および受け渡し部7を有する。
【0032】
コントローラ2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、メモリなどの記憶部とを有する。コントローラ2は、例えば、コンピュータなどである。コントローラ2は、例えば、記憶部に格納されている制御プログラムに基づいて、プラズマ処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。
【0033】
収納部3は、例えば、処理物100を積層状(多段状)に収納する。収納部3は、例えば、いわゆるポッドや、正面開口式キャリアであるFOUP(Front-Opening Unified Pod)などである。ただし、収納部3は、例示をしたものに限定されるわけではなく、処理物100を収納することができるものであればよい。収納部3は、少なくとも1つ設けることができる。
【0034】
搬送部4は、収納部3と、ロードロック部5との間に設けられている。搬送部4は、収納部3とロードロック部5との間における処理物100の搬送と受け渡しを行う。この場合、搬送部4は、プラズマ処理を施す際の圧力よりも高い圧力(例えば、大気圧)の環境において、処理物100の搬送と受け渡しを行う。搬送部4は、例えば、処理物100を保持するアームを有する搬送ロボットである。
【0035】
ロードロック部5は、搬送部4と受け渡し部7との間に設けられている。ロードロック部5は、雰囲気の圧力が異なる、搬送部4と受け渡し部7との間で、処理物100の受け渡しを行う。そのため、ロードロック部5は、チャンバ51、排気部52、および、ガス供給部53を有する。
【0036】
チャンバ51は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ51の側壁には、処理物100の搬入と搬出を行うための開口が設けられている。また、開口を開閉するゲートバルブ51aが設けられている。チャンバ51は、ゲートバルブ51aを介して、受け渡し部7のチャンバ71(第2のチャンバの一例に相当する)に接続されている。
【0037】
排気部52は、チャンバ51の内部を排気して、チャンバ51の内部の圧力が、受け渡し部7のチャンバ71の内部の圧力と到達真空度が略同等となるようにする。排気部52は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)と、圧力制御部(APC:Auto Pressure Controller)などを有することができる。なお、到達真空度が略同等とは、チャンバ51の内部とチャンバ71の内部の圧力との到達真空度の差が5×10-2Pa以内である。
【0038】
ガス供給部53は、チャンバ51の内部にガスを供給して、チャンバ51の内部の圧力が、搬送部4の圧力と略同等となるようにする。供給されるガスは、例えば、空気や窒素ガスなどとすることができる。
【0039】
処理部6は、大気圧よりも減圧された雰囲気において、処理物100にプラズマ処理を施す。
処理部6は、例えば、プラズマエッチング装置、プラズマアッシング装置、スパッタリング装置、プラズマCVD装置などのプラズマ処理装置とすることができる。
この場合、プラズマの発生方法には特に限定はなく、例えば、高周波やマイクロ波などを用いてプラズマを発生させるものとすることができる。
ただし、プラズマ処理装置の種類やプラズマ発生方法は例示をしたものに限定されるわけではない。すなわち、処理部6は、大気圧よりも減圧された雰囲気において、処理物100にプラズマ処理を施すものであればよい。
【0040】
また、処理部6の数にも特に限定はない。処理部6は、少なくとも1つ設けられていればよい。処理部6を複数設ける場合には、同じ種類のプラズマ処理装置を設けることもできるし、異なる種類のプラズマ処理装置を設けることもできる。また、同じ種類のプラズマ処理装置を複数設ける場合には、処理条件がそれぞれ異なるようにすることもできるし、処理条件がそれぞれ同じになるようにすることもできる。
【0041】
図3は、処理部6の一例を例示するための模式断面図である。
図3に例示をする処理部6は、誘導結合プラズマ処理装置である。すなわち、高周波エネルギーにより励起、発生させたプラズマPを用いてプロセスガスGからプラズマ生成物を生成し、処理物100の処理を行うプラズマ処理装置の一例である。
【0042】
図3に示すように、処理部6は、例えば、チャンバ61(第1のチャンバの一例に相当する)、載置部62、アンテナ63、高周波電源64a、64b、ガス供給部65(第1のガス供給部の一例に相当する)、排気部66(第1の排気部の一例に相当する)などを備えている。
【0043】
チャンバ61は、例えば、有底の略円筒形状を呈し、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ61の上部には、透過窓61aが気密となるように設けられている。透過窓61aは、板状を呈し、高周波エネルギーに対する透過率が高く、プラズマ処理を行った際にエッチングされにくい材料から形成することができる。透過窓61aは、例えば、石英などの誘電体材料から形成することができる。
【0044】
チャンバ61の側壁には、処理物100の搬入と搬出を行うための開口61bが設けられている。また、開口61bを開閉するゲートバルブ61cが設けられている。チャンバ61は、ゲートバルブ61cを介して、受け渡し部7のチャンバ71に接続されている。
【0045】
載置部62は、チャンバ61の内部に設けられている。載置部62の上面には、処理物100が載置される。この場合、処理物100は、載置部62の上面に直接載置されるようにしてもよいし、図示しない支持部材などを介して載置部62に載置されるようにしてもよい。また、載置部62には、静電チャックなどの保持装置を設けることができる。
【0046】
アンテナ63は、チャンバ61の内部のプラズマPを発生させる領域に高周波エネルギー(電磁エネルギー)を供給する。チャンバ61の内部に供給された高周波エネルギーによりプラズマPが発生する。例えば、アンテナ63は、透過窓61aを介して、チャンバ61の内部に高周波エネルギーを供給する。
【0047】
高周波電源64aは、整合器64a1を介して、アンテナ63に電気的に接続されている。整合器64a1には、高周波電源64a側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合回路などが設けられている。高周波電源64aは、プラズマPを発生させるための電源である。すなわち、高周波電源64aは、チャンバ61の内部において高周波放電を生じさせてプラズマPを発生させるために設けられている。高周波電源64aは、100KHz~100MHz程度の周波数を有する高周波電力をアンテナ63に印加する。
本実施の形態においては、アンテナ63および高周波電源64aが、プラズマPを発生させるプラズマ発生部となる。
【0048】
高周波電源64bは、整合器64b1を介して、載置部62に電気的に接続されている。整合器64b1には、高周波電源64b側のインピーダンスと、プラズマP側のインピーダンスとの間で整合をとるための整合回路などが設けられている。高周波電源64bは、載置部62に載置された処理物100に引き込むイオンのエネルギーを制御する。高周波電源64bは、イオンを引き込むために適した比較的低い周波数(例えば、13.56MHz以下)を有する高周波電力を載置部62に印加する。
【0049】
ガス供給部65は、流量制御部65aを介して、チャンバ61の内部のプラズマPを発生させる領域にプロセスガスGを供給する。流量制御部65aは、例えば、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)などとすることができる。ガス供給部65は、例えば、チャンバ61の側壁であって、透過窓61aの近傍に接続することができる。
【0050】
プロセスガスGは、処理の種類や、処理物100の処理面の材料などに応じて適宜選択される。例えば、エッチング処理の場合には、反応性の高いラジカルが生成されるように、CFやCFなどのフッ素原子を含むプロセスガスGとすることができる。この場合、プロセスガスGは、例えば、フッ素原子を含むガスだけとすることもできるし、フッ素原子を含むガスと希ガスとの混合ガスとすることもできる。
【0051】
排気部66は、チャンバ61の内部を所定の圧力まで減圧する。排気部66は、例えば、ターボ分子ポンプ(TMP)とすることができる。排気部66は、圧力制御部66aを介して、チャンバ61の底面に接続することができる。圧力制御部66aは、チャンバ61の内部の圧力を検出する図示しない圧力計の出力に基づいて、チャンバ61の内部が所定の圧力となるように制御する。圧力制御部66aは、例えば、オートプレッシャーコントローラ(APC:Auto Pressure Controller)などとすることができる。
【0052】
処理物100にプラズマ処理を施す際には、排気部66によりチャンバ61の内部が所定の圧力にまで減圧され、ガス供給部65から所定量のプロセスガスG(例えば、CFなど)がチャンバ61の内部のプラズマPを発生させる領域に供給される。一方、高周波電源64aから所定のパワーの高周波電力がアンテナ63に印加され、電磁エネルギーが透過窓61aを介してチャンバ61の内部に放射される。また、処理物100を載置する載置部62には高周波電源64bから所定のパワーの高周波電力が印加され、プラズマPから処理物100に向かうイオンを加速させる電界が形成される。
【0053】
チャンバ61の内部に放射された電磁エネルギーによりプラズマPが発生し、発生したプラズマPにより、プロセスガスGが励起、活性化されて中性活性種、イオンなどのプラズマ生成物が生成される。そして、この生成されたプラズマ生成物が処理物100に供給されることで、処理物100にプラズマ処理が施される。
【0054】
なお、以上においては、処理部の一例として、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)処理装置を説明したが、処理部は、これらのプラズマ処理装置に限定されるわけではない。例えば、処理部は、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)処理装置(例えば、平行平板型RIE(Reactive Ion Etching)装置)などであってもよい。あるいは、マイクロ波励起型のプラズマ処理装置(例えば、リモートプラズマ装置(CDE装置)、SWP(Surface Wave Plasma:表面波プラズマ)装置)などであってもよい。なお、他のプラズマ処理装置の基本的な構成には、既知の技術を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0055】
次に、受け渡し部7について説明する。
図1に示すように、受け渡し部7は、処理部6とロードロック部5との間に設けられている。受け渡し部7は、処理部6とロードロック部5との間における処理物100の受け渡しを行う。
【0056】
図4は、受け渡し部7を例示するための模式断面図である。
なお、図4は、図1における受け渡し部7のA-A線断面図である。
図4に示すように、受け渡し部7は、チャンバ71、搬送部72、排気部73(第2の排気部の一例に相当する)、およびガス供給部74(第2のガス供給部の一例に相当する)を有する。
【0057】
チャンバ71は、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な気密構造を有している。チャンバ71は、ゲートバルブ61cを介して、チャンバ61と接続されている。
【0058】
搬送部72は、チャンバ71の内部に設けられている。搬送部72は、処理部6とロードロック部5との間において、処理物100の受け渡しを行う。例えば、搬送部72は、処理部6のチャンバ61との間で、処理物100を搬送(搬入、搬出)する。搬送部72は、例えば、処理物100を保持するアームを有する搬送ロボット(例えば、多関節ロボット)とすることができる。
【0059】
排気部73は、チャンバ71の内部を所定の圧力まで減圧する。排気部73は、例えば、圧力制御部66aを介して、チャンバ71の底面に接続することができる。
排気部73は、例えば、前述した排気部66と同様とすることができる。
圧力制御部66aは、チャンバ71の内部の圧力を検出する図示しない圧力計の出力に基づいて、チャンバ71の内部の圧力が所定の圧力となるように制御する。
【0060】
ここで、前述したように、プラズマ処理において用いられるプロセスガスGには、例えば、フッ素原子を含むガスのように反応性が高いものがある。反応性の高いガスが、処理部6のチャンバ61の内部から、受け渡し部7のチャンバ71の内部に流れると、反応性の高いガスが、チャンバ71の内部に露出している要素と反応して汚染物が発生するおそれがある。
【0061】
また、プラズマ処理の際に生じた副生成物が処理部6のチャンバ61の内壁や、チャンバ61の内部に露出している要素に付着している場合がある。そのため、処理部6のチャンバ61の内部から、受け渡し部7のチャンバ71の内部に向けて流れる気流が形成されると、処理部6のチャンバ61の内壁などから剥離した副生成物が、気流に乗って受け渡し部7のチャンバ71の内部に侵入するおそれがある。受け渡し部7のチャンバ71の内部に侵入した副生成物は、処理物100に対する汚染物となる。
【0062】
そのため、処理部6のチャンバ61に処理物100を搬入したり、処理部6のチャンバ61から処理物100を搬出したりする際には、排気部73とチャンバ71に取り付けられた圧力制御部66aとが協働して、チャンバ71の内部の圧力が、処理部6のチャンバ61の内部の圧力(例えば、プラズマ処理を施す際の圧力)と略同等となるようにする。例えば、処理部6のチャンバ61の内部の圧力は、1×10-3Pa~1×10-2Pa程度とすることができる。
【0063】
この場合、受け渡し部7のチャンバ71の内部の圧力を処理部6のチャンバ61の内部の圧力と略同等とは、チャンバ71の内部の圧力をチャンバ61の内部の圧力と同じ圧力からチャンバ61の内部の圧力と同じ圧力よりも5×10-2Paだけ高い圧力の範囲を意味する。この様にすれば、反応性の高いガスや副生成物が受け渡し部7のチャンバ71の内部に侵入するのを効果的に抑制することができる。
【0064】
なお、チャンバ71の内部の圧力を高くし過ぎると、チャンバ71から処理部6のチャンバ61に向かう気流により、チャンバ61の内壁に付着している副生成物が剥離したり、副生成物がチャンバ61の内部に浮遊したりするおそれがある。そのため、処理部6から処理物100の搬入および搬出を行う際には、チャンバ71の内部の圧力は、8×10-3Pa~5×10-2Pa程度とすることが好ましい。なお、受け渡し部7のチャンバ71の内部の圧力は、上記の圧力範囲において、処理部6のチャンバ61の内部の圧力よりも若干高くなるよう決定される。
【0065】
チャンバ71の圧力制御は、排気部73と圧力制御部66aとにより行うことができるが、低くなった圧力を迅速に増加させることは困難である。
そこで、図4に示すように、本実施の形態に係る受け渡し部7には、ガス供給部74が設けられている。
ガス供給部74は、流量制御部74aを介して、チャンバ71の内部にガスG1を供給する。流量制御部74aは、例えば、マスフローコントローラ(MFC)などとすることができる。
【0066】
ガスG1は、例えば、処理物100や、チャンバ71の内部に露出する要素と反応し難いガスとすることができる。例えば、ガスG1は、窒素ガス、アルゴンガスなどの希ガス、あるいは、これらの混合ガスなどとすることができる。
【0067】
また、ガスG1は、チャンバ71の内部の圧力の制御のため供給されるものであり、圧力の制御量も小さいため、チャンバ71の内部に供給するガスG1の量は僅かである。例えば、ガスG1の流量は、10sccm以上、1000sccm以下である。
【0068】
処理物100は、収納部3からロードロック部5および受け渡し部7を経て処理部6の内部へと搬送される。処理部6の内部に搬送された処理物100は、プラズマ処理される。プラズマ処理された処理物100は、ロードロック部5および受け渡し部7を経て収納部3へ戻される。そして、次の処理物100が同様にプラズマ処理される。プラズマ処理装置1が前述の動作を行うことで、処理物100の処理は、進められる。
【0069】
ところで、プラズマ処理を繰り返し行っていると、プラズマ処理によって生成された反応生成物に由来するパーティクルが発生するおそれがある。発生したパーティクルが処理物の表面に落下して処理物の表面に付着すると、歩留まりの低下を招く。
【0070】
また、パーティクルは、プロセスチャンバ内だけで発生するとは限らない。例えば、トランスファチャンバ内の搬送ロボットの動作によって発生したり、外部空間から処理物をロードロックチャンバ内に搬入する際に混入したり、チャンバ同士を接続するゲートバルブの開閉動作によって発生したりもする。
【0071】
したがって、プラズマ処理装置1内にパーティクルが発生していないかを定期的に検査する必要がある。
【0072】
次に、プラズマ処理装置1の検査方法について説明する。
図5は、第1のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置の検査時におけるガスG1の供給を例示するためのタイミングチャートである。なお、パーティクル測定工程を実行するときには、オペレータは、コントローラ2の操作パネルなどの入力装置を操作して、プラズマ処理装置1の制御モードを検査モード(パーティクル測定モード)に切り替える。この検査モードにおいては、検査対象に応じた動作の選択も可能である。例えば、処理部6のパーティクル測定を行う動作、受け渡し部7のパーティクル測定を行う動作等を選択することができる。図5の例は、処理部6のパーティクル測定を行う動作が選択された例である。
【0073】
図5中のT1は、受け渡し部7のチャンバ71から処理部6のチャンバ61への処理物100の搬入開始のタイミングである。
図5中のT2は、処理部6のチャンバ61から受け渡し部7のチャンバ71への処理物100の搬出開始のタイミングである。
【0074】
処理する処理物100が無い場合、プラズマ処理装置1は、待機状態にある。プラズマ処理装置1が待機状態の場合、ロードロック部5のチャンバ51の内部は、排気部52により排気されて、1×10-2Pa~1×10-1Pa程度の圧力に維持される。本実施形態では、例えば、5×10-2Paである。
受け渡し部7のチャンバ71の内部の圧力は、C1630の成分が蒸発するのを抑制できる5×10-3Pa以上の圧力に維持されている。具体的には、コントローラ2は、チャンバ71の内部の圧力を検出する図示しない圧力計の出力に基づいて、チャンバ71に取り付けられている圧力制御部66aを制御して、チャンバ71の内部の圧力を5×10-3Pa以上の圧力となるようにしている。
処理部6のチャンバ61の内部は、排気部66によって排気されて1×10-3Pa~1×10-2Paの圧力に維持されている。本実施形態では、例えば、1×10-3Paである。
【0075】
プラズマ処理装置1を検査する場合、ロードロック部5のチャンバ51の内部をベントすることでチャンバ51の内部の圧力を大気圧力と同じ圧力とする。搬送部4は、収納部3の内部にある検査用ウェーハ100aを取り出し、ロードロック部5のチャンバ51の内部へ搬入する(図5の(1))。すなわち、コントローラ2は、検査モードに切り替えられることによって、収納部3内において予め記憶されている検査用ウェーハの収納位置から検査用ウェーハ100aを取り出すように搬送部4を制御する。
【0076】
チャンバ51の内部に検査用ウェーハ100aが搬入されたら、チャンバ51の内部を減圧する。チャンバ51の内部が所定の圧力まで減圧されたら、ガス供給部74からガスG1をチャンバ71の内部へ供給し、チャンバ71の内部の圧力を1×10-1Pa以上とする。なお、所定の圧力とは、1×10-2Pa以上、1×10-1Paより小さい圧力である。本実施形態では、例えば、5×10-2Paである。
チャンバ51の内部の圧力およびチャンバ71内部の圧力が上記の圧力となったら、ゲートバルブ51aが開けられる。そして、検査用ウェーハ100aは、搬送部72によってチャンバ71の内部に搬入される(図5の(2))。
【0077】
チャンバ51は、プラズマ処理装置1の外部の空間と連通する。このため、検査用ウェーハ100aの搬送の際に、外部の空間の空気がチャンバ51内に取り込まれる。外部の空間の空気には、水蒸気やパーティクルが含まれているおそれがある。チャンバ71の内部の圧力をチャンバ51の内部の圧力よりも高い圧力とすることで、チャンバ51からチャンバ71へ水蒸気やパーティクルが流れ込むのを抑制することができる。
【0078】
チャンバ71の内部に検査用ウェーハ100aが搬送されたら、ゲートバルブ51aが、閉じられる。ゲートバルブ51aが閉じられたら、チャンバ71の内部へのガスG1の供給は、停止される。なお、チャンバ51の内部の減圧は、維持される。
チャンバ71の内部の圧力が、例えば、5×10-2Paとなったら、ゲートバルブ61cを開ける。そして、検査用ウェーハ100aは、搬送部72によってチャンバ61の内部に搬入される(図5のT1)。
【0079】
処理部6のチャンバ61の内部では、プラズマを用いて反応性の高いガスからプラズマ生成物を生成し、処理物100の処理が行われる。このため、反応性の高いガスがチャンバ61の内部に残留している場合や、プラズマ処理の際に生じた副生成物が処理部6のチャンバ61の内壁等に付着している場合がある。チャンバ71の内部の圧力が、処理部6のチャンバ61の内部の圧力と略同等となるようにすれば、反応性の高いガスや副生成物が、受け渡し部7のチャンバ71の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0080】
チャンバ61の内部に検査用ウェーハ100aが搬入されたら、ゲートバルブ61cを閉じる。ゲートバルブ61cを開けてから閉じるまでの期間を検査用ウェーハ100aの搬入期間T1aとする。ゲートバルブ61cが閉じられたら、ガス供給部74からチャンバ71の内部にガスG1が供給される。これにより、チャンバ71の内部の圧力は、1×10-1Pa以上に維持される。
【0081】
チャンバ61の内部の圧力が所定の圧力まで減圧されたら、ガス供給部65を制御してチャンバ61の内部の圧力がプラズマ処理を実施する圧力となるまでプロセスガスGを供給する。プラズマ処理を実施する圧力は、1×10-1Pa~10Pa程度である。本実施形態では、例えば、1Paである。なお、所定の圧力とは、1×10-3Pa~1×10-2Paである。
【0082】
チャンバ61の内部の圧力がプラズマ処理を実施する圧力となったら、高周波電源64aから高周波電圧をアンテナ63に印加してプラズマPを発生させる。そして、処理物100を処理する時間と同じ時間だけプラズマPを維持させる。
【0083】
プラズマ処理が完了したら、高周波電源64aからの高周波電圧の印加と、プロセスガスGの供給を停止する。チャンバ61の内部は、1×10-3Pa~1×10-2Paの圧力となるまで減圧される。本実施形態では、チャンバ61の内部の圧力は、例えば、1×10-3Paとなるまで減圧される。
【0084】
チャンバ61の内部の圧力が1×10-3Paとなったら、ガス供給部74からのガスG1の供給を停止する。そして、チャンバ71の内部の圧力が、例えば、5×10-2Paとなったら、ゲートバルブ61cを開ける。検査用ウェーハ100aは、搬送部72によってチャンバ61の内部から搬出される(図5のT2)。
【0085】
搬送部72によってチャンバ71の内部に検査用ウェーハ100aが搬送されたら、ゲートバルブ61cを閉じる。ゲートバルブ61cを開けてからゲートバルブ61cを閉じるまでの期間を検査用ウェーハ100aの搬出期間T2aとする。搬出期間T2a後、ガス供給部74からガスG1がチャンバ71の内部に供給される。
【0086】
チャンバ71の内部の圧力が1×10-1Pa以上となったら、ゲートバルブ51aを開け、検査用ウェーハ100aが、搬送部72によってチャンバ51に搬送される(図5の(4))。
【0087】
チャンバ51の内部に検査用ウェーハ100aが搬送されたらゲートバルブ51aを閉める。受け渡し部7では、チャンバ71の内部へのガスG1の供給を停止する。チャンバ71の内部の圧力は、チャンバ71に取り付けられた圧力制御部66aによって、排気部73の排気量を小さくすることで1×10-2Pa以上に維持される。あるいは、チャンバ71の内部の圧力は、ガスG1の流量を調整することで1×10-2Pa以上に維持される。ロードロック部5では、チャンバ51の内部をベントしてチャンバ51の内部の圧力を大気圧力とする。チャンバ51の内部の圧力が大気圧力と同程度となったら、搬送部4によってチャンバ51の内部から検査用ウェーハ100aが取り出され、収納部3の元の収納位置に収納される(図5の(5))。そして、検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数量を測定する。例えば、検査用ウェーハ100aを収納部3に入れた状態で不図示のパーティクルの測定装置まで搬送し、パーティクルの測定装置にて検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数量を測定する。
【0088】
T1後の検査用ウェーハ100aの搬入期間T1a、およびT2後の検査用ウェーハ100aの搬出期間T2aは、前述の通り、受け渡し部7の圧力を一時的に図2の蒸気圧曲線の下側の領域に含まれる圧力とする。具体的には、ゲートバルブ61cが開くと、チャンバ71の内部のガスが処理部6へと流入する。このため、チャンバ71の内部の圧力が、処理部6のチャンバ61の内部の圧力(例えば、プラズマ処理を施す直前の所定の圧力である1×10-3Pa)と略同等となるように減圧される。そのため。搬入期間T1a、および搬出期間T2aにおいては、シール部材の成分が蒸発して、チャンバ71の内部に放出されることになる。なお、このときの「略同等」とは、チャンバ71の内部の圧力がチャンバ61の内部の圧力と同じ圧力からチャンバ61の内部の圧力と同じ圧力よりも5×10-2Paだけ高い圧力の範囲を意味する。
【0089】
しかしながら、搬入期間T1a、および搬出期間T2aの経過後は、受け渡し部7のチャンバ71と処理部6のチャンバ61との間が、ゲートバルブ61cにより閉鎖される。そして、ガス供給部74がガスG1を受け渡し部7のチャンバ71の内部に供給することで、チャンバ71の内部の圧力が、5×10-3Pa以上、好ましくは1×10-1Pa以上とされる。そのため、シール部材の成分が蒸発するのを抑制することができる。
【0090】
また、受け渡し部7のチャンバ71および処理部6のチャンバ61の内部の圧力をシール部材の成分が蒸発し得る圧力以下としても、受け渡し部7の内部にガスを導入することで、汚染物(蒸発したシール部材の成分)が検査用ウェーハ100aへ付着することを抑制できる。チャンバ71およびチャンバ61の内部は、所定の減圧雰囲気を維持するように排気が行なわれている。排気部73および排気部66の排気速度(L/min)は決まっている。そして、チャンバ71およびチャンバ61の内部にガスG1が供給されるとチャンバ71内の圧力が上昇し、単位体積当たりの排出されるガスG1の量が増加する。結果的に、ガスG1が供給された分、チャンバ内部の排気が行なわれたようにみえる。つまり、この排気によって、汚染物をガスG1と共に排出することができるのである。
【0091】
前述の通り、ウォーターマークの原因となる汚染物が検査用ウェーハ100aに付着することを抑制できる。したがって、ウォーターマークがパーティクルとして誤認されることを防止できるので、パーティクルの測定を正確に行うことができる。
【0092】
また、図5から分かるように、チャンバ71の内部の圧力が、シール部材の成分が蒸発し得る圧力以下となる圧力、つまり、処理部6のチャンバ61の内部の圧力と略同等となるように減圧される期間を短くすることができる。そのため、シール部材の成分が蒸発するのを抑制することができる。
【0093】
検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数量を測定するために、受け渡し部7のチャンバ71の内部に処理物100が無い状態が長時間続く場合、チャンバ71に取り付けられた圧力制御部66aを制御して、排気部73の排気量を小さくしてもよい。排気部73の排気量を小さくすることで、チャンバ71の内部の圧力を1×10-2Pa以上とするのに必要となるガスG1の量を削減することができる。なお、チャンバ71の内部に処理物100が無い状態が続く時間は、例えば、ガスG1の供給を停止してから、チャンバ71の内部の圧力が1×10-2Paとなるまでの時間である。
【0094】
図5に示すガスG1の供給方法を用いてパーティクルを測定する第1のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置1の検査方法を行い、パーティクルが無ければ、処理物100の処理を開始する。パーティクルが検出された場合、図6に示すガスG1の供給方法を用いて、プラズマ処理装置1の検査を行う。
【0095】
図6は、第2のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置の検査時におけるガスG1の供給を例示するためのタイミングチャートである。図6は、検査用ウェーハ100aを受け渡し部7まで搬送後、処理部6の内部へ搬送すること無く、ロードロック部5へ戻す際のガスG1の供給を例示する。つまり、図6の例は、検査モードにおいて受け渡し部7のパーティクル測定を行う動作が選択された例である。
【0096】
図6の(1)は、図5の(1)と、図6の(2)は、図5の(2)と同様であるので、説明は省略する。
チャンバ71の内部に検査用ウェーハ100aが搬送されたら、ゲートバルブ51aが、閉じられる。検査用ウェーハ100aは、例えば、チャンバ71の内部に数十秒の間留まる。検査用ウェーハ100aがチャンバ71の内部に留まる時間は、処理物100を実際に処理する条件に近づけるため、処理部6にてプラズマ処理をする時間と同じとすることが好ましい。検査用ウェーハ100aがチャンバ71の内部に留まっている間、ガス供給部74からガスG1の供給が維持される。
【0097】
数十秒間、検査用ウェーハ100aがチャンバ71の内部に留まったら、ゲートバルブ51aを開け、検査用ウェーハ100aが、搬送部72によってチャンバ51に搬送される(図6の(4))。
【0098】
チャンバ51の内部に検査用ウェーハ100aが搬送されたらゲートバルブ51aを閉める。受け渡し部7では、チャンバ71の内部へのガスG1の供給を停止する。チャンバ71の内部の圧力は、チャンバ71に取り付けられた圧力制御部66aによって、排気部73の排気量を小さくすることで1×10-2Pa以上に維持される。ロードロック部5では、チャンバ51の内部をベントしてチャンバ51の内部の圧力を大気圧力とする。チャンバ51の内部の圧力が大気圧力と同程度となったら、搬送部4によってチャンバ51の内部から検査用ウェーハ100aが取り出され、収納部3へと収納される(図6の(5))。そして、不図示のパーティクルの測定装置で検査用ウェーハ100aに付着したパーティクルの数量を測定する。
【0099】
ガス供給部74がガスG1を受け渡し部7のチャンバ71の内部に供給することで、チャンバ71の内部の圧力が、5×10-3Pa以上、好ましくは1×10-1Pa以上とされる。そのため、シール部材の成分が蒸発するのを抑制することができる。そのため、ウォーターマークの原因となる汚染物が検査用ウェーハ100aに付着することを抑制できる。したがって、ウォーターマークがパーティクルとして誤認されることを防止できるので、パーティクルの測定を正確に行うことができる。
【0100】
図6に示すガスG1の供給方法を用いてパーティクルを測定する第2のパーティクル測定工程を有するプラズマ処理装置1の検査方法を行い、パーティクルが無ければ、処理部6の内部のクリーニングを開始する。パーティクルが検出された場合、ロードロック部5の内部のクリーニングを開始する。
【0101】
ロードロック部5の内部のクリーニングを行った後、図6に示すガスG1の供給方法を用いたプラズマ処理装置1の検査方法を実施する。この検査でもパーティクルが再び検出された場合、受け渡し部7の内部のクリーニングを開始する。
【0102】
以上の手順は、例えば、コントローラ2が、搬送部72、排気部73、およびガス供給部74を制御することで行うことができる。
例えば、コントローラ2は、搬送部72による検査用ウェーハ100aの搬送(搬入、搬出)を行う際には、排気部73を制御して、チャンバ71の内部の圧力が、チャンバ61の内部の圧力と略同等となるようにする。例えば、コントローラ2は、搬送部72による検査用ウェーハ100aの搬送が終了した際には、ガス供給部74を制御して、チャンバ71の内部にガスG1を供給する。
例えば、コントローラ2は、ガスG1を供給することで、チャンバ71の内部の圧力を、チャンバ61の内部の圧力よりも高くする。
例えば、コントローラ2は、ガスG1を供給することで、チャンバ71の内部の圧力を、5×10-3Pa以上、好ましくは、1×10-1Pa以上にする。
【0103】
また、以上に説明した様に、本実施の形態に係るプラズマ処理装置の検査方法は、以下の工程を備えることができる。
大気圧よりも減圧された雰囲気を維持し、処理物を内部に載置可能な第1のチャンバと、前記第1のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第1の排気部と、前記プラズマを発生可能なプラズマ発生部と、前記第1のチャンバの内部であって、前記プラズマを発生させる領域に、プロセスガスを供給可能な第1のガス供給部と、ゲートバルブを介して、前記第1のチャンバと接続され、大気圧よりも減圧された雰囲気を維持可能な第2のチャンバと、前記第2のチャンバの内部に設けられ、前記第1のチャンバとの間で、前記処理物を搬送可能な搬送部と、前記第2のチャンバの内部を所定の圧力まで減圧可能な第2の排気部と、前記第2のチャンバの内部に、ガスを供給可能な第2のガス供給部と、前記搬送部、前記第2の排気部、および前記第2のガス供給部を制御可能なコントローラと、を備えたプラズマ処理装置の検査方法である。前記第2のチャンバから前記第1のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、前記搬送部による前記第1のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、前記検査用ウェーハが搬入された前記第1のチャンバ内でプラズマ処理を行う工程と、前記第1のチャンバから前記第2のチャンバへ前記搬送部によって検査用ウェーハの搬送を行う際には、前記第2の排気部を制御して、前記第2のチャンバの内部の圧力が、前記第1のチャンバの内部の圧力と略同等となるようにする工程と、前記搬送部による前記第2のチャンバへの前記検査用ウェーハの搬送が終了した際には、前記第2のガス供給部を制御して、前記第2のチャンバの内部に前記ガスを供給する工程と、前記第2のチャンバから搬出された前記検査用ウェーハに付着したパーティクルを測定する工程と、を含む第1のパーティクル測定工程を有する。
例えば、外部から前記第2のチャンバへ、ロードロック部を介して前記検査用ウェーハを搬送する際に、前記第2のチャンバへ前記ガスを供給して所定の減圧状態とした後、前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送する工程と、を更に有する。
例えば、外部から前記第2のチャンバへ、ロードロック部を介して前記検査用ウェーハを搬送する際に、前記第2のチャンバへ前記ガスを供給して所定の減圧状態とした後、前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送する工程と、前記ロードロック部から前記第2のチャンバへ前記検査用ウェーハを搬送した後、前記検査用ウェーハを前記第2のチャンバへ留める工程と、前記検査用ウェーハを前記第1のチャンバへ搬送すること無く、第2のチャンバから前記ロードロック部へと搬送する工程と前記検査用ウェーハに付着したパーティクルを測定する工程と、を含む第2のパーティクル測定工程を更に有する。
例えば、前記第1のパーティクル測定工程を実施し、パーティクルが検出されたなら、前記第2のパーティクル測定工程を実施する。
例えば、前記第2のパーティクル測定工程を実施し、パーティクルが検出されなかったら、前記第1のパーティクル測定工程を実施する。
例えば、前記ガスを供給することで、前記第2のチャンバの内部の圧力を、5×10-3Pa以上にする
なお、各工程における内容は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0104】
以上、本実施の形態について例示をした。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、プラズマ処理装置1が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0105】
プラズマ処理装置1の検査方法は、上記に限定されない。例えば、後工程でパーティクル由来の不具合が発生した場合、プラズマ処理装置1の検査は、図6に示すガスG1の供給方法を用いたプラズマ処理装置1の検査方法を最初に行ってもよい。
上記の検査でパーティクルが検出された場合、ロードロック部5の内部のクリーニングを行う。そして、ロードロック部5の内部のクリーニングを行った後、図6に示すガスG1の供給方法を用いたプラズマ処理装置1の検査方法を実施する。この検査でもパーティクルが再び検出された場合、受け渡し部7の内部のクリーニングを開始する。
【0106】
また、最初の図6の検査でパーティクルが検出されなかった場合、パーティクルは、受け渡し部7から処理部6までの間のどこかで発生していることになる。この場合、図5に示すガスG1の供給方法を用いたプラズマ処理装置1の検査を行う前に、以下の検査を行っても良い。
【0107】
例えば、ガス供給部65を制御してチャンバ61の内部にプラズマ処理を実施する圧力となるまでプロセスガスGを供給するまでを実施した後、検査用ウェーハ100aを受け渡し部7に戻すようにしてもよい。例えば、チャンバ61の内部に検査用ウェーハ100aを搬入した後、検査用ウェーハ100aを受け渡し部7に戻すようにしてもよい。このようにすることで、パーティクルが発生している箇所を特定することができる。
【0108】
本実施形態では、チャンバ71に取り付けられた圧力制御部66aによって、チャンバ71の内部の圧力が5×10-3Pa以上に維持されるように制御した。しかし、これに限定されない。例えば、排気部73をターボ分子ポンプとドライポンプとを組み合わせたものとし、チャンバ71の底部にドライポンプと接続させる排気口を設けてもよい。処理物100が、チャンバ71の内部に長時間無い場合、ドライポンプによってチャンバ71の内部を排気するようにしてもよい。あるいは、5×10-3Paに達したら、排気部73を停止させてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 プラズマ処理装置、2 コントローラ、3 収納部、4 搬送部、5 ロードロック部、6 処理部、7 受け渡し部、71 チャンバ、72 搬送部、73 排気部、74 ガス供給部、100 処理物、G プロセスガス、G1 ガス、P プラズマ
図1
図2
図3
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図5
図6