(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】複合発生器用の回路トポロジ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
A61B18/12
(21)【出願番号】P 2021116953
(22)【出願日】2021-07-15
(62)【分割の表示】P 2018516503の分割
【原出願日】2016-09-22
【審査請求日】2021-07-15
(32)【優先日】2015-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ウィーナー・アイタン・ティー
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハイン・ジョン・イー
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-126447(JP,A)
【文献】特開2011-254387(JP,A)
【文献】特開2001-144595(JP,A)
【文献】特開平09-017660(JP,A)
【文献】実開昭59-068511(JP,U)
【文献】英国特許出願公開第02521228(GB,A)
【文献】特開2002-177287(JP,A)
【文献】特開平08-117242(JP,A)
【文献】特開2008-036390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
17/22
17/225
17/32
18/12 - 18/14
A61N 7/00 - 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、
前記システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、回路と、を含む、外科用器具を含み、
前記回路は、
RF信号及び超音波信号が重ね合わせられた合成信号を前記発生器から受信することと、
前記発生器から受信した前記合成信号におけるRF信号及び超音波信号の成分に応じて前記RFエネルギー出力部への電源出力と前記超音波エネルギー出力部への電源出力を制御することと、を行うように構成されており、
前記回路は、
前記制御のための金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチ
である、第1のMOSFETスイッチと
第2のMOSFETスイッチと、
特定用途向け集積回路(ASIC)と、
第1のパルストランスと、第2のパルストランスと、を備え、
前記第1及び第2のMOSFETスイッチはそれぞれ1対のMOSFETを備え、前記1対のMOSFETのソース同士が接続されるように構成され、
前記第1のパルストランス
は、前記第1のパルストランスの第1の側で前記ASICに連結され、前記第1のパルストランスの第2の側で
前記第1のMOSFETスイッチの
前記1対のMOSFETの両方のゲートに連結されて
おり、
前記第2のパルストランス
は、前記第2のパルストランスの第1の側で前記ASICに連結され、前記第2のパルストランスの第2の側で
前記第2のMOSFETスイッチの
前記1対のMOSFETの両方のゲートに連結されており、
前記第1のパルストランスに前記ASICから印加される差分パルスの一方の極性は、前記第1のMOSFETスイッチをエンハンスト状態にするように構成され、前記第1のパルストランスに前記ASICから印加される前記差分パルスの反対の極性は、前記第1のMOSFETスイッチをオフにするように構成されている、システム。
【請求項2】
前記回路は、
前記ASIC及び前記RFエネルギー出力部に連結され、前記ASICにより前記RFエネルギー出力部へ
の電源出力を制御するように構成された第1の電気機械式リレーと、
前記ASIC及び前記超音波エネルギー出力部に連結され、前記ASICにより前記超音波エネルギー出力部への電源出力を制御するように構成された第2の電気機械式リレーと、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記回路は、前記第1の電気機械式リレー及び前記第2の電気機械式リレーを作動させるように構成された切替機構を更に含む、請求項2に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、2015年9月30日に出願された「GENERATOR FOR PROVIDING COMBINED RADIO FREQUENCY AND ULTRASONIC ENERGIES」と題する米国特許仮出願第62/235,260号、2015年9月30日に出願された「CIRCUIT TOPOLOGIES FOR GENERATOR」と題する米国特許仮出願第62/235,368号及び2015年9月30日に出願された「SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE ALGORITHMS」と題する米国特許仮出願第62/235,466号の利益を主張するものであり、それぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、組織の凝固、封着及び/又は切断などの外科手技を実施するための超音波外科用システム、電気外科用システム及び電気外科用/超音波システムの組み合わせに概ね関する。特に、本開示は、無線周波数(RF)出力及び超音波出力用の合成信号を医療機器に伝達するように構成される複合発生器用の回路トポロジに関する。
【背景技術】
【0003】
本開示は、概ね、外科用器具及び関連する外科技術に関する。より具体的には、本開示は、外科医が切断及び凝固を行い、治療される組織の種類に基づいて、そのような手技を適合、及びカスタマイズすることを可能にする超音波及び電気外科用システムに関する。
【0004】
超音波外科用器具は、このような器具の特殊な性能特性によって、外科手技において、ますます広範囲にわたる用途が見出されている。特定の器具構成及び操作パラメータに応じて、超音波外科用器具は、組織の切断及び凝固による止血を実質的に同時にもたらし、望ましくは、患者の外傷を最小限に抑えることができる。切断行為は、典型的には、器具の遠位端にあるエンドエフェクタ又はブレード先端によって実現され、これにより、エンドエフェクタと接触した組織に超音波エネルギーが伝送される。このような性質の超音波器具は、ロボット支援処置を含む切開外科用用途、腹腔鏡又は内視鏡の外科手技用に構成することができる。
【0005】
外科用器具の中には超音波エネルギーを正確な切断及び凝固の調節の両方の目的で利用するものもある。超音波エネルギーは、組織と接触しているブレードを振動させることによって切断かつ凝固させる。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動する超音波ブレードは、組織内のタンパク質を変性して、粘着性の凝塊を形成する。ブレード表面が組織に及ぼす圧力により血管が崩壊され、凝塊が止血シールを形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、外科医の技術、並びに電力レベル、ブレードエッジ、組織トラクション及びブレード圧力の調整によって制御される。
【0006】
組織を処置かつ/又は破壊するために、組織に電気エネルギーを印加するための電気外科用装置はまた、外科手技において、ますます広範な用途が見出されている。電気外科用装置は、ハンドピース及び遠位に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば、1つ以上の電極)を有する器具を一般的に含む。エンドエフェクタは、電流が組織内に導入されるように、組織に対して位置決めすることができる。電気外科用装置は、双極又は単極動作用に構成することができる。双極動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、エンドエフェクタの戻り電極によって組織から戻される。単極動作中において、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織内に導入され、患者の身体上に別個に位置する戻り電極(例えば、接地パッド)を通じて戻される。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血シールを形成してもよく、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用であってもよい。電気外科用装置のエンドエフェクタはまた、組織に対して可動である切断部材、及び組織を横切するための電極を含んでもよい。
【0007】
電気外科用装置によって印加される電気エネルギーは、ハンドピースと連通している発生器によって、器具へと伝達することができる。電気エネルギーは、無線周波数(「RF」)エネルギーの形態であってもよい。RFエネルギーは、200キロヘルツ(kHz)~1メガヘルツ(MHz)の周波帯域であってもよい電気エネルギーの一形態である。印加中、電気外科用装置は、組織を通じて低周波数RFエネルギーを伝送することができ、これはイオン撹拌又は摩擦、すなわち抵抗加熱を生じさせ、これによって組織の温度を増加させる。罹患組織と周囲組織との間にはっきりとした境界が形成されるため、外科医は、標的としない隣接する組織を犠牲にすることなく、高度な正確性及び制御で操作することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮又は成形し、同時に血管を封止するのに有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成され、かつ熱に接触した際に収縮する結合組織に特に良好に作用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これらの医療装置を使用するときの課題は、外科用器具を十分に制御かつカスタマイズできないことである。現在の器具の欠点のうちのいくつかを克服する外科用器具を提供することが望ましいであろう。
【0009】
いくつかの医療装置が作製され使用されてきたが、本発明者より以前に添付の特許請求の範囲に記載される主題を作製又は使用した者は存在しないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本開示は、超音波及びRFエネルギーモダリティの両方を利用する混合エネルギー外科用器具に関する。複数の回路トポロジが開示され、これらの回路トポロジのうちの1つ(以上)が混合エネルギー外科用器具に含まれるとき、回路トポロジは、発生器がRFエネルギー及び超音波エネルギーの両方を同時に又はRFと超音波の間で切り替えることによってのいずれかで組織内へと送り込むことができるようにする。
【0011】
いくつかの態様では、回路トポロジは、合成された超音波信号とRF周波数信号を、超音波周波数成分のみを有する信号と、別個にRF周波数成分のみを有する信号とにフィルタ処理するように構成された高周波フィルタを含んでもよい。いくつかの場合では、1つ以上の帯域消去フィルタが使用される。いくつかの場合では、1つ以上の共振器は、所望の周波数を強調するために使用される。他の場合では、1つ以上の通過に基づくフィルタが使用される。いくつかの態様では、回路トポロジは、単一の合成信号から両方誘導される、RFエネルギー及び超音波エネルギーの両方の同時適用を可能にする。
【0012】
いくつかの態様では、回路トポロジは、同じ合成信号内でRF周波数と超音波周波数との間を切り替えるように構成されたより多い又はより多いスイッチを含んでもよい。いくつかの場合では、1対以上のソリッドステートスイッチが、切替機能を提供する。一態様では、金属酸化物半導体(MOSFET)スイッチは、切替機能を提供するために使用されてもよい。いくつかの場合では、特定用途向け集積回路(ASIC)として実装されてもよい制御回路も同様に、切替を制御するために使用される。1つ以上のパルストランスは、いくつかの場合では、制御回路及びMOSFETスイッチの対に連結されてもよい。他の場合では、切替は、制御回路に連結された1つ以上の電気機械式リレーを組み入れることによって行われてもよい。
【0013】
前述のものに加えて、様々な他の方法並びに/又はシステム及び/若しくはプログラム製品の態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは詳細な説明)並びに/又は図面などの教示で記載かつ説明される。
【0014】
前述のものは概要であり、したがって、詳細の単純化、一般化、包括及び/又は省略を含んでもよく、それゆえに、当業者であれば、本「発明の概要」が単に例示的なものに過ぎず、いかなる形であれ限定する意図はないことを、理解するであろう。本明細書に記載される装置並びに/又はプロセス及び/若しくは他の主題の他の態様、特徴及び利点は、本明細書に記載される教示において明らかになるであろう。
【0015】
1つ以上の様々な態様では、関連するシステムには、本明細書で参照する方法の態様に作用するための回路及び/又はプログラミングが挙げられるが、これらに限定されず、その回路及び/又はプログラミングは、本質的に、システムの設計選択に応じて、本明細書で参照する方法の態様に影響するように構成されたハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアの任意の組み合わせとすることができる。前述のものに加えて、様々な他の方法及び/又はシステム態様が、本開示の文中(例えば、「特許請求の範囲」及び/若しくは「発明を実施するための形態」)並びに/又は図面などの本教示に記載及び説明される。
【0016】
更に、以下で記述する形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上を、以下で記述する他の形態、形態の具現、実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0017】
様々な形態は、外科手技中の組織の切開、切断及び/又は凝固を達成するために構成された、改良された超音波外科用器具を対象とする。一形態において、超音波外科用器具装置は、切開外科手技における使用のために構成されているが、腹腔鏡、内視鏡及びロボット支援処置のような他のタイプの手術における用途も有する。超音波エネルギーの選択的な使用によって多方面の用途が容易になる。
【0018】
様々な形態が、本明細書に記述する超音波器具と組み合わせて記述される。そのような記載は限定するものではなく例として提供されており、その範囲及び適用を限定することを意図しない。例えば、記載される形態のうちのいずれか1つは、例えば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,938,633号、同第5,935,144号、同第5,944,737号、同第5,322,055号、同第5,630,420号及び同第5,449,370号に記載されるものを含む多様な超音波器具と組み合わせて有用である。
【0019】
以下の記述から明白となるように、本明細書に記述する外科用器具の形態は、外科用システムの発振器ユニットと関連付けて使用することができ、それにより、その発振器ユニットからの超音波エネルギーが所望の超音波作動を本明細書の外科用器具にもたらすように企図される。本明細書に記載される外科用器具の形態は、外科用システムの信号発生器ユニットと関連付けて使用されてもよく、それにより無線周波数(RF)の形態の電気エネルギーが、例えば、外科用器具に関してユーザにフィードバックを提供するために使用されることも企図される。超音波発振器及び/若しくは信号発生器ユニットは、取り外し不能に外科用器具と一体化されてもよく、又は外科用器具に電気的に取り付け可能であり得る分離した構成要素として提供されてもよい。
【0020】
本明細書の外科用装置の一形態は、その単純な構造を利用した使い捨て用途のために特に構成されている。しかしながら、本外科用器具の他の形態は、使い捨てではないか又は複数回使用されるように構成され得ることも企図される。関連付けられる発振器及び信号発生器ユニットとの、本発明の外科用器具の取り外し可能な接続について、ここでは1人の患者用として、あくまで例示を目的として開示する。しかし、本外科用器具を、関連付けられる発振器及び/又は信号発生器ユニットと取り外し可能にせずに、一体化接続することも企図される。したがって、本明細書に記載される外科用器具の様々な形態は、限定されないが、取り外し可能及び/又は取り外し不能のいずれかの一体型発振器及び/又は信号発生器ユニットと共に、単回使用及び/又は複数回使用するように構成され得、そのような構成のすべての組み合わせは、本開示の範囲内にあることが企図される。
【0021】
上記の「発明の概要」はあくまで例示的なものに過ぎず、いかなる意味においても限定を目的としたものではない。上記に述べた例示的な態様及び特徴に加えて、更なる態様及び特徴が、図面及び以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に記載される新規な特徴は、添付の「特許請求の範囲」に詳細に記載される。しかし、様々な態様は、構成及び操作の方法のいずれに関しても、以下の説明文を添付の図面と共に参照することによってより深い理解を得ることができる。
【
図1】発生器及びそれと共に使用可能な様々な外科用器具を含む外科用システムの一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示した組み合わせ電気外科用及び超音波器具の図である。
【
図4】一形態における動作ブランチ電流を示すモデルである。
【
図5】一形態における発生器アーキテクチャの構造図である。
【
図6】超音波トランスデューサを駆動させるための超音波電気信号を生成する、発生器の駆動システムの一形態を示す図である。
【
図7】組織インピーダンスモジュールを含む発生器の駆動システムの一形態を示す図である。
【
図8】外科用器具にエネルギーを送達するための複合無線周波数及び超音波エネルギー発生器の例を示す図である。
【
図9】複数の外科用器具に合成された無線周波数及び超音波エネルギーを送達するためのシステムの図である。
【
図10】複数の外科用器具に、合成された無線周波数及び超音波エネルギーを送達するためのシステムの通信アーキテクチャを示す図である。
【
図11】複数の外科用器具に、合成された無線周波数及び超音波エネルギーを送達するためのシステムの通信アーキテクチャを示す図である。
【
図12】複数の外科用器具に、合成された無線周波数及び超音波エネルギーを送達するためのシステムの通信アーキテクチャを示す図である。
【
図13】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の回路図である。
【
図14】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の回路図である。
【
図15】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図16】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図17】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図18】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図19】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図20】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図21】
図14に示した回路図のシミュレーション結果のグラフを示す図である。
【
図22】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、高周波帯域消去フィルタを含む回路図である。
【
図23】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、同調されたLC回路を含む回路図である。
【
図24】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、直列接続されたMOSFETトランジスタを含む回路図である。
【
図25】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、ソーストゥソースに配置された1対のMOSFETスイッチを含む回路図である。
【
図26】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、直列接続されたMOSFETトランジスタを含む回路図である。
【
図27】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、1対の電気機械式リレーを含む回路図である。
【
図28】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、スイッチ作動体を含む回路図である。
【
図29】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成されたシステム用の、上図において論じられた複数構成由来の構成要素を含む回路図である。
【
図30】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、近位プラグ内にMOSFETスイッチ及び制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図31】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、遠位プラグ内にMOSFETスイッチ及び制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図32】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、遠位プラグ内にMOSFETスイッチ及び制御回路を含み、ハンドル内に制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図33】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、遠位プラグ内にMOSFETスイッチを含み、ハンドル内に制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図34】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、ハンドル内にMOSFETスイッチ及び制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図35】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、近位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図36】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図37】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、ハンドル内に帯域消去フィルタ及び制御回路を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図38】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含み、印加部分にDCモータを含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図39】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、印加部分に固定高電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図40】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、印加部分に機械的切替式高電圧/低電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図41】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、印加部分に電気的切替式高電圧/低電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図42】本開示の一態様による発生器によって出力されるRF及び超音波電流を管理するように構成された、印加部分に固定高電圧RF出力部を含み、近位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含む回路トポロジ用のシステム構成を示す図である。
【
図43】発生器からのエネルギーの2つの波形の例示的グラフの図である。
【
図45】RF波形が超音波波形に依存する、
図43の波形の和の例示的グラフの図である。
【
図46】RF波形が超音波波形の関数である、
図43の波形の和の例示的グラフの図である。
【
図47】高波高率を伴う複合RF波形の例示的グラフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の「発明を実施するための形態」では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照する。図中、一般的に、同様の記号及び参照符合は、内容によりそうでない旨が断られない限り、複数の図を通じて同様の要素を示す。「発明を実施するための形態」、「図面の簡単な説明」及び「特許請求の範囲」に記載される例示的な態様は、限定を目的としたものではない。本明細書に示される主題の主旨又は範囲から逸脱することなく、他の態様が使用されてもよく、また他の変更が行われてもよい。
【0024】
本開示の様々な態様を詳細に説明する前に、本明細書に開示された様々な態様はそれらの応用又は利用の際に、添付図面及び説明に例示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。むしろ、開示された態様は、他の態様、その変形及び改変として配置するか又はこれらに組み入れることが可能であり、様々な形で実施又は実行してもよい。したがって、本明細書に開示された態様は、例示的な性質のものであり、その範囲又は用途を限定することを目的としたものではない。更に、特に断らない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために態様を説明する目的で選択されるものであって、それらの範囲を限定しようとするものではない。更に、開示された態様、態様の表現及び/又はその実施例のうちの任意の1つ以上を、限定することなく他の開示された態様、態様の表現及び/又はその実施例のうちの任意の1つ以上と組み合わせることができる点を理解されたい。
【0025】
また、以下の説明において、前、後、内側、外側、上部、下部といった用語は便宜的に用いられる語であると理解するべきであり、限定的な用語として解釈されるべきではない。本明細書で使用される用語は、本明細書に述べられるデバイス、又はその部分を他の向きで取り付けるか又は用いることが可能である限り、限定的なものではない。図面を参照しながら、様々な態様をより詳細に説明する。
【0026】
本願は、本願と共に同時に出願された以下の同一所有者の特許出願に関し、
代理人整理番号END7768USNP2/150449-2、Wiener et al.による、名称「CIRCUITS FOR SUPPLYING ISOLATED DIRECT CURRENT(DC)VOLTAGE TO SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7768USNP3/150449-3、Yates et al.による、名称「FREQUENCY AGILE GENERATOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT」、
代理人整理番号END7768USNP4/150449-4、Asher et al.による、名称「METHOD AND APPARATUS FOR SELECTING OPERATIONS OF A SURGICAL INSTRUMENT BASED ON USER INTENTION」、
代理人整理番号END7769USNP1/150448-1、Wiener et al.による、名称「GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS FOR ELECTROSURGICAL AND ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7769USNP2/150448-2、Wiener et al.による、名称「GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING COMBINED ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS FOR ULTRASONIC SURGICAL INSTRUMENTS」、
代理人整理番号END7769USNP3/150448-3、Yates et al.による、名称「PROTECTION TECHNIQUES FOR GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTROSURGICAL AND ULTRASONIC DIGITAL ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS」、
これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
本願はまた、2016年6月9日に出願された以下の同一所有者の特許出願に関し、
米国特許出願第15/177,430号、名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES」、
米国特許出願第15/177,439号、名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES BASED ON TISSUE TYPE」、
米国特許出願第15/177,449号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES EMPLOYING MULTIPLE ENERGY MODALITIES BASED ON TISSUE」、
米国特許出願第15/177,456号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES BASED ON TISSUE IMPEDANCE」、
米国特許出願第15/177,466号、名称「SURGICAL SYSTEM WITH USER ADAPTABLE TECHNIQUES EMPLOYING SIMULTANEOUS ENERGY MODALITIES BASED ON TISSUE PARAMETERS」、
これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
図1~
図5を参照すると、外科用器具を含む外科用システム10の一形態が図示されている。
図1は、発生器100及びそれと共に使用可能な様々な外科用器具104、106、108を含む外科用システム10の一形態を図示しており、外科用器具104は、超音波外科用器具であり、外科用器具106は、RF電気外科用器具106であり、多機能外科用器具108は、組み合わせ超音波/RF電気外科用器具である。
図2は、
図1に示した多機能外科用器具108の図である。
図1及び
図2の両方を参照すると、発生器100は、様々な外科用器具と使用するために構成可能である。
【0029】
様々な形態によると、発生器100は、例えば、超音波外科用器具104、RF電気外科用器具106並びに発生器100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能外科用器具108を含む、異なる種類の異なる外科用器具と使用するために構成可能であってもよい。
図1の形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108とは別個に示されているが、一形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108のうちの任意と一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器100は、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス110を含む。入力デバイス110は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適なデバイスを含んでもよい。
【0030】
図1は、複数の外科用器具104、106、108を駆動するように構成された発生器100を例示する。第1の外科用器具104は、ハンドピース105(HP)、超音波トランスデューサ120、シャフト126及びエンドエフェクタ122を含む超音波外科用器具104である。エンドエフェクタ122は、超音波トランスデューサ120と音響的に連結された超音波ブレード128と、クランプアーム140と、を含む。ハンドピース105は、クランプアーム140を動作させるトリガ143と、超音波ブレード128又は他の機能にエネルギー供給しかつ駆動するためのトグルボタン134a、134b、134cの組み合わせと、を含む。トグルボタン134a、134b、134cは、発生器100により超音波トランスデューサ120にエネルギー供給するように構成することができる。
【0031】
依然として
図1を参照すると、発生器100はまた、第2の外科用器具106を駆動するようにも構成されている。第2の外科用器具106は、RF電気外科用器具であり、ハンドピース107(HP)、シャフト127及びエンドエフェクタ124を含む。エンドエフェクタ124は、クランプアーム142a、142b内の電極と、シャフト127の導体部分を通した帰路と、を含む。電極は、発生器100内の双極エネルギー源に連結され、双極エネルギー源によってエネルギー供給される。ハンドピース107は、クランプアーム142a、142bを動作させるためのトリガ145と、エンドエフェクタ124内の電極にエネルギー供給するためのエネルギースイッチを作動するためのエネルギーボタン135と、を含む。
【0032】
依然として
図1を参照すると、発生器100はまた、多機能外科用器具108を駆動するようにも構成されている。多機能外科用器具108は、ハンドピース109(HP)、シャフト129及びエンドエフェクタ125を含む。エンドエフェクタは、超音波ブレード149及びクランプアーム146を含む。超音波ブレード149は、超音波トランスデューサ120と音響的に連結される。ハンドピース109は、クランプアーム146を動作させるためのトリガ147と、超音波ブレード149又は他の機能にエネルギー供給しかつ駆動するためのトグルボタン137a、137b、137cの組み合わせと、を含む。トグルボタン137a、137b、137cは、発生器100で超音波トランスデューサ120にエネルギー供給し、かつ発生器100内に同様に収容された双極エネルギー源により超音波ブレード149にエネルギー供給するように構成することができる。
【0033】
図1及び
図2の両方を参照すると、発生器100は、様々な外科用器具と使用するために構成可能である。様々な形態によると、発生器100は、例えば、超音波外科用器具104、RF電気外科用器具106並びに発生器100から同時に送達されるRFエネルギー及び超音波エネルギーを統合する多機能外科用器具108を含む、異なる種類の異なる外科用器具と使用するために構成可能であってもよい。
図1の形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108とは別個に示されているが、一形態では、発生器100は、外科用器具104、106、108のうちの任意の1つと一体的に形成されて、一体型外科用システムを形成してもよい。発生器100は、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス110を含む。入力デバイス110は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適なデバイスを含んでもよい。発生器100はまた、1つ以上の出力デバイス112を含んでもよい。
【0034】
ここで
図2を参照すると、発生器100は、多機能外科用器具108に連結されている。発生器100は、超音波トランスデューサ120と、ケーブル144を介してクランプアーム146内に位置する電極と、に連結されている。超音波トランスデューサ120及びシャフト129を通って延在する導波管(導波管は
図2に示さず)は、エンドエフェクタ125の超音波ブレード149を駆動する超音波駆動システムを集合的に形成してもよい。エンドエフェクタ125は、クランプアーム146を更に含み、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する組織を把持してもよい。クランプアーム146は、発生器100の一方の極性(例えば、正極)に連結された1つ、又は2つ以上の電極を含む。超音波ブレード149は、第2の極性(例えば、負極)を形成し、発生器100にもまた連結されている。RFエネルギーは、クランプアーム146内の電極(複数可)に印加され、クランプアーム146と超音波ブレード149との間に位置する組織を通り、超音波ブレード149を通り、ケーブル144を介して発生器100に戻る。一形態では、発生器100は、変化させることができるか、又は別の方法で超音波トランスデューサ120を駆動して組織にRFエネルギーを印加するために好適な、高分解能、精度及び繰り返し性により修正することができる特定の電圧、電流及び/又は周波数出力信号の駆動信号を発生させるように構成されてもよい。
【0035】
依然として
図2を参照すると、多機能外科用器具108は、トグルボタン137a、137b、134cの任意の組み合わせを含んでもよいことが理解されよう。例えば、多機能外科用器具108は、最大超音波エネルギー出力を発生させるためのトグルボタン137aと、最大又は最大電力レベル未満のいずれかでパルス出力を発生させるためのトグルボタン137bと、の2つのトグルボタンのみを有するように構成される場合がある。このようにして、発生器100の駆動信号出力構成は、5個の連続信号及び、5又は4又は3又は2又は1個のパルス信号である場合がある。ある特定の形態では、特定の駆動信号構成は、例えば、発生器100における電気的消去可能なプログラミング可能読み出し専用メモリ(EEPROM)などの不揮発性メモリ設定及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)に基づいて制御されてもよい。
【0036】
特定の形態では、2位置スイッチは、トグルボタン137cの代替として提供されてもよい。例えば、多機能外科用器具108は、最大電力レベルで連続出力を発生させるためのトグルボタン137aと、2位置トグルボタン137bと、を含んでもよい。第1の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、最大未満の電力レベルで連続的な出力を生成することができ、第2の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、(例えば、EEPOM設定値に応じて、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかで)パルス状出力を生成することができる。ボタン137a、137b、137cのうちの任意の1つは、RFエネルギーを活性化してRFエネルギーをエンドエフェクタ125に印加するように構成されてもよい。
【0037】
依然として
図2を参照すると、発生器100の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器100は、第1のデータ回路136及び/又は第2のデータ回路138と通信するように構成されてもよい。例えば、第1のデータ回路136は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。追加的に又は代替的に、任意の種類の情報は、データ回路インターフェースを介して(例えば、論理デバイスを使用して)第2のデータ回路に記憶するために第2のデータ回路に通信されてもよい。このような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを伝達してもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器100からデータを受信し、その受信データに基づいてユーザに表示(例えば、発光ダイオード(LED)表示又はその他の可視表示)を提供してもよい。多機能外科用器具108に収容された第2のデータ回路138。いくつかの形態では、第2のデータ回路138は、本明細書に記載される第1のデータ回路136のものと類似した多くのものに実装されてもよい。器具インターフェース回路は、この通信を可能にするための第2のデータ回路インターフェースを含んでもよい。一形態では、第2のデータ回路インターフェースは、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信かつ/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具104、106、108に関する情報を記憶してもよい。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具104、106、108が使用された動作数、及び/又は任意の他の種類の情報を含んでもよい。
図2の例では、第2のデータ回路138は、関連する超音波トランスデューサ120、エンドエフェクタ125、超音波エネルギー駆動システム又はRF電気外科用エネルギー駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。本明細書に記載される様々なプロセス及び技術は、発生器によって実行され得る。しかし、ある特定の実施例の形態では、これらのプロセス及び技術のすべて又は一部が多機能外科用器具108に配置された内部論理139によって行われてもよいことが理解されよう。
【0038】
図3は、
図1の外科用システム10の図である。様々な形態では、発生器100は、モジュール及び/又はブロックなどのいくつかの別個の機能的要素を含んでもよい。異なる機能的要素又はモジュールは、異なる種類の外科用器具104、106、108を駆動するために構成されてもよい。例えば、超音波駆動回路114は、ケーブル141を介して外科用器具104などの超音波デバイスを駆動してもよい。電気外科/RF駆動回路116は、ケーブル133を介してRF電気外科用器具106を駆動してもよい。各駆動回路114、116、118は、複合RF/超音波駆動回路118として複合化されて、ケーブル144を介して多機能外科用器具108を駆動するための各駆動信号の両方を生成してもよい。様々な形態において、超音波駆動回路114及び/又は電気外科/RF駆動回路116はそれぞれ、発生器100と一体的に又は外装式に形成されてもよい。あるいは、駆動回路114、116、118のうちの1つ以上は、発生器100に電気的に連結された別個の回路モジュールとして設けられてもよい。(駆動回路114、116、118は、この選択肢を例示するために仮想線で示されている。)また、いくつかの形態では、電気外科/RF駆動回路116は、超音波駆動回路114と一体的に形成されてもよいか、又はその逆であってもよい。また、いくつかの形態では、発生器100は、完全に省かれてもよく、駆動回路114、116、118は、各外科用器具104、106、108内のプロセッサ又は他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0039】
他の形態では、超音波駆動回路114及び電気外科/RF駆動回路116の電気出力部は、電気外科用RFエネルギー及び超音波エネルギーと同時に多機能外科用器具108を駆動することができる単一の電気信号に合成されてもよい。この単一電気駆動信号は、複合駆動回路118によって生成されてもよい。多機能外科用器具108は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを受信するために、超音波ブレード及びエンドエフェクタ125内の1つ以上の電極に連結された超音波トランスデューサ120を含む。多機能外科用器具108は、合成RF/超音波エネルギー信号を分割する信号処理用の構成要素を含むため、RF信号は、エンドエフェクタ125内の電極に伝達することができ、超音波信号は、超音波トランスデューサ120に伝達することができる。
【0040】
記載される形態によると、超音波駆動回路114は、特定の電圧、電流及び周波数、例えば、55,500サイクル毎秒(Hz)の駆動信号(複数可)を生成してもよい。駆動信号(複数可)は、超音波外科用器具104に、具体的には、例えば、上述したように動作してもよい超音波トランスデューサ120に提供されてもよい。超音波トランスデューサ120及びシャフト126を通って延在する導波管(導波管は図示せず)は、エンドエフェクタ122の超音波ブレード128を駆動する超音波駆動システムを集合的に形成してもよい。一形態では、発生器100は、段階式とすることができるか、又は別の方法で高分解能、精度及び繰り返し性により修正することができる特定の電圧、電流及び/又は周波数出力信号の駆動信号を発生させるように構成されてもよい。
【0041】
発生器100は、任意の好適な方法で超音波トランスデューサ120に駆動信号を提供するために起動されてもよい。例えば、発生器100は、フットスイッチケーブル132を介して発生器100に連結されたフットスイッチ130を含んでもよい。臨床医は、フットスイッチ130を押すことによって、超音波トランスデューサ120を起動してもよい。フットスイッチ130に加えて、又はその代わりに、超音波外科用器具104のいくつかの形態は、起動されたときに、発生器100に超音波トランスデューサ120を起動させてもよい、ハンドピース上に位置決めされた1つ以上のスイッチを利用してもよい。一形態では、例えば、1つ以上のスイッチは、例えば、超音波外科用器具104の動作モードを決定するために、1対のトグルボタン137a、137b(
図2)を含んでもよい。トグルボタン137aが押されるとき、例えば、発生器100は、超音波トランスデューサ120に最大駆動信号を提供し、これに最大超音波エネルギー出力を生成させてもよい。トグルボタン137bを押すことにより、発生器100が超音波トランスデューサ120にユーザ選択可能な駆動信号を提供して、最大超音波エネルギー出力未満の出力を生成させてもよい。
【0042】
追加的に又は代替的に、1つ以上のスイッチは、押されたとき、発生器100にパルス状出力を提供させるトグルボタン137cを含んでもよい。パルスは、例えば、任意の好適な周波数及び分類で提供されてもよい。ある特定の形態では、パルスの電力レベルは、例えば、トグルボタン137a、137bに関連する電力レベル(最大、最大未満)であってもよい。
【0043】
超音波外科用器具104、及び/又は多機能外科用器具108は、トグルボタン137a、137b、137cの任意の組み合わせを含んでもよいことが理解されよう。例えば、多機能外科用器具108は、最大超音波エネルギー出力を発生させるためのトグルボタン137aと、最大又は最大電力レベル未満のいずれかでパルス出力を発生させるためのトグルボタン137cと、の2つのトグルボタンのみを有するように構成される場合がある。このようにして、発生器100の駆動信号出力構成は、5個の連続信号及び、5又は4又は3又は2又は1個のパルス信号である場合がある。ある特定の形態では、特定の駆動信号構成は、例えば、発生器100におけるEEPROM設定及び/又はユーザ電力レベル選択(複数可)に基づいて制御されてもよい。
【0044】
特定の形態では、2位置スイッチは、トグルボタン137cの代替として提供されてもよい。例えば、超音波外科用器具104は、最大電力レベルで連続出力を発生させるためのトグルボタン137aと、2位置トグルボタン137bと、を含んでもよい。第1の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、最大未満の電力レベルで連続的な出力を生成することができ、第2の戻り止め位置では、トグルボタン137bは、(例えば、EEPOM設定値に応じて、最大電力レベル又は最大未満の電力レベルのいずれかで)パルス状出力を生成することができる。
【0045】
記載される形態によると、電気外科/RF駆動回路116は、RFエネルギーを用いて双極電気外科術を実行するのに十分な出力電力を有する駆動信号(複数可)を発生させてもよい。双極電気外科用途において、例えば、駆動信号は、例えば、RF電気外科用器具106のエンドエフェクタ124内に配置された電極に提供されてもよい。したがって、発生器100は、組織を処置(例えば、凝固、焼灼、組織溶接)するために十分な電気エネルギーを組織に印加することによって、治療目的のために構成されてもよい。発生器100は、処置中に組織のパラメータを監視するために組織に電気エネルギーを印加することによる治療以外の目的のために構成されてもよい。
【0046】
前述のように、複合駆動回路118は、超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーの両方を駆動するように構成されてもよい。超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーは、発生器100の別個の出力ポートを通して個別の信号として、又は発生器100の単一のポートを通して超音波エネルギー及びRF電気外科用エネルギーの合成である単一信号として、伝達されてもよい。後者の場合では、単一信号は、外科用器具104、106、108内に位置する回路によって分離することができる。
【0047】
外科用器具104、106、108は、追加的に又は代替的に、エンドエフェクタ122、124、125のジョーを動作させるためのジョークロージャトリガの位置を示すために、スイッチを含んでもよい。また、いくつかの形態では、発生器100は、ジョークロージャトリガの位置に基づいて起動されてもよい(例えば、臨床医がジョークロージャトリガを押してジョーを閉じるときに、超音波エネルギーが印加されてもよい)。
【0048】
発生器100は、例えば、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス110(
図1)を含んでもよい。入力デバイス110は、発生器100の動作をプログラミングするのに好適な信号を生成する、任意の好適なデバイスを含んでもよい。動作中、ユーザは、入力デバイス110を使用して発生器100の動作をプログラムするか、又は別の方法で制御することができる。入力デバイス110は、発生器によって(例えば、発生器内に収容された1つ以上のプロセッサによって)発生器100の動作(例えば、超音波駆動回路114、電気外科/RF駆動回路116、合成RF/超音波駆動回路118の動作)を制御するために使用することができる信号を生成する任意の好適なデバイスを含んでもよい。様々な形態では、入力デバイス110は、汎用又は専用のコンピュータへのボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、リモート接続のうちの1つ以上を含む。他の形態では、入力デバイス110は、例えば、タッチスクリーンモニタ上に表示される1つ以上のユーザインターフェーススクリーンなどの好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力デバイス110を通して、ユーザは、例えば、超音波駆動回路114及び/又は電気外科/RF駆動回路116により生成された駆動信号(複数可)の電流(I)、電圧(V)、周波数(f)及び/又は期間(T)などの、発生器の種々の動作パラメータを設定又はプログラムすることができる。
【0049】
発生器100はまた、例えば、発生器100のコンソールの前側パネル上に位置する出力インジケータなどの出力デバイス112(
図1)を含んでもよい。出力デバイス112は、ユーザに感覚的フィードバックを提供するための1つ以上のデバイスを含む。そのようなデバイスは、例えば、視覚的フィードバックデバイス(例えば、視覚的フィードバックデバイスは、白熱ランプ、LED、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル英数字表示、液晶ディスプレイ表示(LCD)スクリーン、発光ダイオード(LED)インジケータを含んでもよい)、可聴フィードバックデバイス(例えば、可聴フィードバックデバイスは、スピーカ、ブザー、可聴式のコンピュータで生成されたトーン、コンピュータ化された発話、音声/発話プラットフォームを介してコンピュータと相互作用するためのボイスユーザインターフェース(VUI)を含んでもよい)、又は触覚的フィードバックデバイス(例えば、触覚的フィードバックデバイスは、任意の種類の振動フィードバック、触覚アクチュエータを含む)を含んでもよい。
【0050】
発生器100の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記述されてもよいが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用されてもよく、かつ依然として形態の範囲内にあることが理解できよう。更に、説明を容易にするために、モジュール及び/又はブロックに関して様々な形態が記載され得るが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上のハードウェア構成要素、例えば、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタ及び/又はソフトウェア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、ロジック、及び/又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実施されてもよい。また、いくつかの形態では、本明細書に記載される様々なモジュールは、外科用器具104、106、108内に位置付けられた同様のハードウェアを利用して実現されてもよい(すなわち、発生器100は省かれてもよい)。
【0051】
一形態では、超音波駆動回路114、電気外科/RF駆動回路116及び/又は複合駆動回路118は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の組み込みアプリケーションを含んでもよい。駆動回路114、116、118は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能なモジュールを含んでもよい。ファームウェアは、ビットマスクされた読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ(NVM)に記憶されてもよい。様々な実装では、ファームウェアをROMに記憶することにより、フラッシュメモリが保存されてもよい。NVMは、例えば、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能なプログラミング可能ROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラミング可能読み出し専用メモリ(EEPROM)又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)のような電池バックアップ式ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む他のタイプのメモリを含んでもよい。
【0052】
一形態では、駆動回路114、116、118は、外科用器具104、106、108の様々な測定可能な特性を監視し、外科用器具104、106、108を動作させるための対応する出力制御信号を発生させるためのプログラム命令を実行するために、プロセッサとして実装されるハードウェア構成要素を含む。発生器100が多機能外科用器具108と共に使用される形態では、出力制御信号は、超音波トランスデューサ120を切断及び/又は凝固動作モードで駆動させてもよい。多機能外科用器具108及び/又は組織の電気特性は、発生器100の動作態様を制御するために測定及び使用されてもよく、かつ/又はユーザへのフィードバックとして提供されてもよい。発生器100が多機能電気外科用器具108と共に使用される形態では、出力制御信号は、電気エネルギー(例えば、RFエネルギー)をエンドエフェクタ125に切断、凝固及び/又は乾燥モードにおいて供給してもよい。多機能外科用器具108及び/又は組織の電気特性は、発生器100の動作態様を制御するために測定されかつ使用されてもよく、かつ/又はユーザへのフィードバックとして提供されてもよい。様々な形態では、前述のように、ハードウェア構成要素は、DSP、PLD、ASIC、回路及び/又はレジスタとして実装されてもよい。一形態では、プロセッサは、コンピュータソフトウェアプログラム命令を記憶かつ実行して、超音波トランスデューサ120及びエンドエフェクタ122、124、125などの外科用器具104、106、108の様々な構成要素を駆動するための出力信号を生成するように構成されてもよい。
【0053】
図4は、一形態による、超音波トランスデューサ120などの超音波トランスデューサの等価回路150を例示する。等価回路150は、共振器の電気機械的特性を画定する、連続的に接続されたインダクタンスL
s、抵抗R
s及び容量C
sを有する第1の「動作」ブランチと、静電容量C
oを有する第2の容量性ブランチと、を含む。動作電流I
mが第1のブランチを通って流れ、電流I
g-I
mが容量性ブランチを通って流れる状態で、駆動電流I
gは、発生器から駆動電圧V
gで受信されてもよい。超音波トランスデューサの電気機械的性質の制御は、I
g及びV
gを好適に制御することによって達成されてもよい。上述のように、従来の発生器アーキテクチャは、発生器の電流出力I
gの実質的にすべてが動作ブランチを通って流れるように、並列共振回路内で静的静電容量Coを共振周波数でチューンアウトする(tuning out)ための同調インダクタL
t(
図4に仮想線で示される)を含んでもよい。この方法では、動作ブランチの電流I
mの制御は、発生器の電流出力I
gを制御することによって達成される。同調インダクタL
tは、超音波トランスデューサの静的静電容量C
oに特有であるが、異なる静的静電容量を有する異なる超音波トランスデューサは、異なる同調インダクタL
tを必要とする。更に、同調インダクタL
tは、単一の共振周波数での静的静電容量Coの公称値と一致するため、動作ブランチ電流I
mの正確な制御は、その周波数でのみ保証され、トランスデューサの温度と共に周波数が下がると、動作ブランチ電流の正確な制御は損われる。
【0054】
発生器100の形態は、同調インダクタLtに依存せずに動作ブランチ電流Imを監視する。その代わりに、発生器100は、特定の超音波外科用器具104への電力の印加間の静電容量Coの測定値(それと共に、駆動信号電圧及び電流フィードバックデータ)を使用して、動的かつ継続的に(例えば、リアルタイムで)動作分岐電流Imの値を決定してもよい。したがって、そのような形態の発生器100は、静的静電容量Coの公称値によって決定される単一の共振周波数においてのみではなく、任意の周波数で任意の値の静的静電容量Coと同調される又は共振するシステムをシミュレートするために、仮想同調を提供することが可能である。
【0055】
図5は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器200の簡略化ブロック図である。発生器200は、数ある利点の中で上述したように、インダクタを用いない同調を提供するように構成されている。発生器200の更なる詳細は、本発明の譲受人に譲渡されかつ同時出願された「Surgical Generator For Ultrasonic And Electrosurgical Devices」と題する米国特許第9,060,775号に記載されており、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図5を参照すると、発生器200は、電力変圧器206を介して非絶縁段階204と通信する患者絶縁段階202含んでもよい。電力変圧器206の二次巻線208は、絶縁段階202に収容されており、例えば、超音波外科用器具104、RF電気外科用器具106及び多機能外科用器具108などの異なる外科用装置に駆動信号を伝達するための駆動信号出力部210a、210b、210cを画定するタップ構成(例えば、センタータップ又は非センタータップ構成)を含んでもよい。具体的には、駆動信号出力部210a、210cは、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均根[RMS]駆動信号)を超音波外科用器具104に出力してもよく、駆動信号出力部210b、210cは、電力変圧器206のセンタータップに対応する駆動出力部2160bにより、電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具106に出力してもよい。
【0056】
ある特定の形態では、超音波駆動信号及び電気外科用駆動信号は、別個の外科用器具に同時に提供されてもよく、かつ/又は多機能外科用器具108(
図1~
図3)などの、超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する単一の外科用器具に提供されてもよい。専用電気外科用器具及び/又は複合多機能超音波/電気外科用器具のいずれかに提供される電気外科用信号が、治療レベルの信号又は治療未満レベルの信号のいずれかであってもよく、治療未満のレベルの信号では、例えば、組織又は器具の状態を監視し、発生器にフィードバックを提供するために治療未満の信号を使用することができることが理解されよう。例えば、超音波信号及びRF信号は、以下でより詳細に論じられるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に伝達することができる。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを合成して、合成エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために用いられてもよい一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に用いられてもよい。
【0057】
非絶縁段階204は、電力変圧器206の一次巻線214に接続された出力を有する電力増幅器212を含んでもよい。ある特定の形態では、電力増幅器212は、プッシュプル増幅器を含んでもよい。例えば、非絶縁段階204は、対応するアナログ信号を電力増幅器212の入力に続いて供給するデジタル-アナログ変換器(DAC)回路218に、デジタル出力を供給するための論理デバイス216を更に含んでもよい。ある特定の形態では、論理デバイス216は、数ある論理回路の中で、例えば、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)を含んでもよい。したがって、論理デバイス216は、DAC回路218を介して電力増幅器212の入力を制御することによって、駆動信号出力部210a、210b、210cで出現する駆動信号の多くのパラメータ(例えば、周波数、波形、波形振幅)のうちのいずれかを制御することができる。特定の形態では、後述するように、論理デバイス216は、プロセッサ(例えば、後述するデジタル信号プロセッサ)と共に、多くのデジタル信号処理(DSP)式及び/又はその他の制御アルゴリズムを実装して、発生器200によって出力される駆動信号のパラメータを制御してもよい。
【0058】
電力は、スイッチモードレギュレータ220、例えば、電力変換器によって、電力増幅器212の電力レールに供給されてもよい。ある特定の形態では、スイッチモードレギュレータ220は、例えば、調節可能なバックレギュレータを含んでもよい。非絶縁段階204は、第1のプロセッサ222を更に含んでもよく、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP-21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを含んでもよいが、様々な形態において任意の好適なプロセッサが使用されてもよい。ある特定の形態では、DSPプロセッサ222は、アナログ・デジタル変換器(ADC)回路224を介してDSPプロセッサ222によって電力増幅器212から受信される、電圧フィードバックデータに応答するスイッチ-モード電力レギュレータ220の動作を制御してもよい。一形態では、例えば、DSPプロセッサ222は、電力増幅器212によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC回路224を介して入力として受信してもよい。次いで、DSPプロセッサ222は、電力増幅器212に供給されるレール電圧が、増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、(例えば、パルス幅変調(PWM)出力を介して)スイッチモードレギュレータ220を制御してもよい。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器212のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器212の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善されてもよい。
【0059】
ある特定の形態では、論理デバイス216は、DSPプロセッサ222と共に、DDS(例えば、
図13、
図14を参照)制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器200によって駆動信号出力の波形、周波数及び/又は振幅を制御してもよい。一形態では、例えば、論理デバイス216は、FPGA内に組み込まれてもよいRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップ表(LUT)内に記憶された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実装することができる。この制御アルゴリズムは、超音波トランスデューサ120などの超音波トランスデューサが、その共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動されてもよい超音波用途に特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起してもよいため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減してもよい。発生器200による駆動信号出力の波形は、出力駆動回路内に存在する歪みの様々な発生源(例えば、電力変圧器206、電力増幅器212)によって影響されるため、駆動信号に基づいた電圧及び電流のフィードバックデータは、DSPプロセッサ222によって実装される誤差制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力されることができ、このアルゴリズムは、動的かつ継続的に(例えば、リアルタイムで)、LUTに記憶された波形サンプルを好適に予め歪ませるか又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプルごとに決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理されるとき、超音波トランスデューサを最適に駆動するために、所望の波形(例えば、正弦波形状)を有する動作ブランチ駆動信号を生じてもよい。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形を最終的に生成するために必要な波形を表す。
【0060】
非絶縁段階204は、発生器200による駆動信号出力の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、各絶縁変圧器230、232を介して電力変圧器206の出力に連結された第1のADC回路226及び第2の回路ADC228を更に含んでもよい。ある特定の形態では、ADC回路226、228は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、80メガサンプル毎秒[MSPS])でサンプリングするように構成されてもよい。一形態では、例えば、ADC回路226、228のサンプリング速度は、(周波数に応じて)約200倍の駆動信号のオーバーサンプリングを可能にしてもよい。ある特定の形態では、ADC回路226、228のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介して入力電圧及び電流信号を受け取る単一のADC回路によって実施されてもよい。発生器200の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、(上述の直接デジタル合成(DDS)ベースの波形制御を実装するために、特定の形態で使用されてもよい)動作ブランチを通って流れる複素電流の計算、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング及び高精度での実電力消費の計算を可能にしてもよい。ADC回路226、228によって出力される電圧及び電流のフィードバックデータは、論理デバイス216によって受信かつ処理されてもよく(例えば、先入れ先出し[FIFO]バッファ、マルチプレクサ)、例えば、DSPプロセッサ222による後続の読み出しのために、データメモリに記憶されてもよい。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。ある特定の形態では、これは電圧及び電流のフィードバックデータ対が得られる場合に、論理デバイス216によって出力された対応するLUTサンプルに基づき、又は別の方法でこれに関連して、記憶された各電圧及び電流のフィードバックデータ対が索引されることを必要としてもよい。この方法によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
【0061】
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用されてもよい。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。駆動信号の周波数はその後、決定されたインピーダンス相とインピーダンス相設定点(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減するように制御され得、それによって高調波歪みの影響を最小化又は低減し、これに対応してインピーダンス相の測定正確度を向上させる。相インピーダンス及び周波数制御信号の決定は、例えば、DSPプロセッサ222に実装されてもよく、周波数制御信号は、論理デバイス216によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
【0062】
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定点は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電流設定点に基づいて間接的に決定されてもよい。ある特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、DSPプロセッサ222内の比例積分導関数(PID)制御アルゴリズムなどの制御アルゴリズムによって実装されてもよい。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムによって制御される変数は、例えば、論理デバイス216に記憶されるLUT波形サンプルのスケーリング及び/又はDAC回路234を介した(電力増幅器212への入力を供給する)DAC回路218のフルスケール出力電圧を含んでもよい。
【0063】
非絶縁段階204は、とりわけユーザインターフェース(UI)機能性を提供するために、第2のプロセッサ236を更に含んでもよい。一形態では、UIプロセッサ236は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,CA)から入手可能な、ARM 926EJ-Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを含んでもよい。UIプロセッサ236によってサポートされるUI機能性の例としては、
図1及び
図3に示すように、可聴及び視覚的ユーザフィードバック、(例えば、Universal Serial Bus(USB)インターフェースによる)周辺デバイスとの通信、フットスイッチ130との通信、入力デバイス110との通信(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)及び出力デバイス112との通信(例えば、スピーカ)を挙げてもよい。UIプロセッサ236は、DSPプロセッサ222及び論理デバイス216(例えば、シリアル周辺機器インターフェース(SPI)バス)と通信してもよい。UIプロセッサ236は、UI機能性を主にサポートしてもよいが、特定の形態では、UIプロセッサ236はまた、DSPプロセッサ222と協調して、危険の緩和を実現してもよい。例えば、UIプロセッサ236は、ユーザ入力及び/又は他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、
図3に示すようなフットスイッチ130入力、温度センサ入力)の様々な態様を監視するようにプログラムされてもよく、かつ誤った状態が検出されるとき、発生器200の駆動出力を無効化してもよい。
【0064】
特定の形態では、DSPプロセッサ222及びUIプロセッサ236の両方は、例えば、発生器200の動作状態を判定かつ監視してもよい。DSPプロセッサ222に関し、発生器200の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ222によって実行されるかを表してもよい。UIプロセッサ236に関し、発生器200の動作状態は、例えば、ユーザインターフェース(例えば、ディスプレイスクリーン、音)のどの要素がユーザに提供されるかを表してもよい。対応するDSP及びUIプロセッサ222、236は、発生器200の現在の動作状態を別個に維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識かつ評価する。DSPプロセッサ222は、この関係におけるマスターとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを決定してもよい。UIプロセッサ236は、動作状態間の有効な遷移を認識してもよく、また特定の遷移が適切であるかを確認してもよい。例えば、DSPプロセッサ222が、UIプロセッサ236に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ236は、要求される遷移が有効であることを確認してもよい。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ236によって無効であると決定される場合、UIプロセッサ236は、発生器200を故障モードにしてもよい。
【0065】
非絶縁段階204は、入力デバイス110を監視するために、コントローラ238を更に含んでもよい(例えば、発生器200をオンオフするために使用される容量性タッチセンサ、容量性タッチスクリーン)。ある特定の形態では、コントローラ238は、少なくとも1つのプロセッサ及び/又はUIプロセッサ236と通信する他のコントローラデバイスを含んでもよい。一形態では、例えば、コントローラ238、1つ以上の容量性タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMega168 8ビットコントローラ)を含んでもよい。一形態では、コントローラ238は、容量性タッチスクリーンからのタッチデータの取得を制御かつ管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を含んでもよい。
【0066】
特定の形態では、発生器200が「電力オフ」状態にあるとき、コントローラ238は、(例えば、以下の電源254などの、発生器200の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続けてもよい。このようにして、コントローラ196は、発生器200をオン及びオフにするために、入力デバイス110(例えば、発生器200の前側パネル上に位置する容量性タッチセンサ)を監視し続けてもよい。発生器200が電源オフ状態にあるとき、コントローラ238は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイス110の起動が検出された場合、電源を起動してもよい(例えば、電源254の1つ以上のDC/DC電圧変換器256の動作を有効化する)。コントローラ238は、したがって、発生器200を「電源オン」状態に遷移させるために、シーケンスを開始することができる。逆に、発生器200が電源オン状態にあるとき、コントローラ238は、「オン/オフ」入力デバイス110の起動が検出された場合、発生器200を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。例えば、ある特定の形態では、コントローラ238は、「オン/オフ」入力デバイス110の起動をUIプロセッサ236に報告してもよく、これは、次いで、発生器200の電源オフ状態への遷移のために必要なプロセスシーケンスを実行する。この形態では、コントローラ196は、発生器200の電源オン状態が確立された後に、発生器200から電力を排除するための別個の能力を有しないことがある。
【0067】
特定の形態では、コントローラ238は、ユーザに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器200に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させてもよい。このような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
【0068】
ある特定の形態では、絶縁段階202は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを含む制御回路)と、非絶縁段階204の構成要素、例えば、論理デバイス216、DSPプロセッサ222及び/又はUIプロセッサ236との間の通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路240を含んでもよい。器具インターフェース回路240は、例えば、赤外線(IR)ベースの通信リンクなどの、絶縁段階202と非絶縁段階204との間の好適な度合いの電気的絶縁を維持する通信リンクを介し、非絶縁段階204の構成要素と情報を交換してもよい。例えば、非絶縁段階204から駆動される絶縁変圧器によって電力供給される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路240に電力が供給されてもよい。
【0069】
一形態では、器具インターフェース回路240は、信号調整回路244と通信している論理回路242(例えば、論理回路、プログラマブル論理回路、PGA、FPGA、PLD)を含んでもよい。信号調整回路244は、同一の周波数を有する双極呼びかけ信号を生成するために、論理デバイス242から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成されてもよい。呼びかけ信号は、例えば、差動増幅器により供給される双極電流源を使用して生成され得る。呼びかけ信号は、(例えば、発生器200を外科用器具に接続するケーブル内の導電ペアを使用して)外科用器具制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視されてもよい。制御回路は、多数のスイッチ、抵抗器及び/又はダイオードを含んで、制御回路の状態又は構成が1つ以上の特性に基づいて独自に識別可能であるように、呼びかけ信号の1つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正してもよい。一形態では、例えば、信号調整回路244は、呼びかけ信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するため、ADC回路を含んでもよい。続いて、論理回路242(又は、非絶縁段階204の構成要素)は、ADC回路サンプルに基づく制御回路の状態又は構成を決定してもよい。
【0070】
一形態では、器具インターフェース回路240は、第1のデータ回路インターフェース246を含んで、論理回路242(又は器具インターフェース回路240のその他の要素)と、外科用器具内に配置されるか又は別の方法で関連付けられた第1のデータ回路と、の間の情報交換を可能にしてもよい。ある特定の形態では、例えば、第1のデータ回路136(
図2)は、発生器200を有する特定の外科用器具タイプ又はモデルとインターフェース接続させるために、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又はアダプタ内に配置されてもよい。第1のデータ回路136は、任意の好適な方法で実装されてもよく、例えば、第1の回路136に関して本明細書に記載されたものを含む任意の好適なプロトコルに従って発生器と通信してもよい。ある特定の形態では、第1のデータ回路は、EEPROMデバイスなどの、不揮発性記憶デバイスを含んでもよい。特定の形態において、また
図5を再度参照すると、第1のデータ回路インターフェース246は、論理回路242とは別個に実施されてもよく、論理回路242と第1のデータ回路との間の通信を可能にするための好適な回路(例えば、ディスクリートの論理デバイス、プロセッサ)を含んでもよい。他の形態では、第1のデータ回路インターフェース246は、論理回路242と一体であってもよい。
【0071】
ある特定の形態では、第1のデータ回路136*
図2)は、第1のデータ回路が関連付けられている特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他の種類の情報を含んでもよい。この情報は、器具インターフェース回路240によって(例えば、論理回路242によって)読み出され、出力デバイス112(
図1及び
図3)を介したユーザへの提供のために、かつ/又は発生器200の機能又は動作の制御のために、非絶縁段階204の構成要素(例えば、論理デバイス216、DSPプロセッサ222及び/又はUIプロセッサ236)に転送されてもよい。加えて、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース246を介して(例えば、論理回路242を使用して)回路内に記憶されるために、第1のデータ回路136に通信されてもよい。このような情報は例えば、外科用器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
【0072】
上記のように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であってもよい(例えば、多機能外科用器具108は、ハンドピース109から取り外し可能であってもよい)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、互換性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、構成複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で論じられる器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための構成変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
【0073】
加えて、発生器200の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器200は、器具(例えば、
図2に示した多機能外科用器具108)内に収容される第2のデータ回路138(
図2)と通信するように構成されてもよい。いくつかの形態では、第2のデータ回路138は、本明細書に記載される第1のデータ回路136(
図2)のものと類似した多くのものに実装されてもよい。器具インターフェース回路240は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース248を含んでもよい。一形態では、第2のデータ回路インターフェース248は、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信かつ/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。このような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他の種類の情報を含んでもよい。
【0074】
いくつかの形態では、第2のデータ回路138(
図2)は、関連する超音波トランスデューサ120、エンドエフェクタ125、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。例えば、第1のデータ回路136(
図2)は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。追加的に又は代替的に、任意の種類の情報は、第2のデータ回路インターフェース248を介して(例えば、論理回路242を使用して)第2のデータ回路に記憶するために第2のデータ回路に通信されてもよい。このような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを伝達してもよい。ある特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器200からデータを受信し、その受信データに基づいてユーザに表示(例えば、LED表示又はその他の可視表示)を提供してもよい。
【0075】
ある特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース248は、論理回路242と第2のデータ回路との間の通信が、この目的のための追加的な導体(例えば、ハンドピースを発生器200に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらされ得るように構成されてもよい。一形態では、例えば、情報は、信号調整回路244からハンドピース内の制御回路に呼びかけ信号を伝送するために使用される導体のうちの1つなどの既存のケーブルで実施される、1ワイヤバス通信スキームを使用して、第2のデータ回路に通信され、かつ第2のデータ回路から通信されてもよい。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への構成変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり得、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
【0076】
特定の形態では、絶縁段階202は、直流電流が患者を通るのを防ぐために、駆動信号出力端子210bに接続された、少なくとも1つの阻止コンデンサ250-1を含んでもよい。単一の阻止コンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ構成における故障が比較的稀であるが、それでもなおこのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2の阻止コンデンサ250-2が、阻止コンデンサ250-1と直列に設けられてもよく、阻止コンデンサ250-1、250-2間の点からの漏電が、例えば、漏えい電流によって誘導される電圧をサンプリングするためのADC回路252によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路242によって受信されてもよい。(
図5の形態における電圧サンプルによって示されるような)漏えい電流の変化に基づき、発生器200は、阻止コンデンサ250-1及び250-2のうちの少なくとも一方が故障した際にこれを決定してもよい。したがって、
図5の形態は、単一の破損点を有する単一コンデンサ構成に対して利益を提供する。
【0077】
ある特定の形態では、非絶縁段階204は、好適な電圧及び電流にてDC電力を送達するための電源254を含んでもよい。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を送達するための、400W電源を含んでもよい。電源254は、発生器200の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流にてDC出力を生成するために電源の出力を受信するための、1つ以上のDC/DC電圧変換器256を更に含んでもよい。コントローラ238と関連して上述されたように、DC/DC電圧変換器256のうちの1つ以上は、ユーザによる「オン/オフ」入力デバイス110の起動がコントローラ238によって検出されたとき、コントローラ238から入力を受信し、DC/DC電圧変換器256の動作又は起動を可能にしてもよい。
【0078】
図6は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器300の駆動システム302の一形態を示す。発生器300は、超音波トランスデューサ(例えば、
図1~
図3の超音波トランスデューサ120)を駆動するための、駆動信号とも称される超音波電気信号を提供するように構成されている。発生器300は、発生器100、200(
図1~
図3及び
図5)に類似しており、互換性であってもよい。駆動システム302は、柔軟性があり、超音波電気信号304を、超音波トランスデューサ306を駆動するための所望の周波数及び電力レベル設定で生成することができる。様々な形態では、発生器300は、モジュール及び/又はブロックなどのいくつかの別個の機能的要素を含んでもよい。特定のモジュール及び/又はブロックが例として記述されてもよいが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用されてもよく、かつ依然として形態の範囲内にあることが理解できよう。更に、説明を容易にするために、モジュール及び/又はブロックに関して様々な形態が記載され得るが、そのようなモジュール及び/又はブロックは、1つ以上のハードウェア構成要素、例えば、プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタ及び/又はソフトウェア構成要素、例えば、プログラム、サブルーチン、ロジック、及び/又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実施されてもよい。
【0079】
一形態では、発生器300の駆動システム302は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの任意の組み合わせとして実装される1つ以上の組み込みアプリケーションを含んでもよい。発生器300の駆動システム302は、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能なモジュールを含んでもよい。ファームウェアは、ビットマスクされた読み出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリのような不揮発性メモリ(NVM)に記憶されてもよい。様々な実装では、ファームウェアをROMに記憶することにより、フラッシュメモリが保存されてもよい。NVMは、例えば、プログラミング可能ROM(PROM)、消去可能なプログラミング可能ROM(EPROM)、EEPROM又はダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)及び/若しくは同期DRAM(SDRAM)のような電池バックアップ式ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む他のタイプのメモリを含んでもよい。
【0080】
一形態では、発生器300の駆動システム302は、超音波外科用器具104(
図1)の様々な測定可能な特性を監視するため、並びに切断及び/又は凝固動作モードで超音波トランスデューサを駆動するための出力信号を生成するためのプログラム命令を実行するために、プロセッサ308として実装されたハードウェア構成要素を含む。当業者であれば、発生器300及び駆動システム302が追加的な構成要素又はより少ない構成要素を含んでもよいこと、また、正確さと明瞭さのために本明細書には簡易版の発生器300及び駆動システム302だけが記述されていることを理解するであろう。様々な形態では、前述のように、ハードウェア構成要素は、DSP、PLD、ASIC、回路及び/又はレジスタとして実装されてもよい。一形態では、プロセッサ308は、トランスデューサ、エンドエフェクタ及び/又はブレードのような超音波外科用器具104の様々な構成要素を駆動するための出力信号を生成するコンピュータソフトウェアプログラム命令を記憶かつ実行するように構成されてもよい。
【0081】
一形態では、1つ以上のソフトウェアプログラムルーチンの制御下で、プロセッサ308は、記載されている形態に従って方法を実行して、様々な時間間隔又は期間(T)にわたる電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を含む電気信号出力波形を生成する。駆動信号の階段状波形は、発生器300の駆動信号、例えば、出力駆動電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を階段状にすることによって、複数の時間間隔にかけての定数関数の区分的線形の組み合わせを形成することによって生成されてもよい。時間間隔又は期間(T)は、既定(例えば、ユーザによって固定かつ/又はプログラム)されていてもよいし、可変であってもよい。可変時間間隔は、駆動信号を第1の値に設定し、かつ監視される特性に変化が検出されるまで駆動信号をその値に維持することによって定義されてもよい。監視される特性の例としては、例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス、組織加熱、組織離断、組織凝固などが挙げられてもよい。発生器300によって生成される超音波駆動信号は、限定されないが、例えば、プライマリ縦モード及びその高調波、並びに曲げ及びねじれ振動モードのような様々な振動モードで超音波トランスデューサ306を励起することができる超音波駆動信号を含む。
【0082】
一形態では、実行可能なモジュールは、メモリに記憶された1つ以上のアルゴリズム310を含み、そのアルゴリズムは、実行されたときにプロセッサ308に、様々な時間間隔又は期間(T)にわたる電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を含む電気信号出力波形を生成させる。駆動信号の階段状波形は、発生器300の出力駆動電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を階段状にすることによって作り出される2つ以上の時間間隔にわたる定数関数の区分的線形の組み合わせを形成することによって生成されてもよい。駆動信号は、1つ以上のアルゴリズム310に従って所定の固定時間間隔若しくは期間(T)又は変動時間間隔若しくは期間のいずれかにわたって生成されてもよい。プロセッサ308の制御下で、発生器100は、既定期間(T)にかけて又は監視される特性(例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス)における変化などの既定条件が検出されるまで、特定の分解能で電流(I)、電圧(V)及び/又は周波数(f)を上又は下に出力する(例えば、増加又は減少させる)。これらの階段は、プログラムされたインクリメント又はデクリメントにおいて変化することができる。他の階段が望まれる場合は、発生器300は、測定されたシステムの特性に基づき適合して階段を増加又は減少させることができる。
【0083】
動作中、ユーザは、発生器300のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス312を使用して発生器300の動作をプログラムすることができる。入力デバイス312は、プロセッサ308に適用して発生器300の動作を制御することができる信号314を生成する任意の好適なデバイスを含んでもよい。様々な形態では、入力デバイス312は、汎用又は専用のコンピュータへのボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、リモート接続を含む。他の形態では、入力デバイス312は、好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力デバイス312を使用して、ユーザは、発生器300の出力をプログラムするための電流(I)、電圧(V)、周波数(f)及び/又は期間(T)を設定又はプログラムすることができる。次いで、プロセッサ308は、ライン316で信号を出力インジケータ318に送ることによって、選択された電力レベルを表示する。
【0084】
様々な形態では、出力インジケータ318は、視覚的、可聴かつ/又は触覚的なフィードバックを外科医に提供して、超音波外科用器具104の測定された特性、例えば、トランスデューサインピーダンス、組織インピーダンス又は後に説明するようなその他の測定値に基づいて、例えば、組織切断及び凝固の完了時などの、外科手技の状況を示してもよい。限定ではなく例示として、視覚的フィードバックには、白熱電灯又はLED、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル英数字表示を含む、任意のタイプの視覚的指示デバイスが挙げられる。限定ではなく例示として、可聴フィードバックには、音声/発話プラットフォームを介してコンピュータと相互作用するための任意のタイプのブザー、コンピュータで生成されたトーン、コンピュータ化された発話、ボイスユーザインターフェース(VUI)が挙げられる。限定ではなく例示として、触覚的フィードバックには、器具ハウジングのハンドルアセンブリを介して提供される任意のタイプの振動フィードバックが挙げられる。
【0085】
一形態では、プロセッサ308は、デジタル電流信号320及びデジタル周波数信号322を生成するように構成されるか又はプログラムされてもよい。これらのデジタル信号320、322は、トランスデューサへの超音波電気駆動信号304の振幅及び周波数(f)を調整するために、DDS回路324などのデジタル合成回路(例えば
図13、
図14を参照)に適用される。DDS回路324の出力は、電力増幅器326に適用され、電力増幅器326の出力は、変圧器328に適用される。変圧器328の出力は、導波管によってブレードに連結された超音波トランスデューサ306に適用される超音波電気駆動信号304である。DDS回路324の出力は、揮発性(RAM)メモリ回路及び不揮発性(ROM)メモリ回路を含む1つ以上のメモリ回路に記憶されてもよい。
【0086】
一形態では、発生器300は、超音波器具104(
図1、
図2)又は多機能電気外科用/超音波器具108(
図1~
図3)の測定可能な特性を監視するように構成されてもよい1つ以上の測定モジュール又は構成要素を含む。図示の形態では、プロセッサ308は、システムの特性を監視かつ算出するために使用されてもよい。示したように、プロセッサ308は、超音波トランスデューサ306に供給される電流及びトランスデューサに印加される電圧を監視することによってトランスデューサのインピーダンスZを測定する。一形態では、電流感知回路330は、トランスデューサを流れる電流を感知するために使用され、電圧感知回路332は、超音波トランスデューサ306に印加される出力電圧を感知するために使用される。これらの信号は、アナログマルチプレクサ334回路又はスイッチ回路構成を介してADC回路336に適用されてもよい。アナログマルチプレクサ334は、適切なアナログ信号を変換のためにADC回路336に送る。他の形態では、アナログマルチプレクサ334回路の代わりに複数のADC回路336をそれぞれの測定された特性のために使用してもよい。プロセッサ308は、ADC回路336のデジタル出力338を受信し、電流及び電圧の測定値に基づいてトランスデューサインピーダンスZを算出する。プロセッサ308は、負荷曲線に対する所望の電力を生成することができるように超音波電気駆動信号304を調整する。プログラムされたアルゴリズム(複数可)310に従って、プロセッサ308は、トランスデューサインピーダンスZに応答して、超音波電気駆動信号304、例えば、電流又は周波数を、任意の好適なインクリメント又はデクリメントで階段状にすることができる。
【0087】
図7は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器400の駆動システム402の一態様を示す。動作中、ユーザは、発生器400のコンソールの前側パネル上に位置する入力デバイス412を使用して発生器400の動作をプログラムすることができる。入力デバイス412は、プロセッサ408に適用して発生器400の動作を制御することができる信号414を生成する任意の好適なデバイスを含んでもよい。様々な形態では、入力デバイス412は、汎用又は専用のコンピュータへのボタン、スイッチ、サムホイール、キーボード、キーパッド、タッチスクリーンモニタ、ポインティングデバイス、リモート接続を含む。他の形態では、入力デバイス412は、好適なユーザインターフェースを含んでもよい。したがって、入力デバイス412を使用して、ユーザは、発生器400の出力をプログラムするための電流(I)、電圧(V)、周波数(f)及び/又は期間(T)を設定又はプログラムすることができる。次いで、プロセッサ408は、ライン416で信号を出力インジケータ418に送ることによって、選択された電力レベルを表示する。
【0088】
発生器400は、組織インピーダンスモジュール442を含む。駆動システム402は、電気駆動信号404を生成して、超音波トランスデューサ406を駆動するように構成されている。一形態では、組織インピーダンスモジュール442は、ブレード440とクランプアームアセンブリ444との間に把持された組織のインピーダンスZtを測定するように構成されてもよい。組織インピーダンスモジュール442は、RF発振器446、RF電圧感知回路448及びRF電流感知回路450を含む。RF電圧感知回路448及びRF電流感知回路450は、ブレード440の電極に印加されたRF電圧Vrfと、ブレード440の電極、組織及びクランプアームアセンブリ444の導電部分を通って流れるRF電流irfと、に応答する。検知された電圧Vrf及び電流Irfは、ADC回路436によってアナログマルチプレクサ434を介してデジタル形式に変換される。プロセッサ408は、ADC回路436のデジタル出力438を受信し、組織インピーダンスZtを、RF電圧検知回路448及びRF電流検知回路450によって測定されるRF電圧Vrfの電流Irfに対する比率を計算することによって決定する。一態様では、内側筋肉層及び組織の離断は、組織インピーダンスZtを感知することによって検出されてもよい。したがって、組織インピーダンスZtの検出を自動プロセスと統合して、通常なら共振で生じる有意な量の加熱を引き起こさずに、組織を離断する前に内側筋肉層を外膜層から分離することができる。
【0089】
一形態では、ブレード440の電極に印加されたRF電圧Vrfと、ブレード440の電極、組織及びクランプアームアセンブリ451の導電部分を通って流れるRF電流Irfとは、血管封止及び/又は切開に好適である。したがって、発生器400のRF電力出力は、組織インピーダンス測定などの非治療的機能並びに血管封止及び/又は切開などの治療的機能のために選択することができる。本開示の文脈において、超音波及びRF電気外科用エネルギーが、個々又は同時のいずれかで発生器により供給され得ることが理解されよう。
【0090】
様々な形態では、フィードバックは、
図6及び
図7に示される出力インジケータ418によって提供される。出力インジケータ418は、エンドエフェクタによって操作されている組織がユーザの視野から外れており、組織の状態の変化が、いつ発生するかをユーザが見ることができない用途で特に有用である。出力インジケータ418は、組織状態における変化が生じたことをユーザに通信する。前述のように、出力インジケータ418は、視覚的、可聴かつ/又は触覚的なフィードバックを含むが、それらに限定されない様々な種類のフィードバックをユーザに提供して、組織が組織の状態又は条件の変化を経たことをユーザ(例えば、外科医、臨床医)に示すように構成されてもよい。限定ではなく例示として、前述のように、視覚的フィードバックには、白熱電灯又はLED、グラフィカル・ユーザ・インターフェース、ディスプレイ、アナログインジケータ、デジタルインジケータ、棒グラフ表示、デジタル英数字表示を含む、任意のタイプの視覚的指示デバイスが挙げられる。限定ではなく例示として、可聴フィードバックには、音声/発話プラットフォームを介してコンピュータと相互作用するための任意のタイプのブザー、コンピュータで生成されたトーン、コンピュータ化された発話、(VUI)が挙げられる。限定ではなく例示として、触覚的フィードバックには、器具ハウジングのハンドルアセンブリを介して提供される任意のタイプの振動フィードバックが挙げられる。組織の状態の変化は、先に記載したトランスデューサ及び組織インピーダンス測定値に基づいて決定されてもよく、又は電圧、電流、及び周波数測定値に基づいて決定されてもよい。
【0091】
一形態では、プロセッサ408は、デジタル電流信号420及びデジタル周波数信号422を生成するように構成されるか又はプログラムされてもよい。これらのデジタル信号420、422は、トランスデューサ406への電気駆動信号404の振幅及び周波数(f)を調整するために、DDS回路424などのデジタル合成回路(例えば
図13、
図14を参照)に適用される。DDS回路424の出力は、電力増幅器426に適用され、電力増幅器426の出力は、変圧器428に適用される。変圧器428の出力は、導波管によってブレードに連結された超音波トランスデューサ406に適用される電気駆動信号404である。DDS回路424の出力は、揮発性(RAM)メモリ回路及び不揮発性(ROM)メモリ回路を含む1つ以上のメモリ回路に記憶されてもよい。
【0092】
一形態では、発生器400は、超音波器具104(
図1、
図3)又は多機能電気外科用/超音波器具108(
図1~
図3)の測定可能な特性を監視するように構成されてもよい1つ以上の測定モジュール又は構成要素を含む。図示の形態では、プロセッサ408は、システムの特性を監視かつ算出するために使用されてもよい。示したように、プロセッサ408は、超音波トランスデューサ406に供給される電流及びトランスデューサに印加される電圧を監視することによってトランスデューサのインピーダンスZを測定する。一形態では、電流感知回路430は、トランスデューサを流れる電流を感知するために使用され、電圧感知回路432は、超音波トランスデューサ406に印加される出力電圧を感知するために使用される。これらの信号は、アナログマルチプレクサ434回路又はスイッチ回路構成を介してADC回路436に適用されてもよい。アナログマルチプレクサ434は、適切なアナログ信号を変換のためにADC回路436に送る。他の形態では、アナログマルチプレクサ434回路の代わりに複数のADC回路436をそれぞれの測定された特性のために使用してもよい。プロセッサ408は、ADC回路436のデジタル出力438を受信し、電流及び電圧の測定値に基づいてトランスデューサインピーダンスZを算出する。プロセッサ308は、負荷曲線に対する所望の電力を生成することができるように電気駆動信号404を調整する。プログラムされたアルゴリズム(複数可)410に従って、プロセッサ408は、トランスデューサインピーダンスZに応答して、超音波電気駆動信号404、例えば、電流又は周波数を、任意の好適なインクリメント又はデクリメントで階段状にすることができる。
【0093】
図6及び
図7を参照すると、様々な形態では、コンピュータ読み取り可能な命令を含む様々な実行可能な命令又はモジュール(例えば、アルゴリズム310、410)が、発生器300、400のプロセッサ308、408部分によって実行され得る。様々な形態では、アルゴリズムに関して記載された動作は、例えば、プログラム、サブルーチン、論理である1つ以上のソフトウェア構成要素、例えば、プロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタである1つ以上のハードウェア構成要素及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとして実装されてもよい。一形態では、アルゴリズムを行う実行可能命令は、メモリに記憶されてもよい。実行されると、命令は、プロセッサ308、408に組織の状態の変化を判定させて、出力インジケータ318、418によってユーザにフィードバックを提供する。そのような実行可能な命令に従って、プロセッサ308、408は、発生器300、400から入手可能な電圧、電流及び/又は周波数の信号サンプルを監視かつ評価し、そのような信号サンプルの評価に従って、組織の状態の変化が生じたかどうかを判定する。下記に詳述するように、組織の状態の変化は、超音波器具のタイプと、その器具が受けている電力レベルとに基づいて判定されてもよい。フィードバックに応答して、外科用器具104、106、108(
図1~
図3)の動作モードは、ユーザによって制御されてもよいか、又は自動的若しくは半自動的に制御されてもよい。
【0094】
図8は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器500の例を示す。発生器500は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器500は、
図5~
図7に示した発生器200、300、400の機能を含む。発生器500は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述の通りに、少なくとも1つの発生器出力は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために、別個に又は同時にエンドエフェクタに伝達することができる。発生器500は、波形発生器504に連結されたプロセッサ502を含む。プロセッサ502及び波形発生器504は、プロセッサ502に連結されたメモリに格納された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連付けられたデジタル情報は、1つ以上のDAC回路を含む波形発生器504に提供され、デジタル入力をアナログ出力に変換する。アナログ出力は、信号調整及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器506の調節かつ増幅された出力は、電力変圧器508に連結される。信号は、電力変圧器508にわたって患者絶縁側にある二次側に連結される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ510にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。2つを超えるエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、1超の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
【0095】
第1の電圧感知回路512は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路524は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路514は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示した電力変圧器508の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されねばならない。第1及び第2の電圧感知回路512、524の出力が対応の絶縁変圧器516、522に提供され、電流感知回路514の出力は、別の絶縁変圧器518に提供される。電力変圧器508の一次側(非患者絶縁側)上での絶縁変圧器516、518、522の出力は、1つ以上のADC回路526に提供される。ADC回路526のデジタル化出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ502に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ502と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路520を通して提供される。センサはまた、インターフェース回路520を介してプロセッサ502と電気通信してもよい。
【0096】
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路512又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路524の出力を、電力変圧器508の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路514の出力で割ることによって、プロセッサ502により決定されてもよい。第1及び第2の電圧感知回路512、524の出力は、別個の絶縁変圧器516、522に提供され、電流感知回路514の出力は、別の絶縁変圧器516に提供される。ADC回路526からのデジタル化電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ502に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極若しくは単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、
図8に例示された例は、単一のリターンパス(RETURN)が2つ以上のエネルギーモダリティに提供され得ることを示しているが、他の態様では、複数のリターンパスRETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波トランスデューサのインピーダンスは、第1の電圧感知回路512の出力を電流感知回路514の出力で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路524の出力を電流感知回路514の出力で割ることによって測定されてもよい。
【0097】
図8に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器500は、実行される組織の治療の種類に応じて、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法、及び/若しくはマイクロ波エネルギーなどの1つ以上のエネルギーモダリティの形態で電力を、例えば、エンドエフェクタに提供するために、単一の出力部を有しかつ複数のタップを有する電力変圧器508を含むことができる。例えば、発生器500は、超音波トランスデューサを駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又は単極若しくは双極RF電気外科用電極のいずれかを用いてのスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器500からの出力波形は、振り向けられ、切り替えられ又はフィルタ処理されて、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供することができる。超音波トランスデューサの発生器500の出力部への接続部は、好ましくは、
図8に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一例では、RF双極電極の発生器500の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
【0098】
他の態様では、
図1~
図3及び
図5~
図8に関連して説明された発生器100、200、300、400、500、
図3に関連して説明された超音波発生器駆動回路114及び/又は電気外科/RF駆動回路116は、
図1及び
図2に関連して説明された外科用器具104、106、108のうちの任意の1つと一体に形成されてもよい。したがって、発生器100、200、300、400、500のうちの任意の1つに関連して説明されたプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、回路、コントローラ、論理デバイス、ADC、DAC、増幅器、変換器、変圧器、信号調整器、データインターフェース回路、電流及び電圧感知回路、直接デジタル合成回路、マルチプレクサ(アナログ若しくはデジタル)、波形発生器、RF発生器、メモリなどのうちの任意は、外科用器具104、106、108内に位置することができるか、又は外科用器具104、106、108からは遠隔に位置し、有線及び/又は無線の電気的接続を介して外科用器具に連結されてもよい。
【0099】
図9は、発生器9001上の2つのポートが利用でき、2つの外科用器具9007、9008の間の電気絶縁を構成する電気外科用システム9000の図を示す。2つの器具9007、9008の間の電気絶縁を、それらの器具が同じ患者絶縁回路上に位置するときに提供される配置である。
図9に示した構成によると、意図しない電力フィードバックは、電気外科用システム9000を通して防止される。様々な態様では、電力用電界効果トランジスタ(FET)又はリレーは、2つの外科用器具9007、9008のそれぞれに対するすべての電力線を電気的に絶縁するために使用される。一態様によると、電力用FET又はリレーは、1ワイヤ通信プロトコルによって制御される。
【0100】
図9に示したように、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器9001は、電力切替機構9003及び通信システム9005に連結されている。一態様では、電力切替機構9003は、例えば、FET、MOSFETトランジスタなどの電力用ソリッドステートスイッチ及び/又は電気機械式リレーなどのリレーを含む。一態様では、通信システム9005は、D1エミュレーション、FPGA拡張及びタイムスライス機能用の構成要素を含む。電力切替機構9003は、通信システム9005に連結されている。電力切替機構9003及び通信システム9005はそれぞれ、(デバイス1及びデバイス2とラベルされた)外科用器具9007、9009に連結されている。外科用器具9007、9009はそれぞれ、合成されたRF及び超音波エネルギー入力9011、ハンドスイッチ(HSW)1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9013、HP 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9015及びプレゼンス抵抗器インターフェース9017用の構成要素を含む。電力切替機構9003は、外科用器具9007、9008のそれぞれに対してRF及び超音波エネルギー入力9011に連結されている。通信システム9005は、外科用器具9007、9008のそれぞれに対するHSW 1ワイヤ・シリアル・インターフェース9013、9014、HP 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9015、9016及びプレゼンス・インターフェース9017、9018に連結されている。2つの外科用器具が
図9に示されているが、様々な態様による3つ以上のデバイスが存在してもよい。
【0101】
図10~
図12は、2つの器具を同時にサポートする発生器を備えるインターフェースの態様を示し、これにより、これらの器具が無菌領域においてユーザにより作動/非作動間で速やかに切り替えられるようになる。
図10~
図12は、スーパーキャパシタ/バッテリ充電器及びデュアル外科用器具を利用可能にするであろう複数の通信スキームを説明する。
図10~
図12の態様は、少なくとも1つの通信ポートを備える発生器から手術野にある2つの外科用器具への通信を可能にし、無菌領域にいるオペレータが、例えば、外科用器具を修正することなくデバイス間で切り替えできるようにする。
【0102】
図10は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器1003及び
図9に示した外科用器具9007、9008を含むシステム1001の通信アーキテクチャの図である。
図10によると、発生器9001は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。発生器9001は、合成エネルギーモダリティ電力出力1005、通信インターフェース1007及びプレゼンス・インターフェース1049を含む。
図10の態様によると、通信インターフェース1007は、ハンドスイッチ(HSW)シリアル・インターフェース1011及びハンドピース(HP)シリアル・インターフェース1013を含む。シリアル・インターフェース1011、1013は、集積回路間(I
2C)、半二重SPI及び/若しくは汎用非同期送受信(UART)の構成要素並びに/又は機能を含んでもよい。発生器1003は、合成エネルギーモダリティ電力出力1005をアダプタ1015、例えば、パススルー充電器(PTC)に提供する。アダプタ1015は、エネルギー保存回路1071、制御回路1019、固有プレゼンス要素1021及び以下で論ずる関連回路を含む。一態様では、プレゼンス要素1021は、抵抗器である。別の態様では、プレゼンス要素1021は、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード若しくは類似のコード、又は、例えば、NVMに記憶された値などのメモリに記憶された値であってもよい。プレゼンス要素1021は、アダプタ1015に対して固有であってもよいため、同じワイヤインターフェースを使用しなかった別のアダプタが固有プレゼンス要素1021を使用できなかったイベントにおいて。一態様では、固有プレゼンス要素1021は、抵抗器である。エネルギー保存回路1071は、切替機構1023、エネルギー保存デバイス1025、保存制御1027、保存監視構成要素1029及びデバイス電力監視構成要素1031を含む。制御回路1019は、例えば、プロセッサ、FPGA、PLD、複合プログラマブルロジックデバイス(CPLD)、マイクロコントローラ、DSP及び/又はASICを含んでもよい。
図10に示した態様によると、FPGA又はマイクロコントローラは、既存の類似のコンピューティングハードウェアの拡張として作動すると思われ、情報がエンティティ上から別のエンティティに中継されるようにする。
【0103】
切替機構1023は、発生器1003から合成エネルギー電力出力1005を受信するように構成され、その合成エネルギー電力出力は、エネルギー保存デバイス1025、外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供されてもよい。デバイス電力監視構成要素1031は、エネルギー保存デバイス1025、外科用器具9007、外科用器具9008のためのチャネルに連結され、電力が流れる個所を監視してもよい。制御回路1019は、発生器1003のハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1011及びハンドピース・シリアル・インターフェース1013に連結された通信インターフェース1033を含む。制御回路1019はまた、エネルギー保存回路1071の保存制御1027、保存監視構成要素1029及びデバイス電力監視構成要素1031に連結されている。
【0104】
制御回路1019は、ハンドスイッチ(HSW)#1回路1037及びハンドスイッチ(HSW)#2回路1038に連結されているシリアル・マスタ・インターフェース1035を更に含み、電圧源又は電流源及びADCを含む、取り付け器具(プレゼンス)#1回路1041及びプレゼンス#2回路1042の存在を検知するための方法と共に、生成及びメモリ(非揮発性又はフラッシュ)1039の形態のADCを含む。シリアル・マスタ・インターフェース1035はまた、シリアル・マスタ・インターフェース1035をハンドスイッチ#1回路1037及びハンドスイッチ#2回路1038の出力にそれぞれ連結するハンドスイッチNVMバイパスチャネルを含む。ハンドスイッチ#1回路1037及びハンドスイッチ#2回路1038は、それぞれ外科用器具9007、9008のHSW 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9013、9014に連結されている。シリアル・マスタ・インターフェース1035は、それぞれ外科用器具9007、9008のHP 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9015、9016に連結されている、ハンドピース・シリアル・チャネルを更に含む。更に、プレゼンス#1回路1041及びプレゼンス#2回路1042は、それぞれ外科用器具9007、9008のプレゼンス・インターフェース9017、9018に連結されている。
【0105】
システム1001は、FPGAなどの制御回路1019が、拡張アダプタデバイスとして作動するアダプタ1015を使用するより多くの外科用器具と通信できるようにする。様々な態様によると、アダプタ1015は、発生器1003の制御の入力/出力(I/O)機能を拡張する。アダプタ1015は、中央処理ユニットの拡張として機能してもよく、これは、アダプタ1015と発生器1003との間のバスを経由した命令の伝送を可能とし、その命令を解凍して、その命令を使用して、インターフェースにわたってビットバンギングするか又は接続されたアナログ回路を制御する。アダプタ1015はまた、接続された外科用器具9007、9008からADC値を読み込み、その情報が発生器制御に中継され得るようにし、次いで、発生器制御は、2つの外科用器具9007、9008を制御するであろう。様々な態様によると、発生器1003は、外科用器具9007、9008を2つの別個の状態機械として制御してもよく、データを記憶してもよい。
【0106】
既存のインターフェース(発生器1003からのハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1011及びハンドピース・シリアル・インターフェース1013のライン)を、発生器1003の制御が、ユニバーサルシリアルバス(USB)ハブのトポロジのような、デュアルポートインターフェースに接続された複数の外科用器具と、通信できるような、2ワイヤ通信プロトコルにおいて、使用してもよい。これは、2つの別個の外科用器具を同時にインターフェースすることを可能にする。システム1001は、ハンドスイッチ波形を生成かつ読み取ることができてもよく、受信するハンドピース・シリアル・バスを操作できてもよい。システム1001はまた、外科用器具9007、9008内の2つの別個のプレゼンス要素を監視するであろう。一態様では、システム1001は、固有プレゼンス要素を含んでもよく、それ自体のNVMを有してもよい。
【0107】
更に、様々な態様によると、制御回路1019は、発生器1003によって制御されてもよい。アダプタ1015と、接続された外科用器具9007、9008との間の通信は、発生器制御へと中継されてもよい。発生器1003は、アダプタ1015に接続された波形生成回路を制御して、外科用器具9007、9008用のハンドスイッチ信号を同時に生成するであろう。
【0108】
システム1001は、動作中であっても、2つの外科用器具について同時に検知/監視することができる外科用器具動作を可能にしてもよい。更新可能である場合、アダプタ1015は、新規外科用器具通信プロトコルの操作ができるであろう。更に、外科用器具間の高速切替が達成されてもよい。
【0109】
図11は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器1103及び
図9に示した外科用器具9007、9008のシステム1101の通信アーキテクチャの図である。
図11によると、発生器1103は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。
図11に示すように、発生器1103は、合成エネルギーモダリティ電力出力1105、ハンドスイッチ(HSW)シリアル・インターフェース1111、ハンドピース(HP)シリアル・インターフェース1113及びプレゼンス・インターフェース1109を含む。発生器1103は、アダプタ1115に電力出力1105を提供する。
図11に示す態様によると、アダプタ1115と発生器1103との間の通信は、ハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1111及びハンドピース・シリアル・インターフェース1113などのシリアル・インターフェースを通してのみ行われてもよい。発生器1103は、これらのハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1111及びハンドピース・シリアル・インターフェース1113を使用して、どの器具と発生器1103が通信しているのかを制御する。更に、器具間の切替は、ハンドスイッチフレーム間で又はより遅い速度で生じる場合がある。
【0110】
アダプタ1115は、エネルギー保存回路1117、制御回路1119、アダプタメモリ1121(例えば、EEPROMなどのNVM)、シリアルプログラマブル入力/出力(PIO)集積回路1133、ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137、プレゼンス切替機構1139及び汎用アダプタ1141を含む。一態様では、シリアルPIO集積回路1133は、アドレス可能スイッチであってもよい。エネルギー保存回路1117は、切替機構1123、エネルギー保存デバイス1125、保存制御構成要素1127、保存監視構成要素1129及びデバイス電力監視構成要素1131を含む。制御回路1119は、例えば、プロセッサ、FPGA、CPLD、PLD、マイクロコントローラ、DSP及び/又はASICを含んでもよい。
図11の態様によると、FPGA又はマイクロコントローラは、限定的機能を有してもよく、エネルギー保存を監視かつ通信するための機能を含むのみであってもよい。
【0111】
切替機構1123は、発生器1103から合成エネルギー電力出力1105を受信するように構成され、その合成エネルギー電力出力1105は、エネルギー保存デバイス1125、外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供されてもよい。デバイス電力監視構成要素1131は、エネルギー保存デバイス1125、外科用器具9007、外科用器具9008のためのチャネルに連結され、電力が流れる個所を監視してもよい。
【0112】
制御回路1119は、シリアルPIO集積回路1133に連結され、シリアルPIO集積回路1133は、発生器1103のハンドピース・シリアル・インターフェース1113に連結されている。制御回路1119は、充電器状態フラグ及び切替制御に関する情報をシリアルPIO集積回路1133から受信してもよい。更に、制御回路1119は、ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139に連結されている。
図11の態様によると、制御回路1119は、デバイス選択のためにハンドスイッチ(HSW)切替機構1135及びハンドピース切替機構1137に連結されてもよく、制御回路1119は、プレゼンス選択のためにプレゼンス切替機構1139に連結されてもよい。
【0113】
ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139は、それぞれ発生器1103のハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1111、ハンドピース・シリアル・インターフェース1113及びプレゼンス・インターフェース1109に連結されている。ハンドスイッチ切替機構1135、ハンドピース切替機構1137及びプレゼンス切替機構1139は、それぞれ外科用器具9007、9008のHSW 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9013、9014、HP 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9015、9016及びプレゼンス・インターフェース9017、9018に連結されている。更に、プレゼンス切替機構1139は、汎用アダプタ1141に連結されている。
【0114】
発生器1103は、外科用器具9007、9008の監視の間を切り替える。様々な態様によると、この切替は、外科用器具9007、9008の追跡を保って2つの別個の状態機械を動かすために、発生器1103の制御を必要としてもよい。制御回路1119は、どの外科用器具が接続されているかを記憶する必要があるため、適切な波形を適切なポートに出力することができる。発生器1103は、アダプタメモリ1121などのシリアルNVMデバイスとの通信と同時に、ハンドスイッチ信号を発生/監視してもよい。発生器1103は、作動の継続時間にわたって作動中外科用器具と継続的通信を維持してもよい。
【0115】
システム1101はまた、汎用アダプタプレゼンス要素を可能にする。初めて差し込まれるか又は電源がオンになったとき、アダプタ1115は、このアダプタ抵抗を発生器1103に提示するであろう。次いで、発生器1103は、命令をアダプタ1115に中継し、接続された異なる外科用器具9007、9008に対応する異なるプレゼンス要素間で切り替えてもよい。したがって、発生器1103は、その既存のプレゼンス抵抗回路を使用することができる。NVMメモリ1121は、アダプタの追加の識別のためにアダプタ1115上に存在し、あるレベルのセキュリティを提供する。加えて、アダプタ1115は、シリアルI/Oデバイス、すなわち、シリアルPIO集積回路1133を有する。シリアルPIO集積回路1133は、発生器1103とアダプタ1115との間の通信リンクを提供する。
【0116】
ハンドピースNVMに対するシリアル通信及び制御回路1119に対するUART形式通信を使用するハンドピース・シリアル・バスを通じて通信することが可能であってもよい。一態様によると、低速シリアル通信が使用され(すなわち、オーバーライドしない)、高速シリアルプロトコルが使用される場合、システム1101は、通信プロトコルがシリアルリセットパルスのように見える信号を発生させないことを確保する必要があり得る。このことは、発生器1103からアダプタ1115への、より良好な通信、及び外科用器具9007、9008間のより速い切替時間を可能にするであろう。
【0117】
システム1101は、発生器通信プロトコル及びアナログ回路を使用し、発生器が意思決定を達成できるようにする。これは、少ない個数の回路デバイスを使用する簡単かつ効果的な解決策である。
【0118】
図12は、発生器100(
図1~
図3)の一形態である発生器1203及び
図9に示した外科用器具9007、9008のシステム1201の通信アーキテクチャの図である。
図12によると、発生器1203は、複数のエネルギーモダリティを複数の外科用器具に送達するために構成されている。本明細書において論じたように、様々なエネルギーモダリティには、限定せずに、超音波、双極又は単極のRF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法並びに/又はマイクロ波エネルギーモダリティが挙げられる。
図12に示すように、発生器1203は、合成エネルギーモダリティ電力出力1205、ハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1211、ハンドピース・シリアル・インターフェース1213及びプレゼンス・インターフェース1209を含む。一態様では、ハンドピース・シリアル・インターフェース1213は、外科用器具9007、9008のハンドピースラインとの通信を可能にし、アダプタ1215の制御もまた可能にする。発生器1203は、合成エネルギーモダリティ電力出力1205をアダプタ1215に提供する。アダプタ1215は、エネルギー保存回路1217、制御回路1219、シリアルPIO集積回路1233、ハンドスイッチ(HSW)#1回路1231、ハンドスイッチ(HSW)#2回路1271、ハンドピース切替機構1221、プレゼンス切替機構1239、切替機構1235、器具電力監視1237及び固有プレゼンス1241を含む。
図12に示すように、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271は、発生回路及びADC回路を含んでもよい。一態様では、ハンドスイッチ#1回路1231及び/又はハンドスイッチ#2回路1271は、ハンドスイッチ波形を発生させる能力を有する発生回路を含む。
【0119】
制御回路1219が発生器1203のハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1211に連結されている一方で、シリアルPIO集積回路1233は、ハンドピース切替機構1221のようにハンドピース・シリアル・インターフェース1213に連結されている。更に、制御回路1119は、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271に連結されている。制御回路1119は、例えば、プロセッサ、FPGA、CPLD、PLD、マイクロコントローラ及び/又はASICを含んでもよい。
図12に示す例では、制御回路1219は、2つのデバイスを、発生器1203がボタン監視及び意思決定を行えるようにする少なくとも1つのデジタル波形に変調する。制御回路1219はまた、いずれの波形も受信できる場合がある2つの独立した外科用器具への通信を可能にしてもよい。シリアルPIO集積回路1233は、ハンドピース切替機構1221、器具電力監視1237及びプレゼンス切替機構1239に更に連結されている。器具電力監視1237及びシリアルPIO集積回路1233は、発生器1203の結果及び不具合を通信してもよい。
【0120】
切替機構1223は、発生器1203から合成RF/超音波電力出力1205を受信するように構成され、その合成RF/超音波電力出力1205は、エネルギー保存回路1225又は切替機構1235に提供されてもよい。制御回路1219はまた、エネルギー保存回路1217の保存制御1227及び保存監視構成要素1229に連結されている。切替機構1235は、切替機構1223から受信した電力出力を外科用器具9007及び/又は外科用器具9008に提供してもよい。器具電力監視1237は、外科用器具9007及び外科用器具9008に対する電力出力用のチャネルに連結されている。器具電力監視1237はまた、切替機構1235が正しい位置に電力を確実に出力するようにしてもよい。
【0121】
ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271は、それぞれ外科用器具9007、9008のHSW 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9013、9014に連結されている。ハンドピース切替機構1221は、発生器1203のハンドピース・シリアル・インターフェース1213に連結され、また、それぞれ外科用器具9007、9008のHP 1ワイヤ・シリアル・プロトコル・インターフェース9015、9016に連結されている。更に、プレゼンス切替機構1239は、発生器1203のプレゼンス・インターフェース1209に連結され、また、それぞれ外科用器具9007、9008のプレゼンス・インターフェース9017、9018に連結されている。更に、プレゼンス切替機構は、固有プレゼンス1241に連結されている。一態様では、異なる器具プレゼンス要素は、シリアルI/O又はアダプタマイクロプロトコルを使用するオンデマンドベースで切り替えられてもよい。
【0122】
第1の通信プロトコルは、アダプタ1215上の制御回路1219に対する通信に使用されることとなる。発生器1203はまた、外科用器具9007、9008を一度に監視する能力を有してもよい。アダプタ1215は、ハンドスイッチ信号生成を(例えば、ハンドスイッチ#1回路1231及びハンドスイッチ#2回路1271において)提供するための回路を、このデータを解釈するADCと共に含んでもよい。アダプタ1215は、2つの外科用器具信号を少なくとも第1の波形に変調してもよく、第1及び第2の波形を読み取る能力を有してもよい。様々な態様では、第2の波形は、第1の波形の形式に解釈されるか又は変換されてもよい。更に、第1のプロトコルは、615ビット/秒で12ビットを送信する能力を有する。
【0123】
制御回路1219は、外科用器具9007、9008からハンドスイッチデータを取得して、ハンドスイッチデータを第1のプロトコルに変調してもよい。これを行う方法はわずかであるが、外科用器具9007、9008が第1のプロトコル機能を含んでもよいことを意味する。システム1201は、外科用器具9007からの4~6個のボタン及び外科用器具9008からの4~6個のボタンと第1のプロトコルフレームにおいて通信する場合がある。あるいは、システム1201は、外科用器具9007、9008にアクセスするためのアドレス指定のいくつかの形式を使用する場合がある。制御回路1219は、発生器1203に、(1つは外科用器具9007用であり、1つは外科用器具9008用である)2つの異なるアドレス空間に分割される異なるアドレスを制御回路1219に向けて送信させることにより、別個のデバイスにアドレス指定する能力を有してもよい。
【0124】
ハンドピース通信は、シリアルI/Oデバイスを介するか又は制御回路1219を通してのいずれかで、発生器1203から第1のプロトコル様式の通信インターフェースを介して制御できる場合がある、スイッチのいくつかの形式に関与してもよい。一態様では、エネルギー保存監視1229及び外科用器具9007、9008間の切替並びに充電状態は、この方法で同様に扱うことができる場合がある。特定の第1のプロトコルアドレスは、エネルギー保存回路1225からのデータ及び外科用器具9007、9008自体に割り当てることができる場合がある。プレゼンス要素はまた、この形式より切り替えられる場合がある。更に、一態様では、制御回路1219は、フレームを別個の形式に変換してもよく、このことは、制御回路1219が外科用器具9007、9008上のボタン押圧が有効か又は無効かについて何らかの決定する必要がある場合があることを意味してもよい。しかし、システム1201は、発生器1203のハンドスイッチ・シリアル・インターフェース1211に新規通信プロトコルを時分割又は操作して、発生器1203が外科用器具9007、9008を同時に完全に監視できるようにし得る。システム1201は、発生器通信を使用して、動作中であっても、2つの外科用器具の動作を同時に検出する。
【0125】
上述の通り、単一の出力発生器は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの両方を、単一のポートを通して送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために、エンドエフェクタに別個に又は同時に伝達することができる。合成RF及び超音波発生器の一態様を
図1に示した。
図1に示すように、単一の出力ポートの発生器は、実行される組織の治療の種類に応じて、電力、RFエネルギー又は超音波エネルギーのいずれかをエンドエフェクタに提供するために、複数のタップを有する単一出力変圧器を含むことができる。例えば、発生器は、超音波トランスデューサを駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のための電極を駆動するのに必要とされる低電圧かつ高電流で、又は単極若しくは双極電気外科用電極のいずれかを用いてのスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器からの出力波形は、振り向けられ、切り替えられ又はフィルタ処理されて、所望の周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供することができる。
【0126】
本明細書に記載される外科用器具はまた、発生器により送達されるエネルギーが、外科用器具のエンドエフェクタにより治療される組織の種類に基づいて動的に変化されることを可能にする特徴部を含むことができる。外科用器具のエンドエフェクタに送達される、発生器100などの発生器からの電力出力を制御するためのアルゴリズムは、発生器からのエネルギープロファイルが、外科用器具のエンドエフェクタにより作用がもたらされる組織の種類に基づいて、処置中に動的に変化されることを可能にする組織の種類を表す入力を含むことができる。
【0127】
様々なアルゴリズムを使用して、発生器から送達されるエネルギーが、外科用器具により治療される組織の種類に基づいて動的に変化することを可能にするように電力プロファイルを選択することができる。
【0128】
外科用器具のエンドエフェクタにより治療される組織の種類を決定するために、組織摩擦係数を算出することができる。算出された組織摩擦係数は、以下でより詳細に論じられるように、それぞれの組織係数を組織の種類と相関させる組織摩擦係数のデータベースと比較される。算出された組織摩擦係数及びその関連する組織の種類は、発生器から外科用器具まで送達されるエネルギーを制御するためのアルゴリズムによって使用される。一形態では、組織の摩擦係数は、次式で記載される。
【0129】
【数1】
式中、Qは、熱発生率であり、θは、エンドエフェクタの超音波運動の速度であり、Nは、エンドエフェクタによって組織に加えられた力である。超音波運動の速度は、発生器の設定からの既知の値である。値θが既知の値であるため、組織摩擦係数は、組織上の力に対する熱発生のグラフの勾配を用いて算出することができる。
【0130】
エンドエフェクタにより組織に加えられる力は、力を測定するための異なる種類の構成要素を用いて様々な方法で測定することができる。この力測定値は、治療される組織の組織摩擦係数を決定して、その組織の種類を決定するために、例えば、上記の方程式で使用することができる。
【0131】
図13~
図42は、RFエネルギー周波数及び超音波エネルギー周波数を有する合成信号を1つ以上の外科用器具に提供するように構成された複合発生器を備えるシステムの回路トポロジの様々な例を説明する。
【0132】
図13は、発生器1301によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された複合超音波及びRF外科用器具1303用の帯域消去フィルタ回路1305を含むシステム1300の回路図を示す。帯域消去フィルタ回路1305は、発生器1301の様々な出力周波数を活用し、所望しない出力電流を遮断するために同調されたLCフィルタ回路1307、1309を使用する。回路帯域消去フィルタ1305は、超音波トランスデューサ又はRF出力のいずれも電気的に切断しない。その代わりに、両方の出力は、それぞれ同調されたLCフィルタ回路1307、1309のLC並列共振ネットワークを通して対応する出力端子1311、1313に接続される。共振器1315は、LCフィルタ回路1307及び(ブレードとラベルされた)超音波出力端子1313に連結されている。
図13に示すように、LCフィルタ回路1307は、RF出力周波数に同調される、超音波出力端子1313と直列の並列共振ネットワークを形成し、~300kHzで非常に高いインピーダンスを示す。RF出力端子1311と直列のLCフィルタ回路1309の並列共振ネットワークは、超音波出力周波数に同調され、~55kHzで非常に高いインピーダンスを示す。
【0133】
所望しない周波数成分は、それぞれの出力端子1311、113に対して遮断され、それにより、トランスデューサにおける予期せぬ励起/散逸及び組織における予期せぬ低周波数電流を防止する。それぞれの出力端子1311、1313に必要な減衰に応じて、態様では、LCフィルタ回路1307、1309は、追加の共振構成要素により更に改良することができる。この概念は、外科用器具内の制御回路との直接相互作用に依拠しないため、ASICに対する変更又は直接インターフェースは、必要ではないであろう。
【0134】
帯域消去フィルタ回路1305は、同時的なRF治療及び超音波治療を同じ外科用器具に対してできるようにする可能性を有する。様々な態様によると、複雑な多重周波数出力波形が適用されてもよく、共振フィルタは、効果的なままである。
【0135】
図14は、発生器1401によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された複合超音波及びRF外科用器具1409用のシステム1400の回路図を示す。システム1400は、高周波帯域消去フィルタを分析するために使用されてもよい。
図14に示すように、システム1400は、漏れインダクタンス1403及び感知構成要素1405を備える発生器1401の超音波出力部と、(
図14の態様によると、3.1μH、194pF、1オームの特性を有する)10’ケーブルモデル1407と、RF成分を遮断するための並列LCフィルタ回路1411及び超音波トランスデューサ1413を含む複合超音波及びRF外科用器具1409と、を含む。
図15~
図21は、システム1400のシミュレーション結果のグラフ表示であり、高周波数RF成分を遮断し、超音波トランスデューサ1413に対する過剰なRF電流を防止することが意図されたLCフィルタ回路1411の効果を示す。
【0136】
システム1400は、350kHzの消去帯域及び55kHzの通過帯域の両方でシミュレートされ、並列LCフィルタ回路1411が通過帯域において依然として正常動作ができるようにしながら、予期せぬ電流の遮断において効果的であることを示す。消去帯域シミュレーションについて、発生器1401は、以下に示すように超音波タップ上に365VpkをもたらすRF出力に、100Vrmsの最大RF振幅が設定されている。通過帯域シミュレーションについて、発生器1401は、150Vrms又は212Vpkの最大超音波出力電圧に設定され、トランスデューサは、400オームまで増加される(loaded)。
【0137】
図15によると、正規化トランスデューサ電圧対周波数は、それぞれLCフィルタ回路1411あり又はなしのプロット1501、1503で示されている。フィルタ未処理プロット1503における電圧上昇は、変圧器漏れインダクタンス及びC0の非減衰直列共振に起因する。この共振は、発生器1401のRF出力用の350kHz出力周波数付近に偶然現れる。帯域消去フィルタが存在すると、出力インピーダンスが卓越し、350kHzにおける顕著な減衰をもたらすが、更に、LCフィルタ回路1411なしの場合よりも低周波数に何らかのゲインピークをもたらす。これらのプロット1501、1503に示されたどのゲインピークも、それらの周波数で超音波成分を増幅する可能性があり、したがって、本開示の態様は、超音波モードにおいても低い歪み出力を維持する可能性がある。
【0138】
図16は、350kHzの消去帯域に設定された出力周波数を有するシステム1400の時間領域波形を示す。プロット1603、1601は、それぞれ帯域消去LCフィルタ回路1411あり及びなしの、トランスデューサ電流対時間を示す。プロット1601は、フィルタなし又は超音波トランスデューサ1413を切断する切替を示し、C0の大きな値は、短絡として作用し、大きな出力電流をもたらす。示した電流は、いくつかの発生器構成において実現されなくてもよく、その代わりに、シャットダウン又はサービス指向アーキテクチャ(SOA)障害をもたらす場合がある。プロット1603は、LCフィルタ回路1411が共振周波数においてRF成分を効果的に遮断することができ、トランスデューサ1413において数ミリアンペアの電流のみをもたらすことを示す。LCフィルタ回路1411は、365V
pkの全出力電圧振幅を遮断/相殺してもよい。
【0139】
図17は、350kHzにおける発生器1401の出力電力対時間を示し、プロット1701、1703は、それぞれ帯域消去LCフィルタ回路1411なし及びありである。
図17は、システム1400における総減衰が低く保たれていてもよいことを示すが、この態様は、(Lfとラベルされた)インダクタにおけるコア損失を含まず、LCフィルタ回路1411のLCタンクにおける循環電流由来の伝導損失のみを反映する。LCフィルタ回路1411の(Lfとラベルされた)インダクタ及び(Cfとラベルされた)コンデンサのそれぞれの循環電流1803、1805は、
図18の電流対時間によって示されている。LCフィルタ回路1411を通した電圧1801は、電圧対時間によって示されている。(Lfとラベルされた)インダクタにおけるコア損失は、
図14に示した共振インダクタの特定の材料、サイズ及び構成に応じて、試験条件下で非常に顕著となり得る。
【0140】
図19は、発生器1401の出力周波数が55kHzの通過帯域に設定されている場合の、トランスデューサ1413の電流を示す。プロット1901、1903は、電流対時間に関し、それぞれLCフィルタ回路1411なし及びありの超音波トランスデューサ1413の電流を示す。プロット1901、1903は、システム1400の時間領域波形を示し、超音波トランスデューサ1413の正常動作がLCフィルタ回路1411の存在によって影響されないであろうことを示す。
図14の態様によると、LCフィルタ回路1411内の(Lfとラベルされた)インダクタは、通過帯域周波数(55kHz)において優勢であり、正常な負荷電流が、最小限の位相シフト又は損失で、超音波トランスデューサ1413に流れるようにするのに十分に低いインピーダンスを表す。
【0141】
加えて、
図20は、実電力対時間に関して発生器1401の出力電力を示し、発生器1401の出力周波数は、55kHzの通過帯域に設定されている。プロット2001、2003は、それぞれLCフィルタ回路1411なし及びありである。更に、
図21は、55kHzにおけるLCフィルタ回路1411を通した電圧2101のプロット、並びに、55kHzにおけるLCフィルタ回路1411の(2103とラベルされた)インダクタの電流及びコンデンサの電流2105のプロットを示し、インダクタLは、100uHに等しく、コンデンサCは、2.07nFに等しい。態様によると、発生器の構成ソフトウェアは、LCフィルタ回路1411の存在を補償するために、かつ制御ループにおける自身の効果を明らかにするために、更新する必要がある場合があるが、
図19~
図21のプロットは、超音波トランスデューサ1413の超音波機能が、LCフィルタ回路1411によって影響されない状態を保つべきであることを示している。
【0142】
図22は、本開示の一態様によるシステム2200用の、高周波帯域消去フィルタを含む回路図である。システム2200は、漏れインダクタンス2203及び直列出力コンデンサ2207を備える発生器2201のRF出力部と、(
図22の態様によると、3.1uH、194pF、1オームの特性を有する)ケーブルモデル2209と、超音波成分を遮断するための並列LCフィルタ回路2213を含む外科用器具2211と、組織インピーダンス2215と、を含む。
【0143】
本システム2200は、55kHzの消去帯域及び350kHzの通過帯域の両方でシミュレートされた。消去帯域シミュレーションについて、発生器2301は、RF出力部上に82V
pkをもたらす超音波出力に、150V
rmsの最大振幅が設定されている。通過帯域シミュレーションについて、発生器2301は、100Vrms又は141Vpkの最大RF出力電圧に設定され、組織インピーダンスは、50オームに設定されている。
図23~
図33は、シミュレーション結果であり、システム2200が、通過帯域において依然として正常動作ができるようにしながら、望ましくない電流の遮断において効果的であることを示す。
【0144】
様々な態様によると、インダクタは、LC帯域消去フィルタ回路における主な損失源であり得、また、回路全体を駆動し得る。これら2つの因子間にはトレードオフが存在する場合があり、これは、より小さなコア形状が高い磁束密度で動作し、その結果損失がより大きくなり得るからである。コア損失は、高周波数及び低周波数インダクタ成分の両方に関して考慮すべきことであるが、コア損失は、高周波数成分においてより重要となるであろう。一態様によると、300kHz超の周波数での動作のために最適化された高効率なコア材料を選択することは、損失を特定のレベルに抑えるために有益である。
【0145】
インダクタの選択に関する構成パラメータは、最適化されたインダクタ構成の効率及び性能、外科用器具のハンドピースのハンドルにおいて利用可能なスペース、印加のデューティ比、放熱して許容可能な冷たさに保つハンドピース構成の性能、を含む。
【0146】
上記の通り、損失は、主にインダクタによってもたらされ、低消耗係数を有する適切なコンデンサを使用することを想定している。電力の大半を散逸させる動作のモードは、LC回路がLC回路のそれぞれの負荷に対して発生器の出力を通過させているときではなく、LC回路が共振で動作している(遮断している)ときであり得る。共振において、発生器の全出力電圧は、最大コア損失を生じさせるLC回路で確認され、コンデンサとインダクタとの間で交換される循環電流もまた、銅損を生じさせる可能性がある。
【0147】
回路部品の頑強性及び単純性により、上述のシステムのセーフティパラメータが向上するが、これは例えば、部品故障の可能性が減少するからである。様々な態様によると、損傷した欠陥共振構成要素の場合、本開示のシステムは、損傷した構成要素の存在を検出するのに、かつ稼働前診断でインピーダンス対周波数特性を補正するのに、発生器に依存し得る。稼働前診断により、LC回路が同調され、破損していないことを直接確認することができる。
【0148】
様々な態様によると、システムのサイズ及び重量は、インダクタによって制御可能である。上述のインダクタ構成に関する構成上の考慮事項から、効率を許容可能レベルに保つために、インダクタをより大きくかつ重たくしてもよい。様々な態様によると、出力電力要件の同一セットを考慮すると、LC帯域消去フィルタ回路構成のサイズ及び重量は、以下で述べるソリッドステートスイッチベースの(例えば、MOSFETスイッチベースの)構成よりも大きくかつ重たくてもよい。一態様によると、LC回路は、単なる4つの受動部品から潜在的になり得る。別の態様によると、LC回路は、プリント基板の使用を必要としなくてもよい。他の態様によると、LC回路は、ASIC又はハンドスイッチ電子部品を一切用いずに実装され得る。LC回路の複雑性は、特定の印加の必要性及び本開示の回路のうち2以上を組み合わせるハイブリッドコンセプトの実装の可能性によって増す可能性がある。非常に少ない部品数、プリント基板なし、又は少なくとも最小限のものへの探求は、
図13~
図22に関して上述した回路構成に関して、部品コスト及び人件費の両方の削減に役立つであろう。様々な態様によると、いくつかの部品は、カスタム設計であってもよく、あるいは高性能な既製品であってもよい。
【0149】
図23は、発生器3401によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された複合超音波及びRF外科用器具3403用のシステム3400の回路図である。器具回路3405は、各出力部3411、3413に対してAC切替を提供するように直列に配置された、MOSFETスイッチ3407、3409などのソリッドステートスイッチを使用する。MOSFETスイッチ3407、3409を制御回路によって直接制御するよりもむしろ、器具回路3405は、同調したLC回路3421、3423を用いて、MOSFETスイッチ3407、3409をエンハンスト状態にする。共振器3419は、MOSFETスイッチ3407及び(ブレードとラベルされた)超音波出力部3413に連結されている。本手法は、ソーストゥソースに配置され、ACスイッチを形成する、1対のMOSFETスイッチ3407、3409を使用する。ASICにMOSFETエンハンスメントを制御させるよりもむしろ、本手法は、結合インダクタ3415、3417、すなわち、適切な出力周波数においてMOSFETスイッチ3407、3409のゲートをエンハンスト状態にするように同調されたコンデンサを活用する。共振周波数で駆動させると、LC回路3421、3423は、結合インダクタ3415、3417の一次側で電圧を生成し、それによりゲートエンハンスメント電位が生じる。MOSFETゲートが最小負荷を表しているため、インダクタ3415、3417及びゲート駆動回路は、比較的小さくかつ効率的であり得る。
【0150】
図24は、発生器3501の超音波及びRF出力部と、MOSFETスイッチ3505、3507などの直列接続ソリッドステートスイッチ、結合インダクタ3511及び400オームまで増加された超音波トランスデューサモデル3509を含む器具3503と、を含む、システム3500用の回路図を示す。システム3500は、遮断モード及び通過モードの両方の動作状態において正しく機能するかを検証するために、350kHz及び55kHzの両方でシミュレートされた。遮断モードについて、発生器3501は、超音波出力部上に365V
pkをもたらすRF出力に、100V
rmsの最大振幅が設定された。通過モードについて、発生器3501は、150V
rms又は212V
pkの最大超音波出力電圧に設定され、超音波トランスデューサモデル3509は、400オームまで増加される。
【0151】
図25は、発生器4201によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、複合超音波及びRF外科用器具4203用のシステム4200の回路図である。器具回路4205は、ソーストゥソースに配置され、ACスイッチを形成する、MOSFETスイッチ4215、4217などの1対のソリッドステートスイッチを使用する。制御回路4206(例えば、ASIC)は、パルストランス4219、4221を介して連結された制御信号で、MOSFETエンハンスメントを制御する。MOSFETゲートが最小負荷を表し、切替速度が低いため、1対のMOSFETスイッチ4215、4217をエンハンスト状態にするのに必要な電力は、非常に低い。制御回路4206の出力は、パルストランス4219、4221の一方又は両方を駆動するのに必要なパルス電流を提供する小型ドライバIC(図示せず)によってバッファリングされるであろう。パルストランス4219、4221に印加される差分パルスの一方の極性は、1対のMOSFETスイッチ4215、4217をエンハンスト状態にして、反対の極性は、1対のMOSFETスイッチ4215、4217をオフにするであろう。パルスパターンは、1対のMOSFETスイッチ4215、4217のゲート-ソース状態を強化させる(enforce)ために、メンテナンス期間(maintenance interval)を繰り返すであろう。別個の論理ハードウェアを使用して、各ACスイッチにおいて互いに排他的な状態を強化し、考えられる安全面の懸念を部分的に緩和させることができる。
【0152】
図26は、発生器4301の超音波及びRF出力部と、MOSFETスイッチ4305、4307などの直列接続の1対のソリッドステートスイッチ、400オームまで増加されたトランスデューサモデル4309、整流されたハンドスイッチを介した電力/GND基準4311、及び論理バッファ又はMOSFETドライバICを表すパルス発生器4313、4315を含む器具4303と、を含むシステム4300の回路図を示す。本システム4300は、両方の動作状態において正しく機能するかを検証するために、「オン」状態及び「オフ」状態の両方で55kHzでシミュレートされた。両方の動作状態について、発生器4301は、超音波出力に、150Vrmsの最大振幅が設定されている。
【0153】
システム4300の損失は、1対のMOSFETスイッチ4305、4307によって主にもたらされる。様々な態様によると、これらの部品は、各出力に関して最適化することができ、また、切替時間がナノ秒スケールではなくミリ秒スケールであるため、全体的に低い損失をもたらす高効率な部品を使用することができる。MOSFETをエンハンスト状態にする残りの部品は、パワー部品ではなく、かつ、損失に著しく寄与するものであってはならない。システム4300の全電力効率は、良好であると考えられる。様々な態様によると、冗長部品を使用する単一フォールト・トレラント・アーキテクチャは、部品故障の危険に対する解決法を提供し得る。器具4303のASIC制御MOSFETスイッチ回路構成のサイズ及び重量は、優れている。発生器の出力を中断するために使用されるMOSFETは、同等のRFフィルタの実現形態よりも小さくてもよいが、基板用空間を消費するいくつかの基板レベルの熱管理を必要とする場合もある。様々な態様によると、MOSFETスイッチをエンハンスト状態にするパルストランス及びバッファもまた、非常に小さくてもよい。加えて、器具4303のASIC制御MOSFETスイッチ回路構成用の部品は、既製品であってもよく、カスタム設計部品を必要としなくてもよい。
【0154】
図27は、発生器5001によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、複合超音波及びRF外科用器具5003用のシステム5000の回路図である。システム5000は、各出力部5011、5013を切り替えるための電気機械式リレー5015、5017を使用する。リレー5015、5017は、制御回路5019(例えば、ASIC)からの制御信号によって駆動される。共振器5021は、リレー5017及び(ブレードとラベルされた)超音波出力部5013に連結されている。
【0155】
システム5000は、
図25及び
図26に関して記述したASIC制御MOSFETスイッチ構成に類似しているが、MOSFET切替要素(複数可)は、電気機械式リレーで置き換えられている。エンハンスト状態にするために最小限の電力を必要とするMOSFETとは異なり、非ラッチングリレーは、連続的に作動させるためには必要な電力が大きくなり過ぎる場合があるため、ラッチング型リレーがシステム5000の電気機械式リレー5015、5017に対する好ましい選択肢である。様々な態様によると、
図25及び
図26に関して記述したMOSFET構成におけるパルストランスによってもたらされた絶縁は、コイルとコンタクトとの間の実質上の絶縁をもたらすリレーと一体化されてもよい。更に、力誘導コンタクトを使用するリレーが選択される他の態様では、感知コンタクトの補助セットを使用して、安全対策としてコンタクトの状態を確認する制御回路5019に、フィードバック信号を提供することができる。
【0156】
図28は、発生器5101によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、複合超音波及びRF外科用器具5103用のシステム5100の回路図である。システム5100は、電気機械式リレー5115、5117を含み、システム5100は、複合超音波及びRF外科用器具5103のオペレータによって起動されるスイッチ作動体を使用して、電気機械式リレー5115、5117を介して複合超音波及びRF外科用器具5103内の適切な出力部5111又は5113に接続する。
図51の態様に示すように、スイッチ作動体は、電気機械式リレー5115又は5117の適切な開閉を達成するボタン及び旋回軸又はトグルを介して実現されてもよい。共振器5121は、電気機械式リレー5117及び(ブレードとラベルされた)超音波出力部5113に連結されている。
【0157】
本明細書で論じられる他の構成は、制御回路を介して二次電力スイッチ作動体に命令する信号スイッチ閉止(signal switch closure)を使用してもよい。システム5100は、かかる二次電子作動に必要であり得る回路を排除し、起動に関して制御回路5119(例えば、ASIC)に命令すること及び適切な出力部5111又は5113を複合超音波及びRF外科用器具5103に係合することの両方を行うために、スイッチ5123への入力を使用する。一態様では、これを実行するスイッチは、コンタクトを係合するのに必要となる回数が非常に少ないスナップアクションの種類であってもよい。別の態様では、2つの状態が互いに排他的であることを確実にする、機械式ロッカ様式の切替機構を、複合超音波及びRF外科用器具5103に用いてもよい。
【0158】
図29は、発生器5201によって出力されるRF電流及び超音波電流を管理するように構成された、複合超音波及びRF外科用器具5203用のシステム5200の回路図である。複合超音波及びRF外科用器具5203は、最適化されたデバイスを形成するために、本明細書で論じた他の回路構成からの部品を共有する構成を採用する。複合超音波及びRF外科用器具5203は、水晶振動子5221に連結された並列LCフィルタ回路5223を含み、水晶振動子5221は、発生器5201の出力を複合超音波及びRF外科用器具5203の超音波出力部5213に供給する。加えて、制御回路5219は、パルストランス5215に連結されている。パルストランス5215は、ソーストゥソースに配置され、ACスイッチを形成する、MOSFETスイッチ5217などの1対のソリッドステートスイッチに連結されており、発生器5201の出力を複合超音波及びRF外科用器具5203のRF出力部5211に供給する。
【0159】
図30は、近位プラグ内にMOSFETスイッチなどのトランジスタを含む電気機械式スイッチ又はソリッドステートスイッチ及び制御回路、並びにハンドル内に制御回路を含む、システム6200を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6201、RF信号用のインターフェース6203、一次リターン端子インターフェース6205、HSWインターフェース6207、二次リターン端子インターフェース6209、識別インターフェース6211、及びプレゼンス・インターフェース6213を含む。近位プラグは、発生器、1対のMOSFETスイッチ6215、EEPROM 6217、及びプレゼンス抵抗器6219のインターフェースとの整合インターフェースを含む。MOSFETスイッチ6215は、1対の結合インダクタ6223にそれぞれ連結された整流回路6221にそれぞれ連結されている。それぞれの整流回路6221は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含んでいてもよい。制御回路6227(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6215の状態を制御するために結合インダクタ6223及び整流回路6221に供給を行う駆動回路6225に連結されている。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなる回路要素を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通してハンドルに搬送される。ハンドルは、共振器6229、整流回路6231、制御回路6233(例えば、ASIC)、EEPROM 6235及びスイッチアレイ6237を含む。スイッチアレイ6237は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。整流回路6231は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含んでいてもよい。制御回路6233は、EEPROM 6235に連結され、近位プラグ内の制御回路6227からの出力を受信する。
【0160】
印加部分は、EEPROM 6239、プレゼンス抵抗器6241並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6243、6245を含む。EEPROM 6239及びプレゼンス抵抗器6241は、制御回路6233に連結されている。システム6200は、RFモードと超音波(超音波とも呼ばれる)モードとの間の切替を可能にし、重量、嵩、及び熱をハンドル及び印加部分から離れた所に移すことを可能にする。2つの制御回路6227、6233(例えば、ASICデバイス)はまた、ハンドル及び近位プラグにおいて利用可能な機構に柔軟性を付与してもよい。
【0161】
図31は、遠位プラグ内に電気機械式スイッチ、又はMOSFETスイッチなどのソリッドステートスイッチと、制御回路と、を含む、システム6300を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6301、RF信号用のインターフェース6303、一次リターン端子インターフェース6305、HSWインターフェース6307、二次リターン端子インターフェース6309、識別インターフェース6311、及びプレゼンス・インターフェース6313を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6317、及びプレゼンス抵抗器6319のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の結合インダクタ6323にそれぞれ連結された整流回路6321にそれぞれ連結されているMOSFETスイッチ6315を含む。整流回路6321のそれぞれは、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6327(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6315の状態を制御するために結合インダクタ6323及び整流回路6321に供給を行う駆動回路6325に連結されている。遠位プラグはまた、発生器のHSWインターフェース6307及び二次リターン端子インターフェース6309に連結され、制御回路6327に供給を行う整流回路6331を含む。整流回路6331は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。ハンドルは、共振器6329、EEPROM 6335、スイッチアレイ6337及びプレゼンス抵抗器6341を含む。スイッチアレイ6337は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。制御回路6327は、ハンドル内のEEPROM 6335、スイッチアレイ6337及びプレゼンス抵抗器6341に連結されている。
【0162】
印加部分は、EEPROM 6339、プレゼンス抵抗器6342並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6343、6345を含む。EEPROM 6339及びプレゼンス抵抗器6342は、制御回路6327に連結されている。システム6300は、RFモードと超音波モード間の切替を可能にし、外科用器具のハンドルにおけるコスト及び複雑性の最小化を可能にする。
【0163】
図32は、遠位プラグ内に電気機械式スイッチ、又はMOSFETスイッチなどのソリッドステートスイッチ及び制御回路、並びにハンドル内に制御回路を含むシステム6400を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6401、RF信号用のインターフェース6403、一次リターン端子インターフェース6405、HSWインターフェース6407、二次リターン端子インターフェース6409、識別インターフェース6411、及びプレゼンス・インターフェース6413を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6417、及びプレゼンス抵抗器6419のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対のMOSFETスイッチ6415を含み、MOSFETスイッチ6415は、1対の結合インダクタ6423にそれぞれ連結された整流回路6421にそれぞれ連結されており、それらはすべて、遠位プラグ内に位置している。整流回路6421はそれぞれ、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6427(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6415の状態を制御するために結合インダクタ6423及び整流回路6421に供給を行う、同じく遠位プラグ内に位置する、駆動回路6425に連結されている。ハンドルは、共振器6429、整流回路6431、制御回路6433(例えば、ASIC)、EEPROM6435及びスイッチアレイ6437を含む。スイッチアレイ6437は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。整流回路6431は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6433は、EEPROM 6435に連結され、遠位プラグ内の制御回路6427からの出力を受信する。
【0164】
印加部分は、EEPROM 6439、プレゼンス抵抗器6441並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6443、6445を含む。EEPROM 6439及びプレゼンス抵抗器6441は、制御回路6433に連結されている。システム6400は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、2つの制御回路6427、6433(例えば、ASICデバイス)はまた、ハンドル及び遠位プラグにおいて利用可能な機構に柔軟性を付与してもよい。
【0165】
図33は、遠位プラグ内に電気機械式スイッチ、又はMOSFETスイッチなどのソリッドステートスイッチ、及びハンドル内に制御回路を含むシステム6500を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6501、RF信号用のインターフェース6503、一次リターン端子インターフェース6505、HSWインターフェース6507、二次リターン端子インターフェース6509、識別インターフェース6511、及びプレゼンス・インターフェース6513を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6517、及びプレゼンス抵抗器6519のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、整流回路6521にそれぞれ連結されたMOSFETスイッチ6515を含み、整流回路6521は、1対の結合インダクタ6523にそれぞれ連結されている。整流回路6521のそれぞれは、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。ハンドルは、整流回路6531、駆動回路6525、制御回路6327、EEPROM6535、スイッチアレイ6537及び共振器6529を含む。スイッチアレイ6537は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。制御回路6527(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6515の状態を制御するために結合インダクタ6523及び整流回路6521に供給を行う駆動回路6525に連結されている。整流回路6531は、発生器のHSWインターフェース6507及び二次リターン端子インターフェース6509に連結され、制御回路6527に供給を行う。示したように、整流回路6531は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含んでいてもよい。制御回路6527は、EEPROM 6535、スイッチアレイ6537に連結されている。
【0166】
印加部分は、EEPROM 6539、プレゼンス抵抗器6541並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6543、6545を含む。EEPROM 6539及びプレゼンス抵抗器6541は、制御回路6527に連結されている。システム6500は、RFモード間の切替を可能にする。
【0167】
図34は、ハンドル内に、電気機械式スイッチ、又はMOSFETスイッチなどのソリッドステートスイッチと、制御回路と、を含むシステム6600を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6601、RF信号用のインターフェース6603、一次リターン端子インターフェース6605、HSWインターフェース6607、二次リターン端子インターフェース6609、識別インターフェース6611、及びプレゼンス・インターフェース6613を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6617、及びプレゼンス抵抗器6619のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなる回路要素を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通してハンドルに搬送される。ハンドルは、整流回路6621にそれぞれ連結されたMOSFETスイッチ6615を含み、整流回路6621は、同じくハンドル内にある1対の結合インダクタ6623にそれぞれ連結されている。整流回路6621はそれぞれ、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6627(例えば、ASIC)は、MOSFETスイッチ6615の状態を制御するために結合インダクタ6623及び整流回路6621に供給を行う駆動回路に連結されている。駆動回路6625及び制御回路6627は、ハンドル内に位置する。ハンドルは、共振器6629、ダイオード及びコンデンサを含む整流回路6631、EEPROM 6635並びにスイッチアレイ6637を更に含む。スイッチアレイ6637は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。ダイオード及びキャパシタ回路6631の整流部分は、発生器のHSWインターフェース6607及び二次リターン端子インターフェース6609に連結され、制御回路6627に供給を行う。
【0168】
印加部分は、EEPROM 6639、プレゼンス抵抗器6641並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6643、6645を含む。EEPROM 6639及びプレゼンス抵抗器6241は、制御回路6627に連結されている。システム6600は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、低コストケーブル構成を可能にする。
【0169】
図35は、近位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含むシステム6700を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6701、RF信号用のインターフェース6703、一次リターン端子インターフェース6705、HSWインターフェース6707、二次リターン端子インターフェース6709、識別インターフェース6711、及びプレゼンス・インターフェース6713を含む。近位プラグは、発生器、1対の帯域消去フィルタ6715、EEPROM 6717、及びプレゼンス抵抗器6719のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなる回路要素を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通してハンドルに搬送される。ハンドルは、共振器6729、整流回路6731、制御回路6727(例えば、ASIC)、EEPROM 6735及びスイッチアレイ6737を含む。整流回路6731は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。スイッチアレイ6737は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。制御回路6727は、EEPROM 6735と、発生器のHSWインターフェース6707及び二次リターン端子インターフェース6709に連結され、制御回路6727に供給を行う整流回路6731と、に連結されている。
【0170】
印加部分は、EEPROM 6739、プレゼンス抵抗器6741並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6743、6745を含む。1対の帯域消去フィルタ6715は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの出力部6743、6745に連結されている。EEPROM 6739及びプレゼンス抵抗器6741は、制御回路6727に連結されている。システム6700は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム6700はまた、重量、嵩、及び熱をハンドル及び印加部分から離れた所に移すことを可能にする。
【0171】
図36は、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含むシステム6800を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6801、RF信号用のインターフェース6803、一次リターン端子インターフェース6805、HSWインターフェース6807、二次リターン端子インターフェース6809、識別インターフェース6811、及びプレゼンス・インターフェース6813を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6817、及びプレゼンス抵抗器6819のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の帯域消去フィルタ6715を含む。ハンドルは、整流回路6831、EEPROM 6835、制御回路6827、スイッチアレイ6837、コンデンサ6816及び共振器6829を含む。整流回路6831は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6827は、EEPROM 6835、スイッチアレイ6837及び整流回路6831に連結されている。スイッチアレイ6837は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0172】
印加部分は、EEPROM 6839、プレゼンス抵抗器6841並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6843、6845を含む。1対の帯域消去フィルタ6815は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの出力部6843、6845に連結されている。EEPROM 6839及びプレゼンス抵抗器6841は、制御回路6827に連結されている。システム6800は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。
【0173】
図37は、ハンドル内に帯域消去フィルタ及び制御回路を含むシステム6900を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース6901、RF信号用のインターフェース6903、一次リターン端子インターフェース6905、HSWインターフェース6907、二次リターン端子インターフェース6909、識別インターフェース6911、及びプレゼンス・インターフェース6913を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 6917、及びプレゼンス抵抗器6919のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなる回路要素を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通して搬送される。ハンドルは、1対の帯域消去フィルタ6915、整流回路6931、EEPROM 6935、制御回路6927、スイッチアレイ6937及び共振器6929を含む。整流回路6931は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路6927は、EEPROM 6935、スイッチアレイ6937及び整流回路6931に連結されている。スイッチアレイ6937は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0174】
印加部分は、EEPROM 6939、プレゼンス抵抗器6941並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ6943、6945を含む。1対の帯域消去フィルタ6915は、RFエネルギー及び超音波エネルギーの出力6943、6945に連結されている。EEPROM 6939及びプレゼンス抵抗器6941は、制御回路6927に連結されている。システム6900は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム6900はまた、低コストケーブル構成を提供する。
【0175】
図38は、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路を含み、印加部分にDCモータを含むシステム7000を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース7001、RF信号用のインターフェース7003、一次リターン端子インターフェース7005、HSWインターフェース7007、二次リターン端子インターフェース7009、識別インターフェース7011、及びプレゼンス・インターフェース7013を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 7017、及びプレゼンス抵抗器7019のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の帯域消去フィルタ7015を含む。ハンドルは、整流回路7031、EEPROM 7035、制御回路7027、スイッチアレイ7037、コンデンサ7016及び共振器7029を含む。整流回路7031は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。制御回路7027は、EEPROM 7035、スイッチアレイ7037及び整流回路7031に連結されている。スイッチアレイ7037は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0176】
印加部分は、EEPROM 7039、プレゼンス抵抗器7041及び超音波エネルギー用の出力部7045を含む。印加部分は、整流回路7047、駆動回路7049、駆動回路7051及びDCモータ7043を更に含む。整流回路7047は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。整流回路7047は、DCモータ7043に連結されている駆動回路7049に連結されている。駆動回路7051は、制御回路7027及び駆動回路7049に連結されている。また、EEPROM7039及びプレゼンス抵抗器7041は、制御回路7027に連結されている。システム7000は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム7000はまた、DC電圧を生成するためのRF出力端子に向けたエネルギーを使用する超音波出力部にDCモータを提供する。
【0177】
図39は、印加部分に固定高電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含むシステム7100を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース7101、RF信号用のインターフェース7103、一次リターン端子インターフェース7105、HSWインターフェース7107、二次リターン端子インターフェース7109、識別インターフェース7111、及びプレゼンス・インターフェース7113を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 7117、及びプレゼンス抵抗器7119のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の帯域消去フィルタ7115を含む。ハンドルは、ダイオード及びコンデンサを含む整流回路7131、EEPROM 7135、制御回路7127、変圧器7130、コンデンサ7116、スイッチアレイ7137及び共振器7129を含む。制御回路7127は、EEPROM 7135、スイッチアレイ7137並びにダイオード及びコンデンサを含む整流回路7131に連結されている。スイッチアレイ7137は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0178】
印加部分は、EEPROM 7139、プレゼンス抵抗器7141並びに高電圧RFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部7143、7145をそれぞれ含む。変圧器7130は、帯域消去フィルタ7115のうちの1つに連結され、変圧器7130の二次側は、高電圧RF出力部7143及び超音波エネルギー出力部7145に連結されている。EEPROM 7139及びプレゼンス抵抗器7141は、制御回路7127に連結されている。システム7100は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム7100はまた、表面凝固用の高RF出力電圧をサポートする。
【0179】
図40は、印加部分に機械的切替式高電圧/低電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含むシステム7200を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース7201、RF信号用のインターフェース7203、一次リターン端子インターフェース7205、HSWインターフェース7207、二次リターン端子インターフェース7209、識別インターフェース7211、及びプレゼンス・インターフェース7213を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 7217、及びプレゼンス抵抗器7219のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の帯域消去フィルタ7215を含む。ハンドルは、整流回路7231、EEPROM 7235、制御回路7227、変圧器7230、コンデンサ7216、スイッチアレイ7237及び共振器7229を含む。制御回路7227は、EEPROM 7235、スイッチアレイ7237及び整流回路7231に連結されている。整流回路7231は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。スイッチアレイ7237は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0180】
印加部分は、EEPROM 7239、プレゼンス抵抗器7241、エンドエフェクタジョー位置スイッチ7247並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ7243、7245を含む。変圧器7230は、帯域消去フィルタ7215のうちの1つに連結されている。変圧器7230の二次側は、超音波エネルギー出力部7245及びエンドエフェクタジョー位置スイッチ7247の一方の位置に連結されており、一方、エンドエフェクタジョー位置スイッチ7247の他方の位置は、変圧器7230の一次側に連結されている。EEPROM 7239及びプレゼンス抵抗器7241は、制御回路7227に連結されている。システム7200は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム7200はまた、エンドエフェクタジョーの開放時に、表面凝固用の高RF出力電圧をサポートし、ジョーの閉鎖時に、封止及び切断のための標準RF電圧をサポートする。
【0181】
図41は、印加部分に電気切替式高電圧/低電圧RF出力部を含み、遠位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含むシステム7300を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース7301、RF信号用のインターフェース7303、一次リターン端子インターフェース7305、HSWインターフェース7307、二次リターン端子インターフェース7309、識別インターフェース7311、及びプレゼンス・インターフェース7313を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 7317、及びプレゼンス抵抗器7319のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル内にいかなる回路要素も有さずに、ケーブルを通して搬送される。遠位プラグは、1対の帯域消去フィルタ7315を含む。ハンドルは、整流回路7331、EEPROM 7335、制御回路7327、変圧器7330、コンデンサ7316、スイッチアレイ7337及び共振器7329、駆動回路7325、1対のMOSFETスイッチ7318、整流回路7321及び1対の結合インダクタ7323を含む。スイッチアレイ7337は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。1対のMOSFETスイッチ7318は、結合インダクタ6223に連結されている整流回路7321に連結されている。整流回路7321はそれぞれ、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。結合インダクタは、制御回路7327に連結されている駆動回路6225に連結されている。結合インダクタはまた、駆動回路7325に連結されている。制御回路7227は、EEPROM 7335、スイッチアレイ7337及び整流回路7331に連結されている。
【0182】
印加部分は、EEPROM 7339、プレゼンス抵抗器7341並びにRFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ7343、7345を含む。変圧器7230は、帯域消去フィルタ7315のうちの1つ及び一次側のMOSFETスイッチ7318のうちの1つに連結されている。変圧器7230の二次側は、別のMOSFETスイッチ7318に連結されている。EEPROM 7339及びプレゼンス抵抗器7341は、制御回路7327に連結されている。システム7300は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム7300はまた、エンドエフェクタジョーの開放時に、表面凝固用の高RF出力電圧をサポートし、ジョーの閉鎖時に、封止及び切断のための標準RF電圧をサポートする。
【0183】
図42は、印加部分に固定高電圧RF出力部を含み、近位プラグ内に帯域消去フィルタを含み、ハンドル内に制御回路及び変圧器を含むシステム7400を示す。発生器は、超音波信号用のインターフェース7401、RF信号用のインターフェース7403、一次リターン端子インターフェース7405、HSWインターフェース7407、二次リターン端子インターフェース7409、識別インターフェース7411、及びプレゼンス・インターフェース7413を含む。近位プラグは、発生器、EEPROM 7417、プレゼンス抵抗器7419、1対の帯域消去フィルタ7415、及びスイッチトキャパシタ7416(スイッチ回路要素及びキャパシタ回路要素を含む)のインターフェースとの整合インターフェースを含む。近位プラグ出力は、ケーブル又は遠位プラグのいずれにもいかなる回路要素を有さずに、ケーブル及び遠位プラグを通して搬送される。ハンドルは、整流回路7431、EEPROM 7435、制御回路7427、変圧器7430、スイッチアレイ7437及び共振器7429を含む。制御回路7427は、EEPROM 7435、スイッチアレイ7437及び整流回路7431に連結されている。整流回路は、少なくとも1つのダイオード及び少なくとも1つのコンデンサを含む。スイッチアレイ7437は、電気機械式デバイス、トランジスタデバイスなどを含んでもよい。トランジスタデバイスは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、FET、MOSFET又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0184】
印加部分は、EEPROM 7439、プレゼンス抵抗器7441並びに高電圧RFエネルギー及び超音波エネルギー用の出力部のそれぞれ7443、7445を含む。変圧器7430は、帯域消去フィルタ7115のうちの1つに連結され、変圧器7130の二次側は、高電圧RF出力部7443及び超音波エネルギー出力部7445に連結されている。EEPROM 7439及びプレゼンス抵抗器7441は、制御回路7427に連結されている。システム7400は、RFモードと超音波モードとの間の切替を可能にし、混合出力周波数をサポートする。混合出力周波数は、超音波出力が有効な状態で、組織インピーダンスセンシングを可能にする。システム7400はまた、表面凝固用の高RF出力電圧をサポートし、重量、嵩、及び熱をハンドル及び印加部分から離れた所に移す。
【0185】
発生器からの送達のためのエネルギーを表す波形の例を、
図43~
図47に例示する。
図43は、比較の目的で、同じ時間及び電圧スケールで重ね合わせたRF出力信号602及び超音波出力信号604を表す第1及び第2の個々の波形を示す例示的グラフ600を示す。これらの出力信号602、604は、発生器100のENERGY出力部で提供される。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。RF出力信号602は、約330kHzのRFの周波数及び±1Vのピーク間電圧を有する。超音波出力信号604は、約55kHzの周波数及び±1Vのピーク間電圧を有する。横軸に沿っての時間(t)スケール及び縦軸に沿っての電圧(V)スケールは、比較の目的に正規化され、異なる実際の実装であり得るか、又は電流などの他の電気的パラメータを表してもよいことが理解されよう。
【0186】
図44は、
図43に示した2つの出力信号602、604の和を示す例示的グラフ610を図示する。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図43に示したRF出力信号602及び超音波出力信号604の和は、
図43に示した元々のRF信号及び超音波信号(1Vのピーク間電圧)の2倍の振幅である2Vのピーク間電圧を有する合成出力信号612を生成する。元々の振幅の2倍の振幅は、出力の歪み、飽和、クリッピング又は出力構成要素へのストレスなどの、発生器の出力部で問題を引き起こす恐れがある。したがって、複数の治療構成要素を有する単一の合成出力信号612の管理は、
図8に示した発生器500の重要な態様である。この管理を得るために様々な方法がある。一形態では、2つのRF出力信号又は超音波出力信号602、604のうちの1つは、他の出力信号のピークに依存する可能性がある。一態様では、RF出力信号602は、超音波信号604のピークに依存してもよく、出力は、ピークが予想されているときに減少する。かかる機能及び結果として得られる波形を、
図45に示す。
【0187】
例えば、
図45は、
図43に示した出力信号602、604の依存和を表す合成出力信号622を示す例示のグラフ620を図示する。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図43に示すように、
図43のRF出力信号602成分は、依存和合成出力信号622のRF出力信号成分の振幅が、超音波ピークが予想されているときに減少するように、
図43の超音波出力信号604成分のピークに依存する。
図43における例示的グラフ620に示すように、これらのピークは2から1.5まで減少している。別の形態では、出力信号のうちの1つは、他の出力信号の関数である。
【0188】
例えば、
図46は、
図43に示した出力信号602、604の依存和を表す出力信号632を示す類似波形630を示す例示的グラフである。時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図46に示すように、RF出力信号602は、超音波出力信号604の関数である。これが、出力の振幅に対してハードリミットを提供する。
図46に示すように、超音波出力信号604が正弦波として抽出可能である一方で、RF出力信号602は、歪みを有するが、RF出力信号602の凝固性能に多少なりとも影響を及ぼすものではない。
【0189】
様々な他の技術は、出力信号の波形を圧縮かつ/又は制限するために使用することができる。RF出力信号602が、神経筋刺激を回避するように安全な患者レベルのために低周波数成分を有する限り、超音波出力信号604(
図43)のインテグリティは、RF出力信号602(
図43)のインテグリティよりも重要であり得ることに留意するべきである。別の形態では、RF波形の周波数は、波形のピークを管理するために、継続的に変化させることが可能である。
図47に示したグラフ640に例示されるような凝固型波形642などのより複雑なRF波形が本システムで実行されるために、波形の制御は重要である。ここでも、時間(t)を横軸に沿って示し、電圧(V)を縦軸に沿って示す。
図47に示した凝固型波形642は、例えば、5.8の波高率を有する。
【0190】
本明細書における各例については、主に電気外科用器具の状況下で説明されているが、本明細書の教示は、様々な他の種類の医療器具に容易に適用され得ることを理解されたい。単に一例として、本明細書の教示は、組織把持器、組織回収パウチ配置器具、手術用ステープラ、超音波外科用器具などに容易に適用されてもよい。また、本明細書の教示は、本明細書で引用した文献のうちの任意に記載された器具のうちの任意に容易に適用されてもよいため、本明細書の教示は、本明細書で引用した文献のうちの任意の教示と様々な方式で容易に組み合わせてもよいことを理解されたい。本明細書の教示が組み込まれてもよい他の種類の器具が、当業者には明らかであろう。
【0191】
参照により本明細書に組み込まれることが言及されたいかなる特許、刊行物又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれることを認識されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献又はそれらの部分は、組み込まれた文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0192】
本開示の態様は、従来の内視鏡的手術及び開腹手術の機器並びにロボット支援手術に用途を有する。例えば、当業者は、本明細書の様々な教示が、参照により本明細書に組み込まれる、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する2004年8月31日公開の米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わせてもよいことを理解するであろう。
【0193】
本明細書で開示した器具の諸態様は、1回の使用後に処分するように設計することもできるし、複数回使用するように設計することもできる。様々な態様は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整されてもよい。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含んでもよい。具体的には、デバイスの態様は、分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部品又は部材を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスの態様は、再調整用の施設において又は外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組立してもよい。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換及び再組立のための様々な技術を使用できる点を認識するであろう。そのような技術の使用及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本発明の範囲内にある。
【0194】
単なる例として、本明細書に記載される態様は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線又は高エネルギー電子などの容器を透過できる放射線野に置いてもよい。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の別の技術を用いて滅菌してもよい。
【0195】
本開示の様々な態様について図示して説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる適合が、当業者による適切な変更により、本開示の範囲を逸脱することなく達成されてもよい。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記で論じた実施例、態様、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであって必須ではない。したがって、本開示明の範囲は以下の「特許請求の範囲」の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において示しかつ説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されたい。
【0196】
上述の説明で様々な詳細が記載されてきたが、本開示の様々な態様がこれらの特定の詳細なしで実行されてもよいことが理解されるであろう。例えば、簡潔かつ明確にするために、選択された態様は、詳細に示すのではなく、ブロック図で示されている。本明細書に示した詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリに格納されたデータに対して動作する命令という点で提示され得る。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、伝達、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などで参照することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの物理量に当てはめられる便利なラベルである。
【0197】
別段の明確な定めがない限り、前述の議論から明らかなように、説明の全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示デバイス内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算デバイスの動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0198】
「一態様」又は「態様」への言及は、その態様と関連して記載される、特定の機構、構造、又は特性が、少なくとも一態様に含まれていることを意味することは特記に値する。したがって、明細書を通じた多くの場所における、「一態様において」、又は「ある態様において」という用語の出現は、必ずしも同じ態様を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の適当な形で組み合わせることができる。
【0199】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0200】
本明細書で説明する態様の一部又はすべては、発生器によって、又はその他の場合には本明細書で説明する技術に従って、出力されるRF信号及び超音波信号を管理するための技術を概ね含み得る。一般的な意味で、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同して実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを、当業者には理解されよう。その結果として、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、限定するものではないが、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくはデバイスを少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えばランダムアクセスメモリを形成する)電気回路、及び/又は、通信デバイス(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的-電気的設備)を形成する電気回路を含む。本明細書で述べた主題は、アナログ若しくはデジタルの形式又はそれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0201】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例を用いてデバイス及び/又はプロセスの様々な態様について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が、1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同に実装することができる。一態様では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)又は他の集積型の形式で実装されてもよい。しかし、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される形態のいくつかの態様は、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実装することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが、当業者には理解されよう。加えて、本明細書に記載される主題の機構は、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられることが、当業者には理解されよう。信号搬送媒体の例としては、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能型の媒体と、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)などの伝送型の媒体と、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0202】
すべての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意のその他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献又はそれらの部分は、組み込まれた文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0203】
本明細書に記載される要素(例えば、動作)、デバイス、目的及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されるであろう。その結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、デバイス、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0204】
本明細書における実質的にすべての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることができる。様々な単数形/複数形の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0205】
本明細書に記載する主題はときに、種々のその他の要素の中に含められた、又はそれらと結合された種々の要素を示す。理解されたいこととして、そのように表現したアーキテクチャは単に例示的なものであり、実際に、同じ機能性を達成する多くのその他のアーキテクチャが実現され得る。構想の意味で、同じ機能性を達成する要素の任意の配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書での任意の2つの要素は、アーキテクチャ又は中間要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能であることの特定の例としては、物理的に噛み合い可能なかつ/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は無線式で相互作用可能なかつ/若しくは無線式で相互作用する構成要素、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成要素が挙げられるが、それらに限定されない。
【0206】
いくつかの態様は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。
【0207】
場合によっては、1つ以上の要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと呼ばれることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の要素及び/又は非アクティブ状態の要素及び/又はスタンドバイ状態の要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0208】
本明細書に記述する主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記述する主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われることができ、したがって添付の特許請求の範囲は、すべてのかかる変更及び修正を、本明細書に記述する主題の真の趣旨及び範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の文中)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図はクレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、クレーム記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入されたクレーム記載を含むいかなる特定のクレームも、かかる記載事項を1つのみ含むクレームに限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0209】
加えて、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又は3つ以上の選択的な用語を表す選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0210】
添付の特許請求の範囲に関して言えば、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0211】
特定の場合には、構成要素が領域の外に位置している場合であっても、システム又は方法の使用がその領域で起こってもよい。例えば、分散コンピューティングの文脈において、システムの一部分が領域の外に位置している可能性があっても(例えば、リレー、サーバ、プロセッサ信号搬送媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなどが領域の外に位置している)、分散コンピューティングシステムの使用はその領域で起こってもよい。
【0212】
システム又は方法の構成要素が領域の外に位置するかつ/又は外で使用される場合であっても、システム又は方法の売買は同様にその領域で起こってもよい。更に、1つの領域で方法を実行するためにシステムの少なくとも一部分を実現することは、システムを別の領域で使用することを排除しない。
【0213】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0214】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の態様の上述の説明は、例示及び説明を目的として提示したものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な態様を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0215】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の付番された項目において説明される。
1.発生器によって出力されるRF信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、合成された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を発生器から受信するように構成された回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、合成信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成され、第1のフィルタ処理信号をRFエネルギー出力部に、第2のフィルタ処理信号を超音波エネルギー出力部に、提供するように構成されている、システム。
2.回路は、共振器を含む、項目1に記載のシステム。
3.回路は、高周波帯域消去フィルタを含む、項目1又は2に記載のシステム。
4.高周波帯域消去フィルタは、第1のLCフィルタ回路と、第2のLCフィルタ回路と、を含む、項目1~3のいずれか一項に記載のシステム。
5.合成信号は、350kHz成分を含む、項目1~4のいずれか一項に記載のシステム。
6.合成信号は、55kHz成分を含む、項目1~5のいずれか一項に記載のシステム。
7.外科用器具は、RFエネルギー出力部及び超音波エネルギー出力部から同時に治療を適用するように構成されている、項目1~6のいずれか一項に記載のシステム。
8.発生器によって出力されるRF信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、合成された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を発生器から受信するように構成された回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、発生器から受信した合成信号に従ってRFエネルギー出力部と超音波エネルギー出力部との間で切り替えるように構成されている、システム。
9.回路は、2対のMOSFETスイッチを含む、項目8に記載のシステム。
10.2対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソース同士が接続されている、項目9に記載のシステム。
11.第1の結合インダクタ及び第2の結合インダクタを更に含む、項目9又は10に記載のシステム。
12.第1の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第1の結合インダクタに連結されている、項目11に記載のシステム。
13.第2の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第2の結合インダクタに連結されている、項目11又は12に記載のシステム。
14.第1のコンデンサと、第2のコンデンサと、を更に含み、第1のコンデンサは、第1の結合インダクタの一次側に連結され、第2のコンデンサは、第2の結合インダクタの一次側に連結されている、項目11~13のいずれか一項に記載のシステム。
15.制御回路と、第1のパルストランスと、第2のパルストランスと、を更に含み、制御回路は、第1及び第2のパルストランスに連結され、第1のパルストランスは、2対のMOSFETスイッチのうちの第1の対に連結され、第2のパルストランスは、2対のMOSFETスイッチのうちの第2の対に連結されている、項目9~14のいずれか一項に記載のシステム。
16.2対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソース同士が接続されている、項目15に記載のシステム。
17.MOSFETスイッチの第1の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第1のパルストランスに連結されている、項目16に記載のシステム。
18.MOSFETスイッチの第2の対のそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第2のパルストランスに連結されている、項目16又は17に記載のシステム。
19.回路は、RFエネルギー出力部に連結された第1の切替要素と、超音波エネルギー出力部に連結された第2の切替要素と、を含む、項目18に記載のシステム。
20.第1の切替要素及び第2の切替要素は、それぞれ電気機械式リレーである、項目19に記載のシステム。
21.第1の切替要素及び第2の切替要素は、制御回路に連結されている、項目19又は20に記載のシステム。
22.第1の切替要素及び第2の切替要素を作動させるために切替機構を更に含む、項目19~21のいずれか一項に記載のシステム。
23.切替機構は、機械式ロッカ様式の切替機構である、項目22に記載のシステム。
24.発生器によって出力されるRF信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、合成された無線周波数(RF)信号及び超音波信号を発生器から受信するように構成された回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、合成信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成されたフィルタ回路と、発生器から受信した合成信号に従ってRFエネルギー出力部又は超音波エネルギー出力部のうちの一方に対するオン状態とオフ状態との間で切り替えるように構成された切替要素と、を含む、システム。
25.フィルタ回路は、超音波エネルギー出力部に連結され、切替要素は、RFエネルギー出力部に連結された、項目24に記載のシステム。
26.発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、合成されたRF信号及び超音波信号を発生器から受信することと、合成信号からRF周波数成分をフィルタ処理することによってRFフィルタ処理信号を生成することと、合成信号から超音波周波数成分をフィルタ処理することによって超音波フィルタ処理信号を生成することと、RFフィルタ処理信号をRFエネルギー出力部に提供することと、超音波フィルタ処理信号を超音波エネルギー出力部に提供することと、を行うように構成されている、システム。
27.回路は、RF出力の周波数に同調される第1の共振器と、超音波出力の周波数に同調される第2の共振器と、を含む、項目26に記載のシステム。
28.回路は、高周波帯域消去フィルタを含む、項目26又は27に記載のシステム。
29.高周波帯域消去フィルタは、合成信号のRF周波数成分を遮断するように構成された第1のインダクタ-コンデンサ(LC)フィルタ回路と、合成信号の超音波周波数成分を遮断するように構成された第2のLCフィルタ回路と、を含む、項目26~項目28に記載のシステム。
30.回路は、高周波通過帯域フィルタを含む、項目26~29のいずれか一項に記載のシステム。
31.高周波通過帯域フィルタは、第1の抵抗器-インダクタ-コンデンサ(RLC)フィルタ回路と、第2のRLCフィルタ回路と、を含み、第1のRLCフィルタ回路は、合成信号のRF周波数成分を通過させる一方で、他のすべての周波数成分を遮断するように構成され、第2のRLCフィルタ回路は、合成信号の超音波周波数成分を通過させる一方で、他のすべての周波数成分を遮断するように構成されている、項目26~30に記載のシステム。
32.外科用器具は、RFエネルギー出力部及び超音波エネルギー出力部から同時に治療を適用するように構成されている、項目26~31のいずれか一項に記載のシステム。
33.発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、回路と、を含む、外科用器具を含み、回路は、合成されたRF信号及び超音波信号を発生器から受信することと、発生器から受信した合成信号に従ってRFエネルギー出力部と超音波エネルギー出力部との間で切り替えることと、を行うように構成されている、システム。
34.回路は、2対の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチを含む、項目33に記載のシステム。
35.2対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソース同士が接続されている、項目33又は34に記載のシステム。
36.回路は、第1の結合インダクタ及び第2の結合インダクタを更に含む、項目34又は35に記載のシステム。
37.2対のMOSFETスイッチは、第1の対のMOSFETスイッチ及び第2の対のMOSFETスイッチを含み、第1の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第1の結合インダクタに連結されている、項目33~36いずれか一項に記載のシステム。
38.第2の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ第2の結合インダクタに連結されている、項目33~37いずれか一項に記載のシステム。
39.回路は、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを更に含み、第1のコンデンサは、第1の結合インダクタの一次側に連結され、第2のコンデンサは、第2の結合インダクタの一次側に連結されている、項目33~38いずれか一項に記載のシステム。
40.回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)と、第1のパルストランスであって、第1のパルストランスの第1の側でASICに連結され、第1のパルストランスの第2の側で2対のMOSFETスイッチのうちの第1の対に連結されている、第1のパルストランスと、第2のパルストランスであって、第2のパルストランスの第1の側でASICに連結され、第2のパルストランスの第2の側で2対のMOSFETスイッチのうちの第2の対に連結されている、第2のパルストランスと、を更に含む、項目33~39いずれか一項に記載のシステム。
41.第1のパルストランスに印加される差分パルスの一方の極性は、MOSFET対のうちの第1の対をエンハンスト状態にするように構成され、第1のパルストランスに印加される差分パルスの反対の極性は、MOSFET対のうちの第1の対をオフにするように構成されている、項目33~40いずれか一項に記載のシステム。
42.回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)と、ASIC及びRFエネルギー出力部に連結され、RFエネルギー出力部に切り替えるように構成された第1の電気機械式リレーと、ASIC及び超音波エネルギー出力部に連結され、超音波エネルギー出力部に切り替えるように構成された第2の電気機械式リレーと、を含む、項目33~41いずれか一項に記載のシステム。
43.回路は、第1の電気機械式リレー及び第2の電気機械式リレーを作動させるように構成された切替機構を更に含む、項目33~42いずれか一項に記載のシステム。
44.切替機構は、機械式ロッカ様式の切替機構を含む、項目33~44いずれか一項に記載のシステム。
45.発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、システムは、RFエネルギー出力部、超音波エネルギー出力部、及び回路を含む外科用器具を含み、回路は、合成されたRF信号及び超音波信号を発生器から受信するように構成され、回路は、合成信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成されたフィルタ回路と、発生器から受信した合成信号に従ってRFエネルギー出力部又は超音波エネルギー出力部のうちの一方に対するオン状態とオフ状態との間で切り替えるように構成された切替要素と、を含む、システム。
【0216】
〔実施の態様〕
(1) 発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、
前記システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、回路と、を含む、外科用器具を含み、
前記回路は、
合成されたRF信号及び超音波信号を前記発生器から受信することと、
前記合成信号からRF周波数成分をフィルタ処理することによってRFフィルタ処理信号を生成することと、
前記合成信号から超音波周波数成分をフィルタ処理することによって超音波フィルタ処理信号を生成することと、
前記RFフィルタ処理信号を前記RFエネルギー出力部に提供することと、
前記超音波フィルタ処理信号を前記超音波エネルギー出力部に提供することと、を行うように構成されている、システム。
(2) 前記回路は、
前記RF出力の周波数に同調される第1の共振器と、
前記超音波出力の周波数に同調される第2の共振器と、を含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記回路は、高周波帯域消去フィルタを含む、実施態様1に記載のシステム。
(4) 前記高周波帯域消去フィルタは、前記合成信号の前記RF周波数成分を遮断するように構成された第1のインダクタ-コンデンサ(LC)フィルタ回路と、前記合成信号の前記超音波周波数成分を遮断するように構成された第2のLCフィルタ回路と、を含む、実施態様3に記載のシステム。
(5) 前記回路は、高周波通過帯域フィルタを含む、実施態様1に記載のシステム。
【0217】
(6) 前記高周波通過帯域フィルタは、第1の抵抗器-インダクタ-コンデンサ(RLC)フィルタ回路と、第2のRLCフィルタ回路と、を含み、前記第1のRLCフィルタ回路は、前記合成信号の前記RF周波数成分を通過させる一方で、他のすべての周波数成分を遮断するように構成され、前記第2のRLCフィルタ回路は、前記合成信号の前記超音波周波数成分を通過させる一方で、他のすべての周波数成分を遮断するように構成されている、実施態様5に記載のシステム。
(7) 前記外科用器具は、前記RFエネルギー出力部及び前記超音波エネルギー出力部から同時に治療を適用するように構成されている、実施態様1に記載のシステム。
(8) 発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、
前記システムは、RFエネルギー出力部と、超音波エネルギー出力部と、回路と、を含む、外科用器具を含み、
前記回路は、
合成されたRF信号及び超音波信号を前記発生器から受信することと、
前記発生器から受信した前記合成信号に従って前記RFエネルギー出力部と前記超音波エネルギー出力部との間で切り替えることと、を行うように構成されている、システム。
(9) 前記回路は、2対の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)スイッチを含む、実施態様8に記載のシステム。
(10) 前記2対のMOSFETスイッチのそれぞれは、ソース同士が接続されている、実施態様9に記載のシステム。
【0218】
(11) 前記回路は、第1の結合インダクタ及び第2の結合インダクタを更に含む、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記2対のMOSFETスイッチは、第1の対のMOSFETスイッチ及び第2の対のMOSFETスイッチを含み、
前記第1の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ前記第1の結合インダクタに連結されている、実施態様11に記載のシステム。
(13) 前記第2の対のMOSFETスイッチのそれぞれのMOSFETのゲートは、互いに連結され、かつ前記第2の結合インダクタに連結されている、実施態様12に記載のシステム。
(14) 前記回路は、第1のコンデンサ及び第2のコンデンサを更に含み、
前記第1のコンデンサは、前記第1の結合インダクタの一次側に連結され、
前記第2のコンデンサは、前記第2の結合インダクタの一次側に連結されている、実施態様12に記載のシステム。
(15) 前記回路は、
特定用途向け集積回路(ASIC)と、
第1のパルストランスであって、前記第1のパルストランスの第1の側で前記ASICに連結され、前記第1のパルストランスの第2の側で前記2対のMOSFETスイッチのうちの第1の対に連結されている、第1のパルストランスと、
第2のパルストランスであって、前記第2のパルストランスの第1の側で前記ASICに連結され、前記第2のパルストランスの第2の側で前記2対のMOSFETスイッチのうちの第2の対に連結されている、第2のパルストランスと、を更に含む、実施態様9に記載のシステム。
【0219】
(16) 前記第1のパルストランスに印加される差分パルスの一方の極性は、前記MOSFET対のうちの前記第1の対をエンハンスト状態にするように構成され、前記第1のパルストランスに印加される前記差分パルスの反対の極性は、前記MOSFET対のうちの前記第1の対をオフにするように構成されている、実施態様15に記載のシステム。
(17) 前記回路は、
特定用途向け集積回路(ASIC)と、
前記ASIC及び前記RFエネルギー出力部に連結され、前記RFエネルギー出力部に切り替えるように構成された第1の電気機械式リレーと、
前記ASIC及び前記超音波エネルギー出力部に連結され、前記超音波エネルギー出力部に切り替えるように構成された第2の電気機械式リレーと、を含む、実施態様8に記載のシステム。
(18) 前記回路は、前記第1の電気機械式リレー及び前記第2の電気機械式リレーを作動させるように構成された切替機構を更に含む、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記切替機構は、機械式ロッカ様式の切替機構を含む、実施態様18に記載のシステム。
(20) 発生器によって出力される無線周波数(RF)信号及び超音波信号を管理するためのシステムであって、
前記システムは、RFエネルギー出力部、超音波エネルギー出力部、及び回路を含む外科用器具を含み、
前記回路は、合成されたRF信号及び超音波信号を前記発生器から受信するように構成され、
前記回路は、
前記合成信号の周波数成分をフィルタ処理するように構成されたフィルタ回路と、
前記発生器から受信した前記合成信号に従って前記RFエネルギー出力部又は前記超音波エネルギー出力部のうちの一方に対するオン状態とオフ状態との間で切り替えるように構成された切替要素と、を含む、システム。