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特許7366977インピーダンス調整方法及び高速伝送用コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】インピーダンス調整方法及び高速伝送用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6473 20110101AFI20231016BHJP
   H01R 12/52 20110101ALI20231016BHJP
【FI】
H01R13/6473
H01R12/52
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021165969
(22)【出願日】2021-10-08
(65)【公開番号】P2023056643
(43)【公開日】2023-04-20
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】大坂 純士
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-098747(JP,A)
【文献】特開2006-019236(JP,A)
【文献】特開2020-080296(JP,A)
【文献】特開2004-206908(JP,A)
【文献】特開2021-026874(JP,A)
【文献】特開2021-089821(JP,A)
【文献】特開2016-184556(JP,A)
【文献】特許第6901603(JP,B1)
【文献】特開2014-209498(JP,A)
【文献】特開2014-075332(JP,A)
【文献】特開2011-165560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R13/56-13/72
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する複数のコンタクトが所定ピッチで列状に並べられたコネクタにおいて各コンタクトのインピーダンスを設計段階で調整するインピーダンス調整方法であって、
各コンタクトは、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片によって1つの接点部を支持するものとし、
各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間には導体が存在しないものとし、
前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトの間には導体が存在しないものとし、
前記複数のコンタクトは、少なくとも、第1のコンタクト、第2のコンタクト、及び、第3のコンタクトを前記ピッチ方向においてこの記載順に含み、前記第2のコンタクトは、第1のコンタクト及び第3のコンタクトと前記ピッチ方向で隣り合っており、
インピーダンス調整前の前記所定ピッチ及び各コンタクトが有する前記2つのバネ片のインピーダンス調整前のそれぞれの断面積及びそれぞれの断面形状を維持しながら、各コンタクトが有する前記2つのバネ片をインピーダンス調整前と比較して前記ピッチ方向において互いから遠ざけることで、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトのうち、一方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち他方のコンタクトに近いバネ片と、他方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち一方のコンタクトに近いバネ片と、の間の前記ピッチ方向における隙間をインピーダンス調整前と比較して狭め、これにより、インピーダンス調整前と比較して前記所定ピッチ及び各コンタクトのバネ特性を維持しながら、前記第1のコンタクト、前記第2のコンタクト、及び、前記第3のコンタクトのインピーダンスを下げる、
インピーダンス調整方法。
【請求項2】
導電性を有する複数のコンタクトが所定ピッチで列状に並べられたコネクタであって、
各コンタクトは、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片によって1つの接点部を支持しており、
各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間には導体が存在せず、
前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトの間には導体が存在せず、
前記複数のコンタクトは、少なくとも、第1のコンタクト、第2のコンタクト、及び、第3のコンタクトを前記ピッチ方向においてこの記載順に含み、前記第2のコンタクトは、第1のコンタクト及び第3のコンタクトと前記ピッチ方向で隣り合っており、
各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間の前記ピッチ方向における隙間は、前記第1のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち前記第2のコンタクトに近いバネ片と、前記第2のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち前記第1のコンタクトに近いバネ片と、の間の前記ピッチ方向における第1の隙間よりも広く、かつ、前記第3のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち前記第2のコンタクトに近いバネ片と、前記第2のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち前記第3のコンタクトに近いバネ片と、の間の前記ピッチ方向における第2の隙間よりも広く、
前記第1の隙間と前記第2の隙間は互いに等しい、
高速伝送用コネクタ。
【請求項3】
請求項2に記載の高速伝送用コネクタであって、
前記2つのバネ片の断面積及び断面形状は、互いに等しい、
高速伝送用コネクタ。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の高速伝送用コネクタであって、
前記2つのバネ片は少なくとも一部がU字状に曲げられた片持ち梁である、
高速伝送用コネクタ。
【請求項5】
請求項2から4までの何れか1項に記載の高速伝送用コネクタであって、
各コンタクトは、中心線を挟んで左右対称に形成されている、
高速伝送用コネクタ。
【請求項6】
請求項2から5までの何れか1項に記載の高速伝送用コネクタであって、
前記複数のコンタクトを保持する絶縁性のハウジングを更に備え、
前記ハウジングは、前記複数のコンタクトをそれぞれ収容する複数のコンタクト収容部と、前記複数のコンタクト収容部を前記ピッチ方向でそれぞれ隔てる複数の隔壁と、を有し、
前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトのうち、一方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち他方のコンタクトに近いバネ片と、他方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち一方のコンタクトに近いバネ片と、の間に、対応する隔壁が配置されている、
高速伝送用コネクタ。
【請求項7】
請求項2から6までの何れか1項に記載の高速伝送用コネクタであって、
各コンタクトは、前記接点部の反対側の端部に半田付け部を有している、
高速伝送用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンス調整方法及び高速伝送用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本願の図16に示すように、複数のコンタクト100が列状に並べられた基板対基板コネクタ101を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6901603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の基板対基板コネクタ101において、さらなる高速伝送を実現するには各コンタクト100のインピーダンスを下げることが求められる。各コンタクト100のインピーダンスを下げる典型的な手法としては、複数のコンタクト100のピッチを狭くすることが挙げられる。これにより、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト100の間の隙間が狭くなるので、各コンタクト100のインピーダンスが下がることになる。しかし、この場合、基板対基板コネクタ101に対して接続する基板の、基板対基板コネクタ101に対する位置決め精度を同時に高度化する必要があり現実的ではない。
【0005】
各コンタクト100のインピーダンスを下げる他の手法としては、複数のコンタクト100のピッチを変えることなく、各コンタクト100を幅広にすることが挙げられる。これにより、同様に、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト100の間の隙間が狭くなるので、各コンタクト100のインピーダンスが下がることになる。しかし、この場合、各コンタクト100が硬くなるのでヘタりやすい(settle)という新たな問題が生じる。
【0006】
要するに、コンタクトのピッチとバネ特性を変えることなくインピーダンスを下げることはできなかった。
【0007】
本発明の目的は、コンタクトのピッチとバネ特性を変えることなくインピーダンスを下げる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の第1の観点によれば、導電性を有する複数のコンタクトが所定ピッチで列状に並べられたコネクタにおいて各コンタクトのインピーダンスを調整するインピーダンス調整方法であって、各コンタクトは、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片によって1つの接点部を支持するものとし、各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間には導体が存在しないものとし、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトの間には導体が存在しないものとし、前記所定ピッチ及び各コンタクトが有する前記2つのバネ片の断面積及び断面形状を維持しながら、各コンタクトが有する前記2つのバネ片を前記ピッチ方向において互いから遠ざけることで、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトのうち、一方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち他方のコンタクトに近いバネ片と、他方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち一方のコンタクトに近いバネ片と、の間の前記ピッチ方向における隙間を狭め、これにより、前記所定ピッチ及び各コンタクトのバネ特性を維持しながら各コンタクトのインピーダンスを下げる、インピーダンス調整方法が提供される。
本願発明の第2の観点によれば、導電性を有する複数のコンタクトが所定ピッチで列状に並べられたコネクタであって、各コンタクトは、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片によって1つの接点部を支持しており、各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間には導体が存在せず、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトの間には導体が存在せず、各コンタクトが有する前記2つのバネ片の間の前記ピッチ方向における隙間は、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトのうち、一方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち他方のコンタクトに近いバネ片と、他方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち一方のコンタクトに近いバネ片と、の間の前記ピッチ方向における隙間よりも広い、高速伝送用コネクタが提供される。
前記2つのバネ片の断面積及び断面形状は、互いに等しくてもよい。
前記2つのバネ片は少なくとも一部がU字状に曲げられた片持ち梁であってもよい。
各コンタクトは、中心線を挟んで左右対称に形成されてもよい。
前記複数のコンタクトを保持する絶縁性のハウジングを更に備え、前記ハウジングは、前記複数のコンタクトをそれぞれ収容する複数のコンタクト収容部と、前記複数のコンタクト収容部を前記ピッチ方向でそれぞれ隔てる複数の隔壁と、を有し、前記ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクトのうち、一方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち他方のコンタクトに近いバネ片と、他方のコンタクトが有する前記2つのバネ片のうち一方のコンタクトに近いバネ片と、の間に、対応する隔壁が配置されてもよい。
各コンタクトは、前記接点部の反対側の端部に半田付け部を有してもよい。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によれば、コンタクトのピッチとバネ特性を変えることなくインピーダンスを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理装置の分解斜視図である。
図2】CPUボードを別の角度から見た斜視図である。
図3】コネクタの斜視図である。
図4】コネクタの分解斜視図である。
図5】ハウジングの斜視図である。
図6】コネクタの一部切り欠き斜視図である。
図7】コネクタの一部切り欠き斜視図である。
図8】コネクタの一部切り欠き斜視図である。
図9図6に対応するコネクタの断面図である。
図10】コンタクトの斜視図である。
図11】コンタクトの別の角度から見た斜視図である。
図12】コンタクトの平面図である。
図13】コンタクト列の斜視図である。
図14】コンタクト列の一部切り欠き斜視図である。
図15】インピーダンス調整方法の説明図である。
図16】特許文献1の図3を簡略化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1から図15を参照して、本願発明の実施形態を説明する。図1には、情報処理装置1の分解斜視図を示している。図1に示すように、情報処理装置1は、CPUボード2(第1基板)、コネクタ3(高速伝送用コネクタ)、入出力ボード4(第2基板)、サポートボード5を含む。CPUボード2、コネクタ3、入出力ボード4、サポートボード5は、この記載順に重ねられる。即ち、コネクタ3は、CPUボード2と入出力ボード4の間に配置される。
【0012】
CPUボード2及び入出力ボード4は、例えば紙フェノール基板やガラスエポキシ基板などのリジット基板である。
【0013】
図2には、CPUボード2を別の角度から見た斜視図を示している。図1及び図2に示すように、CPUボード2は、コネクタ3に対向するコネクタ対向面2Aを有する。図2に示すように、コネクタ対向面2Aには、複数の信号パッド列6が形成されている。また、CPUボード2には、複数のボルト締結孔8が形成されている。
【0014】
複数の信号パッド列6は、互いに平行に延びている。各信号パッド列6は、複数の信号パッド10を含む。以下、各信号パッド列6の長手方向をピッチ方向と称する。また、ピッチ方向と直交する方向を幅方向と定義する。複数の信号パッド列6は、幅方向に並べられている。CPUボード2の板厚方向は、ピッチ方向及び幅方向に対して直交しており、以下、上下方向と称する。上下方向は、コネクタ対向面2Aが向く下方と、下方に対して反対の上方と、を含む。なお、上下方向、上方、下方は、説明の便宜上定義した方向に過ぎず、情報処理装置1やコネクタ3の実際の使用状態における姿勢を示唆するものではない。
【0015】
複数のボルト締結孔8は、ピッチ方向に互いに離れて配置されている。複数のボルト締結孔8は、第1ボルト締結孔8A、第2ボルト締結孔8B、第3ボルト締結孔8Cを含む。第1ボルト締結孔8A、第2ボルト締結孔8B、第3ボルト締結孔8Cは、この記載順に並べられている。
【0016】
図1に戻り、入出力ボード4は、コネクタ3に対向するコネクタ対向面4Aを有する。コネクタ対向面4Aには、複数の信号パッド列11と複数のホールドダウンパッド12が形成されている。また、入出力ボード4には、複数のボルト締結孔13が形成されている。
【0017】
複数の信号パッド列11は、互いに平行に延びている。複数の信号パッド列11は、幅方向に並べられている。各信号パッド列11は、複数の信号パッド15を含む。
【0018】
複数のボルト締結孔13は、ピッチ方向に互いに離れて配置されている。複数のボルト締結孔13は、第1ボルト締結孔13A、第2ボルト締結孔13B、第3ボルト締結孔13Cを含む。第1ボルト締結孔13A、第2ボルト締結孔13B、第3ボルト締結孔13Cは、この記載順に並べられている。
【0019】
サポートボード5は、典型的には、CPUボード2、コネクタ3、入出力ボード4を収容する筐体の一部であって、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製である。サポートボード5は、平板状のボード本体20と、複数のナット21を含む。複数のナット21は、ボード本体20から上方に突出している。
【0020】
複数のナット21は、第1ナット21A、第2ナット21B、第3ナット21Cを含む。第1ナット21A、第2ナット21B、第3ナット21Cは、入出力ボード4の第1ボルト締結孔13A、第2ボルト締結孔13B、第3ボルト締結孔13Cとそれぞれ対応するように配置されている。
【0021】
コネクタ3は、入出力ボード4のコネクタ対向面4Aに実装可能に構成されている。図3には、コネクタ3の斜視図を示している。図4には、コネクタ3の分解斜視図を示している。図3及び図4に示すように、コネクタ3は、絶縁樹脂製の矩形平板状のハウジング30と、複数のコンタクト列31と、複数のホールドダウン32と、を含む。複数のコンタクト列31及び複数のホールドダウン32は、ハウジング30に保持されている。
【0022】
複数のコンタクト列31は、互いに平行に延びている。複数のコンタクト列31は、幅方向に並べられている。各コンタクト列31は、ピッチ方向に沿って直線的に延びている。各コンタクト列31は、複数のコンタクト33を含む。各コンタクト33は、導電性であって、例えば銅又は銅合金をメッキした金属板を打ち抜いて曲げることで形成されている。
【0023】
複数のホールドダウン32は、図1に示すように、入出力ボード4の複数のホールドダウンパッド12とそれぞれ対応するように配置されている。各ホールドダウン32は、例えばステンレス鋼板などの金属板を打ち抜いて曲げることで形成されている。
【0024】
図5には、ハウジング30の斜視図を示している。図5に示すように、ハウジング30は、上方を向くことでCPUボード2と対向可能なハウジング上面としてのCPUボード対向面30Aと、下方を向くことで入出力ボード4と対向可能なハウジング下面としての入出力ボード対向面30Bと、を有する。CPUボード対向面30Aは、ハウジング30の最上面である。入出力ボード対向面30Bは、ハウジング30の最下面である。
【0025】
ここで、図1に戻り、情報処理装置1の組立手順を概説する。
【0026】
まず、入出力ボード4にコネクタ3を実装する。具体的には、複数のコンタクト列31を複数の信号パッド列11にそれぞれ半田付けすると共に、複数のホールドダウン32を複数のホールドダウンパッド12にそれぞれ半田付けする。
【0027】
次に、コネクタ3が搭載された入出力ボード4をサポートボード5に載せる。このとき、サポートボード5の第1ナット21A、第2ナット21B、第3ナット21Cがそれぞれ入出力ボード4の第1ボルト締結孔13A、第2ボルト締結孔13B、第3ボルト締結孔13Cを貫通する。
【0028】
そして、CPUボード2をコネクタ3に重ね合わせるように、CPUボード2をサポートボード5に取り付ける。具体的には、第1ボルト40Aを第1ボルト締結孔8A及び第1ボルト締結孔13Aを介して第1ナット21Aに締結させると共に、第2ボルト40Bを第2ボルト締結孔8B及び第2ボルト締結孔13Bを介して第2ナット21Bに締結させ、第3ボルト40Cを第3ボルト締結孔8C及び第3ボルト締結孔13Cを介して第3ナット21Cに締結させる。このようにコネクタ3がCPUボード2と入出力ボード4の間に挟まれることで、入出力ボード4の複数の信号パッド15と図2に示すCPUボード2の複数の信号パッド10がコネクタ3の複数のコンタクト33を介してそれぞれ電気的に接続される。
【0029】
本実施形態のコネクタ3は高速伝送用として設計されたものであって、各コンタクト33を流れる信号の周波数は10GHzから25GHzまでを想定している。しかし、これに限定されない。
【0030】
以下、コネクタ3について更に詳細に説明する。
【0031】
図5に示すように、ハウジング30は、矩形平板状に構成されている。ハウジング30には、複数のコンタクト収容列62が形成されている。複数のコンタクト収容列62は、互いに平行に延びている。各コンタクト収容列62は、ピッチ方向に沿って直線的に延びている。複数のコンタクト収容列62は、幅方向に並べられている。各コンタクト収容列62は、複数のコンタクト収容部63を含む。
【0032】
図6には、ピッチ方向に対して直交する面でハウジング30を切断したコネクタ3の一部切り欠き斜視図を示している。図7には、ピッチ方向に対して直交する面及び幅方向に対して直交する面でハウジング30を切断したコネクタ3の一部切り欠き斜視図を示している。図8には、ピッチ方向に対して直交する面でハウジング30を切断したコネクタ3の一部切り欠き斜視図を示している。図9には、ピッチ方向に対して直交する面でハウジング30を切断したコネクタ3の断面図を示している。
【0033】
図6及び図7に示すように、複数のコンタクト収容列62は、複数のコンタクト列31をそれぞれ収容する。即ち、複数のコンタクト収容部63は、複数のコンタクト33をそれぞれ収容する。各コンタクト収容部63は、各コンタクト33をハウジング30に取り付けるために形成されている。図8に示すように、各コンタクト収容部63は、ハウジング30を上下方向に貫通するように形成されている。
【0034】
図8及び図9に示すように、各コンタクト収容部63は、コンタクト収容部本体70と半田接続確認孔71を含む。コンタクト収容部本体70と半田接続確認孔71は、幅方向で互いに離れて形成されている。コンタクト収容部本体70と半田接続確認孔71は、何れもハウジング30を上下方向に貫通するように形成されている。
【0035】
ハウジング30は、コンタクト収容部63が有するコンタクト収容部本体70及び半田接続確認孔71を幅方向で仕切る幅仕切壁72を有する。幅仕切壁72の下端には、切り欠き73が形成されている。
【0036】
ハウジング30は、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト収容部63のコンタクト収容部本体70をピッチ方向で仕切るピッチ仕切壁74を有する。ピッチ仕切壁74の上端には、ピッチ方向に突出する規制壁75が形成されている。
【0037】
続いて、図10から図12を参照して、各コンタクト33を詳細に説明する。
【0038】
図10及び図11には、各コンタクト33の斜視図を示している。図12には、各コンタクト33の平面図を示している。
【0039】
図10から図12に示すように、各コンタクト33は、固定部80と半田付け部81、電気接触バネ片82を含む。
【0040】
固定部80は、図8に示すコンタクト収容部本体70に圧入される部分である。即ち、固定部80をコンタクト収容部本体70に圧入することにより、各コンタクト33はハウジング30に保持される。固定部80は、ピッチ方向に対して直交する板厚方向を有する板体である。固定部80は、固定部本体80Aと2つの圧入爪80Bを含む。2つの圧入爪80Bは、固定部本体80Aのピッチ方向における両端部からそれぞれピッチ方向に突出して形成されている。
【0041】
半田付け部81と電気接触バネ片82は、固定部80を挟んで幅方向で互いに反対側に配置されている。以下、半田付け部81から電気接触バネ片82を見る方向を前方と称し、電気接触バネ片82から半田付け部81を見る方向を後方と称する。従って、電気接触バネ片82は固定部80の前方に配置され、半田付け部81は固定部80の後方に配置されている。
【0042】
半田付け部81は、半田付け部本体81Aと姿勢安定バネ片81Bを含む。半田付け部本体81Aは、図1に示す入出力ボード4の対応する信号パッド15に半田付けされる部分である。図10に示すように、半田付け部本体81Aは、固定部80の下端から後方に延びている。姿勢安定バネ片81Bは、半田付け部本体81Aの後方端から上方に突出している。
【0043】
電気接触バネ片82は、図2に示すCPUボード2の対応する信号パッド10との電気的接点として機能する部分である。図10に示すように、電気接触バネ片82は、湾曲連結部83、弾性変形容易部84、接点部85、変位規制部86を含む。湾曲連結部83、弾性変形容易部84、接点部85、変位規制部86は、この記載順で連なっている。
【0044】
湾曲連結部83は、固定部80の上端から前方に突出すると共に、上方に凸となり下方に開口するようにU字に湾曲している。
【0045】
ピッチ方向に沿った視線で弾性変形容易部84を観察すると、弾性変形容易部84は、垂直部84A、水平部84B、湾曲部84C、傾斜部84Dを含む。垂直部84A、水平部84B、湾曲部84C、傾斜部84Dは、この記載順に連なっている。
【0046】
垂直部84Aは、湾曲連結部83の先端から下方に突出する。水平部84Bは、垂直部84Aの下端から前方に向かって、幅方向に対して平行となるように延びている。湾曲部84Cは、水平部84Bの前方端から上方に突出すると共に、前方に凸となり後方に開口するようにU字に湾曲している。傾斜部84Dは、湾曲部84Cの上端から後方に突出すると共に、若干上向きに傾斜している。
【0047】
そして、図11に示すように、弾性変形容易部84は、両端が連結された2つのバネ片を有するように形成されている。即ち、弾性変形容易部84は、弾性変形容易部84に沿って延びる2つのバネ片90と、2つのバネ片90を固定部80側で連結する固定部側連結部91と、2つのバネ片90を接点部85側で連結する接点部側連結部92と、を含む。2つのバネ片90は、ピッチ方向で対向すると共に、ピッチ方向で互いに離れている。2つのバネ片90は、互いに平行に延びている。固定部側連結部91は、垂直部84Aに位置している。接点部側連結部92は、傾斜部84Dに位置している。従って、2つのバネ片90は、垂直部84Aから傾斜部84Dに渡って形成されている。換言すれば、2つのバネ片90、固定部側連結部91、接点部側連結部92で区画されるスリット93は、垂直部84Aから傾斜部84Dに渡って形成されている。
【0048】
2つのバネ片90は、同一の断面積及び断面形状を有している。2つのバネ片90の断面積及び断面形状は、互いに等しい。各バネ片90は、少なくとも水平部84B及び湾曲部84Cの区間において一定の断面積及び断面形状を有している。
【0049】
接点部85は、図2に示すCPUボード2の対応する信号パッド10と電気的に接触可能な部分である。図11に示すように、接点部85は、弾性変形容易部84の傾斜部84Dの先端に設けられており、上方に凸となり下方に開口するU字に湾曲している。
【0050】
図10に示すように、変位規制部86は、接点部85の先端(distal end)からピッチ方向に互いに反対向きに突出する2つの規制片86Aを含む。
【0051】
そして、図12に示すように、各コンタクト33は、各コンタクト33をピッチ方向で二分する二分線33D(中心線)に関して線対称に形成されている。
【0052】
図9には、各コンタクト収容部63に各コンタクト33を取り付けた状態を示している。各コンタクト収容部63に各コンタクト33を取り付けるには、各コンタクト33を下側から各コンタクト収容部63のコンタクト収容部本体70に圧入する。即ち、固定部80の2つの圧入爪80Bをコンタクト収容部本体70を幅方向で区画する2つのピッチ仕切壁74の壁面にそれぞれ食いつかせる。これにより、電気接触バネ片82がコンタクト収容部本体70に収容され、半田付け部81の姿勢安定バネ片81Bが半田接続確認孔71に収容され、半田付け部81の半田付け部本体81Aが切り欠き73に収容される。
【0053】
上記圧入の際、2つの変位規制部86が対応する規制壁75の下面に接触することで、弾性変形容易部84が上下方向で圧縮されるように弾性変形容易部84が弾性変形する。即ち、電気接触バネ片82は、弾性変形容易部84が若干弾性変形した状態でコンタクト収容部本体70に収容される。
【0054】
また、上記圧入の際、幅仕切壁72が固定部80と半田付け部81の姿勢安定バネ片81Bの間に挿入されることで、半田付け部81は、姿勢安定バネ片81Bが固定部80から幅方向で遠ざかるように弾性変形する。そして、上記圧入した状態で、姿勢安定バネ片81Bは、半田付け部81の弾性復元力により幅仕切壁72に対して押圧される。換言すれば、固定部80及び半田付け部81が幅仕切壁72を幅方向で弾性的に挟み込むことで、上記圧入後の各コンタクト33の姿勢が安定する。
【0055】
半田付け部81の半田付け部本体81Aを図1に示す入出力ボード4の対応する信号パッド15に半田付けすると、半田付け部81と信号パッド15の間に図示しない半田フィレットが形成される。本実施形態において上記半田フィレットは、半田接続確認孔71を介して上方から確認できるようになっている。これにより、コネクタ3を入出力ボード4に実装した後に、各コンタクト33の半田付けの成否を確認できる。
【0056】
図1に戻り、CPUボード2をサポートボード5に固定すると、図9に示す接点部85がCPUボード2によって下方に押し下げられてコンタクト収容部本体70に収容される。即ち、CPUボード2をサポートボード5に固定すると、接点部85は、所定量、下方に弾性変位する。CPUボード2をサポートボード5から取り外すと、接点部85は、電気接触バネ片82の弾性復元力によって上方に弾性変位し、やがて、規制片86Aが規制壁75の下面に到達するとそれ以上の弾性変位が規制され、図9の状態へと戻ることになる。
【0057】
ところで、図13及び図14には、コンタクト列31の斜視図を示している。図13及び図14には、コンタクト列31のピッチPを示している。図14には、ピッチP、内バネ隙間S1及び外バネ隙間S2を示している。
【0058】
コンタクト列31のピッチPは、隣り合う2つのコンタクト33の基準点Qの間の、ピッチ方向における距離を意味する。
【0059】
図14に示すように、内バネ隙間S1は、各コンタクト33が有する2つのバネ片90の間のピッチ方向における隙間である。
【0060】
外バネ隙間S2は、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト33のうち、一方のコンタクト33が有する2つのバネ片90のうち他方のコンタクト33に近いバネ片90と、他方のコンタクト33が有する2つのバネ片90のうち一方のコンタクト33に近いバネ片90と、の間のピッチ方向における隙間である。
【0061】
以下、説明の便宜上、図14に示すように、ピッチ方向において連続する3つのコンタクト33をコンタクト33A及びコンタクト33B、コンタクト33Cと称する。コンタクト33Aは、バネ片90A及びバネ片90Bを有する。バネ片90Bは、バネ片90Aよりもコンタクト33Bに近い。コンタクト33Bは、バネ片90C及びバネ片90Dを有する。外バネ隙間S2は、バネ片90Bとバネ片90Cの間のピッチ方向における隙間である。
【0062】
本実施形態において、複数の内バネ隙間S1は互いに等しく、複数の外バネ隙間S2も互いに等しい。そして、各内バネ隙間S1は、各外バネ隙間S2よりも広く設定されている。ただし、複数の内バネ隙間S1が互いに異なる値であってもよく、複数の外バネ隙間S2が互いに異なる値であってもよい。即ち、コンタクト33Aとコンタクト33Bの間の外バネ隙間S2と、コンタクト33Bとコンタクト33Cの間の外バネ隙間S2は、互いに異なる値であってもよい。
【0063】
次に、図15及び図16を参照して、各コンタクト33のインピーダンス調整方法を説明する。図15は、図14における断面のみを描いた図である。
【0064】
図16に示す特許文献1の構成において、さらなる高速伝送を実現するには各コンタクト100のインピーダンスを下げることが求められる。各コンタクト100のインピーダンスを下げる典型的な手法としては、複数のコンタクト100のピッチを狭くすることが挙げられる。これにより、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト100の間の隙間が狭くなるので、各コンタクト100のインピーダンスが下がることになる。しかし、この場合、基板対基板コネクタ101に対して接続する基板の、基板対基板コネクタ101に対する位置決め精度を同時に高度化する必要があり現実的ではない。
【0065】
各コンタクト100のインピーダンスを下げる他の手法としては、複数のコンタクト100のピッチを変えることなく、各コンタクト100を幅広にすることが挙げられる。これにより、同様に、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト100の間の隙間が狭くなるので、各コンタクト100のインピーダンスが下がることになる。しかし、この場合、各コンタクト100が硬くなるのでヘタりやすい(settle)という新たな問題が生じる。具体的には、各コンタクト100のうち幅広に形成した部分の剛性が高くなることで、各コンタクト100に外力を作用させて各コンタクト100を所定量弾性変形させた際に各コンタクト100のうち幅広に形成した部分が撓み難く成り、幅広でない部分(例えば図10に示す湾曲連結部83や接点部85)のみが撓むことを強いられるだろう。この結果、幅広でない部分に弾性限度を超える引張応力が発生し、各コンタクト100から外力を取り除いた際に各コンタクト100が外力適用前の状態に弾性復帰することができなくなる虞がある。
【0066】
そこで、本実施形態では、図15において二点鎖線で示すように各コンタクト33の弾性変形容易部84をピッチ方向で拡大することに代えて、弾性変形容易部84をピッチ方向で二分し、2つのバネ片90をピッチ方向において互いに遠ざけることとしている。
【0067】
この手法によれば、第1に、コンタクト列31のピッチPが変わることがない。従って、コネクタ3に対するCPUボード2や入出力ボード4の位置決め精度を高度化する必要がない。
【0068】
第2に、外バネ隙間S2が狭くなるので、各コンタクト33のインピーダンスを下げることができる。なお、各コンタクト33の内バネ隙間S1の大小は、各コンタクト33のインピーダンスに影響しない。
【0069】
第3に、弾性変形容易部84の断面二次モーメントが大きくならないので、弾性変形容易部84のバネ特性(撓み易さ)は変化しない。弾性変形容易部84の断面二次モーメントは内バネ隙間S1や外バネ隙間S2の大小に影響されない。従って、湾曲連結部83や接点部85が大きく曲げ変形することを強いられないので、電気接触バネ片82の弾性変形が何れの箇所においても弾性限度内に収まり、もって、電気接触バネ片82が問題なく弾性復帰できるようになるからヘタり難いと言える。
【0070】
また、内バネ隙間S1も外バネ隙間S2も導体の存在しない空間となっており、例えば高速伝送用のスタブも形成されていない。
【0071】
以上によれば、コンタクト列31のピッチP及び2つのバネ片90の断面積及び断面形状を維持しながら、各コンタクト33が有する2つのバネ片90をピッチ方向において互いに遠ざけることで外バネ隙間S2を狭め、これにより、コンタクト列31のピッチP及び各コンタクト33のバネ特性を維持しながら、各コンタクト33のインピーダンスを下げることができる。
【0072】
以上に、本願発明の実施形態を説明した。上記実施形態は以下の特徴を有する。
【0073】
即ち、図3に示すように、導電性を有する複数のコンタクト33が所定ピッチPで列状に並べられたコネクタ3において各コンタクト33のインピーダンスは、以下のように調整する。即ち、図11に示すように、各コンタクト33は、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片90によって1つの接点部85を支持するものとする。各コンタクト33が有する2つのバネ片90の間には導体が存在しないものとする。図13に示すように、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト33の間には導体が存在しないものとする。そして、図15に示すように、所定ピッチP及び各コンタクト33が有する2つのバネ片90の断面積及び断面形状を維持しながら、各コンタクト33が有する2つのバネ片90をピッチ方向において互いから遠ざけることで外バネ隙間S2を狭め、これにより、所定ピッチP及び各コンタクト33のバネ特性を維持しながら各コンタクト33のインピーダンスを下げる。以上の方法によれば、所定ピッチP及び各コンタクト33のバネ特性を維持しながら各コンタクト33のインピーダンスを下げることができる。
【0074】
また、図3に示すように、導電性を有する複数のコンタクト33が所定ピッチで列状に並べられたコネクタ3は、以下のように構成されている。即ち、図11に示すように、各コンタクト33は、ピッチ方向において互いに離れつつ互いに平行に延びると共に両端が連結された2つのバネ片90によって1つの接点部85を支持している。各コンタクト33が有する2つのバネ片90の間には導体が存在しない。図13に示すように、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト33の間には導体が存在しない。図15に示すように、各コンタクト33が有する2つのバネ片90の間のピッチ方向における内バネ隙間S1は外バネ隙間S2よりも広い。以上の構成によれば、所定ピッチP及び各コンタクト33のバネ特性を維持しながら各コンタクト33のインピーダンスを下げたコネクタ3が実現される。
【0075】
また、図14に示すように、コンタクト33が有する2つのバネ片90の断面積及び断面形状は、互いに等しい。
【0076】
また、図11に示すように、2つのバネ片90は少なくとも一部がU字状に曲げられた片持ち梁である。
【0077】
また、図12に示すように、各コンタクト33は、二分線33D(中心線)を挟んで左右対称に形成されている。
【0078】
また、図6及び図8に示すように、コネクタ3は、複数のコンタクト33を保持する絶縁性のハウジング30を更に備える。ハウジング30は、複数のコンタクト33をそれぞれ収容する複数のコンタクト収容部63と、複数のコンタクト収容部63をピッチ方向でそれぞれ隔てる複数のピッチ仕切壁74(隔壁)と、を有する。図6から図13に示すように、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト33のうち、一方のコンタクト33Aが有する2つのバネ片90のうち他方のコンタクト33Bに近いバネ片90Bと、他方のコンタクト33Bが有する2つのバネ片90のうち一方のコンタクト33Aに近いバネ片90Cと、の間に、対応するピッチ仕切壁74が配置されている。絶縁性のピッチ仕切壁74は、空気よりも誘電率が高いので各コンタクト33のインピーダンスを下げる方向に作用する。更に、絶縁性のピッチ仕切壁74は、ピッチ方向で隣り合う2つのコンタクト33間の短絡を防止する効果も発揮する。
【0079】
また、図9に示すように、各コンタクト33は、接点部85の反対側の端部に半田付け部81を有している。
【0080】
上記の実施形態は、例えば以下のように変更できる。
【0081】
即ち、図3に示すように、上記実施形態においてコンタクト列31はピッチ方向に沿って直線的に延びている。しかし、これに代えて、コンタクト列31は平面視で円弧状に延びていてもよい。
【0082】
図1に示すように、上記実施形態においてコネクタ3はCPUボード2と入出力ボード4を接続する基板対基板コネクタとしたが、これに限定されない。コネクタ3は、ケーブル対基板コネクタであってもよく、ケーブル対ケーブルコネクタであってもよい。
【0083】
図11に示すように、上記実施形態において電気接触バネ片82はピッチ方向で互いに対向する2つのバネ片90を有している。しかし、これに代えて、電気接触バネ片82は、ピッチ方向に並べられた3つ以上のバネ片90を有してもよい。
【0084】
図15を参照して、各コンタクト33のインピーダンスを調整するために2つのバネ片90を互いから遠ざけるものとした。実際に2つのバネ片90を製造するに際しては、打ち抜き時に形成した弾性変形容易部84に切れ目を入れて2つのバネ片90を形成し、2つのバネ片90を互いから遠ざけるように変形させてもよく、あるいは、ピッチ方向で離れた2つのバネ片90を打ち抜き時に形成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 情報処理装置
2 CPUボード
2A コネクタ対向面
3 コネクタ(高速伝送用コネクタ)
4 入出力ボード
4A コネクタ対向面
5 サポートボード
6 信号パッド列
8 ボルト締結孔
8A 第1ボルト締結孔
8B 第2ボルト締結孔
8C 第3ボルト締結孔
10 信号パッド
11 信号パッド列
12 ホールドダウンパッド
13 ボルト締結孔
13A 第1ボルト締結孔
13B 第2ボルト締結孔
13C 第3ボルト締結孔
15 信号パッド
20 ボード本体
21 ナット
21A 第1ナット
21B 第2ナット
21C 第3ナット
30 ハウジング
30A CPUボード対向面
30B 入出力ボード対向面
31 コンタクト列
32 ホールドダウン
33 コンタクト
33A コンタクト
33B コンタクト
33C コンタクト
33D 二分線(中心線)
40A 第1ボルト
40B 第2ボルト
40C 第3ボルト
62 コンタクト収容列
63 コンタクト収容部
70 コンタクト収容部本体
71 半田接続確認孔
72 幅仕切壁
73 切り欠き
74 ピッチ仕切壁(隔壁)
75 規制壁
80 固定部
80A 固定部本体
80B 圧入爪
81 半田付け部
81A 半田付け部本体
81B 姿勢安定バネ片
82 電気接触バネ片
83 湾曲連結部
84 弾性変形容易部
84A 垂直部
84B 水平部
84C 湾曲部
84D 傾斜部
85 接点部
86 変位規制部
86A 規制片
90 バネ片
90A バネ片
90B バネ片
90C バネ片
90D バネ片
91 固定部側連結部
92 接点部側連結部
93 スリット
P ピッチ
Q 基準点
S1 内バネ隙間(隙間)
S2 外バネ隙間(隙間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16