(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】自己免疫疾患治療用の新規ピペラジン化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20231016BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20231016BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20231016BHJP
A61K 31/4725 20060101ALI20231016BHJP
A61K 31/5386 20060101ALI20231016BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20231016BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20231016BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20231016BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231016BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20231016BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20231016BHJP
C07D 498/08 20060101ALI20231016BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20231016BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
A61K31/496
A61K31/4709
A61K31/4725
A61K31/5386
A61P13/12
A61P29/00
A61P37/02
A61P43/00 111
C07D401/14
C07D471/04 113
C07D498/08
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2021503102
(86)(22)【出願日】2019-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2019069609
(87)【国際公開番号】W WO2020020800
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2018/096661
(32)【優先日】2018-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】デイ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】チュ,チョンシン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,ジェ
【審査官】安藤 倫世
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/106607(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/031434(WO,A1)
【文献】特表2016-539079(JP,A)
【文献】特表2021-526535(JP,A)
【文献】特表2021-527100(JP,A)
【文献】特表2020-527577(JP,A)
【文献】国際公開第2013/180066(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物であって、
【化1】
式中、
R
1は、
【化2】
であり、ここで、R
5は、シアノである;
R
2は、C
1-6アルキルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであり、ここで
R
3aは、
ピペラジニルおよび(ヒドロキシC
1-6アルキル)ピペラジニルで置換されたフェニル;
ピペラジニル、C
1-6アルキルピペラジニル、9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(ハロピロリジニル)アミノ、(ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリジニル;または
ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリミジニルである;
R
3bは、
ピペラジニルで置換された7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;
ピペラジニルで置換された3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;
ピペラジニルで置換されたイソインドリニル;
ピペラジニルで置換されたフェニルアミノ;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;または
C
1-6アルキルピペリジニルピペリジニルである;
R
4は、C
1-6アルキルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー。
【請求項2】
請求項
1に記載の化合物であって、
式中
R
1は、
【化3】
であり、ここで、R
5は、シアノである;
R
2は、メチルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであって、ここで
R
3aは、ピペラジニルフェニル;(ヒドロキシメチル)ピペラジニルフェニル;ピペラジニルピリジニル;(メチルピペラジニル)ピリジニル;9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニルピリジニル;((フルオロピロリジニル)アミノ)ピリジニル;((ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル)ピリジニル;(((ジメチルアミノ)アセチル)ピペラジニル)ピリジニル;ピペラジニルピリミジニル;または((ジメチルアミノ)アセチル)ピペラジニルピリミジニルである;
R
3bは、ピペラジニル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;ピペラジニル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;ピペラジニルイソインドリニル;ピペラジニルフェニルアミノ;1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;またはメチルピペリジニルピペリジニルである;
R
4は、メチルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー。
【請求項3】
R
3はR
3aまたは-COR
3bであり、ここで、R
3aは、ピペラジニルで置換されたピリジニルであり、R
3bは、ピペラジニルで置換されたイソインドリニルである、請求項
1または
2に記載の化合物、またはその薬学的に許容され
得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー。
【請求項4】
以下:
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R、5R)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]ピリミジン-2-イル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[[(3R、4S)-4-フルオロピロリジン-3-イル]アミノ]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[4-(ピロリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S、5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-4-[[4-[2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]フェニル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(2-ピペラジン-1-イル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(6-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(7-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(5-ピペラジン-1-イルイソインドリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)アセトアミド;
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)アセトアミド;および
5-[3-メチル-4-[2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-1-ピペリジル]-2-オキソ-エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
から選択される化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー。
【請求項5】
以下の工程:
a) カップリング試薬および塩基の存在下での、式(VI)の化合物、
【化4】
およびアミンHR
3bのカップリング反応;
b) 触媒および塩基の存在下での、式(X)の化合物、
【化5】
およびアミンHR
6のブッフバルト・ハートウィッグアミノ化反応;
のいずれかを含む、請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの調製方法であって、
式中、Xは、ハロゲン、OTfまたはOMsである;Yは、NまたはCHである;R
6は、ピペラジンであ
る;R
1、R
2
、R
3b
およびR
4は、請求項1~
3のいずれか一項
で定義され
たとおりである、方法。
【請求項6】
ステップa)において、前記カップリング試薬は、HATUであり;前記塩基は、DIPEAであり;
ステップb)において、前記触媒は、Ruphos Pd-G2であり;前記塩基は、Cs
2
CO
3
である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
薬用活性物質として使用するための、請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物または
その薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー。
【請求項8】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーを含む、医薬組成物。
【請求項9】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の治療または予防のための、請求項
8に記載の
医薬組成物。
【請求項10】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の治療または予防のための
医薬の調製のための、請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの使用。
【請求項11】
TLR7アンタゴニストまたはTLR8アンタゴニストまたはTLR9アンタゴニストとして
使用するための、請求項
8に記載の
医薬組成物。
【請求項12】
TLR7アンタゴニストおよびTLR8アンタゴニストおよびTLR9アンタゴニストとして
使用するための、請求項
8に記載の
医薬組成物。
【請求項13】
TLR7アンタゴニストおよびTLR8アンタゴニストおよびTLR9アンタゴニスト
として使用するための
医薬の調製のための、請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーの使用。
【請求項14】
全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の治療または予防のための、請求項1~
4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマー
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における療法および/または予防に有用な有機化合物、特に全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎を治療するのに有用なTLR7および/またはTLR8および/またはTLR9のアンタゴニストに関する。
【背景技術】
【0002】
自己免疫性結合組織病(CTD)は、全身性エリテマトーデス(SLE)、原発性シェーグレン症候群(pSjS)、混合性結合組織病(MCTD)、皮膚筋炎/多発性筋炎(DM/PM)、関節リウマチ(RA)、および全身性強皮症(SSc)など、プロトタイプの自己免疫症候群を含む。RAを除き、患者に利用可能な本当に有効かつ安全な療法はない。SLEは、有病率が100,000例当たり20~150例であるプロトタイプのCTDを表し、皮膚および関節において通常観察される症状から、腎不全、肺不全、または心不全まで、異なる器官における広範な炎症および組織損傷を引き起こす。従来、SLEは、非特異的な抗炎症薬または免疫抑制薬を用いて治療されてきた。しかしながら、免疫抑制薬、例えば、コルチコステロイドの長期間の使用は、部分的に有効であるに過ぎず、望ましくない毒性および副作用と関係している。ベリムマブは、ここ50年間においてループスに対する唯一のFDA認可薬であるが、その有効性は一部のSLE患者においてのみ中等度かつ遅延している(Navarra,S.V.et al Lancet 2011,377,721)。抗CD20 mAbs、特定のサイトカインに対するmAbまたは該サイトカインの可溶性受容体など、他の生物製剤は、ほとんどの臨床試験において失敗してきた。したがって、患者群のより大きな比率において持続した改善を提供し、かつ多くの自己免疫疾患および自己炎症疾患における慢性使用にとって、より安全である、新規の療法が必要とされる。
【0003】
Toll様受容体(TLR)は、幅広い種類の免疫細胞における広範な免疫応答を開始することができるパターン認識受容体(PRR)の重要なファミリーである。天然の宿主防御センサとして、エンドソームTLR7、8および9は、ウイルス、細菌に由来する核酸を認識し、具体的には、TLR7/8およびTLR9はそれぞれ、一本鎖RNA(ssRNA)および一本鎖CpG-DNAを認識する。しかし、TRL7、8、9の異常な核酸センシングは、幅広い自己免疫疾患および自己炎症性疾患の重要なノードと見なされている(Krieg,A.M.et al.Immunol.Rev.2007,220,251.Jimenez-Dalmaroni,M.J.et al Autoimmun Rev.2016,15,1.Chen,J.Q.,et al.Clinical Reviews in Allergy&Immunology 2016,50,1.)。抗RNA抗体および抗DNA抗体は、十分に確立されたSLE診断マーカーであり、これらの抗体は、自己RNAおよび自己DNAの両方をエンドソームへ送達することができる。自己RNA複合体が、TLR7およびTLR8によって認識され得るのに対し、自己DNAは、TLR9の活性化を引き起こし得る。実際、血液および/または組織からの自己RNAおよび自己DNAのクリアランスの欠陥は、SLE(全身性エリテマトーデス)患者において明白である。TLR7およびTLR9は、SLE組織において上方調節され、それぞれループス腎炎の慢性化および活動と相関していると報告されてきた。SLE患者のB細胞において、TLR7発現は、抗RNP抗体産生と相関しているのに対し、TLR9発現は、IL-6レベルおよび抗二本鎖DNA抗体レベルと相関している。一貫して、ループスマウスモデルにおいて、TLR7は、抗RNA抗体に必要とされ、TLR9は、抗ヌクレオソーム抗体に必要とされる。その一方で、マウスにおけるTLR7またはヒトTLR8の過剰発現は、自己免疫および自己炎症を促進する。その上、TLR8の活性は、mDC/マクロファージの炎症性サイトカイン分泌、好中球ネトーシス、Th17細胞の誘導、およびTreg細胞の抑制に特異的に寄与する。B細胞の自己抗体産生を促進する上で説明されたTLR9の役割に加えて、pDCにおける自己DNAによるTLR9の活性化はまた、I型IFNおよび他の炎症性サイトカインの誘導をもたらす。pDCおよびB細胞のいずれにもおけるTLR9のこれらの役割を考慮すると、自己免疫疾患の病理発生に対する鍵となる寄与因子としても、自己免疫疾患に罹患している多くの患者においてTLR9を容易に活性化し得る自己DNA複合体の広範な存在としても、TLR7およびTLR8の経路の阻害の頂点における自己DNA媒介性TLR9経路をさらに遮断することはさらに有益かもしれない。まとめると、TLR7、8、および9の経路は、有効なステロイド非含有および非細胞毒性の経口薬が存在しない自己免疫疾患および自己炎症性疾患治療用の新たな治療標的を表しており、これらの経路すべての最上流からの阻害は、満足のいく治療効果を送達するかもしれない。このようなものとして、本発明者らは、自己免疫疾患および自己炎症性疾患治療用の、TLR7、TLR8およびTLR9を標的としかつ抑制する経口化合物を発明した。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、式(I)の新規の化合物であって、
【化1】
式中、
R
1は、
【化2】
であり、ここでR
5はシアノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルまたはハロゲンである;
R
2は、C
1-6アルキルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであり、ここで
R
3aは、ピペラジニルおよび(ヒドロキシC
1-6アルキル)ピペラジニルで置換されたフェニル;
ピペラジニル、C
1-6アルキルピペラジニル、9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(ハロピロリジニル)アミノ、(ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたでピリジニル;または
ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリミジニルである;
R
3bは、ピペラジニルで置換された7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;
ピペラジニルで置換された3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;
ピペラジニルで置換されたイソインドリニル;
ピペラジニルで置換されたフェニルアミノ;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;または
C
1-6アルキルピペリジニルピペリジニルである;
R
4は、C
1-6アルキルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーである。
【0005】
本発明の別の目的は、式(I)の新規の化合物、その製造、本発明に従った化合物に基づく薬剤およびその製造、ならびにTLR7アンタゴニストおよび/またはTLR8アンタゴニストおよび/またはTLR9アンタゴニストとしての式(I)の化合物、および全身性エリテマトーデスまたはループス腎炎の治療または予防のための使用に関する。式(I)の化合物は、優れたTLR7および/またはTLR8および/またはTLR9の拮抗活性を示す。加えて、式(I)の化合物はまた、良好なhPBMC、細胞毒性、溶解度、ヒトミクロソーム安定性およびSDPKといった特性、ならびに低いCYP阻害を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
【0007】
「C1-6アルキル」という用語は、1~6個、特に1~4個の炭素原子を含有する飽和直鎖または分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどを示す。特定の「C1-6アルキル」基は、メチル、エチルおよびn-プロピルである。
【0008】
「C1-6アルコキシ」という用語は、C1-6アルキル-O-を示す。
【0009】
「ハロゲン」および「ハロ」という用語は、本明細書で相互交換可能に使用されており、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを示す。
【0010】
「ハロピロリジニル」という用語は、ピロリジニル基の水素原子の少なくとも1つが同じまたは異なるハロゲン原子、特にフルオロ原子で置き換えられているピロリジニル基を示す。ハロピロリジニルの例としては、フルオロピロリジニル、ジフルオロピロリジニルまたはトリフルオロピロリジニルが挙げられる。
【0011】
「鏡像異性体」という用語は、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を示す。
【0012】
「ジアステレオマー」という用語は、キラリティの2つ以上の中心を有し、かつその分子が互いに鏡像ではない立体異性体を示す。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、および反応性を有する。
【0013】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的にまたは他の状態で望ましくないものではない、塩を示す。薬学的に許容され得る塩は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
【0014】
「薬学的に許容され得る酸付加塩」という用語は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、およびサリチル酸などの、脂肪族類、脂環式類、芳香族類、アリール基含有脂肪族(araliphatic)類、複素環式類、カルボン酸類、およびスルホン酸類の有機酸から選択される有機酸で形成される薬学的に許容され得る塩を示す。
【0015】
「薬学的に許容され得る塩基付加塩」という用語は、有機塩基または無機塩基で形成される薬学的に許容され得る塩を示す。許容され得る無機塩基の例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、およびアルミニウム塩が挙げられる。薬学的に許容され得る有機非毒性塩基から得られる塩は、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2‐ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン、N-エチルピペリジン、およびポリアミン樹脂などの、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂の塩を含む。
【0016】
「薬学的に活性のある代謝産物」という用語は、特定の化合物またはその塩の本体において代謝を経て生成される薬理学的に活性のある生成物を示す。体内へ進入した後、たいていの薬物は、その物理特性および生物学的効果を変化させ得る化学反応のための基質となる。これらの代謝的転化は、通常、本発明の化合物の極性に影響を及ぼし、薬物が体内に分配され、および体外へと排出される方法を変化させる。しかしながら、いくつかの場合において、薬物の代謝は、治療効果に必要とされる。
【0017】
「治療有効量」という用語は、対象へ投与されると、(i)特定の疾患、容態もしくは障害を治療するもしくは予防する、(ii)特定の疾患、容態もしくは障害のうちの1つ以上の症状を減弱させる、寛解させる、もしくは除去する、または(iii)本明細書に説明する特定の疾患、容態もしくは障害のうちの1つ以上の症状の発症を予防するもしくは遅延させる、本発明の化合物または分子の量を示す。治療有効量は、化合物、治療中の疾患の状態、治療される疾患の重症度、対象の年齢および相対的な健康状態、投与の経路および形式、担当の医師または獣医の判断、ならびに他の因子によって変わることになる。
【0018】
「医薬組成物」という用語は、該医薬組成物を必要とする哺乳動物、例えば、ヒトへ投与されるべき、治療有効量の活性のある医薬成分を薬学的に許容され得る賦形剤とともに含む合剤または液剤を示す。
【0019】
TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9のアンタゴニスト
【0020】
本発明は、式(I)の化合物であって、
【化3】
式中、
R
1は、
【化4】
であり、ここでR
5はシアノ、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルキルまたはハロゲンである;
R
2は、C
1-6アルキルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであり、ここで
R
3aは、ピペラジニルおよび(ヒドロキシC
1-6アルキル)ピペラジニルで置換されたフェニル;
ピペラジニル、C
1-6アルキルピペラジニル、9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(ハロピロリジニル)アミノ、(ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリジニル;または
ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリミジニルである;
R
3bは、ピペラジニルで置換された7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;
ピペラジニルで置換された3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;
ピペラジニルで置換されたイソインドリニル;
ピペラジニルで置換されたフェニルアミノ;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;または
C
1-6アルキルピペリジニルピペリジニルである;
R
4は、C
1-6アルキルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーに関する。
【0021】
本発明の別の実施形態は、(ii)式(I)の化合物であって
【化5】
式中、
R
1は、
【化6】
であり、ここで、R
5は、シアノである;
R
2は、C
1-6アルキルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであり、ここで
R
3aは、ピペラジニルおよび(ヒドロキシC
1-6アルキル)ピペラジニルで置換されたフェニル;
ピペラジニル、C
1-6アルキルピペラジニル、9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(ハロピロリジニル)アミノ、(ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリジニル;または
ピペラジニル若しくは(((C
1-6アルキル)
2アミノ)C
1-6アルキルカルボニル)ピペラジニルで置換されたピリミジニルである;
R
3bは、ピペラジニルで置換された7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;
ピペラジニルで置換された3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;
ピペラジニルで置換されたイソインドリニル;
ピペラジニルで置換されたフェニルアミノ;
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;または
C
1-6アルキルピペリジニルピペリジニルである;
R
4は、C
1-6アルキルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーに関する。
【0022】
本発明のさらなる実施形態は、(iii)(i)または(ii)に記載の式(I)の化合物であって、式中、
R
1は、
【化7】
であり、ここで、R
5は、シアノである;
R
2は、メチルである;
R
3は、R
3aまたは-COR
3bであり、ここで
R
3aは、ピペラジニルフェニル;(ヒドロキシメチル)ピペラジニルフェニル;ピペラジニルピリジニル;(メチルピペラジニル)ピリジニル;9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナニルピリジニル;((フルオロピロリジニル)アミノ)ピリジニル;((ピロリジニルカルボニル)ピペラジニル)ピリジニル;(((ジメチルアミノ)アセチル)ピペラジニル)ピリジニル;ピペラジニルピリミジニル;または((ジメチルアミノ)アセチル)ピペラジニルピリミジニルである;
R
3bは、ピペラジニル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジニル;ピペラジニル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリニル;ピペラジニルイソインドリニル;ピペラジニルフェニルアミノ;1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル;またはメチルピペリジニルピペリジニルである。
R
4は、メチルまたはHである;
化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーに関する。
【0023】
本発明のさらなる実施形態は、(iv)R3はR3aまたは-COR3bであり、ここで、R3aは、ピペラジニルで置換されたピリジニルであり、R3bは、ピペラジニルで置換されたイソインドリニルである、(i)から(iv)のいずれか1つに記載の式(I)の化合物である。
【0024】
本発明の別の実施形態は、(v)以下:
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5R)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]ピリミジン-2-イル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[[(3R、4S)-4-フルオロピロリジン-3-イル]アミノ]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[4-(ピロリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3S,5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-4-[[4-[2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]フェニル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(2-ピペラジン-1-イル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(6-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(7-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(5-ピペラジン-1-イルイソインドリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)アセトアミド;
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)アセトアミド;および
5-[3-メチル-4-[2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-1-ピペリジル]-2-オキソ-エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル;
から選択される化合物
またはその薬学的に許容され得る塩、鏡像異性体もしくはジアステレオマーである。
【0025】
合成
【0026】
本発明の化合物は、何らかの従来の手段によって調製することができる。これらの化合物および該化合物の出発材料を合成するのに適した方法は、以下のスキームにおいて、および実施例において提供される。すべての置換基、特にR1~R6は、別段の記載がない限り、先に定義したとおりである。さらに、特に明記されない限り、すべての反応、反応条件、略語および記号は、有機化学の当業者に周知の意味を有する。
【0027】
式(I)の化合物を調製するための一般的な合成経路を以下のスキーム1に示す。
【化8】
ここで、Xはハロゲンまたは脱離基、例えば、OTfまたはOMsである。YはNまたはCHである。R
6は、ピペラジンなどの線状および環状アミンを含む第一級または第二級アミンである。R
7とR
8は保護基である。例えば、R
7はBocで、R
8はベンジルである。
【0028】
塩基性条件下でのα-ハロエステル(III)による保護アミン(II)のアルキル化、それに続く保護基R7の選択的除去により、遊離アミン(IV)を得ることができる。遊離アミン(IV)からのカルボン酸(VI)の変換は、芳香族求核置換条件(例えば、DMSO中のDIEPAの存在下でのハロゲン化アリール(V)との加熱)、またはブッフバルト・ハートウィッグアミノ化条件(例えば、Ruphos Pd-G2などの触媒およびCs2CO3などの塩基の存在下でのハロゲン化物(V)との加熱)によって達成することができ、続いて保護基R8を除去する。HATUなどのカップリング試薬およびDIPEAなどの塩基の存在下で、カルボン酸(VI)をアミンHR3bで処理すると、アミド(VII)が得られる。
【0029】
あるいは、保護アミン(II)は、ハロゲン化物(VIII)によってアルキル化され、続いて保護基R
7が除去される。得られた遊離アミン(IX)を使用して、芳香族求核置換条件下でハロゲン化アリール(V)と反応させ(例えば、DMSO中のDIEPAの存在下でのハロゲン化アリール(V)との加熱)、中間体(X)を得ることができる。式(X)の化合物は、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化、鈴木カップリング、根岸カップリング、スティルカップリング、またはPd触媒C=O挿入などの、金属触媒カップリング条件下で、さらに官能化するための一般的な中間体として使用できる。例えば、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化条件下(参照:Acc.Chem.Res.1998,31,805-818;Chem.Rev.2016,116,12564-12649;Topics in Current Chemistry,2002,219,131-209;およびそこに引用されている参考文献)、式(XI)の化合物は、アミンHR
6、およびRuphos Pd-G2などの触媒、およびCs
2CO
3などの塩基の存在下で、式(X)の化合物から生成することができる。
【化9】
ここで、Xはハロゲンまたは脱離基、例えば、OTfまたはOMsである。YはNまたはCHである。R
6は、ピペラジンなどの線状および環状アミンを含む第一級または第二級アミンである。R
7とR
8は保護基である。例えば、R
7はBocで、R
8はベンジルである。
【0030】
別の合成経路(スキーム2)では、芳香族求核置換条件下で保護アミン(XII)をハロゲン化アリール(V)と反応させることにより、一般的な中間体(XIII)を得ることができる(例えば、DMSO中のDIEPAの存在下でのハロゲン化アリール(V)との加熱)、またはブッフバルト・ハートウィッグアミノ化条件(例えば、Ruphos Pd-G2などの触媒およびCs2CO3などの塩基の存在下でのハロゲン化物(V)との加熱)によって達成することができ、続いて保護基R7を除去する。塩基性条件下でのα-ハロエステル(III)によるアミン(XIII)のアルキル化、それに続く保護基R8の選択的除去により、カルボン酸(VI)が得られ、これは、HATUなどのカップリング試薬およびDIPEAなどの塩基の存在下で、アミンHR3bと反応させてアミド(VII)を得るために使用することができる。
【0031】
あるいは、塩基性条件下でのハロゲン化物(VIII)によるアミン(XIII)のアルキル化、それに続く保護基R8の除去により、ハロゲン化アリール(X)が得られる。これは、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化、鈴木カップリング、根岸カップリング、スティルカップリング、またはPd触媒C=O挿入などの、金属触媒カップリング条件下で、さらに官能化するための一般的な中間体として使用できる。例えば、ブッフバルト・ハートウィッグアミノ化条件下(参照:Acc.Chem.Res.1998,31,805-818;Chem.Rev.2016,116,12564-12649;Topics in Current Chemistry,2002,219,131-209;およびそこに引用されている参考文献)、式(XI)の化合物は、アミンHR6、およびRuphos Pd-G2などの触媒、およびCs2CO3などの塩基の存在下で、式(X)の化合物から生成することができる。
【0032】
本発明の化合物は、当技術分野で周知の方法、例えば、(キラル)HPLCまたはSFCによって分離することができるジアステレオマーまたは鏡像異性体の混合物として取得することができる。
本発明はまた、以下の工程のいずれかを含む式(I)の化合物の調製方法であって
a) カップリング試薬および塩基の存在下での、式(VI)の化合物、
【化10】
およびアミンHR
3bのカップリング反応;
b) 触媒および塩基の存在下での、式(X)の化合物
【化11】
およびアミンHR
6のブッフバルト・ハートウィッグアミノ化反応。
(ここで、
ステップa)において、前記カップリング試薬は、例えば、HATUであり得る。塩基は、例えば、DIPEAであり得る。
ステップb)において、前記触媒は、例えば、Ruphos Pd-G2であり得る;前記塩基は、例えば、Cs
2CO
3であり得る。)
【0033】
式(I)の化合物はまた、上記方法によって製造される場合、本発明の目的となる。
【0034】
適応症および治療方法
【0035】
本発明は、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9のアンタゴニストとして使用することができる化合物を提供し、該アンタゴニストは、TLR7および/またはTLR8および/またはTLR9を経た経路の活性化、ならびに全種類のサイトカインおよび全形態の自己抗体の産生を経て媒介される、先天免疫応答および適応免疫応答を含むが、これらに限定されない個々の下流の生物学的事象を阻害する。したがって、本発明の化合物は、形質細胞様樹状細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、単球、好中球、ケラチノサイト、上皮細胞を含むが、これらに限定されないTLR7および/またはTLR8および/またはTLR9を発現する全種類の細胞において、このような受容体(複数可)を遮断するのに有用である。このようなものとして、該化合物は、全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎のための治療薬または予防薬として使用することができる。
【0036】
本発明は、全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎の治療または予防を必要とする患者における治療または予防のための方法を提供する。
【0037】
別の実施形態は、このような治療を必要とする哺乳動物における全身性エリテマトーデスおよびループス腎炎を治療または予防する方法を含み、該方法は、該哺乳動物に、治療有効量の式(I)の化合物、その立体異性体、互変異性体、プロドラッグまたは薬学的に許容され得る塩を投与することを含む。
【実施例】
【0038】
本発明は、以下の実施例に対する参照によって、より完全に理解されることになる。しかしながら、本実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
略語
【0040】
本発明は、以下の実施例に対する参照によって、より完全に理解されることになる。しかしながら、本実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
本明細書で使用する略語は、次のとおりである。
ACN:アセトニトリル
Boc2O:二炭酸ジ-tertブチル
Tf2O トリフル酸無水物
DCM:ジクロロメタン
DDI 薬物-薬物相互作用
DIPEA ジエチルイソプロピルアミン
DMA ジメチルアセトアミド
EAまたはEtOAc:酢酸エチル
FA:ギ酸
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HLM ヒト肝臓ミクロソーム
hr 時間
hrs 時間
IC50:50%阻害濃度
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
LYSA 凍結乾燥溶解度アッセイ
MS:質量分析法
PE:石油エーテル
prep-HPLC:分取高速液体クロマトグラフィー
rt:室温
RT:保持時間
RuPhos Pd G2:第2世代のクロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)
SFC:超臨界流体クロマトグラフィー
TFA:トリフルオロ酢酸
v/v 容積率
【0042】
一般的な実験条件
【0043】
中間体および最終化合物を、以下の機器のうちの1つを用いたフラッシュクロマトグラフィーによって精製した:i)Biotage SP1システムおよびQuad 12/25 Cartridgeモジュール。ii)ISCOコンビフラッシュクロマトグラフィー機。シリカゲルのブランドと細孔径:i)KP-SIL 60Å,粒径:40-60μm;ii)CAS登録番号:Silica Gel:63231-67-4,粒径:47-60ミクロン シリカゲル;iii)Qingdao Haiyang Chemical Co.,Ltd製のZCX,細孔:200-300または300-400。
【0044】
中間体および最終化合物を、XBridge(商標)Prep-C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム、SunFire(商標)Prep-C18(5μm、OBD(商標)30×100mm)カラム、Phenomenex Synergi-C18(10μm、25×150mm)またはPhenomenex Gemini-C18(10μm、25×150mm)を用いる逆相カラム上での分取HPLCによって精製した。Waters AutoP精製システム(試料管理装置2767、ポンプ2525、検出器:Micromass ZQおよびUV 2487、溶媒系:アセトニトリルおよび水中の0.1%水酸化アンモニウム、アセトニトリルおよび水中の0.1%FAまたはアセトニトリルおよび水中の0.1%TFA)。またはGilson-281精製システム(ポンプ322、検出器:UV 156、溶媒系:アセトニトリルおよび水中の0.05%水酸化アンモニウム、アセトニトリルおよび水中の0.225%FA、アセトニトリルおよび水中の0.05%HCl、アセトニトリルおよび水中の0.075%TFA、またはアセトニトリルおよび水)。
【0045】
SFCキラル分離について、中間体を、キラルカラム(Daicel chiralpak IC、5μm、30×250mm)、AS(10μm、30×250mm)またはAD(10μm、30×250mm)によって、Mettler Toledo Multigram IIIシステムSFC、Waters 80Q分取SFCまたはThar 80分取SFC、溶媒系:CO2およびIPA(IPA中の0.5%TEA)またはCO2およびMeOH(MeOH中の0.1%NH3・H2O)、背圧100バール、254または220nmの検出紫外線を用いて分離した。
【0046】
化合物のLC/MSスペクトルは、LC/MS(Waters(商標)Alliance 2795-Micromass ZQ、Shimadzu Alliance 2020-Micromass ZQまたはAgilent Alliance 6110-Micromass ZQ)を用いて取得し、LC/MS条件は、以下のとおりとした(分離時間3分または1.5分):
酸性条件I:A:H2O中の0.1%TFA、B:アセトニトリル中の0.1%TFA;
酸性条件II:A:H2O中の0.0375%TFA、B:アセトニトリル中の0.01875%TFA;
塩基性条件I:A:H2O中の0.1%NH3・H2O、B:アセトニトリル;
塩基性条件II:A:H2O中の0.025%NH3・H2O、B:アセトニトリル;
中性条件:A:H2O、B:アセトニトリル。
質量スペクトル(MS):概して、親質量が報告されていることを示すイオンのみであり、別段の記載がない限り、引用される質量イオンは、正の質量イオン(MH)+である。
NMRスペクトルは、Bruker Avance 400MHzを用いて取得した。
【0047】
マイクロ波支援反応は、Biotage Initiator Sixtyマイクロ波合成装置において実施した。空気感受性試薬を包含する反応はすべて、アルゴン雰囲気下または窒素雰囲気下で実施した。試薬は、別段の記述がない限り、さらに精製することなく、商業的供給元から受け取ったまま使用した。
【0048】
調製例
【0049】
以下の例は、本発明の意味を説明するために企図されているが、決して、本発明の意味の内で制限を表すべきではない。
実施例1
【0050】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化12】
【0051】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化13】
【0052】
ステップ1:8-ブロモ-5-フルオロ-キノリン(化合物1b)の調製
【0053】
100mLフラスコに、2-ブロモ-5-フルオロアニリン(CAS:1003-99-2、Accela ChemBio、カタログ:SY020710、2.0g、10.5mmol)、プロパン-1,2,3-トリオール(CAS:56-81-5、Accela ChemBio、カタログ:SY006578、969mg、10.5mmol)および3-ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム(CAS:127-68-4、SigmaAldrich、カタログ:225193、2.4g、10.5mmol)を70%H2SO4(20mL)と混合して、暗褐色の溶液を得て、これを150℃に加熱し、3時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ、水酸化ナトリウム溶液で中和した。その得られた混合物をフィルタにかけた。濾過ケーキをEtOAcに溶解し、再度フィルタにかけた。得られた濾液を真空で濃縮し、粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~30%のEtOAc)によって精製して、化合物1bを得た(2.0g、84%の収率)。MS:計算値226および228[(M+H)+]、測定値226および228[(M+H)+]。
【0054】
ステップ2:5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(化合物1c)の調製
【0055】
DMF(30mL)中の8-ブロモ-5-フルオロキノリン(化合物1b、4.9g、21.7mmol)の溶液に、ジシアノ亜鉛(5.0g、43.4mmol)およびRuPhos Pd G2(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246、842mg、1.1mmol)を添加した。反応混合物を100℃で3時間撹拌し、それから室温に冷却した。反応混合物をフィルタにかけて、濾液を水(50mL)で希釈し、次にEA(80mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中0%~70%EtOAc)によって精製して、化合物1cを得た(3.0g、80%収率)。MS:計算値173[(M+H)+]、測定値173[(M+H)+]。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δppm 9.11(dd、J=4.28,1.71Hz、1H)、8.64(dd,J=8.56,1.71Hz,1H)、8.29(dd、J=8.19,5.62Hz、1H)、7.76(dd,J=8.56,4.28Hz,1H)、7.49(dd,J=9.35,8.25Hz,1H)。
【0056】
ステップ3:(2R、6S)-1-[(4-ブロモフェニル)メチル]-2,6-ジメチル-ピペラジン(化合物1f)の調製
【0057】
tert-ブチル(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1d、CAS:129779-30-2、PharmaBlock、カタログ:PB125871、100mg、467μmol)およびK2CO3(MeCN(5mL)中、129mg、933μmol)に、1-ブロモ-4-(ブロモメチル)ベンゼン(化合物1e、CAS:589-15-1、Accela ChemBio、カタログ:SY001367、117mg、467μmol)を添加した。混合物を80℃で14時間加熱し、次いで、周囲温度に冷却した。混合物をフィルタにかけて、その濾過ケーキをEA(10mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中の10%~50%のEtOAc)によって精製した。
精製した中間体をDCM(2mL)に溶解し、TFA(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して、粗化合物1f、MS:計算された283および285[(M+H)+]、測定した283および285[(M+H)+]を得た。
【0058】
ステップ4:5-[(3R,5S)-4-[(4-ブロモフェニル)メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物1g)の調製
【0059】
DMSO(2mL)中の5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(化合物1c、80.9mg、470μmol)の溶液に、(2R、6S)-1-(4-ブロモベンジル)-2,6-ジメチルピペラジン(化合物1f、133mg、0.47mmol)およびDIEPA(243mg、1.88mmol)を添加した。反応混合物を120℃で3時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、そしてEA(15mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、24g、PE中10%~50%のEtOAc)によって精製して、化合物1g(150mg、73%の収率)を得た。MS:計算値435,437[(M+H)+]、測定値435,437[(M+H)+]。
【0060】
ステップ5:tert-ブチル4-[4-[[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]フェニル]ピペラジン-1-カルボキシラート(化合物1h)
【0061】
ジオキサン(10mL)中の5-((3R,5S)-4-(4-ブロモベンジル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物1g、45mg、103μmol)の溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:57260-71-6、Accela ChemBio、カタログ:SY002528、23.1mg、124μmol)、RuPhos Pd G3(CAS:1445085-77-7、Sigma-Aldrich、カタログ:763403;2.76mg、3.1μmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(30.1mg、310μmol)を加えた。反応混合物を80℃で14時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、そしてEA(20mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中20%~100%のEtOAc)によって精製して、化合物1h(35mg、62%の収率)を得た。MS:計算値541[(M+H)+]、測定値541[(M+H)+]。
【0062】
ステップ6:5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例1)
【0063】
DCM(2mL)中のtert-ブチル4-[4-[[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]フェニル]ピペラジン-1-カルボキシラート(化合物1h)(20mg、37μmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例1(5mg、30%)を得た。MS:計算値441[(M+H)+]、測定値441[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δppm 8.84(dd,J=4.2,1.7Hz,1H)、8.40(dd,J=8.6,1.5Hz,1H)、8.01(d,J=7.9Hz,1H)、7.48(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.24(d,J=8.7Hz,2H)、7.09(d,J=8.1Hz,1H)、6.88(d,J=8.7Hz,2H)、4.49(br s,2H)、3.88(s,2H)、3.01-3.12(m,4H)、2.83-2.99(m,6H)、2.60-2.72(m,2H)、1.14(d,J=6.1Hz,6H)。
実施例2
【0064】
5-[(3R,5R)-3,5-ジメチル-4-[(4-ピペラジン-1-イルフェニル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化14】
【0065】
(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1d)の代わりに(3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:438049-91-3、PharmaBlock、カタログ:PB05910)を使用して、実施例1の調製と同様に、表題化合物を調製した。実施例2(12mg)が得られた。MS:計算値441[(M+H)+]、測定値441[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δppm 8.99(dd,J=4.3,1.5Hz,1H)、8.71(dd,J=8.6,1.5Hz,1H)、8.16(d,J=7.9Hz,1H)、7.69(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.57(d,J=8.7Hz,2H)、7.35(d,J=8.1Hz,1H)、7.16(d,J=8.8Hz,2H)、4.80(br d,J=13.4Hz,1H)、4.27(br d,J=13.4Hz,1H)、4.17(br s,1H)、3.73(br d,J=12.5Hz,2H)、3.44-3.59(m,6H)、3.38-3.44(m,4H)、3.15-3.26(m,1H)、1.58-1.77(m,6H)。
実施例3
【0066】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化15】
【0067】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化16】
【0068】
ステップ1:5-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物3b)の調製
【0069】
DMSO(20mL)中の5-フルオロキノリン-8-カルボニトリル(化合物1c、1.4g、8.1mmol)の溶液に、(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-カルボキシレート(化合物1d)(1.7g、1.7mmol)およびDIEA(878mg、6.8mmol)を添加した。反応混合物を120℃で3時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(100mL)で希釈し、そしてEA(150mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、PE中10%~50%のEtOAc)で精製した。
【0070】
精製した中間体をDCM(20mL)に溶解し、TFA(5mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して、粗化合物3b(1.6g、75%収率)を得た。MS:計算値266[(M+H)+]、測定値266[(M+H)+]。
【0071】
ステップ2:5-[(3S,5R)-4-[(6-クロロ-3-ピリジル)メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物3d)の調製
【0072】
MeCN(5mL)中の5-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物3b)(95mg、357μmol)およびK2CO3(98.6mg、713μmol)の溶液に、2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリジン(化合物3c、CAS:70258-18-3、TCI、カタログ:C1628、90mg、556μmol)を添加した。混合物を80℃で14時間加熱し、次いで、周囲温度に冷却した。混合物をフィルタにかけて、その濾過ケーキをEA(10mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中10%~100%のEtOAc)で精製して、化合物3d(110mg、79%収率)を得た。MS:計算値392[(M+H)+]、測定値392[(M+H)+]。
【0073】
ステップ3:tert-ブチル4-[5-[[(2R,6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]-2-の調製ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物3e)
【0074】
ジオキサン(10mL)中の5-((3R,5S)-4-((6-クロロピリジン-3-イル)メチル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物3d、55mg、140μmol)の溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:57260-71-6、Accela ChemBio、カタログ:SY002528;31.4mg、168μmol)、RuPhos Pd G2(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246;12.2mg、14μmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(9.93mg、103μmol)を添加した。反応混合物を80℃で14時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、そしてEA(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中20%~100%のEtOAc)によって精製して、化合物3e(50mg、66%の収率)を得た。MS:計算値542[(M+H)+]、測定値542[(M+H)+]。
【0075】
ステップ4:5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[(6-ピペラジン-1-イル-3-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例3)
【0076】
DCM(2mL)中のtert-ブチル4-[5-[[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]-2-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシラート(化合物1h)(50mg、92μmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例3(28mg、69%)を得た。MS:計算値442[(M+H)+]、測定値442[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δppm 9.01(dd,J=1.6,4.3Hz,1H)、8.56(br d,J=7.8Hz,1H)、8.47(s,1H)、8.20(d,J=7.9Hz,1H)、7.90(br d,J=8.9Hz,1H)、7.64(dd,J=4.2,8.5Hz,1H)、7.35(d,J=8.1Hz,1H)、7.08(d,J=8.9Hz,1H)、4.71(br s,2H)、4.04-3.86(m,4H)、3.69(br d,J=13.6Hz,4H)、3.42-3.35(m,4H)、3.23-3.06(m,2H)、1.68(d,J=6.2Hz,6H)。
実施例4
【0077】
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イルピリミジン-2-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化17】
【0078】
表題化合物は、2-クロロ-5-(クロロメチル)ピリジン(化合物3c)の代わりに、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリミジン(CAS:1193116-74-3、BePharm、カタログ:BD266661)を使用して、実施例3の調製と同様に調製した。実施例4(23mg)が得られた。MS:計算値443[(M+H)+]、測定値443[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.91(dd,J=4.2,1.7Hz,1H)、8.42-8.50(m,3H)、8.07(d,J=8.1Hz,1H)、7.55(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.14(d,J=8.1Hz,1H)、4.21(s,2H)、3.26-3.36(m,7H)、3.17-3.22(m,1H)、2.97-3.06(m,4H)、2.77(t,J=11.2Hz,2H)、1.30(d,J=6.2Hz,6H)。
実施例5
【0079】
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化18】
【0080】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化19】
【0081】
ステップ1:5-[(3R,5S)-4-[(5-ブロモ-2-ピリジル)メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物5b)の調製
【0082】
MeCN(5mL)中5-((3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物3b)(95mg、357μmol)およびK2CO3(98.6mg、713μmol)の溶液に、5-ブロモ-2-(ブロモメチル)ピリジン(化合物5a、CAS:145218-19-5、Wuxi AppTec、カタログ:LN01365762;90mg、359μmol)を添加した。混合物を80℃で14時間加熱し、次いで、周囲温度に冷却した。混合物をフィルタにかけて、その濾過ケーキをEA(10mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中10%~100%のEtOAc)で精製して、化合物3d(110mg、71%収率)を得た。MS:計算値436,438[(M+H)+]、測定値436,438[(M+H)+]。
【0083】
ステップ2:tert-ブチル4-[6-[[(2R,6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]-3-の調製ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物5c)
【0084】
ジオキサン(10mL)中の5-((3R,5S)-4-((5-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物5b、55mg、126μmol)の溶液に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:57260-71-6、Accela ChemBio、カタログ:SY002528;28.2mg、151μmol)、RuPhos Pd G3(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246;3.4mg、3.8μmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(12.1mg、126μmol)を添加した。反応混合物を80℃で14時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、そしてEA(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中20%~100%のEtOAc)によって精製して、化合物3c(50mg、73%の収率)を得た。MS:計算値542[(M+H)+]、測定値542[(M+H)+]。
【0085】
ステップ3:5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[(5-ピペラジン-1-イル-2-ピリジル)メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例5)
【0086】
DCM(2mL)中のtert-ブチル4-[6-[[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]メチル]-3-ピリジル]ピペラジン-1-カルボキシラート(化合物5c)(45mg、83μmol)の溶液に、TFA(0.5mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例5(39mg、98%)を得た。MS:計算値442[(M+H)+]、測定値442[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.43(dd、J=8.6,1.4Hz,1H)、9.27(dd,J=5.2,1.4Hz,1H)、8.63(d,J=2.8Hz,1H)、8.51(d,J=8.2Hz,1H)、8.07-8.21(m,3H)、7.65(d,J=8.3Hz,1H)、5.04(s,2H)、4.15-4.28(m,2H)、3.78-3.92(m,6H)、3.55-3.65(m,2H)、3.44-3.53(m,4H)、1.69(d,J=6.5Hz,6H)。
実施例6
【0087】
5-[(3S,5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]ピリミジン-2-イル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化20】
【0088】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化21】
【0089】
ステップ1:2-(ジメチルアミノ)-1-ピペラジン-1-イル-エタノン(化合物3b)の調製
【0090】
アセトニトリル(5mL)中のtert-ブチル4-(2-クロロアセチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(263mg、1mmol)の溶液に、塩酸ジメチルアミン(163mg、2mmol)およびK2CO3(208mg、1.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。固体をフィルタにかけて、EA(10mL)で洗浄した後、合わせた濾液を真空で濃縮した。残渣をDCM(1mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に濃縮して、粗化合物6b(0.27g、94%収率)を得た。MS:計算値172[(M+H)+]、測定値172[(M+H)+]。
【0091】
ステップ2:5-[(3S,5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]ピリミジン-2-イル]メチル]-3,5-の調製ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(実施例6)
【0092】
ジオキサン(10mL)中の5-[(3R,5S)-4-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(45mg、103μmol)の溶液に、2-(ジメチルアミノ)-1-(ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン2,2,2-トリフルオロアセテート(化合物6a、35.2mg、123μmol)、RuPhos Pd G3(CAS:1445085-77-7、Sigma-Aldrich、カタログ:763403;2.75mg、3.1μmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(29.7mg、309μmol)を添加した。反応混合物を80℃で14時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、そしてEA(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中20%~100%のEtOAc)によって精製して、例6(20mg、98%の収率)を得た。MS:計算値528[(M+H)+]、測定値528[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.92(dd,J=4.2,1.6Hz,1H)、8.51(s,2H)、8.46(dd,J=8.6,1.5Hz,1H)、8.08(d,J=8.1Hz,1H)、7.56(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.15(d,J=8.2Hz,1H)、4.23(s,2H)、3.74-3.85(m,4H)、3.29~3.42(m,8H)、3.27(s,2H)、2.78(t,J=11.2Hz,2H)、2.32(s,6H)、1.30(d、J=6.1Hz,6H)。
実施例7
【0093】
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化22】
【0094】
ジオキサン(10mL)中の5-((3R,5S)-4-((5-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリル(化合物5b、45mg、103μmol)の溶液に、1-メチルピペラジン(12.4mg、124μmol)、RuPhos Pd G3(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246;2.8mg、3.1μmol)およびナトリウムtert-ブトキシド(9.9mg、103μmol)を添加した。反応混合物を80℃で14時間撹拌し、次に室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、そしてEA(10mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中20%~100%のEtOAc)によって精製して、実施例7(47mg、98%の収率)を得た。MS:計算値456[(M+H)+]、測定値456[(M+H)+]。1H NMR(400MHz、メタノール-d4)δ ppm 8.96(dd、J=4.2、1.7Hz、1H)、8.58(dd、J=8.6、1.7Hz、1H)、8.20(d、J=2.8Hz、1H)、8.13(d、J=8.1Hz、1H)、7.62(dd、J=8.6、4.3Hz、1H)、7.57(d、J=8.7Hz、1H)、7.43(dd、J=8.8、2.9Hz、1H)、7.21(d、J=8.1Hz、1H)、4.00(s、2H)、3.39(br d、J=11.9Hz、2H)、3.25-3.31(m、4H)、3.03-3.14(m、2H)、2.75-2.84(m、2H)、2.62-2.69(m、4H)、2.38(s、3H)、1.16(d、J=6.1Hz、6H)。
実施例8
【0095】
5-[(3S,5R)-3,5-ジメチル-4-[[5-(9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化23】
【0096】
表題化合物を、実施例5の調製と同様に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル9-オキサ-3,7-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-カルボキシレートを使用することによって調製した。実施例8(10.0mg)が得られた。MS:計算値484[(M+H)+]、測定値484[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.89(dd、J=4.2,1.5Hz,1H)、8.51(dd,J=8.6,1.3Hz,1H)、8.43(d,J=2.7Hz,1H)、8.07(d,J=7.9Hz,1H)、7.51-7.57(m,2H)、7.44-7.49(m,1H)、7.26(d,J=8.1Hz,1H)、4.56-4.68(m,2H)、4.21(br s,2H)、3.93-4.06(m,2H)、3.83(d,J=12.1Hz,2H)、3.38-3.65(m,7H)、3.19(br s,1H)、3.07-3.18(m,2H)、1.39(br d,J=6.4Hz,6H)
実施例9
【0097】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[[(3R、4S)-4-フルオロピロリジン-3-イル]アミノ]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化24】
【0098】
表題化合物を、実施例5の調製と同様に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレートの代わりにtert-ブチル(3R、4S)-3-アミノ-4-フルオロピロリジン-1-カルボキシレート(25.2mg、123μmol、式:1.2)を使用して調製した。実施例9(14.0mg)が得られた。MS:計算値460[(M+H)+]、測定値460[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.93(dd,J=4.3,1.6Hz,1H)、8.53(dd,J=8.6、1.7Hz,1H)、8.09(d,J=8.1Hz,1H)、8.03(d,J=2.7Hz,1H)、7.59(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.44(d,J=8.6Hz,1H)、7.12-7.22(m,2H)、5.07-5.26(m,1H)、3.91-4.09(m,3H)、3.36-3.42(m,2H)、3.35-3.34(m,1H)、3.12-3.29(m,2H)、2.98-3.11(m,2H)、2.77(q,J=10.1Hz,3H)、1.17(d,J=6.1Hz,6H)。
実施例10
【0099】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[[5-[4-(ピロリジン-2-カルボニル)ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化25】
【0100】
DMF(2mL)中の5-((3R,5S)-3,5-ジメチル-4-((5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)メチル)ピペラジン-1-イル)キノリン-8カルボニトリル(実施例5、20mg、45mmol)およびtert-ブトキシカルボニル)プロリン(9.75mg、45.3μmol)の撹拌溶液に、室温でHATU(17.2mg、45.3μmol)およびDIEPA(5.8mg、45μmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、真空中で濃縮した。
【0101】
残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例10(11mg、51%)を得た。MS:計算値539[(M+H)+]、測定値539[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.96(dd,J=4.2,1.7Hz,1H)、8.58(dd,J=8.6,1.7Hz,1H)、8.23(d,J=2.8Hz,1H)、8.13(d,J=7.9Hz,1H)、7.56-7.65(m,2H)、7.46(dd,J=8.7,2.9Hz,1H)、7.21(d,J=8.2Hz,1H)、3.97-4.08(m,3H)、3.68-3.86(m,4H)、3.39(br d,J=11.7Hz,2H)、3.23-3.32(m,4H)、3.15-3.22(m,1H)、3.04-3.14(m,2H)、2.76-2.89(m,3H)、2.20-2.31(m,1H)、1.67-1.94(m,3H)、1.16(d,J=6.2Hz,6H)。
実施例11
【0102】
5-[(3S,5R)-4-[[5-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-イル]-2-ピリジル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化26】
【0103】
5-[(3R,5S)-4-[(5-ブロモピリミジン-2-イル)メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリルの代わりに、5-((3R,5S)-4-((5-ブロモピリジン-2-イル)メチル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)キノリン-8-カルボニトリルを使用することにより、実施例6の調製と同様に表題化合物を調製した。実施例11(66mg)が得られた。MS:計算値527[(M+H)+]、測定値527[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.97(dd,J=4.3,1.6Hz,1H)、8.60(dd,J=8.7,1.6Hz,1H)、8.47(t,J=1.6Hz,1H)、8.15(d,J=7.9Hz,1H)、7.65(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.55(d,J=1.7Hz,2H)、7.35(d,J=8.1Hz,1H)、4.70(s,2H)、4.36(s,2H)、4.01-4.15(m,2H)、3.80-3.89(m,2H)、3.57-3.69(m,4H)、3.43(dt,J=14.4,5.3Hz,4H)、3.27(dd,J=13.3,11.4Hz,2H)、3.00(s,6H)、1.52(d,J=6.5Hz,6H)。
実施例12
【0104】
5-[(3R,5S)-4-[[4-[2-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-イル]フェニル]メチル]-3,5-ジメチル-ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化27】
【0105】
表題化合物は、実施例1の調製と同様に、tert-ブチルピペラジン-1-カルボンキシレートの代わりにtert-ブチル3-(ヒドロキシメチル)ピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:301673-16-5、Accela ChemBio、カタログ:SY008701)を使用して調製した。実施例12(10.0mg)が得られた。MS:計算値471[(M+H)+]、測定値471[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.89-9.10(m,1H)、8.51(br d,J=8.6Hz,1H)、8.18(d,J=7.9Hz,1H)、7.50-7.73(m,3H)、7.33(br d,J=7.9Hz,1H)、7.17(d,J=8.7Hz,2H)、4.70(s,2H)、4.26(br s,1H)、3.88-3.97(m,1H)、3.59-3.86(m,8H)、3.54(br d,J=12.7Hz,1H)、3.45(dd,J=12.8,4.5Hz,1H)、3.24-3.31(m,1H)、3.17(br t,J=11.6Hz,2H)、1.69(br d,J=6.2Hz,6H)。
実施例13
【0106】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(2-ピペラジン-1-イル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化28】
【0107】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化29】
【0108】
ステップ1:ベンジル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレート(化合物13b)の調製
【0109】
DCM(25mL)中の2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩(化合物13a、CAS:766545-20-4、PharmaBlock、カタログ:PB06676-01、1.0g、4.9mmol)の溶液に、トリエチルアミン(5.9mL、42.6mmol)、クロロギ酸ベンジル(831.8mg、4.9mmol)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、次にH2O(50mL)で希釈し、DCM(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、120g、PE中9%~17%のEtOAc)によって精製して、化合物13b(450mg、26%の収率)を得た。MS:計算値303[(M+H)+]、測定値303[(M+H)+]。
【0110】
ステップ2:ベンジル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレート(化合物13c)の調製
【0111】
ジオキサン(25mL)中の1-Boc-ピペラジン(CAS 57260-71-6、PharmaBlock、カタログ:PB002528、415.2mg、2.2mmol)およびベンジル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレート(化合物13b、450.0mg、1.5mmol)の溶液に、酢酸パラジウム(II)(33.37mg、0.150mmol)、tert-ブトキシドナトリウム(214.26mg、2.23mmol)および(R)-ビナップを添加した。(CAS 98327-87-8、PharmaBlock、カタログ:PB92651、185.1mg、0.3mmol)。得られた混合物をN2下で、100℃で5時間撹拌した後、水(50mL)で希釈し、EA(30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、80g、PE中17%~25%のEtOAc)によって精製して、化合物1d(330mg、43%の収率)を得た。MS:計算値453[(M+H)+]、測定値453[(M+H)+]。
【0112】
ステップ3:tert-ブチル4-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13d)の調製
【0113】
メタノール(20mL)中のベンジル2-(4-tert-ブトキシカルボニルピペラジン-1-イル)-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシラート(化合物13c、330mg、0.73mmol)にPd/C(80mg、0.73mmol)を添加した。得られた混合物を脱気した後、水素ガスを3回充填した。室温で0.5時間撹拌した後、反応混合物をセライトを通してフィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、12g、PE中10%~90%のEtOAc)によって精製して、化合物13d(200mg、84%の収率)を得た。MS:計算値319[(M+H)+]、測定値319[(M+H)+]。
【0114】
ステップ4:2-[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]酢酸(化合物13e)の調製
【0115】
ACN(40mL)中の5-[(3R,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物3b、1000mg、3.8mmol)の溶液に、ヨウ化ナトリウム(56.3mg、0.38mmol)およびブロモ酢酸tert-ブチル(1098mg、5.6mmol))を添加した。得られた混合物を65℃で4時間撹拌し、次に室温に冷却し、H2O(50mL)で希釈し、そしてEtOAc(50mL)で2回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。
【0116】
残渣をDCM(30mL)に溶解し、TFA(5mL)を添加した。反応混合物を室温で12時間撹拌し、次に濃縮して、粗生成物である化合物13e(1.0g、68%収率)を得た。MS:計算値325[(M+H)+]、測定値325[(M+H)+]。
【0117】
ステップ5:5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(2-ピペラジン-1-イル-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6の調製-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル(化合物13)
【0118】
DMF(2mL)中の2-[(2R、6S)-4-(8-シアノ-5-キノリル)-2,6-ジメチル-ピペラジン-1-イル]酢酸(化合物13e、50.0mg、0.150mmol)およびHATU(70.3mg、0.18mmol)およびDIEPA(0.08mL、0.460mmol)の撹拌溶液に、室温で、tert-ブチル4-(5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(化合物13d、54.53mg、0.170mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に真空中で濃縮した。
【0119】
残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例13(18mg、22%)を得た。MS:計算値525[(M+H)+]、測定値525[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=9.05(d,J=4.2Hz,1H)、8.69(br d,J=8.4Hz,1H)、8.23(d,J=8.1Hz,1H)、7.72(dd,J=4.2,8.6Hz,1H)、7.51(br d,J=8.8Hz,1H)、7.44~7.32(m,1H)、6.92~6.82(m,1H)、4.92(br s,4H)、4.75(s,2H)、4.50~4.35(m,1H)、4.30~4.07(m,2H)、4.00(t,J=6.1Hz,1H)、3.95~3.86(m,1H)、3.86~3.80(m,4H)、3.64(br s,2H)、3.40~3.34(m,3H)、3.04(br t,J=5.7Hz,1H)、2.92(t,J=6.0Hz,1H)、1.41(br s,6H)。
実施例14
【0120】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(6-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化30】
【0121】
表題化合物を、6-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩(CAS:215798-19-9、PharmaBlock、カタログ:PB07543-1)を2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩の代わりに使用することにより、実施例13の調製と同様に調製した。実施例14(5.2mg)が得られた。MS:計算値524[(M+H)+]、測定値524[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 8.92(dd,J=1.6,4.3Hz,1H)、8.63~8.51(m,1H)、8.18~8.05(m,1H)、7.65~7.56(m,1H)、7.37~7.22(m,1H)、7.06(dd,J=8.4,13.1Hz,1H)、6.84(br t,J=7.8Hz,1H)、6.79(br d,J=4.3Hz,1H)、4.63(s,2H)、4.54(br s,1H)、4.17~3.89(m,2H)、3.80~3.73(m,1H)、3.68(br s,1H)、3.61~3.39(m,2H)、3.35~3.24(m,10H)、3.17~3.01(m,1H)、2.91(br t,J=5.8Hz,1H)、2.81(br t,J=6.1Hz,1H)、1.37~1.17(m,6H)。
実施例15
【0122】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(7-ピペラジン-1-イル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化31】
【0123】
表題化合物を、2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩の代わりに7-ブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩(CAS:2200274-73-4、Oakwood Chemical、カタログ:077414)を使用することにより、実施例13の調製と同様に調製した。実施例15(44mg)が得られた。MS:計算値524[(M+H)+]、測定値524[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,METHANOL-d4)δ ppm 9.05(dd,J=1.5,4.2Hz,1H)、8.69(br s,1H)、8.24(d,J=7.9Hz,1H)、7.72(dd,J=4.2,8.6Hz,1H)、7.41(br s,1H)、7.18(br d,J=8.4Hz,1H)、6.99~6.93(m,1H)、6.90(s,1H)、4.80(s,2H)、4.67(br s,1H)、4.37(br s,1H)、4.29~4.00(m,2H)、3.91(t,J=6.0Hz,1H)、3.79(br s,1H)、3.66(br s,1H)、3.56(br s,1H)、3.44~3.35(m,10H)、3.04~2.83(m,2H)、1.42(br s,6H)。
実施例16
【0124】
5-[(3R,5S)-3,5-ジメチル-4-[2-オキソ-2-(5-ピペラジン-1-イルイソインドリン-2-イル)エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化32】
【0125】
表題化合物は、2-クロロ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン塩酸塩の代わりに。5-ブロモイソインドリン塩酸塩(CAS:919346-89-7、PharmaBlock、カタログ:PBY2010168-01)を使用することにより、実施例13の調製と同様に調製した。実施例15(22mg)が得られた。MS:計算値510[(M+H)+]、測定値510[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.43(br dd,J=19.2,8.3Hz,1H)、9.24-9.32(m,1H)、8.48-8.58(m,1H)、8.19(dd,J=8.6,5.3Hz,1H)、7.62-7.79(m,1H)、7.35-7.58(m,3H)、5.11-5.25(m,2H)、4.91(br d,J=14.7Hz,2H)、4.71(br d,J=3.3Hz,1H)、4.45(br d,J=3.1Hz,1H)、4.25-4.40(m,2H)、3.43-3.89(m,12H)、1.41-1.55(m,6H)。
実施例17
【0126】
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)アセトアミド
【化33】
【0127】
表題の化合物は、以下のスキームによって調製した。
【化34】
【0128】
ステップ1:メチル2-(2-メチルピペラジン-1-イル)アセテート(化合物17b)の調製
【0129】
アセトニトリル(15mL)中のtert-ブチル3-メチルピペラジン-1-カルボキシレート(CAS:120737-59-9、Accela Chembio、カタログ:SY002666、1.0g、5.0mmol)の溶液に、K2CO3(690mg、5.0mmol)および2-ブロモ酢酸メチル(764mg、5.0mmol)を添加した。得られた混合物を80℃で3時間撹拌した後、室温に冷却し、セライトを通してフィルタにかけた。EA(10mL)で2回洗浄した濾過ケーキ。合わせた有機層を真空中で濃縮し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、25g、PE中の9%~100%のEtOAc)によって精製した。
【0130】
精製した中間体をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に濃縮して、粗化合物17b(500mg、58%収率)を得た。MS:計算値173[(M+H)+]、測定値173[(M+H)+]。
【0131】
ステップ2:ベンジル2-クロロ-7,8-ジヒドロ-5H-1,6-ナフチリジン-6-カルボキシレート(化合物17c)の調製
【0132】
ジオキサン(10mL)中の5-ブロモキノリン-8-カルボニトリル(CAS:96-32-2、Alfa Aesar、カタログ:A10605、300mg、1.29mmol)の溶液に、メチル2-(2-メチルピペラジン-1-イル)アセテート(化合物17b、200mg、1.2mmol)、RuPhos G2(CAS:1375325-68-0、Sigma-Aldrich、カタログ:753246、27.1mg、34.8μmol)およびCs2CO3(568mg、1.7mmol)を添加した。反応混合物を80℃で13時間撹拌し、それから室温に冷却した。反応混合物をフィルタにかけて、濾液を水(10mL)で希釈し、次にEA(40mL)で3回抽出した。合わせた有機層を、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、フィルタにかけ、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g、PE中16%~100%のEtOAc)によって精製して、化合物17c(300mg、80%の収率)を得た。MS:計算値325[(M+H)+]、測定値325[(M+H)+]。
【0133】
ステップ3:2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]酢酸の調製(化合物17d)
【0134】
THF(5mL)および水(5mL)中のメチル2-(4-(8-シアノキノリン-5-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)アセテート(化合物17c、300mg、925μmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(58.3mg、1.4mmol)を添加した。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、次に1MのHClで中和した。混合物を真空中で濃縮して、淡黄色の固体を得て、これをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
【0135】
ステップ4:2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(4-ピペラジン-1-イルフェニル)アセトアミド(実施例17)
【0136】
DMF(2mL)中の2-(4-(8-シアノキノリン-5-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)酢酸(化合物17d、35.0mg、113μmol)とHATU(51.5mg、135μmol)とDIEPA(29.2mg、226μmol)の撹拌溶液に、室温でtert-ブチル4-(4-アミノフェニル)ピペラジン-1-カルボキシレート(37.5mg、135μmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、真空中で濃縮した。
【0137】
残渣をDCM(2mL)に溶解し、TFA(1mL)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次に真空中で濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCによって精製して、実施例17(39mg、57%)を得た。MS:計算値470[(M+H)+]、測定値470[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=9.02(dd,J=4.6,1.5Hz,1H)、8.89(d,J=8.6Hz,1H)、8.24(d,J=8.1Hz,1H)、7.79(dd,J=8.6,4.6Hz,1H)、7.53(d,J=9.0Hz,2H)、7.40(br d,J=7.9Hz,1H)、7.04(d,J=9.0Hz,2H)、4.51(br d,J=16.1Hz,1H)、3.96-4.29(m,3H)、3.92(br d,J=12.1Hz,1H)、3.74(br t,J=10.1Hz,1H)、3.56-3.69(m,2H)、3.31-3.47(m,9H)、1.42-1.59(m,3H)
実施例18
【0138】
2-[4-(8-シアノ-5-キノリル)-2-メチル-ピペラジン-1-イル]-N-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-6-イル)アセトアミド
【化35】
【0139】
表題化合物は、tert-ブチル4-(4ーアミノフェニル)ピペラジン-1ーカルボキシレートの代わりに、tert-ブチル6-アミノ-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-カルボキシレート(CAS:164148-92-9、PharmaBlock、カタログ:PB03559)を使用することにより、実施例17の調製と同様に調製した。実施例18(40mg)が得られた。MS:計算値441[(M+H)+]、測定値441[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ ppm 9.09(dd,J=4.5,1.4Hz,1H)、8.88(br d,J=8.4Hz,1H)、8.29(d,J=7.9Hz,1H)、7.83(dd,J=8.6,4.5Hz,1H)、7.65(s,1H)、7.57(dd,J=8.3,2.0Hz,1H)、7.47(br d,J=7.9Hz,1H)、7.28(d,J=8.4Hz,1H)、4.66(br d,J=15.6Hz,1H)、4.40-4.27(m,3H)、4.25(br d,J=15.8Hz,1H)、4.04(br d,J=11.6Hz,1H)、3.86(br t,J=10.1Hz,1H)、3.62-3.80(m,2H)、3.46-3.59(m,3H)、3.34-3.40(m,1H)、3.13(t,J=6.4Hz,2H)、1.54-1.72(m,3H)。
実施例19
【0140】
5-[3-メチル-4-[2-[4-(1-メチル-4-ピペリジル)-1-ピペリジル]-2-オキソ-エチル]ピペラジン-1-イル]キノリン-8-カルボニトリル
【化36】
【0141】
DMF(2mL)中の2-(4-(8-シアノキノリン-5-イル)-2-メチルピペラジン-1-イル)酢酸(化合物17d、35.0mg、113μmol)とHATU(51.5mg、135μmol)のDIEPA(29.2mg、226μmol)の撹拌溶液に、室温で1-メチル-4,4’-ビピペリジン(CAS:122373-80-2、J&K Scientific、カタログ:K66-4018200、24.7mg、135μmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、真空中で濃縮した。残留物をEA(20mL)に溶解し、NaOH水溶液(0.5N、5mL)および水(5mL)で洗浄した。有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、フィルタにかけて、真空中で濃縮して粗生成物を得、これを分取HPLCによって精製して、実施例19(25mg、45%収率)を得た。MS:計算値475[(M+H)+]、測定値475[(M+H)+]。1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ=8.96(dd,J=4.2,1.6Hz,1H)、8.60(dd,J=8.6,1.6Hz,1H)、8.11(d,J=8.1Hz,1H)、7.62(dd,J=8.6,4.3Hz,1H)、7.21(dd,J=8.1,2.1Hz,1H)、4.48-4.64(m,1H)、4.19-4.38(m,1H)、3.68-3.94(m,1H)、3.35-3.42(m,1H)、2.71-3.19(m,9H)、2.53-2.68(m,1H)、2.26(d,J=3.1Hz,3H)、1.68-2.03(m,7H)、1.24-1.47(m,4H)、1.22(d,J=6.0Hz,3H)、1.12(td,J=12.0,3.8Hz,2H)。
実施例20
【0142】
以下の検査は、HEK293-Blue-hTLR-7/8/9細胞アッセイにおいて、式(I)の化合物の活性を測定するために行った。
【0143】
HEK293-Blue-hTLR-7細胞アッセイ:
【0144】
安定HEK293-Blue-hTLR-7細胞株をInvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr7、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)から購入した。これらの細胞は、NF-κBの活性化を監視することによって、ヒトTLR7の刺激を研究するために元来設計した。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子は、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-ベータ最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPを、HEK-Blue hTLR7細胞をTLR7リガンドで刺激することを介して、NF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、R848(レシキモド)などのリガンドの刺激下における20時間のインキュベーションで、TLR7アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性は、QUANTI-Blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)を使用して、波長640nmで測定した。検出媒体は、アルカリホスファターゼの存在で、紫色または青色に変わる。
【0145】
HEK293-Blue-hTLR7細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱失活ウシ胎児血清を含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で、96ウェルプレート内で170μLの容積において、250,000~450,000個/mLの密度で、先のDMEM中で、1%の終濃度DMSOの存在下で連続希釈した20μLの検査化合物および10μLの20uM R848を添加して、インキュベートし、CO2インキュベーター内で37℃下においてインキュベーションを20時間行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR7活性化が下流のNF-κB活性化をもたらすシグナル伝達経路は、広範に受け入れられてきており、それゆえ、類似のレポーターアッセイを、TLR7アンタゴニストを評価するために改変した。
【0146】
HEK293-Blue-hTLR-8細胞アッセイ:
【0147】
安定HEK293-Blue-hTLR-8細胞株をInvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr8、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)から購入した。これらの細胞は、NF-κBの活性化を監視することによって、ヒトTLR8の刺激を研究するために元来設計した。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子は、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-ベータ最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPを、HEK-Blue hTLR8細胞をTLR8リガンドで刺激することを介して、NF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、R848などのリガンドの刺激下における20時間のインキュベーションで、TLR8アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性は、QUANTI-Blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)を使用して、波長640nmで測定した。検出媒体は、アルカリホスファターゼの存在で、紫色または青色に変わる。
【0148】
HEK293-Blue-hTLR8細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱失活ウシ胎児血清を含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で96ウェルプレート内で170μLの容積で250,000~450,000個/mLの密度で、先のDMEM中で1%の終濃度のDMEMおよび10μLの60μMのR848の存在下で連続希釈した20μLの検査化合物を添加してインキュベートし、CO2インキュベーター内で37℃の下でインキュベーションを20時間行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR8活性化が下流のNF-κB活性化をもたらすシグナル伝達経路は、広範に受け入れられてきており、それゆえ、類似のレポーターアッセイを、TLR8アンタゴニストを評価するために改変した。
【0149】
HEK293-Blue-hTLR-9細胞アッセイ:
【0150】
安定HEK293-Blue-hTLR-9細胞株をInvivoGen(カタログ番号:hkb-htlr9、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)から購入した。これらの細胞は、NF-κBの活性化を監視することによって、ヒトTLR9の刺激を研究するために元来設計した。SEAP(分泌型胚性アルカリホスファターゼ)レポーター遺伝子は、5つのNF-κBおよびAP-1結合部位に融合したIFN-ベータ最小プロモーターの制御下に置いた。SEAPを、HEK-Blue hTLR9細胞をTLR9リガンドで刺激することを介して、NF-κBおよびAP-1を活性化することによって誘導した。したがって、レポーターの発現は、ODN2006(カタログ番号:tlrl-2006-1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)などのリガンドの刺激下で20時間のインキュベーションでTLR9アンタゴニストによって低下した。細胞培養上清のSEAPレポーター活性は、QUANTI-Blue(商標)キット(カタログ番号:rep-qb1、Invivogen、米国カリフォルニア州サンディエゴ市)を使用して、波長640nmで測定した。検出媒体は、アルカリホスファターゼの存在で、紫色または青色に変わる。
【0151】
HEK293-Blue-hTLR9細胞を、4.5g/Lグルコース、50U/mLペニシリン、50mg/mLストレプトマイシン、100mg/mLノルモシン、2mM L-グルタミン、10%(v/v)熱失活ウシ胎児血清を含有するダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で96ウェルプレート内で170μLの容積で250,000~450,000個/mLの密度で、先のDMEM中で1%の終濃度のDMSOの存在下で連続希釈した20μLの検査化合物および10μLの20uM ODN2006を添加してインキュベートし、CO2インキュベーター内で37℃の下でインキュベーションを20時間行った。次に、各ウェルの上清20μLを180μLのQuanti-blue基質溶液と37℃で2時間インキュベートし、分光光度計を使用して620~655nmで吸光度を読み取った。TLR9活性化が下流のNF-κB活性化をもたらすシグナル伝達経路は、広範に受け入れられてきており、それゆえ、類似のレポーターアッセイを、TLR9アンタゴニストを評価するために改変した。
【0152】
式(I)の化合物は、ヒトTLR7および/またはTLR8阻害活性(IC50値)が0.1μM未満である。さらに、本発明の化合物はまた、ヒトTLR9阻害活性が0.2μM未満である。本発明の化合物の活性データを表1に示した。
【0153】
【0154】
ヒトミクロソーム安定性アッセイ
【0155】
ヒト肝臓ミクロソーム(カタログ番号:452117、Corning、米国)を100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中で37°Cで10分間検査化合物とともにプレインキュベートした。この反応を、NADPH再生系を添加することによって開始した。最終的なインキュベーション混合物は、1μMの検査化合物、0.5mg/mLの肝臓ミクロソームタンパク質、1mM MgCl2、1mM NADP、1単位/mLイソクエン酸脱水素酵素および6mMイソクエン酸を100mMのリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中で含有していた。37℃で、0、3、6、9、15および30分のインキュベーション時間後に、300μLの冷ACN(内部標準物質を含む)を100μLのインキュベーション混合物に添加して、この反応を終止させた。沈殿と遠心分離に続いて、100uLの上清を取り出し、300uLの水を加える。サンプルに残っている化合物の量は、LC-MS/MSによって測定した。0および30分でNADPH再生系がない対照も調製および分析した。これらの結果を表2に要約する。
【0156】
【0157】
hERGチャンネル阻害アッセイ
【0158】
hERGチャンネル阻害アッセイは、インビボでの心臓毒性に関連するhERG阻害を呈する化合物を同定する非常に高感度な測定である。hERG K+チャネルは、ヒトにおいてクローン化されており、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞株において安定して発現した。CHO hERG細胞をパッチクランプ(電圧クランプ、全細胞)実験に使用した。細胞を電圧パターンによって刺激して、hERGチャネルを活性化し、IKhERG電流(hERGチャネルの迅速な遅延した外向き整流器カリウム電流)を伝導した。細胞を数分間安定させた後、IKhERGの振幅および動態を刺激周波数0.1Hz(6bpm)で記録した。その後、検査化合物を、増大する濃度で調製物に添加した。各濃度について、定常状態の効果に到達するための試みが行われた。これは、通常3~10分以内に達成され、その時点で、次に高い濃度が適用された。IKhERGの振幅および動態は、薬剤の各濃度において記録して、対照値(100%とする)と比較した。(参考文献:Redfern WS,Carlsson L,Davis AS,Lynch WG,MacKenzie I,Palethorpe S,Siegl PK,Strang I,Sullivan AT,Wallis R,Camm AJ,Hammond TG.2003;前臨床心臓電気生理学、臨床QT間隔延長、および広範囲の薬剤のトルサードドポアントの関係:医薬品開発における暫定的な安全マージンの証拠。Cardiovasc.Res.58:32-45,Sanguinetti MC,Tristani-Firouzi M.2006;hERG potassium channels and cardiac arrhythmia.Nature 440:463-469,Webster R,Leishman D,Walker D.2002;QT延長とトルサードドポアントの薬物濃度効果の関係に向けて。Curr.Opin.Drug Discov.Devel.5:116-26).
【0159】
hERGの結果を表3に示す。30よりも大きな安全比(hERG IC20/EC50)は、潜在的なhERG関連心臓毒性からTLR7/8/9経路を抑制することによって、薬理学を識別するのに十分なウィンドウを示唆している。
【0160】
【0161】
本化合物は、DDIの罹病性が最小であることが望ましいであろう。それゆえ、CYP2D6に対する式(I)の化合物の効果を判定する。
【0162】
CYP阻害アッセイ
【0163】
これは、早期発見段階におけるヒト肝臓ミクロソーム(HLM)における検査化合物のCYP2D6活性の可逆的な阻害の評価に使用する高処理量スクリーニングアッセイである。
【0164】
【0165】
手順
【0166】
検査化合物の10mM DMSOストック溶液をDMSO中に希釈し、2mM中間ストック溶液を生じた。250nLの中間ストック溶液を二つ組で3つの別個の384ウェルマイクロタイタープレート(アッセイ即時使用プレート)へと移した。HLMおよび各基質の混合物を調製した。次に、45μLのHLM基質ミックスをアッセイ即時使用プレートの各ウェルに移し、混合した。陰性(溶媒)および陽性対照(CYP 2D6についての標準阻害剤)を各アッセイ即時使用プレートに含めた。アッセイ即時使用プレートをインキュベーター内で37℃に10分間かけて加温した。5μLの事前に加温しておいたNADPH再生系を各インキュベーションウェルに添加して、反応を開始した。最終インキュベーション容積は、50μLとした。次に、アッセイプレートを37℃のインキュベーター内に戻した。10分間のインキュベーション後、インキュベート物を、内部標準物質(20ng/mLのD3-デキストロルファン)を含有する50μLの100%アセトニトリルの添加によってクエンチした。上清をRapidFire/MS/MS分析のために採取した。
【0167】
API4000三重四極子質量分析計(AB Sciex)と連結したRapidFireオンライン固相抽出/試料注入システム(Agilent)を試料分析に使用した。移動相は、アセトニトリルと、0.1%ギ酸を追加した水とから構成された。C4固相抽出カートリッジを試料分離に使用する。MS検出は、陽性イオンMRMモードにおいて達成する。
【0168】
データ解析
【0169】
基質、代謝産物および内部標準物質についてのピーク面積を、RapidFire積分ソフトウェア(第3.6.12009.12296版)を用いて測定した。次に、代謝産物および内部標準物質(安定標識代謝産物)のピーク面積比(PAR)を計算した。次に、各実験についての測定ウィンドウを規定した。
【0170】
PAR(0%活性)=濃縮した阻害剤を含有するインキュベート物全部についての平均PAR、
Par(100%活性)=阻害剤を含有しない(DMSO対照を含有する)インキュベート物全部についての平均PAR、
%活性(検査阻害剤)
=[PAR(検査阻害剤)-PAR(0%活性)/[PAR(100%活性)-PAR(0%活性)]、
%阻害(検査阻害剤)=100-%活性(検査阻害剤)。
【0171】
本発明の化合物は、先に説明したアッセイにおいて決定したCYP2D6についてのCYP阻害が低いことがわかった。
【0172】
【表5】
*百分率阻害<0:阻害剤がないかまたは弱い