(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】プライマーを使用したインクジェット印刷の方法
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20231016BHJP
B41J 2/21 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
B41J2/01 123
B41J2/01 203
B41J2/21
(21)【出願番号】P 2021512528
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2019073614
(87)【国際公開番号】W WO2020049060
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-07-21
(32)【優先日】2018-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518238104
【氏名又は名称】キャノン プロダクション プリンティング ホールディング べー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スラーツ,ビアンカ ペー.エス.
(72)【発明者】
【氏名】デ フリス,ヤンティナ セー.
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-1045(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0165765(US,A1)
【文献】特開2007-106117(JP,A)
【文献】特開2002-67297(JP,A)
【文献】特開2011-25693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プライマーをメディアシートに印刷するステップと、前記プライマー上に重ねられた画像を形成するために、インクを用いて前記メディアシート上に印刷するステップと、を含み、前記インクを用いて印刷するステップは、列に垂直な輸送方向(x)でプリントヘッドとメディアシートとの相対スキャン移動を実行している間、ノズルのアレイを数列にずらして有するプリントヘッドを用いて実行される、インクジェット印刷の方法であって、
前記プライマーが、前記プリントヘッドの前記ノズルがずらされたパターンに対応するパターンで不均一に前記メディアシートに印刷さ
れ、
前記プライマーは、隣接するノズル間の前記輸送方向(x)でのオフセットが所定の値よりも大きいピクセルカラムの近くに集中している、方法。
【請求項2】
プライマーは、前記隣接するノズルからの前記対応するプリントヘッドノズルの前記オフセットが前記所定の値よりも大きいピクセルカラムに印刷される、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記プライマーの前記パターンは、前記列と平行に延在し、且つプライマーで満たされていないピクセル線によって互いに分離されているピクセル線を含む、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記プライマーの前記パターンは、前記プライマーが存在する領域のエッジをぼかす
ためにフィルタアルゴリズムを用いるプロセスにかけられる、請求項1から
3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
コンピュータで読み取り可能な非一時的な媒体上のプログラムコードを含むソフトウェア製品であって、前記プログラムコードが、プライマー及びインクで印刷するように構成されたインクジェットプリンタのコントローラ上で実行されると、プリンタに、請求項1から
4のいずれかに記載の方法を実行させる、ソフトウェア製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、プライマーをメディアシートに印刷するステップと、プライマー上に重ねられた画像を形成するように、メディアシート上にインクで印刷するステップと、を含むインクジェット印刷の方法に関する。ここで、インクを使用して印刷するステップは、数列にずらされたノズルの配列を有するプリントヘッドを使用して実行され、その一方で、列に垂直な輸送方向にプリントヘッドとメディアシートの相対的なスキャン移動を実行する。より具体的には、本発明は、水性インクを用いたシングルパス印刷の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術の説明
シングルパス印刷では、プリントヘッドの異なるノズルで形成されたインクドットが完全に融合せず、均一なインク層を形成しないため、印刷画像が筋状になる傾向があることはよく知られている。特に、行の方向(輸送方向に垂直)で高い印刷解像度を得るために必要なノズルの千鳥配置(staggered arrangement)は、印刷された画像の同じピクセルライン内の隣接するピクセルが異なるタイミングで印刷されるという結果をもたらす。ノズルの構成と印刷画像の内容に応じて、メディアシートに当たったばかりのインク滴(又は複数のインクドットによって形成される線)が、隣接するインクドットが印刷される前に、すべての方向に均等に広がるのにかなりの時間がかかる場合がある。隣接するドットは、前のドットに接触し、好ましくは、2つのドットの合体によってその前のドットの方向に延びることができる。その場合、最初に印刷されたドットが隣接するドットと接触して結合する機会はないが、後の印刷されたドットの位置は、前に印刷されたドットの存在によって影響を受ける。これにより、印刷された画像に望ましくないボイドやドット間のギャップ、又はドットの線が発生する可能性がある。ドット形成プロセスの位置精度が悪い場合、この効果はさらに悪化する可能性があり、その結果、インクドットがそれらの目標位置から逸脱する可能性がある。
【0003】
液体インクがまだ硬化していない限り、液体インクの移動度を低下させることにより、メディアシート上のインクドットを「ピニング(pinning)」するためのプライマーを使用することが知られている。 これにより、インクが広がり合体する傾向を減らすことができる。
【0004】
従来、プライマーは本質的に均一な層の形で塗布されていた。しかしながら、プライマー層自体は、インク液滴が互いに融合する能力を低下させるので、印刷された画像の縞模様(streakiness)に寄与する可能性がある。
【0005】
画像の縞模様を減らすための既知の対策は、インク滴のサイズを大きくすることである。ただし、これには、画像の粒状性とインク層の堅牢性の点で大きな欠点があります。例えば、液滴サイズを大きくすると、硬化したインクがメディアシートの表面から剥がれる傾向が高まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、改善された画質を達成することができる上記のタイプの印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
この目的を達成するために、本発明による方法は、プライマーが、プリントヘッドのノズルがずらされたパターンに対応するパターンで不均一にメディアシート上に印刷されることを特徴とする。
【0008】
メディアシートの表面上のプライマーのそのような不均一な分布は、ドットの合体を局所的に減少させ、同時に、隣接するインクドット間のギャップなどの画像欠陥の発生を回避することが見出された。
【0009】
本発明のより具体的なオプションの特徴は、従属請求項に示されている。
【0010】
一実施形態では、プライマーは、隣接するプリントヘッドノズル間に特に大きなオフセットがあるピクセル列に集中することができる。この場合、プライマーのピニング効果により、インクドットの合体が減少し、メディアシートの表面で最初に分離されたドットが、隣接するドットも印刷されるまでの間に広がりすぎないようになる。一方、隣接するドットの印刷時間(printing times)間の遅延が小さい画像の領域では、プライマーの量を減らすことができるため、液体インクの所望の移動度が維持され、画像の全体的な縞模様が減少する。
【0011】
メディアシートの表面上のプライマーの不均一な分布のパターンは、ディザリングや誤差拡散などのフィルターアルゴリズムを使用することによってさらにぼやけることがある。これは、プライマーの存在が印刷画像の光沢や色の違いを引き起こす可能性があるという事実から生じる可能性のあるアーチファクトを回避するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面の簡単な説明
次に、実施形態の例を図面と併せて説明する。
【
図1】
図1は、プライマー層及びインク層を印刷するためにメディアシートの表面を走査するプリントヘッドアセンブリの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1に示されるプリントヘッドアセンブリ内のプリントヘッドのノズルプレートの図である。
【
図3】
図3は、インクドットのラインが完成している印刷ステップを示している。
【
図4】
図4は、プライマーを使用していない場合の、
図3に示したインクドットパターンの拡大詳細である。
【
図5】
図5から
図7は、印刷された画像のピクセルラインの断面図であり、アーチファクトの考えられる原因を示している。
【
図6】
図5から
図7は、印刷された画像のピクセルラインの断面図であり、アーチファクトの考えられる原因を示している。
【
図7】
図5から
図7は、印刷された画像のピクセルラインの断面図であり、アーチファクトの考えられる原因を示している。
【
図8】
図8は、
図2に示すノズルプレート内のノズルの千鳥配列に対応するパターンの概略図である。
【
図9】
図9及び10は、プライマーをメディアシートに印刷するためのパターンの例である。
【
図10】
図9及び10は、プライマーをメディアシートに印刷するためのパターンの例である。
【
図11】
図11は、プライマー上に重ねられた印刷されたインクドットのパターンを示す概略図である。
【0013】
実施の詳細な説明
図1に示されるように、インクジェットプリンタは、メディアシート12の表面を輸送方向xで走査するように配置されたプリントヘッドアセンブリ11を有する。プリントヘッドアセンブリ11は、平行に配置され、搬送方向xに垂直な線方向y(
図2)でメディアシート12の全幅にわたって延びるプライマープリントヘッド14及びインクプリントヘッド16を含む。この場合、
図1の図面の平面に垂直に延びるプリントヘッドアセンブリ11は、メディアシート12上を輸送されるが、逆に、固定されたプリントヘッドアセンブリの下で輸送されるメディアシートも同様に可能である。したがって、画像は、メディアシートに対するプリントヘッドアセンブリ11の単一のスキャンパスでメディアシート12に印刷することができる。
【0014】
プリントヘッドアセンブリ11が輸送方向xに移動すると、プライマー18の層が最初に印刷され、インク20の層が、プライマー層を重ね合わせるように印刷される。プリントヘッド14と16との間の間隔は、インク層20がインクプリントヘッド16で印刷されるときに、プライマープリントヘッド14で印刷されたプライマーが十分に乾燥するように選択することができる。
【0015】
図2は、インクプリントヘッド16及びプライマープリントヘッド14のノズルプレートの上面図を示している。インクプリントヘッド16は、線方向yに延びる行24の数n(この例では10)に配置されたノズル22を有する。ノズル22は、線方向yで連続するn個のノズルのグループにおいて、各ノズルが列24の異なる1つに配置されるように互い違いに配置されている。次に、n個のノズルの次のグループに対して、千鳥パターンが繰り返される。互い違いのパターンにより、2つの隣接するノズル間のy位置の差を非常に小さくすることができ(オプションでノズルの直径よりもさらに小さく)、線方向yで高い印刷解像度を実現できる。ただし、線方向yに伸びるインクドットの直線を印刷するためには、ノズル22は、走査方向xにおけるそれらのオフセットに応じて、異なるタイミングで発射されなければならない。
【0016】
プライマープリントヘッド14は、同じパターンのノズル22を有し得るが、後で説明する理由により、いくつかのy位置のノズルが欠落している。
【0017】
図3は、ピクセルライン、すなわち、ライン方向yに延びるインクドット26のラインがちょうど完成している状況を示している。その時点でのインクプリントヘッド16及びそのノズルの位置は、幻像線で示されている。n個のノズルの各グループのノズルのy位置は、1乃至10として指定されている。インクドット26の線は、ピクセル位置3にギャップを有し、最後の列のノズル22は、別のインクドットを埋めることによってギャップを埋めるために、ちょうどそのギャップ上を移動している。
図3にすでに存在するインクドット26は、プリントヘッドの走査移動の過程でそれらの対応するノズルがピクセルラインに到達したときに、より早く印刷されたことが理解されよう。
【0018】
図3に見られるように、インクドット26のサイズは非常に大きいので、隣接するインクドットの輪郭が重なり、その結果、インクの連続した黒い線が形成される。簡単にするために、この例のインクジェットプリンタは白黒プリンタであると想定されています。カラープリンタへの本発明の一般化は簡単である。
【0019】
インクドット26内の液体インクがまだ硬化又は乾燥されていない限り、凝集力により、インクが合体する傾向が生じ、その結果、インクドットが互いに融合する。典型的には、この合体により、
図3のギャップによって分離されたインクラインセグメントの長さが収縮するため、ギャップが大きくなる傾向がある。
【0020】
複数の連続するインクラインを印刷することによって黒一色の画像領域を形成する場合、合体は隣接するインクラインの合体にもつながる可能性があり、その結果、本質的に均一なインク層が2次元領域に形成される。
【0021】
プライマー層18の目的は、特にインクラインのギャップが非常に大きくなりすぎて単一のインクドットで埋めることができなくなるのを防ぐために、インクの合体を制限することである。
【0022】
比較のために、
図4は、メディアシート上にプライマー層18が形成されなかった場合に得られるであろうインクドット26の線(y位置1から5にわたって延びる)の詳細を示す。その場合、合体すると、すでに印刷されているドットが線方向に移動する。インクドットの元の輪郭と位置は
図4に破線で示され、位置3のギャップが埋められたときのインクドットの領域はハッチングで示されている。
図3から推測できるように、このドットは24行目の2番目のドットに非常に早く印刷されたため、位置2のドットはかなりずれていることがわかる。そのため、合体は比較的長期間にわたって発生する可能性がある。対照的に、位置1と5の(より若い、後で適用される)ドットの変位は大幅に小さくなるが、位置4のドットの変位(5行目24のノズルによって印刷される;
図3を参照)も比較的大きくなる。ただし、位置2のドットほど大きくはない。したがって、位置2と4のドットは、それぞれ位置1と5のドットと結合したときに、位置3からシフトされている。その結果、位置3のギャップが大幅に増加し、その位置にインクドットが印刷されると(破線の円で示される)、ドットは位置4のドットと接触して結合する可能性があるが、ドットは位置2では遠すぎるため、インクラインのギャップを完全に埋めることはできない。これは、印刷された画像に不穏なアーチファクトをもたらす可能性がある。
【0023】
この効果をさらに説明するために、
図5から7は、2つの連続するインクラインセグメント30、32の間のギャップが別のインクドット26によって埋められる、異なるシナリオにおけるピクセルラインの縦断面を示す。
図5では、ギャップは、インクドット26によって埋められるのに十分に小さいので、そのドットのインクは、連続線分30及び32と合流する。
図6は、ギャップが十分に小さいが、インクドット26が、ギャップに正確に当たらないように、方向誤差を伴って対応するノズルによって噴射された状況を示している。その結果、ドットは
図6の左側の線分30とのみ結合するが、右側の線分32からは分離されたままになる。
図7は、
図4と同様の状況を示しており、セグメント30と32との間のギャップが大きすぎてドット26で埋めることができないため、ドット26の両側に小さなギャップが残っている。
【0024】
原則として、
図6及び7に示されるシナリオで生成されるアーチファクトは、媒体シート12の表面にインクを固定するためのプライマー18を使用することによって回避することができる。しかしながら、プライマー層18は、液体インクの全方向への広がりを低減し、したがって、別の方法で、印刷された画像の縞模様に寄与する可能性がある。
【0025】
この矛盾を解決するために、プライマーは、均一な層の形態ではなく、インクプリントヘッド16内のノズル22のよろめきのパターンに対応するパターンに従って不均一な分布でメディアシート12に塗布される。これから、
図8から11に関連して説明する。
【0026】
図8は、y位置1から10の同じピクセルラインに印刷されたインクドットの履歴を示すy-t図である。時間tは、走査速度で割った行24(
図2)間の間隔に対応する単位で縦軸に示されている。
図3に示すように、y位置8のノズルは行24の最初に配置されているため、y=8のインクドットが最初に印刷され、
図8の時間座標tが最小になる。同様に、y=3のインクドットが最後に印刷される。それに応じて、y=3のインクドットが最後に印刷される。
図8の楕円34で強調表示されているこのインクドットが印刷された時点で、y位置8のインクドットは、インクが合体する可能性があった10(ten)時間単位ですでに存在している。
【0027】
y=3のインクドットは、y位置2と4の隣接するインクドット間のギャップを埋める。これらのインクドットは、位置3での印刷時に、それぞれ9時間単位と6時間単位であるため、
図4と同様に、これらのインクドットが縮小して大幅にシフトしている可能性がある。その結果、このピクセル位置y=3は、特にアーチファクトの影響を受けやすくなる。同様に重要なy位置はy=9であり、楕円36で強調表示されている。ここで、位置8と10の隣接するインクドットの経過時間は、それぞれ9時間単位と6時間単位である。他のすべてのy位置では、インクドットの古さ(age)の違いは大幅に小さいため、
図4、6、及び7に示すタイプのアーチファクトのリスクは小さくなる。これが、ここで提案された方法において、プライマー18が適用される領域が、臨界y位置3及び9の近傍に限定される理由である。これは、
図2に示すように、プライマープリントヘッド14の位置1と5から7にノズルがない理由でもある。もちろん、一般に、プリントヘッド14は、これらの欠落した位置にノズルを有するが、それらは、臨界位置ほど頻繁には使用されない。
【0028】
黒く塗りつぶされた領域を印刷するために、10個のノズルすべてが最大速度で発射を続け、その後、ノズルは特定の時点で発射を停止すると仮定することにより、
図8に示すy-t図は、y-x図に並進移動できる。それまでに、すべてのノズルは、x方向(
図8では上向き)に伸び、印刷プロセスが停止したときのノズルのx位置であるポイント40で終わるインクドットのトレース38を印刷する。
【0029】
図9は、プライマー18が印刷されたパターンに対応するy-x図を示している。プライマー18が塗布されたピクセル位置は、陰影で示されている。プライマー18は、ピクセル列y=2、y=3、y=4(位置3の近傍)及び列y=8、y=9、y=10(位置9の近傍)にのみ適用されることが分かる。
【0030】
図9に示す例では、プライマープリントヘッド14のノズルは、最大速度ではなく、4時間単位ごとにのみ発射され、プライマーが4ピクセルラインごとにのみ適用されるようにする。これは、
図8に示すインクトレース38(yx図として解釈)を固定し、それによって合体を制限し、y位置3と9のギャップが大きくなりすぎるのを防ぐのに十分である。そのため、これらの重要な位置でアーチファクトが生成されることはない。
【0031】
一方、プライマー18はこれらの臨界領域に限定されるため、印刷画像の残りの部分におけるインクの合体が大きくなり、画像の縞模様が低減され得る。
【0032】
使用するインクとプライマーの組成に応じて、プライマー層の存在は、印刷された画像の光沢及び/又は色域の局所的な変化をもたらす可能性がある。その場合、
図9に示す通常のプライマーパターンは、光沢や色の点でアーチファクトを引き起こす可能性がある。しかしながら、プライマー18が誤差拡散プロセス又はディザリングプロセスに適用されるパターンを適用することによって、そのようなアーチファクトを軽減することは可能である。
図10に例示されているように、プライマー18が適用されるストライプの境界がぼやけるようになる。
【0033】
図11は、
図10に示したものと同様のy-x図を示しているが、プライマー18のパターンにインクのトレース38が重ねられている。
【0034】
本発明を開示された特定の形態に限定する意図はないが、それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載される本発明の範囲内にあるすべての改変、代替構造及び同等物を網羅することを理解されたい。
【0035】
請求項1
プライマー(18)をメディアシート(12)に印刷するステップと、前記プライマー(18)上に重ねられた画像を形成するために、インク(20)を用いて前記メディアシート上に印刷するステップと、を含み、前記インクを用いて印刷するステップは、列(24)に垂直な輸送方向(x)でプリントヘッドとメディアシートとの相対スキャン移動を実行している間、ノズル(22)のアレイを数列(24)にずらして有するプリントヘッド(16)を用いて実行される、インクジェット印刷の方法であって、前記プライマー(18)が、前記プリントヘッド(16)の前記ノズル(22)がずらされたパターンに対応するパターンで不均一に前記メディアシートに印刷されることを特徴とする、方法。
請求項2
前記プライマー(18)は、隣接するノズル(22)間の前記輸送方向(x)でのオフセットが所定の値よりも大きいピクセルカラムの近くに集中している、請求項1に記載の方法。
請求項3
プライマー(18)は、前記隣接するノズルからの前記対応するプリントヘッドノズル(22)の前記オフセットが前記所定の値よりも大きいピクセルカラムに印刷される、請求項2に記載の方法。
請求項4
前記プライマー(18)の前記パターンは、前記列(24)と平行に延在し、且つプライマーで満たされていないピクセル線によって互いに分離されているピクセル線を含む、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
請求項5
前記プライマー(18)の前記パターンは、前記プライマー(18)が存在する領域のエッジをぼかすフィルタープロセスにかけられる、前述の請求項のいずれかに記載の方法。
請求項6
コンピュータで読み取り可能な非一時的な媒体上のプログラムコードを含むソフトウェア製品であって、前記プログラムコードが、プライマー及びインクで印刷するように構成されたインクジェットプリンタのコント
ローラ上で実行されると、前記プリンタに、前述の請求項のいずれかに記載の方法を実行させる、ソフトウェア製品。
【符号の説明】
【0036】
11 プリントヘッドアセンブリ
12 メディアシート
14 プライマープリントヘッド
16 インクプリントヘッド
18 プライマー
20 インク
38 トレース