(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231016BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20231016BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2022007493
(22)【出願日】2022-01-20
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 朋崇
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真木
(72)【発明者】
【氏名】白井 宏和
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068286(JP,A)
【文献】特開2006-023858(JP,A)
【文献】特開2021-064265(JP,A)
【文献】特開2016-177636(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/10
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における前記複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情
報を作業情報として取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記作業情報に基づ
いて、前記複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示し且つ前記複数のパーツを矢印の図形で接続するフローチャート形式で示す前記作業手順を
作業実行者の端末装置と作業確認者の端末装置とに送信して表示させることで、前記作業手順を前記作業実行者と前記作業確認者とに提示する提示部と、を備え
、
前記作業情報は、
前記複数のパーツで示される作業内容のうち前記作業実行者によって実行された作業内容に対して前記作業確認者が確認したことを示す情報を含み、
前記提示部によって前記作業実行者に提示される前記作業手順に含まれるパーツには、当該パーツを実行するためのコマンドを前記作業実行者の操作があった場合に作業対象に送信するための情報が含まれており、
前記提示部は、
前記複数のパーツのうち前記作業確認者によって確認された作業内容を示すパーツを前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す前記作業手順を前記作業実行者に提示し、
前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツである未確認パーツよりも後に行われる作業内容が前記作業実行者によって実行された場合であっても、前記未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの態様を変更しない
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数のパーツは、
前記作業対象に対してコマンドを入力する作業を作業内容として含むパーツと、次に実行される作業内容を示すパーツを2以上のパーツの中から選択する作業を作業内容として含むパーツとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、
前記態様の変更を、前記パーツの色、大きさ、模様、枠形状、フォント、文字サイズ、および文字の修飾のうち1以上を変更することによって行う
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示部は、
前記未確認パーツで示される作業内容に対する前記作業実行者の習熟度が閾値以上であれば、前記未確認パーツよりも後に行われる作業内容が前記作業実行者によって実行された場合、前記未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの態様を変更する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における前記複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情
報を作業情報として取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記作業情報に基づ
いて、前記複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示し且つ前記複数のパーツを矢印の図形で接続するフローチャート形式で示す前記作業手順を
作業実行者の端末装置と作業確認者の端末装置とに送信して表示させることで、前記作業手順を前記作業実行者と前記作業確認者とに提示する提示工程と、を含
み、
前記作業情報は、
前記複数のパーツで示される作業内容のうち前記作業実行者によって実行された作業内容に対して前記作業確認者が確認したことを示す情報を含み、
前記提示工程によって前記作業実行者に提示される前記作業手順に含まれるパーツには、当該パーツを実行するためのコマンドを前記作業実行者の操作があった場合に作業対象に送信するための情報が含まれており、
前記提示工程は、
前記複数のパーツのうち前記作業確認者によって確認された作業内容を示すパーツを前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す前記作業手順を前記作業実行者に提示し、
前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツである未確認パーツよりも後に行われる作業内容が前記作業実行者によって実行された場合であっても、前記未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの態様を変更しない
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における前記複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情
報を作業情報として取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記作業情報に基づ
いて、前記複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示し且つ前記複数のパーツを矢印の図形で接続するフローチャート形式で示す前記作業手順を
作業実行者の端末装置と作業確認者の端末装置とに送信して表示させることで、前記作業手順を前記作業実行者と前記作業確認者とに提示する提示手順と、をコンピュータに実行させ
、
前記作業情報は、
前記複数のパーツで示される作業内容のうち前記作業実行者によって実行された作業内容に対して前記作業確認者が確認したことを示す情報を含み、
前記提示手順によって前記作業実行者に提示される前記作業手順に含まれるパーツには、当該パーツを実行するためのコマンドを前記作業実行者の操作があった場合に作業対象に送信するための情報が含まれており、
前記提示手順は、
前記複数のパーツのうち前記作業確認者によって確認された作業内容を示すパーツを前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す前記作業手順を前記作業実行者に提示し、
前記作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツである未確認パーツよりも後に行われる作業内容が前記作業実行者によって実行された場合であっても、前記未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの態様を変更しない
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設備の保守作業などの作業において、作業手順書が用いられている。例えば、ネットワーク設備を管理するネットワーク事業者は、ネットワーク設備の導入、増設、変更、撤去などの保守作業を行う際に、作業手順書を用いた作業を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の作業手順書では、作業を迅速に行うことができるものの、ユーザの利便性の観点でさらなる改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、作業手順の利便性を向上させることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、取得部と、提示部とを備える。取得部は、作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報または作業手順の過去の実行履歴のうちの少なくとも一方の情報を作業情報として取得する。提示部は、取得部によって取得された作業情報に基づく提示態様で作業手順をユーザに提示する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、作業手順の利便性を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置が含まれる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置を用いたサーバ装置の保守に関する部署間の関係の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の作業手順書情報記憶部に記憶される作業手順書情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置のパーツ情報記憶部に記憶されるパーツ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順編集画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る端末装置に表示されるパーツ管理画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面においてパーツが選択された場合に実行される処理の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る端末装置に表示される作業者選定画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る情報処理装置によって実行される作業支援処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面の他の例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面のさらに他の例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る端末装置に作業手順が編集可能に表示される作業手順書管理画面の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが強調表示された状態の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツの1つに対する更新操作が行われる様子の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが更新される様子の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、実施形態に係る端末装置に作業手順が編集可能に表示される作業手順書管理画面の他の例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが強調表示された状態の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが個別に更新操作される様子の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツの一部が更新された状態の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツがリスクのある作業内容を示すパーツであることを示す情報が表示される様子の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面においてユーザが更新権限を有していないことを示す情報が表示される様子の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図27】
図27は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による作業支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図28】
図28は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による更新処理の一例を示すフローチャートである。
【
図29】
図29は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法を説明するための図である。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、作業手順書の情報を記憶している。作業手順書は、サーバ装置の保守作業に対する複数の作業手順を含む作業手順書であるが、かかる例に限定されない。例えば、作業手順書は、サーバ装置以外の装置または設備の保守作業に対する作業手順を含む作業手順書であってもよく、その他の作業に対する作業手順を含む作業手順書であってもよい。
【0012】
情報処理装置1は、作業支援画面の情報である作業支援情報を端末装置21,22に送信する(ステップS1-1,S1-2)。端末装置21,22は、情報処理装置1から送信される作業支援情報を受信し、受信した作業支援情報に基づいて、作業支援画面を表示する。作業支援画面には、作業手順が表示される作業手順領域と、作業の実行や作業結果の確認などを行うための作業領域とが含まれる。
【0013】
端末装置21は、拠点Zでサーバ装置の保守作業を行う作業実行者であるユーザU1によって使用され、端末装置22は、ユーザU1が行うサーバ装置の保守作業の確認を拠点Wで行う作業確認者であるユーザU2によって使用される。拠点Zと拠点Wとは離れた位置にあり、ユーザU2は、遠隔でユーザU1が行う作業を確認することができる。
【0014】
ユーザU
1は、端末装置2
1に表示される作業支援画面に含まれる作業手順領域を確認することで、作業手順を適切に把握することができる。
図1に示す作業手順領域には、作業手順がフローチャート形式で示されており、これにより、ユーザU
1は、サーバ装置の保守作業の作業手順を容易かつ迅速に把握することができる。
【0015】
図1に示す作業手順領域では、6つの作業内容を示す6つのパーツを含むフローチャートが示されている。具体的には、
図1に示すフローチャートには、作業内容を示すパーツ「/tmp/workの空き容量を確認」、パーツ「/ファイルの削除」、パーツ「/tmp/workの空き容量を確認」、パーツ「空き容量が50%以上?」、パーツ「電話連絡後に終了」、およびパーツ「作業終了(連絡なし)」が含まれている。
【0016】
ユーザU1は、作業手順領域で示される作業手順に従って、まず、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を確認する作業を行った後、ディレクトリ「/tmp/work」内のファイルを削除する作業を行う。そして、ユーザU1は、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を再度確認し、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量が50%以上であるか否かを確認する作業を行う。
【0017】
ユーザU1は、「/tmp/work」のディレクトリの空き容量が50%以上ではない場合、作業結果を電話で連絡して作業を終了する。また、ユーザU1は、「/tmp/work」のディレクトリの空き容量が50%以上である場合、作業結果を電話で連絡することなく作業を終了する。
【0018】
ユーザU1は、サーバ装置の保守作業を行う場合、端末装置21を操作して、作業支援画面の作業領域にコマンドを入力してコマンドをサーバ装置に実行させるためのサーバ操作を行う(ステップS2-1)。情報処理装置1は、ユーザU1によるサーバ操作がある場合、サーバ装置に対してサーバ操作に応じた処理を実行する(ステップS2-2)。
【0019】
例えば、ユーザU1は、「/tmp/workの空き容量を確認」の作業を行う場合、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を示す情報を作業領域に表示させるためのコマンドを作業支援画面の作業領域に入力する。これにより、作業領域に入力されたコマンドが情報処理装置1を介してサーバ装置に入力され、かかるコマンドの実行結果がサーバ装置から情報処理装置1を介して作業支援画面の作業領域に表示される。これにより、作業支援画面の作業領域にディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を示す情報が表示され、ユーザU1は、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量が50%以上であるか否かを確認することができる。
【0020】
なお、コマンドの作業領域への入力は、例えば、作業支援画面の作業手順領域に表示された作業手順を構成するパーツをクリック操作などによって選択することによって行うことができる。情報処理装置1は、例えば、作業手順領域に示されるパーツ「/tmp/workの空き容量を確認」がユーザU1によって選択された場合、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を示す情報を作業領域に表示させるためのコマンドをサーバ装置に実行させることができる。
【0021】
サーバ操作に応じて更新された作業領域が含まれる作業支援画面の情報である作業支援情報は、情報処理装置1からユーザU1,U2の端末装置21,22に送信される(ステップS3-1,S3-2)。サーバ操作に応じて更新された作業領域には、サーバ装置に入力されたコマンドとかかるコマンドのサーバ装置での実行結果とが示される。これにより、ユーザU2は、ユーザU1が行った作業内容を拠点Zから離れた拠点Wで容易に把握することができる。
【0022】
ユーザU1は、パーツで示される作業内容の作業を実行した場合、実行した作業内容を示すパーツをダブルクリック操作などによって選択すると、ユーザU1が選択したパーツの情報が端末装置21から情報処理装置1へ送信される(ステップS4-1)。情報処理装置1は、ユーザU1によって選択されたパーツの提示態様を変更する(ステップS4-2)。
【0023】
例えば、情報処理装置1は、ユーザU1のパーツ操作に対応するパーツの色、大きさ、模様、フォント、枠の大きさ、枠の太さ、および枠の形状のうち1以上を変更することによって、ユーザU1によって選択されたパーツの提示態様を変更する。
【0024】
そして、情報処理装置1は、ユーザU1によって選択されたパーツの提示態様が変更された作業手順が含まれる作業支援画面の情報である作業支援情報をユーザU2の端末装置21,22に送信する(ステップS5-1,S5-2)。端末装置21,22は、情報処理装置1から送信される作業支援情報を受信し、受信した作業支援情報に基づいて、作業支援画面を表示する。これにより、情報処理装置1は、複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順をユーザU1,U2に提示することができる。そのため、例えば、ユーザU2は、ユーザU1が実行した作業内容を容易に把握することができる。
【0025】
端末装置22に表示される作業支援画面には、保守対象のサーバ装置に入力されたコマンドとかかるサーバ装置におけるコマンドの実行結果とが表示されているため、ユーザU2は、ユーザU1が実行した作業内容の作業が正しく行われたか否かを判断することができる。ユーザU2は、ユーザU1が実行した作業内容の作業が正しく行われたと判断した場合、ユーザU1が実行した作業内容を示すパーツをダブルクリック操作などによって選択する。これにより、ユーザU2が選択したパーツの情報が端末装置22から情報処理装置1へ送信される(ステップS6-1)。
【0026】
情報処理装置1は、ユーザU2が選択したパーツの提示態様を変更する(ステップS6-2)。例えば、情報処理装置1は、ユーザU2のパーツ操作に対応するパーツの色、大きさ、模様、フォント、枠の大きさ、枠の太さ、および枠の形状のうち1以上を変更することによって、パーツ操作に対応するパーツの提示態様を変更する。ステップS6-2での提示態様の変更は、ステップS4-2での提示態様の変更とは異なり、ステップS4-2での変更後のパーツとステップS6-2での変更後のパーツとは区別可能に示される。
【0027】
情報処理装置1は、ユーザU2によって選択されたパーツの提示態様が変更された作業手順が含まれる作業支援画面の情報である作業支援情報をユーザU1,U2の端末装置21,22に送信する(ステップS7-1,S7-2)。これにより、情報処理装置1は、複数のパーツのうちユーザU2によって確認された作業内容を示すパーツをユーザU2によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順をユーザU1,U2に提示することができる。これにより、ユーザU1は、ユーザU1が実行した作業がユーザU2によって確認されたことを容易に把握することができる。
【0028】
図1に示す例では、1つ目のパーツ「/tmp/workの空き容量を確認」と、2つ目のパーツ「/ファイルの削除」が、ユーザU
2が選択したパーツとして提示態様が変更され、3つ目のパーツ「/tmp/workの空き容量を確認」が、ユーザU
1が選択したパーツとして提示態様が変更されている。
【0029】
情報処理装置1は、ユーザU1が選択したパーツ以外のパーツに対するユーザU2の選択を受け付けず、また、ユーザU2が選択したパーツの次のパーツ以外のパーツに対するユーザU1の選択を受け付けない。これにより、情報処理装置1は、ユーザU1の保守作業およびユーザU2の確認作業を適切に行わせることができる。
【0030】
このように、情報処理装置1は、作業状況や確認状況に応じた提示態様でパーツを示す作業手順をユーザU1,U2に提示することで、ユーザU1の保守作業およびユーザU2の確認作業を適切に行うことができる。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0031】
また、情報処理装置1は、作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報に代えてまたは加えて、作業手順の過去の実行履歴に基づく提示態様で作業手順をユーザU1,U2に提示することもできる。例えば、情報処理装置1は、作業手順の過去の実行履歴に基づいて、作業手順における複数のパーツのうちの少なくとも一部のパーツに付加情報を付加した作業手順をユーザU1,U2に提示することができる。
【0032】
付加情報は、例えば、作業手順における1以上の作業内容を実行するのに必要な作業時間の情報、ユーザU1の作業内容に対する習熟度に関する情報、作業内容のリスクに関する情報などである。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0033】
以下、このような処理を行う情報処理装置1を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0034】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理装置1が含まれる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、端末装置2
1,2
2,・・・,2
nと、サーバ装置3
1,3
2,・・・,3
mとを備える。nおよびmは、3以上の整数である。
【0035】
情報処理装置1、端末装置21,22,・・・,2n、およびサーバ装置31,32,・・・,3mは、通信ネットワーク4に接続されており、通信ネットワーク4を介して互いに情報の送受信が可能である。
【0036】
通信ネットワーク4は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)を含むネットワークである。なお、通信ネットワーク4は、例えば、4G(4th Generation)または5G(5th Generation)などの移動体通信システムなどを含む構成であるが、かかる例に限定されない。
【0037】
情報処理装置1は、サーバ装置31,32,・・・,3mの保守作業に関する複数の作業手順書の情報を記憶しており、端末装置21,22,・・・,2nのユーザU1,U2,・・・,Unによるサーバ装置31,32,・・・,3mの保守作業などを支援する。
【0038】
端末装置21,22,・・・,2nは、情報処理装置1を利用するユーザU1,U2,・・・,Unによって操作される端末装置であり、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォンなどである。以下において、端末装置21,22,・・・,2nの各々を個別に区別せずに示す場合、端末装置2と記載し、ユーザU1,U2,・・・,Unの各々を個別に区別せずに示す場合、ユーザUと記載する場合がある。
【0039】
サーバ装置31,32,・・・,3mは、例えば、データセンタに配置されるサーバ装置群5に含まれるサーバ装置であり、これらサーバ装置31,32,・・・,3mによって各種のサービスがサービス利用者であるユーザに提供される。以下において、サーバ装置31,32,・・・,3mの各々を個別に区別せずに示す場合、サーバ装置3と記載する場合がある。
【0040】
図3は、実施形態に係る情報処理装置を用いたサーバ装置の保守に関する部署間の関係の一例を示す図である。
図3に示すように、サーバ装置3
1,3
2,・・・,3
mを含むサーバ装置群5によってサービスの提供およびサーバ装置群5の保守を行うために、サービス提供部署、作業手順書作成部署、および保守作業部署が設けられている。
【0041】
サービス提供部署は、サーバ装置群5にサービスの提供を行わせるためのプログラムの設計、開発、および組み込みなどを行うために設けられている。作業手順書作成部署は、サーバ装置3の保守作業を行うための作業手順書を作成するために設けられている。保守作業部署は、サーバ装置3の保守作業を行うために設けられる。
【0042】
図3に示す例では、ユーザU
1,U
2,・・・,U
kの各々は保守作業部署の部員である保守作業者または作業確認者であり、ユーザU
k-1,U
k-2,・・・,U
nの各々は作業手順書作成部署の部員である編集作業者である。kは、例えば、3以上の整数であり、nは、例えば、6以上の整数である。
【0043】
作業手順書作成部署の部員は、サービス提供部署の部員からの作業手順書の作成依頼があった場合、端末装置2を用いて情報処理装置1を操作し、作業手順書を作成する。かかる作業手順書は、情報処理装置1に記憶されている複数のパーツのうち必要な2以上のパーツを組み合わせた1以上の作業手順を含む。作成された作業手順書の情報は情報処理装置1に記憶される。
【0044】
作業手順書作成部署の部員は、作業手順書を作成した場合、サービス提供部署の部員に対して、作成した作業手順書の確認を依頼する。サービス提供部署の部員は、作業手順書の確認の依頼がある場合、端末装置2を用いて情報処理装置1を操作し、情報処理装置1から提示される作業手順書を確認する。
【0045】
サーバ装置群5に含まれる複数のサーバ装置3のうちいずれかに障害などが発生した場合、障害が生じたサーバ装置3などからアラートが保守作業部署に通知される。保守作業部署の部員は、アラートが通知された場合、端末装置2を用いて情報処理装置1を操作し、情報処理装置1に記憶されている作業手順のうち通知されたアラートに対応する作業手順を端末装置2に表示させる。保守作業部署の部員は、端末装置2に表示された作業手順を確認しながら保守作業を行う。
【0046】
例えば、保守作業部署の部員は、端末装置2を用いて情報処理装置1を介してサーバ装置3にコマンドを入力する。これにより、コマンドに対する結果(応答)がサーバ装置3から情報処理装置1を介して端末装置2に通知される。保守作業部署の部員は、このように保守作業の対象となるサーバ装置3に対してコマンドを入力し、その結果を確認することなどによって、作業手順に含まれる各パーツで示される作業内容の作業を進める。
【0047】
保守作業部署の部員は、保守作業が終了した場合、サービス提供部署の部員に対して、作業結果の報告である作業報告を行う。これにより、サービス提供部署の部員は、保守作業が終了したことを把握することができる。
【0048】
なお、情報処理装置1は、サーバ装置3の保守作業を支援する装置に限定されず、種々の作業を支援することができる。例えば、情報処理装置1は、複数の製品の各々の製造または保守に関する作業手順書の作成および提示などの支援を行うこともでき、また、事務作業の作業手順書の作成および提示などの支援を行うこともできる。
【0049】
また、障害が生じたサーバ装置3などからのアラートの通知先は、保守作業部門の部員の端末装置2に代えてまたは加えて情報処理装置1であってもよい。この場合、情報処理装置1は、障害が生じたサーバ装置3などからのアラートの通知を受けると、かかるアラートに対する作業手順を保守作業部署の部員の端末装置2に表示させる。これにより、保守作業部署の部員は、サーバ装置3の保守作業をより容易且つ迅速に行うことができる。
【0050】
〔3.情報処理装置1の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1を利用する管理者などから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
【0051】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部10は、通信ネットワーク4と有線または無線で接続され、通信ネットワーク4を介して、端末装置2およびサーバ装置3の各々との間で情報の送受信を行う。
【0052】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部11は、作業手順書情報記憶部20と、パーツ情報記憶部21と、作業履歴記憶部22とを有する。
【0053】
〔3.2.1.作業手順書情報記憶部20〕
作業手順書情報記憶部20は、複数のサーバ装置3の各々の作業手順書の情報を含む作業手順書情報テーブルを有する。
【0054】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の作業手順書情報記憶部に記憶される作業手順書情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、作業手順書情報記憶部20に記憶される作業手順書情報テーブル23には、「作業手順書名」、「アラートトリガ」、「作業手順名」、「パーツキー」、および「パーツ名」が含まれる。
【0055】
「作業手順書名」は、作業手順書の名称を示す情報である。「アラートトリガ」は、トリガとなるアラートを示す情報であり、アラートは、例えば、障害が生じたサーバ装置3などから情報処理装置1または端末装置2に通知される。なお、アラートは、保守サーバとして機能する不図示の装置から情報処理装置1または端末装置2に通知されてもよい。
【0056】
「作業手順名」は、作業手順の名称を示す情報である。「パーツキー」は、作業手順を構成するパーツの識別情報である。「パーツ名」は、パーツの名称を示す情報である。なお、図示していないが、作業手順書情報テーブル23には、作業手順名に関連付けられたパーツキーのパーツの作業順番を示す情報および分岐を示す情報なども含まれる。
【0057】
図5に示す作業手順書情報テーブル23では、名称が作業手順書M1である作業手順書は、作業手順Y1,Y2などを含む。作業手順Y1は、トリガX1に対応する作業手順であり、各々のパーツキーがp-002,p-001,p-002,p-003,p-005,p-004である複数のパーツB,A,B,C,E,Dで構成される。また、作業手順Y2は、トリガX2に対応する作業手順であり、各々のパーツキーがp-001,p-007である複数のパーツA,Gなどで構成される。
【0058】
〔3.2.2.パーツ情報記憶部21〕
パーツ情報記憶部21は、複数のパーツの情報を記憶する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置のパーツ情報記憶部に記憶されるパーツ情報テーブルの一例を示す図である。
図6に示すように、パーツ情報記憶部21に記憶されるパーツ情報テーブル24には、「パーツキー」、「パーツ名」、「パーツ種別」、「パーツ」、および「時間コスト」がパーツ毎に含まれる。
【0059】
「パーツキー」は、作業手順を構成するパーツの識別情報であり、
図5に示すパーツキーと同じである。「パーツ名」は、パーツの名称を示す情報であり、
図5に示すパーツ名と同じである。「パーツ種別」は、パーツの種別を示す情報である。「パーツ」は、作業内容を示す情報である。「時間コスト」は、パーツで示される作業内容の作業を行うのに要する標準時間または実績時間の情報であり、例えば、後述するパーツ単位作業時間である。
図6に示す例では、時間コストの単位は、分である。
【0060】
「パーツ種別」は、例えば、コマンド、分岐、または終了である。パーツ種別「コマンド」は、作業内容が、サーバ装置3に対してコマンドを入力する作業であることを示す。パーツ種別「分岐」は、作業内容が、次に実行される作業内容を示すパーツを2以上のパーツの中から選択する作業であることを示す。パーツ種別「終了」は、作業内容が、終了作業であることを示す。
【0061】
図6に示すパーツ情報テーブル24では、パーツキーが「p-001」であるパーツは、パーツ名がパーツAであり、パーツ種別が「コマンド」であり、作業内容が「/tmp/workのファイルの削除」であり、時間コストが10分である。また、パーツキーが「p-002」であるパーツは、パーツ種別が「コマンド」であり、パーツ名がパーツBであり、作業内容が「/tmp/workの空き容量を確認」であり、時間コストが3分である。
【0062】
また、パーツキーが「p-003」であるパーツは、パーツ種別が「分岐」であり、パーツ名がパーツCであり、作業内容が「空き容量が50%以上?」であり、時間コストが2分である。パーツキーが「p-004」であるパーツは、パーツ種別が「終了」であり、パーツ名がパーツDであり、作業内容が「作業終了(連絡なし)」であり、時間コストが1分である。パーツキーが「p-005」であるパーツは、パーツ種別が「終了」であり、パーツ名がパーツEであり、作業内容が「電話連絡後に終了」であり、時間コストが10分である。
【0063】
なお、図示していないが、パーツ情報テーブル24には、更新にリスクがあるパーツであるか否かを示す情報、更新にリスクがあるパーツである場合に、そのリスク度合いを示す情報、および更新権限に関する情報なども含まれる。更新権限に関する情報は、例えば、更新権限を有するユーザUの情報を含む。
【0064】
〔3.2.3.作業履歴記憶部22〕
作業履歴記憶部22は、作業手順書で示される作業手順の実行履歴を示す作業履歴を記憶する。かかる作業履歴には、例えば、作業手順書で示される作業手順の各パーツで示される作業内容のユーザUによる実行履歴が含まれる。
【0065】
ユーザUが実行した作業内容の履歴には、例えば、保守作業者の作業履歴および作業確認者の確認履歴などの情報がパーツ毎に含まれる。保守作業者の作業履歴には、保守作業者による作業の有無、作業の日時、および作業時間などの情報が含まれる。作業確認者の確認履歴には、保守作業者が実行した作業の作業確認者による確認の有無、確認の日時、および確認時間などの情報が含まれる。
【0066】
また、保守作業者の作業履歴には、例えば、作業ミスの情報なども含まれる。作業ミスの情報は、作業ミスの有無、回数、および確率などをパーツ毎および保守作業者毎に含む情報である。なお、作業ミスの情報は、作業ミスが発生した日時、作業ミスを行った保守作業者、および作業ミスが発生した作業内容の確認を行った作業確認者などの情報を含んでいてもよい。
【0067】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0068】
図4に示すように、処理部12は、受付部30と、抽出部31と、更新部32と、提示部33と、取得部34と、算出部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、処理部12が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0069】
〔3.3.1.受付部30〕
受付部30は、端末装置2から通信部10および通信ネットワーク4を介して送信される種々の要求を受け付ける。種々の要求には、例えば、表示要求、編集要求、更新要求、または操作要求などが含まれる。
【0070】
表示要求には、端末装置2に表示させる情報である表示対象を特定するための情報が含まれている。表示対象は、例えば、作業手順書管理画面、パーツ管理画面、または作業支援画面などである。作業手順書管理画面は、作業手順書を管理するための画面である。パーツ管理画面は、作業手順を構成するパーツを管理するための画面である。作業支援画面は、作業手順書に含まれる作業手順で示される作業を支援する画面である。
【0071】
編集要求には、ユーザUが端末装置2を介して編集対象を特定するための情報が含まれている。編集対象は、例えば、作業手順書、作業手順、またはパーツなどである。
【0072】
更新要求は、情報処理装置1に設定されている情報のうち更新対象を特定したり更新したりするための情報が含まれている。更新対象は、作業手順書、作業手順、およびパーツなどである。受付部30は、更新要求を受け付けた場合、受け付けた更新要求に基づいて、記憶部11に記憶されている更新対象の情報を更新する。例えば、受付部30は、提示部33によってユーザUに提示された作業手順に含まれる2以上のパーツのうちユーザUに選択されたパーツを更新対象パーツとして受け付ける。
【0073】
操作要求は、サーバ装置3を操作するコマンドの情報またはコマンドを特定するための情報であるコマンド情報を含む。受付部30は、操作要求を受け付けると、コマンド情報に含まれるコマンドまたはコマンド情報で特定されるコマンドをサーバ装置3に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信する。
【0074】
受付部30は、サーバ装置3に送信したコマンドのサーバ装置3による実行結果であるコマンド実行結果をサーバ装置3から通信ネットワーク4および通信部10を介して取得する。
【0075】
操作要求は、操作対象となるサーバ装置3を特定するサーバ情報を含んでいてもよい。この場合、受付部30は、操作要求を受け付けると、サーバ情報で特定されるサーバ装置3に対して、コマンド情報に含まれるコマンドまたはコマンド情報で特定されるコマンドをサーバ装置3に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信する。
【0076】
受付部30は、サーバ装置3からのアラートの通知先が情報処理装置1である場合、サーバ装置3からのアラートの通知を受け付ける。
【0077】
〔3.3.2.抽出部31〕
抽出部31は、更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれる場合、更新対象パーツを含む2以上の作業手順および2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを抽出する。
【0078】
例えば、受付部30によって受け付けられた要求が作業手順に含まれるパーツの更新要求であるとする。この場合、抽出部31は、更新要求に含まれる更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれるか否かを判定する。更新対象パーツは、更新対象としてユーザUによって選択されたパーツである。抽出部31は、更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれる場合、更新対象パーツを含む2以上の作業手順および2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを抽出する。
【0079】
〔3.3.3.更新部32〕
更新部32は、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを更新する。
【0080】
例えば、更新部32は、ユーザUの操作に基づいて、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順の各々に含まれる更新対象パーツを一括して更新する。また、更新部32は、ユーザUの操作に基づいて、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順の複数の更新対象パーツのうちの一部の更新対象パーツを更新することもできる。
【0081】
また、更新部32は、更新対象パーツが特定種類のパーツである場合、更新権限がある一部のユーザUの操作に基づいて、更新対象パーツを更新し、更新権限がない残りのユーザの操作によっては、更新対象パーツを更新しない。特定種類のパーツは、更新権限があるユーザUが特定のユーザであるパーツである。
【0082】
〔3.3.4.提示部33〕
提示部33は、受付部30によって受け付けられた要求に応じて、各種の情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、ユーザUに各種の情報を提示する。
【0083】
例えば、提示部33は、受付部30によって受け付けられた要求が表示要求である場合、かかる表示要求に応じた情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、表示要求に応じた情報をユーザUに提示する。
【0084】
例えば、受付部30によって受け付けられた要求が作業手順書管理画面の表示要求であるとする。この場合、提示部33は、作業手順書管理画面の情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、表示要求に応じた作業手順書管理画面の情報をユーザUに提示する。
【0085】
図7は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面の一例を示す図である。
図7に示す作業手順書管理画面40は、作業手順書M1を示す作業手順書表示領域41と、作業手順書M2を示す作業手順書表示領域42とを含む。作業手順書M1は、例えば、サーバ装置3
1の作業手順書であり、作業手順書M2は、例えば、サーバ装置3
2の作業手順書である。
【0086】
作業手順書表示領域41には、作業手順表示領域43,44と作業手順追加ボタン45が含まれる。作業手順表示領域43には、トリガX1に対する作業手順Y1が示され、作業手順表示領域44には、トリガX2に対する作業手順Y2が示される。
【0087】
作業手順表示領域43には、編集ボタン43aと、削除ボタン43bと、フローチャート編集ボタン43cとが含まれる。また、作業手順表示領域44には、編集ボタン44aと、削除ボタン44bと、フローチャート編集ボタン44cとが含まれる。
【0088】
編集ボタン43aは、作業手順表示領域43で示されるトリガ、作業手順名、またはパーツを編集するためのボタンである。ユーザUは、端末装置2を操作して編集ボタン43aを選択することで、作業手順表示領域43の編集要求が端末装置2から通信ネットワーク4を介して情報処理装置1に送信される。作業手順表示領域43の編集要求は、受付部30によって受け付けられる。
【0089】
提示部33は、受付部30によって作業手順表示領域43の編集要求が受け付けられた場合、作業手順表示領域43を編集可能とした作業手順書管理画面40の情報を端末装置2に送信する。これにより、作業手順表示領域43のトリガ、作業手順名、またはパーツが編集可能に端末装置2に表示される。
【0090】
同様に、ユーザUは、端末装置2を操作して編集ボタン44aを選択することで、作業手順表示領域44のトリガ、作業手順名、またはパーツが編集可能に端末装置2に表示させる。これにより、ユーザUは、作業手順表示領域44の編集を行うことができる。
【0091】
削除ボタン43bは、作業手順表示領域43で示される作業手順の情報を削除するためのボタンである。ユーザUは、端末装置2を操作して削除ボタン43bを選択することで、作業手順表示領域43の削除要求が端末装置2から通信ネットワーク4を介して情報処理装置1に送信される。作業手順表示領域43の削除要求は、受付部30によって受け付けられる。
【0092】
受付部30は、作業手順表示領域43の削除要求を受け付けると、作業手順表示領域43で示される作業手順の情報を記憶部11から削除する。また、提示部33は、受付部30によって作業手順表示領域43の削除要求が受け付けられた場合、作業手順表示領域43を削除した作業手順書管理画面40の情報を端末装置2に送信することで、端末装置2に更新後の作業手順書管理画面40を表示させる。
【0093】
同様に、ユーザUは、端末装置2を操作して削除ボタン44bを選択することで、作業手順表示領域44を削除することができる。
【0094】
フローチャート編集ボタン43cは、作業手順表示領域43で示される作業手順Y1を構成する複数のパーツをフローチャート形式で編集するためのボタンである。ユーザUは、端末装置2を操作してフローチャート編集ボタン43cを選択することで、作業手順表示領域43のフローチャート編集要求が端末装置2から通信ネットワーク4を介して情報処理装置1に送信される。作業手順表示領域43のフローチャート編集要求は、受付部30によって受け付けられる。
【0095】
提示部33は、作業手順表示領域43のフローチャート編集要求が受付部30によって受け付けられた場合、端末装置2に作業手順編集画面を表示させる。例えば、提示部33は、作業手順表示領域43で示される作業手順Y1を構成する複数のパーツをフローチャート形式で編集可能とした作業手順編集画面の情報を端末装置2に送信することで、端末装置2に作業手順編集画面を表示させる。
【0096】
同様に、ユーザUは、フローチャート編集ボタン44cを選択することで、作業手順表示領域44で示される作業手順Y2を構成する複数のパーツをフローチャート形式で編集可能とした作業手順編集画面を端末装置2に表示させることができる。
【0097】
図8は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順編集画面の一例を示す図である。
図8に示す作業手順編集画面47には、パーツ一覧表示領域48と、フローチャート表示領域49とが含まれる。
【0098】
パーツ一覧表示領域48には、各種のパーツの情報が表示される。ユーザUは、端末装置2を操作して、パーツ一覧表示領域48からパーツを選択し、選択したパーツをドラックアンドドロップなどによってフローチャート表示領域49に追加で配置することで、作業手順Y1の変更を行うことができる。
【0099】
図8に示すフローチャート表示領域49には、作業手順Y1を構成する複数のパーツ49a,49b,49c,49d,49e,49fがフローチャート形式で配置されている。
【0100】
ユーザUは、端末装置2を操作して、作業手順Y1を変更することができる。例えば、ユーザUは、端末装置2を操作して、フローチャート表示領域49における複数のパーツ49a,49b,49c,49d,49e,49fのうちの1以上のパーツの位置を変更することができる。また、ユーザUは、端末装置2を操作して、複数のパーツ49a,49b,49c,49d,49e,49fのうちの1以上のパーツを削除することができる。
【0101】
また、作業手順編集画面47において、各パーツ49a,49b,49c,49d,49e,49fは、パーツ種別毎に異なる提示態様で表示されている。これにより、ユーザUは、パーツ49a,49b,49c,49d,49e,49fの種別を容易に把握することができる。例えば、各パーツは、パーツ種別毎に色、フォント、文字サイズ、および模様のうちの1以上が異なる提示態様で示される。
【0102】
作業手順編集画面47には、不図示の確定ボタンが配置されている。ユーザUは、端末装置2を操作して、不図示の確定ボタンを選択することができる。不図示の確定ボタンの選択により、フローチャート表示領域49で示されるフローチャートの情報を含むフローチャートの更新要求が端末装置2から通信ネットワーク4を介して情報処理装置1に送信される。フローチャートの更新要求は、受付部30によって受け付けられる。
【0103】
提示部33は、受付部30によってフローチャートの更新要求が受け付けられた場合、フローチャートの更新要求に含まれるフローチャートの情報に基づいて、作業手順書情報記憶部20に記憶されている作業手順書情報テーブルを更新する。
【0104】
また、ユーザUは、端末装置2を操作して作業手順追加ボタン45を選択することで、作業手順書表示領域41に新たな作業手順を追加することができる。作業手順追加ボタン45が選択された場合、情報処理装置1は、端末装置2に作業手順編集画面を表示させる。この場合、端末装置2に表示される作業手順編集画面は、フローチャート表示領域49にパーツが配置されていない作業手順編集画面47である。
【0105】
ユーザUは、端末装置2を操作してパーツ一覧表示領域48からパーツを選択し、選択したパーツをドラックアンドドロップなどによってパーツ一覧表示領域48に追加する処理を繰り返すことで、複数のパーツで構成された新たな作業手順を作成することができる。
【0106】
また、受付部30によって受け付けられた要求がパーツ管理画面の表示要求であるとする。この場合、提示部33は、表示要求に応じたパーツ管理画面の情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、表示要求に応じたパーツ管理画面の情報をユーザUに提示する。
【0107】
図9は、実施形態に係る端末装置に表示されるパーツ管理画面の一例を示す図である。
図9に示すパーツ管理画面50は、ボタン表示領域51と、パーツ種別表示領域52と、パーツ表示領域53と、時間コスト表示領域54とを含む。
【0108】
ボタン表示領域51は、パーツの情報を編集するための編集ボタンとパーツの情報を削除するための削除ボタンとを含む。ボタン表示領域51において、編集ボタンおよび削除ボタンの各々はパーツ毎に含まれる。
【0109】
パーツ種別表示領域52には、各パーツのパーツ種別が示される。パーツ表示領域53には、パーツキーが示される。ユーザUは、端末装置2を操作することでパーツキーを選択することで、パーツを示す情報がポップアップ表示される。ユーザUは、端末装置2を操作することで、ポップアップ表示されたパーツを示す情報を編集可能である。時間コスト表示領域54には、各パーツの時間コストが示される。
【0110】
また、受付部30によって受け付けられた要求が作業支援画面の表示要求であるとする。この場合、提示部33は、表示要求に応じた作業支援画面の情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、表示要求に応じた作業支援画面の情報をユーザUに提示する。作業支援画面には、表示要求に応じた作業手順を示す作業手順画面と、ユーザUが作業を行うための作業画面とが含まれる。
【0111】
図10は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面の一例を示す図である。
図10に示す作業支援画面60は、作業手順を示す作業手順領域61と、ユーザUが作業を行うための作業領域62とを含む。
【0112】
作業手順領域61には、アラート表示領域63と、作業手順名表示領域64と、作業手順表示領域65とが含まれる。アラート表示領域63には、サーバ装置3に生じた障害を知らせるアラートの名称が示される。作業手順名表示領域64には、アラート表示領域63で示されるアラートに対処するための作業手順の名称が示される。作業手順表示領域65には、アラート表示領域63で示されるアラートに対処するための作業手順が示され、
図10に示す例では、パーツ65a,65b,65c,65d,65e,65fが含まれる。
【0113】
図10に示す例では、アラートとしてトリガX1に対処するための作業手順の名称が作業手順Y1であり、かかる作業手順Y1は、パーツ65a,65b,65c,65d,65e,65fで構成されている。
図10に示す例では、パーツ65a,65b,65c,65d,65e,65fがフローチャート形式で配置される。
【0114】
パーツ65aで示される作業は、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量の確認作業であり、パーツ65bで示される作業は、ディレクトリ「/tmp/work」内のファイルの削除作業である。パーツ65cで示される作業は、パーツ65aで示される作業と同様に、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量の確認作業である。パーツ65dで示される作業は、ディレクトリ「/tmp/work」内の空き容量が50%以上であるか否かの確認作業である。
【0115】
パーツ65eで示される作業は、ディレクトリ「/tmp/work」内の空き容量が50%以上ではない場合に、サービス提供部署や保守作業部署の管理者に電話で連絡後に終了する作業である。パーツ65fで示される作業は、ディレクトリ「/tmp/work」内の空き容量が50%以上である場合に、サービス提供部署や保守作業部署の管理者に連絡することなく作業を終了する作業である。
【0116】
作業領域62は、ユーザUが作業を行うための画面であり、例えば、障害が発生したサーバ装置3に対する操作結果などを示す画面である。ユーザUは、端末装置2を操作することによって、作業領域62に各種のコマンドなどを入力することによって、操作要求を端末装置2から情報処理装置1へ送信させることができる。操作要求は、例えば、サーバ装置3を操作するコマンドの情報またはコマンドを特定するための情報であるコマンド情報を含む。
【0117】
作業手順領域61において作業手順表示領域65に配置されるパーツ65a,65b,65cは、ユーザUによる端末装置2の操作によって選択された場合に、端末装置2から操作要求を送信するUI(User Interface)を含んでいてもよい。
【0118】
図11は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面においてパーツが選択された場合に実行される処理の一例を示す図である。
図11に示すパーツ65a,65b,65cは、コマンドなどが埋め込まれたUIを含む。
【0119】
パーツ65a,65cには、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を確認するためのコマンドをサーバ装置31に送信するための情報が含まれている。パーツ65bには、ディレクトリ「/tmp/work」内のファイルを削除するためのコマンドをサーバ装置31に情報処理装置1を介して送信するための情報が含まれている。
【0120】
パーツ65bには、ディレクトリ「/tmp/work」内のファイルの一覧を表示するためのコマンドをサーバ装置31に情報処理装置1を介して送信するための情報が含まれていてもよい。コマンドをサーバ装置31に情報処理装置1を介して送信するための情報は、例えば、スプリクト言語で記述された情報であるが、かかる例に限定されない。
【0121】
図11に示す例では、パーツ65aがユーザUによって選択されており、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を確認するためのコマンドが端末装置2から情報処理装置1を介してサーバ装置3
1に送信される。サーバ装置3
1は、端末装置2から情報処理装置1を介して送信されるコマンドを実行した結果であるコマンド実行結果を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、サーバ装置3
1から送信されるコマンド実行結果を端末装置2に送信し、作業支援画面60の作業領域62にコマンド実行結果を表示させる。
【0122】
また、パーツ65bがユーザUによって選択された場合、ディレクトリ「/tmp/work」内のファイルを削除するためのコマンドが端末装置2から情報処理装置1を介してサーバ装置31に送信される。サーバ装置31は、端末装置2から情報処理装置1を介して送信されるコマンドを実行した結果であるコマンド実行結果を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1は、サーバ装置31から送信されるコマンド実行結果を端末装置2に送信し、作業支援画面60の作業領域62にコマンド実行結果を表示させる。
【0123】
このように、パーツ65a,65b,65cなどのパーツは、サーバ装置31に入力されるコマンドなどが埋め込まれたUIを含んで作業支援画面60に配置されてもよい。これにより、ユーザUは、作業ミスを行うことなく、パーツで示される作業内容を実行することができる。
【0124】
なお、提示部33は、作業支援画面60の作業領域62にコマンド実行結果を表示させる場合、サーバ装置31に入力されたコマンドに対応するパーツを自動的に仮終了状態の提示態様にすることもできる。
【0125】
なお、
図10に示すパーツ65dは、例えば、作業領域62に表示されているコマンド実行結果に基づいて、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量が50%以上であるか否かを判定するための情報などを含んでいてもよい。この場合、ユーザUは、パーツ65dを選択することで、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量が50%以上であるか否かを示す情報が作業支援画面60の作業領域62に表示される。
【0126】
また、
図10に示すパーツ65eは、例えば、サービス提供部署に電話連絡をするための電話アプリケーションを起動させて電話をかける処理を端末装置2に実行させる情報を含んでいてもよい。この場合、ユーザUは、パーツ65eを選択することで、サービス提供部署に容易に電話連絡をすることができる。
【0127】
なお、パーツ65a,65b,65cには、コマンドの情報を含まなくてもよい。この場合、情報処理装置1の受付部30は、パーツ65a,65b,65cが選択されたことを示す情報を受け付けた場合に、選択されたパーツに対応するコマンドをサーバ装置31に送信する構成であってもよい。
【0128】
また、提示部33は、作業手順を構成する複数のパーツのうちの少なくとも一部のパーツに付加情報を付加した作業手順をユーザUに提示する。例えば、提示部33は、表示要求に応じた作業手順の情報をユーザUに提示する場合、複数の作業内容の各々に対する作業時間であるパーツ単位作業時間を付加情報としてユーザに提示することができる。
【0129】
図10に示す作業手順領域61では、各パーツ65a,65b,65c,65d,65e,65fの位置に対応する位置にパーツ単位作業時間と、作業手順Y1の作業を実行するのに要する時間である総作業時間が示されている。パーツ単位作業時間および総作業時間は、作業時間の目安として予め設定された標準時間であるが、過去に作業を行った全ユーザUの過去の作業履歴から得られる平均作業時間であってもよく、作業を行うユーザUによる過去の作業履歴から得られる予想作業時間であってもよい。
【0130】
パーツ単位作業時間および総作業時間は、後述するように、算出部35によって算出される。総作業時間は、作業手順に分岐のパーツがある場合、作業時間の最大値であり、作業手順に分岐のパーツがない場合、作業時間の合計値である。
【0131】
図10に示す作業手順領域61によって、ユーザUは、パーツ65a,65b,65c,65d,65e,65fで示される作業内容の作業に要する時間であるパーツ単位作業時間が3分、10分、3分、2分、1分、および10分であることを容易に把握できる。また、作業手順領域61内には、総作業時間が28分であることが示されている。
【0132】
これにより、ユーザUは、作業手順の作業を実行するのに要する時間または作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容の各々の作業を実行するのに要する時間などを把握することができ、作業の目安とすることができる。
【0133】
また、提示部33は、表示要求に応じた作業手順の情報をユーザUに提示する場合、作業手順において作業にリスクがある作業内容を示すパーツが含まれている場合、作業にリスクがある作業内容を示すパーツであることを付加情報としてユーザUに提示する。作業にリスクがある作業内容を示すパーツは、例えば、ファイルの削除作業を作業内容として作業内容を示すパーツ、または物理領域のフォーマット作業を作業内容として作業内容を示すパーツなどである。
【0134】
図10に示す作業手順領域61では、パーツ65bを示す領域内に、パーツ65bで示される作業内容の情報65b1に加え、作業にリスクがあるパーツであることを示す情報65b2が含まれる。情報65b2は、「危険」の文字情報であるが、かかる例に限定されない。
【0135】
作業にリスクがあるパーツであることを示す情報は、例えば、危険度を示す情報であってもよい。危険度を示す情報は、例えば、危険度が小、危険度が中、または危険度が大などであるが、パーセンテージで示されていてもよい。また、作業にリスクがあるパーツであることを示す情報は、例えば、作業ミスが発生した場合の被害内容を示す情報であってもよい。
【0136】
このように、提示部33は、作業内容のリスクに関する情報を付加情報として付加した作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1では、ユーザUは、パーツで示される作業内容のリスクを把握することができ、例えば、リスクが高い作業をより慎重に行うことができる。
【0137】
提示部33は、サーバ装置3に障害が発生して情報処理装置1および保守作業部署などに対してアラートが通知された場合において、作業者選定画面を保守作業部署のユーザU(例えば、保守作業部署の管理者)の端末装置2に表示させることもできる。作業者選定画面は、保守作業部署において保守作業を行うユーザUを選定するための画面である。
【0138】
図12は、実施形態に係る端末装置に表示される作業者選定画面の一例を示す図である。
図12に示す作業者選定画面70には、作業手順Y1を構成する複数のパーツに付加情報が付加されている。
【0139】
図12に示すように、作業者選定画面70では、作業手順Y1を構成する各パーツに対して、パーツ単位作業時間、総作業時間、および習熟度の各々の情報が付加されている。パーツ単位作業時間は、パーツで示される作業内容の作業に要する時間である。総作業時間は、作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容の作業をすべて行うのに要する時間である。習熟度は、作業手順Y1に対する習熟度である。
【0140】
図12に示す例では、パーツキーp-002のパーツで示される作業内容に対するパーツ単位作業時間は、部署平均で3分、ユーザU
1で1.5分、ユーザU
2で2分、ユーザU
kで2分である。なお、パーツ単位作業時間の部署平均は、保守作業部署のユーザU
1~U
kのうち作業実績のあるユーザUのパーツ単位作業時間の平均値である。
【0141】
また、
図12に示す例では、パーツキーp-001のパーツで示される作業内容に対するパーツ単位作業時間は、部署平均で10分、ユーザU
1で18分、およびユーザU
2で10分であるが、ユーザU
kのパーツ単位作業時間が示されていない。これは、ユーザU
kがパーツキーp-001のパーツで示される作業内容の作業を行ったことがないためである。
【0142】
また、
図12に示す例では、パーツキーp-003のパーツで示される作業内容に対するパーツ単位作業時間は、部署平均で3分、ユーザU
1で1.5分、ユーザU
2で3分であるが、ユーザU
kのパーツ単位作業時間が示されていない。これは、ユーザU
kがパーツキーp-003のパーツで示される作業内容の作業を行ったことがないためである。
【0143】
また、
図12に示す例では、パーツキーp-004のパーツで示される作業内容に対するパーツ単位作業時間は、部署平均で1分、ユーザU
1で1分、ユーザU
2で1分であるが、ユーザU
kではパーツ単位作業時間が示されていない。これは、ユーザU
kがパーツキーp-004のパーツで示される作業内容の作業を行ったことがないためである。
【0144】
また、
図12に示す例では、パーツキーp-005のパーツで示される作業内容に対するパーツ単位作業時間は、部署平均で10分、ユーザU
1で5分、ユーザU
2で10分であるが、ユーザU
kのパーツ単位作業時間が示されていない。これは、ユーザU
kがパーツキーp-005のパーツで示される作業内容の作業を行ったことがないためである。
【0145】
また、
図12に示す例では、作業手順Y1に対する総作業時間は、部署平均で28分、ユーザU
1で18分、ユーザU
2で27分であるが、ユーザU
kの総作業時間が示されていない。これは、ユーザU
kが作業手順Y1における複数の作業内容のうちの少なくとも一部の作業内容の作業を行ったことがないためである。なお、総作業時間の部署平均は、保守作業部署のユーザU
1~U
kのうち作業手順Y1の作業実績のあるユーザUの総作業時間の平均値である。
【0146】
また、
図12に示す例では、作業手順Y1に対する習熟度は、部署平均で33%、ユーザU
1で66%、ユーザU
2で33%であるが、ユーザU
kの習熟度が示されていない。これは、ユーザU
kが作業手順Y1における複数の作業内容のうちの少なくとも一部の作業内容の作業を行ったことがないためである。なお、習熟度の部署平均は、保守作業部署のユーザU
1~U
kのうち作業実績のあるユーザUの習熟度の平均値である。
【0147】
ここで、習熟度は、例えば、作業手順Y1を行った回数である作業回数が増加するほど高くなるが、作業回数に代えてまたは加えて、作業手順Y1に対するユーザUの総作業時間が短くなるほど高くなってもよい。
【0148】
このように、提示部33は、作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容に対する総作業時間および複数の作業内容の各々に対する作業時間であるパーツ単位作業時間のうちの少なくとも一方を示す情報を付加情報として付加した作業手順を提示する。
【0149】
これにより、例えば、情報処理装置1は、保守作業部署のユーザU1~UkのうちどのユーザUを作業者として保守作業を実行させるかを判断する目安を保守作業部署の管理者などに提示することができる。そのため、例えば、保守作業部署の管理者は、難しい作業の振り先やメンバー交代可否の判断を行う際に適切なユーザUを作業者として選定することができる。
【0150】
作業者選定画面70に示される習熟度の情報は、作業手順単位の習熟度の情報に加えてまたは代えて、パーツ単位の習熟度の情報を含んでいてもよい。これにより、保守作業部署の管理者は、例えば、1つの作業手順を複数の保守作業者に分担して実行させる場合に適切なユーザUを保守作業者として選定することができる。
【0151】
なお、提示部33は、例えば、ユーザU1~Ukの各々の時間単価の情報を作業者選定画面70に含めることもできる。これにより、保守作業部署の管理者は、例えば、習熟度があるレベル以上であるユーザUが複数いる場合において、これら複数のユーザUのうち時間単価の低いユーザUから順に保守作業者として選定することで、保守作業の単価を下げることができる。
【0152】
また、提示部33は、例えば、ユーザU1~Ukの各々の作業ミスの有無、作業ミスの回数、および作業ミスの確率などをパーツ毎に示す情報を作業者選定画面70に含めることもできる。これにより、保守作業部署の管理者は、ミスが許されない作業内容については、作業ミスがないまたは少ないユーザUを作業者として選定することで、作業ミスの可能性を低減することができる。
【0153】
また、提示部33は、
図12に示すように、複数のパーツで示される複数の作業内容に対するユーザUの習熟度に関する情報を付加情報として付加した作業手順を保守作業者であるユーザUまたは作業確認者である他のユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1では、例えば、作業に適した適切なユーザUを選択することができる。
【0154】
作業者選定画面70において、保守作業を行うユーザUが選定された場合、選定されたユーザUの情報である作業者情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。情報処理装置1の提示部33は、端末装置2からの作業者情報が受付部30で受け付けられた場合、作業者情報で示されるユーザUに対して作業支援画面を提示する。
【0155】
なお、作業者選定画面70において、保守作業を行うユーザUに加えて、保守作業の確認を行う作業確認者が選択された場合、選定されたユーザUの情報である確認者情報が端末装置2から情報処理装置1に送信される。情報処理装置1の提示部33は、端末装置2からの確認者情報が受付部30で受け付けられた場合、確認者情報で示されるユーザUに対して作業支援画面を提示する。
【0156】
また、受付部30によって受け付けられた要求が設定要求であるとする。この場合、提示部33は、設定要求に基づいて記憶部11に記憶された情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、設定要求に基づいて記憶部11に記憶された情報をユーザUに提示する。
【0157】
また、提示部33は、受付部30によって受け付けられた要求が更新要求である場合、更新要求に基づいて更新された情報を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、更新要求に基づいて更新された情報をユーザUに提示する。
【0158】
例えば、受付部30によって受け付けられた要求が作業手順書に含まれる作業手順を構成するパーツの更新要求であるとする。この場合、提示部33は、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツが強調表示された状態で2以上の作業手順をユーザUに提示する。更新対象パーツの強調表示は、色、模様、枠形状、フォント、文字サイズ、および文字の修飾などのうちの1以上を他のパーツと異なる態様とすることによって行われる。
【0159】
また、受付部30によって受け付けられた要求が操作要求であるとする。この場合、提示部33は、受付部30によってサーバ装置3から取得されたコマンド実行結果を端末装置2に通信部10および通信ネットワーク4を介して送信することで、操作要求で示されるコマンドと共にコマンド実行結果をユーザUに提示する。
【0160】
また、提示部33は、取得部34によって取得された作業情報に基づく提示態様で作業手順をユーザUに提示する。例えば、提示部33は、取得部34によって取得された作業情報に基づいて、複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順をユーザUに提示する。
【0161】
また、提示部33は、取得部34によって取得された作業情報に基づいて、複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順を、作業確認者に提示する。作業確認者は、作業内容の作業を実行したユーザUである保守作業者とは異なる他のユーザUであって、保守作業者の作業を確認するユーザUである。
【0162】
また、提示部33は、複数のパーツのうち他のユーザUによって確認された作業内容を示すパーツを作業確認者によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順を保守作業者に提示する。
【0163】
また、提示部33は、未確認パーツよりも後に行われる作業内容が保守作業者によって実行された場合であっても、未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの提示態様を変更しない。未確認パーツは、保守作業者によって実行されたパーツであって作業確認者が未確認のパーツである。
【0164】
〔3.3.5.取得部34〕
取得部34は、作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報または作業手順の過去の実行履歴のうちの少なくとも一方の情報を作業情報として取得する。
【0165】
例えば、取得部34は、作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報を通信ネットワーク4および通信部10を介して端末装置2または記憶部11から取得する。また、取得部34は、作業手順の過去の実行履歴を記憶部11から取得する。
【0166】
取得部34によって取得された作業情報は、複数のパーツで示される作業内容のうち保守作業者であるユーザUによって実行された作業内容に対して作業確認者である他のユーザUが確認したことを示す情報を含む。
【0167】
〔3.3.6.算出部35〕
算出部35は、取得部34によって取得された作業情報に基づいて、総作業時間およびパーツ単位作業時間のうちの少なくとも一方をユーザU単位またはユーザU全体単位で算出する。総作業時間は、作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容の作業をすべて実行するのに要する時間であり、パーツ単位作業時間じゃ、各パーツで示される作業内容の作業を実行するのに要する時間である。
【0168】
ユーザU全体単位の総作業時間は、全ユーザUの総作業時間の作業手順毎の平均値であり、ユーザU全体単位のパーツ単位作業時間は、全ユーザUのパーツ単位作業時間の平均値である。ユーザU単位の総作業時間は、各ユーザUの総作業時間であり、ユーザU単位のパーツ単位作業時間は、各ユーザUのパーツ単位作業時間である。
【0169】
また、算出部35は、作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容に対するユーザUの習熟度を算出する。例えば、算出部35は、複数のパーツの各々で示される作業内容に対するユーザUの習熟度を算出する。算出部35は、例えば、ユーザUが作業内容の作業を行った回数、頻度、および作業時間の少なくとも1つに基づいて、各作業内容に対する習熟度を算出することができる。また、算出部35は、ユーザU単位のパーツ単位作業時間に対するユーザU全体単位のパーツ単位作業時間の比をパーツ単位の習熟度として算出することができる。
【0170】
また、算出部35は、作業手順単位の習熟度を算出する。算出部35は、例えば、作業手順を構成する複数の作業内容の各々に対する習熟度を重み付けして合算することで、作業手順単位の習熟度を算出する。また、算出部35は、ユーザUの総作業時間に対するユーザU全体単位の総作業時間の比を作業手順単位の習熟度として算出することもできる。
【0171】
〔3.3.7.処理部12による作業支援処理の一例〕
図13は、実施形態に係る情報処理装置によって実行される作業支援処理の一例を示すシーケンス図である。
【0172】
図13に示すように、情報処理装置1の受付部30は、サーバ装置3に障害が発生した場合、サーバ装置3から送信されるアラートを通信部10および通信ネットワーク4を介して受け付けることで、サーバ装置3の障害を検知する(ステップS10)。
【0173】
図示しないが、処理部12における提示部33は、受付部30によってサーバ装置3の障害が検知された場合、保守作業部署の管理者の端末装置2に作業者選定画面を表示させ、保守作業部署の管理者に保守作業者と作業確認者とを選定させる。
図13では、拠点ZでユーザU
1が保守作業者として選定され、拠点Zから離れた位置にある拠点WでユーザU
2が作業確認者として選定されている。
【0174】
そして、処理部12の提示部33は、障害が検知されたサーバ装置3の障害に対する保守作業を行うための作業手順の情報を含む作業支援画面を生成する(ステップS11)。ここでは、受付部30によって検知されたサーバ装置3の障害がトリガX1で示される障害であり、提示部33によって、トリガX1に対する作業手順Y1の情報を含む作業支援画面60(
図10参照)が生成されるものとする。
【0175】
提示部33は、ステップS11で生成した作業支援画面60の情報を端末装置21と端末装置22とに送信し(ステップS12,S13)、端末装置21と端末装置22とにステップS11で生成した作業支援画面60を表示させる(ステップS14,S15)。これにより、ステップS11で生成された作業支援画面60がユーザU1とユーザU2とに提示される。
【0176】
ユーザU1は、端末装置21に表示された作業支援画面60の作業手順領域61を参照し、作業手順領域61で示される作業手順を構成する複数のパーツで示される複数の作業内容を順に実行する。ここでは、ユーザU1は、まず、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容を実行する(ステップS16)。
【0177】
パーツB(パーツ65a)で示される作業内容は、作業領域62でディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を示す情報を表示するためのコマンドによって、作業領域62に表示されるディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を確認する作業である。
【0178】
ユーザU1によるパーツB(パーツ65a)で示される作業内容の実行により作業支援画面60の作業領域62が更新された場合、更新された作業領域62を含む作業支援画面60は、端末装置22にも表示される。これにより、ユーザU2は、ユーザU1の作業内容をリアルタイムに把握することができる。
【0179】
ユーザU1は、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容を実行した後、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容の作業が完了したことをユーザU2に通知するために端末装置21を操作し、作業手順領域61におけるパーツ65aを選択する(ステップS17)。
【0180】
これにより、パーツB(パーツ65a)の選択を示す情報が端末装置21から情報処理装置1に送信され(ステップS18)。情報処理装置1によって、作業支援画面60が更新され、パーツB(パーツ65a)が仮終了状態の提示態様に変更された作業支援画面60が生成される(ステップS19)。
【0181】
提示部33は、ステップS19で更新した作業支援画面60の情報を端末装置21と端末装置22とに送信し(ステップS20,S21)、端末装置21と端末装置22とにステップS19で生成した作業支援画面60を表示させる(ステップS22,S23)。これにより、ステップS19で更新された作業支援画面60がユーザU1とユーザU2とに提示される。作業支援画面60では、複数のパーツのうち、ユーザU1によって実行された作業内容を示すパーツを、ユーザU1によって実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示される。
【0182】
図14は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面の他の例を示す図である。
図14に示す作業支援画面60は、ステップS19で更新された作業支援画面の一例である。
図14に示す作業支援画面60では、作業手順領域61において、パーツ65aが他のパーツに比べて枠が太線とされて提示態様が変更されている。なお、提示態様の変更は、文字サイズ、文字フォント、枠形状、または色などを変更することによって行われてもよい。
【0183】
また、
図14に示す作業支援画面60の作業手順領域61には、パーツで示される作業内容を実行するのに必要な作業時間の情報が付加情報として各パーツに付加されている。
図14に示す例では、予め設定された標準時間が付加情報として示されているが、標準時間に代えてまたは加えて、ユーザU
1のパーツ単位作業時間が付加情報として示されてもよい。
【0184】
また、
図14に示す作業支援画面60の作業手順領域61には、付加情報として作業内容のリスクに関する情報がパーツ65bに付加されている。作業内容のリスクに関する情報は、例えば、作業にリスクがある作業内容を示すパーツであることを示し、
図14に示す例では、「危険」の文字情報であるが、かかる例に限定されない。
【0185】
また、
図14に示す作業支援画面60の作業手順領域61には、作業手順Y1に対するユーザU
1の習熟度が付加情報として各パーツに付加されていてもよい。これにより、ユーザU
2は、ユーザU
1の習熟度を参考にユーザU
1の作業を確認することができる。
【0186】
図14に示す作業支援画面60は、端末装置2
2にも表示される。これにより、ユーザU
2は、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容が終了したことをユーザU
1が設定したことを把握することができる。作業支援画面60の作業領域62には、ディレクトリ「/tmp/work」の空き容量を示す情報を表示するためのコマンドとそのコマンドに対するサーバ装置3の応答とが示されている。ユーザU
2は、作業支援画面60の作業領域62を確認することで、パーツB(パーツ65a)の実行を確認、すなわちパーツB(パーツ65a)で示される作業内容が終了したことか否かを確認する(ステップS24)。
【0187】
ユーザU2は、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容が終了したことを確認できた場合、端末装置22を操作して作業手順領域61におけるパーツ65aを選択する(ステップS25)。これにより、パーツB(パーツ65a)の選択を示す情報が端末装置22から情報処理装置1に送信され(ステップS26)。情報処理装置1によって、作業支援画面60の更新が行われ、パーツ65aが終了状態の提示態様に変更された作業支援画面60が生成される(ステップS27)。
【0188】
提示部33は、ステップS27で更新した作業支援画面60の情報を端末装置21と端末装置22とに送信し(ステップS28,S29)、端末装置21と端末装置22とにステップS27で更新した作業支援画面60を表示させる(ステップS30,S31)。これにより、ステップS27で生成された作業支援画面60がユーザU1とユーザU2とに提示される。
【0189】
図15は、実施形態に係る端末装置に表示される作業支援画面のさらに他の例を示す図である。
図15に示す作業支援画面60は、ステップS27で生成された作業支援画面の一例である。
図15に示す作業支援画面60では、作業手順領域61において、パーツ65aが他のパーツに比べて枠内にハッチングが付され且つ文字サイズが小さくされて提示態様が変更されている。なお、提示態様の変更は、文字フォント、枠形状、または色などを変更することによって行われてもよい。
【0190】
また、
図15に示す作業支援画面60では、パーツB(パーツ65a)で示される作業内容を作業するのにユーザU
1が要した実績時間も表示される。これにより、ユーザU
1,U
2は、作業の進捗状況をさらに具体的に把握することができる。
【0191】
なお、ユーザU2によってパーツB(パーツ65a)が未選択である状態では、ユーザU1による次のパーツA(パーツ65b)が選択されても仮終了状態の表示態様にならない。すなわち、提示部33は、ユーザU2による未確認のパーツよりも後に行われる作業内容がユーザU1によって実行された場合であっても、未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの提示態様を変更しない。これにより、ユーザU2による確認漏れを防ぐことができる。
【0192】
以降、ユーザU1によってパーツで示される作業内容が実行される度に、ステップS16~S31と同様の処理が行われる。これにより、ユーザU2は、ユーザU1が作業する場所とは異なる場所でユーザU1の作業を適切に確認することができ、作業ミスなどを抑制することができる。
【0193】
なお、提示部33は、ユーザU1の習熟度が予め設定された閾値以上である作業内容を示すパーツについては、ユーザU1によって選択されたパーツを、仮終了状態の表示態様にすることに代えて、終了状態の表示態様にすることができる。これによって、ユーザU1の習熟度が高い作業については、ユーザU2による確認を省略することができる。
【0194】
また、提示部33は、ユーザU1のパーツ単位作業時間がユーザU全体単位のパーツ単位作業時間よりも短い作業内容を示すパーツについては、ユーザU1によって選択されたパーツを、仮終了状態の表示態様にせずに、終了状態の表示態様にすることもできる。これによって、ユーザU1が慣れていると推定される作業については、ユーザU2による確認を省略することができる。
【0195】
〔3.3.8.処理部12による作業手順更新支援処理の一例〕
次に、処理部12による作業手順更新支援処理の一例について説明する。
図7に示す作業手順書管理画面40において、編集ボタン43aがユーザUによって選択された場合、作業手順表示領域43で示される作業手順Y1を編集可能に、作業手順書管理画面40が端末装置2に表示される。
【0196】
図16は、実施形態に係る端末装置に作業手順が編集可能に表示される作業手順書管理画面の一例を示す図である。
図16に示す作業手順書管理画面40では、ユーザUによる端末装置2への操作によって、パーツAが選択され且つパーツ変更(一括)が選択されている様子が示されている。パーツ変更(一括)は、作業手順書においてパーツAが複数の含まれている場合に、パーツAを一括して変更するための処理である。
【0197】
処理部12の提示部33は、パーツAが選択された場合、パーツAに対する複数種類の処理を選択するための選択ボックスを含む作業手順書管理画面40を端末装置2に表示させる。選択ボックスには、パーツ変更(個別)、パーツ変更(一括)、パーツ内容表示、およびパーツ削除が示されており、ユーザUは、これらの処理の中から1つの処理を選択することができる。
【0198】
パーツ変更(一括)は、選択されたパーツと同じパーツを作業手順書管理画面40ですべて強調表示し、選択されたパーツが変更された場合に選択されたパーツと同じパーツについても同じ変更を行う処理である。
【0199】
パーツ変更(個別)は、選択されたパーツと同じパーツを作業手順書管理画面40ですべて強調表示し、選択されたパーツが変更された場合に選択されたパーツと同じパーツの各々をユーザUの選択に従って同じ変更を行う処理である。
【0200】
パーツ内容表示は、選択されたパーツで示される作業内容をポップアップ表示させる処理である。パーツ削除は、選択されたパーツを削除する処理である。
【0201】
ここで、
図16のようにパーツAが選択され且つパーツ変更(一括)が選択されたとする。この場合、処理部12の抽出部31は、パーツAを更新対象パーツとし、更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれる場合、2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを抽出する。
【0202】
そして、処理部12の提示部33は、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツをユーザUに提示する。提示部33は、例えば、作業手順書管理画面40に更新対象パーツを強調表示することによって、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツをユーザUに提示する。
【0203】
図17は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが強調表示された状態の一例を示す図である。
図17に示す作業手順書管理画面40では、更新対象パーツとして、作業手順Y1に含まれるパーツAに加えて、作業手順Y2に含まれるパーツAおよび作業手順Y4に含まれるパーツAなどが強調表示されている。
【0204】
なお、提示部33は、複数の作業手順書に含まれる複数の作業手順のうち更新対象パーツであるパーツAが含まれる作業手順のみを作業手順書管理画面40に含め、それ以外の作業手順を作業手順書管理画面40から除外することができる。これにより、ユーザUは、更新対象パーツが多数の作業手順に含まれる場合であっても、更新対象パーツを含む作業手順および更新対象パーツを容易に把握することができる。
【0205】
図17に示す作業手順書管理画面40において、ユーザUは、端末装置2を操作して、各々更新対象パーツである複数のパーツAのうちの1つを選択し、選択したパーツAを変更することができる。例えば、ユーザUは、パーツAをパーツAAとすることができる。パーツAAは、例えば、「/tmp/workの空き容量を確認と/tmp/workにおける特定のファイルの存在確認」といったように、パーツAで示される作業内容にさらに作業内容を追加したパーツである。
【0206】
また、パーツAAは、例えば、「/tmp/work1の空き容量を確認」といったように、「/tmp/workの空き容量を確認」とは異なる作業内容を示すものであってもよい。また、ユーザUは、パーツAの名称を変えずに、パーツAで示される作業内容を変更することもできる。
【0207】
図18は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツの1つに対する更新操作が行われる様子の一例を示す図である。
図18に示す作業手順書管理画面40では、作業手順Y1のパーツAがパーツAAに変更される操作が行われている様子を示している。
図18に示すように、ユーザUは、端末装置2への操作によって、作業手順Y1のパーツAをパーツAAに変更する操作を行う。
【0208】
図19は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが更新される様子の一例を示す図である。
図18に示す作業手順書管理画面40において、ユーザUによる端末装置2への操作によって作業手順Y1のパーツAがパーツAAに変更される操作が行われた場合、更新部32は、
図19に示すように、2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツであるパーツAを一括してパーツAAとする更新を行う。
【0209】
なお、更新部32は、
図19に示す状態の作業手順書管理画面40において、ユーザUによる端末装置2への操作によって不図示の確定ボタンが選択された場合に、2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツであるパーツAを一括してパーツAAとする更新を行うこともできる。
【0210】
このように、情報処理装置1の処理部12は、ユーザUが更新対象として選択したパーツである更新対象パーツが複数の作業手順に含まれる場合、複数の作業手順に含まれる更新対象パーツをユーザUに通知し、これらの更新対象パーツをまとめて更新する。そのため、ユーザUは、更新対象パーツが含まれる作業手順を1つ1つ探しながら更新する作業を行う必要がなく、情報処理装置1の処理部12は、作業手順を更新する作業者であるユーザUの負担を軽減することができる。
【0211】
次に、ユーザUによる端末装置2への操作によって、パーツAが選択され且つパーツ変更(個別)が選択された場合における処理部12の処理について説明する。
図20は、実施形態に係る端末装置に作業手順が編集可能に表示される作業手順書管理画面の他の例を示す図である。
図20に示す作業手順書管理画面40では、ユーザUによる端末装置2への操作によって、パーツAが選択され且つパーツ変更(個別)が選択されている様子が示されている。
【0212】
図20のように、パーツAが選択され且つパーツ変更(個別)が選択された場合、処理部12の抽出部31は、パーツAを更新対象パーツとし、更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれるか否かを判定する。抽出部31は、更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれる場合、2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを抽出する。
【0213】
そして、処理部12の提示部33は、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツをユーザUに提示する。提示部33は、例えば、作業手順書管理画面40に更新対象パーツを強調表示することによって、抽出部31によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツをユーザUに提示する。
【0214】
図21は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが強調表示された状態の一例を示す図である。
図21に示す作業手順書管理画面40では、更新対象パーツとして、作業手順Y1に含まれるパーツAに加えて、作業手順Y2に含まれるパーツAおよび作業手順Y4に含まれるパーツAなどが強調表示されている。
【0215】
図21に示す作業手順書管理画面40において、ユーザUは、複数のパーツAの1つ1つを選択して、選択したパーツAを個別に更新することができる。
図22は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツが個別に更新操作される様子の一例を示す図である。
図22に示す作業手順書管理画面40では、端末装置2を操作することで、作業手順Y1に含まれるパーツAと作業手順Y4に含まれるパーツAとがパーツAAに更新操作され、作業手順Y2に含まれるパーツAはパーツAAへの更新操作が行われていない。
【0216】
図23は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツの一部が更新された状態の一例を示す図である。
図22に示す状態の作業手順書管理画面40において、ユーザUによる端末装置2への操作によって不図示の確定ボタンが選択された場合、
図23に示すように、作業手順Y1に含まれるパーツAと作業手順Y4に含まれるパーツAとがパーツAAに更新され、作業手順Y2に含まれるパーツAはそのままの状態が維持される。このように、ユーザUは、パーツAAに変更する必要がないパーツAをそのままの状態に維持することができる。
【0217】
また、提示部33は、更新対象パーツが更新にリスクがあるパーツを示すパーツである場合、更新対象パーツが更新にリスクがあるパーツであることを示す情報をユーザUに提示することができる。更新にリスクがあるパーツは、例えば、誤った更新が行われた場合に、保守作業にリスクを生じる作業内容を示すパーツであり、ディレクトリ内のファイルを削除する作業内容を示すパーツなどである。
【0218】
図24は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面において更新対象パーツがリスクのある作業内容を示すパーツであることを示す情報が表示される様子の一例を示す図である。
図24に示すように、提示部33は、更新対象パーツが更新にリスクがあるパーツである場合に、更新対象パーツが更新にリスクがあるパーツであることを注意喚起するメッセージボックス71を作業手順書管理画面40上に表示させる。これにより、ユーザUは、更新対象パーツが更新にリスクがあるパーツであることを容易に把握することができる。
【0219】
また、提示部33は、更新対象パーツを選択したユーザUが、更新対象パーツとしてユーザUが選択したパーツに対する更新権限を有していない場合、更新権限を有していないことを示す情報をユーザUに提示することができる。
【0220】
図25は、実施形態に係る端末装置に表示される作業手順書管理画面においてユーザが更新権限を有していないことを示す情報が表示される様子の一例を示す図である。
図25に示すように、提示部33は、更新対象パーツを選択したユーザUが、更新対象パーツとしてユーザUが選択したパーツに対する更新権限を有していない場合、メッセージボックス72を作業手順書管理画面40上に表示させる。メッセージボックス72には、ユーザUが更新権限を有していないことを示す旨の情報が含まれる。これにより、ユーザUは、更新対象パーツの更新権限を有していないことを容易に把握することができる。
【0221】
なお、提示部33は、更新対象パーツを選択したユーザUが、更新対象パーツとしてユーザUが選択したパーツに対する更新権限を有していない場合、更新対象パーツの更新権限を有しているユーザUに対して、問い合わせメッセージを送信することができる。かかる問い合わせメッセージは、更新対象パーツを選択したユーザUに対して更新権限を付与するか否かを更新対象パーツの更新権限を有しているユーザUに問い合わせるメッセージである。提示部33は、問い合わせメッセージに対して、更新対象パーツの更新権限を有しているユーザUが更新対象パーツを選択したユーザUに対して更新権限を付与することを示す応答が受付部30によって受け付けられた場合、更新対象パーツの更新を許可する。この場合、提示部33は、
図25に示すメッセージボックス72を消去する。
【0222】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。
図26は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0223】
図26に示すように、情報処理装置1の処理部12は、サーバ装置群5を構成するサーバ装置3からアラートがあるか否かを判定する(ステップS50)。処理部12は、アラートがあると判定した場合(ステップS50:Yes)、作業支援処理を行う(ステップS51)。ステップS51の処理は、
図27に示すステップS60~S69の処理であり、後で詳述する。
【0224】
処理部12は、ステップS51の処理が終了した場合、またはアラートがないと判定した場合(ステップS50:No)、端末装置2からの表示要求があるか否かを判定する(ステップS52)。処理部12は、表示要求があると判定した場合(ステップS52:Yes)、表示要求に応じた画面を端末装置2に表示させる(ステップS53)。
【0225】
処理部12は、ステップS53の処理が終了した場合、または表示要求がないと判定した場合(ステップS52:No)、端末装置2からの編集要求があるか否かを判定する(ステップS54)。処理部12は、編集要求があると判定した場合(ステップS54:Yes)、編集要求に応じた画面を端末装置2に表示させる(ステップS55)。
【0226】
処理部12は、ステップS55の処理が終了した場合、または編集要求がないと判定した場合(ステップS54:No)、端末装置2からの更新要求があるか否かを判定する(ステップS56)。処理部12は、更新要求があると判定した場合(ステップS56:Yes)、更新処理を実行する(ステップS57)。ステップS57の処理は、
図28に示すステップS70~S75の処理であり、後で詳述する。
【0227】
処理部12は、ステップS57の処理が終了した場合、または更新要求がないと判定した場合(ステップS56:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS58)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0228】
処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS58:No)、処理をステップS50へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS58:Yes)、
図26に示す処理を終了する。
【0229】
図27は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による作業支援処理の一例を示すフローチャートである。
図27に示すように、処理部12は、保守作業部署の管理者の端末装置2に作業者選定画面を表示させる(ステップS60)。保守作業部署の管理者は、端末装置2を操作して、保守作業部署の管理者に保守作業者と作業確認者とを選定する。
【0230】
処理部12は、保守作業部署の管理者によって選定された保守作業者および作業確認者の情報を保守作業部署の管理者の端末装置2から取得する(ステップS61)。そして、処理部12は、作業支援画面を保守作業者および作業確認者の各々の端末装置2に表示させる(ステップS62)。
【0231】
次に、処理部12は、操作要求があるか否かを判定する(ステップS63)。処理部12は、操作要求があると判定した場合(ステップS63:Yes)、操作要求に応じた処理を行う(ステップS64)。
【0232】
処理部12は、ステップS64の処理が終了した場合、または操作要求がないと判定した場合(ステップS63:No)、保守作業者によるパーツの選択があるか否かを判定する(ステップS65)。処理部12は、保守作業者によるパーツの選択があると判定した場合(ステップS65:Yes)、保守作業者によって選択されたパーツを作業支援画面において仮終了状態の提示態様にする作業支援画面更新処理を行う(ステップS66)。
【0233】
処理部12は、ステップS66の処理が終了した場合、または保守作業者によるパーツの選択がないと判定した場合(ステップS65:No)、作業確認者によるパーツの選択があるか否かを判定する(ステップS67)。処理部12は、作業確認者によるパーツの選択があると判定した場合(ステップS67:Yes)、作業確認者によって選択されたパーツを作業支援画面において終了状態の提示態様にする作業支援画面更新処理を行う(ステップS68)。
【0234】
処理部12は、ステップS68の処理が終了した場合、または作業確認者によるパーツの選択がないと判定した場合(ステップS67:No)、作業が終了したか否かを判定する(ステップS69)。処理部12は、作業が終了していないと判定した場合(ステップS69:No)、処理をステップS63に移行する。また、処理部12は、作業が終了したと判定した場合(ステップS69:Yes)、
図27の処理を終了する。
【0235】
図28は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による更新処理の一例を示すフローチャートである。
図28に示すように、処理部12は、ユーザUによって選択されたパーツと同一のパーツを抽出する(ステップS70)。そして、処理部12は、ステップS70で抽出した複数のパーツを端末装置2に表示される作業支援画面で強調表示する(ステップS71)。
【0236】
次に、処理部12は、ユーザUによる一括更新操作があるか否かを判定する(ステップS72)。処理部12は、一括更新操作があると判定した場合(ステップS72:Yes)、ユーザUによって選択されたパーツとかかるパーツと同一のパーツを含む複数のパーツを一括して更新する一括更新処理を行う(ステップS73)。
【0237】
処理部12は、ステップS73の処理が終了した場合、または一括更新操作がないと判定した場合(ステップS72:No)、ユーザUによる個別更新操作があるか否かを判定する(ステップS74)。処理部12は、個別更新操作があると判定した場合(ステップS74:Yes)、ユーザUによって選択されたパーツとかかるパーツと同一のパーツを含む複数のパーツを個別に更新する個別更新処理を行う(ステップS75)。
【0238】
処理部12は、ステップS75の処理が終了した場合、または個別更新操作がないと判定した場合(ステップS74:No)、
図28に示す処理を終了する。
【0239】
〔5.変形例〕
処理部12の更新部32は、例えば、作業手順の更新履歴やパーツの更新履歴を記憶部11に記憶させることができる。提示部33は、記憶部11に記憶されている作業手順の更新履歴やパーツの更新履歴をユーザUに提示することができる。
【0240】
例えば、提示部33は、各作業手順に含まれるパーツの更新履歴を時系列でユーザUに提示することができる。また、提示部33は、パーツの変更履歴を系統図としてユーザUに提示することができる。系統図は、例えば、パーツA⇒パーツAA⇒パーツAAAなどのようにツリー階層的に示され、これにより、ユーザUは、どのパーツがどのパーツから変更されたものかを容易に把握することができる。
【0241】
また、提示部33は、あるパーツの更新要求があった場合に、そのパーツの更新後の内容が他のパーツの内容と同じである場合、更新対象パーツが他のパーツと同じになる旨の通知をユーザUにすることができる。
【0242】
〔6.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1または端末装置2は、例えば
図29に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。以下、情報処理装置1を例に挙げて説明する。
図29は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0243】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0244】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、通信ネットワーク4(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、通信ネットワーク4を介して他の機器へ送信する。
【0245】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0246】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0247】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワーク4を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0248】
〔7.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0249】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した受付部30と、提示部33とは統合されてもよい。また、例えば、記憶部11に記憶される情報は、通信ネットワーク4を介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0250】
また、上記実施形態では、情報処理装置1が、例えば、受付処理と、抽出処理と、更新処理とを行う例を示した。しかし、上述した情報処理装置1は、受付処理を行う受付装置と、抽出処理を行う抽出装置と、更新処理を行う更新装置とに分離されてもよい。この場合、受付装置は、少なくとも受付部30を有する。抽出装置は、少なくとも抽出部31を有する。更新装置は、少なくとも更新部32を有する。そして、上記の情報処理装置1による処理は、取得装置と、抽出装置と、更新装置との各装置を有する情報処理システム100によって実現される。なお、受付処理は、作業内容を各々示す複数のパーツのうちユーザUによって選択された2つ以上のパーツで各々示される複数の作業手順の設定を受け付ける処理である。抽出処理は、複数のパーツのうち更新対象としてユーザUによって選択されたパーツである更新対象パーツが複数の作業手順のうち2以上の作業手順に含まれる場合、2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを抽出する処理である。更新処理は、抽出処理によって抽出された2以上の作業手順に含まれる更新対象パーツを更新する処理である。
【0251】
また、上記実施形態では、情報処理装置1が、例えば、取得処理と、提示処理とを行う例を示した。しかし、上述した情報処理装置1は、取得処理を行う取得装置と、提示処理を行う提示装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、少なくとも取得部34を有する提示装置は、少なくとも提示部33を有する。そして、上記の情報処理装置1による処理は、取得装置と、提示装置との各装置を有する情報処理システム100によって実現される。なお、取得処理は、作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報または作業手順の過去の実行履歴のうちの少なくとも一方の情報を作業情報として取得する処理である。提示処理は、取得処理によって取得された作業情報に基づく提示態様で作業手順をユーザUに提示する処理である。
【0252】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0253】
〔8.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、取得部34と、提示部33とを備える。取得部34は、作業内容を各々示す複数のパーツで示される作業手順における複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報または作業手順の過去の実行履歴のうちの少なくとも一方の情報を作業情報として取得する。提示部33は、取得部34によって取得された作業情報に基づく提示態様で作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0254】
また、作業情報は、複数のパーツのうち実行された作業内容に対応するパーツの情報を含む。提示部33は、複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順をユーザUに提示する。これにより、ユーザUは、実行した作業内容と実行していない作業内容を容易に把握することができ、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0255】
また、提示部33は、複数のパーツのうち実行された作業内容を示すパーツを実行されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順を作業内容の作業を実行したユーザU1とは異なる他のユーザU2に提示する。これにより、作業確認者であるユーザU2は、保守作業者であるユーザU1が実行した作業内容と実行していない作業内容を容易に把握することができ、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0256】
また、作業情報は、複数のパーツで示される作業内容のうちユーザU1によって実行された作業内容に対して他のユーザU2が確認したことを示す情報を含む。提示部33は、複数のパーツのうち他のユーザU2によって確認された作業内容を示すパーツを他のユーザU2によって確認されていない作業内容を示すパーツと異なる態様で示す作業手順をユーザU1に提示する。これにより、保守作業者であるユーザU1は、作業確認者であるユーザU2が確認した作業内容と確認していない作業内容を容易に把握することができ、情報処理装置1は、作業手順の利便性を向上させることができる。
【0257】
また、提示部33は、他のユーザU2によって確認されていない作業内容を示すパーツである未確認パーツよりも後に行われる作業内容がユーザU1によって実行された場合であっても、未確認パーツよりも後に行われる作業内容に対応するパーツの態様を変更しない。これにより、情報処理装置1は、他のユーザU2の確認漏れを抑制することができる。
【0258】
また、作業情報は、作業手順の過去の実行履歴を含む。提示部33は、複数のパーツのうちの少なくとも一部のパーツに作業手順の過去の実行履歴に基づく情報を付加情報として付加した作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0259】
また、提示部33は、複数のパーツで示される複数の作業内容に対する総作業時間および前記複数の作業内容の各々に対する作業時間であるパーツ単位作業時間のうちの少なくとも一方を示す情報を付加情報として付加した作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0260】
また、情報処理装置1は、総作業時間およびパーツ単位作業時間のうちの少なくとも一方をユーザ単位で算出する算出部35を備える。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0261】
また、提示部33は、複数のパーツで示される複数の作業内容に対するユーザUの習熟度または複数の作業内容の各々に対するユーザUの習熟度に関する情報を付加情報として付加した作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0262】
また、提示部33は、作業内容のリスクに関する情報を付加情報として付加した前記作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0263】
また、提示部33は、複数のパーツをフローチャート形式で示す作業手順をユーザUに提示する。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0264】
また、提示部33によってユーザUに提示される作業手順に含まれるパーツには、当該パーツを実行するためのコマンドを作業対象の一例であるサーバ装置3に送信するための情報が含まれている。これにより、情報処理装置1は、作業手順の利便性をさらに向上させることができる。
【0265】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0266】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0267】
1 情報処理装置
2,21,22,・・・,2n 端末装置
3,31,32,・・・,3m サーバ装置
4 通信ネットワーク
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 作業手順書情報記憶部
21 パーツ情報記憶部
22 作業履歴記憶部
30 受付部
31 抽出部
32 更新部
33 提示部
34 取得部
35 算出部
100 情報処理システム