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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】部品実装システムおよび部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022504763
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(86)【国際出願番号】 JP2020008638
(87)【国際公開番号】W WO2021176502
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】新田 裕明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 統三
(72)【発明者】
【氏名】道添 聡浩
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-091771(JP,A)
【文献】特開平11-232339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を実装する部品実装装置と、
前記部品実装装置に供給される前記部品を保管する部品保管庫と、
前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更する場合、前記部品実装装置への前記部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う制御装置と、を備え
前記制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている、部品実装システム。
【請求項2】
前記制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる際、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果を出庫順番の変更に関係する作業者に対して通知する制御を行うように構成されている、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項3】
前記制御装置は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者から、出庫順番の変更が許可できないという応答があった場合、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更しないとともに、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者から、出庫順番の変更が許可可能であるという応答があった場合、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている、請求項またはに記載の部品実装システム。
【請求項4】
前記制御装置は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者からの応答が所定の時間内にない場合にも、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項5】
前記制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるか否かを設定可能に構成されている、請求項のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項6】
前記制御装置は、作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている、請求項のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項7】
前記制御装置は、作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、順番が早くなるように、または、順番が遅くなるように、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項8】
作業者により携帯されるとともに、出庫順番の変更要求を作成可能な携帯端末をさらに備える、請求項またはに記載の部品実装システム。
【請求項9】
前記携帯端末は、出庫順番リストおよび出庫の優先度を表示可能に構成されている、請求項に記載の部品実装システム。
【請求項10】
前記制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者が携帯する前記携帯端末に対して出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知する制御を行うように構成されている、請求項またはに記載の部品実装システム。
【請求項11】
前記部品実装装置を含む複数の実装ラインをさらに備え、
前記制御装置は、特定の前記実装ラインを担当する作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、特定の前記実装ライン以外の、出庫順番の変更に関係する前記実装ラインを担当する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている、請求項~1のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項12】
前記制御装置は、出庫の優先度に基づいて、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更するか否かを検出するとともに、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更することが検出された場合、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている、請求項~1のいずれか1項に記載の部品実装システム。
【請求項13】
前記部品実装装置を含む複数の実装ラインをさらに備え、
前記制御装置は、前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更することが検出された場合、前記複数の実装ラインのうち、出庫順番の変更に関係する実装ラインを担当する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている、請求項1に記載の部品実装システム。
【請求項14】
部品実装装置により基板に部品を実装するステップと、
前記部品実装装置に供給される前記部品を部品保管庫から出庫するステップと、
前記部品保管庫から前記部品を出庫する順番を変更する場合、前記部品実装装置への前記部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行うステップと、
出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うステップと、を備える、部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品実装システムおよび部品実装方法に関し、特に、部品保管庫を備える部品実装システムおよび部品保管庫を用いる部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品保管庫を備える部品実装システムが知られている。このような部品実装システムは、たとえば、特開2019-91771号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2019-91771号公報には、基板に部品を実装する部品実装装置と、部品実装装置に供給される部品を保管する自動倉庫(部品保管庫)と、自動倉庫から部品を出庫する計画を作成する管理制御装置と、を備える部品実装システムが開示されている。この部品実装システムは、管理制御装置により作成された計画に基づいて、自動倉庫から部品を出庫するように構成されている。また、この部品実装システムは、作業者が端末装置を用いて生成した緊急に部品を要求する緊急要求信号に基づいて、自動倉庫から部品を出庫する順番を変更するとともに、変更した出庫順番により自動倉庫から部品を出庫するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-91771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2019-91771号公報に記載された部品実装システムでは、作業者が端末装置を用いて生成した緊急に部品を要求する緊急要求信号に基づいて、自動倉庫から部品を出庫する順番を変更するとともに、変更した出庫順番により自動倉庫から部品を出庫するように構成されている。この場合、緊急要求信号に基づいて自動倉庫から部品を出庫する順番が自動的に変更されるため、出庫順番の変更によっては、部品実装装置への供給が間に合わなくなる部品が発生する場合があると考えられる。この場合、出庫順番の変更を行うと、部品実装装置に対して円滑な部品供給を行うことができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置に対して円滑な部品供給を行うことが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品実装システムは、基板に部品を実装する部品実装装置と、部品実装装置に供給される部品を保管する部品保管庫と、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う制御装置と、を備え、制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品実装システムでは、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う制御装置を設ける。これにより、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かを確認した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に起因して部品実装装置への供給が間に合わなくなる部品が発生することを抑制することができる。その結果、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置に対して円滑な部品供給を行うことが可能な部品実装システムを提供することができる。
【0009】
上記第1の局面による部品実装システムでは、制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。ここで、出庫順番の変更については、最新の生産状況を把握する作業者に問い合わせるのが好ましい。そこで、上記のように構成すれば、出庫順番の変更に関係する作業者の意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することを抑制することができる。その結果、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置に対してより円滑な部品供給を行うことができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる際、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果を出庫順番の変更に関係する作業者に対して通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、出庫順番の変更に関係する作業者は、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果に基づいて、出庫順番の許否を判断することができる。
【0011】
上記出庫順番の許否を事前に問い合わせる構成において、好ましくは、制御装置は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者から、出庫順番の変更が許可できないという応答があった場合、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更しないとともに、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者から、出庫順番の変更が許可可能であるという応答があった場合、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、出庫順番の変更に関係する作業者の意思をより確実に反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することをより確実に抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、制御装置は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者からの応答が所定の時間内にない場合にも、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者からの応答がない場合、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者からの応答がないことに起因して出庫順番の変更が行えなくなることを抑制することができる。
【0013】
上記出庫順番の許否を事前に問い合わせる構成において、好ましくは、制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるか否かを設定可能に構成されている。このように構成すれば、出庫順番の変更の許否の問い合わせを要する生産状況においては、問い合わせを行う設定を選択して、不都合な出庫順番の変更が発生することを抑制することができる。また、出庫順番の変更の許否の問い合わせを要しない生産状況においては、問い合わせを行わない設定を選択して、出庫順番の変更の許否への応答の手間を省くことができる。
【0014】
上記出庫順番の許否を事前に問い合わせる構成において、好ましくは、制御装置は、作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者が自己の都合に合わせて出庫順番の変更を要求した場合に、出庫順番の変更に関係する作業者の意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することを効果的に抑制することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、制御装置は、作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、順番が早くなるように、または、順番が遅くなるように、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、順番が早くなるように、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、緊急に必要な部品を迅速に部品保管庫から出庫することができるので、緊急に必要な部品を迅速に部品実装装置に供給することができる。また、順番が遅くなるように、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、部品の集荷に行けないなどの作業者の都合に合わせて、緊急に必要ではない部品の出庫順番を遅くして、他の部品を部品保管庫から出庫することができる。
【0016】
上記作業者からの出庫順番の変更要求に応じて制御を行う構成において、好ましくは、作業者により携帯されるとともに、出庫順番の変更要求を作成可能な携帯端末をさらに備える。このように構成すれば、携帯端末により出庫順番の変更要求を作成することができるので、作業者は、場所によらずに、出庫順番の変更要求を行うことができる。
【0017】
この場合、好ましくは、携帯端末は、出庫順番リストおよび出庫の優先度を表示可能に構成されている。このように構成すれば、作業者は、出庫順番リストおよび出庫の優先度を参照しつつ、出庫順番の変更要求を行うことができるので、適切な出庫順番の変更要求を容易に行うことができる。
【0018】
上記携帯端末をさらに備える構成において、好ましくは、制御装置は、出庫順番の変更に関係する作業者が携帯する携帯端末に対して出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、作業者は、携帯端末により場所によらずに出庫順番の変更の許否の問い合わせの通知を受け取ることができるので、出庫順番の変更の許否の問い合わせを迅速かつ確実に確認することができる。
【0019】
上記出庫順番の許否を事前に問い合わせる構成において、好ましくは、部品実装装置を含む複数の実装ラインをさらに備え、制御装置は、特定の実装ラインを担当する作業者からの出庫順番の変更要求に応じて、特定の実装ライン以外の、出庫順番の変更に関係する実装ラインを担当する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、特定の実装ラインを担当する作業者が担当する実装ラインの都合に合わせて出庫順番の変更を要求した場合に、出庫順番の変更に関係する他の実装ラインを担当する作業者の意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することをより効果的に抑制することができる。
【0020】
上記出庫順番の許否を事前に問い合わせる構成において、好ましくは、制御装置は、出庫の優先度に基づいて、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更するか否かを検出するとともに、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更することが検出された場合、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御装置が優先度に基づいて出庫順番の変更を自動で行う場合に、出庫順番の変更に関係する作業者の意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することを効果的に抑制することができる。
【0021】
この場合、好ましくは、部品実装装置を含む複数の実装ラインをさらに備え、制御装置は、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更することが検出された場合、複数の実装ラインのうち、出庫順番の変更に関係する実装ラインを担当する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、制御装置が優先度に基づいて出庫順番の変更を自動で行う場合に、出庫順番の変更に関係する実装ラインを担当する作業者の意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者に不都合な出庫順番の変更が発生することをより効果的に抑制することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、この発明の第2の局面による部品実装方法は、部品実装装置により基板に部品を実装するステップと、部品実装装置に供給される部品を部品保管庫から出庫するステップと、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行うステップと、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うステップと、を備える。
【0023】
この発明の第2の局面による部品実装方法では、部品保管庫から部品を出庫する順番を変更する場合、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行うステップを設ける。これにより、部品実装装置への部品の供給が間に合うか否かを確認した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に起因して部品実装装置への供給が間に合わなくなる部品が発生することを抑制することができる。その結果、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置に対して円滑な部品供給を行うことが可能な部品実装方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、上記のように、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置に対して円滑な部品供給を行うことが可能な部品実装システムおよび部品実装方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態による部品実装システムを示したブロック図である。
図2】本発明の一実施形態による部品実装システムの部品実装装置の全体構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による部品実装システムにおける出庫指示リストの一例を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による部品実装システムの手動出庫順番変更処理を説明するためのフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態による部品実装システムの手動出庫順番変更処理を説明するための模式図である。
図6】本発明の一実施形態による部品実装システムの手動出庫順番変更処理の出庫単位の指示の第1の例を説明するための模式図である。
図7】本発明の一実施形態による部品実装システムの手動出庫順番変更処理の出庫単位の指示の第2の例を説明するための模式図である。
図8】本発明の一実施形態による部品実装システムの自動出庫順番変更処理を説明するためのフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態による部品実装システムの自動出庫順番変更処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態による部品実装システム100の構成について説明する。
【0028】
(部品実装システムの構成)
本実施形態による部品実装システム100は、基板Sに部品Eを実装して、部品Eが実装された基板Sを製造するように構成されている。部品実装システム100は、図1に示すように、実装ライン10と、部品保管庫20と、外部PC30と、部品実装システム100に関する作業を行う作業者Wが携帯する携帯端末40と、を備えている。なお、外部PC30は、請求の範囲の「制御装置」の一例である。
【0029】
実装ライン10は、複数設けられている。また、実装ライン10は、ローダ11と、印刷機12と、印刷検査機13と、ディスペンサ装置14と、複数の部品実装装置15と、外観検査装置16と、リフロー装置17と、外観検査装置18と、アンローダ19と、を含んでいる。また、実装ライン10は、製造ラインに沿って上流側(左側)から下流側(右側)に向かって基板Sが搬送されるように構成されている。
【0030】
(実装ラインの構成)
次に、実装ライン10を構成する各装置の構成について説明する。
【0031】
ローダ11は、部品Eが実装される前の基板(配線基板)Sを保持するとともに実装ライン10に基板Sを搬入する役割を有する。なお、部品Eは、LSI、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗器などの小片状の電子部品を含む。
【0032】
印刷機12は、スクリーン印刷機であり、クリーム半田を基板Sの実装面上に塗布する機能を有する。
【0033】
印刷検査機13は、印刷機12により印刷したクリーム半田の状態を検査する機能を有する。
【0034】
ディスペンサ装置14は、基板Sにクリーム半田や接着剤などを塗布する機能を有する。
【0035】
部品実装装置15は、クリーム半田が印刷された基板Sの所定の実装位置に部品を実装(搭載)する機能を有する。また、部品実装装置15は、基板Sの搬送方向に沿って複数(3つ)配置されている。複数の部品実装装置15は、同様の構成を有している。また、部品実装装置15は、図2に示すように、基台151と、一対のコンベア152と、部品供給部153と、ヘッドユニット154と、支持部155と、一対のレール部156と、部品認識撮像部157と、制御部158とを備えている。
【0036】
一対のコンベア152は、基台151上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア152は、搬送中の基板Sを実装作業位置で停止させた状態で保持するように構成されている。また、一対のコンベア152は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0037】
部品供給部153は、一対のコンベア152の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部153には、複数のテープフィーダ153aが配置されている。
【0038】
テープフィーダ153aは、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き付けられたリール(部品Eが複数収容された部品収容部材200(図1参照))を保持している。テープフィーダ153aは、リールを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、テープフィーダ153aの先端から部品Eを供給するように構成されている。部品Eを保持したテープが終わると、次のテープ(リール)(部品E)に取り替えられる。取り替えられるテープ(リール)(部品E)は、部品保管庫20から出庫されて補給される。
【0039】
ヘッドユニット154は、一対のコンベア152の上方と部品供給部153の上方との間を移動するように設けられている。また、ヘッドユニット154は、ノズルが下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド154aと、基板認識撮像部154bと、を含んでいる。
【0040】
実装ヘッド154aは、基板Sに対して部品Eを実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド154aは、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成され、空気圧発生部によりノズルの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ153aから供給される部品Eを吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品Eを装着(実装)するように構成されている。
【0041】
基板認識撮像部154bは、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品Eの実装位置を正確に取得することが可能である。基板認識撮像部154bは、上方(Z1方向側)から基板Sを撮像するように構成されている。
【0042】
支持部155は、X軸モータ155aを含んでいる。支持部155は、X軸モータ155aを駆動させることにより、支持部155に沿ってヘッドユニット154をX方向に移動させるように構成されている。支持部155は、両端部が一対のレール部156により支持されている。
【0043】
一対のレール部156は、基台151上に固定されている。X1側のレール部156は、Y軸モータ156aを含んでいる。レール部156は、Y軸モータ156aを駆動させることにより、支持部155を一対のレール部156に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット154が支持部155に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部155がレール部156に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット154はXY方向に移動可能である。
【0044】
部品認識撮像部157は、基台151の上面上に固定されている。部品認識撮像部157は、一対のコンベア152の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部157は、部品Eの実装に先立って部品Eの吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド154aのノズルに吸着された部品Eを下方(Z2方向側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド154aのノズルに吸着された部品Eの吸着状態を取得することが可能である。
【0045】
制御部158は、CPU(中央演算処理装置)を含んでおり、一対のコンベア152による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット154による実装動作、部品認識撮像部157、基板認識撮像部154bによる撮像動作などの部品実装装置15の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部158は、外部PC30に対して、生産情報や部品情報などの情報を送信するように構成されている。
【0046】
図1に示すように、外観検査装置16は、複数の部品実装装置15の下流に設けられている。外観検査装置16は、部品実装装置15により部品Eが実装された基板Sの外観を検査する機能を有する。
【0047】
リフロー装置17は、加熱処理を行うことにより半田を溶融させて部品Eを基板Sの電極部に接合する機能を有する。リフロー装置17は、レーン上の基板Sを搬送しながら、加熱処理を行うように構成されている。
【0048】
外観検査装置18は、リフロー装置17の下流に設けられている。外観検査装置18は、リフロー装置17により加熱処理が行われた後の基板Sの外観を検査する機能を有する。
【0049】
アンローダ19は、部品Eが実装された後の基板Sを実装ライン10から排出する役割を有する。
【0050】
(部品保管庫の構成)
部品保管庫20の構成について説明する。
【0051】
部品保管庫20は、部品実装装置15に供給される部品Eを保管するように構成されている。具体的には、部品保管庫20は、部品Eが複数収容された部品収容部材200を保管するように構成されている。部品保管庫20は、保管部21と、制御部22と、操作部23と、表示部24と、を含んでいる。保管部21は、入出庫機構211と、入出庫口212とを有している。
【0052】
保管部21には、複数の部品E(複数の部品収容部材200)が保管されるように構成されている。保管部21に保管される複数の部品Eは、各々の情報が記憶部に記憶されて管理される。部品Eの情報は、部品Eの種類の情報、部品Eの数量の情報、保管場所の情報、保管時間などの時間情報を含む。入出庫機構211は、部品Eを搬送する機能を有する。具体的には、入出庫機構211は、入出庫口212に載置された部品Eを搬送して保管部21の所定の保管位置に入庫する。また、入出庫機構211は、保管部21に保管された部品Eを搬送して入出庫口212に出庫する。入出庫口212には、複数の部品Eを配置することが可能に構成されている。つまり、保管部21には、同時に複数の部品Eを入出庫することが可能である。
【0053】
たとえば、入出庫口212は、複数の段を有する部品載置棚(図示せず)を含んでいる。部品載置棚の段の各々には、入出庫機構211により順番に搬送された部品E(部品収容部材200)が載置される。出庫が完了すると、部品載置棚の段の各々から作業者(ユーザ)Wが部品Eを取り出すことができる。部品載置棚には、後述する出庫単位で出庫指示リストに属する部品Eが連続して順番に配置される。出庫指示リストに属する全ての部品Eの部品載置棚への配置が完了した後に作業者が部品Eを取り出す。なお、出庫途中に、部品載置棚の段の各々から作業者Wが出庫済みの部品Eを取り出すこともできる。
【0054】
制御部22は、部品保管庫20の各部を制御するように構成されている。具体的には、制御部22は、外部PC30からの出庫指示に応じて、保管部21から部品Eを出庫する制御を行う。また、制御部22は、図3に示すように、外部PC30により作成された出庫指示リストを取得する。また、制御部22は、取得した出庫指示リストに基づいて、部品Eを順に出庫する制御を行う。
【0055】
図1に示すように、操作部23は、作業者(ユーザ)Wからの操作を受け付ける。操作部23は、キーボード、マウスなどの入力装置と、バーコードリーダなどのリーダとを含む。操作部23は、キーボード、マウスによる作業者Wの入力に基づいて、作業者Wの指示を受け付ける。また、操作部23は、リーダによる部品収容部材200に貼付された識別子(バーコード、ICタグなど)を読み込み、入出庫する部品Eの情報を受け付ける。
【0056】
表示部24は、部品保管庫20の状態や、操作のための画面を表示する。また、表示部24は、部品保管庫20から発する通知を表示する。
【0057】
(外部PCの構成)
外部PC(パーソナルコンピュータ)30の構成について説明する。
【0058】
外部PC30は、実装ライン10の管理を行う。また、外部PC30は、部品実装装置15から送信される生産情報、部品情報に基づいて、部品E(部品収容部材200)の出庫の管理を行う。
【0059】
外部PC30は、CPU(中央演算処理装置)31と、メモリ32と、表示部33と、操作部34と、を含んでいる。CPU31は、外部PC30の各部を制御する。また、CPU31は、メモリ32を用いて、所定のプログラムを実行する。表示部33は、外部PC30の操作のための画面を表示する。操作部34は、作業者W(ユーザ)からの操作を受け付ける。操作部34は、キーボード、マウスなどの入力装置を含む。
【0060】
外部PC30は、部品実装装置15から所定のタイミングにおいて送信される残りの部品数の情報に基づいて、出庫する部品E(部品収容部材200)を決定するように構成されている。外部PC30は、一定時間間隔で、複数の部品実装装置15の各々から送信される生産情報(1基板のサイクルタイム、1基板の使用部品点数)と、部品情報(部品残数)と、に基づいて、部品切れ時間(生産可能時間)を算出する。また、外部PC30は、算出した部品切れ時間から部品保管庫20への出庫指示部品を抽出する。また、外部PC30は、図3に示すように、抽出した出庫指示部品により出庫指示リストを作成するように構成されている。
【0061】
図3に示す例では、1番の実装ライン10に対応するParts1~3の3つの部品Eを出庫単位とする出庫指示Aと、2番の実装ライン10に対応するParts4~6の3つの部品Eを出庫単位とする出庫指示Bと、3番の実装ライン10に対応するParts7の1つの部品Eを出庫単位とする出庫指示Cとを含む出庫指示リストが作成されている。この場合、部品保管庫20では、Parts1~3の3つの部品Eが1つの出庫単位として出庫されるとともに、Parts4~6の3つの部品Eが1つの出庫単位として出庫され、Parts7の1つの部品Eが1つの出庫単位として出庫される。
【0062】
ここで、本実施形態では、外部PC30は、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する場合、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う。また、外部PC30は、出庫順番の変更が可能であることを検出した場合、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。具体的には、外部PC30は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wから、出庫順番の変更が許可できないという応答があった場合、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更しないとともに、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wから、出庫順番の変更が許可可能であるという応答があった場合、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行う。また、外部PC30は、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wからの応答が所定の時間内にない場合にも、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行う。なお、出庫順番の変更の制御の詳細については、後述する。
【0063】
(携帯端末の構成)
携帯端末40の構成について説明する。
【0064】
図1に示すように、携帯端末40は、部品実装システム100を管理する作業者(ユーザ)Wにより携帯される。携帯端末40は、部品実装システム100の情報を受信して表示部43に表示する。また、携帯端末40は、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番の変更を要求する出庫順番の変更要求を作成可能に構成されている。
【0065】
携帯端末40は、CPU(中央演算処理装置)41と、メモリ42と、表示部43と、操作部44と、を含んでいる。CPU41は、携帯端末40の各部を制御する。また、CPU41は、メモリ42を用いて、所定のプログラムを実行する。表示部43は、携帯端末40の操作のための画面を表示する。操作部44は、ユーザからの操作を受け付ける。操作部44は、タッチパネルなどの入力部を含む。作業者Wは、操作部44を操作することにより、出庫順番の変更要求を作成することができる。
【0066】
(手動出庫順番変更処理)
図4図7を参照して、手動出庫順番変更処理について説明する。手動出庫順番変更処理は、外部PC30により行われる。
【0067】
図4に示すように、ステップS1において、外部PC30は、作業者Wが携帯する携帯端末40から送信された出庫順番の変更要求を取得する。
【0068】
図5に示すように、作業者Wは、携帯端末40を用いて、出庫順番の変更要求を作成して、外部PC30に対して送信する。この際、携帯端末40は、出庫順番リスト(出庫指示リスト)および出庫の優先度を表示可能に構成されている。作業者Wは、携帯端末40に表示された出庫順番リストおよび出庫の優先度を参照しつつ、出庫順番の変更要求を作成することができる。出庫順番リストは、現在の部品Eの出庫順番を示すリストである。また、出庫の優先度は、部品切れ時間に基づいて決定される部品Eの出庫の緊急度を示すパラメータである。部品切れ時間が大きいほど、出庫の優先度が低く、部品切れ時間が小さいほど、出庫の優先度が高い。
【0069】
図5に示す例では、2番の実装ライン10を担当する作業者Wにより、携帯端末40が用いられて、出庫順番の変更要求が作成されている。具体的には、図5に示す例では、Parts4~6の3つの部品Eの順番が早くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する出庫順番の変更要求が作成されている。より具体的には、図5に示す例では、Parts2の部品EとParts3の部品Eとの間に、Parts4~6の3つの部品Eが割り込むように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する出庫順番の変更要求が作成されている。
【0070】
また、図6および図7に示すように、作業者Wは、出庫順番の変更要求を作成する際、携帯端末40を用いて、出庫単位を設定することができる。図6に示す例では、Parts1~7の全ての部品Eを含む出庫単位が設定されている。また、図7に示す例では、Parts1、2および4~6の5つの部品Eを含む出庫単位と、Parts3および7の2つの部品Eを含む出庫単位との複数の出庫単位が設定されている。
【0071】
そして、図4に示すように、ステップS2において、外部PC30は、出庫順番の変更要求により要求された出庫順番の変更内容をチェックする制御を行う。具体的には、外部PC30は、出庫順番の変更内容に基づいて、要求された出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う。すなわち、外部PC30は、変更した出庫順番において部品実装装置15への部品Eの供給が間に合うか否かに基づいて、要求された出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う。また、外部PC30は、変更した出庫順番において、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eがある場合、要求された出庫順番の変更ができないことを検出する制御を行う。また、外部PC30は、変更した出庫順番において、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eがない場合、要求された出庫順番の変更が可能であることを検出する制御を行う。なお、変更した出庫順番において部品実装装置15への部品Eの供給が間に合うか否かの検出の詳細については、後述する。
【0072】
そして、ステップS3において、外部PC30は、出庫順番の変更が可能であるか否かを判断する。ステップS3において、出庫順番の変更が可能であると判断された場合、ステップS4に進む。
【0073】
そして、ステップS4において、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるモード(問い合わせモード)が設定されているか否かを判断する。外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるか否かを設定可能に構成されている。作業者Wは、たとえば、外部PC30の操作部34を用いて、問い合わせモードの有効または無効を事前に設定することができる。
【0074】
ステップS4において、問い合わせモードが設定されていないと判断された場合、ステップS8に進む。また、ステップS4において、問い合わせモードが設定されていると判断された場合、ステップS5に進む。
【0075】
そして、ステップS5において、外部PC30は、作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。具体的には、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wが携帯する携帯端末40に対して出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知する制御を行う。
【0076】
図5に示す例では、2番の実装ライン10を担当する作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、出庫順番の変更に関係する1番の実装ライン10を担当する作業者Wの携帯端末40と、出庫順番の変更に関係する3番の実装ライン10を担当する作業者Wの携帯端末40とに対して、出庫順番の変更の許否の問い合わせが通知されている。1番の実装ライン10を担当する作業者Wと、3番の実装ライン10を担当する作業者Wとは、携帯端末40を用いて、出庫順番の変更の許否の問い合わせに応答することができる。
【0077】
このように、外部PC30は、特定の実装ライン10を担当する作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、特定の実装ライン10以外の、出庫順番の変更に関係する実装ライン10を担当する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。
【0078】
そして、図4に示すように、ステップS6において、外部PC30は、出庫順番の許否を問い合わせた全ての作業者Wから応答があったか否かを検出する制御を行う。ステップS6において、全ての作業者Wから応答があったことが検出された場合、ステップS7に進む。
【0079】
そして、ステップS7において、外部PC30は、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答であったか否かを検出する制御を行う。ステップS7において、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答ではないこと(1つでも許可できないという応答があったこと)が検出された場合、出庫順番の変更を行うことができないため、手動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS7において、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答であることが検出された場合、ステップS8に進む。
【0080】
そして、ステップS8において、外部PC30は、作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、順番が早くなるように、または、順番が遅くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行う。なお、図5では、順番が早くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する例を示しているが、この例に限られずに、順番が遅くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更することもできる。
【0081】
そして、ステップS9において、外部PC30は、作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて変更された出庫順番により、部品保管庫20に対して出庫指示を行う。その後、手動出庫順番変更処理が終了される。
【0082】
また、ステップS6において、いずれかの作業者Wから応答がないことが検出された場合、ステップS10に進む。
【0083】
そして、ステップS10において、外部PC30は、出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知した時点から、所定の時間が経過したか否かを検出する制御を行う。ステップS10において、所定の時間が経過していないことが検出された場合、ステップS6に進み、ステップS6の処理が繰り返される。また、ステップS10において、所定の時間が経過したことが検出された場合、ステップS11に進む。
【0084】
そして、ステップS11において、外部PC30は、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答があったか否かを検出する制御を行う。ステップS11において、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答があることが検出された場合、出庫順番の変更を行うことができないため、手動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS11において、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答がないことが検出された場合、ステップS8に進む。その後、ステップS8およびS9の処理が行われて、手動出庫順番変更処理が終了される。なお、ステップS11を経由して、ステップS8およびS9の処理が行われる場合、所定の時間内に応答がなかった作業者Wに対して、出庫順番の変更が行われたことが通知されてもよい。
【0085】
また、ステップS3において、出庫順番の変更ができないと判断された場合、出庫順番の変更ができないことが出庫順番の変更要求を作成した作業者W(携帯端末40)に対して通知される。これにより、作業者Wは、携帯端末40を用いて、出庫順番の変更ができないことを視覚的に確認することができる。
【0086】
また、ステップS3において、出庫順番の変更ができないと判断された場合にも、最新の生産状況によっては、出庫順番の変更が可能である場合がある。このため、出庫順番の変更ができないことを確認した作業者Wは、携帯端末40を用いて、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を問い合わせるか否かを選択する。
【0087】
そして、ステップS12において、外部PC30は、作業者Wの選択に応じて、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を問い合わせるか否かを判断する。ステップS12において、出庫順番の変更の許否を問い合わせると判断された場合、ステップS5に進む。そして、ステップS5において、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。この際、外部PC30は、問い合わせと共に、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果を出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して通知する制御を行う。すなわち、外部PC30は、外部PC30の演算では出庫順番の変更ができないという検出結果が取得されたことを、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して通知する制御を行う。なお、ステップS3において出庫順番の変更ができないと判断された場合だけでなく、出庫順番の変更が可能であると判断された場合にも、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果が出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して通知されてもよい。
【0088】
その後、ステップS6~S11の処理が適宜行われる。なお、ステップS12を経由して、ステップS10に進み、ステップS10において所定の時間が経過したことが検出された場合、ステップS11に進むことなく、手動出庫順番処理が終了されてもよい。
【0089】
また、ステップS12において、出庫順番の変更の許否を問い合わせないと判断された場合、出庫順番の変更を行わないため、手動出庫順番処理が終了される。
【0090】
(自動出庫順番変更処理)
図8および図9を参照して、自動出庫順番変更処理について説明する。自動出庫順番変更処理は、外部PC30により行われる。
【0091】
図8に示すように、ステップS21において、外部PC30は、新たな出庫指示を取得する。具体的には、外部PC30は、生産情報と、部品情報と、に基づいて、複数の部品実装装置15の各々から送信される生産情報(1基板のサイクルタイム、1基板の使用部品点数)と、部品情報(部品残数)と、に基づいて、部品保管庫20への出庫指示部品を抽出して、新たな出庫指示を取得する。
【0092】
そして、ステップS22において、外部PC30は、新たな出庫指示の出庫の優先度の確認を行う。
【0093】
そして、ステップS23において、外部PC30は、出庫の優先度に基づいて、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更するか否かを検出する制御を行う。ステップS23において、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更しないことが検出された場合、自動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS23において、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更することが検出された場合、ステップS24に進む。
【0094】
そして、ステップS24において、外部PC30は、出庫の優先度に基づく出庫順番の変更の計算を行う。
【0095】
具体的には、図9に示すように、外部PC30は、部品切れ時間と必要時間とに基づいて決定される余裕時間に基づく出庫の優先度に基づいて、出庫順番の変更の計算を行う。なお、必要時間は、部品保管庫20から部品Eの供給先(実装ライン10)までの移動時間と、部品Eの取付時間とを含む。図9に示す例では、部品保管庫20から1番の実装ライン10までの移動時間が30秒であり、部品保管庫20から2番の実装ライン10までの移動時間が90秒である。また、図9に示す例では、オートローディングフィーダにおける部品Eの取付時間が30秒であり、ノーマルフィーダにおける部品Eの取付時間が120秒である。また、余裕時間は、部品切れ時間と必要時間とを考慮した時間である。図9に示す例では、余裕時間は、部品切れ時間から必要時間を減算した時間である。余裕時間が小さいほど、出庫の優先度が高く、余裕時間が大きいほど、出庫の優先度が低い。
【0096】
外部PC30は、出庫の優先度が高い部品Eの順番が早くなるように、出庫順番の変更の計算を行う。この際、外部PC30は、実装ライン10毎に出庫単位が設定されるように、出庫順番の変更の計算を行う。図9に示す例では、1番の実装ライン10に対応するParts4、1および5の3つの部品Eを含む出庫単位と、2番の実装ライン10に対応するParts2、6および3の3つの部品Eを含む出庫単位との複数の出庫単位が設定されている。
【0097】
また、ステップS24では、外部PC30は、出庫順番の変更内容をチェックする制御を行う。具体的には、外部PC30は、出庫順番の変更内容に基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う。すなわち、外部PC30は、変更した出庫順番において部品実装装置15への部品Eの供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う。また、外部PC30は、変更した出庫順番において、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eがある場合、出庫順番の変更ができないことを検出する制御を行う。また、外部PC30は、変更した出庫順番において、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eがない場合、出庫順番の変更が可能であることを検出する制御を行う。
【0098】
図9に示す例では、変更した出庫順番において、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eがない場合を示している。具体的には、図9に示す例では、変更した出庫順番において、余裕時間が0秒よりも小さくならない場合を示している。変更した出庫順番においては、必要時間は、移動時間と、部品Eの取付時間とに加えて、部品保管庫20からの部品E(部品収容部材200)の出庫時間と、出庫した部品Eの集荷時間とを含む。
【0099】
図9に示す例では、部品保管庫20からの部品Eの出庫時間は、1つあたり25秒である。また、出庫した部品Eの集荷時間は、20秒である。このため、Parts4、1および5の部品Eの必要時間には、出庫順番の変更前の必要時間に加えて、95秒(25秒×3+20秒)が加算されている。また、Parts2、6および3の部品Eの必要時間には、出庫順番の変更前の必要時間に加えて、190秒(25秒×3+20秒+25秒×3+20秒)が加算されている。変更した出庫順番において、余裕時間が0秒よりも小さい場合、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eが発生する。なお、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合わない部品Eが発生するか否かの判断については、0秒以外のしきい値(>0)を設けて行ってもよい。
【0100】
そして、図8に示すように、ステップS25において、外部PC30は、出庫順番の変更が可能であるか否かを判断する。ステップS25において、出庫順番の変更ができないと判断された場合、出庫順番の変更を行うことができないため、自動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS25において、出庫順番の変更が可能であると判断された場合、ステップS26に進む。
【0101】
そして、ステップS26において、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる問い合わせモードが設定されているか否かを判断する。
【0102】
ステップS26において、問い合わせモードが設定されていないと判断された場合、ステップS30に進む。また、ステップS26において、問い合わせモードが設定されていると判断された場合、ステップS27に進む。
【0103】
そして、ステップS27において、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。具体的には、外部PC30は、出庫順番の変更に関係する作業者Wが携帯する携帯端末40に対して出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知する制御を行う。
【0104】
図9に示す例では、出庫の優先度に基づく出庫順番の自動変更に応じて、出庫順番の変更に関係する1番の実装ライン10を担当する作業者Wの携帯端末40と、出庫順番の変更に関係する2番の実装ライン10を担当する作業者Wの携帯端末40とに対して、出庫順番の変更の許否の問い合わせが通知される。1番の実装ライン10を担当する作業者Wと、2番の実装ライン10を担当する作業者Wとは、携帯端末40を用いて、出庫順番の変更の許否の問い合わせに応答することができる。
【0105】
このように、外部PC30は、出庫の優先度に基づいて部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更することが検出された場合、複数の実装ライン10のうち、出庫順番の変更に関係する実装ライン10を担当する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う。
【0106】
そして、図8に示すように、ステップS28において、外部PC30は、出庫順番の許否を問い合わせた全ての作業者Wから応答があったか否かを検出する制御を行う。ステップS28において、全ての作業者Wから応答があったことが検出された場合、ステップS29に進む。
【0107】
そして、ステップS29において、外部PC30は、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答であったか否かを検出する制御を行う。ステップS29において、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答ではないこと(1つでも許可できないという応答があったこと)が検出された場合、出庫順番の変更を行うことができないため、自動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS29において、全ての作業者Wからの応答が許可可能であるという応答であることが検出された場合、ステップS30に進む。
【0108】
そして、ステップS30において、外部PC30は、ステップS24において計算したように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行う。
【0109】
そして、ステップS31において、外部PC30は、出庫の優先度に基づいて変更された出庫順番により、部品保管庫20に対して出庫指示を行う。その後、自動出庫順番変更処理が終了される。
【0110】
また、ステップS28において、いずれかの作業者Wから応答がないことが検出された場合、ステップS32に進む。
【0111】
そして、ステップS32において、外部PC30は、出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知した時点から、所定の時間が経過したか否かを検出する制御を行う。ステップS32において、所定の時間が経過していないことが検出された場合、ステップS28に進み、ステップS28の処理が繰り返される。また、ステップS32において、所定の時間が経過したことが検出された場合、ステップS33に進む。
【0112】
そして、ステップS33において、外部PC30は、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答があったか否かを検出する制御を行う。ステップS33において、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答があることが検出された場合、出庫順番の変更を行うことができないため、自動出庫順番変更処理が終了される。また、ステップS33において、作業者Wからの応答の中に許可できないという応答がないことが検出された場合、ステップS30に進む。その後、ステップS30およびS31の処理が行われて、自動出庫順番変更処理が終了される。なお、ステップS33を経由して、ステップS30およびS31の処理が行われる場合、所定の時間内に応答がなかった作業者Wに対して、出庫順番の変更が行われたことが通知されてもよい。
【0113】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0114】
本実施形態では、上記のように、部品実装システム100に、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する場合、部品実装装置15への部品Eの供給が間に合うか否かに基づいて、出庫順番の変更が可能であるか否かを検出する制御を行う外部PC30を設ける。これにより、部品実装装置15に対して部品の供給が間に合うか否かを確認した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に起因して部品実装装置15への供給が間に合わなくなる部品Eが発生することを抑制することができる。その結果、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置15に対して円滑な部品供給を行うことができる。
【0115】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成する。ここで、出庫順番の変更については、最新の生産状況を把握する作業者Wに問い合わせるのが好ましい。そこで、上記のように構成することにより、出庫順番の変更に関係する作業者Wの意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することを抑制することができる。その結果、出庫順番の変更を行う場合にも、部品実装装置15に対してより円滑な部品供給を行うことができる。
【0116】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる際、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果を出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して通知する制御を行うように構成されている。これにより、出庫順番の変更に関係する作業者Wは、出庫順番の変更が可能であるか否かの検出結果に基づいて、出庫順番の許否を判断することができる。
【0117】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wから、出庫順番の変更が許可できないという応答があった場合、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更しないとともに、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wから、出庫順番の変更が許可可能であるという応答があった場合、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行うように構成する。これにより、出庫順番の変更に関係する作業者Wの意思をより確実に反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することをより確実に抑制することができる。
【0118】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wからの応答が所定の時間内にない場合にも、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行うように構成する。これにより、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wからの応答がない場合、出庫順番の変更を行うことができるので、出庫順番の変更の許否を問い合わせた作業者Wからの応答がないことに起因して出庫順番の変更が行えなくなることを抑制することができる。
【0119】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるか否かを設定可能に構成する。これにより、出庫順番の変更の許否の問い合わせを要する生産状況においては、問い合わせを行う設定を選択して、不都合な出庫順番の変更が発生することを抑制することができる。また、出庫順番の変更の許否の問い合わせを要しない生産状況においては、問い合わせを行わない設定を選択して、出庫順番の変更の許否への応答の手間を省くことができる。
【0120】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成する。これにより、作業者Wが自己の都合に合わせて出庫順番の変更を要求した場合に、出庫順番の変更に関係する作業者Wの意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することを効果的に抑制することができる。
【0121】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、順番が早くなるように、または、順番が遅くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する制御を行うように構成する。これにより、順番が早くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する場合、緊急に必要な部品Eを迅速に部品保管庫20から出庫することができるので、緊急に必要な部品Eを迅速に部品E実装装置に供給することができる。また、順番が遅くなるように、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更する場合、部品Eの集荷に行けないなどの作業者Wの都合に合わせて、緊急に必要ではない部品Eの出庫順番を遅くして、他の部品Eを部品保管庫20から出庫することができる。
【0122】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装システム100を、作業者Wにより携帯されるとともに、出庫順番の変更要求を作成可能な携帯端末40を備えるように構成する。これにより、携帯端末40により出庫順番の変更要求を作成することができるので、作業者Wは、場所によらずに、出庫順番の変更要求を行うことができる。
【0123】
また、本実施形態では、上記のように、携帯端末40を、出庫順番リストおよび出庫の優先度を表示可能に構成する。これにより、作業者Wは、出庫順番リストおよび出庫の優先度を参照しつつ、出庫順番の変更要求を行うことができるので、適切な出庫順番の変更要求を容易に行うことができる。
【0124】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫順番の変更に関係する作業者Wが携帯する携帯端末40に対して出庫順番の変更の許否の問い合わせを通知する制御を行うように構成する。これにより、作業者Wは、携帯端末40により場所によらずに出庫順番の変更の許否の問い合わせの通知を受け取ることができるので、出庫順番の変更の許否の問い合わせを迅速かつ確実に確認することができる。
【0125】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装システム100を、部品実装装置15を含む複数の実装ライン10を備えるように構成する。また、外部PC30を、特定の実装ライン10を担当する作業者Wからの出庫順番の変更要求に応じて、特定の実装ライン10以外の、出庫順番の変更に関係する実装ライン10を担当する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成する。これにより、特定の実装ライン10を担当する作業者Wが担当する実装ライン10の都合に合わせて出庫順番の変更を要求した場合に、出庫順番の変更に関係する他の実装ライン10を担当する作業者Wの意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することをより効果的に抑制することができる。
【0126】
また、本実施形態では、上記のように、外部PC30を、出庫の優先度に基づいて、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更するか否かを検出するとともに、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更することが検出された場合、出庫順番の変更に関係する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成する。これにより、外部PC30が優先度に基づいて出庫順番の変更を自動で行う場合に、出庫順番の変更に関係する作業者Wの意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することを効果的に抑制することができる。
【0127】
また、本実施形態では、上記のように、部品実装システム100を、部品実装装置15を含む複数の実装ライン10を備えるように構成する。また、外部PC30を、部品保管庫20から部品Eを出庫する順番を変更することが検出された場合、複数の実装ライン10のうち、出庫順番の変更に関係する実装ライン10を担当する作業者Wに対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成する。これにより、外部PC30が優先度に基づいて出庫順番の変更を自動で行う場合に、出庫順番の変更に関係する実装ライン10を担当する作業者Wの意思を反映した状態で、出庫順番の変更を行うことができる。その結果、出庫順番の変更に関係する作業者Wに不都合な出庫順番の変更が発生することをより効果的に抑制することができる。
【0128】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0129】
たとえば、上記実施形態では、外部PCが、部品保管庫から部品を出庫する場合、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う制御装置として機能する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部PC以外の部品保管庫や携帯端末などが、部品保管庫から部品を出庫する場合、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行う制御装置として機能してもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、部品収容部材が複数の部品を保持するテープが巻きまわされたリールである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品収容部材は、複数の部品が載置されたトレイでもよい。また、部品収容部材は、長尺のケースの長手方向に部品が隣接して格納されるとともに、長手方向に直交する端面の開口から部品が1個ずつ供給されるスティックでもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、1つの実装ラインに3つの部品実装装置が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つの実装ラインに2つ以下または4つ以上の部品実装装置が設けられていてもよい。
【0132】
また、上記実施形態では、1つの部品保管庫が設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、複数の部品保管庫が設けられていてもよい。
【0133】
また、上記実施形態では、外部PC(制御装置)が、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせるか否かを設定可能に構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置が、常に、出庫順番の変更に関係する作業者に対して出庫順番の変更の許否を事前に問い合わせる制御を行うように構成されていてもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、外部PC(制御装置)が、手動出庫順番変更処理と、自動出庫順番変更処理との両方を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置が、手動出庫順番変更処理と、自動出庫順番変更処理とのうちのいずれか一方のみを行うように構成されていてもよい。
【0135】
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御処理を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0136】
10 実装ライン
15 部品実装装置
20 部品保管庫
30 外部PC(制御装置)
40 携帯端末
100 部品実装システム
E 部品
S 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9