(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】コンバイナ
(51)【国際特許分類】
H01P 1/213 20060101AFI20231016BHJP
【FI】
H01P1/213 M
(21)【出願番号】P 2022522617
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(86)【国際出願番号】 CN2019111166
(87)【国際公開番号】W WO2021072618
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】胡 健
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-300172(JP,A)
【文献】特開平10-270915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01P 1/213
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンバイナであって、
複数の無線周波数チャネルを含み、前記複数の無線周波数チャネル内の第i無線周波数チャネルは、
前記第i無線周波数チャネルに対応する第1信号を入力するように構成された入力ポートであって、任意の2つの無線周波数チャネルに対応する信号の周波数が異なる、入力ポートと、
前記第i無線周波数チャネルから前記第1信号を出力するように構成された出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間に構成された共振空洞コンポーネントであって、直列に接続された複数の共振空洞を含む、共振空洞コンポーネントと、
前記共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞に接続された整合共振器と、
各無線周波数チャネルの出力ポートに接続された結合ポートとを含み、
前記第i無線周波数チャネルは、前記複数の無線周波数チャネルのいずれかであ
って、
iは正の整数であり、
消耗デバイスは、任意の2つの隣接する無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置される、コンバイナ。
【請求項2】
前記消耗デバイスが、抵抗
器である、請求項1に記載のコンバイナ。
【請求項3】
前記複数の共振空洞の間に結合ネジが配置されている、請求項1または2に記載のコンバイナ。
【請求項4】
前記複数の共振空洞がそれぞれ共振器を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載のコンバイナ。
【請求項5】
前記共振器が、同軸共振器、誘電体共振器、導波路共振器、またはマイクロストリップ共振器である、請求項4に記載のコンバイナ。
【請求項6】
前記コンバイナが、2つの無線周波数チャネルを備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のコンバイナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、無線通信分野、特にコンバイナに関する。
【背景技術】
【0002】
通信技術の継続的な発展及び進歩、特に5Gの到来により、スペクトルはますます混雑している。スペクトルは、通常、オペレータ間で連続的に割り当てられる(例えば、オペレータAは、3400MHzから3500MHzの範囲のスペクトルを有し、オペレータBは、3500MHzから3600MHzの範囲のスペクトルを有する)。別の態様では、アンテナフィーダの製造コストを削減するために、またはアンテナ領域の直接的な制限に起因して、複数のネットワークデバイスは、アンテナフィーダを共有する必要がある。この場合、コンバイナは、異なるネットワークデバイス間でアンテナフィーダを共有するための重要な無線周波数部品として使用される。同じアンテナフィーダへの結合のプロセスでは、ネットワークデバイスの結合によって生じる損失を減らすだけでなく、結合後にスペクトル損失が生じないようにすることが必要であり、すなわち、コンバイナの適用中に各オペレータのスペクトルを100%利用することが必要とされる。
【0003】
従来の結合解決策では、通常、それぞれブリッジ、パワー分割コンバイナ、または共振空洞コンバイナである2つ以上の連続したスペクトルシステムの結合に3つの解決策が使用される。共振空洞コンバイナの場合、ネットワークデバイスシステムは、結合での比較的小さなパワー損失を有する。しかしながら、従来の共振空洞コンバイナ解決策では、特定の帯域幅を有するスペクトルは、コンバイナ間のガード帯域幅として確保する必要があり、ポート間の相互分離がネットワークデバイスシステム間の分離の要件を満たすようにする。さらに、各ネットワークデバイスシステムのポートも、ポートに整合する要件を満たす必要がある。結果として、結合中に確保されたスペクトルをこれ以上使用することができず、そのため、特定のスペクトルが失われ、スペクトル利用率が低下し、貴重なスペクトルリソースが無駄になる。
【0004】
本出願は、共振空洞コンバイナの損失を低くすることができ、スペクトル損失を回避するためにガード帯域幅を確保する必要がなく、従来のコンバイナ解決策の欠点を補い、それによって最適な結合効果を達成するように、新しいコンバイナの設計上の解決策を提供する。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、フィルタの帯域外抑制機能を用いることにより、動作範囲全体におけるコンバイナのスペクトル利用率を向上させ、結合でのパワー損失を低減するコンバイナを提供する。
【0006】
第1の態様によれば、コンバイナであって、複数の無線周波数チャネルを含み、複数の無線周波数チャネル内の第i無線周波数チャネルが、第i無線周波数チャネルに対応する第1信号を入力するように構成された入力ポートであって、任意の2つの無線周波数チャネルに対応する信号の周波数が異なる、入力ポートと、第i無線周波数チャネルから第1信号を出力するように構成された出力ポートと、入力ポートと出力ポートとの間に構成された共振空洞コンポーネントであって、直列に接続された複数の共振空洞を含む、共振空洞コンポーネントと、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞に接続された整合共振器と、各無線周波数チャネルの出力ポートに接続された結合ポートとを含み、第i無線周波数チャネルは、複数の無線周波数チャネルのいずれかであり、消耗デバイスは、任意の2つの隣接する無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置される、コンバイナが提供される。
【0007】
本出願の本実施形態によれば、コンバイナは、フィルタの帯域外抑制機能を用いることにより、動作範囲全体におけるコンバイナのスペクトル利用率を向上させ、結合でのパワー損失を低減する。本出願の本実施形態で提供されるコンバイナは、単純な構造、低コスト、及びハイパワー容量を有する。
【0008】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実装では、消耗デバイスは、抵抗器または消耗回路である。
【0009】
本出願の本実施形態によれば、コンバイナ内の2つの隣接する無線周波数チャネルの整合共振器は、抵抗器または消耗回路を使用することによって電気的に接続され得る。
【0010】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実装では、結合ネジは、複数の共振空洞の間に配置される。
【0011】
本出願の本実施形態によれば、結合ネジは、複数の共振空洞の間に配置され得、結合量は、コンバイナの共振空洞内の結合ネジの深さを調整することによって調整され得る。
【0012】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実装では、複数の共振空洞はそれぞれ共振器を含む。
【0013】
本出願の本実施形態によれば、無線周波数チャネルは、複数の共振器を含むバンドパスフィルタと同等であり得る。
【0014】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実装では、共振器は、同軸共振器、誘電体共振器、導波路共振器、またはマイクロストリップ共振器である。
【0015】
第1の態様を参照すると、第1の態様のいくつかの実装では、コンバイナは、2つの無線周波数チャネルを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本出願の実施形態に適用可能なネットワークデバイスシステムのアーキテクチャの概略図である。
【
図2】本出願の実施形態によるコンバイナの構造の概略図である。
【
図3】本出願の実施形態によるコンバイナの構造の概略図である。
【
図4】本出願の実施形態によるSパラメータの概略図である。
【
図5】本出願の実施形態による別のコンバイナの概略図である。
【
図6】本出願の実施形態によるさらに別のコンバイナの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は、添付の図面を参照して本出願の技術的解決策を説明する。
【0018】
従来のコンバイナ解決策では、通常、それぞれブリッジ、パワー分割コンバイナ、または共振空洞コンバイナである2つ以上の連続したスペクトルシステムの結合に3つの解決策が使用される。3dBブリッジまたは3dB結合コンバイナは、多くの無線周波数結合シナリオで使用される一般的な技術であり、システム間で同じスペクトルまたは異なるスペクトルを結合することができる。しかしながら、結合中に、ネットワークデバイスシステムのパワーは半分、すなわち3dB失われる。結果として、ネットワークデバイスシステムのパワー消費及びネットワークデバイスシステムのエネルギー消費が大幅に増加する。コンバイナの相互機能により、アップリンク損失及びダウンリンク損失の両方が3dBであるため、基地局システムのダウンリンクカバレッジ及びアップリンク受信パワーも3dB増加する。また、ネットワークデバイスシステムのパワーが比較的高い場合、コンバイナの負荷端はシステムのハイパワー吸収の半分に耐える必要があり、かなり高いパワー容量の負荷が必要となる。さらに、パワー負荷を使用して変換された熱は散逸させる必要があり、熱を散逸させるために追加の放熱器が必要であり、これによりコンバイナの容積と重量が増加する。コンバイナが3つのポートを有し、コンバイナの出力ポートの配線または整合が異常な場合、2つの入力ポート間の分離は最低6dBまで悪化する。この分離悪化は、ネットワークデバイスシステム間の信号の、結合でのピアシステムへの相互漏洩を引き起こし得、これは、結合での他のシステム内の内部回路またはデバイスを損傷し得、ネットワークデバイスシステムの障害を引き起こす。しかしながら、パワー分割コンバイナは一般的な技術であり、多くの無線周波数結合シナリオで使用され、システムにおいて同じスペクトルまたは異なるスペクトルを結合することができる。結合中に、ネットワークデバイスシステムのパワーは半分、すなわち3dB失われる。結果として、ネットワークデバイスシステムのパワー消費及びエネルギー消費が大幅に増加する。パワーが半減するため、ネットワークデバイスシステムのダウンリンクカバレッジとアップリンク受信性能の両方が半減する。ネットワークデバイスシステムのパワーが比較的大きい場合、コンバイナのパワー抵抗器は、ネットワークデバイスシステムのハイパワー吸収の半分に耐える必要があり、かなり高いパワー容量を有する負荷が必要となる。さらに、パワー負荷を使用して変換された熱は散逸させる必要があり、熱を散逸させるために追加の放熱器が必要であり、これによりコンバイナの容積と重量が増加する。コンバイナが3つのポートを有し、コンバイナの出力ポートの配線または整合が異常である場合、2つの入力ポート間の分離は最低6dBまで悪化する。この分離悪化は、ネットワークデバイスシステム間の信号の、結合でのピアネットワークデバイスシステムへの相互漏洩を引き起こし得、結合での他のネットワークデバイスシステム内の内部回路またはデバイスを損傷し得、ネットワークデバイスシステムの障害を引き起こす。共振空洞コンバイナの場合、ネットワークデバイスシステムは、結合での比較的小さなパワー損失を有する。しかしながら、従来の共振空洞コンバイナ解決策では、特定のスペクトルは、コンバイナ間のガード帯域幅として確保する必要があり、ポート間の相互分離がネットワークデバイスシステム間の分離の要件を満たすようにする。さらに、各ネットワークデバイスシステムのポートも、ポートに整合する要件を満たす必要がある。結果として、結合中に確保されたスペクトルをこれ以上使用することができず、そのため、特定のスペクトルが失われ、スペクトル利用率が低下し、貴重なスペクトルリソースが無駄になる。
【0019】
本出願は、共振空洞コンバイナの損失を低くすることができ、スペクトル損失を回避するためにガード帯域幅を確保する必要がなく、従来のコンバイナ解決策の欠点を補い、それによって最適な結合効果を達成するように、新しいコンバイナの設計上の解決策を提供する。
【0020】
図1は、本出願の実施形態に適用可能なネットワークデバイスシステムのアーキテクチャの概略図である。
【0021】
図1に示されるように、ネットワークデバイスシステムは、アンテナ11、コンバイナ12、第1トランシーバ13、及び第2トランシーバ14を含み得る。第1トランシーバ13は、第1ネットワークデバイスに属し得、第2トランシーバ14は、第2ネットワークデバイスに属し得る。別の態様では、アンテナフィーダの製造コストを削減するために、またはアンテナ領域の直接的な制限に起因して、複数のネットワークデバイスは、アンテナフィーダを共有する必要がある。第1トランシーバ13と第2トランシーバ14がそれぞれ外部に信号を送信する場合、これらの信号はコンバイナ12によって結合されてもよく、次いでアンテナ11は外部に結合された信号を発する。第1トランシーバ13と第2トランシーバ14がそれぞれ信号を受信すると、アンテナ11は外部から信号を受信する。この場合、コンバイナの相互機能により、コンバイナはスプリッタとして使用され得、アンテナ11によって受信した信号をコンバイナ12が分割して、分割した信号を第1トランシーバ13と第2トランシーバ14に送信する。
【0022】
本出願のこの実施形態では、ネットワークデバイスシステム内のネットワークデバイスの量は単なる例であり、実際の要件及び設計に基づいて変更され得ることを理解されたい。コンバイナに接続されたネットワークデバイスの量は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0023】
通信技術の継続的な発展及び進歩、特に5Gの到来により、スペクトルはますます混雑している。スペクトルは通常、オペレータ間で連続的に割り当てられる(例えば、オペレータAは3400MHzから3500MHz、オペレータBは3500MHzから3600MHz)。別の態様では、アンテナフィーダの製造コストを削減するために、またはアンテナ領域の直接的な制限に起因して、複数のネットワークデバイスは、アンテナフィーダを共有する必要がある。この場合、コンバイナは、異なるネットワークデバイス間でアンテナフィーダを共有するための重要な無線周波数部品として使用される。同じアンテナフィーダへの結合のプロセスでは、ネットワークデバイスの結合によって生じる損失を減らすだけでなく、結合の後にスペクトル損失が生じないようにすることが必要であり、すなわち、コンバイナの適用中に各オペレータのスペクトルを100%利用することが必要とされる。
【0024】
本出願は、共振空洞コンバイナの損失を低くすることができ、スペクトル損失を回避するためにガード帯域幅を確保する必要がないように、共振空洞コンバイナを提供する。加えて、コンバイナの相互機能により、コンバイナはスプリッタとしても使用され得、共振空洞スプリッタの損失を低くすることができ、スペクトル損失を回避するためにガード帯域幅を確保する必要がないようにする。
【0025】
図2は、本出願の実施形態によるコンバイナの構造の概略図である。
【0026】
図2に示されるように、コンバイナは、複数の無線周波数チャネル10及び結合ポート20を含み得る。複数の無線周波数チャネル10内の第i無線周波数チャネルは、第i無線周波数チャネルに対応する第1信号を入力するように構成された入力ポートであって、任意の2つの無線周波数チャネルに対応する信号の周波数が異なる、入力ポートと、第i無線周波数チャネルから第1信号を出力するように構成された出力ポートと、直列に接続された複数の共振空洞を含み、入力ポートと出力ポートとの間に構成された共振空洞コンポーネントと、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞に接続された整合共振器とを含み、iは正の整数である。結合ポートは、各無線周波数チャネルの出力ポートに接続され、出力ポートは、各無線周波数チャネル内の複数の共振空洞内の最後の共振空洞であり得る。第i無線周波数チャネルは、複数の無線周波数チャネルのいずれかであり、消耗デバイスは、任意の2つの隣接する無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置される。
【0027】
本出願のこの実施形態では、説明の例として2つの無線周波数チャネルが使用されるが、無線周波数チャネルの量は限定されないことを理解されたい。
【0028】
図2に示されるように、コンバイナは、第1無線周波数チャネル111及び第2無線周波数チャネル112を含み得る。第1無線周波数チャネル111は、信号の入力ポートとして機能する第1ポート101を含んでもよい。第2無線周波数チャネル112は、信号の入力ポートとして機能する第2ポート102を含んでもよい。複数の共振空洞120は、入力ポートと第1無線周波数チャネル111の出力ポートとの間に構成され得、直列に接続され得る。複数の共振空洞120は、入力ポートと第2無線周波数チャネル112の出力ポートとの間に構成され得、直列に接続され得る。
【0029】
第1無線周波数チャネル111は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞120に接続される第1整合共振器121を含み得る。第2無線周波数チャネル112は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞120に接続される第2整合共振器122を含み得る。消耗デバイスは、任意の隣接する2つの無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置され、整合共振器は、消耗デバイスを使用して電気的に接続される。具体的には、第1無線周波数チャネル111の第1整合共振器121、及び第2無線周波数チャネルの第2整合共振器122は、消耗デバイス123を用いて電気的に接続される。
【0030】
第1整合共振器121、第2整合共振器122、及び消耗デバイス123は、第1無線周波数チャネル111と第2無線周波数チャネル112との間の通信のためのチャネルとして機能し、入力される2つの連続した周波数を結合するためのチャネル間の分離を実装し、結合された周波数帯域全体で各ポートが完全に整合するようにすることを理解されたい。
【0031】
任意選択で、第1無線周波数チャネル111は、バンドパスフィルタ(複数の共振器を含む)と同等であってもよく、第1無線周波数チャネル111は、多次フィルタと同等であってもよい。第2ポート102と結合ポート20との間の第2無線周波数チャネル112は、バンドパスフィルタ(複数の共振器を含む)と同等であってもよく、第2無線周波数チャネル112は、多次フィルタと同等であってもよい。
【0032】
任意選択で、消耗デバイス123は、抵抗器または消耗回路であってもよく、実際の要件および設計に基づいて対応して選択されてもよい。
【0033】
コンバイナの相互機能により、本出願のこの実施形態における技術的解決策におけるコンバイナもスプリッタとして使用され得ることを理解されたい。この場合、コンバイナの結合ポートをスプリッタの入力ポートとして使用し、コンバイナの入力ポートをスプリッタの出力ポートとして使用する。
【0034】
本出願のこの実施形態で提供されるコンバイナは、フィルタの帯域外抑制機能を用いることにより、動作範囲全体でコンバイナのスペクトル利用率を向上させ、結合でのパワー損失を低減する。本出願のこの実施形態で提供されるコンバイナは、単純な構造、低コスト、及びハイパワー容量を有する。
【0035】
図3は、本出願の実施形態によるコンバイナの構造の概略図である。
【0036】
図3に示されるように、コンバイナは、複数の無線周波数チャネル10及び結合ポート20を含む。複数の無線周波数チャネル内の第i無線周波数チャネルは、第i無線周波数チャネルに対応する第1信号を入力するように構成された入力ポートであって、任意の2つの無線周波数チャネルに対応する信号の周波数が異なる、入力ポートと、第i無線周波数チャネルから第1信号を出力するように構成された出力ポートと、直列に接続された複数の共振空洞を含み、入力ポートと出力ポートとの間に構成された共振空洞コンポーネントと、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞に接続された整合共振器とを含み、iは正の整数である。結合ポートは、各無線周波数チャネルの出力ポートに接続され、出力ポートは、各無線周波数チャネル内の複数の共振空洞内の最後の共振空洞であり得る。第i無線周波数チャネルは、複数の無線周波数チャネルのいずれかであり、消耗デバイスは、任意の2つの隣接する無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置される。
【0037】
本出願のこの実施形態では、説明のための例として2つの無線周波数チャネルが使用されるが、無線周波数チャネルの量は限定されないことを理解されたい。
【0038】
図3に示されるように、コンバイナは、第1無線周波数チャネル111及び第2無線周波数チャネル112を含み得る。第1無線周波数チャネル111は、信号の入力ポートとして機能する第1ポート101を含んでもよい。第2無線周波数チャネル112は、信号の入力ポートとして機能する第2ポート102を含んでもよい。複数の共振空洞120は、入力ポートと第1無線周波数チャネル111の出力ポートとの間に構成され得、直列に接続され得る。複数の共振空洞120は、入力ポートと第2無線周波数チャネル112の出力ポートとの間に構成され得、直列に接続され得る。
【0039】
第1無線周波数チャネル111は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞120に接続される第1整合共振器121を含み得る。第2無線周波数チャネル112は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空洞120に接続される第2整合共振器122を含み得る。消耗デバイスは、任意の隣接する2つの無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置され、整合共振器は、消耗デバイスを使用して電気的に接続される。具体的には、第1無線周波数チャネル111の第1整合共振器121、及び第2無線周波数チャネルの第2整合共振器122は、消耗デバイス123を用いて電気的に接続される。
【0040】
本出願の本実施形態で提供されるコンバイナは、単純な構造、低コスト、及びハイパワー容量を有する。
【0041】
第1整合共振器121、第2整合共振器122、及び消耗デバイス123は、第1無線周波数チャネルと第2無線周波数チャネルとの間の通信のためのチャネルとして機能し、入力される2つの連続した周波数を結合するためのチャネル間の分離を実装し、結合された周波数帯域全体で各ポートが完全に整合するようにすることを理解されたい。
【0042】
任意選択で、消耗デバイス123は、抵抗器または消耗回路であってもよく、実際の要件および設計に基づいて対応して選択されてもよい。
【0043】
任意選択で、複数の共振空洞120のそれぞれは、共振器124を含み得る。共振器124は、同軸共振器、誘電体共振器、導波路共振器、またはマイクロストリップ共振器であり得る。
【0044】
任意選択で、結合ネジ125は、複数の共振空洞120の間に配置され得、結合量は、コンバイナの共振空洞内の結合ネジ125の深さを調整することによって調整され得る。
【0045】
任意選択で、第1無線周波数チャネル及び第2無線周波数チャネルはそれぞれ、伝送線140をさらに含んでもよい。伝送線140は、共振空洞120を第1ポート101及び第2ポート102に電気的に接続するように構成されてもよい。伝送線140は、第1無線周波数チャネル及び第2無線周波数チャネルの出力ポートを結合ポート20に電気的に接続するようにさらに構成されてもよい。第1無線周波数チャネル及び第2無線周波数チャネルの出力ポートはそれぞれ、複数の共振空洞内の最後の共振空洞であってもよい。伝送線140は、各ポートに対して信号伝送を提供し得る。
【0046】
任意選択で、消耗デバイス123は、伝送線140を使用することによって、第1整合共振器121及び第2整合共振器122に電気的に接続されてもよい。
【0047】
任意選択で、コンバイナは、ハウジング130をさらに含んでもよく、ハウジング130は、外部信号を遮蔽するために、鋼、銅、およびアルミニウムなどの金属材料であってもよく、それによって内部信号への干渉を低減する。
【0048】
図4は、本出願の実施形態によるSパラメータの概略図である。
【0049】
任意選択で、第1ポートから入力される信号の周波数範囲は、3.4GHzから3.5GHzであってよく、第2ポートから入力される信号の周波数範囲は、3.5GHzから3.6GHzであってよい。
【0050】
図4に示すように、コンバイナの中心周波数は3.5GHzであり、コンバイナの帯域幅は約±100MHzである。本出願の実施形態において提供される技術的解決策において、コンバイナの中心周波数及び帯域幅は、実際の要件に基づいて変更され得ることを理解されたい。
【0051】
本出願において提供される技術的解決策では、第1無線周波数チャネル及び第2無線周波数チャネルは、連続するパスバンドを有する2つのバンドパスフィルタに相当し、フィルタのバンド外抑制特徴を使用することによって、第1無線周波数チャネルと第2無線周波数チャネルとの間の非隣接周波数帯域間の分離が確保される。加えて、第1無線周波数チャネルと第2無線周波数チャネルとの間の消耗デバイスは、各ポートに整合するように使用される。本出願において提供されるコンバイナ設計解決策では、減衰は、第1無線周波数チャネル及び第2無線周波数チャネルのパスバンドが継続するポイントでのみ発生し、コンバイナのパワー減衰が残りの全ての動作周波数帯域において3dB未満であることが保証される。フィルタの帯域外抑制機能により、ガード周波数帯を必要とせず、連続したスペクトルを結合することができるので、スペクトル利用率は低下しない。
【0052】
本出願において提供されるコンバイナ設計解決策では、結合でのパワー損失が低減され、入力端におけるネットワークデバイスのエネルギー消費を低減することができることを理解されたい。アンテナフィーダ内のコンバイナ及びスプリッタの損失が比較的小さい場合、アンテナに到達するパワーが増加し、アンテナの受信後にトランシーバに到達するパワーの損失がより小さくなるため、ネットワークデバイスシステムのアップリンクカバレッジ及びダウンリンクカバレッジが増加し得る。また、コンバイナは、フィルタの帯域外抑制機能を使用する。したがって、システムソフトウェア構成及びアルゴリズムを組み合わせることにより、ネットワークデバイスシステムの帯域幅を拡張するためにアンテナフィーダ解決策を使用することによって、超広帯域を実装することができ、従来のブリッジを使用してシステムを結合した後の結合ポート整合が悪くなり、そのため、結合ポート間の分離が悪くなるという問題を解決することができる。結果として、システム間の信号の相互漏洩により、システム回路またはデバイス損失が発生し、システム障害が発生する。
【0053】
図5及び
図6は、本出願の実施形態による別のコンバイナの概略図である。
【0054】
コンバイナは、設計及び実際の要件に基づいて、複数の無線周波数チャネルを含み得ることを理解されたい。
【0055】
図5に示されるように、コンバイナは、第1無線周波数チャネル、第2無線周波数チャネル、及び第3無線周波数チャネルを含んでよく、第1無線周波数チャネル、第2無線周波数チャネル、及び第3無線周波数チャネルに対応する入力ポートは、第1ポート、第2ポート、及び第3ポートであってよい。
図6に示されるように、コンバイナは、第1無線周波数チャネル、第2無線周波数チャネル、第3無線周波数チャネル、及び第4無線周波数チャネルを含んでよく、第1無線周波数チャネル、第2無線周波数チャネル、第3無線周波数チャネル、及び第4無線周波数チャネルに対応する入力ポートは、第1ポート、第2ポート、第3ポート、及び第4ポートであってよい。入力ポートの量は、本出願のこの実施形態では限定されない。
【0056】
図5に示されるように、入力ポートとして機能する第1ポート、第2ポート、及び第3ポートは、共振空洞コンポーネントを使用することによって対応する出力ポートにそれぞれ接続されてもよく、共振空洞コンポーネントは、直列に接続された複数の共振空洞を含んでもよい。各無線周波数チャネルは、整合共振器を含み、整合共振器は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空
洞に接続される。消耗デバイスは、任意の隣接する2つの無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置され、整合共振器は、消耗デバイスを使用して電気的に接続される。
【0057】
図6に示されるように、入力ポートとして機能する第1ポート、第2ポート、第3ポート、及び第4ポートは、共振空洞コンポーネントを使用することによって対応する出力ポートにそれぞれ接続されてもよく、共振空洞コンポーネントは、直列に接続された複数の共振空洞を含んでもよい。各無線周波数チャネルは、整合共振器を含み、整合共振器は、共振空洞コンポーネント内の任意の共振空
洞に接続される。消耗デバイスは、任意の隣接する2つの無線周波数チャネルの整合共振器の間に配置され、整合共振器は、消耗デバイスを使用して電気的に接続される。
【0058】
任意選択で、消耗デバイスは、抵抗器または消耗回路であってもよく、実際の要件および設計に基づいて対応して選択されてもよい。
【0059】
任意選択で、複数の共振空洞のそれぞれは、共振器を含み得る。共振器は、同軸共振器、誘電体共振器、導波路共振器、またはマイクロストリップ共振器であり得る。
【0060】
任意選択で、結合ネジは、複数の共振空洞の間に配置され得、結合量は、コンバイナの共振空洞内の結合ネジの深さを調整することによって調整され得る。
【0061】
別個の部品として説明されているユニットは、物理的に別個であっても、そうでなくてもよい。ユニットとして表示される部品は、具体的には、物理的なユニットであってもそうでなくてもよいし、1つの位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散してもよい。ユニットのいくつかまたはすべては、実施形態の解決策の目的を達成するための実際の要件に基づいて選択され得る。
【0062】
さらに、本出願の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合され得るか、またはユニットのそれぞれが物理的に単独で存在し得るか、または2つ以上のユニットが1つのユニットに統合され得る。
【0063】
前述の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を制限することを意図したものではない。本出願に開示された技術的範囲内で当業者によって容易に理解されるいかなる変形または置換も、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。したがって、本出願の実施形態の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。