(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-13
(45)【発行日】2023-10-23
(54)【発明の名称】制御可能な透明度を有する表面を備える化粧用容器
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20231016BHJP
A45D 33/32 20060101ALI20231016BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20231016BHJP
【FI】
A45D33/00 645Z
A45D33/32
A45D34/04 560
(21)【出願番号】P 2022580729
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 US2021042449
(87)【国際公開番号】W WO2022020401
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513161449
【氏名又は名称】イーエルシー マネージメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、チエン
(72)【発明者】
【氏名】ロマン、スコット チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】シャトーヴェール、マシュー
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208129720(CN,U)
【文献】国際公開第2009/008403(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0264118(US,A1)
【文献】中国実用新案第207721394(CN,U)
【文献】特表2010-505231(JP,A)
【文献】米国特許第02021015(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 33/00 - 34/06
A45D 40/22
A45D 42/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧用容器であって、
内部を画定するベースと、
前記ベースの前記内部に位置するインサートであって、粘性化粧製品を受容するためのリザーバを画定する、インサートと、
電源と、
前記電源から電力を受け取ることができる、前記インサートによって支持された照明要素の1つ以上のアレイと、
前記電源から前記照明要素の1つ以上のアレイへの電気の流れを確立又は遮断することができるオン/オフスイッチと、
前記ベースにヒンジ式に取り付けられ、前記ベースに対して閉位置又は開位置をとることができる蓋と、
前記蓋を通る開口部内に支持されたマジックミラーであって、内側面及び外側面を有する、マジックミラーと、を備え、
前記蓋が閉じられ、前記照明要素の1つ以上のアレイへの電気の流れが前記オン/オフスイッチによって遮断されているときには、ユーザは、前記マジックミラーを通して前記ベース内の前記
粘性化粧製品を見ることができないが、前記マジックミラーに自身の鏡像を見ることができ、
前記蓋が閉じられ、電気が前記照明要素の1つ以上のアレイに流れているときには、前記ユーザは、前記マジックミラーを通して前記ベース内の前記
粘性化粧製品を見ることができる、
化粧用容器。
【請求項2】
前記マジックミラーの前記外側面上に置かれた可変透明度フィルムと、
電圧変換器と、を更に備え、
前記電源及び電圧変換器が、前記
可変透明度フィルムを透明にするのに有効な、前記可変透明度フィルムの両面間の電圧差を維持することができる、
請求項1に記載の化粧用容器。
【請求項3】
前記電源が再充電可能である、請求項2に記載の化粧用容器。
【請求項4】
磁気誘導又は磁気共鳴によって電流を生成することができるチップ受信機を更に備える、請求項3に記載の化粧用容器。
【請求項5】
前記可変透明度フィルムが、前記照明要素のアレイと並列に配置され、
前記オン/オフスイッチが、前記照明要素及び前記可変透明度フィルムが別々に制御可能であるように、3位置スイッチである、
請求項2に記載の化粧用容器。
【請求項6】
化粧用容器であって、
内部を画定するベースと、
前記ベースの前記内部に位置するインサートであって、粘性化粧製品を受容するためのリザーバを画定する、インサートと、
電源と、
前記電源から電力を受け取ることができる、前記インサートによって支持された照明要素の1つ以上のアレイと、
前記ベースにヒンジ式に取り付けられ、前記ベースに対して閉位置又は開位置をとることができる蓋と、
前記蓋を通る開口部内に支持された透明表面であって、内側面及び外側面を有する、透明表面と、
前記透明表面の前記外側面上に置かれた可変透明度フィルムと、
電圧変換器であって、前記電源及び電圧変換器が、前記
可変透明度フィルムを透明にするのに有効な、前記可変透明度フィルムの両面間の電圧差を維持することができる、電圧変換器と、
前記電源から前記可変透明度フィルムへ、かつ前記照明要素の1つ以上のアレイへの電気の流れを確立又は遮断することができるオン/オフスイッチと、を備える、化粧用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧用容器の分野に関する。具体的には、ユーザが透明度をコントロールすることができる少なくとも1つの表面を備えるコンパクトが記載される。
【背景技術】
【0002】
化粧用コンパクトは、通常、ピボットヒンジなどのヒンジ特徴部によって接合されたベース及び蓋を備える。ベースは通常、1つ以上の化粧製品、メイクアップアプリケータ、その他のパーソナルケア要素を保持するための容器として設計される。蓋は、ベースと協働してベースの内容物を固定する。蓋及びベースの協働は、これら2つの間の気密シール、及びコンパクトの偶発的な開放を防止する締結機構を含むことができる。ベース及び蓋は、概ね同じ全体形状であり、円形、楕円形及び長方形が非常に一般的である。また、蓋の内側が、コンパクトが開位置にあるときに使用され得る鏡を備えることは非常に一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ケースが閉位置にあるときにコンパクトの内容物を見ることができる窓を備えるコンパクトが知られている。このようなコンパクトは、化粧製品を適切に見せるのに必要な店内陳列スペースが少なくて済み、製品を周囲雰囲気にさらすことなく見せることができるので、有利である。これらの例としては、蓋の一部分がガラス又はプラスチックのいずれかの透明な材料で形成された、米国特許第D759,896号のような、シースルー蓋を有するコンパクトが挙げられる。しかしながら、このタイプのコンパクトでは、使用者が化粧製品を塗布するのを補助するために鏡が設けられる場合、鏡は透明窓要素とは別々に供給されなければならない。
【0004】
対照的に、シースルーベースを有するコンパクトは、米国特許第5,431,177号に示されている。穴がコンパクトのベース内に位置し、製品内容物は、穴の上にあるか又は穴内に収まる透明なパンに収納される。製品内容物は、穴及び透明なパンを通して見ることによって視認することができる。この配置により、製品内容物の視界を妨げることなく、化粧製品と蓋の内側との間に化粧鏡を位置させることができる。このシステムの欠点は、透明なパンを必要とすることであり、これはプラスチックパンを意味し、金属パンが好ましいことが多い。
【0005】
本発明は、化粧製品を収容するベースにヒンジ式に接続された蓋と、照明回路とを備える、コンパクトなどの化粧用容器である。本発明のいくつかの実施形態はマジックミラーを備えるが、他の実施形態は可変透明度フィルムを備える。しかしながら、好ましい実施形態は、本明細書に記載されるように協働するマジックミラーと可変透明度フィルムの両方を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、開位置で示される、本発明による化粧用コンパクトの第1の実施形態の斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明による、化粧用コンパクトの正面図である。
【
図4】
図4は、本発明による、化粧用コンパクトの背面図である。
【
図5】
図5は、本発明による、化粧用コンパクトのベースの斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明による、化粧用コンパクトのインサートの斜視図である。
【
図7】
図7は、閉位置で示される、
図1の化粧用コンパクトの断面図である。
【
図8】
図8は、照明要素及び抵抗器のアレイを描写する。
【
図10】
図10は、本発明による、化粧用コンパクトの第2の実施形態の分解図である。
【
図11】
図11は、本発明による、化粧用コンパクトの第3の実施形態の分解図である。
【
図13】
図13は、本発明において有用な電気回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明において、本発明の原理は、化粧用コンパクト容器において具体化される。しかしながら、本発明が化粧用コンパクトに限定されず、本発明の原理が他のタイプの容器において具現化され得ることが容易に明らかになるであろう。
【0008】
第1の実施形態:マジックミラーのみ
図1及び
図2を参照すると、本発明の第1の実施形態による化粧用コンパクト(10)は、インサート(2)を有するベース(1)と、照明回路(4、5、6、8)と、マジックミラー(7)を有する蓋(3)とを備える。
【0009】
ベース及びインサート
図1~
図5において、ベース(1)は円筒形として示されているが、形状は重要ではない。ベースは、ベースの内部(1c)をともに画定する底部(1a)及び側壁(1b)を備える。側壁の頂部付近の1つ以上の切り欠きは(1e)で示され、参照符号(1d)は側壁の1つ以上の溝を示す。
【0010】
インサート(2)は、コンパクト(10)のベース(1)の内部(1c)に位置する。
図6及び
図7を参照すると、インサートは、粘性化粧製品(P)を受容するためのリザーバ(2c)を画定する底部(2a)及び側壁(2b)を備える。1つ以上のフランジ(2e)が、インサートの側壁の周囲の一部分の周りに延在し、ベースの側壁(1b)の上部付近の1つ以上の切り欠き(1e)内に収まる。各フランジは、チャネル(2f)を備える。インサートは、接着剤及び/又はスナップ嵌め係合によってベース内に固定され得る。スナップ嵌め係合の構成要素が
図5及び
図6に示されており、インサートの1つ以上の可撓性突出部材(2d)は、インサートがベースから後退するのを防ぐために、ベースの1つ以上の溝(1d)内に嵌合するように設計されている。インサートのリザーバ内に受容される製品(P)は、例えば、圧縮粉末、クリーム又はゲルであり得る。任意選択で、製品は、インサートのリザーバ内に直接堆積されてもよく、又はアルミニウムパン(2g)若しくは当該分野で一般的な他のタイプのゴデット内に堆積されてもよく、これは次いでインサート(2)内に据え付けられる。
【0011】
照明回路
照明回路は、1つ以上のプリント回路基板と、電源と、オン/オフスイッチと、照明要素の1つ以上のアレイとからなる。任意選択で、電源を再充電する手段も設けられる。好ましい実施形態では、ベース(1)の内部(1c)は、主プリント回路基板(4)及び電源を収容する。これらは、インサート(2)の下に位置する(
図7参照)。主プリント回路基板は、ベース内部の底部上に載置され、任意の適切な手段によってそこに固定され得る。電源は電池(5)であることが好ましい。電池は、ボタン電池などの使い捨て電池であってもよい。これらは、一般にリチウム、亜鉛-空気、銀、アルカリ、及びニッケルと呼ばれるものを含み、典型的には1.4~3.6ボルトの範囲の公称電圧を有する。代替的に、バッテリは再充電可能である。
【0012】
照明要素(6b)の1つ以上のアレイ(6)は、インサート(2)のリザーバ(2c)内の製品(P)に光を当てるように位置決めされる。例えば、照明要素の1つ以上のアレイは、インサート(2)の各チャネル(2f)内に照明要素のアレイを位置させることによってインサートによって支持されてもよく、インサートは、スナップ嵌め、締まり嵌め、又は接着剤のいずれかによって、各アレイをしっかりと固定するように適合される。代替的又は追加的に、照明要素の1つ以上のアレイは、蓋(3)の内周に沿って固定され得る。
【0013】
各アレイ内の照明素子は互いに電気的に接続され、好ましくは並列に接続される。各アレイ内で、照明要素は、互いに物理的に分離され、ワイヤによってのみ接続されてもよい。しかしながら、好ましくは、各アレイは、照明要素が付着される二次プリント回路基板(6a)を含む(
図8参照)。好ましくは、各アレイ内の照明要素の少なくともいくつかは、発光ダイオード(light emitting diode、LED)である。より好ましくは、照明要素の全てがLEDである。二次プリント回路基板及び照明要素は、主回路基板(4)及び導電体(図示せず)を介して、バッテリ(5)から電力を受け取ることができる。電流及び電圧を調整するために、必要に応じて、1つ以上の抵抗器(6c)を照明要素と直列又は並列に位置させる。照明回路を開閉する手段が提供されている。例えば、これは、ベース(1)の側壁(1b)上でユーザにアクセス可能な触覚又は容量オン/オフスイッチ(8)の形態をとってもよい。スイッチは、照明要素のアレイへの電気の流れを確立又は遮断することができる。
【0014】
好ましくは、電池(5)(又は他の電源)は再充電可能である。この場合には、電源を再充電する手段も設けられる。電源を再充電する好ましい手段は、磁気誘導充電又は磁気共鳴充電などのワイヤレスである。いずれのタイプでも、磁気誘導又は磁気共鳴によって電流を発生させることができるチップ受信機(4a)を主プリント回路基板(4)に組み込むことができ、その結果、コンパクトが充電パッド又はクレードルなどの関連する送信機の範囲内にあるとき、電流が受信機に誘導され、電池に蓄積される。特に好ましい再充電手段は、Qi磁気誘導再充電技術を含む。もちろん、ケーブルを通した再充電も可能である。この場合、内部回路は、コンパクト(10)の表面近くでアクセス可能なポート(1i)(USBなど)に電源を接続する。
【0015】
マジックミラーを有する蓋
ベース(1)と協働してベースの内容物を固定し、ベースの内部(1c)へのアクセスを制御する蓋(3)が設けられている。ベースに対して、蓋は閉位置又は開位置をとることができる。ベース及び蓋は、全体として同じ形状である。蓋及びベースの協働は、2つの間の気密シールを含んでもよい。典型的には、ベース及び蓋は、当該技術分野において一般的に行われているように、一方を他方にヒンジ式に取り付けるための手段を備えている。例えば、ベース及び蓋は、ベースの第1のシャフト(1f)を通り、次いで蓋のシャフト(3f)を通り、次いでベースの第2のシャフト(1f’)を通る円筒ピン(3a)又は軸によって互いに取り付けられてもよく、その結果、2つの構成要素は、互いに対して回転することができる。
【0016】
また、コンパクトが使用されていないときにベースの内容物が保護されるように、蓋を閉位置にラッチするための締結機構が設けられる。例えば、蓋は、ベースの側壁(1b)内の凹部(1g)内に受容されることが可能な可撓性カンチレバー(3g)を備えてもよい(
図5及び
図9を参照)。この場合、カンチレバーは、側壁の凹部(1g)内に位置する突起(1h)を受容するための窪み(3h)を特徴としてもよい。突出部の形状は、蓋がベースから離れるように回転されることを許容し、ベースの内部(1c)へのアクセスを許可するように、ユーザによって提供される軽い圧力で窪みから取り外され得るような形状である。
【0017】
参照符号(3b)は、蓋を通る開口部を示す(
図9参照)。上述したように、照明要素(6)の1つ以上のアレイは、この開口部を取り囲む蓋の内周に沿って固定されてもよい(
図12参照)。開口部自体において、蓋(3)はマジックミラー(7)を支持する。マジックミラーは、蓋が閉じられたときにベース(1)の内部(1c)に面する内側面(7a)と、常にコンパクトの外側に面する外側面(7b)とを有する。ユーザは、照明回路を操作することによって、マジックミラーの両側の相対輝度を制御する。これにより、ユーザは、照明回路がオンのときにコンパクト(10)の内容物を見ることが許容され、照明回路がオフのときに内容物を隠すことが許容される。例えば、蓋が閉じられ、照明回路がオフであるとき、コンパクトの外側の周囲照明は、コンパクトの内側の照明よりも著しく明るい。その結果、ユーザはコンパクト内の化粧製品を見ることができない。その代わり、ユーザは、マジックミラー(7)に自身の鏡像を見ることになる。しかしながら、ユーザがオン/オフスイッチ(8)を係合させて照明回路を作動させると、照明回路がオンになる。LEDは、コンパクト内部の照明がコンパクト外部の周囲照明よりも著しく明るくなるように、十分な光エネルギーを提供する。これにより、マジックミラーがユーザに対して透明になり、ユーザは蓋を通してコンパクト内の製品を見ることができる。ユーザが照明回路をオフにすると、ユーザは再びマジックミラーに自身の鏡像を見る。
【0018】
第2の(及び好ましい)実施形態:マジックミラー及び可変透明度フィルム
上述した第1の実施形態では、コンパクト(10)が閉じられると、ユーザは、マジックミラー(7)の外側面(7b)からの自分の鏡像を見ることができる。しかしながら、コンパクトが開かれると、鏡の両側の周囲照明は一般に同じ明るさであるので、鏡の内側面(7a)又は外側面のいずれかからの鏡像を見ることができない。これは、化粧製品(P)を塗布するときに鏡の内側面上の自分の鏡像を見たいと思うユーザにとって便利ではない。また、コンパクトの外側に反射面を有することは審美的に望ましくない場合がある。したがって、本発明の好ましい実施形態では、コンパクトが閉じられ、照明要素(6b)がオフであるときでも、マジックミラーの外側面を不透明に見えるようにすることが可能である。更に、この好ましい実施形態では、マジックミラーの内側面(7a)は、コンパクトが開かれたときでも鏡像を提供することができ、蓋(3)の両側の周囲照明は同じである。
【0019】
この挙動の逆転は、第1の実施形態への1つの追加によって達成される。具体的には、可変透明度フィルム(9)は、マジックミラー(7)の外側面(7b)上に置かれる(
図10参照)。可変透明度フィルムは、2つの反側にある表面を有し、一般に不透明である。しかしながら、特定の電圧差がフィルムの両面間で維持される場合、フィルムは透明になる。好ましくは、電圧は電源(5)によって供給される。しかしながら、可変透明度フィルムの場合、必要とされる電圧は、電源の電圧定格よりも著しく大きい場合がある。したがって、電圧を昇圧又は別様で調整することができる電圧変換器(9a)を、主プリント回路基板(4)内に組み込むことができる。電源及び電圧変換器は、フィルムを透明にするのに有効な、可変透明度フィルムの両面間の電圧差を維持することができる。
【0020】
好ましい一実施形態では、可変透明度フィルム(9)及び電圧変換器(9a)は、照明回路の一部であり、したがって、照明回路がオンであるときにのみ、規定電圧がフィルムにわたって確立される。好ましくは、可変透明度フィルム及び電圧変換器は、照明要素(6b)のアレイと並列に配置される(
図13参照)。他の好ましい実施形態では、照明要素及び可変透明度フィルムは、別々に制御可能である。これは、LED及び可変透明度フィルムのための別々のオン/オフスイッチ、又は単一の3位置スイッチ(8’)を提供することによって達成され得る。この選択肢により、ユーザは、可変透明度フィルムに電流が流れていない場合であっても、LED光を化粧製品に当てることができる。
【0021】
蓋(3)が閉じられ、照明要素又は可変透明度フィルムに電流が流れていないとき、可変透明度フィルムは不透明であり、マジックミラーの外側面(7b)が反射することが防止される。しかしながら、ユーザが照明要素及び可変透明度フィルムに電流を流すと、可変透明度フィルムは透明になり、ユーザは、照明要素(6b)によってコンパクト(10)の内部に提供される輝度が増加するために、可変透明度フィルム及びマジックミラーを通してコンパクトの内容物を見ることができる。一方、蓋(3)が開かれ、可変透明度フィルムに電流が流れていないとき、フィルムは不透明である。これは、マジックミラーの外側面(7b)が暗くなる一方で、内側面が周囲照明によって、かつ/又は照明要素によって照らされることを意味する。その結果、マジックミラーの内側面は、ユーザが化粧製品を塗布する際に使用することができる可視鏡像を提供する。
【0022】
第3の実施形態:可変透明度フィルム、マジックミラーなし
図11を参照すると、この実施形態は、マジックミラーがガラス又はプラスチック片などの透明表面(7’)によって置き換えられていることを除いて、第2の実施形態と同様である。蓋(3)が閉じられ、電流が可変透明度フィルム(9)に流れていないときは、可変透明度フィルムは不透明であり、コンパクト(10)の内容物は見ることができない。蓋(3)が閉じられ、電流が可変透明度フィルムに流れているときは、可変透明度フィルムは透明であり、コンパクトの内容物は、特に照明要素(6b)も電源(5)から電力を受け取っている場合に、可変透明度フィルム及び透明表面(7’)を通して見ることができる。任意選択的には、しかしながら、この実施形態では、ユーザが製品を塗布するのを補助するために、通常の鏡(7’’)がコンパクト内部のどこかに提供されることが好ましい。例えば、
図12を参照すると、蓋(3)の開口部(3b)の半分は、一片の透明なガラス又はプラスチック(7’)によって占められ、他の半分は、通常の鏡(7’’)によって占められる。
【0023】
本発明は、以下の態様を含む。
[請求項1]
化粧用容器であって、
内部を画定するベースと、
前記ベースの前記内部に位置するインサートであって、粘性化粧製品を受容するためのリザーバを画定する、インサートと、
電源と、
前記電源から電力を受け取ることができる、前記インサートによって支持された照明要素の1つ以上のアレイと、
前記電源から前記照明要素の1つ以上のアレイへの電気の流れを確立又は遮断することができるオン/オフスイッチと、
前記ベースにヒンジ式に取り付けられ、前記ベースに対して閉位置又は開位置をとることができる蓋と、
前記蓋を通る開口部内に支持されたマジックミラーであって、内側面及び外側面を有する、マジックミラーと、を備える、化粧用容器。
[請求項2]
前記マジックミラーの前記外側面上に置かれた可変透明度フィルムと、
電圧変換器と、を更に備え、
前記電源及び電圧変換器が、前記フィルムを透明にするのに有効な、前記可変透明度フィルムの両面間の電圧差を維持することができる、
請求項1に記載の化粧用容器。
[請求項3]
前記電源が再充電可能である、請求項2に記載の化粧用容器。
[請求項4]
磁気誘導又は磁気共鳴によって電流を生成することができるチップ受信機を更に備える、請求項3に記載の化粧用容器。
[請求項5]
前記可変透明度フィルムが、前記照明要素のアレイと並列に配置され、
前記オン/オフスイッチが、前記照明要素及び前記可変透明度フィルムが別々に制御可能であるように、3位置スイッチである、
請求項2に記載の化粧用容器。
[請求項6]
化粧用容器であって、
内部を画定するベースと、
前記ベースの前記内部に位置するインサートであって、粘性化粧製品を受容するためのリザーバを画定する、インサートと、
電源と、
前記電源から電力を受け取ることができる、前記インサートによって支持された照明要素の1つ以上のアレイと、
前記ベースにヒンジ式に取り付けられ、前記ベースに対して閉位置又は開位置をとることができる蓋と、
前記蓋を通る開口部内に支持された透明表面であって、内側面及び外側面を有する、透明表面と、
前記透明表面の前記外側面上に置かれた可変透明度フィルムと、
電圧変換器であって、前記電源及び電圧変換器が、前記フィルムを透明にするのに有効な、前記可変透明度フィルムの両面間の電圧差を維持することができる、電圧変換器と、
前記電源から前記可変透明度フィルムへ、かつ前記照明要素の1つ以上のアレイへの電気の流れを確立又は遮断することができるオン/オフスイッチと、を備える、化粧用容器。
本発明の特定の実施形態が例示及び説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を行うことができることは当業者には明白であろう。したがって、添付の特許請求の範囲において、本発明の範囲内である全てのそのような変更及び修正を対象とすることが意図される。