(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】駐車領域案内システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20231017BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
G08G1/14
G01C21/26 C
(21)【出願番号】P 2019075662
(22)【出願日】2019-04-11
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】野村 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】浅井 彰司
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】石黒 博
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-028529(JP,A)
【文献】特開2019-043509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車領域を含む駐車場内において案内対象車両を案内する駐車領域案内システムであって、
前記案内対象車両、及び前記案内対象車両以外の非案内対象車両を含む、前記駐車場内を移動する全ての車両の現在位置を検出する車両位置検出部と、
前記複数の駐車領域各々の駐車状態を検知する駐車領域センサと、
前記案内対象車両の駐車領域を選択し、前記案内対象車両の現在位置から前記選択した駐車領域までの経路を生成する経路生成部と、
前記経路生成部が
生成する経路を表す情報を出力する出力部と、
を備え、
前記経路生成部は、
前記駐車場内の通路を走行中の前記非案内対象車両の現在位置
と、各駐車領域に到達するまでの経路を表す情報である駐車場情報とに基づいて、導出される
所定時間内に、前記非案内対象車両
が到達可能な前記駐車場内の到達通路と、
前記車両位置検出部が検出した前記案内対象車両の現在位置と、に基づいて、
前記駐車領域センサが空車状態を検知した空き駐車領域のうち、前記非案内対象車両
が前記所定時間内では到達できない空き駐車領域である駐車領域候補から前記案内対象車両の駐車領域を選択する、
駐車領域案内システム。
【請求項2】
前記経路生成部は、
前記駐車領域センサが空車状態を検知した空き駐車領域のうち、前記非案内対象車両が前記非案内対象車両の現在位置から前記所定時間内では到達できない空き駐車領域であって、かつ、前記案内対象車両の現在位置から、前記非案内対象車両が前記所定時間内に到達可能な前記駐車場内の到達通路を走行せずに到達可能な空き駐車領域を選択する、
請求項1記載の駐車領域案内システム。
【請求項3】
前記案内対象車両が複数の場合、
前記経路生成部は、
前記案内対象車両の駐車領域を選択し、前記選択した駐車領域までの経路を生成することを
、複数の案内対象車両の各々について順に行う際に、
出庫中の状態である前記案内対象車両について、出庫のための経路を生成し、
入庫中の状態である前記案内対象車両について、
複数の前記案内対象車両のうち、前記経路を生成済みの前記案内対象車両に対する生成済みの経路と、
出庫中の状態である前記案内対象車両の出庫のための経路と、
複数の前記案内対象車両のうち、未だ前記経路を生成していない前記案内対象車両の現在位置と、
にさらに基づいて駐車領域を選択し、前記選択した駐車領域までの経路を生成する、
請求項1または請求項2に記載の駐車領域案内システム。
【請求項4】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両よりも先行し、かつ、走行中の状態である前記非案内対象車両の現在位置から導出される前記到達通路を通らずに、前記案内対象車両の現在位置から到達可能な駐車領域であって、
かつ前記案内対象車両に後続する最も近い位置を走行中の状態である車両の現在位置からの距離が閾値以上の駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項5】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両よりも先行する前記非案内対象車両、または前記案内対象車両に後続する前記非案内対象車両が駐車領域に駐車するための駐車動作を開始した場合、前記案内対象車両の現在位置から最も近い駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項6】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両が通過予定の駐車領域に駐車中の前記非案内対象車両、または前記案内対象車両が通過した駐車領域に駐車中の非案内対象車両が、駐車領域から発進するための発進動作を開始した場合、前記案内対象車両の現在位置から最も近い駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項7】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、
前記一群の案内対象車両のうち、最後尾の案内対象車両について、前記一群の案内対象車両に後続する、走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を、前記最後尾の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択し、
前記一群の案内対象車両のうち、前記最後尾以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記最後尾以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項8】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両が複数の場合、複数の案内対象車両の各々における駐車動作のタイミングが重なるように、前記複数の案内対象車両の各々の駐車領域を、前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項9】
前記経路生成部は、
前記非案内対象車両が前記案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ
前記案内対象車両よりも後続、かつ前記案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が閾値以上の駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項10】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、
前記一群の案内対象車両のうちの先頭の案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ前記一群の案内対象車両よりも後続、かつ前記一群の案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を前記駐車領域候補とし、
前記一群の案内対象車両のうち、先頭の案内対象車両について、現在位置に最も近い駐車領域を、前記先頭の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補から選択し、
前記一群の案内対象車両のうち、前記先頭以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記先頭以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項11】
前記経路生成部は、
前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、
前記一群の案内対象車両のうちの先頭の案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ前記一群の案内対象車両よりも後続、かつ前記一群の案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を前記駐車領域候補とし、
前記一群の案内対象車両のうち、最後尾の案内対象車両について、現在位置に最も近い駐車領域を、前記最後尾の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補から選択し、
前記一群の案内対象車両のうち、前記最後尾以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記最後尾以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の駐車領域案内システム。
【請求項12】
コンピュータを、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の駐車領域案内システムの経路生成部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車領域案内システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車場において、車両を駐車領域に案内する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の技術では、案内の対象となる被案内対象車両の現在位置と全駐車スペースの駐車状況の状態、または被案内対象車両の現在位置と被案内対象車両の周辺の駐車スペースの駐車状況の状態に基づいて、駐車領域に駐車するか否かを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、案内の対象となる案内対象車両以外の車両が駐車場内を移動することによる、非案内対象車両への影響を考慮していない。また、上記従来の技術では、複数の案内対象車両に対して、同一の駐車領域を案内してしまう場合がある。そのため、上記従来の技術では、駐車場全体として、通路上の車両の流れが悪くなる場合があった。
【0005】
本開示は上記の技術を考慮してなされたものであり、駐車場全体において、通路上の車両の流れを向上することができる駐車領域案内システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様の駐車領域案内システムは、複数の駐車領域を含む駐車場内において案内対象車両を案内する駐車領域案内システムであって、前記案内対象車両、及び前記案内対象車両以外の非案内対象車両を含む、前記駐車場内を移動する全ての車両の現在位置を検出する車両位置検出部と、前記複数の駐車領域各々の駐車状態を検知する駐車領域センサと、前記案内対象車両の駐車領域を選択し、前記案内対象車両の現在位置から前記選択した駐車領域までの経路を生成する経路生成部と、前記経路生成部が生成する経路を表す情報を出力する出力部と、を備え、前記経路生成部は、前記駐車場内の通路を走行中の前記非案内対象車両の現在位置と、各駐車領域に到達するまでの経路を表す情報である駐車場情報とに基づいて、導出される所定時間内に、前記非案内対象車両が到達可能な前記駐車場内の到達通路と、前記車両位置検出部が検出した前記案内対象車両の現在位置と、に基づいて、前記駐車領域センサが空車状態を検知した空き駐車領域のうち、前記非案内対象車両が前記所定時間内では到達できない空き駐車領域である駐車領域候補から前記案内対象車両の駐車領域を選択する。
【0007】
本開示の第2の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記駐車領域センサが空車状態を検知した空き駐車領域のうち、前記非案内対象車両が前記非案内対象車両の現在位置から前記所定時間内では到達できない空き駐車領域であって、かつ、前記案内対象車両の現在位置から、前記非案内対象車両が前記所定時間内に到達可能な前記駐車場内の到達通路を走行せずに到達可能な空き駐車領域を選択する。
【0008】
本開示の第3の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様または第2の態様の駐車領域案内システムにおいて、前記案内対象車両が複数の場合、前記経路生成部は、前記案内対象車両の駐車領域を選択し、前記選択した駐車領域までの経路を生成することを、前記複数の案内対象車両の各々について順に行う際に、出庫中の状態である前記案内対象車両について、出庫のための経路を生成し、入庫中の状態である前記案内対象車両について、複数の前記案内対象車両のうち、前記経路を生成済みの前記案内対象車両に対する生成済みの経路と、出庫中の状態である前記案内対象車両の出庫のための経路と、複数の前記案内対象車両のうち、未だ前記経路を生成していない前記案内対象車両の現在位置と、にさらに基づいて駐車領域を選択し、前記選択した駐車領域までの経路を生成する。
【0009】
本開示の第4の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、 前記経路生成部は、前記案内対象車両よりも先行し、かつ、走行中の状態である前記非案内対象車両の現在位置から導出される前記到達通路を通らずに、前記案内対象車両の現在位置から到達可能な駐車領域であって、かつ前記案内対象車両に後続する最も近い位置を走行中の状態である車両の現在位置からの距離が閾値以上の駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0010】
本開示の第5の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両よりも先行する前記非案内対象車両、または前記案内対象車両に後続する前記非案内対象車両が駐車領域に駐車するための駐車動作を開始した場合、前記案内対象車両の現在位置から最も近い駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0011】
本開示の第6の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両が通過予定の駐車領域に駐車中の前記非案内対象車両、または前記案内対象車両が通過した駐車領域に駐車中の非案内対象車両が、駐車領域から発進するための発進動作を開始した場合、前記案内対象車両の現在位置から最も近い駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0012】
本開示の第7の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、前記一群の案内対象車両のうち、最後尾の案内対象車両について、前記一群の案内対象車両に後続する、走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を、前記最後尾の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択し、前記一群の案内対象車両のうち、前記最後尾以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記最後尾以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0013】
本開示の第8の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両が複数の場合、複数の案内対象車両の各々における駐車動作のタイミングが重なるように、前記複数の案内対象車両の各々の駐車領域を、前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0014】
本開示の第9の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記非案内対象車両が前記案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ前記案内対象車両よりも後続、かつ前記案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が閾値以上の駐車領域を、前記案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0015】
本開示の第10の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、前記一群の案内対象車両のうちの先頭の案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ前記一群の案内対象車両よりも後続、かつ前記一群の案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を前記駐車領域候補とし、前記一群の案内対象車両のうち、先頭の案内対象車両について、現在位置に最も近い駐車領域を、前記先頭の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補から選択し、前記一群の案内対象車両のうち、前記先頭以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記先頭以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0016】
本開示の第11の態様の駐車領域案内システムは、第1の態様から第3の態様のいずれか1態様の駐車領域案内システムにおいて、前記経路生成部は、前記案内対象車両が複数の場合、予め定められた台数の案内対象車両が、先行する順に並んだ一群の案内対象車両について、一括して経路の生成を行い、前記一群の案内対象車両のうちの先頭の案内対象車両に対向して走行中の非案内対象車両の前記到達通路を通らずに到達可能であり、かつ前記一群の案内対象車両よりも後続、かつ前記一群の案内対象車両に最も近い位置を走行中の状態である非案内対象車両の現在位置からの距離が第1閾値以上の駐車領域を前記駐車領域候補とし、前記一群の案内対象車両のうち、最後尾の案内対象車両について、現在位置に最も近い駐車領域を、前記最後尾の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補から選択し、前記一群の案内対象車両のうち、前記最後尾以外の案内対象車両について、前後の案内対象車両の各々との距離が第2閾値以上の駐車領域を、前記最後尾以外の案内対象車両の駐車領域として前記駐車領域候補のうちから選択する。
【0017】
また、上記目的を達成するために本開示の第12の態様のプログラムは、コンピュータを、第1の態様から第11の態様のいずれか1態様に記載の駐車領域案内システムの経路生成部として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、駐車場全体において、通路上の車両の流れを向上することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態の駐車領域案内システムを適用する駐車場の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態の駐車領域案内システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の経路生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態の駐車場サーバのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態の駐車場サーバにより実行される経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の経路生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図9】第2実施形態の駐車場サーバにより実行される経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図11】第3実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図12】第3実施形態の経路生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図13】第3実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図14】第3実施形態の駐車場サーバにより実行される経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】第4実施形態の経路生成部の構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】第4実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の一例を説明するための図である。
【
図17】実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の変形例を説明するための図である。
【
図18】実施形態の駐車領域案内システムによる駐車領域の案内の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の駐車領域案内システム1の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態の駐車領域案内システム1を適用する駐車場100の一例を示す図である。
図1に示した駐車場100には入庫口101A及び出庫口101Bが設けられており、また、駐車場100内には、駐車領域P(P1~P12)、及び通路102が設けられている。駐車領域P1~P12の各々は、車両(案内対象車両V及び非案内対象車両C)を駐車する領域である。本実施形態では、駐車領域P1~P12の個々を区別せずに総称する場合は、駐車領域Pという。また、本実施形態の駐車場100内の通路102は一方通行であり、進行方向を表す矢印で示した通路102A~102Dを含む。また、案内対象車両V及び非案内対象車両Cを区別せずに総称する場合、単に「車両」ということがある。
【0022】
図2は、本実施形態の駐車領域案内システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の駐車領域案内システム1は、
図1に示した駐車場100に入庫口101Aから入庫した案内対象車両V(V1)を、駐車領域Pに案内する駐車領域案内システムである。なお、本実施形態の駐車領域案内システム1は、案内対象車両Vに対して、入庫口101Aから入庫してから駐車領域Pまでの経路、及び駐車領域Pから出庫口101Bより出庫するまでの経路の案内を行う。一方、駐車領域案内システム1は、案内対象車両V以外の車両である非案内対象車両C(C1~C6)に対しては、経路の案内を行わない。
【0023】
図2に示すように、駐車領域案内システム1は、車両位置検出部10(10
1~10
3)、駐車領域センサ12(12
1~12
12)、駐車場サーバ14、及び車載装置16を備える。
【0024】
車両位置検出部10は、駐車場100内を移動(走行)する車両の現在位置を検出する機能を有する。
図1に示すように本実施形態の車両位置検出部10は、駐車場100内の通路102の動画像を撮像するカメラである。車両位置検出部10と駐車場サーバ14とは、無線または有線により接続されており、車両位置検出部10により撮像された動画像を表す画像データは、駐車場サーバ14に送信される。
【0025】
駐車領域センサ12は、駐車領域Pに駐車された車両の有無を検出するセンサである。
図1に示すように本実施形態の駐車領域センサ12(12
1~12
12)は、駐車領域P1~P12の各々に設けられている。一例として本実施形態の駐車領域センサ12には、超音波を用いて各駐車領域Pの車両の有無を検出するセンサを用いている。駐車領域センサ12と駐車場サーバ14とは、無線または有線により接続されており、駐車領域センサ12により検出された駐車領域Pの車両の有無を表す、駐車領域の駐車状態情報48は、駐車場サーバ14に送信される。
【0026】
一方、
図2に示すように本実施形態の駐車場サーバ14は、車両現在位置特定部20、車両状態特定部22、経路生成部24、出力部26、通信部28、及び駐車場情報保存部30を備える。
【0027】
車両現在位置特定部20には、車両位置検出部10から受信した画像データが入力される。なお、一例として本実施形態の駐車場サーバ14は、特定の信号を案内対象車両Vと送受信することにより、入庫口101Aから入庫した車両が、案内対象車両Vであるか否かを特定する。車両現在位置特定部20は、画像データが表す動画像から、案内対象車両Vの現在位置を検出し、検出した現在位置を表す案内対象車両の現在位置情報40を出力する。また、車両現在位置特定部20は、画像データが表す動画像から、非案内対象車両Cの現在位置を検出し、検出した現在位置を表す非案内対象車両の現在位置情報42を出力する。
【0028】
車両状態特定部22は、車両位置検出部10から受信した画像データに基づいて、案内対象車両V及び非案内対象車両Cの車両の状態を検出する。なお、本実施形態では、車両の状態として、「入庫中」、「駐車中」、及び「出庫中」の3つの状態がある。車両が「入庫中」の状態とは、入庫口101Aから車両が入庫してから、駐車領域Pに移動して、駐車領域P内で静止してから、所定の時間に達するまでの状態のことをいう。また、車両が「駐車中」の状態とは、「入庫中」の状態の後、駐車領域Pで車両が静止(停止)している状態のことをいう。また、車両が「出庫中」の状態とは、駐車領域Pから出庫口101Bまで車両が移動している状態のことをいう。一例として本実施形態の車両状態特定部22は、車両の現在位置を追跡することで、車両の状態を特定する。なお、本実施形態では、「入庫中」の状態及び「出庫中」の状態、換言すると「駐車中」以外の状態を「走行中」という。
【0029】
車両状態特定部22は、案内対象車両Vの状態を特定し、特定した状態を表す案内対象車両の車両状態情報44を出力する。また、車両状態特定部22は、非案内対象車両Cの状態を特定し、特定した状態を表す非案内対象車両の車両状態情報46を出力する。
【0030】
経路生成部24には、案内対象車両の現在位置情報40、非案内対象車両の現在位置情報42、案内対象車両の車両状態情報44、非案内対象車両の車両状態情報46、及び駐車領域の駐車状態情報48が入力される。また、経路生成部24には、駐車場情報保存部30から駐車場情報50が入力される。駐車場情報50は、駐車場100の各駐車領域Pと、各駐車領域Pに到達するまでの通路102との関係を表す情報、換言すると、各駐車領域Pに到達するための経路を表す情報である。一例として本実施形態では、駐車場情報50は、駐車場サーバ14に備えられた駐車場情報保存部30に保存されている。
【0031】
なお、経路生成部24が駐車場情報50によって、経路を生成する技術は、例えば、参考文献1に記載された技術を適用することができる。
[参考文献1]「平成28年度 スマートモビリティシステム研究開発・実証事業:自動バレーパーキングの実証及び高度な自動走行システムの実現に必要な研究開発成果報告書」経済産業省;2017.08.23
【0032】
経路生成部24は、入力された各情報に基づいて、案内対象車両Vが駐車するための駐車領域Pを選択し、選択した駐車領域Pまでの経路を生成して、生成した経路を表す経路情報51を出力部26に出力する。また、経路生成部24は、入力された各情報に基づいて、案内対象車両Vが駐車している駐車領域Pから出庫口101Bまでの経路を生成して、生成した経路を表す経路情報51を出力部26に出力する。
【0033】
図3に示すように、本実施形態の経路生成部24は、空き駐車領域特定部60、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62、案内対象車両駐車領域候補特定部64、案内対象車両駐車領域選択部66、及び駐車経路生成部68を備える。
【0034】
空き駐車領域特定部60は、駐車領域の駐車状態情報48に基づいて、駐車領域P1~P12のうち、車両が駐車していない空き駐車領域Pを特定し、特定結果を、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62及び案内対象車両駐車領域候補特定部64へ出力する。
【0035】
非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、空き駐車領域特定部60の特定結果、非案内対象車両の現在位置情報42、非案内対象車両の車両状態情報46、及び駐車場情報50に基づいて、非案内対象車両Cの駐車領域Pの候補、及び候補となる駐車領域Pへ到達するための通路102の候補を特定し、特定結果を案内対象車両駐車領域候補特定部64に出力する。一例として本実施形態の非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、非案内対象車両の現在位置情報42に基づき、非案内対象車両の現在位置から、所定時間内に到達可能な空き駐車領域Pを、非案内対象車両Cの駐車領域Pの候補として特定する。そして、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、特定した駐車領域Pの候補について、駐車場情報50に基づいて、到達通路を特定する。
【0036】
案内対象車両駐車領域候補特定部64は、空き駐車領域特定部60の特定結果、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62の特定結果、案内対象車両の現在位置情報40、及び案内対象車両の車両状態情報44に基づいて、案内対象車両Vの駐車領域Pの候補を特定し、特定結果を案内対象車両駐車領域選択部66に出力する。一例として本実施形態の案内対象車両駐車領域候補特定部64は、空き駐車領域特定部60が特定した空き駐車領域Pのうち、案内対象車両Vの現在位置よりも先行している、非案内対象車両Cについて非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62が駐車領域候補として特定した駐車領域Pを除いた駐車領域Pを、案内対象車両Vの駐車領域候補として特定する。
【0037】
案内対象車両駐車領域選択部66は、案内対象車両駐車領域候補特定部64の特定結果に基づいて、案内対象車両Vを駐車する駐車領域Pを選択し、選択結果を駐車経路生成部68に出力する。また、本実施形態の案内対象車両駐車領域選択部66は、非案内対象車両の現在位置情報42及び非案内対象車両の車両状態情報46も用いて案内対象車両Vを駐車する駐車領域Pを選択する。一例として本実施形態の案内対象車両駐車領域選択部66は、案内対象車両駐車領域候補特定部64が駐車領域候補として特定した駐車領域Pのうち、案内対象車両Vの後続に、出庫中または入庫中の車両がある場合、当該車両との距離が閾値以上の駐車領域Pを選択する。なお、この場合の閾値は、通路102を走行中の車両が駐車領域Pに駐車するための駐車動作を開始してから、駐車を完了するまでの時間、及び駐車中の車両が駐車領域Pから発進するための発進動作を開始してから発進が完了し、通路102に出るまでの時間等に基づいて定められる。
【0038】
駐車経路生成部68は、案内対象車両駐車領域選択部66の選択結果、及び駐車場情報50に基づいて、選択した駐車領域Pに案内対象車両Vを駐車するための経路を生成して、導出した経路を表す経路情報51を出力する。また、本実施形態の駐車経路生成部68は、駐車場情報50に基づいて、案内対象車両Vが駐車した駐車領域Pから出庫口101Bまでの経路を生成して、生成した経路を表す経路情報51を出力部26に出力する。
【0039】
出力部26は、通信部28を介して、無線通信により経路情報51を車載装置16に出力する。通信部28は、通信回線を介して案内対象車両V等の外部装置と通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
図4は駐車場サーバ14のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4に示すように、駐車場サーバ14は、各種制御及び各種演算を行うコンピュータとして構成されている。即ち、駐車場サーバ14は、CPU(Central Processing Unit)38A、ROM(Read Only Memory)38B、RAM(Random Access Memory)38C、不揮発性記憶部38D、及び入出力インターフェース(I/O)38Eを備えている。CPU38A、ROM38B、RAM38C、不揮発性記憶部38D、及びI/O38Eの各々は、バス38Fを介して接続されている。また、I/O38Eには、通信部28及び駐車場情報保存部30が接続されている。
【0041】
本実施形態の駐車場サーバ14では、ROM38Bには、後述する「経路生成処理」を実行するための経路生成処理プログラムを含むプログラムが記憶されている。CPU38Aは、ROM38Bに記憶されたプログラムを読み出し、RAM38Cをワークエリアとして使用してプログラムを実行する。CPU38Aが、ROM38Bに記憶されたプログラムを実行することにより、CPU38Aが、車両現在位置特定部20、車両状態特定部22、経路生成部24、及び出力部26の各々として機能する。
【0042】
一方、車載装置16は、各案内対象車両Vに搭載されている。
図2に示すように本実施形態の車載装置16は、通信部70及び制御部72を備える。制御部72は、通信部70を介して車載装置16から受信した経路情報51により、自車両を制御する。一例として、本実施形態の案内対象車両Vは自動駐車機能を有しており、ドライバが操作することなく、制御部72の制御により、駐車場100の通路102を走行し、駐車領域Pに駐車することができる。
【0043】
次に、本実施形態の駐車場サーバ14の作用について詳細に説明する。なお、以下では、
図5に示した駐車場100に、入庫した案内対象車両Vの経路を駐車場サーバ14が生成する場合を具体例として詳細に説明する。
図5に示した駐車場100では、駐車領域P2、P5、P11、及びP12の各々に、非案内対象車両C2~C5の各々が駐車中の状態となっている。また、通路102を案内対象車両V及び非案内対象車両C1が走行中の状態となっている。
【0044】
本実施形態の駐車場サーバ14では、CPU38AがROM38Bに記憶された経路生成処理プログラムを実行することによって、
図6に示す経路生成処理が実行される。
図6には、本実施形態の駐車場サーバ14で実行される経路生成処理の流れの一例を表すフローチャートが示されている。なお、一例として本実施形態の駐車場サーバ14では、入庫口101Aに車両が入庫されたタイミング毎に、
図6に一例を示した経路生成処理が実行される。
【0045】
ステップS100で車両現在位置特定部20は、車両位置検出部10から受信した撮像画像の画像データに基づいて、入庫した車両が案内対象車両Vであるか否かを判定する。入庫した車両が案内対象車両Vではない場合、換言すると入庫した車両が非案内対象車両Cの場合、ステップS100の判定が否定判定となり、本経路生成処理を終了する。一方、入庫した車両が案内対象車両Vである場合、ステップS100の判定が肯定判定となり、ステップS102へ移行する。
【0046】
ステップS102で経路生成部24の空き駐車領域特定部60は、上述したように、空き駐車領域Pを特定する。
図5に示した例では、空き駐車領域特定部60は、駐車領域P1、P3、P4、P6、P7~P10を空き駐車領域Pとして特定する。
【0047】
次のステップS104では、通路102を走行中の非案内対象車両C1の現在位置、及び車両状態を特定する。本実施形態では上述したように、車両現在位置特定部20が、非案内対象車両C1の現在位置を特定し、非案内対象車両の現在位置情報42を出力する。また、車両状態特定部22が、上述したように、非案内対象車両C1の車両状態を特定し、非案内対象車両の車両状態情報46を出力する。
図5に示した例では、車両現在位置特定部20は、非案内対象車両C1の現在位置として、駐車領域P6の前の通路102上と特定する。また、車両状態特定部22は、非案内対象車両C1の車両状態として、入庫中の状態であることを特定する。
【0048】
次のステップS106で経路生成部24の非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、上述したように、非案内対象車両C1の駐車領域候補、及び駐車領域候補への到達通路候補を特定する。
図5に示した例では、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、非案内対象車両C1の現在位置である駐車領域P6の前から到達可能な空き駐車領域Pとして、駐車領域P6~P10の5つの駐車領域Pを駐車領域候補として特定する。そして、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、現在位置から駐車領域P6~P10各々への到達経路候補を特定する。
【0049】
次のステップS108では、案内対象車両Vの現在位置、及び車両状態を特定する。本実施形態では上述したように、車両現在位置特定部20が、案内対象車両Vの現在位置を特定し、案内対象車両の現在位置情報40を出力する。また、車両状態特定部22が、上述したように、案内対象車両Vの車両状態を特定し、案内対象車両の車両状態情報44を出力する。
図5に示した例では、車両現在位置特定部20は、案内対象車両Vの現在位置として、入庫口101Aの前の通路102上と特定する。また、車両状態特定部22は、案内対象車両Vの車両状態として、入庫中の状態であることを特定する。
【0050】
次のステップS110で経路生成部24の案内対象車両駐車領域候補特定部64は、上述したように、案内対象車両Vの駐車領域候補を特定する。
図5に示した例では、案内対象車両駐車領域候補特定部64は、空き駐車領域特定部60が特定した空き駐車領域Pから、非案内対象車両C1の駐車領域候補である駐車領域P6~P10を除いた、駐車領域P1、P3、及びP4を駐車領域候補として特定する。
【0051】
次のステップS112で経路生成部24の案内対象車両駐車領域選択部66は、上述したように、上記ステップS110で特定した駐車領域候補の中から、案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。
図5に示した例では、案内対象車両駐車領域選択部66は、駐車領域Pの選択において、案内対象車両Vの後続に入庫中または出庫中の車両が存在しないため、後続の車両との距離は考慮しない。案内対象車両駐車領域選択部66は、駐車領域候補である駐車領域P1、P3、及びP4のうち、入庫口101Aからの距離を考慮して、駐車領域P3及び駐車領域P4のいずれかを選択する。案内対象車両駐車領域選択部66は、駐車領域P3及び駐車領域P4のうち、予め定められた条件に基づいて、いずれか一方を選択する。予め定められた条件とは、例えば、入庫口101Aから遠い方、案内対象車両Vの現在位置から離れた方等の条件が挙げられる。また例えば、駐車場100における歩行者の出入り口や、駐車場100が店舗に面している場合、当該店舗の入り口等に近い位置にある方等の条件が挙げられる。
図5に示した例では、案内対象車両駐車領域選択部66が、駐車領域P4を選択した場合を示している。
【0052】
次のステップS114で駐車経路生成部68は、上記ステップS112で選択された駐車領域Pへ案内対象車両Vを駐車するための駐車経路を生成する。
図5に示した例では、駐車経路生成部68は、駐車領域P4に案内対象車両Vを駐車するための経路110を導出し、導出した経路110を表す経路情報51を出力する。
【0053】
次のステップS116で出力部26は、上述したように、通信部28を介して経路情報51を案内対象車両Vに出力する。
【0054】
次のステップS118で経路生成部24は、案内対象車両Vの駐車が完了したか否かを判定する。本実施形態の経路生成部24は、案内対象車両Vの状態が駐車中の状態となった場合、駐車が完了したと判定する。換言すると、案内対象車両Vの状態が入庫中の状態である場合、ステップS118の判定が否定判定となり、ステップS102に戻り、ステップS102~S118の処理を繰り返す。このように、本実施形態の駐車場サーバ14では、案内対象車両Vが入庫口101Aより入庫してから、駐車領域Pに駐車して駐車中の状態となるまで、ステップS102~S118の処理を繰り返し行う。
【0055】
一方、案内対象車両Vの状態が駐車中の状態となった場合、ステップS118の判定が肯定判定となり、本経路生成処理を終了する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の経路生成部24により生成された案内対象車両Vの経路によれば、案内対象車両Vと、非案内対象車両Cとで、移動経路が交差することがない。また、案内対象車両Vの後続の非案内対象車両Cが到着するまでに、案内対象車両Vが駐車動作を完了することができるため、案内対象車両Vの後続の非案内対象車両Cは、案内対象車両Vが駐車動作を行っても、走行が妨げられない。換言すると、本実施形態によれば、先行する案内対象車両Vの駐車動作によって、後続の非案内対象車両Cが停車することがなく、非案内対象車両Cに待ち時間が生じない。従って、本実施形態によれば、案内対象車両V及び非案内対象車両Cの入庫時間を短縮することができる。
【0057】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0058】
本実施形態の駐車領域案内システム1全体の構成は、第1実施形態の駐車領域案内システム1の全体構成と同様であるため、説明を省略する。
【0059】
本実施形態の駐車領域案内システム1は、駐車場サーバ14の構成の一部及び作用が異なるため、本実施形態の駐車場サーバ14の構成及び作用について説明する。
【0060】
本実施形態の駐車場サーバ14では、経路生成部24が有する構成の一部が、第1実施形態の経路生成部24(
図3参照)と異なっている。
図7に示すように、本実施形態の経路生成部24は、第1実施形態の経路生成部24が有していた空き駐車領域特定部60に代わり、非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69を有している点が異なっている。
【0061】
非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69は、非案内対象車両の現在位置情報42及び非案内対象車両の車両状態情報46に基づいて、案内対象車両Vを先行する非案内対象車両C、または後続の非案内対象車両Cが、駐車領域Pに駐車するための駐車動作を開始したか否かを検出する。また、非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69は、非案内対象車両の現在位置情報42及び非案内対象車両の車両状態情報46に基づいて、駐車領域Pに駐車中の非案内対象車両Cが、駐車領域Pから発進するための発進動作を開始したか否かを検出する。非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69の検出結果は、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62及び案内対象車両駐車領域選択部66に出力される。
【0062】
なお、本実施形態の駐車領域案内システム1では、案内対象車両Vに対して、駐車領域Pに後退で入る、いわゆる「後退駐車」を行わせ、駐車領域Pから前進して発進する、いわゆる「前進発進」を行わせるよう車載装置16の制御部72により制御する。
【0063】
一方、非案内対象車両Cは、駐車領域案内システム1の案内外であるため、非案内対象車両Cのドライバにより選択された、前進駐車または後退駐車が行われ、また、後退発進または前進発進が行われる。本実施形態の車両状態特定部22は、案内対象車両V及び非案内対象車両Cが駐車動作及び発進動作のいずれかを開始したか否かについての状態を特定すると共に、後退駐車及び前進駐車のいずれであるか、前進発進及び後退発進のいずれであるかについても特定することができる。
【0064】
本実施形態の非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69の検出結果、非案内対象車両の現在位置情報42、非案内対象車両の車両状態情報46、及び駐車領域の駐車状態情報48に基づいて、非案内対象車両Cの駐車領域Pの候補、及び候補となる駐車領域Pへ到達するための通路102の候補を特定し、特定結果を案内対象車両駐車領域候補特定部64に出力する。
【0065】
また、本実施形態の案内対象車両駐車領域選択部66は、案内対象車両駐車領域候補特定部64の特定結果、及び非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69の検出結果に基づいて、案内対象車両Vを駐車する駐車領域Pを選択し、選択結果を駐車経路生成部68に出力する。
【0066】
次に、本実施形態の駐車場サーバ14の作用について詳細に説明する。なお、以下では、
図8に示した駐車場100に、入庫した案内対象車両Vの経路を駐車場サーバ14が生成する場合を具体例として詳細に説明する。
図8に示した駐車場100では、駐車領域P2、P5、P11、及びP12の各々に、非案内対象車両C1、C2、C4、及びC5の各々が駐車中の状態となっている。また、案内対象車両V及び非案内対象車両C3が入庫中の状態となっている。なお、非案内対象車両C3は、駐車領域P6に後退駐車で駐車動作を開始した状態となっている。
【0067】
図9には、本実施形態の駐車場サーバ14で実行される経路生成処理の流れの一例を表すフローチャートが示されている。本実施形態の駐車場サーバ14で実行される経路生成処理は、第1実施形態の駐車場サーバ14で実行される経路生成処理(
図6参照)と同様の処理を含むため、同様の処理については詳細な説明を省略する。
【0068】
図9に示すように、本実施形態の経路生成処理は、ステップS102の処理を含まず、また、ステップS104とステップS106との間にステップS105の処理を含む点で、第1実施形態の経路生成処理と異なっている。
【0069】
ステップS104で上述したように、車両現在位置特定部20及び車両状態特定部22により、入庫中の非案内対象車両C3の現在位置、及び車両状態を特定する。
【0070】
次のステップS105で経路生成部24の非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69は、上述したように、案内対象車両Vよりも先行する非案内対象車両C、または後続の非案内対象車両Cが駐車動作を開始したか否か検出する。
図8に示した例では、非案内対象車両の駐車/発進動作検出部69は、非案内対象車両C3が駐車領域P8に駐車するための、駐車動作を開始したことを検出する。
【0071】
次のステップS106で非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、上述したように、非案内対象車両の現在位置情報42及び案内対象車両の車両状態情報44に基づいて、入庫中の非案内対象車両Cの駐車領域候補と、入庫中または出庫中の非案内対象車両Cの到達通路候補を特定する。
図8に示した例では、非案内対象車両C3が駐車動作中のため、非案内対象車両C3の駐車領域候補として、駐車領域P8が特定される。また、駐車領域P8への到達通路として、後退駐車に要する通路102である、駐車領域P8及びP9の前の通路102が特定される。
【0072】
次のステップS108で上述したように、車両現在位置特定部20及び車両状態特定部22により、入庫中の案内対象車両Vの現在位置、及び車両状態を特定する。
【0073】
次のステップS110で経路生成部24の案内対象車両駐車領域候補特定部64は、上述したように、案内対象車両Vの駐車領域候補を特定する。
図8に示した例では、案内対象車両駐車領域候補特定部64は、案内対象車両Vの現在位置である駐車領域P5の前の通路102から、非案内対象車両C3の到達通路である駐車領域P8及びP9の前の通路102を通らないですむ、駐車領域P8までの間の通路102により到達可能な、駐車領域P6及びP7を案内対象車両Vの駐車領域候補として特定する。
【0074】
次のステップS112で経路生成部24の案内対象車両駐車領域選択部66は、上述したように、上記ステップS110で特定した駐車領域候補の中から、案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。
図8に示した例では、非案内対象車両C3が駐車動作を開始したため、駐車領域候補である駐車領域P6及びP7のうち、案内対象車両Vの現在位置に最も近い駐車領域P6を選択する。
【0075】
従って
図6に示した場合では、次のステップS114では、駐車経路生成部68は、案内対象車両Vの現在位置から駐車領域P6までの経路を生成する。より具体的には、駐車経路生成部68は、案内対象車両Vの現在位置から駐車領域P6に駐車が完了するまでの経路110を表す経路情報51を生成して出力する。
【0076】
さらに、ステップS116の処理で出力部26が、通信部28を介して経路情報51を案内対象車両Vに出力する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態の経路生成部24により生成された案内対象車両Vの経路によれば、案内対象車両Vは、先行する、または後続の非案内対象車両Cの駐車動作に同期して案内対象車両Vの現在位置に最も近い空き駐車領域Pに駐車する。従って、先行する、または後続の非案内対象車両Cの駐車動作と、案内対象車両Vとが非同期で駐車動作を行う場合に比べて、これらの車両よりも後続の車両の走行が、駐車動作により妨げられるのを抑制することができる。従って、駐車場100全体として、車両の入庫時間を短縮することができる。
【0078】
なお、上記
図8に示した具体例では、案内対象車両Vの先行の非案内対象車両C3が後退駐車する場合について説明したが、案内対象車両Vよりも後続の非案内対象車両Cが駐車動作を開始する場合、及び前進駐車する場合であっても、通路を単に走行する場合に比べて駐車動作により通路を塞ぐ時間が長くなる場合に対し、同様の作用及び効果が得られる。
【0079】
また、駐車動作の開始に代えて、発進動作の開始の場合であっても、通路を単に走行する場合に比べて発進動作により通路を塞ぐ時間が長くなる場合に対し、同様の作用及び効果が得られる。
図10には、非案内対象車両Cの発進動作の開始に同期して生成される案内対象車両Vの経路110の具体例を示す。
図10に示した例では、案内対象車両Vの後続の非案内対象車両C2が後退発進動作を開始したのに同期して、案内対象車両Vが駐車動作を行うための経路110が経路生成部24によって生成された状態を示している。経路生成部24によれば、非案内対象車両C2の駐車領域候補であるP3を除き、及び非案内対象車両C2の到達通路である駐車領域P2及びP3の前を通らず、案内対象車両Vの現在位置に最も近い空き駐車領域Pである駐車領域P6に駐車するための経路110が生成される。
【0080】
従って、上述したように、
図10に示した場合においても、駐車場100全体として、車両の入庫時間を短縮することができる。
【0081】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0082】
本実施形態の駐車領域案内システム1全体の構成は、第1実施形態の駐車領域案内システム1の全体構成と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
本実施形態の駐車領域案内システム1は、駐車場サーバ14の構成の一部及び作用が異なるため、本実施形態の駐車場サーバ14の構成及び作用について説明する。
【0084】
上記各実施形態では、1台づつ案内対象車両Vに対して駐車領域Pへの経路を生成して案内する形態について説明した。これに対して本実施形態では、予め定められた複数台の案内対象車両Vを一群の案内対象車両Vとして、一括して経路の生成を生成して案内する形態について説明する。例えば、
図11に示した例では、駐車場サーバ14は、駐車場100に入庫中の2台の案内対象車両V1及びV2を一群の案内対象車両Vとして扱う。
【0085】
一例として本実施形態の駐車場サーバ14は、駐車場100に入庫中の案内対象車両Vの車両が一群の案内対象車両Vを構成する所定数に満たない場合、上記各実施形態と同様の経路生成処理を行い、入庫中の案内対象車両Vの車両が一群の案内対象車両Vを構成する所定数に達した場合に、一群の案内対象車両Vに対する、以下に説明する本実施形態の経路生成処理を実行する。
【0086】
また、一群の案内対象車両Vは、案内対象車両V同士の間に非案内対象車両Cが存在しない状態で同期して通路102を走行することが好ましい。そのため、一例として本実施形態の駐車場サーバ14は、入庫中の案内対象車両Vが所定数に達していても、案内対象車両Vの間に走行中の非案内対象車両Cが存在する場合、一群の案内対象車両Vとして扱わない。また、駐車場サーバ14は、一群の案内対象車両Vとして扱った後、案内対象車両Vの間に非案内対象車両Cが存在する状態になった場合、一群の案内対象車両Vとしての扱いをやめ、上記各実施形態と同様の経路生成処理を行うようにする。また、一群の案内対象車両Vとの扱いをやめた後、案内対象車両V同士の間に存在していた非案内対象車両Cが駐車領域Pに駐車する等して存在しない状態となった場合、再び一群の案内対象車両Vとして扱うこととする。
【0087】
以下、駐車場サーバ14が、一群の案内対象車両Vに対して行う場合の経路生成部24の構成、及び経路生成処理について説明する。
【0088】
図12に示すように、本実施形態の経路生成部24は、上記空き駐車領域特定部60と、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62と、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84と、最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86とを備える。
【0089】
本実施形態において、車両現在位置特定部20及び車両状態特定部22の各々は、さらに、一群の案内対象車両Vの最後尾の案内対象車両Vの現在位置を表す現在位置情報、及び車両状態情報を特定する。これらの情報は、一群の最後尾の案内対象車両の現在位置情報及び車両状態情報80として、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84に入力される。
【0090】
また、車両現在位置特定部20及び車両状態特定部22の各々は、さらに、一群の案内対象車両Vの最後尾以外の案内対象車両Vの現在位置を表す現在位置情報、及び車両状態情報を特定する。これらの情報は、一群の最後尾以外の案内対象車両の現在位置及び車両状態情報82として、最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86に入力される。
【0091】
また、車両現在位置特定部20及び車両状態特定部22の各々は、さらに、一群以外の案内対象車両Vの現在位置を表す現在位置情報、及び車両状態情報を特定する。これらの情報は、一群以外の案内対象車両の現在位置情報及び車両状態情報81として、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84及び最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86に入力される。
【0092】
本実施形態の経路生成部24の作用について
図13及び
図14を参照して詳細に説明する。以下では、
図13に示した駐車場100に、案内対象車両V1及びV2を一群の案内対象車両Vとした場合の経路を経路生成部24が生成する場合を具体例として詳細に説明する。
図13に示した駐車場100では、駐車領域P2、P5、P11、及びP12の各々に、非案内対象車両C1、C2、C4、及びC5の各々が駐車中の状態となっている。また、案内対象車両V1及びV2と、非案内対象車両C3とが入庫中の状態となっている。なお、
図13に示した例では、出庫中の案内対象車両Vが存在しないが、出庫中の案内対象車両Vが存在している場合、その経路は確定済みとして扱う。
【0093】
図14には、本実施形態の経路生成部24で実行される経路生成処理の流れの一例を表すフローチャートが示されている。
【0094】
図14のステップS200で空き駐車領域特定部60は、第1実施形態の経路生成処理(
図6参照)のステップS102と同様に、空き駐車領域Pを特定する。
図13に示した例では、空き駐車領域特定部60は、駐車領域P1、P3、P4、P6~P10を空き駐車領域Pとして特定する。
【0095】
次のステップS202で非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、第1実施形態の経路生成処理(
図6参照)のステップS106と同様に、非案内対象車両Cの駐車領域候補/到達通路候補を特定する。
図13に示した例では、非案内対象車両駐車領域候補/到達通路候補特定部62は、駐車領域P9及びP10を非案内対象車両C3の駐車領域候補として特定する。
【0096】
次のステップS204で最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84は、一群の案内対象車両Vのうち、最後尾の案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。具体的には、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84は、上記ステップS202の特定結果、一群の最後尾の案内対象車両の現在位置情報及び車両状態情報80、及び一群の最後尾以外の案内対象車両の現在位置及び車両状態情報82から、最後尾の案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。本処理は、第1実施形態の経路生成部24における経路生成において、入庫中の案内対象車両Vを、本実施形態の一群の案内対象車両Vに置き換えるものである。また、一群の案内対象車両V以外の案内対象車両Vについて、駐車領域P及び駐車経路が確定済みの入庫中の案内対象車両Vに対して選択済みの空き駐車領域P、及びその経路情報51と、経路が確定済みの出庫中の案内対象車両Vの経路情報51を利用する。
図13に示した例では、一群の最後尾である案内対象車両V2には、後続の非案内対象車両Cが存在しない。そのため、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84は、第1実施形態において
図5に具体例として示した場合の案内対象車両Vと同様に、駐車領域Pとして、駐車領域P4を選択する。
【0097】
次のステップS206で最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84は、上記ステップS204で選択された駐車領域Pへ案内対象車両Vを駐車するための駐車経路を生成する。
図13に示した例では、最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84は、駐車領域P4に案内対象車両V2を駐車するための経路110V2を導出し、導出した経路110V2を表す経路情報51を生成する。
【0098】
次のステップS208で最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86は、一群の案内対象車両Vのうち、最後尾以外の案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。具体的には、上記ステップS202の特定結果、一群の最後尾以外の案内対象車両の現在位置及び車両状態情報82、及び最後尾の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部84から、最後尾以外の案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。
図13に示した例では、最後尾以外の案内対象車両V、換言すると最後尾の案内対象車両V2に先行する案内対象車両V1に対して、案内対象車両V2の駐車領域P4より、前方の空き駐車領域P6~P8のうちのいずれか1つが選択される。一例として最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86は、空き駐車領域P7を選択する。
【0099】
次のステップS210で最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86は、上記ステップS208で選択された駐車領域Pへ案内対象車両Vを駐車するための駐車経路を生成する。
図13に示した例では、最後尾以外の案内対象車両駐車領域選択・経路生成部86は、駐車領域P7に案内対象車両V1を駐車するための経路110V1を導出し、導出した経路110V1を表す経路情報51を生成する。
【0100】
次のステップS212で出力部26により、上記ステップS206及びステップS210で生成された経路情報51を各案内対象車両Vに出力する。
図13に示した例では、経路110V2を表す経路情報51が、案内対象車両V2に出力される。また、経路110V1を表す経路情報51が、案内対象車両V1に出力される。これにより、案内対象車両V1及びV2の各々は、経路情報51に基づいて、経路110V1及び110V2の各々を走行し、駐車領域P7及びP4の各々に駐車する。
【0101】
次のステップS214で経路生成部24は、一群の案内対象車両Vの全てについて駐車が完了したか否かを判定する。一群の案内対象車両Vの全ての状態が入庫中の状態である場合、ステップS214の判定が否定判定となり、ステップS200に戻り、ステップS200~S214の処理を繰り返す。
【0102】
一方、一群の案内対象車両Vの全ての状態が駐車中の状態となった場合、ステップS214の判定が肯定判定となり、本経路生成処理を終了する。
【0103】
以上説明したように、本実施形態の経路生成部24は、一群の案内対象車両Vの経路について一括して生成することにより、ある案内対象車両Vの移動経路と、他の案内対象車両Vの移動経路とは互いに交差することがない。また、一群の案内対象車両Vの全てが駐車動作を行う場合でも、後続の非案内対象車両Cの走行が、駐車動作により妨げられるのを抑制することができる。従って、駐車場100全体として、車両の入庫時間を短縮することができる。
【0104】
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0105】
本実施形態の駐車領域案内システム1全体の構成は、第1実施形態の駐車領域案内システム1の全体構成と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
本実施形態の駐車領域案内システム1は、駐車場サーバ14の構成の一部及び作用が異なるため、本実施形態の駐車場サーバ14の構成及び作用について説明する。
【0107】
上記第3実施形態では、経路生成部24が、一群の案内対象車両Vに対して一括して経路を生成することにより、一群の案内対象車両Vのある案内対象車両Vの移動経路と、他の案内対象車両Vの移動経路とは互いに交差しない形態について説明したが、本実施形態の経路生成部24は、一群の案内対象車両Vに限定されず、複数の案内対象車両Vの駐車動作を同期させる形態について説明する。
【0108】
図15に示すように、本実施形態の経路生成部24は、第1の実施形態の経路生成部24(
図3参照)と同様の構成を含む。本実施形態の経路生成部24は、案内対象車両駐車領域候補特定部64に代えて、各案内対象車両駐車領域候補特定部65を備え、案内対象車両駐車領域選択部66に代えて、各案内対象車両駐車領域選択部67を備えている点が異なっている。
【0109】
各案内対象車両駐車領域候補特定部65は、複数の案内対象車両Vの各々に対する駐車領域候補を特定する。第1実施形態の案内対象車両駐車領域候補特定部64では、1台の案内対象車両Vについて駐車領域候補を特定していた点が異なるが、その特定方法は第1実施形態と同様である。なお、本実施形態では、車両現在位置特定部20からは、各案内対象車両の現在位置情報41として、複数の案内対象車両の現在位置情報40をまとめた情報が出力される。また、車両状態特定部22からは、各案内対象車両の車両状態情報45として、複数の案内対象車両の車両状態情報44をまとめた情報が出力される。各案内対象車両駐車領域候補特定部65は、各案内対象車両の現在位置情報41及び各案内対象車両の車両状態情報45を用いて、複数の案内対象車両Vの各々に対する駐車領域候補を特定する。
【0110】
各案内対象車両駐車領域選択部67は、複数の案内対象車両Vの各々について、各々の駐車領域候補から駐車領域Pを選択する。各案内対象車両駐車領域選択部67は、少なくとも2台以上、すなわち複数の案内対象車両Vが駐車動作を同期して行うことが可能な各々の駐車領域Pを選択する点が異なるが、その選択方法は第1実施形態と同様である。
【0111】
図16に示した駐車場100の具体例を参照し、本実施形態の経路生成部24により生成される経路の具体例を説明する。
図16に示した駐車場100では、駐車領域P2、P5、P11、及びP12の各々に、非案内対象車両C1、C2、C4、及びC5の各々が駐車中の状態となっている。また、案内対象車両V1及びV2と、非案内対象車両C3とが入庫中の状態となっている。
【0112】
案内対象車両V1に対しては、駐車領域P7が選択され、駐車領域P7に駐車するための経路110V2が生成される。また、案内対象車両V2に対しては、駐車領域P4が選択され、駐車領域P4に駐車するための経路110V1が生成される。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の経路生成部24は、複数の案内対象車両Vの駐車動作を同期させるため、ある案内対象車両Vの移動経路と、他の案内対象車両Vの移動経路とは互いに交差することがない。また、全ての案内対象車両Vが駐車動作を行う場合でも、後続の非案内対象車両Cの走行が、駐車動作により妨げられるのを抑制することができる。従って、駐車場100全体として、車両の入庫時間を短縮することができる。
【0114】
以上説明したように、上記各実施形態の駐車領域案内システム1は、複数の駐車領域Pを含む駐車場100内において案内対象車両Vを案内する駐車領域案内システム1であって、案内対象車両V、及び案内対象車両V以外の非案内対象車両Cを含む、駐車場内を移動する全ての車両の現在位置を検出する車両位置検出部10と、複数の駐車領域P各々の駐車状態を検知する駐車領域センサ12と、案内対象車両Vの駐車領域Pを選択し、案内対象車両Vの現在位置から選択した駐車領域Pまでの経路110を生成する経路生成部24と、経路生成部24が経路110を表す経路情報51を出力する出力部26と、を備える。
【0115】
経路生成部24は、駐車場100内の通路102を走行中の非案内対象車両Cの現在位置から導出される、非案内対象車両Cが所定時間内に到達可能な駐車場100内の到達通路と、車両位置検出部10が検出した案内対象車両Vの現在位置と、に基づいて、駐車領域センサ12が空車状態を検知した空き駐車領域Pのうち、非案内対象車両Cが非案内対象車両Cの現在位置から所定時間内では到達できない空き駐車領域Pである駐車領域候補から案内対象車両Vの駐車領域Pを選択する。
【0116】
このように駐車領域案内システム1を構成することで、非案内対象車両Cの到達通路以外の通路を通行して、非案内対象車両Cが所定時間内に到達できる空き駐車領域P以外の、空き駐車領域Pに、案内対象車両Vを駐車させることができる。これにより、上記各実施形態の駐車領域案内システム1によれば、非案内対象車両Cと案内対象車両Vとが、通路102及び駐車領域P上で交差するのを抑制することができる。これにより、上記各実施形態の駐車領域案内システム1によれば、駐車場100内の全車両の移動について、他の車両によって移動を阻害する等の、車両同士の干渉を抑制することができる。
【0117】
従って、上記各実施形態の駐車領域案内システム1によれば、駐車場全体において、通路上の車両の流れを向上することができる。
【0118】
なお、上記各実施形態では、駐車場100内が一方通行であり、案内対象車両Vに対向車が存在しない場合について具体例を挙げて説明したが、対向車が存在する場合の案内対象車両Vに対しても、各実施形態の適用が可能である。案内対象車両Vに対向車が存在する場合に、案内対象車両Vに対して生成される経路110について、具体例を挙げて説明する。
【0119】
図17には、駐車領域P1~P10を備え、通路102が、対面通行の場合の駐車場100の例を示している。
図17に示した駐車場100では、駐車領域P2及びP8の各々に、非案内対象車両C3及びC4の各々が駐車中の状態となっている。また、入庫中の案内対象車両V、及び非案内対象車両C1、C2が存在している。非案内対象車両C1は、案内対象車両Vの後続を走行し、非案内対象車両C2は、案内対象車両Vに対向して走行している。到達通路114C2は、非案内対象車両C2が、現在位置から到達可能な通路である。また、到達通路114C1は、非案内対象車両C1が、現在位置からの距離が閾値以上の通路である。
【0120】
この場合、経路生成部24は、空き駐車領域Pであり、また、到達通路114C2を通らず、かつ到達通路114C1よりも前方の駐車領域P5~P7を、案内対象車両Vの駐車領域候補として特定する。さらに、
図17に示した例では、経路生成部24は、駐車領域候補のうち、案内対象車両Vの現在位置に最も近い、駐車領域P5を、案内対象車両Vの駐車領域Pとして選択し、経路110を生成する。
【0121】
従って、
図17に示した例においても、駐車場100内の全車両の移動について、車両同士の干渉を抑制することができるため、上記各実施形態の駐車領域案内システム1によれば、駐車場全体において、通路上の車両の流れを向上することができる。
【0122】
また、非案内対象車両Cが、案内対象車両Vの対向車であってもよいことは、経路生成部24が一群の案内対象車両Vの経路をまとめて生成する場合でも同様である。
【0123】
図18には、駐車領域P1~P10を備え、通路102が、対面通行の場合の駐車場100の例を示している。
図18に示した駐車場100では、駐車領域P2及びP8の各々に、非案内対象車両C3及びC4の各々が駐車中の状態となっている。また、入庫中の案内対象車両V1、V2、及び非案内対象車両C1、C2が存在している。案内対象車両V1及びV2が、一群の案内対象車両Vである。非案内対象車両C1は、一群の案内対象車両Vよりも後続を走行する。非案内対象車両C2は、一群の案内対象車両Vにおける先頭の案内対象車両V1に対向して走行している。到達通路114C2は、非案内対象車両C2が、現在位置から到達可能な通路である。また、到達通路114C1は、非案内対象車両C1が、現在位置からの距離が閾値以上の通路である。
【0124】
この場合、経路生成部24は、空き駐車領域Pであり、また、到達通路114C2を通らず、かつ到達通路114C1よりも前方の駐車領域P5~P7を、一群の案内対象車両Vの駐車領域候補として特定する。さらに、
図18に示した例では、経路生成部24は、一群の案内対象車両Vにおける先頭の案内対象車両V1に対して、案内対象車両V1の現在位置に最も近い駐車領域P7を、駐車領域Pとして駐車領域候補から選択し、経路110V1を生成する。また、経路生成部24は、一群の案内対象車両Vのうち、先頭以外である案内対象車両V2に対して、直前を走行する案内対象車両V1との距離が閾値以上となる駐車領域P5を、駐車領域Pとして駐車領域候補から選択し、経路110V2を生成する。
【0125】
なお、
図18に示した例では、経路生成部24は、以下のように一群の案内対象車両Vの経路110V1及び110V2を生成してもよい。経路生成部24は、上記と同様に、一群の案内対象車両Vの駐車領域候補として、駐車領域P5~P7を特定する。
【0126】
さらに、経路生成部24は、一群の案内対象車両Vにおける最後尾の案内対象車両V2に対して、案内対象車両V2の現在位置に最も近い駐車領域P5を、駐車領域Pとして駐車領域候補から選択し、経路110V2を生成する。また、経路生成部24は、一群の案内対象車両Vのうち、最後尾以外である案内対象車両V1に対して、後続を走行する案内対象車両V2との距離が閾値以上となる駐車領域P7を、駐車領域Pとして駐車領域候補から選択し、経路110V1を生成する。
【0127】
従って、
図18に示した例においても、駐車場100内の全車両の移動について、車両同士の干渉を抑制することができるため、上記各実施形態の駐車領域案内システム1によれば、駐車場全体において、通路上の車両の流れを向上することができる。
【符号の説明】
【0128】
1 駐車領域案内システム
10、101~103 車両位置検出部
12、121~1212 駐車領域センサ
14 駐車場サーバ
20 車両現在位置特定部
22 車両状態特定部
24 経路生成部
26 出力部
C 非案内対象車両
V 案内対象車両