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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】X線撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20231017BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 300D
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019154580
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021029712
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 翔太
(72)【発明者】
【氏名】奥村 皓史
(72)【発明者】
【氏名】代田 健
(72)【発明者】
【氏名】坂口 淳平
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-136299(JP,A)
【文献】特開2014-018661(JP,A)
【文献】特開2018-067755(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03508130(EP,A1)
【文献】特開2002-224095(JP,A)
【文献】特開2011-104029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14、5/00-5/01
G06T 1/00-1/40、3/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、
前記X線照射部より照射されたX線を検出する複数のX線検出器を含むX線検出部と、
前記X線照射部を移動させる移動部と、
前記被検者および前記被検者以外の人物の少なくとも一方を含む対象者の画像を取得する撮像部と、
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記対象者の位置を示す位置情報と前記対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出し、検出した前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のX線検出器のうちのいずれの前記X線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、決定された前記X線検出器に対応する照射位置、または、決定された前記X線検出器に対応し、前記照射位置とは別個に設けられる撮影準備位置に、前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御する制御部と、を備える、X線撮影装置。
【請求項2】
前記複数のX線検出器は、互いに離れて配置されている、請求項1に記載のX線撮影装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のX線検出器の各々に対応して定められた領域である判定領域に前記対象者が位置することを、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出するとともに、複数の前記判定領域のうちのいずれの前記判定領域に前記対象者が位置するかを検出したことに基づいて、前記移動部の動作を開始させる制御を行うように構成されている、請求項1または2に記載のX線撮影装置。
【請求項4】
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記判定領域に前記対象者が位置することを検出したことに基づいて、前記撮影準備位置まで前記X線照射部を移動させるとともに、前記位置情報に基づいて前記決定されたX線検出器に対応するX線撮影位置に前記被検者が位置していることを検出したことに基づいて、前記照射位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、請求項3に記載のX線撮影装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のX線検出器のうち一の前記X線検出器を用いてX線撮影を行った後に、前記対象者が他の前記X線検出器に向かって移動することを、前記移動方向情報に基づいて検出するとともに、検出された前記対象者の移動に基づいて、前記対象者と前記X線照射部との衝突を回避するように、前記X線照射部を移動させる制御を行うように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記被検者とX線撮影作業を行う作業者とを識別して検出するとともに、前記被検者についての前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を取得するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項7】
前記複数のX線検出器は、前記被検者が床面に起立した状態において前記被検者に照射されるX線を検出するように構成されている立位検出器と、天板を有し、前記被検者が前記天板に載置された状態において前記被検者に照射されるX線を検出するように構成されている臥位検出器と、を有し、
前記制御部は、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記立位検出器および前記臥位検出器のうちのいずれの前記X線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、前記照射位置または前記撮影準備位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項8】
前記移動部は、前記天板を昇降させる天板昇降移動部を含み、
前記制御部は、決定された前記臥位検出器に対応する臥位撮影位置に基づいて、前記天板を昇降させるように前記天板昇降移動部の動作を制御するように構成されている、請求項7に記載のX線撮影装置。
【請求項9】
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記決定された臥位検出器に対応する前記臥位撮影位置に前記被検者が到着する前に、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記天板を下降させるように、前記天板昇降移動部を制御するように構成されている、請求項8に記載のX線撮影装置。
【請求項10】
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記被検者の身体寸法についての情報である身体寸法情報を、前記撮像部によって取得した前記対象者の画像に基づいて検出するとともに、前記身体寸法情報に基づいて、前記照射位置を決定するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項11】
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像と、前記対象者の画像が第1教師データとして予め機械学習された学習済モデルとに基づいて、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を取得するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項12】
予め前記対象者の画像が前記第1教師データとして機械学習されることによって取得された学習データと、前記撮像部によって取得された複数の前記対象者の画像とを第2教師データとして機械学習を行うことにより、前記学習済モデルを生成するように構成されている、請求項11に記載のX線撮影装置。
【請求項13】
前記撮像部は、ステレオカメラを含むとともに、視差画像を取得するように構成されており、
前記撮像部によって取得された前記視差画像に基づいて、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を検出するように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項14】
前記移動部は、前記X線照射部を鉛直方向に移動させる鉛直方向移動部と、前記鉛直方向移動部を天井に対して水平方向に移動させる水平方向移動部と、を備え、
前記撮像部は、前記鉛直方向移動部よりも上方の位置に設けられた前記水平方向移動部と、前記鉛直方向移動部の上部とのいずれか一方に配置されているとともに、下方にいる前記対象者の画像を取得するように構成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【請求項15】
被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、
前記X線照射部より照射されたX線を検出するX線検出器を含むX線検出部と、
前記X線照射部を移動させる移動部と、
前記被検者を含む対象者の画像を取得する撮像部と、
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記対象者の位置を示す位置情報と前記対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記X線検出器に対応して定められた領域である判定領域に前記対象者が位置することを、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出し、前記判定領域に前記対象者が位置することを検出したことに基づいて、前記X線検出器に対応する撮影準備位置まで前記X線照射部を移動させるとともに、前記位置情報に基づいて前記X線検出器に対応するX線撮影位置に前記被検者が位置していることを検出したことに基づいて、前記撮影準備位置とは別個に設けられる照射位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、X線撮影装置。
【請求項16】
被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、
前記X線照射部より照射されたX線を検出するX線検出器を含むX線検出部と、
前記X線照射部を移動させる移動部と、
前記被検者を含む対象者の画像を取得する撮像部と、
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記対象者の位置を示す位置情報と前記対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記X線検出器に対応して定められた領域である判定領域に前記対象者が位置することを、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出し、前記判定領域に前記対象者が位置することを検出したことに基づいて、前記X線検出器に対応する撮影準備位置まで前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、X線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線管を移動させる機構を備えたX線撮影装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、X線照射用のX線管と、被検体を起立させた姿勢でX線撮影を行う立位式撮影台と、被検体を横たわらせた姿勢でX線撮影を行う水平載置台と、X線管を移動させる懸垂保持機構と、を備えた、X線撮影装置が開示されている。懸垂保持機構は、立位式撮影台と水平載置台とのそれぞれに向けてX線管を移動させるように保持して、天井から懸垂保持されるとともに天井を走行可能なように構成されている。また、この懸垂保持機構は、モータの駆動制御により移動する水平移動機構と、鉛直方向に伸縮移動が可能な支柱とを有している。また、このX線撮影装置は、操作パネルを備える。そして、X線撮影装置は、操作者によって操作パネルが操作されることによって、懸垂保持機構を操作者が撮影したい位置に移動させるように構成されている。たとえば、被検体は、立位撮影台で先の撮影が終了すると、水平載置台に移動する。その後に、操作者は、操作パネルに表示される「オートポジション」の項目(移動先)を選択する。X線撮影装置は、選択された「オートポジション」に基づく位置に、懸垂保持機構を移動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-244569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようなX線撮影装置では、操作者(作業者)は、X線管の位置を変更する作業(操作パネルに対する操作)と、上記特許文献1には記載されていないが、X線撮影を行う位置に被検体を誘導する作業と、を行う必要がある。すなわち、操作者がX線管(X線照射部)の位置を変更するために操作パネルを操作している期間は、操作者によってX線撮影を行う位置に被検体を誘導する作業が容易にできない場合があると考えられる。このため、操作者(作業者)がX線管(X線照射部)の位置を変更する作業と、被検体(被検者)を誘導する作業とを容易に並行して行うことが可能なX線撮影装置の開発が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、作業者がX線照射部の位置を変更する作業と、被検者を誘導する作業とを容易に並行して行うことが可能なX線撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるX線撮影装置は、被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、X線照射部より照射されたX線を検出する複数のX線検出器を含むX線検出部と、X線照射部を移動させる移動部と、被検者および被検者以外の人物の少なくとも一方を含む対象者の画像を取得する撮像部と、撮像部によって取得された対象者の画像に基づいて、対象者の位置を示す位置情報と対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出し、検出した位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、複数のX線検出器のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、決定されたX線検出器に対応する照射位置、または、決定されたX線検出器に対応し、照射位置とは別個に設けられる撮影準備位置に、X線照射部を移動させるように、移動部の動作を制御する制御部と、を備える。また、この発明の第2の局面におけるX線撮影装置は、被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、X線照射部より照射されたX線を検出するX線検出器を含むX線検出部と、X線照射部を移動させる移動部と、被検者を含む対象者の画像を取得する撮像部と、撮像部によって取得された対象者の画像に基づいて、対象者の位置を示す位置情報と対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、X線照射部を移動させるように、移動部の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、X線検出器に対応して定められた領域である判定領域に対象者が位置することを、位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出し、判定領域に対象者が位置することを検出したことに基づいて、X線検出器に対応する撮影準備位置までX線照射部を移動させるとともに、位置情報に基づいてX線検出器に対応するX線撮影位置に被検者が位置していることを検出したことに基づいて、撮影準備位置とは別個に設けられる照射位置にX線照射部を移動させるように、移動部の動作を制御するように構成されている。また、この発明の第3の局面におけるX線撮影装置は、被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、X線照射部より照射されたX線を検出するX線検出器を含むX線検出部と、X線照射部を移動させる移動部と、被検者を含む対象者の画像を取得する撮像部と、撮像部によって取得された対象者の画像に基づいて、対象者の位置を示す位置情報と対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、X線照射部を移動させるように、移動部の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、X線検出器に対応して定められた領域である判定領域に対象者が位置することを、位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出し、判定領域に対象者が位置することを検出したことに基づいて、X線検出器に対応する撮影準備位置までX線照射部を移動させるように、移動部の動作を制御するように構成されている。
【発明の効果】
【0008】
第1の局面におけるX線撮影装置では、上記のように、撮像部によって取得された対象者の画像に基づいて、対象者の位置を示す位置情報と対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、位置情報および移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、X線照射部を移動させるように構成されている。これにより、撮影位置に位置する被検者に対してX線を照射する照射位置へと、X線照射部を自動的に移動させるように動作を制御することができる。このため、作業者は、X線照射部の位置を変更するための操作を入力する必要がなくなるので、作業者がX線照射部の位置を変更する作業と、被検者を誘導する作業とを容易に並行して行うことができる。このように、X線照射部の位置を変更する作業と、被検者を誘導する作業とを並行して行うことができるので、X線撮影に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態によるX線撮影装置の構成を説明するための斜視図である。
図2】第1実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態によるX線撮影装置の全体構成を説明するための正面図である。
図4】第1実施形態による被検者および作業者を含む、撮像部による撮像画像の図である。
図5】第1実施形態によるX線撮影を行うX線検出器を決定するための領域を説明するための平面図である。
図6】第1実施形態によるX線撮影が行われる際に、X線照射部が位置する照射位置について説明するための正面図である。
図7】第1実施形態によるX線照射部を撮影準備位置へと移動させる制御について説明するための平面図である。
図8】第1実施形態によるX線照射部を撮影準備位置へと移動させる制御について説明するための正面図である。
図9】第1実施形態によるX線照射部を撮影準備位置から照射位置へと移動させる制御について説明するための平面図である。
図10】第1実施形態によるX線照射部を撮影準備位置から照射位置へと移動させる制御について説明するための正面図である。
図11】第1実施形態によるX線照射部と対象者との衝突を回避する制御を説明するための正面図である。
図12】第1実施形態による天板を降下させる制御について説明した正面図である。
図13】第1実施形態による天板を上昇させる制御について説明した正面図である。
図14】第1実施形態による被検者の身体寸法に基づいて照射位置を決定する制御について説明するための正面図である。
図15】第1実施形態によるX線撮影装置の制御処理を説明するためのフローチャート図である。
図16】第2実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示す斜視図である。
図17】第2実施形態によるX線撮影装置の全体構成を示すブロック図である。
図18】第2実施形態による視差画像にもとづいて、被検者および作業者と立位検出器および臥位検出器との距離を検出する制御について説明するための平面図である。
図19】第2実施形態によるX線撮影装置の制御処理を説明するためのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
(X線撮影装置の構成)
図1図14を参照して、本発明の第1実施形態によるX線撮影装置100の全体構成について説明する。
【0012】
図1および図2に示すように、X線撮影装置100は、X線照射部1と、X線検出部2と、移動部3と、撮像部4と、制御部5と、記憶部6と、を備える。
【0013】
図1に示すように、X線照射部1は、被検者PにX線を照射するX線源(X線管球)11を含む。また、X線源11の下部には、コリメータ12が設けられている。コリメータ12は、X線源11から照射されるX線の範囲を絞り込むように構成されている。X線照射部1は、天井Cから吊り下げられる形で支持されており、具体的には、後述する支持部30と、鉛直方向移動部31と、水平方向移動部32とによって天井Cに吊り下げられる形で支持されている。
【0014】
X線検出部2は、X線照射部1より照射されたX線を検出する。また、X線検出部2は、互いに離れて配置された立位検出器21と臥位検出器22とを含む。また、図3に示すように、臥位検出器22は、被検者Pを載置する天板22aを含む。そして、立位検出器21は、第1X線検出部位20aを有する。また、臥位検出器22は、第2X線検出部位20bを有する。なお、立位検出器21および臥位検出器22は、特許請求の範囲の「複数のX線検出器」の一例である。
【0015】
図3に示すように、立位検出器21は、被検者Pが床面Fに起立した状態で照射されたX線を検出するように構成されている。また、臥位検出器22は、被検者Pが天板22aに載置された状態で照射されたX線を検出するように構成されている。また、第1X線検出部位20aおよび第2X線検出部位20bは、それぞれ、被検者Pの撮影部位に応じて移動可能に構成されている。たとえば、第2X線検出部位20bは、天板22aの下部に配置されており、水平面(図3のX方向およびY方向を含む面)に平行に移動可能に構成されている。また、第1X線検出部位20aおよび第2X線検出部位20bは、たとえば、FPD(Flat Panel Detector)であり、被検者Pを透過したX線を検出する。
【0016】
移動部3は、X線照射部1を移動させる。図1および図2に示すように、移動部3は、X線照射部1を支持する支持部30と、支持部30を鉛直方向に移動させる鉛直方向移動部31と、鉛直方向移動部31を水平方向に移動させる水平方向移動部32とを含む。また、移動部3は、天板22aを昇降移動させる天板昇降移動部33を含む。
【0017】
支持部30は、鉛直方向移動部31の下部に取り付けられており、X線照射部1を支持するように構成されている。支持部30は、鉛直方向移動部31の下部に取り付けられており、鉛直方向移動部31に対して、鉛直方向を軸として回動可能に構成されている。また、支持部30は、鉛直方向移動部31とX線照射部1とを接続するように構成されている。X線照射部1は、支持部30に対して、水平方向を軸として回転可能に構成されている。
【0018】
鉛直方向移動部31は、鉛直方向に伸縮可能なように構成されている。鉛直方向移動部31が伸縮することにより、支持部30が鉛直方向に移動されることによって、X線照射部1を鉛直方向に移動させる。
【0019】
水平方向移動部32は、第1水平方向移動部32aと、第2水平方向移動部32bと、固定レール32cとを含む。水平方向移動部32は、鉛直方向移動部31を天井Cに対して水平方向に移動させる。具体的には、固定レール32cは、天井Cに固定されている。第1水平方向移動部32aは、固定レール32cに対して移動可能であり、固定レール32cの伸びる方向(図1のX方向)に対して、直交する方向(図1のY方向)に伸びるように設けられている。第2水平方向移動部32bは第1水平方向移動部32aの伸びる方向(図1のY方向)に移動可能なように取り付けられている。すなわち、第2水平方向移動部32bが第1水平方向移動部32aに対して静止した状態で、第1水平方向移動部32aが固定レール32c上を移動することにより、X線照射部1、支持部30、および、鉛直方向移動部31は、図1のX方向に移動する。また、第1水平方向移動部32aが固定レール32cに対して静止した状態で、第2水平方向移動部32bが第1水平方向移動部32a上を移動することにより、X線照射部1、支持部30、および、鉛直方向移動部31は、図1のY方向に移動する。
【0020】
撮像部4は、図4に示すように、被検者Pおよび被検者P以外の人物であるX線撮影作業を行う作業者Qの少なくとも一方を含む撮像画像Aを取得するよう構成されている。すなわち、撮像部4は、入り口Eから検査室に入室してきた被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方を含む画像である撮像画像Aを取得するように構成されている。また、撮像部4は、鉛直方向移動部31よりも上方の位置に設けられた水平方向移動部32と、鉛直方向移動部31の上部とのいずれか一方に配置されているとともに、下方にいる被検者Pおよび作業者Qの画像を取得するように構成されている。具体的には、図1に示すように、撮像部4は、X線照射部1の上方である第2水平方向移動部32bに取り付けられている。すなわち、撮像部4は、立位検出器21と、臥位検出器22と、X線照射部1とが同一の画角内に収まるように取り付けられており、非鉛直面内の撮像画像Aを取得する。なお「非鉛直面」とは鉛直面ではない平面であり、第1実施形態では、水平面(図1のX方向およびY方向を含む面)を意味する。また、撮像画像Aは、特許請求の範囲の「対象者の画像」の一例である。そして、被検者Pは特許請求の範囲の「対象者」の一例である。また、作業者Qは、特許請求の範囲の「対象者」の一例である。
【0021】
図2に示すように、制御部5は、X線撮影において、X線照射部1およびX線検出部2の動作を制御する。制御部5は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを含む。制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者Pの位置を示す位置情報Paと、被検者Pの移動方向を示す移動方向情報Pbとの少なくとも一方を検出する。また、制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、作業者Qの位置を示す位置情報Qaと、作業者Qの移動方向を示す移動方向情報Qbとの少なくとも一方を検出する。そして、制御部5は、位置情報PaおよびQaと、移動方向情報PbおよびQbと、の少なくとも一方に基づいて、X線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。また、制御部5は、位置情報PaおよびQaと、移動方向情報PbおよびQbと、の少なくとも一方に基づいて、X線検出部2を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。なお、X線照射部1およびX線検出部2の制御の詳細は、後述する。
【0022】
(位置情報および移動方向情報の取得に関する制御について)
第1実施形態では、図4に示すように、撮像部4によって取得された撮像画像Aと、被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして予め機械学習された学習済モデルとに基づいて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を取得するように構成されている。具体的には、制御部5は、予め取得した被検者Pおよび作業者Qを含む複数の画像について機械学習することによって、被検者Pおよび作業者Qの各々を検出するための特徴量と、被検者Pおよび作業者Qの各々についての移動方向を検出するための特徴量と、を教師データとして学習する。そして、学習した教師データと撮像部4の取得した撮像画像Aとに基づいて、被検者Pおよび作業者Qの各々について位置および移動方向を特定することによって、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を取得する。なお、本実施形態では、機械学習として、深層学習(AI)が用いられる。
【0023】
また、制御部5は、予め被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして機械学習されることによって取得された学習データと、撮像部4によって取得された複数の被検者Pおよび作業者Qの撮像画像Aと、を第2教師データとして機械学習(再学習)を行うことにより、学習済モデルを生成するように構成されている。具体的には、X線撮影を行うごとに、撮像部4によって取得した被検者Pおよび作業者Qについての複数の撮像画像Aを、記憶部6(図2参照)に保存するように構成されている。そして、X線撮影を行うごとに新たに取得した複数の撮像画像Aを教師データとして、機械学習を行うように構成されている。
【0024】
また、制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者PとX線撮影作業を行う作業者Qとを識別して検出するとともに、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方を取得するように構成されている。具体的には、撮像部4によって取得された撮像画像Aと、予め取得しておいた被検者Pおよび作業者Qについての特徴量とに基づいて、被検者Pおよび作業者Qを区別して識別するように構成されている。
【0025】
(X線検出器の決定に関する制御について)
制御部5は、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するように構成されている。すなわち、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22の各々に対応して定められた領域である判定領域R1およびR2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて検出するとともに、判定領域R1およびR2のうちのいずれの判定領域に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置するかを検出したことに基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するように構成されている。なお、判定領域R1は立位検出器21に対応して定められた領域であり、判定領域R2は臥位検出器22に対応して定められた領域である。また、判定領域R1およびR2は、特許請求の範囲の「複数の判定領域」の一例である。
【0026】
具体的には、図5に示すように、予め水平面内において、判定領域R1および判定領域R2が設定されている。制御部5は、たとえば、被検者Pが判定領域R1に位置することを検出した場合、立位検出器21を用いてX線撮影を行うと決定する。また、制御部5は、被検者Pが判定領域R2に位置することを検出した場合においては、臥位検出器22を用いてX線撮影を行うと決定する。
【0027】
(X線照射部の移動に関する制御について)
図6に示すように、制御部5は、決定されたX線検出器に対応する照射位置にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御する。具体的には、制御部5は、予め、立位検出器21においてX線撮影を行う際にX線照射部1が位置する立位照射位置S1と、臥位検出器22においてX線撮影を行う際にX線照射部1が位置する臥位照射位置S2と、を設定する。そして、立位検出器21および臥位検出器22のいずれか一方を用いてX線撮影が行われると決定された際に、決定されたX線検出器に対応する照射位置である立位照射位置S1および臥位照射位置S2のいずれか一方に、X線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御する。
【0028】
また、制御部5は、判定領域R1およびR2のうちのいずれの判定領域に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置するかを検出したことに基づいて、移動部3の動作を開始させる制御を行うように構成されている。図7および図8に示すように、たとえば、制御部5は、判定領域R1およびR2のいずれかに被検者Pが位置しているかを検出したことに基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちいずれのX線検出器を用いてX線撮影を行うのかを決定した際、X線照射部1の移動を開始するように移動部3の動作を開始させる制御を行う。
【0029】
また、制御部5は、判定領域R1およびR2のいずれか一方に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを検出したことに基づいて、決定されたX線検出器のそれぞれに、立位照射位置S1および臥位照射位置S2とは別個に設けられる立位撮影準備位置S11または臥位撮影準備位置S12までX線照射部1を移動させる。なお、立位撮影準備位置S11および臥位撮影準備位置S12は、特許請求の範囲の「撮影準備位置」の一例である。
【0030】
具体的には、図7および図8に示すように、立位検出器21を用いてX線撮影を行うことを決定した際にX線照射部1が位置する立位撮影準備位置S11と、臥位検出器22を用いてX線撮影を行うことを決定した際に、X線照射部1が位置する臥位撮影準備位置S12と、が予め設定されている。なお、立位撮影準備位置S11および臥位撮影準備位置S12は、被検者Pおよび作業者Qの移動の妨げにならないように鉛直方向移動部31を上方に移動させた位置である。そして、制御部5は、たとえば、判定領域R1に被検者Pが位置することを検出することによって立位検出器21を用いてX線撮影を行うと決定した場合、移動部3を制御することによって、X線照射部1の水平方向への移動を開始する。そして、制御部5は、X線照射部1を、立位撮影準備位置S11に移動させる。
【0031】
また、制御部5は、位置情報Paに基づいて決定されたX線検出器に対応する立位撮影位置T1および臥位撮影位置T2に被検者Pが位置していることを検出したことに基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。なお、立位撮影位置T1は、立位検出器21に対応するX線撮影位置であり、臥位撮影位置T2は、臥位検出器22に対応するX線撮影位置である。また、立位撮影位置T1および臥位撮影位置T2は特許請求の範囲の「X線撮影位置」の一例である。
【0032】
具体的には、図9および図10に示すように、予め、立位検出器21を用いてX線撮影を行う際に被検者Pが位置する立位撮影位置T1と、臥位検出器22を用いてX線撮影を行う際に被検者Pが位置する臥位撮影位置T2と、が設定されている。たとえば、制御部5は、被検者Pが立位撮影位置T1に位置することを位置情報Paに基づいて検出する。そして、制御部5は、被検者Pが立位撮影位置T1に位置することを検出したことに基づいて、立位撮影準備位置S11にて停止させておいたX線照射部1を、X線撮影を行う位置である立位照射位置S1まで移動させるよう移動部3を制御する。
【0033】
また、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22のうち一のX線検出器を用いてX線撮影を行った後に、被検者Pおよび作業者Qが他のX線検出器に向かって移動することを、移動方向情報PbおよびQbに基づいて検出するとともに、検出された被検者Pおよび作業者Qの移動に基づいて、被検者Pおよび作業者QとX線照射部1との衝突を回避するように、X線照射部1を移動させる制御を行うように構成されている。
【0034】
具体的には、図11に示すように、たとえば、制御部5は、立位検出器21を用いてX線撮影を行った後に、被検者Pが臥位検出器22に向かって移動することを、移動方向情報Pbに基づいて検出するとともに、検出された被検者Pの移動に基づいて、被検者PとX線照射部1と衝突を回避するように、X線照射部1を立位照射位置S1から退避位置S21に移動させる制御を行うように構成されている。
【0035】
また、図12に示すように、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に基づいて、天板22aを昇降させるように天板昇降移動部33の動作を制御するように構成されている。また、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に被検者Pが到着する前に、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、天板22aを下降させるように、天板昇降移動部33を制御するように構成されている。
【0036】
具体的には、制御部5は、立位検出器21を用いてX線撮影を行った後、もしくは、入り口Eから部屋に入ってきた後に、臥位検出器22に向かって被検者Pおよび作業者Qが臥位検出器22に向かって移動する際、臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に被検者Pが到着する前に、天板22aを下降させるように、天板昇降移動部33を制御する。そして、図13に示すように、被検者Pが天板22aに載置されたことを、位置情報Paに基づいて検出すると、天板22aを上昇させることによって被検者Pを臥位撮影位置T2に移動させるように、天板昇降移動部33を制御する。
【0037】
また、制御部5は、被検者Pの身体寸法についての情報である身体寸法情報を、撮像部4によって取得した被検者Pの画像に基づいて検出するとともに、身体寸法情報に基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2を決定するように構成されている。たとえば、図14に示すように、立位検出器21を用いてX線撮影が行われる際、制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、立位撮影位置T1に位置する被検者Pの身体寸法を取得する。取得された被検者Pの身体寸法によって、被検者Pの体格に見合った立位照射位置S1を検出するように構成されている。なお、ここでは立位検出器21を用いてX線撮影を行う際についての例を示したが、本発明はこれに限られない。臥位検出器22を用いてX線撮影を行う際についても被検者Pの身体寸法を取得して臥位照射位置S2を決定するようにしてもよい。
【0038】
(第1実施形態のX線撮影装置100による制御処理)
次に、図15を参照して、第1実施形態によるX線撮影装置100によるX線撮影に関する制御処理フローについて説明する。このX線撮影装置100によるX線撮影に関する制御は、制御部5により実行される。
【0039】
まず、ステップ101では、撮像部4によって取得された撮像画像Aが取得される。
【0040】
次に、ステップ102では、ステップ101において取得した撮像画像Aに基づいて、被検者Pおよび作業者Qが検出される。また、ここで撮像画像Aにおいて、被検者Pおよび作業者Qが検出されなかった場合は、ステップ101に戻る。撮像画像Aにおいて、被検者Pおよび作業者Qが検出された場合は、次のステップ103に進む。
【0041】
次に、ステップ103では、被検者Pおよび作業者Qの位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとが取得されるとともに、取得された位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとに基づいて、被検者Pおよび作業者Qの移動方向が判定される。被検者Pおよび作業者Qが立位検出器21の方向へ移動していると判定された場合はステップ104へ進む。また、被検者Pおよび作業者Qが臥位検出器22の方向へ移動していると判定された場合はステップ110へ進む。
【0042】
(立位検出器を用いたX線撮影の関する制御)
ステップ104では、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとに基づいて、判定領域R1に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することが検出された場合、次のステップ105に進む。判定領域R1に被検者Pおよび作業者Qのいずれとも位置することが検出されなかった場合は、ステップ101へと戻る。
【0043】
次に、ステップ105では、判定領域R1に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することが検出されたことに基づいて、立位検出器21を用いてX線撮影を行うことが決定される。
【0044】
次に、ステップ106では、立位検出器21を用いてX線撮影を行うことが決定された際に、X線照射部1が立位撮影準備位置S11へ向かって移動させられる。そして、立位撮影準備位置S11において、X線照射部1が待機させられる。
【0045】
次に、ステップ107では、位置情報Paに基づいて、立位撮影位置T1に被検者Pが位置しているか否かが検出される。
【0046】
次に、ステップ108では、ステップ107において立位撮影位置T1に被検者Pが位置していることが検出された場合、待機させられていたX線照射部1が立位撮影準備位置S11から立位撮影位置T1へと移動させられる。なお、ステップ107において立位撮影位置T1に被検者Pが位置していることが検出されなかった場合は、ステップ106へ戻り、X線照射部1が、立位撮影準備位置S11に待機させられる。
【0047】
次に、ステップ109では、X線照射部1が立位照射位置S1に到着した後、X線撮影が行われる。
【0048】
(臥位検出器を用いたX線撮影の関する制御)
一方、ステップ110では、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとに基づいて、判定領域R2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することが検出された場合、次のステップ111に進む。判定領域R2に被検者Pおよび作業者Qのいずれとも位置することが検出されなかった場合は、ステップ101へと戻る。
【0049】
次に、ステップ111では、判定領域R2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することが検出されたことに基づいて、臥位検出器22を用いてX線撮影を行うことが決定される。
【0050】
次に、ステップ112では、臥位検出器22を用いてX線撮影を行うことが決定された際に、天板22aが下降させられる。
【0051】
次に、ステップ113では、臥位検出器22を用いてX線撮影を行うことが決定された際に、X線照射部1が臥位撮影準備位置S12へ向かって移動させられる。そして、臥位撮影準備位置S12において、X線照射部1が待機させられる。
【0052】
次に、ステップ114では、天板22aに被検者Pが載置されているかどうかを位置情報Paに基づいて検出される。
【0053】
次に、ステップ115では、ステップ116において天板22aに被検者Pが載置されていると検出した場合は、天板22aが上昇させられる。天板22aに被検者Pが載置されていると検出されなかった場合は、ステップ113へと戻る。
【0054】
次に、ステップ116では、位置情報Paに基づいて、臥位撮影位置T2に被検者Pが位置しているか否かを検出される。
【0055】
次に、ステップ117では、ステップ116において臥位撮影位置T2に被検者Pが位置していることが検出された場合、待機させられていたX線照射部1が臥位撮影準備位置S12から臥位照射位置S2へと移動させられる。なお、ステップ116において臥位撮影位置T2に被検者Pが位置していることが検出されなかった場合は、ステップ113へ戻り、X線照射部1が臥位撮影準備位置S12に待機させられる。
【0056】
次に、ステップ118において、X線照射部1が臥位照射位置S2に到着した後、X線撮影が行われる。
【0057】
なお、ステップ115における天板22aを上昇させる処理と、ステップ116およびステップ117におけるX線照射部1を臥位撮影位置T2に移動させる処理とは、どちらの処理を先に行ってもよい。
【0058】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第1実施形態のX線撮影装置100は、上記のように、被検者Pに対してX線を照射するX線源11を含むX線照射部1と、X線照射部1より照射されたX線を検出するX線検出部2と、X線照射部1を移動させる移動部3と、被検者Pおよび被検者P以外の人物である作業者Qの少なくとも一方を含む撮像画像Aを取得する撮像部4と、を備え、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者Pおよび作業者Qの位置を示す位置情報PaおよびQaと被検者Pおよび作業者Qの移動方向を示す移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を検出するとともに、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、X線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。また、第1実施形態のX線撮影装置100では、上記の構成によって、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者Pおよび作業者Qの位置を示す位置情報PaおよびQaと被検者Pおよび作業者Qの移動方向を示す移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を検出するとともに、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、X線照射部1を移動させるように構成されている。これにより、立位撮影位置T1および臥位撮影位置T2に位置する被検者Pに対してX線を照射する立位照射位置S1および臥位照射位置S2へと、X線照射部1を自動的に移動させるように動作を制御することができる。このため、作業者Qは、X線照射部1の位置を変更するための操作を入力する必要がなくなるので、作業者QがX線照射部1の位置を変更する作業と、被検者Pを誘導する作業とを容易に並行して行うことができる。このように、X線照射部1の位置を変更する作業と、被検者Pを誘導する作業とを並行して行うことができるので、X線撮影に要する時間を短縮することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、以下のように構成したことによって、更なる効果が得られる。
【0061】
すなわち、第1実施形態では、X線検出部2は、互いに離れて配置された立位検出器21および臥位検出器22を含み、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、決定されたX線検出器に対応する照射位置にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御する制御部5をさらに備える。このように構成すれば、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかについての情報を作業者Qが入力することを必要とせず、X線照射部1の移動を行わせることができる。その結果、作業者Qによる被検者Pの誘導作業を中断させることなくX線照射部1の位置を変更することができる。
【0062】
また、第1実施形態では、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22の各々に対応して定められた領域である判定領域R1およびR2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて検出するとともに、判定領域R1およびR2のうちのいずれの判定領域に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置するかを検出したことに基づいて、移動部3の動作を開始させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、X線撮影位置に被検者Pが到着する前に移動部3の動作を開始することができる。その結果、X線撮影位置に被検者Pが到着した後に移動部3の動作を開始する場合に比べて、X線撮影に要する時間を容易に短縮することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、制御部5は、判定領域R1およびR2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを検出したことに基づいて、決定されたX線検出器のそれぞれに立位照射位置S1および臥位照射位置S2とは別個に設けられる立位撮影準備位置S11または臥位撮影準備位置S12までX線照射部1を移動させるとともに、位置情報Paに基づいて決定されたX線検出器に対応する立位撮影位置T1およびT2に被検者Pが位置していることを検出したことに基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、被検者PがX線撮影する位置に移動するまで、X線照射部1を決定されたX線検出器に対応する立位撮影準備位置S11および臥位撮影準備位置S12で待機させておいた後、X線照射部1を立位照射位置S1および臥位照射位置S2に移動させることができる。その結果、X線撮影に要する時間を短縮しながら、被検者Pが移動する際に、X線照射部1と接触することを抑制することができる。
【0064】
また、第1実施形態では、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22のうち一のX線検出器を用いてX線撮影を行った後に、被検者Pおよび作業者Qが他のX線検出器に向かって移動することを、移動方向情報PbおよびQbに基づいて検出するとともに、検出された被検者Pおよび作業者Qの移動に基づいて、被検者Pおよび作業者QとX線照射部1との衝突を回避するように、X線照射部1を移動させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、被検者Pおよび作業者Qの移動に際して作業者QがX線照射部1の位置を上方に退避させる操作を行わなくても、X線照射部1を被検者Pおよび作業者Qと接触しないような位置へと移動させておくことができる。その結果、作業者Qは、X線照射部1を移動させる操作をする必要がなくなるため、たとえば、被検者Pを誘導する作業を途切れさせることなく、装置と被検者Pおよび作業者Qとの接触を回避することができる。
【0065】
また、第1実施形態では、制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者PとX線撮影作業を行う作業者Qとを識別して検出するとともに、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方を取得するように構成されている。ここで、作業者Qと被検者Pとが離間した状態で移動する場合、人物の位置を検出するだけでは、いずれのX線検出器においてX線撮影を行うのかの判定が困難になる場合があると考えられる。上記第1の実施形態のように、被検者PとX線撮影作業を行う作業者Qとを識別して検出するように構成すれば、被検者Pに関してのみ位置情報Paおよび移動方向情報Pbを検出することができるので、より正確にX線照射部1の移動を制御することができる。
【0066】
また、第1実施形態では、複数のX線検出器は、被検者Pが床面Fに起立した状態において被検者Pに照射されるX線を検出するように構成されている立位検出器21と、天板22aを有し、被検者Pが天板22aに載置された状態において被検者Pに照射されるX線を検出するように構成されている臥位検出器22と、を有し、制御部5は、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、立位照射位置S1および臥位照射位置S2にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22のいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかについての情報を作業者Qが入力することなく、X線照射部1の移動を行わせることができる。その結果、作業者Qによる操作作業の必要がなくなり、作業者Qによる被検者Pの誘導作業を中断することがなくX線照射部1の位置を変更することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、移動部3は、天板22aを昇降させる天板昇降移動部33を含み、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に基づいて、天板22aを昇降させるように天板昇降移動部33の動作を制御するように構成されている。このように構成すれば、臥位検出器22において撮影する場合に、X線撮影を行う作業者Qの操作によらず、天板22aの位置を自動的に昇降させることができる。その結果、作業者Qの作業負担をより一層軽減することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に被検者Pが到着する前に、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、天板22aを下降させるように、天板昇降移動部33を制御するように構成されている。このように構成すれば、臥位検出器22においてX線撮影を開始する前に、作業者Qの操作作業を必要とせず、自動的に天板22aの高さを降下させておくことができる。その結果、作業者Qは、被検者Pの誘導作業を行う際に誘導作業を途切れさせることなく天板22aを下降させることができるとともに、誘導作業の後に、天板22aを降下させるための作業時間を短縮することができる。また、天板22aが下降された状態であるため、被検者Pを天板22aに載置する作業も容易に行うことができる。
【0069】
また、第1実施形態では、制御部5は、被検者Pの身体寸法についての情報である身体寸法情報を、撮像部4によって取得した被検者Pの画像に基づいて検出するとともに、身体寸法情報に基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2を決定するように構成されている。このように構成すれば、被検者Pの身体の寸法にあわせて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2を調整することができる。この結果、作業者Qによって、被検者Pの誘導を行った後に、被検者Pの身体寸法に合わせて手動でX線照射部1の位置を調整する必要がなくなり、作業者Qの作業負担を軽減することができる。
【0070】
また、第1実施形態では、撮像部4によって取得された撮像画像Aと、被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして予め機械学習された学習済モデルとに基づいて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を取得するように構成されている。このように構成すれば、取得された被検者Pおよび作業者Qの画像について予め取得した学習済みモデルと比較するため精度よく位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとを検出することができる。その結果、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの検出精度を向上させながら、作業者Qの作業負担を軽減することができる。
【0071】
また、第1実施形態では、予め被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして機械学習されることによって取得された学習データと、撮像部4によって取得された複数の被検者Pおよび作業者Qの撮像画像Aと、を第2教師データとして機械学習(再学習)を行うことにより、学習済モデルを生成するように構成されている。このように構成すれば、X線撮影作業を行うごとに教師データを蓄積することができる。その結果、X線撮影を行うごとに学習データを更新することにより検出精度を向上させることができる。
【0072】
また、第1実施形態では、移動部3は、X線照射部1を鉛直方向に移動させる鉛直方向移動部31と、鉛直方向移動部31を天井Cに対して水平方向に移動させる水平方向移動部32と、を備え、撮像部4は、鉛直方向移動部31よりも上方の位置に設けられた水平方向移動部32と、鉛直方向移動部31の上部とのいずれか一方に配置されているとともに、下方にいる被検者Pおよび作業者Qの画像を取得するように構成されている。このように構成すれば、比較的広い範囲の画像を取得することができるようになる。このため、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとについて広い範囲に対して取得することができるため、検出する際の精度を高めることができる。
【0073】
[第2実施形態]
図16図18を参照して、第2実施形態によるX線撮影装置200の構成について説明する。この第2実施形態は、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbと、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbと、を機械学習によって取得するように構成した第1実施形態とは異なり、ステレオカメラ241を用いた距離情報に基づいて被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbと、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbと、を取得するように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付して図示するとともに説明を省略する。
【0074】
(第2実施形態によるX線検査装置の構成)
図16および図17に示すように、本発明の第2実施形態によるX線撮影装置200は、撮像部204と、制御部205とを備える。撮像部204は、ステレオカメラ241を含むとともに、被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方を含む視差画像Bを取得するように構成されている。そして、制御部205は、撮像部204によって取得された視差画像Bに基づいて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を取得するように構成されている。すなわち、ステレオカメラ241によって取得された視差画像Bに基づいて、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方と、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbの少なくとも一方と、を取得するように構成されている。
【0075】
具体的には、ステレオカメラ241によって取得された複数の視差画像Bと、予め取得しておいた被検者P、作業者Q、立位検出器21、および、臥位検出器22についての特徴量と、に基づいて、被検者P、作業者Q、立位検出器21、および、臥位検出器22、の各々についての位置情報を検出した後、各々について楕円形に近似するとともに、それぞれの間の距離を検出する。たとえば、図18に示すように、被検者Pと立位検出器21との距離をD1、作業者Qと立位検出器21との距離をD2、被検者Pと臥位検出器22と距離をD3、作業者Qと臥位検出器22との距離をD4とする。制御部205は、複数の視差画像Bについて、D1~D4を検出することによって、移動方向情報PbおよびQbを検出するように構成されている。なお、第2実施形態のその他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0076】
(第2実施形態のX線撮影装置200による制御処理)
次に、図19を参照して、第2実施形態によるX線撮影装置200によるX線撮影に関する制御処理フローについて説明する。また、この第2実施形態によるX線撮影装置200によるX線撮影に関する制御は制御部205により制御される。
【0077】
まず、ステップ301において、ステレオカメラ241によって被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方を含む視差画像Bが取得される。
【0078】
次に、ステップ302では、予め取得しておいた被検者Pおよび作業者Qの特徴量に基づいて、ステップ301において取得した視差画像Bから被検者Pおよび作業者Qが検出される。なお、被検者Pおよび作業者Qを検出した場合は、ステップ303に進み、被検者Pまたは作業者Qのいずれも検出しなかった場合は、ステップ301に戻る。
【0079】
次に、ステップ303では、ステップ301において取得した視差画像Bから、被検者P、作業者Q、立位検出器21、および、臥位検出器22、の各々について検出した後、各々について楕円形に近似するとともに、それぞれの間の距離が検出される。
【0080】
次に、ステップ304では、ステップ303において取得された被検者P、作業者Q、立位検出器21、および、臥位検出器22、の各々の間の距離に基づいて、被検者Pおよび作業者Qの移動方向が判定される。
【0081】
なお、立位検出器21の方向へ移動していると判定された場合はステップ104へ進む。また、臥位検出器22の方向へ移動していると判定された場合はステップ110へ進む。そして、ステップ104~ステップ109およびステップ110~ステップ118において、第1実施形態と同様の処理が行われる。
【0082】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0083】
第2実施形態では、上記のように、撮像部204は、ステレオカメラ241を含むとともに、視差画像Bを取得するように構成されており、撮像部204によって取得された視差画像Bに基づいて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を検出するように構成されている。このように構成すれば、立位検出器21および臥位検出器22のそれぞれと、被検者Pおよび作業者Qのそれぞれとの間で、3次元での位置関係を取得することができる。その結果、被検者Pおよび作業者QとX線検出器との位置関係、および、被検者Pおよび作業者Qの移動方向について、より正確に検出することができる。また、第1実施形態に示すように、機械学習による画像処理を行う場合では、大量の画像データを学習データとして取得する必要がある。そのため、X線撮影装置100を運用するまでに時間を要することが考えられる。この点を考慮して、X線撮影装置200をこのように構成すれば、予め大量の学習データを機械学習によって学習する必要がないため、X線撮影装置200を運用するまでに要する時間を短縮することができる。
【0084】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0085】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0086】
たとえば、上記第1実施形態および第2実施形態では、撮像部4によって取得した画像に基づいて、被検者Pおよび作業者Qについて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとを検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被検者Pについてのみ位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方を検出するようにしてもよい。また、作業者Qについてのみ位置情報Qaおよび移動方向情報Qbの少なくとも一方を検出するようにしてもよい。
【0087】
また、上記第1実施形態および第2実施形態では、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいていずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定する例を示したが、本発明はこれに限られない。被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方に基づいて決定するようにしてもよい。また、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbの少なくとも一方に基づいて決定するようにしてもよい。
【0088】
また、上記第1および第2実施形態では、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて移動部3の動作を制御する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方に基づいて制御するようにしてもよい。また、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbの少なくとも一方に基づいて制御するようにしてもよい。
【0089】
また、上記第1および第2実施形態では、X線検出部2は、互いに離れて配置された立位検出器21および臥位検出器22を含み、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、決定されたX線検出器に対応する照射位置にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御する制御部5をさらに備える例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1つのX線検出器を備えるX線撮影装置を用いてX線撮影を行ってもよい。すなわち、1つのX線照射位置にX線照射部1を移動させるように移動部3の動作を制御するようにしてもよい。
【0090】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部5は、立位検出器21および臥位検出器22の各々に対応して定められた領域である判定領域R1およびR2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて検出するとともに、判定領域R1およびR2のうちのいずれの判定領域に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置するかを検出したことに基づいて、移動部3の動作を開始させる制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、判定領域R1およびR2を設けずに被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方の移動方向に基づいてX線撮影を行うX線検出器を決定するようにしてもよい。また、判定領域R1およびR2とは別個に判定領域を設けて被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方について移動方向を検出するようにしてもよい。
【0091】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部5は、判定領域R1およびR2に被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方が位置することを検出したことに基づいて、決定されたX線検出器のそれぞれに立位照射位置S1および臥位照射位置S2とは別個に設けられる立位撮影準備位置S11または臥位撮影準備位置S12までX線照射部1を移動させるとともに、位置情報Paに基づいて決定されたX線検出器に対応する立位撮影位置T1および臥位撮影位置T2に被検者Pが位置していることを検出したことに基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被検者Pについての位置情報Paではなく作業者Qについての位置情報Qaのみを検出することによって、被検者PがX線撮影位置に位置していることを検出するようにしてもよい。
【0092】
また、上記第1および第2実施形態では、立位検出器21および臥位検出器22のうち一のX線検出器を用いてX線撮影を行った後に、被検者Pおよび作業者Qが他のX線検出器に向かって移動することを、移動方向情報PbおよびQbに基づいて検出するとともに、検出された被検者Pおよび作業者Qの移動に基づいて、被検者Pおよび作業者QとX線照射部1との衝突を回避するように、X線照射部1を移動させる制御を行うように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、複数のX線検出器のうち一のX線検出器を用いてX線撮影を行う前に、被検者Pおよび作業者Qの移動に基づいて衝突を回避するように構成してもよい。また、X線撮影の後、X線検出器から部屋の入り口Eに向かって移動する際に、検出された被検者Pおよび作業者Qの移動に基づいて、被検者Pおよび作業者QとX線照射部1との衝突を回避するように、X線照射部1を移動させる制御を行うように構成されているようにしてもよい。また、被検者Pおよび作業者Qのどちらか一方の移動に基づいて、衝突を回避するように、X線照射部1を移動させる制御を行うように構成してもよい。
【0093】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部5は、撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて、被検者PとX線撮影作業を行う作業者Qとを識別して検出するとともに、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbの少なくとも一方を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被検者Pと作業者Qとを識別しないで検出するようにしてもよい。また、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbの少なくとも一方を取得することによって、X線撮影を行うX線検出器を決定するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1および第2実施形態では、複数のX線検出器は、被検者Pが床面Fに起立した状態において被検者Pに照射されるX線を検出するように構成されている立位検出器21と、天板22aを有し、被検者Pが天板22aに載置された状態において被検者Pに照射されるX線を検出するように構成されている臥位検出器22と、を有し、制御部5は、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、立位検出器21および臥位検出器22のうちのいずれのX線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、立位照射位置S1および臥位照射位置S2にX線照射部1を移動させるように、移動部3の動作を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、3つ以上のX線検出器を備えるX線撮影装置を用いてX線撮影を行ってもよい。
【0095】
また、上記第1および第2実施形態では、移動部3は、天板22aを昇降させる天板昇降移動部33を含み、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に基づいて、天板22aを昇降させるように天板昇降移動部33の動作を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、天板22aの昇降を行わずに、臥位撮影位置T2に基づいて、X線照射部1の鉛直方向の移動をおこなうようにしてもよい。
【0096】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部5は、決定された臥位検出器22に対応する臥位撮影位置T2に被検者Pが到着する前に、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方に基づいて、天板22aを下降させるように、天板昇降移動部33を制御するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、天板22aを下降させず、被検者Pを天板22aに載置する際に使用する踏み台を上昇させるようにしてもよい。
【0097】
また、上記第1および第2実施形態では、制御部5は、被検者Pの身体寸法についての情報である身体寸法情報を、撮像部4によって取得した被検者Pの画像に基づいて検出するとともに、身体寸法情報に基づいて、立位照射位置S1および臥位照射位置S2を決定するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、BMI(Body Mass Index)などの被検者Pに関する情報を予め取得することによって、立位照射位置S1および臥位照射位置S2を検出するようにしてもよい。また、被検者Pのみならず、作業者Qについても身体寸法情報を取得するとともに、取得した被検者Pおよび作業者Qについての身体寸法情報に基づいて、X線照射部1と被検者Pおよび作業者Qとの衝突を回避するように移動部3の動作を制御するように構成してもよい。
【0098】
また、上記第1実施形態では、撮像部4によって取得された撮像画像Aと、被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして予め機械学習された学習済モデルとに基づいて、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbとの少なくとも一方を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、被検者Pについてのみの画像を教師データとして機械学習することによって、被検者Pのみについて位置情報Paおよび移動方向情報Pbを検出するようにしてもよい。
【0099】
また、上記第1実施形態では、予め被検者Pおよび作業者Qの画像が第1教師データとして機械学習されることによって取得された学習データと、撮像部4によって取得された複数の被検者Pおよび作業者Qの画像とを第2教師データとして機械学習(再学習)を行うことにより、学習済モデルを生成するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば被検者Pの画像についてのみ第2教師データとして機械学習(再学習)するようにしてもよい。
【0100】
また、上記第1および第2実施形態では、移動部3は、X線照射部1を鉛直方向に移動させる鉛直方向移動部31と、鉛直方向移動部31を天井Cに対して水平方向に移動させる水平方向移動部32と、を備え、撮像部4は、鉛直方向移動部31よりも上方の位置に設けられた水平方向移動部32と、鉛直方向移動部31の上部とのいずれか一方に配置されているとともに、下方にいる対象者の画像を取得するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、撮像部4を水平方向移動部32と、鉛直方向移動部31の上部との両方に配置するようにしてもよい。また、撮像部4をX線照射部1の側方に配置して被検者Pおよび作業者Qの少なくとも一方についての撮像画像Aを取得するように構成してもよい。
【0101】
また、上記第1および第2実施形態では、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbを取得するための制御と、X線撮影を行うための制御および移動部3の制御と、を1つの制御部5で行っていたが、本発明はこれに限られない。制御部5とは別個に画像処理部を設けて、位置情報QaおよびPaと移動方向情報PbおよびQbとを取得するための制御を画像処理部で行うとともに、それ以外の制御を制御部5で行うというように構成してもよい。画像処理部は、たとえば、GPU(Graphics Processing Unit)または画像処理用に構成されたFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのプロセッサを含む。また、移動部3の駆動についても同様に、制御部5とは別個に移動制御部を設けて、移動部3の動作について制御を行うようにしてもよい。
【0102】
上記第1実施形態では、機械学習によって撮像部4によって取得された撮像画像Aに基づいて被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbと、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbと、を取得する例を示し、上記第2実施形態では、ステレオカメラ241によって取得された視差画像Bに基づいて、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbと、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbと、を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1実施形態の構成と第2実施形態の構成とを組み合わせて、ステレオカメラ241によって取得した視差画像Bについて、機械学習を行うことによって、被検者Pについての位置情報Paおよび移動方向情報Pbと、作業者Qについての位置情報Qaおよび移動方向情報Qbと、を取得するように構成しても良い。
【0103】
また、上記第2実施形態では、撮像部4はステレオカメラ241を含むとともに、視差画像Bを取得するように構成されており、撮像部4によって取得された視差画像Bに基づいて位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbの少なくとも一方を検出する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ステレオカメラ以外のLidar(light detection and ranging)などを用いて距離を検出することによって、位置情報PaおよびQaと移動方向情報PbおよびQbの少なくとも一方を検出するようにしてもよい。
【0104】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0105】
(項目1)
被検者に対してX線を照射するX線源を含むX線照射部と、
前記X線照射部より照射されたX線を検出するX線検出部と、
前記X線照射部を移動させる移動部と、
前記被検者および前記被検者以外の人物の少なくとも一方を含む対象者の画像を取得する撮像部と、を備え、
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記対象者の位置を示す位置情報と前記対象者の移動方向を示す移動方向情報との少なくとも一方を検出するとともに、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、X線撮影装置。
【0106】
(項目2)
前記X線検出部は、互いに離れて配置された複数のX線検出器を含み、
前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記複数のX線検出器のうちのいずれの前記X線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、決定された前記X線検出器に対応する照射位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御する制御部をさらに備える、項目1に記載のX線撮影装置。
【0107】
(項目3)
前記制御部は、前記複数のX線検出器の各々に対応して定められた領域である判定領域に前記対象者が位置することを、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて検出するとともに、複数の前記判定領域のうちのいずれの前記判定領域に前記対象者が位置するかを検出したことに基づいて、前記移動部の動作を開始させる制御を行うように構成されている、項目2に記載のX線撮影装置。
【0108】
(項目4)
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記判定領域に前記対象者が位置することを検出したことに基づいて、前記決定されたX線検出器のそれぞれに、前記照射位置とは別個に設けられる撮影準備位置まで前記X線照射部を移動させるとともに、前記位置情報に基づいて前記決定されたX線検出器に対応するX線撮影位置に前記被検者が位置していることを検出したことに基づいて、前記照射位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、項目3に記載のX線撮影装置。
【0109】
(項目5)
前記制御部は、前記複数のX線検出器のうち一の前記X線検出器を用いてX線撮影を行った後に、前記対象者が他の前記X線検出器に向かって移動することを、前記移動方向情報に基づいて検出するとともに、検出された前記対象者の移動に基づいて、前記対象者と前記X線照射部との衝突を回避するように、前記X線照射部を移動させる制御を行うように構成されている、項目2~4いずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0110】
(項目6)
前記制御部は、前記撮像部によって取得された前記対象者の画像に基づいて、前記被検者とX線撮影作業を行う作業者とを識別して検出するとともに、前記被検者についての前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を取得するように構成されている、項目2~5のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0111】
(項目7)
前記複数のX線検出器は、前記被検者が床面に起立した状態において前記被検者に照射されるX線を検出するように構成されている立位検出器と、天板を有し、前記被検者が前記天板に載置された状態において前記被検者に照射されるX線を検出するように構成されている臥位検出器と、を有し、
前記制御部は、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記立位検出器および前記臥位検出器のうちのいずれの前記X線検出器においてX線撮影を行うかを決定するとともに、前記照射位置に前記X線照射部を移動させるように、前記移動部の動作を制御するように構成されている、項目2~6のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0112】
(項目8)
前記移動部は、前記天板を昇降させる天板昇降移動部を含み、
前記制御部は、決定された前記臥位検出器に対応する前記X線撮影位置に基づいて、前記天板を昇降させるように前記天板昇降移動部の動作を制御するように構成されている、項目7に記載のX線撮影装置。
【0113】
(項目9)
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記決定された臥位検出器に対応する臥位撮影位置に前記被検者が到着する前に、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方に基づいて、前記天板を下降させるように、前記天板昇降移動部を制御するように構成されている、項目8に記載のX線撮影装置。
【0114】
(項目10)
前記対象者は、前記被検者を含み、
前記制御部は、前記被検者の身体寸法についての情報である身体寸法情報を、前記撮像部によって取得した前記対象者の画像に基づいて検出するとともに、前記身体寸法情報に基づいて、前記照射位置を決定するように構成されている、項目2~9のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0115】
(項目11)
前記撮像部によって取得された前記対象者の画像と、前記対象者の画像が第1教師データとして予め機械学習された学習済モデルとに基づいて、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を取得するように構成されている、項目1~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0116】
(項目12)
予め前記対象者の画像が前記第1教師データとして機械学習されることによって取得された学習データと、前記撮像部によって取得された複数の前記対象者の画像とを第2教師データとして機械学習を行うことにより、前記学習済モデルを生成するように構成されている、項目11に記載のX線撮影装置。
【0117】
(項目13)
前記撮像部は、ステレオカメラを含むとともに、視差画像を取得するように構成されており、
前記撮像部によって取得された前記視差画像に基づいて、前記位置情報および前記移動方向情報の少なくとも一方を検出するように構成されている、項目1~10のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【0118】
(項目14)
前記移動部は、前記X線照射部を鉛直方向に移動させる鉛直方向移動部と、前記鉛直方向移動部を天井に対して水平方向に移動させる水平方向移動部と、を備え、
前記撮像部は、前記鉛直方向移動部よりも上方の位置に設けられた前記水平方向移動部と、前記鉛直方向移動部の上部とのいずれか一方に配置されているとともに、下方にいる前記対象者の画像を取得するように構成されている、項目1~13のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
【符号の説明】
【0119】
100、200 X線撮像装置
1 X線照射部
2 X線検出部
3 移動部
4、204 撮像部
5、205 制御部
11 X線源
21 立位検出器
22 臥位検出器
22a 天板
31 鉛直方向移動部
32 水平方向移動部
33 天板昇降移動部
A 撮像画像
B 視差画像
C 天井
F 床面
P 被検者
Pa、Qa 位置情報
Pb、Qb 移動方向情報
Q 作業者(対象者)
S1 立位照射位置(照射位置)
S2 臥位照射位置(照射位置)
S11 立位撮影準備位置(撮影準備位置)
S12 臥位撮影準備位置(撮影準備位置)
T1 立位撮影位置(X線撮影位置)
T2 臥位撮影位置(X線撮影位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19