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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】カートン供給方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20231017BHJP
   B65H 3/08 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
B65B43/18
B65H3/08 310J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019155617
(22)【出願日】2019-08-28
(65)【公開番号】P2021031146
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青山 晴菜
(72)【発明者】
【氏名】松永 智弘
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-162442(JP,A)
【文献】特開2009-029543(JP,A)
【文献】特開昭63-143133(JP,A)
【文献】特開平07-101570(JP,A)
【文献】特開2015-030513(JP,A)
【文献】特開平05-245996(JP,A)
【文献】実開昭63-137734(JP,U)
【文献】特開平02-127226(JP,A)
【文献】特開2015-067348(JP,A)
【文献】特開平10-310126(JP,A)
【文献】特開2017-202283(JP,A)
【文献】特開平02-242718(JP,A)
【文献】特開2018-012504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/00
B65D 83/00
B31B 50/00
B65H 1/00- 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ティシュペーパーを収容するためのカートンを折り畳まれた状態で、前記カートンを収容するカートン収容部から、回転可能に前記カートンを供給するカートン供給部によって前記カートンを第1カートン搬送部に供給されるカートン供給方法であって、
前記カートン収容部から、前記カートン供給部の回転可能なカートン供給部本体と前記カートン供給部本体の回転可能な支持部の吸引カップによって、前記カートンを吸引する工程と、
前記支持部は前記カートン供給部本体とは逆回転し、前記カートン供給部本体が前記カートンを前記吸引カップで保持しながら回転移動する工程と、
前記カートン供給部が前記カートンを1つずつ前記第1カートン搬送部に供給する工程と、を備え、
第2カートン搬送部によって、前記カートンを折り畳まれた状態で前記カートン収容部に搬送する工程と、
前記カートン収容部において、前記カートン収容部に収容された前記カートンの量を計測し、前記カートン収容部に収容された前記カートンが少なくなると、前記カートンの所定数を束にして、前記カートン供給部に隣接して配置されている前記カートン供給部と対向する位置に移動させる工程と、をさらに備え、
前記カートン供給部と対向する位置に移動させる工程では、一方のカートンの束と他方のカートンの束が離間し
前記カートンは、一方の面が取出し口を含む取出し口面と側面、他方の面が底面と側面からなるシート状であり、前記カートン収容部に収容されるときには、前記吸引カップと前記一方の面が対向するように収容され、
前記カートンを吸引する工程では、前記吸引カップが前記一方の面の取出し口を含む取り出し口面を吸引していることを特徴とするカートン供給方法。
【請求項2】
前記第1カートン搬送部に供給する工程では、毎分100個以上、600個以下の前記カートンを前記カートン収容部から取り出し、前記第1カートン搬送部に供給することを特徴とする請求項1に記載のカートン供給方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のカートン供給方法に使用するカートンであって、カートンの表面粗さは、0.50μm未満であることを特徴とするカートン。
【請求項4】
請求項1または2に記載のカートン供給方法に使用するカートンまたは請求項に記載のカートンであって、前記カートンの表面がコーティング剤によりコーティングされていることを特徴とするカートン。
【請求項5】
前記コーティング剤は、スチレン系またはオレフィン系のコーティング剤であることを特徴とする請求項に記載のカートン。
【請求項6】
請求項1または2に記載のカートン供給方法に使用するカートンまたは請求項3~5のいずれか一項に記載のカートンであって、前記カートンの側面に開口部を有することを特徴とするカートン。
【請求項7】
前記カートンは、前記カートンの側面に複数の開口部を有し、前記カートンの側面における開口部の面積の合計値が20~60%であることを特徴とする請求項に記載のカートン。
【請求項8】
前記カートンは、前記カートンの側面に複数の開口部を有し、前記複数の開口部の面積の平均値が5~200mm2であることを特徴とする請求項6または7に記載のカートン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用紙用カートンを供給する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カートンを折り畳まれた状態で収容部に収容し、当該収容部からカートンを1枚ずつ、円形状のフレームに接続固定された吸引カップによって吸引し、取り出して、カートンの組立てなどの後工程へカートンを搬送する搬送ベルトにフレームが回転しながらカートンを載置するカートン供給装置が知られている。
【0003】
このようなカートン供給装置では、搬送ベルトの所定位置にカートンを載置するために、搬送ベルトに突起が設けられているものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、収容されたカートンを搬送ベルトへ載置するカートン供給装置では、搬送ベルトの搬送とフレームの回転との同期を正確に合わせる必要があり、それが少しでも周期が異なると、カートンが搬送ベルトの突起に当たり、所定位置に載置されない場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、カートンを搬送ベルトの所定位置に載置させることが可能なカートン供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ティシュペーパーを収容するためのカートンを折り畳まれた状態で、カートンを収容するカートン収容部から、回転可能にカートンを供給するカートン供給部によってカートンを第1カートン搬送部に供給されるカートン供給方法であって、カートン収容部から、カートン供給部の回転可能なカートン供給部本体とカートン供給部本体の回転可能な支持部の吸引カップによって、カートンを吸引する工程と、支持部はカートン供給部本体とは逆回転し、カートン供給部本体がカートンを吸引カップで保持しながら回転移動する工程と、カートン供給部がカートンを1つずつ第1カートン搬送部に供給する工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カートン供給部によって、カートン収容部から搬送ベルトにカートンを吸引カップで保持しながら逆回転し所定位置に効率よく載置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るカートン供給装置を示す概略断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部のカートン搬送部を示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部とカートン搬送部の変形例を示す概略図である。
図4図3のカートン収容部のカートンが取り出されたときの概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部から搬送部へのカートン供給を示す概略断面図である。
図6図1のカートン収容部のIV-IVの断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートンの展開図である。
図8図7のカートンを組み立てたカートンの斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係るカートンの側面に切抜開口部を設けたカートンの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係るカートン供給装置を示す概略断面図である。本実施形態のカートン供給装置1は、ティシュペーパーを収容するためのカートン2を折り畳まれた状態で収容するカートン収容部21と、カートン収容部21からカートン2を1枚ずつ取り出して供給するカートン供給部11と、カートン供給部11から供給されたカートン2を後工程へ搬送する第1カートン搬送部31と、を備える。
【0010】
カートン収容部21は、取り出し部25と、計測センサー27と、離間部28とを備える。取り出し部25は、2つの平行なガイドで構成されており、上方カートンガイド25aと、下方カートンガイド25bとによって構成されている。取り出し部25は、カートン供給部11と対向する位置に取り出し口25tを設けている。取り出し口25tには、カートン2を係止するように止め具26を有し、これによりカートン2は取り出し口25tから落下することなく取り出し口25に収容されている。取り出し部25に収容されるときには、吸引カップ12と一方の面が対向するように収容されている。すなわち、取り出し部25の取り出し口25tの最前面に配置されているカートン2が、後述するカートン供給部11の吸引カップ12に吸引され、取り出し部25から1枚ずつ取り出される。離間部28は、投入用上方ストッパ23aと、投入用下方ストッパ23bと、下方カートンガイド25bに接続された下方カートンガイド延長部28aと、から構成され、第2カートン搬送部22から搬送されるカートン2を下方カートンガイド延長部28aによって一時的に積載し、収容している。これによって、取り出し部25内のカートン2にかかる荷重を軽減している。なお、本実施形態では、投入用ストッパを設けたが、これに限られず、取り出し部25内からカートン2が落下することがない構成であればよい。
【0011】
また、第2カートン搬送部22は、搬送ベルト22aと、搬送モータ22bと、カートン検知センサー24を備えている。第2カートン搬送部によって、前記カートンを折り畳まれた状態で前記カートン収容部21に搬送する。すなわち、第2カートン搬送部22は、カートン2を折り畳まれた状態でカートン収容部21の離間部28に供給する。搬送ベルト22aは、無端ベルトであり、搬送モータ22bと不図示のプーリとの間に配されている。カートン検知センサー24は、搬送ベルト22a上のカートン2の高さを検知している。すなわち、カートン検知センサー24は、カートン2の上端がカートン検知センサー24付近に存在するか否かを検知している。つまり、カートン2の上端がカートン検知センサー24付近にあることをカートン検知センサー24が検知すると、その状態を保持するが、一方、カートン2の上端がカートン検知センサー付近になく、検知されないと、搬送モータ22bが駆動され、離間部28にカートン2が搬送される。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部のカートン搬送部を示す概略図である。カートン収容部21内のカートン2が、カートン供給部11によって、第カートン搬送部31に供給されると、図2(a)のように、カートン収容部21内のカートン2が少なくなる。カートン収容部21内のカートン2が少なくなると、図2(b)の示すように、離間部28の投入用下方ストッパ23bが解除され、離間部28内に収容されているカートン2がカートン収容部21内に収容される。カートン収容部21において、カートン2の所定数を束にして、カートン供給部11と第1カートン搬送部31とに隣接して配置されているカートン供給部11と対向する位置に移動させる。すなわち、カートン収容部21の計測センサー27によって、離間部28から移動するカートン2の量を計測し、所定数に達すると、投入用下方ストッパ23bを作動させ、離間部28にカートン2を留める。一方のカートン2の束と他方のカートン2の束が離間していること、すなわち、カートン収容部21のカートン2の束と離間部28のカートンの束が離間している。これにより、カートン収容部21のカートン2の束には、荷重をかけることがない。また、計測センサー27は、カートン2の量を計測し、離間部28からカートン収容部21へと供給したが、これに限らず、カートン収容部21の取り出し口25tからカートン供給部11によって取り出された枚数を計測し、その枚数に応じて離間部28からカートン収容部21へと供給するようにしてもよい。
【0013】
そして、搬送モータ22bが駆動し、離間部28へとカートン2が供給される。図1のカートン収容部21のように、カートン2が収容され、カートン2がカートン検知センサー24によって検知されると第2カートン搬送部22の搬送モータ22bが停止する。このように、カートン収容部21からカートン2が少なくなると、第2カートン搬送部22、離間部28、カートン収容部21へとカートン2を供給することが可能である。
【0014】
図2では、カートン収容部に離間部を設けたが、カートン収容部に離間部を設けない構成でもよく、変形例として、カートン収容部に離間部を設けない構成について説明する。図3および図4は、本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部の変形例を示す概略図である。カートン収容部21内にカートンが第2カートン搬送部22から供給されると、図3のように、カートン収容部21内及び第2カートン搬送部22にカートンが積載される。カートン収容部21内のカートン2が、カートン供給部11によって、第1カートン搬送部31に供給されると、図4のように、カートン収容部21内のカートン2が少なくなる。カートン収容部21内のカートン2が少なくなると、第2カートン搬送部22に積載されたカートン2の上端がカートン検知センサー24に検知されないため、搬送モータ22が駆動し、カートン収容部21へカートン2が搬送される。
【0015】
そして、図3のように、カートン収容部21にカートン2が収容され、カートン収容部21の計測センサー27によってカートン2の量を計測し、所定の量に達すると共に、カートン検知センサー24に検知されると、第2カートン搬送部22の搬送モータ22bが停止する。このように、カートン収容部21からカートン2が少なくなると、第2カートン搬送部22からカートン収容部21へとカートン2を供給することが可能である。
【0016】
カートン供給部11がカートン収容部21内からカートン2を取り出し、第1カートン搬送部31への供給について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係るカートン供給装置のカートン収容部から搬送部へのカートン供給を示す概略断面図である。カートン供給部11は、カートン2を吸引する複数の吸引カップ12と、吸引カップ12を支持する複数の支持部13と、支持部13を回転可能に支持するカートン供給部本体14と、を備える。カートン供給部本体14は、軸15に接続固定されており、軸15が回転するとそれと同時にカートン供給部本体14も回転する。軸15は、軸15の一方の端部に駆動源と接続されている。これによって、カートン供給部本体14は、軸15を介して回転することができる。また、本実施形態では、1つの軸15に対して、2つの吸引カップ12と、2つの吸引カップ12をそれぞれ支持する2つの支持部13が連結されている。これにより、カートン2を取り出す際に安定してカートン2を取出し、保持することができる。そして、カートン収容部21から、カートン供給部11の回転可能なカートン供給部本体14とカートン供給部本体14の回転可能な支持部13の吸引カップ12によって、カートン2を吸引する(カートンを吸引する工程)。カートン供給部本体14は、軸15を中心として、矢印Aの方向、すなわち時計回りに回転可能である。吸引カップ12は、支持部13に支持され、カートン供給部本体14と共に回転移動する。そして、吸引カップ12がカートン収容部21の取り出し口25tに対向する位置に到達すると、吸引カップ12によって、カートン収容部21に収容されているカートン2が吸引され、取り出される。支持部13はカートン供給部本体14とは逆回転し、カートン供給部本体14がカートン2を吸引カップ12で保持しながら回転移動する(回転移動する工程)。つまり、カートン2が取り出されると、支持部13は、軸13aを中心として、矢印Aの方向とは異なり、矢印Aの逆の方向に回転、すなわち、反時計回りに回転し、吸引カップ12でカートン2を保持しながら回転移動をする。そして、カートン供給部11がカートン2を1つずつ第1カートン搬送部31に供給する(第1カートン搬送部に供給する工程)。すなわち、吸引カップ12がカートン2を保持した状態で、第1カートン搬送部31と対向する位置に到達すると、第1カートン搬送部31へとカートン2を供給する。なお、カートン供給部本体14の回転と、支持部13の回転と、第1カートン搬送部の搬送モータ33の回転とは、搬送ベルト22aにカートン2を載置可能なように同期がとれおり、搬送ベルト22aの所定位置に載置することが可能である。
【0017】
第1カートン搬送部31は、無端の搬送ベルト32と、搬送モータ33と、搬送突起34とを備える。搬送ベルト32は、搬送突起34を搬送し、この搬送突起34がカートン供給部11から供給されるカートン2の受け体を形成し、この受け体へカートン供給部11から供給されるカートン2が供給されることとなる。カートン2は、所定位置である第1カートン搬送部31の搬送突起34間に1つずつ供給される。このとき、カートン供給部11は、毎分100個以上、600個以下のカートン2をカートン収容部21から取り出し、第1カートン搬送部に供給する。すなわち、カートン供給部11は、カートン供給部本体14の回転速度とともに支持部13の回転速度を変化させることで供給個数を変えることができる。また、本実施形態の搬送突起34の断面形状は、台形形状としたが、これに限らず、図5の紙面上のように、搬送突起34の左側の形状がカートンを受け止める形状を成していればよい。例えば、扇形などの形状があげられる。搬送突起34の右側の断面形状は、カートン2を載置する際にカートン2が当たらない形状であればよく、当たったとしても滑るような形状であればよい。例えば丸みをおびた形状であればよい。これにより、吸引カップ12に吸引されているカートン2を載置する際、所定の位置に載置しやすくすることができる。
【0018】
図6は、本実施形態におけるカートン収容部において、図1のIV-IV断面図である。取り出し部25の取り出し口25tをカートン供給部11の対向する方向から見たカートンに対する吸引カップ12の押し当て位置を示している。カートン2は、一方の面が取出し口面と側面、他方が底面と側面からなるシート状である。すなわち、カートン2は、後述するが、第2側面103、取出し口面102、第1側面101、底面104の順に並び、底面104における側面103側とは反対側に設けられた糊しろ108が側面101と接合され、ティシュペーパーを収納可能な収納箱に形成する前の折り畳まれた状態のシート状である。カートン2は、カートン2の取出し口面102の中央付近に、長手方向に延長されている長穴115(以下、取出し口ともいう)が形成されている。カートン2の取出し口面102の内側にプラスチック製のフィルムが添付されており、フィルムによって、ホコリ等が進入しないように閉塞されている。吸引カップ12は、取出し口115を含む取出し口面102の吸引位置12aを吸引する。すなわち、吸引カップ12は、カートン2の内側にフィルムがあるため、取出し口115を含む取出し口面102の吸引位置12aを吸引し、カートン収容部21からカートン2を取り出す。また、本実施形態では、カートン2の取出し口面102を吸引カップ12によって吸引したが、これに限らず、一方の面である側面101を吸引カップによって吸引してもよい。
【0019】
このように、従来の搬送ベルトの搬送とフレームの回転との周期を正確に合わせる必要があり、それが少しでも周期が異なると、カートンが搬送ベルトの突起に当たり、所定位置に載置されない課題があったが、本発明によれば、カートン供給部によって、カートン収容部から搬送ベルトにカートンを効率よく載置することができる。
【0020】
図7は、本実施形態におけるカートンを展開した展開シートの上面図である。また、図8は、本実施形態におけるカートンを組み上げた収納箱の斜視図である。本実施形態のカートン2は、組み上げることでティシュペーパーの束を収納するための収納箱100を形成される。カートン2は、取出し口面102と対向する底面104と、取出し口面102と底面104との間に位置する長手方向側辺につながる第1長側面101と、取出し口面102の長手方向側辺につながる第2長側面103とによって、長手方向の各面を形成している。すなわち、本実施形態のカートン2は、第2長側面103、取出し口面102、第1長側面101、底面104の順に並び、底面104における第1長側面101側と反対側に設けられた糊しろ108が第2長側面103と接合しこれを組み上げることによって、図8のような収納箱100が形成することができる。
【0021】
本実施形態のカートン2を展開した展開シートには、取出し口面102の短手方向側辺につながる外フラップ116と、底面104の短手方向側辺につながる外フラップ117と、第1長側面101の短手方向側辺につながる内フラップ107と、第2長側面103の短手方向側辺につながる内フラップ106とによって、短手方向の各面を形成している。そして、第2長側面103、取出し口面102、第1長側面101、底面104、糊しろ108のそれぞれの境界には、折り曲げるための折り曲げ線が形成されている。第2長側面103と取出し口面102との境界には、第1折り曲げ線L1が形成されている。そして、取出し口面102と第1長側面101との境界には、第2折り曲げ線L2が形成されている。また、第1長側面101と底面104との境界には、第3折り曲げ線L3が形成されている。さらに底面104と糊しろ108との境界には、第4折り曲げ線L4が形成されている。したがって、各面を折り返し、貼り合わせることで四角柱形状の筒状にすることができる。すなわち、第1長側面101および第2長側面103は、取出し口面102に角縁を介して連続している。この四角柱状を折り畳んでシート状にすることで、本実施形態のカートン2となる。
【0022】
さらに、上述した四角柱形状の筒状の状態に、ティシュペーパーを積層したティシュペーパーの束を収納したら内フラップ106および内フラップ107を内側にそれぞれ折り返し、底面104の短手方向側辺につながる外フラップ117をそれぞれ内側に折り返す。そして、取出し口面102の短手方向側辺につながる外フラップ116をそれぞれ内側に折り返し、内フラップ106および内フラップ107の上に重ねて折り曲げられて、短側面118が形成される。よって、図8に示すように、ティシュペーパーの束が収納される収納箱100が形成することができる。
【0023】
そして、本実施形態では、カートン2の各面が、コーティング剤によりコーティングされている。本実施形態では、これに限らず、カートン2の各面の少なくとも一面にコーティング剤を塗布してもよい。また、カートン2に塗布するコーティング剤は、スチレン系またはオレフィン系のコーティング剤である。カートンの各面に、コーティング剤を塗布することで、製造時にカートンを積層しても1枚ずつ良好に供給することができる。なお、本実施形態では、コーティング剤として、スチレン系またはオレフィン系を用いているが、これには限られない。
【0024】
ここで、本実施形態のカートンは、JIS B 0681-6 3.3.6 共焦点顕微鏡法に規定した方法で測定した表面粗さを、0.50μm未満にすることが有用である。表面粗さを0.50μm以上であると、カートンの表面が粗くなる。カートンの表面粗さの範囲として、好ましくは0.05μm以上0.50μm未満である。さらに好ましくは、0.25μm以上0.40μm以下である。
【0025】
なお、表面粗さは、JIS B0681-6 3.3.6 共焦点顕微鏡法に準拠して、共焦点顕微鏡(キーエンス社製:VR3000シリーズなど)による非接触測定により求めている。観察領域は約630μm×630μmであり、3サンプル、各3点ずつ測定し、その平均値を表面粗さとする。このように、カートン2は、コーティングにより表面粗さ0.5μm未満を得ており、表面粗さが低く、カートン2の表面が樹脂によってコーティングされていることで、吸引カップ12によって吸引される時に確実に吸着されることが可能である。また、カートン2の表面が一定以上の平滑であることで、吸引カップ12に吸引される時の空気の漏れによる吸着力の低下を防ぐことができる。さらに、カートン2の表面が樹脂によるコーティングによって、紙の繊維間から空気が漏れることを防ぐことができ、さらにまた、樹脂製の吸引カップとの密着性が良い傾向がある。
【0026】
さらに、図9は、本実施形態の他の変形例に係るカートンの一方の面を示す図である。本実施形態の他の変形例では、カートン2の第1長側面101bは、形成領域120内に、内部空間Sを目視により把握して内部状況を視認可能に切り抜かれた形態で開口する複数の切抜開口部121を有している。また、本実施形態の他の変形例では、これに限らず、取出し口除く取出し口面および短側面118の少なくとも一面に切抜開口部121を有してもよい。また、切抜開口部121としては、円形に限るものではなく、例えば矩形などの定型、動物などのイラスト、文字、図形および記号などの規則配置または不規則配置するパターン模様を形成するようにしてもよい。
【0027】
ここで、切抜開口部121は、図9に示すように均等配置するパターン模様に限るものではなく、例えば、1つの開口面積の平均値が5mm2から200mm2の範囲内にしつつ、カートンの形成面における開口面積の合算値が20%から60%の範囲に収めて、その形成メイン席の平面状態を維持する強度を確保するのがよい。この場合、切抜開口部21の開口面積を小さくすることで強度を維持することができ、一方、切抜開口部21の開口面積を大きくすることで容易に軽量化を図ることができる。
【0028】
カートン2の第1長側面101bに切抜開口部121を形成した場合、取り出し口面102の取出し口115と同様に第1長側面101bの内側にプラスチック製のフィルムが添付されており、フィルムによって、ホコリ等が進入しないように閉塞されている。また、切抜開口部21を含む第1長側面101bを吸引カップ12によって吸引することが可能である。
【0029】
このように、本実施形態のカートン供給方法においては、ティシュペーパーを収納するカートンを、カートンの切抜開口部の有無に関わらず、カートン供給部によって、カートン収容部から第1カートン搬送部へと供給することができる。
【0030】
以上のように、本発明によれば、カートン供給部によって、カートン収容部から搬送ベルトにカートンを吸引カップで保持しながら逆回転し所定位置に効率よく載置することができる。
【0031】
(その他)
なお、本発明は、上述した実施形態に限られること無く、適宜の変形、修正および代替などが可能である。例えば、搬送部の搬送突起を1つとしたが、搬送突起を2つ設け、カートンをより正確に受けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 カートン供給装置
2 カートン
11 カートン供給部
12 吸引カップ
13 支持部
21 カートン収容部
22 第2カートン搬送部
23 投入用ストッパ
24 カートン検知センサー
25 取り出し部
31 第1カートン搬送部
32 搬送ベルト
33 搬送モータ
34 搬送突起
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9