IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
  • 特許-画像形成装置 図11
  • 特許-画像形成装置 図12
  • 特許-画像形成装置 図13
  • 特許-画像形成装置 図14
  • 特許-画像形成装置 図15
  • 特許-画像形成装置 図16
  • 特許-画像形成装置 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231017BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231017BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231017BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20231017BHJP
   G10L 15/28 20130101ALI20231017BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38
G03G21/00 386
G03G21/00 500
G03G21/00 510
G10L15/00 200Z
G10L15/28 400
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019168246
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021048440
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲三
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-121134(JP,A)
【文献】特開2016-104562(JP,A)
【文献】特開2013-057715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G10L 15/00
G10L 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置であって、
集音装置と、
前記画像形成装置の状態に基づいて前記集音装置の集音方向を決定する決定部と、
前記決定部が決定した方向の音声を取得する音声取得部と、
前記音声取得部が取得した前記音声に基づいて実行すべき処理を特定する特定部と、
前記特定部が特定した処理を実行する実行部とを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記画像形成装置の状態に基づいて、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を予測し、前記集音方向を予測した当該方向に決定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
人体を検知する人体センサーをさらに備え、
前記決定部は、前記人体センサーにより前記人体が検知された場合に、前記画像形成装置の状態に基づいて前記集音方向を前記人体が検知された方向に決定する、請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置の開閉を検知する開閉センサーをさらに備え、
前記決定部は、前記開閉センサーにより前記画像形成装置の開閉が検知された場合に、前記画像形成装置の状態に基づいて前記集音方向を前記画像形成装置の開閉が検知された方向に決定する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
紙詰まりを検知する紙詰まりセンサーをさらに備え、
前記決定部は、前記紙詰まりセンサーにより紙詰まりが検知された場合に、前記集音方向を前記紙詰まりセンサーによって検知された紙詰まりが発生している方向に決定する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置の消耗品の残量を検知する消耗品残量センサーをさらに備え、
前記決定部は、前記消耗品残量センサーにより前記消耗品の残量が所定量以下であることが検知された場合に、前記集音方向を前記消耗品残量センサーによって残量が前記所定量以下であることが検知された前記消耗品の格納場所の方向に決定する、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
排紙トレイ上の印刷物を検知する排紙トレイセンサーをさらに備え、
前記決定部は、前記排紙トレイセンサーにより前記印刷物が検知された後、前記印刷物が前記排紙トレイから取り除かれた場合に、前記集音方向を前記排紙トレイの方向に決定する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
後処理装置の状態を検知する後処理装置センサーをさらに備え、
前記決定部は、前記後処理装置センサーにより前記後処理装置がメンテナンスが必要な状態であることが検知された場合に、前記集音方向を前記後処理装置センサーによりメンテナンスが必要な状態であることが検知された前記後処理装置の方向に決定する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置においてメンテナンスが必要な箇所が複数検知された場合に、メンテナンスの順番と当該順番に従ってメンテナンスすることを促すメッセージを出力し、
前記決定部は、前記順番に従って、前記集音方向をメンテナンスが必要であることが検知された前記箇所の方向に切り替える、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記決定部は、メンテナンスが必要な装置が前記集音装置に対して左方向、右方向、正面方向、および背面方向のうちいずれの方向に位置するかに基づいて、前記集音方向を切り替える、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記決定部は、メンテナンスが必要な装置のサイズに基づいて、前記集音方向を切り替える、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記決定部は、
メンテナンスが完了してから所定時間が経過するまでの間は、前記集音方向をメンテナンスが行われた方向から変更せず、
メンテナンスが完了してから前記所定時間が経過した後は、前記集音方向を操作パネルの正面方向に変更する、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記所定時間は、メンテナンスが必要な箇所と前記操作パネルの正面位置との距離に基づいて決定される、請求項12に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートスピーカー等、音声で操作可能な機器が増えており、画像形成装置もその一つである。対話型の音声操作が可能なスマートスピーカーは、ウェイクワードが発せられた方向の音を取得し、ユーザーの指示を特定する。
【0003】
特開2002-366191号公報(特許文献1)は、音声認識する際のロボットの動きが自然な動きとなるようにする技術を開示している。([要約]参照)。
【0004】
特開2001-236093号公報(特許文献2)は、電子機器を音声で確実に制御できるようにする技術を開示している。([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-366191号公報
【文献】特開2001-236093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2002-366191号公報または特開2001-236093号公報に開示された技術においては、装置の周りで複数人が会話している状況で音声の指示を取得する場合については考慮されていなかった。特に、画像形成装置はその周りで複数人が会話しているような状況で使用されることもある。複数人が会話しているなどして、画像形成装置の周りで指示に対応する音声以外の音が発生し得る状況では、どの方向から発せられる音声を指示として取得すべきかが分かりづらいため、画像形成装置がユーザーの指示を取得し損ねる虞があった。
【0007】
本開示は、係る実情に鑑みてなされたものであり、指示に対応する音声以外の音が周囲で発生し得る状況においても、ユーザーの指示を取得し損ねてしまう虞を軽減できる、画像形成装置を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う画像形成装置は、集音装置と、画像形成装置の状態に基づいて集音装置の集音方向を決定する決定部と、決定部が決定した方向の音声を取得する音声取得部と、音声取得部が取得した音声に基づいて実行すべき処理を特定する特定部と、特定部が特定した処理を実行する実行部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、指示に対応する音声以外の音が周囲で発生し得る状況においても、ユーザーの指示を取得し損ねてしまう虞を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の全体図を示す図である。
図2】画像形成装置のハードウエア構成を示す図である。
図3】画像形成装置がユーザーの指示を受け付けて処理を実行する仕組みを説明するための図である。
図4】制御部の全体処理を示すフローチャートである。
図5】集音方向決定処理の第1の例を示すフローチャートである。
図6】集音方向決定処理の第2の例を示すフローチャートである。
図7】集音方向決定処理の第3の例を示すフローチャートである。
図8】集音方向決定処理の第4の例を示すフローチャートである。
図9】集音方向決定処理の第5の例を示すフローチャートである。
図10】集音方向決定処理の第6の例を示すフローチャートである。
図11】集音方向決定処理の第7の例を示すフローチャートである。
図12】集音方向決定処理の第8の例を示すフローチャートである。
図13】各装置と集音装置との位置関係を示す図である。
図14】集音方向の第1の例を示す図である。
図15】集音方向の第2の例を示す図である。
図16】集音方向決定処理の第9の例を示すフローチャートである。
図17】紙詰まりが発生している箇所と所定時間との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
図1および図2を参照して、画像形成装置100の全体構成について説明する。図1は、画像形成装置100の全体図を示す図である。図2は、画像形成装置100のハードウエア構成を示す図である。
【0013】
画像形成装置100は、プロダクション機である。画像形成装置100は、プリンター10、給紙部20、操作パネル30、センサー40、通信インターフェース50、制御部60、ハードディスク70、および集音装置120を備える。プリンター10、給紙部20、操作パネル30、センサー40、通信インターフェース50、制御部60、ハードディスク70、および集音装置120は、バス80を介して接続されている。
【0014】
プリンター10は、シートに画像を印刷する。プリンター10は、イエロー、マゼンタ、シアン、およびブラックのトナー像を形成するための感光体ドラムと露光装置とを備える。プリンター10は、各色のトナー像を転写ベルトに重ねて転写し、重なったトナー像を給紙部20から搬送されてきたシートに転写する。トナー像が転写されたシートは、排紙トレイ5へ排出される。トナー像が転写されたシートに後処理(例えば、ステープル処理、穴開け処理、折り処理、裁断処理等)が必要な場合には、フィニッシャー110が後処理を行う。フィニッシャー110は、トナー像が転写されたシートにステープル処理、穴開け処理、折り処理、または裁断処理を施す装置であり、後処理装置の一例である。
【0015】
給紙部20は、印刷指示に基づいて、給紙トレイ201,202,203,204,205,206(以下、「給紙トレイ207」とも総称する)に収容されているシートを1枚ずつプリンター10へ供給する。なお、給紙トレイ207に収容されているシートは、普通紙に限られない。薄紙、厚紙、封筒、またはOHP(Overhead Projector)フィルム等が、給紙トレイ207に収容されていてもよい。
【0016】
操作パネル30は、タッチパネルディスプレイおよび各種ボタンを備える。操作パネル30は、ユーザーによる入力操作を受け付ける。タッチパネルディスプレイには、各種設定画面やユーザーへの通知が表示される。
【0017】
センサー40は、画像形成装置100の状態を検知するセンサーである。センサー40は、例えば、シート残量センサー401,402,403,404,405,406(以下、「シート残量センサー407」とも総称する)、開閉センサー411,412,413,414,415,416(以下、「開閉センサー417」とも総称する)、紙詰まりセンサー421,422,423,424(以下、「紙詰まりセンサー425」とも総称する)、トナー残量センサー431、パンチくずセンサー441、ステープル芯残量センサー451、出力センサー461、人体センサー471、および排紙トレイセンサー481を含む。
【0018】
通信インターフェース50は、他の装置と通信する。通信インターフェース50は、他の装置から送信されてきた画像データを受信する。通信インターフェース50は、例えば、USBインターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、ネットワークインターフェースである。
【0019】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、RAM(Random Access Memory)62、およびROM(Read Only Memory)63を備える。CPU61は、ROM63等に保存されている動作プログラムを実行することにより、画像形成装置100全体を総括的に制御する。ROM63は、CPU61が実行するプログラムやその他のデータを記憶する。RAM62は、CPU61がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に記憶する。
【0020】
ハードディスク70は、プログラムや各種データを記憶する。各種データは、例えば、集音装置120が取得した音声のデータや、他の装置から送信されてきた画像データである。
【0021】
集音装置120は、例えば、マイクやスマートスピーカーである。集音装置120は、音声(例えば、ユーザーの指示)を取得する。ユーザーは、操作パネル30による操作と音声による操作とを併用して、画像形成装置100を操作することができる。集音装置120は、操作パネル30の近くであって、ユーザーが操作パネル30を操作しているときにその者の顔の近くとなるような位置に設けられることが望ましい。
【0022】
図3および図4を参照して、画像形成装置100がユーザーの指示を受け付けて処理を実行する仕組みについて説明する。図3は、画像形成装置100がユーザーの指示を受け付けて処理を実行する仕組みを説明するための図である。
【0023】
集音方向決定部601は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。集音方向決定部601は、センサー40の検知結果に基づいて画像形成装置100の状態を特定する。
【0024】
一般的に、ユーザーは操作パネル30の表示を確認しながら指示を出す。そこで、画像形成装置100が特定の状態にない場合には、集音方向決定部601は、操作パネル30の正面方向を集音装置120の集音方向に決定する。一方で、画像形成装置100が特定の状態にある場合には、集音方向決定部601は、その状態を基に指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、特定した方向を集音装置120の集音方向に決定する。
【0025】
音声取得部602は、集音方向決定部601が決定した方向の音声を取得する。具体的には、複数のマイクロホン(マイクロホン121,122,123)で構成される集音装置120が集音方向決定部601によって決定された方向の音声を取得する。
【0026】
特定部603は、音声取得部602が取得した音声からユーザーが実行を指示している処理を特定する。
【0027】
実行部604は、特定部603によって特定された処理を実行する。例えば、特定部603によって特定された処理が紙詰まりが原因で中断されていた印刷の再開である場合には、プリンター10が印刷を再開する。
【0028】
集音方向決定部601、音声取得部602、特定部603、および実行部604における処理は制御部60で行われる処理であり、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0029】
図4は、制御部60の全体処理を示すフローチャートである。図4に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
まず、制御部60は、集音方向決定処理を行う(ステップS410)。集音方向決定処理は、集音方向決定部601が行う処理である。集音方向決定処理の詳細は、図5図17を参照して後述する。
【0031】
次いで、制御部60は、集音方向決定処理において決定した方向の音声を取得する(ステップS420)。ステップS420における処理は、音声取得部602が行う処理である。
【0032】
次いで、制御部60は、ステップS420において取得した音声からユーザーが実行を指示している処理を特定する(ステップS430)。ステップS430における処理は、特定部603が行う処理である。
【0033】
次いで、制御部60は、ステップS430において特定した処理を実行する(ステップS440)。ステップS440における処理は、実行部604が行う処理である。制御部60は、ステップS440の後、図4に示す一連の処理を終了する。
【0034】
図5図17を参照して、集音方向決定処理(ステップS410)について説明する。図5は、集音方向決定処理の第1の例を示すフローチャートである。図5に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0035】
まず、制御部60は、印刷物が排出されたか否かを判定する(ステップS510)。制御部60は、出力センサー461による検知結果に基づいて、印刷物が排出されたか否かを判定する。出力センサー461は、印刷物が排出されたことを検知する。制御部60は、出力センサー461が印刷物の排出を検知した場合に、印刷物が排出されたと判定する。印刷物が排出された場合には(ステップS510においてYES)、制御部60は処理をステップS520に移行する。一方、印刷物が排出されていない場合には(ステップS510においてNO)、制御部60は処理をステップS540に移行する。
【0036】
ステップS520において、制御部60は、人体が検知されたか否かを判定する。制御部60は、人体センサー471による検知結果に基づいて、人体が検知されたか否かを判定する。人体センサー471は、排紙トレイ5等、印刷物が排出される近辺に設けられている。人体が検知された場合には(ステップS520においてYES)、制御部60は処理をステップS530に移行する。一方、人体が検知されなかった場合には(ステップS520においてNO)、制御部60は処理をステップS540に移行する。
【0037】
ステップS530において、制御部60は、人体センサー471によって人体が検知された方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を人体センサー471によって人体が検知された方向に決定する。
【0038】
ステップS540において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0039】
ステップS530またはステップS540の後、制御部60は、図5に示す一連の処理を終了する。
【0040】
図5に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向は排出された印刷物を確認した後に指示(例えば、画質、濃度、または部数の変更等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0041】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0042】
なお、人体が検知されたものの印刷物が排出されていない場合には、ユーザーが印刷物が排出された場所で指示を出す可能性は低い。そのような場合には、制御部60は、集音装置120の集音方向を人体が検知された方向ではなく、操作パネル30の正面方向に決定する。
【0043】
図6は、集音方向決定処理の第2の例を示すフローチャートである。図6に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
まず、制御部60は、空の給紙トレイ207があるか否かを判定する(ステップS610)。給紙トレイ207が空の状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、シート残量センサー407による検知結果に基づいて、空の給紙トレイ207があるか否かを判定する。シート残量センサー401は、給紙トレイ201が空の状態であることを検知する。シート残量センサー402は、給紙トレイ202が空の状態であることを検知する。シート残量センサー403は、給紙トレイ203が空の状態であることを検知する。シート残量センサー404は、給紙トレイ204が空の状態であることを検知する。シート残量センサー405は、給紙トレイ205が空の状態であることを検知する。シート残量センサー406は、給紙トレイ206が空の状態であることを検知する。制御部60は、シート残量センサー407が給紙トレイ207が空の状態であることを検知した場合に、空の給紙トレイ207があると判定する。
【0045】
空の給紙トレイ207がある場合には(ステップS610においてYES)、制御部60は処理をステップS620に移行する。一方、空の給紙トレイ207がない場合には(ステップS610においてNO)、制御部60は処理をステップS640に移行する。
【0046】
ステップS620において、制御部60は、空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイがあるか否かを判定する。制御部60は、開閉センサー417による検知結果に基づいて、空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイがあるか否かを判定する。開閉センサー411は、給紙トレイ201の開閉を検知する。開閉センサー412は、給紙トレイ202の開閉を検知する。開閉センサー413は、給紙トレイ203の開閉を検知する。開閉センサー414は、給紙トレイ204の開閉を検知する。開閉センサー415は、給紙トレイ205の開閉を検知する。開閉センサー416は、給紙トレイ206の開閉を検知する。制御部60は、開閉センサー417が空の給紙トレイ207の開閉を検知した場合に、空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイがあると判定する。
【0047】
空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイがある場合には(ステップS620においてYES)、制御部60は処理をステップS630に移行する。一方、空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイがない場合には(ステップS620においてNO)、制御部60は処理をステップS640に移行する。
【0048】
ステップS630において、制御部60は、空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイの方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を空の給紙トレイ207のうち開けられたトレイの方向に決定する。
【0049】
ステップS640において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0050】
ステップS630またはステップS640の後、制御部60は、図6に示す一連の処理を終了する。
【0051】
図6に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向はシートを補充した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0052】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0053】
なお、ユーザーがシートの残量を確認するために給紙トレイ207を開ける場合があるが、そのような場合に、ユーザーがその場で指示を出す可能性は低い。そこで、空になっていない給紙トレイ207が開けられた場合には、制御部60は、給紙トレイ207の方向ではなく、操作パネル30の正面方向を集音装置120の集音方向に決定する。
【0054】
図7は、集音方向決定処理の第3の例を示すフローチャートである。図7に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0055】
まず、制御部60は、紙詰まりが発生しているか否かを判定する(ステップS710)。紙詰まりが発生している状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、紙詰まりセンサー425による検知結果に基づいて、紙詰まりが発生しているか否かを判定する。紙詰まりセンサー425は、紙詰まりを検知する。制御部60は、紙詰まりセンサー425が紙詰まりを検知した場合に、紙詰まりが発生していると判定する。
【0056】
紙詰まりが発生している場合には(ステップS710においてYES)、制御部60は処理をステップS720に移行する。一方、紙詰まりが発生していない場合には(ステップS710においてNO)、制御部60は処理をステップS730に移行する。
【0057】
ステップS720において、制御部60は、紙詰まりが発生している方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を紙詰まりが発生している方向に決定する。
【0058】
ステップS730において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0059】
ステップS720またはステップS730の後、制御部60は、図7に示す一連の処理を終了する。
【0060】
図7に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向は紙詰まりを除去した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0061】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0062】
図8は、集音方向決定処理の第4の例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0063】
まず、制御部60は、トナーの残量が所定量以下であるか否かを判定する(ステップS810)。トナーの残量が所定量以下の状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、トナー残量センサー431による検知結果に基づいて、トナーの残量が所定量以下であるか否かを判定する。トナー残量センサー431は、トナーの残量が所定量以下となったことを検知する。制御部60は、トナー残量センサー431がトナーの残量が所定量以下となったことを検知した場合に、トナーの残量が所定量以下であると判定する。
【0064】
トナーの残量が所定量以下である場合には(ステップS810においてYES)、制御部60は処理をステップS820に移行する。一方、トナーの残量が所定量以下ではない場合には(ステップS810においてNO)、制御部60は処理をステップS830に移行する。
【0065】
ステップS820において、制御部60は、トナーの格納場所の方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向をトナーの格納場所の方向に決定する。
【0066】
ステップS830において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0067】
ステップS820またはステップS830の後、制御部60は、図8に示す一連の処理を終了する。
【0068】
図8に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向はトナーを交換した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0069】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0070】
図9は、集音方向決定処理の第5の例を示すフローチャートである。図9に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0071】
まず、制御部60は、排紙トレイ5上に印刷物があるか否かを判定する(ステップS910)。制御部60は、排紙トレイセンサー481による検知結果に基づいて、排紙トレイ5上に印刷物があるか否かを判定する。排紙トレイセンサー481は、排紙トレイ5上の印刷物の有無を検知する。制御部60は、排紙トレイセンサー481が排紙トレイ5上に印刷物があることを検知した場合に、排紙トレイ5上に印刷物があると判定する。
【0072】
排紙トレイ5上に印刷物がある場合には(ステップS910においてYES)、制御部60は処理をステップS920に移行する。一方、排紙トレイ5上に印刷物がない場合には(ステップS910においてNO)、制御部60は処理をステップS940に移行する。
【0073】
ステップS920において、制御部60は、排紙トレイ5上の印刷物が無くなったか否かを判定する。制御部60は、排紙トレイセンサー481が排紙トレイ5上に印刷物が無いことを検知した場合に、排紙トレイ5上の印刷物が無くなったと判定する。排紙トレイ5上の印刷物が無くなった場合には(ステップS920においてYES)、制御部60は処理をステップS930に移行する。一方、排紙トレイ5上の印刷物が無くなっていない場合には(ステップS920においてNO)、制御部60は処理をステップS940に移行する。
【0074】
ステップS930において、制御部60は、排紙トレイ5の方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を排紙トレイ5の方向に決定する。
【0075】
ステップS940において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0076】
ステップS930またはステップS940の後、制御部60は、図9に示す一連の処理を終了する。
【0077】
図9に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向は排出された印刷物を確認した後に指示(例えば、画質、濃度、または部数の変更等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0078】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0079】
図10は、集音方向決定処理の第6の例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0080】
まず、制御部60は、パンチくずが満タンであるか否かを判定する(ステップS1010)。パンチくずが満タンの状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、パンチくずセンサー441による検知結果に基づいて、パンチくずが満タンであるか否かを判定する。パンチくずセンサー441は、後処理装置センサーの一例である。パンチくずセンサー441は、パンチくずの容器がパンチくずで満タンになっていることを検知する。制御部60は、パンチくずセンサー441がパンチくずの容器がパンチくずで満タンになっていることを検知した場合に、パンチくずが満タンであると判定する。
【0081】
パンチくずが満タンである場合には(ステップS1010においてYES)、制御部60は処理をステップS1020に移行する。一方、パンチくずが満タンではない場合には(ステップS1010においてNO)、制御部60は処理をステップS1030に移行する。
【0082】
ステップS1020において、制御部60は、フィニッシャー110の方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向をフィニッシャー110の方向に決定する。
【0083】
ステップS1030において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0084】
ステップS1020またはステップS1030の後、制御部60は、図10に示す一連の処理を終了する。
【0085】
図10に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向はパンチくずを廃棄した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0086】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0087】
図11は、集音方向決定処理の第7の例を示すフローチャートである。図11に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0088】
まず、制御部60は、ステープルの芯が無くなったか否かを判定する(ステップS1110)。ステープルの芯が無くなった状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、ステープル芯残量センサー451による検知結果に基づいて、ステープルの芯が無くなったか否かを判定する。ステープル芯残量センサー451は、後処理装置センサーの一例である。ステープル芯残量センサー451は、ステープルの芯が無くなったことを検知する。制御部60は、ステープル芯残量センサー451がステープルの芯が無くなったことを検知した場合に、ステープルの芯が無くなったと判定する。
【0089】
ステープルの芯が無くなった場合には(ステップS1110においてYES)、制御部60は処理をステップS1120に移行する。一方、ステープルの芯が無くなっていない場合には(ステップS1110においてNO)、制御部60は処理をステップS1130に移行する。
【0090】
ステップS1120において、制御部60は、フィニッシャー110の方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向をフィニッシャー110の方向に決定する。
【0091】
ステップS1130において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0092】
ステップS1120またはステップS1130の後、制御部60は、図11に示す一連の処理を終了する。
【0093】
図11に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向はステープルの芯を補充した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0094】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0095】
図12は、集音方向決定処理の第8の例を示すフローチャートである。図12に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0096】
まず、制御部60は、紙詰まりが発生しているか否かを判定する(ステップS1210)。紙詰まりが発生している状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、紙詰まりセンサー425による検知結果に基づいて、紙詰まりが発生しているか否かを判定する。紙詰まりセンサー425は、紙詰まりを検知する。制御部60は、紙詰まりセンサー425が紙詰まりを検知した場合に、紙詰まりが発生していると判定する。
【0097】
紙詰まりが発生している場合には(ステップS1210においてYES)、制御部60は処理をステップS1220に移行する。一方、紙詰まりが発生していない場合には(ステップS1210においてNO)、制御部60は処理をステップS1260に移行する。
【0098】
ステップS1220において、制御部60は、紙詰まりが複数箇所で発生しているか否かを判定する。紙詰まりが複数箇所で発生している場合には(ステップS1220においてYES)、制御部60は処理をステップS1230に移行する。一方、紙詰まりが複数箇所で発生していない場合には(ステップS1220においてNO)、制御部60は処理をステップS1250に移行する。
【0099】
ステップS1230において、制御部60は、紙を取り除く順番とその順番で紙を取り除くことを指示するメッセージを操作パネル30に表示する。
【0100】
次いで、制御部60は、ユーザーが指示した順番で移動していくと判断し、集音方向を紙詰まりが発生している方向に指示した順番で切り替えることを決定する(ステップS1240)。
【0101】
ステップS1250において、制御部60は、紙詰まりが発生している方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を紙詰まりが発生している方向に決定する。
【0102】
ステップS1260において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0103】
ステップS1240、ステップS1250、またはステップS1260の後、制御部60は、図12に示す一連の処理を終了する。
【0104】
図12に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向は紙詰まりを除去した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0105】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0106】
紙詰まりが複数箇所で発生している場合には、制御部60は、紙を取り除く順番とその順番で紙を取り除くことを指示するメッセージを操作パネル30に表示する。これにより、ユーザーの動線がある程度決まってくる。制御部60は、指示した順番に従って、集音装置120の集音方向を切り替えていくので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0107】
図5図12に示したように、画像形成装置100は、その状態に合わせて集音装置120の集音方向を切り替える。集音装置120の集音方向は、例えば、操作パネル30の正面方向、給紙トレイ207の方向、トナーの格納場所の方向、フィニッシャー110の方向、排紙トレイ5の方向、電源基板の方向等、何かしらの装置が位置する方向である。これら装置が位置する方向(集音装置120の左方向を0度とし、かつ、集音装置120の正面方向を90度とした場合に何度の方向に位置するかという情報)は記憶装置(例えば、ハードディスク70やROM63等)に保存されている。制御部60は、その情報を参照して、集音装置120の集音方向を切り替える。
【0108】
図13図15を参照して、集音方向の切り替えについて説明する。図13は、各装置と集音装置120との位置関係を示す図である。図14は、集音方向の第1の例を示す図である。図15は、集音方向の第2の例を示す図である。
【0109】
図13に示すように、各装置(給紙トレイ207、操作パネル30、フィニッシャー110、排紙トレイ5、電源基板)は、集音装置120の周囲に位置する。給紙トレイ207は、集音装置120の左方向(集音装置120に向かって右方向)に位置する。操作パネル30は、集音装置120の正面方向に位置する。フィニッシャー110および排紙トレイ5は、集音装置120の右方向(集音装置120に向かって左方向)に位置する。電源基板は、集音装置120の背面方向に位置する。
【0110】
第1の例では、集音装置120の左方向を0度とし、かつ、集音装置120の正面方向を90度とした場合に、各装置が集音装置120の左方向、正面方向、右方向、および背面方向のいずれの方向に位置するかに基づいて、集音方向を定めている。図14に示すように、集音装置120の左方向に位置する給紙トレイ207には、集音方向として0度が割り当てられている。集音装置120の正面方向に位置する操作パネル30には、集音方向として90度が割り当てられている。集音装置120の右方向に位置するフィニッシャー110および排紙トレイ5には、集音方向として180度が割り当てられている。集音装置120の背面方向に位置する電源基板には、集音方向として270度が割り当てられている。
【0111】
制御部60は、集音方向を給紙トレイ207の方向に決定した場合には、0度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向を操作パネル30の方向に決定した場合には、90度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向をフィニッシャー110または排紙トレイ5の方向に決定した場合には、180度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向を電源基板の方向に決定した場合には、270度の方向から音声を取得する。
【0112】
これに対し、第2の例では、集音装置120の真左の方向を0度とし、かつ、集音装置120の真正面の方向を90度とした場合に、各装置が集音装置120の左方向、正面方向、右方向、および背面方向のいずれの方向に位置するかという情報と、各装置のサイズ(幅xcm、奥行きycm(図13参照))とに基づいて、集音方向を定めている。例えば、給紙トレイ207を例に説明すると、x=100、y=17と仮定した場合にθ=10°となる。そこで、図15に示すように、給紙トレイ207には、集音方向として10度が割り当てられている。同様に、操作パネル30には、集音方向として90度が割り当てられている。フィニッシャー110には、集音方向として120度が割り当てられている。排紙トレイ5には、集音方向として180度が割り当てられている。電源基板には、集音方向として270度が割り当てられている。
【0113】
制御部60は、集音方向を給紙トレイ207の方向に決定した場合には、10度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向を操作パネル30の方向に決定した場合には、90度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向をフィニッシャー110の方向に決定した場合には、120度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向を排紙トレイ5の方向に決定した場合には、180度の方向から音声を取得する。制御部60は、集音方向を電源基板の方向に決定した場合には、270度の方向から音声を取得する。
【0114】
なお、制御部60は、装置の幅や奥行きに加えて装置の高さも考慮することにより、集音方向を3次元方向に切り替えてもよい。
【0115】
図16および図17を参照して、集音方向決定処理の第9の例について説明する。図16は、集音方向決定処理の第9の例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、CPU61がROM63に格納されている所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0116】
まず、制御部60は、紙詰まりが発生しているか否かを判定する(ステップS1610)。紙詰まりが発生している状態は、メンテナンスが必要な状態の一例である。制御部60は、紙詰まりセンサー425による検知結果に基づいて、紙詰まりが発生しているか否かを判定する。紙詰まりセンサー425は、紙詰まりを検知する。制御部60は、紙詰まりセンサー425が紙詰まりを検知した場合に、紙詰まりが発生していると判定する。
【0117】
紙詰まりが発生している場合には(ステップS1610においてYES)、制御部60は処理をステップS1620に移行する。一方、紙詰まりが発生していない場合には(ステップS1610においてNO)、制御部60は処理をステップS1650に移行する。
【0118】
ステップS1620において、制御部60は、紙詰まりが発生している方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を紙詰まりが発生している方向に決定する。
【0119】
次いで、制御部60は、紙が取り除かれた後、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS1630)。ここで図17を参照して、紙詰まりが発生している箇所と所定時間との関係について説明する。図17は、紙詰まりが発生している箇所と所定時間との関係を示す図である。図17に示すように、紙詰まりが発生している箇所と操作パネル30の正面位置との距離が長い方が短い場合よりも所定時間も長くなるように定められている。所定時間は、記憶装置(例えば、ハードディスク70やROM63等)に保存され、集音方向決定処理において参照される。
【0120】
紙が取り除かれた後、所定時間が経過した場合には(ステップS1630においてYES)、制御部60は処理をステップS1640に移行する。一方、紙が取り除かれた後、まだ所定時間が経過していない場合には(ステップS1630においてNO)、制御部60は図16に示す一連の処理を終了する。
【0121】
ステップS1640において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に変更する。
【0122】
ステップS1650において、制御部60は、操作パネル30の正面方向に指示を出そうとしているユーザーが存在すると判断し、集音方向を操作パネル30の正面方向に決定する。
【0123】
ステップS1630においてNOの場合、ステップS1640の後、またはステップS1650の後、制御部60は、図16に示す一連の処理を終了する。
【0124】
図16に示すように、制御部60は、画像形成装置100の状態を基に、指示を出そうとしているユーザーが存在する方向を特定し、その方向を集音装置120の集音方向に決定する。これにより、画像形成装置100の周りで複数人が会話していたとしても、集音装置120の集音方向は紙詰まりを除去した後に指示(例えば、印刷の再開等)を出そうとしているユーザーの方向に決定されるので、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減できる。
【0125】
制御部60は、集音装置120の集音方向を発話があった方向に決定するのではなく、画像形成装置100の状態を基に決定する。これにより、発話があった後にその方向の音声を取得する場合と比べて、画像形成装置100がユーザーの指示の冒頭を聞き逃す虞を軽減できる。
【0126】
紙が取り除かれた後、所定時間が経過すると、ユーザーは操作パネル30の方に戻っている可能性が高い。制御部60は、集音装置120の集音方向を、紙が取り除かれた後、所定時間が経過するまでの間は紙詰まりが発生していた方向に維持し、所定時間が経過した後に操作パネル30の正面方向に切り替える。これにより、画像形成装置100がユーザーの指示を聞き逃してしまう虞を軽減することができる。また、画像形成装置100では、所定時間が紙詰まりが発生している箇所と操作パネル30の正面位置との距離に基づいて定められている。これにより、紙詰まりが発生している箇所から操作パネル30の正面位置までのユーザーの移動時間が考慮されることとなるので、集音装置120の集音方向が切り替わるタイミングがより最適となる。
【0127】
以上、実施の形態に係る画像形成装置100について説明した。上記では、画像形成装置100はプロダクション機であったが、これに限られない。画像形成装置100は、スキャナー機能、コピー機能、ファクシミリ機能、ネットワーク機能、BOX機能といった複数の機能が搭載された複合機(MFP:Multi Function Peripheral)でもよいし、複写機、プリンター、ファクシミリでもよい。
【0128】
上記では、集音装置120は、画像形成装置100に外付けされていたが、画像形成装置100に内蔵されていてもよい。
【0129】
センサー40は、画像形成装置100の状態を検知するセンサーであればよく、上述のものに限られない。
【0130】
CPU61によって実行されるプログラムは、上記したようにROM63に格納されている代わりに、ハードディスク70に格納されていてもよい。当該プログラムが格納される記憶媒体は、たとえば、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリー、メモリーカード、FD(Floppy Disk)、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリーカードを除く)、光カード、マスクROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発的にデータを格納する媒体が挙げられる。
【0131】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0132】
5 排紙トレイ、10 プリンター、20 給紙部、30 操作パネル、40 センサー、50 通信インターフェース、60 制御部、61 CPU、62 RAM、63 ROM、70 ハードディスク、100 画像形成装置、110 フィニッシャー、120 集音装置、121,122,123 マイクロホン、201,202,203,204,205,206,207 給紙トレイ、401,402,403,404,405,406,407 シート残量センサー、411,412,413,414,415,416,417 開閉センサー、421,422,423,424,425 紙詰まりセンサー、431 トナー残量センサー、441 パンチくずセンサー、451 ステープル芯残量センサー、461 出力センサー、471 人体センサー、481 排紙トレイセンサー、601 集音方向決定部、602 音声取得部、603 特定部、604 実行部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17