(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-10-16
(45)【発行日】2023-10-24
(54)【発明の名称】画像読取装置、及び、当該画像読取装置を用いた画像形成システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20231017BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20231017BHJP
B65H 29/60 20060101ALI20231017BHJP
B65H 29/62 20060101ALI20231017BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231017BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231017BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20231017BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
H04N1/12 Z
B65H29/60 C
B65H29/62 A
G03G21/00 510
B41J29/38 301
B41J29/393 107
(21)【出願番号】P 2019185594
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】井澤 友美
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048309(JP,A)
【文献】特開2019-014051(JP,A)
【文献】特開2018-126868(JP,A)
【文献】特開2014-082679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04- 1/207
G03G 21/00
B41J 29/38-29/393
B65H 29/58-29/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送部と、
前記用紙に形成された画像を読み取る第1読取部と、を備え、
前記搬送部は、用紙搬送路に沿って装置の入口から出口に前記用紙を搬送する第1搬送部と、前記用紙搬送路の一部を迂回する迂回経路に沿って前記用紙を搬送する第2搬送部と、を有し、
前記用紙搬送路には、前記第1読取部が配置されており、
前記迂回経路には、前記第1読取部とは別の第2読取部が配置されて
おり、
前記第1読取部は、前記用紙に形成された画像全面の読取機能を有しており、
前記第2読取部は、前記用紙に形成された画像の測色機能を有しており、
前記第2搬送部に用紙を通紙して前記第2読取部で画像を測色している間に、前記第1搬送部に用紙を通紙して、前記第1読取部で取得された情報に基づく画像の調整を行う
画像読取装置。
【請求項2】
前記第2搬送部は、前記用紙に形成された画像の良否を判断する際に使用される
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記第2読取部の読取面は、前記迂回経路に形成された直線状の部位に配置されている
請求項1
又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第2搬送部の搬送速度は、前記第1搬送部の搬送速度よりも遅い
請求項1乃至請求項
3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
用紙を搬送する搬送部と、
前記用紙に形成された画像を読み取る第1読取部と、を備え、
前記搬送部は、用紙搬送路に沿って装置の入口から出口に前記用紙を搬送する第1搬送部と、前記用紙搬送路の一部を迂回する迂回経路に沿って前記用紙を搬送する第2搬送部と、を有し、
前記用紙搬送路には、前記第1読取部が配置されており、
前記迂回経路には、前記第1読取部とは別の第2読取部が配置されており、
前記第2読取部は、前記第1読取部よりも下流側に配置されているとともに、前記用紙に形成された画像を測色することができ、
前記第1読取部から前記第2読取部までの距離は、前記測色時に使用される用紙の長さよりも長
くなるように設定されており、
前記第2搬送部に用紙を通紙して前記第2読取部で画像を測色している間に、前記第1搬送部に用紙を通紙して、前記第1読取部で取得された情報に基づく画像の調整を行う
画像読取装置。
【請求項6】
前記第1読取部で読み取った読取画像と予め用意された正解画像との差分から前記用紙に形成された画像の良否を判断する良否判断部と、
前記良否判断部で不良と判断された画像が形成された用紙を区別する区別手段と、を備える
請求項1乃至請求項
5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記良否判断部は、前記用紙が前記迂回経路を通過している間に、前記用紙に形成された画像の良否を判断する
請求項
6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記出口とは異なる場所にパージトレイを備え、
前記搬送部は、前記良否判断部で不良と判断された画像が形成された用紙を前記パージトレイに排出する
請求項
6又は請求項
7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記出口とは異なる場所にパージトレイを備え、
前記搬送部は、前記第2読取部で画像を測色したときに使用された用紙を前記パージトレイに排出する
請求項
1又は請求項
5に記載の画像読取装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項
9のいずれか一項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置の上流側に設けられ、前記用紙に画像を形成する画像形成装置と、を備える
画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、及び、当該画像読取装置を用いた画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像の色補正や、画像の形成位置調整、画像のサイズ(倍率)調整等の画像の調整処理を行うために、プリンタや複写機等の、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置で形成された画像を読み取る画像読取装置と、を備えた画像形成システムがある(例えば、特許文献1参照)。ここで、画像の色補正とは、画像形成装置においてCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の各色のトナーで用紙に形成された画像の各色が最適な色になるように、各色のトナーの用紙への付着量を最適化することである。また、画像の形成位置調整とは、画像に位置ズレが発生しないように、画像の形成位置を調整することである。また、画像のサイズ(倍率)調整とは、用紙に形成する画像のサイズが適正なサイズになるように、画像の形成サイズを調整することである。画像形成システムは、試験的に画像形成装置で用紙に画像を形成しながら画像読取装置で画像を読み取り、読取画像に基づいて、次回以降に用紙に形成する画像の調整処理(例えば、画像の色補正や、画像の形成位置調整、画像のサイズ(倍率)調整等)を自動的に行う。
【0003】
係る構成において、画像読取装置は、用紙に形成された画像全面を読み取るスキャナ部と、用紙に形成された画像の色を測定する測色計(分光測色計)と、を有している。スキャナ部の役割は、用紙に形成された画像全面に対して、画像の色を安定して読み取ることと、用紙中の画像の形成位置を正確に読み取ることである。測色計の役割は、画像形成装置においてCMYKの各色のトナーで用紙に形成された画像の各色の最高濃度値を測定することである。
【0004】
画像読取装置は、測色計で画像の各色の最高濃度値(測定値)を測定することで、画像の色補正(画像形成装置における各色のトナーの用紙への付着量の最適化)を行うことができる。また、画像読取装置は、測色計で画像の各色の最高濃度値(測定値)を測定することで、測定値に基づいて、スキャナ部で使用されている光学センサ(例えばCCDセンサ等)の感度を最適な感度に調整することができる。これにより、画像読取装置は、スキャナ部を測色計よりも広範囲でかつ高速に画像形成物(印刷物)の色を読み取る色検査部として用いることができる。
【0005】
また、画像読取装置は、検品処理(用紙に形成された画像の良否判断処理)用の正解画像(正解画像情報)を記憶部に予め記憶しておき、正解画像を用いることで、画像形成装置で用紙に形成された画像の良否を判断(検査)することができる。具体的には、画像読取装置は、画像形成装置で用紙に形成された画像をスキャナ部で読み取り、読取画像(読取画像情報)を記憶部に記憶する。そして、画像読取装置は、読取画像情報と正解画像情報とを比較して、読取画像情報と正解画像情報との差分を取得し、差分から用紙に形成された画像の良否を判断(検査)する。この後、画像読取装置は、用紙に形成された画像が良好(OK)であると判断された場合に、用紙を出口に搬送し、一方、用紙に形成された画像が不良(NG)であると判断された場合に、用紙の搬送方向を切り替えて用紙をパージトレイに排出する。
【0006】
このような画像読取装置は、用紙に形成された画像の良否を判断(検査)するための時間と、用紙をパージトレイに排出するか否かを判断して用紙の搬送方向の切り替えを実行するための時間とが必要となる。そのため、従来の画像読取装置は、スキャナ部と測色計との下流側にこれらの時間を確保するための迂回経路を有する構成になっていた。迂回経路は、装置の入口から出口を結ぶ用紙搬送路から分岐して設けられている。スキャナ部と測色計とは、迂回経路よりも上流側の用紙搬送路上に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の画像読取装置は、測色計の下流側に用紙搬送路から分岐して設けられた迂回経路を有しており、測色計に用紙を通過させた後に、用紙を用紙搬送路又は迂回経路に選択的に通す構造になっている。このような従来の画像読取装置は、測色計の下流側に迂回経路を有するため、用紙の搬送方向の機械サイズ(搬送方向長さ)が大きくなっていた。したがって、従来の画像読取装置は、用紙の搬送方向の機械サイズ(搬送方向長さ)を小型化することが望まれていた。
【0009】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、用紙の搬送方向の機械サイズ(搬送方向長さ)を小型化した画像読取装置、及び、当該画像読取装置を用いた画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
【0011】
(1)画像読取装置であって、用紙を搬送する搬送部と、前記用紙に形成された画像を読み取る第1読取部と、を備え、前記搬送部は、用紙搬送路に沿って装置の入口から出口に前記用紙を搬送する第1搬送部と、前記用紙搬送路の一部を迂回する迂回経路に沿って前記用紙を搬送する第2搬送部と、を有し、前記用紙搬送路には、前記第1読取部が配置されており、前記迂回経路には、前記第1読取部とは別の第2読取部が配置されており、前記第1読取部は、前記用紙に形成された画像全面の読取機能を有しており、前記第2読取部は、前記用紙に形成された画像の測色機能を有しており、前記第2搬送部に用紙を通紙して前記第2読取部で画像を測色している間に、前記第1搬送部に用紙を通紙して、前記第1読取部で取得された情報に基づく画像の調整を行う画像読取装置。
【0012】
(2)前記第2搬送部は、前記用紙に形成された画像の良否を判断する際に使用される上記(1)に記載の画像読取装置。
【0014】
(3)前記第2読取部の読取面は、前記迂回経路に形成された直線状の部位に配置されている上記(1)又は(2)に記載の画像読取装置。
【0015】
(4)前記第2搬送部の搬送速度は、前記第1搬送部の搬送速度よりも遅い上記(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【0016】
(5)用紙を搬送する搬送部と、前記用紙に形成された画像を読み取る第1読取部と、を備え、前記搬送部は、用紙搬送路に沿って装置の入口から出口に前記用紙を搬送する第1搬送部と、前記用紙搬送路の一部を迂回する迂回経路に沿って前記用紙を搬送する第2搬送部と、を有し、前記用紙搬送路には、前記第1読取部が配置されており、前記迂回経路には、前記第1読取部とは別の第2読取部が配置されており、前記第2読取部は、前記第1読取部よりも下流側に配置されているとともに、前記用紙に形成された画像を測色することができ、前記第1読取部から前記第2読取部までの距離は、前記測色時に使用される用紙の長さよりも長くなるように設定されており、前記第2搬送部に用紙を通紙して前記第2読取部で画像を測色している間に、前記第1搬送部に用紙を通紙して、前記第1読取部で取得された情報に基づく画像の調整を行う画像読取装置。
【0017】
(6)前記第1読取部で読み取った読取画像と予め用意された正解画像との差分から前記用紙に形成された画像の良否を判断する良否判断部と、前記良否判断部で不良と判断された画像が形成された用紙を区別する区別手段と、を備える上記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【0018】
(7)前記良否判断部は、前記用紙が前記迂回経路を通過している間に、前記用紙に形成された画像の良否を判断する上記(6)に記載の画像読取装置。
【0019】
(8)前記出口とは異なる場所にパージトレイを備え、前記搬送部は、前記良否判断部で不良と判断された画像が形成された用紙を前記パージトレイに排出する上記(6)又は(7)に記載の画像読取装置。
【0020】
(9)前記出口とは異なる場所にパージトレイを備え、前記搬送部は、前記第2読取部で画像を測色したときに使用された用紙を前記パージトレイに排出する上記(1)又は(5)に記載の画像読取装置。
【0022】
(10)画像形成システムであって、上記(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の画像読取装置と、前記画像読取装置の上流側に設けられ、前記用紙に画像を形成する画像形成装置と、を備える画像形成システム。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、用紙の搬送方向の機械サイズ(搬送方向長さ)を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成システム全体の構成を示す概略図である。
【
図2】実施形態に係る画像読取装置を含む画像形成システム全体の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】画像読取装置の構成及び動作を示す説明図である。
【
図5】画像読取装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】比較例の画像読取装置の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0026】
<画像形成システムの構成>
以下、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係る画像読取装置30を含む画像形成システム100の構成について説明する。
図1は、画像形成システム100全体の構成を示す概略図である。
図2は、画像形成システム100全体の内部構成を示すブロック図である。ここでは、画像形成装置20が電子写真プロセスによって画像を形成するプリンタである場合を想定して説明する。
【0027】
以下の説明では、「上流側」と「下流側」とは、用紙の搬送方向を基準にしている。
【0028】
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成20に用紙を供給する給紙装置10と、用紙に画像を形成する画像形成装置20と、用紙に形成された画像を読み取る画像読取装置30と、を備えている。給紙装置10と画像形成装置20と画像読取装置30とは、それぞれ、上流側から下流側に向けて順に配置されている。
【0029】
画像形成装置20は、制御部21と、搬送部24と、画像形成部25と、定着部26と、を有している。制御部21は、画像形成装置20全体の動作を制御する。搬送部24は、給紙装置10から供給された用紙を画像読取装置30に向けて搬送する。画像形成部25は、トナー(現像剤)を用紙に付着させて用紙に画像を形成する。定着部26は、用紙に形成された画像に熱と圧力を加えて、画像を用紙に定着する。
【0030】
画像読取装置30の内部には、ガイド等によって用紙を搬送する経路(以下、「搬送路」と称する場合がある)が形成されている。この搬送路は、用紙搬送路43と、迂回経路44と、パージ経路45と、を含んで構成される。
【0031】
用紙搬送路43は、画像読取装置30の入口30aと出口30bとの間を結ぶように形成されている。なお、
図1に示す例では、用紙搬送路43は、ほぼ直線状に形成されている。しかしながら、用紙搬送路43の形状は、直線状とは限らない。例えば、用紙搬送路43は、斜めに傾斜して形成するようにしてもよい。又は、用紙搬送路43は、湾曲して形成するようにしてもよい。又は、用紙搬送路43は、複数段の段差状に形成するようにしてもよい。
【0032】
迂回経路44は、用紙搬送路43の一部(
図1に示す例では、分岐箇所P43aから接合箇所P43bまでの部分)を迂回するように形成されている。具体的には、迂回経路44は、分岐箇所P43aで用紙搬送路43から分岐し、用紙搬送路43の下側を通って、接合箇所P43bで用紙搬送路43に接合するように形成されている。迂回経路44は、用紙搬送路43の迂回された部分(
図1に示す例では、分岐箇所P43aから接合箇所P43bまでの部分)よりも長く形成されている。
図1に示す例では、迂回経路44は、傾斜部44aと、水平部44bと、を有している。傾斜部44aは、迂回経路44において、分岐箇所P43aと水平部44bの間に設けられ、斜めに傾斜して形成された直線状の部位である。水平部44bは、迂回経路44において、迂回経路44の下端部分に設けられ、水平方向に形成された直線状の部位である。
図1に示す例では、後記する測色計52(第2読取部)が迂回経路44の水平部44bに配置されている。
【0033】
パージ経路45は、接合箇所P43bとパージトレイ49との間を結ぶように形成されている。パージトレイ49は、廃棄すべき用紙を排出する場所である。パージトレイ49は、出口30bとは異なる場所に設けられている。なお、「廃棄すべき用紙」とは、例えば、不良な画像が形成された用紙(不良品)や、スキャナ部51(第1読取部)に使用されている光学センサ(例えばCCDセンサ等)の感度の調整に使用された用紙(スキャナ部51の感度調整に使用された用紙)、用紙に形成される画像の色補正に使用された用紙等である。
【0034】
画像読取装置30は、制御部31と、搬送部40と、搬送路切替部46,47a,47bと、第1読取部としてのスキャナ部51と、第2読取部としての測色計52と、を備えている。
【0035】
制御部31は、画像読取装置30全体の動作を制御する。
搬送部40は、図示せぬローラやローラを駆動するモータ等によって構成され、搬送路に沿って用紙を搬送する。例えば、搬送部40は、画像形成装置20から供給された用紙を入口30aから内部に取り込み、出口30bに向けて搬送する。搬送部40は、用紙搬送路43に沿って画像読取装置30の入口30aから出口30bに用紙を搬送する第1搬送部41と、迂回経路44に沿って用紙を搬送する第2搬送部42と、を有している。なお、本実施形態では、用紙を集積するための出力部48が出口30bに配置されているものとして説明する。しかしながら、画像読取装置30の出口30bには、出力部48の代わりに、例えば用紙を所定サイズに切断する後処理装置(図示せず)等が配置されるようにしてもよい。
【0036】
搬送路切替部46,47a,47bは、図示せぬブレード部材やブレード部材を駆動するモータ等によって構成され、用紙の搬送方向を切り替える。搬送路切替部46は、用紙搬送路43上の分岐箇所P43aに対して上流側の近傍位置に設けられ、用紙の搬送方向を出口30bの方向又は迂回経路44の方向に切り替える。搬送路切替部47aは、用紙搬送路43上の接合箇所P43bに対して上流側の近傍位置に設けられ、用紙の搬送方向を出口30bの方向又はパージトレイ49の方向に切り替える。搬送路切替部47bは、迂回経路44上の接合箇所P43bに対して上流側の近傍位置に設けられ、用紙の搬送方向をパージトレイ49の方向又は出口30bの方向に切り替える。
【0037】
スキャナ部51(第1読取部)は、用紙に形成された画像全面を読み取る。本実施形態では、スキャナ部51は、用紙の裏面に形成された画像を読み取る第1スキャナ51aと、用紙の表面に形成された画像を読み取る第2スキャナ51bと、を有している。第2スキャナ51bは、第1スキャナ51aの下流側に配置されている。なお、本実施形態では、第1スキャナ51aと第2スキャナ51bとが反射型の光学センサを有しているものとして説明する。この光学センサは、例えばCCDセンサ等で構成される。
【0038】
測色計52(第2読取部)は、用紙に形成された画像の色を読み取る(測定する)。測色計52(第2読取部)は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bよりも下流側の迂回経路44に配置されている。
【0039】
ここで、
図6に示す比較例の画像読取装置130と
図1に示す本実施形態に係る画像読取装置30とを比較して、本実施形態に係る画像読取装置30の構造上の特徴について説明する。
図6は、比較例の画像読取装置130の構成を示す概略図である。
【0040】
比較例の画像読取装置130(
図6参照)は、従来の画像読取装置に相当する。比較例の画像読取装置130は、用紙搬送路43上のスキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bと分岐箇所P43aとの間に測色計52(第2読取部)が配置された構造になっている。そして、比較例の画像読取装置130は、測色計52(第2読取部)の下流側に用紙搬送路43から分岐して設けられた迂回経路44を有している。比較例の画像読取装置130は、測色処理を行うか否かにかかわらず、用紙搬送路43に用紙を通し、測色計52(第2読取部)に用紙を通過させた後に、用紙の搬送方向を用紙搬送路43を維持する方向又は迂回経路44に切り替える方向に選択する構造になっている。比較例の画像読取装置130は、スキャナ部51の感度調整時や画像の色補正時において、用紙搬送路43上で用紙を搬送している間に測色計52(第2読取部)で測色する。その際に、比較例の画像読取装置130は、測色計52(第2読取部)で良好な測色を行うことができるように、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bと分岐箇所P43aとの間に比較的長い距離を確保するとともに、第1搬送部41の搬送速度を比較的低速にしている。このような比較例の画像読取装置130は、測色計52(第2読取部)の下流側に迂回経路44を有するため、また、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bと分岐箇所P43aとの間に比較的長い距離を確保しているため、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bから出口30bまでの水平方向の距離L130aが比較的大きくなる。そのため、比較例の画像読取装置130は、用紙の搬送方向の機械サイズL130(搬送方向長さ)が比較的大きな構造になっている。また、比較例の画像読取装置130は、スキャナ部51の感度調整や画像の色補正等の測色時において、第1搬送部41の搬送速度を比較的低速にしている。そのため、比較例の画像読取装置130は、測色時に比較的長い処理時間を要する構造になっている。
【0041】
これに対し、本実施形態に係る画像読取装置30(
図1参照)は、迂回経路44に形成された直線状の部位(
図1に示す例では、水平部44b)に、測色計52(第2読取部)が配置された構造になっている。そして、本実施形態に係る画像読取装置30は、測色処理を行う場合に用紙搬送路43に用紙を通してから用紙の搬送方向を迂回経路44の方向に切り替え、一方、測色処理を行わない場合に用紙搬送路43に用紙を通してから用紙の搬送方向を用紙搬送路43の方向に維持する構造になっている。なお、測色処理を行う場合とは、例えば、スキャナ部51の感度調整や画像の色補正等を行う場合である。本実施形態に係る画像読取装置30は、測色処理を行う場合において、迂回経路44上で用紙を搬送している間に測色計52(第2読取部)で測色する。このような本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bの下流側の近傍に迂回経路44を有するとともに、迂回経路44に測色計52(第2読取部)を配置している。そのため、本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bと分岐箇所P43aとの間に比較的長い距離を確保しなくてもよい。また、本実施形態に係る画像読取装置30は、第1搬送部41の搬送速度を比較的低速にしなくてもよい。このような本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bから出口30bまでの水平方向の距離L30aを比較例の画像読取装置130の距離L130aよりも短くすることができる。そのため、本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙の搬送方向の機械サイズL30(搬送方向長さ)を比較例の画像読取装置130の機械サイズL130(搬送方向長さ)よりも小型化することができる。また、本実施形態に係る画像読取装置30は、測色時において、測色計52(第2読取部)で行われる測色の精度に第1搬送部41の搬送速度が関係しないため、第1搬送部41の搬送速度を比較例の画像読取装置130の速度よりも高速にすることができる。そのため、本実施形態に係る画像読取装置30は、測色時の処理時間を短縮することができる。
【0042】
図2に示すように、画像形成装置20は、前記した制御部21と、搬送部24と、画像形成部25と、定着部26とに加え、更に、記憶部22と、通信部23と、を有している。記憶部22は、画像形成装置20の動作を規定する制御プログラムや、画像の形成に関する各種の設定情報(例えば用紙の搬送速度やトナーの供給量等の情報)、外部装置から指示される画像形成のジョブデータ等が記憶される。通信部23は、他の装置(外部装置や給紙装置10、画像読取装置30等)と通信する。
【0043】
画像読取装置30は、前記した制御部31と、搬送部40と、搬送路切替部46,47a,47bと、スキャナ部51(第1読取部)と、測色計52(第2読取部)とに加え、更に、記憶部32と、通信部35と、を有している。記憶部32は、画像読取装置30の動作を規定する制御プログラムや、画像の読取に関する各種の設定情報(例えば用紙の搬送速度や搬送路の切り替えタイミング等の情報)、読取画像に関する情報(読取画像情報)、読取画像に対する判別結果情報等が記憶される。通信部35は、他の装置(本実施形態では、画像形成装置20)と通信する。
【0044】
制御部31は、搬送制御部31aと、読取制御部31bと、良否判断部31cと、調整部31dと、を有している。
搬送制御部31aは、搬送部40、搬送路切替部46,47a,47b等の用紙の搬送に関わる部位の動作を制御する。
読取制御部31bは、スキャナ部51(第1読取部)、測色計52(第2読取部)等の用紙に形成された画像の読取に関わる部位の動作を制御する。
良否判断部31cは、用紙に形成された画像の良否を判断する。
調整部31dは、用紙に形成される画像の調整を行う。例えば、調整部31dは、スキャナ部51(第1読取部)で取得された読取画像情報に基づいて、画像の形成位置調整や、画像のサイズ(倍率)調整等を行う。また、調整部31dは、測色計52(第2読取部)で取得された測色値情報に基づいて、画像の色補正を行う。
【0045】
図3に示すように、画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bから測色計52(第2読取部)までの距離Lrが測色時に使用される用紙mの搬送方向の長さLmよりも長い(Lr>Lm)構造になっている。また、画像読取装置30は、測色時において、第2搬送部42の搬送速度SP42が第1搬送部41の搬送速度SP41よりも遅い構造になっている。
【0046】
画像読取装置30は、後記する用紙の検品処理(用紙に形成された画像の良否判断処理)時において、用紙mが迂回経路44を通過している間に、良否判断部31cで用紙mに形成された画像の良否を判断する。
画像読取装置30は、適正な画像が形成された用紙(良品)を出口30bに搬送して出力部48に集積する。
また、画像読取装置30は、不良な画像が形成された用紙(不良品)や、測色に使用された用紙(測色に使用された用紙)をパージトレイ49に搬送してパージトレイ49に集積する。
【0047】
図4に示すように、画像読取装置30は、第2搬送部42に1枚目の用紙m1を通紙して測色計52(第2読取部)で用紙m1の画像を測色している間に、第1搬送部41に2枚目の用紙m2を通紙して、スキャナ部51(第1読取部)で用紙m1の画像を読み取る。そして、画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)で取得された情報に基づく画像の調整を行う。例えば、画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)で取得された読取画像情報に基づいて、画像の形成位置調整や、画像のサイズ(倍率)調整等を行う。
【0048】
<画像形成システムの動作>
以下、
図5を参照して、画像形成システム100の動作について説明する。
【0049】
画像形成システム100は、例えば、外部装置から画像形成を指示するジョブデータを取得することで動作を開始する。本実施形態では、画像形成システム100は、ジョブデータに基づく画像形成を行う前に、測色処理を行って、画像形成装置20で形成される画像の色補正を行うことがあるものとして説明する。
【0050】
図5に示すように、画像形成システム100の画像形成装置20の制御部21は、測色処理があるか否かを判定する(ステップS105)。
【0051】
ステップS105の判定で、測色処理があると判定された場合(“Yes”の場合)に、画像形成装置20は、用紙に測色用画像を試験的に形成(テスト印刷)して(ステップS106)、用紙を画像読取装置30に送る。そして、画像形成装置20の制御部21は、画像読取装置30に測色処理があることを通知する。これに応答して、画像読取装置30は、画像形成装置20から送られた用紙を、第1搬送部41を経由して第2搬送部42へ通紙する(ステップS110)。そして、画像読取装置30は、用紙に形成された画像を測色計52(第2読取部)で測色する(ステップS115)。このとき、画像読取装置30は、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の各色のトナーで用紙に形成された画像の最高濃度値を測色計52(第2読取部)で測色して、各色の測色値(測色値情報)を取得する。そして、画像読取装置30は、測色した用紙をパージトレイ49へ搬送してパージトレイ49に排出する(ステップS120)。
【0052】
なお、ステップS115で取得された測色値情報は、スキャナ部で使用されている光学センサ(例えばCCDセンサ等)の感度の調整や、画像形成装置20の画像形成部25で形成される画像の色補正に利用される。ここでは、ステップS115で取得された測色値情報が画像形成装置20の画像形成部25で形成される画像の色補正に利用される場合を想定して説明する。
【0053】
ステップS120の後、画像読取装置30の制御部31は、ステップS115で取得された測色値情報に基づいて、用紙に形成される画像の色補正が必要か否かを判定する(ステップS125)。
【0054】
ステップS125の判定で、画像の色補正が必要であると判定された場合(“Yes”の場合)に、画像読取装置30の制御部31は、ステップS115で取得された測色値情報に基づいて、調整部31dで画像の色補正を行う。具体的には、制御部31は、調整部31dで画像の色補正値を算出して、画像の色の補正値(色補正値情報)を画像形成装置20へフィードバックする(ステップS130)。これにより、制御部31は、画像形成装置20に画像の色補正を指示する。これに応答して、画像形成装置20の制御部21は、画像の色補正値情報に基づいて、用紙に形成される画像の色の設定を変更する。なお、ステップS125とステップS130の処理は、画像読取装置30がステップS115で取得された測色値情報を画像形成装置20に出力することで、画像形成装置20の制御部21に行わせることができる。
【0055】
一方、ステップS125の判定で、画像の色補正が必要でないと判定された場合(“No”の場合)に、画像形成装置20は、外部装置から取得されたジョブデータに基づいて、画像の形成を開始して(ステップS135)、用紙を画像読取装置30に送る。
【0056】
ステップS135の後、画像形成装置20の制御部21は、ステップS135で画像が形成された用紙の検品処理(用紙に形成された画像の良否判断処理)があるか否かを判定する(ステップS140)。
【0057】
ステップS140の判定で、検品処理があると判定された場合(“Yes”の場合)に、画像形成装置20の制御部21は、画像読取装置30の制御部31に検品処理があることを通知する。これに応答して、画像読取装置30は、画像形成装置20から送られた用紙を、第1搬送部41へ通紙する(ステップS145)。その際に、画像読取装置30は、用紙に形成された画像をスキャナ部51(第1読取部)で読み取り、読取画像(読取画像情報)を取得する(ステップS150)。
【0058】
ステップS150の後、画像読取装置30は、用紙を第2搬送部42へ通紙する(ステップS152)。ステップS152の後、画像読取装置30は、用紙が迂回経路44を通過している間に、後記するステップS155からステップS165までの処理を行う。なお、画像読取装置30の記憶部32には、任意のタイミングで正解画像(正解画像情報)が記憶されている。
【0059】
まず、画像読取装置30の制御部31は、ステップS150で取得された読取画像(読取画像情報)と記憶部32に記憶された正解画像(正解画像情報)とを比較して、読取画像と正解画像との差分(差分情報)を取得する(ステップS155)。そして、画像読取装置30の制御部31は、ステップS135で画像が形成された用紙の検品処理、すなわち、差分から用紙に形成された画像の良否の判断(検査)処理を行う(ステップS160)。
【0060】
ステップS160の後、画像読取装置30の制御部31は、検品処理で不良品(形成された画像が不良である用紙)があったか否かを判定する(ステップS165)。ステップS165の判定で、不良品があったと判定された場合(“Yes”の場合)に、画像読取装置30は、不良品をパージトレイ49へ搬送してパージトレイ49に排出する(ステップS170)。一方、ステップS165の判定で、不良品がなかったと判定された場合(“No”の場合)に、画像読取装置30は、良品(形成された画像が良好である用紙)を出口30bに搬送して出力部48に集積する(ステップS175)。
【0061】
ステップS170又はステップS175の後、画像読取装置30の制御部31は、全てのジョブの画像形成が終了したか否かを判定する(ステップS180)。ステップS180の判定で、全てのジョブの画像形成が終了していない(“No”の場合)に、処理はステップS145に戻る。一方、ステップS180の判定で、全てのジョブの画像形成が終了した(“Yes”の場合)に、一連のルーチンの処理は終了する。
【0062】
前記したステップS140の判定で、検品処理がないと判定された場合(“No”の場合)に、画像読取装置30は、第1搬送部41へ通紙する(ステップS185)。そして、画像読取装置30は、用紙に対する検品処理を行うことなく、用紙を出口30bに搬送して出力部48に集積する(ステップS190)。
【0063】
ステップS190の後、画像読取装置30の制御部31は、全てのジョブの画像形成が終了したか否かを判定する(ステップS195)。ステップS195の判定で、全てのジョブの画像形成が終了していない(“No”の場合)に、処理はステップS185に戻る。一方、ステップS195の判定で、全てのジョブの画像形成が終了した(“Yes”の場合)に、一連のルーチンの処理は終了する。
【0064】
<画像読取装置の主な特徴>
以下、画像読取装置30の主な特徴について説明する。
【0065】
(1)
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙を搬送する搬送部40と、用紙に形成された画像を読み取る第1読取部としてのスキャナ部51と、を備えている。搬送部40は、用紙搬送路43に沿って画像読取装置30の入口30aから出口30bに用紙を搬送する第1搬送部41と、用紙搬送路43の一部(
図1に示す例では、分岐箇所P43aから接合箇所P43bまでの部分)を迂回する迂回経路44に沿って用紙を搬送する第2搬送部42と、を有している。用紙搬送路43には、迂回経路44の上流側にスキャナ部51(第1読取部)が配置されている。迂回経路44には、スキャナ部51(第1読取部)とは別の第2読取部としての測色計52が配置されている。
【0066】
本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の下流側に迂回経路44を有するとともに、迂回経路44に測色計52(第2読取部)を配置している。そのため、本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)の第2スキャナ51bと分岐箇所P43aとの間に比較的長い距離を確保しなくてもよい。このような本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙の搬送方向の機械サイズL30(
図1に示す)を小型化することができる。
【0067】
(2)
図5のステップS145に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の第2搬送部42は、用紙に形成された画像の良否を判断する際に使用される。
【0068】
本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙に形成された画像の良否を判断する場合(
図5のステップS140の判定で“Yes”の場合)に、用紙搬送路43に用紙を通してから用紙の搬送方向を迂回経路44の方向に切り替える。一方、本実施形態に係る画像読取装置30は、画像の良否を判断しない場合(
図5のステップS140の判定で“No”の場合)に用紙搬送路43に用紙の搬送方向を用紙搬送路43の方向に維持する。このような本実施形態に係る画像読取装置30は、測色計52(第2読取部)で行われる測色の精度に第1搬送部41の搬送速度が関係しないため、第1搬送部41の搬送速度を比較的高速にすることができる。
【0069】
(3)本実施形態に係る画像読取装置30のスキャナ部51(第1読取部)は、用紙に形成された画像全面の読取機能を有しており、測色計52(第2読取部)は、用紙に形成された画像の測色機能を有する構成になっているとよい。
【0070】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)で取得された読取画像情報に基づいて、画像の形成位置調整や、画像のサイズ(倍率)調整等を行うことができる。また、本実施形態に係る画像読取装置30は、測色計52(第2読取部)で取得された測色値情報に基づいて、画像の色補正を行うことができる。
【0071】
(4)
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の測色計52(第2読取部)の読取面は、迂回経路44に形成された直線状の部位(例えば、傾斜部44a又は水平部44b)に配置されているとよい。
【0072】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、画像の各色の最高濃度値(測定値)を安定して測定することができる。
【0073】
(5)
図3に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の第2搬送部42の搬送速度SP42は、第1搬送部41の搬送速度SP41よりも遅くなっている(SP42<SP41)とよい。
【0074】
本実施形態に係る画像読取装置30は、測色計52(第2読取部)で行われる測色の精度に関係する第2搬送部42の搬送速度SP42(
図3参照)を、測色の精度に関係しない第1搬送部41の搬送速度SP41(
図3参照)よりも遅くする。このような本実施形態に係る画像読取装置30は、良好な測色を行うことができるため、測色処理の失敗を抑制することができ、測色処理の失敗によるパッチデータの大きさを小さくすることができるとともに、測色処理の失敗による無駄な用紙の使用を減らすことができる。
【0075】
(6)
図3に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30のスキャナ部51(第1読取部)から測色計52(第2読取部)までの距離Lrは、測色時に使用される用紙の長さLmよりも長くなっているとよい。
【0076】
本実施形態に係る画像読取装置30は、距離Lr(
図3参照)が長さLm(
図3参照)よりも長いため、用紙の先端が測色計52(第2読取部)に到着したときに用紙の後端が用紙搬送路43に残らないようにすることができる。また、このような本実施形態に係る画像読取装置30は、測色時に、第2搬送部42により迂回経路44で用紙を搬送している間に測色値情報に基づいて任意の処理を行うための時間(例えば用紙に形成される画像の色補正が必要か否かを判定するための時間)を十分に確保することができる。
【0077】
(7)
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30は、スキャナ部51(第1読取部)で読み取った読取画像と予め用意された正解画像との差分から用紙に形成された画像の良否を判断する良否判断部31cと、良否判断部31cで不良と判断された画像が形成された用紙(不良品)を区別する区別手段と、を備えた構成になっているとよい。なお、
図1に示す例では、搬送路切替部47a,47bが区別手段として機能している。
【0078】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、不良品が他の用紙と区別されるため、良品と不良品とが混在することを抑制することができる。
【0079】
(8)
図3に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の良否判断部31cは、用紙が迂回経路44を通過している間に、用紙に形成された画像の良否を判断する構成になっているとよい。
【0080】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙が迂回経路44を通過している間に画像の良否を判断するため、用紙の先端が迂回経路44の後端部分に到達するまでの間に用紙の搬送先として出力部48又はパージトレイ49を選択することができる。
【0081】
(9)
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の搬送部40は、良否判断部31c(
図2参照)で不良と判断された画像が形成された用紙(不良品)をパージトレイ49に排出する構成になっているとよい。
【0082】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、良品と不良品とを確実に分けることができる。また、本実施形態に係る画像読取装置30は、不良品をパージトレイ49に集積して一度に廃棄することができる。
【0083】
(10)
図1に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30の搬送部40は、測色計52(第2読取部)で画像を測色したときに使用された用紙をパージトレイ49に排出する構成になっているとよい。
【0084】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、印刷途中で測色する場合にも、測色に用いた用紙と印刷物(画像形成物)とを混在させないようにすることができる。
【0085】
(11)
図4に示すように、本実施形態に係る画像読取装置30は、第2搬送部42に用紙m1を通紙して測色計52(第2読取部)で画像を測色している間に、第1搬送部41に用紙m2を通紙して、スキャナ部51(第1読取部)で取得された情報に基づく画像の調整を行う構成になっているとよい。なお、スキャナ部51(第1読取部)で取得された情報に基づく画像の調整とは、例えば、画像の形成位置調整、画像のサイズ(倍率)調整等である。
【0086】
このような本実施形態に係る画像読取装置30は、用紙m1を測色している間に他の調整を行うことができる。
【0087】
以上の通り、実施形態に係る画像読取装置30によれば、測色計52が迂回経路44上に配置されているため、用紙の搬送方向の機械サイズ(搬送方向長さ)を小型化(コンパクト化)することができる。
【0088】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0089】
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
【0090】
例えば、前記した実施形態では、用紙に形成される画像の調整を行う調整部31dが画像読取装置30の制御部31に設けられている。しかしながら、調整部31dは、画像形成装置20の制御部21に設けるようにしてもよい。
【0091】
また、例えば、前記した実施形態では、良否判断部31cで不良と判断された画像が形成された用紙を区別する区別手段が搬送路切替部47a,47bとして構成されている。しかしながら、区別手段は、他の形態で構成することができる。例えば、区別手段は、不良と判断された画像が形成された用紙に識別可能なマークを形成する識別マーク形成部(図示せず)として構成することができる。又は、区別手段は、不良と判断された画像が形成された用紙に切欠部(部分的な切断部分)を形成する切欠形成部(図示せず)として構成することができる。又は、区別手段は、不良と判断された画像が形成された用紙に付箋を貼り付ける付箋貼付部(図示せず)として構成することができる。
【符号の説明】
【0092】
10 給紙装置
20 画像形成装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 搬送部
25 画像形成部
26 定着部
30 画像読取装置
30a 入口
30b 出口
31 制御部
31a 搬送制御部
31b 読取制御部
31c 良否判断部
31d 調整部
32 記憶部
33 通信部
40 搬送部
41 第1搬送部
42 第2搬送部
43 用紙搬送路
44 迂回経路
44a 傾斜部(直線状の部位)
44b 水平部(直線状の部位)
45 パージ経路
46 搬送路切替部
47a,47b 搬送路切替部(区別手段)
48 出力部
49 パージトレイ
51 スキャナ部(第1読取部)
51a 第1スキャナ
51b 第2スキャナ
52 測色計(第2読取部)
100 画像形成システム
SP41 搬送速度
SP42 搬送速度
L30 機械サイズ
L30a 距離
Lm 長さ
Lr 距離
m,m1,m2 用紙
P43a 分岐箇所
P43b 接合箇所